当院の肩こりに対する鍼灸施術の特徴は、頸肩の筋緊張の緩和と同時に自律神経の状態を整えていくということです。
ストレス社会といわれる現代では、自律神経の状態も整えていかないことには肩こりの完本的な解決には至りません。それは、当院のコンセプトであり他院にはない施術となります。
もちろん頸肩の筋緊張の緩和(頸肩への施術)がメインの施術とはなりますが、お腹や手足のツボも用いて自律神経の状態も整えていきます。当院には多くの肩こりでお悩みの方がご来院されますが、多くは自律神経の状態も乱れた方々です。
自律神経の状態も整えて頸肩の筋緊張も緩和させることで長期的な施術効果や肩こりの根本解決に繋がっております。
問診時にあまりに自律神経の乱れがあると判断された場合には、自律神経測定器で自律神経の状態を測定して今の自律神経の状態を把握して施術していく場合もあります。またご希望であれば自律神経測定器で自律神経の状態を測定することも可能です。
問診時には、肩こりばかりでなく、体の様々なお悩みもご相談ください。
30代女性
仕事はデスクワークが主で仕事のある日は、平均10時間ほどはデスクワークをしており、仕事が終わる時間も夜の10時ごろと遅くまで仕事をやる日が多い。
肩こり症状は、慢性的で20代の頃から悩まされていて疲れが溜まった時などは、マッサージに行ってほぐしてもらってしのいでいたが、ここ最近はマッサージをしてもあまり効果が感じられずに肩こり以外にも後頭部や側頭部の頭痛を感じるようになり、症状がひどいと市販の頭痛薬を飲んで症状を抑えていた。
同じような症状で悩まされている同僚から鍼灸治療が効いたということを聞いて、鍼灸治療は初めて少し怖さもあったが少しでも症状が改善されればということでご来院されました。
鍼灸治療
触診したところ頸部及び肩部の筋緊張が強くそれに引っ張られるようにして肩甲骨内側も筋緊張が強い状態でした。メインはその筋肉の緊張緩和を目的に鍼灸施術を行っていきました。
また、仕事も遅くまで行っており、なかなか疲れが取れずに疲れが溜まりやすいということで自律神経の状態も測定して自律神経も整えるような施術をお腹や手足のツボを使って行っていきました。
経過
最近は毎日といっていいほど頭痛が起こり症状が強く出ていると感じたため、3~4日おきに4回ほど治療を行っていきました。
その間で頭痛はほとんど感じられなくなり、首肩の筋緊張もだいぶ緩和されてきました。触診すると表面の大きな筋肉の緩和は見られたもののまだ深部の筋肉が緩んでいない状態でした。
治療間隔を1週間に1回ほどに伸ばして5回ほど治療を受けて頂きました。自律神経の状態もだいぶ整っていき、身体の疲れもだいぶ取れてきた様子。
頸肩の深部の筋緊張も緩和されてきて肩こりも感じにくくなってきたが、仕事で無理をするとどうしても肩が気になる時もあるとのことで少しでも休憩時間を設けてもらい、首肩のストレッチで自己ケアも行ってもらうようにしていただきました。
肩こりとは、首肩の筋緊張から肩に違和感や痛みを感じて辛さを感じることです。症状が慢性化・進行してしまうと肩の奥深くの痛みや吐き気を伴なったり頭痛や眼の痛みなどといった症状も起きてしまいます。
肩こりは、デスクワークやスマートフォン操作などでの姿勢の悪さから日本人の多くが悩まされている国民病ともいえます。厚生労働省の調べによりますと、肩こりは日本人女性で身体の悩まされている部分1番目で日本人男性でも2番目になるとも結果が出ています。
しかし、肩こりはよく見られる症状だからといって放っておいてはいけません。処置が遅れると慢性的に肩こりに悩まされて症状が常態化してしまったり、また単なる肩こりとは違って内臓の状態の悪化が肩こり症状となって表面化している場合もあります。
肩こりの原因と言いましても様々なものがあります。稀ではありますが、その中でもとりわけ注意しなければならないのが内臓疾患からくる肩こりです。その他、姿勢の悪さからくるものや身体の冷え、精神的ストレスからくる肩こりは比較的よくみられる原因です。
姿勢の悪さからくる肩こり
肩こりの原因で最も多いのがこの姿勢の悪さからくる肩こりです。特にデスクワーク時には首は前傾して肩は丸まり、手は前に突き出した姿勢を取りがちです。すると背部から頸部にかけて背骨の生理的湾曲が損なわれて頭部の重さが肩や首にのしかかってしまい筋肉に負担が重くかかってしまうのです。筋肉に負担のかかる状態が長く続くと筋肉は緊張状態が続いて局所的な循環が悪くなります。肩こり症状でよく見られるのが僧帽筋や脊柱起立筋、肩甲挙筋、菱形筋などといわれる筋肉です。
僧帽筋
僧帽筋は背中の筋肉の中で一番表層部にある筋肉です。肩甲骨の動きに大きく関与しており、腕を持ち上げる運動など日常生活上でも非常によく使われる筋肉です。背部の広い範囲を覆っており、この筋肉が疲労してしまうと肩こりとして感じやすかったり、機能が低下してしまうと猫背などの姿勢も悪くなってしまいます。
脊柱起立筋
脊柱起立筋は、背骨に沿って走行する筋肉で棘筋と最長筋、腸肋筋の3つの筋肉で構成されています。機能としては上半身を起こした状態を維持する姿勢筋です。そのほか上半身を後ろにそらせる働きもあります。デスクワークなどで椅子に腰かけている状態が長く続いてしまうとこの脊柱起立筋が疲労してきます。すると背中の張り感を感じたり、連動して肩こりも感じやすくなってしまうのです。
肩甲挙筋
肩甲挙筋は、僧帽筋の下にある比較的深層にある筋肉です。首を左右に動かす際に働く筋肉で日常生活の動作でもよく使われており、疲労が起こりやすい筋肉の一つです。肩甲挙筋は深層にあるので疲労してコリとなってしまうと深いコリとなり、コリを取るのが難しくなる筋肉です。肩甲挙筋が原因による肩こりは、比較的よく見られ慢性的な頑固な肩こりの方のほとんどはこの肩甲挙筋が過緊張状態を起こしています。
菱形筋
菱形筋は、その名の通りひし形の形をしており、背骨と肩甲骨内側を繋ぐ筋肉で呼吸などで胸を開く際に収縮して肩甲骨を背骨に引き寄せる働きがあります。また、デスクワークでパソコン作業をしている時は、手が前に出て肩甲骨と背骨の位置関係は遠くなり、菱形筋は引き伸ばされた状態が続きます。その状態が長時間続いてしまいますと筋肉は傷付きやすくなってしまいます。
身体の冷えからくる肩こり
身体の冷えからも肩こりが起こることがあります。筋肉は冷えると緊張して縮こまってしまう性質があります。冷房など冷たい風が肩付近にあたると筋肉は緊張してその付近の循環は悪い状態となってしまいます。すると、そこの部分に疲労物質が溜まりやすくなってしまったり、栄養ある血液を筋肉に行き届かせづらくなってしまうことで肩こり症状が起きてしまいます。
首肩の疾患からくる肩こり
首肩の疾患からも肩こり症状を感じることがあります。
・五十肩
医学用語では、肩関節周囲炎といいます。文字通り肩関節周囲の靭帯や筋肉に何らかの原因によって炎症が起きてしまうことを言います。なぜ五十肩と言いますと五十代に多くあらわれるからです。その原因として筋力の低下や筋肉や靭帯の柔軟性の低下が挙げられます。柔軟性が欠けてしまいますと一定の部分に負荷がかかることでその部分が限界を超えてしまい炎症を起こしてしまうのです。五十肩のこわいところは、何か今日は肩が凝るなということでは終わらないことです。五十肩がひどくなってしまうと夜間痛といいまして夜中寝ているだけでも痛みによって眠りが妨げられたり、著しく肩の動かせる範囲が狭まってしまいます。完璧に治るまで1~2年もの要することも少なくありません。
・頚椎椎間板ヘルニア
頚椎椎間板ヘルニアの場合には、肩こりの他にも頸肩に痛みや腕や手の部分に痛みや痺れ、知覚鈍麻が起きることがあります。ヘルニアは一度椎間板から飛び出してしまった物質がすぐに吸収されてしまえば一過性の症状となりますが、多くの場合そうとはならずに慢性的な頸肩の痛みやコリに繋がりかねません。あまりに椎間板の間の物質の飛び出し程度がひどい場合には病院で手術を施されることもありますが、多くは保存療法で温熱療法や電気療法、けん引療法等が病院でも行われます。
内臓疾患からくる肩こり
関連痛と言いまして内臓とは別の場所で痛みを感じることがあり、肩の痛みやコリの病態として内臓疾患があらわれることがあります。
・狭心症や心筋梗塞
狭心症や心筋梗塞でも肩こりが起きる場合があります。しかし、その場合放散痛といって胸の痛みや背中、みぞおち上がりの痛みが出ます。肩こり以外にもそのような症状が出てしまった場合は即病院で検査を受ける必要があります。
・脳動脈瘤
脳動脈瘤で起きる肩こりの場合は、その他に頭痛や吐き気、目の奥の痛みや違和感、頭が重たく感じることやめまい症状が出ます。こちらもそれらの症状が肩こりと併発して起きている場合は、即病院で検査を受ける必要があります。
精神的ストレスからくる肩こり
精神的ストレスからくる肩こりもあります。それは、精神的ストレスにより自律神経が乱された場合に起こりやすいです。特に自律神経のうちの交感神経の活動が高まってしまっている状態が長く続いてしまうと血流が滞ってしまい疲労物質が溜まりやすくなってしまいます。また、筋肉は緊張した状態が続いてしまうことで筋肉のコリに繋がります。
肩こりを根本的に改善すると考えた場合、自律神経を整えることもとても重要となってくるのです。
50代女性
主にデスクワークで8時間ほどパソコン作業をしている。5~6年ほど前から首肩コリがひどくなってきて痛みも感じるようになってしまった。特に低気圧が近づいてきて雨の日は特に状態が悪くなることが多かった。
1年ほど前から特に肩こりの症状が強くなってきて、デスクワークをするのも辛さを感じてしまうほどに。
老眼による視力低下も出てきてデスクワークの姿勢も悪くなってしまってさらに肩こりを感じるようなってしまった。
当院での鍼灸施術
自律神経の状態を測定させていただいたところ自律神経のバランスも悪く、特に交感神経が亢進状態でした。
背中や首肩を触診したところ肩甲骨周囲の筋肉が異常に緊張しており、それが背部全体ましてや腰の筋肉の緊張にも繋がっていました。
全身的な自律神経のバランスを整える自律神経調整施術を行いつつ、メインは首肩背中・腰回りの筋緊張緩和の鍼灸施術を行います。
また、肩甲骨周囲の筋緊張が異常に強かったため手技療法で肩甲骨を動かしつつ肩甲骨周囲の筋緊張の緩和も行っていきました。
目の疲れも気なるとのことで眼科鍼灸施術コースで目の周りの施術もプラスして行っていきます。
経過
1回目の施術後、デスクワーク中の首肩のつらさが半減したとのこと。自律神経のバランスが整ったおかげか深い睡眠がその日はできて疲れが日常的にも取れやすくなったように感じたと嬉しいお言葉をいただきました。
目の方はあまり変化を感じられなかったため目の周囲も電気鍼治療を用いて刺激量を上げていきます。
施術回数を重ねるごとに体調が整っていき首肩のこりやつらさを感じにくくなっていきました。
今では、どうしても仕事で無理をしてしまったときや疲れがピークになった時など1か月に1回程度で鍼灸施術を受けられております。
いつも東京α鍼灸院をご利用いただき、誠にありがとうございます。お陰様で多くの方に支えられ、これまで以上に質の高いサービスを提供できるよう努力してまいりました。
誠に勝手ながら、経費の変動やサービス向上のための改善策を実施することとなり、院長清水の施術に限りまして料金改定をさせていただくことになりました。
改定後の主な料金は下記の通りです。
◆院長全身はりきゅう施術料金◆
6,900円 → 7,900円
◆院長眼科鍼灸施術及び耳鼻科鍼灸施術料金◆
7,900円 → 8,900円
◆院長美顔鍼灸及び全身ゆったり施術料金◆
9,900円 → 10,900円
◆回数券料金◆
今までと同様に5回券は8%オフ・10回券は10%オフ
新しい料金は2024年2月1日(木)から適用となります。
今回、院長清水の料金改定のみになります。他の施術者の施術料は変更ございません。
これからもより一層の満足度向上に向けて、心を込めた施術とサービスを提供してまいります。何かご質問やご不明点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
今後とも変わらぬご愛顧賜りますようお願い申し上げます。
予期不安に対する鍼灸の治療方針は、
「心(しん)の働きを整えること」と
「頸・背中のコリを解消させること」です。
「心(しん)の働きを整えること」
人の情動や精神活動を司る「心」は気が不足すると焦燥感や不安を起こしやすくなります。この状態は、電車や人混みなど発作の起きやすい場面を想像した際に発症する予期不安を誘発します。
そのため「心」の気の充足が重要になります。
また、「心」の働きを強めるのが「肝」の働きになります。「肝」は身体の気の巡りや自律神経系を司ります。
「心」と「肝」が充分に働くようお身体に合わせて手足にあるツボに鍼や灸をしていきます。
例)神門・太衝
「頸・背中のコリを解消させること」
頸・背中のコリは自律神経の交感神経が過剰に働いてしまう原因の一つです。また身体の状態と精神の状態はとても深く影響し合っています。そのため発作は抑えられていてもコリが残っていると予期不安が続いてしまう場合がみられます。
なので頸や背中の筋肉にあるコリに鍼をしていきます。
例)後頭下筋群・胸鎖乳突筋・僧帽筋・脊柱起立筋
東洋医学では、予期不安は「心」と深い関係にあると考えられます。五臓六腑の「心」とは精神活動や情動を司るとされ、「心」を病むと精神的な症状(不安・動悸・睡眠障害など)が現れます。また「心」は五臓六腑全ての活動を統率し、身体全体が正常に働くよう調和を計っている役割があります。つまり脳や内臓、神経、ホルモン、筋肉、血液全ての組織・器官の働きが適切に行われるためには「心」が正常に働き統率する必要があります。
「心」を補い、支えているのが「肝」になります。五臓六腑の「肝」とは身体の気の巡り(疎泄)や自律神経系を司っており、「心」の働きを補う役割も担っています。また「肝」は自律神経系に深く関わっているため、「肝」の働きが乱れると頭痛や息苦しさ、下痢、便秘、慢性的な首肩こり、疲労感などを引き起こします。
薬物療法
パニック発作や予期不安に対して、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)や三環系抗うつ薬、ベンゾジアゼピン系抗不安薬が用いられます。薬物療法のお薬の副作用として悪心やめまい、眠気、立ちくらみ、お薬の依存性が挙げられます。症状を抑えるのにとても有用なお薬ですが依存してしまう可能性がありますので、徐々に服用頻度を減らせるとよいです。
認知行動療法
普段なら難なくできる行動が予期不安でできなくなってしまっている状態に行います。できないことを挙げていき、一番簡単なことから少しずつ行い成功体験を積んでいきます。
予期不安とは、「〜をしたら、〜になってしまうのではないか」という明確な不安です。
一般的な例として、電車内でパニック発作を起こしていた方。この方は症状の軽快後に「電車に乗ったら、パニック発作が出てしまうのではないか」という予期不安が出ます。
このように予期不安が頻繁に起こるようになると、日常の行動一つ一つが行い辛くなります。「音楽ライブや映画館に行くことが怖い」はまだ行くのを控えればよいですが、「学校や仕事場に行くことが事が怖い」があると生活・人生に支障をきたします。
また「外に出る事」や「人に合う事」すら予期不安によって行えなくなる場合があります。このような症状があると日常の生活がとても困難になります。そして併せてうつ症状(気分の落ち込み・やる気が出ない)や自律神経失調症(寝れない・日中怠い・疲れやすい)などを併発することもあります。
他にも不安によって日常生活に支障をきたす不安神経症も存在します。こちらは漠然とした不安から急な動悸や発汗、めまい、呼吸困難を起こします。そのため発作の頻度によっては外出がしにくくなり普段通りに生活を送り辛くなります。
予期不安が出にくくするために出来るセルフケアをご紹介します。
首の後ろで後頭骨と首の筋肉が交わっているラインにコリがあります。このラインの中央にあるコリは瘂門と呼ばれる経穴のある部位です。またその両脇にもコリがあります。経穴は天柱や風池がある部位です。
この後頭部にあるコリは後頭下筋群と呼ばれる小さい筋肉の集まりにコリが出来ています。後頭下筋群は頭蓋骨を支えると同時に脳幹の中の自律神経の中枢(視床下部)に近い重要な筋肉群です。ここにコリがあることでめまいや不安、動悸などの自律神経症状が起きやすくなります。
仰向けに寝た状態で、このコリを母指でゆっくり押していきます。方向は後頭骨にコリを押し付けていきます。首の筋肉は脱力し、母指に頭の重さを感じながら行います。
次に浅い呼吸に対するセルフケアです。
重要な筋肉として、胸鎖乳突筋があります。
この筋肉にコリがあると呼吸が浅くなりやすくなります。
胸鎖乳突筋は耳の後ろの頭蓋骨から鎖骨に付着しています。耳の後ろにあるコリは後頭下筋群と同じように押していきます。鎖骨の方は上から指を引っ掛けるように少し食い込ませて圧迫していきます。このように胸鎖乳突筋の緊張を緩めることでコリを解消していきます。
うつ病は、しばしば『心の風』などと呼ばれるため、人間性の問題のように勘違いされますが、『心の弱さ』や『気持ちの問題』などで起こる病気ではありません。
うつ病は、脳内の神経伝達物質の機能異常によって起こる病気であり適切な治療が必要になります。
そのため、精神論や根性論といったものでどうにかなるものでもないのです。
人はうつ病になるとなにをしても楽しめないといった精神状態になり、一日中気分が強く落ち込み、食欲不振、不眠、疲れやすい、身体がだるいなどの身体症状が現れます。
ひどくなると日常生活にも支障をきたすため、治療が必要な病気で、気分障害のひとつになります。
うつ病のきっかけに最もなりやすいのは『環境要因』が深く関係しています。
家族や親しい人など大切な人の死や離別、仕事や財産、健康などの大切なものを失う事や、人間関係のトラブル、家庭内のトラブル、職場や家庭での変化などが要因となります。
また最近では、ペットが亡くなりペットロスからうつ病になるケースも少なくありません。
様々なストレスにより人は誰でも、『どうも気分がすぐれない、やる気ぐ起きない』などと言うことはありますが、そうした状態はほとんどの場合、時間の経過やちょっとしたきっかけで回復していきます。
ところがうつ病の場合は、憂うつな気分が長く続き、いつもイライラや不安を感じ、何をするにもやる気になれず、何もかもどうにでも良くなり、死んでしまいたいと考えるようになったりもします。
中年以降は、初老期から老年期にかけては『うつ病になりやすい因子』が増えてくる時期と言われています。
原因のひとつは体調の変化によるものです。つまり、さまざまな病気にかかりそれが慢性化しやすいといったことが考えられます。
年を重ねるごとに疲れやすくなったり、疲れがなかなか取れなかったり、また物忘れや物覚えが悪くなったりしますが、そうしたことが以前との違いを実感してしまい、高齢者のうつ病の引き金になります。実際に身体のあちらこちらに不調が生じるようになるのもこの時期です。
さらには、高齢者になると、仕事を退職したり、子どもの独立や配偶者や親しい人の死別などにより、より大きな喪失感に襲われることになり、こうした大きな悲しみや寂しさからうつ病になることもあります。
こうした高齢者のうつ病は、『老人性うつ病』と呼ばれます。
老人性うつ病の特徴は、多くの場合、生きがいや興味の消失、漠然とした不安感や焦燥感などが主な症状です。
また、これらの精神症状より、不眠(過眠も含む)や、食欲不振(過食も含む)、めまい、極度の疲労感などの身体症状を強く訴える場合もあります。
うつ病患者では脳内の神経伝達物質である、セロトニンやノルアドレナリンの量が減少し情報伝達がスムーズに行われていないことが分かっています。
つまり、うつ病は脳内の神経伝達物質の働きぐ悪くなっていることから起こる疾患と言うことになります。
また、高齢者に限らず、うつ病症状は朝や午前中に酷く現れ、午後から夕方にかけて改善していくことが多く見られます。
認知症の場合は、発症のきっかけとなる出来事が分かりづらく、気がついたら進行していたと行く事も少なくありません。それほどゆっくりと進行していき、初期症状としては、『性格の変化や記憶障害』が主症状となります。
一日のなかで調子の波は少なく、人によっては攻撃的になることもあります。
認知症の場合、記憶障害が目立つようになり周囲が気づくことも多いですが、老人性うつ病の場合でも記憶障害は起こることがあります。しかし大きな違いは、老人性うつ病の場合は記憶障害があることに自覚があり、自ら訴える事ができます。認知症の場合は、忘れているという自覚がなく、指摘されると取り繕ってカバーしようとする傾向にあります。
老人性のうつの治療は、薬物療法、精神療法、環境調整の3つを軸として治療を行います。
薬物療法
老人性うつに限らず、その人に合った抗うつ剤などが処方され経過をみます。しかし、高齢者の場合には他の服用中の薬との相性もあるため、人によっては他の治療法で進めていくことも多いです。
精神療法
医療従事者が行うカウンセリングを通して改善を目指す方法で、薬物療法と併用して行われることもあります。
カウンセリングの注意点としては、本人の訴えることを否定しない、励まさないなどです。人によって適した関わり方は異なるため、家族や周囲の人の接し方などについては、医師のアドバイスをもらった上で行うと安心です。
環境調整
1人でいる時間が多い場合や孤独感の中にいる方は「人との関わりの時間を増やす」「体を動かす機会を作る」「外出することで気持ちを外に向ける」など、他者や他のものとの関わりをつくることが大切です。
老人性うつ病の多くは心身にかかるストレスが原因と考えられています。
人はストレスを感じたり、過労が続くと、自律神経のバランスがくずれてしまい、自律神経の乱れから、倦怠感や動悸、不眠、めまいなど様々な症状が現れ、これらの症状はうつ病を悪化させてしまう要因にもなります。
そのため、当院では自律神経測定器を用いて自律神経の状態を測定して治療します。うつ病の方の場合、自律神経の状態もその日によってかなり変化していきます。自律神経測定でこまめに測定して、現在の自律神経の状態を把握する事は、うつ病治療においてとても重要です。
そして測定結果を元に、お一人お一人に合ったオーダーメイドの治療をします。また、東洋医学の治療法と自律神経療法を組み合わせることでより治療効果を高めることができます。
鍼灸治療は自律神経を整えるのにとても優れた治療法です。
自律神経を整える経穴やストレス解消の特効穴を用いて、脳内の伝達物質(ホルモン分泌)に働きかけるのと同時に、心身の負担を軽減させ、症状改善を目指します。
また、自律神経のバランスを整える事で身体の過緊張を緩和し、血行を促進して症状を改善し、再発や悪化を防ぎます。
老人性うつ病の症状でお悩みの方は、東京α鍼灸院へお越しください。
消化不良に対する鍼灸治療はWHO(世界保健機関)でもその有効性が認められている症状の一つです。消化不良の原因は多く挙げられますが、鍼灸治療を施すことにより東洋医学でいう五臓六腑の機能が整えられたり、自律神経のバランスが整えられることで消化不良の症状が軽減されることが期待できます。
東洋医学では五臓六腑の『脾』と『胃』が消化吸収に関する重要な臓器と言われています。
東洋医学での脾は、消化器系全般の消化吸収機能や栄養代謝、免疫維持機能などの役割を担っていると考えられています。消化吸収に関しましては、脾の『運化を主る』という機能が重要です。
運化を主るとは、飲食物を消化して消化された栄養物質や水分を脈中などに送り、門脈系やリンパ系を通じて全身に輸送することを指します。この一連の流れを脾と胃の働きによって遂行されています。
この脾の運化作用が低下してしまい、全身のエネルギーとなる気血の生成が不足してしまうと吸収能力や栄養の代謝能力までも低下して全身に気血を行き渡らせることができなくなってしまいます。
すると、四肢や肌肉にも影響が出てきて肌肉がやせたり、力が入らずに、その状態が長く続いてしまうと全身的な栄養不良の状態である『気血両虚』という状態を引き起こしやすくなります。
脾の運化を主る機能が弱って消化不良を起こす病態の多くは、『脾胃気虚』と『脾胃陽虚』という状態です。
当院の消化不良に対する鍼灸施術は、東洋医学的観点によりこの『脾胃気虚』と『脾胃陽虚』を正常な状態に戻す施術を行っていきます。
そのほか自律神経の状態も整えつつ、全身の巡りを活性化するような全身施術を行っていきます。
下肢への脾胃の重要なツボを用いて機能を正常化させる施術も行っていきます。
消化不良で食べ過ぎた後やお酒を飲みすぎた後に胸やけや吐き気、便通が悪くなるといった症状を経験したことがある人は多いかと思います。このような場合、単なる消化不良といって放っておくと深刻な病気に繋がってしまう危険性があり、注意が必要です。
消化を行う器官を消化管といい、口から食道・胃や腸を経て肛門に出る一本の体を貫く管です。人間は野菜や果物、魚や肉も食するため消化も複雑な構造をしており、消化管の他に唾液腺や肝臓・胆のう・膵臓が消化に関わっており、すべてを含めて消化器系と言われます。
まず、口に運ばれた食べ物は咀嚼運動によって小さく細かくかみ砕かれて嚥下運動を経て食道に運ばれます。この際にもすでに唾液腺から出る唾液により消化は始まっています。
次に食道から下りてきた食物は、胃の中に入ります。
食物が胃の中に入ると反射的に胃は動き始めて胃液を分泌します。胃液は、ペプシノゲンという消化酵素が含まれており、タンパク質をペプチドという物質に分解していきます。その他胃酸は、その強い酸性により食物についている菌を殺します。
胃の中である程度消化された食物は、腸に運ばれてさらに消化されていきます。小腸は、十二指腸→空腸→回腸へと続く靱帯の中で一番長い消化管で食物はそこで4~8時間かけて消化されていきます。
肝臓で生成された胆汁は十二指腸で分泌されて脂質の消化に深い関わりをもっていきます。また、すい臓で生成された膵液も小腸内で分泌されて酸性の強い胃液の中和や中性脂肪の分解や多糖類の分解を行っています。
最後に食物は大腸・直腸を経て肛門から体外へと排出されます。大腸では主に水分が吸収されて、柔らかかった食物も固められて固形の物に変化していきます。
このように口から運ばれた食物が様々な消化の過程を踏んで肛門から排出されますが、その中で臓器の何かしらの不具合が起きて消化不良となってしまうのです。消化不良は、消化の過程でうまく消化が行うことができずに食物から必要な栄養素や水分を吸収することができずに様々な体の不調を生じさせます。
消化不良の症状として主に
・胃痛
・胃の不快感
・腹部膨満感
・吐き気
・胸やけ
・腹痛
・下痢
・便秘
・げっぷ
などが挙げられます。
このような状態が続いてしまうと体は消化不良により、必要な栄養素や水分を体内に取り込むことができていないため、体力や免疫力は低下して重篤な疾患に繋がりかねません。
また、上記のような消化不良の症状が体にすでに重篤な疾患が隠れている際の場合もあります。
・急激な体重減少
・食物をうまく呑み込めない
・真っ黒い便や血便が出る
・嘔吐を頻繁に繰り返す
・めまい症状
・血圧の低下
・冷や汗が出る
などの症状を併発した場合はすぐに病院で検査を受ける必要がります。
消化不良は、多くの場合は一時的であったり、検査をしても原因の分からない機能性消化不良の場合が多いですが、そこに重い病気が隠れている場合もあります。
・胃潰瘍
胃潰瘍は一度は耳にしたころのある疾患かと思いますが、ストレスなどによる自律神経の乱れや免疫力の低下により、胃液で胃が傷ついて胃痛や吐き気を伴います。
・逆流性食道炎
胃の中で食物を消化・殺菌するはずの胃液が食道へ逆流してしまう症状です。胃液に含まれる胃酸はとても強い酸性で食道を傷つけてしまい炎症を起こします。食生活の乱れや日常生活での過度なストレスが原因とも言われており、胸やけや呑酸の症状を呈します。
・十二指腸潰瘍
十二指腸が傷ついて炎症を起こしている状態です。強い腹痛や食欲不振・吐き気・嘔吐・腹部膨満感が症状としてあらわれます。30~40代の男性に多く発症すると言われており、ピロリ菌や強いストレス・喫煙習慣などが原因となると言われています。
・胃炎
胃炎には急に発症する急性胃炎と長期間の炎症が伴う慢性胃炎とがあります。多くは食べ過ぎ・飲みすぎ・喫煙習慣などの生活習慣、過度な精神的・肉体的ストレスによる自律神経の乱れが原因とされています。食べ過ぎ飲みすぎの状態で胃酸が過度に分泌されてしまうために胃の粘膜は傷つきやすく、自律神経の乱れも胃酸過多の状態となりやすくなります。
症状としてみぞおち辺りの違和感や痛み、吐き気や下痢、胸やけや嘔吐など様々な体の不調が出ます。
・がん
消化不良は、大腸がんや胃がんなど重篤な疾患が隠れている場合もあります。急激な体重減少や血便などの便の異常が見られた場合はすぐに病院で検査を受けましょう。
自律神経と胃腸の働きはとても深い関係にあります。自律神経は自分の意識とは無関係に働き、主に内蔵の働きであったり、血流をつかさどっている神経です。これは、胃腸の働きに関しましても例外ではありません。胃腸も自分の意識で動かそうとしてもできません。自律神経には活動的な神経である交感神経と体を休めるリラックス神経である副交感神経とがあり、この交感神経と副交感神経とのバランスが重要となります。このバランスが崩れるとよく言われる自律神経が乱れとして体に様々な症状が出てきます。
胃腸の働きも自律神経が深く関わっており、交感神経が亢進すると胃腸の働きは低下して胃液や腸内の分泌液は減少して消化不良に陥りやすくなります。逆に副交感神経が亢進すると胃液の分泌が増えて胃腸の働きは活発になります。
しかし、副交感神経が亢進し過ぎても胃酸の量が増えて胃を傷つけたり、胃腸の働きが活発化し過ぎて下痢となる危険性があります。
胃腸の働きは自律神経である副交感神経の活動がとても重要ですが、あまりに副交感神経の働きが活発化してしまうと消化にとっても良くないのです。
しかし、現代のストレス社会では明らかに活動的な神経である交感神経が過亢進気味の方が多いです。交感神経は胃腸の働きを低下させて消化不良になりやすいです。
鍼灸治療は、自律神経を整える・主に交感神経の活動を抑制して副交感神経の活動を活発化させることが研究でもわかってきています。鍼灸治療は、この作用を利用して胃腸の働きを正常化するのにとても有効な治療法といえます。
40代女性
ここ1か月ほど胃の調子が悪く、食事後の胃もたれを強く感じる。
数時間してもなかなか消化されずお腹が全体的に重い。
食後にコーヒーを飲むのが好きだが、最近はコーヒーも飲めなくなってきた。
繁忙期のためゆっくり休むこともできずストレスもたまっている。
睡眠時間はだいたい4時間ほど。背中の胃の裏あたりの圧迫感も気になっている。
当院の治療
触診をおこなったところ、腹部と足の冷えが強く、腹部・背部の筋緊張も強くでていました。仕事のストレスや睡眠不足から自律神経が乱れ胃腸の働きが悪くなっているため、鍼灸で全身の調整を行うことにしました。
まずは仰向けで腹部と足に鍼と灸をほどこし、身体全体の血流が良くなるように促します。
次にうつ伏せで背部の筋緊張をゆるめ、胃の六ツ灸を行いました。
日常生活では、湯舟につかること、冷たいものや刺激物はさけること、油ものは控えて腹八分目を心がけることをアドバイスした。
◇1回目◇
胃もたれが軽減した。
背中が楽になり呼吸がしやすくなった。
◇2回目◇
徐々に良くなってきている。
まだ消化には時間がかかるが、前ほどのもたれ感はない。
仕事もひと段落し、ストレスも減少した。
◇3回目◇
胃もたれはほぼなし。
お菓子や油ものを食べると少し違和感があった。
◇4回目◇
良くなった。
鍼をはじめてから睡眠の質もあがったように感じる。
症例2
30代 女性
1ヶ月前から食後にみずおちに違和感が出るようになり、ここ数日は鈍痛や締め付けられるような痛みが気になるようになってきた。
食べても胃が固まって働きが悪く感じる。
元々ストレスがかかるとみずおちあたりがチクチク痛む事があり、自然に軽快するため今回の胃痛も放置していたが、悪化してきたため当院に来院した。
念のため病院で検査を受けたが特に異常がなく、機能性ディスプペシアと診断された。
当院の施術
問診、触診、自律神経測定器の結果を元に施術を進めていきました。
この方は、胃の痛みから背中の筋緊張が強くなってしまい、そのため胃の負担を増悪させている状態でした。
まずうつ伏せで背部の筋緊張緩和を目的に低周波電気鍼治療を行いました。
また、みずおち部分だけではなく、下腹部の強い張りがありました。詳しくお話を聞いてみると、胃の不調を感じ始めたあたりから便秘気味だったという事です。
胃に食べ物が入ると大腸の蠕動運動が起こり便を肛門まで運ぶ生理反応があります。
この方は胃の働きが低下しているため胃・大腸反射が充分に機能していない事で便秘を起こしていました。
仰向けでは自律神経の調節、腹部の張りに対する施術だけではなく、胃と大腸の反応点や経穴を組み合わせて胃腸を整えていきました。
経過
◇1回目◇
初回の施術では特に効果が得られなかった。
◇2回目◇
今回も胃の状態は変化がないが、良く眠れるようになり睡眠の質が変わったような自覚がある。
◇3回目◇
施術後胃の痛みが少し軽くなったが、また時間が経つと痛みはじめた。便秘の回数も以前より減少してきた。
◇4回目◇
食後の胃の痛みやむかつき感が軽くなってきた。
◇5回目◇
揚げ物やラーメン、辛い物を食べると胃の不快感はまだ出るが、それ以外の食事では気になる事が減ってきた。
◇6回目◇
ほとんど気になる事がなくなった。
食べる事への不安もなくなり、今では以前のように食事を楽しめるようになった。
これまで書いた通り消化不良だといって決して侮ってはいけません。消化不良を起こしてしまう原因の多くは食生活などの生活習慣にあり、それらを改善していかなければ重篤な疾患にかかってしまう危険性もあるのです。
・食生活の改善
まず、消化不良を起こしてしまう原因に食べ過ぎがあります。食べ過ぎてしまうと、胃や腸は消化が追い付かなくなってしまうため、消化しきれなかった食物が胃や腸に影響を与えて痛みや不快感、吐き気などの症状を起こしてしまいます。今は飽食の時代でしっかりと栄養を取れている方が多いので、食事は腹6~7分目を目安にお腹いっぱい食べないように心がけましょう。
咀嚼するときも意識的に回数を増やしましょう。咀嚼回数が増えると唾液が多く出るため、唾液に含まれるアミラーゼが消化を助けて消化しやすい状態で胃や腸の消化を助けてくれます。また咀嚼回数を増やすことで食事の時間が長くなり、満腹感を得やすくなります。
食事を摂る時間も重要です。特に寝る直前に食事を摂ってしまうと寝ていると胃や腸の働きは低下するため胃腸に長く食物が滞在して胃もたれなどの原因となってしまいます。
・運動習慣
適度な有酸素運動(ウォーキングや水泳など)をすると腸の働きが活発化して、消化の助けとなります。また、副交感神経の活動も活発化することで胃腸の働きやすい環境となります。
・ストレスを解消する
胃腸の働きは自律神経とくに副交感神経の活動が重要となります。常に緊張して体の力が抜けずリラックスできない状態が長く続いてしまうと交感神経の活動が高まり、胃腸の働きが鈍くなってしまいます。趣味の時間を持つ、十分な睡眠時間を確保するなどして副交感神経の活動を高めて自律神経のバランスを整えることで胃腸の働きは改善されやすくなります。
清水大地
資格
はり師
きゅう師
2008年
鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年
おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年
中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年
渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年
三軒茶屋α鍼灸院を開院
実際に現代医学で一般検査をしても原因がわかるのは6割程度です。
現在では生活習慣が妊娠と大きく関係していると見直されています。
ストレス回避や運動習慣など日常の健康管理が妊娠に繋がると考えられています。
鍼灸治療では
大まかに悪いところを治す!になります。
健康な身体であれば妊娠しやすいはずですので、鍼灸治療により身体のバランスを整えることが不妊治療にもなります。
女性に多い症状で
があります。これらの方は、骨盤内血流量が下がっています。
骨盤内血流量が直接妊娠に関係しているとはわかっていませんが、子宮血流が良くなると妊娠率も上がってるということはわかっています。
中リョウ穴が骨盤内血流量を上げることも知られています。
陰部神経に響くように仙骨側からアプローチすることが有効になります。
血管抵抗が下がり子宮血流が良くなります。
冷えに対するアプローチも大切です。
下半身の状態は女性ホルモンに影響しますので、冷えやむくみを改善する事も不妊治療になります。
下半身からの冷えた血流や緊張した筋肉が鼡径部に悪影響を与えるためです。
下半身の冷えの改善を目的に腎兪・三陰交に灸頭鍼を行います。
それと症状に合わせた経穴を使うことで、冷えを改善していきます。
男性側の不妊治療には、腎の気を高めてあげるのと生活習慣を改善してもらいます。
精液は食生活の影響を受けます。コンビニ弁当や偏った食事の方としっかりとした食事をとられている方では精子の運動率や数に大きな差がでるからです。
治療では、肩こりや腰痛などを中心に体の諸症状を治していくことで健康になっていってもらいます。
当然お酒は控えめにしていただき、禁煙してもらうのが一番です。
3か月間の治療を続けていくと効果がでてきやすいです。
鍼灸治療で体質改善後から影響を受け始めて、排卵するまでが六か月間になるからです。
思春期になり原始卵胞が順番にスタートラインに並び成熟を開始します。それから順番になって排卵までおよそ三カ月かかります。
今の卵子は三カ月前の生活や体調が関係してくることになります。
三か月前の状態をよくするためにもそこからさらに体質改善に三か月ほどみたいので、
一般的に半年を目安行います。
その他
健康食品などでは
排卵障害にはエストロゲン様作用を持つものを食べて、
黄体機能不全にはプロゲステロン様作用を持つものを食べると良いです。
エストロゲンには
プロゲステロンには
健康的な生活を送っていただけなければ、治療をしても意味がありません。
生活習慣の改善なくしてはその効果は半減します。
特に現代では運動不足、食生活の変化、ストレス、冷え、薬剤、高齢化など生活を見直すことは治療効果にも大きく影響します。
治療には女性も男性も同じぐらいの意識をもって治療を受けて頂けるのが理想です。
女性だけの問題ではなく、男性も原因を持っていることがあるためです。
男性側と女性側が取り組んでからの治療効果になります。全員で妊娠にアプローチしていくのが当院の治療方針です。
妊娠を試みて2年経っても妊娠しない状態と定義されています。避妊せずに一定の頻度性交渉を行った場合、一年で80%、2年で90%のカップルが妊娠するという統計があります。
その妊娠に至らなかった残り10%が何かが原因で妊娠に至らなかったと考えます。
一般的には女性側が取り上げられますが、原因としては、女性側、男性側、原因不明そして男女両方に原因がある場合に分かれます。
女性側の原因としては
男性側の原因としては
それ以外にも精子の運動率や数によるものもあります。
頻度は
となっており、これら3つが三大原因と言われます。
この原因は単独だけではなく重複していることもあります。
実際には女性と男性は同じ程度に原因があると言われています。
受精
受精は卵管の膨大部で起こります。
ここで射精された精子が卵子を待ち受けるのですが、精子の寿命は4~7日くらいになります。
排卵された卵子は寿命が1日しかありません。
精子と卵子が受精した後は細胞分裂を繰り返しながら子宮内腔に運ばれます。内腔に到達するのは、受精からだいたい5日目になります。
この間に子宮内膜は女性ホルモンの作用で着床環境を整えます。
内膜はいつでも着床できるわけではなく、着床できるのは数日間だけです。
このように非常に複雑なメカニズムが働いて妊娠します。
このメカニズムが正常に働いてくれるようにお助けするのが鍼灸治療です。
30代女性
過去に2回流産をしたことがあり、婦人科では多嚢胞性卵巣症候群の可能性が高いと言われていた。
生理周期もながく、ホルモンバランスも乱れていると診断を受けていました。
友人に鍼灸治療をすすめられて不妊症の鍼灸治療を試してみたいと当院にご来院されました。
仕事のストレスも過大にかかっており、中途覚醒や多汗症、のぼせや下肢の冷え症状など自律神経のバランスも乱れているような症状も多くみられたため初診時に自律神経の状態を測定してから施術を行っていきました。
足底の結果、交感神経の活動も高く、ストレス指数も高いような状態でしたので、全身的なバランス調整の施術や自律神経調整施術をしっかりと行っていき、三陰交や腎経・下腹部の経穴など婦人科で特に重要なツボを用いまして施術を行っていきました。
経過
婦人科にも並行して通院していただき、体温を測定してタイミング療法も同時に行っていきます。
仕事のストレスが多く、睡眠が浅く中途覚醒も一晩で2~3回あったのでまずはしっかりと睡眠のツボを刺激して眠れるような施術をメインに行っていきました。
次第と眠れるようになり、下肢の冷えや仙骨付近の冷えも目立ってきましたのでその個所に鍼やお灸を施すことで血流量を上げて冷え改善を行っていきました。
施術開始後4か月経過してタイミング療法で結果がなかなか出なかったため、体外受精に移行。
すると1か月後に妊娠確認が取れました。以前に流産経験があるため心拍確認がしっかりととれるまでは安心できないので、しっかりと気を抜かずに自律神経の状態を整えたりと鍼灸施術で体調管理を行っていきました。
その後心拍確認も取れて安定期に入ることができて体調管理のために鍼灸施術は1~2週間おきに受けておられます。
誠に勝手ながら、当院の年末年始の診療は、下記のとおりとさせて頂きます。
令和5年12月30日~令和6年1月3日まで休診
年内診療 12月29日金曜日まで
年始診療 1月4日木曜日から
本年はご愛顧頂き誠にありがとうございました。
来年もよろしくお願い申し上げます。
足底筋膜炎に対する当院の治療はまず第一に局所の抗炎症作用を促進させて、鎮痛効果を目的に施術していきます。
かかと付近のツボや痛みの強い部位に鍼をさして微電流を流すことにより痛みを感じる閾値を上げて痛みを感じにくくする作用を促します。
また、足底筋膜炎は、五臓六腑の「腎」と「肝」の不調に深く関係しているので、「腎」と「肝」に関するツボを用いてそれらの機能を正常に戻し、足底部の気血の流れを良くします。「風寒」や「湿」の邪気によって引き起こされる場合はそれらを体外に出す治療が必要になります。
足底筋膜炎は、オーバーユースによる負担のかけ過ぎやスポーツを行う前のストレッチ不足が原因の場合もあります。
当院では、日常生活動作での改善点をお伝えることも重要だと考えております。施術後、注意点の説明を行い、早期回復を目指します。
当院の足底筋膜炎の施術目的は、足底筋膜炎の回復程度を高めて、回復を速めることです。また西洋医学とは違う東洋医学の観点により少しでも足底筋膜炎が回復できる機会を提供します。
30代 男性
ランニングが趣味で週末は10㎞以上ランニングをしていた。平日も仕事が早く終わった時はランニングするなどして体を動かしていた。マラソン大会に出場を予定しており、当院にご来院される数日前からランニングの量を増やしていた。すると、足裏の痛みを感じるようになり整形外科を受診。足亭筋膜炎と診断され、湿布薬が処方されて足底を普段から伸ばすように指導されて実践していたが、痛みがあまりひかなかったため当院にご来院されました。
最初は、ランニング中だけ足底の痛みを感じていたが、日常生活で歩行する際にも少しずつ痛みを感じるようになってきたとのこと。仕事は主にデスクワークで座ったままあまり動かない。
当院の治療
足底筋膜の鎮痛目的で内踝の下から足底筋に向かい鍼をして通電療法を用いました。また炎症を早くひかせる目的で足底に直接灸を行いました。
腰部の筋の左右のバランスの乱れ・骨盤の傾きも見られたのでそれらも調整していきました。ご本人がどうしてもマラソン大会に出場したいとのことで短期的な集中治療を行いました。大会は2週間後で治療は2日に一度のペースで行っていきました。
◇1回目◇
治療後、日常生活の歩行ではあまり痛みを感じなくなった。朝や貯時間座った後の動き始めは少し違和感を感じる。
◇2回目◇
治療後、歩く分には痛みをまったく感じなかったので試しにランニングをしてみたら10分後に痛みを感じた。
◇3~5回目◇
炎症が取れ切れていない段階でランニングをするとまた炎症が悪化する可能性があるのでランニングは大会の直前まで避けていただき、治療に専念してもらった。
◇6回目◇
大会2日前に軽く走って見たが痛みが全く出なくなっていた。距離を伸ばしていくとまだまだ不安があるが、大会に出ることになった。
◇7回目◇
大会後、ご来院された。大会中はうそのように痛みが感じなかったが、無理をしたせいか終わった後に痛みを感じて歩いても痛みを感じる。しかし、アイシングをしたらだいぶ治まった。今は違和感程度とのこと。
◇8回目◇
その後少し間隔を空けてのご来院。ランニングも再開して少しずつ距離を伸ばしていっている。痛みは感じないが、ランニングが終わると違和感を感じることがある。
症例2
40代 女性
普段はデパートでの立ち仕事でヒールを履くことが多い。休みの日は、山でのハイキングが趣味で体を動かすことが好きだった。ある日、ハイキングへ出かけた帰りに足の裏が痛むような感覚があり、次の日になるとさらに痛みが増していた。
その日の仕事中も常に足裏に痛みを感じていて仕事にも影響が出ていた。次の日からも動き始める時や夕方疲れがたまった時などに足裏に痛みを感じるようになってしまった。整形外科を受診したところ足底筋膜炎と診断されてしまった。
治療
足の前面から筋緊張をとるような鍼灸施術を行い、次にうつ伏せとなり足裏とふくらはぎ辺りに通電療法を行いました。また、腰にも筋肉の張り感があったのでそれらも取るような施術をしていきました。
経過
◇1回目◇
治療後、すぐは痛みが引いたように感じたが、次の日痛みが戻ってしまった
◇2回目◇
今回も治療後痛みが軽減。次の日も少し痛みが引いたように感じた
◇3回目◇
仕事に集中しているとあまり痛みを感じない程度になってきた
◇4回目◇
足裏の痛み少なくなってきたとのことでハイキングに参加。ハイキング後、足裏に違和感を感じたが痛みまでにはならなかった
◇5回目◇
ほぼ痛みは消失。多少違和感が出る時あり
症例3
25歳 男性
1か月前フルマラソン完走後、左足裏に違和感が出て少しずつ踵付近の所に鈍痛が起こり始めた。今は歩くたびに痛みが走りランニングを中止している。
今までも足の裏が痛くなることはあったが、今回はなかなか改善しないため通院を決意した。
2年前にマラソンを始め、今では1日に15km、休日は30km走っている。練習すればするほど良い成績が得られるため、走るのが楽しくついついオーバーワーク気味になってしまう。左腓腹筋肉離れの既往歴あり。
当院の治療
まず、脚全体の筋肉の状態を確認していきました。
腓腹筋と足底の筋緊張の左右差が見られたため、できるだけ均等な重心に近づけるよう左右の筋肉のバランスを整えていきました。
また、患部の炎症を抑えるために痛みが強く出ているところに施灸、鎮痛を目的に鍼通電療法を行いました。
自然治癒力を高めるために自律神経調節治療も合わせて行い、少しでも早く競技復帰に向けて施術を継続していきました。
経過
◇1回目◇
施術後は少し痛みが軽減したが、その日のうちにまた痛み出す
◇2回目◇
前回から痛みが軽減してきた
長く歩くとまた痛みが強くなる
◇3回目◇
ランニングはまだ難しいが、歩行時での痛みが気にならなくなってきた
◇4回目◇
歩行時ではほとんど痛みがない
まだ完全な状態ではないので、大事をとってランニングでなはくエアロバイクで身体を動かしている
◇5回目◇
軽く走ってみたら痛みが軽くなっていた
◇6回目◇
症状が緩和しているため少し長めに走ってみたら、徐々に痛みが増してきたのでランニングを中止した
◇7回目◇
痛みが増してからすぐに施術を受けたため、悪化を防ぐ事ができた
◇8回目◇
ランニング、歩行と共に徐々に痛みが軽減
◇9回目◇
長時間走ってもほとんど気にならない
東洋医学で足底筋膜炎は、足底部の気血の運行がスムーズにいかずに気血が滞り、それが痛みやしびれの原因となると考えられています。
寒く風のあたる場所にいた際に「風寒の邪気」を受けた時や湿度の高い場所にいて「湿邪」を受けた時、慢性的な疲労が足底部の筋に蓄積した時に足底部の気血が滞ってしまうのです。
また、足底部は東洋医学の「腎経」という経絡が通っているため、「腎」の障害も起こりやすくなります。東洋医学の腎の障害の代表的なものとして全身の疲労感や膝・腰に力が入らない、耳鳴り、めまいなどがあります。
足底筋膜炎の場合それらの症状も出やすくなるので注意が必要です。
それに加えて東洋医学でいう「肝」の機能が弱ると全身的に血や体液が不足し、筋肉などの様々な器官に栄養を送ることができないため、「肝虚」の状態ですと、足底筋膜炎にかかりやすくなってしまいます。
「腎」と「肝」の関係は深いので「肝腎同源」とも言われており、「肝」と「腎」の症候が同時にあらわれることが多いです。
●肝血虚
肝血虚とは中医学でいう「肝」が血を貯蔵して必要に応じて供給・消費する機能と自律神経系の作用を通じて血管を収縮あるいは弛緩させ、体内各部の血流量を調整する機能が異常をおこして発症します。
足底筋膜炎とは、足の裏や踵から指の付け根にかけて伸びている足底筋という組織がスポーツや偏平足などにより過度に負担がかかり、炎症を起こして痛みを発症させてしまう疾患です。
主に足に負担が多くかかるランニングなどをする方に多く、スポーツ選手などにも多い症状の一つです。また、40代以上の方でスポーツをされる方にも多い症状で、年を重ねると足底筋膜が硬くなり、柔軟性がなくなることで亀裂が生じやすくなります。すると炎症が起こり、足の裏やかかとの部分に痛みが生じるのです。
足底筋膜は足の付け根からかかとまで伸びている膜で、足の裏に張っている腱組織です。足の甲の骨は、アーチ状になっていますが、足底筋膜はそのアーチの端を繋いで弦のように張っています。そうすることで、足の裏にかかる負担を軽減させているのです。
しかし、多くの負荷がかかっているためランニングやジャンプなどを繰り返すことによって負担が大きくなり、炎症が起きやすくなるのです。また、組織の弾力性がなくなることによっても炎症が起こりやすくなります。
足底筋膜炎は足の裏やかかとの痛みが主ですが、痛みの出方にも特徴があります。
・朝の動き初めに痛む
朝起きて動き始める時に足の裏・かかとに痛みが出ることが多いです。夜の間、動かさなかったり、座っている時間が多かったりすると足底筋膜は硬くなり、弾力性が失われます。その状態で一歩目を歩くと痛みが出やすくなります。
・歩行時・ランニング時に痛くなる
日常生活ではそれほど痛みが出ていなくても、運動時だけに痛みが出る場合があります。強い負荷がかかる時だけに痛みが誘発される場合もあります。
・横になっている状態でも足裏に痛み・痺れが出る
炎症が強い場合ですと、何もしなくて横になっている状態でも足裏に痛み・痺れが出ます。炎症が強いため、鼓動を打つように痛みが出たり、患部に熱感を持っていたりします。
・足の裏に違和感を感じる
痛みまでも行かないまでも足の裏・かかとに違和感を感じる方もいます。症状が進行すると痛みに変わる可能性があります。
・足底筋膜炎の原因
足底筋膜に炎症が起こり、痛み症状として現れる原因はいくつか考えられています。
・オーバーユースや疲労の蓄積による炎症
使い過ぎによる炎症です。ランニングやジャンプの動作をよくするスポーツをする方に多く、足裏への過度な負担に耐え切られず、足底筋膜に炎症を起こしてしまいます。
また足底筋の疲労が蓄積して筋膜の柔軟性が損なわれて炎症が起きる場合もあります。筋肉は疲労が蓄積すると硬くなり、柔軟性が低下します。柔軟性が低下した筋肉は、少しの力で傷つきやすくなってしまうのです。
・足底筋をあまり動かしていない
普段から運動習慣がなかったり、長時間立ち仕事をしている方が足底筋膜炎にかかってしまう原因で多いのが、足底筋をあまり動かしていないということです。
筋肉は伸ばしたり動かしたりしていないと段々と硬くなります。足底筋に関しても普段から使う機会少ないと硬くなってしまい、急に運動をした際に傷ついてしまうのです。
・偏平足
足裏のアーチがあまりないと、地面からの衝撃を吸収できずに足裏に多くの負荷がかかりやすいです。すると足裏の筋肉も疲労しやすいため足底筋膜炎にかかりやすくなってしまうのです。
・靴
ヒールの靴や靴が足に合っていない場合でも足裏に多くの負担がかかるため足底筋膜炎にかかってしまいやすくなります。
足底筋膜炎に対する治療は、急性期の場合まず患部を冷やして安静に保つことが重要です。局所の炎症が治まったら足湯などで温めて血流を良くしたり、軽くストレッチなどを行うなどして足底筋の柔軟性を戻していきます。筋肉の柔軟性を戻すことで足底筋膜への負担を軽減させる効果があります。
また、急性期の場合消炎鎮痛剤を内服したり、痛みどめの注射を痛みのある部分に打つ場合もあります。かかとの骨に骨棘というトゲができていて痛みの出ている場合は、そのトゲを除去する手術をする場合もあります。
帯状疱疹は、加齢や疲労、ウイルスなどによって免疫力が低下すると、背骨に近い神経に症状を出さない状態で潜んでいたウイルスが再び目覚めることにより発症します。
帯状疱疹の痛みは主に皮膚や神経が炎症を起こして生じる痛みですが、帯状疱疹後神経痛(PHN)は皮疹が治った後に起こり、神経自体への障害によって生じる痛みと考えられています。帯状疱疹自体が治ってから、半年たっても10%の前後の方は痛みが続くといわれています。
PHNの特徴的な皮膚感覚の異常とされるアロディニアは、本来は痛みの刺激とはならないような軽い接触によって痛みが生じるもので、皮膚に存在する痛みを感じる部分への刺激性が増しているなどの変化が起きていると考えられています。
50歳以上の帯状疱疹罹患者は、帯状疱疹後神経痛(PHN)に移行しやすく、加齢とともに移行率は高まることから、高齢者ほどPHNになりやすいと考えられています。
また、帯状疱疹を発症した時に皮膚の症状が重かったり、痛みがひどかったり、皮膚症状が現れる前から痛みが見られたりする場合や免疫機能が低下する疾患を持つ人はPHNになりやすいとされています。このような場合、感覚異常の程度は強く、広範囲に及び、アロディニアによる痛みも激しくなる傾向が見られます。
帯状疱疹の合併症の中で最も頻度の高い帯状疱疹後神経痛(PHN)の他にも、帯状疱疹の発症部位によって特徴的な合併症が生じることがあります。
帯状疱疹発症初期に鼻の周囲に皮膚症状が見られた場合には、高頻度で目の症状を伴いう合併症が生じます。角膜炎や結膜炎、ぶどう膜炎などがみられることがあり、視力低下や失明に至ることもあります。
顔面神経麻痺と耳の帯状疱疹を特徴とする「ラムゼイ・ハント症候群」と呼ばれる合併症が引き起こされると、めまいや耳鳴り、難聴などを生じることがあります。
帯状疱疹後神経痛(PHN)の症状や程度は人によって異なりますが「焼けるような」「ズキンズキンする」「刺すような」「鋭く引き裂くような」痛みが多いとされています。
他にもヒリヒリ、締め付けられる、電気が走ると表現されるような痛みを覚えることがあります。また、この症状が原因でうつ症状や不眠になることもあります。
皮膚感覚の異常が見られることもあり、ほとんどの場合、痛みのある皮膚の感覚は鈍くなります。睡眠や日常生活に支障をきたす場合もあります。また、軽く触れただけで痛みを感じるアロディニアが起こることもあり、「シャツが擦れて痛い」「痛くて顔が洗えない」などの日常生活への影響が出ることがあります。
帯状疱疹後神経痛は、帯状疱疹を発症した当初は正常だった神経線維がウイルスによって傷つけられた結果、神経の過剰な興奮や自発痛、痛みを抑制する経路の障害などが起こり、これが原因となって痛みやアロディニア(触れただけの刺激で痛みを感じる)などが生じると考えられています。
帯状疱疹後神経痛を診断するためには、帯状疱疹に関連した症状(神経領域に一致した神経症状や皮疹)を確認することが重要です。帯状疱疹ウイルスの再活性化と病気の発症が関連しているため、帯状疱疹早期の段階で血液検査を行い、IgМ抗体を測定することもあります。
帯状疱疹後神経痛の治療法は、神経障害性疼痛治療薬などによる薬物療法を中心に、神経ブロック療法、理学療法(運動やマッサージ)心理療法などを組み合わせて治療していきます。
東洋医学では、痛みの原因を不通則痛(通じざればすなわち痛む)」と不栄則痛(栄ざればすなわち痛む)と考えます。
つまり本来順調に流れているはずの「気」「血」「水」がストレスによる気滞(きたい)や気候風土の急変「外邪(がいじゃ)」によって、瘀血(おけつ)や痰濁(たんだく)が停滞すると「不通則痛」急性の痛みを生じ、老化や内臓の機能低下により気血自体が不足し、筋肉や関節組織などに栄養が行き渡らないと「不栄則痛」慢性的な痛みが生じます。
東洋医学で帯状疱疹後神経痛は病邪が皮膚深くに入り込んで経絡の流れを邪魔しているために起こった痛みと考えます。また、内因として肝胆の湿熱などがそのため、気血を巡らせること、筋肉の緊張をほぐしてその流れを良くすることが重要と考えられています。
神経痛は、上記の通りウイルスによって神経が傷ついた結果、神経の過剰な興奮や自発痛、痛みを抑制する経路の障害などが起こり、それが原因となって痛覚過敏が起こるとされています。
鍼灸治療はこの痛みを伝える神経に抑制的に働き、痛みの閾値(痛みを感じ取るライン)を上げ痛みを感じにくくする作用や、神経の過剰な興奮を抑え痛みを抑制する作用があります。
患部やその周囲に鍼やお灸で刺激を与え痛みを抑える作用を促します。また、筋緊張を除き、血流を良くすることで損傷した神経の回復を促します。
さらに、帯状疱疹を発症するということ自体、非常にストレスを感じていたり、疲れて免疫力が低下した状態であることの証でもあるので、局所治療だけでなく全身の治療を行い、自然治癒力を高めることも重要です。
そのため、当院では治療を始める前に自律神経測定器にて計測を行い、お身体の状態を把握したうえで、腹部や背部、腕や下肢などにある自律神経を整えるツボに施術を行い、免疫機能や内臓機能を整え、自然治癒力を高めることで症状が治癒しやすいお身体の状態へ整えていきます。
また、東洋医学的観点から気、血、水を巡らせるツボや瘀血を除くツボ、五臓六腑の肝胆、脾胃の機能を整えるツボなどを用いて施術を行います。
50代 男性
1年半ほど前に帯状疱疹を発症。右前頭部から後頭部にかけての痛みと、右眼の上あたりに発疹や強い痛みが出ていた。3か月ほどかけて帯状疱疹は治まってきて発疹も跡が少し残っているが帯状疱疹自体は治ったと診断を受けた。
しかし、それ以降も右の前頭部やおでこ、右眼内側や眉毛辺りにチクチクとした痛みや触れても感覚が鈍い感じが残ってしまった。
視界もたまに物が二重に見えてしまったり、まぶしさを感じやすい。
特にお酒を飲んだ翌日や仕事でストレスが多くかかったしまったときは症状が強く出てしまう。そういった時は薬もあまり見られないため、他の症状緩和法はないかと検索したところ当院にたどり着いた。
当院の鍼灸治療
まずは、うつ伏せ施術で首肩周りや背部兪穴を用いて五臓六腑の肝や腎の施術や自律神経の乱れなどを調整していきます。
また、後頭部の感覚鈍麻の箇所もあったのでその周囲に鍼をさして血行促進していき改善をはかります。
次に仰向けとなり、右眼周りからおでこ・右前頭部中心に鍼をさして電極をつないで鍼通電治療を用いていきました。そのほかにもお腹・手足のツボも用いて自律神経のバランスであったり、遠隔ツボを用いまして鎮痛効果のある施術も行っていきました。
◇1~3回目◇
鍼灸施術後もあまり症状の痛みは変わらず、おでこ周囲の違和感は少し治ってきたかもとのこと
◇4回目◇
4回目以降少しずつ痛みが改善してきたように感じる。最大の痛みが10だとしたときの評価スケール(VAS)で4回目施術後は8に下がり、少し改善がみられた
◇5回目◇
今まで物が二重に見えてしまう複視の症状が出ていたが、複視症状はほぼ完治してきた。
痛みも少しずつ改善傾向。視界のまぶしさを感じやすい状態は相変わらずある
◇6~8回目◇
8回目を終えるころには、痛みの評価スケール(VAS)は2~3程度に改善。チリチリと痛みというか違和感程度にまで改善。感覚鈍麻部分も正常に戻ってきた。
帯状疱疹後神経痛
半年ほど前に帯状疱疹を発症。右目上に発疹ができて痛みが強く出てしまった。痛みのため仕事もままならず睡眠が取れない日が続いていた。
ペインクリニックで、目薬と痛み止めの飲み薬を服用して徐々に回復。1か月ほどしてから痛みの程度は和らいでいったが、痛みが消失することはなかった。痛みの範囲は右目上から外側にかけて、首や後頭部にもズキンといった鋭い痛みが走ることもある。
3ヶ月ほど経過したころ仕事のストレスなどによって帯状疱疹後の神経痛がまた強く感じるようになってしまった。ペインクリニックを受診したところ漢方薬の処方のみだったため鍼灸治療も家族から効果があるのではないかと言われて施術を受けてみようとご来院された。
施術と経過
当院にご来院されたころ痛みの程度は、一番強い痛みの時を10(VAS)だとすると5〜6くらいの程度でした。右目周りと右のおでこや右前頭部は、近く感覚も鈍い状態で触れても左側と違う感覚とのことでした。
睡眠の状態も痛みなどから不安定で痛みで交感神経の状態が高ぶっている状態が自律神経測定の結果から割り出されました。
頸部や後頭部、右目上外側、右前頭部を中心に痛みや感覚鈍麻に効果的な鍼通電治療を用いて施術を行っていきまして、背中の背部兪穴や腹部のツボを用いて自律神経調整施術、手足の合谷や肝経など目の周囲に効果的とされるツボも用いまして施術を行っていきます。
鍼灸施術の頻度は、週に2回ほどのペースを3ヶ月ほど続けていただきました。
治療を開始後、徐々に痛みの程度は改善。VASは3〜4くらい。そこまでの回復は5回ほどの施術後に見られましたが、その後の症状改善の程度は遅くなっていき、治療後2ヶ月ほどでようやくズキンといった痛みが走る頻度やVAS2ほどになっていきました。感覚鈍麻もそのあたりから顕著に改善傾向が見られていき、あとは右目外側のちょうと発疹がでたところとおでこの一部分に感覚鈍麻が見られて狭くなっていきました。
施術開始3ヶ月後には、後頭部のズキンといった痛みや右目周囲の痛みは改善されて、感覚鈍麻も多少見られるが日常生活ではほぼ気にならない程度にまで回復しました。
手湿疹とは、外的な刺激やアレルゲンに触れることで手に生じる湿疹のことです。接触性皮膚炎の一種で、皮むけやひび割れ、紅斑や丘疹、水疱などさまざまな皮疹がみられるのが特徴です。
手湿疹は、慢性的な刺激が加わったり、長期間アレルゲンに触れることで慢性の接触性皮膚炎になり、痒みや炎症が続くことで、手の皮膚が肥厚して硬くなり苔癬化を生じます。
苔癬化する原因は主に、痒みからくる掻き壊しです。掻いた刺激により更にかゆみを増幅させてしまうため、また掻いてしまうという悪循環が起こり、慢性的に掻き壊しが続いた結果、象の皮膚のように固くごわごわした皮膚になってしまいます。
そして皮膚の一部は、炎症を伴う紅斑や丘疹などの急性の症状も現れるため、さまざまな皮疹の症状が混在した状態となります。
また、手湿疹は職業病としても頻度が高い症状です。
特に理容師、美容師、調理師、看護師、医療関係の方に多くみられます。これらの職種は、薬液や消毒液などに晒される機会も多く、手指消毒や手洗いなどの回数も多いため、このような外的刺激が発症の誘因であると考えられています。
手湿疹は女性に多いとされていますが、これは女性のほうがこれらの仕事の場以外にも家事などさまざまな刺激を受けやすいためです。このように、手湿疹は水仕事などの多い家事を行う主婦にも多くみられることから、主婦湿疹と呼ばれることもあります。
手湿疹の主な原因は、物理的・科学的な刺激、ストレスなど内的要因、アレルギー反応、アトピー性皮膚炎に分けられます。
【物理的・科学的な刺激】
手湿疹の約70%はこの物理的・科学的な刺激によるものが原因であると考えられています。
薬液や洗剤などの刺激が皮膚に直接ダメージを与え、手湿疹を引き起こします。主に、利き手の指先や爪まわりなどから皮疹が現れ、手全体に広がっていきます。
皮膚症状は、軽度な紅斑や乾燥からはじまり、長期的な刺激や短期間でも強い刺激が加わった場合には水疱を生じ、強い痒みを引き起こします。炎症が慢性化すると皮膚が乾燥した状態で肥厚し、指先などを中心に皮膚に亀裂がはいるようになります。
【ストレスなど内的要因によるもの】
過労やストレスなどにより手湿疹を引き起こします。
最初の症状が軽いものであっても、強いかゆみを伴うものであったり、精神的に強いストレスを感じてしまうことで、無意識のうちに手を掻きむしってしまう事があります。
その結果、手荒れを悪化させる原因となり手湿疹を悪化させてしまいます。
【アレルギーによるもの】
アレルゲンは、花粉やハウスダストよりも金属やゴム製品、洗剤、などの化学物質である事が多く、指先、指の間や側面など、アレルゲンが残りやすいところに症状が現れるのが特徴です。
また、ハウスダストやダニ、ペットなどによるタンパク質をメインとしたアレルゲンに触れた場合は、物理的・化学的刺激で生じる湿疹よりも重度なことが多く、即時型アレルギーによって蕁麻疹が現れます。通常、蕁麻疹はアレルゲンが除去されると数時間で自然に寛解するものですが、繰り返しアレルゲンに触れ蕁麻疹の発症を繰り返すことで、掻いた部分を中心に湿疹が生じます。
【アトピー性皮膚炎】
アトピー性皮膚炎では、皮膚のバリア機能が低下するため、水仕事などで荒れた手に炎症を起こしやすくなります。主に手の甲に広範囲、かつ重度な苔癬化を伴う紅斑や水疱、丘疹などが見られます。また、外的な刺激に弱く悪化しやすいのが特徴です。
★皮膚の表面にある角質の層は、皮脂膜に覆われています。 この皮脂膜は外から刺激物が侵入するのを防ぎ、水分を保つ“皮膚のバリア機能”を担っていますが、度重なる水仕事やアルコール消毒、摩擦や刺激によってバリア機能が低下し、角層のなかの水分が蒸発してしまいます。その為、乾燥しやすい季節には手指の保湿ケアが大切になってきます。
手湿疹に対する治療には主に外用薬と内服薬が用いられます。
外用薬は皮膚の炎症を抑えるためのステロイド軟膏や、皮膚を保湿するための保湿剤などが使用されます。
ステロイドの外用薬は皮膚の炎症を抑える効果がありますが根本から治す効果はなく、また漫然と使用を続けると皮膚が薄くなったり、細菌・真菌感染を起こしやすくなったりするので使用には医師の診断と注意が必要です。
また、アレルゲンが原因の手湿疹では、抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤などの内服治療が行われます。これらの内服薬は湿疹による痒みを改善する効果があり、皮膚を掻きむしることで起こる湿疹の悪化を防ぐこともできます。
また、手湿疹を治すには、原因となる外的な刺激やストレス、アレルゲンを避け、刺激を与えないようにすることが重要です。
東洋医学ではアレルギー症状の原因は、水分の代謝障害『水滞』または『水毒』と考えられています。
普段から冷たい飲食物を摂りすぎていたり、過労やストレス、または虚弱体質のなどが原因となり胃腸の働きが弱まり、消化吸収が低下すると飲食物がしっかりと吸収されずに体内にとどまってしまいます。
この余分な水分が浮腫みとなり、体の生理機能の低下を起こし、アレルギーを引き起こすのです。
また、アレルギー反応は免疫機能の異常とも考えられるため、免疫機能をつかさどる自律神経の乱れが原因で起きると考えられます。
自律神経はストレスや過労、温度差や不規則な生活などが主な原因となり乱れてしまいます。
当院には自律神経測定器があり、この測定器では交感神経と副交感神経のバランスや肉体的・精神的ストレスなども測る事ができます。測定結果を元に、お一人お一人に合ったオーダーメイドの治療をします。そして、東洋医学の治療法と自律神経療法を組み合わせることでより治療効果を高めることができます。
鍼灸治療は自律神経を整えるのにとても優れた治療法です。自律神経を整える経穴やストレス解消、アレルギーに対しての特効穴を用いて症状改善を目指します。また、痒みやひび割れによる痛みがある局所にも鍼とお灸を用いて症状の緩和を促します。
鍼灸治療で自然治癒力を高め、自律神経のバランスを整える事で心身の過緊張を緩和し、血行を促進して症状を改善し、症状の再発や悪化を防ぎます。
手湿疹の症状でお悩みの方は、東京α鍼灸院へお越しください。