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手首の痛みの鍼灸治療

土曜日, 7月 15th, 2023

手首が痛い場合に考えられる病気

 

手首の痛む原因疾患

 

 

・ドケルバン病(狭窄性腱鞘炎)

手首の親指側に痛みや腫れが出て、親指を動かしたり広げたりすると痛みが強くなります。親指の使い過ぎによって腱鞘(けんしょう)にストレスがかかり、炎症を起こすことで手首の親指側付近に強い痛みが出ます。

ドケルバン病の鍼灸治療について

 

・手首の腱鞘炎

手首には様々な腱が通っており、ドケルバン病以外にも様々な腱鞘炎が起こります。炎症が生じた腱に応じ、それぞれの部位に特定の動きで痛みが生じることが多いです。尺側手根屈筋腱腱鞘炎、尺側手根伸筋腱腱鞘炎、長母指伸筋腱腱鞘炎などがあります。仕事や家事での使い過ぎが原因のことが多く、難治性となることがあります。

 

・TFCC損傷(三角線維軟骨複合体損傷)

TFCCとは手首の小指側にある三角繊維軟骨複合体という靭帯や腱、軟骨などの軟部組織の事を言います。手を床について痛めたり、

症状として雑巾を絞れない、ペットボトルの蓋を開けられないなど手首を捻る動作で痛みが出現します。

 

・母指CM関節症

変形性関節症の一種で親指の付け根で手首に近い関節に痛みが出現します。親指を酷使するような動作を繰り返したり、年齢を重ねたりしてCM関節を構成する骨と骨の間にある関節軟骨が摩耗することで発症します。

安静にすれば痛みは治まりますが、進行すると安静にしていても痛みが生じ、関節が腫れる、変形するなどの症状が現れるようになります。

母指CM関節症の鍼灸治療について

 

・橈骨遠位端骨折

手をついて転倒した際、手首の橈骨という骨の端が骨折するものです。通常手首の強い痛みが生じます。骨のズレが少ない場合では、痛みが強くなく捻挫と勘違いしてしまうこともあります。

 

・ガングリオン

関節の周辺や腱鞘のある場所にできるコブ状の腫瘤(しゅりゅう)をガングリオンと呼びます。原因ははっきりとわかっておらず、症状は特にないことが多いですが、神経を圧迫すると痛みやしびれが出ることもあります。

 

・キーンベック病(月状骨無腐性壊死)

手関節に8個ある手根骨(しゅこんこつ)の一つで、手首のほぼ中央にある月状骨(げつじょうこつ)がつぶれて壊死を起こす病気です。原因は不明で、手をよく使う壮年期の男性に多く見られますが、特にケガをしたりぶつけたりといった覚えがなくても、発症すると手を動かした後に痛みが出たり、握力の低下、手首を反らす方向の動きが悪くなるといった症状が現れます。

 

・インターセクション症候群(腱交叉症候群)

親指を伸ばすための短母指伸筋と親指を外に開くための長母指外転筋と手首を反らす働きをする長橈側手根伸筋と短橈側手根伸筋とが手首より少し肘側で交叉している部分に起こる腱鞘炎です。

大工仕事や手作業の多いデスクワークを職業とする人や、野球やテニス、バイクの運転など手首を返す動作の多いスポーツを好まれる方などの集中的に手を酷使する30~50代の方の多く見られます。

症状は手首より4~6cm手前のところの痛みや腫脹、違和感などです。手首を反らす動作、親指でキーボードを打つ際の痛み、また痛い部分を触れて動かすとギシギシとこすれる感じがする場合もあります。

手首の痛み

症状

・指が曲げられない・開かない

・手首が張れる

・何もしなくてもズキズキ痛む

・物が握れない

 

などが挙げられます。

 

 

西洋医学的治療

検査・診断

身体所見、レントゲン検査、CT、MRI撮影、超音波検査などを必要に応じて行います。

治療

一般的に湿布、テーピング、服薬、痛み止めの注射、ブロック注射、ギプスによる安静、装具療法、マッサージ、アイシング、温熱療法、電気治療、手術療法などの対処を行います。

 

手首の痛みに対する東洋医学的考え方

 

東洋医学では関節痛は「痺症」として考えられます。

「痺症」とは身体の外から侵入した外邪(風邪、湿邪、寒邪、熱邪など)が筋肉、骨、関節に影響を与え疼痛や重だるさ、しびれ、腫れ、熱感などの症状として現れることをいいます。

手首の痛みは経絡的には大腸経、肺経、心包経、三焦経、心経、小腸経とたくさんの経絡が関係しています。

 

 

当院の鍼灸治療

 

筋疲労や筋肉の過緊張、萎縮により起こった関節痛では、血流促進や筋緊張緩和を目的として、原因となっている筋肉に鍼やお灸で刺激を与えます。また、状態によっては鍼に電気を流し、筋緊張を和らげる作用や鎮痛作用を促す場合があります。

痛みや腫れ、発赤等がみられる炎症部位に対しては、疼痛の軽減や抗炎症作用を目的とし、鍼に電気を流すことがあります。また関節の周囲のツボに鍼やお灸で刺激を与えることで炎症により増えすぎた関節液や組織液の吸収を促し、腫れを改善し疼痛を軽減させていきます。

 

手首に異常がある方は、姿勢の影響などで骨盤周囲、背中、首や肩関節周囲の筋緊張が強く出ていたり、関節のバランスが崩れ、その結果手首を安定させる筋肉の働きを低下させたり、手首の関節が痛くなるような不安定性を生じている場合がよくあります。

そのため当院では全身の調整施術も行い身体の歪みを整え、根本的な原因を取り除いていきます。

また、東洋医学的観点から気血の流れを改善するツボや、痛みや圧痛のある部位から異常のある経絡を判別し、その流れを整えるツボを選択します。

手首の痛みに対する鍼灸治療

 

末端冷え性の鍼灸治療

木曜日, 7月 13th, 2023

当院の末端冷え性の鍼灸治療

 

末端冷え性に対する当院の治療は、自律神経を整えさらに全身施術によって血流改善することで末端の冷えを改善していきます。当院では、自律神経測定器を用いて自律神経の状態を把握していきます。

それによってよりその方にあったオーダーメイドの施術を選択していきます。

また当院では、お腹に電子温灸器を用いて継続的に腹部・体幹を温めることができ体の冷えそのものも改善していきます。

電子温灸器使用例

末端冷え性のお腹へのお灸治療

 

 

鍼の施術に加えてお灸の施術にも力を入れています。肌の上に直接もぐさを置く直接灸や簡易的な間接灸、刺した鍼にもぐさを付けて温める灸頭鍼など様々なお灸の種類を用いてしっかりと身体と末端を温めていきます。

 

末端冷え性の灸頭鍼

 

末端冷え性の下肢へのお灸治療

末端冷え性の足への鍼灸治療

 

 

末端冷え性とは

 

末端冷え性とはその名の通り、手先や足先など身体の末端部に冷えを感じてしまう症状です。特に女性に多く20代以降年齢を重ねるごとに末端冷え性で悩まさせる方が増えると言われています。

末端冷え性は、周りに聞いてもよくあるものだからと対策を何もしないでいると末端冷え性が原因で様々な身体の異常も招いてしまう危険性もあるため注意が必要です。

 

冷え症

 

末端冷え性の症状

・手先や足先の末端の冷え

体温はそれほど低下していないのにもかかわらず、手先や足先が冷えてしまう状態です。手先や足先が冷えてしまう状態ですと、血管が収縮して血流が低下してしまうことで末端冷え性が起こります。比較的10代から30代の若い世代の女性に多く、ダイエット志向の強い方に多く見られます。食事量の減少や過度なダイエットにより筋肉量が減少してしまうことで筋肉が熱を生産するのですが、筋肉の熱の生産量が低下してしまうことで冷えとつながるのです。

さらに身体は、熱を体外に放出させまいと血管を収縮させます。血管の収縮は自律神経の交感神経の活動を活発させますが、それは末端には冷えを加速させてしまう悪循環になります。身体は、末端よりも体幹の体温低下を防ぐように働いてしまうのです。

 

・睡眠障害

末端冷え性となると、身体は体幹の熱を放散させまいと交感神経の活動を活発化させます。交感神経は、活動的な神経で仕事中や勉強中などには非常に有効な神経ですが、逆に休み中や睡眠時にはリラックス神経である副交感神経の活動が重要となってきます。
末端冷え性では副交感神経の活動が抑制されることが多いため寝つきが悪い、睡眠が浅くなってしまうなどの睡眠障害が起きてしまう可能性が高まります。

 睡眠障害の鍼灸治療について

・しもやけや末端のかゆみや発疹

あまりに末端の冷えが強い場合ですと、冷えによって手足先の血行障害が起きてしまいかゆみや痛みを伴う発疹や腫れが生じてしまいます。その他皮膚の乾燥による肌の亀裂やそれからの出血も起こってしまいます。

 

・月経痛や月経不順

末端冷え性などのひどい冷えや体温低下は自律神経の乱れとなり、女性の場合月経痛や月経不順につながってしまう可能性があります。

 月経不順の鍼灸治療

・血管障害

特に下肢に多いのですが、冷えると血管は収縮して動脈硬化に繋がりやすく血管壁の剥がれなどが原因で血管が詰まりやすくなってしまい閉塞性の動脈硬化となってしまう危険性が高まります。

 

 

末端冷え性の原因

末端冷え性の原因は、食事や運動などの生活習慣やストレス過多状態が深く関係していると考えられています。

・筋肉量の低下

筋肉は熱を生産するという役割があります。運動をすると体が暖まりますが、筋肉の働きによって熱が生産されているからなのです。特に過度なダイエットをしている女性に多いのですが、筋肉量が低下してしまうことで熱生産量が足りていない場合があります。また、一般的に女性は男性と比べると筋肉量がすくないので末端冷え性となってしまう危険性が高くなります。そこにダイエットが加わることで絶対的に筋肉量が低下してしまうのです。

その他、40代以降の運動習慣のない男性も注意が必要です。男性の場合でも年齢を重ねるとどうしても筋肉量が低下してきてしまいます。その他男性に多い喫煙習慣も血管を収縮させてしまうので末端冷え性原因となり得ます。

また筋肉には、心臓と同じように収縮弛緩を繰り返すことで間にある血管を刺激して血液を全身に送り届けるポンプ作用のような役割もあります。よって日々の運動不足は筋肉の動きが低下しているので本来のポンプ作用が出来ていないため末端にまで血流がうまく届いていない可能性もあります。

 

・偏った食生活

悪玉コレステロールの取り過ぎは、血液をドロドロ化させてしまい血流の悪化から末端の冷えとつながる危険性が高くなります。悪玉コレステロールの多い食事としては、脂身の多い肉やバター、動物性の脂があります。また体内の水分低下や血圧の低下も末端の血行不良に繋がります。

 

・過度なストレス

過度なストレスは、交感神経の働きを活発化させて体を戦闘モードへと導きます。交感神経は、血管や筋肉を収縮させてお仕事中などの活発的な時間では有効ですが、その状態が長時間続いてしまうと血管が収縮したまま血行が悪い状態が続く、末端の冷えが常態化してしまいます。

またストレスを感じると副腎からアドレナリンというホルモン物質が放出されますが、そのアドレナリンによって血液をドロドロかさせることがわかっています。

 

 

症例

 

40代 男性

半年前から手足末端の冷えが気になりだし、冷えが強すぎて夜眠りにつきにくい。

酷い時は手足だけではなく、体幹部からも冷えを感じる。

夏場や気温が高い日でも手足の冷えが常にあり、運動すると一時的に冷えは取れるが、また時間が経つと元に戻る。

神経質の為、少しのことで気になってしまい色々考え込む性格で、常に不安感がある。

仕事での精神的ストレスが強く感じ、自律神経の乱れも気になる。

デスクワークの為首肩コリが強く、常に身体が重だるい。

 

当院の施術

まず、自律神経測定器で現在のお身体の状態を確認しました。精神的ストレス、肉体的ストレスともに高く、交感神経と副交感神経が8対2の割り合いになっており自律神経が乱れていました。

 

触診をしたところ、手足の冷えに加え腹部の冷えも強く感じました。

腹部の張りもあり、お話によると便秘気味ということでした。

首肩や背中の筋緊張はかなり強く、少し触れただけでも力が自然と入る様子でした。

施術内容は、

①自律神経の調節

②首肩背部の筋緊張緩和

③手足の血流促進

④消化器の活動促進

以上を中心に行いました。

 

経過

◇1回目◇

施術中は緊張したけど、途中から慣れてきてリラックスできた。

◇2回目◇

冷えの効果はまだ感じられないが、施術した夜はよく眠れる。

◇3回目◇

施術後、手足がポカポカして暖かい。

夜もあまり冷えを感じにくくなってきた。

◇4回目◇

全身の筋緊張が緩まっている感じがする。

◇5回目◇

心身ともにリラックスしている。

◇6回目◇

気がついたら、最近冷えを感じることが無くなっていた。

◇7回目◇

とても体調がよく、冷えも感じない。

 

 

執筆者

清水大地

眼精疲労専門の鍼灸師

資格
はり師
きゅう師

2008年
鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年
おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年
中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年
渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年
三軒茶屋α鍼灸院を開院

肩こりと頭痛がつらい方へ

木曜日, 7月 6th, 2023

こんにちは。
院長の清水です。梅雨から夏にかけての食中毒に注意!

台風の季節が来ましたね。最近は突発的なゲリラ豪雨も多く、以前と比べても湿度が高いジメジメとして日が増えてきているように感じます。ジメジメと暑い日は苦手な方が多いかと思います。
しかし、私はそこまで嫌いではありません。気温が高くなってきて、夏を感じるとどこか気持ちがウキウキと高まります。雨の日は空気が澄んでいるように感じ、寝つきと朝の目覚めがいいように感じます。

ジメジメとしたこの季節は食中毒に注意です!

気温が高くジメジメする夏の時期に気を付けなければいけないのが、食中毒です‼気温が高くなってくるこの季節は、細菌やウィルスが繁殖しやすく、飲食店でよく集団食中毒が起きたと話題になりますが、家庭内でも気を付けなければなりません。

家庭内での食中毒は報道されることがまずなく、明るみに出ないため軽視しがちですが、料理を作る時などは細心の注が必要なのです‼
家庭でできる簡単な食中毒対策として

①しっかりと手洗いした後、手をアルコール消毒する

②ふきんやスポンジは使い終わったらしっかりと洗い、乾燥させる

③一週間に一度はふきんやスポンジを煮沸して殺菌する

④肉・魚・野菜でまな板と包丁は、使い分けて使用後は熱湯で殺菌する

当たり前のことかと思いますが、この季節は、こういったことを忘れずに行うことが重要です。

 

肩コリと頭痛でお悩みの方へ

肩こりと頭痛の症状二つでご来院される方が、とても多いです。
それは、肩の筋肉(僧帽筋・肩甲挙筋・板上筋など)の多くが後頭部に付いており、肩の筋肉が疲れて過緊張状態になると頭部にまで悪影響をもたらすからです。
また、肩こりといいましてもその他に出る症状によっては、怖い病気が潜んでいる場合もあり、病院で詳しく検査を受けないといけない場合もございます。

こういった場合は注意が必要です

①.特に首や肩をを動かしたわけではなく安静時に発症した肩こり・肩の痛み
⇒胆石や大動脈解離、くも膜下出血などの場合があります

②.安静にしていても肩の痛みが徐々に強くなってくる
⇒悪性腫瘍や線維筋痛症などの場合があります。

③.階段を上り下りするときにも肩が痛む
⇒狭心症や心筋梗塞などの場合があります。

④肩こりの他に上肢にしびれや麻痺の症状が出る
頸椎椎間板ヘルニアや胸郭出口症候群などの場合があります。

当院では、上記の症状が出ていた場合はすぐに病院の方で検査していただき、重い病気でないとわかった時点で施術させていただいております。当院の都合で無理な施術は致しませんのでご安心ください。
当院で施術している首肩の痛みは、

五十肩・四十肩
頚腕症候群
頚椎症
胸郭出口症候群
線維筋痛症     etc

などです。

肩こりと頭痛との関係

 

肩こりと頭痛の関係

 

肩こりと頭痛が併発して起こる原因としまして緊張性頭痛が挙げられます。緊張性頭痛とは、精神的または身体的ストレスによって頭を支える頸部や肩部の筋肉が過緊張状態に陥ってしまい、筋肉の伸縮性が損なわれて側頭部や後頭部などに締め付けられる痛みを発症します。

今は仕事でのパソコン作業時間の増加やスマートフォンの普及により特にうつむき姿勢を長時間することが多くなり、頸肩部に負担が多くかかってしまう方が多いです。そのような長時間の頸肩への負担により、緊張性頭痛をまねいている方がとても多いのです。そのような方の多くは首肩こりと後頭部や側頭部の頭痛を併発しています。

また抑うつ感や睡眠不足などの精神的ストレスによっても緊張性頭痛になるといわれています。

緊張性頭痛が慢性化してしまうと症状が数か月にわたる慢性緊張性頭痛となってしまう危険性もあります。そのような状態に陥ると痛みがさらに体にストレスとなり、自律神経が乱れることで血行不良で疲労物質が溜まりやすくなったり、さらなる筋肉のコリと原因となってしまうのです。

そうなる前に早期治療や生活習慣の改善が必要になります。パソコン作業やスマホ操作などの際のうつむき姿勢は長時間避けて休み時間の時はストレッチや温めたタオルを頸肩に巻いたりすることで筋緊張を緩和しましょう。

当院の施術

当院の肩こり・肩の痛みに対する施術は、肩ばかりでなく、自律神経のバランスを整えて体の全体調子を上げていくことが特徴です。
まずお腹から鍼灸で刺激することにより内臓の働きを活性化し、身体の治ろうとする自然治癒力を引き出します。よく患者さんに肩が痛いのにお腹から施術するのですかと聞かれますが、お腹から施術したほうが、痛み緩和の効果が引き出せます。

肩こり・肩の痛みの自律神経調整鍼灸

 

身体全体を診て施術して、自律神経を整えることで血液循環も改善されて肩部に溜まっている老廃物や発痛物質を流して痛みを軽減させます。

当院では、肩こりや肩の痛みに対する施術も積極的に行っており、なかなか改善されない頑固な肩こり肩の痛み五十肩でお困りの方はお気軽にご相談ください。

肩こり・肩の痛みに対する鍼灸治療

 

 

五十肩に対する鍼灸治療

 

症例

 

40代女性

 

以前から慢性的な肩こりに悩まされていたが、2週間前から肩と首に痛みが生じるようになった。それに伴って、頭痛が発生し夜も寝れないほどつらい。頭痛は後頭部から側頭部にかけての重い痛い感覚。ひどい場合では脈打つように痛みが出る場合もあるとのこと。

普段からパソコン作業が多く、視力も低下している。前かがみになって視線を下に向ける時間が長く姿勢が悪いこともご自身で自覚されている。

首が硬直しており左右に向けない状態。振り向く動作が出来ず、今は身体ごと向けている感じ。

 

 

 

当院の治療

首肩の痛みは筋肉の過緊張が原因とみて筋緊張の緩和を目的としたトリガーポイント治療、低周波鍼通電療法を行った。

首肩コリや頭痛の直接的な原因は姿勢の悪さで、眼精疲労による視力低下が直接的な原因とみて、眼と頭にも低周波鍼通電療法を行った。

 

 

 

治療経過

 

◇1回目◇

首肩の痛み、頭痛が軽減した。10段階で5くらいの感覚まで回復。

コリ感は少し残っているが、痛みはほとんど気にならない。

可動域も広がって首が動かしやすくなった。

 

 

◇2回目以降◇

段々と頭痛・首肩の症状が改善。仕事が忙しくなるとどうしても症状が出てきてしまうので1か月に1回程度メンテナンスとして施術を受けて頂いています。

 

40代女性

以前より頚肩こりを自覚しており、放っておくと頭痛が出現するようになる。頭痛が出現すると頭痛鎮痛剤を服用するがあまり効果は得られない。

仕事上、PCでの業務が多いのに加え、ストレスが多く、溜まってくると症状は増悪する。

 

当院の治療

頭板状筋や僧帽筋、菱形筋など頚から背中にかけての筋肉に緊張と圧痛がみられた為、まずは頚肩こりの症状を緩和するよう低周波鍼通電療法を行った。

仰向けでの治療ではストレスを緩和するような鍼とお灸の治療を行った。

 

治療経過

 

◇1回目◇

初診のうつ伏せの治療後、仰向けになってもらった際、すでに頭痛は消失。首肩こりも改善し、首がスムーズに動くようになった。

 

◇2回目以降◇

症状は改善傾向にあるが、仕事の忙しさやストレスに比例し、症状が出現してしまうので、2週間に1回程度、メンテナンスとして来療している。

 

50代女性

 

以前から慢性的な肩こりや頭痛に悩まされてきたが、1週間前から耐えきれないほどの頭痛が発症した。全体的に締め付けられるような痛みで、とくに側頭部が押されるような感覚がある。肩は痛みまではないが強いこり感を感じる。

仕事はデスクワークで1日8時間以上パソコンを使用している。仕事の合間にストレッチを行ってできるだけ筋肉を動かそうと心がけているが、パキパキ音がなり伸びているように感じない。

 

当院の施術

 

まずお体の状態を確認するために触診で筋肉の状態を入念に調べました。

この方は肩が巻き方で首もストレートネックになっていたため、首の強い筋緊張や肩甲骨の可動域の狭小が目立ちました。肩のこりは肩甲骨まで広がっており広範囲の筋緊張があります。

 

まず、うつぶせで背中、肩、肩甲骨周辺、首に刺鍼し、鍼通電療法を行いました。

筋肉の弛緩が確認できたら、仰向けになり頭部の筋緊張を緩和させるための鍼通電療法、自然治癒力向上を目的とした自律神経の調節も行いました。

 

治療経過

 

◇1回目◇

体がスッキリした。肩がとても軽くなった。

 

◇2回目◇

また仕事が忙しくなり、肩こりのつらさが出てきたが、頭痛は治まった。

◇3回目◇

肩こりは少し気になるが、以前ほどでもない。

頭痛は治まっている。

 

◇4回目◇

首や肩の柔軟性が出てきているような気がする。

ストレッチをしても、筋肉がスムーズに伸びやすくなっている。

 

◇5回目◇

よく眠れるようになっているため、以前のようなだるさはない。

肩こりもあまり気にならず、頭痛も今の所落ち着いている。

 

 

執筆者

清水大地

眼精疲労専門の鍼灸師

資格
はり師
きゅう師

2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む

2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立

2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院

2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院

2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院

後鼻漏(こうびろう)のはり治療

金曜日, 6月 23rd, 2023

【後鼻漏】

後鼻漏とは、鼻の奥の粘膜から分泌された粘液が、鼻の奥や喉の方に流れてしまい、鼻水や咳、痰の原因となる症状のことを指します。一般的にはアレルギーや鼻炎、副鼻腔炎、鼻ポリープなどが原因となるケースが多いです。

吐き気

【鼻水の役割】

鼻水の役割には主に「温湿化」「粘着作用」「防御機能」の3つがあります。

 

◯温湿化: 鼻水は鼻腔の粘膜上にある微小な毛状構造である繊毛によって運ばれます。この過程で、鼻水は鼻腔内の空気を加湿し、温める役割を果たします。これにより、呼吸する空気は体内に適切な湿度と温度で入ってきます。

 

◯粘着作用: 鼻水は微粒子や異物をキャッチし、粘着作用によって鼻腔内に捕らえます。これにより、鼻腔内の異物や細菌が呼吸器系に入り込むのを防ぎます。鼻水はまた、ウイルスや細菌などの病原体を排除するための防御メカニズムとしても機能します。

 

◯防御機能:鼻水には抗体や酵素が含まれており、これらは呼吸器系の感染症に対する防御機能を持っています。鼻水は病原体を中和し、排除するための役割を果たします。

 

後鼻漏の原因

先天的に後鼻漏になりやすい鼻の構造を持つ方もいますが、多くは鼻の中で起きている炎症により粘液が分泌されて起こります。

 

◯鼻の解剖学的な異常:鼻腔や副鼻腔の形態や機能の変化が後鼻漏を引き起こすことがあります。例えば、鼻中隔(鼻の仕切り)の偏位、鼻腔や副鼻腔のポリープ、鼻腔の狭窄などが原因となることがあります。

 

◯アレルギー性鼻炎:アレルギー反応による鼻粘膜の炎症が後鼻漏を引き起こすことがあります。アレルギー性鼻炎では、鼻腔の粘膜が腫れて鼻水や粘液の産生が増え、これが後鼻漏となることがあります。

 

◯副鼻腔炎(ふくびくうえん):鼻や副鼻腔の慢性的な炎症や感染が後鼻漏の原因となることがあります。鼻や副鼻腔の炎症によって鼻腔内の分泌物が増え、これが後鼻漏となることがあります。

 

◯上気道逆流(じょうきどうぎゃくりゅう):喉から胃への逆流(逆流性食道炎)が後鼻漏を引き起こすことがあります。胃酸や消化液が喉を通って鼻腔に逆流すると、後鼻漏の原因となることがあります。

 

◯上咽頭炎(じょういんとうえん):上咽頭(のどの奥の部分)の炎症を指す医学的な用語です。主な原因はウイルス感染や細菌感染で、炎症が上方に上がってくると鼻腔内の分泌物が増え後鼻漏の原因となることがあります。

 

後鼻漏の症状

◯喉の奥からの鼻水感:後鼻漏の典型的な症状として、喉の奥から鼻水や粘液が感じられることがあります。この感覚は、鼻の奥から鼻水が逆流しているために生じます。

 

◯喉の痛みや違和感:鼻水や粘液の逆流によって、喉の奥が刺激を受けるため、喉の痛みや違和感を感じることがあります。

 

◯咳:後鼻漏が喉に流れ込むことにより、咳が引き起こされることがあります。特に寝ている間や寝起きのときに咳が増えることが多いです。

 

◯口臭: 鼻水や粘液が喉に逆流することで、口臭が発生することがあります。これは鼻腔内の細菌や分泌物が喉に移動することによるものです。

 

◯味覚の変化: 後鼻漏が口腔内に逆流することにより、味覚の変化を感じることがあります。特に鼻水や粘液の味が口内に広がることがあります。

 

副交感神経が優位になることで鼻腔内の分泌液が増えます。そのため、寝る前・朝起きた時・リラックスしたい時ほど、咳や喉の異物感が増します。

 

また。症状が悪化すると、食べ物が美味しく感じなくなり食事が楽しくなくなる方や、口臭に悩む方もいます。

 

【後鼻漏の東洋医学的な考え】

洋医学で、主な後鼻漏の原因は「肺・脾の弱まり」と考えられます。

肺とは、呼吸器系の機能と体表面の分泌液(汗や鼻水)を司っている機能の事です。

また、脾は、身体の水分の運搬に関わっており、肺の機能を強めてくれる能力もあります。

これらの機能が弱くなることで後鼻漏の症状が見られやすくなります。

他にも以下の原因が考えられます。

 

気の滞りと湿邪:後鼻漏は体内の気の滞りや湿邪(湿気の異常な状態)によって引き起こされると考えられています。気の滞りは通常、ストレスや情緒的な要因、不規則な食事や生活習慣などによって引き起こされるとされています。湿邪は、外部からの湿気や内部の消化不良などによって体内に留まる湿気の状態を指します。

 

脾胃の不調:後鼻漏は脾胃の不調によるものとも考えられます。脾胃は消化・吸収の働きを担っており、消化不良や脾胃の弱さが湿邪の蓄積を引き起こし、後鼻漏を発生させる可能性があります。

 

気血の循環の乱れ:後鼻漏は気血の循環の乱れによるものとも考えられます。気血のスムーズな流れが阻害されると、鼻腔内の湿気や粘液が滞り、後鼻漏の症状が現れるとされています。

 

【後鼻漏のセルフケア】

ご自身でケアする際は、局所的(喉と鼻)と全身的があります。

 

◯喉と鼻のケア

・喉の保湿:喉の乾燥を防ぐために、こまめに水分を摂ることが重要です。水を十分に飲んだり、加湿器を使ったりして喉の乾燥を防ぎましょう。

 

・喉のうがい:温かい塩水やうがい薬を使って、喉をうがいすることで、鼻水や粘液を洗い流すことができます。

 

・鼻腔の洗浄:鼻腔洗浄(ネットポットや洗浄器具を使用)を行うことで、鼻腔内の余分な鼻水や粘液を除去することができます。

 

◯全身

・呼吸器機能の向上:持続的なランニング、階段昇降、胸郭のストレッチ。日常生活より負荷の高い運動を行いましょう。

 

緑内障の鍼灸治療

土曜日, 6月 17th, 2023

緑内障の鍼灸治療はWHO(世界保健機構)に適応疾患として定義されています。

WHOの適応疾患について←

①緑内障に対する当院の施術

当院の緑内障に対する施術は、第一に目の周辺のツボにハリやお灸の刺激をすることのより目の血行状態をよくします。緑内障は眼底の血流不足で発症するという報告もあり、眼底の血流改善の目的でも施術します。また必要の場合は、電気ハリも用います。緑内障では、眼圧の上昇は症状の進行につながるため眼圧を下げる効果のある経穴に鍼やお灸を用いて刺激していきます。当院の鍼灸施術で、眼圧が低下して安定して緑内障の視野欠損が改善または進行を防ぐことができた方が多くいらっしゃいます。

 

また緑内障を東洋医学的に見ますと五臓六腑の肝と腎が深く関係していると考えられていますので、肝や腎の特に重要なツボも用いてハリやお灸の刺激をしていきます。
東洋医学の特徴である全身を診て治療いくことにより、人間の本来持っている体を正常に戻そうとする自然治癒力を引き出します

緑内障の治療は西洋医学の目薬の治療だけでなく、東洋医学的治療を加えることで症状の改善・症状の進行を防ぐことができる可能性が高まります。病院と並行して鍼灸治療を受けることで相乗効果が生まれることが期待できます。

緑内障の鍼治療

緑内障の原因は眼圧が高くなることが一般的に知られていますが、日本人に一番多いのは、正常眼圧範囲でも緑内障を発症してしまう正常眼圧緑内障です。

緑内障のお灸治療

↑お灸治療も用いて血流の改善を図っていきます。

 

 

②緑内障についての東洋医学的考え

東洋医学では五臓六腑の肝は目に開竅するといわれており、目の疾患は肝機能の障害が深く影響していると考えられています。肝血が不足してしまうと視覚の異常や運動系の異常などがみられます。
また東洋医学では緑内障は瞳孔の疾患と考えられていて瞳は五臓六腑でいう腎に当てはまります。よって緑内障は肝が最も深く関係していますが、腎の疾患でもあります。また肝と腎は相互に依存しており、互いにとても深い関係にあります。

 

様々な研究で明らかになってきた緑内障の発症・進行を食い止める方法

 

緑内障を食い止める

 

緑内障の発症や進行には、眼圧や加齢、酸化ストレスなどさまざまな要因が複雑に絡み合って関与していると考えられています。

・強度近視の人

強度近視の方は、眼軸長が長く楕円形みたくなっている場合が多くただでさえ視神経が障害を受けやすくなっており、緑内障の発症リスクが高いと言われています。よってこれ以上近視が進みにくくするように日常生活で気を付ける必要があります。
スマートフォンやパソコンなどを長時間見ない・一定時間見たら必ず目の休憩時間を取るといったことが重要です。

 

・酸化ストレスをへらす、消去する

体内に取り込まれた酸素のうち数%は活性酸素に変わると言われています。活性酸素は増えて過ぎてしまうと正常な細胞や組織を傷つけてしまうリスク(酸化ストレス)があります。
緑内障の重症度と酸化ストレスを調べた研究では、緑内障が進行している人ほど酸化ストレスが多い傾向があるという結果が出ました。
比較的若い世代にもその傾向が強く、酸化ストレスをへらすことで緑内障の発症リスクや進行リスクを減少させる可能性があります。

酸化ストレスを増やしてしまう要因として、激しい運動や紫外線、精神的ストレス、喫煙習慣、睡眠不足が挙げられます。それらをなるべく控えるようにしてビタミンA/C/Eが豊富に含まれる果物や野菜を摂るようにしましょう。

 

・カロリー制限をすると緑内障の進行予防になる

マウスを使った実験でカロリー制限によって緑内障の進行が抑えられたという結果が出ています。
正常眼圧緑内障を引き起こすマウスに位一日おきに絶食をさせたマウスは、同じように正常眼圧緑内障が発症して通常の食事を摂らせたマウスに比べて視神経の変性が抑えられて見る機能が悪化しにくくなることがわかりました。カロリー制限をすることで活性酸素の発声を抑えることができ、酸化ストレスの軽減に役立ったのではないかと推測されています。

マウスと同じように一日おきの絶食はほかの弊害が起こる場合もありますので腹八分目に食事を抑えるなどして食事量を減らすことを心がけると酸化ストレスを抑えられて同様の効果が得られる可能性があります。

 

③緑内障の鍼灸治療症例

50代 女性
10年ほど前から緑内障を患っており、一番症状がひどい時は眼圧が24mmHg程と高かった。現在は眼圧が20mmHgと少し下がってはいるものの薬を点眼し続けているため副作用も出てきて本人としては薬を使わないようにしたいとのこと。小さい時から強度の近視で先天性の白内障や網膜剥離も患っており目の疾患は今までも多かった。
目の症状の他に首から肩甲間部にかけて硬く、つらい。睡眠の質が悪く朝すっきりとしないことや冷え性、下痢など自律神経症状もみられる。

 

当院の治療
目ばかりでなく、全身の症状を時間をかけてじっくりと問診した後、自律神経測定器で自律神経の状態を計測しました。
治療方針として
1.自律神経の調整
2.首肩の筋緊張の緩和
3.目の周りの筋緊張の緩和

この3点を重点的に行いました。
この患者さんの場合は鍼灸治療が久しぶりということもあり、最初は刺激量を抑えて鍼も細い鍼を使用し、鍼灸治療の刺激を徐々に体に慣らしていくように施術していきました。

 

治療経過
◇1回目◇
自律神経測定器の結果、交感神経が過亢進の状態でしたので、まず心地よい程度の熱さのお灸で体をリラックス状態に持っていき、副交感神経の活動を上げる施術を重点的に行った。

◇2回目◇
1回目の治療後体が温まった感じが続いて長年の手足の冷えが良くなったと感じたとのこと

◇3回目◇
手足は継続して温かいと感じる。目の状態はあまり変化が見られない

◇4回目◇
首や肩の症状がいくらか和らいできた

◇5回目◇
見えづらさなどの目の状態が少しずつ改善されてきた。

◇6回目◇
眼科で眼圧を測定したところ眼圧が14~15mmHgと下がっていた。このままの眼圧だと薬の量を将来的には減らしていけるとのこと。

 

症例2

40代 男性

 

◇症状◇

3年前ほど前にたまたま検査を行った際、眼圧が高いことが発覚した。正常眼圧が平均14、15ぐらいなのに対し、両目とも25であった。自分で生活面での改善を行った結果、19まで落ちていたが、このままの状態が続けば視野傷害が出現する恐れもあり、それを鍼灸治療で食い止めたいという思いから当院に来院した。目のかすみが若干あるが緑内障自体の症状はまだない。

 

◇当院の治療◇

まずは自律神経測定器にて現在の身体の状態を計測。自律神経の乱れもあり、血管の働きも低下していたので、自律神経調節の治療を行った。房水の排出を狙い目の周りにあるツボに刺鍼をし、そこに低周波を流した。デスクワークが多く目への血流の妨げになっていると考えられる首肩周りの緊張を取るため首肩、肩甲骨まわりにも刺鍼。

 

・1回目
施術後、目の疲れが軽くなったが、目のかすみがまだ目立つ。

・2回目
目の疲れがだいぶ取れてきた。かすみも薄くなってきた。

・3回目
眼科で精密検査を行ったところ、眼圧が19のままであった。

・4回目
かすみがさらにとれてきている。

・5回目
かすみが取れてきて、目も疲れにくくなってきた。

・6回目
再び検査を行った結果、眼圧が16まで下がっていた。

 

 

症例3

50代 男性

 

1年前にかすみやドライアイが気になり始め、半年前から視界が一部黒くなった事に気がついた。急いで病院で受診したら緑内障と診断された。

眼圧は当初、右眼が40、左目が20と右眼が特に異常に高い状態だった。

右眼の手術を受けて正常範囲内まで下がったが、また一時的に40まで上昇し、現在は両目25前後で落ち着いている。

正常範囲内まで眼圧を下げることを希望して来院した。

高眼圧の影響で常に頭痛に苦しめられている。

また、デスクワークやストレスの影響で首肩、背中の筋緊張が強く見られた。

 

当院の施術

 

まず、自律神経測定器でお身体の状態を確認しました。

運動習慣がなく、食生活も脂質が多いものを好むという事のためか、血管の弾力性が低下しており、血管年齢が20歳も実年齢を上回ってました。また、交感神経と副交感神経の割合が9:1とバランスがかなり乱れており血流低下、自然治癒力の低下など身体の機能が正常に活動していないことが予測されました。

 

施術内容としましては、自律神経調節治療、首肩、背中の筋緊張緩和、眼の周囲に刺鍼し低周波で刺激する鍼通電療法を行いました。この3つを組み合わせることにより、眼の血液循環が改善し、房水が排出されるようになります。

通院間隔は最初の1週間は1回~2回、眼圧が正常範囲内で安定してきたら、2週間~4週間に1回とメンテナンスとして通っていただいています。

 

経過

 

◇1回目◇

身体がリラックスできて、眼もスッキリした。

◇2回目◇

とても眠れるようになったが、忙しいと心身ともに疲労感が強くなる。

◇3回目◇

身体の疲労感が取れ

◇4回目~10回目◇

定期検査で右14、左13まで眼圧が低下していた。

◇11回目~15回目◇

視野狭窄の進行が止まっており、眼圧も前回の検査と同じ数値だった。

◇16回目~20回目◇

繁忙期や気温の急激な低下など複合的な要因があり、眼圧が右16、左15と少し上昇した。

◇21回目~25回目◇

また眼圧の低下がみられ、両目とも13で落ち着いている。

現在は月に1回の頻度で定期的に通院中。

 

 

④緑内障の日常生活での注意点

緑内障は症状が進行すると失明にまで至るとても怖い病気です。視野欠損や中心暗点の症状に気づいた時点で症状がかなり進行していることも多いので、普段の日常生活で日ごろから緑内障にならないように予防していく必要があるのです。
日常生活で緑内障を予防するために

・糖分を控える
糖分を過剰摂取すると血液中の糖分が増えて血液はドロドロ状態となりやすくなってしまいます。眼の血管は細かい血管が多く血液がドロドロ状態ですと詰まりやすくすぐに血行不良の状態へと陥りやすくなります。眼底の血流不足は緑内障の原因となるとも言われるため日常生活での糖分の過剰摂取は控える必要があります。

・アルコールを控える
過度なアルコール摂取は、眼圧を高くすると言われ緑内障の原因になる可能性があります。また東洋医学的に診ても目と肝は関係が深く、アルコールにより肝が痛めつけられて目の症状が出やすい状態となってしまいます。

・目の疲れを溜め込まない
普段、パソコン作業やスマートフォン操作で多くの時間を費やす方は特に目の休息を意識して目を休める時間を確保するように心がけましょう。近くのものを見るということは人間の目にとってはとても負担の大きいものとなります。作業に合間で遠くのものにボーっと視点を合わせるようにして目の筋肉を休息させましょう。

・適度な有酸素運動
有酸素運動は高まりすぎた交感神経の活動を抑制させて副交感神経の活動を高めるリラックス効果があります。すると、全身の血行は良くなり、緑内障の予防となります。

 

 

⑤緑内障とは

緑内障とは何らかの原因で視神経が障害されて視野が狭くなる疾患です。緑内障では一般的に自覚症状はほとんどなく、知らないうちに病気が進行していることが多くあります。視野障害の進行としてまず目の中心を少しずれた場所に暗点ができます。
実際にはその暗点は両目で見ることにより補われたり、目を動かすことにより気付かないことが多いようです。症状が進行してくると暗点は徐々に拡大していきます。視野はさらに狭くなって、ついには日常生活に支障をきたすようになり、さらに放置すると失明に至る場合も少なくありません。緑内障は糖尿病性網膜症を抜いて一番の失明の原因となっています。

 

※眼圧が低いと…
緑内障は眼圧が高くなってしまい眼球が視神経を圧迫してしまうことにより視神経細胞を傷つけて視野欠損や視力の低下を招く疾患です。では、逆に眼圧が低すぎる場合は、目に何か不具合を生じさせるのでしょうか。
眼球内の硝子体の中には房水と言われる液体が入っています。房水は毛様体で生成されて硝子体内に排出されます。硝子体内には欠陥が存在しないために房水は、硝子体内の一定の圧力によって循環することで栄養を運ぶ役割や眼球の形を保つ重要な役割があります。この圧力を保てないと房水の働きが十分にできなくなってしまったり眼球の形を正常に保つことが難しくなってしまうのです。もちろん眼圧が高くなってしまっても視力や視野に影響を与えてしまいますが低すぎてもダメなのです。
眼圧が低すぎる状態は、眼球の形を一定に保つことが難しくなるためピントを合わせずらくなってしまうのです。すると視力が低下するばかりでなく物が歪んで見えたり、ひどいと歩くこともままなくなり日常生活に大きな支障をきたしてしまうのです。
正常な眼圧の範囲は、一般的に10~20㎜Hgと言われており、眼圧が10㎜Hgを下回ってしまった場合注意が必要です。ちなみに眼球はまぶたを閉じれば自分でその硬さを知ることができます。眼球を抑え過ぎるのは目に良くないことですが、自分の眼球の硬さを知ることは病気の早期発見に役に立ちます。

目の構造

 

②緑内障の原因

緑内障は眼球における房水の流出路が障害されて起こると考えられています。目の中には血液のかわりとなって栄養などを運ぶ、房水とよばれる液体が流れています。
房水は毛様体で生成されてシュレム管から排出されます。隅角はその経路の一部であり、緑内障にとってとても重要な場所です。眼の形状は房水の圧力によって保たれていてこれを眼圧といいます。緑内障はその眼圧が上昇することによって視機能が障害される疾患でもあります。緑内障の種類は5つあります。

ⅰ)原発閉塞隅角緑内障
虹彩の根もとが前に押し出されて隅角が狭くなり、房水の流出が悪くなって緑内障が起こります。中高年の女性に多いとされています。急性型と慢性型があります。急性型は眼圧が急に上がった状態で眼痛とともに頭痛や吐き気、嘔吐などがしばしば合併しますので内科疾患と間違えられる場合があります。
他覚的所見として瞳孔は散大して結膜の充血も強くみられます。慢性型は症状が軽い時は、頭痛や眼のかすみ・軽い痛みがあります。重い時は急性型の症状が現れることもあります。

ⅱ)原発開放隅角緑内障
隅角は狭くないが、その機能が悪く、房水の流出が障害されるもので慢性に経過します。正常よりも眼圧がやや高い状態が続いて、そのため視神経が障害されて、次第に視野が狭くなって視力も低下していきます。
そして視神経までも委縮してついに失明に至る場合もあります。また頭痛・軽い眼痛や眼のかすみといった症状を訴えることもあります。

ⅲ)正常眼圧緑内障
眼圧は正常範囲(10~21mmHg)であるが、視神経が障害されて視野の狭窄が見られるものをいいます。緑内障は、眼圧が高くなることが原因だと知られていますが、実は日本人で一番多いのが、この正常眼圧緑内障です。
視神経の障害を起こさない眼圧には個人差があり、人によっては低い眼圧でも視神経障害を起こすことがあります。眼圧が正常であること以外は原発開放隅角緑内障と同じ症状が現れます。

ⅳ)続発緑内障
ぶどう膜炎・ステロイド薬の長期点眼・外傷・眼内腫瘍・網膜疾患などでも緑内障の症状が起こる場合があります。

ⅴ)先天緑内障
隅角の形成不全による房水の流出障害で起こります。角膜が混濁するほか、乳児の場合は眼球の伸展性あるため眼球全体が大きくなります。自覚的に羞明や混濁などの症状があります。

Ⅵ)薬の副作用
薬の副作用でも緑内障が起こることが知られています。特に抗精神薬や抗不安薬、睡眠導入剤において目の副作用として原発性閉塞隅角緑内障があります。日本緑内障学会が行った調査によりますと有病率は決して多くないとされていますが、緑内障の急性発作が起こる危険性があると示されています。また多くの精神疾患に関する薬には目に対する副作用があると報告されています。ムスカリン性アセチルコリン受容体遮断作用による調節障害により目のかすみ症状が起きることがあります。その他の精神疾患薬の副作用として首や顔・眼球の筋肉にゆっくり持続的な異常収縮が起こることがあります。目ではまれに眼球上の瞼のけいれんが起こることがあり、注意が必要です。

 

 

執筆者

清水大地

眼精疲労専門の鍼灸師

資格
はり師
きゅう師

2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好医院にて多くの臨床経験を積む

2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立

2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院

2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院

2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院

目の病気に効くツボ

金曜日, 6月 9th, 2023

目の疾患に効果的なツボ

目の疲れは頭後ろの後頭下筋群に現れます。この部分は頭と首の連結部で目の周りの疲労はこの部分にも影響を与えます。

ここが硬い人は目の疲労が蓄積されていることが多いです。
治療の際にはこの筋肉上にある「風池」「完骨」という経穴が目の疾患に良く効きます。

風池・完骨への鍼治療

この経穴に刺鍼すると目から脳に伝わる神経速度が上がったというデータがありますので
鍼による視力回復は期待できるということです。
疲労回復にも視力回復にも鍼灸治療は効果的であるということになります。

軽度の症状であれば数回の治療で効果が出てきますし、頑固で長期間の症状は数か月で効果が期待できます。

そのほか、腕にある『合谷』や『曲池』といったツボも目の症状に効果的とされています。

 

目の治療は専門的知識と経験によるものが治療効果にも大きく関係してきます。
目の専門治療であれば当院にお任せ下さい。

 

目の奥の痛みなどに対しても鍼治療は有効です!

 

目の奥が痛い。首の付け根が痛い。寝ても痛みが取れない。

このような症状で悩まれている方が多いです。

パソコン仕事やスマートフォンの増加が眼科疾患に大きく関係していると思います。

 

年齢も10代から高齢者までと幅広く、職種も学生からサラリーマンと不特定に多い症状になっています。

目で悩まれている方は、症状がでていても眼科や治療院に掛からずに放置される方が多いのですが、放置してしまったためにかえって症状が固定されてしまい、治りづらくなるのもあります。

そのうちの一つが眼精疲労です。

始めは目の疲れやドライアイなどの症状ですが、次第に症状が固定していき、寝ても回復しないどころか症状が悪化していくだけと悩まれる方が多いです。

 

白内障緑内障も初めは疲れ目から来ることが多く、現代のように目を酷使してしまう社会環境ならば治療院や自己ケアによって目を守っていく必要があると思います。

 

 

眼精疲労に変わる前に対処する事が大事です。

始めは疲れ目やドライアイなどからです。

この二つは目の疲労から来るものです。

 

目の疲労度は環境によって影響されます。

 

 

  • ・一日中オフィスでパソコンと向き合っている
  • ・読書が好きで、通勤電車や寝る前に長く読んでいる
  • ・強い光をよく見る職場
  • ・スマホやパソコンを長時間使っている
  • ・クーラーの風邪がよく当たって目が乾く

 

これらは目にとって悪環境になります。

まずは疲れ目から始まり、次第にドライアイに変化して眼精疲労となります。

 

眼精疲労は目の症状ばかりでなう身体の症状も伴います。

目の症状では、

  • ・目が疲れることや、
  • ・目が痛む
  • ・目が充血する、
  • ・しょぼしょぼする
  • ・目がゴロゴロする

かすんで見える、ぼやけて見える

 

身体の全身症状としては、

精神的な症状が現れることもあります

眼瞼けいれん 鍼灸治療

 

 

眼精疲労とはこれらの症状が固定してしまう状態です。

これからさらに症状が悪化さしていく可能性もありますので早めに対策や予防をされる

のがいいです。

 

 

目もすぐに病気にかかるというわけではなくサインをだしてきます。

 

目の病気だと思われるサイン

加齢性黄斑変性症

  • ・中心部がぼやける
  • ・視界がかすんで見える
  • ・視野が欠ける

などがあります。

加齢性黄斑変性は比較的男性に多い病気です。

年齢を重ねると誰でもなる可能性があるものです。

白内障

  • ・まぶしく感じたり
  • ・全体的にかすんで見える

白内障は加齢でなることが一番多いですがアトピー、遺伝、糖尿病からなるものもあり原因となるものが多いです。

飛蚊症

  • ・視野の中で虫が飛ぶように見える
  • ・ゴミが見える

飛蚊症は目の酷使、紫外線などの影響によりなることがあります。

痛みを伴わないので軽い症状と認識されないで、一度眼科を掛かられた方がいいです。

網膜剥離のような重いものにも繋がる可能性があるからです。

片頭痛

  • ・視野の中で電気を見た後みたいに光が残る

麦粒腫 霰粒腫

  • ・目やまぶたがかゆい、痛い
  •  ・まぶたが腫れている

鼻涙管 涙小管の異常

  • ・涙が止まらない

ウィルス性結膜炎、細菌性結膜炎、慢性類嚢炎

  • ・目ヤニが多く出る

 

目に負担をかけ過ぎない

上記のような症状が出た場合、一度眼科などで検診を受けてください。

またご自分でできる予防としてやはり目の負担を抑えることが大切です。

視力に関しては、ピント調整が眼精疲労に関係してきます。

目の水晶体は厚さを調節することでピントを合わせます。

この調節が上手くできなくなると近くのものや遠くのものが見えにくくなります。

 

ピント調節ができなくなるため

 

になります。

 

 

上記の四つはピント調節機能低下で起こります。

 

年齢を重ねると水晶体が弾力性を失って硬くなり、ピント調節が上手くできなくなる状態を老眼と言います。

これはほぼ全ての人がなっていきます。

30歳以降にピント調節機能が低下してくるので、40歳以上で見えにくくなってきた場合は、

老眼の可能性があります。

 

ピント調節が上手くできないで目を使い続けるのは、目の筋肉が酷使される状態になりますので、目の負担が大きいです。

そのため、目の負担からくる眼精疲労になりやすくなります。

 眼鏡やコンタクトレンズ選びにも注意!

自分の視力にあったコンタクトレンズや眼鏡を使うことで目の疲れや眼精疲労などが改善することもあります。

見えすぎることによっても過矯正でかえって視力が悪くなったり、目をつかれさせてしまいます。

自分に合ったコンタクトレンズや眼鏡を使用するのが一番いいです。

 

昔流行ったカラーコンタクトなどは昔に利用したことがあるのですが

数時間着けただけで目がぱさぱさになり後頭部の痛みが出たことを覚えています。

視力に関係ないカラーコンタクトなどはやはり控えていただいた方がいいです。

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症例

 

30代 男性

仕事ではパソコン、私生活ではスマートフォンをよく使用しているため、慢性的な眼精疲労に悩まされている。ここ最近では、ドライアイ、目の痙攣などの症状に加え、首肩コリ、頭痛も気になるようになってきた。

仕事は忙しく、休日も仕事をすることが多いため目を休める時間があまりない。睡眠時間も平均5~6時間と十分にとれている気がしない。運動は週1回ジムに行っている。

 

当院の施術

まず自律神経測定器でお身体の状態を確認しました。

血管の老化はまだ進んでおらず、血管年齢は実年齢と同じくらいで、自律神経の状態をみてみると交感神経の割合が副交感神経を大きく上回り、強い乱れを確認しました。

そのため自律神経の調節治療を加え、首肩コリや頭の筋緊張緩和、眼の周囲にある経穴に刺鍼し、低周波療法で血流改善を促しました。

 

治療間隔は1週間に1回~2回のペースで行いました。

 

経過

1回目

施術直後はとても目が楽になって、視界がクリアになった。

しかし、次の日はまた元に戻ってしまった。

 

2回目

よく眠れるようになり、目の疲れが取れてきた。

首肩コリも前より少し楽。

 

3回目

ここ数日非常に忙しく、また目の疲れがひどくなってきたが、施術後は症状が緩和し楽に感じる。

 

4回目

首肩や、頭が軽い。ドライアイも軽快している。

 

5回目

目の疲れが少ない。痙攣も気にならなくなってきた。

 

6回目

痙攣はほとんど治まった。眼精疲労もほとんど気にならない。

 

7回目

目の疲れが気にならないため、仕事に集中できる。

 

現在もメンテナンスのため通院中。

 

 

執筆者

清水大地

眼精疲労専門の鍼灸師

資格
はり師
きゅう師

2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好医院にて多くの臨床経験を積む

2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立

2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院

2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院

2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院

白内障の鍼灸治療

木曜日, 6月 8th, 2023

白内障の予防

老人性白内障の鍼灸治療はWHO(世界保健機構)に適応疾患として定義されています。

WHOの適応疾患について←

 

 

白内障に対する当院の鍼灸治療

当院の白内障に対する施術は、眼の周辺の経穴にハリやお灸をすることにより、眼の血行状態を良くして視機能の回復を促します。当院では、初期の老化による白内障・紫外線の活性酸素増加に伴う白内障を施術対象と考えております。目の周囲の血流改善により老化を防ぎ、活性酸素を排出することで白内障を予防する効果が期待できます。

白内障の鍼灸治療

また白内障は五臓六腑の「」と「」に深く関係しているので肝や腎に関する経穴を用いて「肝血」や「腎精」を補うことや肝気の巡りをよくします。
目の老化が原因で白内障が発生している場合、目ばかりでなく体全体が老化しています。当院では、東洋医学の診断法に基づき診断して、東洋医学の特徴である全身を診て調整施術致します。そうすることで、目ばかりでなく体の老化予防や体調改善に繋がります。

白内障の全身調整鍼灸

 

 

白内障の手術は、日帰りの手軽にできる手術の場合が多く、視力回復が期待できます。しかし、はり灸施術でも病状の初期や予防には対応できますのでぜひ一度ご相談ください。

 

 

白内障の東洋医学的考え

中医学では五臓六腑の肝は眼に開竅するといわれており、眼の疾患は肝の機能の障害が深く影響していると考えられていてその中でも「肝血」が不足した状態に陥ると視覚の異常運動系の異常などがみられます。

また中医学では肝と腎は同じ源にあるといわれており、「肝血」と「腎精」は互いに補い合っています。加齢により「腎精」が減少した状態だと「肝血」にも影響を与えると考えられます。それは白内障を引き起こす原因にもなります。

 

白内障とは

白内障はさまざまな原因で眼の水晶体という部分が濁る病気です。昔から俗に「しろそこひ」と呼ばれています。私たちが眼で見ている映像は、外から入ってきた光が角膜・水晶体や硝子体を通り抜けて網膜で集められた映像が電気信号に変わり視神経から脳へと伝えられ、はじめて物として見ることができるのです。
また物を見るために対象物にピントをあわせているのが毛様体です。毛様体には毛様体筋があって、この働きにより遠くの物を見るときには水晶体が薄くなり、近くの物を見るときは水晶体が厚くなります。その水晶体が様々な原因で濁って様々な症状の原因となります。
症状として

ⅰ)目がかすむ
一番多い症状で、ひどくなると前に人がいるのがわからなくなるまで進行します。

ⅱ)明るいところで眩しく感じる
光のあたる明るい場所に出るとまぶしくつらさを感じます。

ⅲ)物がだぶって見える
片目で見ていて、二重三重に物がだぶって見えます。(複視

ⅳ)視力が低下する
細かい字が読みにくくなって老眼と間違えやすいが、白内障の場合は老眼鏡をかけてもよく見えません。

ⅵ)近くが一時的に見えやすくなる
中心部の濁りが強くなることで近くが見えるようになるために老眼が一時的に良くなったように思われがちだが、やがて全体が見えにくくなります。

白内障の発症は45歳以上の中年世代に多く、年齢を重なるにつれて発症しやすくなります。また80歳以上の高齢者はほとんどなんらかの原因により白内障の症状を引き起こしています。進行の速さには個人差があって、目が見えづらくなるといった症状に至るとは限りません。

 

 

白内障の種類

白内障は老人性白内障・糖尿病による白内障・アトピー性皮膚炎による白内障・先天性白内障・紫外線や赤外線による白内障・薬の副作用による白内障などがあります。

ⅰ)老人性白内障
白内障でもっとも多い原因が加齢によるものです。年を取れば誰しも体力が落ちて身体機能が低下し、病気になりやすくなります。それと同じように白内障も眼の機能が低下して水晶体がだんだんと濁ってきます。進行のスピードは人それぞれですが、10年、20年かけてゆっくり進行していきます。

ⅱ)糖尿病による白内障
高血糖が長く続くことにより水晶体の成分に変化が起こって白内障が発症することがあります。早い人では30~40歳代から発症してたちまち進行していきます。また糖尿病による白内障の場合、白内障手術後に網膜剥離や緑内障を発症する可能性が高くなると言われています。

ⅲ)アトピー性皮膚炎による白内障
アトピー性皮膚炎の場合に眼瞼皮膚炎や顔に強い湿疹がある人は白内障になる可能性が高いと言われています。かゆみにより眼部をたたくことで白内障を発症する外傷説やステロイド投与による副作用だと考えられています。

ⅳ)先天性白内障
先天性白内障は遺伝であったり母親の胎内で風疹に感染したりすることで、先天的に白内障をもって生まれてきます。

ⅴ)紫外線や赤外線による白内障
活性酸素は本来、体の中の病原菌などを退治してくれる強い味方ですが、それが増え過ぎると自分の細胞までも攻撃してしまいます。外で紫外線を浴びることで活性酸素が発生して水晶体の中のたんぱく質を酸化させて白く濁らせ白内障となります。

 

 

白内障の一般的治療

初期の白内障は点眼薬で進行を遅らせることができる場合もありますが、濁った水晶体を戻すことはできません。進行した白内障に対しては濁った水晶体を手術で取り除き、眼内レンズを挿入する方法が一般的です。最近は手術により大多数の患者さんにとって視力を回復することができる安全な手術となりましたが、手術の合併症によって重篤な視力障害が生じる場合もあるようです。

 

白内障を予防する食事

白内障を予防するには、活性酸素を増やさないことが大事です。活性酸素は、体内に適度にあれば侵入してきた細菌などを破壊して身体を守ってくれる働きがあります。
しかし、体の中で活性酸素が増えすぎてしまうと細菌だけでなく自分の大事な細胞までも攻撃して破壊してしまうのです。また、活性酸素は身体を酸化させる(体を錆びさせる)恐れもあり、身体の老化を促進させてしまう可能性もあります。

目の観点から見ると紫外線を浴びることで眼球に活性酸素ができて、それが増えすぎてしまうと水晶体の白濁がおきてしまい白内障となってしまいます。体が健康な状態の時は、活性酸素を排除する働きで白内障になることを防ぐことができます。しかしそれらの働きが弱いと白内障となる確率が高くなります。白内障を予防するのに重要なことは食事です。

べ物の中でも活性化酸素を防ぐ食材があり、それらの食材をバランスよくとることが重要です。

 

 

  • ・緑黄色野菜を摂る
    ホウレンソウやブロッコリー、ニンジンなどに含まれるルテインは抗酸化作用があると言われています。

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  • ・赤ワインを飲む
    赤ワインに含まれる赤ワインポリフェノールは抗酸化作用があると言われています。

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  • ・ブルーベリーを摂る
    ブルーベリーに含まれるアントシアニンは、目の血流を改善し、新陳代謝を上げることが言われており、抗酸化作用が期待できます。

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白内障の鍼灸治療の症例

40代 女性

半年前に白内障と診断され、手術を勧められたが抵抗があるため他の治療方法はないかと探し当院を受診した。

半年前から少しずつ進行しており、不安になってきている。

症状はかすみや羞明、眼精疲労、ドライアイなどがあり、目の見えにくさから首肩コリ、頭痛が強く感じる。

仕事や人間関係のストレスから睡眠障害や不安感も見られるようになり、心療内科で神経症と診断され投薬治療を受けている。

仕事はデスクワークで1日10時間パソコンを使用し、それ以外でもスマートフォンを頻繁に見るため目はかなり酷使している様子。

当院の施術

まず、ストレスやお身体の緊張度合いから自律神経の乱れの可能性が高かったため、自律神経測定器で現在のお身体の状態を確認しました。

ストレスの度合いは非常に高く、交感神経が8、副交感神経が2という割り合いから自律神経の乱れがあることを判明しました。

まず全身の血流や自然治癒力の向上を目的に自律神経調節治療を行いました。

他に首肩の筋緊張の緩和、眼の周囲に刺鍼し低周波鍼療法で刺激していきました。

治療頻度は週に1~2回のペースで通っていただきました。

 

経過

1回目

初めての鍼で緊張されていたので、初回はソフトな刺激量で施術を行いました。

2回目

前回後、とてもよく眠れるようになった。

鍼も慣れてきた。

3回目

眼の状態はまだ変わりないが、肩首の緊張が緩和し、リラックスできる。

4回目

睡眠の質が向上してきた。

5回目

目の疲れやすさが以前より出にくくなってきた。

6回目

少しかすみが減少してきた。

7回目

視界が少しだけクリアになってきた。

首肩コリも緩和。

8回目

かすみが薄くなってきた。まぶしさも減少。

9回目

視界が広がり、視力が上がったように感じる。

10回目

まぶしさはほとんど気にならない。

11回目

かすみ、まぶしさともにほとんど気にならない。

現在もメンテナンスのため通院中。

 

執筆者

清水大地

眼精疲労専門の鍼灸師

資格
はり師
きゅう師

2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好医院にて多くの臨床経験を積む

2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立

2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院

2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院

2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院

扁桃炎の鍼灸治療

月曜日, 5月 29th, 2023

扁桃炎に対する当院の鍼灸治療

当院の扁桃炎に対する治療の目的は、第一に咽頭周辺解熱の特効経穴に鍼やお灸をすることで抗炎症作用を促します。

扁桃炎の鍼灸治療

症状の強い場合は刺した鍼に微電流を流すことにより鎮痛作用を促したり、少し強めのお灸で抗炎症作用を促します角膜の炎症をおさえる作用を促します。
また扁桃炎は五臓六腑の「」と「大腸」に深く関係しているので肺に関する経穴を用いて肺の機能を正常に戻るように促します。風熱の邪気によって引き起こされる場合はそれらを体外に出す治療が必要になります。それらのツボは背中に多くあるためうつ伏せとなっていただき、背部の治療も行っていきます。

 

扁桃炎の鍼治療

 

東洋医学の診断方法に基づき全身の調整治療も行っていきます。扁桃炎は、免疫機能の低下が原因の一つと考えられているので、全身の調整治療を行い自律神経のバランスを整えることで、免疫力を高めます。

当院では、施術前に自律神経測定器で今現在の体の状態を診極めてから施術致します。そうすることでより高い治療効果が期待できます。
当院の扁桃炎に対する施術目的は、まず炎症や痛みを抑え、慢性化することを防ぐことです。また、西洋医学とは違う東洋医学の観点により少しでも症状が軽くなり、慢性化しない機会を提供することです。

患者さんの仕事の質の向上や生活の質を高められるように治療はもちろんのこと生活上のアドバイスなども積極的に行っていきます。

 

 

扁桃炎の東洋医学的考え

 

扁桃炎は、東洋医学で主に五臓六腑の『』が障害された疾患と考えられています。

 

肺の機能として東洋医学では・・・
「気を主る」
呼吸によって外界の清気を吸入し、体内の濁気を排出して、気の交換をします。
また体内の気の生成に関与しています。

 

「宣散・粛降を主り、水道を通調する」
気と津液の両面に関与する機能であり、気と津液を全身の隅々まで行き渡らせて機能を発現させます。末梢の体液バランス・肺呼吸と皮膚呼吸の調節などに関与しています。

 

「皮毛を主り、鼻に開きょうする」
汗孔の開閉・汗の分泌・立毛筋の調節などを行っています。さらに病邪が侵入するのを防止して、もし侵入された場合抵抗し排除する重要な役割があります。

 

 

風熱犯肺・熱邪犯肺
上記のような肺の機能が熱邪(細菌やウィルス)の侵入により障害されて、機能が低下して扁桃炎が起こると考えられます。

 

 

肺と大腸は表裏関係
肺と大腸は、表裏関係にあり肺が侵されると、大腸にも影響受けやすくなり、腹痛や下痢・便秘なども引き起こしやすくなります。

 

扁桃炎の鍼灸治療症例

 

風邪が流行する時期となると扁桃腺が腫れて扁桃炎と診断されていました。ノドの違和感や微熱・軽度な頭痛などの症状が出ていました。

通常は抗生物質などを服用すると1週間以内に体調は回復していましたが、今回の扁桃炎は長く続いて体はそこまでつらくはないが長引く微熱と倦怠感・ノドの違和感を緩和したくてご来院されました。
病院で処方されたお薬を服用していますが、改善されていません。

 

 

経過

日々のストレスで免疫機能が低下してしまって扁桃炎となってしまっている可能性もありますので、初診時に自律神経測定器で自律神経を測定していきましてそれに見合った施術法や施術ツボを選別して施術を行っていきます。

1か月ほど週に1~2回ほどのペースで通院していただいておりました。

鍼灸を受けた後の期間では免疫力が向上したのか風邪や扁桃炎などの症状が出ることが少なくなったとのことです。

現在は症状も落ち着いておりますので、施術間隔も長くしていき、自律神経の状態や体のメンテナンスもかねて鍼灸治療を受けられております。

 

 

例2

 

20代 女性

 

1週間前に風邪を引いてしまい、熱は下がったがのどの痛みがなかなか引かないため、来院された。

扁桃腺を見てみると赤く腫れあがっており強い炎症を起こしているようであった。

体調を落とす前に、仕事の忙しさやプライベートでの人間関係による精神的ストレスが強く感じていた為か、自律神経の乱れも自覚がある。

 

当院の治療

まず第1に、喉周りや顎周りに刺鍼を行い、さらにお灸をして炎症を抑える施術を行った。

また、自律神経の乱れによる免疫力の低下が気になったので、自律神経測定器で体の状態をチェックしたところ、交感神経が過活動しており免疫力を働かせる副交感神経があまり活動していなかった。

そのため、副交感神経を高める施術や、東洋医学観点から扁桃腺炎に関わるツボにも刺鍼をし、全身的な体質改善の施術も行った。

治療間隔は1週間に2回のペース。

 

 

◇1回目◇

あまり大きな変化はないが、よく眠れるようになった。

 

◇2回目◇

少しのどの痛みが軽くなった。

 

◇3回目◇

まだ少し痛みがあるが、順調に改善している。

 

◇4回目◇

前回からは、変化なし。

 

◇5回目◇

ほとんど痛みがない。

 

症例3

30代 女性

 

3週間前に風邪を引いてしまい病院に受診した。症状は発熱、咳、鼻水、喉の痛みがあったが、喉の痛みだけが全く改善されず残ってしまった。

食べ物や飲み物を飲み込むと激痛が走り、食事が苦痛に感じる。

ここ最近仕事が忙しく、睡眠時間も短くなっておりあまり身体が休めていない状態が続いている。

 

当院の施術

 

喉の状態を確認したところ、扁桃腺がひどく腫れてしまい発赤が見られ、発声もままならない状態でした。

日頃のデスクワークに加え、咳が酷かったため首や背中の筋肉が強く緊張していました。

自律神経測定器でお体の状態を確認したところ、交感神経が優位で副交感神経があまり働いていない状態でした。

当院では自律神経の調節に合わせ、首肩背中の筋緊張を緩める施術、扁桃腺の炎症を抑える施術を行いました。

 

経過

 

1回目

少し楽になったような気がする。

施術の夜はゆっくり眠れる。

 

2回目

水を飲みこむ時の痛みが軽くなった。

 

3回目

朝は痛みが強いが、夕方以降は落ち着いてくる。

 

4回目

痛みが軽くなってきた。

食事や飲み物、唾液を飲むこと以外はあまり気にならない。

 

5回目

少し痛むがほとんど気にならない。

 

6回目

ほぼ痛みはない。

 

 

 

扁桃炎とは

扁桃炎とは、風邪や疲労などによって体の抵抗力が弱まった時に口腔内に潜んでいた常在菌(レンサ球菌・ぶどう球菌・肺炎球菌など)が口蓋扁桃を足場に増殖して炎症を引き起こす疾患です。

扁桃はアーモンドという意味で形がアーモンドに似ていることが由来です。扁桃は体内に侵入する微生物を最初に防御する免疫機能の役割を担っているといわれています。
特にあまり体の免疫機能が未発達の幼少期は、扁桃に免疫機能の大きな役割を担っているいますが、大人になってからその機能不明で扁桃を摘出しても免疫機能に弊害が起きることも少ないことから大した役割を担っていないとも考えられています。

症状としまして、悪寒を伴う発熱咽頭の激しい痛み倦怠感頭痛関節痛などがあります。また耳下腺や顎下腺などのリンパ節が腫れることもあり、痛みが側頭部や耳に広がることもあります。

扁桃炎は急性と慢性の疾患があります。

 

・急性扁桃炎
急激に悪寒を伴う高熱で発症し、激しい咽頭痛も起きます。急性扁桃炎は、炎症が周囲に波及して扁桃周囲炎となる場合もあります。
急性扁桃炎が治りかけたところで治療を怠り、悪化していく場合が多いようです。

 

・慢性扁桃炎
年に何回も扁桃炎が起きる場合を慢性扁桃炎といいます。扁桃のくぼみに細菌が蓄積されていき、風邪や過労、ストレスが誘因となってしばしば炎症を引き起こします。菌が常在されているためそれが原因で、関節リウマチや内臓の疾患に繋がることもあります。慢性扁桃炎は主に慢性単純扁桃炎・習慣性扁桃炎・扁桃病巣感染症の3つに分類されます。
慢性単純性扁桃炎は主に大人が発症するもので、能登の痛みや乾燥感、ノドの違和感を感じます。習慣性扁桃炎は子供に発症して高熱が出る急性扁桃炎を何回か繰り返します。扁桃病巣感染症は、扁桃部分の痛みは軽いものではありますが、リウマチや腎炎など関節や内臓にまでに炎症が広がることがあります。

 

頭痛 扁桃炎

 

 

 

扁桃炎の原因

扁桃炎は、常在菌(レンサ球菌・ぶどう球菌・肺炎球菌など)インフルエンザウィルスなどが原因となります。それらが、風邪や過労、過度なストレスなどにより体の免疫力が低下した時に増殖して炎症を起こします。
また子供の場合は扁桃で免疫機能の大きな役割を担っている部分が多く、扁桃炎に侵されると習慣化してしまう場合も多いです。

 

 

日常生活での注意点

扁桃炎は、免疫機能の低下や日常生活での不摂生が原因で起こる疾患なので、日々の生活を見直す必要があります。また一度扁桃炎にかかってしまうと慢性化しやすく、普段から予防することがとても重要です。
扁桃炎を予防する、慢性化することを防ぐためには、体の免疫力を高める・過労やストレスを避ける・喉を乾燥させないなどがあります。扁桃腺は、細菌やウィルスが体内へ侵入してきた時に最初に防いでくれる体の免疫にとってとても重要な器官です。ノドの乾燥は、菌を増殖させる危険性があるので、うがいやマスクでノドの乾燥を防いで菌を増殖させないことがポイントです。体の免疫力を高めるためには日々の食事に気を付けることや睡眠をしっかりと取ることです。また、過労やストレスは体の抵抗力や免疫力を低下させる危険性があります。扁桃炎になるということは体が弱っている証拠なのです。

 

・手洗い、うがいを欠かさない
・十分な睡眠をとる
・食事を三食きっちりと摂り、ビタミンCを多く摂る
・はちみつは殺菌力がある
・週に3~4日の運動習慣
・たばこを吸わない
・暴飲暴食をしない
・仕事や家庭でのストレスを溜め込まない

 

男性不妊

月曜日, 5月 29th, 2023

男性不妊の鍼灸治療

精子に関わるものと性交時に関わるものの両方ともにある精神的ストレスの緩和をさせます。勃起障害は自律神経の乱れが原因となる場合も多く、交感神経が過亢進状態にあります。自律神経を整えることで勃起しやすい体の状態にもっていきます。

男性不妊の鍼治療

 

男性不妊のお灸治療

骨盤内循環をよくするために骨盤内血流量を上げる経穴を選択するのと下半身の循環を改善します。

男性不妊のうつ伏せ鍼灸治療

東洋医学では腎精の不足が考えられます。腎精の作用は身体の成長や発育、生殖機能などに関わる機能を持ちますので腎を中心に施術します。

 

自律神経調整鍼灸治療

当院では、自律神経測定器で交感神経と副交感神経のバランスを調べられます。身体が不調になったときに一番頼りにするのは、自然治癒力です。

元々持っている力で治すことが根本治療に繋がります。自然治癒力は自律神経のバランスが鍵になります。自律神経が整っていると身体の循環がスムーズになり自然治癒力の向上に期待できます。

強いストレスや悪い生活習慣を過ごすと脳にある自律神経中枢が乱れて骨盤周りの血液循環を悪くします。
自律神経測定器で計測したデータを元にその方その方に合った治療法で施術します。

自律神経は一日で変化を起こすことが難しく反応がいい方でも数回はかかります。
治療間隔としては、初めの5回を4~5日に一度のペースで来院していただくと効果がでやすいです。
その後効果が出始めてから一週間に一度、二週間に一度と間隔を広げていき症状の改善をしていきます。

 

※自律神経測定器
自律神経測定器

 

 

 

男性不妊とは

 

不妊の原因は男女ともに原因の可能性があります。以前は、不妊の原因は女性側だけにあると考えられていましたが、現在では約半数は男性側にも原因があると言われています。

WHO(世界保健機構)による不妊症原因調査では、男性のみ24%、女性のみ41%、男女とも24%、原因不明は11%と報告されています。このことから男性におる不妊の原因は、48%もあると考えられます。

男性不妊の原因の一つに精子の数が関係します。この精子の数は世界各国の報告で毎年減少傾向にあると言われています。日本では過去30年間で10%の精子減少があると言われているため、これからも不妊に悩む夫婦が増えてくると考えられます。

このように男性側による不妊の原因が大きいにも関わらず男性の意識は自分に原因があるとは考えないことが多いため積極的に取り組まないようです。不妊は女性の問題という間違った考えがいまだ世間ではあります。

男性不妊

 

 

不妊症とは生殖年齢の男女が妊娠を希望し、二年間性生活を行っているのにもかかわらず妊娠しない場合を言います。二年間妊娠しない場合は不妊治療を考えた方がいいです。

不妊で悩まれている夫婦は相互理解と協力のうえで不妊治療に取り組むことが理想です。

 

 

男性不妊の原因

男性不妊の原因には、精子の異常・精子の通路障害・性交障害などにわけられます。

精子の異常

精子の異常には、乏精子症や無精子症、精子無力症があります。

・乏精子障害は射出された精液中の精子濃度が低い状態をいいます。自然妊娠を望むには、精子の数が4000万以上だと言われています。ただし2000万以上で正常だと決められています。WHO(世界保健機関)の基準では精子濃度や運動率、奇形率などを総合的にみて判断します。

乏精子障害は、原因不明なことが多いのですが、精索静脈瘤がみるかることがあります。この精索静脈瘤を治療することで正常になる人もいます。

 

・無精子症は、精液中に精子が見つからない状態をいいます。染色体異常を除いて、元々精子がつくられないものと精子は作られるが精子の通り道で精子が見つからなくなる二つがあります。閉塞性のものは手術をすることで通り道を再建することができます。非閉塞性のものは難しく薬物治療や外科的な治療になる場合もあります。

 

・精子無力症は、精子の運動状態が低下していることをいいます。ほとんどが先天的な原因だと言われています。後天的な原因としては、おたふくかぜによる精巣の炎症、前立腺炎、精索静脈瘤、膿精液症などがあります。

運動率は、正常な精子で7から8割以上が運動しますが、精子無力症では、重い場合1割以下しか運動していません。

 

精子の通路障害

精子の通路障害は、生まれつき尿道が細いと粘液である精液が通りにくくなります。それ以外には、結核菌や淋菌などに侵されて炎症が起こると狭くなり精液がでにくくなります。

 

 性交障害

性交障害には、早漏、遅漏や性器の形態などいろいろありますが、多くの場合は勃起障害によるものです。勃起障害は性交できる程度に勃起できことや勃起を維持できない状態をいいます。
原因には神経の損傷内分泌疾患精神的ストレスなどがあります。

・勃起障害は性交時に勃起が不十分や勃起を維持できないため挿入できないことを定義としています。

勃起障害は様々な原因があります。心理的な要因や加齢、生活習慣、神経系の障害、手術や外傷、病気などです。一部の薬剤により勃起障害を引き起こすこともあります。

死の四重奏である高血圧・高脂血症・糖尿病肥満などを持つと勃起障害になるリスクが高まります。勃起が性的刺激を受けて脳からの信号により神経を伝って陰茎に血液を送り込むため血管にかかわる要因は勃起障害になりやすいということです。

 

症例

 

30代 男性

 

ここ最近勃起が不十分になり性生活が困難な状態に悩まされている。

子供は現在1人で、2人目を希望しているため当院を受診した。

朝立ちは確認できるが、性交時は勃起が不十分なため性交が成立しない。

とくに睡眠不足や疲労が蓄積していると反応できない事や、途中で中折れすることも多い。

平均の睡眠時間は4~5時間程度。ストレスは感じやすい。

 

当院の施術

 

EDによる男性不妊はストレス、睡眠不足、慢性的な疲労が影響していきます。

睡眠時間の少なさ、お身体の筋緊張の強さなどから自律神経の乱れの可能性があったため、自律神経測定器でお身体の状態を確認しました。測定の結果、交感神経の割合が高く、逆に副交感神経の割合がかなり低い状態でした。

まずは自律神経調節、とくに勃起に関係する副交感神経の働きを促す施術を行いました。

また、足の冷えや臀部の筋緊張も強いため陰部の血流低下を引き起こしていると考え、冷えや筋緊張を改善し血流促進で勃起を促す施術も行いました。

 

1回目

よく眠れるようになったが、勃起は変わらず。

 

2回目

慢性的な疲労感が抜けてきた。

 

3回目

少し勃起力が強くなってきた。

 

4回目

まだ途中で中折れするが、立ちやすくなってきた。

 

5回目

以前より勃起が長持ちするようになり、反応も良い。

 

無事、2人目の妊娠に成功したというご報告を受けました。

 

視力回復の鍼灸治療

月曜日, 5月 29th, 2023

視力低下の原因

視力低下の原因には、様々なものがあり特に急激な視力低下には隠れた病気が発見される場合もあります。主に視力低下が疑われる疾患としまして

黄斑変性症
近視
乱視
老眼
緑内障
白内障
網膜色素変性症
ぶどう膜炎
中心性網膜症
シェーグレン症候群
・糖尿病

などが挙げられます。特に急激な視力低下が見られた場合、すぐに処置が必要な場合もございますので、一度眼科の方で診断を受けてください。

視力回復の鍼灸治療の臨床研究

 

鍼刺激によって視力が向上するという研究結果は様々な論文で報告されています。

白内障手術を行った患者30例を対象として、合谷・太陽・上せいめいというツボに鍼刺激を行った結果、裸眼視力および矯正視力に有意な視力向上が認められたという報告や屈折異常意外に特別な疾患を持たずに日頃から疲れ目を感じている被験者を対象として合谷・太陽・攅竹に鍼刺激を行った結果、鍼刺激を行ったグループに有意な裸眼視力の向上または被験者が普段用いている眼鏡を用いた際の視力の向上が見られたなどの報告があります。

また、それらの報告では、シャム経穴刺激群といってツボの正確な位置から少し外した群や実際に鍼は刺さないが鍼管といって鍼を刺入する際に用いる管だけで刺激を与える偽鍼刺激群に分けてランダム化した研究を行い、それらに実際の鍼刺激群との有意な差は見られなかったという報告もあります。

したがって鍼刺激をしないまでも自分である程度のツボの位置を刺激するだけでも一定の視力回復効果が得られるかもしれません。

 

その他、海外の研究でも鍼治療の視力向上効果に対する症例集積による報告もあり、網膜色素変性症や強度近視、白内障、無水晶体症、緑内障などの疾患に鍼治療を行ったところ中心視力が改善する場合があることや近視・緑内障・網膜色素変性症・視神経委縮などの患者50例を対象に鍼治療を行ったところすべての患者に自覚的な視力向上が認められとの報告があります

 

視力向上の鍼治療のエビデンス

 

鍼治療による視力向上のメカニズムはいくつかの可能性が考えられています。
一つは鍼刺激によって縮瞳が生じてピンホール効果という効果によって視力が向上するというものです。
ピンホール効果は眼内に入ってくる光を制限して網膜上にずれを少なくするというもので、小さい穴から景色を見ると見えやすくなるという原理を利用した効果です。

鍼治療では、そのピンホール効果を小さい穴出なく縮瞳によって行い視力が回復しているという可能性があります。
点眼薬によって賛同させた場合では鍼治療の視力向上効果が認められなくなったという報告からも鍼治療でピンホール効果が起こり視力向上が起こるという可能性が高いとも言われています。

なぜ縮瞳が起こるかについては、縮瞳は副交感神経優位の状態であり、鍼刺激によって副交感神経が優位になったと考えられています。

その他、鍼刺激後に眼精疲労が軽減するという研究報告があり、目の調節機能の改善の関与や緑内障患者における鍼治療によるコントラスト視力の有意な向上なども研究報告もされており、まだ未解明な要素もありますが、鍼刺激によって視中枢の反応性増大なども考えられています。

参考文献
鍼灸臨床最新科学
医歯薬出版株式会社

当院の視力回復の鍼灸治療

当院では、目の周りに鍼刺激・鍼通電刺激・お灸刺激を行い視力回復の施術を行っていきます。

視力回復の鍼治療

 

その他にも首肩の筋緊張の緩和や全身施術によって自律神経のバランスを整えることも行い、施術効果の持続性を上げていきます。

視力回復の首肩鍼灸治療

 

 

視力回復の自律神経調整鍼灸

視力回復の鍼灸治療 症例

60代女性

目の酷使により視力が著しく低下。パソコンとスマホをほぼ一日中みていた。今はそれらをやめ、遠くをみたり負担をあまりかけないように注意している。明日運転免許の試験があるため、どうしても視力をあげたいとのことで来院された。

当院の治療

原因がパソコンとスマホの使いすぎと明確になっているため、目の血液循環の改善を第一に施術を行った。首のこりもあったのでうつ伏せから首肩まわりの血流改善から行う。目のまわりだけでなく頭も固さがでていたため、目と頭に鍼通電療法を行った。

治療後

治療直後は目がスッキリして視界がクリアになり、翌日の検査で0.7まで視力が回復したと報告があった維持を目標に適度な運動とスマホを見すぎないようにするなどのアドバイスを行った。それ以降1か月に1回メンテナンスとして治療を継続しており、視力は保たれている。

 

 

40代 男性

 

ここ最近、歳とともに徐々に視力が低下してきている。

1か月後に運転免許の更新をするが、できれば裸眼で更新したいため当院で視力回復の施術を希望。視力は両目で0.5。

普段はデスクワークが中心で、多い時は1日12時間はパソコンを使用している。

首肩コリも強く、睡眠も浅く感じる。

当院の施術

まず、うつ伏せで首肩の筋緊張を緩める施術を行いました。首肩の筋緊張を緩めることによって眼の血流が改善します。

次に、仰向けで眼の周囲に低周波鍼療法で眼の血流を促し、さらに自然治癒力、血流のコントロールを担っている自律神経の調節も合わせて行いました。

 

更新が1か月後と短いスパンで結果を出さなくてはいけない状態だったため、週に2~3回と短いスパンでご来院して頂きました。

 

1回目

目の疲れは少し軽減。

とてもリラックスできた。

 

2回目

目の疲れが改善してきた。

施術後の帰宅中の視界が少しクリアになってきた。

 

3回目~6回目

仕事後の視界は同じだが、朝起床時の視界はクリアになってきた。

 

7回目~11回目

今まで見れなかった字が少し見えるようになったような気がする。

 

その後、無事裸眼で免許を更新できたというご報告をいただきました。

 

 

視力回復させる生活習慣

視力を回復させるためには生活習慣も重要です。特にパソコンやスマートフォン操作が増えてきている現代では近くのものを集中してみる時間が増えています。

近くのものを集中してみている時間が長くなってしまうと目のピントを合わせる毛様体筋が疲労してきてピントを合わせる機能が不十分となってきてしまいます。

・作業の間に遠くのものを見るようにして目の休憩を入れる
最低でもパソコンやスマートフォン操作、細かい目を使う作業をした後には最低でも1時間に一回は遠くのものに視点を合わせるようにして毛様体筋を休めるようにしましょう。遠くといいましても遠くの景色を眺めるというわけではなく、4~5メートル離れたものに視点を合わせるだけでも毛様体筋が休むことができると言われています。

・目の周りのマッサージ
お昼休憩や仕事の終わりなど時間が比較的長く取れる休みの際に目の周りを軽くマッサージすることで目の周りの血液循環の改善に繋がり、老廃物質を排出させることで目の疲労がとれやすく、疲労が蓄積されにくくなります。
顔面部の血管はとても細く繊細であるためあまりグリグリと押しすぎないように注意してください。

・目の周りを温める
これも目の周りをマッサージする効果と同じような効果が期待できます。
一番簡単な方法としましてタオルを熱湯で濡らして程よい暖かさにして目の上に置くという方法でも良いです。また、お風呂の際にシャワーを30秒ほど当てるだけでも効果が期待できます。
目は比較的血液循環が豊富な部分でもありますので少しの刺激だけも血液循環は改善されやすいです。

執筆者

眼精疲労専門の鍼灸師
清水大地

資格
はり師
きゅう師

2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院

 

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