すねの骨は、脛骨と腓骨の2つあります。2つの骨は骨間膜や靭帯で繋がれており、その前後外側には筋肉がついています。
すねの代表的な筋肉として前脛骨筋があります。前脛骨筋は足関節を上に曲げる筋肉です。また、前脛骨筋は足関節の硬さと深く関係しています。足関節が硬く、十分に曲がらないと前脛骨筋に常に伸張ストレスが掛かり痛みを起こします。他にも足の指を曲げる長趾屈筋や長母指屈筋、足の指を伸ばす長趾伸筋や長母指伸筋、足を外側に動かす腓骨筋、内側に動かす後脛骨筋、足関節を伸ばす下腿三頭筋(腓腹筋とヒラメ筋)があります。ふくらはぎにある筋肉(長趾屈筋や長母指屈筋、後脛骨筋、下腿三頭筋)の柔軟性が不足すると、足関節は正常に曲がらないため、結果としてすねの痛みを引き起こします。
シンスプリント
ランニング動作や長時間立ち続けることで筋肉の使い過ぎ(オーバーユーズ)により、筋肉が付着している骨間膜で炎症が起きることで痛みが発生します。
履物やインソールによっても発症しやすくなり、硬い素材の上を走ると更に発症しやすくなります。
主な原因は後脛骨筋が固くなることで、後脛骨筋が付着する骨間膜を過度に引っ張ってしまうことで痛みが出ます。
脛骨疲労骨折
ランニング動作やジャンプ動作のオーバーワークにより発症します。ランニングのオーバーワークでは脛骨の上部と下部に疲労骨折が起きやすく、ジャンプ動作では脛骨の中央に疲労骨折を起こしやすいです。この疲労骨折では常に鈍い痛みを感じ、歩行中は踵を着いた時に痛みの増悪を認めます。
足底筋膜炎
足の裏の筋膜に過度な張力が反復的または長時間かかることで痛みを引き起こします。下腿三頭筋は足底の筋膜がかかと(踵骨)を経由して繋がっています。そのため下腿三頭筋の硬さも足底筋膜炎の要因となります。また、足底筋膜炎が長期間続くと骨棘を形成します。その場合、痛みが増悪する可能性があります。
コンパートメント症候群
急性と慢性があり、急性では骨折や激しい内出血により筋区画の内圧が上昇して中の神経や血管を圧迫して知覚麻痺や運動不全が起こります。神経や血管の圧迫が更に続くと末梢の組織に栄養や神経伝達が行かず筋壊死や神経障害を起こします。
慢性の場合は、急激な筋肥大や過度な運動による筋血流量の増加によって起こります。成長期や筋肥大を目的としてトレーニングをしている方、強度の高いスポーツを日常的に行っている方に見られます。慢性の場合も知覚麻痺や運動不全が見られます。ただし急性とは異なり
足関節捻挫
すねの痛みは足関節の硬さによっても起こります。そのため足関節捻挫後に適切な可動域訓練を行わないと足関節は硬いままとなり慢性的にすねの痛みを感じ続けます。
足関節捻挫は内側にひねる内反捻挫と、外側にひねる外反捻挫があります。足関節の捻挫ではその大半が内反捻挫です。足関節内反捻挫では関節の外側の靭帯が引き伸ばされ損傷します。更にすねの骨の脛骨と腓骨の間の靭帯損傷も合併しやすく、捻挫後は適切な治療と可動域訓練を行わないと足関節が硬くなります。
すねには、胃経と呼ばれる経脈(ツボの並び)があります。胃経とは、西洋医学的な臓器の胃と似た働きがあり、臓器の胃に問題がある場合にすねに痛みを感じることがあります。
原因として、
・暴飲暴食
・胃炎
・ストレス性胃潰瘍
・胃食道逆流症(GERD)
などがあります。
これらにより胃経の気血の疎通が滞ることで、すねに痛みが出ます。
すねの痛みに対する治療では、すね・足関節を中心に施術をしていきます。
治療の対象となる筋は主に前脛骨筋です。鍼やお灸で前脛骨筋の緊張を取り張痛を取ります。また、ふくらはぎの硬さがあればこちらにも鍼灸をしていきます。
東洋医学的観点から胃経のツボも合わせて使い、胃経の疎通を図ります。
主に使うツボ
・足三里
・豊隆
・中脘
下肢静脈瘤は、脚の表面を走行している静脈がこぶ状にボコボコと盛り上がってしまう症状で、年齢とともに増加し、女性特に妊娠を契機として発症することが多いのが特徴です。
また、長時間の立ち仕事、スポーツ選手、重い荷物を扱う職業の人に下肢静脈瘤は多い傾向があります。
好発部位は、膝裏、太もも、ふくらはぎで、75歳以上の75%の人が悩まされていると言われています。
静脈は動脈と同じ内膜、中膜、外膜の三層構造をしており、全身から血液を心臓に戻すため弾力性があり中膜が厚い動脈と違って、静脈は収縮の必要がないため血管壁は柔らかく中膜も薄くできています。
四肢の太い静脈には複数の静脈弁がついており、血液の逆流を防ぐ役割を担っています。
動脈は心臓から血液を全身に送り、いくつもの細動脈に分岐し毛細血管が酸素や栄養などの物質を組織に供給します。酸素や栄養などの供給を終えた血液はまた毛細血管を介して静脈へ流れ大静脈通り心臓に戻っていきます。
①伏在静脈瘤
下肢静脈瘤の中で一番多いものが伏在静脈瘤になります。
伏在静脈は下肢や太ももの内側を走行する大伏在静脈と、ふくらはぎの裏側から膝裏まで走行する小伏在静脈があります。これらの静脈の弁が壊れたりすることで機能しなくなり静脈瘤が発生します。
伏在静脈瘤の場合、ふくらはぎに起こることが多いです。
②側枝静脈瘤
側枝静脈は伏在静脈から枝分かれした静脈で、さらに分岐した先の枝の一部が膨らみ静脈瘤になったものをいいます。
これもふくらはぎに出現することが多いですが、側枝静脈瘤の場合は伏在型よりも細く範囲も狭いのが特徴です。そのため伏在型より症状も軽いことが多いです。
③網目状静脈瘤
皮下の浅い所を走行する静脈が拡張したものが網目状静脈瘤です。
網目状に見えるためこうのような名前で呼ばれています。
他のタイプの静脈瘤と違いボコボコした血管の隆起は無く、青色に浮き上がっているように見えるのが特徴です。
④くもの巣状静脈瘤
くもの巣状静脈瘤は別名スパイダースキンと呼ばれており、皮膚の浅い部分にある直径1㎜以下の非常に細い真皮内静脈や毛細血管が拡張し、くもの巣のように放射状に拡がって見えます。青白く見えたり、赤紫色に見えることもあります。
下肢静脈瘤の原因は足の静脈の働きが低下し、血液の流れが停留することで起こります。
人間のふくらはぎは第二の心臓と呼ばれ、筋肉を動かすことでポンプのように下肢の血液を下から上へ心臓に流し戻す働きがあります。しかし、加齢での筋量低下、長時間の立ち仕事や座り仕事で足の筋肉を動かさない事が続くと筋ポンプ作用が働かないため血液が流れず下肢に溜まってしまいます。血液が溜まって静脈が拡張することでコブができてしまいます。
また、静脈の中には血液の逆流を防止する弁が存在します。この静脈弁は八の字をしており下から上へは流れますが、上から下へは流れない一方通行の仕組みをしています。
しかし、この弁が何かしらの原因により壊れてしまうと血液が逆流してしまい静脈瘤になってしまいます。この静脈弁は一度壊れたら再生することはできません。
静脈弁が壊れる原因はまだはっきりと解明されていませんが、妊娠経験者や中高年の女性に多いため女性ホルモンの変動が関係しているのではないかという意見もあります。
また肥満や長時間の立ち仕事、加齢、家族性に発生することも多いため何らかの遺伝的要因の可能性も示唆されています。
下肢静脈瘤の症状は、血管がボコボコと腫れ上がる事や網目状やくもの巣状に浮き出る以外にも、足のだるさ、足のむくみ、足の痛みや重たさ、足がつる、足の冷え、足のほてり等があります。
これらの症状は、夕方から夜間にかけて起こりやすく、左右の足でもそれぞれ違う症状が出ることも少なくありません。
また、足の傷が治癒が遅くなる、足の湿疹ができやすい、虫刺されのような痕が長く残る、色素沈着という症状が起こる事もあります。
網目状静脈瘤と、くもの巣状静脈瘤はこれらの症状を伴わない事が多いです。
東洋医学では下肢静脈瘤のような水分代謝の低下を湿邪が原因と考えられています。
湿邪は雨や曇りの気候により体外から侵す外湿と、暴飲暴食により体内から侵す内湿があります。
五臓六腑の脾は水分代謝や消化吸収といった胃腸機能を担っているのですが、この脾は湿に侵されやすい臓器のため、低気圧や暴飲暴食で湿邪が体内に増加すると脾に負担がかかり水分代謝や消化機能が低下してしまうのです。
この湿邪の特性の1つは重く沈着性があるという事です。そのため湿邪に侵された部位は重だるさといった症状が現れます。
また、その重さのため下降して流れ込む特徴もあり、足にその影響が受けやすいのはそのためと考えられています。
湿邪は粘膩性という粘り気があるものとも考えられており、ジメジメした雨の日や湿度が高い日に悪化するのはこのためと言われています。
その粘り気の強さのため一度体内に入ると定着してしまい、慢性化し病気が長引いてしまうという特徴もあります。
まず、血流をコントロールしている自律神経の調節を目的とした施術を行います。
自律神経を整えることで全身の血液循環を促進させていきます。
次に下肢の筋肉に刺鍼し低周波の電気で刺激します。鍼に低周波を流すことにより筋肉を収縮させ筋ポンプ作用を起こすことにより、下肢の静脈にうっ滞した血液の流れを促していきます。
胃腸炎とは、胃・小腸・大腸の粘膜に炎症が起こり、下痢や腹痛を起こす疾患の総称です。
その原因には、感染性・非感染性に区分できる他、症状の経過によって急性と慢性に分けられます。
感染性胃腸炎とは、細菌やウィルスなどを原因とする胃腸炎をいいます。一般的には、夏季には細菌性腸炎が、冬から春にかけてはウイルス性腸炎が多く発生します。
また、非感染性胃腸炎とは、薬剤や暴飲暴食、刺激物の摂りすぎ(脂肪分、アルコール、カフェイン、辛いものなど)、ストレス、自己免疫や炎症性腸疾患(IBD)などによるものなど、多くの原因があります。
胃腸炎の症状は、急性と慢性によって大きく異なります。
急性胃腸炎
ウイルスや細菌などへの感染が原因となること(感染性胃腸炎)が多く、突然発症し発熱、吐き気・嘔吐、下痢、腹痛、お腹の張りなどの症状を引き起こします。また、感染性胃腸炎は重症化すると、高熱、下痢・嘔吐によって水分不足の状態に陥り、疲労感や脱力、喉の渇き、めまい、立ちくらみ、動悸などの症状を引き起こすことがあります。
慢性胃腸炎
慢性胃腸炎の場合には、長期的な胃痛や胃の不快感、胃のムカムカ、お腹の張りや痛み、不快感のほか、食欲不振、下痢などがみられることもあります。
感染性胃腸炎を予防するには飛沫感染・接触感染を防ぐため、手洗い、うがい、手指消毒、マスク着用などを徹底することが大切です。特に、高齢者や子どもなど感染性胃腸炎を発症すると重症化しやすい方は、できるだけ生ものや生焼けのものを避け、しっかり火が通った食事を選ぶようにしましょう。
非感染性胃腸の場合は、ストレスや暴飲暴食など日常生活の習慣によって引き起こされるため、ストレスを溜めすぎないようにご自身の発散方法やリラックス・リフレッシュ方法を見つけ、食べすぎ・飲みすぎに気をつけましょう。
※現代の社会環境からは、ストレスを完全になくすことは困難ですが、自分なりの工夫でストレスの原因から上手に間を置く工夫をし、ストレスをためないよう心がけましょう。
また、気になる症状が続く場合は、早めに内科や胃腸科、消化器科を受診し、検査と治療を受けるようにしてください。
東洋医学では、『胃』は『脾』と深い関わりがあると考えられています。胃の『受納と腐熟を主る』働きと、脾の『運化を主る』作用は、飲食物の消化・吸収・排泄に関与しています。
その為、飲食の不節制やストレスなどにより『脾胃』を損傷し、働きが低下してしまうと、消化・吸収の働きも悪化してしまうので胃腸炎の原因となってしまいます。
東洋医学では、『気・血・水』を上手に巡らすために『肝』『心』『脾』『肺』『腎』という『五臓』が働いていると考えられています。
健康には、五臓の働きを穏やかに整えて、十分に『気』を養うことが大切です。
五臓のそれぞれは、西洋医学でいうところの臓器の名称とは必ずしも一致しているわけではなく、『脾』は西洋医学で言う胃腸機能の他に消化吸収の働き全てを指します。体質的に『脾』(胃腸)が弱い人もいますが、現代のストレス社会では、『肝』(自律神経)の乱れから『脾』の乱れを招くケースも少なくありません。
胃や腸は、ストレスによってトラブルを起こしやすい臓器です。これは、胃の働きが自律神経によってコントロールされていることと関係しています。自律神経には活動的な時や緊張時に働く『交感神経系』と、リラックス時に働く『副交感神経系』の2つがあります。
通常はこの2つがバランスを取りながら働いているのですが、ストレスや過労などを受けるとバランスが崩れ、胃腸の働きにも乱れが生じます。
その結果胃の症状として起こるのが、胃もたれ、食欲不振、胃痛、胸やけといった様々な胃のトラブルです。
人は、ストレスを感じたり過労が続くと、自律神経のバランスがくずれてしまい、自律神経の乱れから、倦怠感や動悸、不眠、めまい、しびれ、手足の冷えなどの様々な症状が現れます。
そのため、当院では、治療の前にしっかりと問診を行い、自律神経の状態を機械で測定し、症状や状態を把握した上で治療を行っていきます。
当院には自律神経測定器があり、この測定器では交感神経と副交感神経のバランス、肉体的ストレスや精神的ストレスなどの数値も測る事ができます。測定結果を元に、お一人お一人に合ったオーダーメイドの治療をします。そして、東洋医学の治療法と自律神経療法を組み合わせることで、より治療効果を高めることができます。
鍼灸治療は自律神経を整えるのにとても優れた治療法です。自律神経を整える経穴や胃腸のトラブルやストレスに対する特効穴を用いて症状改善を目指します。
また、自律神経のバランスを整える事で心身の過緊張を緩和し、血行を促進して症状を改善し、再発や悪化を防ぎます。
胃腸炎の症状でお悩みの方は、東京α鍼灸院へお越しください。
側頭部が痛む場合、まずは締め付け感を伴っていたら緊張型頭痛の可能性がありますが、やや前の方のこめかみ辺りがズキンズキンと脈打つように痛い場合は片頭痛かもしれません。
高齢者の片方の側頭部の痛みであれば、側頭部動脈炎などの可能性もありますので、専門医の診察を受けましょう。
その他、片方の頭痛であれば神経痛や帯状疱疹なども考えておく必要があります。
痛みの性質はどうか
・ズキンズキンと痛む
ズキンズキンとした拍動性の頭痛は、血管由来の頭痛を示唆する症状です。典型的には片頭痛などです。痛い時とそうでないときが明瞭で、頭痛が数時間から4日程度続いて治まるような頭痛を繰り返す場合は片頭痛の可能性が高いと思われます。
・締め付け感
締め付け感は、筋肉の緊張を示唆するような症状です。ストレスや首こりなどが背景にあるかもしれません。
・頭の重たい感じ
頭が重たく感じるのは、頭を支えている背骨と首の筋肉が疲れている証拠です。頭は4~5kgもありますから首の筋肉が疲れると、頭が重く感じるのです。首の筋肉に慢性的に力が入っているのかもしれません。
・割れるように痛い
初めて経験する激しい痛みの場合、くも膜下出血などの重篤な症状な頭痛かもしれません。すぐに病院を受診することをお勧めします。しかし、我慢できるような頭痛でも初めて感じる頭痛であれば必ずしもくも膜下出血ではないとは言い切れないので、頭痛の程度だけでは判断できません。
片方の激しい頭痛が連日のように生じる場合、群発頭痛かもしれません。群発頭痛は中年の男性に多いものです。
危険な頭痛かどうかの一つの物差しは、それが以前から日常的にあって変わりないものかどうかです。「これまでと違う頭痛」は、危険な頭痛の可能性もある重要なキーワードです。
その他、頭痛に何らかの随伴する症状がある場合、その症状が診断の手掛かりになるかもしれません。例えば、頭痛の前に短時間の視野異常を伴う場合には片頭痛の疑いがあります。また、頭痛の前の倦怠感、あくび、感覚過敏なども片頭痛でしばしば認められる症状です。
一時的ではなく持続的に視野異常や脱力、言語障害、歩行障害、発熱などを伴う場合にはぜひとも専門機関での精密検査を受けることをお勧めします。
なお、吐き気については、頭痛がとても強い時には感じてもおかしくないものです。しかし、頭痛で実際に吐いてしまう場合はかなり強い頭痛の証拠です。
重度の片頭痛でも起こりますが、片頭痛ではない場合には、頭蓋内の病変により頭の中の圧力が極めて高くなってるケースもありますので要注意です。
・側頭筋
側頭筋は噛む際に使うものなので、食事の時に硬いものをたくさん食べる、ガムを長時間噛み続ける、片方の歯のみで噛むということなどで疲労がたまります。その他ストレスや無意識のかみしめや食いしばり、睡眠時の歯ぎしりなどにも関係すると言われています。併せて目の奥に放散痛や鈍痛が現れることがあります。
・後頭下筋群
後頭下筋群(こうとうかきんぐん)という頭痛に関連する代表的な筋肉は目や頭の動きに合わせて、顔の角度や向きを微調整している筋肉で頭痛の代表的な原因筋でもあります。
例えば資料を見ながらパソコン入力をするなど、無意識のうちに顔を前後左右に細かく動かす動作が多い方はこの筋肉を酷使している可能性が高いです。
・僧帽筋の上部線維
猫背や肩をすくませた姿勢が要注意です。パソコン作業やデスクワーク時に悪い姿勢が続くと僧帽筋への負担がかかります。
また、精神的な緊張や不安があると無意識に肩甲骨周辺に力が入ってしまうため、慢性的に肩が上がった状態で凝り固まってしまいます。痛みの特徴として、こめかみ~頭部の痛み、首の脇の痛み、下あごの角も痛み、肩甲骨周りが硬い などが挙げられます。
側頭部痛は、頭部の側頭部に発生する痛みを指します。この種の頭痛はさまざまな原因によるもので、その原因に応じて西洋医学的な治療が異なります。
側頭部痛に対する東洋医学的な考え方では、側頭部周辺を流れる経絡である三焦経や胆経の気血の滞りとして扱われる場合が多いです。
また、そのほか脈診や腹診などで弱っている経絡や強まっている経絡を探し当てて正常に戻すような経穴が用いられます。
当院では頭痛の原因となるストレス、筋緊張や全身の血流などに大きく関与する自律神経系のバランスを機械で測定し、患者様のお体の状態を把握したうえで治療へ移ります。
もともと鍼灸には自律神経系のバランスを整える作用がありますが、当院独自の自律神経調整施術を行うことでその効果をさらに高め、免疫力や自己治癒力を高め症状が治癒しやすいお体の状態へと整えます。
また、側頭部の痛みに関与すると考えられている筋肉の緊張を緩めるツボや東洋医学的観点から肝や胆・三焦経のツボを用いて施術を行っていきます。
その他頸部や肩甲骨周辺の筋肉の過緊張状態が側頭部痛を引き起こしている場合もあるためそのあたりも入念に緩めていきます。
心身症と言うと心の病気と思われがちですが、これは病名ではなく病態の総称をいい、身体疾患の中で、その発症や経過に心理・社会的因子(本人の性格、家族や職場の環境や対人関係などによるストレス)が密接に関与しており、器質的ないし機能的な障害が認められる病態です。
様々な心理社会的要因の影響で症状が出現したり、寛解または悪化することもあるため、心理社会的な要因が治療の妨げになることもあります。
代表的な心身症としては、気管支喘息、頭痛、高血圧、過敏性腸症候群、摂食障害、アトピー性皮膚炎、慢性蕁麻疹、腰痛症、月経前症候群、月経異常などがあります。
主な症状としては、頭痛や、腹痛などの痛みに関する症状、息苦しいなどの呼吸に関する症状、皮膚に関する症状、胃のむかつきや、便通など消化管に関する症状などです。
片頭痛や高血圧のように診断がつくものもあれば、病院で検査を受けても、「身体の異常はみられません」となる場合もあり、検査結果で異常がないのは一つの安心材料ではありますが、実際に症状が出ている患者さんにとっては、原因がわからない不安を抱え続け、余計に辛くなる方も多くいらっしゃいます。
そして、心理社会的要因が原因となり、腹痛や過換気症候群のような症状を経験すると、「また症状が出るかもしれない」という不安を抱く様になり、そのせいで体調に対してより過敏になってしまい、症状の頻度が増えてしまうという悪循環に陥ってしまう事もあります。
その為、症状を和らげながら、症状へ対しての捉え方を軽くして行くことが治療の第一歩となります。
うつ病、自律神経失調症、パニック症・パニック障害、は区別が難しいとされています。
まず、うつ病は、抗うつ気分や意欲の低下などメンタル症状以外に、食欲低下や痛みなどの身体の症状を伴うことがあります。
次に、パニック症・パニック障害においても、動悸や発汗、息苦しさ、めまい、胸の痛み、など様々な身体の症状を伴います。
そして自律神経失調症は、倦怠感や動悸、自律神経が司っている、循環器系や呼吸、体温調節、消化器系、発汗などのバランスが崩れ、不眠、動悸、息苦しさ、だるさ、めまい、しびれ、手足の冷えなどの様々な症状が現れます。
心身症の場合でも、不眠や気持ちの落ち込みや、心身の痛みに対して、睡眠やうつのお薬を使うことで改善する事もあります。
このように、心身症とうつ病、パニック症・パニック障害、自律神経失調症などの症状についても、こころとからだを切り離して考えず、【心身一如】【全人的】な観点から見て行く事が大事になってきます。
【薬物療法】
心身の緊張、不安、抑うつといった精神症状が見られることも多い為、その緩和には、抗不安薬(安定剤)や抗うつ薬の投与を行います。(専門的な治療を受けるには、心療内科や精神科を受診する事が必要です。)
【生活習慣の見直し】
心身症は、慢性の身体疾患である事が多く、生活習慣病と言われる疾患とかなり似てきます。そして、ストレスの多い生活を送っていると、食事・運動・休養といった生活習慣は乱れがちになり、それらが、さらに病態を悪化させてしまいます。
例えば、高血圧であれば塩分を控えめにする。過敏性腸症候群であれば、刺激物(辛いもの・コーヒーなどのカフェインを含む飲食物など)を避けるなどの取り組みが症状の改善につながります。
また、直接治療と関係しなくても、生活習慣を規則正しくする事は、ストレスに対する心身の免疫力を高めることに繋がるので、心身症の治療にはとても大切です。
【リラクゼーション法】
ストレスは慢性の心身の緊張状態を作り出し、それらが身体に様々な障害をもたらすと考えられています。その影響を緩和するためには、リラクゼーション法(呼吸法)がとても効果的です。毎日習慣づけて行う事により、ストレスに対する身体の反応自体が変わっていきます。また、深い呼吸を行う事により全身の巡りが良くなり、心身共にリラックスができ、自立神経の副交感神経が刺激され、身体の緊張が和らぎ、自律神経が整っていきます。
心身症の多くは、症状の程度や場所が移動する・曜日や時間によって症状の程度が変わる・学校や仕事を休むと症状が軽減するなど、ストレスから離れると症状が軽くなる ということもあり、様々な心理社会的なストレスが主な原因と考えられます。
人はストレスを感じたり、過労が続くと、自律神経のバランスがくずれてしまい、自律神経の乱れから、倦怠感や動悸、不眠、めまい、しびれ、手足の冷えなどの様々な症状が現れます。
そのため、当院では、治療の前にしっかりと問診を行い、自律神経の状態を機械で測定し、症状や状態を把握した上で治療を行っていきます。
当院には自律神経測定器があり、この測定器では交感神経と副交感神経のバランスや肉体的ストレスや精神的ストレスなども測る事ができます。測定結果を元に、お一人お一人に合ったオーダーメイドの治療をします。そして、東洋医学の治療法と自律神経療法を組み合わせることでより治療効果を高めることができます。
鍼灸治療は自律神経を整えるのにとても優れた治療法です。自律神経を整える経穴やストレス解消の特効穴を用いて症状改善を目指します。
また、自律神経のバランスを整える事で心身の過緊張を緩和し、血行を促進して症状を改善し、体が本来持つ自然治癒力を高め、症状が治癒しやすいお体の状態へと整えていきます。
心身症の症状でお悩みの方は、東京α鍼灸院へお越しください。
足の親指は母趾と呼ばれ、その付け根にあたる丸いふくらみを母趾球(ぼしきゅう)と呼びます。手にも同様に母指球が存在し、漢字を分けて使う場合が多いです。
人間が立っているときに足は唯一地面に接する部分であり、歩行や走行ではその衝撃を吸収する必要があります。
そのため足には3つのアーチ構造が備わっています。母指球とかかとを結ぶ内側縦アーチと母趾球を結ぶ横アーチは衝撃吸収に重要な役割を担っています。
・種子骨障害
歩いたり走ったり踏み込んだ時などに母趾球部に痛みが出現します。また、その部分を指で押したり足の親指を強制的に手で反らすと痛みが出ます。症状が進行すると足を地面につけただけでも痛みがあり、歩行が困難になってきます。
陸上競技やバスケットボールなどよく走るスポーツに多いとされています。
その他空手や剣道などの踏み込み動作の多い格闘技にもよく見られます。種子骨障害は小学生~中学生に多く発生し、大学生以上になると減少する傾向があります。
種子骨障害の種類
・骨折
強く母趾球を衝いたり、繰り返しの衝撃により種子骨が割れたり、不全骨折(ヒビ)を起こしたりします。内出血と腫れが大きくなることが多いです。
・疲労骨折
微力な外力を受けることで起こる骨損傷。発生機転は骨折とほぼ同じです。内出血や腫れも起こりますが急性の骨折よりも少なめです。
・分離種子骨
生まれつき種子骨が分裂している。骨折と異なり割れた線はなだらかになります。基本的に分裂していることでも障害は少ない。実際には結合組織でつながっているものもあります。
種子骨の周りには筋肉や腱が集まっています。こういった筋肉や腱がよく動く手助けをしているのが種子骨ですが、この種子骨が炎症を起こすのが種子骨障害です。ときには種子骨が骨折したり、骨壊死することもあります。
ランニング動作時に地面を蹴り出すとき、足底筋は緊張して種子骨には引っ張られる力が加わります。この牽引力により種子骨が炎症を起こし痛みが発生します。
また、踏み込み動作による地面からに衝撃が種子骨に繰り返し加わり発生することもあります。
その他先天的な問題で種子骨が二つに分裂している場合(分裂種子骨)があり、これが痛みの原因になっているケースもあります。また、土踏まずがしっかりし過ぎている甲高の足(ハイアーチ)は種子骨障害になりやすい傾向があるため注意が必要です。
痛みが強いうちは運動を一時休止し、足を安静にします。足の裏にかかる負担を軽減するために柔らかい素材でできた耐久性にあるパッドを靴の中に入れて使用します。
パッドは母趾球部をくり抜いてあり、体重をかけた際に圧力がかからないようにします。また、母趾にテーピングを施すこともあります。
足底筋に硬さがみられる場合には柔軟性を取り戻すリハビリテーションを行います。ほとんどの場合このような治療でよくなりますが、保存療法で効果がみられない場合には手術で内側の種子骨を摘出することがあります。
東洋医学では神経痛など身体の痛みを総称して「痺証(ひしょう)」と呼びます。痺には「つまって通じない」という意味があり、これは何らかの原因で気、血の流れが悪くなるとそれが「痛み」となって現れるのです。
気や血の流れが悪くなる原因として風、寒、湿、熱などの邪が侵入して起こると考えられています。
また、五臓六腑の「肝」と「脾」の機能低下が筋肉痛になりやすい状態へとつながると言われています。
鍼灸治療の効果として、炎症を早く治めることや鎮痛効果、血流促進効果などが期待できます。痛みの強い部分へ直接アプローチして炎症や痛みを早く取り除いたり、周りの筋肉の過緊張を和らげることで痛みからの回復を早めます。
また東洋医学的観点から肝、脾を整えるツボや気や血の流れを整えるツボなども取り入れることで体が本来持つ自然治癒力を高め、症状が治癒しやすいお体の状態へと整えていきます。
蝸牛型メニエール病の症状は、
① 難聴
② 耳閉塞感
③ 耳鳴り
④ 音が響く
などがあり、一般的なメニエール病と違い、めまいを伴わない事が特徴です。また、ストレスにより頭痛や肩こりを訴える人もいます。
難聴は低音が聞こえづらくなる人が多く、低音障害型感音難聴と診断されることもあります。
耳は大きく分類すると、外側から、外耳、中耳、内耳と分かれています。
外耳は耳介と外耳道からなる場所で、耳の穴の部分に相当します。音はまずこの耳介から入り外耳道を通り耳の奥にある中耳に到達します。
中耳は入ってきた音の振動の増幅を調節する場所です。
中耳と外耳の間には鼓膜があり、その奥には中耳ので骨に囲まれた個室という空間があります。ここには耳小骨という小さな骨が存在しております。この耳小骨は鼓膜と内耳の間に架かる橋のように繋がっており、外耳から入ってきた音を鼓膜と耳小骨が振動し内耳に伝える役割があります。
また中耳には鼻と耳を繋げる耳管という細い管状の通路があります。この耳管は耳の奥にある鼓室という場所の内圧と外気を同じ圧に保つ役割があります。耳管は通常は閉じていますが、あくびをしたり何か飲み込むと一時的に開きます。
この耳管が何かしらの原因により閉じなくなってしまうと、耳の閉塞感(耳づまり)、自声強調、などの症状がある耳管開放症が発症してしまいます。
耳管開放症の鍼灸治療
https://alfashinkyu-tokyo.com/column/index-1333.html
内耳は中耳の更に奥の骨の中に埋もれている場所に存在します。
内耳には、聴覚に関わる蝸牛、平衡感覚をつかさどる前庭や三半規管があります。
蝸牛には、鼓膜と耳小骨から伝導された音の振動をキャッチし、聴神経に伝える有毛細胞があり、蝸牛、前庭、三半規管の中にはリンパ液という水で満たされています。
蝸牛のリンパ液は、音の振動を水の振動に変え有毛細胞に伝導する役割があり、前庭、三半規管のリンパ液は、体の動きに合わせて動く特徴から頭部の回転や体の平衡バランスの動きを脳に伝える働きがあるため存在します。
蝸牛型メニエール病の原因はまだ解明はされていませんが、自律神経の乱れによる内耳のリンパ液の調節力が低下する事が大きく関わっていると考えられています。
自律神経は交感神経と副交感神経の2つでバランスをとっており、ストレスを感じると交感神経が働きます。
交感神経は身体を活発に働かせる神経で生体機能に不可欠なものですが、強いストレスを受け続けると交感神経が過剰に働いてしまいます。交感神経は血管を収縮する作用もあるため、耳の血流が低下からリンパ液が蝸牛内に流水し、メニエール病が発症します。
またこの他にも、内耳構造の生まれつきの異常や、アレルギー、免疫異常などの可能性もあり単独ではなくこれらの要因がいくつか重なって発症するとも考えられています。
蝸牛型メニエール病は東洋医学において、「肝」と「腎」が大きく関わりを持っていると考えられています。
東洋医学における肝は、気・血・津液の巡りをコントロールする役割があります。また精神状態を安定する働きもあり、気の流れを通じて感情の調節や、自律神経によって身体全体の機能が正常に行われるようにコントロールするものと考えられています。
しかし、精神的緊張が長く続いたり、強いストレスを受けることで肝に負担が掛かり、次第に肝の働きが低下し感情や自律神経のコントロールが効かなくなってしまいます。耳にも気や血が循環しなくなりメニエール病が発症します。
「腎は精を蔵し、精は骨髄に変化する。髄は脳を満たし耳の機能を維持する」と言われており、生殖活動や骨、脳、耳、髪の毛まで関係しており、特に耳に強く影響している臓器と考えられています。
腎の機能低下は全身の津液の停滞につながり、特に耳に停滞しやすく、それは内耳の蝸牛にリンパ液が溜まってしまいます。その結果、難聴、耳閉感、耳鳴りという蝸牛型メニエール病の症状が起こってしまいます。
津液は体内に存在する血以外の液体の事で、涙、よだれ、関節液、胃液、腸液、汗、尿、鼻水などがあり、脳や、骨髄にも潤いを与える働きがあります。
津は体の表面を流れていて、液は体の中を流れています。
また、津液は血のように栄養分や滋養作用があるため血の働きを補完する役目もあります。
津液は血の生成の原料になるため、健康な体を維持するために非常に重要なものになります。
体の各部で利用され不要になった津液は腎に送られ尿になり、膀胱を通じて体外へ排出されます。
当院での蝸牛型メニエール病の治療は、内耳の血液循環の促進を第一に行っていきます。
蝸牛型メニエール病は血液循環の低下による浮腫みが原因であるため、耳周囲や首に刺鍼し血管活動を促進させることで蝸牛のリンパ液排出を促します。
使用する経穴は、「耳門」「聴宮」「聴会」「翳風」「完骨」「風池」「天柱」「下関」「角孫」「肩井」、その他にもお体の状態に合わせて経穴を組み合わせていきます。
次に、自律神経の調節を行っていきます。
蝸牛型メニエール病の方のほとんどは、慢性的なストレス、強いストレス、大きな環境の変化、生活習慣の乱れなどの生活背景があり、不眠、体のだるさ、肩こり、のぼせ、だるさなどといった自律神経の不調を訴えることが少なくありません。
自律神経は血流をコントロールしており、自律神経を正しい働きに調節することにより血液循環が促進されます。血液循環を促し内耳のリンパ液を排出する体質改善を行っていきます。
自律神経を整えることは血液循環の促進だけではなく、自然治癒力を高めることも目的になります。
肩こりを訴える方には、筋肉のコリに直接刺鍼し筋緊張を緩め、耳への血流を促していきます。
現在行われている病院での治療方法は、ビタミン剤、抗ヒスタミン剤、血管拡張剤、精神安定剤、ステロイドホルモン、漢方薬などの薬物療法、外科的処置、水分摂取や有酸素運動などの生活指導があります。
当院の滑車神経麻痺に対する施術は、目の周辺の重要なツボにハリをさして微電流を流すことにより神経組織の回復や筋肉への刺激を行うことでを促します。またお灸刺激により血流を改善します。
東洋医学的に診ますと、滑車神経麻痺は五臓六腑の肝に深く関係しているので肝に関する経穴を用いて肝血を補うことや肝気の巡りをよくします。東洋医学の診断方法に基づき、全身の調整施術も行っていきます。
部分的な治療ではなく全身を治療することは東洋医学の特徴でもあり、当院が施術する上でも特に重要だと考えます。
全身施術を行うことにより自律神経が整えられて人間が本来もっている自然治癒力を高めます。
当院の滑車神経麻痺の施術目的は、滑車神経麻痺の回復程度を高めて、回復を速めることです。西洋医学とは違う東洋医学の観点により少しでも滑車神経麻痺が回復できる機会を提供して患者さんが少しでも快適に過ごせるようお手伝いさせていただきます。
中医学では五臓六腑の肝は目に開竅するといわれており、眼の疾患は肝の機能の障害が深く影響していると考えられています。
肝血が不足してしまうと視覚の異常や運動系の異常などがみられます。そのほか肝は運動神経系の調節に関係があると考えられています。
滑車神経麻痺は、上斜筋麻痺を引き起こすので、そのことからも滑車神経麻痺は肝に深く関係していることがわかります。
60代男性
当院にご来院の10日ほど前にテレビを見ていたら物が二重に見えるということで近くの眼科を受診。検査結果右目の滑車神経麻痺と診断された。特に処置はされず、経過観察とのことで何か治療法はないかと探したいたところ偶然当院のホームページを見てご来院されました。
複視の状態は、朝からある状態で、夕方から夜にかけて身体の疲れが溜まってくるとそれに伴い複視の幅も広がって目も疲れてきて目も開けているのがつらくなってしまうほど。頭を傾けてテレビなどを見ると複視が弱くなる。
当院の治療
目の症状は自律神経の状態と深くかかわりがあるとの考えで、自律神経測定器で自律神経の状態を計測しました。この男性の場合、交感神経が過亢進状態で自律神経が乱れている状態でした。毎回首肩や目の治療に入る前に仰向けにて自律神経の状態を整えてから治療しました。
目の周りや顔に対する治療はとても繊細であるため刺激量が多くなり過ぎないように最初は弱い刺激で対応しました。体が治療の刺激になれてきたと感じた4回目の治療より鍼通電療法などを用いて徐々に刺激量を上げていきました。
最初の10回ほどは治療間隔を週に2回ほどと詰めて行いそれから徐々に治療間隔を空けていきました。
◇1回目◇
治療後複視症状の状態は、あまり変わらなかったが、首肩はとても楽になった
◇2回目◇
以前は滑車神経麻痺のない左目もまぶたが重たく感じていたが、重たさ感じなくなり左目も右目も開けやすくなった。
◇3回目◇
まぶたの開けやすさは、2~3日で戻ってしまった。
◇4~5回目◇
夕方は複視がまだつらいが、朝になると比較的楽でいちばんつらい時を10だとすると今は5程度
◇6~8回目◇
真正面に物を見てピントを合わせるとほぼ複視はなくなった。首などを傾けるとまだ複視の症状が出てしまう
◇9~11回目◇
首を傾けても複視の症状があまりでなく、日常生活で何気にすごしていても気付かないほどとなった。
身体が疲労して来たり、目を使いすぎるとまた元に戻りそうと本人がご心配されているので2週間に1回ぼどの間隔で現在も調整として通院されています。
40代男性
3か月ほど前に物が二重に見てしまって病院を受診。検査では特に脳などには異常が見られなかった。
右眼の滑車神経麻痺による複視症状が出ているとこいうことでビタミン剤を処方されて半年から1年ほどかけて複視が改善される場合が多いと言われて経過観察中。
だんだんとは複視症状が改善傾向にあったが何とか早く治したいとのことで、ネットなどを調べていたところ鍼灸治療でも症状が改善されたという症例をみて当院にご来院されました。
当院の鍼灸治療
近いところは比較的よく見えていて遠くの視界になると物が二重に見える、特に夕方以降など疲れてくると症状が強く出てしまう。
また、自律神経の乱れや右頸部のコリも強く出ていたため全身的な自律神経調整治療や頸部周りに鍼通電治療なども用いまして施術を行っていきました。
特に滑車神経麻痺の複視症状では、頸部の筋緊張がみられる場合が多く、その部分をしっかりほぐすことは治療のポイントになります。
その後、目の周り特に右眼周り中心に施術を行っていきます。比較的に刺激量に強い方でしたので最初から目の周りも鍼通電治療を用いていきました。
治療経過としましては、3~5日程度の治療頻度で治療4回目までは複視症状には大きな変化は見られずに目の疲れが感じにくくなった程度でした。
5回目以降だんだんと複視のズレ幅も改善されてきて右頸部の気になるコリもだんだんと改善されてきたと自覚。
7回の治療後大学病院で検査。検査でも複視の数値の改善がみられて、首を傾けなくでもだいぶ視界が通常に見えるようになってきた。
たまに右眼周りに痛みがでたりするのでその部分なども含めて治療間隔を延ばしながら通院加療中。
滑車神経麻痺とは、滑車神経が何らかの原因で麻痺の状態になって眼球は上内側に偏倚して、垂直方向の複視を引き起こします。
滑車神経は中脳の背面より出て、上眼窩裂を通り上斜筋に分布します。上斜筋は収縮すると眼球を下外側方に向けます。上斜筋が収縮できなくなると、眼球は上内側に偏倚します。この症状が出た場合、視線を正面に向けるために頭を健側に傾けます。逆に頭を患側に傾けると眼球の偏倚は増強されます。
日常的には本を読む際や階段を下る際に複視を生じます。
滑車神経麻痺は、原因が特定されるほとんどの場合は頭部外傷が原因です。
腫瘍などそれ以外の原因はまれです。滑車神経が単独で麻痺することはまれであり、動眼神経とともに障害されることが多いです。
その他脳のMRIなどの検査を行っても原因がわからい場合も多いです。滑車神経は第4脳神経で眼球を内側に寄せる役割があるため滑車神経が麻痺すると内側に眼球を寄せることができないために物が二重に見える複視の症状が出ます。
滑車神経麻痺の患者さんでよく見られるのが、テレビを真正面から見ると画面が二重に見えるが、寝そべって頭を少し横に倒すと二重に見えずに普通に画面が見えることを言われます。もしそのようなことを日常生活で感じる場合は、滑車神経麻痺の危険性があります。そのような場合、滑車神経は脳神経でまれではありますが、脳の腫瘍など脳の障害が原因で起こっている場合がありますのですぐに眼科や脳神経外科で診てもらう必要があります。
滑車神経以外にも眼球を動かす脳神経は動眼神経と外転神経があります。それらが障害されても物が二重に見える複視の症状が起きますが、動眼神経は眼球を上下に動かす、外転神経は眼球を外側に動かす作用があり、麻痺の出る神経によって眼球の動きが異なってきます。
眼球を動かす筋肉は、そのほかの体の筋肉と同様に脳からの信号を受けて動いています。眼球は、人体の中でもとても複雑な動きを可能にしており眼球を動かす筋肉を外眼筋といいます。外眼筋には、
・外側直筋
外転神経に支配されており、眼球を外側に向ける働きがあります。
・内側直筋
動眼神経に支配されており、眼球を内側に向ける働きがあります。
・上直筋
動眼神経に支配されており、眼球を内側斜め上方向に向ける働きがあります。
・下直筋
動眼神経に支配されており、眼球を内側斜め下方向に向ける働きがあります。
・上斜筋
滑車神経に支配されており、眼球を外側斜め上方向に向ける働きがあります。
・下斜筋
動眼神経に支配されており、眼球を外側斜め下方向に向ける働きがあります。
この6つの筋肉があります。これら6つの筋肉がうまく働くことで眼球運動が行われて焦点が合うように調整されているのです。その過程で筋肉や神経に不具合が生じてしまうと焦点が合わずに複視となったり、視線をずらすことができなくなるのです。
滑車神経麻痺の場合、上斜筋を支配しているので上斜筋の働きが損なわれて複視の症状が出てしまうのです。硬めに滑車神経麻痺が生じている場合、麻痺の出ていない側に頭を傾けると眼球の位置が修正されて焦点が合うようになります。
上述した寝そべって頭を傾けると画面が見えるようになるという現象はこのような頭の傾きによって複視が打ち消されているということです。
清水大地
資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好医院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院
まぶたやまつ毛の根元付近、おもに目頭や目尻に炎症が起こり、皮膚が赤く腫れたりただれて、発疹ができたりします。
細菌やウイルスによる感染性と、かぶれやアレルギー反応などの非感染性の2種類に分かれ、原因がウイルスなどの感染性のものは痛みを感じ、アレルギー性の非感染性のものは痒みを感じます。また、かゆみが強いため、お子さんや目を触る癖がある方は自分でかいたり触ったりしてしまい、さらに炎症を強めることが多いです。そしてかいてしまうと、ヒリヒリとした痛みを生じます。
また、光に敏感になり、目の中に異物感を感じたり、重症化して炎症の範囲が広がってしまうと、逆さまつげ(まつ毛が目のほうに向かって生える病気)になりまつげが目を傷つけて痛みを生じたり、まつげ抜け落ちる、まつ毛の脱毛が起こります。
治療法としては、感染性の場合は、原因菌やウイルスに対する抗生物質や抗ウイルス薬による治療を行い、点眼や眼軟こうを使用します。非感染性のアレルギー性の場合には、ステロイドの眼軟こうを用いて、炎症を鎮め、アレルギーの原因物質を避け、取り除く事が第一に大切になってきます。また、痒みなどの症状が強い場合は、抗ヒスタミン剤を内服する場合もあります。感染性と非感染性のどちらにおいても、患部やその周辺を清潔に保つことがとても重要になります。
病院での検査・診断
視診や細菌検査で原因菌を調べ、パッチテストによるアレルギー反応をみて原因の特定を行います。
予防法
眼瞼炎を繰り返し発症する人の多くは、汚い手で目をこすったり無意識にまぶたや目の周辺に触る人が多いと考えられています。そのため、日頃から手洗いをしっかりと行い、必要以上に目元に触れないよう心がけることが大切です。
また、コンタクトレンズの着脱時や、付けまつげ、アイメイク時に清潔に保つことも重要になります。
東洋医学では、五臓六腑の肝が目と深く関係すると考えます。そして肝は目に開竅すると言われているので、目の疾患は肝の機能障害が深く影響していると考えられています。そのため、目の症状には肝の機能を良くする事が大切です。
また、肝はストレスに弱い性質を持ちます。これは自律神経との関係も深いと考えられ、肝の機能を高めるように治療することが重要になります。
【肝陰虚】・【肝陽上亢】
過度な緊張や疲労、ストレスを抱えると肝陽が上り熱証がみられます。
過度なストレスや疲労により肝の陰陽のバランスが崩れ、肝の陽気の過亢進がおこり、その後次第に陰液を消耗して肝陽が頭の方に上がっていきます。陰液が不足してしまい、肝陽を抑える事ができないので肝陽が上ってしまい、目の炎症や充血を起こすと考えられているからです。
症状としては、顔面部や頭部に症状が現れやすく目の充血、炎症、など目の疾患とほてり、めまい、ふらつき、高血圧、頭痛、自律神経失調症などがあります。
当院の眼瞼縁炎に対する施術目的は、第一に目の周辺のツボに鍼やお灸の刺激を与え、抗炎症作用を促し自然治癒力を促進します。
また、眼瞼縁炎は五臓六腑の「肝」に深く関係しているので、肝に関する経穴を用いて肝血を補うことや「肝気」の巡りをよくします。また肝の陽気が過亢進して頭の方へのぼっていくことで眼瞼縁炎の症状を起こしているとも考えられるので肝の陽気を抑え、なおかつ下げる治療もする必要があります。風熱の邪気によって引き起こされる場合はそれらを体外に出す施術が必要になります。
そして、眼瞼縁炎は、アレルギーや細菌、ウイルスなどによる感染が原因と考えられることが多く、根本に免疫力の低下や自律神経の乱れがあり、それが原因となり起こる場合もあります。そのため、当院では、自律神経の状態を把握した上で施術させていただき、全身の自律神経のバランスも調整します。
自律神経は免疫力にも深く関係しており、疲労の蓄積や過度なストレス、生活習慣の乱れなどからバランスが崩れると免疫力が低下し、細菌やウイルスに感染しやすくなります。また、自律神経は全身の血行や皮脂分泌の調節にも関わっている為、自律神経を整えることはとても大切になっていきます。
そして首や肩周りには眼周辺に注ぐ血管や眼の症状に効くツボがあるため、首肩周辺の筋緊張は血液循環を妨げ影響を与えるため、首肩の治療も行います。そして、眼瞼縁炎の治療に対してお灸治療も用います。目の周りにお灸をいたしますが、痕などは残らず心地よいお灸を施しますのでご安心ください。
身体の免疫力が落ちていない状態であれば目に細菌やウイルスが触れても感染する可能性は低くなります。しかし、高齢者や他の治療を行っていて免疫力が低下している方などは感染しやすい状態になりますので、注意が必要です。
バランスのとれた食事、良質な睡眠、適度な運動が生活習慣を整え免疫力の向上に繋がるのでとても大切です。
自律神経は、無意識下で働く神経です。中枢は脳にありストレスの影響を受けやすいため乱れる原因は様々です。
当院では、自律神経測定器で血管の状態や自律神経の交感神経と副交感神経のバランス、疲労度、ストレス度などを測定をし、お身体の状態を診ていきます。このデータを元にその方その方に合ったオーダーメイドの治療を行います。
血管は自律神経の作用を受けるため、自律神経を整える事は全身だけでなく眼周辺の血液循環も良くなると考えます。また、自律神経を整えることで、自然治癒力を最大限に得ることができるので自律神経治療はとても重要です。
自律神経のバランスを整える事で、筋肉の緊張を緩和し、血行を促進して症状を改善し、再発や悪化を防いでくれます。
眼瞼縁炎やただれ目など目の症状でお悩みの方は、東京α鍼灸院へお越しください。
起立性調節障害の治療法は、まず自律神経を整えることから始めます。
自律神経のバランスが乱れるために症状が出ますので、交感神経と副交感神経のバランスを整えることが優先になります。当院では、自律神経測定器により自律神経バランスを測る事ができます。
この機械により交感神経と副交感神経のバランスや肉体ストレス、精神ストレスなどを調べることができるので今の症状はどれが一番影響している原因か検査結果によりわかります。
鍼灸治療は自律神経を整えることに優れた治療法です。痛みが少ない細い鍼を使う鍼治療と心地よいお灸治療を小一時間ほど受けていただくと治療後には効果を実感していただけると思います。
小さいお子様は痛みに敏感ですので、どうしても怖い方には刺さない鍼の種類などを用いて治療します。
起立性調節障害は対人関係や周囲に認知されないなどとストレスを強く抱えている場合もあります。このストレスにより免疫力を低くしてさらに症状を強くすることがあります。
そのためストレス治療も必要になることが多いです。
鍼灸治療は効果があるものの一回で完治することはまずありません。体質改善を目的とすることが多いので、定期的に通っていただくことが理想です。
始めは効果をだすために詰めて来ていただくことが多いです。3~5日に一度のペースで来院してもらい症状が改善してきた頃にまた自律神経計測器で検査して、根本から変化が起きていることを確認して治療間隔を1週間に一度、2週間に一度と広げていきます。
起立性調節障害とは、自律神経失調症の一つと言われるもので、主に立ちくらみ・朝に起きられない・息切れ・全身倦怠感・腹痛などの身体不調の症状がみられるものです。
頻度の高い疾患とされ、小学生の5%で中学生の10%が起立性調節障害を持っていると言われます。好発年齢は、思春期前後の小学校高学年から高校生ぐらいで年齢にすると10歳から18歳ごろになります。小中高を通して、女子に多く男女比で1:2です。起立性調節障害にかかっている人の約7割に神経症や心身症がみられるとも言われています。
午前中に体調が悪く午後に体調が回復することもあり、学校に行きたくないと訴えることもあります。症状が体調不良のようなことから起立性調節障害が不登校の原因になることもあります。
この疾患は、まだまだ認知度が低いため気づかれにくく周囲から誤解を受けやすいです。
子供がなりやすいため仮病に間違えられて本人もわからないため苦しむこともあります。
学校の教師や親が気持ち次第や怠けていると勘違いするほど子供が拒否的になりますので専門医などにかかり診断してもらい起立性調節障害に対する知識をつける必要があります。
起立性調節障害は冬季に緩解して、春季前後から悪化する傾向があります。
病態
起立する際、人の血液は重力によって下半身に貯留して血圧が低下します。正常な方ではこの血液が下半身に行き過ぎないように血管を収縮させて防ぎます。これは自律神経の交感神経が働くために起立や体位変換をしても血液の変動を少なくできるのです。起立性調節障害では、全身の血液や脳血流が維持できなくなり、様々な症状をきたします。一般的に脳貧血や失神前状態になります。症状の頻度や程度が強くなると日常生活にも支障をきたします。
また、起立性調節障害の人は、過剰適応な性格が多く、対人でのストレスをよくためやすいです。
起立性調節障害は遺伝的な関係もあると考えられているので家族に起立性調節障害の方がいる場合は強く疑います。
起立性調節障害の検査や診断
大症状と小症状の項目から判定します。小症状は自律神経症状や不定愁訴が多く、大症状は起立性調節障害に特異的な症状が多いです。
大症状
・立ちくらみ、めまいを起こしやすい
・立っていると気持ちが悪くなる、強いと倒れる
・入浴時あるいは嫌なことを見聞きすると気持ちが悪くなる
・少し動くと動悸や息切れを起こす
・朝の寝起きが悪く、午前中調子が悪い
小症状
・顔色が青白い
・食欲不振
・疝痛をときどき訴える
・倦怠感あるいは疲れやすい
・頭痛をしばしば訴える
・乗り物に酔いやすい
・起立試験で脈圧狭小16mmHg以上
・起立試験で収縮期血圧が安静時より低下21mmHg以上
・起立試験で脈拍数増加1分間に21回以上
・起立試験で立位心電図TⅡの0.2mV以上の減高。その他の変化
以上の項目のうち器質性疾患を除いて
大症状1と小症状3以上、大症状2と小症状1以上、大症状3以上
を起立性調節障害と判定します。
軽症例では非薬物療法から始めます。
日常の生活指導や運動療法などを行います。
・生活のリズムを整える
・失神予防に起立時は30秒かけてゆっくり立ち上がるようにする
・水分や塩分を十分に摂取する
・弾性ストッキングやODバンドのような加圧式腹部バンドを着用
・規則正しい生活にする。早寝早起き
薬物療法
非薬物療法で改善しないような重症例では、薬物療法も併用します。
細動脈や静脈に働きかける薬で副作用が少ないと言われています。
症例
10代 女性
1年前から倦怠感が現れ始め、徐々に朝の起床が困難になってきた。体調が芳しくない時は学校も休むようになり、それも最近増加してきた。それ以外にも立ちくらみや息切れといった症状がある。特に生理の1週間前ぐらいから症状が強く出る事が多い。天気の影響も強く、雨の日は起き上がることが難しくなる。
当院の施術
お話をしていると、とても明るくハキハキとした口調で何も不調がなく健康そうに見えるが、自分よりも周囲に無理をして合わせる過剰適応の印象を受けました。詳しくお話を伺うと、ストレスが強く感じることがあり、精神的な疲労が蓄積すると便秘と下痢を繰り返す過敏性症候群のような症状も起こることがあるということです。首肩の筋緊張は異常に強く、呼吸が浅い状態でした。足は冷えが強く、むくみも確認しました。
問診、触診を行った結果、
①自律神経調節治療
②首肩背中の筋緊張緩和
③下肢の血液循環促進
以上の施術を中心に行いました。
施術間隔は1週間に1回~2回。
施術経過
1回目~4回目
大きな変化はないが、以前より気持ちがリラックスできるようになってきている。
5回目~7回目
スムーズに起床できる日が増えてきた。朝の苦手意識が薄れてきた。
8回目~10回目
体調がいい日が続いているが、天気が悪い日や疲れた時は起床が難しい時がある。
11回目~13回目
たまに起床が困難なことがあるが、学校を休むことは無くなった。
14回目
体調のいい日が続いている。快適に過ごせている。
現在は1か月に1回メンテナンスとして通院中。