食欲不振の鍼灸治療

2018年10月19日

食欲不振の東洋医学

食欲不振を東洋医学的に診ると、『』の作用が深くかかわってきます。気の病態には、大きく分けて気が少なくなる『気虚』と気が停滞してしまう『気滞』とがあります。

・気虚
気虚は気の作用不足によって臓腑の機能低下や免疫機能の低下などが現れます。食欲不振に関しては特に脾胃の機能が低下してしまう脾胃気虚という病態がかかわってきます。脾胃気虚では、食欲不振の他にも消化が悪くなったり、味覚が感じられなくなるなどの症状が出てきます。

・気滞
気滞は、全身をまわって人の活動に作用する気がどこかで停滞してしまうことによって起こる病態で、精神的ストレスや病邪の進行などが原因となります。特に五臓六腑の胃の部分で気が停滞することを胃気滞といい、胃酸が逆流してしまう呑酸や悪心・嘔吐などの症状も出てきます。近年よく聞かれる逆流性食道炎もこの胃気滞に当てはまります。
逆流性食道炎の鍼灸治療について

 

 

※東洋医学で食欲不振に効果のあるとされる食べ物
東洋医学で食欲不振の効果のある食べ物は数多くあります。

その中でも今回はミカンの皮をご紹介させていただきます・ミカンの皮は古くから漢方では用いられている食材の一つです。ミカンの皮は、明時代の薬物学書では陳皮と書かれ、湿邪を取り除いて気の巡りをよくするという効能を持つされています。

胃腸の働きを助けるは効能があって食欲不振痰・喘息にも効果があります。ただし、ミカンの皮は、熱っぽくてのぼせ気味の方や高血圧の方には良くないとされ、摂取しすぎてしまうと痰を生じやすくなってしまうため注意が必要です。

また、特に日本で生産されているミカンは改良されていて甘みが増しているため、食べ過ぎてしまうと体内で処理しきれない水分を体内に溜め込みすぎてしまう危険性もあります。
しかし、ミカンの皮には基本的に消化を促進させて胃腸の働きを活発化させて食欲を増大させる効果が期待できますので、食前にフライパンで少し焦げるまでいっておいてお湯につけて飲むと効果的です。

また、しゅんぎくも食欲不振に効果があるとされています。ベータカロチンが豊富でビタミンCやBなどビタミン類も豊富でカルシウムや鉄、ミネラル、食物繊維もバランスよく含まれています。しゅんぎくは食べ過ぎないようにすればどの体質の方にも良い効能があるとされる数少ない食物です。食欲不振の解消やコレステロールの減少作用、整腸作用の他に肌の美容効果もしゅんぎくを適量に摂取することで期待できると言われています。

 

 

食欲不振に対する当院の鍼灸治療

食欲不振に対する治療では、自律神経の状態が深くかかわっているため初診時に自律神経測定器で自律神経の状態を測定していきます。その結果をもとにして一人一人に合った施術を選択していきます。

食欲不振の鍼灸治療

 

また、東洋医学的に診ると気の流れをよくることが食欲不振を解消することには重要です。特に胃脾の機能を回復するツボを用いたり、全身の気の巡りをよくする特効穴も鍼灸施術などで刺激していきます。

 

食欲不振のうつ伏せ鍼灸治療

今までで一度は食欲がわかない・食事を摂っていないのにお腹が空かないという経験をされたことがあるかと思います。食欲不振が続いてしまうと単に栄養素が体に送り込まれないというばかりではなく、心身の様々な病状、胃潰瘍・胃がん・心筋梗塞・心不全うつ病自律神経失調症などが食欲不振として現れている場合もあり、注意が必要です。その他、食欲不振が長く続いている状態ですと、拒食症摂食障害の場合もあり、命の危険性も伴うこともあります。

 

 

食欲不振とは

食欲がわかないと軽く考えることは危険で長く続いた場合や食欲不振の他にも身体症状が出てきた場合は早急に対処する必要があるのです。

まずは、食欲がわくメカニズムについて簡単に書かせていただきます。

食欲のメカニズム

食事を摂って栄養素を体内に取り込むことは、人間が生きていくためにとても重要な行動の1つです。食欲を主っているのは、脳の視床下部という部分にあります。視床下部は間脳という部分に位置して、自律神経の調整機能や内分泌を調整する機能も備わっています。視床下部の外側野には食欲を促進させる摂食中枢があり、内側野には食欲を抑制させる満腹中枢という器官があります。
視床下部にはその他にも、喉の渇きを感じて水分を摂るように行動する渇中枢や、体温調節中枢・性中枢・睡眠に関する中枢・怒りや不安などの情動に対する中枢までもあるとても重要な器官です。
食欲には、体内のエネルギーが減少してエネルギー源を取り込もうとする本能的なものと目の前の美味しそうな食べ物を食べたいという欲求的なものとがあります。
本能的なものに関しまして運動などの活動により体内のエネルギーが消費されてくると血糖値が低下してきます。すると体に蓄えていた脂肪を分解して遊離脂肪酸という物質を血中に放出してエネルギー不足を補おうと体が反応します。この分化された遊離脂肪酸の血中の情報は視床下部にある摂食中枢に伝えられて空腹感となって体にあらわれてくるのです。この過程がうまく機能すると食欲がわくという体の反応が起こるのです。

 

食欲不振の原因

食欲がわかない原因は、大きく分けて生活習慣の乱れ・自律神経の乱れ・ホルモンバランスの変化・胃腸などの内臓の不調が挙げられます。
・生活習慣の乱れ
生活習慣の基本は、食事・運動・睡眠であり、運動や睡眠状態が良くないと食欲もわきづらくなってしまいます。エネルギーは、基礎代謝と運動や仕事などの活動によって消費されます。基礎代謝とは、生命活動を維持するために必要なエネルギーのことで心臓などの内臓の働きや脳の働きなどで消費されるエネルギーのことです。基礎代謝は何もしていなくても消費されるエネルギーなので、仕事や運動などの活動量が減ってしまうことが食欲不振の原因となってきます。運動などの活動量の減少は、体外からのエネルギー補充の必要がなくなってしまうことで本能的に食欲不振に陥ってしまう危険性があります。
また、睡眠不足や睡眠時間が定まらない不規則な睡眠習慣は、人間が本来備わっている自律神経バランスの恒常性が保たれなくなってしまうことで自律神経の乱れに繋がってしまい食欲不振の原因となってしまうのです。

・自律神経の乱れ
自律神経とは、自分の意識とは無関係に働いている内臓や脳の働きを主っている人間の生命活動にはとても重要な神経です。自律神経には、活動的な神経である交感神経と体を休める作用のある副交感神経とがあります。基本的に日中など仕事や勉強中などに優位になるのが交感神経で逆に夕方から夜にかけて体を休める時間帯に優位になるのが副交感神経です。夜遅くまで仕事などをしていて夜に交感神経が優位な状態が続いてしまっていたりと自律神経のバランスが崩れてしまっている状態を自律神経の乱れといい、身体に様々な悪影響を及ぼします。
食欲の観点から自律神経をみますと、自律神経と胃の活動の関係性がキーポイントとなってきます。自律神経のリラックス神経である副交感神経は胃の活動をつかさどっています。副交感神経の活動がうまく機能していないと空腹の状態でもエネルギー補充しないとという指令が脳に届きづらい状態となってしまうのです。
また、よく夏バテをすると食欲が落ちると言われますが、室内と室外との気温差が自律神経のバランスを崩すために胃の働きを低下させるために生じると言われています。

・ホルモンバランスの乱れ
ホルモンバランスの乱れでも食欲不振になってしまいますが、その多くは女性です。特に妊娠中や更年期などにホルモンバランスの変化が激しい時は食欲不振に陥りやすくなってしまいます。
その他、甲状腺機能低下症でも食欲不振に陥ることがあります。それは甲状腺ホルモンが不足していることで生じて、甲状腺ホルモンは全身の代謝を維持しているホルモンなのでこのホルモンが低下することで全身の倦怠感や体温の低下なども引き起こします。

・胃腸などの内臓の不調
慢性胃炎や胃・十二指腸潰瘍、胃がんなど胃腸の病気は食欲の低下が起こります。食欲の低下が数日間続いて、みぞおち当たりの痛みがあったりお通じの色が変化している場合は、何らかの病気を発症している危険性がありますのですぐに病院で診断を受ける必要があります。

 

 

執筆者

清水大地

眼精疲労専門の鍼灸師

資格
はり師
きゅう師

2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む

2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立

2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院

2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院

2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院


Posted by 中目黒の鍼灸院 東京α鍼灸整骨院|眼精疲労 at 14:45 / 院長コラム コメント&トラックバック(0)

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