腰椎椎間板ヘルニアの鍼灸治療

2019年7月14日

 

 

腰椎椎間板ヘルニアに対する当院の鍼灸治療

 

 

当院の腰椎椎間板ヘルニアに対する治療の目的は、第一に腰部から下肢にかけてのツボや痛みの強い部位に鍼をさして血行を良くしたり、筋の過緊張を和らげます。また必要と判断した場合は、微電流を流して痛みを感じる閾値を上げて痛みを感じにくくする作用を促します。

腰椎椎間板ヘルニアの鍼治療

 

 

従来は、一度飛び出してしまったヘルニアは自然と引っ込むことはないと考えられていましたが、MRIなどの画像診断の発達によって時間が経てば一部のヘルニアは吸収されて飛び出したヘルニアが小さくなったりまたは完全になくなったりすることがわかってきました。ヘルニアが吸収されるポイントとして白血球の働きがあります。白血球は本来体外から侵入してきた病原菌や異物から体を守る防御作用があります。この働きが髄核から飛び出したヘルニアにも作用してヘルニアを異物と察知して溶かして吸収する作用が働くと言われています。

 

この作用を利用したお灸の作用でヘルニアが軽減する可能性があります。お灸の作用の一つとしてお灸をした箇所が火傷をしたと体が反応して白血球が集まることがわかっています。それを利用して患部にお灸を施すことでその付近に白血球を集めてヘルニアを溶かして吸収する作用を促します。

 

腰椎椎間板ヘルニアは五臓六腑の「」に深く関係しているので腎に関する経穴を用いて「腎気」を補うことや腰部の気血の流れをよくします。また風寒や湿の邪気によって引き起こされる場合はそれらを体外に出す治療が必要になります。

東洋医学の診断方法に基づき全身の調整治療も行っていきます。腰椎椎間板ヘルニアは全身性の疲労や気血の滞りが原因の場合もあるので腰だけの部分的な治療ではなく全身を診て治療していきます。全身治療を行うことにより人間が本来もっている自然治癒力を高めます。腰痛の鍼灸治療はWHO(世界保健機関)でも有効とされています。

当院の腰椎椎間板ヘルニアの治療目的は、腰椎椎間板ヘルニアの回復程度を高めて、回復を速めることです。また西洋医学とは違う東洋医学の観点により少しでも腰椎椎間板ヘルニアが回復できる機会を提供することです。それにより、患者さんの仕事の質の向上や生活の質の向上が期待できます。

腰椎椎間板ヘルニアの足への鍼灸治療

 

 

腰椎椎間板ヘルニアの場合、当院では整形外科などの他の病院での治療を勧めさせていただく場合がございます。はりやお灸などを使った施術よりも治療効果が見込めるからです。
当院で施術可能と判断された場合のみの対応させていただきます。

当院では、こういった場合、専門医の診断が必要と考えております。
ⅰ)尿閉や尿漏れなどの排尿障害や排便の障害が出ている場合
ⅱ)筋力低下や知覚障害がなかなか改善されていかない
ⅲ)鍼灸治療を2週間続けても効果が出ない

 

腰椎椎間板ヘルニアの鍼灸治療症例

 

30代男性

運送業の仕事で車を運転することも多く、重い荷物も運ぶこともあり、慢性的な腰痛で悩んでいた。痛みでつらい時は、マッサージなどを受けてなんとか過ごしていたが3週間ほど前の朝に歯磨きをしていて急にくしゃみをしたところ歩けないほどの痛みを腰に感じた。すぐに病院に行き、注射や痛み止めを飲み強い痛みはなんとか2~3日で軽減されたがその後も強い痛みが腰に出ることがある。病院では、CTおよびMRIを撮ったところ第4腰椎と第5腰椎間の椎間板ヘルニアと診断された。痛みが続くようだと手術しかないと言われたがどうしても手術は回避したいということで当院にご来院された。

 

当院の治療
痛みを抑制させる鍼通電療法、周りの筋肉を弛緩させる目的での温熱療法、収縮された筋肉を伸ばすストレッチ療法を駆使して施術していきました。家でもストレッチとインナーマッスルを鍛えるトレーニングを行っていただきました。

 

治療経過
最初の施術は腰の痛みが少しいいかなという程度でそこまで変化が見られなかったが2回目以降だんだんと腰痛が軽減されて集中的な治療で6回程治療をしたところ腰痛をほぼ感じなくなったので、その後は経過観察で2週間後にご来院していただきました。その後定期的(1か月に1回程)に筋肉を緩める施術を行っているが再発はしていません。

 

 

腰椎椎間板ヘルニアとは?

 

腰椎は5個あって上から順に第一腰椎・第二腰椎と名付けられています。椎骨は円柱状の椎体と後ろにある椎孔をアーチ状に囲む椎弓よりなり、椎孔は上下に重なって脊髄を通す脊柱管をつくります。椎体と椎体はいくつかの靭帯や椎間板という組織によりつながれています。

椎間板は外縁部を構成する線維性軟骨組織でできた線維輪と中心部を構成する軟らかい髄核という組織でできています。髄核は弾力性とある程度の流動性があり、それらが圧の分配を行って脊柱の屈伸やねじれを可能にしています。

椎間板の線維輪が弱くなって全体として膨隆したり、線維輪が断裂して中の髄核が脱出したりして椎間板組織が神経根を圧迫して腰・下肢痛を引き起こした病態を腰椎椎間板ヘルニアといいます。椎間板という組織自体は加齢とともに老化しやすい組織であり、退行性疾患の代表的疾患ですが、重いものを持ったり、スポーツなどで腰に負担がかかって発症するきっかけとなる場合も少なくありません。髄核の脱出部位や程度によって3型に分類されます。

 

ⅰ)膨隆型
後方の線維輪の列隙部に髄核の一部が移動してしまいます。症状は比較的軽いものが多いです。

ⅱ)突出型
髄核が線維輪から突出している状態ですが、後縦靭帯には覆われていて、症状としては中程度の場合が多いです。

ⅲ)脱出型
髄核が線維輪から突出して、後縦靭帯をも破っている状態です。症状は、重症の場合が多いです。

腰椎椎間板ヘルニアの主な症状は、腰痛片側の下肢へと放散する痛みです。症状が急激に生じる場合とゆっくりと生じる場合とがあり、急激に発症する場合の多くはいわゆるぎっくり腰のような症状が数日みられます。

発症当初は腰痛がひどく体動もままにならない場合がありますが、1~2日経過すると腰痛が軽快し、それに代わって圧迫された神経根の支配領域に放散する下肢痛しびれが症状の主体となります。

両下肢の高度な感覚・運動障害そして排尿障害が急激に生じる場合があり、その場合は早急に手術的治療が必要となる場合もあります。
好発年齢は20代、30代・40代、次いで10代、50~60代の活動性の高い男性に多く、好発部位は第四腰椎-第五腰椎の間(第四腰髄神経)、次いで第五腰椎-仙骨(第五腰髄神経)です。この2つの好発部位で椎間板ヘルニアの実に95%も占めています。その他第三腰椎―第四腰椎にもまれに発症しますが、複数のヘルニアが同時に発症する頻度はひくいです。

第五腰髄神経が障害されれば、足背では中央部から母指にかけて知覚鈍麻が起こり、親指を反り返す動作がしづらくなります。第一仙髄神経が障害されれば、足背の小指側の知覚が鈍くなります。

 

腰痛

 

 

※肩こりと椎間板ヘルニアの関係
肩こりによって体の重心がずれてしまう事で骨盤が傾いてしまい、椎間板への側方への圧が集中してしまうため椎間板ヘルニアのリスクが高まってしまうことが言われています。
肩こりの原因の多くは、僧帽筋や肩甲挙筋の筋の過緊張状態です。それらの筋肉が過緊張状態となると片方に首が引っ張られてしまうために体の重心が肩こりが起こっている側に移動してしまいます。
すると、反射的に身体を姿勢を保とうとするため、腰部の姿勢を保つ役割のある筋肉である腰方形筋や腹斜筋に無意識に力が入るようになり、筋疲労を起こしやすい状態となってしまうのです。そして、それらの筋肉の疲労を人は無意識に他の関節を動かして調整するような代償運動がおこります。その代償運動により筋肉への負担はある程度軽減されるのですが関節にはかかる負担は増大してしまうのです。その状態が長く続いてしまうことで関節が耐え切れなくなり、椎間板ヘルニアや椎間板圧迫骨折などの症状をきたしてしまうのです。

 

 

腰椎椎間板ヘルニアの原因

腰椎椎間板ヘルニアになる原因として重いものを持つなど日常生活での動作が引き金となる場合や椎間板や椎骨の老化による場合、姿勢の悪さからくる背骨の歪みによる場合などがあります。また、スポーツなど力学的負担が原因となる場合も少なくありません。

この疾患の発症には、同一家系内に同じ疾患が多発することや不安抑うつなどの精神的な疾患、仕事上のストレス・集中度・満足度などが深く関与していることも指摘されています。遺伝的要因が考えられる場合、若年者の発症にその傾向が強く、急性腰痛症を数回発症したことがある方に腰椎椎間板ヘルニアが発症しやすくなると言われています。

 

腰椎椎間板ヘルニア症状の予防

腰椎はもう20代からすでに老化が始まってしまっていると言われています。人間の体の中で最も早く老化が進む箇所だとも言われます。
もともと、哺乳類は二足歩行ではなく、人間は進化していく過程で2足歩行に進化していきました。人類の二足歩行への進化は急速に進んだため上半身を支えている腰部に負担が大きくかかることはある程度仕方ない人体構造となっているのです。

腰椎椎間板ヘルニアの症状で一番つらい症状が腰痛かと思いますが、腰痛症状を予防するにはまず腰部に負担を大きくかけないことです。重いものを持つときは上半身だけで持ち上げようとはせずに膝などの下半身からしっかりと持ち上げるようにすると腰部への負担はいくらか軽減されます。

また中腰姿勢が長く続いてしまいますと負担が増大しますので避ける必要があります。

その他、腰部周辺の筋肉の柔軟性を保つことも重要です。筋肉が固まってしまっている状態ですと腰部の関節に負担がかかりヘルニアになりやすくなります。
腹筋を鍛えることも腰痛予防には重要で腹筋には体の姿勢を保つ役割もあり、その部分の筋力が低下してしまいますと同じように体の姿勢を保持する役割のある腰部の筋肉に負担が大きくかかります。

 

 

執筆者

清水大地

眼精疲労専門の鍼灸師

資格
はり師
きゅう師

2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好医院にて多くの臨床経験を積む

2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立

2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院

2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院

2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院


Posted by 中目黒の鍼灸院 東京α鍼灸整骨院|眼精疲労 at 10:40 / 院長コラム 腰椎椎間板ヘルニアの鍼灸治療 への4件のコメント

お問い合わせはこちらから
ここをタッチするとすぐにお電話が出来ます
メールでのお問い合わせはこちらから