月経不順・生理痛の鍼灸治療

 

月経不順の鍼灸治療

 

当院の月経不順に対する鍼灸治療は、自律神経の乱れを整え、身体の冷えを取り除くことにより月経不順の改善を促します。

治療手順
1.問診
しっかりと問診をして原因のありそうな部分を特定していきます。
丁寧な問診

2.自律神経測定器
自律神経測定器を用いて現在の体の状態を把握します。
_MG_0322

 3.仰向け治療
冷えのある部分にお灸を施したり、全身治療により自律神経を調整します。

月経不順の仰向け鍼灸治療

 

4.うつ伏せ治療
背部兪穴という五臓六腑の状態を調節するのにとても重要なツボがありますので、その部分を刺激していきます。

 

月経不順のうつ伏せ鍼灸治療

 

 

月経不順の鍼灸治療症例

 

20代女性

学校や仕事などでストレスを感じる際に生理痛に悩まされていたが、1か月前から生理痛に加えて経血量も増えてきた。月経周期も遅れることが多い。生理前にはイライラ感や怒りっぽくなり、イライラしている自分に腹が立ちさらにイライラ感を増す悪循環を起こしている。

月経不順のほかに慢性的な肩こりや腰痛もあり、とくに月経前になると腰痛はひどくなって生活に支障をきたすほどとなる。

 

当院の治療

自律神経測定器の結果、交感神経が過亢進状態でしたので、自律神経で体全体の調子を整えた上で、肩や腰のこりや痛みを取り除いていきました。

 

◇1回目◇

治療後肩こりや腰の症状は楽になった。生理の痛みはあまり変わらず。

◇2回目◇

月経が終わり、生理の痛みは引いてきたが、前回治療後よくなった肩こりは仕事で忙しくて戻ってしまった。治療後は軽快。

◇3~5回目◇

月経前は、少し体がだるい感じが出たが、いつものような月経前のひどい腰痛はでなかった。生理痛もいくらかましになったとのこと

◇6~10回目◇

全体的な身体の調子が上がってきてイライラ感も減ってきた。肩こり・腰痛は減ってきた。

◇11回目◇

月経周期は2日だけ遅れたが生理痛がなくなり、経血量もだいぶ減ってきた。

 

症例2

40代 女性

30代半ばで子供出産。それを境に徐々に月経が遅れるようになってしまった。特にここ2~3年は子育ても少し落ち着き、新しく事務仕事のパートをやるようになるとさらに悪化。50日間も月経が来ない時もある。仕事もデスクワークが主で座ったままパソコン作業をしていてストレスも溜まっている。朝も子供も学校への支度など早く起きて準備するため睡眠時間も平均すると5時間ほどと身体の疲れも抜けきれない状態。
あまりに月経が遅く心配となったため産婦人科を受診。器質的疾患や内分泌系疾患などは発見されなかった。そこでは、月経を誘発する薬を処方されたが、多少改善された程度でまだまだ月経時期が安定せずに遅れがちだったため、ほかの改善策はないかと当院にご来院されました。

治療
腰部や下肢、特に足先の冷えが顕著にみられた。自律神経測定の結果も交感神経の活動が高い状態で副交感神経の活動は抑制された状態でした。自律神経の状態を整えることとお灸で腰部・下肢の冷えをとる施術、併せて東洋医学的なアプローチ(心・肝・腎の機能を整える)をしていきました。

経過
最初の10回程は週に1~2回程の治療間隔で治療。その後は2週間に1度ほどの治療間隔で施術していきました。

治療開始して徐々に体の疲労感も取れてきて睡眠の質が上がったような気がしたとのこと。なんとか以前よりも1時間早くベッドに入るようにしていただいたが、夜ぐっすり眠ることが出来る。治療開始てはじめての月経周期が35日とやや早まった。

その後、徐々に腰部・下肢の冷えなども改善。その後月経周期が30日前後と安定するようになった。

 

 

月経不順に対する東洋医学的考え

 

月経不順は東洋医学において「経乱」とよばれています。また月経異常は東洋医学でいう「心」「脾」が深く関係していると言われています。気血は、脾胃の作用によって運ばれますが、脾の機能が低下して気血をうまく運べない状態となってしまうと月経異常が起きます。
また「心」の「血脈を主る」という心臓でいうポンプ作用が低下してしまうと細部に血液が回らなくなり、月経になりやすい状態となります。

東洋医学の「心」の作用

  • ・心は血脈を主る

これは、西洋医学でいう心臓のポンプ作用のことを指します。それ以外にも身体の細部にまでわたる新陳代謝や機能の発現なども指します。

  • ・心は神を主る

思考や分析・判断処理などの意思決定や思想のことを「心」が主っていることを指します。

  • ・汗は心血である

血液の成分である津液が汗に変化することを指します

東洋医学の「脾」の作用

  • ・脾は運化を主る

脾と胃の作用により消化された栄養物質を全身に送り届かせたり、気・血・津液などの生成

を行います。

  • ・脾は統血する

脾の運化作用で全身に気血や栄養物質を送り届かせるためにそのような物質を脈外に出さないようにする作用があります。

  • ・脾は四肢・肌肉を主る

脾の機能によって運ばれた物質が四肢や筋肉を栄養することをあらわします。

「心」と「脾」の関係

脾が血の生成の元を供給して心は血を循環させてさせる役割があり、お互いが関係しあっています。よって脾の機能が低下すると心にも影響を及ぼし、また逆に心の機能が低下すると脾の機能が低下します。

 

月経不順とは

 

月経が規則正しく来ないものです。月経の悩みで一番多いのが月経不順です。

月経は女性の生涯で35~40年間です。

月経周期は、だいたい30日前後で繰り返されます。前の月経がはじまった日から次の月経が来るまでの期間が月経周期になります。月経周期が25~38日の間であれば正常な周期と言えます。

24日以内と周期が短いと頻発月経と呼び、39日以上遅れるものを稀発月経と呼びます。

 

月経不順の原因を引き起こす病気には多嚢胞性卵巣や高プロラクチン血症があります。

生理痛

 

 

月経とは

子宮内膜が溶けて落ち、出血がおこるものです。

これは、子宮内膜は細胞や毛細血管、分泌腺などが含まれた組織です。この組織が次の月経に向けて、体内にある酵素が働き出血となって身体の外に出されるためです。

子宮内膜は子宮の内側を覆っている膜で、月経周期によって厚さを変えていきます。

この子宮内膜の厚さや月経周期は女性ホルモンによって作り出されています。

 

 

月経に異常がある時は多くの原因がホルモン分泌のアンバランスです。

月経は女性ホルモンによってコントロールされています。

脳の視床下部よりゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)が脳下垂に指令をだして性腺刺激ホルモンのゴナドトロピンを放出します。

このゴナドトロピンは二種類あって、女性ホルモンの卵胞ホルモン(エストロゲン)黄体ホルモン(プロゲステロン)です。

この二種類が排卵を促せたり、子宮内膜をコントロールします。排卵期には卵胞ホルモンが増えて排卵促すのと子宮内膜を増殖させて厚み作ります。排卵後は黄体ホルモンが増えてさらに子宮内膜を厚くさせる作用があります。

 

子宮内膜は妊娠しやすいようにするのと、妊娠後に受精卵に栄養が渡るように「新鮮な状態」を作り出さなければいけないため、月経に周期があります。

 

この女性ホルモンは脳によって管理されている場所です。この脳はストレスや精神状況によって影響を受けやすいものです。

その影響で月経周期に変動を起こすことがあります。

ストレスのよる無月経は全体の約10%にのぼると考えられております。心理的ストレスは、受験・入学・就職・転職など生活環境の変化が大きい時に特に感じることが多いかと思います。また職場や家庭で上手く物事が進まないときなど現代ではストレス感じそれを溜めこんでしまい発散できないという方が増えています。特に本人がストレスと感じていなくても症状が出る可能性もあります。

また体重の減少も月経異常の大きな原因となりえます。特に危険なのが本人に痩せすぎているという自覚がなく、正常な体重にしようとすることを拒むことで起こる神経性無食欲症という病態です。これは思春期に起こりやすく、月経が開始してから栄養不良から無月経となり、ホルモンの分泌が抑制されてしまい、成長していくにしたがって様々な身体の悪影響が出てしまうのです。

 

ストレス以外にも冷えや自律神経の乱れ、生活習慣などがあります。

病気や加齢なども原因として考えられます。

・ストレス

・ダイエットなどで体重が減少

・自律神経の乱れ

ストレスや過度なダイエットは自律神経の乱れを生みホルモンバランスが崩れて、月経周期が定まらないままにしておくと将来妊娠しにくくなる可能性があります。

月経不順を軽いものと考えていると将来的に妊娠の可能性だけでなくいろいろな不定愁訴から病気になることもありますので甘く考えてはいけません。

 

女性ホルモンには

血をサラサラにする効果もあります。悪玉コレステロールを減少する作用があります。さらに血管の拡張作用もあるため、高血圧動脈硬化高脂血症心筋梗塞などの病気にもなりにくくなります。

 

  • ・お肌の艶に関係

お肌の艶に関係する、コラーゲンとヒアルロン酸を増やしてくれます。

 

  • ・骨を丈夫にします。

骨の破壊と再生の新陳代謝を調節してくれます。骨量のバランスが崩れると骨粗鬆症になります。

 

  • ・脳の活性

脳内の神経伝達物質のセロトニンやドーパミンを増やす作用がありますので、気分を明るく前向きな考え方になります。

 

どれも健康や女性には欠かせないものですので、月経不順とはストレスバロメーターだと思い、早めに改善したほうがいいです。

 

 

月経不順から引き起こされる病気には

  • ・不妊症
  • ・子宮筋腫
  • ・子宮内膜症
  • ・子宮内膜炎
  • ・クラミジア頸管炎
  • ・子宮頸管ポリープ
  • ・子宮内膜ポリープ
  • ・子宮頸がん
  • ・若年性更年期障害

 

子宮内膜症

子宮内膜は生理の時に剥がれ落ちます。この子宮内膜が何らかの原因で子宮の外にでてしまうのが子宮内膜症です。症状は月経痛・下腹部痛・過多月経・生理前の吐き気などです。

10人に1人かかると言われています。

 

子宮筋腫

女性の3~4人に1人は子宮筋腫を持っていると言われる程、多い病気です。

子宮の筋肉から発生する腫瘍です。

女性ホルモンの影響を受けて大きくなるため閉経後には小さくなっていきます。

生理の時の出血が多いことや、貧血、頻尿、排尿痛などの症状もありますが、自覚症状がない場合もあります。これは子宮筋腫ができる位置に関係していて、子宮の外側に筋腫がある場合は症状をあまり感じません。

 

子宮頸がん

誰でも起こる可能性があるもので、性交によってヒトパピローマウイルスに感染することで起こる病気です。

不正性性器出血が多く、おりものが多くなることもあります。進行するもので下腹部痛・血尿・血便・排尿障害が増えることもあります。

 

 


Posted by 中目黒の鍼灸院 東京α鍼灸院|眼精疲労 at 14:30 / 院長コラム 月経不順・生理痛の鍼灸治療 への2件のコメント

お問い合わせはこちらから
ここをタッチするとすぐにお電話が出来ます
メールでのお問い合わせはこちらから