鍼灸では患部周りの経穴を使い鎮静目的で鍼をしたり、お灸などで炎症をひかせます。
鍼灸治療を行うことで周りの筋緊張が緩和されて症状が改善されることが期待できます。頚椎椎間板ヘルニアでは頸部の筋緊張によって頚椎が圧迫されて神経根症状が誘発されることがあり、鍼灸治療では筋緊張を緩めることにより解消していきます。
お灸はその部分を火傷を負ったと脳が感じ取ります。するとそれを修復させようと白血球などの修復細胞や貪食細胞が集まってきます。すると、飛び出したヘルニアの部分を貪食細胞が除去することによってヘルニア症状が軽減されることが期待できます。
当院では、温熱療法や電気鍼療法などの物理療法を行ったり、関節を整えて患部の負担を減らして改善させていく方法も行います。
一般的治療法では、外科的治療法と保存療法があります。
外科的治療法とは手術のことで、手術を選択されて症状が改善することが多いですが、症状が全くされない・悪化してしまうというケースも稀に見られます。
保存療法は、激痛後は安静していただいて、落ち着いてからお薬や注射をする場合と、牽引療法や温熱療法などの理学療法を行う場合もあります。
頚椎椎間板ヘルニアは交通事故のむち打ちなどで多く見られる症状の一つです。
これは頚椎の骨と骨の間にあるクッション作用のある椎間板が後ろの脊髄神経を圧迫させてしまうものです。
このクッションとは骨と骨の連結部で動きを滑らかにすることや重力や衝撃に対してのクッション材になります。このクッション材は加齢とともに水分が減り柔軟性が乏しく変化していくものです。
繰り返し同じ方向の力が加わるとこのクッションが変性してしまい、若い人でもこの頚椎椎間板ヘルニアになることもあります。
このクッション材が交通事故の衝撃により変性して後ろの脊柱管にある脊髄や神経根を圧迫させることで椎間板ヘルニアになります。
ちなみにヘルニアとは本来あるべき部位から脱出した状態をいいます。俗に言うヘルニアですが、これは頚椎や腰椎の椎間板ヘルニアのことになります。
その他にも腹部の内臓が脱出する鼠径ヘルニア、食道裂孔ヘルニアなど多くのヘルニアがあります。
スマートフォンやパソコン作業が多くなっている現代では、その首に負担のかかる姿勢からストレートネックとなってしまい頚椎椎間板ヘルニアになってしまう危険性があります。
頸部は生理的な湾曲といって少し前側に曲がっています。それは、頭の重さを分散させるためですが、その湾曲がなくなってしまった状態ですと頭の重さが直に頸部にかかってしまうことで椎間板を圧迫してしまい頚椎椎間板ヘルニアになってしまうことがあります。
これは脊髄症状を伴う重い症状から神経根症状を伴う軽度のものまであります。
脊髄障害は、人間の中枢神経になります。この中枢神経が障害されると、幅広い範囲で症状が現れたり、生活する上で重篤な症状になることもあります。
排尿困難、膀胱障害や直腸障害など内臓系の異常もあります。
その他にも
・四肢の痺れや感覚異常
・四肢の運動機能が低下する
があります。
症状が片側でしたら神経根の症状が考えられます。
内蔵系や両側に症状がでた場合は脊髄障害などが考えられますので、お早めに近くの病院でMRIやレントゲンなどの検査を受けていただいた方がいいです。
頚椎椎間板ヘルニアになってしまう大きな要因は、普段の姿勢にあります。パソコンやスマートフォンが普及した現代では、前傾姿勢で背中は猫背となってしまい頸の負担は増加の一途をたどってします。
この姿勢を長時間続けてしまいますと、首や肩の筋肉に負担が大きくかかってしまうことで血流が悪くなってしまい乳酸などの疲労物質が溜まってしまうことでコリや痛みの原因となってしまいます。
長時間のそういった姿勢は避けて、細めに休憩を取る必要があります。休憩の合間に背筋を伸ばすストレッチや頸部の筋緊張緩和のためにゆっくりと頸部を回すようなストレッチを行いますと筋緊張緩和が見込まれて頚椎椎間板ヘルニアの予防に繋がります。
清水大地
資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好医院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院
Posted by 中目黒の鍼灸院 東京α鍼灸院|眼精疲労 at 21:51 / 院長コラム 頚椎ヘルニアの鍼治療 への2件のコメント