過活動膀胱の鍼灸治療

2018年10月16日

過活動膀胱の東洋医学的考え

 

東洋医学では過活動膀胱は主に五臓六腑の『膀胱』と『』の障害で起きると考えられています。

膀胱湿熱
外からの湿熱の邪気や飲食の不摂生、辛い食べ物を多く食べたりすることにより体内で湿熱を生み、それらが膀胱に至り、尿を貯留して適宜排泄するという膀胱の機能が障害されます。そうすると頻尿や排尿痛、残尿感、ときには血尿があらわれます。

腎気不固
腎気不固は腎精が不足し、腎気の汗や尿が排出過多ならないようにする機能が減退した病態で主に泌尿生殖器系の異常があらわれます。腎精とは人体の成長・発育・成熟・老化などを司り、青壮年期には最も充実して維持されるが、中年以降からは次第に衰えていきます。よって中年以降は年を重ねるごとに腎気不固の病態になりやすく、特に過活動膀胱になりやすいといえます

 

過活動膀胱の鍼灸治療症例

50代 女性
ここ1年くらいトイレに行く回数が頻繁となり、ひどいと1時間ごとにトイレに行くこともあった。電車内や車移動での渋滞、映画鑑賞中などなかなかトイレに行けない状況だとさらに尿意を感じるようになり、とてもストレスに感じていた。排尿を我慢することが出来ずにトイレに付く前に尿漏れすることも出てきて、病院を受診したところ過活動膀胱と診断された。
薬物療法や行動療法を試してみて、少し改善されたがまだまだあまりよくないということで当院にご来院された。

当院の治療
トイレが近いという日常的なストレスや夜間も起きてトイレに行くことも多く睡眠の質も低下しがちでしたので自律神経の状態を測定していきました。当院の過活動膀胱に対する治療目的は主に3つあります。

・自律神経を整える
自律神経が乱れると過活動膀胱になりやすいので自律神経測定器で自律神経の状態を把握した上で自律神経調整療法を行っていきます。

過活動膀胱の鍼治療

 

・全身、主に腹部を温める
お灸を用いて全身を温めて特に腹部を温めることで膀胱を伸び縮みしやすくします。当院で使用するお灸療法は決して熱すぎず、痕の残らないお灸を使用しますので安心してください。

過活動膀胱のお灸治療

 

・東洋医学的観点からの治療
東洋医学的に診ると過活動膀胱は『膀胱』と『腎』の機能低下が影響を与えているのでそれらを整えていきます。

過活動膀胱の下肢への鍼灸治療

 

治療経過
◇1回目◇
一回目の治療後の夜は夜間起きて尿をすることはなかった。日中の尿の回数は変化なかった。

◇2~5回目◇
夜間尿することはないが、日中の尿の回数に変化なし。

◇6回目◇
尿を我慢できることが増えてきて自分で排尿をコントロールできそうな気がしてきたとおっしゃっていた。

◇7~10回目◇
日中の尿の回数がだいぶ減ってきて日常的なストレスが減ってきた。

◇11~12回目◇
夜間尿もなく、日中の排尿回数も8回前後と正常範囲内になってきた。

排尿障害(過活動膀胱)
症例②

30代 男性

◇症状◇

5,6年ほど前から頻繁にトイレに行くことが増え、特に会社での会議や映画館、電車での移動前など密閉した空間や仕事中などトイレに行きづらい状況で強烈に尿意が襲ってくる。逆にトイレでは他に人がいると尿が出なくなってしまう。トイレに行く回数は1日に10回以上と多く、1回1回の尿量は少ない。
また昔から睡眠障害があり、なかなか入眠することが出来ず、眠りが浅い日々が続いている。

◇当院の治療◇

過去に一時的に強いストレスを受け続けた時期もあり、過活動膀胱は自律神経の乱れと大きく関わりがあるため、まず自律神経測定を行った。
結果、交感神経が過剰に働いていることが判明し、心身ともに常に緊張状態が続いていると考え副交感神経の働きを高める治療を行った。また下肢の冷えがあり、下肢の冷えは下腹部の冷えに繋がり、膀胱や排尿に関わる骨盤底筋の働きを悪くするため、下肢や下腹部をお灸で深部から温める治療を行った。

・1回目
症状は特に変化がなかつたが、身体の疲れは軽減した。

・2回目
睡眠の質も少しづつ良くなってきて、残尿感も少し良くなった。足の冷えはまだある。

・3回目
今までは緊張して個室ではないと排尿できなかったが、小便器のほうで用を足す事ができた。回数も減少し、心が落ち着いてきた。

・4回目
前回から変化なし。デスクワークが多いせいか首肩の緊張が強い。首肩や頭の筋肉を緩めると緊張した精神状態も解れやすいので、今回は肩首や肩甲骨周りや前頭筋、側頭筋、後頭筋といった頭の筋肉に対するアプローチを増やした。

・5回目
尿の回数が減ってきた。

 

 

過活動膀胱とは

 

過活動膀胱は最近多くの方が悩まされている病気です。過活動膀胱になると何度も尿意をもよおして日常生活でとてもストレスを感じたり、夜にトイレで起きてしまうことから睡眠不足となってしまったりと自律神経を乱す原因となってしまいます。

調査によると40歳以上の8人に1人が過活動膀胱にかかっていると言われており、日本全体で約810万人以上の方が過活動膀胱にかかっている可能性があります。70代以上では3割以上の方が悩まされているとも言われています。

下記のような症状で悩まされている場合、過活動膀胱にかかっている可能性があります。

 

・急に尿意をもよおして我慢できない

・夜寝ついてから朝までの間に2回以上起きてトイレに行く

・一日に8回以上排尿をする

・尿意を我慢できずもらしてしまうことがある

 

このような方は、一度病院を受診して診てもらうことをお勧めします。過活動膀胱と診断されるかもしれませんし、頻尿の原因が膀胱がん・糖尿病・慢性腎不全・性感染症などの場合もありますので注意が必要です。

 

過活動膀胱の症状の特徴は3つ挙げられます。

 

・尿意切迫感

近い時間に排尿をしたのにもかかわらず、急に尿意をもよしてしまいます。電車の中や大事な会議中などトイレに行けない状況で症状が出てしまうこともあります。

 

・頻尿と夜間頻尿

一日に排尿をする回数は日中で5~7回程度で夜寝ている間は一度も排尿をしないというのが正常範囲と言われています。しかし、過活動膀胱にかかってしまうと日中の排尿回数が8回以上で夜寝ている間も1回はトイレで起きてしまいます。

 

・切迫性尿失禁

急に尿意をもよおしてトイレに間に合わずに尿がもれてしまいます。中高年以上で年を重ねていくとどうしても筋力も低下してしまうため排尿を我慢する筋肉も衰えてくるため高齢になると切迫性尿失禁が出やすくなってしまいます。

過活動膀胱

 

過活動膀胱の原因

 

神経因性

尿が溜まると膀胱が伸びてその情報が脳に伝達されて、脳が排尿するか尿を膀胱内に留めておくか指令を出します。その膀胱からの情報や脳の指令がうまく伝達されないために過活動膀胱となります。パーキンソン病・脳腫瘍・脳梗塞・脳出血などの疾患でこのような状態になることがあります。

 

自律神経の乱れ

膀胱内に尿をためて排尿する行為は自律神経がつかさどっている部分もあります。主に膀胱内に尿が溜まっている時は交感神経が優位に働き、逆に排尿するときは副交感神経が優位に働きます。過度なストレスなどで自律神経が乱れると過活動膀胱の原因となる場合があります。

 

筋力低下

高齢となり年を重ねていくたびにどうしても筋力は低下しがちです。それは骨盤内の筋肉や靭帯にも影響を及ぼしてしまい、尿道や膀胱の筋力も低下して過活動膀胱になります。

 

体の冷え

筋肉は冷えると固まりやすく、伸び縮みできにくくなります。膀胱も筋肉で出来ているので、冷えると伸び縮みができにくくなり、過活動膀胱となります。

 

ホルモンバランスの変化

女性は、出産や更年期でホルモンバランスの変化が起きると過活動膀胱の原因となります。

 

前立腺肥大

前立腺肥大となると排尿がしにくくなります。すると膀胱内に尿が溜まりやすくなります。無理に排尿しようとすることで膀胱内の機能に影響を与えて過活動膀胱の原因となります。

 

 

過活動膀胱の一般的治療

主に膀胱を収縮させるアセチルコリンという物質の活動を弱める薬などが処方されます。

その他にも過活動膀胱の原因に伴い、薬が処方されます。

その他にも骨盤内の筋肉を鍛える体操などの行動療法が指導されることがあります。


Posted by 中目黒の鍼灸院 東京α鍼灸整骨院|眼精疲労 at 00:04 / 院長コラム コメント&トラックバック(%)

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