自律神経失調症の鍼灸治療

2018年10月15日

自律神経失調症の鍼灸治療はWHO(世界保健機構)に適応疾患として定義されています。

WHOの適応疾患について←

①自律神経失調症に対する当院の鍼灸治療

当院の自律神経失調症に対する施術は、第一に鍼灸治療を施すことにより全身の調整を図り、自律神経のバランスを整えます。施術をする前に自律神経測定器を用いてその時の自律神経の状態を把握してから施術致します。そうすることで的確な施術ができて他にはない施術効果が期待できます。

東洋医学では症状を局所的に診るのではなく、全体的に診ることが特徴のひとつであり、自律神経失調症などの全身性の症状を施術するのに適しているといえます。

自律神経調整鍼灸治療

自律神経失調症は東洋医学的に見ると「気」の不足「気」の作用不足「気」流れの滞りが原因で発症すると考えられているので、ハリやお灸を用いてツボを刺激することで「気」を補ったり、「気」の流れの滞りを解消させるように促します。その他自律神経失調症の患者さんでは頭痛、肩こり、慢性的な痛み、めまいなどを訴える方が少なくありません。そういった患者さんには頭痛、肩こりやめまいの解消、痛みの緩和を目的とした治療も並行して行っていきます。

自律神経調整鍼治療
当院の鍼灸治療による自律神経失調症の施術目的は、西洋医学とは異なる東洋医学の観点により少しでも自律神経失調症が回復できる機会を提供することです。自律神経失調症では、日常生活の活動が重要となってきます。施術後の日常生活の注意点などもしっかりとサポートして患者さんと共に症状改善に努めます。

自律神経測定器

自律神経測定器

②自律神経失調症の鍼灸治療症例

30代 男性
3か月前より仕事が急に忙しくなり、期限などにも間に合わず上司や同僚にも冷たい目で見られるようになってきた。その頃より朝動悸がしたり、肩の痛みや目の痛み、寝つきが悪い・夜中急に目を覚ましてしまうといった症状が出てきた。痛みや眠れないせいか日中は仕事に身が入らなくなり、さらに仕事が溜まるようになってきた。身体の調子もどんどん悪化してきたので心療内科を受診したところ自律神経失調症と診断された。

病院では抗不安薬や抗うつ剤などが処方されたが、改善させず鍼灸治療やマッサージなども受けてみたが一向に改善されなかった。そうこうしているうちに会社にも行けなくなり1か月のお休みをもらうことになり、当院にご来院された。

治療経過
しっかりと時間をかけて問診をしたうえで自律神経測定器で現在の自律神経の状態を測定しました。この方の場合お昼頃にもかかわらず交感神経の数値が低く逆に副交感神経が高い状態でした。自律神経の状態はその日や時間によって変化していきます。日中は活動的な時間帯ですので、本来は交感神経が高く副交感神経が低い状態が理想的です。
しかしこの方の場合は逆で日中のだるさや夜なかなか寝付けないなどの症状がこれが一つの原因だと考えられます。

◇1回目◇
自律神経調整療法を中心に痛みの強い部分の鎮痛目的に治療しました。
治療後、痛みは軽減されたがだるさや睡眠は改善されない。

◇2~4回目◇
治療して数日すると痛みが戻り、治療をするとまた改善するという状態が続く。

◇5~8回目◇
痛みはだいぶ改善されてきた。日中少しずつ外に出て活動できるようになってきた。

◇9回目◇
夜しっかり睡眠がとれて朝も早く目覚めて本などを読めるようになって規則正しい生活ができるようになってきた。

◇10~12回目◇
一か月間の休養を終えて職場に復帰された。今のところ以前のような症状は出ていないが、仕事が忙しく時間に追われるようななると肩の痛みや多少の動悸がする。そのような症状を軽減させるため現在も通院中です。

自律神経失調症の鍼通電治療

 

 

③自律神経失調症の東洋医学的考え

自律神経失調症は、中医学でいう「虚証」が大きく関係していると考えられます。「虚」とは、人体にとって必要な物質や機能不足の事をいいます。虚証の中にもいろいろな種類があり、自律神経失調症は「気虚」と「陽虚」つまり中医学でいう「陽気」が不足している状態であると考えられています。

「気」は、体内を流動する精微物質のひとつであり、人体の各種の生理的機能に相当します。「気」は中医学でいう脾胃や肺によって生成され、心または肺の作用によって全身に行き渡ります。そして肝や腎の作用によって量を調節されます。「気」の基本的機能としては、生長、発育、代謝の推進、推動の維持及び体温の維持・調節、病邪の防御または排除などがあります。自律神経失調症はそういった作用を持った「気」が不足したり、流れが滞ったりすることで発症するものと考えられます。

・「気」の作用不足
「気」の作用不足による症候では臓腑の機能低下や抵抗力の減退などがあらわれ、元気が出ない、気力がない、無力感、声に力がない、動きたがらない、食欲不振、息切れなどの全身的な虚弱の症状が出ます。とりわけ心の気の不足(心気虚)では自律神経失調症の症状が出やすく、加えて不安感や胸苦しいなどの精神面または循環系の症候がよく見られます。

・「気」の流れの滞り
精神的ストレスなどにより「気」の流れが滞ると自律神経系の緊張や過亢進による症候があらわれると考えられています。とりわけ肝の気の流れが滞ると精神的な素因に関係する症状があらわれ、憂うつ感、怒りやすい、胸脇部の張った痛みなどの症状が見られます。また肝の流れが滞る状態が長く続くと、自律神経系の過亢進に伴って、頭痛、のぼせ、胸やけ、難聴、不眠などの症状をあらわします。
自律神経失調症は、うつ病に発展する場合も多く、早期の対応が求められます。

 

④自律神経失調症とは?

自律神経失調症とは、交感神経と副交感神経の働きのバランスが崩れることにより、身体や精神に様々な症状が現れる病気の総称です。器質的な疾患や顕著な精神障害が認められず、医学的な検査によって原因や悪い部分を特定することが困難な疾患です。

そのため、内科、耳鼻科など様々な科を受診し、ほとんど異常はないので原因がわからずにいろいろな病院を行ったり来たりする場合も少なくありません。自律神経失調症という病気は今では、最近よく耳にするようになった言葉ですが、医学的にもまだまだ確立されておらず、自律神経失調症は日本でしか使用されていない病名です。
日本心身医学会では「種々の自律神経系の不定愁訴を有し、しかも臨床検査では器質的病変が認められず、かつ顕著な精神障害のないもの」と定義されています。
自律神経とは、血管、リンパ腺、内臓などに分布しており無意識のうちに循環器系・呼吸器系・消化器系の身体機能を調節して自分の意志とは無関係で環境や状況に適応して生命活動の維持や調節を行い、絶えず活動している神経です。自律神経は、交感神経と副交感神経からなっており、絶妙なバランスをとって相互に協力し合い安定した体調管理を行っています。

 

 

自律神経失調症

 

 

交感神経
主に昼間に働く神経で代謝や消化などの生命活動を活発にする働きがある。また精神活動を促進・興奮させたり、心拍数の増加や血圧を上昇させたりする。

副交感神経
主に夜に働く神経でリラックスした安定した精神状態にあり穏やかな気持ちにする。また呼吸をゆっくりさせ、心拍数の減少や血圧を下降させたりする。

自律神経失調症の症状はあらゆる身体部位に多種多様な症状が現れてきます。自律神経は、体の各部位に分布しており、関わっている器官・機能が多岐にわたるために人によって症状に個人差が大きく、症状が単独で現れたり、2つ3つ同時に現れたりして何度も出たり消えたりします。
代表的な症状としては、体が疲れやすい倦怠感がある動悸や息切れがする肩や頸部に張りを感じる頭痛眠れない食欲不振吐き気めまいなどがあります。これらに伴い多くの場合は、精神的にも不安定になりやすく不安緊張過敏抑うつなどを感じている方も少なくありません。
また自律神経失調症は女性に非常に多く発症しやすい病気で女性ホルモンのバランスの変化が大きく関係していると考えられています。

 

 

自律神経と免疫力との関係
自律神経と免疫力とは深い関係にあると言われています。精神的・肉体的ストレスなどによって自律神経のバランスに乱れが生じてしまうと免疫力が低下してしまい、外部からウィルスや細菌が容易に侵入しやすくなったり、内部ではがん細胞も増えやすくなるとも言われています。

体には、生まれたころから備わっている基本的な免疫力である自然免疫と病気に対する新しい抵抗力を身につけていく獲得免疫とがあります。それらの働きによって細菌やウィルスは容易に体内に侵入して悪さをすることができない仕組みとなっています。

しかし時に外敵がそれらの免疫を突破して体内に侵入して悪さをしようします。その際には、身体は非常事態と察知して、白血球という細胞が血液に乗って運ばれて外敵を排除する機能が働くのです。白血球には大きく分けてマクロファージ・顆粒球・リンパ球の3種類が存在してそれぞれに役割があります。
マクロファージは情報を収集しながらその他二つに指令を出して指揮をとります。顆粒球やリンパ球は、侵入してきた外敵やウィルス、がん細胞などを実際に退治する役割があります。正常に免疫を働かせて免疫力の高い状態を維持するためには白血球の3種類のバランス・比率が重要です。

マクロファージは司令部なのでそこまで多くなくてもよいですが、顆粒球やリンパ球の比率が落ちてしまいます。この白血球の比率を調整するのが自律神経の役割とも言われているため自律神経の乱れによる自律神経の不調は免疫力にも影響を与えてしまうのです。

 

 

⑤自律神経失調症の種類

自律神経失調症は自律神経の交感神経と副交感神経の働きのバランスが崩れることにより、身体や精神のバランスが崩れて多種多様な症状が現れる病気です。
交感神経と副交感神経は、絶妙なバランスをとってお互いに協力し合って安定した体調や心理状態を維持しています。しかし、何らかの原因によりどちらかの神経が過剰に働いたり、働きが弱くなり過ぎることによって自律神経失調症の症状が現れてくることになります。

自律神経が乱れる原因や身体症状・精神症状などにより自律神経失調症は、4つのグループに分類されます。

ⅰ)本態性型自律神経失調症
遺伝的素因によって、幼少期から自律神経のバランスが崩れやすく、身体の調整機能が乱れやすいのが特徴です。発症の原因は、心因性・精神的なものではなく、生まれ持った体質に起因する自律神経失調症のタイプです。

ⅱ)神経症型自律神経失調症
自律神経そのものに異常がないのに自分の身体や精神に関して敏感な人や不安・恐怖・葛藤といった心理的要因に弱い人が神経質なためには発症する自律神経失調所のタイプです。

ⅲ)心身症型自律神経失調症
最も多い自律神経失調症のタイプで、感情の変化や肉体疲労など日常生活における心身への強いストレスが原因で発症し、身体と精神の両方に症状がでることが多くあります。

ⅳ)抑うつ型自律神経失調症
その人がおかれている環境や人間関係などから受ける慢性的なストレスの蓄積が原因で発症する自律神経失調症のタイプです。最終的にはうつ病へと発展してしまう場合も少なくありません。


Posted by 中目黒の鍼灸院 東京α鍼灸整骨院|眼精疲労 at 17:31 / 院長コラム 自律神経失調症の鍼灸治療 への9件のコメント

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