当院の耳鳴りに対する治療目的は、まず第一に鍼灸治療を施すことにより全身の調整を図り、自律神経のバランスを整えることです。鍼灸治療は、交感神経を抑制し副交感神経の働きを促すばかりでなく、双方の神経の活動量を高めて自律神経のバランスを整えることが研究結果でも出ています。
また内耳の血流不足を改善するという点から頸肩部周辺や耳周辺の経穴に鍼を刺して電気を流します。当院独自の治療選穴により高い治療効果が出ております。耳周辺の治療穴として「翳風」「耳門」「聴会」「聴宮」などの経穴を用いてその方の状態に合わせて首や頭の経穴を決めます。
めまいは東洋医学的に診ると「腎」の不調が原因で発症すると考えられているので、鍼灸治療を用いて経穴を刺激することで「腎」の機能を活性化させます。
また過度な身体的・精神的ストレスは、自律神経を乱して耳鳴りの原因となります。さらに耳鳴りがストレスとなり、睡眠障害やうつ病などにかかりかねません。
そこで当院では、東洋医学の特徴である全身を診て治療することにより全身をリラックス状態へと導き、交感神経の過亢進を抑制して過度なストレスを和らげます。
また身体全体の調子が上がっていくことも期待でき、実際に当院でも耳鳴りの治療で「目が疲れなくなった」「便秘が解消した」「ゆっくりと体が休められ、熟睡できた」などといった声が数多く聞かれます。東洋医学では局所的に診るのではなく、全体的に診ることで自然治癒力を高めるといわれ、様々な効果が期待できます。
耳鳴の鍼灸治療効果は、論文としても報告されています。
明治東洋医学専門学校 鍼灸学科
『耳鳴に対する鍼治療の効果;症例集積による検討』
この研究では、耳鳴り患者46症例の内鍼治療を5回以上継続できた31症例について分析されています。耳鳴り症状で悩んでいる期間は、1ヶ月以上が81%を占めて、10年以上の方も16%占めていました。鍼治療の間隔は週に1回を5回単位の間隔で行い、鍼治療終了時にVAS(Visual Analogue Scale )や自覚的表現検査などで評価していき、頭頚部の圧迫時に耳鳴りが変化した6症例では全例で改善がみられたとのことです。頭頚部圧迫時に耳鳴りが変化しなかった場合でも改善57%、不変14%、悪化29%でした。
首回りの筋緊張の緩和は耳鳴り改善では特に重要かもしれません。
海外での耳鳴りに対する鍼治療のエビデンス研究
海外でも耳鳴りに対する鍼治療の研究報告があり、症例集積研究で鍼治療によって自覚症状が軽減して、耳鳴りの感じる音が軽減されたという報告があります。
2006年のブラジルの研究では、76例の耳鳴り症状の患者さんに頭鍼を行ったところ主観的な耳鳴り症状が軽減されて鍼治療が有意に効果があったと報告されています。
また、2007年の中国の研究でも90症例の耳鳴り患者さんに対して20分間の鍼治療を30回行ったところ薬物療法よりも有意に効果があったと報告されています。
その研究では、鍼刺激によって耳音響放射()が変化すると報告しています。耳音響放射とは静かな場所で誰しもが聞こえる単調な高音のことで生理的耳鳴りとも言われます。
耳音響放射は内耳から発生する音だと知られており、それらが変化したということで鍼刺激が内耳の外有毛細胞に影響を及ぼして、内耳機能を制御させることで耳鳴りが軽減されたと考えられています。
鍼治療は耳鳴りの発生源である内耳やストレスなどで機能が乱された中枢に作用して耳鳴りの有用な治療方法となることが示唆されています。
※参考文献
『鍼灸臨床最新科学』
医歯薬出版株式会社
東洋医学では、五臓六腑の「腎」と耳が深い関係にあると言われています。
「腎は耳に開竅する」と言われており、聴覚が東洋医学でいう腎臓と深いかかわりがあるということを示しています。
東洋医学の「腎」は、西洋医学でいうそれとは違った役割を持っています。
東洋医学の「腎」の役割は、主に生長・発育・生殖・水液代謝を主ることです。その中でも腎の精気は、聴覚と関係が深く、多ければ聴覚機能は正常に働き、逆に少なければ聴覚機能は減退してしまいます。
腎の精気は、年を重ねるごとに減少していく傾向にあり、高齢者の聴覚は衰えていきます。
また腎の水をつかさどるという役割は、耳鳴りにも影響を及ぼします。耳鳴りは耳の中のリンパ液が関係していることが多いことから、腎の水をつかさどる(体液代謝全般に対して腎が根本的な調節作用を行う)という機能が減退していると考えられます。
耳鳴り 渋谷区 男性 40代
・症例
2週間前より突然の耳鳴り・聞こえづらさを訴えて、耳鼻科を受診。
ステロイド剤・血流改善薬・筋弛緩剤などを処方されたが、一向に改善されず、一週間後には寝つきが悪い・仕事もやる気にならない・常にイライラしているなどの精神的な症状も出てきたとのこと。
心療内科も受診して薬を処方してもらっている。
・経過
◆1回目
耳鳴り少しおさまり、耳の詰まった感じも軽減。
◆2回目
耳鳴りが少しずつおさまってきた。
◆3回目~10回目
症状あまり変わらず、良くなったり悪くなったりしている
◆11回目
耳鳴りまだ気になるが、寝つきもよく不安感がなくなってきた。
◆12回目~16回目
症状だいぶ軽減。まだ仕事などで忙しかったり、イライラしたことがあると耳鳴りを感じることがある。
◆現在も通院中
・考察
この患者さんは、仕事も忙しく、家庭内でもストレスを感じていたため普段から寝つきが悪かったり、全身の倦怠感などもあったとのこと。
当院の自律神経測定器で自律神経の状態を測定したところ交感神経が優位な状態でした。
全身の自律神経を整える治療を施し、耳鳴りの治療もすることで治療効果をえられたと考えられます。最初の一か月間は週に2~3回来院していただきました。
耳鳴りとは、体の外に音源がないのにも関わらずに耳の中や頭の中で音がしているように感じることです。
日常的に誰もが経験する耳鳴りとして、飛行機に乗った時や高いビルにエレベーターで上った時などに耳がキーンとする・静かな場所にいるとシーンと聞こえてくるなどがあります。
誰もが経験することですが、耳鳴りで悩んでいる方は、そういった音が常に聞こえていたり、耳の中の炎症や腫瘍などにより音が大きく聞こえたりします。
そして耳鳴りで悩んでいる方の多くは、その音をストレスに感じて、眠れなくなったり、うつ病にかかってしまったりと耳鳴りの症状ばかりでなく様々な症状に悩まされている方がほとんどです。
耳鳴りには大きく分けて二つのパターンがあり、自分にだけ音が聞こえる自覚的耳鳴りと他の人にも音が聞こえる他覚的耳鳴りとがあります。
自覚的耳鳴り
体の中にも外にも音源がなく、耳鳴りが他の人には全く確認できず、本人にしか聞こえない耳鳴りを自覚的耳鳴りといいます。
耳鳴りの症状で悩んでおられる方の大半はこの自覚的耳鳴りといわれています。耳鳴りの音は、人それぞれで「セミが鳴いているような音」「リンリンと虫が鳴いている音」「ブーンといった低い音」など様々です。
自覚的耳鳴りの多くは、耳の構造(外耳・中耳・内耳)や音が脳に伝わるまでの過程で問題があるために起こることが多いです。
他覚的耳鳴り
耳鳴りの音が他の人にも確認できる耳鳴りを他覚的耳鳴りといいます。
他覚的耳鳴りの場合は、音源が特定されることが多く、脈の鼓動と共に拍動音が聞こえる場合や呼吸をするたびに「スー、ハー」と聞こえます。
音源がはっきりしている場合はそれを取り除けば、治るわけですから手術などの処置をすれば耳鳴りが聞こえなくなる場合が多いです。
耳には、平衡感覚をつかさどる器官と聴覚をつかさどる器官があるため、耳鳴りの症状と併発して、難聴とめまいの症状も出る場合がほとんどです。
耳鳴りはストレスが原因で生じる場合も多く、耳鳴りを感じ始めたら体の重要なシグナルだと受け止めて早めの対処が重要になってきます。
難聴と耳鳴りとの関係
難聴と耳鳴りが併発することが多いことが知られています。その原因としては、内耳の音を電気信号へと変換させて脳にその信号を送り届ける発信点である有毛細胞が何らかの不具合で音が正常に脳に送り届けることができずに耳鳴りとなってしまったり、音が聞こえづらくなるためです。
特に高齢の方は、老人性難聴といって耳が遠くなることが多いですがそれは内耳の有毛細胞の機能が低下して音が脳に伝わりにくくなってしまっている状態です。そのような状態ですと脳は音が聞こえないなと音信号への感度を上げようとします。誰しも周りに音がない状態ですとキーンと音が鳴っていると感じたことがあるかと思いますが、その状態が高齢の方の場合常態化してしまい老人性耳鳴りを発症する危険性が高くなります。よって老人性難聴と老人性耳鳴りは併発して起こることが多くなってくるのです。
耳鳴りの原因は、様々なものが挙げられており、原因を特定できない場合も少なくありません。耳鳴りの原因を特定するには、どういった音がするのか・どういったタイミングで起きるのか・その他の症状があるかということが重要となってきます。
なぜ耳鳴りが発生するのかははっきりとは分かっていませんが、耳鳴りを引き起こすほとんどの原因が内耳の問題だといわれています。
また、脳腫瘍や聴神経腫瘍、脳動脈瘤、高血圧、動脈硬化、糖尿病などによっても耳鳴りが引き起こされる場合があるため耳鳴りを感じたらすぐに耳鼻咽喉科や内科を受診する必要があります。
突然発症する耳鳴り
耳鳴りの多くは難聴を伴う場合が多く、突然耳鳴りや難聴を感じたら突発性難聴や外リンパ腫の可能性があります。
徐々に発症する耳鳴り
徐々に感じる耳鳴りとして加齢に伴う老人性の場合や自律神経の不調によって起こる場合があります。特に65歳以上の高齢者は30%以上の方が耳鳴りを感じているとも言われています。
耳鳴りが強くなったり弱くなったりする
耳鳴りが強くなったり弱くなったりする場合にメニエール病の可能性があります。
メニエール病は、耳鳴りのほかに難聴やめまいも感じる場合が多く、めまいの症状が強く出て耳鳴りがあまり気にならないことも多いようです。
しかし、めまいの症状がおさまった時に耳鳴りの症状を強く感じて、不眠症やうつ病など様々な症状に繋がることも少なくありません。
頭を動かすとコロコロと耳鳴りがする
じっとしている時は、音がしないのに頭を動かすとコロコロと耳鳴りがする方は、耳の中に耳垢や砂、小石などが外耳道に入りこんでいる可能性があります。耳鳴りの他に音が聞こえづらい・耳が詰まったように感じることもあります。
耳鳴りを発症した場合すぐに耳鼻科などで検査を受けて原因を特定する必要がありますが、耳周りや脳の腫瘍など検査で調べて分かる場合とわからない場合があります。当院にご来院される方の多くの場合は後者にあたり、耳鼻科で検査を受けてもわからない方がほとんどです。
そのような方に多く見られるのが自律神経の乱れや首周りの過度な筋緊張(主に胸鎖乳突筋)が原因です。自律神経測定器で計測すると交感神経が過亢進状態であったり、逆に副交感神経が過亢進状態の場合もあります。二つの場合に言えるのが自律神経のバランスが悪いということです。自律神経が乱れると血流が悪い状態と逆に血流が良すぎる場合とがあり、言うなれば血流が安定しない状態が続きます。首周りの筋肉が過緊張状態が続いている場合も耳への血流は不安定な状態が出やすくなってしまうのです。こういった方々たちの場合、症状は耳鳴りだけにととどまらずに寝つきが悪いや睡眠が浅い・頸肩こりや痛みなどの症状を訴える場合も多くあります。
・肩の痛みについて
・耳鳴りとストレスとの関係
耳鳴りとストレスは深い関係にあると言われています。前述通り耳鳴りは自律神経との関係が深いですが、その自律神経との関係が深いのがストレスなのです。特に現代はストレス社会とも言われ、ストレスがとても多くかかる時代とも言われます。ストレスは、身体的・精神的なものが挙げられますが、仕事や家庭でので人間関係のストレスの他にも騒音や空気汚染・寒暖の変化・食品添加物・パソコンなどの異常な光なども体はストレスとして受け止める場合もあります。そういったストレスが引き金となって耳鳴りとなってしまうのです。
自律神経には交感神経と副交感神経の2つがありますが、現代社会では交感神経の活動がより活発な人が多い印象を受けます。交感神経は、血管を収縮させて体を動かす活発的な行動をする際にはとても有効な神経ですが、その状態が長く続いてしまうと内耳や脳の血流の状態に異常をきたしてしまう場合があるのです。それが耳鳴りの原因となるとも考えられているのです。
そして耳鳴りの症状が出てしまうとその音を身体は異常な騒音と感じてしまいさらに自律神経を乱してしまう悪循環を生んでしまう危険性があります。だからと言って現代社会を生きていく中でストレスを減らしていくことは容易なことではありません。そこで当院では、自律神経測定器を用いて自律神経の状態を把握したうえで自律神経を整える施術を行い耳鳴りの改善を行っていきます。もちろん、自律神経を整える施術の他にも耳鳴りに関する東洋医学的に重要なツボも持ちて施術をしていきますので高い施術効果が実感できるのです。
清水大地
資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院
当院では東京都が推奨する新型コロナウイルス感染拡大防止ガイドラインに基づき感染拡大防止対策を行っております。
緊急事態宣言による外出自粛で多くの企業が在宅ワークとなっています。
その環境の中で多くの人が職場よりも仕事が捗らない・集中力が続かないという悩みを抱えています。
集中力は生まれ持った才能や遺伝によって左右されると思いこまれている方も多いかもしれません。
しかし、集中力が続かない原因は環境であったり、習慣によって左右されるものだということが研究などからわかってきています。
逆を言えば集中力は生まれ持ったものでもなく集中力が続かないという方は、環境や習慣を変えれば集中力は獲得できるのです。
まず集中力を作り出す部分は、脳の前頭葉というおでこ辺りの部分がつかさどっています。
前頭葉は前頭前野という部分が大半を占めており、特に人間は他の動物と比べてこの前頭前野という部分が発達しています。
前頭前野には
・考える
・集中
・記憶
・感情のコントロール
・判断
・応用
・アイデアを出す
など、とても人間にとって重要な役割を担っています。前頭前野は人間の進化の過程で他の動物と比べて大きく進化していったということがわかっています。
この前頭前野が疲弊したり衰えてしまいますと
・集中力が続かない
・感情をコントロールできない
・物忘れが増える
・判断力が鈍る
・やる気が起きない
などの状態になってしまいます。
人間の脳は多くのエネルギーを使うといわれ、エネルギー不足に陥れやすい部分でもあります。しかし、脳が疲れたとは自覚的に感じられずに集中力の低下やイライラしたりといった反応として身体にサインを出すのです。
前頭葉の思考や感情をコントロールしている力を「ウィルパワー」と呼びます。このウィルパワーの研究は大学でも研究されており、筑波大学教授の櫻井氏によりますとウィルパワーは高い意志力と定義され、ウィルパワーの失調はやる気の低下やうつ、引きこもりの原因になると考えられています。http://willdynamics.com/area/
・やる気の低下の鍼灸治療について
・うつ病の鍼灸治療について
ウィルパワーは前頭葉における体力のようなものと捉えると考えやすいかもしれません。
ウィルパワーには、一定量があり集中力を使ったり物事を選択する際などに消費すると考えられています。したがって集中力を持続させるにはこのウィルパワーの消耗・枯渇を防ぐことがカギとなります。
仕事の際中にあれこれと考え込んだり、どうしても決めないといけない重要な選択をしたあとに気疲れして仕事が手につかないという経験をされたことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
それは、このウィルパワーを消耗してしまって集中力や判断力が鈍ってしまった結果だと考えられます。
ウィルパワーの出どころは、前頭葉ただ一つだけです。しかし、ウィルパワーを消耗してしまう部分は仕事以外にも数多くあります。
友人や家族との関係であったり、食事の選択などの日常生活での決定もウィルパワーを消費してしまいます。
これは、例えば家族や友人と喧嘩して考え込んでしまったり、趣味のスポーツでいい成績が上がらずに少し落ち込んだりして仕事に集中できないといったことです。仕事とプライベートを一緒にするなと思われるかもしれませんが、脳の構造上それは仕方の無いことなのです。
選択する機会を減らす
仕事でウィルパワーを発揮するためにまずは日常生活で「無駄な選択」を減らすことを心がけるが一番手っ取り早い方法です。いきなり家族関係を良くしようとかは無理な話かと思います。
しかし、何気ない日常生活での選択もウィルパワーを消耗することがわかっており、まずはその部分を減らしていくことが先決です。
前頭葉には、何かをやるやらないといった選択やなにを望むといった決断を担う領域があり、日常の些細の選択や決断でもウィルパワーは消費されていきます。
例えば、毎日着る服や食事です。出かける時に服を選ぶときにもウィルパワーは使われますし、今日何を食べるかという決断を下す際にもウィルパワーは使われます。
よく知られたことですが、元apple社のスティーブ・ジョブズは、毎日黒のタートルネックとジーンズにスニーカーという服装をしていました。あれはただ単にスティーブ・ジョブズがファッションに無頓着だったということではなく、意識的に余計な選択を避けていたからだと言われています。
食事に関しましても元プロ野球選手のイチローさんは、現役時代毎日奥様が作った同じカレーを食べていたという話があります。これは食事の選択を避けて余計な考えを避けることでウィルパワーの消耗を抑えてより試合に集中するためだったのです。
このお二人の話は、少し極端かもしれませんがその他スポーツ選手でもゲン担ぎで試合前は同じ食事を食べたり、試合の日は同じものを身に付けたりする話はよく聞きます。
これらは、同じルーティーンをすることで無駄な選択・決断を避けてウィルパワーを溜めて試合に集中力を発揮するためだと考えられます。
これを生かし日常生活でも季節によって一週間曜日で服装を決めたり、毎日同じものを食べると栄養が偏るので1週間単位で食事を決めることでウィルパワーの消耗を抑えることができるかと思います。
在宅ワークでは、普段の職場よりもより自由度が増す方が多いかと思います。
自由度が高いということは、普段職場で仕事をしている時よりもより選択と決断する機会が増える可能性が高くなります。
例えば、職場で休憩する時は休憩する内容が限られてきますが、家ではテレビで息抜きや少し買い物したり、休憩の間に家事をしたりと選択肢が増えます。
仕事中も誰にも見られていないということで読みかけの本や漫画目が行ったり、スマートフォン、テレビやパソコンでのネットサーフィンなど集中をそらすものが視界に入ります。そういった環境で余程意志が強い人以外では、意志が仕事以外にそれても不思議ではありませんし、何をするかしないかの選択を迫られることでウィルパワーを消耗して集中力がそがれてしまう危険性が高くなります。
まずは在宅ワークでもルーティーンを決めることをお勧めします。朝は決まった時間に起床して食事をとり、出勤と気と同じように着替えて外を歩いて帰ってきて仕事に入る・休憩時間や食事内容もある程度決めて在宅ワークでのルーティーンをつくりましょう。
また、仕事スペースには仕事以外のものを置かないようにして仕事をしている時には、視界に仕事以外の物が入らないようにしましょう。できれば仕事部屋を設けてそこには仕事以外の物を持ち込まず集中できる環境づくりがベストです。物が少ない環境の方が仕事の集中力が増すという研究結果も出ています。
集中力を持続させることができる人は、なるべく余計なことにウィルパワーを消耗せずにより重要な仕事にウィルパワーを集中させてテレワークでも成果を上げているのです。
適応障害という名前は一度は耳にしたころがあるかと思いますが、どういったものかピンとこない方も多いかと思います。
適応障害とはある特定の状況や出来事がそのひとにとってとても耐えがたく感じられてしまって情緒不安定になったり、行動にも影響が出てしまう症状です。
このコロナ禍で
・職場に出勤できない
・会社が存続できるか不安だ
・学校に行けない
・友人や家族とも会えない
・外出ができない
・普段楽しみにしていた趣味ができない
・テレビを見ていると暗い情報ばかりで気が滅入る
などなど多くの方は普段の日常よりもストレスに感じることがこのコロナ禍では多いです。
このストレスが原因で普段の生活がままならないほど抑うつ気分となったり、漠然とした不安感や怒り感情、軽いパニック状態などに陥ってしまいます。
ストレスの原因は人によって多種多様で災害が原因になったり引っ越しやクラス替えなどちょっとした生活環境の変化でも適応障害になる可能性もあります。このコロナ禍では多くの人が今までの生活環境が一変してストレスに感じており、なおかつ長期化することによって適応障害で悩まされる方が長期的に増えることが予想されます。
適応障害とうつ病の違いは、例えばうつ病の場合持続的なうつ状態が続きます。一方、適応障害の場合は一時的なものや環境を変えると症状が改善するということです。職場では鬱々とした心境なのに休みの日となるとアクティブに行動出来たり、人事異動などで自分と合わない人との接点がなくなると症状がほぼ消失するといった時には適応障害に当てはまります。
下記のような症状が1か月ほど続いている場合ですとうつ病や不安神経症などの疾患に移行して本格的な薬物療法やカウンセリングなどを受けて症状軽快を図る必要が出てくる可能性がありますので注意が必要です。
□仕事や家事のやる気が起こらない
□今まで楽しかった趣味に楽しみを感じない
□ネガティブな感情になることがいつも以上に多い
□不安感がある
□イライラして怒りっぽくなった
□寝つきが悪い
□緊張感が続く
□食欲がわかないまたは過食気味
適応障害の場合、コロナ禍というストレス因が終わればまた正常な精神状態に戻る可能性が高いですが、それが長期化することによってうつ病などの精神疾患に移行してしまう危険性があるのです。
心の状態はなかなか他覚的に把握することが難しいです。明らかに普段より行動的でない・表情がすぐれないなど他人が見てわかるものは別ですが、ちょっとした心境の変化は他社から見てもわかりません。また多くの人はそれを悟られないようにします。
上記のような症状は、自分の心からの叫びです。自分が自分の主治医という感覚をもってその心からの叫びを受け止めて対処していく必要があるのです。
適応障害と言われてると身構えてしまいますが、実は古くからある珍しくない症状です。ただ昔ではただ単に心の問題であまり気にすることはないと片付けられていました。
しかし、適応障害が悪化するとうつ病などに移行する危険性があることから心の状態を把握して自分自身をコントロールするセルフコントロールが重要です。
適応障害の対処法は、特に難しいことはありません。健康的な生活と言われることを実践して行けばよいのです。このコロナ禍では、その健康的な普通の生活を続けるのが難しい環境ではありますが、特に食事・睡眠・運動に目を向けることが重要です。
基本的に挙げられるものとして早寝早起き・栄養バランスに注意して一日3食決まった時間に摂る・室内でできるヨガや体操などの有酸素運動を取り入れるなどです。
また、このコロナ禍ではネガティブな情報ばかりに目を向けないということも重要です。現実から目を背けろということでなく、ネガティブな情報ばかりに目を向けていると気分がどうしても落ち込み適応障害になりやすかったり、自律神経の状態にも影響を与えてしまい免疫にも悪影響を及ぼします。
自分を守るためにあえてネガティブな情報から遠ざかる必要があるのです。
またストレスの許容度は人それぞれです。ここまでのストレスなら何とか耐えられるがこれ以上となってしまうと心身が持たないといったことです。それぞれストレス許容度を把握して対処していくそういったことが重要なのです。
適応障害になりやすい人
適応障害になりやすい人には、多くの共通点があります。基本的に真面目で勤勉、現状を容認しようとする日本人気質では、適応障害になりやすいともいわれています。
□勤勉な人
□責任感が強い人
□人に頼まれると断れない人
□他人の目を気にしすぎてしまう人
□完璧主義者の人
□何事も気にしすぎる人
□心配性の人
これらの特徴は、適応障害になりやすいと言われています。こう挙げられると一つは誰しも当てはまるのではないかと思われるかもしれません。しかし、これを認知して自分の気持ちを認識し、行動や習慣に歯止めをかけたりすることで対処ができてくるかと思います。
近年では、精神疾患に鍼灸治療を用いられることに注目が集まってきています。精神疾患の薬は、依存性が高く副作用が強い薬もあります。どうしても薬を体が受け付けないということもあります。
先日、NHKでイギリスではうつ病に対する鍼治療が注目を集めているということが紹介されていました。
鍼灸によるうつ病の治療 心に効く「ツボ」の存在
https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_1132.html
実は鍼灸大国の一つであるイギリス、うつ病患者に対して鍼灸治療を行った大規模研究では、カウンセリングと鍼灸治療の効果を比較したところ同等の効果が得られたとのことです。
専門かが行うカウンセリングは、精神疾患の患者さんに病院では積極的に取り入れられています。研究を率いたヨーク大学のヒュー・マクファーソン教授は鍼灸はうつ病治療の新たな選択肢になると考えています。
鍼灸の効果はまだまだはっきりとは解明されていませんが、鍼によって脳にも変化が起こることが最新の研究でわかりつつあります。
北里大学や東京大学の病院でも鍼灸が取り入れられています。世界的にみても今後さらに鍼灸が様々な疾患の治療に取り入れられていくかもしれません。
当院では、自律神経測定器で自律神経の状態を把握したうえで適応障害に対する施術を行っていきます。使い捨ての鍼や使い捨てのベッドシーツ、消毒もこまめに行い衛生環境を整えて施術を行っております。
鍼が初めてという方でも最初は痛みを感じにくい細い鍼を使用して刺激量を調整していきます。
長引く外出自粛で
・あまり外に出歩けない
・仕事もリモートワーク
・友人や家族にも会えない孤独感
・運動もできずストレスが溜まっている
そのような方も多いのではないでしょうか。そして、そのような精神的ストレスによって
・何となく気分が落ち込む
・やる気が出ない
・楽しみを感じなくなった
・漠然とした不安感
・集中できない
などを抱えている方が増えていることでしょう。
そのような精神状態が続いてしまいますとうつ病や不安神経症のような精神疾患に移行してしまう可能性があります。上記のような精神状態は心からSOSです。
早め早めに対策を取っていく必要があるのです。
また、精神は身体状態にも影響を与えます。精神状態が悪くなると免疫にも影響を与えてしまい免疫力の低下につながることがわかっています。
・生活習慣の見直し
家で過ごす時間が長くなってしまいますとどうしてもベッドに入る時間が遅くなったり、朝目覚める時間も遅くなりがちです。すると必然的に食事を摂る時間も変わったり、朝食を抜かして一日2食だけになったりします。
自律神経は、基本的に朝からお昼ぐらいにかけて交感神経が高まり、夕方から夜にかけては副交感神経の活動が高まる恒常性をもっています。それが崩されてしまいますと自律神経の状態が乱されやすくなって精神状態にも影響を与えます。
なるべく仕事をしていた日常に近いリズムで生活することが重要です。すると自然と生活のリズムが整って精神が安定しやすくなります。
・他人と会話してみる
特に家に家族のいない一人暮らしの方は、この自粛期間中に他人と全く会話をする機会がないという方も多いかと思います。
電話でもいいので家族や友人と会話をすると精神的に安定しやすいという研究結果も出ています。
今はこういう時期ですので積極的に家族や友人と連絡を取って何気ない会話をするだけでも精神安定的にもだいぶ違います。
瞑想ときくとスピリチュアルで宗教的、何か怪しいと思われる方もいるかと思いますが、海外ではマインドフルネスと言われてあのスティーブ・ジョブズも瞑想を生活習慣として取り入れていたと言われています。
世界的にも有名な企業であるGoogleもオフィススペースに瞑想ルームがあり、多くの社員が瞑想を行っています。
近年でもマサチューセッツ大学のジョン・カバットジン博士が「マインドフルネスストレス低減法」というプログラムを開発してアメリカ中に広まっています。脳画像研究など様々な研究結果で瞑想は科学的に効果があると証明されています。
瞑想は単なるスピリチュアルや宗教ではなく、精神的な安定や注意力を上げ集中力を高めるために様々な企業またうつ病などの治療にも取り入れられているのです。
マインドフルネスとは今起こっている事象に中を向ける心の状態のことを指します。
マインドフルネス瞑想は、今行っている呼吸に注意を向け続けることによって過去や未来への不安や恐れ、様々な雑念を軽減して安定的な精神状態を獲得することを実現していきます。
・副交感神経の働きを高めてリラックス状態になる
マインドフルネス瞑想をすることでリラックス状態となったり、ストレスを受けた時に分泌されるコルチゾールが減って、幸せホルモンであるオキシトシン分泌されるという結果が出ています。
その他マインドフルネス瞑想は脳の海馬にも影響をもたらすという研究結果も出ています。アメリカのサラ・ラザール博士がfMRIを使って研究した結果では、脳の記憶や感情のコントロールに関係する海馬の一部が厚くなっていることがわかっています。
うつ病の場合、薬を使って海馬の代謝を活性化して症状改善を図りますが、マインドフルネス瞑想を実践すれば薬を使わずに海馬を元気にすることがわかったのです。
・集中力や生産性が上がる
カナダの公立校でマインドフルネス瞑想によって成績が良くなったという研究結果も出ています。
毎日3分×3回の瞑想を4か月行ったところ行わなかったグループと比較して15%もの高い成績が出たとのことです。
Googleでもストレスが軽減されて仕事の生産性が上がる、思いやりの気持ちが芽生えてチームワークが向上する、アイデアがわくようになって創造性が高まるなどの効果が科学的にも解明されて取り入れられているのです。
Googleの他にも最近では多くの企業がマインドフルネス瞑想を取り入れている企業が増えて日本の企業でも取り入れ始めています。
スポーツ選手の間でもパフォーマンスが向上するとのことで取り入れられているそうです。
・感情をコントロールできるようになる
先ほどご紹介したカナダの公立学校の研究では、成績だけでなく、マインドフルネス瞑想を行った生徒の方が社会的な行動特性が24%上がったという結果が出ています。
怒りなどの感情をコントロールして他者を思いやることができるようになったとのことです。
怒るという感情は人間にとって仕方のない感情です。それをただの生理的な身体反応としてとらえ直すことで俯瞰して自分を見つめ直すことができるのです。
マインドフルネス瞑想はまずリラックスした状態で椅子に座ります。そのとき、背筋を伸ばして両足はしっかりと床につけます。そして、呼吸に意識を向けていくのです。
「呼吸に注意を向ける」
↓
「注意がそれて雑念がわく」
↓
「注意がそれたことに気づく」
↓
「雑念を手放してまた呼吸に意識を向ける」
基本的にこれの繰り返しです。
5分ほどの瞑想でも精神的なストレスが軽減されて体がリラックスる状態になることがわかっています。集中力を付けるために10分程度の瞑想が必要のようです。
瞑想に関する様々な無料アプリがありますのでそれを利用してみるのも良いかもしれません。
研究内容からしてみても一度だけでなく習慣化することが重要のようです。
当院が行う鍼灸治療でも自律神経の状態を整えることができます。
研究結果でも鍼灸治療は自律神経の状態を整えるということが出ています。
当院では感染対策を行いながら診療しております。使い捨てのベッドシーツも導入しておりますので外出自粛で精神的なストレスが溜まっている、リモートワークで首肩腰がつらいなどといった方は是非ご利用ください。
過度なストレスは食事にも影響が出ることがわかっています。それが、人によっては食べ過ぎてしまう場合と食欲があまりわかず食べることができない場合とがあります。
それらを総称して摂食障害といいます。
摂食障害とは心理的な問題が背景となり、食行動に異常をきたしてしまう疾患のことです。
食事をほとんど摂らなくなってしまう拒食症と、極端に大量に食べてしまう過食症があります。拒食症は10代で発症する人が多く、過食症は20代に多い傾向があります。いずれも90%が女性です。
神経性食欲不振症
神経性食欲不振症は、主に瘦せたいという願望の強い女性に多くみられる疾患です。その他にも心因性の過度なストレスからも神経性食欲不振症となるケースもあります。
身体的な異常が見られず、精神的な問題から食べることを拒んだり食べようとしても食事が喉を通らない状態です。
生活していくための必要な栄養素を身体に摂り込まないため栄養失調や過度な痩せ型となり、症状が進行してしまいますとうつ病や自傷行為に及ぶ危険性があります。
神経性過食症
過食症には食べた分だけ吐き出す過食嘔吐と全く吐かずに食べ続けるケースがあります。過食嘔吐は、食欲のコントロールが出来なくなり我を忘れて食べ過ぎてしまう症状です。その後、「なぜ食べてしまったんだろう」と罪悪感や嫌悪感を抱き、そのことをなかったことにしようと意図的に吐きます。
食べた分吐いてしまうため見た目には変わることがあまりなく、周囲からは気付かれにくいです。
また、次第に吐くこと慣れていき「多少食べ過ぎても吐ける」という意識から、過食がエスカレートすることも見受けられます。体内から食べ物を早く出すために下剤を使用するケースもみられます。吐くことが日常化すると胃酸により食道が荒れます。胃酸が口腔内まで逆流すると歯がぼろぼろになる危険性があります。下剤の使用も長引けば腸の蠕動運動を鈍くさせ、排便状態にも影響を与えてしまいます。
吐かずに食べるケースは、食欲のコントロールが出来なくなり我を忘れて食べ過ぎてしまいます。
短い期間で大量の食べ物を摂取してしまうことに対し精神的にも身体的にもストレスになり、それが引き金となってさらに過食をしてしまいます。
・特定不能の摂食障害
原因が分からない摂食障害も多いです。しかし、多くは強迫性障害やうつ病などの心療内科系疾患を患っている場合があり、その点から治療のアプローチしていきます。
・社会的要因
モデルは痩せていて体型が美しい・テレビに出ている女優に憧れるなどのような社会的・文化的要因によって摂食障害が引き起こされる根本の考えがある場合が多いです。
・心理的要因
否定的な自己評価、あるいは低い自尊心(自己評価)が摂食障害の危険因子の一つとして考えられています。何気なく周囲から体系について指摘されたり一度ダイエットをして成功し周りから褒められたなどの体験があると過度な方向へ傾き摂食障害になってしまうこともあります。
また、完璧主義者は神経性食欲不振症に、抑うつ状態や不安のある人は神経性過食症の発症と関連があると報告されています。
・家庭環境
両親の離婚や、摂食の貧しさ、あるいは親からの高い期待や偏った養育態度・幼少期の食習慣も発症の要因ともいわれています。
家族から食事内容や体重についての批判的コメントも発症に関与してる可能性があると考えられています。
・遺伝的要因
遺伝的な要因も摂食障害の発症に関係する場合もあります。
摂食障害では様々な行動異常身体的症状が出ます。
摂食行動異常
・拒食
・食事制限
・絶食
・隠れ食い
・盗み食い
・無茶食い
など
排出行動
・嘔吐
・下剤
・利尿薬の乱用
身体症状
・疲れやすい
・冷え性
・不眠
・無月経
・低体温
・低血圧
・不整脈
・便秘
・下肢のむくみ
・皮膚の乾燥
・抜け毛
・胃酸の逆流による虫歯
・食道の炎症とそれによる吐血
など
また、摂食障害は単なる食行動の異常というだけでは済まず、急激な体重の変化や嘔吐による身体へのダメージ、そして別の精神疾患の併発など様々な影響を及ぼします。
心理的症状
集中力の低下、仕事の能率低下、こだわりが強くなる、不安、抑うつ、イライラ、人との交流を避ける、性的興味がなくなるなど
神経性食欲不振症そのものを治す特効薬は、現在のところありません。ただし、不安感や抑うつなどの二次症状を和らげるため、セロトニン取り込み阻害薬(SSRI)や向精神薬が使用されることがあります。
過食症の場合も精神薬の処方や認知行動療法が行われます。
どちらの場合にも周りのパートナーや家族のサポートも重要になってきます。
当院でははじめに内臓機能や自律神経のバランスを計測し、お体の状態を把握したうえで治療へ移ります。自律神経のバランスを整えていくことは摂食障害を改善させていくうえでとても重要になります。
また、東洋医学的観点から脾、胃、肝などを始めとした五臓六腑の機能調整と気血を補うツボを用いて五臓六腑の働きを正常に戻す治療を行っていきます。
その他、過食の場合満腹中枢を刺激するツボが耳にあるのでその部分に貼るタイプの鍼も施術して食欲を抑える施術を行っていくこともあります。
ストレスと睡眠には深い関係にあることが知られています。日本人の5人に1人は、睡眠で悩まされ不眠状態に陥っているとも言われています。
特に外出自粛によって生活のリズムが崩れたり、仕事も自宅でする方も増えてさらに不眠で悩まされている方が増えていることが予想されます。
過度なストレスが身体に与える影響としまして自律神経の状態が関係してきます。自律神経は交感神経と副交感神経とがあります。
その中で交感神経は活動的な身体を緊張させる神経で主にお仕事中など日中活動的になる神経で逆に副交感神経はリラックス神経であり主に夜に働く神経です。
この二つの神経の活動割合が
・日中は交感神経6対副交感神経4
・夕方辺りになると交感神経5対副交感神経5
・夜になると交感神経4対副交感神経6
の割合で自律神経が働いていますと正常な状態と言えます。
しかし、生活のリズムが崩れて朝なかなか目覚めるのが遅く夜は眠るのが遅いとだんだんと自律神経の割合が後ろにずれこんでしまいます。
また、自宅でのお仕事でなかなかメリハリが付けられずに夜にまで仕事を持ち込んでしまいますと夜も交感神経が高まった状態になってしまいます。するとストレスホルモンであるアドレナリンも出続けた状態で身体の興奮状態も引き起こします。
いずれにしても夜に交感神経が高まった状態は睡眠の質を下げて眠れない・眠りが浅い状態になってしまうのです。一日だけならそれでも身体的には何とかなりますが、その状態が1ヶ月とか続いてしまいますと身体の疲労が蓄積して体の弱っている部分に出たり(首肩こり・腰痛・頭痛など)、精神的な疾患(うつ病・不安症など)の原因となってしまいます。
・肩こりの鍼灸治療について
・腰痛の鍼灸治療について
・頭痛の鍼灸治療について
・うつ病の鍼灸治療について
・不安症の鍼灸治療について
また、いつか外出自粛が解かれたときに出勤して仕事をするときに支障が出たり、状態が悪くなると外出するのが困難な状態になる危険性があります。
自分ではしっかり睡眠をとれているつもりでも睡眠障害が起きている場合もあります。自覚できる睡眠障害と自覚できない場合もあるのです。下記のような状態が見られる場合は注意して下さい。
・ベッドに入って1時間しても眠れない
・夜中目覚めてしまう
・夜中目覚めた後寝付けない
・朝起きる予定時間より1時間以上前に自然と目覚めてしまう
・朝の目覚めが悪い
・眠った気がしない
・日中異常に眠たくない
・いびきをするようになった
・暑くもないのに寝汗をかいてしまう
・寝言を頻繁に言うようになった
・悪夢を多くみるようになった
いつ外出自粛が解かれて会社に出勤するようになってもいいように今から生活のリズムに気をつけるようにすると実際にスムーズに職場での仕事を再開できるようになると思います。
・起床時間
職場に出勤する時と同じような起床時間にしましょう。自宅勤務ですとどうしても起きる時間が遅くなってしまっている方も多いかと思います。その30分・1時間のずれでも身体を戻すのに時間が掛かってしまいます。それが1~2か月続くようであればなおさらです。
・入眠時間
朝、出勤する時間と同じ時間に起床するには入眠時間も重要です。朝時間的に余裕があると思うと寝る時間も後ろ倒しになってしまいがちです。そこは意識的に以前と同じ睡眠時間か今は免疫力も付けることが大切ですので以前よりも30分とか1時間早くベッドに入ってしっかり休息をとるようにしても良いかと思います。
・朝に日光にあたる
朝目覚めたら日光に当たることは体内時計を整えるうえでとても重要なことです。朝に日光をあびることで体内時計がリセットされて脳内にもセロトニンという物質も出ることで精神安定上良いとされています。特に外出する必要もなく、ベランダに出る・窓際で光にあたるだけでも効果があるとされています。
・昼寝は15分程度に
お昼ご飯をたべて自宅にいる情な状況ですとどうしても眠気が襲ってくる場合もあるかと思います。その場合は、15分ほどの仮眠をとるようにしてください。ベッドに入ってしまうと思わず寝すぎてしまう可能性もあるので椅子に座ったまま眠るようにしてください。
これは、『パワーナップ』といってアメリカの企業を中心に取り入れている企業もあるくらいです。
パワーナップの効果としまして、頭がスッキリして仕事の効率が上がる・集中力が上がる・ストレスが軽減されて生活習慣病の予防になるなど研究結果も出ているほどです。
・運動
自宅にいることが多く、なかなか運動することが難しい状況かと思いますが、家でもできる運動はあります。睡眠のことを考えると有酸素運動を取り入れると効果的です。
ラジオ体操やその場でのもも上げ足踏み、ヨガやストレッチなど家でもできる運動をできれば毎日行うようにしましょう。
運動は脳も活性化されて仕事の集中力も増すとも言われています。
快眠に効果のあるとされるツボはいくつかあります。その中で臨床経験上効果があったツボをご紹介させていただきます。
・神門
手首を手のひら側に曲げた際にできるしわの中央部分に位置します。海外の研究ではこのツボを押すことによって睡眠に重要なホルモンであるメラトニンの量が増えて睡眠の質が改善されたという研究結果も出ています。
・勇泉
足の指を曲げた時にできるへこみ部分がおおよその勇泉のツボの位置になります。経絡でいいますと腎の経穴となり、睡眠に重要なツボになります。
・百会
頭のてっぺんにあり立位で体の一番上に位置するところにあるツボです。百会は、100もの数の経脈が会わさるツボということでそう命名されており、いろいろな症状に用いられます。
鍼灸治療には、自律神経の状態整えることが国内の研究結果でもわかってきました。
睡眠障害では特に副交感神経を高める必要があり、鍼灸治療はその点に優れています。
また、上述しているツボを中心に東洋医学的にも睡眠障害に効果のあるツボを中心に施術をしていきます。
特に東洋医学では睡眠障害は『心』や『腎』の状態が悪いと症状が出やすいことが多いのでそれらに関するツボを用いていきます。
東京α鍼灸院では患者様に安心して施術を受けていただくために以下の対策を徹底して行っております。
・患者様一人一人の施術の前後は、必ず手洗い・手指のアルコール消毒を行い常に清潔を保つように心掛けています。
・スタッフはマスク着用を義務づけております。
・うつ伏せの際に使用されたまくらは、施術後に毎回消毒を行いお一人ずつ使い捨てのフェイスペーパーを使用しております。
・患者様やスタッフが触れる場所(出入り口のドア、スリッパ、待合室、荷物かご、ハンガー、受付、トイレなど)に対し、こまめにアルコール消毒を行っております。
・院内の感染予防のため定期的に院内の換気を行い、空気清浄機・加湿器を常に運転させて、一定の湿度を保つようにしております。
換気扇を常に回したうえで30分~1時間に一回ドアを開けて換気をしているため室内の温度が多少下がっている状態で施術させて頂いております。その点はご了承ください。
・当院はご予約制となっており、患者様同士の密集空間はなるべく避けております。
・スタッフは毎日体温を測定し、健康管理を徹底しております。
🌷患者様へのお願い🌸
受付にアルコール消毒液を用意しております。
ご来院の際は手指のアルコール消毒にお使い下さい。
また、院内感染予防のため施術中でもマスクの着用をお願い致します。(美顔コースや、うつぶせ時に呼吸が苦しい場合はその都度はずして頂く事は可能でございます。)
熱や咳、倦怠感などの症状がある方は施術を受けられるのをお控えください。
レイノー症候群とは寒冷刺激や精神的ストレスが原因の血管攣縮によっておこる手指などの皮膚色変化を有する総称で、他も手指の痛みやしびれなどの自覚症状を伴います。
原因が明らかなものをレイノー現象、原因不明なものをレイノー病と言います。
一般的には若年層の女性に多く、手指の第2~第5指の指先からMCP関節(丁度指と手の間ぐらいにあるグーにした時の骨が出る部分)ぐらいまでの所が好発部位です。また、足の指や鼻先、耳、顎の先端部分、舌にも発症することがあります。
また、成人の約5%~10%の人に発症する言われています。
レイノー現象はまず最初に血流低下による手指の蒼白化がおこり、指先の疼痛や締め付けられる感覚、冷感が現れます。
その数分後にはチアノーゼにより紫色に変化し、血管が反応的に拡張するため充血し赤色に帯びてきて、徐々に正常に戻るという過程を繰り返します。これらは数分から数10分続きます。
また重篤になると、強い疼痛を伴う壊疽や潰瘍形成も現れることがあります。
〇原発性
・自律神経系機能異常
・寒冷刺激
〇続発性
・膠原病(全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、シェーグレン症候群、強皮症、多発性筋炎、多発性皮膚筋炎など)
・閉塞性の血管疾患(閉塞性動脈硬化症、閉塞性血栓血管炎、血栓塞栓症、胸郭出口症候群)
・血液疾患(多血症、クリオグロブリン血症、マクログロブリン血症)
・職業病(振動工具病、白蝋病)
・その他(甲状腺機能低下症、褐色細胞腫、低血糖、原発性肺高血圧、特発性間質性肺炎、原発性胆汁性肝硬変症)
などがあります。
※膠原病とは・・・
膠原病とは,皮膚や筋肉、関節や骨、血管、内臓の細胞が慢性的な炎症を繰り返す自己免疫疾患で、本来、自分の体の防御機能でもある免疫が異常を起こし、自己の正常な細胞(細胞同士を繋げているコラーゲン)を異物として間違って攻撃をしてしまう病気の事です。
女性にかかる事がほとんどで、代表的なものが関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群があります。
レイノー症候群は東洋医学的観点だと「瘀血」が深く関与していると考えられます。瘀血とは血液の流れが滞ってしまい循環が悪くなる状態を言います。油っぽい食事に偏った生活や不規則な生活、ストレス、運動不足、過労によって血の循環や貯蔵を司っている「肝」の機能が低下することが瘀血になる原因となります。
また、瘀血になることで血液の供給量が低下し、同時に気の不足や流れの滞り状態である気虚や気滞を引き起こす事になります。
病院ではまず、病歴、職業、生活環境、喫煙歴、服用中の薬剤、発熱、全身倦怠感、関節や皮膚・筋肉の症状の有無といった詳細な問診を行い、膠原病との関わりを鑑別していきます。
次に、皮膚の職長変化や腫瘍形成の有無、患部の皮膚温度や動脈圧の左右差の確認、爪圧迫テストを行っていきます。
治療方法は、血管拡張薬や抗血小板薬といった薬物療法を基本ですが、外科療法も取り入れることもあります。
レイノー現象は血流低下によって起こるので、血管運動をコントロールしている自律神経調節治療を行っていきます。
次に患部の血流量を上げるために各中手骨間部や手三里穴、曲池、合谷といったツボに置鍼を行います。
症状や鍼刺激の慣れに合わせて、少しづつ鍼通電療法に変えていきます。
さらに、膠原病を伴う関節痛など他の症状がある場合は全身的な鍼灸治療を併せて行っていきます。
一般的に異常な熱感のことをほてりといい、それが頭や顔に起こった状態をのぼせといいます。
※ホットフラッシュとは
更年期障害の代表的な症状で、ほてりやのぼせ、発汗、めまい、動悸などの症状が現れます。
更年期には卵巣機能が低下することで女性ホルモンのエストロゲンが減少し、血管の収縮や拡張、体温調整などをコントロールしている自律神経の働きが乱れることにより起こります。
・気温の変化や長時間の入浴などによる体温の上昇
炎天下での作業など長時間の入浴などで血管が拡張したままの状態になると脳の血液循環に異常をきたし一時的なのぼせやほてりが生じます。
・精神的な緊張やストレスによる自律神経の乱れ
強い緊張や精神的ストレスにより自律神経のバランスが乱れると、血管の収縮、拡張がコントロールできなくなることでのぼせやほてりの症状が起こります。
・女性ホルモンのバランスの乱れ
女性ホルモンのバランスが乱れると、自律神経に影響を与え、血管の拡張や収縮のコントロールが狂うことによってのぼせることがあります。
特に出産後や閉経前後の更年期には女性ホルモンのバランスが乱れやすくなります。
・血行不良によるもの
血行の良い人ほど顔がほてりやすいと思われがちですが、実は冷え性の人の方がほてりやすいのです。手や足の先の冷えは血管が収縮することで起こります。そのため手や足の血管が収縮すると、体の中心や頭部に血液が集中し、のぼせやほてりが起こりやすくなります。
・疾患によるもの
・感染症(風邪、インフルエンザなど)
・熱中症
・甲状腺機能亢進症(バセドウ病)
・自律神経失調症
・更年期障害
・高血圧症
などが挙げられます。
その他、遺伝や肥満、塩分の摂りすぎなどからのぼせが引き起こされることがあります。
・自律神経失調症の鍼灸治療について
・更年期障害の鍼灸治療について
・高血圧症の鍼灸治療について
頭や顔が異常に熱いと感じます。頭痛やめまいを伴うこともあります。また、頭や顔が熱いと感じる一方で下半身や手先は冷えている場合もあります。
のぼせを起こしている疾患が明確な場合にはその治療が間接的にのぼせ症状の緩和に繋がります。しかし、原因不明の場合(体質的、生活習慣的なもの)だと西洋医学的な治療を行うのは難しいです。
更年期障害の場合、治療法として生活習慣の改善、漢方療法、減少したエストロゲンを薬で補充するホルモン補充療法(HRT)、抗うつ薬、非薬物療法(心理療法やカウンセリング)などがあります。
中医学ではのぼせやほてり、発汗の症状は気逆(きぎゃく)、瘀血(おけつ)、陰虚などにより引き起こされると考えられています。
気逆とは気の流れに異常が生じ、下降しなければならなかった気が逆流し上昇してしまう状態のことを指します。生体を巡るエネルギーである「気」は、もともと上に昇りやすい性質をもっています。生体にストレスが負荷されると全身をくまなく循環する気の量が低下したり(気虚)、循環が鬱滞した状態(気うつ)となり気逆が起こりやすくなってしまうと考えられています。
気逆が起こるとのぼせやほてりの他、頭痛、動悸、焦燥感などの症状を引き起こしやすくなります。
また、気を全身に運ぶ「血」の循環が滞った状態を「瘀血」といいますが、瘀血は気の失調と相まってのぼせや冷え症の原因となると考えられています。
瘀血は精神的ストレスを慢性的に受けたり、身体を冷やしすぎると生じやすいです。
陰虚は身体を適度にクールダウンさせる血や津液が不足した状態です。血と津液が不足すると、相対的に熱性の性質を持つ気が優位となりのぼせが起こりやすくなります。
陰虚によって起こる症状として口喝、目や肌の乾燥、ふらつき、動悸、息切れ、発汗過多などが挙げられます。発汗を伴うホットフラッシュは陰虚によるものが多いです。陰虚の原因としては加齢、発熱を伴う病気、長期にわたる闘病、過労などが代表的です。
また、五臓六腑の失調として「肝」「心」「腎」などが考えられます。
肝火
肝の機能が強いストレスや緊張などの影響で失調すると、肝気の流れが鬱滞して熱を帯びるようになります。肝気は上へ上りやすい性質を持ち、気が逆流することで頭部や顔面にのぼせが起こります。
肝は体の諸機能を調整(疏泄:そせつ)そせつする臓器です。自律神経系や情緒の安定、気血の流れと関係があります。のぼせ、ほてりの他、イライラ、怒りっぽい、不眠、顔面紅潮などの症状が現れることもあります。
心火
人間の意識や思考など、高次の精神活動を司る五臓の「心」が過度の刺激を受けることで亢進し、熱を帯びて心火となり、のぼせやほてりが引き起こされている状態です。落ち着きがない、不安、不眠などの症状を引き起こすことがあります。
心腎不交
五臓の「腎」は単に腎臓のことではなく、内分泌、泌尿生殖器系の働きや自律神経系など幅広い機能を指します。
加齢や過労、ストレスなどにより腎の機能が弱まる(腎陰虚)と、腎水(陰)が不足することで、身体を冷やしたり栄養する能力が弱まり心火(陽)の亢進を抑制できなくなります。(心腎不交)
当院では血管の収縮や拡張、体温調整、ホルモン分泌などに深く関わる自律神経のバランスを機械で測定しお体の状態を把握したうえで治療へ移ります。
自律神経やホルモンバランスの調整施術と、東洋医学的観点から気血の巡りを整えるツボや五臓六腑の「肝」「腎」「心」の機能を調整するツボを用います。また、中医学では手足や体の内部の冷えからほてりやのぼせが起こると考えますので、鍼やお灸の刺激により体の冷えた部分を温めて血行を良くしていきます。
さらに、のぼせやほてりのある方は首や肩回りの筋緊張が影響し頭部や顔面の血流が鬱滞している場合が多いため首肩周囲の治療も合わせて行っていきます。