当院の中心性網膜症に対する治療の目的は、第一に目の周辺の経穴に鍼をさして(決して痛い鍼ではありません。またどうしても鍼が苦手という方には鍼をささずに治療する方法もあります。)温灸器で目の周囲を温めることにより目の血行を促進させます。また、刺激量を高めて治療を行う場合は電気針療法を施すことをもあります。

目の周りの血流量を高めることにより、網膜と脈絡膜の間に溜まっている漿液を排出するように促します。
また中心性網膜症は、ストレスとの関係が考えられていることから全身を診て施術していきます。特に当院では、自律神経測定器を用いて自律神経の状態を把握した上で施術に入ります。自律神経は自分の意志とは無関係に働いていてくれている神経で目の働きともとても深い関係にあります。鍼灸治療で自律神経を整えることにより、目の不調が改善されることが多いです。

東洋医学では五臓六腑の肝は目に開竅するといわれており、眼の疾患は肝の機能の障害が深く影響していると考えられています。肝血が不足してしまうと視覚の異常や運動系の異常などがみられます。
また中医学では「肝腎同源」といわれており、肝血と腎精は互いに補い合っています。肝の異常は、すぐに腎にも影響をもたらし、またその逆もしかりです。
肝の機能異常や過労・睡眠不足が腎の機能に影響をもたらして腎の水を主る機能を減退させて中心性網膜症を引き起こしてしまうと考えられます。
中心性網膜症 男性 40代
二年前に物が少しゆがんで見えることから眼科を受診。中心性網膜症と診断される。
その時は、軽快したが体調により再発を繰り返す。
当院に来院する一週間前より症状が強く出ていた。
◆経過◆
◆1~5回目◆
目の症状あまり変化なかった。しかし、身体が軽くなり、夜しっかりと眠れるようになってきた。
◆6~10回◆
目視界の歪みが少しずつ軽減してきて視界が明るくなってきたと感じる。
◆11回◆
目の症状ほぼ気にならなくなった。
◆現在も体調管理のため2週に1回のペースで来院中
・考察
仕事の忙しさや夜眠れないこともあったことからストレスをとても感じている状態でした。
当院の自律神経測定器で自律神経の状態を測定したところ交感神経が優位な状態でした。仕事が終わるのも遅く、自律神経のバランスが乱れていたと考えられます。目の周りの血流改善、首肩の筋肉の緊張の緩和、全身の自律神経を整える治療を施し、効果が見られた症例でした。
症例2
中心性網膜症 男性30代
2か月前の朝に突然物が歪んで見えて中心が暗く感じた。少し時間をおいたら治るだろうと思い、そのままにして仕事をしていたら中心の暗さが朝よりも強く感じてきたため仕事を早めに切り上げてもらい眼科を受診された。眼科では中心性網膜症と診断された。ストレスが大きな原因だと言われ、ビタミン剤と血液循環を改善する薬が処方された。出された薬をに見続けて一か月経つが特に目の症状に変化がみられなかったため他に何かできることはないかと探していたところ、偶然当院のホームページを見つけてご来院された。
当院の治療
ストレスが大きな原因で自律神経を乱して末梢の血液循環が悪くなったことも考えられるので自律神経測定器で自律神経の状態を計測してから治療をしました。自律神経測定器の結果、測定したのが夜8時だったのにもかかわらず、交感神経が高い状態で副交感神経の活動が低い状態でした。
また問診をして行くと、発症前から仕事が急に忙しく睡眠もしっかりとれずに体に疲れをすごく感じていたとのこと。
自律神経の調整・全身の疲れの改善を目的に治療をした後に目の周りを電気鍼療法で刺激していきました。
治療経過
◇1回目◇
治療後、普段感じていた目の疲れを感じなかった
◇2~4回目◇
視界の歪み・暗さはあまり変化が見られなかったが、深い睡眠がとれるようになり身体の疲れはだいぶ取れてきた。
◇5回目◇
眼科の検査で、網膜にできた滲出液のでっぱりが小さくなっていると言われたとのこと。
◇6~9回目◇
視界の歪み・暗さが少しずつよくなってきた。
◇10回目◇
眼科の検査で滲出液がほぼ吸収されていると言われた。視界も良好。
再発防止のため定期的に当院を受診されている
症例3
中心性網膜症 50代男性
一か月前に中心性網膜症と診断され、ビタミン剤や血流改善の薬を処方されたが改善されず、他の治療方法を試したく来院した。
左目に物が歪んで見える、黒いもやの様な物が視界の中心に見えるという症状があり、そのせいで非常に目が疲れる。
営業職のためストレスが感じやすく、生活習慣も乱れ気味で睡眠時間も平均5時間と少し短め。出張も多いので外食が増えている。ランニングやマリンスポーツが好きなので、休日はなるべく運動をしてストレスを発散している。
自律神経測定の結果
ストレスが慢性化しているという事だったので、まず自律神経測定器でお身体の状態を診てみました。
夜の時間にも関わらず交感神経が高く、副交感神経があまり働いていない状態でした。また、肉体的、精神的ストレスと共にやや高く、交感神経過剰の原因の可能性があると考えました。
血管老化度は運動習慣のおかげで実年齢と変わりないとても優れた結果が出ました。
治療方針
まずうつぶせで、首肩に鍼を打ち筋緊張を緩和、その後仰向けで眼の周りに低周波鍼療法を行い血流改善を目的とした施術を行いました。
また、自律神経測定器の結果をもとに、副交感神経を優位にさせ自然治癒力を高める施術も同時に行いました。
◇1回目◇
眼は大きな変化はない。施術を受けた日の夜はよく眠れた。
◇2回目◇
まだ変化はない。終わった後はリフレッシュできてスッキリする。
◇3回目◇
症状は変わらずだが、眼の疲れは軽快。今回から刺激量、電気の出力を上げてみた。
◇4回目◇
前回後、視界のゆがみが軽減。
◇5回目◇
黒いもやが薄くなってきた
◇6回目◇
さらにゆがみ、黒いもやが軽減
◇7回目◇
前回施術後の帰宅中、ほとんど気にならなかった
◇8回目◇
眼が疲れると歪みが出るが、それ以外は気にならなくなってきた
◇9回目◇
ほとんど気にならない
中心性網膜症とは、網膜の内側にある脈絡膜という組織から血漿が漏れ出して網膜の下に溜まってしまい、網膜がドーム状に剥離してしまう疾患です。
脈絡膜は、血管が多くあり、眼球に栄養を行き渡らせる働きがあります。
網膜は、視覚的な映像を電気的な信号へ変えて、脳へ情報を送るカメラのフィルムのような役割があります。
この脈絡膜と視細胞の間にある網膜色素細胞は、血管を透過する漿液全てが網膜に作用しないようにしています。しかし、この網膜色素上皮に異常が発生すると、漿液が漏れて眼底に浮腫ができます。
中心性網膜症の症状として
ⅰ)中心暗点
視野の中心が暗く見えます。
ⅱ)小視症
物が実際よりも小さく見えます。
ⅲ)変視症
物が歪んで見えます。
中心性網膜症は、30代~50代の働き盛りの男性に多い傾向にあり、片側の目に多く起こります。稀に両目に起こることがあり、多くは網膜剥離が治ることで症状が軽快してきます。
中心性網膜症の原因はいまだはっきりとはわかっていません。しかし、30代~50代の働き盛りの男性に多いことや過労や睡眠不足が続いたあとに起こることが見られることからストレスが目に悪影響をもたらして発症していると考えられています。
また、妊娠時期に発症することもあることからホルモンバランスの変化やステロイド剤などの副作用でおこることも考えられています。
中心性網膜症の原因は、いまだはっきりとした原因はわかっていませんが、働き盛りの男性にかかりやすいことから心身のストレスが大きな要因の可能性があると考えられています。当院にご来院される中心性網膜症も患者さんの中でもパソコン仕事や細かい作業を長時間行っていて発症してしまったという方が少なくありません。仕事が立て込んでろくに休みが取れずに睡眠時間が少なかったなどという日常生活でのストレスが大きかった方が発症しやすいと感じます。
・ストレスを溜め込まない
ストレスを溜め込むと心身に様々な悪影響をもたらすということは誰もが知っていることかと思いますが、目に関してもそうです。特に目は細かい毛細血管が多く張り巡らされており、ストレスなどによる自律神経の乱れは目にあらわれやすくなります。趣味を適度にしたり、軽いウォーキングなどの有酸素運動などをすることで心身をリラックスするように心がけましょう
・睡眠時間を十分に確保する
中心性網膜症を発症した多くの方は、その前の期間に睡眠時間が少なくなっていたと言います。しっかりと睡眠時間を確保することで治りも早くなりますし、発症・再発の予防となります。
・労働時間を考える
特に主に事務仕事やカメラマンなど目を酷使する時間が長いと目に負担がかかり、中心性網膜症にかかりやすいです。長時間の労働は避けて仕事中は必ず1時間に一度は休憩を取って目を休めることが必要です。
・飲食に気を付ける
中心性網膜症を治す、再発予防をする際に飲食に気を付けることは大変重要です。お酒は一時的に体の巡りを良くしますが、大量の飲酒は体の疲れを蓄積させて目にも悪影響がでます。食事も三食きちんと摂って塩分を摂りすぎないように注意しましょう。
当院では顔だけではなく、肩こりや頭痛など全身の症状も併せて施術を行っていきます。
まず、背部にある五臓六腑に関係するツボに鍼やお灸で刺激をしていきます。
また首肩の筋緊張を緩め、お顔の血流循環を促進していきます。
仰向けでは、肌荒れと関係する大腸や自然治癒力を促進するため自律神経調節治療、直接顔面部の肌荒れが起きている患部に刺鍼を行いお肌の再生を促していきます。

レーザー脱毛はメラニン色素という黒い色素に反応するレーザーを照射し、毛乳頭という毛を作る細胞を熱で破壊する施術で、近年では女性だけではなく男性の方も利用することが増えてきました。
レーザーで照射すると軽いやけどのような皮膚が赤くなることがあります。この赤みは数日で消えていきますが、レーザー脱毛後に日焼けをした場合、肌荒れやニキビが現れることがあります。
レーザーを照射すると軽いやけど状態になり、そこに日焼けするとさらに肌が乾燥するためバリア機能が低下し肌荒れやニキビが発生することがあります。
肌にはターンオーバーがあり、20代は約28日、30~40代は約45日と年齢によってその周期が違ってきます。
そのターンオーバー中に集中して治療を行うことがポイントで、目安として最初の1か月は1週間に1回、その後はメンテナンスとして2週間~1か月に1回のペースで行うことが理想的です。
ターンオーバーとはお肌の新陳代謝の事で、古い皮膚が剥がれ落ち新しい皮膚が産生されるサイクルのことを言います。
皮膚は大きく分けて、外側から表皮、真皮、皮下組織の3層で形成されており、このうちターンオーバーに関係するのは表皮になります。この表皮をさらに細かく分類すると、外側から角質層、顆粒層、有棘層、基底層、があります。
表皮を形成するのはケラチノサイト(角化細胞)というもので、これは基底層で作られます。このケラチノサイトが作られると古いケラチノサイトはどんどん表面へ押し出され角質層へ移動していきます。そして古い角質層のケラチノサイトは垢となり剥がれ落ち、新しい皮膚が作られていきます。
正常であれば20代は約28日、30~40代は約45日で新しい皮膚が生まれ変わりますが、何かしらの原因によりこの周期が乱れる事があります。
ターンオーバーの乱れは古い皮膚が剥がれ、新しい皮膚が生まれるサイクルに異常をきたす現象の事をいいます。ターンオーバーの速度が低下すると新しい皮膚に生まれ変わることも遅くなるのでニキビやシミ、そばかすができやすくなります。
ターンオーバーは年齢とともに時間の速度が低下していきますが、それ以外の乱れる原因は紫外線にあります。
肌は紫外線を浴びるとサンバーンといわれる炎症反応を起こし皮膚発赤します。この現象は2~3日後に落ち着いてきますが、この数日後にはサンタンと言われる皮膚の黒化を起こします。これが俗にいう日焼けの状態です。
皮膚に影響を及ぼす紫外線はUV-Bと言われ、これが表皮に吸収されるとターンオーバーが乱れ乾燥を引き起こします。乾燥するとバリア機能が低下しニキビや肌荒れを起こします。
紫外線を浴びるとメラニンという色素が産生されます。メラニンは紫外線を吸収して皮膚を守る重要な役割がありますが、紫外線を多く浴び続けるとメラニンがお肌に沈着されてしまいシミやそばかすの原因になってしまいます。
通常、紫外線を浴びるとターンオーバーで新陳代謝が起こりメラニンは表面に押し出され垢とともに剥がれ落ちていきますが、ターンオーバーが乱れるとメラニンがうまく排出されないので、皮膚内部に蓄積しシミになります。
さらに表皮の奥にあるメラニンを作るメラノサイトが紫外線に刺激され、メラニンを過剰に産生してしまいます。

ターンオーバーが乱れる原因として睡眠不足があります。
ターンオーバーを促す成長ホルモンは睡眠中に分泌されます。良質な睡眠に欠かせないのはメラトニンというホルモンです。メラニンと名前が似ていますが、全く別物です。人間はは就寝の14時間~16時間前に光を浴びることによって体内時計がリセットされます。体内時計がしっかりリセットされることによって睡眠中にメラトニンが分泌されます。
しかし、PCやスマホのブルーライトの強い光を浴びると体内時計に影響し、メラトニンの分泌を抑制してしまいます。一般的な家庭の室内照明は問題ないですが、就寝2時間前のPCやスマホの使用は避けましょう。
頚椎症の鍼灸治療はWHO(世界保健機構)に適応疾患として定義されています。

頸椎症は、急に発症するというものではなく加齢に伴う血行不良や首を支える筋の筋力低下があらわれて徐々に症状が悪化していきます。
そこで当院では、まず頸部・肩部・腕付近のツボに鍼やお灸を施して血流改善をはかります。筋肉や軟部組織に栄養を行き渡るようにし、退行性変化に歯止めをかけます。
また鍼を刺すことにより筋肉の弛緩を促したり、刺激することで痛みを感じる閾値を上げて痛みを感じにくくする作用を促します。

また、刺した鍼に電気を流す鍼通電治療を行う場合もあります。鍼通電治療により鎮痛効果がより一層期待できます。

頸椎症は五臓六腑の「肝」と「腎」に深く関係しているので肝と腎に関するツボを用いて肝血や腎気を補うことや頸部付近の気血の流れをよくします。また「風寒」や「湿」の邪気によって引き起こされる場合はそれらを体外に出す治療が必要になります。
東洋医学の診断方法に基づき全身の調整治療も行っていきます。全身治療を行うことにより人間が本来もっている自然治癒力を高めます。頸椎症の鍼灸治療は中国でも有効とされており、多くの方が治療されています。
東洋医学では頸椎症は体の外から邪気を受けるため発症するものと中医学でいう「肝」と「腎」が何らかの原因で損傷して働きが弱まって発症するものと考えられています。そういった原因で頸部付近の気血が滞り、それが痛みや痺れの原因となると考えられています。
体の外からの邪気として一番頸椎症が発生しやすいのは、寒く風のあたる場所にいた時などに体に悪さをする「風寒の邪気」を受けた時です。次いで湿度の高い場所にいて「湿邪」を受けた時などです。
また長い間椅子に座ってパソコンなどの仕事をした時に気血は滞り、それが頸部付近であった場合に頸椎症を発症する可能性が高くなります。
東洋医学でいう「肝」と「腎」の機能が弱ると全身的に血や体液が不足し、筋肉や骨などの様々な器官に栄養を送ることができず、さらに上記のような条件が加わると頸椎症がおこりやすくなります。
40代男性
3年ほど前から左首肩のコリで悩まされていた。一度整形外科で診てもらったが、レントゲン検査などでは顕著な異常は見られずに湿布薬を処方してもらう程度。
最近、左首肩のコリがあまりにひどく痛みも強く出ており、左ひじ付近まで痛みを強く感じるようになっていた。整形外科では、ブロック注射を打ってもらって処置をしたが、ほとんど痛みが取れずに鍼灸治療を試してみたいということで当院にご来院されました。
治療経過
コロナ禍によって在宅ワークが増えてノートパソコンを使うようになって姿勢がより前のめりになったことで頸部への負担が増えて左腕・左ひじまでに痛みが出ていると考えられるため主に左首肩回りの筋緊張の緩和・鎮痛目的の鍼通電治療・15分を行っていきました。
また、タイピング動作によって左上肢の筋緊張も強い状態でしたので左上肢や左ひじの痛みが強く出ている部分にも鍼通電治療・10分を行うことで直接アプローチをしていきました。
◇1回目◇
治療後、左首肩コリ痛の痛みがVAS10段階中3~4にまで軽減された。左の肘は直後はだいぶ痛みが取れたが仕事中にすぐに痛みが戻ってしまった。
◇2回目◇
治療後、左ひじの痛みがなくなり、別の左肩前面に痛みが移動したように感じたとのこと。
◇3回目◇
左首肩のコリ痛仕事が忙しく根詰めてしていたため少し痛み出てきた。全体的に体の左側がつらい
◇4回目◇
左ひじの痛みが10段階中1~2までに軽減された。久しぶりに左こぶしを力強く握れる感覚が出てきた
◇5回目◇
左首肩・左肘周りのコリ痛がかなり軽減されて仕事も軽快にできるようになった。忙しく疲れてくるとどうしても症状が出るがそこまで長続きせずに回復するようになってきた。
50代男性
右腕の痛みによって来院される。一週間くらい前から痛みで早朝目が覚めてしまう。また、頸部を後屈すると肩甲骨上角に痛みが出現。この症状は6~7年前から続いている。最近両親が亡くなられ葬儀などで忙しくストレスにより最近あまり眠れていない。昔はサラリーマンでPCを使うことが多く、慢性的な肩こりはあった。
当院での治療
1仰向け治療
まず、自律神経測定器で自律神経を測定してから治療を行っていきました。交感神経が過亢進しており自律神経の乱れがみられたので自律神経の調整を行う。右頸部から右腕にかけての筋緊張の緩和を目的に施術していきました。痛みや筋緊張の強い部分には鍼通電、お灸を積極的に用いました。
2うつ伏せ治療
頚部、肩甲骨、肩関節周囲の筋肉に固結がみられたのでマッサージ、鍼通電、お灸、を用いてその部分を中心に施術していきました。
治療経過
◇1回目◇
あまり大きな変化は見られず。
◇2回目◇
夜眠れるようになってきた。腕は痛みの範囲は狭くなっているがまだ痛みはある。
◇3回目◇
朝痛みで目が覚める事が少なくなってきた。首を後屈しても痛みが出なくなった。腕の痛みの範囲がさらに狭くなった。
◇4回目◇
時々腕の痛みがあるが、痛みがだいぶ軽くなり日常生活に支障をきたすことは無くなった。腕の痛みで目が覚めることは今は無い。
30代 女性
仕事は主にパソコン作業で一日中タイピングやマウスを使って作業をしている。趣味は、ギターでここ3か月くらい左の手指の小指側が痺れるようになってきてしまった。仕事中も首の痛みが強く出ることがあり、首を後ろに倒すとさらに痛みが増強してしまう。病院で検査を受けたところ変形性頚椎症と診断された。痛みが強い時に服用する鎮痛剤と湿布薬を処方されたが一向に良くならないので鍼治療で何とか警戒できないかということでご来院された。
左手がうまく動かすことができず、動かすと手指に痛みが出るので趣味のギターを現在は中止している。
治療
1.仰向け治療
左肩前面の筋緊張も強く出ていたので右肩に鍼とお灸を施して筋緊張の緩和をねらいました。そのほか腹部や下肢の経穴も用いて自律神経を整える全体施術も行っていった。
2.うつ伏せ治療
うつ伏せとなり頸肩に鍼通電療法を行い、左前腕や腰部に鍼灸施術を行っていきました。
治療経過
◇1回目◇
治療後、頸肩に何となく重さを感じたが、次の日にはその重さがなくなり、以前よりも頸肩が軽くなったように感じた。
◇2回目◇
仕事の最中、午前中はまだ頸肩の調子が良いが午後疲れてくるとまだ重さと痛みを感じる。
◇3~5回目◇
首の可動域が段々と広くなり、動かせるようになったので頸肩のストレッチをお風呂上りに行うようにしてもらった
◇6回目◇
日常生活では症状をあまり感じることがなかったので久しぶりにギターを弾いてみたところ激しい左手の動きは痛みや違和感が出る。
◇7~9回目◇
ギターを弾いても痛みを感じなくなってきた。今は痛みがない時と同じように引くことができるようになるまで回復

頸椎症は、頸椎ととりわけ運動と荷重を負担する椎間板の加齢による変化などにより頸椎の椎体周辺の骨増殖と椎間が狭くなることにより頸神経や脊髄が圧迫されて症状を呈する疾患です。用語として頸部変形性脊椎症・変形性頸椎症・頸椎症は同じものと考えられます。
頸椎症は退行変性により生じることにより、中年以降に好発します。たとえ頸部に愁訴がないものでも65歳以上では75%に頸椎症の典型的なX線撮影上の所見があるという研究結果もあり、とても多い疾患です。
頸椎症の症状としては症状が急激に現れることなく、頸部の症状から始まり、徐々に上肢や下肢の症状が出てきます。頸部の症状としては、椎間板変性による頸肩部の疼痛、頸部の前屈や後屈時に痛みが現れることにより運動制限が長期にわたり先行して症状が進行する傾向にあります。通常、首を強制的に縮める動作で増悪し、安静にしていると軽快します。
上肢の症状としては圧迫に伴う神経根刺激症状で、上肢のしびれ・痛み・脱力感・疲労感・冷感・感覚異常を感じます。また手先の仕事や書きごと、物を摘むなどの動作ができにくくなります。しびれは神経の支配領域によって異なり症状が進行すると、手の筋肉が萎縮したり、皮膚温の低下、発汗異常などがみられます。
脊椎に圧迫がおこると下肢の症状が現れて歩行障害、便秘、排尿障害などの症状があらわれます。脊髄が圧迫されると通常は歩行の変化が最初の徴候で、足が震えるようになり、歩行が不安定になります。
首を横に曲げて頭部を圧迫した時に上腕に痛みが走る(スパーリング検査)、首を軽く後方へ曲げて頭部を圧迫した時に上腕に痛みが走る(ジャクソン検査)などの症状があらわれた場合に頸椎症を疑います。
頚椎の骨運動は、曲げる・伸ばす・横に倒す・回すという6方向もあり、胸椎や腰椎と比べても動きが大きいです。したがって関節にかかる負担も大きくちょっとした衝撃で痛みやすい部分でもあります。頸椎の関節にも様々な働きがあり、代表的なものでいうと第一頚椎と後頭骨との関節である環椎後頭関節や第一頚椎と第二頚椎とでなす環軸関節などがあります。
環椎後頭関節の骨運動は、首を曲げる・伸ばす・横に倒す動作で回す動作はほとんど起きません。しかし環軸関節の場合は、骨運動は首を回す動作を起こさせます。そういった関節のズレなどが生じると脊髄や神経根が圧迫されてしまうと腕の痺れや痛み、症状が悪化すると筋肉の委縮や歩行障害や膀胱直腸障害などが起きてしまうのです。
頸部は胸部や腰部と比べても非常に大切な部分です。少しでも異変を感じたらすぐに対処する必要があります。放っておくと症状が悪化し、取り返しのつかない場合も出てくる可能性があるからです。
頸椎部の脊柱管は、上部ほど広く下部に向かって細くなっています。その最も狭い部分は第5~第6頸椎部にあります。一方、脊髄はちょうどその辺りで太くなっており、そのために脊柱管と頸髄が近接しています。したがって余分な空間が最も少なくてこの部分で容易に圧迫を受けやすい構造になっています。さらに頸椎はこの辺りで生理的弯曲が最も大きく、神経圧迫症状が出現しやすくなっています。
第5~第6頸椎部がもっとも疾患が出現しやすく、次いで第6~第7、第4~第5の順で出現しやすいですが、全頸椎で起こる可能性が十分にあります。椎間板変性の進行とともに
・椎間間隙の狭窄
・椎間関節の変性
・骨のトゲ(骨棘)の形成
・頸椎の配列異常
などが生じます。そして結果として脊柱管などを圧迫して神経症状を引き起こします。
清水大地

資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好医院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院

当院の角膜炎・角膜潰瘍に対する施術は、第一に目の周辺の経穴にハリをさして角膜の炎症をおさえる作用を促します。痛みの強い場合は電気鍼療法を用いて痛みの閾値を上げて鎮痛効果が期待できる施術を行うこともあります。電気鍼療法は、刺激の量が強いため鍼に慣れていない方には行うことはありませんので安心してください。

また角膜炎・角膜潰瘍は肝の機能と深く関係していることがいわれておりますので、肝に関連の強いツボを多く用います。肝の陽気が過亢進して頭の方へのぼっていくことで症状を起こしているとも考えられるので肝の陽気を抑えて下げる治療もする必要があります。
風熱の邪気によって引き起こされる場合はそれらを体外に出す治療が必要になります。
また東洋医学の全身の状態を診て治療していくという特徴によって当院でも全身の調整施術を行っていきます。部分的な治療ではなく全身を治療することは中医学の特徴でもあります。全身治療を行うことにより人間が本来もっている自然治癒力を高めます。

角膜の炎症がおさまったら第二段階としてお灸や微弱の電気刺激を用いて徐々に血流の改善施術を行っていきます。
角膜炎・角膜潰瘍の治療を受けられることにより目の治療効果はもちろんのこと全身の治療効果が期待できます。

中医学では五臓六腑の肝は目に開竅するといわれており、眼の疾患は肝の機能障害が深く影響していると考えられています。
肝血が不足してしまうと視覚の異常や運動系の異常などがみられます。また肝の陰陽のバランスが崩れてしまい肝の陽気の過亢進がおきると次第に陰液を消耗して肝陽が頭の方へ上がっていきます。
すると角膜炎・角膜潰瘍・高血圧、頭痛・自律神経失調症などを引き起こします。また外からの風熱の邪気が体に侵入すると目は侵されやすく、結膜炎や結膜潰瘍を引き起こす原因にもなります。
40代男性
以前に数回左目に角膜感染症を患っていたが、眼科で治療を受けて少し経つと軽快していた。しかし、数ヶ月前から目の痛みが強く出て仕事もままならずに睡眠も痛みで阻害されるようになった。眼科で治療を受けてもなかなか改善されず、当院を受診された。パソコン作業などのデスクワークが主なお仕事で仕事を休みがちになり、気分も落ち込んでいるご様子でした。左目の瞼も腫れあがり、目も開けていることがつらそうな状態。
当院の治療
睡眠不足や仕事が思うようにできないというストレスから自律神経の乱れが生じているのではないかという判断から治療に入る前に自律神経測定器で自律神経の状態を計測しました。結果は交感神経の活動が高く身体全体の調子も崩れている状態でした。
まず仰向けで自律神経を整える自律神経調整療法を施してからうつ伏せで首肩のコリをとっていきました。長年の長時間でのデスクワークや痛みによるストレスからか特に胸鎖乳突筋が過緊張状態だったので、その部分が取れるようにしっかり施術しました。
最後に目の周りに鍼灸施術を施し、鎮痛効果を促しました。最初の2・3回は置鍼術とお灸治療で対応してはり灸刺激に慣れてきたところで目の周りに通電療法を施しました。最初の一カ月は集中的に一週間に2回ほど治療を受けてもらい、その後は一週間に1回程度の感覚で治療を受けていただきました。
治療経過
◇1~5回目◇
治療後は、目の痛みは楽に感じ睡眠もとれる。しかし、痛み止めの薬は欠かさず飲むような状態
◇6~8回目◇
少しずつ痛み止めの薬の量が減ってきた。長年感じていた首肩のコリ・つらさが感じにくくなってきた
◇9~12回目◇
痛みで休みがちだった仕事にも徐々に復帰して日常生活で痛みを感じることが少なくなってきた。
◇13~15回目◇
痛み止めを飲まなくてもほぼ痛みを感じない。ただし、菌を除去するために眼科で角膜を削る処置をした後の1日は痛みを感じる。
2週間前に右目の痛みが強くなり、蛍光灯の光にも眩しさも感じたため眼科を受診したところ真菌性の角膜炎と診断を受けた。
痛み止めの内服薬と抗菌剤の点眼薬を処方された。痛みが強く眠れない時もある。元々は記者の仕事などパソコン作業や細かい字を見ることが多く、目に負担がいっていたが、角膜炎を発症後は仕事もままならずに休職している。
他に改善方法がないかと模索していたところインターネットで当院をみつけてご来院されました。
ご来院当初は、痛みもつよく鎮痛薬を服用してなんとかご来院できる状態。真菌性角膜炎が出ている右目は腫れもあって目の充血・瞼の赤みもある。
鍼灸治療と経過
まず第一に右目の激痛の緩和を目的に施術を行っていきました。右目周りに少し強めの鍼通電治療を施し、鎮痛効果を促します。15分ほど電気をかけて睡眠もうまく取れないとのことなので自律神経の状態も整えつつ、睡眠に効果的とされる『神門』や『太谿』『失眠穴』なども選穴して施術を行っていきます。
うつ伏せの施術では、頸部の筋緊張の緩和や背部兪穴のツボを用いて五臓六腑の『肝』『腎』『心』の状態を特に整えていきました。
施術間隔は3~4日に行い、とりあえず5回ほど間隔をつめて施術を行っていきました。
施術回数を重ねるごとに痛みのVASの値が10段階中3まで下がっていきました。その頃には睡眠もとれるようになり、腫れや赤みもだいぶ軽快。
6回目以降は目の周りのお灸施術を加えていき、炎症をしっかりと抑えるような施術を中心に行います。
トータルで12回の施術で治療を終了。炎症も治まり、抗菌薬も点眼しないまでに回復。

角膜炎とは角膜に何らかの原因で炎症をきたした状態の総称です。
角膜炎は片目に起こるのが普通で両目同時に発症することはまずありません。角膜潰瘍とは角膜組織が障害を受けて実質に及ぶ組織欠損をきたした状態を総称したものです。
角膜、強膜は眼球外壁の最外側を覆う膜で、これらによって眼球の形が保たれています。角膜は外壁のうち前方部分に位置する透明な部分で、直径11mmで厚さ約0.5mmの無血管組織です。角膜は外からの光線を通過させて眼球内に送る役目のほかに眼球のうち最も大きな屈折力をもつことから、レンズとしても重要な役割を果たします。角膜には三叉神経が分布していて知覚が非常に鋭敏であるという特徴があります。(三叉神経痛について)
角膜炎・角膜潰瘍の症状は、病変の原因や位置、大きさなどによって異なりますが一般的には次のようなものがあります。
ⅰ)流涙
眼痛や異物感による反射性の涙液分泌増加が原因です。
ⅱ)目の痛みや異物感
角膜には三叉神経が分布していて知覚が鋭敏であるため、潰瘍や炎症による角膜障害は非常に強い疼痛を引き起こします。
ⅲ)視力低下
角膜炎や角膜潰瘍では角膜の浮腫、瘢痕、血管侵入などをきたすために角膜の透明性の低下や乱視の増悪により視力低下をきたします。
ⅳ)虹輪視
角膜上皮の浮腫のために光の散乱や回折現象をきたし、光の周りに虹が見える場合があります。
ⅴ)羞明
角膜炎や角膜潰瘍では光刺激に対して敏感となるため、光が異常にまぶしく痛く感じます。
角膜炎の原因としては様々な角膜感染症・外傷・紫外線・放射線・眼科手術・角膜異物・アレルギー性疾患・自己免疫疾患などがあります。角膜潰瘍の原因としては角膜感染症が最も多いですが、外傷・手術浸襲・自己免疫疾患・三叉神経や顔面神経の麻痺・重症のドライアイなどで生じることもあります。
・顔面神経麻痺について
・ドライアイについて
ⅰ)帯状ヘルペス角膜炎
単純ヘルペスと同様に神経内に潜伏した水痘、帯状ヘルペスウィルスが活性化されて神経を下降していき、角膜炎を生じます。三叉神経の第一領域にウィルスが現れると額からまぶたにかけて水泡や発疹が生じます。その後目の症状も現れて、角膜炎、結膜炎などが生じます。(帯状疱疹について)
ⅱ)アカントアメーバ角膜炎
アカントアメーバが角膜に感染しておこる角膜炎で、ソフトコンタクトレンズを使用している人に多く見られます。レンズ洗浄液に水道水を使用するとその中でアカントアメーバが増殖して感染源になると考えられています。
ⅲ)びまん性表層角膜炎
角膜の表面の上皮と呼ばれる部分に浅い傷ができた状態をびまん性表層角膜炎といいます。傷自体は擦り傷のようなものですが角膜は知覚が発達しているために非常に痛く、異物感のため目を開けられないこともしばしばです。
傷の原因として異物やまつ毛などの機械的刺激・コンタクトレンズ・紫外線などの体の外からくる刺激や涙液減少症・糖尿病・シェーグレン症候群などの疾患も角膜の傷の原因となります。
ⅳ)乾性角膜炎
涙の分泌が低下する(ドライアイ)ために角膜炎がおこります。乾性角膜炎は中年以降の女性に多いとされてきましたが、最近ではコンタクトレンズ、パソコンや携帯電話の普及によりそれらの使用頻度の高い若年層にも男女を問わず増えてきています。
清水大地

資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好医院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院

産後うつは東洋医学では、五臓六腑の『肝』と『腎』の働きが弱っているために発症すると考えられています。
出産をすると母体は多くの『気血』を消費してしまうために肝の血を蔵して排泄・排出するという調整機能は大きな影響を受けて肝の機能は低下しやすくなります。
また、肝と腎は『肝腎同源』と言われて肝が弱ると腎の機能も弱くなりやすいため、治療では肝と腎の機能を補っていく必要があります。
産後うつで多く見られる病証としましては、『肝血虚』と『腎虚』があげられます。肝血虚では、イライラ感が抑えられない・不安感・気分が落ち込みやすいなどの症状があらわれやすく、腎虚では物忘れや体の重だるさなどが出やすくなります。
産後うつに対する当院の鍼灸治療
産後うつに対する当院の治療はまず第一に自律神経のバランスを整えることです。

当院には自律神経測定器があり、自律神経の今の状態を把握してから施術を行えるのでその方にあった施術法を選択することが可能です。
交感神経の活動が高い場合や逆に副交感神経の活動が高い場合で自律神経が乱れている場合では施術法や治療配穴が違ってきます。
また東洋医学的観点からもアプローチをしていきます。『肝』や『腎』の機能を補ったり、『気血』の流れを改善していきます。

当院には女性鍼灸師も在籍しているため女性ならではのお悩みもご相談ください。

30代 女性
結婚してからも独身時代と変わらずに夜遅くまで仕事をこなしていた。そのような生活をしていたためなかなか子供を授からなかった。30代も後半になりそろそろ本当に子供がほしいと思い、仕事の量を減らしてやっと妊娠できた。妊娠がわかったときは嬉しかったが、それと同時に育児に対する不安や生活環境の変化、将来の不安を抱くようになった。
出産後、いろいろ本やインターネットで調べたことを実践したがなかなか思うようにいかずに段々と育児に対するストレスが溜まっていった。1か月を過ぎると睡眠がうまく取れなくなり、日中は気分が悪くなったり、底知れぬ不安感に襲われるようになってしまった。
ある朝、起きると体が思うように動かないと感じて産婦人科を受診したところ産後うつと診断された。授乳中ということもあり、軽い薬を処方してもらったが、症状は改善されなかった。強めの抗うつ剤を医師からは勧められたが、授乳を続けたいとのことで当院にご来院された。
治療
自律神経測定器の結果、交感神経の活動が高く自律神経が乱れているという結果が出ました。手足や腹部の冷えも強く全身の血流が悪くなってしまっていると感じました。自律神経を調整する治療と冷えを改善するお灸療法を中心に行っていきました。また、家でもご主人の協力を得て少し育児から離れてリラックスできる時間を確保していただきました。
◇1回目◇
治療後、体のだるさや疲れが一気に出た感じがしてその日はよく眠ることができた。
◇2回目◇
眠れる時もあるが全体的にはまだあまり眠れた気がせずに日中に気分が悪くなることもあり。
◇3~8回目◇
どうしても夜泣きなどで夜中起きることがあり、そのあと目がさえてなかなか眠れないが少しずつ身心が楽になっていることを実感。
◇9~12回目◇
育児のことで頭がいっぱいだったが少しずつ余裕ができてきて、化粧や趣味の読書などが楽しめるようになってきた。睡眠も改善。睡眠時間が短いと感じる日は子供が昼寝をしている時に一緒にリラックスして眠れるようになった。
産後うつという言葉を聞いたことがありますか?ストレス社会と言われる現代の日本では10~15人に1人は生涯うつ病にかかると言われています。これはとても大きな割合で年々うつ病で悩まされる人は増えていると言われています。
うつの増加傾向は産後にも当てはまり、産後にうつ病で悩まされることを『産後うつ』といいます。産後うつは10人に1人以上の割合で産後女性にかかってしまうとも言われています。
産後はどうしても生活環境やホルモンバランスの変化が大きいです。そこで赤ちゃんの面倒を自分だけしか見ておらず、誰にも相談できな状況ですとうつ病にかかりやすいと言われています。
産後うつの症状は、よく言われるうつ病の症状と似ています。症状の特徴としましては
☑気分が落ち込む
☑何事にもやる気が出ず、育児も億劫になる
☑いつもは普通にできていた献立が考えられない
☑常に何かしらにイライラしている
☑食欲がわかない
☑寝つきが悪い、睡眠不足
☑化粧などしなくなり、外見に気を遣わなくなった
☑将来のことばかりか考えて不安になる
☑できない自分を責めてふさぎがちになる
☑下痢や便秘
☑胃痛や腹痛
☑何事にも興味が薄くなり、今まで楽しめていたことが楽しめなくなる
産後3か月の間にこのような症状が出た場合産後うつかもしれません。その場合は、一人で抱え込まないで周りの人に相談することが重要です。そのまま一人で抱え込んでしまうと症状が悪化や改善までに時間がかかってしまうことがほとんどです。
産後うつは単に一時の症状ではありません。きちんと治療していく必要があるのです。

産後うつとなってしまう原因は人それぞれで多岐にわたりますが、大きく分けると生活環境の変化とホルモンバランスの変化です
・生活環境の変化
特に出産が初めてという女性は、初めてという経験がいっぱいです。赤ちゃんがいるのといないのとでは生活環境が大きく変わるのは容易に想像できます。その中でも特に多いのが、ご主人は仕事が忙しくて育児に協力的ではなく、ご両親も近くに住んでおらずに育児の負担がほとんど女性にかかってしまう場合に産後うつにかかるリスクが増加します。
また、里帰りで出産で実家にいた時はいいが、自宅に帰ったときに初めて育児の負担が全て自分にかかることでも産後うつは発症しやすくなってしまうのです。
また、赤ちゃんがまだ小さいころだと気軽に外出などできず、赤ちゃんと家で過ごす時間が長くなり、気分転換もできません。外出したら外出したらで常に赤ちゃんのことを考えねばならず、ストレスは溜まりやすい状況です。
女性の社会進出が進み、女性も男性ばりにバリバリと仕事をこなす人も少なくありません。そういった女性が外出もままならず、育児と家事で毎日を過ごしていくというのは大きなストレスかもしれません。
・ホルモンバランスの変化
産後の女性は体のホルモンバランスの変化も大きいです。多くの方の産後女性の体はこれまで生きてきた中で一番急激に変化する時期といっても過言ではありせん。母乳を作り出しますし、赤ちゃんがおなかの中で育った子宮は急激に縮まっていきます。
これは相当な体の変化でホルモンバランスの変化も大きいです。
ホルモン分泌などの内分泌系の活動は自律神経が大きくかかわっているため、ホルモンバランスの大きな変化は自律神経のバランスが乱れやすくなって産後うつにかかってしまいます。
うつ病にかかりやすい人の性格に特徴があるように産後うつにかかってしまいやすい人の性格にも特徴があります。
・生真面目で完璧主義
生真面目で完璧主義な女性は、産後に何かトラブルが起きても他人に迷惑をかけてしまうと思い込んで誰にも相談できない人が多いです。それでも育児に家事にうまくいっている場合はよいのですがうまくいかなくなった途端に自分を責めてしまい産後うつにかかってしまいます。
・努力家で頑張りすぎてしまう
もちろん育児をするということは生活環境が一変するため慣れるまでは努力が必要になってきます。初めての出産となるとなおさらです。しかし、それ以上に親やご主人などの周りの方のサポートはそれ以上に必要になってきます。
そのことを理解せずに明らかに自分の許容量を超えて育児や家事を行っていると心身ともについてこられずにある一定の許容量を超えてしまうと産後うつとなってしまいます。
・今までうつ病にかかったことのある人
今までにうつ病やその他心療内科系の疾患にかかったことのある人は産後うつにもかかりやすくなると言われています。
産後うつと診断されるとまずカウンセリングなどの心理療法が行われることがほとんどのようです。多くの人は産後うつを発症して半年以内に症状が軽快すると言われていますが、産後うつ患者の4人に1人は半年以上もうつ傾向にあり、なかなか症状が軽快しないという場合もあります。そういった産後うつが重症化した場合は抗うつ剤などの薬が処方されます。
しかし、抗うつ剤を服用する時にまだ授乳中の場合は、副作用の少ないより安全性の高い薬を服用する必要があるため処方できる薬も限られてきます。
・自分一人で育児・家事を抱え込まない
・親や夫にサポートをお願いする
・適度な運動(散歩など)でストレスを発散する
・睡眠時間を確保する
・子供を預けて一人になれる時間を作る
・食欲がわかなくても口当たりのいいものできっちり1日3食摂る
うつ病の治療において栄養療法も必要だと言われています。
産後うつに関しましても、産後のお身体には栄養が必要ですから尚更産後うつの回復には栄養療法が欠かせないです。
必要な栄養素の研究で近年、うつ病と鉄分不足が関係しているのではないかというものがあります。
鉄欠乏で貧血なら理解できるけどうつ症状が出るなんてと思う方も多いかと思います。
しかし、うつ病と診断されて抗うつ薬を処方されたが全く効果がなく、鉄分を補給したところ回復傾向に向かったという医師もいます。
鉄は体の様々な機能の役割を担っています。例えば、皮膚や粘膜の維持に関わっており鉄が不足すると肌荒れや口内炎ができやすくなってしまいます。免疫力の維持にもかかわっているため鉄不足となってしまいますと免疫力の低下します。
うつ症状と鉄不足の観点からしますと、鉄が酸素の運搬やエネルギーの産生に関わっていることが大きいです。
鉄が不足してしまいますと身体のいたるところが酸素不足やエネルギー不足に陥りやすくなってしまうのです。すると、疲労感や倦怠感、さらに脳が酸素不足になると立ちくらみやめまいの原因となります。
そのほか、鉄は脳の神経伝達物質の意欲に関係するドーパミンや脳の覚醒に関わるノルアドレナリン、幸せホルモンと言われるセロトニンなどの合成にも関わっています。
鉄が不足することでそれらのこころの働きに重要とされるホルモンの合成がうまくいかずに睡眠障害や不安、うつ状態になりやすいです。
厚労省は鉄の推奨摂取量を1日10mg、女性で12mgと定めています。鉄が多く含まれる食材としまして
・豚レバー
・鶏レバー
・牛レバー
・しじみ
・キハダマグロ
・カツオ
などがあります。
妊娠・出産・授乳では鉄の消費量が増えると言われています。通常摂取する量よりも摂取しないと鉄が欠乏した状態におちいり、産後の場合特に産後うつ症状が出やすくなってしまいますので注意が必要です。
清水大地

資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院

当院の線維筋痛症に対する施術は、第一にはりやお灸を施すことにより全身の調整を図り、自律神経のバランスを整えます。慢性的な痛みやその他全身症状は、特に自律神経を乱すと考えられています。線維筋痛症は、全身的な疼痛もあることから特に自律神経を乱しやすいといえます。実際に自律神経失調症の症状も多く併発します。

当院では、自律神経測定器を用いてその日の自律神経の状態を把握して上で施術していきます。線維筋痛症では、慢性的痛みにより交感神経過亢進の状態が多いため、はりやお灸などの刺激の中でも心地よい刺激を用いて、リラックス神経である副交感神経優位の体にもっていきます。
また東洋医学では、局所的に診るのではなく、全体的に診るという考えがあり、全身施術を行うことにより自然治癒力を高めます。
線維筋痛症は東洋医学的に見ると「気」と「血」の作用不足により発症すると考えられているので、鍼灸治療を用いてツボを刺激することで「気血」の作用を正常に戻すように促します。
当院の鍼灸治療による線維筋痛症の施術目的は、線維筋痛症の回復程度を高め、回復を速めることです。また西洋医学とは違う東洋医学の観点により少しでも線維筋痛症が回復できる機会を提供することです。お悩みの方はぜひ一度ご相談ください。
その他、さした鍼に電気を通す鍼通電療法も行っていく場合があります。鍼刺激と同時に電気を流すことにより更なる鎮痛効果が望むことが出来ます。

線維筋痛症は東洋医学でいう「気虚」(気の作用不足による症候)と「血虚」(血の持つ栄養を巡らす作用不足による症候)、またはそれら二つが同時に起こる「気血両虚」が原因で発症すると考えられます。
ⅰ)気虚
「気」の作用不足による症候で、臓腑の機能低下・免疫力の低下などがあらわれます。
また慢性疾患などでよく見られ、元気がない・疲れやすい・無力感・息切れ・風邪をひきやすいなどの全身的な虚弱の症候があらわれます。
「気」の機能
気
椎動作用
成長・発育・生理的機能・代謝の推進
温煦作用
椎動の維持及び体温の維持・調節
防御作用
病邪の防御・排除
固摂作用
漏れや排泄過多の統制・臓器の定位
気化作用
物質転化
ⅱ)血虚
「血」の持つ全身に栄養を巡らす作用の低下であり、循環血液量の不足に相当します。症状としては、顔色が悪い・皮膚につやがない・目がかすむ・頭痛・動悸・四肢の痺れ感や筋のひきつれなどがあらわれます。「血虚」の種類として「肝血虚」と「心血虚」などがあるが、「肝血虚」が中心となります。
肝血虚
「肝血虚」とは中医学でいう「肝」が血を貯蔵して必要に応じて供給・消費する機能と自律神経系の作用を通じて血管を収縮あるいは弛緩させ、体内各部の血流量を調整する機能が異常をおこして発症します。
筋のけいれん・手足のしびれ・目の乾燥感や女性では、月経のおくれ・月経血の過少・無月経などがみられることが特徴です。
ⅲ)気血両虚
「気」は「血」による栄養を受けて機能し、「血」は「気」の転化作用によって生成されるので、「気」と「血」はとても深い関係にあり、「気血両虚」の状況がよくあらわれます。
また中医学でいう「肝」と「腎」の機能が弱ると全身的に血や体液が不足し、筋肉などの様々な器官に栄養を送ることができず、さらに上記の条件が加わると線維筋痛症がおこりやすくなります。両者の関係は深いので「肝腎同源」とも言われており、「肝」と「腎」の症候が同時にあらわれることが多いです。

線維筋痛症は体の広い範囲の慢性的な耐えがたい痛みを主な症状として全身の重度の疲労や様々な症状をともなう疾患です。しかし、血液検査や画像検査などには異常がないため、線維筋痛症という診断がつかなかったり、あるいは別の病気と診断されたりする事が少なくありません。
それまで受診した医療機関の診察によっては、変形性脊椎症・腰椎椎間板ヘルニア・更年期障害・自律神経失調症・心因性疼痛・うつ病などと診断される場合もあるようです。
線維筋痛症では、全身に痛みがあり、また体の様々な部位がとくに痛む場合もあります。痛みの質や程度には個人差があり、患者さんによっては「死んだほうがまだマシな程の痛み」と表現されるように激しい痛みが生じる場合があります。
接触や軽い圧迫など通常では痛みを起こさないような刺激によっても強い刺激が引き起こされる場合があり、感覚過敏といった感覚異常がみられる場合があります。
症状は一般的に季節の変わり目にしばしば悪化して夏より冬のほうが痛みの強い人が多いようです。
また線維筋痛症の症状は、痛みだけではなく、痺れやこわばりなどの症状が体のさまざまな場所にあらわれます。そのほか患者さんによっては、不眠や疲労感、下痢や便秘、不安感、憂うつ感など、多くの身体症状や精神症状がみられます。
■線維筋痛症の痛み以外のさまざまな症状■
◇疲労感
しばしば慢性疲労症候群を合併する。痛みに加えて疲労感が加わると就労できない場合がある。
◇不眠
睡眠の質が悪くて起床時に爽快感が少なく、疲れが取れにくい。強い痛みが不眠に深くかかわっていると考えられる。
◇刺激に対する感受性の増大
音や光、温度、におい、圧迫などの刺激に対して敏感。
◇記憶力や認知機能の障害
記憶力、集中力、作業効率、判断力などが低下。
◇乾燥症状
目の渇きや口の渇きなどの乾燥症状。
◇関節可動域の増大
女性の場合では、関節の動く範囲が健常な女性よりも大きい。
◇消化器症状や排便・排尿の異常
胃酸の逆流や腹部膨満感、嘔吐の症状が多く見られ、排便異常として下痢や便秘などを訴える。また排尿回数が多く、しばしば膀胱炎を合併する。
◇精神状態
うつ病や不安障害などの精神疾患も頻繁に合併する。
◇運動機能の異常
健常な人よりもバランス能力が低く、転倒の回数が多い。
◇手足のむくみ
手の甲や足の甲がむくむ。
線維筋痛症の診断基準としてアメリカリウマチ学会が作成した基準があり、それが参考となります。
ⅰ)広範囲な痛みの既往
左半身の痛み、右半身の痛み、腰より上の痛み、腰より下の痛みに加えて体幹部の痛みがすべてなければならない。
ⅱ)指による触診で定められた18か所の圧痛点のうち11か所に痛みがある
定められた18か所のうち11か所以上に疼痛を感じると陽性と判断され、また押す力は4㎏と定められている。
日本には約200万人の線筋痛症の患者さんがいると推定されており、患者さんの7~9割が女性です。線維筋痛症は子供にもみられ、年齢とともに有病率は増加しますが、50~80歳を境に有病率は逆に低下します。

線維筋痛症の原因は、さまざまな説が提唱されていますが、はっきりとした原因は分かっていません。しかし、脳に何らかの変性が起こっているのではないかと推測されます。
現在、線維筋痛症は精神疾患ではなく、脳や脊髄などの中枢神経系の機能障害と考えられており、中枢神経の過敏化が線維筋痛症の発症や維持にとても大きな影響を与えていることが定説になっています。
中枢神経の過敏化などといった異常が起こると身体にさまざまな異常をもたらし、それらは脳の部位の違いによって精神症状・運動機能異常・痛みといった異なる症状がおこると考えられます。例えば、何らかの理由により脳の異常が起こる部位が少し変化することで痛みが変化したり、脳の異常が精神機能を制御している場所に及べば、うつ病や不安障害を合併したりします。
また精神的ストレス・社会的ストレス・肉体的ストレス・交通事故などは、線維筋痛症になりやすい危険因子でそれらによって脳のどこかが変性してしまい中枢神経の過敏化が起こると考えられています。
40代 女性
2か月前から突然背中の痛みが出た。最初は、腰痛持ちだったのでそれと同じ類のことかなと思い気に留めないようにしていたが段々痛みが強くなり、少し服が触れただけでも痛みが走るようになった。
子育てと仕事で忙しく睡眠時間も少なかったせいで身体の疲れもたまっていたかもと思い少し休みをとって休んでも状態はよくならず、日に日に痛みが増していった。
痛む場所も変わっていき、背中や足、手の関節、頭痛など多岐にわたる。どうしようもなくなり、近くの病院で診てもらったところ原因がわからなかったため大学病院を紹介されて受診したところ線維筋痛症の診断を受けた。
全身の痛みのほかに筋肉のこわばりや痛みによる睡眠障害、うつ傾向もでているとのこと。家事や出かけることも億劫うになってしまい気持ちも塞ぎがち。
病院では薬と麻酔の注射を打って何とか痛みを和らげる処置をしてもたっているが、効果は多少あるといった感じだったので知人に鍼灸治療を紹介されて当院にご来院された。
治療経過
その日の痛みの箇所に合わせてその部分に鍼や鍼通電治療を用いて鎮痛効果を高める鍼治療を行っていきました。
また、痛みによる不眠症状やうつ傾向も出ていたので自律神経のバランス調整施術も同時に行っていき症状改善をはかっていきました。
病院での治療も並行して鍼灸治療を受けていただき、治療開始3週間目から少しずつ痛みの程度が弱くなっていきました。治療のペースは週に2回ほどで2か月目以降は治療の間隔を延ばしていきました。
痛みは3か月でかなり改善が見られてきたが不眠症状がまだ残る。
自律神経のバランス調整と不眠症状に対する鍼灸治療に重点を置いて施術をして行き、治療開始6か月ほどで不眠症状も改善されてきたので治療を終了した。
清水大地

資格
はり師
きゅう師
2008年
鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年
おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年
中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年
渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年
三軒茶屋α鍼灸院を開院
腱鞘炎の鍼灸治療はWHO(世界保健機構)に適応疾患とされています。
手の使い過ぎなどによる腱消炎は、ドゥケルバン病が疑われます。
当院のドゥケルバン病に対する施術は、第一に手首付近のツボにはりやお灸の刺激をすることにより炎症を早く抑える効果を促します。
また、痛みの強い部位に鍼をさして微電流を流すことにより気血の流れをスムーズにして鎮痛効果を促します。
特に手首親指側を通る「肺経」や「大腸経」で気血が滞っている場合が多いので「肺経」や「大腸経」に関するツボを用いてそれらを解消するよう促します。
東洋医学の診断方法に基づき全身の調整治療も行っていきます。ドゥケルバン病は全身性の疲労や気血の滞りが原因の場合もあるので手首だけの部分的な治療ではなく全身を診て治療していきます。

ドゥケルバン病を患っている方は、長時間のパソコン作業などにより自律神経の乱れも伴ってる方が少なくありません。そこで当院では、自律神経測定器を用いてその時の自律神経の状態を把握した上で施術することで他にはない効果が期待できます。また首肩の筋緊張(頚椎症について)や頸部ヘルニアによっても手の痺れを感じる場合もあるので触診して硬さなどがみられる場合は首肩部分も併せて施術していく場合もあります。
当院の施術により、手首の症状はもちろんのこと全身の施術効果も期待できます。


40代 女性 右手首の痛み
◇症状◇
この方は日中はパートでパソコンを使う事務作業をして、お子さんも二人いるため家事なども忙しかった。仕事でのパソコン作業の時に手首親指側に違和感を感じることが多かった。気にせずに過ごしていると、包丁で野菜を切っているときに手首の痛みが違和感から痛みに感じるようになり、当院に来院されました。
仕事や家事で多忙な日々を過ごしており、体の疲れも相当溜まっていた。
◇当院の治療◇
肉体的にも精神的にも疲労がたまっていると問診時に感じたため、自律神経測定器で自律神経の状態を計測しました。夕方の時間に計測したところ交感神経が過緊張状態で副交感神経の活動が低い状態でした。まずは、全身のリラックス治療により交感神経の活動を抑え、副交感神経を高める施術をして手首の治療に入りました。パソコン作業や家事で重い物を持つせいか首肩の筋の緊張も強い状態でしたので、首肩から上腕・手首にかけて集中的に鍼灸施術をし、さらに手技療法で緊張の強い部分をほぐしました。
◇治療経過◇
・1回目
仕事や家事での手首の痛みは少し軽減した。治療後体の疲れが出てよく眠ることができた
・2~5回目
パソコン作業での痛みはだいぶなくなってきた。包丁もまだ痛むがしっかり握れて切れるようになってきた。体全体が軽くなってきた。
・6~7回目
痛みから違和感にかわり、日常生活では、無理なく過ごせるようになってきた。
・8~9回目
仕事で長時間パソコン作業をすると少し手首に違和感を感じるが休むと比較的早く回復できるようになった
50代女性
◇症状◇
仕事を辞めて起業をしたところ、以前にもまして忙しくなり、パソコンのキーボードをうつ回数が増えていた。寝る暇もなく一日中キーボードを打ち続けていることもあり、それから徐々に左手の親指に痛みが出るようになってきた。最初は、痛みを我慢して何とか仕事ができていたが、仕事を続けていたらキーボードをうつ度に痛みが走りどうしようもなくなって整形外科を受診したところ腱鞘炎と診断された。湿布薬を処方してもらい貼りながら仕事をしていたが、なかなか軽減しなかったので友人からの紹介で当院にご来院された。
◇治療◇
パソコン作業のせいか首肩の筋肉も凝り固まっている状態だったので首肩の治療も行っていきました。首肩の筋肉が緩んだところで肘周りから手首に伸びている筋肉を緩めて痛みの強く出ている部分にも鍼灸施術を行っていきました。
◇治療経過◇
・1回目
治療後、首肩が楽になり手首・親指も痛みが軽減された。
・2回目
仕事中は夢中になって親指の痛みも忘れることもある。以前は痛みで仕事に集中できなかった
・3回目
仕事が忙しく、少し期間が空いて来院された。痛みが少し以前のように戻ってしまっていた
・4回目
前回治療後、痛みが楽になり仕事中も気にならなくなった
・5回目
痛みがだいぶ落ち着いてきた。以前はペットボトルの蓋が痛みで回せなかったが回せるようになった。5回目以降も疲れが溜まるとご来院していただいている。
症例③
30代 男性
以前は外回りであったりとかデスクワークの仕事以外がメインだったが、ここ数ヶ月はリモートワークが増えてきて在宅でデスクワークする時間が増えてきた。慣れないタイピングやマウスでの作業で首肩コリや腕の痛みを感じていたが、それよりも手首の痛みを強く感じるようになってきた
段々と右手首の親指まわりの痛みが強くなってきてしまい、タイピングなど手首を動かすと痛みが強く出てしまい仕事にならなくなってしまった。
整形外科で腱鞘炎と診断。注射や薬で対処していくらか軽快したが、まだ痛みが出ているため鍼灸治療を受けに当院にご来院されました。
◇治療◇
痛み止めの薬と併用して鍼灸治療を受けて頂きました。まずはうつぶせ首肩や肩甲骨周りの筋緊張状態を緩めてから次に仰向けとなり上肢の筋緊張の緩和、右手親指周りを中心に施術を行っていきました。
経穴でいいますと、陽池と合谷、外関と手三里をパルスで結んで鍼通電治療を行っていきました。
◇経過◇
合計6回の施術で、最初の2回はあまり治療後の変化がみられませんでしたが、3回目は痛みの程度が6割程度まで半減。治療の間はなるべく右手に負担をかけないように、趣味の筋トレでダンベルトレーニングをしていたとのことですがそれも期間中は休んでいただきました。
治療回数を重ねるごとに痛みの程度が減少。5回目を終えた時点で1~2割の痛みの程度。違和感程度になってきたのであとは手首に負担のかかる動作の指導ともしも痛みが出たら休んでアイシングをしてもらうように指導をして施術を終了しました。

ドゥケルバン病とは、手首親指側(長母指外転筋腱・短母指伸筋腱)の狭窄性腱鞘炎で、手の使い過ぎなど様々な原因により手指特に手首の親指側に痛みを感じる疾患です。
長母指外転筋・短母指伸筋・長母指伸筋は、親指を伸ばす運動さらに親指を外側に反る運動を行います。親指を強く伸ばすと、手首の表側にくぼみが見られ、その小指側の壁は長母指伸筋の腱、親指側を短母指伸筋の腱によりつくられます。
長母指外転筋
前腕の中間ほどから出て親指につく筋肉です。主な働きは親指を外側に向ける働きと手首を親指側に曲げる働きがあります。親指を伸ばすと手首に筋張った腱が二つ確認できますが長母指外転筋の腱はそのうちの一つです。
長・短母指伸筋
長・短母指伸筋も前腕の中間から出て親指につく筋肉です。長母指伸筋は、親指を伸ばし、外側に向ける働きのある筋肉です。短母指伸筋は長母指伸筋の働きを助ける働きがあります。この二つの筋肉の腱も長母指外転筋の腱と同じように親指を伸ばした時に手首に筋張った腱を形成する一つです。
腱鞘とは、腱を包んでいる滑液包のことで、なかには無色透明で粘着性のある滑液という物質が入っており、腱の動きをスムーズにさせる働きがあります。
ドゥケルバン病はこの腱鞘の部分が使い過ぎなどの何らかの原因で炎症を起こしたり、肥厚するなどして、腱が腱鞘内をスムーズに通過出来なくなった状態をいいます。
症状として、
痛み
・主に手指とくに親指を使う動作をした際に手首の親指側の痛みや手関節親指側の腫れ・圧痛などがあります。その他手指の痺れを感じる場合は手根管症候群も併発している場合もあります。
(手根管症候群について詳しくはこちら)
機能障害
・親指にしびれを感じたり、親指の動きが悪くなる場合もあります。
ドゥケルバン病を見分ける簡単な診断法として親指を他の指4本で覆うように握らせた状態で手首を小指側に曲げるとかなりの激しい疼痛が誘発されるものは、ドゥケルバン病が疑われます。(フィンケルスタイインテスト)

清水大地

資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院
当院のぶどう膜炎に対する施術は、第一に目の周辺の経穴にはりをさしてぶどう膜の炎症をおさえる作用を促します。また必要であれば鍼に電極をつなげて微弱電流を流します。

ぶどう膜炎は五臓六腑の肝に深く関係しているので肝に関する経穴を用いて肝血を補うことや肝気の巡りをよくします。
また肝の陽気が過亢進して頭の方へのぼっていくことで症状を起こしているとも考えられるので肝の陽気を抑え、なおかつ下げる治療もする必要があります。
風熱の邪気によって引き起こされる場合はそれらを体外に出す治療が必要になります。
また東洋医学の特徴である全体を診て治療するという考えから全身の調整施術も行っていきます。
また多くの方は、目の痛みや視力低下のストレスにより交感神経が優位になっており、自律神経が乱れております。そこで当院では自律神経測定器を用いて、自律神経の状態を把握した上で施術していきます。

中医学では五臓六腑の肝は目に開竅するといわれており、目の疾患は肝の機能障害が深く影響していると考えられています。
肝血が不足してしまうと視覚の異常や運動系の異常などがみられます。また肝の陰陽のバランスが崩れてしまい肝の陽気の過亢進がおきると次第に陰液を消耗して肝陽が頭の方へ上がっていきます。
するとぶどう膜炎などのさまざまな目の疾患・高血圧・頭痛・自律神経失調症などを引き起こします。また外からの風熱の邪気が体に侵入すると目は侵されやすく、ぶどう膜炎を引き起こす原因にもなります。
ぶどう膜炎の鍼灸治療症例
30代 女性
当院にご来院される一年前に大学病院の眼科で原田病(ぶどう膜炎)と診断される。視力障害などの症状はまだあまり強く出ていないものの目の痛みや頭痛の症状は出ている。病院でステロイド薬を処方されて服用しているが症状の改善があまり見られないために病院と並行して当院の鍼灸治療を受けたいとのことでご来院された。
当院の治療
原田病の原因はいまだわかっておらず、自己免疫疾患のひとつと考えられています。問診で詳しく伺ったところ原田病発症の1年ほど前から生活環境がガラリと変わり、ストレスを多く抱えていたことがわかり、それが一つの原因となったのではないかとご本人もおっしゃっていました。 そこで、当院では自律神経測定器を用いて自律神経の状態を計測させていただいてから治療に入りました。 自律神経側敵の結果、交感神経の活動が活発で、体の疲労度の数値も高い状態でした。
当院では
・自律神経の状態を整える全身調整治療
・首肩の筋肉の緊張をとる治療
・最後に目の周りの治療
この3点を施術しました。
治療経過
最初の1か月程は、週に2回と治療間隔を詰めて2か月目から週に1回のペースで治療していきました。治療開始3週間目からステロイドの薬が減り、悩まされていた目の痛みや頭痛も治まってきた。 治療開始3か月目よりステロイドの服用もなくなり、体調も落ち着いてきた。
症例2
50代 男性
3年ほど前に右目の痛みと充血が出て眼科を受診したところぶどう膜炎と診断されて、原因は特定されなかった。その時は、眼科で処方された薬で痛みや充血は良くなったが、それ以降1~3カ月おきに右目に炎症がおきる。だんだんと薬の効果も軽減してきて痛みと充血が長く続くようになってしまったため当院を受診された。ぶどう膜炎の他にストレスで耳鳴りが起きたり、生活習慣病による高血圧症も患っていた。
当院の治療
問診を行っていったところ、夜勤などの勤務もあり生活のリズムがバラバラで睡眠の質も低下していた。寝つきも悪く、自律神経の状態を計測したところ交感神経の活動がとても高い状態で疲れがあまり抜けないとのことでした。
まず自律神経の状態を整えて首肩の筋緊張を緩めてから、右目を中心に鍼通電療法を行っていきました。
治療経過
最初の施術後、痛みは半分ほどに軽減されたが、充血は変わらず起きていました。それから5回程治療を重ねて痛みと充血は抑えられていきました。
ご本人もお仕事で忙しく、その後一か月後にまた来院され、また以前ほどではないが痛みと充血が起きていました。今度は3回程の施術で痛みと充血は治まっていきました。その後、体のメンテナンスも兼ねて定期的(2~4週間に1回程)に鍼灸施術を受けられていますが、ぶどう膜炎再発はしていません。
症例3
40代 女性
35歳の頃に目の痛みが強く出た。その時は単なる目の使い過ぎで痛くなったと思い、痛みに耐えながら生活して2日後には痛みが治まったがまた1か月後に前回の目の痛みよりも強い痛みを感じた。その時は目の痛みばかりではなく頭痛や首の痛みも感じたため、眼科を受診した。眼科では、ぶどう膜炎と診断された。その際にステロイド剤が入っている点眼薬を処方されて点眼すると目の痛みは治まった。
しかし、また目の痛みが1~2か月後に起こり、ステロイド剤の目薬を点眼して症状を抑えるような状態が続いていた。ステロイド剤を使っていると目の眼圧も高くなってきており。眼圧が左右20mmHg程にもなってしまった。これからも目薬を使って眼圧が高くなるのがこわいとのことで鍼灸治療をご希望された。
治療
首肩の筋の緊張も強く出ておりいましたので、まずうつ伏せ施術で首肩の筋緊張をとってから、仰向けとなり目の周りや腹部・手足の経穴を用いて施術していきました。
◇1回目◇
治療後、目の痛みはやや軽減。VAS6
◇2回目◇
1回目の治療後から3日ほどたって痛みが強く出たのステロイドの目薬を点眼。
◇3回目◇
前回治療後のVAS3。
◇4回目◇
目の痛み落ち着く。これまでは3~4日のペースで施術を受けられていたが1周に1度ほどに変更
◇5回目◇
たまに違和感程度の痛みを感じることもあるが落ち着いている。目薬もしていない
◇6~10回目◇
たまに痛み出るがすぐに落ち着いてくる状態を続けていたが、10回目終えるとそれもなく快適に過ごせているとのこと
◇11回目以降◇
予防・再発防止のため3~4週間に1回程のペースで施術を受けられている。
症例4
40代 女性
数年前からぶどう膜炎を発症。発症するたびにステロイドの点眼剤で治めてきた。ぶどう膜炎の症状はまぶしさや視界の濁りはなく、炎症初期は痛みが強く視力も低下するが、炎症が治まると症状も回復する。
当院にご来院される1か月前からぶどう膜炎が再発。普段は2~3週間で炎症が治まることが多いが今回は症状が長引いている。左目のみ発症。まだ痛みと赤みが少し残っていて視界不良。
子育て等の疲れや睡眠不足、首肩の筋緊張も強くそれらも影響しているかもとご本人は考えている。
施術
目の症状のほかにもめまいや不眠等の自律神経症状もあったことから自律神経測定器で自律神経の状態を測定したのちに鍼灸施術を行っていきました。
うつ伏せで首肩の筋緊張の緩和・背部兪穴なども用いて肝や腎の状態を治していき、次に仰向けとなり目の周りを中心に施術を行っていきました。
鍼のみでのお身体の反応も良く今回は電気鍼治療は使わずに行っていきました。治療のペースは5回ほどは週に一回ほどのペースで6回目以降2~3集会のペースで行い、計9回施術を行いました。
経過
2回の治療の後、眼科で炎症の状態を診たところ、炎症のレベルが下がってステロイドの強さがワンランク下がったとのこと。施術5回目くらいまでは左目の痛みは何となく出ていて症状にも波があったがそれ以降は段々と痛みも落ち着いてきた。
施術8回目の後眼科を受診。炎症はほぼ消失しており、ステロイド点眼治療も今残っている薬で終了しても良いとのこと。
ぶどう膜とはぶどう膜の一部または全体が炎症を起こす疾患です
ぶどう膜は血管に富む組織であり、炎症が起こりやすく、特に全身的な炎症の一部分として発症することがあります。眼球の外壁は外側から角膜・ぶどう膜・網膜という3層の膜からなります。ぶどう膜は虹彩・毛様体・脈絡膜の3つの部分に分けられます。
虹彩は角膜を通して日本人ではふつう茶褐色に見える部分です。その色には人種差があり、白色人種はメラニン色素が少ないので青色に見えます。虹彩の中央には瞳孔があり、目に入る光の量を調整しています。

毛様体はぶどう膜の前方部分である虹彩と後方部分である脈絡膜との間にあってチン小帯で水晶体をつり下げています。毛様体は房水を生産して角膜と水晶体を栄養しています。また毛様体筋という筋肉があり、この働きによって水晶体の厚さがかわることで網膜にはっきりした像が結ばれます。
脈絡膜は強膜の内側に接しており、メラニン色素が多いために黒く見えて虹彩とともに瞳孔以外からの余分な光線が眼球内に入らないようにする役目を果たしています。また脈絡膜には血管が豊富で眼球内特に網膜外層に栄養を補給しています。
最もよく現れる症状としては、霞みがかったように見えたり、明るい光に対して過敏になったりします。その他視力低下・眼痛・眼の充血・飛蚊症などの症状もみられます。片眼もしくは両眼に症状が現れます。または両眼交互に症状が現れることもあります。
ぶどう膜炎の初期症状は軽度のものから重いものまでさまざまで、眼が急速に障害されることもあります。黄斑部の腫れ、緑内障、白内障といった合併症が長期間にわたって続き、視力を低下させることもあります。

ぶどう膜炎の原因はさまざまで、眼そのものに原因がある場合もあれば、全身性の疾患が原因の場合もあります。日本で多いぶどう膜炎はベーチェット病・サルコイドーシス・原田病によるぶどう膜炎です。
この三大ぶどう膜炎のほかにも、膠原病・関節炎・腸疾患・皮膚疾患・脳神経疾患・耳鼻科疾患・糖尿病・あるいは血液疾患や悪性腫瘍などがぶどう膜炎の原因になっていることもあります。原因不明のぶどう膜炎も多く、その割合は30~50%と言われています。原因不明のぶどう膜炎は特発性ぶどう膜炎と呼ばれています。
ⅰ)ベーチェット病
ベーチェット病はぶどう膜炎、口内炎、陰部潰瘍、皮膚の赤いしこりなどが主な症状です。そのほか関節炎、消化管症状、神経症状、血管炎を起こします。
ぶどう膜炎は再発性で両眼性であることが多いです。長期間におよぶ発作の寛解と再燃を繰り返して、様々な症状は一度に出てくるわけではなく、長い年月をかけて症状がそろい初めてベーチェット病と診断される場合も少なくありません。原因は分かっていません。
ⅱ)サルコイドーシス
サルコイドーシスは全身性の疾患であり、全身に肉芽腫(炎症を起こした後に治癒の過程でできる塊)ができる病気で慢性的なものです。眼の病変として両眼に慢性結節性ぶどう膜炎を生じます。ぶどう膜炎以外に皮膚や肺、リンパ節、心臓などにも病変を起こすこともあります。原因は分かっていません。
ⅲ)原田病
メラニン細胞を標的とする自己免疫疾患と考えられています。両眼に急激で高度の視力障害が起こります。虹彩毛様体炎、脈絡膜炎のほか全身症状が生じます。初期には頭痛、耳鳴り、めまいなどを伴うことがあります。発病から1~2ヵ月後には皮膚や頭髪の色素脱失が現れます。
ⅳ)交感性眼炎
一眼に窄孔性の外傷を受け、ぶどう膜が損傷されると1~2ヵ月後に両眼に強い虹彩毛様体・脈絡膜炎が起こります。外傷を受けた眼の炎症が増悪するのと同時に健康な眼にもぶどう膜炎が起こって高度の視力障害を起こします。
清水大地

資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好医院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院
東洋医学では筋肉や関節などに痛みや痺れを起こす病症のことを「塞がって通じなくなる」と痛みを引き起こすとして痺証(ひしょう:滞っている状態)として考えます。
何らかの原因で局部の気血の流れが滞って通じないことから生じたもので、その人の体質や老化、ストレスなどによる身体の調節機能の衰え、臓器、臓腑の障害や生活習慣の乱れなどの内因により引き起こされるものを根本的な原因とし、それに乗じて外邪(風邪、寒邪、湿邪、熱邪など)が侵入すると気血の流れを滞らせると考えられています。
膝関節には肝、脾、腎の3つの経絡が通ります。この3つの経絡がこれらの原因により流れが停滞することにより痛みを生じると考えられています。
腰や臀部の筋肉の緊張が膝の筋肉のバランスの崩れや緊張に繋がる可能性がありますのでうつ伏せで腰、臀部、大腿後面、下肢にかけて施術を行い身体の連動性を整えていきます。

その後仰向けで大腿四頭筋、前脛骨筋などの膝関節を構成する筋肉のツボに鍼やお灸で刺激を与え、筋肉の過緊張を緩和し膝関節のバランスを整え、関節部のタナの挟み込みを軽減させ関節の動きを円滑にすることや、血液循環を促進し炎症を抑える治療を行います。

東洋医学的観点から膝関節部に関係する経絡の気血の流れを整えるツボも取り入れていきます。特に五臓六腑の『肝』『腎』『脾』のツボを積極に用いていきます。
また、急性期の場合アイシングや炎症を緩和させるため患部にお灸を施すことで消炎、鎮痛作用を促します。
回復期では、マッサージやストレッチ等も用いて凝り固まっている筋肉の可動域を出してひざへの負担を軽減させていきます。大腿部や下腿の筋肉の過緊張はひざ関節の負担がかかり、また大腿部の筋力不足もひざ関節の負担へとつながってしまうのです。
30代 男性
ランニングが趣味で月に100キロ以上ランニングをしていた。フルマラソンに挑戦しようとここ2週間ほど距離を伸ばして練習していたところひざ内側に痛みが出るようになってしまった。
最初は走って30分ほどで痛みが出てくるだけだったが段々と走り出してすぐ痛みが出るようになってしまって整形外科を受診したところタナ障害の疑いを診断されて保存療法を勧められた。
湿布薬と安静にと言われただけで他に治療法はないかと鍼灸治療に興味をもってご来院された。
治療
2か月後にフルマラソンに出場を何とでもしたいとのことでそれを目指して施術を行っていきました。
主に膝内側の鎮痛作用を目的に施術を行っていき、腰部やハムストリングスあたりにも筋緊張がみられたのでそれらの筋緊張の緩和を目的に施術を行っていきました。
3週間はランニング練習も控えていただいて治療に専念していただきました。その間にひざ内側の痛みと腫れはほぼなくなり少しずつトレーニングを再開。スクワットやランジ運動などで大腿部の筋トレを行っていただき膝部への負担をなるべく避けられるようなトレーニングをして、ランニングを再開していきました。
治療のペースは約1週間に1回程度で行い、もし痛みが出た場合はトレーニングを中断、アイシングと下肢のストレッチを欠かさずに行っていただきました。
フルマラソンは最後の方に痛みが出たものの目標であるタイムもきって走りきることができたとのことでした。
スポーツなどによるジャンプ動作や膝の使い過ぎで、膝の皿(膝蓋骨)の内側に引っ張られる感覚を覚え膝を動かすと痛みが出ることがあります。膝関節の構造は、太ももの骨である「大腿骨(だいたいこつ)」とスネの骨の「脛骨(けいこつ)」と膝のお皿の骨の「膝蓋骨(しつがいこつ)」で構成されています。

この大腿骨と脛骨の間には半月板というクッションの役割をする軟骨の板があります。膝関節は、外側から関節包(かんせつほう)と滑膜(かつまく)という2つの膜に包まれて保護されておりこの膜の中には滑液(かつえき)という液体で満たされています。
この滑液が満たされている空間のことを「関節腔(かんせつこう)」といいます。その滑膜の大体中央部分(大腿骨と脛骨の中間)に「滑膜ヒダ」があります。この滑膜ヒダは関節鏡で見るとちょうど物を乗せる棚のように見えることから「タナ」と呼ばれています。
このタナは母体の中にいる胎児期には全ての人にあり、発達する過程で通常退化していきますが生後も正常な日本人の約半数が残存しているといわれています。
タナ障害とはこのタナの部分が膝に慢性的に負担をかけることで肥厚したり硬くなることで膝蓋骨と大腿骨に挟み込まれて摩擦が起きたり、強く刺激を受けることで傷つき炎症を起こす疾患です。
タナ障害は男性よりも女性に多く見られ、10代から20代に多く見られる障害になります。

タナ障害は膝の屈曲やジャンプ動作を伴うスポーツ種目によく見られます。
例えばバレーボール、バスケットボール、サッカー、テニス、山登り、陸上競技などが挙げられます。また、体質的にタナに厚みがあったり大きかったりする人の場合、膝を酷使した状態で膝を強打したりすると発症しやすくなります。
特に大腿の筋肉が疲労していることが原因でタナへの負担が強くなり発症することが多いといわれています。スポーツを行っていない人でも、仕事や日常の動作で膝関節を酷使することも原因となります。
・膝の屈曲時に引っかかる感じがする
・通常時膝の内側を押すと痛い
・膝蓋骨周辺が痛む
・膝崩れ
・膝を動かした際にコキッ、パキンといった音がする
・膝の曲げ伸ばしに制限がある
・膝が腫れる
などが挙げられます。軽度のまま炎症が引いていけば問題はないのですが、悪化すると膝に水が溜まったり日常生活に支障をきたすほどの痛みに発展するため、適切な治療が必要となります。
※タナ障害の簡単な検査法としては膝の内側に手の指を当て膝を曲げ伸ばしするとクリック音(ポキポキ、コキッ、コキッ)のような症状が触知された場合陽性の可能性があります。
X線関節造影(レントゲン)やMRI検査、関節鏡検査などにより診断されます。
局所安静、運動量を少なくすることや、消炎鎮痛剤内服、外用薬、超音波や温熱療法などの物理療法などにて保存的に治療を行います。
急性期の炎症が見られる場合にはアイスパックで冷やすなどの物理療法を行います。また、膝関節の柔軟性を高めるための大腿四頭筋(大腿前面の筋肉)やハムストリングス(大腿後面の筋肉)のストレッチと筋力トレーニングを主体とした理学療法を行います。痛みが強い場合、関節内にステロイド投与を行うこともあります。
一般的に予後は良好ですが、このような保存的治療でも疼痛が残存し日常生活に支障をきたす場合には滑膜ヒダ(タナ)を摘出する手術療法が考慮されます。
清水大地

資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好医院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院
平素はひとかたならぬご厚情にあずかり、心から御礼申し上げます。
誠に勝手ながら、当院では下記の期間を夏季休業とさせて頂きます。
8月10日(火)~8月13日(金)
8月14日(土)より通常営業となります。※石島は15日(日)からの出勤
夏季休業中はご不便をお掛け致しますが、何卒ご寛容くださいます様お願い申し上げます。
なお、休業期間中にいただいたお問い合わせにつきましては、休業期間終了後に順次ご返信致します。