角膜炎・角膜潰瘍の鍼灸治療

2018年9月26日

①角膜炎・角膜潰瘍に対する当院の鍼灸治療

当院の角膜炎・角膜潰瘍に対する施術は、第一に目の周辺の経穴にハリをさして角膜の炎症をおさえる作用を促します。痛みの強い場合は電気鍼療法を用いて痛みの閾値を上げて鎮痛効果が期待できる施術を行うこともあります。電気鍼療法は、刺激の量が強いため鍼に慣れていない方には行うことはありませんので安心してください。

角膜炎角膜潰瘍の鍼治療

また角膜炎・角膜潰瘍は肝の機能と深く関係していることがいわれておりますので、肝に関連の強いツボを多く用います。肝の陽気が過亢進して頭の方へのぼっていくことで症状を起こしているとも考えられるので肝の陽気を抑えて下げる治療もする必要があります。
風熱の邪気によって引き起こされる場合はそれらを体外に出す治療が必要になります。

 

また東洋医学の全身の状態を診て治療していくという特徴によって当院でも全身の調整施術を行っていきます。部分的な治療ではなく全身を治療することは中医学の特徴でもあります。全身治療を行うことにより人間が本来もっている自然治癒力を高めます。

角膜炎・角膜潰瘍の全身鍼灸治療

角膜の炎症がおさまったら第二段階としてお灸や微弱の電気刺激を用いて徐々に血流の改善施術を行っていきます。
角膜炎・角膜潰瘍の治療を受けられることにより目の治療効果はもちろんのこと全身の治療効果が期待できます。

角膜炎・角膜潰瘍の鍼通電治療

 

 

②角膜炎・角膜潰瘍の東洋医学的考え

中医学では五臓六腑の肝は目に開竅するといわれており、眼の疾患は肝の機能障害が深く影響していると考えられています。
肝血が不足してしまうと視覚の異常や運動系の異常などがみられます。また肝の陰陽のバランスが崩れてしまい肝の陽気の過亢進がおきると次第に陰液を消耗して肝陽が頭の方へ上がっていきます。
すると角膜炎・角膜潰瘍・高血圧、頭痛・自律神経失調症などを引き起こします。また外からの風熱の邪気が体に侵入すると目は侵されやすく、結膜炎や結膜潰瘍を引き起こす原因にもなります。

 

 

③角膜炎・角膜潰瘍の鍼灸治療症例

 

40代男性

以前に数回左目に角膜感染症を患っていたが、眼科で治療を受けて少し経つと軽快していた。しかし、数ヶ月前から目の痛みが強く出て仕事もままならずに睡眠も痛みで阻害されるようになった。眼科で治療を受けてもなかなか改善されず、当院を受診された。パソコン作業などのデスクワークが主なお仕事で仕事を休みがちになり、気分も落ち込んでいるご様子でした。左目の瞼も腫れあがり、目も開けていることがつらそうな状態。

 

当院の治療
睡眠不足や仕事が思うようにできないというストレスから自律神経の乱れが生じているのではないかという判断から治療に入る前に自律神経測定器で自律神経の状態を計測しました。結果は交感神経の活動が高く身体全体の調子も崩れている状態でした。
まず仰向けで自律神経を整える自律神経調整療法を施してからうつ伏せで首肩のコリをとっていきました。長年の長時間でのデスクワークや痛みによるストレスからか特に胸鎖乳突筋が過緊張状態だったので、その部分が取れるようにしっかり施術しました。
最後に目の周りに鍼灸施術を施し、鎮痛効果を促しました。最初の2・3回は置鍼術とお灸治療で対応してはり灸刺激に慣れてきたところで目の周りに通電療法を施しました。最初の一カ月は集中的に一週間に2回ほど治療を受けてもらい、その後は一週間に1回程度の感覚で治療を受けていただきました。

 

治療経過

◇1~5回目◇
治療後は、目の痛みは楽に感じ睡眠もとれる。しかし、痛み止めの薬は欠かさず飲むような状態

◇6~8回目◇
少しずつ痛み止めの薬の量が減ってきた。長年感じていた首肩のコリ・つらさが感じにくくなってきた

◇9~12回目◇
痛みで休みがちだった仕事にも徐々に復帰して日常生活で痛みを感じることが少なくなってきた。

◇13~15回目◇
痛み止めを飲まなくてもほぼ痛みを感じない。ただし、菌を除去するために眼科で角膜を削る処置をした後の1日は痛みを感じる。

 

 

①角膜炎・角膜潰瘍とは

角膜炎とは角膜に何らかの原因で炎症をきたした状態の総称です。
角膜炎は片目に起こるのが普通で両目同時に発症することはまずありません。角膜潰瘍とは角膜組織が障害を受けて実質に及ぶ組織欠損をきたした状態を総称したものです。
角膜、強膜は眼球外壁の最外側を覆う膜で、これらによって眼球の形が保たれています。角膜は外壁のうち前方部分に位置する透明な部分で、直径11mmで厚さ約0.5mmの無血管組織です。角膜は外からの光線を通過させて眼球内に送る役目のほかに眼球のうち最も大きな屈折力をもつことから、レンズとしても重要な役割を果たします。角膜には三叉神経が分布していて知覚が非常に鋭敏であるという特徴があります。(三叉神経痛について
角膜炎・角膜潰瘍の症状は、病変の原因や位置、大きさなどによって異なりますが一般的には次のようなものがあります。

ⅰ)流涙
眼痛や異物感による反射性の涙液分泌増加が原因です。

ⅱ)目の痛みや異物感
角膜には三叉神経が分布していて知覚が鋭敏であるため、潰瘍や炎症による角膜障害は非常に強い疼痛を引き起こします。

ⅲ)視力低下
角膜炎や角膜潰瘍では角膜の浮腫、瘢痕、血管侵入などをきたすために角膜の透明性の低下や乱視の増悪により視力低下をきたします。

ⅳ)虹輪視
角膜上皮の浮腫のために光の散乱や回折現象をきたし、光の周りに虹が見える場合があります。

ⅴ)羞明
角膜炎や角膜潰瘍では光刺激に対して敏感となるため、光が異常にまぶしく痛く感じます。

 

 

②角膜炎・角膜潰瘍の原因

角膜炎の原因としては様々な角膜感染症・外傷・紫外線・放射線・眼科手術・角膜異物・アレルギー性疾患・自己免疫疾患などがあります。角膜潰瘍の原因としては角膜感染症が最も多いですが、外傷・手術浸襲・自己免疫疾患・三叉神経や顔面神経の麻痺・重症のドライアイなどで生じることもあります。
顔面神経麻痺について
ドライアイについて

ⅰ)帯状ヘルペス角膜炎
単純ヘルペスと同様に神経内に潜伏した水痘、帯状ヘルペスウィルスが活性化されて神経を下降していき、角膜炎を生じます。三叉神経の第一領域にウィルスが現れると額からまぶたにかけて水泡や発疹が生じます。その後目の症状も現れて、角膜炎、結膜炎などが生じます。(帯状疱疹について

ⅱ)アカントアメーバ角膜炎
アカントアメーバが角膜に感染しておこる角膜炎で、ソフトコンタクトレンズを使用している人に多く見られます。レンズ洗浄液に水道水を使用するとその中でアカントアメーバが増殖して感染源になると考えられています。

ⅲ)びまん性表層角膜炎
角膜の表面の上皮と呼ばれる部分に浅い傷ができた状態をびまん性表層角膜炎といいます。傷自体は擦り傷のようなものですが角膜は知覚が発達しているために非常に痛く、異物感のため目を開けられないこともしばしばです。
傷の原因として異物やまつ毛などの機械的刺激・コンタクトレンズ・紫外線などの体の外からくる刺激や涙液減少症・糖尿病シェーグレン症候群などの疾患も角膜の傷の原因となります。

ⅳ)乾性角膜炎
涙の分泌が低下する(ドライアイ)ために角膜炎がおこります。乾性角膜炎は中年以降の女性に多いとされてきましたが、最近ではコンタクトレンズ、パソコンや携帯電話の普及によりそれらの使用頻度の高い若年層にも男女を問わず増えてきています。

 

コンタクトレンズによる角膜炎

 

 

 


Posted by 中目黒の鍼灸院 東京α鍼灸整骨院|眼精疲労 at 13:29 / 院長コラム 角膜炎・角膜潰瘍の鍼灸治療 への2件のコメント

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