シンスプリント(脛骨過労性骨膜炎)の鍼灸治療

2019年12月16日

 

シンスプリントの東洋医学

 

 

下肢にはいくつもの重要な経脈が走行しており、その中でも特に「」と「」の経脈がシンスプリントと深い関わりを持っています。

また、東洋医学では骨は「腎」が司っており、ストレスや栄養不足が続くと腎の機能が低下し、骨に異常をきたすと言われています。

 

 

シンスプリントに対する当院の鍼灸治療

 

シンスプリントは脛骨周りの筋肉の疲労が原因になるので、直接硬くなっている筋肉に鍼を打ち緩めていきます。

シンスプリントの鍼治療

 

 

また、鍼やお灸には抗炎症作用もありますので、痛みの出ている付近に鍼やお灸をし炎症を抑えていきます。さらに、いち早い回復を目的とするため、自律神経治療を同時に行い自然治癒力を高めていきます。

シンスプリントの自律神経調整鍼灸

 

その他、臀部や腰部の筋緊張が見られる方が多いためうつ伏せでそれらの筋肉も緩めて下肢への負担を和らげていきます。

シンスプリントのうつ伏せ鍼灸治療

 

 

シンスプリントとは

 

シンスプリントとは、運動時や運動後に足の脛骨の内側に痛みを生じる疾患で、陸上競技やサッカー、バスケットボールといったランニングやジャンプをすることが多い競技に発症しやすく、特に中学高校の新人選手といった競技を始めたばかりの人に好発するスポーツ障害の1つです。

 

 

 

シンスプリントの症状

 

 

主なシンスプリントの症状は脛骨の内側、脛に沿って下1/3の所に発生する痛みで、軽症の場合運動時のみ痛みが起きますが、重症化すると運動後にも疼くような痛み続き、炎症による腫れや熱感を伴います。そこからさらに悪化すると、疲労骨折へつながることもあります。

 

また、シンスプリントによる痛みをかばう事により、膝や太もも、腰にも負担が掛かり他の症状を併発する原因にもなりますので、しっかり完治させることが大切です。

 

 

シンスプリントの原因

 

 

シンスプリントは急激な運動量の上昇により起こるのですが、ランニングのように地面を後ろに蹴り上げる動作を行うと、足首を底屈させる後脛骨筋、ヒラメ筋、長趾屈筋といった脛骨に付着する筋肉が収縮します。

急激に練習量を増加することでそれらの筋肉が疲労していくと、筋肉の収縮が強くなります。その際、筋肉の収縮により付着部である脛骨の骨膜が強く引っ張られ骨から剥がれようとします。その剥がれようとした所が傷ついてしまい炎症を起こしてしまうのです。

練習量の上昇以外にも、クッション性がなかったり、足に合わないランニングシューズを履いている、コンクリートやアスファルトで走り込みをしている、筋力不足、筋肉の柔軟性の低下、偏平足、回内足などがあります。

 

回内足とは、ランニングの着地の瞬間に足首が内側にグニュっと倒れこみ、捻じれる現象の事で、特にアスファルト等地面が硬い所でのランニングは回内足の大きな原因になります。

 

ランニングの着地は、ケニア人やエチオピア人のエリートランナーに多いつま先付近の前足部で着地する「フォアフット」、足の中足部で着地をする「ミッドフット」、かかと付近で着地する「ヒールストライク」といった3種類の走法があります。

その中で日本人で一番多い走法が、かかとから着地するヒールストライクと言われています。ヒールストライクは、かかとの真ん中から着地をしたら、重心は足裏の外側→母趾の付け根にある母趾球の順で素早く移っていきます。

土のような地面が柔らかい所では、着地して重心が足裏の外側に移った瞬間に接地面が外側に沈み込むため、足底の角度が水平になり、足首のねじれは適度に抑えられますが、アスファルトのような地面が硬い場所では、足の外側は沈みこまないので足首の回内が強く起きてしまいます。

シンスプリントの原因の1つでもある後脛骨筋は、脛骨から足首の内側を通過し足底に付着します。足首の回内が起きるたびに後脛骨筋が引っ張られ、付着している脛骨の骨膜も強く牽引され炎症を起こすのです。

 

 

シンスプリントの西洋医学的治療

 

病院では主に練習量の制限やアイシング、ストレッチなど早期に自然治癒させるための指導を行います。必要に応じて鎮痛剤を用いることもあります。

また、疲労骨折とシンスプリントを判別するためにMRIによる画像診断を行います。骨の異常はレントゲンでは写らないので、MRIで骨折の有無を確認していきます。ここで、痛みがあるのに骨折していない状態であればシンスプリントと診断されます。

 

シンスプリントの注意点

 

痛みが強い場合はランニングなどの運動は必ず中止してください。

軽度のシンスプリントなら軽い運動をしながらでも回復できますが、痛みが強い場合我慢して運動してしまうと、疲労骨折に移行したり炎症部分が拡大することで悪化し回復が遅れてしまいます。

また炎症を抑えるためにアイシングが有効になっていきます。

 

痛みが治まってきたら少しずつ運動を始めましょう。

ジョキングを再開する場合は、アスファルトやコンクリート、体育館の床といった固い所ではなく、芝生のような足場の柔らかい所から始めていきましょう。

 

シンスプリントが完治するまでの期間

 

シンスプリントが完治するまでの期間は人によっても様々ですが、症状が軽ければ数日、重ければ数か月かかる場合もあります。また、完全に治りきらない状態で故障する前のような運動をすると、治ったと思ったらまたぶり返すというような事もあるため、根気強く治療していくことが大切になっていきます。

 

シンスプリントが完治したかどうかを確かめるには、

 

1. 走っても痛みが出ない

 

2. 100Mダッシュをしても痛みが出ない

 

3. 全力で走っても痛みがでそうな怖さがないか

 

です。

 

シンスプリントの治療症例

症例1

20代男性

 

大学で陸上競技の長距離をしている。

急激に練習量を2倍に上げたため、左の脛の骨が痛みだした。

最初は気あまり気にしていなかったが、数日そのまま練習を続けているうちに歩行しても強い痛みが出るようになった。幹部は、足首からすぐ上の脛骨部で少し腫れていて熱感や圧痛もある。

後脛骨筋や腓腹筋の緊張が異常に強い。

現在は、左足だけではなく右足も痛みが同様にある。

 

当院の治療

脛の痛みの原因が後脛骨筋や腓腹筋の強い緊張による骨膜への負担であるため、後脛骨筋の付着部や腓腹筋に刺鍼を行い、さらに電気刺激を与えて筋緊張の改善を目的とした施術を行った。また、炎症を抑えるために患部に直接お灸をした。

治療間隔は2日~3日に一回のペース。

 

◇1回目◇

施術直後は痛みは少し軽減した。

しかし、まだ疼くような痛みは続いている。

 

◇2回目◇

まだまだ痛みがある。

 

◇3回目◇

腫れは少し引いてきた。

 

◇4回目~6回目◇

歩行時の痛みが軽減した。

 

◇7回目~11回目◇

腫れは完全に引いて、短時間の軽いJOGなら痛みが出ない。

◇12回目~15回目◇

少し速いスピードで走っても痛みが出ないが、30分以上走ると少し痛みが出る。

 

◇16回目~20回目◇

強度の強い練習でなければ痛みは出ない。

 

執筆者

清水大地

眼精疲労専門の鍼灸師

資格
はり師
きゅう師

2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む

2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立

2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院

2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院

2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院


Posted by 中目黒の鍼灸院 東京α鍼灸整骨院|眼精疲労 at 18:30 / 院長コラム コメント&トラックバック(0)

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