頸椎症の鍼灸治療

2018年9月28日

頸椎症 首の痛みなら

頚椎症の鍼灸治療はWHO(世界保健機構)に適応疾患として定義されています。

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⑤頸椎症に対する当院の鍼灸治療

頸椎症は、急に発症するというものではなく加齢に伴う血行不良や首を支える筋の筋力低下があらわれて徐々に症状が悪化していきます。

そこで当院では、まず頸部・肩部・腕付近のツボに鍼やお灸を施して血流改善をはかります。筋肉や軟部組織に栄養を行き渡るようにし、退行性変化に歯止めをかけます。
また鍼を刺すことにより筋肉の弛緩を促したり、刺激することで痛みを感じる閾値を上げて痛みを感じにくくする作用を促します。

頚椎症の鍼灸治療

また、刺した鍼に電気を流す鍼通電治療を行う場合もあります。鍼通電治療により鎮痛効果がより一層期待できます。

 

頚椎症の鍼通電治療

頸椎症は五臓六腑の「肝」「腎」に深く関係しているので肝と腎に関するツボを用いて肝血や腎気を補うことや頸部付近の気血の流れをよくします。また「風寒」や「湿」の邪気によって引き起こされる場合はそれらを体外に出す治療が必要になります。
東洋医学の診断方法に基づき全身の調整治療も行っていきます。全身治療を行うことにより人間が本来もっている自然治癒力を高めます。頸椎症の鍼灸治療は中国でも有効とされており、多くの方が治療されています。

 

 

 

②頸椎症の東洋医学的考え

 

東洋医学では頸椎症は体の外から邪気を受けるため発症するものと中医学でいう「」と「」が何らかの原因で損傷して働きが弱まって発症するものと考えられています。そういった原因で頸部付近の気血が滞り、それが痛みや痺れの原因となると考えられています。

体の外からの邪気として一番頸椎症が発生しやすいのは、寒く風のあたる場所にいた時などに体に悪さをする「風寒の邪気」を受けた時です。次いで湿度の高い場所にいて「湿邪」を受けた時などです。
また長い間椅子に座ってパソコンなどの仕事をした時に気血は滞り、それが頸部付近であった場合に頸椎症を発症する可能性が高くなります。

東洋医学でいう「肝」と「腎」の機能が弱ると全身的に血や体液が不足し、筋肉や骨などの様々な器官に栄養を送ることができず、さらに上記のような条件が加わると頸椎症がおこりやすくなります。

 

 

 

③頚椎症の鍼灸治療症例

50代男性

右腕の痛みによって来院される。一週間くらい前から痛みで早朝目が覚めてしまう。また、頸部を後屈すると肩甲骨上角に痛みが出現。この症状は6~7年前から続いている。最近両親が亡くなられ葬儀などで忙しくストレスにより最近あまり眠れていない。昔はサラリーマンでPCを使うことが多く、慢性的な肩こりはあった。

当院での治療
1仰向け治療
まず、自律神経測定器で自律神経を測定してから治療を行っていきました。交感神経が過亢進しており自律神経の乱れがみられたので自律神経の調整を行う。右頸部から右腕にかけての筋緊張の緩和を目的に施術していきました。痛みや筋緊張の強い部分には鍼通電、お灸を積極的に用いました。

2うつ伏せ治療
頚部、肩甲骨、肩関節周囲の筋肉に固結がみられたのでマッサージ、鍼通電、お灸、を用いてその部分を中心に施術していきました。

治療経過
◇1回目◇
あまり大きな変化は見られず。

◇2回目◇
夜眠れるようになってきた。腕は痛みの範囲は狭くなっているがまだ痛みはある。

◇3回目◇
朝痛みで目が覚める事が少なくなってきた。首を後屈しても痛みが出なくなった。腕の痛みの範囲がさらに狭くなった。

◇4回目◇
時々腕の痛みがあるが、痛みがだいぶ軽くなり日常生活に支障をきたすことは無くなった。腕の痛みで目が覚めることは今は無い。

 

症例2
30代 女性
仕事は主にパソコン作業で一日中タイピングやマウスを使って作業をしている。趣味は、ギターでここ3か月くらい左の手指の小指側が痺れるようになってきてしまった。仕事中も首の痛みが強く出ることがあり、首を後ろに倒すとさらに痛みが増強してしまう。病院で検査を受けたところ変形性頚椎症と診断された。痛みが強い時に服用する鎮痛剤と湿布薬を処方されたが一向に良くならないので鍼治療で何とか警戒できないかということでご来院された。
左手がうまく動かすことができず、動かすと手指に痛みが出るので趣味のギターを現在は中止している。

治療
1.仰向け治療
左肩前面の筋緊張も強く出ていたので右肩に鍼とお灸を施して筋緊張の緩和をねらいました。そのほか腹部や下肢の経穴も用いて自律神経を整える全体施術も行っていった。

2.うつ伏せ治療
うつ伏せとなり頸肩に鍼通電療法を行い、左前腕や腰部に鍼灸施術を行っていきました。

治療経過
◇1回目◇
治療後、頸肩に何となく重さを感じたが、次の日にはその重さがなくなり、以前よりも頸肩が軽くなったように感じた。

◇2回目◇
仕事の最中、午前中はまだ頸肩の調子が良いが午後疲れてくるとまだ重さと痛みを感じる。

◇3~5回目◇
首の可動域が段々と広くなり、動かせるようになったので頸肩のストレッチをお風呂上りに行うようにしてもらった

◇6回目◇
日常生活では症状をあまり感じることがなかったので久しぶりにギターを弾いてみたところ激しい左手の動きは痛みや違和感が出る。

◇7~9回目◇
ギターを弾いても痛みを感じなくなってきた。今は痛みがない時と同じように引くことができるようになるまで回復

 

④頸椎症とは?

頸椎症は、頸椎ととりわけ運動と荷重を負担する椎間板の加齢による変化などにより頸椎の椎体周辺の骨増殖と椎間が狭くなることにより頸神経や脊髄が圧迫されて症状を呈する疾患です。用語として頸部変形性脊椎症変形性頸椎症頸椎症は同じものと考えられます。
頸椎症は退行変性により生じることにより、中年以降に好発します。たとえ頸部に愁訴がないものでも65歳以上では75%に頸椎症の典型的なX線撮影上の所見があるという研究結果もあり、とても多い疾患です。

頸椎症の症状としては症状が急激に現れることなく、頸部の症状から始まり、徐々に上肢や下肢の症状が出てきます。頸部の症状としては、椎間板変性による頸肩部の疼痛頸部の前屈や後屈時に痛みが現れることにより運動制限が長期にわたり先行して症状が進行する傾向にあります。通常、首を強制的に縮める動作で増悪し、安静にしていると軽快します。
上肢の症状としては圧迫に伴う神経根刺激症状で、上肢のしびれ痛み脱力感疲労感冷感感覚異常を感じます。また手先の仕事や書きごと、物を摘むなどの動作ができにくくなります。しびれは神経の支配領域によって異なり症状が進行すると、手の筋肉が萎縮したり皮膚温の低下発汗異常などがみられます。
脊椎に圧迫がおこると下肢の症状が現れて歩行障害便秘排尿障害などの症状があらわれます。脊髄が圧迫されると通常は歩行の変化が最初の徴候で、足が震えるようになり、歩行が不安定になります。

首を横に曲げて頭部を圧迫した時に上腕に痛みが走る(スパーリング検査)、首を軽く後方へ曲げて頭部を圧迫した時に上腕に痛みが走る(ジャクソン検査)などの症状があらわれた場合に頸椎症を疑います。

頚椎の骨運動は、曲げる・伸ばす・横に倒す・回すという6方向もあり、胸椎や腰椎と比べても動きが大きいです。したがって関節にかかる負担も大きくちょっとした衝撃で痛みやすい部分でもあります。頸椎の関節にも様々な働きがあり、代表的なものでいうと第一頚椎と後頭骨との関節である環椎後頭関節や第一頚椎と第二頚椎とでなす環軸関節などがあります。

環椎後頭関節の骨運動は、首を曲げる・伸ばす・横に倒す動作で回す動作はほとんど起きません。しかし環軸関節の場合は、骨運動は首を回す動作を起こさせます。そういった関節のズレなどが生じると脊髄や神経根が圧迫されてしまうと腕の痺れや痛み、症状が悪化すると筋肉の委縮や歩行障害や膀胱直腸障害などが起きてしまうのです。

頸部は胸部や腰部と比べても非常に大切な部分です。少しでも異変を感じたらすぐに対処する必要があります。放っておくと症状が悪化し、取り返しのつかない場合も出てくる可能性があるからです。

頚椎症

 

 

②頸椎症の原因

頸椎部の脊柱管は、上部ほど広く下部に向かって細くなっています。その最も狭い部分は第5~第6頸椎部にあります。一方、脊髄はちょうどその辺りで太くなっており、そのために脊柱管と頸髄が近接しています。したがって余分な空間が最も少なくてこの部分で容易に圧迫を受けやすい構造になっています。さらに頸椎はこの辺りで生理的弯曲が最も大きく、神経圧迫症状が出現しやすくなっています。
第5~第6頸椎部がもっとも疾患が出現しやすく、次いで第6~第7、第4~第5の順で出現しやすいですが、全頸椎で起こる可能性が十分にあります。椎間板変性の進行とともに
椎間間隙の狭窄
椎間関節の変性
骨のトゲ(骨棘)の形成
頸椎の配列異常
などが生じます。そして結果として脊柱管などを圧迫して神経症状を引き起こします。


Posted by 中目黒の鍼灸院 東京α鍼灸整骨院|眼精疲労 at 06:49 / 院長コラム 頸椎症の鍼灸治療 への3件のコメント

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