整形外科でレントゲンなどの検査をしてもわからない首から肩・上腕にかけての不調は頸肩腕症候群の可能性があります。
頸肩腕症候群の鍼灸治療はWHO(世界保健機構)で適応疾患として認められています。
WHOの鍼灸適応疾患について←
当院の頸肩腕症候群に対する鍼灸治療は、まず首肩部分の筋緊張の緩和と鎮痛効果を目的に施術していきます。
痛みや筋肉の緊張が強過ぎる場合には、鍼通電治療も併用して行っていきます。
その他、頸肩腕症候群でも自律神経測定器を用いて自律神経の状態を把握して自律神経の状態も整えていく場合もあります。頸肩腕症候群の症状は、多岐にわたり自律神経失調症状と切っても切り離せないためです。
現代のストレス社会において多くの方は、活動神経である交感神経過亢進状態にあるといえます。当院では、そういった方のためにはりやお灸の刺激でも心地よい刺激を心掛けて施術にあたらせていただいております。
痛みなどの症状の強い首肩付近の施術はもちろんのことお腹や背部も施術することにより身体全体の調子が整い、症状回復の手助けとなります。
首や肩の症状と合わせてうつ病・自律神経失調症・睡眠障害・更年期障害などでお悩みの方はぜひ一度ご相談下さい。
東洋医学では頸肩腕症候群は体の外から邪気を受けるため発症するものと中医学でいう「肝」と「腎」が何らかの原因で損傷して働きが弱まって発症するものと考えられています。そういった原因で頸部付近の気血が滞り、それが痛みや痺れの原因となると考えられています。
体の外からの邪気として一番頸肩腕症候群が発生しやすいのは、寒く風のあたる場所にいた時などに体に悪さをする「風寒の邪気」を受けた時です。次いで湿度の高い場所にいて「湿邪」を受けた時などです。
また長い間椅子に座ってパソコンなどの仕事をした時に気血は滞り、それが頸部・肩部・腕部付近であった場合に頸肩腕症候群を発症する可能性が高くなります。
中医学でいう「肝」と「腎」の機能が弱ると全身的に血や体液が不足し、筋肉や骨などの様々な器官に栄養を送ることができず、さらに上記のような条件が加わると頸肩腕症候群がおこりやすくなります。両者の関係は深いので「肝腎同源」とも言われており、「肝」と「腎」の症候が同時にあらわれることが多いです。
30代 男性
もともと肩こりはひどかったが、ここ最近は肩こりがひどく感じるのと同時に首から左背中・左上腕にかけて痛みやだるさが出るようになった。整形外科で検査したところ多少頸部のヘルニアらしき箇所が見られるが、症状が強く出るほどではないと言われた。特に原因は特定されずに湿布薬を処方され、安静にしておくように言われた。
湿布薬を貼り、安静にしていたら症状は落ち着いてきたが、仕事などが忙しくなり安静にできないと症状がさらに悪化し始めた。パソコンでキーボードをうつ姿勢になると左首から左上腕に力が入ってしまい、痛みやだるさを感じて仕事も集中できない状態。ひどいと家で横になっている状態でも症状を感じる時がある。
当院の治療
自律神経の乱れ・交感神経の過亢進などにより、血流が滞り痛みやだるさを生じさせている可能性があるので自律神経測定器で自律神経の状態を計測してから治療に入りました。
1.仰向け施術
自律神経の調整、左頚部前部・左肩・左上腕の筋緊張の緩和を目的に施術。痛みや筋緊張の強い部分には鍼通電・お灸療法を積極的に用いました。
2.うつ伏せ施術
特に肩甲骨回りに固結部が見られたためその部分を集中的に施術していきました。
3.ストレッチ整体
鍼灸施術で筋肉がゆるんだところでストレッチや整体をします。そうすることでさらに効果が期待できます。
治療経過
◇1回目◇
治療後以前は横になっている時もつらい時があったがそれはなくなった。治療後、体が軽くなったと感じる
◇2回目◇
以前はパソコン作業をして10分程で左腕や肩がつらくなったが1時間ほどで症状を感じるようになってきた
◇3~4回目◇
仕事が忙しくなり、長時間無理な姿勢を取ってしまったため次の日に症状悪化。しかし、痛みやだるさは一日ですぐ引いた
◇5回目◇
仕事をしていない時は症状を感じることがなくなった。仕事を2時間以上休まず続けているとつらくなってくるが休憩をはさむと症状は感じにくい
頸肩腕症候群とは、頸部になんらかの異常があって神経や血管が圧迫されて、頸部から肩・腕・背部にかけての痛みや異常感覚を訴える疾患の総称です。
頸肩腕症候群は、整形外科的疾患の変形性頸椎症や頸椎椎間板ヘルニア・胸郭出口症候群などを除外した、検査などで病因が特定できないものをいいます。検査などで病院が特定できないということで「頸肩腕症候群」と診断されたなかには、自律神経失調症・局所血流の異常・不安症・うつ病・更年期障害・末梢神経炎・寝違え・脊髄疾患・片頭痛・メニエール症候群・顎関節症などの多数の疾患が混在しているものと推定されます。
歴史的にキーパンチャーやタイピスト・電話交換手などの上肢を繰り返し使う業務に従事する人に多く見られ、後頭部・後頸部・肩部・上腕部・手・手指のいずれかあるいは全体にわたって「こり」「しびれ」「痛み」「鈍痛感」などの不快感を職業性の「頸肩腕症候群」として産業医療の分野で確立してきた経緯があります。
しかし疾患の概念や病態生理が十分に確立されておりず、労働基準法などの中で用語だけがひとり残存している感があります。ことにこのような後頸部から肩や上肢に至る症状を訴える場合には、それ以外にも心因性因子の関与や自律神経失調による関与が濃厚な場合が少なからず混入しています。
☑肩こりがひどく、デスクワークをしていると頸肩がつらくなってくる
☑肩から腕にかけて重だるさを感じる
☑腕や手指に痺れを感じる
☑後頭部や側頭部に締め付けられるような頭痛を感じる
☑腕や手指の冷えを感じる
☑手の力が入りにくい
広い意味で頸肩腕症候群は、頸部から肩や腕にかけての痛みや異常感覚を訴える場合に頸椎椎間板ヘルニアなどの整形外科的疾患を除外した、検査などで病因を特定できないものが頸肩腕症候群と言われており、これといった病因は断定できませんが、パソコンなどを座って作業する労働者に多いと言われております。かつてはキーパンチャー病と呼ばれたものも頸肩腕症候群の一種であり、現在ではパソコン病やVDT病とも呼ばれています。
頸肩腕症候群は、若年層から起こり、男性より女性のほうがかかりやすいとされています。
頸肩腕症候群では、下記のような状態や生活環境で起こりやすくなります。
・オーバーユース
特にパソコン作業でのタイピングやスマホ操作での親指操作である程度以上の力を入れて手指の筋肉を動かしすぎているとだんだんと筋疲労が起こってしまいます。すると手指の動きが鈍くなりさらに痛みや痙攣などの症状が出てきます。筋肉は小さい筋肉ほど疲労が溜まりやすく症状が出やすくなります。
・不自然な姿勢
パソコンをしている姿勢では頭部は前傾となり腕は前に突き出す姿勢のため猫背のようになってしまい背部や頸部に負担がかかることで頸部や肩部の筋肉に疲労が溜まり、過度な筋緊張や痛み症状が出やすくなります。
その他、職場特有の無理な姿勢が原因で頸肩腕症候群となることも少なくありません。じっとした姿勢が長時間続くと静的緊張といって極端に血流量が減ってしまい、筋肉に必要な酸素や栄養素が不足してしまいます。
・精神的な疲労による自律神経の乱れ
精神的な疲労による自律神経の乱れが頸肩腕症候群の原因となることがあります。特に仕事中では自律神経のうちの交感神経の活動が活発になります。交感神経の活動は血管や筋肉を緊張させて筋肉の動きを良くしますが、その状態が長く続いてしまうと血流は悪化してコリの原因や痛みの原因となり得ます。
その影響が普段使いすぎている筋肉に出てしまい頸肩腕症候群の症状が出てしまう場合があります。
頸肩腕症候群は突発的にかかるわけではなく、日々の仕事の姿勢や生活習慣が頸肩に負担をかけて積み重なったものが頸肩腕症候群としてあらわれます。よって日常生活で頸肩に負担をかけすぎないように注意することが症状改善や症状予防につながるのです。
・パソコン作業の際は1時間に10分ほど休憩を取る
・長時間同じ姿勢を避ける。
・頭をあらゆる方向にゆっくり曲げていき首の筋肉をストレッチする。
・腕を伸ばしたまま手首を曲げて腕のストレッチをする。
・一日の中で趣味の時間などリラックスできる時間をつくる。
清水大地
資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好医院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院
Posted by 中目黒の鍼灸院 東京α鍼灸院|眼精疲労 at 21:54 / 院長コラム コメント&トラックバック(%)