足底の痛みの鍼灸治療

足底の痛みの原因

 

足底の痛みの原因

足底の痛みを引き起こす病気や怪我として以下のようなものが挙げられます。

足根管症候群

下足首の内側で脛骨内果、距骨、踵骨、などの骨とそれを覆ってている屈筋支帯で囲まれる部分を足根管と呼びます。足の裏(足底)の感覚を伝える神経である後脛骨神経(こうけいこつしんけい)は、この足根管を通りその中で枝分かれしています。

足根管症候群とは何らかの原因によって足根管の内圧が高くなり、足根管内に存在する後脛骨神経(こうけいこつしんけい)が障害されることで発症します。

症状

足底部のしびれや痛み、感覚障害が生じます。さらに経過が長くなると足の裏の筋肉が萎縮を起こします。

原因

足根管の中を通る腱の炎症が波及したり、ガングリオンなどの病変による圧迫によるものが多いとされています。その他、きつい靴による圧迫、骨折などによる怪我や距踵骨癒合症などによっても足根管症候群になることがあります。

治療

消炎鎮痛剤やビタミンB12などの飲み薬、塗り薬、局所の安静、腱鞘炎を治めるための足根管内注射などの保存的療法が原則です。また、土踏まずが浅い場合はアーチサポートを装着します。

難治性の場合や筋萎縮のあるもの、足首の変形や腫瘤のあるものなどは手術が必要になる場合もあります。手術は屈筋支帯の切離を行い原因となっている組織を取り除き脛骨神経の減圧と剥離を行います。

 

足根管症候群の鍼灸治療について

 

足底筋膜炎・足底腱膜炎

足の指の付け根からかかとまで、足の裏に張っている腱組織、筋組織が繰り返し受けた物理的ストレスにより炎症が起きる病気です。

原因

歩行時に床からの繰り返しのストレス(衝撃)を受けることで足底腱膜のかかとの付着部に炎症が生じます。また、歩くとき足の土踏まずは浮き沈みの動作を繰り返しますが、この動作で足底腱膜に伸び縮みのストレス(牽引)が生じ、腱膜付着部の炎症を引き起こします。

また、扁平足、甲高、肥満の方などは足底腱膜炎の危険因子とされています。

症状

朝、歩きはじめにかかとの裏が痛いのが典型的な症状です。酷くなってくると、長時間の歩行や立位でも痛みが強くなります。

治療

圧痛、X線、超音波検査、MRI検査などを必要に応じて行います。治療は保存療法が一般的で安静、消炎鎮痛薬による炎症の軽減、外用薬の塗布、貼付などを行います。また、症状が強ければステロイド薬の注射を行うこともあります。その他運動療法や物理療法、テーピング、踵骨パッド、足底板、アーチサポートなどの検討を行います。

 

足底筋膜炎の鍼灸治療について

 

踵骨下滑液包炎

滑液包とは皮膚や筋肉、腱、靭帯と骨が擦れる部分で衝撃を吸収する役割を担っている部分です。

その滑液包が炎症を起こすことがあり、それがかかとの足底部に発生したしたものを踵骨滑液包炎といいます。

歩きすぎ、スポーツなどでアキレス腱やかかとを使いすぎたときや、ハイヒールなどかかとに負担のかかる靴を長時間履いていた時に起こりやすいといわれています。かかとやかかとの底の部分が痛み、腫れを起こすことがあります。

 

 

種子骨障害

足の親指の付け根には種子骨という小さな骨があり、筋肉や腱の働きを助けています。この種子骨に炎症が起こったものが種子骨障害で、歩く、走る、踏み込むなどの動作親指の付け根のふくらみに痛みを感じます。

また、指を反らしたり指で押したりした場合にも痛みを生じます。バスケットボールや、陸上競技、踏み込むことの多い剣道や空手などの格闘技をする人に多く見られます。

 

東洋医学的見方

中医学では筋肉や関節のしびれ、痛み、だるさなどを「痺証(ひしょう)」として捉えます。

「痺証」の痺の文字は通じない、塞がるの意味を表しており体の気や血の流れが障害されている状態を指します。

「痺証」は生体の弱りなどにより、風邪、寒邪、湿邪、熱邪などの外邪が体内に侵入し経絡の気血運行を阻害することで生じると考えられています。

 

当院の治療

足底の痛みがある方は足底のみに原因があるとは限らず、足関節、膝関節、股関節周囲の筋緊張が見られたり関節のバランスが崩れている場合が非常に多いため、まず腰部、臀部、大腿部、下肢のツボに鍼やお灸で刺激を与え、筋肉や関節のバランスを整えます

足底部の痛みのうつ伏せ治療

 

また、東洋医学的観点から足の経絡の気や血の流れを整えるツボも取り入れます。

そして足部のツボに鍼やお灸で刺激を与えることで筋緊張を緩和し、血液循環を促進させることで炎症を早く抑えたり、疲労物質や発痛物質の代謝を促す、神経の圧迫を除く作用が期待できます。

足底部への痛みのはり灸治療

足底部は痛点(痛みを感じる感覚受容器)が多く痛みを感じやすい部分なためお灸をメインに施術を行いますが、状態によっては痛みの強い部分や筋緊張の強い部分に鍼を刺し微弱な電気を流すでことで鎮痛効果や抗炎症作用を促していきます。

足底部への鍼通電治療

 

当院では合わせて自律神経系の調整施術を行うことで全身的な血行を促進し、内臓機能調整や免疫力を高めることで症状が治癒しやすいお体の状態を整えていきます。

 

足裏の痛みの症例

 

40代女性

 

20代の頃からバレエや社交ダンスが趣味で多いときでは週に5日練習をしていた。発表会などもあり最近では練習に熱が入って足首周りが痛むようになってしまった。

 

普段もたまに足首周りが痛くなることはあったが今回は足の裏や腰まで痛みが出てしまって、バレエのつま先立ちが痛みでうまくできない。

痛みを我慢しながら過ごしていたら更に悪化。

日常生活でも階段の上り下りでも痛みが出るようになってしまった。

 

普段鍼治療をしてもらっている治療院があるが、足の裏に鍼を指すことは難しいと言われてどこか足の裏に鍼を刺してもらえるところがないかと検索したところ当院のホームページを見つけてご来院されました。

 

当院の治療

腰部から下肢全体にかけて触診したところ腰部の筋緊張が強くそれが背部まで筋肉の引くつれが起きてしまっている状態でした。

また、脛の前脛骨筋や後面の腓腹筋・ヒラメ筋にも固結部位がみられそれらも足首の可動域に影響を与えて足裏の痛みにも関与していると考えました。

 

まず、仰向けとなり下肢前面や股関節周りに鍼やお灸をして筋肉を緩めていきます。

次にうつ伏せとなり腰背部への刺鍼やお灸で筋緊張を緩和させて下肢後面にもアプローチをしてメインの足裏の鍼通電治療を行っていきます。

 

足裏は痛点も多く点在しているため、細い鍼をしています。筋肉に届かせて鍼通電治療を行うため刺入深度はある程度入れていきます。

15分ほど電気鍼治療を行い、最後に軽く筋肉をほぐすマッサージをして治療を終えました。

 

次の日の練習からバレエでの足首の伸びが軽やかになって痛みが半減したとのこと。その日の状態に合わせて治療を変えてコンディション管理を行っています。

 

 

 


Posted by 中目黒の鍼灸院 東京α鍼灸院|眼精疲労 at 16:32 / 院長コラム コメント&トラックバック(0)

お問い合わせはこちらから
ここをタッチするとすぐにお電話が出来ます
メールでのお問い合わせはこちらから