睡眠は一日の疲れを取るために必要なことですが、寝不足や睡眠の質が下がることで心身に様々な悪影響を及ぼしてしまいます。
・倦怠感
・胃腸の不調
・やる気の低下
・うつ症状
・肩こり
・腰痛
・頭重感
・めまい
など、多岐にわたり様々な症状の原因になります。
睡眠の質の低下は、不規則な生活習慣が続いたり、慢性的な精神的ストレスにより自律神経が乱れる事が原因で起こります。
自律神経は交感神経と副交感神経の2つの神経で成り立っており、お互いが必要時にバランスを取って働いています。交感神経は体を活動的に働かせ、心を高ぶらせる役割があり、副交感神経は精神をリラックスさせ気持ちを落ち着かせる、また疲れた体を回復させる役割があります。睡眠中は副交感神経が働くことでぐっすり寝れる事ができるのです。
自動車で例えると交感神経がアクセル、副交感神経がブレーキのようなものです。
しかし、夜更かしをして不規則な生活習慣が続いたり精神的ストレスを受け続けると、夜に働かなくてはいけない副交感神経が働く事ができず、その代わり交感神経が働いてしまい心身が興奮状態になるためなかなか寝付けないという事が起きてしまいます。眠りについたとしても副交感神経が十分に働いていないために質が低下してしまいます。
・生活習慣の乱れや夜更かし
生活習慣の乱れは体内時計を乱してしまい、体内時計が乱れると睡眠リズムが狂い睡眠障害の原因になります。
・無呼吸症候群
睡眠中に上気道が狭くなったり一時的に閉塞したり、延髄の呼吸中枢の異常によって正常な呼吸ができないことで起こります。中枢性のものははっきりとした原因はわからないですが、閉塞性のものは肥満による首の脂肪の圧迫や先天性による舌や扁桃、アデノイドの肥大や顎が小さいための舌根沈下が原因と言われています。
・パソコンやスマートフォンの使用
パソコンやスマートフォンを長時間使用したり、就寝前に使用することで交感神経が働いてしまい、逆に質の良い睡眠を促す副交感神経の働きが悪くなります。
人間の体は元々、太陽が昇ると交感神経が働いて日が沈んで暗くなると副交感神経が働いて眠りにつくのが自然体なのですが、パソコンやスマートフォンを夜間や睡眠前に使用する事でタブレットの光が視覚を通して脳を刺激してしまい、昼間と錯覚させてしまいます。そうすると本来副交感神経が働いて交感神経が抑制されなくてはならないのに、夜の時間も昼間と同様に交感神経が働いてしまいます。そのまま就寝すると睡眠の質が悪くなるのは必然的になります。
・ストレス
多少のストレスは問題ないのですが、強いストレスや慢性的なストレスは自律神経が乱れます。ストレスは交感神経を働かせるため睡眠の質が低下します。
・カフェインやアルコールの摂取
お酒が好きな方は就寝前に飲酒することが多いと思いますが、アルコールが体内に入ると肝臓で分解する過程でアセトアルデヒドという物質が発生します。このアセトアルデヒドは毒性が強く交感神経を刺激してしまうと言われています。
また、カフェインは脳を活性化させる作用がありますが、それも交感神経を介して作用するため睡眠の質を低下させてしまいます。
東洋医学では五臓六腑と関連つけて考えていきます。
五臓六腑とは、肝、心、脾、肺、腎の五臓と、胆、小腸、胃、大腸、膀胱、三焦の六腑のことを言います。
これらは現代医学の解剖学的機能の概念ではなく、精・気・血のコントロールといった陰陽五行説の思考に基づいた役割があります。
この中の「心」は精神や意識など精神活動を主ります。この「心」の機能が低下することで、眠りが浅い、中途覚醒、不眠、。寝つきが悪いなど睡眠障害が引き起こされると考えられています。心の機能低下を、心血虚、心陰虚と言います。
また、「肝」は自律神経機能、情緒系の機能を担っており、気をのびやかにめぐらせる作用があります。この「肝」の機能が低下すると、精神的に不安定になりイライラするといった感情が出現しやすくなります。精神的ストレスが発生すると自律神経や情緒系機能に影響し抑うつや緊張状態を起こします。これを肝気鬱血といい、不安感、緊張感、焦燥感による不眠の原因になります。肝の機能低下は、肝血虚、肝陰虚と言います。
病院や睡眠専門クリニックでは、精神を落ち着かせるために鎮静剤や抗不安薬といった薬物療法を行うことが多いです。また、認知行動療法や睡眠習慣の指導、など薬に頼らない治療や、無呼吸症候群の場合は睡眠中に口に装着したマスクから気道へ空気を送ることで気道の閉塞を防ぐ方法が用いられます。
当院での睡眠に対する治療は自律神経の調節を重視しております。
また、心経、肝経、腎経を使用して五臓六腑を整え、失眠という良い睡眠を促すツボも鍼やお灸で刺激をしていきます。
睡眠の質が低い方は首肩のコリや腰が辛いという方が多いのが特徴です。触診をしていきコリや張り具合を確認し、筋緊張を緩和させる施術も同時に行っていきます。
①就寝前に白湯、生姜湯を飲んで体を温める
②湯舟に入りゆっくり体を温める
③入眠時間、起床時間、朝昼晩の食事時間を毎日一定にする
⓸就寝前のパソコンやスマートフォンの使用、アルコール、喫煙は避ける
⑤日中に適度な運動をする
⑥午前中に日光を浴びる
⑦就寝前にストレッチをして体をほぐす
Posted by 中目黒の鍼灸院 東京α鍼灸院|眼精疲労 at 18:06 / 院長コラム コメント&トラックバック(0)