目の痛みの鍼灸治療

当院の目の痛みに対する鍼灸治療

・問診

しっかりと時間をかけて問診をすることで症状にアプローチしていけばよいのか患者様とともに話し合います。どんな些細なお身体のお悩みもお話し下さい。それが原因の可能性があったり、治療効果の促進にもつながります。

また症状の程度にとりましては、専門医の診察を勧める場合もございます。

 

丁寧な問診

 

・自律神経測定

痛みは自律神経を乱します。それは長い間痛みに悩まされていた方ほど顕著に現れます。

痛みは交感神経の活動を促進させて、血流低下に繋がったり、睡眠の質の低下、ひどい場合には自律神経失調症なども合併してしまう可能性もあります。

当院では、治療を始める前に患者様の今の健康状態をしっかり把握したうえで治療していきます。

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・鍼灸治療

まずは、仰向け治療で自律神経調整治療を施してその後うつ伏せで首肩や背腰部の筋緊張を和らげていきます。

目の痛みに対する頸肩鍼灸治療

目の痛みに限らず『痛み』は、交感神経を高ぶらせてそれが長時間続いてしまうと自律神経が乱されてしまうのです。痛みが出ると筋肉は緊張して体は力が入った状態です。まさにその状態は交感神経が強く働いているのです。逆にリラックス神経である副交感神経は働きが鈍くなってしまいます。

 

そしてさらにその自律神経の乱れが血液循環を悪化させることで痛みの源である発痛物質や疲労物質は停滞しやすくなってしまい更なる痛みをまねいてしまうのです。自律神経のバランスを整えるということはこの負のスパイラルを断ち切り、身体を回復方向へと導きやすくさせるのです。
また、目の痛みがある患者さんの多くは耳の後ろの筋肉が凝り固まっている方が多いです。そのようなコリの強く出ている箇所をしっかりとほぐしていきます。

最後に仰向け治療にて目の周りの施術を行い、鎮痛作用や抗炎症作用の期待できる鍼やお灸の施術を行います。

目の痛みに対する鍼灸治療

 

回数を重ねるごとに徐々に刺激量を増やしていき、鍼通電療法を施す場合もあります。鍼刺激と並行して低周波の電気刺激を与えることで鍼の鎮痛効果がより一層見込めます。電気の刺激がどうしても苦手という方は遠慮なくお申し付けください。別の施術法でアプローチしていきます。

 

 

症例

40代女性

パソコン作業を主な仕事にしており、労働時間は長く一日12時間働くこともある。当院ご来院一年ほど前からさらに仕事が忙しくなり、明け方まで仕事をすることもあった。だんだんと身体に疲れが溜まってきて最初身体が重く感じてまぶたも重たいと感じるようになった。その状態で仕事を続けていると、目の奥に痛み・首肩のこりや痛みを感じ、仕事もスムーズにはかどらなくなってしまった。かすみ目がひどく視力の低下を感じていたため眼科を受診したところドライアイと眼精疲労と診断され、目薬を処方された。目薬をしてもあまり改善がみられないため当院にご来院された。

 

治療
・自律神経調整治療

・首肩の筋緊張の緩和

・目の周りの血流及び筋疲労の改善

の3点を目的に治療していきました。

 

治療経過
◇1回目◇
1回目の治療で首肩のコリ・痛みはだいぶ軽減した。眼精疲労・眼精疲労は変化なし

◇2回目◇
治療終了後、身体の重さがとれて体が軽くなった。

◇3回目◇
目の疲労・かすみが前は朝からあったが、夕方から夜だけに感じるようになった

◇4~6回目◇
仕事のペースが上がるようになりはかどるようになったが、今までの遅れを取り戻そうと体に無理をきかせたため目の調子は良くなったり悪くなったりを繰り返した。

◇7回目◇
仕事も落ち着いて行うようになり、目の調子もよくなってきた。以前感じていたようなまぶたの重たさは感じなくなった。

◇8回目◇
かすみ目が改善されて遠くの物が以前よりも良く見えるようになったとのこと。

◇9回目◇
身体全体・目の調子はよく、ほぼ仕事に支障は出なくなった。

◇現在も通院中◇
集中的な治療は終了して現在も目の症状の予防または仕事の疲れを取りに2~3週間のペースで来院中。

 

例2

50代 女性
ある朝顔を洗おうと水を顔にかけたところ、目の周りから頬にかけて激しい痛みが走った。それ以来風に当たった時などふとした時に痛みが走るようになってしまった。病院を受診したところ三叉神経痛と診断されて痛み止めなどが処方された。最初は弱い薬を処方してもらったが、薬の効果もだんだんと薄れてきてどんどん強い薬へと変わっていった。薬がいくらか効いている時は、痛みを感じにくいが薬の効果が切れてしまうとまた激しい痛みが襲ってしまう。また薬の副作用のせいか体が常に重だるく感じて胃腸の調子もすぐれない。
どんどん強い薬にかわっていってしまうのがこわくてどうにかして薬に頼らずに痛みを軽減させたいということで当院にご来院された。

治療
自律神経測定器で自律神経の状態を計測したところ交感神経の活動が高く、ご本人の感覚としましても常に体が緊張状態でリラックスできていない日が続いているとのこと。睡眠の質の低下している状態。
まず頸肩に鍼を刺して通電気療法をほどこした後に仰向けとなり、痛みの強く出ている顔面部周囲に鍼治療を行っていきました。それと並行して腹部などのツボを用いて自律神経の状態を整えていきました。顔面部の刺鍼になれてきたところで通電気療法も行っていきました。

◇1回目◇
施術が終わった直後はうそのように痛みが消えた。触れても痛みが出ない。しかし、次の日の朝にはまた痛みが出た。しかしその日はぐっすりと睡眠がとれた

◇2~5回目◇
施術回数を重ねていくたびに体の状態は良好。痛みはたまに感じるがひどい時の半分程度。

◇6回目◇
夜遅くまで仕事をしていて疲れが溜まっている時にまた激しい痛みを感じたがそれっきり感じない

◇7回目◇
朝こわごわと顔を洗っていたが痛みが軽減したためこわごわと洗う感じは消えてきた

◇8回目◇
痛みというよりもピリピリという痺れに近い感覚に変わっていった。痛みよりは日常生活を送るうえで楽とのこと

◇9~12回目◇
痺れの感覚も消失。顔面部に痛み・痺れ感覚は感じなくなった。

 

症例3

30代 男性

以前から眼精疲労やドライアイが気になっていたが、2週間前から眼の奥が重だるくなり、次第に痛みに変わってきた。

普段はデスクワークで1日に10時間以上使用使用しているためかなり眼を酷使しており、首肩コリが強く感じる。疲労が蓄積してくる週末は必ず頭痛が起こる。

眼の痛みは温めると軽くなるが、また仕事すると痛みが強くなる。最近は霞もひどくなってきた。

緑内障の症状と似ていたため、念のため眼科に受診をしたがそちらの問題はなく、重度な眼精疲労と診断された。

当院の施術

当院では、①眼の血流促進 ②自律神経調節 ③首肩の筋緊張の緩和 ④肝や腎の経絡を使用した東洋医学的な施術を中心に行いました。

まずうつ伏せで、眼に関わる肝や腎の経絡に鍼で刺激し、首肩の硬結にも刺鍼し緩めていきました。次に仰向けで自律神経の調節を目的とした施術、眼の周囲にある「攅竹」「魚腰」「太陽」「四白」に刺鍼し、そこに低周波を流す「電気鍼療法」で眼の痛みを抑制しさらに血液循環も促しました。

経過

◇1回目◇

眼の痛みはまだ変わらないが、身体がポカポカして気持ちよかった。リラックスできた。

◇2回目◇

眼精疲労が軽くなり、眼の痛みも少し軽減したような気がする。

しかし、1日経つとすぐ戻る。

◇3回目◇

睡眠がしっかりとれているような気がする。疲労感が薄れてきた。

◇4回目◇

眼の痛みが軽減してきて、楽に生活できるようになってきた。

◇5回目◇

仕事中に気にならない日が増えてきた。

◇6回目◇

ほぼ痛みは感じない。

現在、眼精疲労やお身体のメンテナンスのため通院中

 

 

目の痛みについて

当院にご来院される患者さんは、肩こりや腰痛など一般的に鍼灸治療に効果があると認識されている疾患も多いですが、目の症状で悩まされてご来院される患者さんも多いです。その中でも「目の奥が痛い」「目がゴロゴロして異物感があり痛い」などと言われる方も多いです。

今回は、「目の痛みの治療」について書かせていただきます。

自律神経の乱れ

 

目が痛いと感じたことがある方は、非常に多いかと思います。目の痛みの原因と言いましても様々な疾患があります。眼は人体の中でもとても敏感な器官ですので、痛みを感じる神経が数多くあります。

目の痛みにも種類があります。

 

目の表面の痛みや異物感

眼瞼や眼球の表面の結膜または角膜に異常がある場合が多いです。

ものもらい

ものもらいは目の周囲が赤く腫れて痛みやかゆみを伴います。比較的罹患率が高く、一度は罹ったことのある方も多いかと思います。

また目の周囲が不衛生であったり、体の抵抗力が弱まった時に再発する可能性が高くなります。

 

 

角膜炎

眼球外壁は、強膜・角膜に覆われています。角膜炎は角膜がコンタクトレンズの装着や花粉症などにより角膜が炎症や潰瘍を起こしてしまう疾患です。目の痛みや異物感で涙が多く出たり、視力低下や光が異常にまぶしく感じます。

 

など

目の奥の痛み

 

三叉神経痛

三叉神経は12対ある脳神経の一つで、その名の通り3つに枝分かれしている神経で額・頬・顎に枝分かれしています。この3つの神経のどれかに異常を生じて数秒から数分続く発作性の激しい痛みが起きます。

三叉神経痛は、三叉神経がその周囲の血管に圧迫されることによって起きると言われており、それが額や目の周囲に伸びる神経に起きると目の奥の痛みとなって感じる場合があります。

 

ぶどう膜炎

ぶどう膜炎は、眼球の外壁の外側から2番目の膜のぶどう膜が炎症を起こしてしまう疾患です。ぶどう膜は、網膜や強膜とは違い血管に富んでいるため、炎症を起こしやすい組織です。目の痛みの他に視力低下やかすみ目、目の充血や光に対して過敏に反応してしまうなどの症状がでます。

緑内障や白内障を合併する場合もあるので注意が必要です。

 

視神経炎

視神経炎とは、網膜から得た視覚情報を電気信号に変えて脳に送る役割のある視神経が炎症を起こしてしまう疾患です。

視神経に炎症が生じると、視覚情報が脳に上手く伝達されずに視力障碍が起きてしまいます。また急性の症状に関しては目を動かすと痛みの生じる眼球運動痛や目の奥の痛みが生じることもあります。

 

群発性頭痛

群発性頭痛は、激しい頭痛症状の他に目の奥の激しい痛みを感じることが多いです。緊張性頭痛や片頭痛と比べると比較的罹る人が少ない症状ですが、一番症状としてはつらいものです。激しい痛みのためじっとしていられず、動き回ったり頭を壁に打ちつけることで痛みを緩和させようとする人も多いです。

はっきりとした原因はわかっていませんが、20代から40代の働き盛りの男性に多いと言われています。

・急性緑内障

急性緑内障は、急激に眼圧が上がってしまうことで激しい目の痛みや目の充血・視力低下症状が出ます。目の症状の他にも頭痛や嘔吐、腹痛などの症状もていします。急性緑内障の場合、すぐに検査を行い処置をしなければ失明する危険性があります。
緑内障にかかってしまう多くの方は慢性緑内障といって徐々に症状が進行して視野欠損や視力の低下が起こり、自覚症状が出てしまった時点ではかなり症状の進行度は高いです。急性緑内障の場合は硝子体の中にある房水を排出する隅角が狭くなってしまうことで排出することができずらくなり、硝子体の中に房水が急激に増えてしまって症状も急激に現れます。急性緑内障は40代以上の女性に発症しやすく、原因は精神的なストレスや睡眠時にうつ伏せ姿勢を長時間続けていたなどです。普段から冷え性や低体温の人に発症リスクが高いことが知られており、それらをお持ちの方は普段から体を温めたりして体の循環を良くするように努める必要があります。
鍼灸治療は眼圧を下げることに効果があるという研究結果も出ています。一般的には鍼灸治療は、血液循環などの循環系に作用すると考えられていますが、自律神経にも作用することがわかっており、毛様体上皮での房水産生能力や隅角から房水が流出することに関係する副交感神経に鍼灸治療が何かしら関与して眼圧が下がっているとの報告もあります。

 

 

執筆者

清水大地

眼精疲労専門の鍼灸師

資格
はり師
きゅう師

2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好医院にて多くの臨床経験を積む

2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立

2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院

2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院

2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院


Posted by 中目黒の鍼灸院 東京α鍼灸院|眼精疲労 at 19:50 / 院長コラム 目の痛みの鍼灸治療 への4件のコメント

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