admin のすべての投稿

味覚障害の鍼灸治療

味覚障害とは

味覚の感度が低下したり、消失したりする状態が味覚障害です。味覚は、噛むことで唾液と混ざった「味を持つ物質」を舌やその周辺にある味細胞(みさいぼう)という受容体で感知し、神経を通して大脳の味覚野に伝わることで認識されています。味覚障害はこのプロセスのどこかに異常が生じると発症します。

 

鼻炎

味覚障害の原因

味覚障害の原因は不明な点も多いですが次のことが知られています。

・全身疾患の影響による味覚障害

糖尿病、慢性腎不全、内分泌機能の低下などの全身疾患で味覚障害が生じます。特に糖尿病では神経や血管が障害されるため、糖尿病の患者の約1/4に味覚異常が生じるという報告があります。

 

・口腔、のどの病気に伴う味覚障害

舌炎や風邪による咽頭炎等、口腔やのどの病気でも味覚障害が起こります。また、シェーグレン症候群など唾液分泌が低下し、口内が乾燥すると味覚障害をきたします。

また、喫煙も味覚に悪い影響を与えます。

 

・味を伝える神経の障害による味覚異常

鼓索神経は中耳を通るので慢性中耳炎がある場合味覚異常を生じることがあります。顔面神経麻痺の際に味覚が障害されることがありますが、これは鼓索神経、大錐体神経が顔面神経の枝であるからです。

また、頭部外傷や脳血管障害などにより脳の味覚中枢が障害されても味覚異常は生じます。味覚と共に嗅覚も障害されることもあります。

 

・薬剤による味覚障害

関節リウマチ、高血圧症、パーキンソン病、糖尿病等の薬の影響で味覚が障害されることがあります。

これらの薬剤が亜鉛や銅などの代謝に影響を与えると推測されます。投薬中止により味覚は戻りますが、回復に時間がかかることもあります。

 

・偏った食生活による亜鉛不足

味覚に異常が生じる原因として代表的なものは亜鉛不足です。体内の亜鉛が不足すると、味蕾の新陳代謝が十分に行われなくなって味覚障害が生じます。インスタント食品などに含まれる食品添加物は食品中に含まれる亜鉛が体内に吸収されるのを妨げると言われています。

 

・舌の表面の粘膜の異常

舌の表面には舌苔(ぜったい)という白い苔のようなものが薄くついています。これは舌の表面が剥がれたものや食べ物のカス、細菌、白血球の残骸などが溜まったものです。疲れたりストレスを感じたりすると舌苔が厚くなったり色が変わったりして、舌の違和感や味覚障害を感じることがあります。

 

・嗅覚障害による味覚の低下

風邪などで鼻頭まりを起こしている時に食べ物の味を感じなくなった経験はどなたにもあるでしょう。風邪、花粉症、鼻づまりなど、鼻疾患を伴う場合味覚の低下を生じる場合があります。

 

・心因性

うつ病やストレスを感じた時に味覚障害が起こることがあります。

 

味覚障害の症状

ひとくちに味覚障害といってもその症状は様々です。

 

☆味覚減退・味覚消失

食べ物の味を感じにくくなったり、味を感じなくなったりします。

 

☆味覚過敏

食べ物の味が本来より濃く感じる

 

☆異味症

本当は甘いのに、苦く感じるなど違った味を感じる

 

☆自発性異常味覚

口の中に何もないのにもかかわらず、口の中が苦い、渋いなどを感じる

 

☆解離性味覚障害

ある特定の味(甘い)などが分からない

 

☆悪味症

何を食べても嫌な味がする

 

 

味覚障害になると、味覚が低下していることに気付かないうちに塩分や糖分をとりすぎて、生活習慣病を誘発する恐れがあることです。また、何より味が分からず食べる喜びが無くなってしまいます。

 

 

味覚障害に対する西洋医学的治療

 

耳、鼻、口腔の診察と、問診で服用している薬物の有無や種類の確認や、採血をして血液中の亜鉛の値の計測、尿検査にて肝、腎機能検査なども行い、味覚そのものの検査としては電気刺激による味覚検査や味の溶液を用いた検査が行われます。

治療は原因によって治療法が異なります。

原因となる病気がある場合にはその病気の治療を行います。

亜鉛欠乏性味覚障害は亜鉛剤を内服します。原因不明の場合もこの亜鉛内服が有効なことが多いため同様の治療となります。薬剤性味覚障害は、原因薬剤の使用を中止したり、減量する必要があります。これに亜鉛剤の内服が付け加えられることもあります。頭部外傷や顔面神経麻痺の場合、神経障害に効果が期待できるビタミン剤や循環改善薬などが使われます。口内炎や口の渇きが酷い場合などは

 

味覚障害に対する当院の鍼灸治療

味覚障害に対する鍼灸治療では頬周りがあご周りの味覚障害に効果のあるとされるツボを主に用いて施術を行っていきます。

また、風邪や鼻炎などで鼻詰まりが起こることで嗅覚が低下することで味覚低下の原因があるため鼻周りもツボを使用して鼻の通りを改善することで味覚の低下も解消していきます。

その他味覚障害では心因性が原因で起こることもあり得るとされており、ストレス過多などの自律神経の乱れなども深い関与があることが多いです。

当院では自律神経測定器で自律神経の状態を把握したうえでそれの状態に合わせた全身的な調整施術も行っていきます。

味覚障害の鍼灸治療

無月経の鍼灸治療

無月経とは

性成熟期であるにも関わらず月経が欠如している状態を無月経といいます。

初経(しょけい)を迎える前や妊娠、産褥、授乳に伴う無月経は生理的無月経です。無月経の分類として18歳以上になっても初潮がこないものを原発性無月経といい、これまであった生理が3カ月以上停止したものを続発性無月経といいます。

 

月経はどのようにして起こるのか
月経は卵巣から分泌される女性ホルモンで調整されていますが、この女性ホルモンが分泌されるまで様々なホルモンが関与しています。

まず最初に司令塔となる脳の「視床下部」から「性腺刺激ホルモン放出ホルモン」が放出され、それが同じく脳の「下垂体」から「性腺刺激ホルモン」を分泌されます。このホルモンの命令で卵巣から女性ホルモンが分泌されるのです。

この女性ホルモンの量は常に視床下部によって監視され、適切な量になるように調整されています。子宮は女性ホルモンの作用で妊娠の準備を行いますが、妊娠が成立しない場合に月経が起こります。

 

 

無月経になる原因

・続発性無月経

過度なダイエットや拒食症による体重減少、過度なスポーツ、肥満、ストレスや心身の疲労、環境の変化、薬の副作用などによって女性ホルモンのバランスが崩れることで起こることがあります。また、稀ではありますが、女性ホルモンをコントロールする脳下垂体の腫瘍や内科系のほかの病気が原因のこともあります。

無月経を起こす疾患として甲状腺機能亢進症(バセドウ病)、高プロラクチン血症、多嚢胞性卵巣症候群などが挙げられます。

さらに続発性無月経にはエストロゲンのみ分泌され、プロゲステロンの分泌が停止した「第Ⅰ度無月経」とエストロゲン、プロゲステロン共に分泌停止になる「第Ⅱ度無月経」があります。

・原発性無月経

染色体異常、膣、子宮の奇形など性器の異常、ホルモン異常などが挙げられます。

 

無月経と体重の関係

無月経と体重は密接に関わっています。BMIが18、5を切っていたり、反対にBMIが25以上で卵はあるが育ちにくい状態になっていたりすると月経が止まってしまうことがあるといわれています。

 

無月経の症状

不妊や、男性ホルモン過剰による多毛やニキビ、エストロゲン不足による骨粗鬆症、プロゲステロン分泌を伴わないエストロゲンの持続作用による子宮体がんのリスク上昇などが挙げられます。

 

 

西洋医学的治療

 

続発性無月経の場合

月経歴、妊娠、分娩歴、既往歴、内服薬の有無などの詳細な問診、血液ホルモン検査、ホルモン負荷テスト、CT,MRI,エコー検査などの画像診断を必要に応じて行います。続発性無月経に対してはホルモン治療が行われますが、カウンセリングや生活指導も大切です。

病気が原因で起こる無月経に対してはその病気に応じた治療が選択されます。また、妊娠を希望する場合は排卵誘発剤を使用し、それが無効な場合は腹腔鏡下手術を行います。

 

原発性無月経の場合

原発性無月経は、遺伝的な要因を有することがあるため、十分な家族歴聴取と身体的な特徴を確認することが大切です。他にも二次性徴(身長体重、乳房や恥毛発など)の有無や、内外性器の形態に異常が無いかの診察を行います。

染色体異常、奇形、内分泌疾患など様々な原因疾患を鑑別し、適切な治療に進む必要があります。内分泌検査、染色体検査、遺伝子診断などが必要になります。原因を特定し、可能であればその除去や改善をするのが第一です。例えば処女膜閉鎖症や膣閉鎖症であれば、手術によって月経が来るようになります。染色体や性管に異常があることがわかった場合には残念ながら根本的な治療法はなく、対症的な治療が必要になります。

 

無月経の東洋医学的考え方

中医学で月経周期の異常と関係が深いのは「」です。「血」は血液や栄養のことを指します。

この血の状態が異常になると、月経周期が乱れたり、止まってしまうと考えられています。また、血の流れを推動する「気」の失調も大きく関係しています。

また、月経は五臓の「」や「」とも関係があります。肝は身体の諸機能を調節(疏泄)するのが主な働きですが、血を貯蔵し循環させる臓腑でもあります。

また、腎は人の成長、発育、生殖を司るのが主な機能ですが、「腎は血を生ず」ともいい、血を生み出す臓腑の一つでもあります。

無月経に対する当院の鍼灸治療

まず、自律神経測定器にて、女性ホルモンの分泌や血液循環と関わりの深い自律神経のバランスを測定し、現在のお身体の状態を把握した上で治療へ移ります。

自律神経、ホルモンバランスを整えるツボに鍼やお灸で刺激を与え、背部、腰部、骨盤周囲などのツボを用いて自律神経系の調整、内臓機能の調整、骨盤内臓器(子宮や卵巣など)の血液循環を促進し、内分泌、免疫機能を調整していきます。

 

無月経に対する鍼灸治療

アレルギー性結膜炎の鍼灸治療

アレルギー性結膜炎に対する当院の鍼灸治療

 

当院のアレルギー性結膜炎に対する施術は、第一に目の周辺の経穴にハリをさして結膜の炎症をおさえる作用を促します。

アレルギー性結膜炎の針治療

痛みやかゆみの強い場合は電気鍼療法を用いて痛みの閾値を上げて鎮痛効果が期待できる施術を行うこともあります。電気鍼療法は、刺激の量が強いため鍼に慣れていない方には行うことはありませんので安心してください。
その他、お灸治療の効果として抗炎症作用がありますので、目の周りに点灸というお灸治療を行うことで炎症を抑える施術も行っていきます。

アレルギー性結膜炎のお灸治療

またアレルギー性結膜炎は肝の機能や東洋医学でいう『風邪』と深く関係していることが考えられていますので、肝に関連の強いツボを多く用います。

肝の陽気が過亢進して頭の方へのぼっていくことで症状を起こしているとも考えられるので肝の陽気を抑えて下げる治療もする必要があります。 風邪は五臓六腑のから侵入することが多いので肺に関するツボも刺激していきます。

アレルギー性結膜炎のうつ伏せ鍼灸治療

また東洋医学の全身の状態を診て治療していくという特徴によって当院でも全身の調整施術を行っていきます。自律神経の状態を整えていくこもアレルギー性結膜炎を治療していく上で重要だと考えます。

アレルギー性結膜炎の自律神経調整鍼灸治療

自律神経を整える全身治療を行うことにより人間が本来もっている自然治癒力を高めます

 

アレルギー性結膜炎の東洋医学的考え

 

中医学では五臓六腑の肝は目に開竅するといわれており、眼の疾患は肝の機能障害が深く影響していると考えられています。 肝血が不足してしまうと視覚の異常や運動系の異常などがみられます。また肝の陰陽のバランスが崩れてしまい肝の陽気の過亢進がおきると次第に陰液を消耗して肝陽が頭の方へ上がっていきます。 すると結膜炎角膜炎ひいては自律神経失調症なども引き起こします。

また東洋医学では身体の外部からの要因で病気を発症した場合、風邪・寒邪・湿邪・火邪・燥邪・暑邪の6つの邪気が体に侵入して何らかの症状を呈します。

アレルギー性結膜炎の場合は、この6つの邪気の中で「突然発症する」「変化が多い」「人体の表面・上部に病態が現れやすい」という特徴を持つ風邪の可能性が高いです。治療では、その風邪の邪気を身体から排除する治療が必要になります。

 

症例

30代女性

年々スギ花粉に目や鼻が反応するようになって特に今年は目の症状が強く目のかゆみや痛みが耐え切れずに目薬もしても一時的にしか効果を得られずになんとかしてほしいとご来院されました。

鼻炎もひどくくしゃみや鼻水が止まらい状態。

当院の治療

アレルギー反応は体の免疫に関係しており、免疫は自律神経の状態に左右されるため自律神経測定器で自律神経の状態を測定していきました。

副交感神経の活動がお昼の時間帯の割に高く、自律神経のバランスの乱れがみられたため目や鼻周りの施術を中心に背中や手足お腹などのツボを用いて自律神経のバランス調整の施術も行っていきました。

目の周りの施術は刺した鍼に電気を通す鍼通電治療を用いて鎮痛効果をより一層高めていきました。

この患者様の場合は1回目の施術後に目の痛みや痒みが半減して比較的早く鍼灸の効果がみられました。

一週間に1回程度の治療間隔で1か月ほど施術を行い、花粉のつらい時期を乗り切ることが来たとのことです。

 

アレルギー性結膜炎とは

 

アレルギー性結膜炎とは、様々なアレルゲン(ほこり・ダニ・花粉)によって目のかゆみごろごろ感痛みなどを伴う疾患です。

アレルギー反応とは、体外から異物が入ってきたときに身体を守ろうとする身体の防衛反応の一つです。細菌やウィルスなど身体に害のあるものを排除しようとする防衛反応とアレルギー反応との違いは、本来身体にとって無害なものを有害物質と判断して排除しようとするということです。日常生活の中でほこりやダニや花粉などアレルギー反応を良く引き起こすとされる物質は本来身体にとっては有害なものではないということです。

アレルギー性結膜炎

 

アレルギー反応の仕組み

 

アレルギー反応を引き起こすアレルゲンは体内に侵入した際に血液中のIgE抗体という物質と結合します。すると、身体は体内に有害な物質が侵入してきたと判断して好酸球という白血球の仲間の細胞からヒスタミンなどの炎症性物質を放出します。ヒスタミンが放出されることでアレルゲンを体外から出そうとする反応が起きるのです。反応はヒスタミンが放出される場所によっても違ってきて、目のかゆみ・涙・鼻水・くしゃみなどの反応を引き起こすのです。

 

身体の器官の中で目はアレルギー反応を引き起こしやすい器官と言われています。特に目の角膜や結膜は外界と接しているためアレルゲンが侵入しやすい状態です。また結膜は血管もたくさん存在しており、免疫細胞も豊富にあるためアレルギー反応が起こりやすいといえます。血管の豊富さから鼻など様々な気管から侵入してきたアレルゲンも目に反応を起こすこともあります。

 

 

アレルギー性結膜炎の症状

 

目の結膜は、白目の部分やまぶたの内側を覆っている膜です。その部分がアレルギー反応を引き起こすと、赤く充血したりかゆみまぶた裏の異物感目やにの症状を呈します。

gankyu01[1]

近年、アレルギー性結膜炎は増加傾向にあると言われています。最も多いのがスギ花粉によるアレルギー性結膜炎です。日本でアレルギー性結膜炎を患っている人は2000万人にいると言われていますが、その大半が花粉がアレルゲンとなって引き起こされていると言われています。

スギ花粉が最も多いのですが、ヒノキやヨモギ・ブタクサでもアレルギー反応を引き起こしてしまう方も増えており、一年中花粉に悩まされる方も少なくありません。

アレルギー性結膜炎には、アトピー性角膜炎春季カタル巨大乳頭性結膜炎も含まれています。

アトピー性角膜炎はアトピー性皮膚炎の方に多く現れる症状の一つです。アトピーによる皮膚の症状が角膜にも起こり、かゆみがひどく、目を擦ったりすることによって角膜びらんといった症状に進行していく可能性もあります。

 

春季カタルはその名の通り春から夏に重症化するアレルギー性結膜炎です。角膜潰瘍や角膜びらん、上まぶたの上側に大きなしこりの様なできものでき、視力障害などにもつながる可能性があります。アレルギー性結膜炎が重症化すると春季カタルとなることがあり、比較的青年期に多く発症すると言われています。

 

巨大乳頭性結膜炎とは、まぶたの裏にブツブツ状のできものができてしまう疾患です。主にハードコンタクトレンズを着用する人に多く現れます。コンタクトレンズをつけているとゴロゴロとした異物感を感じると巨大乳頭性結膜炎の可能性があるので一度眼科で診てもらう必要があります。まぶたの裏側にできものができてしまうと、場合によっては黒目も傷つけてしまうことがあり、重症化してしまうこともあります。

 

 

アレルギー性結膜炎の原因

 

アレルギー性結膜炎の一番の原因は花粉です。スギの木は戦後荒れ果てた土地に国策として植えられました。その頃はスギの木が成長して林業の助けとなると考えられていたのです。しかし、日本の林業はますます衰退してきており、伐採されていない戦後に植えられたスギの木が現在の花粉症の原因となっているのです。この状態が続いた場合スギの花粉にあと50年は悩まされるとも言われています。

スギ花粉

その他にもダニハウスダスト、ペットの毛などがアレルギー性結膜炎の原因となります。コンタクトレンズの着け外しも一つの原因となります。

 

アレルギー性結膜炎は増加傾向にありますが、その原因はいまだに特定されておりませんが、環境の変化が大きな原因だと考えられています。

ハウスダストの増加大気汚染はアレルギー性結膜炎を増やす原因になります。また、アトピー性皮膚炎患者の増加もアレルギー性結膜炎が増加する一因です。

食生活の変化やストレス過多などの状況もアレルギー性結膜炎を増やしている大きな要因です。現代人特有のストレス過多状態で自律神経が乱れて白血球のバランスが崩れることでアレルギー反応が出やすい体質となっているとも言われています。

 

 

日常生活での注意点

アレルギー反応の原因となるアレルゲンにできるだけ触れさせないということが重要です。花粉が多く飛ぶ時期には、花粉用のゴーグルをかけるマスクの着用・花粉を室内に持ち込まないように家に入る前に服に付着している花粉を落とすなどの対策を行ってください。またハウスダストもアレルギー反応の主な要因となるのでこまめに掃除することでハウスダストを充満させないような環境づくりをしてください。

また、日々の運動・食事・睡眠・仕事に注意を傾けてストレスをため込まないようにしてください

 

その他目の痛みが出る疾患

強膜炎の鍼灸治療について
角膜炎、角膜潰瘍の鍼灸治療について
ものもらいの鍼灸治療について
ぶどう膜炎の鍼灸治療について

頸肩腕症候群の治療

頸肩腕症候群 検査してもわからない首・肩の痛み

整形外科でレントゲンなどの検査をしてもわからない首から肩・上腕にかけての不調は頸肩腕症候群の可能性があります。

頸肩腕症候群の鍼灸治療はWHO(世界保健機構)で適応疾患として認められています。
WHOの鍼灸適応疾患について

 

頸肩腕症候群に対する当院の鍼灸治療

当院の頸肩腕症候群に対する鍼灸治療は、まず首肩部分の筋緊張の緩和と鎮痛効果を目的に施術していきます。

頸肩腕症候群の鍼灸治療

 

痛みや筋肉の緊張が強過ぎる場合には、鍼通電治療も併用して行っていきます。

頸肩腕症候群の鍼通電治療

 

その他、頸肩腕症候群でも自律神経測定器を用いて自律神経の状態を把握して自律神経の状態も整えていく場合もあります。頸肩腕症候群の症状は、多岐にわたり自律神経失調症状と切っても切り離せないためです。

現代のストレス社会において多くの方は、活動神経である交感神経過亢進状態にあるといえます。当院では、そういった方のためにはりやお灸の刺激でも心地よい刺激を心掛けて施術にあたらせていただいております。

頸肩腕症候群の自律神経調整鍼灸

痛みなどの症状の強い首肩付近の施術はもちろんのことお腹や背部も施術することにより身体全体の調子が整い、症状回復の手助けとなります。
首や肩の症状と合わせてうつ病自律神経失調症睡眠障害更年期障害などでお悩みの方はぜひ一度ご相談下さい。

 

 

頸肩腕症候群の東洋医学的考え

東洋医学では頸肩腕症候群は体の外から邪気を受けるため発症するものと中医学でいう「」と「」が何らかの原因で損傷して働きが弱まって発症するものと考えられています。そういった原因で頸部付近の気血が滞り、それが痛みや痺れの原因となると考えられています。

 

体の外からの邪気として一番頸肩腕症候群が発生しやすいのは、寒く風のあたる場所にいた時などに体に悪さをする「風寒の邪気」を受けた時です。次いで湿度の高い場所にいて「湿邪」を受けた時などです。

また長い間椅子に座ってパソコンなどの仕事をした時に気血は滞り、それが頸部・肩部・腕部付近であった場合に頸肩腕症候群を発症する可能性が高くなります。
中医学でいう「肝」と「腎」の機能が弱ると全身的に血や体液が不足し、筋肉や骨などの様々な器官に栄養を送ることができず、さらに上記のような条件が加わると頸肩腕症候群がおこりやすくなります。両者の関係は深いので「肝腎同源」とも言われており、「肝」と「腎」の症候が同時にあらわれることが多いです。

 

 

頸肩腕症候群の鍼灸治療症例

30代 男性

もともと肩こりはひどかったが、ここ最近は肩こりがひどく感じるのと同時に首から左背中・左上腕にかけて痛みやだるさが出るようになった。整形外科で検査したところ多少頸部のヘルニアらしき箇所が見られるが、症状が強く出るほどではないと言われた。特に原因は特定されずに湿布薬を処方され、安静にしておくように言われた。
湿布薬を貼り、安静にしていたら症状は落ち着いてきたが、仕事などが忙しくなり安静にできないと症状がさらに悪化し始めた。パソコンでキーボードをうつ姿勢になると左首から左上腕に力が入ってしまい、痛みやだるさを感じて仕事も集中できない状態。ひどいと家で横になっている状態でも症状を感じる時がある。

当院の治療

自律神経の乱れ・交感神経の過亢進などにより、血流が滞り痛みやだるさを生じさせている可能性があるので自律神経測定器で自律神経の状態を計測してから治療に入りました。

1.仰向け施術
自律神経の調整、左頚部前部・左肩・左上腕の筋緊張の緩和を目的に施術。痛みや筋緊張の強い部分には鍼通電・お灸療法を積極的に用いました。

2.うつ伏せ施術
特に肩甲骨回りに固結部が見られたためその部分を集中的に施術していきました。

3.ストレッチ整体
鍼灸施術で筋肉がゆるんだところでストレッチや整体をします。そうすることでさらに効果が期待できます。

治療経過
◇1回目◇
治療後以前は横になっている時もつらい時があったがそれはなくなった。治療後、体が軽くなったと感じる

◇2回目◇
以前はパソコン作業をして10分程で左腕や肩がつらくなったが1時間ほどで症状を感じるようになってきた

◇3~4回目◇
仕事が忙しくなり、長時間無理な姿勢を取ってしまったため次の日に症状悪化。しかし、痛みやだるさは一日ですぐ引いた

◇5回目◇
仕事をしていない時は症状を感じることがなくなった。仕事を2時間以上休まず続けているとつらくなってくるが休憩をはさむと症状は感じにくい

 

 

頸肩腕症候群とは?

頸肩腕症候群とは、頸部になんらかの異常があって神経や血管が圧迫されて、頸部から肩・腕・背部にかけての痛みや異常感覚を訴える疾患の総称です。
頸肩腕症候群は、整形外科的疾患の変形性頸椎症や頸椎椎間板ヘルニア・胸郭出口症候群などを除外した、検査などで病因が特定できないものをいいます。検査などで病院が特定できないということで「頸肩腕症候群」と診断されたなかには、自律神経失調症局所血流の異常不安症うつ病・更年期障害・末梢神経炎寝違え脊髄疾患片頭痛メニエール症候群顎関節症などの多数の疾患が混在しているものと推定されます。

歴史的にキーパンチャーやタイピスト・電話交換手などの上肢を繰り返し使う業務に従事する人に多く見られ、後頭部・後頸部・肩部・上腕部・手・手指のいずれかあるいは全体にわたって「こり」「しびれ」「痛み」「鈍痛感」などの不快感を職業性の「頸肩腕症候群」として産業医療の分野で確立してきた経緯があります。
しかし疾患の概念や病態生理が十分に確立されておりず、労働基準法などの中で用語だけがひとり残存している感があります。ことにこのような後頸部から肩や上肢に至る症状を訴える場合には、それ以外にも心因性因子の関与自律神経失調による関与が濃厚な場合が少なからず混入しています。

  • 頸肩腕症候群の症状
    首・肩・腕にかけての痛みやコリ及びしびれなどの異常感覚を訴え、時に動かしにくいなどの運動障害を伴う事もあります。目の疲れ・花粉症・風邪などによる鼻の異常やむし歯・歯周病などが引き金となったり、症状を増長させたりすることもあります。最近では、パソコン作業などを長時間行う仕事が増えて手や腕を酷使する人が増えています。そういった経緯で頸肩腕症候群で悩まされている方も増加傾向にあるのです。下記のような症状で悩まされている方は頸肩腕症候群の危険性があります。

肩こりがひどく、デスクワークをしていると頸肩がつらくなってくる
肩から腕にかけて重だるさを感じる
腕や手指に痺れを感じる
後頭部や側頭部に締め付けられるような頭痛を感じる
腕や手指の冷えを感じる
手の力が入りにくい

 

8b891beb903f76330633ce6a72e5416a_s

 

 

頸肩腕症候群の原因

広い意味で頸肩腕症候群は、頸部から肩や腕にかけての痛みや異常感覚を訴える場合に頸椎椎間板ヘルニアなどの整形外科的疾患を除外した、検査などで病因を特定できないものが頸肩腕症候群と言われており、これといった病因は断定できませんが、パソコンなどを座って作業する労働者に多いと言われております。かつてはキーパンチャー病と呼ばれたものも頸肩腕症候群の一種であり、現在ではパソコン病VDT病とも呼ばれています。
頸肩腕症候群は、若年層から起こり、男性より女性のほうがかかりやすいとされています。

 

  • ※VDT病とは
    VDTとはvisual display terminalの略語で、コンピューター端末のディスプレイ装置のことであり、技術革新によりオフィス労働者はVDTを使用してのデータの入力などを行う仕事が急増し、それに伴う健康障害が問題になってきました。この作業は、激しい視線の移動・上肢の反復作業の他に時間に追われながらも正確性がもとめられることで精神的な緊張度も大きくなってストレスの多い作業となります。それによって頭痛肩こり後頸部痛下痢便秘高血圧など様々な症状を呈します。

頸肩腕症候群では、下記のような状態や生活環境で起こりやすくなります。

・オーバーユース

特にパソコン作業でのタイピングやスマホ操作での親指操作である程度以上の力を入れて手指の筋肉を動かしすぎているとだんだんと筋疲労が起こってしまいます。すると手指の動きが鈍くなりさらに痛みや痙攣などの症状が出てきます。筋肉は小さい筋肉ほど疲労が溜まりやすく症状が出やすくなります。

・不自然な姿勢

パソコンをしている姿勢では頭部は前傾となり腕は前に突き出す姿勢のため猫背のようになってしまい背部や頸部に負担がかかることで頸部や肩部の筋肉に疲労が溜まり、過度な筋緊張や痛み症状が出やすくなります。
その他、職場特有の無理な姿勢が原因で頸肩腕症候群となることも少なくありません。じっとした姿勢が長時間続くと静的緊張といって極端に血流量が減ってしまい、筋肉に必要な酸素や栄養素が不足してしまいます。

 

・精神的な疲労による自律神経の乱れ

精神的な疲労による自律神経の乱れが頸肩腕症候群の原因となることがあります。特に仕事中では自律神経のうちの交感神経の活動が活発になります。交感神経の活動は血管や筋肉を緊張させて筋肉の動きを良くしますが、その状態が長く続いてしまうと血流は悪化してコリの原因や痛みの原因となり得ます。
その影響が普段使いすぎている筋肉に出てしまい頸肩腕症候群の症状が出てしまう場合があります。

 

日常生活での注意

 

頸肩腕症候群は突発的にかかるわけではなく、日々の仕事の姿勢や生活習慣が頸肩に負担をかけて積み重なったものが頸肩腕症候群としてあらわれます。よって日常生活で頸肩に負担をかけすぎないように注意することが症状改善や症状予防につながるのです。

・パソコン作業の際は1時間に10分ほど休憩を取る
・長時間同じ姿勢を避ける。
・頭をあらゆる方向にゆっくり曲げていき首の筋肉をストレッチする。
・腕を伸ばしたまま手首を曲げて腕のストレッチをする。
・一日の中で趣味の時間などリラックスできる時間をつくる。

 

 

執筆者

清水大地

眼精疲労専門の鍼灸師

資格
はり師
きゅう師

2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好医院にて多くの臨床経験を積む

2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立

2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院

2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院

2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院

股関節の不調の鍼灸治療

股関節痛を引き起こす病気や怪我

・変形性股関節症

股関節の軟骨が摩耗や加齢によって擦り減ってしまうことで起こります。
子供の頃からの先天性股関節脱臼の後遺症や、股関節が浅い臼蓋形成不全などが原因になることも多いですが、加齢により軟骨が擦り減ってしまうことが原因になることもあります。

変形性股関節症を放置していると股関節や周囲の筋肉が硬くなり動かせる範囲が狭くなっていしまいます。靴下を履く、足の爪を切る動作などがしにくくなったり、長時間立ったり歩いたりすることが辛くなります。また、痛い足を無意識にかばって、歩き方が不安定になったり股関節を支える筋肉が弱るとその結果股関節にかかる負担が大きくなってしまいます。

症状としては、歩行時などに足の付け根(股関節)が痛み、股関節の動きが制限されるようになります。症状が進行するとその痛みが強くなり、場合によっては持続痛(常に痛む)や夜間痛(夜寝ていても痛む)に悩まされることになります。

・大腿骨骨頭壊死症

大腿骨の骨頭部分の血流が悪くなり、骨の細胞が死んでしまう(壊死)病気です。他の病気の治療で、ステロイドを大量に服用されている方やアルコールの飲酒量が多い方の発生率が高くなりますが、

・大腿骨頸部骨折

股関節の大腿骨側の大腿骨頸部の骨折です。骨粗鬆症などで骨がもろくなった状態で転倒した際などに起こりやすく高齢者、特に女性に多くみられます。骨折のため腫れや痛みを伴い、歩行が困難になります。骨折の状態や位置により治療方法は異なりますが、多くの場合は骨接合術や人工骨頭置換術(人工関節置換術)などの手術を行います。

・関節リウマチ

関節リウマチとは、免疫異常によって関節の内膜を覆う滑膜という部分に炎症が起こる病気です。関節の痛みや腫れ、朝のこわばりが主の症状として現れますが、微熱やだるさ、食欲不振といった全身症状が伴うこともあります。関節リウマチは手足の関節に起こりやすいといわれていますが、頻度は少ないながら股関節にも発症します。

・腰椎椎間板ヘルニア・腰部脊柱管狭窄症

腰椎とは背骨の腰の部分を構成している5つの骨のことで、骨と骨とのクッションの役割を果たす軟骨があります。この椎間板が何らかの原因で正常の位置から外れて、後方の脊髄や神経根を圧迫する病気の事を腰椎椎間板ヘルニアといいます。症状として多くの場合腰痛の他におしりから足にかけて痛みやしびれが現れます。まれに排尿障害や排便障害が起こることもあります。

腰部脊柱管狭窄症は背骨の中にある脊髄が通る空間が狭くなる病気です。腰痛や足の痛み、しびれなどの症状を引き起こします。

どちらの場合も、腰の神経が刺激されて足の付け根に痛みが出ることもよくあります。

・鼠径部痛症候群(グロインペイン症候群)

ランニングや起き上がり、キック動作など腹部に力を入れた時に鼠径部やその周辺に痛みが生じます。何らかの原因で体幹から股関節周囲の筋や関節の柔軟性の低下による拘縮が起こることや、骨盤を支える筋肉の低下による不安定性、体幹と下肢の連動性の低下などにより股関節周囲の機能障害が生じます。サッカー選手に多くみられ、一度なると治りにくいのが特徴です。

 

股関節の不調

 

原因不明の股関節の痛み

 

病院で検査をしても特に異常がなく、原因が見当たらない場合も意外に多いです。

当院には、そのような病院に行っても特に原因が特定されないという方が多くご来院されています。

病院で股関節の痛みの原因が特定されていない場合でもお気軽にご相談ください。

 

股関節の不調に対する鍼治療

股関節の不調に対する鍼治療では、股関節周りの筋緊張の緩和痛みを抑える鎮痛効果のつよい鍼通電療法も行っていきます。

股関節の不調の鍼治療

 

鍼治療のほかお灸施術も行い、筋緊張の緩和やストレッチ・マッサージなども行うことで症状改善をはかります。

 

その他、股関節の不調がある場合、歩行時それをかばうためには腰部や膝部にも負担が強くかかる場合もあります。股関節の施術に加えて膝や腰・臀部の施術も合わせて施術を行っていきます。

 

股関節の鍼通電治療

触診や簡易検査などによって腰部や膝部にも異常が見られた場合それらも緩和して股関節の不調の治癒を早めるような施術を行っていきます。

股関節の不調では、過度な鍼刺激やストレッチは症状を悪化させてしまう危険性もありますので股関節の不調が起きている原因に合わせてその方々に合わせた施術法を合わせて施術を行っていきます。

 

 

不妊症の鍼灸

不妊症の治療

不妊症の鍼灸治療はWHO(世界保健機構)に適応疾患として定義されています。

WHOの適応疾患について←

①不妊に対する当院の施術

当院の不妊に対する施術は、第一に鍼灸治療を施すことにより全身の調整を図り、自律神経のバランスを整えることです。当院のはり灸施術は、交感神経を抑制し副交感神経の働きを促すばかりでなく、双方の神経の活動量を高めて自律神経のバランスを整えることが研究結果でも出ています。自律神経のバランスを整えることにより、妊娠しやすい体をつくります。

不妊症の鍼灸治療

東洋医学では局所的に診るのではなく、全体的に診ることが特徴のひとつであり、全身治療を行うことにより自然治癒力を高めます。また不妊は東洋医学的に診ると「」や「」の不調が原因で発症すると考えられているので、鍼灸治療を用いてツボを刺激することで「腎」の機能を活性化させたり、「肝」の機能低下・過亢進を抑えます。

・妊娠力をつける
妊娠力をつけるためには、「腎精」が重要であり、それは先天的なものが多くを占めますが、日々の食生活や規則正しい生活によりある程度補うことが可能です。当治療院では、治療により正常に食事や運動ができる体づくりやアドバイスを行っていきます。

・冷えを改善する
東洋医学では、血流低下や血流の滞りによる体の冷えは健康に悪いだけでなく、妊娠しづらい体となってしまうと考えられています。当院独自のお灸を施すことにより、体全体を温め、血流改善を促します。それにより月経不順や子宮内膜症の改善・予防を期待できます。

冷え性改善のお灸

・全身のリラックス効果
ストレスは、交感神経を過亢進状態へと導き、体のあらゆる機能に悪影響を与えるのはもちろんこと妊娠にも大きな影響を与えてしまいます。ストレスを受けると特に視床下部というホルモン指令部に影響を与えます。視床下部はホルモン指令部の役割の他に自律神経調整の中枢でもあります。強いストレスを受けて自律神経が乱れた状態だとホルモンバランスの異常をも引き起こします。
心地よい刺激での治療により全身をリラックス状態へと導き、交感神経の過亢進を抑制してホルモンバランスを正常に戻します。
その他不妊症の患者さんでは日中の頭痛・慢性的な肩こり腰痛・のぼせ・めまいなどを訴える方が少なくありません。そういった不定愁訴は身体にストレスを与え、妊娠に対してもよくないものです。当院では不定愁訴の改善を目的とした治療も並行して行っていきます。

 

不妊症の鍼灸治療

当院の不妊症に対する治療目的は、不妊で悩んでいる方の妊娠する確率を少しでもあげ、正常な妊娠・出産のサポートをすることです。妊娠するのはもちろん患者さん当人ですが、ご家族を含めた周りのサポートはとても重要なものとなっています。相談しやすい環境づくり、心地よい空間づくりを心掛け、日々診療しております。
また西洋医学とは違う東洋医学の観点により少しでも妊娠ができる機会を提供し、患者さんに少しでもお役にたてるよう尽力します。

 

②不妊症に対する東洋医学的考え

不妊症は、五臓六腑の「腎」と「肝」の働きが特に重要と東洋医学では考えられています。

<妊娠における「腎」の役割>
妊娠において特に重要なのが、腎で貯蔵される「精」というものがあります。それは、「腎精」とも呼ばれており、人体の生長・発育・生殖及び生命活動を維持する物質的な基礎です。これは、内分泌系全般の機能を指すものと考えられ、腎は妊娠に必要なホルモンバランスをつかさどっていると考えているのです。「腎精」が充実していると女性の場合、正常に月経が到来し、男性の場合は射精することができます。
また、「腎精」は、父母から先天的に受け継いだ要素が大きく、青年期に最も充実し、中年頃から次第に衰えて老化に向かいます。日々の偏った食生活やストレス・不摂生が続くいたりするとこの「腎精」が不足してしまい、ホルモン異常による排卵障害や着床障害、男性の場合ですと、造精機能障害を引き起こしてしまうのです。

<妊娠における「肝」の役割>
東洋医学でいう「肝」は血を蔵するとういう妊娠にとても重要な役割を持ちます。
「肝」は血を貯蔵し必要に応じて供給・消費します。血液循環の調節面では、自律神経系の作用を通じて血管を収縮あるいは弛緩させて体内各部の血流量を調整します。
女性の場合には、子宮に十分な血液を供給して子宮内膜や筋肉を順調に機能させ、またはホルモンバランスを調節して月経・妊娠・分娩が正常に行われるように調整することも含まれます。
このような「肝」の機能低下または過亢進が起きると、血が不足した状態やある場所で停滞してしまう状態を引き起こします。それは、月経不順や子宮内膜症・子宮および卵巣の妊娠力の低下につながります。また「肝」は精神的・身体的ストレスの影響を受けやすく、自律神経の過緊張を生させ、造精や精子の運動率低下に大きな影響をもたらします。

<「腎」と「肝」との関係>
東洋医学では「腎」と「肝」との関係は密接と言われており、両者の症状は同時にあらわれることが多く、「肝腎同源」ともいわれています。
「肝腎同源」は、女性の妊娠過程においてのホルモンバランスと自律神経系の関係を示しており、特に重要な関係となっています。

 

 

③不妊症の鍼灸治療症例

30代女性

現在不妊治療中で人工授精を行っている。原因は不明だがもともと卵子の量が少ないと医師から言われている。仕事が忙しく、運動不足や寝不足で身体の冷えやむくみ症状も強く、腰の痛みと時々下肢の痺れがある。

治療方針
まず自律神経測定器で自律神経のバランスを測定していきました。副交感神経が過亢進していたため、ホルモンバランスを整えるという観点から、まず自律神経のバランスを整える治療を行っていきました。同時に鍼と温灸器、灸を用いて下腹部を温め、ホルモンバランスを整える治療を行いました。その後うつ伏せで下肢のマッサージと冷えと浮腫みに対応する経穴に鍼と灸でアプローチし、仙骨部周囲の経穴に鍼と通電を行う事で、骨盤内の血流量を増加させる治療を行いました。下半身が全体的に冷えており筋肉の硬さが非常に強い状態で、関節の可動域制限が強かったため股関節と腰部のストレッチも行いました。

治療経過

◇1回目◇
まだまだむくみと冷えは強いが、治療後よく眠れたとの事。腰痛も少し軽減。

◇2回目◇
浮腫みは少し軽減した感覚はあるが、冷えがまだ取れない。腰痛は疲労が溜まると感じるが今は感じない。人工授精四回目を行ったが着床認められず。

◇3回目◇
足先の冷えは少しとれたが、医師から適度に運動した方が良いとの指示を受けたため、意識して歩くようにしているのだが少し歩き過ぎてしまったため下肢が筋肉痛。むくみは少し感じるが前ほど気にならない。

◇4回目◇
むくみが気にならなくなってきた。冷えも以前のように強くは無いがまだ感じるとの事。
人工授精を来週行う。

◇5回目◇
人工授精五回目行ったが着床認められなかった。下肢の循環は良くなっているように感じる。冷えと浮腫みも最初よりも半分ぐらいに軽減した感覚はある。

◇6回目◇
来週もう一度人工授精行う。それまでに体の状態を万全にしておきたいとの事。
体の調子は良いが少しむくみはある。

◇7回目◇
六回目の人工授精で着床成功。身体の状態も最初と比べると良くなっていると感じる。慢性の腰痛が軽減され、下肢の痺れもたまにしか出現しなくなった。下肢のむくみ、冷えは疲労が溜まると感じるが日常的に感じることは無くなった。

 

④不妊症とは

不妊とは、生殖年齢の男女が妊娠を希望し、一定期間性生活を行っているのにもかかわらず、妊娠しない場合をいいます。その一定期間については、アメリカや日本とは相違があり、日本では2年とされていますが、アメリカでは1年です。
女性・男性ともに年齢を重ねるに従って妊娠する確率が低下していきます。25歳以下の女性が妊娠するまでに要する期間が平均2~3カ月なのに対し、35歳以上の女性の場合は平均6カ月以上かかると言われています。
ある統計によると、生殖年齢の男女が避妊せずに性生活をおくった場合、一年で80%、二年で90%のカップルが妊娠するという結果が出ており、約10%のカップルが何らかの原因で不妊に悩んでいるとされているのです。
女性の社会進出や晩婚化、社会のストレス過多などにより不妊は現在でも増加傾向にあり、約100万組以上のカップルが不妊で悩まされているといわれています。
そういった状況下で早急に原因を検査することは重要なことであり、一年妊娠しなければ、病院へ行くタイミングの目安となるでしょう。

従来、不妊は女性側に原因があると考えられており家族から冷たい目で見られるなど、女性にとってとてもつらい思いをしてきましたが、現在では不妊の約半数は男性にも原因があるとされており、男性不妊という言葉も広く知れ渡ってきました。
WHOによる不妊の原因調査によると、女性のみの原因41%、男性原因のみ24%、男女に原因あり24%、原因不明11%という調査結果が出ています。

 

⑤妊娠するしくみ

妊娠しやすい性交のタイミングは、女性の生理周期によって決まっており、妊娠するしくみを知るということは、妊娠する確率をあげるためにとても重要なことでもあります。

女性の体は、初潮を迎えてから排卵と月経とを繰り返し妊娠に備えています。女性の卵子はすでに胎児の時から決まっており、それ以降増えることはなく、減っていく一方です。
月経が始まる頃に約20個の卵子からただ一つだけ卵子が選ばれ、排卵を迎えるまでに成熟していきます。この期間は個人差があり、もし低温期が長い場合はゆっくり成熟していることです。
そして、排卵を促す黄体化ホルモンが脳下垂体から大量に分泌され排卵がおこります。

 

卵巣から出た卵子は卵管へ移動し、受精が行われる卵管膨大部という場所に向かいます。
一方、射精された精子は子宮腔を通過し、卵管へと進出してきます。受精の行われる卵管膨大部にたどり着くまでに精子の数は100~200万分の1までに減少し、さらにその中で1個の精子だけが卵子と受精します。射精された精子は卵管内で4~7日くらい寿命があるといわれていますが、排卵された卵子は1日しか寿命がありません。しかも近年では、精子の数や運動率が低下しており、妊娠するためには性交のタイミングがとても重要となってきます。

また、卵子は年齢とともにダメージを受けて行き、体は健康そうに見えても卵子は老化しています。年とともに卵子の機能は低下しいき、一人目はすんなり妊娠したのに二人目の子供をもうけられないというのはこういった原因があるといわれてます。

よって10代後半~30代前半までが妊娠・出産の適齢期であり、40代になると能力は著しく低下し、50代以上ではほぼゼロに近くなり、50代以上の妊娠は非常に稀になるのです。

 

 

⑥不妊の原因(女性)

妊娠するためには、排卵・受精・着床と多くの行程をクリアしていかなければなりません。どこに不具合があっても妊娠することはできず、原因は多岐にわたります。
女性側に不妊の原因がある場合、子宮や卵巣など様々なことが考えられますが、複雑に絡み合い不妊を引き起こしている場合が少なくありません。

<排卵障害>
排卵障害とは、排卵が起こらないあるいは排卵が遅い状態のことをいいます。排卵障害は、不妊原因の15%をも占めるといわれています。
・視床下部や脳下垂体性による排卵障害
視床下部や脳下垂体に何らかの原因があり、卵子を成熟させるホルモン(卵胞刺激ホルモン)や排卵を促すホルモン(黄体化ホルモン)などが異常をきたし、排卵が起こりにくくなります。
その大きな原因が過度なストレスです。現代特有の社会のストレスやなかなか妊娠できないストレスまたはパートナーが不妊に無頓着という不満からくるストレスなど複雑です。そういったストレスを受けると特に視床下部というホルモン指令部に影響を与えます。視床下部はホルモン指令部の役割の他に自律神経の中枢でもあります。よって強いストレスを受けて自律神経が乱れた状態だとホルモンバランスの異常をも引き起こします。
ストレスによって月経リズムが崩れるのもこういった原因があるのです。

・高プロラクチン血症
乳汁を分泌するプロラクチンというホルモンがあります。その値が高くなると排卵を抑制することがあります。本来は、産後に多く分泌されて授乳中に次の妊娠を起こさせないようにするために排卵を抑制する役割があります。
胃潰瘍や心療内科系の薬の副作用として高プロラクチン血症となることもありますが、時間帯によって変化するホルモンであることから強いストレス不規則な睡眠冷えなどが関与している可能性があります。

 

多のう胞性卵巣症候群
卵巣周辺に多くののう胞が付着して卵胞が大きくなるに従って排卵しづらくなります。
原因は現代医学でも特定できていませんが、血中のホルモン値が高くなり、男性ホルモンの値も高くなるのが特徴で、ひげが生えたり、すねなどの毛が濃くなるといった男性徴候がみられるたり、肥満となることも多いようです。

 

・早発卵巣不全
ホルモンバランスが原因で排卵が起こらないのではなく、40歳よりも前に排卵すべき卵子がなくなってしまった状態をいいます。

 

<卵管障害>
卵管は卵巣と子宮をつなぐとても重要な器官です。射精された精子が通る部分でもあり、受精された受精卵が子宮に移動するために通過する部分です。この部分が閉塞すると精子や受精卵が通過出来ないため妊娠ができません。また、卵管の出口である卵管采が癒着すると、排卵された卵子がうまく卵管膨大部に移動できません。

・クラミジアなどの感染症
クラミジアや淋病などの感染症は、卵管に炎症を起こして卵管を狭くして通過させにくくします。

・先天性卵管障害
子宮や卵管の先天的な異常で構造的な障害が生じて卵管が閉塞することがあります。

 

 

<着床障害>
受精された受精卵は、卵管を通って子宮内に入り込み、受精卵は、子宮内膜としっかりとつながります。これを着床といい、これではれて妊娠成立となります。
この着床に原因があると妊娠できません。

・器質的着床障害
子宮内に腫瘍ポリープができているとその大きさや位置によって着床しづらくなります。子宮筋腫や先天的な子宮奇形などが知られています。

・ホルモンの問題による着床障害
厚くなった子宮内膜は、卵巣内の黄体から分泌される黄体ホルモンにより着床しやすい状態へ準備されます。しかしこの黄体の機能がうまく働かず、黄体ホルモンが十分に分泌されないと子宮内膜が準備不足となります。これを黄体機能不全といい、排卵日から次の月経までの日数が10日以下の場合に判断されます。

 

 

<抗精子抗体>
女性にとって精子は異物ですが、通常は精子に対する抗体がつくられることはありません。しかし、まれに精子に対する抗体ができてしまい、射精された精子が子宮に入ろうとしても抗体に攻撃されてしまい、動けなくなって受精が起こることがありません。

子宮内膜症
子宮内膜症とは、子宮内腔しか存在しない子宮内膜が子宮内膜層以外の骨盤内臓器で増殖することをいいます。好発部位として卵巣、卵管、腹膜、直腸、膀胱などがあります。
主な症状は、月経時痛で子宮内膜症患者の約9割に認められる症状です。子宮内膜ができる場所によって症状は異なり、卵管采周辺にできると卵子の卵管内への取り込みがうまくできなかったり、卵巣にできると卵巣内に血液が溜まってチョコレートのう腫ができます。
30~50%の方に不妊が見られます。

 

⑦不妊の原因(男性)

以前は、不妊の原因が女性側にあると考えられていましたが、現在では約半数は男性側にも原因があるといわれています。不妊で悩んでいるカップルは、男性も検査を受け原因を明らかにする必要があるかもしれません。
その原因は、精子がつくられる過程で何らかの問題が生じている場合や精子を運ぶ個所に問題がある場合またはうまく性交できない勃起障害なども近年では増えてきています。

<造精機能障害>
精子をつくる機能がうまく機能せずに十分な精子がつくられない状態をいいます。原因としておたふくかぜの罹ったことにより精巣炎が起こって精子をつくる組織に影響を及ぼす場合や染色体及び遺伝子に問題があり先天的に精子をつくる機能に影響がある場合などがあります。
造精機能障害は、男性不妊の9割以上も占めているといわれており、精子の数が少なかったり精子の運動率の低下または重症となると全く精子がつくられない場合もあるのです。
近年では、食生活や生活環境の変化から成人男性の精子数が減少しているという研究結果がでており、運動率も低下してきています。また寝不足や過労が続いた状態で精液検査をすると結果は悪くなります。
よって現代特有のストレスは、精子をつくる機能に影響を与えて男性不妊の原因になるといえます。

 

<精路通過障害>
精子を運ぶ精管が部分的に欠けていたり、狭くなって詰まっていると精子が正常に通過することができず、うまく射精ができません。原因は、先天的に精管に異常がある場合や炎症によって精管が閉塞する場合などがあります。

 

⑧妊娠しやすい体づくり

妊娠しやすい体づくりをするためには、生活習慣の見直しがとても重要です。

バランスの良い食事と同じような時間帯に食事を摂る、有酸素運動を中心とした運動習慣、十分な睡眠が特に重要です。

その他、卵巣機能は血行不良によって妊娠機能の低下に繋がりかねませんので下腹部が冷えないように対応することも必要です。就寝の際に腹巻をする・日中は腹部をホッカイロで温めることも有効な手段です。

ストレスのよって自律神経が乱れてしまうと血流状態もわるくなってしまうためストレスによる自律神経の乱れも緩和させることが妊娠しやすい体づくりには重要です。

具体的には、趣味の時間をつくることや有酸素運動を中心とした運動習慣などが挙げられます。

執筆者

清水大地

眼精疲労専門の鍼灸師

資格
はり師
きゅう師

2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好医院にて多くの臨床経験を積む

2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立

2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院

2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院

2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院

アキレス腱炎の鍼灸治療

 

①アキレス腱・周囲炎に対する当院の鍼灸治療

当院のアキレス腱炎・周囲炎に対する施術は、アキレス腱周囲のツボや痛みの強い部位に鍼をさして微電流を流すことにより血流改善・鎮痛作用を促します。腫れのひどい場合は、まずその腫れを引かすことを第一に考え、お灸なども施していきます。

アキレス腱炎・周囲炎は五臓六腑の「」と「」に深く関係しているので肝と腎に関するツボを用いて肝血や腎気を補うことやアキレス腱の気血の流れをよくします。また「風寒」や「湿」の邪気によって引き起こされる場合はそれらを体外に出す治療が必要があります。

当院で施術させていただいても変わらずにランニングなどのトレーニングをしていては、正直改善は見込めません。当院では、どういったことに注意すればよいのかといった生活指導なども行い、早期回復を目指します。

②アキレス腱炎・周囲炎の中医学的考え

東洋医学ではアキレス腱炎は、アキレス腱周囲の気血の運行がスムーズにいかずに気血が滞り、それが痛みや腫れの原因となると考えられています。寒く風のあたる場所にいた際に「風寒の邪気」を受けた時や湿度の高い場所にいて「湿邪」を受けた時、長い間体力仕事をした時などに気血は滞り、それがアキレス腱周囲であった場合にアキレス腱炎・周囲炎を発症する可能性が高くなります。

 

 

③症例

・主訴
50代 男性 アキレス腱炎

・症状
一年ほど前ゴルフのコースを回っていた時に左足首からふくらはぎに違和感を感じた。
痛みはあまりなく歩けないほどではないので、我慢して生活をしていたら徐々に痛みが悪化してきた。
整形外科を受診したところアキレス腱炎と診断され、湿布薬と消炎鎮痛剤が処方されたが、変化なかった。
自分で靴底を高くして対策をしたが、痛みがさらに強くなり当院に来院されました。

・当院の治療
左の足首は、右の足首と比べて熱感があり、炎症が続いているようでした。アキレス腱の一部は硬く一部隆起しているような状態でした。
まずは、炎症と痛みを緩和する目的で鍼灸治療を施しました。
また、足首の不調で歩き方のバランスが崩れてしまったせいか腰部の筋肉が硬くなっていたので、あわせて腰部をほぐすような施術を行いました。

・経過
◇1回目◇
治療後、アキレス腱の痛みは少し軽減して歩くのも楽になったが、次の朝にはまた痛みが戻っていた。

 

◇2~5回目◇
鍼灸治療に鎮痛効果が継続する時間が段々と伸びてきた。

 

◇6~8回目◇
アキレス腱に痛みを感じることはほぼなくなったが、ためにふとした時に痛みが走る時がある。アキレス腱の隆起はなくなり、硬さも取れてきた

◇9~10回目◇
痛みもあまり感じなく、ゴルフのコースもまわることができた。

・考察
体重も重く、膝や足首にかかる負担は相当大きいものと考えられた。最初の2~3週間は、炎症をとるため運動を控えていただき、食事の方も過食にならないように気をつけてもらいました。アキレス腱炎でご来院される方は、ランナーの方など比較的オーバーユースの方が多いですが、中年の方に関しては、体重増加により足首にかかる負担が増えていってしまったことも一つの大きな要因です。
日常生活では、アキレス腱に負担をかけ過ぎないようにすることや下肢のストレッチ、食事制限がとても重要になってきます。

 

④症例2

20代 男性

週末に仲間内でフットサルを行うことが日課となっているが、1か月ほど前からフットサル中にふくらはぎからアキレス腱にかけて違和感を感じることがあった。フットサルは体育館で行う時も屋外の人工芝で行うこともあり、違和感が出て2週間後の体育館でのフットサル中にアキレス腱の痛みを感じるようになってしまった。
インターネットで運動の前後でしっかりストレッチをした方が良いということが書いてあったためしっかりと運動の前にはストレッチを行うようにしたが、あまり改善が見られないということで当院にご来院されました。今は、週末のフットサルは控えているとのこと

治療
腰部の硬さやもも裏のはりなども感じられたため、そちらのほうから筋肉を緩ますような鍼灸・手技の施術を行ってからアキレス腱周りの施術に入りました。

◇1回目◇
治療終了後、腰やもも裏は筋肉の緩みはあきらかであったがアキレス腱の痛みは特に変わらず

◇2~5回目◇
アキレス腱の痛みが段々と軽減してきたとのこと。

◇6回目◇
だいぶ足の調子が良くなってきたので週末にフットサルを軽くおこなったが痛みは感じなかった。人工芝で比較的フカフカしている地面だとフットサルを行えるが体育館ではまだ怖さがあるの事

◇7回目◇
体育館でフットサルを行ってみたが痛みは出なかった。

 

⑤アキレス腱炎・周囲炎とは?

アキレス腱炎とはアキレス腱自体が微細な部分断裂などによって炎症を起こした状態でアキレス腱周囲炎とは、アキレス腱を包む結合組織であるパラテノンという物質の炎症です。アキレス腱は、膝裏の内側・外側に2頭もち合わせて「ふくらはぎ」をつくる腓腹筋と腓腹筋の下にある平らなヒラメ筋の両筋を合してつくられています。
アキレス腱は、丈夫でほとんど弾力性がなく、ふくらはぎの筋肉の力をかかとに伝える役割をしており、足関節後方で皮膚を保っていることが容易に触知できます。
歩行、走行、跳躍などの際の足関節底屈に大きな役割を果たす他に停止時やジャンプの着地時にも大きな張力が働く部分です。
アキレス腱は筋肉と比べると血液の流れが悪いところで、老化も進みやすいため、体重が急に増えたり、運動しすぎたりして過度に負担がかかると炎症を起こして痛みが出やすい部分でもあります。

アキレス腱炎・周囲炎の症状として主に疼痛腫れ軋轢音があります。

ⅰ)疼痛
アキレス腱のかかとへの停止部よりも内くるぶしのやや上の部分に多く疼痛が発症します。疼痛が主症状で動き始めの時に最もひどく痛みます。
初期の段階では、運動開始時の疼痛が強いにもかかわらず、我慢して運動を続行していると次第に痛みが軽減してくる特徴があります。痛みを我慢して無理に運動し続けるとアキレス腱はさらに硬くなり、瘢痕組織で占められ、運動している間も絶えず痛むようになります。

ⅱ)腫れ
疼痛が強い場合では、疼痛部に一致して紡錘状のアキレス腱の腫れが見られることがあります。目で見て容易に判断でき、腫れている部分には局所熱感を伴う事が多いです。

ⅲ)軋轢音
アキレス腱周囲の炎症が顕著な場合には、足首を曲げ伸ばしすることによってギシギシするような軋轢音を聞くことができます。

※アキレス腱断裂となる前兆も
健康志向の高まりにより、マラソンブームなど特に中高年となってから運動をはじめるという方が増えております。冬のマラソンブームとなると当院にも初めてフルマラソンを走って膝やふくらはぎなど下腿の痛みなどでご来院される30~50代の方が多くなります。その中には、しっかりと準備をせずにフルマラソンに挑まれる方も多くいらっしゃいます。そんな時に注意しなければならないのがアキレス腱の断裂です。アキレス腱が断裂してしまうと完治するまで3カ月以上もかかってしまいます。

その間は、足首などをギプス固定されるため歩くこともままになりません。
アキレス腱断裂は、若い方にも起こりうるものですが、若い方がなるアキレス腱断裂が、運動のし過ぎいわゆるオーバーユースに対して中高年の方がなるアキレス腱断裂は腱の老化が原因となる場合が多いです。30代を過ぎると特に筋肉や腱も老化します。腱はコラーゲン線維からできているため段々とその弾力性や柔軟性が損なわれてしまうのです。

腱がしなやかであれば圧力を分散させることが可能ですが、硬くなってしまっているため圧力が集中して断裂しやすくなってしまうのです。

アキレス腱断裂の前には、アキレス腱炎が前兆となる場合が多く、アキレス腱に痛みや違和感を感じることがあります。そのような場合は一旦運動を休むか負荷を小さくしてしっかりと治癒させることが重要です。

 

⑥アキレス腱炎・周囲炎の一般的治療

急性期には安静休養を行い、保存療法を主とします。
消炎鎮痛剤の外用や内服はある程度有効であり、疼痛がひどい場合には腱周囲組織にステロイ注射を行う場合があります。またかかとの部分を高くする足底板を使用して腱への伸展力を軽減することや腱の捻じれを抑制する内側ソールウェッジ、テーピングも有効と考えられています。
疼痛軽減後もウォーミングアップ、クールダウン時のストレッチングアイシングなどを行い、局所の炎症を予防する必要があります。

 

アキレス腱炎・周囲炎にならないために

 

アキレス腱炎・周囲炎を予防するためには、運動前のストレッチが特に重要です。

アキレス腱を伸ばすストレッチ、足を前後に開脚して後ろに引いた膝を伸ばした状態でアキレス腱をゆっくりと伸ばすストレッチ法や足首周りのストレッチも行うようにしましょう。

足首が硬い状態ですと地面からの負荷を足首で散らすことができずに直にアキレス腱に負担が大きくかかってしまいます。運動前に足首を回したり、足首を前後・内側・外側にゆっくりと伸ばして足首のストレッチを行いましょう。

また、運動も徐々に強度を上げていくことがアキレス腱炎・周囲炎の予防に繋がります。例えば、運動開始直後から坂道ダッシュや高くジャンプするなどアキレス腱に負担の大きくかかる運動は避けて徐々に運動強度を上げるように意識してください。

その他、普段運動不足の方はお風呂上りなど体が暖まった状態のときにアキレス腱を伸ばすストレッチを日ごろから行っておくとアキレス腱の柔軟性が保たれてアキレス腱炎・周囲炎を予防することができます。

あとは、運動する際の靴が大きかったりするとアキレス腱に負担がかかりやすかったり、かかとのすり減りで思いがけずにアキレス腱に負担がかかることがありますので運動靴にも注意するようにしましょう。

 

執筆者

清水大地

眼精疲労専門の鍼灸師

資格
はり師
きゅう師

2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好医院にて多くの臨床経験を積む

2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立

2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院

2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院

2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院

 

PMS(月経前症候群)の鍼灸症例

PMS(月経前症候群)の鍼灸治療

PMS(月経前症候群)は、生理前にイライラや気分の落ち込み、抑うつ状態などの精神的状態の変化や首肩こり・腰痛などの身体的変化が起こり、その症状は人によって様々です。
PMSは、たくさんの女性が悩まされており、主に20代~30代女性に発症しやすいとされます。PMSは、生理前のホルモンバランスの変化が身体に影響を与えるとも考えられていますが、はっきりとは原因は解明されていません。

しかし、ストレスの多い生活をしていると発症しやすいとも言われており、当院では自律神経の状態が影響を及ぼしているのではないかと考えております。

PMS(月経前症候群)のお腹への鍼灸治療

 

症状は人によって様々なものとなるため、初診時に問診でしっかりと症状を聞いていきます。そしてそれを踏まえましてその方に合った施術法をご提案させていただきます。

なお初診時に今の自律神経の状態を把握するため自律神経測定器で自律神経の状態を測定していきます。当院にPMSでご来院される多くの方は、交感神経の活動が高く、逆に副交感神経が低い状態です。交感神経は活動的な神経、副交感神経はリラックス神経ですので、常に体が活動体制で身体をリラックスできていない休めていないという状態です。その状態が長時間続いてしまうとPMS(月経前症候群)にかかりやすいと考えております。

 

また、東洋医学では五臓六腑の『』や『』の状態が乱れてしまいますと精神状態が乱れやすく、肝は肌肉をつかさどるとも言われているため筋肉の状態にも影響を及ぼしてきます。東洋医学的観点より『心』と『肝』の状態を整えていくことも重要だと考えて経穴を選択して鍼灸施術を施していきます。

PMS(月経前症候群)の鍼灸治療

 

生理痛の鍼灸治療について詳しくはコチラ←

首コリの鍼灸治療について詳しくはコチラ←

肩こりの鍼灸治療について詳しくはコチラ←

うつ病の鍼灸治療について詳しくはコチラ←

 

 

 

 

その他、身体を良い状態にてPMSを改善させるためには、生活習慣も重要となってきます。当院では、その方に合わせた生活スタイルのアドバイスも行っていきます。共通して言えることですが、リラックスできる時間を一日に出来るだけ多く設けることが重要です。

有酸素運動やゆったりとぬるま湯に半身浴をしながら読書をする・好きな映画や音楽を聴くなど趣味の時間をもってリラックスできる時間をつくりましょう。規則正しい生活リズムも必要です。深夜遅くまで起きていたり、食事も栄養バランスが偏っていてはホルモンバランスや自律神経にもよくありません。

PMS(月経前症候群)の鍼灸治療症例

 

20代女性

半年ほど前から生理前の気分の落ち込み、緊張感、胃の不快感、吐き気、便秘、首肩のこり頭痛に悩まされている。生理前以外にも、首肩こりや緊張感は日常的に感じている。婦人科にてPMSとの診断を受け漢方薬を処方されて現在も服薬を続けているが、効果があまり感じられない。

 

治療内容
自律神経測定器にて自律神経のバランスを測定したところ、交感神経が過亢進状態で精神的ストレスと肉体的ストレスが高く見られました。女性ホルモンと自律神経は脳の視床下部という同じ場所で指令を受けており片方が乱されるともう片方も乱されやすいという特徴がありますので、自律神経と女性ホルモンのバランスの両方を整える治療をメインに、内臓機能調整、首肩の筋緊張の緩和を治療として行いました。また、ご本人に自覚はありませんでしたが下肢の冷えが見られました。下

肢の冷えは骨盤内臓器の血流悪化による機能低下、ホルモンバランスの乱れに繋がると考えられるため遠赤外線やお灸をメインに下肢の冷えを除く施術も合わせて行いました。

 

 

1回目
現在生理前、施術後は体全体が温かく感じられてリラックスできた。首肩が軽くなり、頭痛が翌日から消失した。しかし段々と状態戻り頭痛はないが首肩こり感じる。他の症状現在は変化感じない。

 

2回目
大きな変化はないが、胃の不快感と吐き気、肩こり、頭痛は少し楽になっている。

 

3回目
日常的に感じていた肩こりや緊張感が和らいできたように感じる。現在は生理前ではないので体調は悪くないが、胃の不快感は食後に感じる。

 

4回目
仕事がハードで首肩こり徐々に戻ってしまった。現在生理前、落ち込み、緊張感強くはないが感じる。吐き気はないが胃の不快感はある。便秘気味でややおなかの張り感がある。しかし、排便が一日一回はある状態。以前は2日に一回程度だったため、状態良くなっていると感じる。

 

5回目
首肩こりが以前に比べると半減したように感じる。気分の落ち込みは感じることあるが、以前ほどではない。緊張感も徐々に和らいできている。胃の不快感は感じる頻度が以前より減った。しかし、食後のもたれ感有り。

 

6回目
そろそろ生理前だが、現在は体調が良い状態。胃の調子が良くなり、最近は胃の不快感はほとんど無い。肩こりも仕事が忙しいとそれなりに感じるが痛むことや不快感は無くなった。

 

7回目
現在生理前、約3日後位に生理が来ると思われる。今月は治療始めてから一番調子がよく、気分の落ち込み、緊張感、胃の不快感、吐き気、便秘、首肩こり、頭痛あまり感じなかった。状態が安定してきたので少し治療間隔を空けて通院する。

 

8回目
そろそろ生理前、一度首肩こり強く頭痛が出現した時があったが、現在は消失している。胃腸の調子現在は良く、緊張感も仕事中は感じるが、以前に比べればずっと楽になった。

 

9回目
現在生理前、気分の落ち込み、緊張感、首肩こり、全くないことはないがあまり気にならなくなった。頭痛は出現していない。排便は一日一回有るが、やや残便感ある日もある。胃の調子は良い状態続いている。症状が安定し日常生活に支障無くなったため、体調悪化した際にまた来院したいとのこと。

 

PMS(月経前症候群)のセルフケア

PMS(月経前症候群)をケアするには、ストレスを溜め込まないことや規則正しい食事や運動、睡眠などの生活習慣が重要です。

PMS(月経前症候群)は、ストレス過多の状態ですと症状が強く出る傾向があります。

ストレス過多の状態ですと自律神経が交感神経優位となっている場合が多いです。セルフケアでは、副交感神経の働き高めるようなリラックスできる空間づくりや習慣が必要です。

半身浴や趣味に没頭する、睡眠をしっかりとる、映画を見るなど副交感神経の働きを高める行動は千差万別なので自分にあるリラックス法を見つけ出しましょう。

また、誰でもできる副交感神経の活動高める方法として呼吸法があります。浅く速い呼吸ですと交感神経の活動が高まりやすいのでゆっくりと吐く息を意識してそのあと息を吸う深呼吸を意識的に行うことで副交感神経の活動が高まります。

基礎体温をつけて月経がいつ来るのか予測すると症状に対処しやすいこともあります。月経前には、塩分や糖分の多い食べ物は避けてビタミンB群やミネラルなどを意識的に接収すると良いでしょう。その他、女性ホルモンに似た働きをするイソフラボンを摂るのも良いです。
イソフラボンは大豆製品に多く含まれます。

 

執筆者

清水大地

眼精疲労専門の鍼灸師

資格
はり師
きゅう師

2008年
鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む

2011年
おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立

2014年
中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院

2016年
渋谷α鍼灸整骨院を開院

2018年
三軒茶屋α鍼灸院を開院

モートン病に効果のある鍼治療

モートン病の鍼灸治療

モートン病の方は足のアーチが崩れてしまっているケースが多くありますので、足の矯正も大きなポイントになります。

そのため腰部、臀部、大腿部、下腿部などの重要なツボに鍼やお灸で刺激を与え骨盤や股関節、膝関節、足関節のバランスを整えたうえで患部の治療に移ります。

モートン病のうつ伏せ鍼灸治療

神経の圧迫の軽減や組織の回復を促進させるため足部の筋緊張の緩和と血液循環を促進させる施術を行います。また、場合によっては痛みの強い部分に鍼に微弱な電気を流すことで鎮痛効果を促していきます。

お灸には炎症を抑える抗炎症作用があることが特徴です。モートン病に対しましても痛みの強く出ている炎症部位にお灸を施すことで炎症を抑え症状を緩和させていきます。

モートン病の鍼通電治療

合わせて内臓機能免疫機能全身の血流などを司る自律神経を整える施術も取り入れ、体の自然治癒力を高め、体の全体的なバランスを整えます。

 

モートン病の東洋医学的考え方

中医学では関節痛や神経痛など体の痛みを総称して「痺証(ひしょう)」と呼びます。

「痺」は詰まって通じないという意味を持ち、体外の風や湿気、乾燥、寒さ、熱などの自然の変化でこれらに対応できなくなることや、貧血、過労、老化などにより代謝が落ち、血流が悪くなったり、ストレス、コレステロール、中性脂肪、高脂血症などの余分なものが体内に溜まって「痺」を起こすと考えられています。

足部の経絡として足の陽明胃経足の太陰脾経足の厥陰肝経足の太陽膀胱経などがあります。それらの経絡が弱っている可能性もありますので脈診や腹診から診断して弱っている経絡のツボを多く用いて施術を行っていきます。

 

モートン病とは

モートン病は、足の甲から足先もしくは足裏の足先端の方へ及ぶ神経痛のような疼痛知覚障害が生じる疾患です。

その病態は、足趾に行く神経が中足骨間を連結する靭帯(深横中足靭帯)のすぐ足底部を通過するため、この靭帯と地面の間で圧迫されて生じる神経障害で、圧迫部の近位には仮性神経腫という有痛性の神経腫が形成されます。

中年以降の女性に多く発症し、足の指の第3趾(し) 、4趾に好発します。

第3、4趾間には内側足底神経と外側足底神経が合流しているためストレスがかかりやすく神経の肥厚神経腫が出来やすいという解剖学的特性が原因と考えられています。

モートン病の原因

 

モートン病の本質的な原因はまだはっきりとは解明されていませんが、普段の生活で足に繰り返し生じる負担が主な原因と考えられています。

・ハイヒールの常用
・幅の狭い靴や底が薄くて硬い靴
・硬い地面や床の上での運動
・中腰やつま先立ちが多い作業

 

などが原因になることがあります。槌趾変形(マレット指)がある場合にも同様な姿勢で生じやすくなります。

また、足のアーチの崩れや、体の重心の歪み(股関節や膝関節の歪み)なども(扁平足)ふくらはぎの筋肉が過度の緊張状態となり、足底のアーチが低下しモートン病に繋がる一つの原因と考えられています。

 

症状

体重をかけると足の第3趾~4足趾間や第2~3足趾間の刺すような痛み、灼熱感、しびれ、けいれんなどが趾の間や足底の盛り上がった部分に起こり、歩くと強くなります。

痛みは強いことも少なくなく、時には下腿まで及ぶこともあります。また、障害部位は2-3、4-5足趾間に及ぶこともあります。立ち止まったり、靴を脱いだりすることで痛みは軽減します。

 

西洋医学的治療

 

診断は障害神経の足趾間に感覚障害があり、中足骨頭間足底に腫瘤とティネルサイン(神経障害部位をたたくとその支配領域に疼痛が放散する)があれば診断は確定できます。

また、足趾を背屈するか、つま先立ちをさせると痛みが強くなります。確定診断としてX線(レントゲン)検査、筋電図検査、MRI検査、超音波検査などを必要に応じて行います。

治療として一般的に保存療法が基本となります。自分に合ったインソールや中足骨パッドを作り足にかかる負担を軽減したり、炎症を抑えるためにステロイド注射を行うことがあります。

保存療法で改善しない場合は手術療法が選択されます。痛みのある神経の近くの靭帯を切り、神経にかかる圧力を軽減させます。また、神経腫が大きい場合は取り除くという方法もあります。

 

頚椎ヘルニアの鍼治療

 

頚椎椎間板ヘルニアの鍼治療

 

鍼灸では患部周りの経穴を使い鎮静目的で鍼をしたり、お灸などで炎症をひかせます。

鍼灸治療を行うことで周りの筋緊張が緩和されて症状が改善されることが期待できます。頚椎椎間板ヘルニアでは頸部の筋緊張によって頚椎が圧迫されて神経根症状が誘発されることがあり、鍼灸治療では筋緊張を緩めることにより解消していきます。

お灸はその部分を火傷を負ったと脳が感じ取ります。するとそれを修復させようと白血球などの修復細胞や貪食細胞が集まってきます。すると、飛び出したヘルニアの部分を貪食細胞が除去することによってヘルニア症状が軽減されることが期待できます。

 

頸椎ヘルニアの鍼治療

 

 

当院では、温熱療法や電気鍼療法などの物理療法を行ったり、関節を整えて患部の負担を減らして改善させていく方法も行います。

首のマッサージ

 

 

 

一般的治療法では、外科的治療法保存療法があります。

外科的治療法とは手術のことで、手術を選択されて症状が改善することが多いですが、症状が全くされない・悪化してしまうというケースも稀に見られます。

保存療法は、激痛後は安静していただいて、落ち着いてからお薬や注射をする場合と、牽引療法温熱療法などの理学療法を行う場合もあります。

 

頚椎椎間板ヘルニアの治療

 

 

 

頚椎椎間板ヘルニア

 

頚椎椎間板ヘルニアは交通事故のむち打ちなどで多く見られる症状の一つです。

これは頚椎の骨と骨の間にあるクッション作用のある椎間板が後ろの脊髄神経を圧迫させてしまうものです。

このクッションとは骨と骨の連結部で動きを滑らかにすることや重力や衝撃に対してのクッション材になります。このクッション材は加齢とともに水分が減り柔軟性が乏しく変化していくものです。

繰り返し同じ方向の力が加わるとこのクッションが変性してしまい、若い人でもこの頚椎椎間板ヘルニアになることもあります。

このクッション材が交通事故の衝撃により変性して後ろの脊柱管にある脊髄や神経根を圧迫させることで椎間板ヘルニアになります。

ちなみにヘルニアとは本来あるべき部位から脱出した状態をいいます。俗に言うヘルニアですが、これは頚椎や腰椎の椎間板ヘルニアのことになります。

その他にも腹部の内臓が脱出する鼠径ヘルニア食道裂孔ヘルニアなど多くのヘルニアがあります。

 

スマートフォンやパソコン作業が多くなっている現代では、その首に負担のかかる姿勢からストレートネックとなってしまい頚椎椎間板ヘルニアになってしまう危険性があります。

頸部は生理的な湾曲といって少し前側に曲がっています。それは、頭の重さを分散させるためですが、その湾曲がなくなってしまった状態ですと頭の重さが直に頸部にかかってしまうことで椎間板を圧迫してしまい頚椎椎間板ヘルニアになってしまうことがあります。

 

 

 

頚椎椎間板ヘルニアの症状

 

これは脊髄症状を伴う重い症状から神経根症状を伴う軽度のものまであります。

脊髄障害は、人間の中枢神経になります。この中枢神経が障害されると、幅広い範囲で症状が現れたり、生活する上で重篤な症状になることもあります。

排尿困難、膀胱障害や直腸障害など内臓系の異常もあります。

その他にも

・四肢の痺れや感覚異常

・四肢の運動機能が低下する

があります。

症状が片側でしたら神経根の症状が考えられます。

内蔵系や両側に症状がでた場合は脊髄障害などが考えられますので、お早めに近くの病院でMRIやレントゲンなどの検査を受けていただいた方がいいです。

 

頚椎椎間板ヘルニアにならないために

 

頚椎椎間板ヘルニアになってしまう大きな要因は、普段の姿勢にあります。パソコンやスマートフォンが普及した現代では、前傾姿勢で背中は猫背となってしまい頸の負担は増加の一途をたどってします。

この姿勢を長時間続けてしまいますと、首や肩の筋肉に負担が大きくかかってしまうことで血流が悪くなってしまい乳酸などの疲労物質が溜まってしまうことでコリや痛みの原因となってしまいます。

長時間のそういった姿勢は避けて、細めに休憩を取る必要があります。休憩の合間に背筋を伸ばすストレッチや頸部の筋緊張緩和のためにゆっくりと頸部を回すようなストレッチを行いますと筋緊張緩和が見込まれて頚椎椎間板ヘルニアの予防に繋がります。

 

執筆者

清水大地

眼精疲労専門の鍼灸師

資格
はり師
きゅう師

2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好医院にて多くの臨床経験を積む

2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立

2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院

2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院

2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院