首コリの鍼灸治療

首コリに対する鍼灸治療

首コリに対する当院の治療は、第一に首回りの筋緊張の緩和を目的に鍼灸施術中心に行っていきます。また、首周りのコリがある方の多くは肩甲骨まわり等も筋緊張が見られる方が多くそれらの筋肉もほぐしていきます。

首コリの鍼灸治療

 

また、自律神経のバランスを整える自律神経調整施術も行っていきます。

首コリの自律神経調整治療

 

上述したように首コリにも自律神経の乱れが関係してくる場合が多く、場合によっては最初の問診時等に自律神経測定器で現在の自律神経の状態を測定していく場合もございます。

首やその周囲に対する局所的な施術にプラスして全身的な自律神経のバランスを整える施術を行うことで根本的な治療を行っていきます。その他、東洋医学的観点から五臓六腑のどの臓腑が弱っているかを診断して五臓六腑の働きを正常に戻すツボも用いて施術を行っていきます。

また、マッサージやストレッチなどの手技療法も行っていき、鍼灸施術との相互効果を狙っていきます。

首コリの鍼通電治療

 

首コリを予防する生活習慣

運動やストレッチを行う
日々の運動習慣特に有酸素運動(ウォーキングや軽いジョギング)を取り入れると全身への血流が良くなり、コリの解消に繋がります。また、自律神経も整える効果があります。その他、デスクワーク中はこまめに休憩を入れて首を回したり、ゆっくりといろいろな方向に首を倒すことでストレッチを行いましょう。

 

軽く自分でマッサージする
マッサージは、強くやりすぎてしまうと筋肉を傷めつけて傷んだ筋肉を再生しようとして筋線維が硬くなってしまう危険性があります。自身での強めのまっさじは厳禁です。軽く押す程度、さするだけでも血流が促されて首コリの解消・予防に繋がります。

パソコン作業の増加やスマートフォン操作などで、首コリで悩まされている方が増えています。

パソコン作業やスマートフォン操作をするときには、首は前傾します。頭の重さは、体重比率で約10%ほどにもなると言われ、首が長時間前傾してしまうことで頸部の筋肉などの組織に負荷をかけてしまうのです。その状態が続いてしまうと首コリばかりでなく、頸部の生理的湾曲が失われてしまうストレートネックという疾患にかかってしまう危険性もあるのです。

ストレートネックは、首コリばかりでなく、頭痛吐き気上肢の痺れなどにも繋がることもあります。

頸部は自律神経を調節する自立神経節や脳や目などに栄養を送る重要な動脈が走っていたり、上肢へ巡らす血管や神経も通っています。よって首コリはそれらにも影響を与えてしまう危険性もあるのです。

・自律神経失調症の鍼灸治療について
・頭痛に対する鍼灸治療について

 

寝違え

首コリの原因

長時間のデスクワーク

長時間のデスクワークは首コリの最大の原因となります。パソコン作業時の姿勢は気を付けていても首コリが起こりやすい姿勢となりがちです。少しの時間でもいいのでこまめに休憩をはさんで首を動かしたりストレッチを行う必要があります。

 

 

運動不足による筋肉の硬さや血行不良

運動習慣が日常的にない方は、首コリにかかりやすいとされています。筋肉は動かしたりストレッチすることで柔軟性が保たれます。逆にその柔軟性を失ってしまいますと頸部の場合、頭部の重さの負担が筋肉の柔軟性がないために過度にかかってしまうために筋肉のコリとなって現れていしまいます。

 

 

自律神経の乱れ
自律神経特に交感神経の活動が活発な状態が長時間続いてしまいますと、筋肉は科緊張状態、さらに血管は収縮された状態が続いてしまうことでコリの原因となってしまいます。

自律神経には、交感神経と副交感神経とがあり、日中は活動的な神経である交感神経の活動のほうが副交感神経の活動よりも優位になります。逆に夕方から夜にかけては副交感神経の活動が交感神経の活動よりも優位なります。

しかし、現代では仕事が夜遅かったり、夜に活動的になる機会が多く、夕方から夜にかけても副交感神経の活動が高まらずに一日を通して交感神経の活動が高くなりがちです。

すると、身体はしっかり休むことができずに筋肉にも悪影響をもたらしコリの原因となってきます。

また、頸部には自律神経を調節する自律神経節が多く張り巡らされており頸部のコリはさらなる自律神経の乱れを起こしてしまう悪循環に陥ってしまう危険性もあるのです。

そこで当院では、首コリ症状に対しましても自律神経の状態を整える事がとても重要だと考えて施術してまいります。

 

 

寒さによる筋緊張
夏では、冷房の風が頸部にあたっていたり、冬マフラーをしないで外出して首が寒さにさらされてしまうと筋が緊張して首コリの原因となってしまう危険性があります。

寒さで一時的に首回りの筋肉が緊張してしまっても運動やストレッチ等でほぐせればよいのですが、それを放っておいてしまいますと頑固な首コリに悪化しかねません。

首コリの中に隠された疾患

首コリ症状で慢性的に悩まされている方の中には、その中に隠されている疾患がある可能性もあります。

・頚椎椎間板ヘルニア

頸椎と頸椎との間にあるクッションの役割のある椎間板が圧迫されて飛び出してしまうことでその間から出ている神経を刺激して痛みが生じます。特に首を後ろに曲げると首周囲に痛みや腕や手のほうに痛みやしびれ感が走ります。

頚椎椎間板ヘルニアは、様々な原因が考えられますが首コリが原因となって起こってしまう場合があります。首コリが起きているということは首回りの筋肉が過緊張状態ということです。すると、筋肉にある本来の柔軟性が損なわれてその周りの関節や靭帯に負担がかかってしまうことで首に関しましては頚椎椎間板ヘルニアにかかってしまうことがあるのです。

・変形性頚椎症

変形性頚椎症は、加齢によって頸椎と頸椎との間にあるクッションの役割のある椎間板が硬くなってしまうことで神経を圧迫して首コリや痛み、腕の痺れなどもあらわれます。

・むちうち

むち打ち症とは、よく車の衝突事故時にみられる疾患です。頸部が不意に衝撃を受けてしまう事で関節に捻挫が起こってしまうことで首への痛みや筋肉の凝りが起こってしまいます。頸部は非常に繊細な部分でその部分が孫作用されてしまうことで倦怠感や頭痛、吐き気等の全身症状も後遺症として残ってしまう危険性もあります。

・更年期障害

女性は、閉経前後でホルモンバランスの急激な変化によって心身に様々な不調が起こりやすくなってしまいます。特に自律神経の乱れが見られることで全身の凝りや疲労感、のぼせや急な火照り、イライラ感などがみられることがあります。更年期障害の症状の1つとして首コリも挙げられます。

・高血圧

高血圧は特に自覚のない場合が多いですが、まれに首肩コリなどの全身症状が高血圧によってあらわれることがあります。

・眼精疲労
目の周りの筋肉は頭部を経由して首の方まで連動しています。眼精疲労によって眼輪筋など目の周りの筋緊張が起きてしまうと首の筋肉の緊張状態にもつながってしまうことで首コリの原因となります。逆に首コリも頸部の下の目へ栄養素を送る重要な血管を圧迫して栄養ある血液が目へ行き届きにくくなってしまいます。そのような状態となってしまいますと悪循環で改善させるのにも時間がかかってしまいます。

眼精疲労の鍼灸治療について

 

首コリ症例①

20代 女性

 

現在学生で、10代のころは首肩コリに無縁だったが、最近パソコンでの論文作成で首コリがひどく感じるようになった。

とくに右側の付け根から肩にかけてがつらく、左を向こうとすると動きにくく少し痛みも感じる。

首コリがひどくなると締め付けられるような頭痛がして、不眠になる。

今まで我慢してきたが、日常生活に支障が出てきたので、当院に来院した。

 

 

当院の施術

 

まず自律神経測定器で、自律神経のバランスを見てたところ、交感神経が強く働きすぎていることがわかりました。また、運動不足のせいか血管年齢も少し老化していました。

まず仰向けで自律神経の調節治療を行い、それに加えて頭に刺鍼をし電気を流して頭の筋肉を緩めていきました。

次に、うつ伏せで首肩や肩甲骨周りの硬結に刺鍼し、頭と同様に電気を流して刺激を入れました。最後に首の動きを確認したところ、まだ硬さは残っているがスムーズに動けるようになりました。

 

 

1回目

硬さはまだ残っているが、引っかかりが取れて動きが良くなった。

 

2回目

まだコリは硬いが、前回終了後よく眠れた。

 

3回目

筋肉が緩んできた感じがする。以前より首のつらさが少ない。

 

4回目

首がスムーズに動かせるようになった。

 

5回目

ほとんど気にならない

 

現在もメンテナンスのため定期的に通院中

 

首コリ症例②

30代女性

仕事が忙しくパソコンを長時間使用していると首が痛く感じるようになった。

動作時痛はなく、常に重く痛い。

はじめは寝たらもとに戻っていたが、ここ2ヶ月は寝てもよくならない。

頭痛は1週間に2回ほど。夕方をすぎるとギューと締め付けられるような頭痛やこめかみが痛くなる。鎮痛薬はのんでいない。自分で軽くマッサージをすると楽になる。

あと1ヶ月は忙しい状態が続くため、はやめにコリをとりたい。

 

当院の治療

触診したところ、特に後頭部のコリが強く、そこから肩や肩甲骨にかけても硬さがでてきていた。睡眠時間も短く身体が全体的に緊張状態にあったため、全身の治療も併せて行う。

まずは仰向けで自律神経を整え、副交感神経を高める施術を行った。腕の硬さも強いため、お灸施した。

次にうつ伏せで首や背中、腰の反応点を中心に施術を行った。

最後は首の一番つらい場所に手技をして施術は終了。

 

1回目

施術後は首がまわしやすくなり、頭が軽くなった。

目も開きやすい。

 

2回目

前回後3日程は調子よかったがもとにもどってしまった。

刺激量をすこし増やして前回同様の施術を行った。

すこし重だるさが残った。

 

3〜6回目

翌日体全体がすっきりした。

1週間に1回ペースで続けるうちに首の筋肉がやわらかくなった。

 

7回目

首のこりはよくなった。

今後は3週間に1回のペースでメンテナンスを行う。

 

 

症例 3

30代 女性

10代の頃から慢性的な首コリはあったが、ここ最近コリを強く感じるようになってきた。

きっかけはリモートワークに切り替えた事から始まり、徐々に悪化しているような気がする。ひどい時は後頭部から側頭部にかけて締め付けられるような鈍痛が走り、数日は治まらなくなる。

会社に出社していた頃よりリモートワークに切り替わってから、パソコンに向かっている時間がどうしても長くなってしまい、通勤がない分外に出て歩くことが著しく減少したため、同じ体制で動かない時間が長くなっている。もちろん、運動不足の自覚あり。

頭部を前と外側に傾けると首のコリが強く引っ掛かりを感じ曲げずらい。

じっとしていても重だるさが辛いため、少しでも改善を願い来院した。

当院の施術

まず、全身の血流促進や自然治癒力を高めるために仰向けで自律神経調節の目的とした施術を行いました。

次に、うつ伏せになり首肩のコリやトリガーポイントに刺鍼し、、電気を流す低周波鍼通電療法で筋緊張を緩める施術を行いました。

施術間隔は最初の1,2か月は週に1~2回。

症状の改善に合わせ間隔を少しずつ空けていきました。

 

経過

1回目

施術当日は軽くなったが、翌日には戻ってしまった。

2回目

首が回りやすくなったが、仕事をしていると首の凝り感やだるさが気になる。とくに夕方から夜にかけてがひどい。

3回目

前回より首が軽くなった。つらさもあまり気にならなくなってきた。

4回目

夕方以降は多少つらくなるが、あまり気にならない程度まで改善。

 

執筆者

清水大地

眼精疲労専門の鍼灸師

資格
はり師
きゅう師

2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む

2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立

2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院

2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院

2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院


Posted by 中目黒の鍼灸院 東京α鍼灸院|眼精疲労 at 12:40 / 院長コラム コメント&トラックバック(0)

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