眼瞼けいれんの鍼灸治療

眼瞼けいれんに対する当院の鍼灸治療

 

眼瞼けいれんの鍼灸治療方針

当院の眼瞼けいれんに対する治療の目的は、第一に目の周辺の経穴に鍼をさして目の周りをお灸で温めることにより目の血行状態をよくします

 

眼瞼痙攣の鍼灸治療

また眼瞼けいれんは五臓六腑の肝に深く関係しているので肝に関する経穴を用いて肝血を補うことや肝気の巡りをよくします。
また腹部や背部の重要なツボをはりやお灸で刺激することで、自律神経を調整する治療を施します。
部分的な治療ではなく全身を治療することは東洋医学の特徴でもあります。全身治療を行うことにより人間が本来もっている自然治癒力を高めます。中国では眼瞼けいれんに対する鍼灸治療は有効とされています。

眼瞼痙攣の鍼治療

 

治療間隔の目安は、治療開始時は週に2回もしくは1回程の治療間隔です。症状の程度にもよりますが、治療開始して数回で症状が軽減または消失することもあります。ただし、治療開始して間もなくは症状がまた出てしまう事も多いため最初のうちは気を抜かずに定期的に施術を受けられることをお勧めします。

多くの方は治療を開始して1か月程で治療間隔を延ばしていきます。ただし眼瞼けいれんの原因は、ストレスや薬の副作用、繊維束収縮など多岐にわたるため症状の重症度によっても効果には個人差があります。一番重要なことは治療を続けていく中で原因となるを改善させることですので生活習慣の改善や意思への薬のご相談をお願いする場合もあります。

 

 

眼瞼けいれんの東洋医学的考え

東洋医学では五臓六腑の「肝は目に開竅する」といわれており、眼の疾患は肝の機能の障害が深く影響していると考えられています。
肝は肌肉を主る」とも言われており、筋肉との関係もとても深いです。

「肝血」が不足してしまうと視覚の異常や運動系の異常などがみられます。そのほか肝は運動神経系の調節に関係があると考えられています。
眼瞼けいれんは、目の筋肉の異常で目そのものにも影響が出るので、東洋医学では、「」がとても深く関係していると言われています。
また、肝は精神情緒の安定、自律神経系を介した機能調節もおこなっており、それらの機能低下は眼瞼けいれん引き起こすひとつの原因となっているかもしれません。

 

 

 

眼瞼痙攣の鍼灸治療症例

30代 男性
仕事はデスクワークで一日中ほぼパソコンを見ながら仕事をしている。仕事以外の時でもスマホ画面を見る時間が長く、目をとても酷使している。夕方や夜になるとよく目の疲れを感じていたが、朝起きると目の疲れはある程度軽減されていた。ある時、徹夜でパソコン作業をしていたところ、右目の下まぶたがけいれんするようになってしまった。その後睡眠をとったらけいれんはなくなったが、その日から目が疲れてくるとしたまぶたのけいれんが起きるようになってしまった。

日に日にけいれんする頻度や時間が長くなっていってしまったので不安になり、眼科を受診したが特に異常は見られずに目の使い過ぎだと言われた。ビタミン剤を処方されたが、全く改善されなかったため当院にご来院された。

 

治療
まず自律神経測定を行い、自律神経の状態を検査していきました。結果、自律神経の状態は乱れていたため、自律神経の調整療法と首肩の筋緊張を緩めてから目の周りを施術していきました。
◇1回目◇
1回目の治療後は特に変化なし。身体は軽くなったと感じた。

◇2回目◇
治療をした2日後まではけいれんは起きなかった。

◇3回目◇
けいれんしてもけいれんする時間が段々と短くなってきた

◇4回目◇
けいれんをあまり感じない。たまに軽くけいれんすることもあるがあまり気にならない程度

◇5回目◇
5回目の治療後からほぼけいれんは起きなくなった。

 

症例2
30代女性
当院にご来院される1年ほど前から左目のまぶたと涙袋のあたりがけいれんするようになった。仕事は主にパソコン作業で初回人となり目を酷使している生活が続いていたが、けいれんの症状が出始めたときは特に仕事が忙しくなったというわけではなかった。症状は一年前と比べると今は段々と悪くなっていると感じている。眼科でも診てもらったが特に原因はわからず、目薬を処方されたが特に改善されなかった。今では、仕事中も目が気になって仕事に集中できないほどとなり、朝目覚めて顔を洗う時からすぐにけいれんが気になるようになってしまい、どうにか改善されないかということで当院にご来院された。

治療
運動習慣も特になく、足はむくんでいて手の先や足先はとても冷えており、全体的に血流が良くなかった。自律神経測定器の結果も交感神経の活動が過亢進状態で自律神経の乱れがみられた。まずは、心地よい温度でのお灸施術などで自律神経の乱れを調整したうえで頸肩の筋緊張の緩和と目の周りにはり灸施術を施して改善をはかりました。

◇1回目◇
1回目の治療後から治療効果を感じた。今までまぶたの揺れ幅が仕事中でも気になっていたがその程度が軽減された。

◇2回目◇
2回目治療終了後からまたさらにまぶたの揺れ幅が小さくなったと感じた

◇3回目◇
けいれんが感じない時も出てきた。仕事中は集中していてほとんどけいれんが気にならないほどとなったが逆に人との会話中など顔の筋肉が動くとそれと連動して左目のけいれんが気になる。

◇4回目◇
日常生活のなかでも3分の1ほどはけいれんしなくなった。ふとした時にけいれんしているなと感じる程度

◇5回目◇
また眼科を受診したところけいれんがある程度おさまったと判断されて薬を処方されなかった

◇6回目◇
薬を飲まなくなっても左目の状態は良好。ほぼけいれんを感じない。ほんとにごくまれに触れているなと感じる程度。

 

症例③

60代 女性

2年前ほど前から外的な刺激によって目の周りが勝手に力がひってしまって目をつむってしまう症状に悩まされていた。だんだんと症状が強くなって1年前くらいに病院を受診。眼瞼けいれんと診断を受けた。

趣味でテニスを週に4日ほど行うがここ最近症状が強く、テニスを行っている最中にも眼瞼けいれんが起きてしまい目を開けていられずにボールがよく見えない状態にまでなってしまったため何かいい方法はないかと当院を受診されました。

病院では、4回ほどボトックス注射をしたが最初は効果を感じられたが徐々にその効果を感じにくくなっているとのこと。

当院の施術

目の周りの施術を中心に行い、眼の周囲の眼輪筋や前頭筋・側頭筋などにアプローチを行っていき改善をはかっていきました。鍼治療も受け慣れているということでしたので、初めから鍼通電療法を目の周りの経穴に行っていきました。

3~6か月に一回のペースでボトックス注射を受けているとのことでしたのでボトックス注射も鍼灸治療と並行して受けていきます。

屋外でテニスをすることが多く太陽のまぶしさで目をつむってしまうことが多い。

鍼灸治療は半年間継続して1~2週間ほどのペースで受けて頂きまして反応を見ていきました。治療行って2ヶ月ほどで徐々に調子のいい日も出てきてテニスや車の運転をしていてもつらさを感じない時も出てきた。週に2~3日ほど。

4か月経過したところでは。テニスをしている時はあまり眼瞼けいれんは起きずにシニアの大会で準優勝するまでに回復。テニス以外の日常生活、日差しの強い日などにたまに症状が強く出る。

5か月目以降だんだんと眼瞼けいれんの状態が回復。ボトックス注射も並行して受けて頂き、治療効果の継続ができてきて定期的な治療を終了。目に違和感を感じたりしたらまたご来院していただくようにしました

眼瞼けいれんとは

 

眼瞼けいれんの主な症状

 

眼瞼けいれんとは、まぶたの筋肉がけいれんを起こして、まぶたが開けにくくなったり不要な瞬きなどが増えたりする症状です。また近年では、光やドライアイなどによって目の表面が刺激されると自然と眼の周りの筋肉が反応してしまい、勝手にまぶたが閉じてしまうタイプの眼瞼けいれんで鍼灸治療を受けられるにいらっしゃる方が増えています。

こんな方は注意が必要です。

  • 目が疲れやすく、まぶたがピクピクと動く
  • ドライアイがつらい
  • ・テレビやパソコンの光でもまぶしいとよく感じる
  • ・目やその周辺が違和感や痛みがある
  • ・自然とまばたきの回数が増える
  • ・目が自然と閉じてしまう
  • ・下を向いていたほうが楽と感じる

眼瞼けいれん 鍼灸治療

 

こんな場合は、眼瞼けいれんが起こっている可能性があります。

眼瞼けいれんはドライアイの症状と似ている部分もあり、ドライアイと勘違いされるケースもあり、注意が必要です。

現在この症状で悩まされている方は、全国で数十万人以上にのぼるとも言われており、たいへん増えてきている疾患です。眼瞼けいれんは、重症化してしまうと瞼が重たく感じて目を開けているのがつらい状態にまでなってしまいます。

女性の方が悩まされている方が多く、男性と比べて2.5倍ほどにもなります。

40代以上の女性に非常に多く発症しています。

 

 

眼瞼けいれんの症状

眼瞼けいれんの初期の症状としては、目が乾く目の周りに違和感がありたまに痛むなどの症状があるため、ドライアイと間違われやすいです。

しかし、ドライアイの薬を点眼しても症状が改善されずに症状が続いていきます。眼瞼痙攣の特徴としてけいれんが起きている片目の方をつぶっていた方が楽に感じます。それは、一眼の視機能に不具合が生じてしまうと両眼視機能が障害されるため障害目からの情報はノイズとなるためそれを遮断するために片目をつぶる動作を行うようになるのです。

両目に症状が出て、症状が進行してくるとまぶたが上げづらくなり、俯いていたり横になっている姿勢が一番楽な状態となります。まぶたが上がりづらくなってきて、全く目を開けられない状態になることもあります。

物につまずく階段を踏み外す車の運転ができなくなるなどの日常生活の中でも支障が出てきて、それがストレスとなりうつ病やパニック障害などの心療内科的な症状を併発してしまう場合も少なくありません。また、光をまぶしく感じやすくなる・目を開いているのがつらい・痙攣している方の目が自然と閉じていってしまう・目のゴロゴロ感・瞬きが多くなる・眉間にしわが寄るなどの症状が出ることもあります。よって、眼瞼痙攣と眼瞼下垂・ドライアイ・眼精疲労が同時にあらわれて日常生活に多大な影響を与えてしまう危険性もあります。

眼瞼痙攣の方は、強い目の開閉動作を繰り返して行うことができずに何回目かにはまったく開閉動作が出来なくなってしまう場合もあります。眼瞼痙攣は一般的にはあまり知られていない疾患ですが、全国に30万人以上は悩んでいる方がいるとも言われています。

 

 

眼瞼けいれんの原因

眼瞼けいれんの発症原因については、未だに解明されていません。まぶたの動きを制御している脳の神経回路の異常や抗うつ剤などの薬の副作用、眼瞼炎や結膜炎等の症状が引き金となっているなど様々な説があります。

眼瞼痙攣で悩んでいて眼科を受診するとドライアイと診断されることが多いようです。そこで涙の成分の点眼薬を処方され、点眼をするのですがなかなか改善されない方が多いです。また、神経学的もしくは眼科学的異常が見られない場合、頬やあご周囲の顔面筋や首の筋にも異常な痙攣を伴うこともあります。その場合も加齢や様々な原因が考えられますが、ベンゾジアゼピン系の抗不安薬や入眠薬の常用者にも多く発症しているとも言われています。

眼瞼ミオキミア
片方のまぶたがぴくぴくと痙攣する症状を眼瞼ミオキミアと呼ばれることがあります。眼瞼ミオキミアの原因は、身体や目の疲労やストレスまたは睡眠不足などによって起きると言われています。これは眼球周囲にあり、覆うように走行している眼輪筋が異常をきたして発症すると言われています。激しいスポーツをしている際中にふくらはぎなどの足の筋肉が痙攣する経験は多く方がご経験されているかと思いますが、それと同じように筋肉に栄養が行き渡らなくなったり、疲労物質である乳酸が排出されなくなってしまったりすることによって勝手に眼輪筋が収縮を繰り返すことが原因と眼瞼ミオキミアは考えれられています。

この場合は、目を酷使した際に発症することが多く、目を休めることができれば3~4日程度で症状が消えていくことがほとんどです。しかし、現代社会ではパソコン作業やスマホ操作時間が長くなっていることにより、症状が慢性化してしまっていることも少なくあります

ただの目の周りの筋疲労ととらえて放っておくとそのごドライアイや強度の近視になる場合もあるので注意が必要です。特に子供の時に目を酷使すると視力が上がらずそのまま大人となって強度の近視がさらに進行してしまう危険性もあります。

 

日常生活で注意すること

眼瞼けいれんは日常でのストレスや目の酷使が原因となる場合があります。

1.パソコン・スマホを見続けない。(1時間に5分は休憩を取る)
2.コンタクトレンズの使用を守る・清潔に保つ
3.睡眠を十分にとる
4.ストレスを溜め込まず、発散させる


Posted by 中目黒の鍼灸院 東京α鍼灸院|眼精疲労 at 08:30 / 院長コラム コメント&トラックバック(%)

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