歯肉炎(歯のうき、歯のうずき)の鍼灸治療

2020年8月6日

歯肉炎とは

歯の周囲にある歯茎だけが腫れている、比較的軽度な炎症のことです。

歯肉炎

 

歯肉炎はごく一般的な病気です。成人のほぼ80%に歯肉炎の症状が見られるといわれています。はっきりと分かる痛みや症状がない場合もあり、多くの人が歯肉炎になっていても気づかないまま過ごしています。

また、中年期以降は加齢により歯ぐきがやせてくる、免疫力が低下するなど歯肉炎にかかりやすくなる要因が加わるため特に注意が必要です。

歯肉炎が進行すると歯ぐきの内部にまで炎症が広がり、歯と歯ぐきのつなぎ目や、歯を支えている骨など歯の周りの組織(歯周組織)が破壊されてしまう歯周炎(歯槽膿漏)になってしまうことがあり注意が必要です。

歯周炎になってしまうと、歯肉炎のように完全な健康な状態に戻ることはほとんどありません。

 

原因

歯肉炎の直接の原因は磨き残した歯垢(プラーク)です。

歯肉炎の原因

歯垢の中の細菌の毒素や酵素が歯を支える組織を刺激すると、歯肉が炎症を起こしてしまうのです。また、全身疾患(糖尿病、骨粗鬆症、ホルモン異常など)、薬の長期服用、歯垢を除去しにくい因子(歯石、不正歯列、大きな虫歯、古くなった詰め物や冠など)、乱れた生活リズム、歯ぎしりや噛み合わせの問題、唾液量の低下、口呼吸、ホルモンバランスの乱れ、喫煙、ビタミン不足、などの因子が複雑に絡みあって炎症が進行します。一般的に経過は慢性に進行しますが、急性に起こることもあります。(急性壊死性潰瘍性歯肉炎)

 

※急性壊死性潰瘍性歯肉炎とは

歯肉の壊死と潰瘍形成を特徴とする歯肉炎で、痛みや出血、悪臭などを伴います。また発熱、頸部リンパの腫れ、倦怠感などの全身症状も伴うことがあります。

原因ははっきりとは解明されていませんが、正常な口内細菌が過剰になり歯肉の感染と炎症を起こすと考えられています。また、口腔内の清潔が保てない状況や栄養不良、精神的、肉体的ストレスなどによって炎症を発症するともいわれています。喫煙習慣がある方も発症リスクが高いです。こうした誘発因子と関係してエイズの発症者や免疫抑制剤を使用している方に発症することもあります。

歯肉炎の症状

 

歯肉炎の症状

歯肉炎の症状は、歯間部(歯と歯の間)歯肉の赤みを帯びた腫れ、歯肉からの出血です。歯のブラッシングでに痛み出血を伴うことがあります。

また、なんとなく違和感がある、鈍痛を感じる、むずがゆく感じるといった自覚症状や、炎症が起きているので、水やお湯などの飲み物が直接歯にしみてしまうこともあります。場合によっては膿や口臭が見られるなどの症状が現れることがあります。

さらに病状が進行すると歯がぐらつくなどの症状が起こることがあります。

 

西洋医学的治療

歯肉炎は歯科医院や大学病院などの歯周病科といった専門の診療科で治療を行います。

歯肉の炎症や、プラークの蓄積の状態をチェックすることで、歯肉の状態を評価します。また、歯周組織検査を呼ばれる検査を行い、歯の隙間の深さも評価します。また、レントゲン写真を撮影して骨の状態を確認することもあります。

治療法としてプラークコントロールである歯垢の除去や歯石の除去、歯磨き指導などが行われます。口内細菌を除去するための薬を使用することもあります。しかし、歯磨きや歯石除去だけでは歯周ポケット(歯と歯茎の境目の溝)が深いままである場合には外科治療(手術)、歯周組織の再生を促すような再生治療が行われることもあります。また、痛みや炎症、細菌の増殖を抑える内服薬、腫れや出血などを緩和する外用薬が処方されることもあります。

歯肉炎の東洋医学的考え方

東洋医学では、歯肉炎は熱邪によるものと考え、根底にある免疫力の低下は臓腑機能の衰えにあるととらえられます。

歯肉炎の東洋医学

歯肉炎の証(しょう)には以下のようなものがあります。

「胃熱」

熱邪が歯茎をおかし、歯肉炎になりやすい状態です。炎症が強く出血、化膿といった症状が現れます。

「胃陰虚」

五臓六腑の胃の陰液が不足してる状態です。陰液が少ないので相対的に熱が余り、それが熱邪となって歯肉炎を引き起こします。口の中が粘つき、唾液が少ないのが特徴です。免疫力が発揮できず口腔内の免疫機能が落ちている状態です。

「脾気虚」

消化吸収機能が弱く免疫力が低下しているため歯周病菌の勢いがなかなか弱まりません。

これらの証以外にもストレスの影響で炎症が生じやすい「肝火(かんか)」、「心火(しんか)」、歯茎が黒ずんでいる場合は「血瘀(けつお)」などの改善も必要です。

歯肉炎に対する当院の治療

当院ではまず、全身の血流や内臓機能、免疫機能の司令塔である自律神経の状態を測定し、お身体の状態を把握したうえで治療へ移ります。過度のストレスや疲労の蓄積などにより自律神経のバランスが乱れてしまうと口腔内の免疫や血液循環、内臓機能にも悪影響を与えると考えられているからです。

歯肉炎の鍼

自律神経系の調整施術を行うことで体が本来持つ自然治癒力を高め、症状が治癒しやすい状態へと促します。また、東洋医学的考え方から五臓六腑の「脾」「胃」「肝」「心」などの機能を高めるツボや気血の流れを改善するツボなどを用います。口腔内の血液循環を促進するために首肩周りの筋緊張を緩和する施術も行います。

さらに、口周辺のツボに鍼やお灸で刺激を与え、歯茎の血液循環の促進と歯茎の炎症を抑える作用を促していきます。

歯肉炎の口周りへの鍼灸


Posted by 中目黒の鍼灸院 東京α鍼灸整骨院|眼精疲労 at 16:24 / 院長コラム コメント&トラックバック(0)

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