PMS(月経前症候群)の鍼灸症例

PMS(月経前症候群)の鍼灸治療

PMS(月経前症候群)は、生理前にイライラや気分の落ち込み、抑うつ状態などの精神的状態の変化や首肩こり・腰痛などの身体的変化が起こり、その症状は人によって様々です。
PMSは、たくさんの女性が悩まされており、主に20代~30代女性に発症しやすいとされます。PMSは、生理前のホルモンバランスの変化が身体に影響を与えるとも考えられていますが、はっきりとは原因は解明されていません。

しかし、ストレスの多い生活をしていると発症しやすいとも言われており、当院では自律神経の状態が影響を及ぼしているのではないかと考えております。

PMS(月経前症候群)のお腹への鍼灸治療

 

症状は人によって様々なものとなるため、初診時に問診でしっかりと症状を聞いていきます。そしてそれを踏まえましてその方に合った施術法をご提案させていただきます。

なお初診時に今の自律神経の状態を把握するため自律神経測定器で自律神経の状態を測定していきます。当院にPMSでご来院される多くの方は、交感神経の活動が高く、逆に副交感神経が低い状態です。交感神経は活動的な神経、副交感神経はリラックス神経ですので、常に体が活動体制で身体をリラックスできていない休めていないという状態です。その状態が長時間続いてしまうとPMS(月経前症候群)にかかりやすいと考えております。

 

また、東洋医学では五臓六腑の『』や『』の状態が乱れてしまいますと精神状態が乱れやすく、肝は肌肉をつかさどるとも言われているため筋肉の状態にも影響を及ぼしてきます。東洋医学的観点より『心』と『肝』の状態を整えていくことも重要だと考えて経穴を選択して鍼灸施術を施していきます。

PMS(月経前症候群)の鍼灸治療

 

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その他、身体を良い状態にてPMSを改善させるためには、生活習慣も重要となってきます。当院では、その方に合わせた生活スタイルのアドバイスも行っていきます。共通して言えることですが、リラックスできる時間を一日に出来るだけ多く設けることが重要です。

有酸素運動やゆったりとぬるま湯に半身浴をしながら読書をする・好きな映画や音楽を聴くなど趣味の時間をもってリラックスできる時間をつくりましょう。規則正しい生活リズムも必要です。深夜遅くまで起きていたり、食事も栄養バランスが偏っていてはホルモンバランスや自律神経にもよくありません。

PMS(月経前症候群)の鍼灸治療症例

 

20代女性

半年ほど前から生理前の気分の落ち込み、緊張感、胃の不快感、吐き気、便秘、首肩のこり頭痛に悩まされている。生理前以外にも、首肩こりや緊張感は日常的に感じている。婦人科にてPMSとの診断を受け漢方薬を処方されて現在も服薬を続けているが、効果があまり感じられない。

 

治療内容
自律神経測定器にて自律神経のバランスを測定したところ、交感神経が過亢進状態で精神的ストレスと肉体的ストレスが高く見られました。女性ホルモンと自律神経は脳の視床下部という同じ場所で指令を受けており片方が乱されるともう片方も乱されやすいという特徴がありますので、自律神経と女性ホルモンのバランスの両方を整える治療をメインに、内臓機能調整、首肩の筋緊張の緩和を治療として行いました。また、ご本人に自覚はありませんでしたが下肢の冷えが見られました。下

肢の冷えは骨盤内臓器の血流悪化による機能低下、ホルモンバランスの乱れに繋がると考えられるため遠赤外線やお灸をメインに下肢の冷えを除く施術も合わせて行いました。

 

 

1回目
現在生理前、施術後は体全体が温かく感じられてリラックスできた。首肩が軽くなり、頭痛が翌日から消失した。しかし段々と状態戻り頭痛はないが首肩こり感じる。他の症状現在は変化感じない。

 

2回目
大きな変化はないが、胃の不快感と吐き気、肩こり、頭痛は少し楽になっている。

 

3回目
日常的に感じていた肩こりや緊張感が和らいできたように感じる。現在は生理前ではないので体調は悪くないが、胃の不快感は食後に感じる。

 

4回目
仕事がハードで首肩こり徐々に戻ってしまった。現在生理前、落ち込み、緊張感強くはないが感じる。吐き気はないが胃の不快感はある。便秘気味でややおなかの張り感がある。しかし、排便が一日一回はある状態。以前は2日に一回程度だったため、状態良くなっていると感じる。

 

5回目
首肩こりが以前に比べると半減したように感じる。気分の落ち込みは感じることあるが、以前ほどではない。緊張感も徐々に和らいできている。胃の不快感は感じる頻度が以前より減った。しかし、食後のもたれ感有り。

 

6回目
そろそろ生理前だが、現在は体調が良い状態。胃の調子が良くなり、最近は胃の不快感はほとんど無い。肩こりも仕事が忙しいとそれなりに感じるが痛むことや不快感は無くなった。

 

7回目
現在生理前、約3日後位に生理が来ると思われる。今月は治療始めてから一番調子がよく、気分の落ち込み、緊張感、胃の不快感、吐き気、便秘、首肩こり、頭痛あまり感じなかった。状態が安定してきたので少し治療間隔を空けて通院する。

 

8回目
そろそろ生理前、一度首肩こり強く頭痛が出現した時があったが、現在は消失している。胃腸の調子現在は良く、緊張感も仕事中は感じるが、以前に比べればずっと楽になった。

 

9回目
現在生理前、気分の落ち込み、緊張感、首肩こり、全くないことはないがあまり気にならなくなった。頭痛は出現していない。排便は一日一回有るが、やや残便感ある日もある。胃の調子は良い状態続いている。症状が安定し日常生活に支障無くなったため、体調悪化した際にまた来院したいとのこと。

 

PMS(月経前症候群)のセルフケア

PMS(月経前症候群)をケアするには、ストレスを溜め込まないことや規則正しい食事や運動、睡眠などの生活習慣が重要です。

PMS(月経前症候群)は、ストレス過多の状態ですと症状が強く出る傾向があります。

ストレス過多の状態ですと自律神経が交感神経優位となっている場合が多いです。セルフケアでは、副交感神経の働き高めるようなリラックスできる空間づくりや習慣が必要です。

半身浴や趣味に没頭する、睡眠をしっかりとる、映画を見るなど副交感神経の働きを高める行動は千差万別なので自分にあるリラックス法を見つけ出しましょう。

また、誰でもできる副交感神経の活動高める方法として呼吸法があります。浅く速い呼吸ですと交感神経の活動が高まりやすいのでゆっくりと吐く息を意識してそのあと息を吸う深呼吸を意識的に行うことで副交感神経の活動が高まります。

基礎体温をつけて月経がいつ来るのか予測すると症状に対処しやすいこともあります。月経前には、塩分や糖分の多い食べ物は避けてビタミンB群やミネラルなどを意識的に接収すると良いでしょう。その他、女性ホルモンに似た働きをするイソフラボンを摂るのも良いです。
イソフラボンは大豆製品に多く含まれます。

 

執筆者

清水大地

眼精疲労専門の鍼灸師

資格
はり師
きゅう師

2008年
鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む

2011年
おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立

2014年
中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院

2016年
渋谷α鍼灸整骨院を開院

2018年
三軒茶屋α鍼灸院を開院


Posted by 中目黒の鍼灸院 東京α鍼灸院|眼精疲労 at 17:23 / 院長コラム コメント&トラックバック(0)

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