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足の親指の裏(母趾球)の痛みの鍼灸治療

足の親指の裏(母趾球)の痛み

 

足の親指裏の痛み

 

足の親指は母趾と呼ばれ、その付け根にあたる丸いふくらみを母趾球(ぼしきゅう)と呼びます。手にも同様に母指球が存在し、漢字を分けて使う場合が多いです。

人間が立っているときに足は唯一地面に接する部分であり、歩行や走行ではその衝撃を吸収する必要があります。

そのため足には3つのアーチ構造が備わっています。母指球とかかとを結ぶ内側縦アーチと母趾球を結ぶ横アーチは衝撃吸収に重要な役割を担っています。

 

 

母趾球の痛みの原因となる疾患

 

・種子骨障害

歩いたり走ったり踏み込んだ時などに母趾球部に痛みが出現します。また、その部分を指で押したり足の親指を強制的に手で反らすと痛みが出ます。症状が進行すると足を地面につけただけでも痛みがあり、歩行が困難になってきます。

陸上競技やバスケットボールなどよく走るスポーツに多いとされています。

その他空手や剣道などの踏み込み動作の多い格闘技にもよく見られます。種子骨障害は小学生~中学生に多く発生し、大学生以上になると減少する傾向があります。

 

 

種子骨障害の種類

・骨折

強く母趾球を衝いたり、繰り返しの衝撃により種子骨が割れたり、不全骨折(ヒビ)を起こしたりします。内出血と腫れが大きくなることが多いです。

 

・疲労骨折

微力な外力を受けることで起こる骨損傷。発生機転は骨折とほぼ同じです。内出血や腫れも起こりますが急性の骨折よりも少なめです。

 

・分離種子骨

生まれつき種子骨が分裂している。骨折と異なり割れた線はなだらかになります。基本的に分裂していることでも障害は少ない。実際には結合組織でつながっているものもあります。

足の裏の骨

 

痛みの原因

 

種子骨の周りには筋肉や腱が集まっています。こういった筋肉や腱がよく動く手助けをしているのが種子骨ですが、この種子骨が炎症を起こすのが種子骨障害です。ときには種子骨が骨折したり、骨壊死することもあります。

ランニング動作時に地面を蹴り出すとき、足底筋は緊張して種子骨には引っ張られる力が加わります。この牽引力により種子骨が炎症を起こし痛みが発生します。

また、踏み込み動作による地面からに衝撃が種子骨に繰り返し加わり発生することもあります。

その他先天的な問題で種子骨が二つに分裂している場合(分裂種子骨)があり、これが痛みの原因になっているケースもあります。また、土踏まずがしっかりし過ぎている甲高の足(ハイアーチ)は種子骨障害になりやすい傾向があるため注意が必要です。

 

西洋医学的治療

 

痛みが強いうちは運動を一時休止し、足を安静にします。足の裏にかかる負担を軽減するために柔らかい素材でできた耐久性にあるパッドを靴の中に入れて使用します。

パッドは母趾球部をくり抜いてあり、体重をかけた際に圧力がかからないようにします。また、母趾にテーピングを施すこともあります。

足底筋に硬さがみられる場合には柔軟性を取り戻すリハビリテーションを行います。ほとんどの場合このような治療でよくなりますが、保存療法で効果がみられない場合には手術で内側の種子骨を摘出することがあります。

 

 

足の親指の裏(母趾球)の痛みについての東洋医学的考え方

東洋医学では神経痛など身体の痛みを総称して「痺証(ひしょう)」と呼びます。痺には「つまって通じない」という意味があり、これは何らかの原因で気、血の流れが悪くなるとそれが「痛み」となって現れるのです。

気や血の流れが悪くなる原因として風、寒、湿、熱などの邪が侵入して起こると考えられています。

また、五臓六腑の「肝」と「脾」の機能低下が筋肉痛になりやすい状態へとつながると言われています。

 

 

当院の鍼灸治療について

 

鍼灸治療の効果として、炎症を早く治めることや鎮痛効果、血流促進効果などが期待できます。痛みの強い部分へ直接アプローチして炎症や痛みを早く取り除いたり、周りの筋肉の過緊張を和らげることで痛みからの回復を早めます。

また東洋医学的観点から肝、脾を整えるツボや気や血の流れを整えるツボなども取り入れることで体が本来持つ自然治癒力を高め、症状が治癒しやすいお体の状態へと整えていきます。

 

足の裏の痛みの鍼治療

 

蝸牛型メニエール病の鍼灸治療

蝸牛型メニエール病の症状

 

蝸牛型メニエール病の症状は、

① 難聴

② 耳閉塞感

③ 耳鳴り

④ 音が響く

などがあり、一般的なメニエール病と違い、めまいを伴わない事が特徴ですまた、ストレスにより頭痛や肩こりを訴える人もいます。

難聴は低音が聞こえづらくなる人が多く、低音障害型感音難聴と診断されることもあります。

耳の構造

 

耳は大きく分類すると、外側から、外耳、中耳、内耳と分かれています。


外耳

外耳は耳介と外耳道からなる場所で、耳の穴の部分に相当します。音はまずこの耳介から入り外耳道を通り耳の奥にある中耳に到達します。

中耳

中耳は入ってきた音の振動の増幅を調節する場所です。

中耳と外耳の間には鼓膜があり、その奥には中耳ので骨に囲まれた個室という空間があります。ここには耳小骨という小さな骨が存在しております。この耳小骨は鼓膜と内耳の間に架かる橋のように繋がっており、外耳から入ってきた音を鼓膜と耳小骨が振動し内耳に伝える役割があります。

また中耳には鼻と耳を繋げる耳管という細い管状の通路があります。この耳管は耳の奥にある鼓室という場所の内圧と外気を同じ圧に保つ役割があります。耳管は通常は閉じていますが、あくびをしたり何か飲み込むと一時的に開きます。

この耳管が何かしらの原因により閉じなくなってしまうと、耳の閉塞感(耳づまり)、自声強調、などの症状がある耳管開放症が発症してしまいます。

 

耳管開放症の鍼灸治療

https://alfashinkyu-tokyo.com/column/index-1333.html

 

内耳

内耳は中耳の更に奥の骨の中に埋もれている場所に存在します。

内耳には、聴覚に関わる蝸牛、平衡感覚をつかさどる前庭や三半規管があります。

蝸牛には、鼓膜と耳小骨から伝導された音の振動をキャッチし、聴神経に伝える有毛細胞があり、蝸牛、前庭、三半規管の中にはリンパ液という水で満たされています。

蝸牛のリンパ液は、音の振動を水の振動に変え有毛細胞に伝導する役割があり、前庭、三半規管のリンパ液は、体の動きに合わせて動く特徴から頭部の回転や体の平衡バランスの動きを脳に伝える働きがあるため存在します。

 

蝸牛型メニエール病の原因

 

蝸牛型メニエール病の原因はまだ解明はされていませんが、自律神経の乱れによる内耳のリンパ液の調節力が低下する事が大きく関わっていると考えられています。

自律神経は交感神経と副交感神経の2つでバランスをとっており、ストレスを感じると交感神経が働きます。

交感神経は身体を活発に働かせる神経で生体機能に不可欠なものですが、強いストレスを受け続けると交感神経が過剰に働いてしまいます。交感神経は血管を収縮する作用もあるため、耳の血流が低下からリンパ液が蝸牛内に流水し、メニエール病が発症します。

またこの他にも、内耳構造の生まれつきの異常や、アレルギー、免疫異常などの可能性もあり単独ではなくこれらの要因がいくつか重なって発症するとも考えられています。

 

蝸牛型メニエール病の東洋医学

 

蝸牛型メニエール病は東洋医学において、「肝」と「腎」が大きく関わりを持っていると考えられています。

東洋医学における肝は、気・血・津液の巡りをコントロールする役割があります。また精神状態を安定する働きもあり、気の流れを通じて感情の調節や、自律神経によって身体全体の機能が正常に行われるようにコントロールするものと考えられています。

しかし、精神的緊張が長く続いたり、強いストレスを受けることで肝に負担が掛かり、次第に肝の働きが低下し感情や自律神経のコントロールが効かなくなってしまいます。耳にも気や血が循環しなくなりメニエール病が発症します。

「腎は精を蔵し、精は骨髄に変化する。髄は脳を満たし耳の機能を維持する」と言われており、生殖活動や骨、脳、耳、髪の毛まで関係しており、特に耳に強く影響している臓器と考えられています。

腎の機能低下は全身の津液の停滞につながり、特に耳に停滞しやすく、それは内耳の蝸牛にリンパ液が溜まってしまいます。その結果、難聴、耳閉感、耳鳴りという蝸牛型メニエール病の症状が起こってしまいます。

 

津液とは・・・

津液は体内に存在する血以外の液体の事で、涙、よだれ、関節液、胃液、腸液、汗、尿、鼻水などがあり、脳や、骨髄にも潤いを与える働きがあります。

津は体の表面を流れていて、液は体の中を流れています。

また、津液は血のように栄養分や滋養作用があるため血の働きを補完する役目もあります。

津液は血の生成の原料になるため、健康な体を維持するために非常に重要なものになります。

体の各部で利用され不要になった津液は腎に送られ尿になり、膀胱を通じて体外へ排出されます。

 

蝸牛型メニエール病に対する当院での鍼灸治療

 

当院での蝸牛型メニエール病の治療は、内耳の血液循環の促進を第一に行っていきます。

蝸牛型メニエール病は血液循環の低下による浮腫みが原因であるため、耳周囲や首に刺鍼し血管活動を促進させることで蝸牛のリンパ液排出を促します。

使用する経穴は、「耳門」「聴宮」「聴会」「翳風」「完骨」「風池」「天柱」「下関」「角孫」「肩井」、その他にもお体の状態に合わせて経穴を組み合わせていきます。

 

次に、自律神経の調節を行っていきます。

蝸牛型メニエール病の方のほとんどは、慢性的なストレス、強いストレス、大きな環境の変化、生活習慣の乱れなどの生活背景があり、不眠、体のだるさ、肩こり、のぼせ、だるさなどといった自律神経の不調を訴えることが少なくありません。

自律神経は血流をコントロールしており、自律神経を正しい働きに調節することにより血液循環が促進されます。血液循環を促し内耳のリンパ液を排出する体質改善を行っていきます。

自律神経を整えることは血液循環の促進だけではなく、自然治癒力を高めることも目的になります。

肩こりを訴える方には、筋肉のコリに直接刺鍼し筋緊張を緩め、耳への血流を促していきます。

 

蝸牛型メニエール病の病院で治療方法

 

現在行われている病院での治療方法は、ビタミン剤、抗ヒスタミン剤、血管拡張剤、精神安定剤、ステロイドホルモン、漢方薬などの薬物療法、外科的処置、水分摂取や有酸素運動などの生活指導があります。

 

滑車神経麻痺の鍼灸治療

①滑車神経麻痺に対する当院の鍼灸治療

当院の滑車神経麻痺に対する施術は、目の周辺の重要なツボにハリをさして微電流を流すことにより神経組織の回復や筋肉への刺激を行うことでを促します。またお灸刺激により血流を改善します。

滑車神経麻痺の鍼通電治療
東洋医学的に診ますと、滑車神経麻痺は五臓六腑の肝に深く関係しているので肝に関する経穴を用いて肝血を補うことや肝気の巡りをよくします。東洋医学の診断方法に基づき、全身の調整施術も行っていきます。

部分的な治療ではなく全身を治療することは東洋医学の特徴でもあり、当院が施術する上でも特に重要だと考えます。
全身施術を行うことにより自律神経が整えられて人間が本来もっている自然治癒力を高めます。

滑車神経麻痺のお灸治療

当院の滑車神経麻痺の施術目的は、滑車神経麻痺の回復程度を高めて、回復を速めることです。西洋医学とは違う東洋医学の観点により少しでも滑車神経麻痺が回復できる機会を提供して患者さんが少しでも快適に過ごせるようお手伝いさせていただきます。

滑車神経麻痺の全身調整鍼灸治療

 

 

②滑車神経麻痺の中医学的考え

中医学では五臓六腑の肝は目に開竅するといわれており、眼の疾患は肝の機能の障害が深く影響していると考えられています。

肝血が不足してしまうと視覚の異常や運動系の異常などがみられます。そのほか肝は運動神経系の調節に関係があると考えられています。
滑車神経麻痺は、上斜筋麻痺を引き起こすので、そのことからも滑車神経麻痺は肝に深く関係していることがわかります。

 

③症例

60代男性
当院にご来院の10日ほど前にテレビを見ていたら物が二重に見えるということで近くの眼科を受診。検査結果右目の滑車神経麻痺と診断された。特に処置はされず、経過観察とのことで何か治療法はないかと探したいたところ偶然当院のホームページを見てご来院されました。

複視の状態は、朝からある状態で、夕方から夜にかけて身体の疲れが溜まってくるとそれに伴い複視の幅も広がって目も疲れてきて目も開けているのがつらくなってしまうほど。頭を傾けてテレビなどを見ると複視が弱くなる。

ドライアイ肩こり・右頸部痛などの症状も見られる。

 

 

当院の治療

目の症状は自律神経の状態と深くかかわりがあるとの考えで、自律神経測定器で自律神経の状態を計測しました。この男性の場合、交感神経が過亢進状態で自律神経が乱れている状態でした。毎回首肩や目の治療に入る前に仰向けにて自律神経の状態を整えてから治療しました。
目の周りや顔に対する治療はとても繊細であるため刺激量が多くなり過ぎないように最初は弱い刺激で対応しました。体が治療の刺激になれてきたと感じた4回目の治療より鍼通電療法などを用いて徐々に刺激量を上げていきました。

最初の10回ほどは治療間隔を週に2回ほどと詰めて行いそれから徐々に治療間隔を空けていきました。

◇1回目◇
治療後複視症状の状態は、あまり変わらなかったが、首肩はとても楽になった

◇2回目◇
以前は滑車神経麻痺のない左目もまぶたが重たく感じていたが、重たさ感じなくなり左目も右目も開けやすくなった。

◇3回目◇
まぶたの開けやすさは、2~3日で戻ってしまった。

◇4~5回目◇
夕方は複視がまだつらいが、朝になると比較的楽でいちばんつらい時を10だとすると今は5程度

◇6~8回目◇
真正面に物を見てピントを合わせるとほぼ複視はなくなった。首などを傾けるとまだ複視の症状が出てしまう

◇9~11回目◇
首を傾けても複視の症状があまりでなく、日常生活で何気にすごしていても気付かないほどとなった。

身体が疲労して来たり、目を使いすぎるとまた元に戻りそうと本人がご心配されているので2週間に1回ぼどの間隔で現在も調整として通院されています。

 

40代男性

3か月ほど前に物が二重に見てしまって病院を受診。検査では特に脳などには異常が見られなかった。

右眼の滑車神経麻痺による複視症状が出ているとこいうことでビタミン剤を処方されて半年から1年ほどかけて複視が改善される場合が多いと言われて経過観察中。

だんだんとは複視症状が改善傾向にあったが何とか早く治したいとのことで、ネットなどを調べていたところ鍼灸治療でも症状が改善されたという症例をみて当院にご来院されました。

 

当院の鍼灸治療

近いところは比較的よく見えていて遠くの視界になると物が二重に見える、特に夕方以降など疲れてくると症状が強く出てしまう。

また、自律神経の乱れや右頸部のコリも強く出ていたため全身的な自律神経調整治療や頸部周りに鍼通電治療なども用いまして施術を行っていきました。

特に滑車神経麻痺の複視症状では、頸部の筋緊張がみられる場合が多く、その部分をしっかりほぐすことは治療のポイントになります。

 

その後、目の周り特に右眼周り中心に施術を行っていきます。比較的に刺激量に強い方でしたので最初から目の周りも鍼通電治療を用いていきました。

治療経過としましては、3~5日程度の治療頻度で治療4回目までは複視症状には大きな変化は見られずに目の疲れが感じにくくなった程度でした。

5回目以降だんだんと複視のズレ幅も改善されてきて右頸部の気になるコリもだんだんと改善されてきたと自覚。

7回の治療後大学病院で検査。検査でも複視の数値の改善がみられて、首を傾けなくでもだいぶ視界が通常に見えるようになってきた。

たまに右眼周りに痛みがでたりするのでその部分なども含めて治療間隔を延ばしながら通院加療中。

 

④滑車神経麻痺とは

滑車神経麻痺とは、滑車神経が何らかの原因で麻痺の状態になって眼球は上内側に偏倚して、垂直方向の複視を引き起こします。
滑車神経は中脳の背面より出て、上眼窩裂を通り上斜筋に分布します。上斜筋は収縮すると眼球を下外側方に向けます。上斜筋が収縮できなくなると、眼球は上内側に偏倚します。この症状が出た場合、視線を正面に向けるために頭を健側に傾けます。逆に頭を患側に傾けると眼球の偏倚は増強されます。

日常的には本を読む際や階段を下る際に複視を生じます。

複視

 

②滑車神経麻痺の原因

滑車神経麻痺は、原因が特定されるほとんどの場合は頭部外傷が原因です。
腫瘍などそれ以外の原因はまれです。滑車神経が単独で麻痺することはまれであり、動眼神経とともに障害されることが多いです。

その他脳のMRIなどの検査を行っても原因がわからい場合も多いです。滑車神経は第4脳神経で眼球を内側に寄せる役割があるため滑車神経が麻痺すると内側に眼球を寄せることができないために物が二重に見える複視の症状が出ます。

滑車神経麻痺の患者さんでよく見られるのが、テレビを真正面から見ると画面が二重に見えるが、寝そべって頭を少し横に倒すと二重に見えずに普通に画面が見えることを言われます。もしそのようなことを日常生活で感じる場合は、滑車神経麻痺の危険性があります。そのような場合、滑車神経は脳神経でまれではありますが、脳の腫瘍など脳の障害が原因で起こっている場合がありますのですぐに眼科や脳神経外科で診てもらう必要があります。

滑車神経以外にも眼球を動かす脳神経は動眼神経と外転神経があります。それらが障害されても物が二重に見える複視の症状が起きますが、動眼神経は眼球を上下に動かす、外転神経は眼球を外側に動かす作用があり、麻痺の出る神経によって眼球の動きが異なってきます。

眼球を動かす筋肉は、そのほかの体の筋肉と同様に脳からの信号を受けて動いています。眼球は、人体の中でもとても複雑な動きを可能にしており眼球を動かす筋肉を外眼筋といいます。外眼筋には、

・外側直筋
外転神経に支配されており、眼球を外側に向ける働きがあります。
・内側直筋
動眼神経に支配されており、眼球を内側に向ける働きがあります。
・上直筋
動眼神経に支配されており、眼球を内側斜め上方向に向ける働きがあります。
・下直筋
動眼神経に支配されており、眼球を内側斜め下方向に向ける働きがあります。
・上斜筋
滑車神経に支配されており、眼球を外側斜め上方向に向ける働きがあります。
・下斜筋
動眼神経に支配されており、眼球を外側斜め下方向に向ける働きがあります。

この6つの筋肉があります。これら6つの筋肉がうまく働くことで眼球運動が行われて焦点が合うように調整されているのです。その過程で筋肉や神経に不具合が生じてしまうと焦点が合わずに複視となったり、視線をずらすことができなくなるのです。

滑車神経麻痺の場合、上斜筋を支配しているので上斜筋の働きが損なわれて複視の症状が出てしまうのです。硬めに滑車神経麻痺が生じている場合、麻痺の出ていない側に頭を傾けると眼球の位置が修正されて焦点が合うようになります。
上述した寝そべって頭を傾けると画面が見えるようになるという現象はこのような頭の傾きによって複視が打ち消されているということです。

動眼神経麻痺について
外転神経麻痺について

 

 

執筆者

清水大地

眼精疲労専門の鍼灸師

資格
はり師
きゅう師

2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好医院にて多くの臨床経験を積む

2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立

2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院

2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院

2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院

起立性調節障害の鍼灸治療

起立性調節障害の鍼灸治療

 

起立性調節障害の治療法は、まず自律神経を整えることから始めます。

 

自律神経のバランスが乱れるために症状が出ますので、交感神経と副交感神経のバランスを整えることが優先になります。当院では、自律神経測定器により自律神経バランスを測る事ができます。

この機械により交感神経と副交感神経のバランスや肉体ストレス、精神ストレスなどを調べることができるので今の症状はどれが一番影響している原因か検査結果によりわかります。

自律神経測定器

鍼灸治療は自律神経を整えることに優れた治療法です。痛みが少ない細い鍼を使う鍼治療と心地よいお灸治療を小一時間ほど受けていただくと治療後には効果を実感していただけると思います。

起立性調節障害の鍼灸治療

 

小さいお子様は痛みに敏感ですので、どうしても怖い方には刺さない鍼の種類などを用いて治療します。

起立性調節障害は対人関係や周囲に認知されないなどとストレスを強く抱えている場合もあります。このストレスにより免疫力を低くしてさらに症状を強くすることがあります。

そのためストレス治療も必要になることが多いです。

起立性調節障害の下肢への鍼灸治療

治療間隔

鍼灸治療は効果があるものの一回で完治することはまずありません。体質改善を目的とすることが多いので、定期的に通っていただくことが理想です。

始めは効果をだすために詰めて来ていただくことが多いです。3~5日に一度のペースで来院してもらい症状が改善してきた頃にまた自律神経計測器で検査して、根本から変化が起きていることを確認して治療間隔を1週間に一度、2週間に一度と広げていきます。

 

 

 

 起立性調節障害とは

 

起立性調節障害とは、自律神経失調症の一つと言われるもので、主に立ちくらみ・朝に起きられない・息切れ・全身倦怠感・腹痛などの身体不調の症状がみられるものです。

頻度の高い疾患とされ、小学生の5%で中学生の10%が起立性調節障害を持っていると言われます。好発年齢は、思春期前後の小学校高学年から高校生ぐらいで年齢にすると10歳から18歳ごろになります。小中高を通して、女子に多く男女比で1:2です。起立性調節障害にかかっている人の約7割に神経症や心身症がみられるとも言われています。

午前中に体調が悪く午後に体調が回復することもあり、学校に行きたくないと訴えることもあります。症状が体調不良のようなことから起立性調節障害が不登校の原因になることもあります。

この疾患は、まだまだ認知度が低いため気づかれにくく周囲から誤解を受けやすいです。

子供がなりやすいため仮病に間違えられて本人もわからないため苦しむこともあります。

学校の教師や親が気持ち次第や怠けていると勘違いするほど子供が拒否的になりますので専門医などにかかり診断してもらい起立性調節障害に対する知識をつける必要があります。

起立性調節障害は冬季に緩解して、春季前後から悪化する傾向があります。

病態

起立する際、人の血液は重力によって下半身に貯留して血圧が低下します。正常な方ではこの血液が下半身に行き過ぎないように血管を収縮させて防ぎます。これは自律神経の交感神経が働くために起立や体位変換をしても血液の変動を少なくできるのです。起立性調節障害では、全身の血液や脳血流が維持できなくなり、様々な症状をきたします。一般的に脳貧血や失神前状態になります。症状の頻度や程度が強くなると日常生活にも支障をきたします。

また、起立性調節障害の人は、過剰適応な性格が多く、対人でのストレスをよくためやすいです。

起立性調節障害は遺伝的な関係もあると考えられているので家族に起立性調節障害の方がいる場合は強く疑います。

 

起立性調節障害の検査や診断

大症状と小症状の項目から判定します。小症状は自律神経症状や不定愁訴が多く、大症状は起立性調節障害に特異的な症状が多いです。

 

大症状

・立ちくらみ、めまいを起こしやすい

・立っていると気持ちが悪くなる、強いと倒れる

・入浴時あるいは嫌なことを見聞きすると気持ちが悪くなる

・少し動くと動悸や息切れを起こす

・朝の寝起きが悪く、午前中調子が悪い

小症状

・顔色が青白い

・食欲不振

・疝痛をときどき訴える

・倦怠感あるいは疲れやすい

頭痛をしばしば訴える

・乗り物に酔いやすい

・起立試験で脈圧狭小16mmHg以上

・起立試験で収縮期血圧が安静時より低下21mmHg以上

・起立試験で脈拍数増加1分間に21回以上

・起立試験で立位心電図TⅡの0.2mV以上の減高。その他の変化

 

以上の項目のうち器質性疾患を除いて

大症状1と小症状3以上、大症状2と小症状1以上、大症状3以上

を起立性調節障害と判定します。

起立性調節障害

病院での治療法

軽症例では非薬物療法から始めます。

日常の生活指導や運動療法などを行います。

・生活のリズムを整える

・失神予防に起立時は30秒かけてゆっくり立ち上がるようにする

・水分や塩分を十分に摂取する

・弾性ストッキングやODバンドのような加圧式腹部バンドを着用

・規則正しい生活にする。早寝早起き

 

薬物療法

非薬物療法で改善しないような重症例では、薬物療法も併用します。

細動脈や静脈に働きかける薬で副作用が少ないと言われています。

 

症例

10代 女性

1年前から倦怠感が現れ始め、徐々に朝の起床が困難になってきた。体調が芳しくない時は学校も休むようになり、それも最近増加してきた。それ以外にも立ちくらみや息切れといった症状がある。特に生理の1週間前ぐらいから症状が強く出る事が多い。天気の影響も強く、雨の日は起き上がることが難しくなる。

 

当院の施術

お話をしていると、とても明るくハキハキとした口調で何も不調がなく健康そうに見えるが、自分よりも周囲に無理をして合わせる過剰適応の印象を受けました。詳しくお話を伺うと、ストレスが強く感じることがあり、精神的な疲労が蓄積すると便秘と下痢を繰り返す過敏性症候群のような症状も起こることがあるということです。首肩の筋緊張は異常に強く、呼吸が浅い状態でした。足は冷えが強く、むくみも確認しました。

問診、触診を行った結果、

①自律神経調節治療

②首肩背中の筋緊張緩和

③下肢の血液循環促進

以上の施術を中心に行いました。

施術間隔は1週間に1回~2回。

 

施術経過

1回目~4回目

大きな変化はないが、以前より気持ちがリラックスできるようになってきている。

5回目~7回目

スムーズに起床できる日が増えてきた。朝の苦手意識が薄れてきた。

8回目~10回目

体調がいい日が続いているが、天気が悪い日や疲れた時は起床が難しい時がある。

11回目~13回目

たまに起床が困難なことがあるが、学校を休むことは無くなった。

14回目

体調のいい日が続いている。快適に過ごせている。

現在は1か月に1回メンテナンスとして通院中。

 

手首の痛みの鍼灸治療

手首が痛い場合に考えられる病気

 

手首の痛む原因疾患

 

 

・ドケルバン病(狭窄性腱鞘炎)

手首の親指側に痛みや腫れが出て、親指を動かしたり広げたりすると痛みが強くなります。親指の使い過ぎによって腱鞘(けんしょう)にストレスがかかり、炎症を起こすことで手首の親指側付近に強い痛みが出ます。

ドケルバン病の鍼灸治療について

 

・手首の腱鞘炎

手首には様々な腱が通っており、ドケルバン病以外にも様々な腱鞘炎が起こります。炎症が生じた腱に応じ、それぞれの部位に特定の動きで痛みが生じることが多いです。尺側手根屈筋腱腱鞘炎、尺側手根伸筋腱腱鞘炎、長母指伸筋腱腱鞘炎などがあります。仕事や家事での使い過ぎが原因のことが多く、難治性となることがあります。

 

・TFCC損傷(三角線維軟骨複合体損傷)

TFCCとは手首の小指側にある三角繊維軟骨複合体という靭帯や腱、軟骨などの軟部組織の事を言います。手を床について痛めたり、

症状として雑巾を絞れない、ペットボトルの蓋を開けられないなど手首を捻る動作で痛みが出現します。

 

・母指CM関節症

変形性関節症の一種で親指の付け根で手首に近い関節に痛みが出現します。親指を酷使するような動作を繰り返したり、年齢を重ねたりしてCM関節を構成する骨と骨の間にある関節軟骨が摩耗することで発症します。

安静にすれば痛みは治まりますが、進行すると安静にしていても痛みが生じ、関節が腫れる、変形するなどの症状が現れるようになります。

母指CM関節症の鍼灸治療について

 

・橈骨遠位端骨折

手をついて転倒した際、手首の橈骨という骨の端が骨折するものです。通常手首の強い痛みが生じます。骨のズレが少ない場合では、痛みが強くなく捻挫と勘違いしてしまうこともあります。

 

・ガングリオン

関節の周辺や腱鞘のある場所にできるコブ状の腫瘤(しゅりゅう)をガングリオンと呼びます。原因ははっきりとわかっておらず、症状は特にないことが多いですが、神経を圧迫すると痛みやしびれが出ることもあります。

 

・キーンベック病(月状骨無腐性壊死)

手関節に8個ある手根骨(しゅこんこつ)の一つで、手首のほぼ中央にある月状骨(げつじょうこつ)がつぶれて壊死を起こす病気です。原因は不明で、手をよく使う壮年期の男性に多く見られますが、特にケガをしたりぶつけたりといった覚えがなくても、発症すると手を動かした後に痛みが出たり、握力の低下、手首を反らす方向の動きが悪くなるといった症状が現れます。

 

・インターセクション症候群(腱交叉症候群)

親指を伸ばすための短母指伸筋と親指を外に開くための長母指外転筋と手首を反らす働きをする長橈側手根伸筋と短橈側手根伸筋とが手首より少し肘側で交叉している部分に起こる腱鞘炎です。

大工仕事や手作業の多いデスクワークを職業とする人や、野球やテニス、バイクの運転など手首を返す動作の多いスポーツを好まれる方などの集中的に手を酷使する30~50代の方の多く見られます。

症状は手首より4~6cm手前のところの痛みや腫脹、違和感などです。手首を反らす動作、親指でキーボードを打つ際の痛み、また痛い部分を触れて動かすとギシギシとこすれる感じがする場合もあります。

手首の痛み

症状

・指が曲げられない・開かない

・手首が張れる

・何もしなくてもズキズキ痛む

・物が握れない

 

などが挙げられます。

 

 

西洋医学的治療

検査・診断

身体所見、レントゲン検査、CT、MRI撮影、超音波検査などを必要に応じて行います。

治療

一般的に湿布、テーピング、服薬、痛み止めの注射、ブロック注射、ギプスによる安静、装具療法、マッサージ、アイシング、温熱療法、電気治療、手術療法などの対処を行います。

 

手首の痛みに対する東洋医学的考え方

 

東洋医学では関節痛は「痺症」として考えられます。

「痺症」とは身体の外から侵入した外邪(風邪、湿邪、寒邪、熱邪など)が筋肉、骨、関節に影響を与え疼痛や重だるさ、しびれ、腫れ、熱感などの症状として現れることをいいます。

手首の痛みは経絡的には大腸経、肺経、心包経、三焦経、心経、小腸経とたくさんの経絡が関係しています。

 

 

当院の鍼灸治療

 

筋疲労や筋肉の過緊張、萎縮により起こった関節痛では、血流促進や筋緊張緩和を目的として、原因となっている筋肉に鍼やお灸で刺激を与えます。また、状態によっては鍼に電気を流し、筋緊張を和らげる作用や鎮痛作用を促す場合があります。

痛みや腫れ、発赤等がみられる炎症部位に対しては、疼痛の軽減や抗炎症作用を目的とし、鍼に電気を流すことがあります。また関節の周囲のツボに鍼やお灸で刺激を与えることで炎症により増えすぎた関節液や組織液の吸収を促し、腫れを改善し疼痛を軽減させていきます。

 

手首に異常がある方は、姿勢の影響などで骨盤周囲、背中、首や肩関節周囲の筋緊張が強く出ていたり、関節のバランスが崩れ、その結果手首を安定させる筋肉の働きを低下させたり、手首の関節が痛くなるような不安定性を生じている場合がよくあります。

そのため当院では全身の調整施術も行い身体の歪みを整え、根本的な原因を取り除いていきます。

また、東洋医学的観点から気血の流れを改善するツボや、痛みや圧痛のある部位から異常のある経絡を判別し、その流れを整えるツボを選択します。

手首の痛みに対する鍼灸治療

 

末端冷え性の鍼灸治療

当院の末端冷え性の鍼灸治療

 

末端冷え性に対する当院の治療は、自律神経を整えさらに全身施術によって血流改善することで末端の冷えを改善していきます。当院では、自律神経測定器を用いて自律神経の状態を把握していきます。

それによってよりその方にあったオーダーメイドの施術を選択していきます。

また当院では、お腹に電子温灸器を用いて継続的に腹部・体幹を温めることができ体の冷えそのものも改善していきます。

電子温灸器使用例

末端冷え性のお腹へのお灸治療

 

 

鍼の施術に加えてお灸の施術にも力を入れています。肌の上に直接もぐさを置く直接灸や簡易的な間接灸、刺した鍼にもぐさを付けて温める灸頭鍼など様々なお灸の種類を用いてしっかりと身体と末端を温めていきます。

 

末端冷え性の灸頭鍼

 

末端冷え性の下肢へのお灸治療

末端冷え性の足への鍼灸治療

 

 

末端冷え性とは

 

末端冷え性とはその名の通り、手先や足先など身体の末端部に冷えを感じてしまう症状です。特に女性に多く20代以降年齢を重ねるごとに末端冷え性で悩まさせる方が増えると言われています。

末端冷え性は、周りに聞いてもよくあるものだからと対策を何もしないでいると末端冷え性が原因で様々な身体の異常も招いてしまう危険性もあるため注意が必要です。

 

冷え症

 

末端冷え性の症状

・手先や足先の末端の冷え

体温はそれほど低下していないのにもかかわらず、手先や足先が冷えてしまう状態です。手先や足先が冷えてしまう状態ですと、血管が収縮して血流が低下してしまうことで末端冷え性が起こります。比較的10代から30代の若い世代の女性に多く、ダイエット志向の強い方に多く見られます。食事量の減少や過度なダイエットにより筋肉量が減少してしまうことで筋肉が熱を生産するのですが、筋肉の熱の生産量が低下してしまうことで冷えとつながるのです。

さらに身体は、熱を体外に放出させまいと血管を収縮させます。血管の収縮は自律神経の交感神経の活動を活発させますが、それは末端には冷えを加速させてしまう悪循環になります。身体は、末端よりも体幹の体温低下を防ぐように働いてしまうのです。

 

・睡眠障害

末端冷え性となると、身体は体幹の熱を放散させまいと交感神経の活動を活発化させます。交感神経は、活動的な神経で仕事中や勉強中などには非常に有効な神経ですが、逆に休み中や睡眠時にはリラックス神経である副交感神経の活動が重要となってきます。
末端冷え性では副交感神経の活動が抑制されることが多いため寝つきが悪い、睡眠が浅くなってしまうなどの睡眠障害が起きてしまう可能性が高まります。

 睡眠障害の鍼灸治療について

・しもやけや末端のかゆみや発疹

あまりに末端の冷えが強い場合ですと、冷えによって手足先の血行障害が起きてしまいかゆみや痛みを伴う発疹や腫れが生じてしまいます。その他皮膚の乾燥による肌の亀裂やそれからの出血も起こってしまいます。

 

・月経痛や月経不順

末端冷え性などのひどい冷えや体温低下は自律神経の乱れとなり、女性の場合月経痛や月経不順につながってしまう可能性があります。

 月経不順の鍼灸治療

・血管障害

特に下肢に多いのですが、冷えると血管は収縮して動脈硬化に繋がりやすく血管壁の剥がれなどが原因で血管が詰まりやすくなってしまい閉塞性の動脈硬化となってしまう危険性が高まります。

 

 

末端冷え性の原因

末端冷え性の原因は、食事や運動などの生活習慣やストレス過多状態が深く関係していると考えられています。

・筋肉量の低下

筋肉は熱を生産するという役割があります。運動をすると体が暖まりますが、筋肉の働きによって熱が生産されているからなのです。特に過度なダイエットをしている女性に多いのですが、筋肉量が低下してしまうことで熱生産量が足りていない場合があります。また、一般的に女性は男性と比べると筋肉量がすくないので末端冷え性となってしまう危険性が高くなります。そこにダイエットが加わることで絶対的に筋肉量が低下してしまうのです。

その他、40代以降の運動習慣のない男性も注意が必要です。男性の場合でも年齢を重ねるとどうしても筋肉量が低下してきてしまいます。その他男性に多い喫煙習慣も血管を収縮させてしまうので末端冷え性原因となり得ます。

また筋肉には、心臓と同じように収縮弛緩を繰り返すことで間にある血管を刺激して血液を全身に送り届けるポンプ作用のような役割もあります。よって日々の運動不足は筋肉の動きが低下しているので本来のポンプ作用が出来ていないため末端にまで血流がうまく届いていない可能性もあります。

 

・偏った食生活

悪玉コレステロールの取り過ぎは、血液をドロドロ化させてしまい血流の悪化から末端の冷えとつながる危険性が高くなります。悪玉コレステロールの多い食事としては、脂身の多い肉やバター、動物性の脂があります。また体内の水分低下や血圧の低下も末端の血行不良に繋がります。

 

・過度なストレス

過度なストレスは、交感神経の働きを活発化させて体を戦闘モードへと導きます。交感神経は、血管や筋肉を収縮させてお仕事中などの活発的な時間では有効ですが、その状態が長時間続いてしまうと血管が収縮したまま血行が悪い状態が続く、末端の冷えが常態化してしまいます。

またストレスを感じると副腎からアドレナリンというホルモン物質が放出されますが、そのアドレナリンによって血液をドロドロかさせることがわかっています。

 

 

症例

 

40代 男性

半年前から手足末端の冷えが気になりだし、冷えが強すぎて夜眠りにつきにくい。

酷い時は手足だけではなく、体幹部からも冷えを感じる。

夏場や気温が高い日でも手足の冷えが常にあり、運動すると一時的に冷えは取れるが、また時間が経つと元に戻る。

神経質の為、少しのことで気になってしまい色々考え込む性格で、常に不安感がある。

仕事での精神的ストレスが強く感じ、自律神経の乱れも気になる。

デスクワークの為首肩コリが強く、常に身体が重だるい。

 

当院の施術

まず、自律神経測定器で現在のお身体の状態を確認しました。精神的ストレス、肉体的ストレスともに高く、交感神経と副交感神経が8対2の割り合いになっており自律神経が乱れていました。

 

触診をしたところ、手足の冷えに加え腹部の冷えも強く感じました。

腹部の張りもあり、お話によると便秘気味ということでした。

首肩や背中の筋緊張はかなり強く、少し触れただけでも力が自然と入る様子でした。

施術内容は、

①自律神経の調節

②首肩背部の筋緊張緩和

③手足の血流促進

④消化器の活動促進

以上を中心に行いました。

 

経過

◇1回目◇

施術中は緊張したけど、途中から慣れてきてリラックスできた。

◇2回目◇

冷えの効果はまだ感じられないが、施術した夜はよく眠れる。

◇3回目◇

施術後、手足がポカポカして暖かい。

夜もあまり冷えを感じにくくなってきた。

◇4回目◇

全身の筋緊張が緩まっている感じがする。

◇5回目◇

心身ともにリラックスしている。

◇6回目◇

気がついたら、最近冷えを感じることが無くなっていた。

◇7回目◇

とても体調がよく、冷えも感じない。

 

 

執筆者

清水大地

眼精疲労専門の鍼灸師

資格
はり師
きゅう師

2008年
鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年
おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年
中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年
渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年
三軒茶屋α鍼灸院を開院

肩こりと頭痛がつらい方へ

こんにちは。
院長の清水です。梅雨から夏にかけての食中毒に注意!

台風の季節が来ましたね。最近は突発的なゲリラ豪雨も多く、以前と比べても湿度が高いジメジメとして日が増えてきているように感じます。ジメジメと暑い日は苦手な方が多いかと思います。
しかし、私はそこまで嫌いではありません。気温が高くなってきて、夏を感じるとどこか気持ちがウキウキと高まります。雨の日は空気が澄んでいるように感じ、寝つきと朝の目覚めがいいように感じます。

ジメジメとしたこの季節は食中毒に注意です!

気温が高くジメジメする夏の時期に気を付けなければいけないのが、食中毒です‼気温が高くなってくるこの季節は、細菌やウィルスが繁殖しやすく、飲食店でよく集団食中毒が起きたと話題になりますが、家庭内でも気を付けなければなりません。

家庭内での食中毒は報道されることがまずなく、明るみに出ないため軽視しがちですが、料理を作る時などは細心の注が必要なのです‼
家庭でできる簡単な食中毒対策として

①しっかりと手洗いした後、手をアルコール消毒する

②ふきんやスポンジは使い終わったらしっかりと洗い、乾燥させる

③一週間に一度はふきんやスポンジを煮沸して殺菌する

④肉・魚・野菜でまな板と包丁は、使い分けて使用後は熱湯で殺菌する

当たり前のことかと思いますが、この季節は、こういったことを忘れずに行うことが重要です。

 

肩コリと頭痛でお悩みの方へ

肩こりと頭痛の症状二つでご来院される方が、とても多いです。
それは、肩の筋肉(僧帽筋・肩甲挙筋・板上筋など)の多くが後頭部に付いており、肩の筋肉が疲れて過緊張状態になると頭部にまで悪影響をもたらすからです。
また、肩こりといいましてもその他に出る症状によっては、怖い病気が潜んでいる場合もあり、病院で詳しく検査を受けないといけない場合もございます。

こういった場合は注意が必要です

①.特に首や肩をを動かしたわけではなく安静時に発症した肩こり・肩の痛み
⇒胆石や大動脈解離、くも膜下出血などの場合があります

②.安静にしていても肩の痛みが徐々に強くなってくる
⇒悪性腫瘍や線維筋痛症などの場合があります。

③.階段を上り下りするときにも肩が痛む
⇒狭心症や心筋梗塞などの場合があります。

④肩こりの他に上肢にしびれや麻痺の症状が出る
頸椎椎間板ヘルニアや胸郭出口症候群などの場合があります。

当院では、上記の症状が出ていた場合はすぐに病院の方で検査していただき、重い病気でないとわかった時点で施術させていただいております。当院の都合で無理な施術は致しませんのでご安心ください。
当院で施術している首肩の痛みは、

五十肩・四十肩
頚腕症候群
頚椎症
胸郭出口症候群
線維筋痛症     etc

などです。

肩こりと頭痛との関係

 

肩こりと頭痛の関係

 

肩こりと頭痛が併発して起こる原因としまして緊張性頭痛が挙げられます。緊張性頭痛とは、精神的または身体的ストレスによって頭を支える頸部や肩部の筋肉が過緊張状態に陥ってしまい、筋肉の伸縮性が損なわれて側頭部や後頭部などに締め付けられる痛みを発症します。

今は仕事でのパソコン作業時間の増加やスマートフォンの普及により特にうつむき姿勢を長時間することが多くなり、頸肩部に負担が多くかかってしまう方が多いです。そのような長時間の頸肩への負担により、緊張性頭痛をまねいている方がとても多いのです。そのような方の多くは首肩こりと後頭部や側頭部の頭痛を併発しています。

また抑うつ感や睡眠不足などの精神的ストレスによっても緊張性頭痛になるといわれています。

緊張性頭痛が慢性化してしまうと症状が数か月にわたる慢性緊張性頭痛となってしまう危険性もあります。そのような状態に陥ると痛みがさらに体にストレスとなり、自律神経が乱れることで血行不良で疲労物質が溜まりやすくなったり、さらなる筋肉のコリと原因となってしまうのです。

そうなる前に早期治療や生活習慣の改善が必要になります。パソコン作業やスマホ操作などの際のうつむき姿勢は長時間避けて休み時間の時はストレッチや温めたタオルを頸肩に巻いたりすることで筋緊張を緩和しましょう。

当院の施術

当院の肩こり・肩の痛みに対する施術は、肩ばかりでなく、自律神経のバランスを整えて体の全体調子を上げていくことが特徴です。
まずお腹から鍼灸で刺激することにより内臓の働きを活性化し、身体の治ろうとする自然治癒力を引き出します。よく患者さんに肩が痛いのにお腹から施術するのですかと聞かれますが、お腹から施術したほうが、痛み緩和の効果が引き出せます。

肩こり・肩の痛みの自律神経調整鍼灸

 

身体全体を診て施術して、自律神経を整えることで血液循環も改善されて肩部に溜まっている老廃物や発痛物質を流して痛みを軽減させます。

当院では、肩こりや肩の痛みに対する施術も積極的に行っており、なかなか改善されない頑固な肩こり肩の痛み五十肩でお困りの方はお気軽にご相談ください。

肩こり・肩の痛みに対する鍼灸治療

 

 

五十肩に対する鍼灸治療

 

症例

 

40代女性

 

以前から慢性的な肩こりに悩まされていたが、2週間前から肩と首に痛みが生じるようになった。それに伴って、頭痛が発生し夜も寝れないほどつらい。頭痛は後頭部から側頭部にかけての重い痛い感覚。ひどい場合では脈打つように痛みが出る場合もあるとのこと。

普段からパソコン作業が多く、視力も低下している。前かがみになって視線を下に向ける時間が長く姿勢が悪いこともご自身で自覚されている。

首が硬直しており左右に向けない状態。振り向く動作が出来ず、今は身体ごと向けている感じ。

 

 

 

当院の治療

首肩の痛みは筋肉の過緊張が原因とみて筋緊張の緩和を目的としたトリガーポイント治療、低周波鍼通電療法を行った。

首肩コリや頭痛の直接的な原因は姿勢の悪さで、眼精疲労による視力低下が直接的な原因とみて、眼と頭にも低周波鍼通電療法を行った。

 

 

 

治療経過

 

◇1回目◇

首肩の痛み、頭痛が軽減した。10段階で5くらいの感覚まで回復。

コリ感は少し残っているが、痛みはほとんど気にならない。

可動域も広がって首が動かしやすくなった。

 

 

◇2回目以降◇

段々と頭痛・首肩の症状が改善。仕事が忙しくなるとどうしても症状が出てきてしまうので1か月に1回程度メンテナンスとして施術を受けて頂いています。

 

40代女性

以前より頚肩こりを自覚しており、放っておくと頭痛が出現するようになる。頭痛が出現すると頭痛鎮痛剤を服用するがあまり効果は得られない。

仕事上、PCでの業務が多いのに加え、ストレスが多く、溜まってくると症状は増悪する。

 

当院の治療

頭板状筋や僧帽筋、菱形筋など頚から背中にかけての筋肉に緊張と圧痛がみられた為、まずは頚肩こりの症状を緩和するよう低周波鍼通電療法を行った。

仰向けでの治療ではストレスを緩和するような鍼とお灸の治療を行った。

 

治療経過

 

◇1回目◇

初診のうつ伏せの治療後、仰向けになってもらった際、すでに頭痛は消失。首肩こりも改善し、首がスムーズに動くようになった。

 

◇2回目以降◇

症状は改善傾向にあるが、仕事の忙しさやストレスに比例し、症状が出現してしまうので、2週間に1回程度、メンテナンスとして来療している。

 

50代女性

 

以前から慢性的な肩こりや頭痛に悩まされてきたが、1週間前から耐えきれないほどの頭痛が発症した。全体的に締め付けられるような痛みで、とくに側頭部が押されるような感覚がある。肩は痛みまではないが強いこり感を感じる。

仕事はデスクワークで1日8時間以上パソコンを使用している。仕事の合間にストレッチを行ってできるだけ筋肉を動かそうと心がけているが、パキパキ音がなり伸びているように感じない。

 

当院の施術

 

まずお体の状態を確認するために触診で筋肉の状態を入念に調べました。

この方は肩が巻き方で首もストレートネックになっていたため、首の強い筋緊張や肩甲骨の可動域の狭小が目立ちました。肩のこりは肩甲骨まで広がっており広範囲の筋緊張があります。

 

まず、うつぶせで背中、肩、肩甲骨周辺、首に刺鍼し、鍼通電療法を行いました。

筋肉の弛緩が確認できたら、仰向けになり頭部の筋緊張を緩和させるための鍼通電療法、自然治癒力向上を目的とした自律神経の調節も行いました。

 

治療経過

 

◇1回目◇

体がスッキリした。肩がとても軽くなった。

 

◇2回目◇

また仕事が忙しくなり、肩こりのつらさが出てきたが、頭痛は治まった。

◇3回目◇

肩こりは少し気になるが、以前ほどでもない。

頭痛は治まっている。

 

◇4回目◇

首や肩の柔軟性が出てきているような気がする。

ストレッチをしても、筋肉がスムーズに伸びやすくなっている。

 

◇5回目◇

よく眠れるようになっているため、以前のようなだるさはない。

肩こりもあまり気にならず、頭痛も今の所落ち着いている。

 

 

執筆者

清水大地

眼精疲労専門の鍼灸師

資格
はり師
きゅう師

2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む

2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立

2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院

2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院

2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院

緑内障の鍼灸治療

緑内障の鍼灸治療はWHO(世界保健機構)に適応疾患として定義されています。

WHOの適応疾患について←

①緑内障に対する当院の施術

当院の緑内障に対する施術は、第一に目の周辺のツボにハリやお灸の刺激をすることのより目の血行状態をよくします。緑内障は眼底の血流不足で発症するという報告もあり、眼底の血流改善の目的でも施術します。また必要の場合は、電気ハリも用います。緑内障では、眼圧の上昇は症状の進行につながるため眼圧を下げる効果のある経穴に鍼やお灸を用いて刺激していきます。当院の鍼灸施術で、眼圧が低下して安定して緑内障の視野欠損が改善または進行を防ぐことができた方が多くいらっしゃいます。

 

また緑内障を東洋医学的に見ますと五臓六腑の肝と腎が深く関係していると考えられていますので、肝や腎の特に重要なツボも用いてハリやお灸の刺激をしていきます。
東洋医学の特徴である全身を診て治療いくことにより、人間の本来持っている体を正常に戻そうとする自然治癒力を引き出します

緑内障の治療は西洋医学の目薬の治療だけでなく、東洋医学的治療を加えることで症状の改善・症状の進行を防ぐことができる可能性が高まります。病院と並行して鍼灸治療を受けることで相乗効果が生まれることが期待できます。

緑内障の鍼治療

緑内障の原因は眼圧が高くなることが一般的に知られていますが、日本人に一番多いのは、正常眼圧範囲でも緑内障を発症してしまう正常眼圧緑内障です。

緑内障のお灸治療

↑お灸治療も用いて血流の改善を図っていきます。

 

 

②緑内障についての東洋医学的考え

東洋医学では五臓六腑の肝は目に開竅するといわれており、目の疾患は肝機能の障害が深く影響していると考えられています。肝血が不足してしまうと視覚の異常や運動系の異常などがみられます。
また東洋医学では緑内障は瞳孔の疾患と考えられていて瞳は五臓六腑でいう腎に当てはまります。よって緑内障は肝が最も深く関係していますが、腎の疾患でもあります。また肝と腎は相互に依存しており、互いにとても深い関係にあります。

 

様々な研究で明らかになってきた緑内障の発症・進行を食い止める方法

 

緑内障を食い止める

 

緑内障の発症や進行には、眼圧や加齢、酸化ストレスなどさまざまな要因が複雑に絡み合って関与していると考えられています。

・強度近視の人

強度近視の方は、眼軸長が長く楕円形みたくなっている場合が多くただでさえ視神経が障害を受けやすくなっており、緑内障の発症リスクが高いと言われています。よってこれ以上近視が進みにくくするように日常生活で気を付ける必要があります。
スマートフォンやパソコンなどを長時間見ない・一定時間見たら必ず目の休憩時間を取るといったことが重要です。

 

・酸化ストレスをへらす、消去する

体内に取り込まれた酸素のうち数%は活性酸素に変わると言われています。活性酸素は増えて過ぎてしまうと正常な細胞や組織を傷つけてしまうリスク(酸化ストレス)があります。
緑内障の重症度と酸化ストレスを調べた研究では、緑内障が進行している人ほど酸化ストレスが多い傾向があるという結果が出ました。
比較的若い世代にもその傾向が強く、酸化ストレスをへらすことで緑内障の発症リスクや進行リスクを減少させる可能性があります。

酸化ストレスを増やしてしまう要因として、激しい運動や紫外線、精神的ストレス、喫煙習慣、睡眠不足が挙げられます。それらをなるべく控えるようにしてビタミンA/C/Eが豊富に含まれる果物や野菜を摂るようにしましょう。

 

・カロリー制限をすると緑内障の進行予防になる

マウスを使った実験でカロリー制限によって緑内障の進行が抑えられたという結果が出ています。
正常眼圧緑内障を引き起こすマウスに位一日おきに絶食をさせたマウスは、同じように正常眼圧緑内障が発症して通常の食事を摂らせたマウスに比べて視神経の変性が抑えられて見る機能が悪化しにくくなることがわかりました。カロリー制限をすることで活性酸素の発声を抑えることができ、酸化ストレスの軽減に役立ったのではないかと推測されています。

マウスと同じように一日おきの絶食はほかの弊害が起こる場合もありますので腹八分目に食事を抑えるなどして食事量を減らすことを心がけると酸化ストレスを抑えられて同様の効果が得られる可能性があります。

 

③緑内障の鍼灸治療症例

50代 女性
10年ほど前から緑内障を患っており、一番症状がひどい時は眼圧が24mmHg程と高かった。現在は眼圧が20mmHgと少し下がってはいるものの薬を点眼し続けているため副作用も出てきて本人としては薬を使わないようにしたいとのこと。小さい時から強度の近視で先天性の白内障や網膜剥離も患っており目の疾患は今までも多かった。
目の症状の他に首から肩甲間部にかけて硬く、つらい。睡眠の質が悪く朝すっきりとしないことや冷え性、下痢など自律神経症状もみられる。

 

当院の治療
目ばかりでなく、全身の症状を時間をかけてじっくりと問診した後、自律神経測定器で自律神経の状態を計測しました。
治療方針として
1.自律神経の調整
2.首肩の筋緊張の緩和
3.目の周りの筋緊張の緩和

この3点を重点的に行いました。
この患者さんの場合は鍼灸治療が久しぶりということもあり、最初は刺激量を抑えて鍼も細い鍼を使用し、鍼灸治療の刺激を徐々に体に慣らしていくように施術していきました。

 

治療経過
◇1回目◇
自律神経測定器の結果、交感神経が過亢進の状態でしたので、まず心地よい程度の熱さのお灸で体をリラックス状態に持っていき、副交感神経の活動を上げる施術を重点的に行った。

◇2回目◇
1回目の治療後体が温まった感じが続いて長年の手足の冷えが良くなったと感じたとのこと

◇3回目◇
手足は継続して温かいと感じる。目の状態はあまり変化が見られない

◇4回目◇
首や肩の症状がいくらか和らいできた

◇5回目◇
見えづらさなどの目の状態が少しずつ改善されてきた。

◇6回目◇
眼科で眼圧を測定したところ眼圧が14~15mmHgと下がっていた。このままの眼圧だと薬の量を将来的には減らしていけるとのこと。

 

症例2

40代 男性

 

◇症状◇

3年前ほど前にたまたま検査を行った際、眼圧が高いことが発覚した。正常眼圧が平均14、15ぐらいなのに対し、両目とも25であった。自分で生活面での改善を行った結果、19まで落ちていたが、このままの状態が続けば視野傷害が出現する恐れもあり、それを鍼灸治療で食い止めたいという思いから当院に来院した。目のかすみが若干あるが緑内障自体の症状はまだない。

 

◇当院の治療◇

まずは自律神経測定器にて現在の身体の状態を計測。自律神経の乱れもあり、血管の働きも低下していたので、自律神経調節の治療を行った。房水の排出を狙い目の周りにあるツボに刺鍼をし、そこに低周波を流した。デスクワークが多く目への血流の妨げになっていると考えられる首肩周りの緊張を取るため首肩、肩甲骨まわりにも刺鍼。

 

・1回目
施術後、目の疲れが軽くなったが、目のかすみがまだ目立つ。

・2回目
目の疲れがだいぶ取れてきた。かすみも薄くなってきた。

・3回目
眼科で精密検査を行ったところ、眼圧が19のままであった。

・4回目
かすみがさらにとれてきている。

・5回目
かすみが取れてきて、目も疲れにくくなってきた。

・6回目
再び検査を行った結果、眼圧が16まで下がっていた。

 

 

症例3

50代 男性

 

1年前にかすみやドライアイが気になり始め、半年前から視界が一部黒くなった事に気がついた。急いで病院で受診したら緑内障と診断された。

眼圧は当初、右眼が40、左目が20と右眼が特に異常に高い状態だった。

右眼の手術を受けて正常範囲内まで下がったが、また一時的に40まで上昇し、現在は両目25前後で落ち着いている。

正常範囲内まで眼圧を下げることを希望して来院した。

高眼圧の影響で常に頭痛に苦しめられている。

また、デスクワークやストレスの影響で首肩、背中の筋緊張が強く見られた。

 

当院の施術

 

まず、自律神経測定器でお身体の状態を確認しました。

運動習慣がなく、食生活も脂質が多いものを好むという事のためか、血管の弾力性が低下しており、血管年齢が20歳も実年齢を上回ってました。また、交感神経と副交感神経の割合が9:1とバランスがかなり乱れており血流低下、自然治癒力の低下など身体の機能が正常に活動していないことが予測されました。

 

施術内容としましては、自律神経調節治療、首肩、背中の筋緊張緩和、眼の周囲に刺鍼し低周波で刺激する鍼通電療法を行いました。この3つを組み合わせることにより、眼の血液循環が改善し、房水が排出されるようになります。

通院間隔は最初の1週間は1回~2回、眼圧が正常範囲内で安定してきたら、2週間~4週間に1回とメンテナンスとして通っていただいています。

 

経過

 

◇1回目◇

身体がリラックスできて、眼もスッキリした。

◇2回目◇

とても眠れるようになったが、忙しいと心身ともに疲労感が強くなる。

◇3回目◇

身体の疲労感が取れ

◇4回目~10回目◇

定期検査で右14、左13まで眼圧が低下していた。

◇11回目~15回目◇

視野狭窄の進行が止まっており、眼圧も前回の検査と同じ数値だった。

◇16回目~20回目◇

繁忙期や気温の急激な低下など複合的な要因があり、眼圧が右16、左15と少し上昇した。

◇21回目~25回目◇

また眼圧の低下がみられ、両目とも13で落ち着いている。

現在は月に1回の頻度で定期的に通院中。

 

 

④緑内障の日常生活での注意点

緑内障は症状が進行すると失明にまで至るとても怖い病気です。視野欠損や中心暗点の症状に気づいた時点で症状がかなり進行していることも多いので、普段の日常生活で日ごろから緑内障にならないように予防していく必要があるのです。
日常生活で緑内障を予防するために

・糖分を控える
糖分を過剰摂取すると血液中の糖分が増えて血液はドロドロ状態となりやすくなってしまいます。眼の血管は細かい血管が多く血液がドロドロ状態ですと詰まりやすくすぐに血行不良の状態へと陥りやすくなります。眼底の血流不足は緑内障の原因となるとも言われるため日常生活での糖分の過剰摂取は控える必要があります。

・アルコールを控える
過度なアルコール摂取は、眼圧を高くすると言われ緑内障の原因になる可能性があります。また東洋医学的に診ても目と肝は関係が深く、アルコールにより肝が痛めつけられて目の症状が出やすい状態となってしまいます。

・目の疲れを溜め込まない
普段、パソコン作業やスマートフォン操作で多くの時間を費やす方は特に目の休息を意識して目を休める時間を確保するように心がけましょう。近くのものを見るということは人間の目にとってはとても負担の大きいものとなります。作業に合間で遠くのものにボーっと視点を合わせるようにして目の筋肉を休息させましょう。

・適度な有酸素運動
有酸素運動は高まりすぎた交感神経の活動を抑制させて副交感神経の活動を高めるリラックス効果があります。すると、全身の血行は良くなり、緑内障の予防となります。

 

 

⑤緑内障とは

緑内障とは何らかの原因で視神経が障害されて視野が狭くなる疾患です。緑内障では一般的に自覚症状はほとんどなく、知らないうちに病気が進行していることが多くあります。視野障害の進行としてまず目の中心を少しずれた場所に暗点ができます。
実際にはその暗点は両目で見ることにより補われたり、目を動かすことにより気付かないことが多いようです。症状が進行してくると暗点は徐々に拡大していきます。視野はさらに狭くなって、ついには日常生活に支障をきたすようになり、さらに放置すると失明に至る場合も少なくありません。緑内障は糖尿病性網膜症を抜いて一番の失明の原因となっています。

 

※眼圧が低いと…
緑内障は眼圧が高くなってしまい眼球が視神経を圧迫してしまうことにより視神経細胞を傷つけて視野欠損や視力の低下を招く疾患です。では、逆に眼圧が低すぎる場合は、目に何か不具合を生じさせるのでしょうか。
眼球内の硝子体の中には房水と言われる液体が入っています。房水は毛様体で生成されて硝子体内に排出されます。硝子体内には欠陥が存在しないために房水は、硝子体内の一定の圧力によって循環することで栄養を運ぶ役割や眼球の形を保つ重要な役割があります。この圧力を保てないと房水の働きが十分にできなくなってしまったり眼球の形を正常に保つことが難しくなってしまうのです。もちろん眼圧が高くなってしまっても視力や視野に影響を与えてしまいますが低すぎてもダメなのです。
眼圧が低すぎる状態は、眼球の形を一定に保つことが難しくなるためピントを合わせずらくなってしまうのです。すると視力が低下するばかりでなく物が歪んで見えたり、ひどいと歩くこともままなくなり日常生活に大きな支障をきたしてしまうのです。
正常な眼圧の範囲は、一般的に10~20㎜Hgと言われており、眼圧が10㎜Hgを下回ってしまった場合注意が必要です。ちなみに眼球はまぶたを閉じれば自分でその硬さを知ることができます。眼球を抑え過ぎるのは目に良くないことですが、自分の眼球の硬さを知ることは病気の早期発見に役に立ちます。

目の構造

 

②緑内障の原因

緑内障は眼球における房水の流出路が障害されて起こると考えられています。目の中には血液のかわりとなって栄養などを運ぶ、房水とよばれる液体が流れています。
房水は毛様体で生成されてシュレム管から排出されます。隅角はその経路の一部であり、緑内障にとってとても重要な場所です。眼の形状は房水の圧力によって保たれていてこれを眼圧といいます。緑内障はその眼圧が上昇することによって視機能が障害される疾患でもあります。緑内障の種類は5つあります。

ⅰ)原発閉塞隅角緑内障
虹彩の根もとが前に押し出されて隅角が狭くなり、房水の流出が悪くなって緑内障が起こります。中高年の女性に多いとされています。急性型と慢性型があります。急性型は眼圧が急に上がった状態で眼痛とともに頭痛や吐き気、嘔吐などがしばしば合併しますので内科疾患と間違えられる場合があります。
他覚的所見として瞳孔は散大して結膜の充血も強くみられます。慢性型は症状が軽い時は、頭痛や眼のかすみ・軽い痛みがあります。重い時は急性型の症状が現れることもあります。

ⅱ)原発開放隅角緑内障
隅角は狭くないが、その機能が悪く、房水の流出が障害されるもので慢性に経過します。正常よりも眼圧がやや高い状態が続いて、そのため視神経が障害されて、次第に視野が狭くなって視力も低下していきます。
そして視神経までも委縮してついに失明に至る場合もあります。また頭痛・軽い眼痛や眼のかすみといった症状を訴えることもあります。

ⅲ)正常眼圧緑内障
眼圧は正常範囲(10~21mmHg)であるが、視神経が障害されて視野の狭窄が見られるものをいいます。緑内障は、眼圧が高くなることが原因だと知られていますが、実は日本人で一番多いのが、この正常眼圧緑内障です。
視神経の障害を起こさない眼圧には個人差があり、人によっては低い眼圧でも視神経障害を起こすことがあります。眼圧が正常であること以外は原発開放隅角緑内障と同じ症状が現れます。

ⅳ)続発緑内障
ぶどう膜炎・ステロイド薬の長期点眼・外傷・眼内腫瘍・網膜疾患などでも緑内障の症状が起こる場合があります。

ⅴ)先天緑内障
隅角の形成不全による房水の流出障害で起こります。角膜が混濁するほか、乳児の場合は眼球の伸展性あるため眼球全体が大きくなります。自覚的に羞明や混濁などの症状があります。

Ⅵ)薬の副作用
薬の副作用でも緑内障が起こることが知られています。特に抗精神薬や抗不安薬、睡眠導入剤において目の副作用として原発性閉塞隅角緑内障があります。日本緑内障学会が行った調査によりますと有病率は決して多くないとされていますが、緑内障の急性発作が起こる危険性があると示されています。また多くの精神疾患に関する薬には目に対する副作用があると報告されています。ムスカリン性アセチルコリン受容体遮断作用による調節障害により目のかすみ症状が起きることがあります。その他の精神疾患薬の副作用として首や顔・眼球の筋肉にゆっくり持続的な異常収縮が起こることがあります。目ではまれに眼球上の瞼のけいれんが起こることがあり、注意が必要です。

 

 

執筆者

清水大地

眼精疲労専門の鍼灸師

資格
はり師
きゅう師

2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好医院にて多くの臨床経験を積む

2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立

2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院

2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院

2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院

扁桃炎の鍼灸治療

扁桃炎に対する当院の鍼灸治療

当院の扁桃炎に対する治療の目的は、第一に咽頭周辺解熱の特効経穴に鍼やお灸をすることで抗炎症作用を促します。

扁桃炎の鍼灸治療

症状の強い場合は刺した鍼に微電流を流すことにより鎮痛作用を促したり、少し強めのお灸で抗炎症作用を促します角膜の炎症をおさえる作用を促します。
また扁桃炎は五臓六腑の「」と「大腸」に深く関係しているので肺に関する経穴を用いて肺の機能を正常に戻るように促します。風熱の邪気によって引き起こされる場合はそれらを体外に出す治療が必要になります。それらのツボは背中に多くあるためうつ伏せとなっていただき、背部の治療も行っていきます。

 

扁桃炎の鍼治療

 

東洋医学の診断方法に基づき全身の調整治療も行っていきます。扁桃炎は、免疫機能の低下が原因の一つと考えられているので、全身の調整治療を行い自律神経のバランスを整えることで、免疫力を高めます。

当院では、施術前に自律神経測定器で今現在の体の状態を診極めてから施術致します。そうすることでより高い治療効果が期待できます。
当院の扁桃炎に対する施術目的は、まず炎症や痛みを抑え、慢性化することを防ぐことです。また、西洋医学とは違う東洋医学の観点により少しでも症状が軽くなり、慢性化しない機会を提供することです。

患者さんの仕事の質の向上や生活の質を高められるように治療はもちろんのこと生活上のアドバイスなども積極的に行っていきます。

 

 

扁桃炎の東洋医学的考え

 

扁桃炎は、東洋医学で主に五臓六腑の『』が障害された疾患と考えられています。

 

肺の機能として東洋医学では・・・
「気を主る」
呼吸によって外界の清気を吸入し、体内の濁気を排出して、気の交換をします。
また体内の気の生成に関与しています。

 

「宣散・粛降を主り、水道を通調する」
気と津液の両面に関与する機能であり、気と津液を全身の隅々まで行き渡らせて機能を発現させます。末梢の体液バランス・肺呼吸と皮膚呼吸の調節などに関与しています。

 

「皮毛を主り、鼻に開きょうする」
汗孔の開閉・汗の分泌・立毛筋の調節などを行っています。さらに病邪が侵入するのを防止して、もし侵入された場合抵抗し排除する重要な役割があります。

 

 

風熱犯肺・熱邪犯肺
上記のような肺の機能が熱邪(細菌やウィルス)の侵入により障害されて、機能が低下して扁桃炎が起こると考えられます。

 

 

肺と大腸は表裏関係
肺と大腸は、表裏関係にあり肺が侵されると、大腸にも影響受けやすくなり、腹痛や下痢・便秘なども引き起こしやすくなります。

 

扁桃炎の鍼灸治療症例

 

風邪が流行する時期となると扁桃腺が腫れて扁桃炎と診断されていました。ノドの違和感や微熱・軽度な頭痛などの症状が出ていました。

通常は抗生物質などを服用すると1週間以内に体調は回復していましたが、今回の扁桃炎は長く続いて体はそこまでつらくはないが長引く微熱と倦怠感・ノドの違和感を緩和したくてご来院されました。
病院で処方されたお薬を服用していますが、改善されていません。

 

 

経過

日々のストレスで免疫機能が低下してしまって扁桃炎となってしまっている可能性もありますので、初診時に自律神経測定器で自律神経を測定していきましてそれに見合った施術法や施術ツボを選別して施術を行っていきます。

1か月ほど週に1~2回ほどのペースで通院していただいておりました。

鍼灸を受けた後の期間では免疫力が向上したのか風邪や扁桃炎などの症状が出ることが少なくなったとのことです。

現在は症状も落ち着いておりますので、施術間隔も長くしていき、自律神経の状態や体のメンテナンスもかねて鍼灸治療を受けられております。

 

 

例2

 

20代 女性

 

1週間前に風邪を引いてしまい、熱は下がったがのどの痛みがなかなか引かないため、来院された。

扁桃腺を見てみると赤く腫れあがっており強い炎症を起こしているようであった。

体調を落とす前に、仕事の忙しさやプライベートでの人間関係による精神的ストレスが強く感じていた為か、自律神経の乱れも自覚がある。

 

当院の治療

まず第1に、喉周りや顎周りに刺鍼を行い、さらにお灸をして炎症を抑える施術を行った。

また、自律神経の乱れによる免疫力の低下が気になったので、自律神経測定器で体の状態をチェックしたところ、交感神経が過活動しており免疫力を働かせる副交感神経があまり活動していなかった。

そのため、副交感神経を高める施術や、東洋医学観点から扁桃腺炎に関わるツボにも刺鍼をし、全身的な体質改善の施術も行った。

治療間隔は1週間に2回のペース。

 

 

◇1回目◇

あまり大きな変化はないが、よく眠れるようになった。

 

◇2回目◇

少しのどの痛みが軽くなった。

 

◇3回目◇

まだ少し痛みがあるが、順調に改善している。

 

◇4回目◇

前回からは、変化なし。

 

◇5回目◇

ほとんど痛みがない。

 

症例3

30代 女性

 

3週間前に風邪を引いてしまい病院に受診した。症状は発熱、咳、鼻水、喉の痛みがあったが、喉の痛みだけが全く改善されず残ってしまった。

食べ物や飲み物を飲み込むと激痛が走り、食事が苦痛に感じる。

ここ最近仕事が忙しく、睡眠時間も短くなっておりあまり身体が休めていない状態が続いている。

 

当院の施術

 

喉の状態を確認したところ、扁桃腺がひどく腫れてしまい発赤が見られ、発声もままならない状態でした。

日頃のデスクワークに加え、咳が酷かったため首や背中の筋肉が強く緊張していました。

自律神経測定器でお体の状態を確認したところ、交感神経が優位で副交感神経があまり働いていない状態でした。

当院では自律神経の調節に合わせ、首肩背中の筋緊張を緩める施術、扁桃腺の炎症を抑える施術を行いました。

 

経過

 

1回目

少し楽になったような気がする。

施術の夜はゆっくり眠れる。

 

2回目

水を飲みこむ時の痛みが軽くなった。

 

3回目

朝は痛みが強いが、夕方以降は落ち着いてくる。

 

4回目

痛みが軽くなってきた。

食事や飲み物、唾液を飲むこと以外はあまり気にならない。

 

5回目

少し痛むがほとんど気にならない。

 

6回目

ほぼ痛みはない。

 

 

 

扁桃炎とは

扁桃炎とは、風邪や疲労などによって体の抵抗力が弱まった時に口腔内に潜んでいた常在菌(レンサ球菌・ぶどう球菌・肺炎球菌など)が口蓋扁桃を足場に増殖して炎症を引き起こす疾患です。

扁桃はアーモンドという意味で形がアーモンドに似ていることが由来です。扁桃は体内に侵入する微生物を最初に防御する免疫機能の役割を担っているといわれています。
特にあまり体の免疫機能が未発達の幼少期は、扁桃に免疫機能の大きな役割を担っているいますが、大人になってからその機能不明で扁桃を摘出しても免疫機能に弊害が起きることも少ないことから大した役割を担っていないとも考えられています。

症状としまして、悪寒を伴う発熱咽頭の激しい痛み倦怠感頭痛関節痛などがあります。また耳下腺や顎下腺などのリンパ節が腫れることもあり、痛みが側頭部や耳に広がることもあります。

扁桃炎は急性と慢性の疾患があります。

 

・急性扁桃炎
急激に悪寒を伴う高熱で発症し、激しい咽頭痛も起きます。急性扁桃炎は、炎症が周囲に波及して扁桃周囲炎となる場合もあります。
急性扁桃炎が治りかけたところで治療を怠り、悪化していく場合が多いようです。

 

・慢性扁桃炎
年に何回も扁桃炎が起きる場合を慢性扁桃炎といいます。扁桃のくぼみに細菌が蓄積されていき、風邪や過労、ストレスが誘因となってしばしば炎症を引き起こします。菌が常在されているためそれが原因で、関節リウマチや内臓の疾患に繋がることもあります。慢性扁桃炎は主に慢性単純扁桃炎・習慣性扁桃炎・扁桃病巣感染症の3つに分類されます。
慢性単純性扁桃炎は主に大人が発症するもので、能登の痛みや乾燥感、ノドの違和感を感じます。習慣性扁桃炎は子供に発症して高熱が出る急性扁桃炎を何回か繰り返します。扁桃病巣感染症は、扁桃部分の痛みは軽いものではありますが、リウマチや腎炎など関節や内臓にまでに炎症が広がることがあります。

 

頭痛 扁桃炎

 

 

 

扁桃炎の原因

扁桃炎は、常在菌(レンサ球菌・ぶどう球菌・肺炎球菌など)インフルエンザウィルスなどが原因となります。それらが、風邪や過労、過度なストレスなどにより体の免疫力が低下した時に増殖して炎症を起こします。
また子供の場合は扁桃で免疫機能の大きな役割を担っている部分が多く、扁桃炎に侵されると習慣化してしまう場合も多いです。

 

 

日常生活での注意点

扁桃炎は、免疫機能の低下や日常生活での不摂生が原因で起こる疾患なので、日々の生活を見直す必要があります。また一度扁桃炎にかかってしまうと慢性化しやすく、普段から予防することがとても重要です。
扁桃炎を予防する、慢性化することを防ぐためには、体の免疫力を高める・過労やストレスを避ける・喉を乾燥させないなどがあります。扁桃腺は、細菌やウィルスが体内へ侵入してきた時に最初に防いでくれる体の免疫にとってとても重要な器官です。ノドの乾燥は、菌を増殖させる危険性があるので、うがいやマスクでノドの乾燥を防いで菌を増殖させないことがポイントです。体の免疫力を高めるためには日々の食事に気を付けることや睡眠をしっかりと取ることです。また、過労やストレスは体の抵抗力や免疫力を低下させる危険性があります。扁桃炎になるということは体が弱っている証拠なのです。

 

・手洗い、うがいを欠かさない
・十分な睡眠をとる
・食事を三食きっちりと摂り、ビタミンCを多く摂る
・はちみつは殺菌力がある
・週に3~4日の運動習慣
・たばこを吸わない
・暴飲暴食をしない
・仕事や家庭でのストレスを溜め込まない

 

男性不妊

男性不妊の鍼灸治療

精子に関わるものと性交時に関わるものの両方ともにある精神的ストレスの緩和をさせます。勃起障害は自律神経の乱れが原因となる場合も多く、交感神経が過亢進状態にあります。自律神経を整えることで勃起しやすい体の状態にもっていきます。

男性不妊の鍼治療

 

男性不妊のお灸治療

骨盤内循環をよくするために骨盤内血流量を上げる経穴を選択するのと下半身の循環を改善します。

男性不妊のうつ伏せ鍼灸治療

東洋医学では腎精の不足が考えられます。腎精の作用は身体の成長や発育、生殖機能などに関わる機能を持ちますので腎を中心に施術します。

 

自律神経調整鍼灸治療

当院では、自律神経測定器で交感神経と副交感神経のバランスを調べられます。身体が不調になったときに一番頼りにするのは、自然治癒力です。

元々持っている力で治すことが根本治療に繋がります。自然治癒力は自律神経のバランスが鍵になります。自律神経が整っていると身体の循環がスムーズになり自然治癒力の向上に期待できます。

強いストレスや悪い生活習慣を過ごすと脳にある自律神経中枢が乱れて骨盤周りの血液循環を悪くします。
自律神経測定器で計測したデータを元にその方その方に合った治療法で施術します。

自律神経は一日で変化を起こすことが難しく反応がいい方でも数回はかかります。
治療間隔としては、初めの5回を4~5日に一度のペースで来院していただくと効果がでやすいです。
その後効果が出始めてから一週間に一度、二週間に一度と間隔を広げていき症状の改善をしていきます。

 

※自律神経測定器
自律神経測定器

 

 

 

男性不妊とは

 

不妊の原因は男女ともに原因の可能性があります。以前は、不妊の原因は女性側だけにあると考えられていましたが、現在では約半数は男性側にも原因があると言われています。

WHO(世界保健機構)による不妊症原因調査では、男性のみ24%、女性のみ41%、男女とも24%、原因不明は11%と報告されています。このことから男性におる不妊の原因は、48%もあると考えられます。

男性不妊の原因の一つに精子の数が関係します。この精子の数は世界各国の報告で毎年減少傾向にあると言われています。日本では過去30年間で10%の精子減少があると言われているため、これからも不妊に悩む夫婦が増えてくると考えられます。

このように男性側による不妊の原因が大きいにも関わらず男性の意識は自分に原因があるとは考えないことが多いため積極的に取り組まないようです。不妊は女性の問題という間違った考えがいまだ世間ではあります。

男性不妊

 

 

不妊症とは生殖年齢の男女が妊娠を希望し、二年間性生活を行っているのにもかかわらず妊娠しない場合を言います。二年間妊娠しない場合は不妊治療を考えた方がいいです。

不妊で悩まれている夫婦は相互理解と協力のうえで不妊治療に取り組むことが理想です。

 

 

男性不妊の原因

男性不妊の原因には、精子の異常・精子の通路障害・性交障害などにわけられます。

精子の異常

精子の異常には、乏精子症や無精子症、精子無力症があります。

・乏精子障害は射出された精液中の精子濃度が低い状態をいいます。自然妊娠を望むには、精子の数が4000万以上だと言われています。ただし2000万以上で正常だと決められています。WHO(世界保健機関)の基準では精子濃度や運動率、奇形率などを総合的にみて判断します。

乏精子障害は、原因不明なことが多いのですが、精索静脈瘤がみるかることがあります。この精索静脈瘤を治療することで正常になる人もいます。

 

・無精子症は、精液中に精子が見つからない状態をいいます。染色体異常を除いて、元々精子がつくられないものと精子は作られるが精子の通り道で精子が見つからなくなる二つがあります。閉塞性のものは手術をすることで通り道を再建することができます。非閉塞性のものは難しく薬物治療や外科的な治療になる場合もあります。

 

・精子無力症は、精子の運動状態が低下していることをいいます。ほとんどが先天的な原因だと言われています。後天的な原因としては、おたふくかぜによる精巣の炎症、前立腺炎、精索静脈瘤、膿精液症などがあります。

運動率は、正常な精子で7から8割以上が運動しますが、精子無力症では、重い場合1割以下しか運動していません。

 

精子の通路障害

精子の通路障害は、生まれつき尿道が細いと粘液である精液が通りにくくなります。それ以外には、結核菌や淋菌などに侵されて炎症が起こると狭くなり精液がでにくくなります。

 

 性交障害

性交障害には、早漏、遅漏や性器の形態などいろいろありますが、多くの場合は勃起障害によるものです。勃起障害は性交できる程度に勃起できことや勃起を維持できない状態をいいます。
原因には神経の損傷内分泌疾患精神的ストレスなどがあります。

・勃起障害は性交時に勃起が不十分や勃起を維持できないため挿入できないことを定義としています。

勃起障害は様々な原因があります。心理的な要因や加齢、生活習慣、神経系の障害、手術や外傷、病気などです。一部の薬剤により勃起障害を引き起こすこともあります。

死の四重奏である高血圧・高脂血症・糖尿病肥満などを持つと勃起障害になるリスクが高まります。勃起が性的刺激を受けて脳からの信号により神経を伝って陰茎に血液を送り込むため血管にかかわる要因は勃起障害になりやすいということです。

 

症例

 

30代 男性

 

ここ最近勃起が不十分になり性生活が困難な状態に悩まされている。

子供は現在1人で、2人目を希望しているため当院を受診した。

朝立ちは確認できるが、性交時は勃起が不十分なため性交が成立しない。

とくに睡眠不足や疲労が蓄積していると反応できない事や、途中で中折れすることも多い。

平均の睡眠時間は4~5時間程度。ストレスは感じやすい。

 

当院の施術

 

EDによる男性不妊はストレス、睡眠不足、慢性的な疲労が影響していきます。

睡眠時間の少なさ、お身体の筋緊張の強さなどから自律神経の乱れの可能性があったため、自律神経測定器でお身体の状態を確認しました。測定の結果、交感神経の割合が高く、逆に副交感神経の割合がかなり低い状態でした。

まずは自律神経調節、とくに勃起に関係する副交感神経の働きを促す施術を行いました。

また、足の冷えや臀部の筋緊張も強いため陰部の血流低下を引き起こしていると考え、冷えや筋緊張を改善し血流促進で勃起を促す施術も行いました。

 

1回目

よく眠れるようになったが、勃起は変わらず。

 

2回目

慢性的な疲労感が抜けてきた。

 

3回目

少し勃起力が強くなってきた。

 

4回目

まだ途中で中折れするが、立ちやすくなってきた。

 

5回目

以前より勃起が長持ちするようになり、反応も良い。

 

無事、2人目の妊娠に成功したというご報告を受けました。