胸郭出口症候群の鍼灸治療

2018年9月30日

胸郭出口症候群に対する当院の鍼灸治療

 

当院の胸郭出口症候群に対する治療は胸郭出口付近のツボにお灸を施すことにより斜角筋群の筋の過緊張を緩めてその下に通る動脈・静脈・神経の通りをよくします

 

胸郭出口症候群の鍼治療

また、痺れや痛みの強い付近のツボを刺激することで血行を良くし、筋肉や骨に栄養が行き渡るように促します。また鍼を刺すことにより筋肉の弛緩を促し、鍼の刺激により痛みを感じる閾値を上げて痛みを感じにくくする作用を促します。

胸郭出口症候群は五臓六腑の「」と「」と「」に深く関係しているので肝と腎と脾に関するツボを用いて肝血や腎気を補うことや脾の作用不足を正常に戻すように促します。また「風寒」や「湿」の邪気によって引き起こされる場合はそれらを体外に出す治療が必要になります。
東洋医学の診断方法に基づき全身の調整治療も行っていきます。胸郭出口症候群は、全身性の疲労気血の滞りが原因の場合もあるので部分的な治療ではなく全身を診て治療していきます。
また、お腹や背部も施術することで身体全体の緊張を緩め、自律神経の調整も行っていきます。

 

胸郭出口症候群の全身調整鍼灸治療

腕や手の痺れでお困りの方は、腕の置き場所がなく、夜もよく眠らないという方が多いです。そういった方々に当院独自の自律神経調整法を行うことで改善される方が多いです。

 

 

胸郭出口症候群の東洋医学的考え

 

東洋医学では胸郭出口症候群は体の外から邪気を受けるため発症するものと東洋医学でいう「」と「」と「」が何らかの原因で損傷して働きが弱まって発症するものと考えられています。そういった原因で頸部付近もしくは上肢の気血が滞り、それが痛みや痺れの原因となると考えられています。

体の外からの邪気として一番胸郭出口症候群が発生しやすいのは、寒く風のあたる場所にいた時などに体に悪さをする「風寒の邪気」を受けた時です。次いで湿度の高い場所にいて「湿邪」を受けた時などです。

また長い間重いものを背負っていた時やパソコン作業をしていた時などに気血は滞り、それが頸部付近であった場合に胸郭出口症候群を発症する可能性が高くなります。
東洋医学でいう「肝」は血を貯蔵して必要に応じて供給・消費する作用や自律神経系の作用を通じて血管を収縮あるいは弛緩させて、体内各部の血液量を調節する作用があります。

「腎」は人体の生命活動の基礎となる物質を貯蔵しており、「脾」は筋肉や軟部組織に栄養を供給しています。「肝」・「腎」・「脾」のそれらの機能が弱ると全身的に血や体液が不足し、筋肉や骨などの様々な器官に栄養を送ることができず、さらに上記のような条件が加わることで胸郭出口症候群がおこりやすくなります。

 

 

胸郭出口症候群とは?

胸郭出口とは、鎖骨、一番上の肋骨の間、前斜角筋、中斜角筋などによって構成される隙間のことをさしており、胸郭出口症候群とは、この部分を通る鎖骨化動脈や静脈、それに神経が圧迫されるために起こる疾患です。圧迫される場所によって斜角筋症候群肋鎖症候群過外転症候群頸肋症候群と呼ばれますが、総称して胸郭出口症候群と言います。

症状としてもっとも多いのは、上肢のしびれ感放散痛脱力感など自覚症状が目立つがときに上肢にチアノーゼや筋委縮のような他覚的所見を伴うこともあります。また電車のつり革につかまる時のように手を上にあげる動作でしびれを感じたり、手指の冷感首や肩の凝り・痛みなども症状として挙げられます。

胸郭出口症候群は15~50歳の各年齢層にみられますが、20代に最も多い疾患です。なで肩の体型の人に起こりやすい傾向があり、一般に女性のほうに多いようです。また発症に左右差はなく、両側性よりも片側性のことが多いようです。

 

 

胸郭出口症候群の原因

 

鎖骨周辺で神経や血管を圧迫する原因は、いくつかあり、これらをまとめて胸郭出口症候群と言います。

 

斜角筋症候群
前斜角筋もしくは中斜角筋という首にある筋肉の間で神経・血管が圧迫されると生じると考えられるものです。

 

肋鎖症候群
第1肋骨と鎖骨の間が狭く、そのために神経・血管の圧迫を生じると考えられているものです。

 

過外転症候群
腕を上げて後ろにそらす運動をすることで烏口突起のところで神経・血管が伸ばされ過ぎて小胸筋によって圧迫されて生じるものです。

 

頸肋症候群
頸肋の存在によって胸郭出口が狭められて神経・血管の圧迫を生じるものです。頸肋とは、第7頸椎に接続する余分な異常肋骨で、一種の奇形です。

 

 

胸郭出口症候群の原因は様々なものが考えられています。多い原因としまして過度な筋力トレーニング猫背による小胸筋の過度な筋緊張が起こってしまい胸郭出口症候群の症状が現れます。ジムなどでベンチプレスなどのハードなトレーニングをしている方やデスクワークなどで常に前傾姿勢となってしまい猫背やストレートネックになってしまう方がこれに当てはまります。こういった方々たちに場合症状が慢性化・重症化してしまう場合も少なくなく、上肢や肩の症状ばかりでなく、耳鳴り難聴などの耳症状や顔面部の痺れ症状の原因となってしまう危険性もあります。
耳鳴りについて
難聴について
また、胃や食道の状態も影響を与える場合があり、特に逆流性食道炎で胃液が逆流して食道や口腔内が胃液で刺激されて首肩の筋収縮が起きてしまうために呑酸や胃の使え感とは別に頚椎症・肩こりや胸郭出口症候群の原因となってしまうのです。
逆流性食道炎について
肩こりについて
頚椎症について

その他にもストレスや不安感、精神的な緊張感も斜角筋群・胸筋群に影響を与えてしまいやすいと言われており、過度なストレスや不安感は首肩回りの筋肉に過緊張状態を作り出してしまい胸郭出口症候群を患ってしまうこともあります。

 

※胸郭出口症候群の徒手検査
徒手検査とは、体の中の筋肉の筋力や腱反射、圧迫部位などを特定する検査法で病院などでも行われるものです。当院でも徒手検査をすることでどこの筋肉に異常があるかまたは中枢性の障害か末梢性のものかを特定して施術に反映していきます。胸郭出口症候群の徒手検査では、実際にどの部分の神経が圧迫されているのか徒手検査で特定していきます。
代表的な胸郭出口症候群の徒手検査として

・モーレイテスト
患者さんに座っていただき、鎖骨上の腕神経叢という部分を母子で圧迫します。そのときに腕などに痛みが放散した場合、腕神経叢の圧迫によって胸郭出口症候群が起きている可能性があります。

・ルーステスト
患者さんに座っていただき、肩関節を90度外転・90度外旋・肘を90度屈曲の姿勢をとり、3分間指の曲げ伸ばし運動をしてもらいます。その時3分持たずに前腕部のだるい感じや手指の痺れを感じて腕を下してしまった場合、肋鎖間隙での腕神経叢の圧迫が疑われます。

・ライトテスト
患者さんに座っていただき、施術者は背後から患者さんの橈骨動脈の拍動を触ります。そして、患者さん自身で腕を動かさずに施術者が肩関節を90度外転・90度外旋・肘を90度屈曲に患者さんの橈骨動脈に触れながら腕を動かしていきます。その際に橈骨動脈の拍動が触れなくなった場合、肋鎖間隙での血管の圧迫が疑われます。

・エデンテスト
施術者が患者さんの背後に回り、ライトテストと同様な形で橈骨動脈の拍動を触ります。そして施術者は拍動を触りながら、患者さんの腕を後ろの方へ引っ張っていきます。その際に拍動が弱くなった場合に肋鎖間隙での血管の圧迫が疑われます。

・アレンテスト
施術者は患者さんの背後に回り、患者さんの症状が出ている方の腕の脈を触りながら、患者さんの腕をルーステストと同様の肢位をとります。さらに患者さんは腕を上げた方と逆側に首を回します。その際に橈骨動脈の拍動が弱くなった場合、斜角筋群の過緊張状態や短縮による神経もしくは血管の圧迫が疑われます。

 

 

 

⑥症例

40代 男性

・症状
デスクワークを一日10時間以上こなしていて、普段から肩こりや首の痛みを感じていた。ここ二週間前より肩より上に腕を上げる動作が強くなり、パソコンを打っている時に腕に痺れを感じるようになってきた。当院来院の2,3日前より痺れ症状が強くなり、腕に力が入りにくくなってきた。整形外科で胸郭出口症状群と診断されて当院に来院された。
趣味のテニスなども力が入らずにつらい状況であったため、なんとか鍼灸で痛み無くテニスを行いたいとのことだった。

・当院の治療
1.まず、問診や触診をしっかり行います。
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2.自律神経側器で自律神経の状態を測定します。
自律神経測定

3.自律神経測定治療・圧迫している部位をほぐす治療をします。
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4.最後に手技療法で仕上げの治療をします。
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・治療経過

1回目
治療後の反応として痺れは強く出たが、肩こりや首の痛みはだいぶ楽になった。

2回目
仕事が忙しく、少し間隔があいてしまったため痛みが戻っていた。治療後は、1回目と同じような体の反応があった。

3回目
4日後に来院。痺れはまだ残っているが痛みの方はだいぶ軽減。パソコン作業を長時間すると腕にだるさを感じる。

4~6回目
仕事が立て込み疲れてくると症状が強く出るが、痺れも比較的楽な日が出てきた。

7~10回目
控えていたテニスを再開。5割程度の力と量で行っていただいた。プレー中は痛みは出なかったが、終わってからは少し症状が出た。

11回目
痛みが出る以前と同じようにテニスができるようになった。仕事でパソコン作業を行ってもつらくなくなった。

 

症例2
30代男性

2~3年ほど前から左側の首から背中の痛みを感じるようになってきた。仕事はパソコン作業と力仕事が半分半分程度とのこと。その状態が長く続いて、あまりに辛い症状が出た時はマッサージに行くなどしてその場をしのいでいた。そして、ここ2カ月ほど前から首や背中の症状に加えて左上腕や左手までに痛みや重だるい感じが出てきた。

整形外科を受診して電気治療・湿布・牽引の治療等行ったが、あまり改善されずに当院にご来院されました。

 

治療経過

触診の結果、左の胸鎖乳突筋や斜角筋群が硬く筋緊張が見られた。また左上腕・前腕も硬く特に上腕二頭筋・橈側手根伸筋に筋緊張が強くみられた。治療としては筋緊張の強く出ている筋肉に置鍼療法・鍼通電療法とお灸刺激を加えて筋緊張をとっていきました。

まずうつぶせで施術を行い、次にうつ伏せで左右の首肩部の経穴に刺激をして筋緊張をとるアプローチをしてから最後にそれでも取れきれない部分を手技療法やストレッチ療法で取っていきました。

◇1回目◇
治療後、身体全体のだるさが出た。次の日にはだるさもなく、身体が楽になった感じ。左側の症状はあまり変化は見られず

◇2回目◇
治療後、前回ほどのだるさは見られない。左側の症状、次の日は痛みやだるさがいくらかましになったと感じたとのこと。

◇3回目◇
左側の症状、痛みが強く出る場所が日によって違う。

◇4回目◇
左側全体的に楽になってきた。一番つらい時の痛みを10とすると4回目治療後では4程度とのこと。

◇5回目◇
今週仕事が忙しいことに加えて天候悪く身体も重だるい。治療後はすっきり。痛みの段階は前回同様4程度。

◇6回目◇
左の頚部が一番つらい。その他の部分の痛みやだるさは感じなくなった。

◇7回目◇
左頚部の痛みほぼ感じない。仕事で疲労してくると少し気になる程度。痛みの段階は2程度。

◇8回目以降◇
仕事が立て込んだり、身体の調子を崩すとその都度ご来院されて身体の調子を整えています

 

 

執筆者

清水大地

眼精疲労専門の鍼灸師

資格
はり師
きゅう師

2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好医院にて多くの臨床経験を積む

2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立

2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院

2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院

2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院


Posted by 中目黒の鍼灸院 東京α鍼灸整骨院|眼精疲労 at 21:22 / 院長コラム コメント&トラックバック(%)

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