足の親指の裏(母趾球)の痛みの鍼灸治療

足の親指の裏(母趾球)の痛み

 

足の親指裏の痛み

 

足の親指は母趾と呼ばれ、その付け根にあたる丸いふくらみを母趾球(ぼしきゅう)と呼びます。手にも同様に母指球が存在し、漢字を分けて使う場合が多いです。

人間が立っているときに足は唯一地面に接する部分であり、歩行や走行ではその衝撃を吸収する必要があります。

そのため足には3つのアーチ構造が備わっています。母指球とかかとを結ぶ内側縦アーチと母趾球を結ぶ横アーチは衝撃吸収に重要な役割を担っています。

 

 

母趾球の痛みの原因となる疾患

 

・種子骨障害

歩いたり走ったり踏み込んだ時などに母趾球部に痛みが出現します。また、その部分を指で押したり足の親指を強制的に手で反らすと痛みが出ます。症状が進行すると足を地面につけただけでも痛みがあり、歩行が困難になってきます。

陸上競技やバスケットボールなどよく走るスポーツに多いとされています。

その他空手や剣道などの踏み込み動作の多い格闘技にもよく見られます。種子骨障害は小学生~中学生に多く発生し、大学生以上になると減少する傾向があります。

 

 

種子骨障害の種類

・骨折

強く母趾球を衝いたり、繰り返しの衝撃により種子骨が割れたり、不全骨折(ヒビ)を起こしたりします。内出血と腫れが大きくなることが多いです。

 

・疲労骨折

微力な外力を受けることで起こる骨損傷。発生機転は骨折とほぼ同じです。内出血や腫れも起こりますが急性の骨折よりも少なめです。

 

・分離種子骨

生まれつき種子骨が分裂している。骨折と異なり割れた線はなだらかになります。基本的に分裂していることでも障害は少ない。実際には結合組織でつながっているものもあります。

足の裏の骨

 

痛みの原因

 

種子骨の周りには筋肉や腱が集まっています。こういった筋肉や腱がよく動く手助けをしているのが種子骨ですが、この種子骨が炎症を起こすのが種子骨障害です。ときには種子骨が骨折したり、骨壊死することもあります。

ランニング動作時に地面を蹴り出すとき、足底筋は緊張して種子骨には引っ張られる力が加わります。この牽引力により種子骨が炎症を起こし痛みが発生します。

また、踏み込み動作による地面からに衝撃が種子骨に繰り返し加わり発生することもあります。

その他先天的な問題で種子骨が二つに分裂している場合(分裂種子骨)があり、これが痛みの原因になっているケースもあります。また、土踏まずがしっかりし過ぎている甲高の足(ハイアーチ)は種子骨障害になりやすい傾向があるため注意が必要です。

 

西洋医学的治療

 

痛みが強いうちは運動を一時休止し、足を安静にします。足の裏にかかる負担を軽減するために柔らかい素材でできた耐久性にあるパッドを靴の中に入れて使用します。

パッドは母趾球部をくり抜いてあり、体重をかけた際に圧力がかからないようにします。また、母趾にテーピングを施すこともあります。

足底筋に硬さがみられる場合には柔軟性を取り戻すリハビリテーションを行います。ほとんどの場合このような治療でよくなりますが、保存療法で効果がみられない場合には手術で内側の種子骨を摘出することがあります。

 

 

足の親指の裏(母趾球)の痛みについての東洋医学的考え方

東洋医学では神経痛など身体の痛みを総称して「痺証(ひしょう)」と呼びます。痺には「つまって通じない」という意味があり、これは何らかの原因で気、血の流れが悪くなるとそれが「痛み」となって現れるのです。

気や血の流れが悪くなる原因として風、寒、湿、熱などの邪が侵入して起こると考えられています。

また、五臓六腑の「肝」と「脾」の機能低下が筋肉痛になりやすい状態へとつながると言われています。

 

 

当院の鍼灸治療について

 

鍼灸治療の効果として、炎症を早く治めることや鎮痛効果、血流促進効果などが期待できます。痛みの強い部分へ直接アプローチして炎症や痛みを早く取り除いたり、周りの筋肉の過緊張を和らげることで痛みからの回復を早めます。

また東洋医学的観点から肝、脾を整えるツボや気や血の流れを整えるツボなども取り入れることで体が本来持つ自然治癒力を高め、症状が治癒しやすいお体の状態へと整えていきます。

 

足の裏の痛みの鍼治療

 


Posted by 中目黒の鍼灸院 東京α鍼灸院|眼精疲労 at 11:41 / 院長コラム コメント&トラックバック(0)

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