不妊症に対する鍼灸治療

 

鍼灸治療

実際に現代医学で一般検査をしても原因がわかるのは6割程度です。

現在では生活習慣が妊娠と大きく関係していると見直されています。

ストレス回避や運動習慣など日常の健康管理が妊娠に繋がると考えられています。

 

鍼灸治療では

大まかに悪いところを治す!になります。

健康な身体であれば妊娠しやすいはずですので、鍼灸治療により身体のバランスを整えることが不妊治療にもなります。

女性に多い症状で

  • 女性に多い下半身のむくみや冷え症
  • ・腰部が異常に硬く柔軟性が無い方

があります。これらの方は、骨盤内血流量が下がっています。

骨盤内血流量が直接妊娠に関係しているとはわかっていませんが、子宮血流が良くなると妊娠率も上がってるということはわかっています。

 

不妊症の鍼灸治療

 

中リョウ穴が骨盤内血流量を上げることも知られています。

陰部神経に響くように仙骨側からアプローチすることが有効になります。

血管抵抗が下がり子宮血流が良くなります。

 

不妊症の骨盤内血流改善鍼灸

 

 

冷えに対するアプローチも大切です。

下半身の状態は女性ホルモンに影響しますので、冷えやむくみを改善する事も不妊治療になります。

冷え解消の鍼灸治療

下半身からの冷えた血流や緊張した筋肉が鼡径部に悪影響を与えるためです。

下半身の冷えの改善を目的に腎兪・三陰交に灸頭鍼を行います。
それと症状に合わせた経穴を使うことで、冷えを改善していきます。

 

 

男性側の不妊治療には、腎の気を高めてあげるのと生活習慣を改善してもらいます。

精液は食生活の影響を受けます。コンビニ弁当や偏った食事の方としっかりとした食事をとられている方では精子の運動率や数に大きな差がでるからです。

治療では、肩こりや腰痛などを中心に体の諸症状を治していくことで健康になっていってもらいます。

当然お酒は控えめにしていただき、禁煙してもらうのが一番です。

 

 

 

 

治療期間

 

3か月間の治療を続けていくと効果がでてきやすいです。

 

鍼灸治療で体質改善後から影響を受け始めて、排卵するまでが六か月間になるからです。

思春期になり原始卵胞が順番にスタートラインに並び成熟を開始します。それから順番になって排卵までおよそ三カ月かかります。

今の卵子は三カ月前の生活や体調が関係してくることになります。

三か月前の状態をよくするためにもそこからさらに体質改善に三か月ほどみたいので、

一般的に半年を目安行います。

 

 

その他

健康食品などでは

 

排卵障害にはエストロゲン様作用を持つものを食べて、

黄体機能不全にはプロゲステロン様作用を持つものを食べると良いです。

 

エストロゲンには

  • ・マカ
  • ・ブラックコホッシュ
  • ・レッドクローバー
  • ・イソフラボン

 

プロゲステロンには

  • ・チェストベリー
  • ・チェストツリー

 

 

大切な生活習慣

 

  • ・適度な運動習慣
  • ・バランスのとれた食事
  • ・充分な睡眠
  • ・ストレスを回避する生活

健康的な生活を送っていただけなければ、治療をしても意味がありません。

生活習慣の改善なくしてはその効果は半減します。

特に現代では運動不足、食生活の変化、ストレス、冷え、薬剤、高齢化など生活を見直すことは治療効果にも大きく影響します。

 

 

治療方針

 

治療には女性も男性も同じぐらいの意識をもって治療を受けて頂けるのが理想です。

女性だけの問題ではなく、男性も原因を持っていることがあるためです。

男性側と女性側が取り組んでからの治療効果になります。全員で妊娠にアプローチしていくのが当院の治療方針です。

妊娠

 

 

 

不妊症の原因

 

妊娠を試みて2年経っても妊娠しない状態と定義されています。避妊せずに一定の頻度性交渉を行った場合、一年で80%、2年で90%のカップルが妊娠するという統計があります。

その妊娠に至らなかった残り10%が何かが原因で妊娠に至らなかったと考えます。

不妊症

 

一般的には女性側が取り上げられますが、原因としては、女性側、男性側、原因不明そして男女両方に原因がある場合に分かれます。
女性側の原因としては

  • ・排卵因子
  • ・卵管因子
  • ・子宮因子
  • ・免疫因子
  • ・内膜症

 

男性側の原因としては

  • ・造成機能障害
  • ・精子成熟、保護障害
  • ・精路障害
  • ・射精障害

それ以外にも精子の運動率や数によるものもあります。

 

頻度は

  • ・排卵因子25~30%
  • ・卵管因子30~35%
  • ・男性因子30~35%

となっており、これら3つが三大原因と言われます。

この原因は単独だけではなく重複していることもあります。

 

実際には女性と男性は同じ程度に原因があると言われています。

 

 

妊娠の流れ

 

受精

受精は卵管の膨大部で起こります。

ここで射精された精子が卵子を待ち受けるのですが、精子の寿命は4~7日くらいになります。

 

排卵された卵子は寿命が1日しかありません。

精子と卵子が受精した後は細胞分裂を繰り返しながら子宮内腔に運ばれます。内腔に到達するのは、受精からだいたい5日目になります。

この間に子宮内膜は女性ホルモンの作用で着床環境を整えます。

内膜はいつでも着床できるわけではなく、着床できるのは数日間だけです。

 

このように非常に複雑なメカニズムが働いて妊娠します。

このメカニズムが正常に働いてくれるようにお助けするのが鍼灸治療です。

 

 

不妊症の鍼灸治療症例

30代女性

過去に2回流産をしたことがあり、婦人科では多嚢胞性卵巣症候群の可能性が高いと言われていた。

生理周期もながく、ホルモンバランスも乱れていると診断を受けていました。

友人に鍼灸治療をすすめられて不妊症の鍼灸治療を試してみたいと当院にご来院されました。

 

仕事のストレスも過大にかかっており、中途覚醒や多汗症、のぼせや下肢の冷え症状など自律神経のバランスも乱れているような症状も多くみられたため初診時に自律神経の状態を測定してから施術を行っていきました。

足底の結果、交感神経の活動も高く、ストレス指数も高いような状態でしたので、全身的なバランス調整の施術や自律神経調整施術をしっかりと行っていき、三陰交や腎経・下腹部の経穴など婦人科で特に重要なツボを用いまして施術を行っていきました。

 

経過

婦人科にも並行して通院していただき、体温を測定してタイミング療法も同時に行っていきます。

仕事のストレスが多く、睡眠が浅く中途覚醒も一晩で2~3回あったのでまずはしっかりと睡眠のツボを刺激して眠れるような施術をメインに行っていきました。

次第と眠れるようになり、下肢の冷えや仙骨付近の冷えも目立ってきましたのでその個所に鍼やお灸を施すことで血流量を上げて冷え改善を行っていきました。

施術開始後4か月経過してタイミング療法で結果がなかなか出なかったため、体外受精に移行。

すると1か月後に妊娠確認が取れました。以前に流産経験があるため心拍確認がしっかりととれるまでは安心できないので、しっかりと気を抜かずに自律神経の状態を整えたりと鍼灸施術で体調管理を行っていきました。

その後心拍確認も取れて安定期に入ることができて体調管理のために鍼灸施術は1~2週間おきに受けておられます。


Posted by 中目黒の鍼灸院 東京α鍼灸院|眼精疲労 at 15:15 / 院長コラム 不妊症に対する鍼灸治療 への2件のコメント

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