当院の突発性難聴に対する治療目的は、まず第一に耳の周りを鍼灸治療で刺激することにより内耳の血液循環を改善することです。
また全身の調整を図り、自律神経のバランスを整えることで人間が本来持っている自然治癒力を高めます。鍼灸治療は、交感神経を抑制し副交感神経の働きを促すばかりでなく、双方の神経の活動量を高めて自律神経のバランスを整えることが研究結果でも出ています。また内耳の血流不足を改善するという点から頸肩部周辺や耳周辺の経穴に鍼を刺して電気を流します。当院独自の治療選穴により高い治療効果が出ております。
耳周辺の治療穴として「翳風」「耳門」「聴会」「聴宮」などの経穴を用いてその方の状態に合わせて首や頭の経穴を決めます。
また背部にある腎や肝の重要なツボを刺激することで、腎肝の機能回復を促します。
また突発性難聴の患者さんの場合は、日常生活の中で精神的ストレスを抱えている方がほとんどです。そこで当院では、東洋医学の特徴である全身を診て治療することにより全身をリラックス状態へと導き、交感神経の過亢進を抑制して過度なストレスを和らげます。
また身体全体の調子が上がっていくことも期待でき、実際に当院でも突発性難聴の治療で「目が疲れなくなった」「便秘が解消した」「ゆっくりと体が休められ、熟睡できた」などといった声が数多く聞かれます。東洋医学では局所的に診るのではなく、全体的に診ることで自然治癒力を高めるといわれ、様々な効果が期待できます。
東洋医学では、五臓六腑の「腎」と耳が深い関係にあると言われています。「腎は耳に開竅する」と言われており、聴覚が東洋医学でいう腎臓と深いかかわりがあるということを示しています。
東洋医学の「腎」は、西洋医学でいうそれとは違った役割を持っています。東洋医学の「腎」の役割は、主に生長・発育・生殖・水液代謝を主ることです。
その中でも腎の精気は、聴覚と関係が深く、多ければ聴覚機能は正常に働き、逆に少なければ聴覚機能は減退してしまいます。腎の精気は、年を重ねるごとに減少していく傾向にあり、高齢者の聴覚は衰えていきます。また、東洋医学では、「腎」と「肝」はとても深い関係にあり、「肝腎同源」といわれています。
腎の機能が低下すると、それを補おうとして肝の機能も低下します。肝の機能低下は、血流にも悪影響を及ぼして、それが聴覚の重要機関である内耳の場合ですと突発性難聴にかかってしまいます。
突発性難聴 目黒区 女性 50代
6日前より突然の聞こえづらさ・耳の詰まり感を感じて、耳鼻科を受診。ステロイド剤・血流改善薬・筋弛緩剤などを処方され、少し改善が見られたがまだまだ症状が残っている。当院来院当初は、耳鳴りの症状も訴えていた。
◆経過◆
◆1~3回目
耳の聞こえづらさ・耳塞感は、治療後少し良くなった感じがするが、翌日には症状が戻った。
◆4回目
耳鳴りがおさまり、耳の聞こえづらさがだいぶ軽減した。
◆6回目~8回目
耳塞感・耳鳴りが消えて耳の聞こえが良くなった
◆現在も体調管理のため2週に1回のペースで来院中
・考察
仕事や家事での忙しさで突発性難聴を発症する前に体調を崩していたとのこと。
仕事場や家族との人間関係でも相当神経を使っており精神的ストレスがたまりにたまっていた。当院の自律神経測定器で自律神経の状態を測定したところ交感神経が優位な状態でした。耳周りの血流改善、首肩の筋肉の緊張の緩和、全身の自律神経を整える治療を施しまし、効果が見られた症例でした。
症例2
突発性難聴 横浜市 50代女性
平成26年10月中旬頃に急に右耳の耳が聞こえづらくなってしまい耳鼻科を受診したところ突発性難聴と診断された。仕事が多忙で精神的ストレスや肉体的疲労があったとのこと。難聴の症状に伴い、右耳後ろから首の付け根の痺れや血の気が引いてくる感じもある。 病院ではステロイド剤とビタミン剤を処方されたがあまり効果が見られず、難聴治療で有名な鍼灸院を受診したが、こちらも効果が見られなかった。そして突発性難聴発症から2週間後に当院にご来院されました。
治療
問診より精神的ストレスや肉体的疲労が溜まっているとのことで、自律神経測定器で自律神経の状態を測定しました。結果では、交感神経が過亢進状態で、常に体がオン状態で休まっていない状態でした。
まず自律神経の状態を整える自律神経調整療法を施してから首肩の筋の緊張をとって最後に右の耳の経穴にはりを刺してそれに電極を繋いで電気を流しました。 3~4日おきに治療を施して週に2回のペースで施術しました。
治療経過
◇1回目◇
治療後はそこまで変化が見られなかったが、次の日から右の耳の聞こえが良くなったと実感された。
◇2~5回目◇
回を重ねるごとに聞こえが良くなってきて身体の疲れなども取れてきた。
◇6~8回目◇
耳鼻科で検査をしたら正常な左耳とほぼかわらないほどに耳の聞こえは改善された。
◇9~10回目◇
再発予防の意味も含め、全身の調整治療を行い、終了しました。
症例3
40代 男性
当院ご来院の3日前から右耳からの音の聞こえが悪くなり、ザーという耳鳴りも感じるようになった。朝起きた時、今までにないふらつきもあったため、耳鼻科を受診したところ突発性難聴と診断された。耳鼻科ではステロイド剤の飲み薬を2週間程処方された。病院では、免疫力の低下やストレスが原因かもしれないと言われて以前腰の症状で当院で施術を受けられたことがあり、免疫力の低下の緩和とストレスの軽減・自律神経の調整を目的にご来院された。
以前より緊張しやすい性格で、仕事のストレスなどが身体にあらわれやすかったとの事。
治療
現在のお体の状態・血管の状態・自律神経の状態を計測してから施術に入りました。施術ではまず仰向けで自律神経調整治療を行った後、うつぶせとなり胸鎖乳突筋や斜角筋の筋緊張の緩和治療、そして最後に右上で横向きとなり耳周りの集中施術を行っていきます。治療開始予後が比較的良いとされる2週間以内に集中的に治療することがベストですがご本人も忙しいとのことで週に1~2回のペースで施術していきました。
◇1回目◇
治療後すぐに耳鳴り症状は消えたように感じたとの事。聞こえづらさは少しある
◇2回目◇
調子の悪いといい日を繰り返す状態。調子が良いと難聴や耳鳴りはほぼ感じない
◇3回目◇
3回目以降の治療後はほぼ難聴・耳鳴りを感じない。ふらつきも起きていない
◇4回目◇
耳鼻科で計測したところ左耳とほぼ同じ聴力
◇5回目◇
ほぼ耳の症状は良くなったが、最後にもう一度耳を集中的に治療してほしいとのことでご来院。
※突発性難聴の鍼灸の効果について
中国では、以前より突発性難聴の鍼灸治療が広く行われてきました。中国の突発性難聴の鍼灸治療の12のランダム化比較研究では、西洋医学での治療のみの場合、421人中274人が聴覚の改善が見られたのに対して、鍼治療と西洋医学での治療を併用した場合で442人中387人が改善が見られたとのことです。鍼灸治療は効能に個人差がありますが、多くの方が突発性難聴を改善させています。
中国での論文
突発性難聴は、そのとき何をしていて耳が聞こえづらくなったかと明確に話せるほどに発症します。徐々に難聴が進行してしまったケースは突発性難聴とは言いません。
突発性難聴は、内耳に何らかの障害が出て、原因が特定できない症状の総称であり、一つの疾患名というわけではなく、症状の条件を備えた一種の症候群だと言えます。病名からは突然片耳の音が聞こえづらくなるということがわかりますが、もっと狭い定義で内耳の障害によって突発性に生じた感音難聴が突発性難聴なのです。突発性難聴の原因は前述通り、原因不明ですが内耳の障害が疑われ、1回限りの難聴の場合はウィルス感染型の突発性難聴が疑われます。
2001年の調査では全国受療者数は、年間3万5千人もいると言われており、近年のストレス社会により、ますます突発性難聴の患者さんは増えていることが予想されています。
男女比で見るとそんなに差がなく、10代20代でも突発性難聴で悩んでいる方も多くいて男性女性・年齢関係なく誰にでも発症する可能性があると言えます。
突発性難聴は、難聴の他に耳鳴りやめまいも共に発症する場合が多く、メニエール病の初期症状と間違われる場合も多いようですが、突発性難聴の場合はほぼ一度しか起こらず、何度も何度も症状が発症するメニエール病との区別はつきます。
突発性難聴の主な症状としまして
突発せ難聴の主な症状は突然片耳の音が聞こえづらくなることの他にもめまいや耳鳴りも起こる場合もあります。突発性難聴を患った本人は、耳鳴りや耳閉塞感として感じることもあるので注意が必要です。めまいを伴う場合は、音の伝達に重要な蝸牛が障害されているばかりでなく、その隣にある器官・平衡感覚を主る前庭や三半規管にも障害が及んでいると考えられます。めまいは主に回転性のめまいとなり、前庭・三半規管への障害が軽度の場合はふわふわと浮いているような軽いめまいとして症状が出ることもあります。
多くは、片側性に発症します。「朝目覚めたとき」「テレビを見ている時」「仕事をしている時」など何事もなく過ごしていて急に難聴が起きます。急激な変化のため突発性難聴にかかった瞬間を明確に覚えてる方が多いようです。
内耳には聴覚機能と平衡機能も存在するため、突然耳が聞こえづらくなる他にめまいや耳鳴り、嘔吐などの症状も併発して起こることがあります。
また耳が詰まっているような耳塞感であったり、以上に音が耳の中で響き苦痛に感じることもあります。
またすぐ聞こえるようになったり、時間が経ってまた聞こえづらくなったりといった変化はありません。一定の耳の聞こえづらさがあります。
※このような場合は注意が必要です!
突発性難聴が原因で突然聴力が低下することがありますが、それと同じように聴神経腫瘍によっても突然の軟調に襲われる場合があります。これは聴神経腫瘍にできる良性腫瘍ですが、急なめまいや難聴を呈することが特徴です。腫瘍はゆっくりと大きくなることが多く、聴神経の周りの膜から大きくなって圧迫するため聴力が低下してしまいます。徐々に腫瘍が大きくなるため初期段階では、本人が気づかないことが多く、電話での声が聞こえづらくなったなどの変化がだんだんと出てきます。
耳症状やめまい症状のほかにも、顔面神経を圧迫することもあって顔面のしびれや顔面神経のマヒ・嚥下障害なども起きる場合もあります。聴神経腫瘍は自然と小さくなっていく場合もある腫瘍ですが、酷くなると顔面神経麻痺や脳幹部を圧迫して重篤な状態となる危険性もありますので注意が必要です。
突発性難聴の原因は、未だに明らかにはなっていませんが、以下の二つの説が有力とされています。
内耳の毛細血管に血栓や塞栓が詰まって内耳に十分に血液が循環せずに聴覚の機能不全を引き起こす可能性があると言われています。
若年層や中年層などの健常な人にも突発性難聴が起こることからストレスにより自律神経が乱れて血液循環が障害されて発症するとも考えられています。実際に突発性難聴にかかった人の多くは、かかる前に過労や精神的ストレスを多く抱えていました。
突発性難聴の発症する前にちょうど風邪を引いていたという方が結構多いものです。
突発性難聴と症状が似ている疾患としましてムンプスウィルスやヘルペスウィルス感染による難聴があり、ウィルス感染により難聴が発症するのではないかと考えられています。
突発性難聴以外にも・・・
突発性難聴以外にも今多く見られるのが、低音障害型感音難聴で突発性難聴よりは症状の程度は低くく、低音だけ音が聞き取りづらくなる症状です。低音障害型感音難聴の特徴は低音が聞き取りづらく、耳が塞がったような感覚となり、ときにボワーンといった耳鳴りもします。低音障害型感音難聴では蝸牛内にリンパ液が増えすぎることから起こるとされており、平衡感覚を主る前庭部分には障害が起こらないことからめまいなどの症状は起こりません。
低音障害型感音難聴は20代~40代の女性に発症しやすく、突発性難聴よりも症状の程度が低いことから発症してから症状が落ち着きやすいですが、またストレスや生活環境の変化などからまた症状が出てくるといったことが多く、少女の再発を繰り返すこともしばしばですので注意が必要です。なぜ、蝸牛内のリンパ液が増えてしまうのかという原因は詳しく解明されていませんが、ストレスや疲労の蓄積、自律神経バランスの乱れ、睡眠障害などといったことが原因で発症しているとも言われていますので、ストレス解消や自律神経バランスの整え、しっかりと睡眠を取るなどといった健康的な生活習慣を持つことが重要です。
清水大地
資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院
当院の腰部脊柱管狭窄症に対する治療の目的は、まず第一に症状の悪化を防ぐことです。脊柱管狭窄症では、症状が悪化してくると歩行が困難となったり、尿失禁を伴ったりと日常生活に支障が出る事も少なくありません。
症状の進行が落ち着きましたら第二段階として少しずつ症状改善に向けた施術を行っていきます。脊柱管狭窄症は腰部の筋肉が過緊張状態である場合に症状が出やすいため腰部への鍼灸治療を行ったり、下肢へのツボを刺激することで脊柱管辺りの血流を改善していきます。下肢に痺れや痛み症状が出ている場合などには鍼通電療法も行って症状の改善をはかっていきます。
症状が進行している状態ですと、下肢の筋力が衰えていることなどから生活上の動作も支障きたしてきます。そういった場合には鍼灸治療に加えてマッサージ療法やストレッチ等も行うことで筋肉に柔軟性を出していきます。
当院の電気鍼療法により歩行できる距離がのびてきた・痛みや痺れがなくなったなどの喜びの声を頂いております。
脊柱管狭窄症に対する鍼灸治療でのアプローチは、東京大学医学部付属病院リハビリテーション部でも行われており、日本や海外でもその研究は行われています。
明治国際医療大学付属鍼灸センターの研究
『腰部脊柱管狭窄症に対する鍼灸治療』
では、動物実験により様々な鍼灸の手技を行うことで神経血流が改善されて臨床的な効果を認めています。
中医学では腰痛は体の外から邪気を受けるため発症するものと腎気が何らかの原因で損傷して発症するものと考えられています。「風寒の邪気」を受けた時や湿度の高い場所にいた時、長い間体力仕事をした時などに腰部の経絡の気血が滞り、流れなくなって痛みを発症します。
また「腰は腎の腑」とも呼ばれており、何らかの原因で腎気が損傷を受けると腰部の経絡は温度を保つ作用や栄養を行き渡らせる作用を失い、腰痛を発症します。
また生長・発育・生殖をつかさどる「腎精」が不足して、「腎気」の作用が減退すると泌尿器系の異常が現れると考えられており、馬尾型脊柱管狭窄でも「腎」が深く関係しているといえます。
腰部脊柱管狭窄症とは、腰椎椎間関節の変形・肥厚ならびに軟部組織である椎間板の変性や膨隆または靭帯の肥厚で脊柱管内を狭くして脊柱管の中を通っている神経が圧迫されることにより腰痛や下肢の痺れあるいは歩行障害を引き起こす疾患です。脊柱管の上は大後頭孔から下は仙骨管を通ってその下端の背面に開口します。脊柱管には脊髄神経や血管が通っており、脊髄神経は人体のさまざまな部分に脳からの情報を伝えたり、逆に刺激を脳に伝える役割を担っています。
この神経は足の運動もつかさどっているため、脊柱管が狭くなって神経や血管が圧迫されると、十分な血液が神経に送られなくなり、足の痺れや重さなどの症状が現れます。
脊柱管が狭くなっていると、腰をひねったときやお年寄りに多い反り過ぎ姿勢は神経や血管を圧迫します。そのため腰部脊柱管狭窄症の場合、前かがみになると神経への圧迫は緩んで楽になります。
腰部脊柱管狭窄症では腰痛は80%の方にみられ、ついで下肢のしびれ感・冷感・疼痛・違和感などの知覚異常がみられます。知覚障害は、すねから足の親指側にかけて、または足の小指側領域に多いです。また腰部脊柱管狭窄症における歩行障害・間欠性破行は50~60%みられます。
脊柱管狭窄症は多くの場合、先天性に狭窄を起こしやすい形態に、後天性の変形性脊椎症はじめ、脊椎すべり症や腰椎椎間板ヘルニアさらには外傷や手術などの要因が加わることにより起こります。40歳以上の男性に多発します。
※間欠性破行
間欠性破行は歩行障害のひとつであるが、歩いていると下肢に痛みを生じ、片側をひきずるかたちの異常歩行になるか、ついには歩行できなくなり、立ち止まる現象をいいます。しばらく時間が経つとふたたび歩けるようになります。下肢の動脈硬化症による血管性間欠破行と腰部脊柱管狭窄症による神経性間欠破行があります。
間欠破行や腰痛が、脊柱管狭窄における共通した症状ですが、どこを圧迫されるかによって症状は様々です。
■神経根型脊柱管狭窄症
一般に片側性で長時間立位や歩行時および腰部伸展により発症または増強する下肢痛が自覚症状で時に腰痛を伴う事もあります。また腰部脊柱管狭窄症の場合は2~3つの神経根にかけて両側性に症状が出現する場合もあります。
■馬尾型脊柱管狭窄症
脊髄と脊柱とは長さが異なり、脊髄は第一腰椎までしかありません。馬尾神経は第二腰椎より下の脊柱内で、脊柱下端の神経根の集合です。馬尾神経は脊柱を下降してそれぞれの椎間孔を出ます。その馬尾神経が圧迫されると、両下肢・殿部・会陰部のしびれ感、灼熱感、下肢の筋力低下、脱力感が出現し、または残尿感、我慢できないほどの尿意、尿失禁、便秘、勃起障害などが出現します。
脊柱管は高齢になっていくにしたがって、老化による周りの筋の筋力低下や椎間板の変性により、狭くなっていきます。しかし、脊柱管狭窄症の症状が出ない方ももちろんいらっしゃいます。では脊柱管狭窄症にかかりやすい人の特徴としてどういったものがあるのでしょうか。
高齢になり脊柱管狭窄症にかかりやすい人の特徴
などこういった腰に負担にかかることを長年やってきた方が腰部脊柱管狭窄症にかかってしまう危険性があります。
腰が痛くて足が痺れるという症状が出てもすぐ治っていくと思い、ほったらかしにしてしまう方も少なくありません。症状が悪化する前にも早めの処置が重要です。腰痛・足の痺れなどが出た場合は、すぐに一度整形外科などで診断を受ける必要があります。
清水大地
資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院
痛みを東洋医学的に考えた場合「不通則通(ふつうそくつう)」という考え方があり、これは、気血の不足や滞りで血行が悪くなると痛みが生じるという考え方です。
痛みの中でも痺れを伴うような神経痛などを「痺証(ひしょう)」といい、痺とは「通じない」という意味があり、なんらかの外的要因が原因で気血の流れが滞ることで痛みやしびれが生じると考えます。この外的要因として外邪(湿邪、風邪、寒邪、熱邪、乾邪)、湿痰、瘀血、血虚、気虚、気滞などが挙げられます。
また、五臓六腑の肝は疏泄作用(気を巡らす作用)を司り、ストレスなどにより肝の機能が低下すると気の滞りが生じやすくなります。
自律神経測定器により、現在のお身体の状態を測定した後治療に移ります。
激しい痛みがある場合交感神経系は過剰に緊張し、末梢血管を収縮させ、運動神経系も興奮するため筋肉の緊張が起こり、血管を圧迫して血行を悪化させます。
そうすると発痛物質などの代謝産物が一層溜まりさらに痛みを増強させることになります。
これは「痛みの悪循環」と呼ばれる現象です。この痛みの悪循環を断ち切るため、まず、自律神経系の調整を行い、内臓機能調整、全身の血行促進、免疫力を高め、本来体が持つ然治癒力の活性化を促します。
また、東洋医学的観点から気血の流れを促すツボや五臓六腑の機能調整に関わるツボも取り入れます。顔面痛と頸部のアライメント(関節のバランス)や筋緊張は深い関わりがあると考えられているため、うつ伏せで首肩周囲の治療を行った後、仰向けで顔面部の痛みの強い部分やその周囲のツボに鍼やお灸で刺激を与え、痛みを脳に伝える神経経路をブロックする作用を促し、「脳内モルヒネ」と称されるエンドルフィン等の分泌を促します。また、血行を促進して痛みの原因となる物質を排出しやすくします。
必要であると判断した場合鍼に微弱な電気を流すことで鎮痛効果を促します。
歯、舌、顎、顔面部、頭部などに出現する痛みの総称です。原因が明確な顔面痛は症状に応じた治療を行えば完治しますが、レントゲンや検査に異常がないのにもかかわらずズキズキ鈍い痛みを持続的に感じる、激しい痛みが断続的に起こるなどの症状が現ることがあります。
統計的に性差は圧倒的に女性に多く見られ、特に中高年に多いといわれています。
口腔顔面痛の原因は多岐に渡り神経の病気や外傷、ウイルス、細菌感染、中には脳神経の異常や心筋梗塞など決して見逃すことのできない病気の一現象を示す場合もあるため十分な注意が必要です。
しかし、原因不明の痛みに関してはストレスや心理的葛藤が深く関係していると考えられており、心身共に緊張した状態が長く続くことにより起こる筋肉の緊張や、脳の痛みをコントロールしたり、認知するシステムの変調によって脳の中で痛みが増幅されたり、勝手に作り出されていることが近年の研究で分かってきました。
これら原因不明の慢性疼痛に対していわゆる痛み止め(鎮痛薬)は末梢神経に作用する薬であるため脳の中で起こる痛みには効果が無いとされています。
・顎が痛む
・歯を抜いたり神経をとったのに歯が痛む
・顔面がピリピリとしびれる
・口の中や舌が痛い
・耳の周囲が痛む
・頭や目の周囲が痛む
非定型歯痛、顔面痛
X線などの検査において異常を見つけることが出来ない顔面の痛みを非定型顔面痛、歯の痛みを非定型歯痛といいます。
外傷や炎症など局所に明らかな原因が認められないにもかかわらず、歯やその付近に痛みが起こります。鎮痛薬や外科処置、歯科処置では改善が得られない場合が多く、原因も十分に解明されていませんが、神経系の異常が原因とする「神経因性疼痛説」や心理社会的要因が原因とされる「心因説」などの説があります。
歯痛に対する鍼灸治療について←
顎関節症
顎関節とその周囲の異常により顎運動時の疼痛、関節雑音、開口障害などを伴ないます。咀嚼筋自体や、顎関節に過剰負荷が加わることにより発症されるとされています。
副鼻腔炎
いわゆる蓄膿症と呼ばれる疾患で、風邪や顔の怪我、アレルギーなどを原因として発症する副鼻腔の炎症です。
一ヶ月程度で自然に軽快する急性副鼻腔炎と、症状が三カ月以上に渡り続くものを慢性副鼻腔炎に分けられます。鼻の粘膜が腫れ、副鼻腔の空洞に膿や剥がれた粘膜が溜まり症状として頭痛、顔面痛、顔面腫脹、黄色や緑の鼻汁、鼻づまり、嗅覚障害などの鼻症状が見られます。
三叉神経痛
三叉神経は顔や歯の感覚(痛覚、触覚、温覚など)を脳に伝える神経ですが、この神経の支配領域に起こる発作性神経痛を三叉神経痛と呼びます。三叉神経の痛みの特徴は三叉神経の神経分布に沿って数秒から数十秒の電気が走ったような痛みが生じます。
触れると痛みを感じる部分(トリガーゾーン)があり、洗顔や会話、食事、歯みがきなどで痛みが誘発されます。
原因は完全に解明されていませんが、その多くが脳の脳幹と呼ばれる三叉神経の出入り口のところで動脈硬化などで屈曲した動脈や静脈が直接ぶつかり、神経を圧迫することによって生じると考えられています。
帯状疱疹後神経痛
帯状疱疹は子供の頃にかかった水ぼうそうの原因ウイルスである水痘帯状疱疹ウイルスが神経の中に潜んでいて、加齢やストレスなどにより免疫力が低下した際に水痘帯状疱疹ウイルスが再活性化する事により発症します。急性期には発疹と水疱が起こり、酷い時には皮膚の潰瘍も生じます。抗ウイルス薬の服用により皮膚症状は通常そのうちに治りますが、皮膚症状が消えた後にも急性期より耐え難い痛みが続いたり、一時帯状疱疹が良くなったのにもかかわらず一ヶ月ほどして再び痛みが起こる痛みが起こる場合があります。これを帯状疱疹後神経痛といいます。痛みは年齢が高いほど、急性期の疼痛が強い場合、初期の治療が遅くなった場合ひどくなる傾向にあります。
片頭痛
脳血管の拡張により周囲の炎症によって神経が刺激されて起こる頭痛です。悪心、嘔吐などを伴う事もあり、関連痛として歯痛や顔面痛を伴うことがあります。
群発頭痛
偏頭痛と同じタイプの頭痛の一つで非常に激しい顔面部の痛みを訴えます。痛みが生じるところは目の周囲の多いのですが、痛みの症状によっては上顎の奥歯が痛いと訴えることがあります。痛みの他涙、目の充血、鼻水、鼻づまりなどの症状も認められます。
舌痛症・口腔内灼熱症候群
舌がヒリヒリ、ピリピリとした痛みや熱さを感じる病気です。多くは舌の先端や舌の縁がなどに持続性、自発性の痛みを訴えますが、食事には支障がなく、舌の表面の外見は異常がないのが特徴です。原因がいまだ明らかになっていない病気ですが、心気症に近い病態で何らかの精神的要因が背景にあるものという考えや、更年期の女性に多い事からホルモンのアンバランスや自律神経の変調なども関係があると考えられています。
痛みは医学的に発生メカニズムから大きく3つに分けて考えられています。
・侵害受容性疼痛
骨折や打撲、筋肉痛、火傷など炎症や物理的、化学的な刺激によって起こる痛みで、通常は急性期は疼痛部位に炎症の3兆候(発赤、腫脹、熱感)を伴ないます。
・神経障害性疼痛
しびれや神経痛など神経への刺激や損傷によって神経系統の異常興奮が原因で起こる痛み
・心因性疼痛
医学的な検査をしても以上が見られないため原因不明の痛みとされ、心理的、社会的なストレス要素が関係していると考えられる痛みで、非器質的疼痛といわれます。
清水大地
資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院
眼精疲労の鍼灸治療はWHO(世界保健機構)に適応疾患として定義されています。
また眼精疲労に対する鍼灸治療の有効性は、臨床研究でも明らかになっています。
明治国際医療大学の研究
『鍼治療による眼精疲労および眼精疲労軽減効果』
研究では、日ごろから目の疲れを感じている96名(平均年齢23歳)を対象に行われ、攅竹や太陽などの目のツボや合谷や手三里などの手のツボを使って様々な鍼の手技を用いました。ほとんどの被験者でVAS(Visual Analogue Scale)の改善がみられたとのことです。
1.まずはしっかり問診します。
目の疲労ばかりでなく、体の不調を全てお教えください。治療効果の向上に繋がります。
2.問診をした上で自律神経測定器で自律神経の状態を計測していきます。
3.まずはうつ伏せで首肩こりや背部兪穴の目に関するツボを用いて施術していきます。
首肩の筋緊張を緩和させることで目にも栄養ある血液が行き渡りやすくなります。
5.次に仰向けとなり目の周りの施術と自律神経調整施術に入ります。
当院では、目の周りに打つ鍼は、体打つ鍼よりも細い鍼を使用しており、美容鍼で使われるような刺激がソフトな鍼を使用しております。また鍼を刺したうえで濡れタオルに包んだ電子温灸器で目の周りを温めていきます。
鍼の刺激+電気温灸器の心地よい刺激で目の周りの筋緊張の緩和、血流改善につながります。ここでほとんどの方が気持ちよく眠ってしまうほどです。
顔に針を刺されるのがどうしても苦手という方もご安心ください。そういった方の場合はお灸で対応することも可能です。顔に直接お灸をのせて火をつけるのですが焼ききる前に火を消すため火傷の心配も跡がついてしまう心配もありません
。
特にお腹を電子温灸器で心地よく温めることにより、体をリラックス状態にすることで自律神経を整えていきます。
当院の眼精疲労に対する施術は、第一に目の周辺の経穴にハリを刺して刺激することにより目の血行状態をよくします。目に刺すというものではなく、目周囲にハリを刺します。顔に刺されるのが怖いという方は、お灸で対応致します。お灸は、痕を残さず心地よい温かさの刺激です。目の奥の痛みなど痛みに対しては鍼通電療法を用いて鎮痛効果をねらって施術していく場合もございます。
また眼精疲労は五臓六腑の肝に深く関係しているので肝に関する経穴を用いたり、東洋医学の診断方法に基づき全身の調整治療を行います。東洋医学の特徴に全身を診て、状態を把握した上で施術を行うというものがあります。
眼精疲労は、目ばかりでなくうつや睡眠障害など自律神経系の疾患も患っている場合が少なくありません。そこで当院では、自律神経測定器を用いて自律神経の状態を知った上で施術致します。自律神経の状態を把握して当院独自の自律神経調整療法を行うことで、他にはない施術効果が期待できるのです。
中医学では五臓六腑の肝は目に開竅するといわれており、眼の疾患は肝の機能の障害が深く影響していると考えられています。
肝血が不足してしまうと視覚の異常や運動系の異常などがみられます。そのほか肝は運動神経系の調節に関係があると考えられています。
眼精疲労は、上記の筋性眼精疲労や眼のピントを合わせる働きのある毛様体筋の運動機能が低下していると考えられ、そのことからも眼精疲労は肝の機能との関係が深いことがわかります。
また、肝は精神情緒の安定、自律神経系を介した機能調節もおこなっており、それらの機能低下は上記の神経性眼精疲労を引き起こすと考えられます。
40代 女性
主にパソコンでの作業がお仕事で一日10時間以上、パソコン画面を見るという生活を送っていた。普段から目の疲れや乾き、首肩こりを感じていたが、たまにマッサージなどでほぐしてもらうことで症状は軽減できていた。
しかし、ここ一週間前程から仕事が忙しくなり、目や体の症状が強く出るようになってしまった。マッサージを受けても終わった直後は良いが、一日経つともうつらくてなかなか改善されないということで当院にご来院されました。当院ご来院時には、まぶたが重く感じたり、眉間辺りがパソコン画面を見ていると痛くなり、仕事にも支障をきたすほどとなってしまっていた。
当院の治療
睡眠不足や朝すっきりと起きれることが少ない・日中体がだる重くことなども問診時にわかったので、自律神経測定器で自律神経の状態を計測した上で治療を行ないました。自律神経測定器の結果、交感神経の活動が高く、自律神経のバランスが悪かったため仰向け治療にて自律神経のバランスを整える施術を行い、うつ伏せ治療で首や肩の筋緊張を取り除き、最後に目の周りを鍼灸施術で刺激していきました。
◇1回目◇
治療後少し首や肩に重だるさが残ったが、夜しっかりと眠れることができて翌朝体がすっきりとした。目の症状も朝は非常に楽だった。しかし、仕事をしていて夕方ごろからは目の疲れや痛みを少し感じた。
◇2回目◇
鍼灸治療によって首肩・目の周りがとても軽くなったと感じた。仕事のほうもだいぶ落ち着いてきて目の疲れも感じにくくなってきた。
◇3回目◇
今週は仕事がとても忙しく目の症状が気になり始めてしまった。治療後は軽快。
◇4回目◇
症状は軽減されたがまだ気になる
◇5回目◇
パソコン作業をしても目の疲れをほとんど感じなくなった。目が疲れる前に遠くを見るなどして目の筋肉を休めることも日常的な疲れ目予防として行っていただいた。
症例②
50代男性
10年以上前から目の疲れを感じていた。主にパソコン仕事なので目の疲れがひどくなってくると目の奥が痛くこってくる感じで目も動かしづらくなるとのこと。さらに進行すると首のこりも強く出てきて仕事にも支障をきたしていた。症状がひどく出るとマッサージなどに通って痛みをとっていたが、2~3日するとまた症状が戻るという状態を繰り返していた。
当院にご来院される2か月程前から目の奥に急激な痛みを感じるようになり、病院で検査を受けるも原因はわからなかった。
当院の治療
目の症状の他にも首こり・手の痺れも感じることがあったとのこと。目の周りの施術の他にも首肩の筋緊張をほぐす施術をしっかり行っていきました。また、天気が悪くなるとめまいや軽い動悸を感じることもあり、自律神経の乱れも考えられるので測定器で検査してから施術に入りました。
◇1回目◇
治療後、首肩がすっきりしていつもより深い睡眠がとれたような気がしたとのこと
◇2回目◇
以前は仕事をしていない時でも体に力が入って目が疲れていると感じることがあったが、最近はそれがなく仕事をしていないと目の疲れを感じにくくなった。仕事中は依然として疲れる
◇3回目◇
目の動かしづらさがとれてきて目が動かしやすくなってきた
◇4~6回目◇
全体的には身体の調子が良くなっている気がするが、そこまで変化が見られなかったとのこと
◇7回目◇
仕事で長い時間パソコン画面を見ていて疲れを感じにくくなった。目の奥の痛みもあまり感じなくなったが、たまに仕事中に痛くなる時あり
◇8回目◇
出張で治療間隔が少し空いた。目・首肩の症状は当院に来る前より断然良いとのことだが、少し戻ってしまった感じとのこと
◇9回目◇
前回の久しぶりの治療でだいぶ症状がよくなったとのこと。目の疲れ・痛み・首肩こりをあまり感じなくなったとのこと
◇10回目以降◇
少しずつ治療間隔を延ばしながら、身体のメンテナンスを含め施術している
症例③
20代女性
IT関係の仕事についてパソコンを見て仕事をする時間が増えてきた。以前よりスマホやパソコンの画面を見る機会は比較的多かったが、就職するとみる時間が倍以上となり、目の疲れを感じるようになってきた。就職して3年ほど経って視力の低下に気づいた。以前は視力左右とも1.2。急激に視力が低下したと感じて眼鏡を作ろうと眼鏡屋にいって視力を測ったところ0.7までに低下していた。常に眼鏡はかけず、車の運転などで眼鏡をかけていたところ、さらに目の疲れを感じるようになってしまった。
目の疲れがひどいときは、首肩こり・頭痛を感じて画面を見るのも次第につらくなっていった。簡易マッサージなどで何とか過ごしていたが我慢できなくなり、当院にご来院された。
治療
触診の結果、頸肩の筋緊張が強く、自律神経測定器の結果もよくありませんでした。全体の調子も整えつつ、頸肩と目の周りを中心に施術していきました。
◇1回目◇
施術後、体の疲れがどっと出てきた感じで帰ったら深い睡眠がとれた。目の調子も少し良い感じ
◇2回目◇
施術後は頸肩の調子が改善。しかし2~3日すると調子が戻ってしまう
◇3回目◇
以前は1時間もするとパソコン画面を見ているとつらくなってきていたが、1時間経ってもつらくならくなってきた
◇4回目◇
視界がくっきりとして普段あまり眼鏡をかけなくてもよくなってきた。
◇5回目◇
仕事後は少し首肩こりや目の疲れを感じるが仕事中は全く感じなくなった。
症例③
30代男性
二年ほど前から急に目の疲れやショボショボ感を感じるようになった。市販の目薬をさしていたが、なかなか改善されずに過ごしていた。仕事でパソコンを5~6時間ほど使うが、20代の頃もそれ以上に目を酷使していたように思うが、30歳後半となると目の疲れや身体の疲れが取れにくくなったように感じたとのこと。
最近はまぶたも重たくなってきているように感じて目の疲れが酷い時は目を閉じている方が楽に感じる。首肩こりの症状も出てきて、パソコン作業を30分ほどしているとすぐにつらくなってくる。睡眠は良好。運動習慣も週に2~3回程はランニングをしている。
治療
◇1回目◇
目のショボショボ感は少し楽になったとの事。夕方になると目の疲れや身体の疲れは感じやすい
◇2回目◇
目の疲れやショボショボ感はつらい時の半分ほどに軽減。
◇3回目◇
パソコン作業を1時間ほぼしていても首肩こり・目のつらさは感じなくなってきた。
◇4回目◇
仕事の終わりごろでもまぶたの重たさを感じない。目が開きやすくなった
◇5回目以降◇
3~4週間に1回のペースで来院。仕事をしているとどうしても目の疲れや首肩こりを感じるのでその緩和のために施術を受けられている。
パソコンやスマホなど目を酷使する機会の多い現代では、目の血流低下や筋肉の疲労により目の老化現象が起きやすくなっています。また目の疲労・眼精疲労は、目の老化現象である白内障や緑内障、飛蚊症などにかかりすくなってしまいます。
目の使い過ぎによりカメラのレンズの役割のある水晶体の弾力性が失われたり、水晶体の厚さを調節する毛様体筋の疲労がおこってしまいます。するとピントを合わることに時間がかかったり、近くのものにピントを合わすことができなくなる老眼現象へとつながってしまうのです。
まずは、目のアンチエイジングとしてこの毛様体筋の疲労をとること・水晶体の弾力性を保つことが重要となってきます。
近くの物を見続けていると毛様体筋は緊張しっぱなしの状態となり疲労していきます。パソコン作業の合間に遠くに視点を合わせることで毛様体筋の緊張をとってあげることも重要です。
また、10分間ほどのまとまった休憩を取り下記のようなトレーニングを行ってみてください。
Q.目に鍼を刺すのですか?
A.
眼球自体に鍼を刺すことはしません。また眼窩内に鍼を刺入する方法もありますが、眼球を傷つけて炎症を起こす危険性もあるので当院では行っておりません。しかし、目の周りに鍼灸施術を行うことにより眼窩内の施術と同じような効果が得られます。
Q.コンタクトはつけたままで大丈夫ですか?
A.
眼球自体には鍼を刺入することはありませんのでコンタクトレンズをつけたままでも大丈夫です。まぶたを閉じたままでまぶたの上から温めるお灸をすることもありますが、強く抑えたりすることもありません。
Q.治療の頻度はどれくらいですか?
A.
症状の強さや患っている期間によってもかわってきます。基本的に3か月以上の慢性的な症状となってしまっている場合には治療期間も長くなり、1週間に1度程度の治療間隔をお勧めしています。逆にここ1,2週間の目の疲れなどの場合は2~3回程度の治療を3~4日おきの頻度で治療させていただくことをお勧めしています。
Q.効果はどれくらい見込めますか?
A.
個人差があります。2,3回程度の治療でパソコンなどのデスクワークで目が疲れなくなったという方や2か月の治療でようやく効果が見られるようになってきたという方もいらっしゃいます。日常生活での行動も大切になってきます。目を休めずに酷使ばかりしているとやはり目は疲れてきてしまいます。治療と並行して上記の生活上での注意点を実践してください。
清水大地
資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院
胃が行う飲食物から栄養を吸収し、不要なものを下に降ろすという働き(受納・降濁作用)は肝の協調によって行われています。肝は感情をコントロールし、ストレスを受け止める働きがありますが、ストレスなどが原因で肝の働きが妨げられると胃も影響を受けその働きが上手くいかなくなります。
(肝胃不和)また、中医学では体に悪影響を及ぼす自然の変化を「邪気」と呼びますが、梅雨から夏にかけて増える湿気の邪気は「湿邪」と呼ばれます。
胃と協調して消化吸収を行う五臓の「脾」は「湿を嫌い乾を好む」性質があるため、梅雨から夏にかけては体に余分な水分が溜まり胃腸の働きが低下しやすいのです。冷たいものの摂りすぎや、冷房の効き過ぎも胃腸の働きが低下してしまう原因となると東洋医学でも考えられています。
胃酸過多症の方は自律神経のバランスが乱れている方が多いため、まず、自律神経測定器で血管の状態や自律神経のバランスを測定していきます。その結果をふまえた上でその方々に合わせたオーダーメイドの施術を行っていきます。
胃酸の分泌を制御している自律神経のバランスを整え、胃、肝、脾の機能を高めるツボに鍼やお灸で刺激を与えます。また、身体の冷えは内臓機能を低下させる原因となるため冷えのある方には冷えを除く治療も合わせて行っていきます。
30代 男性
3ヶ月程前から仕事が多忙でストレスから暴飲暴食を続けていたせいか、数日前から空腹時の胃痛と食後の胃もたれと胸やけを起こすようになった。なんとなく常に胃部に不快感を感じ、特に夕方から夜にかけて症状が重い。
脂っこいものを食べた後や飲酒後、歯みがきの際の刺激などで吐き気を催し、時には嘔吐してしまう。
当院での治療
自律神経測定器の結果、交感神経が過亢進状態でしたので、自律神経のバランスを整える治療を主に、腹部、下肢、背部にある消化器系の機能を調整するツボを取り入れながら治療を行いました。慢性的な肩こりがあるということで、触診したところ頚肩、背部に筋緊張が見られたため、そちらの治療も合わせて行い全身的な緊張や疲労を緩和する治療も行いました。また、問診の中で食生活、飲酒、喫煙、運動習慣等の生活習慣の指導も行いました。
◇1回目◇
施術後当日は変化感じなかったが、翌日は胃のもたれと胸やけが少し楽に感じた。その後は徐々に状態戻った。胃痛、胃部不快感と吐き気は変わらない。
◇2回目◇
治療後は胃の痛みはさほど強く感じなかった。胃のもたれは変化ないが、胸やけは少し楽になった。以前はほぼ毎日飲酒していたが最近は控えていることも関係あると思われる。
胃部不快感は押すと感じる。吐き気、嘔吐は時折あり。最近仕事が残業続きで肩こりが酷い。
◇3回目◇
胃もたれ、胸やけ以前は毎日あったが、現在は3日に1回程度。胃部不快感はまだあるが、胃痛はたまにチクッと痛む程度になっている。吐き気も時折あるが強くはない。肩こりは痛む部位は狭くなった。
◇4回目◇
仕事で飲み会があった日は胃のもたれ、胸やけ、吐き気強く出たが、それ以外の日は胃症状軽くなってきたと感じる。胃部不快感は食後に感じるが、それ以外はそこまで気にならない。肩こりは全体的に楽になってきたと感じる。
◇5回目◇
吐き気を最近は感じなくなった。仕事でストレスを感じる事があり、その日は胃痛が久しぶりに出たが、それ以降は出ていない。胃もたれ、胸やけは脂っこいものを摂らなければあまり感じなくなった。肩こりが以前より楽になり体が軽くなったと感じる。
◇6回目◇
胃の痛みは消失した。胃もたれは、たまに脂っこいものを食べた時や飲酒を多めにした時くらいで胸やけも最近は出ていない。胃部不快感は押すと感じるが日常生活で気にならない程度。吐き気は歯ブラシの刺激のみ起こるが実際に嘔吐する事は無い。肩こりも押すと硬いところはあるが痛みが気にならない程度になった。
症状が日常生活であまり気にならなくなったので、治療間隔を延ばしてあと何回か健康維持のために通院したいとのこと。
胃酸過多症とは、何らかの原因によって通常よりも多く胃液が分泌される病気です。食べ物を消化する胃酸は非常に酸性が強いのですが、通常胃は胃酸で胃壁を溶かしてしまわないように胃粘膜から粘液を分泌して胃壁を守っています。胃酸が過多な状態では、この胃粘膜と胃酸のバランスが崩れ自分の胃を攻撃してしまうため身体の色々な部分に悪影響が現れます。
症状
・胃もたれ、むかつき
胃酸過多になると胃の粘膜が荒れてしまい、消化機能に支障が生じて胃もたれやむかつきが起こります。
・胃の痛み
胃酸が過剰に分泌される事で胃の粘膜が傷つき、炎症が起こると胃痛を感じることが多くなります。胃痛はみぞおちに感じることが多く、空腹時などにキリキリと痛みます。
・胸やけ
胃酸が過剰に分泌されると、食道と胃を繋ぐ筋肉が緩み食べた物や胃酸が逆流しやすくなります。胸からみぞおちまでの間に焼けつくような不快感を感じたり、チクチク刺されるような痛みを感じます。
・ゲップ
胃酸が過剰に分泌されると食べ物外で消化される際に大量のガスが発生します。そのため頻繁にゲップが出るようになります。食道と胃の間には弁があり胃の中の空気やガスは逆流しないようになっているのですが量が多すぎると弁では支えきれなくなりゲップとして出てきます。早食いをすると食べ物と一緒に空気が胃の中に入りやすくなりゲップも出やすくなります。
・吐き気、嘔吐
胃酸が過剰に分泌されると食道と胃を繋ぐ筋肉が緩むため口の中に胃酸が上がってきます。すると喉を圧迫し吐き気や嘔吐が起こりやすくなります。
その他
・胃部、腹部膨満感
・食欲減退
・口の中の酸っぱさ
・喉の奥の違和感
などが挙げられます。
ストレス
胃酸と胃の粘液は自律神経(交感神経・副交感神経)の働きにより分泌のバランスが制御されており、通常は胃の中に食べ物がある時に胃酸が分泌されます。交感神経が優位になると胃酸の分泌が減少し、反対に副交感神経が優位になると胃酸の分泌は増加します。
ストレスを感じると交感神経が優位になります。すると胃の血管が収縮し、胃酸の分泌が減少します。しかし、交感神経が強く働くと体はバランスを保つために副交感神経の働きも盛んにします。そのため胃の蠕動運動が活発になり、胃液の分泌を促進するため胃酸過多の状態となるのです。
食生活の乱れ
刺激物の食べ過ぎも原因となります。香辛料、酢を使う料理、アルコール、カフェイン、脂質や糖質の摂りすぎは胃酸の分泌を促進させます。また、早食いや食べ過ぎなどの食習慣も胃酸過多を招きます。
喫煙
喫煙は交感神経を刺激するため、胃の血流が悪くなり消化機能が低下して胃酸の分泌量を低下させます。しかし自律神経はバランスをとるため副交感神経の働きを強めるため胃酸の分泌が増加します。また、たばこに含まれるニコチンには一部中枢神経を刺激して、胃酸を分泌させる働きもあるため過度な喫煙は胃酸過多を招きます。
過剰なガストリン分泌
ガストリンとは胃の出口にある幽門前庭部から分泌されるホルモンの一種で、胃酸や消化酵素を分泌させる作用や血糖値を下げるインスリンの分泌を促進する作用があります。
ガストリンが大量に分泌されるのは、消化機能が低下した際や、ピロリ菌の産生の原因となるアンモニアが発生した際に、それに対抗するためだと考えられています。ガストリンが過剰に分泌されると胃酸も過剰に分泌されるようになります。
・逆流性食道炎、逆流性胃腸炎
胃酸過多によって胃酸が逆流して炎症が起こる病気です。逆流性食道炎と逆流性胃腸炎の違いは炎症が起こっている場所の違いです。逆流性食道炎の場合は食道に、逆流性胃腸炎の場合は胃腸に炎症が起こっています。この二つの病気の症状は似通っていて胸やけ、ゲップ、喉の違和感、胃もたれ、吐き気、胃痛などが起こります。
逆流性食道炎の鍼灸治療について
・十二指腸潰瘍
十二指腸の粘膜が炎症を起こし、粘膜や組織の一部が損傷してしまう病気です。症状としては、空腹時や夜間に上腹部が痛む、下腹部の違和感、胸やけ、ゲップ、吐血、下血などが挙げられます。
・胃潰瘍
胃の粘膜がただれ、傷つき損傷した状態の事を言います。進行すると胃壁に穴が開いてしまうこともあるので、病院で早期治療を受けることが大切です。主な症状としてゲップや胸やけ、吐き気、空腹時のみぞおちの痛み、腰痛や背中の痛み、吐血、黒い便が出る、などの症状が挙げられます。
・胃炎
胃の粘膜に炎症が起きた状態です。
・胃がん
胃粘膜の表面の組織が、がん細胞に変わってしまう事で発病します。胃がんの症状は他の胃の病気と非常に似通っており、胸やけ、胃痛、ゲップ、食欲不振、消化不良、吐血、黒色便が出る、貧血などがあります。
慢性的な胃炎や胃潰瘍により胃の粘膜が傷ついているので、細胞の遺伝子が損傷しやすく、細胞の再生時にがん細胞化しやすいと言われています。
また、塩分の過剰摂取も胃がんのリスクを高めるというデータもあります。
清水大地
資格
はり師
きゅう師
2008年
鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年
おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年
中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年
渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年
三軒茶屋α鍼灸院を開院
羞明感に対する鍼灸治療でメインは、目の周りに鍼やお灸治療を行っていくことです。羞明感の原因は、人によって様々であるためそれによって施術方法や選ぶツボは異なってきます。
・ドライアイや眼精疲労で起きている場合
ドライアイや眼精疲労によっても羞明感、眩しさを異常に感じて時に眩しさで目の違和感や目を開くことが難しくなることもあります。
それは、目に入る光が散乱してしまうためです。ドライアイでは、涙の分量が減少してしまっているため光が乱反射したり、眼球表面に傷がついてしまっていることで眼球表面が凸凹な状態となってしまうことで光が思わぬ方向へと反射してしまうことがあります。
そのような場合に鍼灸治療のアプローチとしましては目の周りに鍼を刺して暖かい比較的温度の低いお灸をすることで目の循環を改善していきます。
涙の成分は血液から産出されており、目の血行不順はドライアイの原因となります。また、目の周りの筋肉が疲労を起こした状態ですとそれも血流の妨げになるため羞明感を感じやすくなってしまうのです。
・結膜炎やぶどう膜炎で起きている場合
結膜(白目を覆う薄い膜)やぶどう膜(眼球表面の強膜と網膜の間にある膜)に炎症が起きてしまうと眩しさを異常に感じやすくなることがあります。
特にぶどう膜炎は、眩しさを異常に強く感じたり、網膜までに炎症の影響がでると著しい視力の低下やかすみ目、飛蚊症などの目の異常が多く出てしまう疾患の一つです。
炎症が起きているような疾患の場合に鍼灸のアプローチとしましては、まず炎症を早く引かせるように施術を行っていきます。特にお灸治療は抗炎症作用があり、炎症を早く引かせることに長けています。鍼も少し浅めにさすことで炎症を引かす効果があるため目の周りに浅めの鍼と少し熱めのお灸治療を施していきます。
また結膜炎やぶどう膜炎では目の周囲や奥の痛みの症状が出る場合があります。その場合はさした鍼に電気を流すことで鎮痛効果を狙って施術を行っていく場合もあります。
・自律神経の乱れで起きている場合
目の光に入ってくる量を調整する機能は瞳孔が開いたり閉じたりすることで調整されています。その調整に自律神経も関わっているため自律神経の大きな乱れは瞳孔に影響を与えて光が異常に入り込んでしまうことがあります。
そのような場合の鍼灸のアプローチとしましては、目の周りの治療ももちろんですが、身体全体のバランスを整えて自律神経の状態も整えていきます。
当院には、自律神経測定器がありますので自律神経の状態を初診時に測定して治療に入ります。
また背中の背部兪穴と言われる五臓六腑の状態を整える際にとても重要なツボも用いて施術を行っていきます。
羞明感に対する東洋医学的なアプローチは、まず五臓六腑の『肝』と『心』の状態を診ていきます。肝は目と深い関わりがあると東洋医学では考えられており、また心とも深い関係にあります。
東洋医学でいう『血』で考えますと、肝は血を貯蔵して心は血を送り出します。その二つの臓腑が機能低下してしまうと栄養ある血が全身に送り届かなくなってしまいます。そうなることで目の方にも悪影響が出て目の症状が出やすい状態になってしまうのです。
肝や心を整えるツボとして背中にある背部兪穴といったツボを用いたり、『太衝』といわれる肝の重要な経穴や心の重要なツボである『神門』といわれるツボを用いて施術していきます。
ドライアイ対策
ドライアイは、羞明感の原因となります。ドライアイにならない為にも長時間のパソコン作業やスマートフォン操作はなるべく控える必要があります。人は本能的に集中して物を見ている時はまばたきの回数が減少してしまいます。
まばたきの回数が減少してしまうと目の表面の潤いが低下してドライアイの状態となりやすく、目の表面が傷つきやすかったり目の細胞に十分に栄養が届かない状態となってしまいます。
長時間の目の酷使は避けてまばたきを多めにするように意識しましょう。集中している時にそんなの意識してられなないという方はパソコンの隅にポストイットなどでメモ書きして目に入るところにおいて意識付けを行うと良いです。
また、ドライアイを回避するためには部屋の湿度が重要です。乾燥する時期は特に加湿器などを設置して部屋の湿度をあげましょう。
自律神経を整える
自律神経が乱されると眩しさを感じやすくなってしまう傾向にあります。
自律神経を整えるには、食事・睡眠・運動が重要です。栄養バランスを考えた食生活や決まった時間に食事を摂る、睡眠時間は十分に確保する、有酸素運動を週に2~4日程は行うなど規則正しい生活を送るように心がけましょう。
また、朝目覚めたら朝日を浴びて体内時計を戻し交感神経の活動を高めて、夜は湯船にしっかりと浸かって身体を冷やさないことやリラックスさせることで夜に副交感神経をたかめることも自律神経を整える上では重要です。
清水大地
資格
はり師
きゅう師
2008年
鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年
おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年
中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年
渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年
三軒茶屋α鍼灸院を開院
室内から室外へと出る時または室外から室内に入る際など、肌が敏感な方に起きる疾患の一つとして寒冷蕁麻疹という疾患があります。
寒冷蕁麻疹とは温められた体が急に冷やされることによって全身に蕁麻疹がおこり、強いかゆみや赤みが生じます。
寒冷蕁麻疹は日常生活の中で様々な場面で起きてしまう可能性があります。寒冷蕁麻疹がよく起きてしまう場合として
・冬に暖房のきいた室内から室外に出るとき
・お風呂から出て脱衣所などで体が冷えたとき
・ジョギングなどの運動をした直後に汗で体が冷やされたとき
・暖房で温められた室内で厚着をして汗をかき、体が冷やされたとき
などが挙げられます。また、あまりピンと来ないかもしれませんが夏場でも寒冷蕁麻疹が起きる場合があります。
・夏場にアイスや冷たい飲み物を飲んで体が冷やされたとき
・エアコンの冷気が直接身体にあたっているとき
・水温の低いプールに入ったとき
夏場の場合でも寒冷蕁麻疹が起きる可能性があるのです。
東洋医学では蕁麻疹の状態を『瘀血』といいます。瘀血とは、循環の滞りや脈からはみ出した浸出液のことを指します。東洋医学では瘀血の状態の原因となるのは多くの原因が考えられています。循環に大きな影響を与える要因は多種多様あり、気虚・陽虚・血虚・陰虚など様々です。その中に『寒凝』(寒冷による血管の収縮・血管凝固・血栓)も含まれます。
よって東洋医学でも寒さ・冷えによって循環が滞り、発疹ができると考えられているのです。
また循環が滞ることによって津液不足や血が足りない血虚という状態となり、慢性の栄養不良となることで皮膚のかゆみや乾燥、筋肉の衰えなどの症状が出るのです。
当院の寒冷蕁麻疹に対する施術は、第一に発疹の起きている周辺もしくはその周辺の経穴に鍼やお灸を施して皮膚の炎症をおさえる作用を促します。
かゆみの強い場合は電気鍼療法を用いることでかゆみを抑える効果が期待できます。
電気鍼療法は、刺激の量が強いため鍼に慣れていない方には行うことはありませんので安心してください。
またアレルギー性結膜炎は肝の機能や東洋医学でいう『風邪』と深く関係していることが考えられていますので、肝に関連の強いツボを多く用います。肝の陽気が過亢進して頭の方へのぼっていくことで症状を起こしているとも考えられるので肝の陽気を抑えて下げる治療もする必要があります。
風邪は五臓六腑の『肺』から侵入することが多いので肺に関するツボも刺激していきます。
また東洋医学の全身の状態を診て治療していくという特徴によって当院でも全身の調整施術を行っていきます。自律神経の状態を整えていくこも寒冷蕁麻疹を治療していく上で重要だと考えます。
自律神経を整える全身治療を行うことにより人間が本来もっている自然治癒力を高めます。
30代女性
一か月程前に日課のジョギングの後、手足首周囲に膨疹と痒みが出現。数時間で消失したが、それから寒い環境にいると同じような症状が良く起こるようになった。皮膚科にて皮膚科にて寒冷蕁麻疹との診断を受け、ヒスタミン薬とかゆみ止めの塗り薬を処方されるも根本的には改善されていない気がする。
体質的に冷え症で去年から職場が変わり仕事が多忙になったり、人間関係のストレスや睡眠不足、疲労の蓄積があると感じている。
当院での治療
自律神経測定器の結果副交感神経が過亢進状態でバランスに大きく乱れがありました。
副交感神経が過亢進状態になることで免疫機能が過亢進となり、炎症反応も起こりやすくなると考えられるため自律神経系の調整を主に炎症反応の起きている腕や下肢のツボや、東洋医学的観点から五臓六腑の肺や肝のツボを取り入れ治療を行いました。
一回目
特に大きな変化ないが施術当日は体が温まりよく眠れた。
二回目
前回施術後2,3日は膨疹出なかったが、昨日バス停で冷たい風にさらされたせいか夜から膨疹出現した。
三回目
末梢の冷えが少し改善されたと感じる。蕁麻疹も来院する前よりは良くなっていると感じる。
四回目
蕁麻疹出る頻度が減少してきた。しかし、残業が続いたり、食事の質が低下すると出現する日もある。以前と比べ睡眠の質が良くなった。
五回目
ここ一週間はとても調子が良い。一回だけ蕁麻疹出た日があったがそれ以外は全く気にならなかった。
六回目
天気のせいもあるのか比較的良い状態続いている。
七回目
数日寒い日もあったが、一回だけ膨疹出現するも2~3時間で引いた。以前よりも症状自体が軽くなっていると感じる。末梢の冷えも以前より良いと感じる。
八回目
前回治療後からは寒い環境下でも蕁麻疹出ていない。冷えもあまり感じなくなってきている。体調面安定してきたので一度間隔を伸ばしてみる。
九回目
蕁麻疹引き続き出ていない。最近仕事がハードで首肩こり、腰痛等全身的な疲れが気になるとの事でメンテナンスもかねて施術希望。
なぜ寒冷蕁麻疹が体に起きてしまうのかということは細かい部分まではわかっていないのが現実です。しかし、寒さが何かしらの引き金となり皮膚の血管周囲にある肥満細胞が反応して赤みやかゆみの原因となるヒスタミンを放出すると考えられています。
肥満細胞は寒冷蕁麻疹にかかわらずあらゆる蕁麻疹に関係していると言われています。
肥満細胞と名だけ聞くと肥満になってしまう細胞かと思われますが、別に体が太る肥満とは何ら関係もありません。肥満細胞の名の由来は様々な諸説がありますが、肥満細胞が発見されたときに肥満細胞がヒスタミンを含む顆粒をたくさん抱えている様が名の由来とされています。
肥満細胞は、皮膚の血管周囲ばかりでなく、気管支や鼻の粘膜にも存在します。肥満細胞の役割は外部からの異物を体外に排出する重要な免疫反応です。
身体に異物が侵入すると肥満細胞の表面に抗体ができそ、それが異物と結びつくと肥満細胞はヒスタミンなどの物質を放出します。ヒスタミンは血管を拡張させる作用があり、血管から浸出液が飛び出すことによって皮膚が赤く腫れあがるのです。またヒスタミンは炎症作用やかゆみ・咳・鼻水・くしゃみを引き起こします。
花粉症や食物アレルギーの増加などから肥満細胞による免疫反応は身体に害をもたらすと考えられがちですが、身体が正常な反応を起こせば身体にとって異物を体外に排出する重要な役割があるのです。
しかし、近年では身体が花粉や食物など様々な物質に過剰に反応することが多くなっています。寒冷蕁麻疹もその一種だと考えられます。
寒冷蕁麻疹の場合は、異物も侵入してきていないのに身体が異物が侵入してきたと判断して免疫反応を起こしていることから体の異常な反応だと言えます。
アトピー性皮膚炎について詳しくはこちら
当たり前ですが、暖房のきいた室内から室外に出た際に寒冷蕁麻疹が起きる人と起きない人がいます。寒冷蕁麻疹にかかりやすい人には特徴がいくつかあります。
・体温が低く、冷え性の人
・手足の血行が悪く、手足がいつも冷えている人
・痩せ型の体型の人
・汗をよくかく人
・自律神経のバランスが乱れがちな人
などが挙げられます。日々の生活習慣の乱れや仕事でのストレスで体温の低下・血行不良・自律神経のバランスが乱れている方が多いように感じます。
寒冷蕁麻疹は近年増えてきた一種の現代病だと考えられます。
蕁麻疹が出てきたらまず病院で検査を受ける必要があります。発疹を見て何がアレルギー反応の原因となっているかわからないためです。今はペットを飼っている人が多く動物アレルギーであったり、食物アレルギーであったりと判断が難しくなっています。
アレルゲン検査をして原因が特定できない場合もあります。その場合、寒冷刺激も蕁麻疹を引き起こしている一つの原因として挙げられるのです。
清水大地
資格
はり師
きゅう師
2008年
鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年
おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年
中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年
渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年
三軒茶屋α鍼灸院を開院
東洋医学では、乳汁の産生がうまくいかない状態と、乳汁産生はうまくいくが分泌がうまくいかない状態のどちらかによるものと考えます。
乳汁産生減少には、気や血が足りていないと考え、気血両虚と証をたてます。もともと気血不足の体質の方や、分娩時に多量の失血、長時間の陣痛などにより体力が下がってしまったためにおこることがあります。
分泌がうまくいかない状態は、気の巡りが悪い場合があります。妊娠から分娩後のストレスにより肝の気が溜まってしまい上手く分泌できないと考えます。肝鬱気滞と証をたてます。
乳汁分泌の鍼灸治療として、胸や背部などの経穴を使います。乳根・雲門・中府・檀中・天窓を主に使用して、証に合わせて他の経穴を増やしていきます。
気血両虚では、足三里・中かん・気海・三陰交・膈兪・脾兪などです。
肝鬱気滞では、太衝・合谷・肝兪・百会などです。
当院では、自律神経測定器で身体のバランスを調べた後にその方その方に合った治療方法で施術します。
自律神経測定器では、交感神経と副交感神経のバランスや肉体的ストレス・精神的ストレス・疲労度を調べられます。
この情報を元に身体のバランスがとれるよう鍼灸治療します。乳汁分泌不全はストレスが原因になることもあります。鍼灸治療は自律神経を整えるのに優れた治療方法で、ストレス解消にも良く効きます。
鍼灸治療は、身体が本来持っている自然治癒力を高める治療であるため非薬物療法になります。そのため母親や乳児への影響も心配ないです。
乳汁分泌不全における鍼灸治療は、乳房マッサージや生活を見直しても効果が出づらい場合などの補完的役割になります。
当院では、個室完備ですのでプライベートも保たれて、リラックスした気分で治療を受けられます。また、当院には女性鍼灸師が在籍しております
小一時間ほど鍼灸治療を受けられた後は、効果を実感していただけられると思います。
乳汁分泌不全は、ストレスや生活習慣も深く関係しているため当院ではしっかりと時間をかけて問診していきます。
その次に自律神経測定器で自律神経の状態を計測していきます。自律神経の乱れも乳汁分泌不全の原因となる可能性があります。
また、東洋医学的観点より診察をして東洋医学の病証である「証」を決定していきます。
問診内容・自律神経の計測結果・東洋医学の証これらをふまえて総合的な鍼灸治療をしていきます。
20代後半 女性
乳汁分泌不全にて来院。一日8回授乳、乳量は右乳10cc左乳30ccとの事。
乳房マッサージは二週に一度通われているがあまり変化は見られないので当院にご来院された。肩こりの訴えもあり。
当院の治療
育児のストレスや疲れを抱えており、自律神経測定器で自律神経の状態を計測した結果、自律神経が乱れている状態でしたのでまず、自律神経を調整する治療を行った後、肩周囲の筋肉と胸筋の筋緊張を緩める治療を行い、東洋医学的観点からも治療していきました。
最後に乳管の詰まりを感じる部分、その周囲にお灸と刺さない鍼(ローラー鍼)で周囲の血行を良くする施術を行いました。また、乳房マッサージの頻度が二週に一度との事でしたので、毎日入浴後に自身にてマッサージをして頂くよう指導しました。
治療経過
◇一回目◇
右の乳量が少し増えたが左はあまり変化なし。
◇二回目◇
右はまた少し乳量が増加した。左も少量ではあるが増えてきているとのこと。
◇三回目◇
乳量が二倍~三倍に増えた。
◇四回目◇
鍼治療の翌日はとても出が良いが間が空くと乳量が少なくなっていると感じる。
◇五回目◇
乳量が安定して出てくるようになった。
乳汁分泌不全とは、分娩後の数日で自然に分泌される乳汁が分泌されない状態や充分に乳汁が分泌されない状態をいいます。一回の哺乳で約60mlの分泌量が充足量だと言われます。
赤ちゃんにとって乳汁は最も理想な栄養になります。授乳は積極的に勧めたいものです。
乳汁不全には、分泌不足も含まれますが、病院などでは病気の概念には入れていないこともあります。
原因には、乳汁の産生が少ないことや、分泌が充分でも射乳ができないことで不全になることがあります。
陥没乳頭などの形の異常があると赤ちゃんが上手く吸えなくなるため乳汁の産生が充分でも分泌不全になります。
乳汁の産生にはプロラクチンというホルモンが乳腺細胞に作用して乳汁の産生を促します。射乳にはオキシトシンというホルモンが乳腺の筋上皮細胞に働きかけて乳汁の排出を促します。これらのホルモン産生が不十分だと乳汁分泌不全になります。
乳汁分泌不全は真性と仮性にわけられます。
真性乳汁不全は、
・乳腺欠損
・乳腺発育不全
・内分泌の異常
・下垂体機能障害
などになります。
仮性乳汁不全は、
・産婦の母乳栄養に対しての意識の低さ
・赤ちゃんの未熟性による吸啜障害
・扁平乳頭や陥没乳頭などにより赤ちゃんが吸引できない
などがあります。
乳汁分泌不全の多くは仮性によるものです。
また、ストレスや栄養不足、生活習慣の乱れからも分泌に関係します。そのような場合は、ストレスから避けるようにすることと、日常生活や食生活の改善も必要になります。
検査方法には、乳児の体重測定や母親の乳腺炎を調べます。乳児の健康診断を行うこともあります。栄養状態や体重の管理などです。母親は乳腺炎がないか炎症反応などの血液検査などを行います。
清水大地
資格
はり師
きゅう師
2008年
鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年
おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年
中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年
渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年
三軒茶屋α鍼灸院を開院
東洋医学では、尿失禁を『虚証』と診ます。人体の水分調節作用に関係するのは、
腎と膀胱、脾と胃、小腸と三焦、肺があります。
『腎』には全身の水を管理する機能を持ち水の蔵だと言われます。
『脾』は、水湿を運化する作用があります。
『三焦』は、全身の水液の管理を行います。
『肺』は、水道を調節する作用を持ちます。
証では、腎気不足、脾肺気虚、肝鬱が考えられます。各証によって用いる経穴は違ってきます。
『腎気不足』には、関元、中極、曲骨、腎兪、膀胱兪、太渓を使います。
『脾肺気虚』には、気海、三陰交、足三里、太淵、肺兪を使います。
『肝鬱』には、中極、中リョ、三陰交、陰陵泉、太衝を使います。
当院では、自律神経測定器により交感神経と副交感神経のバランスを調べます。
自律神経の状態が整っていない状態ですと身体の中枢神経や全身の血行状態に関係して自然治癒力が発揮されません。
自律神経はストレスや生活習慣から影響を受けて変化しますので、1人1人の状態に合わせたオーダーメイドの治療になります。
鍼灸治療は、自律神経を整えるのに高い効果があります。初めての方には問診をしっかり行なうことで、症状と身体や生活習慣との因果関係を突き詰めて治療に入ります。当院では、完全使い捨ての鍼を使用しますので衛生面は安心してください。
治療部屋は全室個室になっていますので、プライベートを守り治療を行います。
自分の意思ではコントロールできずに尿が漏れ出てしまうことです。昼間で自分の意識があるときに、クシャミや咳などをした際に失禁してしまうことや睡眠時などの無意識のときに尿が排出してしまうことです。
この尿が漏れてしまうことを尿失禁と言います。睡眠時に起こる尿漏れを夜尿と言い、一般的には「おねしょ」と言われるものです。
①腹圧性尿失禁
腹圧性尿失禁は、お腹に力が入る状態で尿が漏れ出るものです。くしゃみや咳、重いものを持ち上げる時などに起こります。腹圧性尿失禁は女性に多いです。尿道括約筋の弛緩によるものが多く、女性は妊娠や出産などにより弱くなるため女性に多いです。男性の場合は前立腺の手術などをするとその際にできた傷により起きることがあります。
②切迫性尿失禁
切迫性尿失禁は、尿意が起こった後にトイレまで間に合わずに尿が漏れ出るものです。高齢者に多くみられるもので、男女差は特にありません。原因には、脳や脊髄の病気によって神経症害がおこり、うまくコントロールができないために起こることもありますが、多くの場合は、特に原因がないのに膀胱が勝手に収縮してしまい起こります。膀胱炎や尿道炎、前立腺肥大症なども原因となります。
③溢流性尿失禁
溢流性尿失禁は、男性に多くみられるもので、排尿障害を伴います。膀胱に尿が溜まり過ぎて、入りきらない尿が漏れ出てくるものです。溢流性尿失禁は、男性がかかる前立腺肥大症や前立腺癌などが原因となることが多く、女性の場合はまれな尿道狭窄によってなるため、男性に多くみられます。
④機能性尿失禁
機能性尿失禁は、排尿機能は正常にもかかわらず、身体運動機能の低下や認知症が原因で起こる尿失禁です。歩行障害や認知症によりトイレで排尿ができないために起こるものです。
尿失禁は相対的に女性が多くその理由は、解剖学で説明できます。
男女で尿道の長さが違います。男性だと16から20㎝に対して女性だと3から4㎝と短いです。膀胱頚部から外尿道口までが真っ直ぐと解剖学からみると女性の方が失禁しやすい形状になるわけです。
また膀胱内に尿を貯めておくには、膀胱内圧と尿道内圧が関係します。
この尿道圧には、女性では尿道平滑筋の一つが関係しますが、男性では尿道平滑筋と尿道括約筋の二つが関係します。そのため、女性は、妊娠や出産、加齢などにより筋力の低下がおこり腹圧からの影響で男性よりも腹圧性尿失禁の率が高いです。
資格
はり師
きゅう師
2008年
鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年
おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年
中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年
渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年
三軒茶屋α鍼灸院を開院
東洋医学では尿閉、または排尿困難の状態を「癃閉(りゅうへい)」といいます。癃は、小便が出にくく出ても点滴して出ることを表し、緩慢に発症するという特徴があります。
閉は小便が全く出ないこと(小便不通)を表し、急性に発症するという特徴があります。
東洋医学では尿は腎が体に不要なもの(濁)を気化作用により膀胱に送り、膀胱から体外に排出されるものをいいますが、癃閉の発症の多くは五臓六腑の脾、肺、腎、三焦の機能が関わっていると考えられており、肺熱、膀胱湿熱、肝鬱、血瘀、脾気虚、腎陽虚などが原因で起こると考えられています。
排尿は膀胱や尿道括約筋が脳や自律神経などによりコントロールされることで行われています。
そのため、過度のストレスや疲労、生活習慣の乱れなどにより自律神経のバランスが乱れることが尿閉の原因の一つとなると考えれています。そのため、当院では自律神経測定器にて自律神経のバランスを計測し患者様のお身体の状態を把握した上で治療に移ります。
治療内容は自律神経系を整えるツボや、膀胱や尿道括約筋の支配神経に関連する下腹部、腰仙部にあるツボに鍼やお灸で刺激を与え、排尿機能、全身の血行促進、内臓機能調整、免疫力を高める作用を促し、自然治癒力を高める治療を行うことで症状の緩和、改善を図ります。また、東洋医学的観点から脾、肺、腎、三焦の機能を高めるツボも用います。
体外に排出されるはずの尿が、膀胱の機能低下や何らかの問題により膀胱内に貯留して排出できない状態を尿閉といいます。全く排尿できないものを完全尿閉といい、少しは排尿できるもののほとんどは膀胱内に残っている場合を不完全尿閉といいます。
また、尿閉には急性と慢性のものとがあります。
急性尿閉
膀胱内には尿が充満しているにもかかわらず、急に尿が一滴も出なくなり下腹部が腫れて苦しい、強度の不安感が生じ冷や汗などがみられます。
慢性尿閉
下部尿路閉塞が慢性的に経過し、それに伴い残尿が多くなり膀胱内には尿が充満し、尿意を感じなくなり尿が少しずつ漏れる状態です。尿も少しずつでも出ているので本人の自覚は軽いものが多いといわれています。放置すると上部尿路内圧が上昇し腎不全に陥る場合があります。
・下部尿路の通路障害によるもの
男性の場合、前立腺肥大症や前立腺癌、尿道狭窄のために尿道が細くなっていたり、尿道に結石が詰まっていることが多いです。中でも最も多いのが前立腺肥大によるものです。
女性の場合腹圧性失禁に対する手術、骨盤臓器脱に伴う尿道の屈曲や下垂した直腸や子宮による膀胱頸部への圧迫、子宮や卵巣の腫瘍の膀胱への圧迫や浸潤などにより尿閉が生じる場合があります。
・排尿筋、括約筋協調不全(膀胱収縮と括約筋弛緩の調整の欠如)
・膀胱の神経障害によるもの
膀胱を中心とする下部尿路を支配する末梢神経や脊髄、または行為中枢における神経系が何らかの原因で器質的に障害されたものです。糖尿病や脊髄損傷などに起因する神経因性膀胱があげられます。
・薬剤の影響によるもの
排尿障害をきたす薬剤には、最も多いものとして副交感神経遮断作用の強い胃腸薬と複合感冒薬中の抗ヒスタミン薬や解熱、鎮痛薬、一部の抗うつ薬などがあげられます。その他にも膀胱利尿筋の収縮力を減弱させる薬剤(副交感神経遮断薬、平滑筋抑制薬、βアドレナリン刺激薬)や膀胱出口の圧を高める薬(αアドレナリン刺激薬やβアドレナリン遮断薬)があります。
・その他の原因によるもの
手術後や膀胱鏡検査施術後では疼痛や緊張のために腹圧がかけられずに尿閉になることがあります。また、重度の便秘により便が直腸を満たすことで膀胱を圧迫することなども原因として挙げられます。
排尿ができない、または排尿困難が挙げられます。膀胱が拡張することで下腹部の強い張りとその部分に痛みを伴うことがあります。
また、合併症による発熱や腰痛、尿閉による不安やストレスから頻脈、血圧上昇などが起こることもあります。不完全尿閉では頻尿や尿失禁が見られることがあります。長時間の尿閉は尿路感染症の原因となるほか、膀胱圧を上昇させることで閉塞性尿路疾患を引き起こす事もあるため注意が必要です。
清水大地
資格
はり師
きゅう師
2008年
鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年
おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年
中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年
渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年
三軒茶屋α鍼灸院を開院