羞明感に対する鍼灸治療でメインは、目の周りに鍼やお灸治療を行っていくことです。羞明感の原因は、人によって様々であるためそれによって施術方法や選ぶツボは異なってきます。
・ドライアイや眼精疲労で起きている場合
ドライアイや眼精疲労によっても羞明感、眩しさを異常に感じて時に眩しさで目の違和感や目を開くことが難しくなることもあります。
それは、目に入る光が散乱してしまうためです。ドライアイでは、涙の分量が減少してしまっているため光が乱反射したり、眼球表面に傷がついてしまっていることで眼球表面が凸凹な状態となってしまうことで光が思わぬ方向へと反射してしまうことがあります。
そのような場合に鍼灸治療のアプローチとしましては目の周りに鍼を刺して暖かい比較的温度の低いお灸をすることで目の循環を改善していきます。
涙の成分は血液から産出されており、目の血行不順はドライアイの原因となります。また、目の周りの筋肉が疲労を起こした状態ですとそれも血流の妨げになるため羞明感を感じやすくなってしまうのです。
・結膜炎やぶどう膜炎で起きている場合
結膜(白目を覆う薄い膜)やぶどう膜(眼球表面の強膜と網膜の間にある膜)に炎症が起きてしまうと眩しさを異常に感じやすくなることがあります。
特にぶどう膜炎は、眩しさを異常に強く感じたり、網膜までに炎症の影響がでると著しい視力の低下やかすみ目、飛蚊症などの目の異常が多く出てしまう疾患の一つです。
炎症が起きているような疾患の場合に鍼灸のアプローチとしましては、まず炎症を早く引かせるように施術を行っていきます。特にお灸治療は抗炎症作用があり、炎症を早く引かせることに長けています。鍼も少し浅めにさすことで炎症を引かす効果があるため目の周りに浅めの鍼と少し熱めのお灸治療を施していきます。
また結膜炎やぶどう膜炎では目の周囲や奥の痛みの症状が出る場合があります。その場合はさした鍼に電気を流すことで鎮痛効果を狙って施術を行っていく場合もあります。
・自律神経の乱れで起きている場合
目の光に入ってくる量を調整する機能は瞳孔が開いたり閉じたりすることで調整されています。その調整に自律神経も関わっているため自律神経の大きな乱れは瞳孔に影響を与えて光が異常に入り込んでしまうことがあります。
そのような場合の鍼灸のアプローチとしましては、目の周りの治療ももちろんですが、身体全体のバランスを整えて自律神経の状態も整えていきます。
当院には、自律神経測定器がありますので自律神経の状態を初診時に測定して治療に入ります。
また背中の背部兪穴と言われる五臓六腑の状態を整える際にとても重要なツボも用いて施術を行っていきます。
羞明感に対する東洋医学的なアプローチは、まず五臓六腑の『肝』と『心』の状態を診ていきます。肝は目と深い関わりがあると東洋医学では考えられており、また心とも深い関係にあります。
東洋医学でいう『血』で考えますと、肝は血を貯蔵して心は血を送り出します。その二つの臓腑が機能低下してしまうと栄養ある血が全身に送り届かなくなってしまいます。そうなることで目の方にも悪影響が出て目の症状が出やすい状態になってしまうのです。
肝や心を整えるツボとして背中にある背部兪穴といったツボを用いたり、『太衝』といわれる肝の重要な経穴や心の重要なツボである『神門』といわれるツボを用いて施術していきます。
ドライアイ対策
ドライアイは、羞明感の原因となります。ドライアイにならない為にも長時間のパソコン作業やスマートフォン操作はなるべく控える必要があります。人は本能的に集中して物を見ている時はまばたきの回数が減少してしまいます。
まばたきの回数が減少してしまうと目の表面の潤いが低下してドライアイの状態となりやすく、目の表面が傷つきやすかったり目の細胞に十分に栄養が届かない状態となってしまいます。
長時間の目の酷使は避けてまばたきを多めにするように意識しましょう。集中している時にそんなの意識してられなないという方はパソコンの隅にポストイットなどでメモ書きして目に入るところにおいて意識付けを行うと良いです。
また、ドライアイを回避するためには部屋の湿度が重要です。乾燥する時期は特に加湿器などを設置して部屋の湿度をあげましょう。
自律神経を整える
自律神経が乱されると眩しさを感じやすくなってしまう傾向にあります。
自律神経を整えるには、食事・睡眠・運動が重要です。栄養バランスを考えた食生活や決まった時間に食事を摂る、睡眠時間は十分に確保する、有酸素運動を週に2~4日程は行うなど規則正しい生活を送るように心がけましょう。
また、朝目覚めたら朝日を浴びて体内時計を戻し交感神経の活動を高めて、夜は湯船にしっかりと浸かって身体を冷やさないことやリラックスさせることで夜に副交感神経をたかめることも自律神経を整える上では重要です。
清水大地
資格
はり師
きゅう師
2008年
鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年
おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年
中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年
渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年
三軒茶屋α鍼灸院を開院
Posted by 中目黒の鍼灸院 東京α鍼灸院|眼精疲労 at 00:49 / 院長コラム コメント&トラックバック(0)