呑気症(空気嚥下症)の鍼灸治療

2018年11月28日

呑気症の東洋医学

東洋医学では精神的ストレスなどにより気の巡りが失調する「気滞」と呼ばれる病態と考えられています。気滞で生じる典型的な症状として、喉のつかえ感、ゲップ、胸部や腹部の膨満感、食欲不振、吐き気、下痢や便秘、胃や腹部の張り、生理不順、生理痛、不眠など多岐に渡ります。

呑気症は特に上腹部に生じた気滞による症状が顕著化した胃気滞と呼ばれる状態と考えられます。胃気滞の原因として、ストレスにより肝の疏泄作用(気を全身に巡らせる作用)が低下することが考えられます。

気の巡りが悪くなるため気滞に陥りやすいほか、肝の疏泄作用は脾胃の消化、吸収の促進や補助を行っているため、脾胃の働きも低下する原因となるのです。

 

呑気症に対する当院の鍼灸治療

治療の前に自律神経測定器にて唾液の分泌や、血液循環、内臓機能、精神面に関わる自律神経のバランスを測定し、現在のお身体の状態を把握した上で治療を行います。

自律神経のバランスを調整する施術を行い、肝、脾胃をはじめとした内臓機能や免疫力、自然治癒力を高め、身体全体のバランスを整えることで症状の緩和を図ります。

呑気症の自律神経調整鍼灸治療

 

また、呑気症の方は不安や緊張から無意識に身体に力が入っているケースが多く、特に首や肩周りに筋緊張が現れやすいです。身体の緊張から自律神経の交感神経が刺激される場合もあるため、問診や触診を行い筋緊張がある場合それを除く施術も行います。

 

呑気症の鍼灸治療

 

東洋医学的観点から気の流れを整えるツボも用いていきます。歯の食いしばりや噛みしめの関与が考えられる場合は顎関節周囲のツボも用いて治療を行います。

 

呑気症(空気嚥下症)とは

無意識に多量の空気を飲み込みんでしまうことで食道や胃、腸内に空気が貯留することで様々な症状を引き起こす疾患です。日本人の成人の8人に1人がこの呑気症の症状に悩んでいるといわれており、20代~50代のストレスを受けやすい女性に多いといわれています。

 

呑気症の症状

頻回のゲップ、おなら、しゃっくり、上腹部の不快感、吐き気、腹部膨満感、胸やけなど

 

呑気症の原因

 

呑気症の原因は未だはっきりとは解明されていませんが、精神的ストレスとの関連が強いと考えられています。

緊張や不安を覚えるとつばを飲み込むことがありますが、この動作を過度に繰り返す事により少量の空気も一緒に飲み込むことになります。そうすると食道や胃に空気が溜まり呑気症を引き起こす事になります。

また、歯の噛みしめ(食いしばり)も原因の一つです。上下の奥歯が接触していると顎や首の筋肉が唾液腺を刺激し、唾液が溜まりやすくなります。唾液を飲み下す回数が増えることで呑気症の症状を引き起こす事になります。

さらに歯を噛みしめることで首や肩の筋肉の緊張を引き起こし、頭痛や肩こりを伴うこともあります。

その他早食い、飲み込む時の癖などの食事の仕方、後鼻漏、口呼吸、義歯の不適合、PC作業等によりうつむき姿勢が多いことなども原因として考えられています。

また、ストレスが原因の呑気症の場合、※過敏性腸症候群も併発しやすいので注意が必要です。

過敏性腸症候群とは

検査を行っても器質的な異常が無いのにもかかわらず、慢性的に腹痛、下痢、便秘、腹部の不快感などの症状を引き起こす疾患です。20代~40代に最も多く見られ、日本人の5人に1人が過敏性腸症候群といわれており最も身近な疾患の一つです。原因ははっきりとは解明されていませんが、ストレスが引き金になっているといわれています。ストレスにより脳が刺激を受けると脳下垂体から副腎皮質ホルモンが分泌されます。このホルモンは腸の動きを強める作用と、抑える作用両方の働きがあるため腸の機能がバランスを崩すことが考えられています。

過敏性腸症候群の鍼灸治療について

 

西洋医学的治療

同様の症状が食道や消化器の疾患でも起こることがあるためまずは消化器専門医で診察を受けることが大切です。腹部や胃部のX線、内視鏡、腹部超音波、腹部CTなどで器質的な疾患が無いか調べます。検査の結果器質的な異常が無ければ、原因が明らかになっていないため特有の治療法はありませんが、不安やストレスを取り除くことが重要と考えられているため、呑気症の治療は主に心療内科や精神科で行われ、時には歯科との共同治療を行うこともあります。

治療として下記のような方法が選択されます。

 

・病状の理解

空気嚥下の機能や、呑気症の症状が発症する仕組みを十分に説明し理解してもらいます。そうすることにより症状に対する不安が軽減し、改善する場合があります。

・薬物療法

ストレスによるうつ状態や、神経症、心気症等の症状が見られる場合薬物療法が選択される場合があります。比較的症状が軽い場合は消泡薬、消化管機能改善薬、消化酵素薬などを用い、症状が重い場合には抗うつ薬や抗不安薬などの向精神薬を使用することがあります。

・カウンセリング

医師やカウンセラーなどによるカウンセリングを行い、呑気症発症の背景を探りストレスを解消していきます。場合によっては自律訓練法などの指導を行います。

・スプリントの装着

医師の診断によりその人に適合したスプリント(マウスピース)を作成し装着することで噛みしめ具合が分かるため、無意識に噛みしめて唾液を分泌する回数を減らすことが出来ます。

 

執筆者

清水大地

眼精疲労専門の鍼灸師

資格
はり師
きゅう師

2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む

2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立

2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院

2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院

2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院

 


Posted by 中目黒の鍼灸院 東京α鍼灸整骨院|眼精疲労 at 00:55 / 院長コラム コメント&トラックバック(0)

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