当院の肘部管症候群に対する施術は、第一に肘関節付近のツボや痛みの強い部位または萎縮している筋にはりやお灸の刺激を施し、血行を良くします。必要であれば、その鍼に電極をつないで微電流を流します。
また痛みの強い方に関しては、鍼やお灸の刺激により痛みを感じる閾値を上げて痛みを感じにくくする作用を促します。
手根管症候群は五臓六腑の「小腸」と「肝」「腎」に深く関係しているので、小腸や肝と腎に関するツボを用いて小腸の機能を正常に戻すこと、または肝血と腎気を補うことや肘関節の気血の流れをよくします。また「風寒」や「湿」の邪気によって引き起こされる場合はそれらを体外に出す治療が必要になります。
東洋医学の診断方法に基づき全身の調整治療も行っていきます。東洋医学では、局所ばかりを診るのではなく体全体を診るという考えがあります。肘部管症候群では、症状が強く出ている上腕部ばかりでなく、全身性の疲労や気血の滞りが原因と考えるのです。
結局最後に症状を治すのは、自分自身です。当院では人間が本来持っている自然治癒力を高め、症状回復のお手伝いを致します。
お悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。


症例①
40代 男性
主にパソコンを使ってのデスクワークが仕事で一日10時間以上はキーボードをうつ動作をしている生活を20年ほど続けていた。半年前からパソコン作業中に肘をついていた際に左手の薬指と小指に痺れを感じるようになってきた。また、最近身体全体が疲れやすく、目も疲れていて仕事をすることがとてもつらいとのこと。睡眠時間も4時間程度とあまり取れておらず、忙しさのため運動などもできていない。
治療・経過
ご本人の自覚としては、手の痺れが一番気になるとのことでしたが、問診や自律神経測定器の結果などから身体全体の調整施術も重要だと判断し、患者さんに説明の上最初は、身体全体の調子を整える治療を3回ほど行いました。1回目の治療後は身体がとてもだるくなり、翌朝体がすっきりしたとのことだった。治療後は、少し痺れが強く出たが翌日には痛みの程度は戻っていた。2・3回目も同様体が徐々に良くなっていくのが実感できた。しかしまだ手指の痺れの改善はあまり見られなかった。
4回目からは、本格的に痺れに対する治療をしたところ、痺れが徐々に感じられなくなり、8回目の治療でほぼ痺れを感じなくなった。

症例2
40代 女性
◇症状◇
1週間前に肘を強打し、肘から小指にかけてしびれが続いている。
整形外科を受診し、尺骨神経麻痺と診断を受け、ビタミンB12とメチコバールを処方され、自然回復を待つよう言われた。
当初は感覚がなかく、3日ほどすると症状は少し落ち着いたが、その後の変化はなく、腕から手にかけて力が入らない。
チネル徴候陽性。
◇当院での治療◇
痛みにより全身の緊張があるため、自律神経を整える施術に加え、首肩から背中のコリを緩め、症状のある右上腕から前腕にかけ鍼通電療法を行った。
・1回目
施術後、しびれの軽減がみられた。
・2回目
前回施術後、症状が楽になったが、重い物を持ったためまた痛み出現。
・3回目
しびれは軽減し、肘から小指の感覚は80%ほど戻っている。
・4回目
腕の状態はほぼ改善しているが、重い物を持つとピリピリする。
・5回目以降
尺骨神経麻痺の症状は改善。
東洋医学で肘部管症候群は、肘付近の気血の運行がスムーズにいかずに気血が滞り、それが痛みやしびれの原因となると考えられています。寒く風のあたる場所にいた際に「風寒の邪気」を受けた時や湿度の高い場所にいて「湿邪」を受けた時、長い間肘を酷使する仕事やスポーツをした時などに気血は滞り、それが肘内側付近であった場合に肘部管症候群を発症する可能性が高くなります。
肘部管症候群と関係が深い尺骨神経の肘下の走行は、東洋医学の「小腸」の経絡の走行と類似しており、小腸にもなにかしらの不調があると考えられます。
また手の痺れの症状から肝血虚という病態も疑われます。
肝血虚
肝血虚とは中医学でいう「肝」が血を貯蔵して必要に応じて供給・消費する機能と自律神経系の作用を通じて血管を収縮あるいは弛緩させ、体内各部の血流量を調整する機能が異常をおこして発症します。
筋のけいれん・手足のしびれ・目の乾燥感や女性では、月経のおくれ・月経血の過少・無月経などがみられることが特徴です。
肘部管症候群とは、肘の内側の肘部管と呼ばれる部位で、尺骨神経が圧迫されて起こる疾患です。尺骨神経は肘上内側で筋の間から出て上腕骨内側上顆という骨の出っ張りの後ろの尺骨神経溝を通り、その先にある骨と靭帯とで囲まれた「肘部管」というトンネルをくぐって手の方へ伸びて行きます。肘部管は狭く、尺骨神経はその中を通るため圧迫されて神経障害を引き起こしやすいのです。
尺骨神経は、手の薬指の小指側半分から小指にかけて感覚を支配しています。また手首を曲げさせる筋の一部や小指を親指方向へ引き寄せる筋、手の骨と骨との間で手指の細かい運動をつかさどる筋などを支配しています。
肘部管症候群は尺骨神経領域の感覚障害、運動障害、支配している筋の萎縮などが見られます。
感覚障害
薬指の小指側半分から小指にかけて痺れや知覚鈍麻が起こります。
運動障害
感覚障害が進むにつれて、手の筋肉がやせてきて細かい指の運動がしづらくなります。特に、手の骨と骨との間の筋がやせてくると指を開いたり閉じたりする力が弱くなったり、親指と人差し指で物をつまむ力が弱くなり、箸が使いづらいなど握力も低下していきます。
筋の萎縮
手の骨と骨との間の筋が萎縮すると、指が伸びたままで指先だけが曲がり、「鷲手」と呼ばれる状態になります。
また、肘部管症候群では肘をよく使う人に発症しやすく、30歳以上の男性に多く見られます。一般に利き手側に起こり、両手に同時に発症することはめったにありません。
※肘部管以外にも手のしびれを感じる疾患があります
肘部管症候群以外にも手の感覚異常や運動障害が起きる場合があります。場合によっては、すぐに病院で検査を受ける必要があります。
・脳の障害の場合
脳卒中やくも膜下出血、脳腫瘍によっても肘部管症候群に似たような症状が出る場合もあります。脳血管が詰まったり出血してしまったりすると、脳の細部にまで血液が行き渡らくなってしまい、その部分が運動機能を主る部分や手足の感覚を主る部分に血液が行き渡らない状態となると手のしびれや運動障害を引き起こします。
この場合手の不具合ばかりでなく、吐き気や頭痛・めまいしゃべりにくいなどの症状も出るため、それらの症状が合わせて出た場合には早急に病院を受診しましょう。
・脊髄の疾患
脊髄の疾患の場合でも手に症状が出る場合があります。脊髄は脳からの電気信号を体の細部に伝達する中継地点でその脊髄部分に腫瘍や脊髄損傷が起きると手のしびれ症状や運動障害を引き起こしてしまいます。
・椎骨や椎間板の疾患
腰椎椎間板ヘルニアで下肢に症状が出ることはよく知られていますが、頸部の場合でも椎間板ヘルニアが起きることがあります。すると飛び出した髄核が神経を圧迫してしまい、手のしびれなどの神経根症状を呈します。その他椎骨が変形して神経を圧迫する頚椎症などでも同様の症状を呈します。
肘部管症候群の原因は様々ですが、主に外反肘、変形性肘関節症、ガングリオンによる圧迫があります。
外反肘・・・生まれつき肘が外側に曲がっていたり、小児期の肘関節の骨折によって肘を伸ばすと過剰に外側に反ることにより尺骨神経を引き伸ばす。
変形性肘関節症・・・肘関節で衝撃を和らげるクッションのような役割をしている関節軟骨が仕事やスポーツなどで長年酷使続けたことにより擦り減って肘に痛みや変形などが起こる疾患。
ガングリオン・・・手足などの関節にできる出来物。多くは良性。無症状だが時に神経や腱を圧迫することにより痛みを生じさせる。
肘部管症候群の簡単な診断法として、肘関節の内側をたたくと、薬指や小指に痛みや痺れが放散すると肘部管症候群が疑われます。また肘部管症候群では手指の開いたり閉じたりする筋力の低下により親指と人差し指の間で挟んだ紙が親指を曲げないと引き抜かれてしまうフロマン徴候が出ます。

ストレスや病気が原因で起こるもの
・眼瞼ミキオネア
眼精疲労、疲れやストレス、栄養不足などにより眼輪筋の攣縮がが起こります。コーヒーなどの興奮性の食品や薬剤などの摂取も症状が強く出る傾向にあります。上眼瞼、もしくは下眼瞼がさざ波状に動く状態で通常片側に起こります。
痙攣も数秒程と短時間ですが、一日に何度も起こることが多いといわれています。通常数日から数週間で自然に治まります。
・眼瞼痙攣
瞼を開閉させる筋肉が勝手に痙攣を起こす病気です。40代~70代の中高年に多く男性よりも女性に多い病気で、原因がハッキリとは解明されていませんが、脳内の運動を制御するシステムが機能障害を起こすや他の眼病からの刺激、抗うつ剤の副作用などが考えられています。
・片側顔面痙攣
最初に下まぶたの引きつる感じから始まり目の周囲の痙攣、次第に上まぶたまで痙攣が広がります。そのうち頬に広がりさらに悪化するとまぶたが一時的に閉じた状態になります。緊張した時や、寝不足の時などは痙攣が増強する傾向にみられます。発症年齢は40歳から60歳代の女性に多いといわれています。
痙攣はほとんど片側ですが約1%の方は両側に起こります。
原因
顔面の運動を司るのは顔面神経ですが、耳の後ろのあたりの頭蓋内、小脳橋角部というところで顔面神経を動脈硬化などにより蛇行した動脈が接触し、その拍動性に圧迫刺激することによって、顔面神経が過敏な状態となり、顔面の筋肉を動かそうとしないのに活動電位の情報が伝わってしまい、痙攣を引き起こすと考えられています。
検査、診断
①誘発検査
口をすぼめたり、まばたきなどの動作で痙攣が誘発されるかどうかを見ます。
②筋電図検査
健側顔面痙攣に特徴的な異常な筋電図反応や、顔面筋のF波の異常反応をとらえます。
③画像検査
CTやMRIにより血管の蛇行(動脈硬化)の有無や、痙攣を起こす他の病気(脳腫瘍など)が無いか調べます。
治療
薬物療法
内服
症状が初期で、痙攣が目の周囲に限られている場合、抗けいれん薬、抗不安薬などの内服治療がありますが、有効性は低く効果的な治療は現時点ではありません。
注射
注射することで神経の伝達物質を抑えることで人為的に軽度の麻痺を起こし筋肉の収縮を抑える方法です。約90%の人に効果があるといわれています。しかし、効果は平均4カ月程度で、そのため年に数回繰り返し注射を行う必要があります。
神経ブロック注射
アルコールを顔面神経に注射し軽度の麻痺を起こして痙攣を抑えますが、数カ月経つと再発することがあります。
手術療法
血管の圧迫を外科的に取り除く手術で神経血管減圧術と呼ばれており、耳の後ろの頭蓋骨に穴をあけ、顕微鏡を使って行う手術です。根本的な治療で有効率は高いですが、手術後の後遺症で聴力低下が起こることがあります。これは、顔面神経と聴神経が近い位置にあり、血管と顔面神経を離す際に、聴神経に触れてしまうことで起こります。
眼の下のけれんに対する鍼灸治療は、眼の下の部分の血流改善と自律神経の調整治療、東洋医学的観点からの治療の3つが主となります。
・目の下の血流改善
筋肉は栄養が行き届かない状態ですと痙攣を起こしやすいです。たとえば、サッカーなど激しい運動を行った後は足が痙攣することがよくありますが、あれは乳酸などの老廃物が筋肉に溜まり筋肉の異常痙攣を起こしている状態です。
目を良く使う現代の社会では目が疲労しやすく、目の周りの循環が悪い状態にあります。
そこで、目の周りに鍼やお灸の施術を施すことで目の周りの循環を改善していきます。
また、必要であれば刺した鍼に電極を繋いで鍼通電療法を施していきます。筋肉は神経からの電気信号で動いているため電気の刺激を加えていくことで改善をはかっていきます。


・自律神経調整治療
ストレスなどの自律神経が乱れると筋肉に異常が起こりやすくなります。
自律神経は、血液循環を主っておりそれにより筋肉にも影響が出てきます。特に交感神経の活動が活発な時間が長い状態が続くと全身の血流は悪くなってしまい弱い部分の異常が起こりやすいとされます。

・東洋医学的観点からの治療
東洋医学では、目と筋肉に深い関係がある五臓六腑があるといわれています。
それは、『肝』です。
西洋医学の肝臓を思い浮かべてしまいますと、ピンと来ないかと思いますが、東洋医学では肝は目に開竅するといわれ、肝は肌肉をつかさどるとされているのです。
それは、肝の病変は目や筋肉に現れやすいということです。
当院では、目の治療に対して肝のツボを多く用いて施術していきます。また、東洋医学では肝と腎は深い関係にあるとされ、『肝腎同源』と言われています。これは、肝と腎は同じ源で補い合う関係で肝が異常の場合腎も異常をきたしている可能性が高いということを示しています。当院では、腎のツボも積極的に用いまして、施術を行っていきます。

30代 男性
パソコン作業が多く、目の疲れを感じていた。ある日突然左目の下がピクピクと牽連する様になってしまった。今では、ほとんど一日中痙攣している。他人から見るとそこまで痙攣しているかのように見えないが、本人としては痙攣することによって仕事に集中できない状態。たまに右目も痙攣する様になってしまっている。
治療
目の周りの循環改善を主に自律神経の状態や腎・肝のツボを用いた全身調整の施術も行っていきました。初診時に自律神経測定器を用いて自律神経の状態も測定しました。
経過
7回ほどの治療でほぼ軽快。最初の3回目ほどは、痙攣が徐々に治まっていき、目が疲れた夕方以降に痙攣を感じるようになった。一進一退の状態がしばらく続いたが、7回目を終わったあとにはほぼ痙攣を感じなくなりました。
症例 2
40代 女性
元々は、眼精疲労で夕方以降パソコン作業をしていると、目の疲れや痛みの治療に当院に通院されていました。
ある日、急に左目下がピクピクと痙攣するようになってしまってなかなか治らない。眼科でも特に異常なしとのことで目を休めるように言われたとのこと。
当院の治療
その方は、デスクワークがメインで一日に8時間以上はパソコン作業をするような仕事で目を酷使されています。
目ばかりでなく、自然と食いしばりをしているせいか顎周りの筋肉の緊張状態も強く、肩首コリもひどい状態なのでまずうつぶせで首肩回りの施術を行って首肩回りを緩めた状態から次に仰向けとなり、左目の下を中心に左右目の周りや顎周り、頭部の経穴を用いてお顔全体の血流量を上げていきます。
また、手足やお腹の経穴も用いて自律神経のバランス調整施術も合わせて行います。
左目下の痙攣の治療経過としまして、その方の場合定期的に施術を受けて頂いているおかげか2回目で左目下の痙攣は消失しました。
症例 3
40代男性
以前から眼精疲労に悩まされていたが、ここ何週間前から眼の下瞼がピクピク痙攣するようになった。常になっているわけではなく疲れた時や睡眠不足の時になりやすく数秒で止まる。
念のため病院で診察を受けたが何も異常がなく、ストレスや過労から起こるミオキミアと診断された。
左眼が痙攣するときもあれば右目に痙攣が起こる事もある。
普段はデスクワークで、デザイナーをしているため1日中パソコンに向かって仕事をしている。
1日中眼を酷使しているため、慢性的に眼精疲労がひどく寝ても疲れは取れない。
人間関係によるストレスも強く、自律神経の乱れも気になる。
長時間によるデスクワーク影響か、首肩の筋緊張や腰痛もあり体中が疲れ切っている。
当院の施術
まず自律神経測定器で、お身体の状態を確認していきました。
自律神経の状態は乱れており、特に交感神経の働きが過剰になっており、ストレスの影響が現れていました。
眼の状態を確認したところ、充血など目視では異常を確認できなかったですが、眼輪筋といった眼の周りの筋肉や、前頭筋、側頭筋の筋緊張は強く感じました。
主な施術内容は、
①眼の血流を促す低周波電気鍼療法
②首肩の筋緊張を緩める施術
③自律神経を整える事を目的とした施術
この3つを中心に行っていきました。
経過
数回の施術で痙攣は治まり、現在は眼精疲労のため通院中。
清水大地

資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院
当院の突発性難聴に対する治療目的は、まず第一に耳の周りを鍼灸治療で刺激することにより内耳の血液循環を改善することです。

また全身の調整を図り、自律神経のバランスを整えることで人間が本来持っている自然治癒力を高めます。鍼灸治療は、交感神経を抑制し副交感神経の働きを促すばかりでなく、双方の神経の活動量を高めて自律神経のバランスを整えることが研究結果でも出ています。また内耳の血流不足を改善するという点から頸肩部周辺や耳周辺の経穴に鍼を刺して電気を流します。当院独自の治療選穴により高い治療効果が出ております。

耳周辺の治療穴として「翳風」「耳門」「聴会」「聴宮」などの経穴を用いてその方の状態に合わせて首や頭の経穴を決めます。
また背部にある腎や肝の重要なツボを刺激することで、腎肝の機能回復を促します。

また突発性難聴の患者さんの場合は、日常生活の中で精神的ストレスを抱えている方がほとんどです。そこで当院では、東洋医学の特徴である全身を診て治療することにより全身をリラックス状態へと導き、交感神経の過亢進を抑制して過度なストレスを和らげます。
また身体全体の調子が上がっていくことも期待でき、実際に当院でも突発性難聴の治療で「目が疲れなくなった」「便秘が解消した」「ゆっくりと体が休められ、熟睡できた」などといった声が数多く聞かれます。東洋医学では局所的に診るのではなく、全体的に診ることで自然治癒力を高めるといわれ、様々な効果が期待できます。
東洋医学では、五臓六腑の「腎」と耳が深い関係にあると言われています。「腎は耳に開竅する」と言われており、聴覚が東洋医学でいう腎臓と深いかかわりがあるということを示しています。
東洋医学の「腎」は、西洋医学でいうそれとは違った役割を持っています。東洋医学の「腎」の役割は、主に生長・発育・生殖・水液代謝を主ることです。
その中でも腎の精気は、聴覚と関係が深く、多ければ聴覚機能は正常に働き、逆に少なければ聴覚機能は減退してしまいます。腎の精気は、年を重ねるごとに減少していく傾向にあり、高齢者の聴覚は衰えていきます。また、東洋医学では、「腎」と「肝」はとても深い関係にあり、「肝腎同源」といわれています。
腎の機能が低下すると、それを補おうとして肝の機能も低下します。肝の機能低下は、血流にも悪影響を及ぼして、それが聴覚の重要機関である内耳の場合ですと突発性難聴にかかってしまいます。
突発性難聴 目黒区 女性 50代
6日前より突然の聞こえづらさ・耳の詰まり感を感じて、耳鼻科を受診。ステロイド剤・血流改善薬・筋弛緩剤などを処方され、少し改善が見られたがまだまだ症状が残っている。当院来院当初は、耳鳴りの症状も訴えていた。
◆経過◆
◆1~3回目
耳の聞こえづらさ・耳塞感は、治療後少し良くなった感じがするが、翌日には症状が戻った。
◆4回目
耳鳴りがおさまり、耳の聞こえづらさがだいぶ軽減した。
◆6回目~8回目
耳塞感・耳鳴りが消えて耳の聞こえが良くなった
◆現在も体調管理のため2週に1回のペースで来院中
・考察
仕事や家事での忙しさで突発性難聴を発症する前に体調を崩していたとのこと。
仕事場や家族との人間関係でも相当神経を使っており精神的ストレスがたまりにたまっていた。当院の自律神経測定器で自律神経の状態を測定したところ交感神経が優位な状態でした。耳周りの血流改善、首肩の筋肉の緊張の緩和、全身の自律神経を整える治療を施しまし、効果が見られた症例でした。
症例2
突発性難聴 横浜市 50代女性
平成26年10月中旬頃に急に右耳の耳が聞こえづらくなってしまい耳鼻科を受診したところ突発性難聴と診断された。仕事が多忙で精神的ストレスや肉体的疲労があったとのこと。難聴の症状に伴い、右耳後ろから首の付け根の痺れや血の気が引いてくる感じもある。 病院ではステロイド剤とビタミン剤を処方されたがあまり効果が見られず、難聴治療で有名な鍼灸院を受診したが、こちらも効果が見られなかった。そして突発性難聴発症から2週間後に当院にご来院されました。
治療
問診より精神的ストレスや肉体的疲労が溜まっているとのことで、自律神経測定器で自律神経の状態を測定しました。結果では、交感神経が過亢進状態で、常に体がオン状態で休まっていない状態でした。
まず自律神経の状態を整える自律神経調整療法を施してから首肩の筋の緊張をとって最後に右の耳の経穴にはりを刺してそれに電極を繋いで電気を流しました。 3~4日おきに治療を施して週に2回のペースで施術しました。
治療経過
◇1回目◇
治療後はそこまで変化が見られなかったが、次の日から右の耳の聞こえが良くなったと実感された。
◇2~5回目◇
回を重ねるごとに聞こえが良くなってきて身体の疲れなども取れてきた。
◇6~8回目◇
耳鼻科で検査をしたら正常な左耳とほぼかわらないほどに耳の聞こえは改善された。
◇9~10回目◇
再発予防の意味も含め、全身の調整治療を行い、終了しました。
症例3
40代 男性
当院ご来院の3日前から右耳からの音の聞こえが悪くなり、ザーという耳鳴りも感じるようになった。朝起きた時、今までにないふらつきもあったため、耳鼻科を受診したところ突発性難聴と診断された。耳鼻科ではステロイド剤の飲み薬を2週間程処方された。病院では、免疫力の低下やストレスが原因かもしれないと言われて以前腰の症状で当院で施術を受けられたことがあり、免疫力の低下の緩和とストレスの軽減・自律神経の調整を目的にご来院された。
以前より緊張しやすい性格で、仕事のストレスなどが身体にあらわれやすかったとの事。
治療
現在のお体の状態・血管の状態・自律神経の状態を計測してから施術に入りました。施術ではまず仰向けで自律神経調整治療を行った後、うつぶせとなり胸鎖乳突筋や斜角筋の筋緊張の緩和治療、そして最後に右上で横向きとなり耳周りの集中施術を行っていきます。治療開始予後が比較的良いとされる2週間以内に集中的に治療することがベストですがご本人も忙しいとのことで週に1~2回のペースで施術していきました。
◇1回目◇
治療後すぐに耳鳴り症状は消えたように感じたとの事。聞こえづらさは少しある
◇2回目◇
調子の悪いといい日を繰り返す状態。調子が良いと難聴や耳鳴りはほぼ感じない
◇3回目◇
3回目以降の治療後はほぼ難聴・耳鳴りを感じない。ふらつきも起きていない
◇4回目◇
耳鼻科で計測したところ左耳とほぼ同じ聴力
◇5回目◇
ほぼ耳の症状は良くなったが、最後にもう一度耳を集中的に治療してほしいとのことでご来院。
症例4
40代 女性
半年前に急に右耳が聞こえにくくなり、急いで耳鼻科に受診したところ突発性難聴と診断された。
病院での治療と他の鍼灸院を通い続け、当初の症状である難聴、耳鳴りは改善したが耳のつまり感は残ってしまい、他の鍼灸も試そうと思い当院に受診した。
耳のつまり感は常に起こっており、とくに寒暖差や雨が降る低気圧、寝不足、疲労によって強くなる。
仕事はデスクワークのため耳のつまり以外に、肩や首コリ、頭痛も辛く、そちらの症状の改善も希望している
当院の施術
まず自律神経測定機により現在の自律神経の状態を確認していきました。
普段ストレスも慢性的に感じるためか、交感神経が過剰に高い状態で、逆に副交感神経が働いていないため常に緊張状態のなか生活を送っているような印象を感じました。交感神経が過剰に働いてしまうと血管が収縮し耳の血流が悪くなるため突発性難聴の症状が改善されにくくなります。
そのため、耳の自然治癒力を促進するため耳の周囲に低周波鍼通電法で刺激し血流を促す施術と合わせ、自律神経調節を目的とした施術も行っていきました。
また首肩や頭の筋緊張を緩めるために直接筋肉の硬結に鍼で刺激していきました。
経過
◇1回目◇
施術後から数日は耳閉感が軽減され、首肩や頭もすっきりし軽くなった。
しかし、時間とともにまた戻ってきてしまった。
◇2回目◇
耳閉感の軽減は前回よりも長く続いた。
◇3回目◇
今のところ気にならない所まで改善している。
◇4回目◇
油断して少し間を空けてしまったせいか、また調子が少し悪くなってしまった。
◇5回目◇
また調子が良くなってきた。
最近は頭痛や肩こりも気にならない。
症例5
50代歳 女性
コロナ発症による発熱と喉の痛み、翌日から鼻がつまり、2日後から左耳の聞こえが悪くなった。
発症後1週間で耳鼻科を受診し突発性難聴の診断を受け、ステロイド服用するが特に変化なく、高音の耳鳴りがあり聞こえが悪い。
ステロイドを始め4日目に来院。
味覚障害も残っている。
治療
耳周りの血流改善を目的とした施術に加え、後頭部から首のつまりをとり、自律神経を整えるため全身への施術を行った。
◇1回目◇
治療後、首が楽になり、鼻の通りが良くなった
◇2回目◇
まだ不完全ではあるが聞こえの改善を実感。食事の味も感じるようになった
◇3回目◇耳の症状は8割程度まで回復したが、まだ特定の香りは感じない
◇8回目◇
耳の状態も良く、匂いもわかるようになったため集中的な治療は終了し、現状を維持するため、メンテナンスとして定期的に治療を続けている。
症例6
40代 女性
◇症状◇
大音量の環境へ行き、翌日から両耳の聞こえが悪くなり耳鼻科を受診。
ステロイドを服用していたが変化がなく、発症から50日程度で当院を受診。
耳鳴りと耳閉感、すべての音に過敏になり精神的に不安定。
治療の流れを説明されていないとパニック発作の可能性があるとのこと。
◇当院の治療◇
初めての鍼治療でもあり、全身緊張状態。
施術の流れを説明しながら全身治療を行った。
話しながら施術することで鍼の怖さへの集中はなくなり、発症前の無自覚なストレスが分かってきたことで全身の緊張感は半分以上抜けていた。
首肩周りと耳から顎にかけての凝りを緩めるよう施術。
・1回目
施術後、耳周りが軽くなった。
・2回目
右耳の聴力が少し改善。右耳の耳閉感は気にならない時間が増えている。
・3回目
音過敏が治まってきた分、耳鳴りが気になるようになっているが、以前よりは良い時間が増え、耳閉感も減っている。
精神的にも安定し、耳鳴りや外の音に対して、精神状態のコントロールができるようになっている。
・4回目以降
聴力はほぼ回復しているが、耳閉感、不安感は日のよって波はある。
日常生活に支障なく過ごせているが、メンテナンスのために治療を継続している。
症例 7
30代 女性
症状
数週間前から左耳が詰まったような感じや、低い音がこもって聞こえる症状 、耳鳴りにお悩みでした。お仕事の疲れや睡眠不足が重なっており、特に午前中に症状が強く出る傾向にありました。病院での検査では低音域の感音性難聴と診断されました。
過去にも経験があり、以前は薬を飲んだらすぐに治ったのですが今回は薬を飲んで1ヶ月経っても治らないので、不安に思い来院されました。
原因について
ストレスや過労で自律神経が乱れると、内耳の血流が悪化し、リンパ液の調整がうまくいかなくなります。これにより聞こえの神経に負担がかかり、特有の閉塞感を生じさせていると考えられます。
当院の治療
乱れた自律神経を整え、耳周りの循環を底上げすることを目的とします。耳のツボへの刺激で内耳の環境を整える「局所療法」と、首・肩・手足のツボを用いて副交感神経を優位にする「全身療法」を組み合わせて行います。
自律神経との関連
慢性的な緊張状態は血管を収縮させ、耳の機能を低下させます。鍼の刺激により血管を広げ、血液やリンパの巡りをスムーズにすることで、自己治癒力を引き出し、聞こえの回復をサポートします。
治療経過
〈1回目〉
大きな変化はまだ見られません。
〈2回目〉
こもり感が少し和らいで聴き取りやすくなったが、耳鳴りが少し大きくなったような感じがする。
〈3回目〉
聴き取りやすくなったのと、耳鳴りが一番ひどい時を10段階で10だとすると、現在は4
くらいの小ささになったとのこと。
定期的な施術を続けた結果、耳の詰まりや耳鳴りが目に見えて改善されていきました。
ただ、今回も含めて数回症状が出ているため、なりやすい事を自覚して生活リズムの整え方も含め、再発予防のために定期的に受診をされています。
症例8
50代 男性
◇症状◇
4年前から頻繁に耳鳴りが始まったが、放置していたら聞こえが悪くなった。
耳鳴り発症から1年後に耳鼻科を受診したが発症から時間が経っているため聴力検査のみで治療できなかった。
聴力低下のため補聴器を付けることとなった。
最近ますます聴力低下を感じ、変化があればと当院を受診。
◇当院の治療◇
首肩からアゴの筋緊張が強いため、緊張を緩めるよう局所は鍼にて刺激をいれ、自律神経を整えるよう全身への軽い刺鍼と灸を行った。
・1回目
施術後、全身の緊張感が抜けた。
・2回目
前回治療の後、補聴器の電源の音が聞こえるようになった。
・3回目
以前より聞こえる自覚がある。
・5回目
補聴器は引き続き必要ではあるが、聞こえの改善は維持できているためひとまず治療を終了することとした。
症例9
50代女性
2週間前より突然、右耳の高度難聴・耳鳴り・耳閉感が出現したので来院されました。経営者で責任のある立場であるため過労・睡眠不足・強いストレスが続いていた。耳鼻科にて突発性難聴と診断、副腎皮質ステロイド療法を開始。改善促進を目的に鍼灸治療を並行して希望された。
慢性ストレスによりコルチゾールが過剰分泌され、交感神経が持続的に優位となった結果、内耳動脈が攣縮し、蝸牛有毛細胞への血流が著しく低下したと推察される。また50代女性ではエストロゲン低下により血管収縮反応が亢進しやすく、内耳の虚血に対する脆弱性が高まっていたことも一因と考えられる。
◇当院の施術◇
鍼灸刺激により局所および全身の血管拡張・血流増加が期待できる。翳風・風池・完骨への刺鍼は椎骨動脈系の血流改善に作用し、内耳への酸素・栄養供給を促進する。また視床下部-自律神経系への働きかけにより、過緊張した交感神経を抑制。セロトニン・エンドルフィン分泌を促し、ストレス応答の正常化と抗炎症効果も期待した。週2回施術を実施。
経過
1週目
よりステロイドの効果と相まって耳閉感が軽減、睡眠改善も確認。
2〜3週目
聴力検査では低〜中音域から回復傾向を示した。
4〜5週目
語音明瞭度も改善し、日常生活への支障はほぼ消失。ステロイド漸減後も鍼灸を継続し、内耳血流の維持と再発防止を図っている。
※突発性難聴の鍼灸の効果について
中国では、以前より突発性難聴の鍼灸治療が広く行われてきました。中国の突発性難聴の鍼灸治療の12のランダム化比較研究では、西洋医学での治療のみの場合、421人中274人が聴覚の改善が見られたのに対して、鍼治療と西洋医学での治療を併用した場合で442人中387人が改善が見られたとのことです。鍼灸治療は効能に個人差がありますが、多くの方が突発性難聴を改善させています。
中国での論文
突発性難聴は、そのとき何をしていて耳が聞こえづらくなったかと明確に話せるほどに発症します。徐々に難聴が進行してしまったケースは突発性難聴とは言いません。
突発性難聴は、内耳に何らかの障害が出て、原因が特定できない症状の総称であり、一つの疾患名というわけではなく、症状の条件を備えた一種の症候群だと言えます。病名からは突然片耳の音が聞こえづらくなるということがわかりますが、もっと狭い定義で内耳の障害によって突発性に生じた感音難聴が突発性難聴なのです。突発性難聴の原因は前述通り、原因不明ですが内耳の障害が疑われ、1回限りの難聴の場合はウィルス感染型の突発性難聴が疑われます。
2001年の調査では全国受療者数は、年間3万5千人もいると言われており、近年のストレス社会により、ますます突発性難聴の患者さんは増えていることが予想されています。
男女比で見るとそんなに差がなく、10代20代でも突発性難聴で悩んでいる方も多くいて男性女性・年齢関係なく誰にでも発症する可能性があると言えます。
突発性難聴は、難聴の他に耳鳴りやめまいも共に発症する場合が多く、メニエール病の初期症状と間違われる場合も多いようですが、突発性難聴の場合はほぼ一度しか起こらず、何度も何度も症状が発症するメニエール病との区別はつきます。
突発性難聴の主な症状としまして
突発せ難聴の主な症状は突然片耳の音が聞こえづらくなることの他にもめまいや耳鳴りも起こる場合もあります。突発性難聴を患った本人は、耳鳴りや耳閉塞感として感じることもあるので注意が必要です。めまいを伴う場合は、音の伝達に重要な蝸牛が障害されているばかりでなく、その隣にある器官・平衡感覚を主る前庭や三半規管にも障害が及んでいると考えられます。めまいは主に回転性のめまいとなり、前庭・三半規管への障害が軽度の場合はふわふわと浮いているような軽いめまいとして症状が出ることもあります。
多くは、片側性に発症します。「朝目覚めたとき」「テレビを見ている時」「仕事をしている時」など何事もなく過ごしていて急に難聴が起きます。急激な変化のため突発性難聴にかかった瞬間を明確に覚えてる方が多いようです。
内耳には聴覚機能と平衡機能も存在するため、突然耳が聞こえづらくなる他にめまいや耳鳴り、嘔吐などの症状も併発して起こることがあります。
また耳が詰まっているような耳塞感であったり、以上に音が耳の中で響き苦痛に感じることもあります。
またすぐ聞こえるようになったり、時間が経ってまた聞こえづらくなったりといった変化はありません。一定の耳の聞こえづらさがあります。
※このような場合は注意が必要です!
突発性難聴が原因で突然聴力が低下することがありますが、それと同じように聴神経腫瘍によっても突然の軟調に襲われる場合があります。これは聴神経腫瘍にできる良性腫瘍ですが、急なめまいや難聴を呈することが特徴です。腫瘍はゆっくりと大きくなることが多く、聴神経の周りの膜から大きくなって圧迫するため聴力が低下してしまいます。徐々に腫瘍が大きくなるため初期段階では、本人が気づかないことが多く、電話での声が聞こえづらくなったなどの変化がだんだんと出てきます。
耳症状やめまい症状のほかにも、顔面神経を圧迫することもあって顔面のしびれや顔面神経のマヒ・嚥下障害なども起きる場合もあります。聴神経腫瘍は自然と小さくなっていく場合もある腫瘍ですが、酷くなると顔面神経麻痺や脳幹部を圧迫して重篤な状態となる危険性もありますので注意が必要です。
突発性難聴の原因は、未だに明らかにはなっていませんが、以下の二つの説が有力とされています。
内耳の毛細血管に血栓や塞栓が詰まって内耳に十分に血液が循環せずに聴覚の機能不全を引き起こす可能性があると言われています。
若年層や中年層などの健常な人にも突発性難聴が起こることからストレスにより自律神経が乱れて血液循環が障害されて発症するとも考えられています。実際に突発性難聴にかかった人の多くは、かかる前に過労や精神的ストレスを多く抱えていました。
突発性難聴の発症する前にちょうど風邪を引いていたという方が結構多いものです。
突発性難聴と症状が似ている疾患としましてムンプスウィルスやヘルペスウィルス感染による難聴があり、ウィルス感染により難聴が発症するのではないかと考えられています。
突発性難聴以外にも・・・
突発性難聴以外にも今多く見られるのが、低音障害型感音難聴で突発性難聴よりは症状の程度は低くく、低音だけ音が聞き取りづらくなる症状です。低音障害型感音難聴の特徴は低音が聞き取りづらく、耳が塞がったような感覚となり、ときにボワーンといった耳鳴りもします。低音障害型感音難聴では蝸牛内にリンパ液が増えすぎることから起こるとされており、平衡感覚を主る前庭部分には障害が起こらないことからめまいなどの症状は起こりません。
低音障害型感音難聴は20代~40代の女性に発症しやすく、突発性難聴よりも症状の程度が低いことから発症してから症状が落ち着きやすいですが、またストレスや生活環境の変化などからまた症状が出てくるといったことが多く、少女の再発を繰り返すこともしばしばですので注意が必要です。なぜ、蝸牛内のリンパ液が増えてしまうのかという原因は詳しく解明されていませんが、ストレスや疲労の蓄積、自律神経バランスの乱れ、睡眠障害などといったことが原因で発症しているとも言われていますので、ストレス解消や自律神経バランスの整え、しっかりと睡眠を取るなどといった健康的な生活習慣を持つことが重要です。
清水大地

資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院
斜視に対する当院の治療は、目の周りに鍼を刺してその鍼に電気を流すことで目を動かす筋肉や神経に刺激を与えることで改善をはかっていきます。

目の周囲の鍼に電気を流すことは刺激量が強くなるため鍼が初めての方や鍼刺激に敏感の方の場合は、刺激量を調整して電気を流さないでお灸刺激で対応していくこともあります。

また、首の筋肉のコリが強いと目のほうにも悪影響を与えてしまうために首の筋緊張も緩和させていきます。まずはうつ伏せの治療で首肩や背部にある五臓六腑の重要なツボを鍼灸で刺激していきます。

その他、自律神経バランスの悪化も筋肉や神経に悪影響をあたえてしまうため、次に仰向けとなり目の周りにの施術とともに腹部や手足、頭部のツボも用いて自律神経の調整も行っていきます。

必要であれば、初診の問診時に自律神経測定器で自律神経の状態を測定していきます。
斜視とは、正面の物を見る際に片方の目は正常に正面を向いているのにも関わらずに、もう片方の目は上下左右に違う方向に向いてしまっている状態をいいます。
斜視には、常に斜視となっている状態の恒常性斜視と斜視の状態の時と正常な時もある間欠性外斜視とがあります。間欠性外斜視は、外斜視が起きてしまっている時は近くの物にピントを合わせることが難しくなってしまい、物が見えづらくなってしまいます。特に目の疲労が強い時や起き抜けの時、眩しさを感じる時に起こりやすいとされています。
斜視となると、物が二重に見えてしまう複視の状態や目が異常に疲れやすい・首肩コリの原因となったりします。
その他、恒常性斜視の方の場合、常に片方の目が正常とは違う方向を向いているため見た目を気にされる方が多くいます。
斜視と言いましても目のずれている方向によって種類があります。
内斜視
内斜視は片方の目が内側を向いてしまっている状態です。
外斜視
外斜視は片方の目が外側を向いてしまっている状態です。斜視の中でも一番多くみられる状態です。
上斜視
上斜視は片方の目が上方向に向いてしまっている状態です。
下斜視
下斜視は片方の目がした方向を向いてしまっている状態です。

斜視の原因には様々な原因があります。目を動かす筋肉や神経の異常によるものや目の疾患によるもの、全身疾患からくるものそして一番注意しなければいけないのが脳の障害によって起きてしまう斜視です。
また、子供で起こる斜視と大人で起こる斜視とでは主な原因も違ってきます。生まれた直後の赤ちゃんでは、目を動かす筋肉や視力が未発達のため目の位置が安定していないのが通常ですが、生後3ヶ月も過ぎると目を動かす筋肉は発達してくるため目の位置は安定してきます。
しかし、成長するにしたがって目が違う方向を向いていると斜視が判明することが多く、子供は視界の不良を訴えることが難しいため親などまわりが気付いてあげる必要があるのです。
また、子供の場合には偽斜視と言いまして、外見上は斜視に見えても実は視線はそろっている場合もあります。特に生後間もない赤ちゃんは鼻の根元が低い状態でその部分が成長段階にあるために目と目の間が広くなっていて白目の内側の部分が狭くなっていて、目が内側によっているいわゆる内斜視のように一見見受けられますが、それは斜視ではなく、偽斜視といわれます。
偽斜視の状態は、鼻の根元が成長するにしたがって解消されていき、外見上でも正常な眼位になっていきます。

斜視の原因は、主に目の筋肉の異常や神経の異常、遠視の状態、片目の視力の低下、脳の異常などが挙げられます。
・目の筋肉や神経異常
外眼筋異常
外眼筋とは、上直筋・下直筋・内側直筋・外側直筋・上斜筋・下斜筋の6つの筋肉のことをいい、眼球の向きを変える運動をつかさどっています。これら6つの筋肉が正常に働くことで眼球の複雑な動きを可能にしているのです。しかし、これらの筋肉に何らかの異常が起きてしまうと眼球の位置が安定せずに斜視の状態となってしまうのです。
・動眼神経麻痺
動眼神経は12個ある脳神経の第三脳神経と言われています。動眼神経の働きは、眼球を動かす上直筋・下直筋・内直筋・下斜筋の働きやまぶたを開閉させる上眼瞼挙筋の働きなどを支配している目の動きにとってとても重要な筋肉です。
動眼神経は中脳にある神経核から出てその神経線維が各々の筋肉に向かいますが、その過程で障害が起こると筋肉に異常が出て斜視となることがあります。多くは、糖尿病や高血圧による虚血状態が原因と言われ、その他脳梗塞や脳腫瘍も原因となり得ます。
動眼神経麻痺の鍼灸治療について詳しくはこちら←
・滑車神経麻痺
滑車神経は12個ある脳神経の第4脳神経と言われています。滑車神経の働きは、外眼筋の上斜筋の働きをつかさどっています。原因としましては生まれつきのものや交通事故等で頭部を強く打ってしまったり、血流障害などで起きるとされています。
滑車神経麻痺による斜視では、特に下方向をみると強い複視症状が出てしまうため階段を降りる際に支障が出ます。
滑車神経麻痺の鍼灸治療について詳しくはこちら←
・外転神経麻痺
外転神経麻痺は12個ある脳神経の第6脳神経と言われています。眼球を外側に向ける外直筋という外眼筋を支配しています。眼球を外側に向ける外直筋が麻痺しているため眼球を外側に向けることができずに眼球が内側に偏ってしまう内斜視がおきます。考えられる原因は、様々で脳腫瘍や頭部の外傷、糖尿病、ウィルス感染の場合もあります。
外転神経麻痺の鍼灸治療について詳しくはこちら←
・遠視
遠視とは、眼軸といって眼球の奥行きが短いために網膜にピントを合わせるために必要以上に力が必要となり目が疲れやすい状態となってしまいます。遠くを見る時は少しの調整で見ることができますが、近くを見る時には強い調整がないとはっきりと物が見えづらくなってしまいます。近くのものにピントを合わせる際に目は内側に向かないといけないため内斜視となる危険性があります。
・片目の視力低下
片目の視力が外傷や病気など何らかの原因によって視力が著しく低下してしまった場合に両目で正確にものが見ることができなくなり、視力が低下してしまった目が外側に向いてしまうことがあります。
・脳の異常
脳梗塞や脳出血、脳腫瘍などによって上記の眼球運動をつかさどる神経が阻害されたり、視神経や視覚をつかさどる視覚野の部分が障害を受けてしまうと斜視となってしまうこともあります。
・その他
重症筋無力症といって自分の身体の一部に対する抗体を作り出して攻撃してしまう自己免疫疾患の一つでも斜視となってしまうこともあります。その他、検査などをしてもまったく身体の異常が見られない場合もあります。
症例
50代男性
一か月前から物が二重に見えるようになり、最近になって少しずつ悪化してきた。
右や下を向く動作、遠くを見ると複視になる。
ご本人は気が付いていないが、よく観察してみると両目の動きに左右差があり、軽度の左目の内斜視を確認。
仕事では一日10時間以上パソコンを使用するため目の疲れがひどく、首肩こりや背中、腰も痛くなる。
発症する一年前から急激に仕事が忙しくなり、肉体的精神的共に疲れ果てていて、寝てもだるさが取れない。
最近ではふらふらするめまいも発症してきた。
当院の治療
施術前に、労働環境、慢性的な中途覚醒などの睡眠状態を考慮して、自律神経の乱れが強いと判断し測定器で現在の状態を調べました。
自律神経のバランスが強く乱れており、特に交感神経が過剰に働いていました。
また外食やコンビニ弁当、カップラーメンが多くなってしまい食生活の乱れもあるためか、血管の弾力性の低下も見受けられました。
治療は、うつぶせで眼や自律神経に関わる経穴を刺激、首肩コリや背中、腰の筋緊張を緩める施術を行いました。
仰向けでも眼や自律神経の経穴を刺激し、さらに眼の周りにある「攅竹」「魚腰」「太陽」「四白」に刺鍼し、電気を流し外眼筋を刺激していきました。
治療間隔は1週間に1回のペースで行いました。
◇1回目◇
複視は変化がない。
首肩や腰は終わった後は軽くなったが、また元の戻った。
◇2回目◇
複視はまだ変わらないが、よく寝れるようになってきた。
◇3回目◇
施術後は眼がすっきりし、視界がクリアになる。
◇4回目◇
施術した帰りは複視が軽快している。
◇5回目◇
以前より良くなっているように感じるが、睡眠不足になると複視症状が強くなる。
◇6回目◇
今回から首肩や眼周囲の刺激量を上げたためか、複視にならない日が増えてきた。
◇7回目~10回目◇
複視が気になる日がほとんどない。
◇11回目◇
完治した。
症例2
50代 男性
5,6年前から視界が二重に見える複視の症状が現れたが、疲れるとたまに起きる程度で日常生活に支障がないためそのまま放置していたが、1年前ぐらいから常時複視になってしまうようになってきた。常に物が二重に見えるため眼が疲れやすくなってしまい、生活の質下低下している。
病院で検査をしてもらったところ脳神経や血管に異常がなく、左眼が若干内側によっている原因不明の内斜視と診断された。
原因不明のため、病院でできるのは手術しかなく、まだ軽度のため手術する必要はないと言われたが、複視のために眼の疲れがひどくなり、生活に支障が出ているため他に方法はないかと調べたとところ当院を見つけ受診した。
普段の仕事は精密な細かい物を見る業務で1日中集中して眼を使っている。近距離で非常に細かいものを見るため元々眼は疲れやすかった。
業務の関係で姿勢が悪くなりやすく、首肩のコリが非常に強く感じ、ひどくなるとまで出てしまい、かなり辛い。
ストレスはあまり感じないが、睡眠の質が悪く、途中で目が覚めてしまう事も多々ある。
当院の施術
この方は細かい物を近距離で1日中見るお仕事をされているため、眼球を内側に寄せる内直筋が強く収縮して硬まってしまった状態であるため、左眼が内斜視になり複視が起きていると考えました。
そのため、眼の周囲の経穴に低周波鍼通電法を用いて、電気の刺激で内直筋を緩める事を目的に施術を行っていきました。
また、首肩コリの筋緊張を緩めて血流の促進、睡眠の質を上げて自然治癒力を促進させる目的で自律神経の調節の施術も同時に行っていきました。
経過
◇1回目◇
変化はない
◇2回目◇
変化はまだないが、少し眼は軽くなった。
◇3回目~7回目◇
少しピントが合ってきた。
◇8回目~10回目◇
以前よりピントが合いやすくなってきたが、いそがしかったり疲れるとピントが合いづらく
なる。
◇11回目~15回目◇
疲れると少し二重になるが、日常生活では支障がない。
清水大地

資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院

当院のめまいに対する施術は、第一にハリやお灸を施すことにより全身の調整を図り、とで自律神経のバランスを整えることです。鍼灸治療は、交感神経を抑制し副交感神経の働きを促すばかりでなく、双方の神経の活動量を高めて自律神経のバランスを整えることが研究結果でも出ています。

また内耳の血流不足を改善するという点から頸肩部周辺や耳周辺の経穴に鍼を刺します。頸肩部周囲の筋肉への治療穴として僧帽筋や頭半棘筋部の「天柱」「風池」、胸鎖乳突筋や頭板状筋の停止部の「完骨」、耳周辺の治療穴として「翳風」「耳門」「聴会」「聴宮」などを用います。
めまいは東洋医学的に診ると「腎」や「肝」の不調が原因で発症すると考えられているので、鍼灸治療を用いてツボを刺激することで「腎」の機能を活性化させたり、「肝」の機能低下・過亢進を抑えます。

過度な身体的・精神的ストレスは、自律神経を乱してめまいの原因となります。よって当院では自律神経測定器で自律神経の状態を知った上で施術することで的確な施術が可能になりました。
また東洋医学の特徴である全身を診て治療することにより全身をリラックス状態へと導き、交感神経の過亢進を抑制して過度なストレスを和らげます。
身体全体の調子が上がっていくことも期待でき、実際に当院でもめまいの治療で「目が疲れなくなった」「便秘が解消した」「ゆっくりと体が休められ、熟睡できた」などといった声が数多く聞かれます。東洋医学では局所的に診るのではなく、全体的に診ることで自然治癒力を高めるといわれ、様々な効果が期待できます。
当院の施術目的は、めまいの回復程度を高め、回復を速めることです。また西洋医学とは違う東洋医学の観点により少しでもめまいが回復できる機会を提供することです。それにより、患者さんの仕事の質の向上や生活の質の向上が期待できます。
めまいは、程度にもよりますが激しいめまいの場合は、仕事が手に着かずにストレスを溜め込んだり、症状がいつ起こるかわからないといった不安がストレスとなり、更に症状を悪化させかねません。
症状が慢性化する前に病院で診断を受けた上で早期の治療をお勧めします。
※めまいの予防
めまいはストレスや自律神経のバランスの乱れが深くかかわっている場合が多く、治療を受けていもそれらの問題を解決していかなければ長期的に改善が難しくなってきます。めまいが起きた場合はこれまでおくってきた生活習慣を改善するいい機会だと思って取り組んで行く必要があります。
生活習慣の基本はやはり規則正しい生活になります。その中でも食事・運動・睡眠というのはとても重要となってきます。
食事に関しまして栄養のバランスよく摂取することはもちろんでさらにめまい症状に対しましては鉄分とビタミンを意識的に摂取することが重要です。鉄分の多く含まれる食材としましてレバーやほうれん草や小松菜があります。その他にもカツオやマグロなどの魚類にも含まれていますのでバランスよく摂取していきましょう。ビタミンでは、ピーマンやブロッコリーなどの緑黄色野菜を意識的に摂取して不足しているビタミンを摂取していきましょう!その他、飲み物で注意しなければならないのはコーヒーや緑茶などのカフェインを多く含む飲料です。カフェインは神経の興奮を亢進させてめまいを増幅させてしまう原因にもなりかねません。
運動では、主に軽いジョギングやウォーキングなどの有酸素運動が重要です。それらの有酸素運動が、副交感神経優位の状態に持っていくことができて血流の改善や耳にある三半規管に運動による刺激を与えることによってめまい症状の予防となります。
そして十分な睡眠をとって体の疲労をためないこともやはりめまいを予防するうえで重要となってきます。

めまいは東洋医学では「水毒」といわれ、生体内を循環している津液が寒さや湿度などの外因の影響を受けたり、東洋医学での「肝」や「腎」などの内因の影響を受けて停滞して起こると考えられています。特に停滞している部分が耳である場合にめまいの症状としてあらわれます。
「津液」とは
津液とは、体内の生理的水液を意味して、例えば細胞内外の液・唾液・胃液・関節内腔・涙・リンパ液などすべてを含めた組織液に相当します。津液は、飲食物から脾胃で生成され、大部分は三焦という通路を運航して全身に送られます。この過程で、「肝の疏泄をつかさどる」という機能と「腎の水をつかさどるという機能」が重要になってきます。
肝は疏泄をつかさどる
肝の疏泄をつかさどるという機能は、すみずみまで機能を通行させるということを意味し、津液を全身に送る場合にも一役かっています。またその他に情緒を安定させ、精神状態を快適に保つ機能や自律神経機能によって全身の各機能が円滑に行われる機能にも影響を与えています。
よって過度な精神的ストレスや自律神経の不調は、肝の疏泄をつかさどるという機能にも影響を与え、めまいの原因となります。
腎は水をつかさどる
体液の代謝全般に対し、腎が根本的な調節作用を行うことを示しています。有用な津液を蒸気のように変えて三焦を通して全身に巡らせ、身体の水分代謝に供給すると同時に、不要な廃液を尿として適宜排泄するという機能を腎が担っているのです。
また東洋医学では、腎は耳と関係が深いと考えられ、腎の不調は耳の症状に反映されやすいといわれています。
腎の機能異常は、全身に津液を停滞させ、特に耳に停滞しやすく、内耳にリンパ液が溜まることで起きるめまいや耳鳴り・難聴を引き起こします。
「腎」と「肝」との関係
東洋医学では「腎」と「肝」との関係は密接と言われており、両者の症状は同時にあらわれることが多く、「肝腎同源」ともいわれています。
「肝腎同源」は、めまいの治療を行う場合でもとても重要な考えであり、双方の観点から治療していく必要があります。
70代女性
一か月ほど前に買い物帰りに歩いていると突然くらっとめまいがした。足元もおぼつかなかったため、近くに座って休憩した。しばらくするとめまいも取れてきたと感じたので再び歩き始めると先ほどよりは少しは楽だがめまい・ふらつきをいくらか感じてやっとのことで帰宅した。耳鼻科や脳外科などで様々な検査を受けたもののはっきりとした原因はわからずに処方された薬や自分で買ったサプリメントなどを摂るようにして対応したが症状はよくならなかった。
実は二年ほど前にも同じようなことがあって、一週間ほどでよくなったので今回も同じようだろうと思っていたが、一週間を過ぎても症状は改善されずに軽いめまいとふらつきを常に感じるような状態が一か月ほど続いている。週に2回ほどパートのお仕事をしているが、仕事や家事が忙しいと症状が強く出る。
治療
まずしっかり問診したうえで自律神経測定器で自律神経の状態を計測しました。
結果は、交感神経が活発に活動している状態で副交感神経が抑制されている状態でした。身体全体の治療で自律神経を整えてその後に首肩の筋緊張も見られたのでその部分を重点的にほぐすように鍼灸施術を施しました。
経過
◇1回目◇
鍼灸施術に慣れており、最初から比較的強い刺激で治療しました。治療後、重かった首肩が軽く感じ、それに伴い身体全体も軽くなったように感じたとのこと
◇2回目◇
前回治療後少し気怠さが出たが、横になって休憩するとけだるさは取れた。めまい・ふらつきは若干良くなったように感じた
◇3回目◇
前回治療後、足は軽くなって歩行などが楽になってめまい・ふらつきもだいぶ楽になったが上半身が非常に重く感じて上下のバランスが取れなくてたまにふらつく。
◇4回目◇
背中・首肩を中心に治療。
◇5回目◇
上下のバランスもよくなってきた感じ、めまい・ふらつきもほぼ感じなくなった。
症例2
40代女性
普段は眼精疲労で通っているが、最近疲れがひどいせいかめまいが気になる。
以前も回転性のめまいを発症したことがあり、今回もそれに似た歩行時や体を動かすと目が回るような感覚に襲われる。
吐き気や難聴はないが、ストレスを感じると耳鳴りがする。
仕事は一日中パソコンを使用し、常に納期に追われていて精神的、肉体的ストレスが強い。
特に仕事が忙しいと症状がひどくなり、仕事に集中できなきないためさらにストレスが溜まる。
また、デスクワークのせいか首肩のコリがかなり強い。運動はあまりしなくて、休みも週一。
疲労が蓄積している印象。
当院の治療
以前測定した自律神経は交感神経が過剰に働いており、今回もストレスからくる自律神経の乱れが原因と考え、自律神経の調節治療をベースとして行いました。
また、回転性のめまいは内耳に異常をきたしているため、耳周りのツボに刺鍼し、低周波電気鍼療法を行いました。
また、首肩のコリが強いと耳の血流も低下していまうので、首肩のコリに対する刺鍼を行いました。
経過
1回目
普段は眼の治療は行っているが、耳周りの刺鍼は初めてなので、初回はソフトな低刺激で行いました。
2回目
あまり変化はないが、よく眠れるようになってきた。前回より少し刺激を強くしました。
3回目
ふらつく頻度が減ってきた。
4回目
疲れるとまだめまいが感じるが、あまり気にならなくなってきた。
5回目
今はほとんど気にならない
症例3
50代 女性
1年半前から時々めまいの症状が出るようになった。右後ろを振り返る頭の動きや、長時間のパソコン作業でめまいが生じる。半年ほど前から月に1、2回就寝中にめまい発作が起こり、発作が起こった日はほぼ1日中めまいと吐き気があり、ベットから起き上がることが出来ず仕事を休んでいた。耳鼻科や脳神経外科を受診したが原因は不明で、メニエール治療の薬や漢方薬を試したが効果がなかった。1ヶ月前に、気圧の変化がめまいの原因となることを知り、気圧の変化が予測される時に酔い止め薬を服用したところ、めまいの症状がマシになった。時々耳鳴りもする。めまいが起こる不安から睡眠が浅く、中途覚醒がある。首肩のコリがひどく、首が後ろに回らない。
施術
めまいが生じるきっかけから、良性発作性頭位めまい症が疑われた。自律神経測定器の結果は交感神経が過剰に優位な状態であった。自律神経の乱れもめまいの要因となっていると考えられる。交感神経優位な状態による全身的な血液循環の悪さや、首肩の筋緊張は、耳の循環が悪くなり、耳石の吸収が阻害されやすくなる。
耳の循環改善を目的に耳周りに鍼とお灸を行いました。また、全身的な循環改善や筋緊張緩和のため、自律神経調整施術を行いました。鍼通電は行わず、全て置鍼とお灸で施術しました。
一回目
めまいの程度がマシになった。パソコン作業1時間でめまいが起きていたが、1時間半続けられるようになった。首肩の筋緊張がとれ、首が後ろに回るようになった。
二回目
施術後数日間はめまいがしなかった。
三~四回目
めまいの頻度が減った。首肩のこりが以前より軽くなった。
五~六回目
2、3週間めまいがしなかった。めまいがしても、以前は1日中続いていたが、半日で治まった。耳鳴りも治まっている。
七回目
気圧が下がる時に軽いめまいがあった。一度起床時にめまい発作があったが、休まずに仕事に行けた。
八~九回目
めまいが一度も起こらなかった。めまいの不安がなくなり、夜も眠れるようになった。
メンテナンスとしてご来院中。
症例4
70代 女性
20年以上前から立ち上がる時にめまいがあり、数秒目の前が真っ白になることが毎回おきていたが、2ヶ月前から一気に症状が悪化した。最初はただの貧血や年齢で疲れやすくなってきたのかと思ったが、体調が良いと思う日でもめまいを感じ始めた。
外出中にめまいが起こった時に何回か倒れそうになり、生活に支障がでできたことと、息子に強く言われたため来院。
病院の検査では異常はでなかった。
また、めまいとは別で、最近眠りが浅くて困っている。トイレに行きたいわけではないが必ず夜に3回目覚めてしまい、朝にスッキリ起きれない。
当院の治療
自律神経測定器で測定したところ交感神経が優位な状態になっており、かなりのストレス状態にあるという検査の結果が出ました。
お話をうかがうと睡眠が思うようにとれなくなってきたのも、めまいの症状が強くなりはじめた時期と同じくらいからでした。
どちらも自律神経の乱れが深く関わっている症状ですので、自律神経の調節治療をメインで行いました。
治療経過
◇1回目◇
身体から余計な力が抜けた気がする。
◇2回目◇
治療の後はリラックスするが、数日たつと元に戻ってしまう。
◇3~6回目◇
大きな変化はない
◇7回目◇
気が付いたら朝の目覚めが良くなっていた。
◇8回目◇
睡眠の悩みがなくなったらめまいもかなり軽減した。
◇9回目◇
治療間隔を空けてメンテナンスも兼ねてもう少し通う。
めまいには、平衡感覚をつかさどる内耳の障害が原因で起こる「末梢性めまい」と、脳の病気が原因で起こる「中枢性めまい」とがあります。
人間の体はバランスを保つために目や耳、手足から入ってくる情報を脳で統合し、姿勢や動きを微妙に調節しています。
この仕組みに不具合を生じると自分は動いていないのにも関わらずにまるで動いているかのような錯覚を起こしてしまい、めまいとして感じるのです。
「末梢性めまい」
耳は、音を聞くための聴覚器官であり、なおかつ体のバランスを保つための平衡器官でもあります。めまいは耳の中でも聴覚や平衡感覚をつかさどる「内耳」という部分と関係が深いです。内耳は、カタツムリのような形をした蝸牛という器官が聴覚をつかさどり、前庭(三半規管と耳石器)という器官が平衡感覚をつかさどっています。
三半規管の内側は、リンパ液で満たされており、体や頭の動きによりリンパ液に流れが生じて前庭神経がそれを察知して脳幹に伝えます。
また、三半規管の根元には耳石器という器官があり、水平・垂直方向の動きと速さ、体の傾きといった動きを感知しています。こうした情報が脳に届けられてすばやく目や耳や手足が反応することで体のバランスが保たれているのです。
しかしこういった一連のネットワークが障害されると「末梢性めまい」として感じられます。たとえば、疲労やストレスにより交感神経が過亢進して三半規管に栄養を送っている血管が収縮すると三半規管の働きは弱くなり、誤った情報が小脳に送られめまいを感じます。
また、何らかの原因でリンパ液が必要以上に生産されたり、ウィルス感染などにより内耳炎や前庭神経炎などが起こった場合にもめまいを感じます。
「中枢性めまい」
めまいを生じさせるもう一つ大きな原因は小脳の働きの低下です。
内耳などの知覚器官から集められた情報は、脳幹を経て小脳に伝えられます。脳幹は、運動神経や感覚神経の通り道で生命を維持するための神経が集中している器官で小脳は、知覚器官から得た情報を統合し、体のバランスを保つために全身に指示を出す役割をしています。こういった過程が障害されると「中枢性めまい」症状を呈します。
小脳働きが悪くなる主な原因は、脳の血流不足といわれています。ストレス・体調不良や動脈硬化などによって脳に栄養を送っている血管が収縮すると、血流が一時的に悪くなり、小脳の働きが低下してしまいます。
また、脳梗塞や脳出血、脳腫瘍で脳の働きが障害されてめまいの症状が現れる場合があります。こういった場合は、早急に病院で受診する必要があります。
症例5
60代 女性
◇症状◇
2年前に良性頭位性めまいと診断を受け、落ち着いていたが、仕事のプロジェクトが無事に終了し、気が抜けたのか、起床時に回転性のめまいを発症。
首から上が重く、ムカムカするが吐き気はない。船酔いしているような状態で、めまい外来を受診し薬を処方されて少し落ち着きはしたが、揺れるような感覚が抜けずに当院を受診。
◇当院での治療◇
首肩ははっており、頭全体にむくみが強い。
手足の筋力が弱く、全身の循環が悪い様子。
手足末端への軽い鍼刺激で自律神経を整え、首肩のコリ、頭部への鍼施術を行った。
・1回目
全体的に重だるさがあったが、施術後は後頭部から首肩へと限局的になった。
・2回目
揺れる感じは少し落ち着いてはいるが、まだ残っている。
・3回目
施術2日後からふわふわした感じが減り、体操を始めた。
天候によって波はあるが、以前ほどひどくはならない。
・5回目以降
頭のもやもや感とめまい感はほぼなくなった。
現在は、腰痛や肩こりなど調子の悪い時に来院している。

内耳の障害でめまいや耳鳴り、難聴などが起きると同時に吐き気や嘔吐、動悸や冷や汗などの自律神経症状を多く呈します。また反対に自律神経失調症の症状の一つとしてめまいや耳鳴り、難聴などが現れる場合も多くあります。
それは、内耳と自律神経との関係が非常に密接であるとのことのあらわれであり、実際に日常生活で一番よく起こるめまいの原因は自律神経の乱れと考えられています。
自律神経とは、血管、リンパ腺、内臓などに分布しており無意識のうちに循環器系・呼吸器系・消化器系の身体機能を調節して自分の意志とは無関係に作用します。環境や状況に適応して生命活動の維持や調節を行い、絶えず活動している神経です。
自律神経は交感神経と副交感神経から成り立っており、互いに絶妙なバランスをとって協力し合っています。自律神経は過剰なストレスによりバランスを崩しやすく、特に交感神経が過亢進してしまいます。
交感神経の過亢進は身体に様々な影響を与えます。内耳に影響がでた場合は、内耳の血流低下・免疫低下によるウィルス活動の活発化・炎症性疾患・内耳のむくみなどがみられて、めまいや耳鳴り、難聴、メニエール病、内耳炎などの症状としてあらわれやすくなります。
清水大地

資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好医院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院

当院の手根管症候群に対する治療の目的は、第一に手首付近のツボや痛みの強い部位に鍼をさして微電流を流すことにより血行を良くします。手のひらは痛点が多く存在するためはり施術に伴う痛みを感じやすく、お灸刺激で対応する場合が多いです。
橈側手根屈筋の腱は手根管を通るので橈側手根屈筋に圧痛が出る場合が多く橈側手根屈筋をねらって鍼をさします。また鍼を刺すことにより痛みを感じる閾値を上げて痛みを感じにくくする作用を促します。
手根管症候群は五臓六腑の「肝」と「腎」に深く関係しているので肝と腎に関するツボを用いて肝血や腎気を補うことや手首の気血の流れをよくします。
また「風寒」や「湿」の邪気によって引き起こされる場合はそれらを体外に出す治療が必要になります。
手根管症候群を患っている方は、仕事や家事を多く抱えており、過度な精神的なストレスを抱えている方がほとんどです。また、50歳代女性では、親の介護が加わったり、女性ホルモンの変化により自律神経が乱れやすくなっています。
そこで当院では、自律神経測定器で自律神経の状態を測定して患者さんに合った的確な施術が可能です。他にはない効果が生み出せるのです。

中医学では手根管症候群は、手首付近の気血の運行がスムーズにいかずに気血が滞り、それが痛みやしびれの原因となると考えられています。
寒く風のあたる場所にいた際に「風寒の邪気」を受けた時や湿度の高い場所にいて「湿邪」を受けた時、長い間手首を使う仕事をした時などに気血は滞り、それが手根管付近であった場合に手根管症候群を発症する可能性が高くなります。
また中医学でいう「肝」と「腎」の機能が弱ると全身的に血や体液が不足し、筋肉などの様々な器官に栄養を送ることができず、さらに上記の条件が加わると手根管症候群がおこりやすくなります。
両者の関係は深いので「肝腎同源」とも言われており、「肝」と「腎」の症候が同時にあらわれることが多いです。
■肝血虚
肝血虚とは中医学でいう「肝」が血を貯蔵して必要に応じて供給・消費する機能と自律神経系の作用を通じて血管を収縮あるいは弛緩させ、体内各部の血流量を調整する機能が異常をおこして発症します。
筋のけいれん・手足のしびれ・目の乾燥感や女性では、月経のおくれ・月経血の過少・無月経などがみられることが特徴です。
症例1
50代 女性
数日前から右手の親指から人差し指にかけて痺れを感じるようになってきた。常に痺れるというわけではなく、パートでのパソコン作業や介護でのちょっとした動作で痺れと痛みを感じる。朝起きてから30分ほどしびれが強く感じる。整形外科を受診したところ手根管症候群と診断され、湿布薬と飲み薬を処方されたが、改善されずに当院にご来院されました。 最近、パートでの仕事と母の介護が加わり、とても多忙な生活を送っていたことが一つの原因と考えられるとのこと。
当院の治療
自律神経測定器の結果自律神経の乱れ・特に交感神経の過亢進状態でしたので最初に自律神経を整える施術をしてから頸部・肩部・右手首を中心に施術いたしました。親指のしびれが特に強い状態でしたが、首や肩のこりも症状として強く出ており、そちらのほうのアプローチも重要だと感じました。
また、仕事や介護でストレスが溜まり、体の回復力も低下しており、本題の治療に入る前に自律神経を調整する施術を行ってからの方が治療効果が上がると考えます。
治療経過
◇1回目◇
治療後手のしびれは、さほど症状に変化がなく、逆に少ししびれを強く感じた。血流が良くなった好転反応と考えられる。
◇2回目◇
前回と同様の体が起こった。
◇3回目◇
首や肩のこりを感じにくくなった。痺れもいくらか落ち着いてきた様子。
◇4回目◇
体に元気がとり戻ってきた自分自身感じ、手のしびれもそこまで気にならない。
◇5回目◇
日常生活でほぼ支障なく生活できる。
◇6回目◇
前回の状況とは変わって、気温低下とストレスによって痺れ症状が強く出た。
◇7回目◇
痺れの辛い症状は治療後すぐに消えてきて、体が軽くなった。
◇8回目◇
日常生活でほぼしびれを感じなくなった。首・肩こりも楽になった。
症例2
30代女性
妊娠6か月でのご来院。ホルモンバランスの変化やむくみやすくなっているせいか右手首の痛みや指先のしびれを感じるようになって整形外科を受診したところ手根管症候群の診断を受けた。
妊娠中のため薬は処方されることなかったため、インターネットで鍼治療で良くなることがあるとのことで当院で鍼治療を受けにご来院されました。
午前中に一番症状が強く、痺れや痛みで日常生活でも支障が出てしまう。
治療
仕事や家事で右手首をよく使う・手首をかばって作業をしているせいか肘周りや肩周りもコリを感じて痛む時があるとのことで右上側臥位でまず首肩回りや肩甲骨周りの筋緊張を緩和させていきました。
鍼治療が初めてということもあり、刺激量は抑えつつ治療回数を重ねるごとに段々と鍼通電療法などを使うなどして刺激量をあげていきました。
一回目の治療後、首肩回りなどが軽くなり、なんとなく身体が楽に。しかしまだ右手首は変化がみられない状態。
2回目・3回目も身体は楽になるが手首の変化はまだ見られませんでした。
4回目以降、手首の鍼通電治療なども用いて刺激の量を上げていき、徐々に右手首の痛みが緩和。痛みが取れてきて段々と痺れ症状も良くなっていきました。
最後指先だけ少し痺れが残りましたが日常生活では全然気にならなくなってとのことで治療を終了。
症例3
30代 女性
1週間ほど前から右の示指と中指にしびれを感じるようになってきた。整形外科を受診したところ手根管症候群と診断され、ビタミン剤が処方された。特に痛みは感じないが、しびれが気になるため当院にご来院された。仕事はパソコン作業が長く、腕から手首、手の疲れやこりを日常的に感じる。首肩のこりも気になり、忙しいと痛むこともある。
施術
触診では、首から肩、右腕の筋緊張が強くみられたため、鍼通電療法を用いて筋肉を弛緩させるような施術を行いました。手関節には血行促進のためお灸を行いました。また、仕事の忙しさから疲労や眠りが浅いといった症状も出ていたため、体を休ませ全身的な血流改善を目的に自律神経調整の施術所も行なっていきました。
一〜二回目
あまり変化を感じない。
三回目
しびれの場所は同じだが、軽くなっている。深く眠れるようになった。
四~五回目
しびれの度合いはだいぶマシになってきた。ただ、仕事で腕を使うことが多いため、肩や腕の疲れは感じている。
六回目
手のしびれは消失した。深く眠れるようになったため、身体も以前よりは疲れは感じない。
症例4
30代 男性
仕事でシステムエンジニアをしており、右手親指・人差し指の痺れと、キーボード打鍵時の違和感が出るとのことで来院されました。
1日10時間以上のPC作業による手首の過度な背屈(反らし)と、マウス操作時の手の長時間の緊張が原因で発症したのではないかと推察する。
手首の「屈筋支持帯」が肥厚して手根管内の内圧が高まり、正中神経を絞扼。親指から薬指橈側の痺れに加え、初期の母指球筋力低下(ピンチ動作の不調)が見られました。
当院の治療
治療局所の除圧と、神経伝導の改善を目的に週1回のペースで実施しました。
手首の大陵、内関には、正中神経に触れないよう慎重に直刺して周囲の浮腫を軽減。前腕部の孔最や手三里へ刺鍼し、屈筋群の緊張を緩めました。さらに、軽度の対立運動低下に対して、魚際と合谷に低周波パルス(電気鍼)を通電し、廃用性萎縮の防止と筋収縮を促しました。あわせて、頸神経根の環境改善を狙い、頸部の**挟脊穴(C6-C7)**にも置鍼しました。
経過
◇初回〜3回目◇
施術直後は手首の軽さを感じるものの、仕事後半には痺れが戻る一進一退の状態。PC作業時のパームレスト使用を指導。
◇4回目(1ヶ月後)◇
夜間や早朝に強く感じていた不快な痺れが約半分に減少。キーボードを叩く際の指の引っかかり感も軽減。
◇8回目(2ヶ月後)◇
日常生活での痺れはほぼ消失。マウスを長時間握った際にわずかに指先が気切する程度まで回復。きれいな「Oリング(涙のしずくサイン陰性)」が保持でき、母指球の筋力も正常化した。
現在は月1回のメンテナンスに移行し、再発なく業務を継続しています。

手根管症候群とは、手首を通っている正中神経が手根管という部位で炎症・骨折・奇形・腫瘍などにより圧迫されて痛みを生じる病気です。
正中神経は、上腕動脈とともに上腕の深い所を通って前腕を経て手根管に入って、手に至ります。手首を曲げる動作や腕を内側に捻る動作、手指を曲げる動作の筋肉を支配して、皮膚感覚としては手のひらで薬指を境として親指側を支配しています。
手根管とは、手首の手のひら側で、骨と靭帯に囲まれたトンネル状の部位のことをいいます。手首の骨は凹のアーチ形に並んでおり、その表面を幅2~3cmの屈筋支帯という靭帯が橋渡しをして、その下に手根管をつくります。
その手根管の中を手首を曲げたり親指側に倒す橈側手根屈筋の腱や親指を曲げる長母指屈筋の腱と親指以外の指を曲げる浅・深指屈筋の腱が通ります。手根管の中を走る腱は摩擦が少なく円滑に動くことができるように滑液鞘で包まれています。
また手根管の狭い管内を多くの腱とともに神経(正中神経)が通過します。主に手根管症候群とはこの正中神経が何らかの理由で圧迫されて発症する神経障害の一種です。
知覚障害
初期には人差し指や中指がしびれて痛みがでて、最終的には親指から薬指の親指側半面の3本がしびれます。症状は明け方強く、目を覚ますと手がしびれ、痛みがありますが手を振ったり指を曲げ伸ばしすると楽になります。
運動障害
進行すると親指の付け根の母指球筋という筋肉が痩せてきて、細かい作業が困難になります。母指球があることでできていた親指が他の指と向き合う運動(対立運動)ができにくくなり、鉛筆を落としたり、OKサインのような指の形などもできにくくなります。またつまみ動作がしにくい、ボタンをかけにくい、箸が扱いにくいなどの細かい作業もできにくくなり、日常生活に支障が出てきます。
通常、手根管症候群は利き腕の片側性に発症しますが、50%の方には両側性にも同疾患があり、発症年齢は20~90歳代にわたります。50歳代の女性に一番発症しやすく、女性ホルモンの乱れが原因とも考えられています。
簡単な診断法として手根管症候群の方は手首を打鍵器などでたたくとしびれや痛みが指先にひびきます。また手首を直角に曲げて手の甲を合わせて保持し、1分間以内にしびれや痛みがが出るかどうか見ます。
手根管症候群は特別な原因が見当たらないことが多いのですが、手の使い過ぎや肥満、妊娠などの他に糖尿病、甲状腺機能低下症、痛風、それに慢性関節リウマチなどの全身疾患が原因と考えられています。近年では、長期血液透析に伴う患者が増えています。
ⅰ)手の過度の使用による手根管症候群:手を酷使する人の腱消炎
ⅱ)むくみなどによる手根管症候群:妊娠や肥満
ⅲ)圧迫による手根管症候群:骨折や腫瘍による手根管の圧迫
ⅳ)アミロイド沈着による手根管症候群:血液透析によるアミロイドという物質の沈着
※日常生活上での注意点
手根管症候群で炎症症状が強く出ている場合はまず安静にして炎症を引かせることが重要です。さらに炎症が強い急性期の場合では、氷水で炎症部位を冷やしてアイシング治療を行うことも早く炎症を冷やすのに効果的です。何もしてなくても手首が痛む場合や夜間痛がひどい場合では炎症が強く出ている危険性があるのでアイシング治療が有効です。
痛みの強く出る急性期が過ぎたら手指や腕にかけての筋肉をほぐしていきましょう。ストレッチや軽く自分で筋肉をもみほぐすことで手根管内の圧力を軽減させる効果が期待できます。注意点としまして痛みが出ない程度に行うことで、痛みの出ている周囲の筋肉をほぐすことです。
あまり過度に揉んだりストレッチでほぐしたりしてしまうと周りの組織が傷ついてしまい、炎症が起きる危険性があります。
その他日常生活では手根管に負担をあまりかけないように心がけましょう。手首にサポーターを巻いたり、片手で重いものを持たないようにしましょう。それに加え現代はパソコン作業による手首への負担で手根管症候群かかる人も多いです。パソコンの打ち込み作業では、手首の下に丸めたタオルをかませて手首をまっすぐにするようにすると手首への負担が軽減されます。

当院には、複視でお悩みの方が多くご来院されております。複視になってしまった原因も様々で神経麻痺や筋肉の異常、自己免疫疾患、また病院で精密検査を受けても特に原因が分からなかったという方もいらっしゃいます。効果には個人差もございますが、多くの方が複視の程度が軽減されて日常生活が楽になったというお声を頂いております。
発症して早期に施術を受けて頂くほどその効果は良いです。複視症状で悩まれている方は、一度試しにでも施術を受けてみることをお勧めします。
複視の鍼通電療法

複視のお灸治療

60代 女性
1か月ほど前に急に左目の痛みと圧迫感を感じるようになった。仕事や家事でストレスとなることがあり、その体の反応かなとおもい、体を休めれば良くなると思ってそのままにしておいた。すると2日後くらいから物が二重に見えるようになってしまい特に左側の物が強く二重に見えてしまう。病院を受診したところ左目の外転神経麻痺と診断された。しかし、特に何も処置を行ってもらえずに体を休めるように言われただけだった。目の症状が出てきて耳鳴りや左顔面部の痛み・頭痛も出るようになってきてしまった。
治療
触診の結果、頚部の筋緊張が強く出ていました。そのほか自律神経のバランスも悪く、症状が出てからは不安で眠りも浅いとのことでした。
まず、うつ伏せ施術で首肩の筋緊張の緩和と東洋医学の肝と腎の経穴を中心にはり灸施術を施していきました。次に仰向けとなり左目中心の施術と自律神経のバランス調整を行っていきました。
◇1回目◇
1回目の治療後、身体のだるさが強く出て家に帰ると直ぐ眠ってしまったとのこと。次の日身体は軽く、左首肩・頭痛症状は半分程度に軽減。左目の痛みや複視症状は改善は見られない
◇2回目◇
2回目治療後、左目の動きが少し良くなったと感じた。正面を凝らしてみると複視は起こらない。動いているものを見るとまだ複視状態。
◇3回目◇
耳鳴り症状が半減。寝つきが良くなったとのこと。目の症状は2回目以降変化なし
◇4回目◇
右目も何となくまぶたの重たさを感じたとのことで右目も施術。
◇5回目◇
頭痛薬を飲む回数が明らかに減少。以前は飲んでもう頭痛が治まらなかったが今は薬の効果も感じられる。
◇6回目◇
左目の動き改善。日常生活ではほぼ複視の症状で悩まされない。動きの速いものをみるとずれる時がある。病院でも左目の動きが良くなっていると言われたとのこと
◇7回目◇
早い動きの物にも目が慣れるようになってきた。しかし、注意してみるため、目の疲れは感じやすいとのこと。
◇8回目◇
右目のまぶたの重たさ軽減。視力も良くなったとのこと。
60代男性
2週間ほど前から新聞やパソコン画面がぼやけて見えるようになってきた。以前から遠くのものは見えづらく、視力の低下を感じていた。最近近くのものが見えづらくなってきたことから老眼の症状が始まったかなと感じていた。しかし、2週間ほど前から近くのものを見ることがつらくなってきて徐々に二重に物が見えるようになってしまった。
日常生活でも不自由を感じていてあまりに症状がひどくなってしまったので眼科を受診したところ、右目の動きが悪いため二重に物が見えていると言われた。確かに右側に視線をやると二重の幅が広がるとのこと。しかし、なぜそのような状態になってしまったのかという原因は眼科の検査でもわからずに経過観察と言われた。
治療
以前、交通事故に遭った時に頸部を損傷して常に首に違和感を感じているとのことでした。たまにひどい時は整形外科でけん引してもらっていた。触診してみると頸肩の筋緊張が強く、それも何かしら目に影響を与えていると考えられたのでまずうつ伏せ施術で頸肩に鍼通電療法を施した後に仰向けとなり自律神経の調整施術と右目を中心に目周囲に鍼通電療法を施していきました。
◇1~3回目◇
3回目までは目についてはあまり変化がみられなかった。頸肩の筋緊張はいくらかほぐれている。
◇4回目◇
4回目の施術終了後から真正面のものは二重に見えることがなくなった。普段複視症状がつらく、片眼で見るための眼帯をしていたが眼帯せずに過ごせるようになった。
◇5~8回目◇
徐々に右に視線をやっても複視になる範囲が狭くなってきた。8回目終了後には日常生活には支障なく過ごせるようになった。
◇9~12回目◇
たまに集中して近くのものを見て目を使った時は複視症状が出る時もあるが以前のようなつらさはない。その日しっかりと睡眠をとると複視症状は回復できる。まだ電車内などで速く動いている物を目でとらえようとすると目が追い付かない感じがあるが普段は全然複視症状は気にならなくなった。
30代 男性
当院にご来院される2週間前から複視の症状が出た。複視は像が上下にずれてしまうタイプで近くが大きくずれてしまい、遠くの物を見ても少し像がずれてしまい車の運転に支障が出てしまう。仕事で車を運転するため3週間ほど仕事を休むことになった。
仕事は、朝早くから夜遅くまで長時間労働でたまに夜勤もあり、生活はかなり不規則だった。体の疲れもとても溜まっていて複視の症状が出た可能性があった。病院で脳の検査や重症筋無力症の検査を行ったが特に検査結果に異常はみられなかった。病院では治療は特に行われず安静を指示されたが、ご本人としては何か手はないのかと探していたところ当院のホームページを見つけてご来院されました。
治療
普段からの不規則の生活のせいか、自律神経のバランスも大きく崩れていた。首の付け根付近の筋緊張も強く出ていたのでまず初めにうつ伏せ治療で首肩の筋緊張の緩和、背部兪穴の肝・心を中心に施術していきました。次に仰向けとなり目の周りの施術と自律神経のバランス調整治療を行っていきました。
◇1回目◇
治療後、複視のずれ幅が少し改善。日常生活でのつらさが少なくなった。
◇2回目◇
以前は正面を見ても像がずれることが多かったが2回目の施術以降は正面は像が合うようになった。朝方はまだ日常生活でも辛さを感じる
◇3回目◇
視線を左右に動かすとピントがついていかずに像がずれるように感じる
◇4回目◇
4回目治療以降は日常生活で複視の症状が出る事はなくなった。ここで仕事への不安感などから夜寝つきが悪くなったり、突然胸の圧迫感や手足のしびれを感じるようになったとのことで心療内科系疾患への治療へ方針をシフトしていった。
◇5~8回目◇
夜寝つきもだんだんと改善。仕事へも無事に復帰することができたが、仕事している際中にたまに胸の圧迫感やわき腹当たりのはり感などが出ることがあり現在も通院加療中です。
50代 男性
当院にご来院される6ヶ月前に転倒して頭部を強打した。すぐに救急病院に行き、処置をしてもらったが、その時から2週間ほどかけて物が二重に見える症状が強くなっていってしまった。特に脳神経の異常は画像診断などで見られなかっため、経過観察となった。お医者さんには、3カ月ほどかけて徐々に良くなっていくと言われ、ビタミンB12が処方された。しかし、6カ月ほど経過しても複視の症状は一向に改善されずに何かほかに治療の手段はないかとインターネットで調べて当院にご来院されました。
ご本人の感覚としては、左目の動きが悪く物が二重に見えているような感覚とのこと。正視の状態では少し左目が内側を向いている。視界以外には、頭部を強打した後遺症は見られない。
治療
頸部の筋緊張が強く、特に後頭部付近の板状筋の硬直が見られたので、まず最初にうつ伏せとなり、背部や頸肩部の筋緊張を緩める鍼灸施術を行っていきました。次にうつ伏せとなり、左目中心に鍼を刺してさらに刺した鍼に電気の刺激を加えることで目周囲の筋肉や神経に刺激を与えて症状改善を図っていきました。近く地方に転勤するとのことで2日おきに集中的に治療していきました。
◇1回目◇
治療後若干、左目の動きが良くなったように感じるが、複視の状態は特に変化なし
◇2~5回目◇
左目の動きが徐々に良くなっていっている。以前感じていた頸肩こりも感じにくくなった
◇6~8回目◇
以前はどの方向を見ても物が二重に見えていたが、今は左下のほうだけが二重に見えている状態となった。それ以外は正常に見えている
◇9回目◇
大体正常に見えるようになった。少し左下方向を見ると複視の状態が出るが日常生活ではほぼ支障なく生活できる。しかし、目を凝らして物を見ているせいか目の疲労感を感じやすくなった。目を良く使った日の夜に複視の状態が出る時がたまにある。
治療9回目を終了したころに地方に転勤となったため、生活でのケアの方法などをアドバイスして治療を終了した。
70代 男性
1か月ほど前から物が二重に見える複視症状を発症。年齢も年齢なだけにすぐに病院で検査を受けて脳のMRIなどを受けても特に原因が特定されなかったとのこと。
図面など細かいものやパソコンなども仕事で見る機会が多く、目の疲れからくる一時的なものだと医師から言われた。
ビタミン剤を処方されて服用していたが、一向に良くなる気配がないため他に治療法がないかと検索したところ当院のホームページを見つけてご来院されました。
治療
図面やパソコンなどの近くの物を見るときも物が二重に見える・左側の視界はさらに二重の幅が大きく感じるとのこと。また、遠くの景色もさらに二重の幅が広くなって気持ち悪くなってしまう。
高齢であることから針の刺激量を少し抑えつつ調整しながら目の周りは電気鍼治療も行っていきました。
◇1回目◇
一回目の治療後、翌日の朝から効果が感じられたとのこと。まず、近くの物が見えやすくなってパソコン作業時や図面を見るときはしっかりと一つに見えるようになった。少し離れたテレビ画面などはまだ二重に見える
◇2回目◇
治療日から日数が経過するごとに状態が少し戻って行ってしまったが、2回目治療後も1回目同様に近くの物が見えやすい。
いくらか遠くの物も二重の幅が狭くなったように感じる
◇3回目◇
3~4メートルくらい離れた物だとほとんど正常に見えるようになった。家の中ではそこまで不憫を感じない。遠くの景色や階段を降りるときはやや少し怖さを感じる。
◇4回目◇
遠くの景色もほとんど一つに見えるが、夕方以降仕事で目を使っていると目の疲れを感じて物が二つに見えるときもあり。
目の疲れを感じた時などにメンテナンスのために通院加療。
80代 男性
当院にご来院される1か月ほど前から急に朝物が二重に見えてしまうようになってしまった。すぐに病院でMRIなどの検査をしたが、原因がわからずに動眼神経麻痺と診断を受けた。
医師からは経過観察で半年ほどかけて治っていく場合もあるとのことで、特に何も処方されなかったとのこと。
特に右眼の動きが悪く、真正面から左側の視界は物がひとつに見えるが、右側の視界は物が二重に見えてしまう。またテレビ画面を見るくらいの距離だと二重に見えてしまう、眼の前ほどに物を持っていくと正常に見える。
物が二重に見えてしまうため人との距離感がわからなくなって外で歩く際は、右眼のを隠す眼帯をして何とか歩行している状態。階段も恐々と手すりを持ちながら降りている
治療経過
初診時触診をしたところ、頸部の筋緊張も強いような状態でした。まずうつ伏せで首肩や背部兪穴を用いて首肩周りの筋緊張の緩和や五臓六腑の特に肝や腎に関するツボを刺激していきます。
次に目の周りに鍼をさして電気を流す鍼通電療法を用いて目の周りの筋肉や神経に直接刺激を与えていき改善をはかります。
5回目の施術終了後、だんだんとひとつに見える範囲が広がってきて、右側の視界もひとつに見えるようになってきた。ご家族にも眼球の動きが良くなっていると指摘されたとのこと。
施術8回目までだんだんと症状改善していったが、テレビを夜遅くまで見ることが多くなってしまって少し症状がぶり返した感覚。遠くの視界が複視
施術10回目以降また症状が改善してきた。以前は、人とすれ違う時が二重に見えてしまうためこわかったが、怖くなくなりテレビ画面もひとつに見えて遠くの視界もひとつに見えるようにだんだん変化していった。
日常生活に支障がない程度に回復。右側に視線をやると少し二重に見えるかなという程度。
症例⑦
60代 男性
◇症状◇
3週間前、朝目覚めた時から物が二重に見えるようになった。
脳神経外科を受診したが脳神経、動脈硬化などの異常は見つからず。
眼科を受診し血液検査・超音波検査を行い甲状腺等の異常もなかった。
末梢神経に何らかの異常があるとしてステロイドとビタミン剤を処方された。
発症から2週間ほどは足元も二重に見え、歩くことも困難であった。来院時は足元は多少見えるようになっていたが、まだ周辺はよく見えない状況。
◇当院での治療◇
後頭部から首肩にかけて詰まりとコリがあり、眉間、眼輪筋の緊張が強い。
後頭部から首肩、眼の周りへ鍼通電療法を行った。
・1回目
肩こりが軽減し、眼は二重には見えるが少し良い。
・2回目
朝が特にぼやけて見えるが、活動を始めるうちにピントが合うようになる。
・3回目
遠くはピントが合うようになったが、近くはまだ二重に見える。
・8回目
目線より上であれば近くの物にピントが合うようになったが、目線より下の10cm以内辺りはまだ二重に見える。
12回目以降
二重に見えるラインは薄くなり、検査の数値も改善している。
人混みや階段の下りも不安がなくなっている。
橈骨神経とは、頸椎から鎖骨の下部を通り、腋の下を通って上腕骨の外側を回り込み、前腕の筋肉である伸筋に通じる神経で、正中神経や尺骨神経と並び、腕を走る大きな神経の一つで、手首を反らしたり、指を伸ばしたりする神経です。
感覚領域は手の背部で親指、人指し指とそれぞれの水かき部を支配しています。橈骨神経麻痺とはこの橈骨神経が何らかの原因で障害されることを指します。
長時間上腕部に圧迫をかけることで発症することもあって腕枕の状態で発症することもあるため「土曜日の麻痺」や「腕枕症候群」「ハネムーン麻痺」といった通称名も存在します。


上腕部での麻痺の原因は開放創や挫傷(ケガ)、上腕骨骨折や上腕骨外側上顆などの骨折、圧迫などにより生じます。
肘での麻痺の原因はガングリオンなどの腫瘤、腫瘍、骨折などの外傷、神経炎、運動のし過ぎなどによる絞扼性障害によって橈骨神経麻痺の症状が出現します。
しかし、原因が無いのにもかかわらず発症する場合もあります。
橈骨神経は手首や指先の動作に関連した筋肉支配に関与しているため手指や手首を反らしたり伸ばしにくくなります。(下垂手)また、障害部位に応じて親指、人指し指、中指の手の甲から前腕の親指側の感覚が障害されます。
感覚障害の有無や、運動障害をもとにしてなされます。
下垂手や下垂指の所見は重要な判定項目になります。また、神経麻痺では神経が障害を受けた部位を外部から叩くと支配領域に痛みが出現することがあります。
これを「ティネル兆候」といいますが、この所見も診断には重要です。その他、麻痺を生じるようになった原因検索や症状の程度の評価を目的として、レントゲン写真やMRI,エコーなどの画像検査、筋電図検査などが必要に応じて行われます。
外傷や腫瘍などがきっかけとなり発症した場合、観血的な処置(手術など出血を伴う処置)を行うことで原因を排除します。
また、局所の安静のために固定をしたり、ビタミンB12や消炎鎮痛剤の投与などの保存的治療で経過観察を行うこともあります。
また、拘縮(関節可動域制限を起こした状態)を予防するためのリハビリテーションも大切です。保存療法を行っても症状の改善が見られない場合には手術療法が行われることになります。橈骨神経麻痺が進行すると神経障害が持続し、最終的には筋力の低下を呈する危険性もあります。
そのため神経損傷があるものであれば神経剥離、神経縫合、神経移植などが行われます。筋肉の障害が強く、筋力の回復が見込めない場合腱移行手術が選択されることになります。
橈骨神経の走行は、東洋医学で考えられている経絡の走行上で『手の陽明大腸経』や『手の太陰肺経』の走行上と似ています。
東洋医学では、大腸経や肺経の気血が滞ってしまうことでその走行上に痛みや痺れが出てしまうことで橈骨神経麻痺のような症状が出てしまいます。
橈骨神経麻痺走行上の筋肉に鍼を刺して電気を流すことで刺激を与えることで回復を図ります。特に上腕部や肘中央部に橈骨神経の絞扼部があることが多いためその部分の筋緊張を取り除いて神経や血管の滞りを解消させていきます。

筋肉や神経は電気信号で動いています。その筋肉や神経に直接鍼通電療法を施すことによって麻痺の解消を促していくのです。
また東洋医学的観点より、五臓六腑の『肺』や『大腸』のツボを用いて治療をしていきます。その他、頸部や胸部の筋緊張が原因で神経麻痺が起きることもあるためその部分の筋緊張も取り除いていきます。

症例1
50代 男性
経過
6週間ほどまえに左手を下に寝てしまったことで橈骨神経麻痺を発症。整形外科に通院してマッサージや電気治療、ビタミン剤などの処方を受けたがなかなか改善されなかった。普段から手首が垂れないように添木をして対応。左手の背屈動作がほぼできずに親指辺りのしびれも出ている様な状態。
当院の治療
まずうつ伏せで首肩回りの筋緊張を見ていきました。頸部の硬さや左肩甲骨外側の筋緊張が強い状態でした。
うつ伏せの施術ではそれらの筋緊張の緩和やその他腰痛の症状もあり、併せて鍼灸施術を行っていきました。
次に仰向けとなり左上肢を中心に施術。左上腕部や前腕部、肘部外側に特に強い固結があり、それらの部分と左手親指の痺れが強く出ている部分と左タバコかの部分にも鍼を刺して電気を流す鍼通電治療を行っていました。
治療経過
一回目の治療後から少しずつ背屈動作ができるようになってきました。鍼通電治療時にも最初は電気を流しても筋肉の収縮反応が全く見られませんでしたが、少しずつ腕橈骨筋などの筋腫縮反応が見えてきました。5回目の施術後には電気鍼治療時に親指が動く反応が初めて見えました。
日常生活で徐々にですが添木を外せる時間も出てきて上腕部の筋肉痛を感じられるようになってきました。10回の施術で病院で8割ほどに橈骨神経麻痺が回復していると言われある程度の動きが出来るようになってきましたが、まだ力入り具合はよくなく右と比べると握力が明らかに低下していました。
13回目の施術後ほぼ橈骨神経麻痺の症状は完治。まだ筋力は少し低下していましたが後は日常生活をこなしていくことで筋力をつけていくということで施術を終了しました。
症例2
40代 男性
1週間前に、飲酒後左手を枕にし机に突っ伏して3時間ほど寝てしまい、橈骨神経麻痺になった。下垂手と水かき辺りの痺れの症状が出ている。
整形外科ではビタミン剤が処方された。
普段から鍼灸院に通われており、鍼灸治療で症状を改善したいと思い、当院にご来院された。
施術
麻痺が出ている橈骨神経走行上の筋肉に鍼通電を行いました。左手の動きの悪さから、首肩周りの筋緊張が強く見られたため、首肩へも鍼通電を行いました。
また、症状に対する不安感により、眠りが浅い状態が続いていた。自律神経測定器の結果、交感神経優位、疲労度、肉体的ストレスが高い状態が見られた。副交感神経を働かせ睡眠の質の改善、全身の血流改善を目的に自律神経調整も同時に行なっていきました。
来院頻度は1週間に1回。
一回目
施術後は、首肩周りが軽くなった。
二回目
手首の動きに変化なし。眠れるようになった。
三~五回目
以前よりは手首が動くようになっている。
六回目
手首の動きはほとんど回復した。
痺れの感覚も弱くなり、日常生活で回復していくのを待つ。
症例3
20代 男性
2日前に、朝起床したら右手が動かなくなっており、急いで病院へ行ったら検査で何も異常がなく、橈骨神経麻痺と診断された。
発症した前の晩に泥酔してしまい、右腕を枕代わりにして寝てしまったのが原因と考えられる。
右手の背屈が全くできず、指も動きずらい。こぶしを握った状態だとわずかに背屈できる。
少し感覚以上もあり、冷え感を感じる。
仕事は建設業のため、右手が使えないためしかたなく休業している。
いち早く現場に復帰するため当院を受診した。
当院の施術
まず、触診や徒手テスト法をにて手首、腕、首肩などお身体の状態を確認していきました。
背屈は全くできず、手指を開いた状態だとより動かせない状態で、こぶしを握った状態だとわずかだけ動きが見られましたが、ほとんど動かないに等しい状態でした。無理やり動かそうとするため前腕の筋緊張が強く力むためか首肩の筋肉の張りもありました。
施術は橈骨神経の圧迫部や橈骨神経走行ライン上、橈骨神経の支配筋、特に手関節の背屈筋である長橈側手根伸筋、短橈側手根伸筋、尺側手根伸筋に刺鍼し電気を流す、低周波鍼通電療法を行い、筋肉の活動亢進、神経圧迫部の緩和を中心に行っていきました。
頻度は週に2回~3回ペース。
経過
1回目
まだ大きな変化はない。
2回目~4回目
手を開いた状態だとまだ動かないが、握りこぶしの状態で以前より背屈ができるようになってきた。
5回目~7回目
握りこぶしの状態だと問題なく背屈できるようにまで改善。指を開いた状態だと完全ではないが以前より背屈できるようになってきた。
8回目~10回目
少しずつ動かせる範囲が広がってきた。
11回目~13回目
ほぼ支障がない所まで改善した。現場での仕事も問題なくこなせている。

資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院
声のかすれに対する当院の治療は、東洋医学で機能不全を起こしていると考えられている五臓六腑の『肺』の機能を正常に戻すことや自律神経の状態を整えることを主眼において施術していきます。

声帯の開閉時に働く喉頭内の筋肉は、迷走神経によって支配されています。その迷走神経は、副交感神経が大部分からなり、頭部・頸部・胸部・腹部すべての内臓に分布して感覚や運動、分泌の役割を担っています。

副交感神経は安静に優位になるリラックス神経です。ストレス社会と言われる現代では多くの人が副交感神経の活動が低下していると言われています。実際に当院の自律神経測定器で測定すると多くの方は交感神経の活動が優位となっており、声のかすれでご来院される方々も例外ではありません。
声のかすれ症状の方も初診時に自律神経測定器で自律神経の状態を把握させていただき、施術していきます。
基本的には、副交感神経の活動を高めるリラックスできるような施術を行っていきます。特に鍼灸施術は副交感神経の活動を高めて自律神経を整える効果が期待できます。
その他、肺に関するツボや嗄声の方は五臓六腑の『腎』の働きが弱っている方も多く、腎に関する経穴も用いて施術していきます。

発生は大きく分けて4つの動作から成り立っており、息を送り出す→声帯が振動する→共鳴→言葉の形成の流れです。まず息を吸うことで肺に空気を溜め込みます。そして膨らんだ肺が収縮することで息が送り出されます。送り出された息は、声帯を振動させて音となります。声帯とは、咽頭腔の左右両側から突出する筋肉性のひだのことを指します。発生の時声帯は両側から狭くなりそれを肺から押し出された息が押しのけて通過することで声となるのです。
声帯の開閉は、喉頭軟骨や喉頭筋によって行われ、喉頭内の筋肉運動は迷走神経によって支配されています。

喘鳴声のかすれ(嗄声)は、この過程でどこかしらに不具合が生じて発症します。
声のかすれの原因は様々です。声のかすれは、風邪などの症状の一つで軽く見られがちですが、声のかすれが長引く場合は、喉頭がんなどの危険性もあるため耳鼻咽喉科などで検査を受ける必要があります。
・風邪やインフルエンザに伴う声のかすれ
風やインフルエンザのウィルスに感染することによって咽頭部に炎症が起きる咽頭炎を患ってしまった場合、のどの違和感や痛み、声のかすれが起こります。この場合はその他風邪症状の軽快に伴って声のかすれも軽快していきます。
・甲状腺の異常
甲状腺炎や甲状腺機能低下症などで甲状腺に炎症が起こると声のかすれも現れます。これは、20代~40代の女性に多く発症します。免疫力の異常によって甲状腺に炎症が起こり慢性的な倦怠感や低血圧、むくみ、生理不順などの症状が現れることもあります。
・喉頭がん
喉頭がんでは喉頭部に発生した悪性腫瘍によって声帯に障害を与えてしまい嗄声となります。肺がんや食道がんが周囲に広がって喉頭部の発声することに重要な筋肉を支配する迷走神経を阻害することによって嗄声となる場合もあります。
・声帯ポリープ
声帯に小さな腫物ができて声がかすれて症状がひどいと声が全く出せなくなってしまいます。これは、声帯のオーバーユースが原因でよく声を出す職業の人や大声でしゃべりまくる子供などに見られる症状です。声帯のオーバーユースで声帯ポリープまでいかないまでも声帯が軽い炎症やむくみを起こすことで声がかすれることがあります。
・タバコやお酒による声のかすれ
タバコの煙に含まれるタールによって気管を刺激して声帯が炎症してしまうことで声のかすれも起こります。アルコールも気管を刺激して声帯が炎症を起こすことで声のかすれを引き起こします。アルコール濃度が高かったり、飲みすぎは声帯を傷つける危険性もあるので注意する必要があります。
・加齢による声のかすれ
加齢によって声帯や声を出す筋肉もどうしても衰えていきます。加齢に伴い声帯は委縮してしまい発声時に息がもれやすく、声のかすれの原因となってしまいます。
・思春期の声変わり
特に思春期を迎える男性はのどぼとけと言われる甲状軟骨が急速に成長して声帯が引き延ばされるため声が低くなります。声帯が引き延ばされる時期はまだ声帯がうまく振動できないため安定するまでは声がかすれることがあります。
嗄声は東洋医学では五臓六腑の『肺』が関係していると考えられています。東洋医学の『肺』は西洋医学の肺と似ているところもありますが、全く機能的に異なる部分もあります。
東洋医学の肺には
・肺は気を主る
呼吸によって外の清気を吸入して体内の濁気を排出してガス交換を行います。その他体内で「気」の生成に関与することで全身の様々な機能をつかさどっています。
・肺は宣さん・粛降を主る
肺には気や津液を全身のすみずみに送り届けます。肺呼吸や皮膚呼吸によって津液を発散させたり、末梢血管内外を浸透圧を調整して体液バランスを維持します。
嗄声はこの肺の機能低下によって起こると考えられており、特に『肺陰虚』という状態となったときに嗄声となりやすいといわれています。
・肺陰虚
肺の陰液不足という病態で慢性的疾患によって起こる栄養障害や炎症疾患による津液の消耗・乾燥した環境などの労働や居住などによって生じると言われています。気管支の粘液分泌不足や慢性炎症や自律神経系の過亢進などが関与すると考えられます。
嗄声症状やノドの乾燥感、口の渇きなども現れます。
声のかすれの治療症例
30代女性
1か月前に急性副鼻腔炎に罹ってしまい、それがきっかけで声がかすれるようになってしまった。声優をしているため、一刻も早く治したいと来院された。
副鼻腔炎はほぼ良くなっているが、少し鼻水が出る。
当院の治療
声のかすれは咽頭の炎症によるものである為、喉周りのツボに刺鍼をしさらにお灸をして炎症を改善を目的とした施術を行った。
さらに、自律神経測定器で測定してみた結果、免疫力が低下している状態であるので体質改善のため自律神経調節治療も同時に行った。
また、副鼻腔炎も完治していないので、そちらの治療も並行した。
◇1回目◇
あまり変化はない。
◇2回目◇
声が出しやすくなってきた。
◇3回目◇
鼻水も出なくなり、声も通常通りに戻ってきた。
◇4回目◇
声が元に戻った
症例 2
20代女性
1か月前に風邪を引いてしまい、発熱、鼻水、のどの痛みが出た。
現在は熱も下がり鼻水やのどの痛みも軽快したが、声のかすれだけが改善しないまま残ってしまっている。
声優をしているため仕事に支障が出てしまい、いち早く状態を改善したく当院に来院した。
声は小声で短時間ならあまり支障がないが、出し続けたり、少し声量を大きくすると、声がかすれてしまって出ずらくなる。酷くなるとガラガラ声になってしまう。
また声を出し続けると、首の前面の筋肉がギューッと締め付けられるような感覚がある。
仕事でのストレスも強く感じ、睡眠の質も悪く、疲労がなかなか抜けきれない。
当院の施術
まず自律神経測定器で現在のお身体の状態を確認していきました。
交感神経の割合が副交感神経よりも大きく上回っており、心身共にあまり休めていない状態が予測されました。
副交感神経は、身体を休ませる神経で、免疫力も司っています。
自律神経の乱れにより免疫力が低下したことで風邪をこじらせてしまい、声帯の慢性的な炎症状態が続いてしまっている可能性がありました。
また、首肩の筋緊張も強く、筋緊張の圧迫でより声が出しずらい状況になっていると考えられました。
当院では、
①自律神経の調節
②首肩背中周りの筋緊張の緩和
③炎症の抑制
を中心に施術を行っていきました。
経過
◇1回目◇
施術した数日後から声が出しやすくなった感覚がある。
◇2回目◇
まだ声を長く出し続けるとかすれてしまうが、以前より長持ちする。
◇3回目◇
まだ完全ではないが、長く声を出し続けてもかすれにくくなってきた。
◇4回目◇
酷使すると声が出しずらくなるが、日常生活ではあまり気にならなくなってきた。
◇5回目~10回目◇
支障なく仕事ができるようになるまで改善した。
清水大地

資格
はり師
きゅう師
2008年
鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年
おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年
中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年
渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年
三軒茶屋α鍼灸院を開院
当院の滑車神経麻痺に対する施術は、目の周辺の重要なツボにハリをさして微電流を流すことにより神経組織の回復や筋肉への刺激を行うことでを促します。またお灸刺激により血流を改善します。

東洋医学的に診ますと、滑車神経麻痺は五臓六腑の肝に深く関係しているので肝に関する経穴を用いて肝血を補うことや肝気の巡りをよくします。東洋医学の診断方法に基づき、全身の調整施術も行っていきます。
部分的な治療ではなく全身を治療することは東洋医学の特徴でもあり、当院が施術する上でも特に重要だと考えます。
全身施術を行うことにより自律神経が整えられて人間が本来もっている自然治癒力を高めます。

当院の滑車神経麻痺の施術目的は、滑車神経麻痺の回復程度を高めて、回復を速めることです。西洋医学とは違う東洋医学の観点により少しでも滑車神経麻痺が回復できる機会を提供して患者さんが少しでも快適に過ごせるようお手伝いさせていただきます。

中医学では五臓六腑の肝は目に開竅するといわれており、眼の疾患は肝の機能の障害が深く影響していると考えられています。
肝血が不足してしまうと視覚の異常や運動系の異常などがみられます。そのほか肝は運動神経系の調節に関係があると考えられています。
滑車神経麻痺は、上斜筋麻痺を引き起こすので、そのことからも滑車神経麻痺は肝に深く関係していることがわかります。
症例1
60代男性
当院にご来院の10日ほど前にテレビを見ていたら物が二重に見えるということで近くの眼科を受診。検査結果右目の滑車神経麻痺と診断された。特に処置はされず、経過観察とのことで何か治療法はないかと探したいたところ偶然当院のホームページを見てご来院されました。
複視の状態は、朝からある状態で、夕方から夜にかけて身体の疲れが溜まってくるとそれに伴い複視の幅も広がって目も疲れてきて目も開けているのがつらくなってしまうほど。頭を傾けてテレビなどを見ると複視が弱くなる。
当院の治療
目の症状は自律神経の状態と深くかかわりがあるとの考えで、自律神経測定器で自律神経の状態を計測しました。この男性の場合、交感神経が過亢進状態で自律神経が乱れている状態でした。毎回首肩や目の治療に入る前に仰向けにて自律神経の状態を整えてから治療しました。
目の周りや顔に対する治療はとても繊細であるため刺激量が多くなり過ぎないように最初は弱い刺激で対応しました。体が治療の刺激になれてきたと感じた4回目の治療より鍼通電療法などを用いて徐々に刺激量を上げていきました。
最初の10回ほどは治療間隔を週に2回ほどと詰めて行いそれから徐々に治療間隔を空けていきました。
◇1回目◇
治療後複視症状の状態は、あまり変わらなかったが、首肩はとても楽になった
◇2回目◇
以前は滑車神経麻痺のない左目もまぶたが重たく感じていたが、重たさ感じなくなり左目も右目も開けやすくなった。
◇3回目◇
まぶたの開けやすさは、2~3日で戻ってしまった。
◇4~5回目◇
夕方は複視がまだつらいが、朝になると比較的楽でいちばんつらい時を10だとすると今は5程度
◇6~8回目◇
真正面に物を見てピントを合わせるとほぼ複視はなくなった。首などを傾けるとまだ複視の症状が出てしまう
◇9~11回目◇
首を傾けても複視の症状があまりでなく、日常生活で何気にすごしていても気付かないほどとなった。
身体が疲労して来たり、目を使いすぎるとまた元に戻りそうと本人がご心配されているので2週間に1回ぼどの間隔で現在も調整として通院されています。
症例2
40代男性
3か月ほど前に物が二重に見てしまって病院を受診。検査では特に脳などには異常が見られなかった。
右眼の滑車神経麻痺による複視症状が出ているとこいうことでビタミン剤を処方されて半年から1年ほどかけて複視が改善される場合が多いと言われて経過観察中。
だんだんとは複視症状が改善傾向にあったが何とか早く治したいとのことで、ネットなどを調べていたところ鍼灸治療でも症状が改善されたという症例をみて当院にご来院されました。
当院の鍼灸治療
近いところは比較的よく見えていて遠くの視界になると物が二重に見える、特に夕方以降など疲れてくると症状が強く出てしまう。
また、自律神経の乱れや右頸部のコリも強く出ていたため全身的な自律神経調整治療や頸部周りに鍼通電治療なども用いまして施術を行っていきました。
特に滑車神経麻痺の複視症状では、頸部の筋緊張がみられる場合が多く、その部分をしっかりほぐすことは治療のポイントになります。
その後、目の周り特に右眼周り中心に施術を行っていきます。比較的に刺激量に強い方でしたので最初から目の周りも鍼通電治療を用いていきました。
治療経過としましては、3~5日程度の治療頻度で治療4回目までは複視症状には大きな変化は見られずに目の疲れが感じにくくなった程度でした。
5回目以降だんだんと複視のズレ幅も改善されてきて右頸部の気になるコリもだんだんと改善されてきたと自覚。
7回の治療後大学病院で検査。検査でも複視の数値の改善がみられて、首を傾けなくでもだいぶ視界が通常に見えるようになってきた。
たまに右眼周りに痛みがでたりするのでその部分なども含めて治療間隔を延ばしながら通院加療中。
症例3
50代 男性
◇症状◇
車を運転する職業。
8ヶ月前から仕事が終るころになると見えずらい感覚はあった。
徐々に症状が進み、車が2台に見えるようになり眼科を受診。
以前からドライアイで通院はしていたが、脳の異常は無く、滑車神経麻痺の診断を受け、休職することとなった。
運転が好きなのに車に乗れない、仕事に復帰できるかの不安などもあり、睡眠がうまくいかない日がふえている。
右に首を傾けていると見やすい。
◇当院での治療◇
自覚的肩こりは無いようだが、後頭部から首肩にかけて詰まりとコリがあった。
初めての鍼灸治療のため、リラックスできるよう全身の軽い刺激にくわえ、首肩周りは細めの鍼で筋肉まで刺入し筋緊張を緩めた。
目元の循環を改善する目的で鍼通電療法を行った。
・1回目
翌日、身体が楽になり日課のジョギングで足の痛みもなかった。
・2回目
前回より後頭部から首肩にかけて少し刺激を増やした。
翌日だるさはでたが、二重に見えることが少なくなっている。
まだぼやけていて運転をする気分にはなれていない。
・3回目
運転をしてみようとい気分になり、数か月ぶりに遠出してみた。疲れたら休憩をとりながらも支障なくドライブを楽しむことができた。
・4回目以降
まだ全快ではないが、治療の間隔をあけながらメンテナンスとして治療を継続している。
滑車神経麻痺とは、滑車神経が何らかの原因で麻痺の状態になって眼球は上内側に偏倚して、垂直方向の複視を引き起こします。
滑車神経は中脳の背面より出て、上眼窩裂を通り上斜筋に分布します。上斜筋は収縮すると眼球を下外側方に向けます。上斜筋が収縮できなくなると、眼球は上内側に偏倚します。この症状が出た場合、視線を正面に向けるために頭を健側に傾けます。逆に頭を患側に傾けると眼球の偏倚は増強されます。
日常的には本を読む際や階段を下る際に複視を生じます。

滑車神経麻痺は、原因が特定されるほとんどの場合は頭部外傷が原因です。
腫瘍などそれ以外の原因はまれです。滑車神経が単独で麻痺することはまれであり、動眼神経とともに障害されることが多いです。
その他脳のMRIなどの検査を行っても原因がわからい場合も多いです。滑車神経は第4脳神経で眼球を内側に寄せる役割があるため滑車神経が麻痺すると内側に眼球を寄せることができないために物が二重に見える複視の症状が出ます。
滑車神経麻痺の患者さんでよく見られるのが、テレビを真正面から見ると画面が二重に見えるが、寝そべって頭を少し横に倒すと二重に見えずに普通に画面が見えることを言われます。もしそのようなことを日常生活で感じる場合は、滑車神経麻痺の危険性があります。そのような場合、滑車神経は脳神経でまれではありますが、脳の腫瘍など脳の障害が原因で起こっている場合がありますのですぐに眼科や脳神経外科で診てもらう必要があります。
滑車神経以外にも眼球を動かす脳神経は動眼神経と外転神経があります。それらが障害されても物が二重に見える複視の症状が起きますが、動眼神経は眼球を上下に動かす、外転神経は眼球を外側に動かす作用があり、麻痺の出る神経によって眼球の動きが異なってきます。
眼球を動かす筋肉は、そのほかの体の筋肉と同様に脳からの信号を受けて動いています。眼球は、人体の中でもとても複雑な動きを可能にしており眼球を動かす筋肉を外眼筋といいます。外眼筋には、
・外側直筋
外転神経に支配されており、眼球を外側に向ける働きがあります。
・内側直筋
動眼神経に支配されており、眼球を内側に向ける働きがあります。
・上直筋
動眼神経に支配されており、眼球を内側斜め上方向に向ける働きがあります。
・下直筋
動眼神経に支配されており、眼球を内側斜め下方向に向ける働きがあります。
・上斜筋
滑車神経に支配されており、眼球を外側斜め上方向に向ける働きがあります。
・下斜筋
動眼神経に支配されており、眼球を外側斜め下方向に向ける働きがあります。
この6つの筋肉があります。これら6つの筋肉がうまく働くことで眼球運動が行われて焦点が合うように調整されているのです。その過程で筋肉や神経に不具合が生じてしまうと焦点が合わずに複視となったり、視線をずらすことができなくなるのです。
滑車神経麻痺の場合、上斜筋を支配しているので上斜筋の働きが損なわれて複視の症状が出てしまうのです。硬めに滑車神経麻痺が生じている場合、麻痺の出ていない側に頭を傾けると眼球の位置が修正されて焦点が合うようになります。
上述した寝そべって頭を傾けると画面が見えるようになるという現象はこのような頭の傾きによって複視が打ち消されているということです。
清水大地

資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好医院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院