鍼灸の鍼の皮膚接触刺激とお灸による燃焼刺激で血液中の各種白血球が2~3倍に増加したという実験結果もあります。
施術直後に白血球が増加し2~3日持続して数週間続けるとリンパ球も増えます。
また白血球の血管の流れるスピードも速くなり貪食力も上がります。
つまり鍼灸治療をすることによって『白血球やリンパ球が増加する→免疫力が高まる→風邪や病気になりにくい身体を作る“未病治”(未だ病まざるを治す)』ということになるのです。
当院が鍼灸治療をする上で自律神経の状態を把握することはとても重要だと考えております。今、体の状態がどちらが優位な状態となっているのか把握することで治療法なども変わってくるのです。そこで当院では、急性の患者さん以外のほとんどは自律神経測定器で自律神経の状態を測定してから治療に入ります。
ここで今まで治療症例を2件ほどご紹介させていただきたいと思います。
・足三里
膝下外側にあり、免疫力を高めるほか下肢のだるさ、また胃経に属するため胃の不調がある時にも有効です。
・合谷
合谷は万能ツボとも言われ、様々な疾患の時にも用いられます。
とくに免疫力を高めるためや眼の疲れ、歯痛、抑うつ気分の時などに用いられます。
・関元
おへその下、指4本分にあるのが関元というツボで免疫力を高めるほかに頻尿や更年期障害の時にも有効とされます。
・中かん
おへそから上5本分にあるのが中かんというツボで免疫力を高めるほかに胃の不調や食欲不振などの時に用います。
アフリカ大陸の東側に位置するウガンダでは命をも奪う危険性のある疾患に対してお灸が施されることがあるそうです。
近年、NHKの番組でもその活動内容が取り上げられて注目されています。
その命をも奪う危険性のある疾患はなと結核です。結核はアフリカでは年間数十万人もの死者を出すほどの重篤な病気です。結核は、栄養不足や免疫力の低下などによって結核菌が体内で増殖して発症する病気です。
結核の患者さんに足三里という膝下外側に位置するツボにお灸をすることで免疫力が上がり症状が回復することがあり、ウガンダの病院では少しずつお灸を使用することが広がっているようです。
臨床研究では、足三里にお灸をすると血中のヘモグロビン値が大きく増加したという研究結果が出ており、それによって免疫力向上の効果が高いという結果が出ています。
この足三里にお灸をすると免疫があがることが論文に記されているのは、1929年に原志免太郎医師が発表した論文内にあります。当時、日本では結核が流行しており、お灸の研究をしていた原志免太郎医師が結核に感染しているラットにお灸を施したところラットの結核菌に対する抵抗力が高まったという結果が出ています。
しかし、一回お灸をしたからと言って免疫が上がるという事ではなく、6カ月間お灸する群としない群に分けて血液検査の免疫機能を果たす細胞の増減を調べたとのことです。日々の積み重ねが、免疫・健康を維持するポイントの様です。
今は自分でできる簡易的な台座灸が一般の薬局でも販売されており簡単に手に入ります。また、当院でも販売されています。
台座灸は、紙の台座の上にもぐさがのせてあるもので台座の裏にはシールがあり肌と固定できるため安全に使用することが出来ます。お灸の熱さも様々な種類があるため調整できます。
基本的に1日1回程度を目安に1~4か所ほど行うと良いでしょう。
50代 女性 主婦
主訴
肩こり・腰痛・不眠・目の疲れ
症状
10年ほど前から肩こりや腰痛の症状が続いていました。なんとか日常生活に支障なく生活できていましたが、最近お孫さんの世話をするようになり夜も痛みで起きるほどとなってしまいました。朝も肩こり・腰痛症状はつらく、少し動き出すと症状が和らいでくるという状態です。パソコンやスマホをすることでストレスの解消となっていましたが、長時間使用することで目の疲れやドライアイの症状も強く出てきました。
当院の治療
治療を行う前に自律神経の状態を測定すると、交感神経が優位な状態でした。よくよく話を伺ってみると寝つきも悪く、食欲不振で便秘美味とのことでした。交感神経優位の状態が長く続き、体の状態にも相当影響を与えていると判断し、自律神経のバランスを整えることが先決だと思い施術にあたりました。副交感神経が優位となり、体がリラックスな状態となったところで肩や腰の筋加えて目の周囲の筋肉をほぐすような施術をいたしました。
経過
1~3回目
最初の3回ほどは、自律神経の状態を整えることに重点を置いて施術しました。
4~7回目
自律神経の状態が少しずつ落ち着いてきたと判断した上で肩こりや腰痛症状に対してアプローチしました。
痛みが少しずつ取れてきて、夜も眠れる日が増えてきたとのこと。
8~10回目
眼科鍼灸で目周囲の筋肉にもアプローチしました。
目が楽になり、肩こりの方も自然と軽快してきた
考察
症状が強く出ていたため、7回目までは3日置きに施術しました。症状が軽快してきて目処が立ったところで治療間隔を1週間に1度ほどに延ばしていきました。自律神経の乱れが顕著だったため、自宅などでもゆっくりお風呂につかることや軽い運動をしてもらいました。まだまだお孫さんのお世話をしていかないということで今でも定期的に通院されております。
20代 男性 建築業
主訴
頭痛・首肩こり・不眠
症状
2年ほど前に建築業に就職してから日々の過酷な労働により頭痛・首肩こりを感じるようになってきました。1か月ほど前から夜勤と日勤の日が休みなく続き、一日中働いているような状態でした。頭痛の症状も悪化してきて横になっていてもつらい状況で会社も休みがちとなり、当院に来院されました。
当院の治療
まず自律神経の状態を測定したところ副交感神経がとても優位な状態でした。日中も眠たさやだるさを感じて仕事がままならないこともしばしばあったとのこと。しかし、夜は目がさえてくるような状態でしたので自律神経が乱れていたと思います。また、首肩の筋緊張が顕著に出ていたため自律神経を整える施術をしたから筋緊張をとっていきました。
経過
1~2回目
鍼やお灸の刺激も敏感だったため、鍼やお灸を使わない手技療法で対応しました。
3~5回目
3回目からは身体の状態も少しずつ落ち着いてきたため、鍼やお灸の施術も加えていきました。
6~8回目
日中も気怠さを感じることが少なくなってきた。朝は症状はつらいとのことだが、夕方は症状が軽快
9~12回目
朝もつらさが軽減してきた。痛みどめや睡眠導入剤なども服用していたが、量が減ってきた
考察
仕事が忙しいため、1~2週間のペースで来院していただきました。治療で補えない部分は、貼るタイプの置き鍼で対応していただき、ストレッチも怠らないようにしていただきました。
70代 男性
数年前にコロナにかかってから風邪を引きやすくなった。ワクチンを6回打っても2回コロナにかかり、どちらもかなりの光熱がでた。
そこから常に身体のだるさや、咳など常にある状態になり、いろんな病院で検査を受けたが異常は出なかった。
病院では、コロナの後遺症や老化だと説明も受けたが自分ではあまりにも体調が悪いし、なんとかしてほしい。今でも自分の会社を経営しており、後任もまだ頼りないため、まだまだ現役で働いていたい。
また、最近は体調が悪いため趣味の庭の手入れができないのが辛いし、このまま体調が悪くなり年齢的にも歩けなくなることを考えると不安なため来院。
当院の治療
自律神経測定器で測定したところ、日中にも関わらず副交感神経優位の状態になっておりました。副交感神経が高くなりすぎてしまうと、身体がだるくなってしまったり、集中力の低下にもつながることを説明しました。
また、自律神経が乱れると疲労が取れにくくなり、免疫力の低下にもつながりやすくなるとお伝えしました。
施術は自律神経の調節をメインで行いました。また、免疫系と関わりのある経穴に刺激を与え、より回復が速くなるように致しました。
鍼灸治療は初めてとのことでしたのでソフトな治療で行っていきました。
治療経過
◇1~3回目◇
変化は感じない。
◇4回目◇
治療後に体が軽くなった気がする。
◇5~7回目◇
朝起きる時のだるさが軽くなってきた。
◇7~15回目◇
治療を受けるたび、体が楽になってきた。
◇16回目◇
咳は完全には無くならないが、日常生活に支障が出ないくらいには治まってきた。
◇17回目◇
来院頻度を減らしてメンテナンスしつつ様子をみる。
自律神経には“交感神経”と“副交感神経”の二つがあり、両者バランスをとりながら働いていることによって健康の状態を保っています。
現代社会において「自律神経」が乱れてくることにより身体に様々な不調が現れています。
例えば自律神経の乱れによる主な症状として
このように自律神経の症状は多岐にわたります。
自律神経のうちの“交感神経”が働くと
良い意味でも悪い意味でも活動的な状態になります。
逆に副交感神経が働くと脳と体もリラックスします。副交感神経はリラックス神経とも呼ばれ睡眠とも深く関連があります。
日中の活動的な状態は交感神経が優位に働き、体を休める夜に副交感神経が優位に働きぐっすり寝られることが良い状態と言えます。
交感神経優位 | 副交感神経優位 |
瞳孔 大きくなる 器管 広がる 血圧 高くなる 胃腸 活動を抑える 心臓 脈拍が早くなる 顆粒球 増加 |
瞳孔 小さくなる 気管 狭くなる 血圧 低くなる 胃腸 活動が進む 心臓 脈拍が遅くなる リンパ球 増加 |
病気から身を守る防衛システム免疫系は主に血液中の白血球(リンパ球、顆粒球)が中心的役割を果たしています。白血球は血液循環をしながら体外から侵入してきた細菌などの異物を排除する役割があります。白血球の中にはリンパ球と顆粒球とがあり、それぞれに役割分担があります。顆粒球は細菌や細胞の死骸などを処理してリンパ球はウィルスなど比較的小さな異物に対して抗体をつくって対抗しています。
いわゆるこのリンパ球の働きが、『免疫』と言われるものです。このリンパ球は副交感神経の支配下にあり、逆に顆粒球は交感神経の支配下にあります。自律神経のバランスが良い時には、リンパ球と顆粒球のバランスも保たれており免疫力も十分な状態です。
しかし、現代では過度なストレスから交感神経優位の状態の方が多く、顆粒球の過多状態と陥りやすくなってしまうのです。顆粒球も免疫機能の約やりを担っていますが、過度に増えすぎてしまうと常在菌までも攻撃してしまい、炎症を起こしてしまう危険性があり、胃炎や虫垂炎、腎炎、肝炎などの原因となってしまう可能性があるのです。また交感神経の過緊張状態が続くと、血管は収縮して血流を阻害して心臓病や高血圧の原因となったり、新陳代謝も低下することから老廃物が溜まりやすくなり、痛みや筋肉のコリの原因となってしまうのです。
このように白血球の数や働きは 自律神経の影響を受けています。
つまりは自律神経の乱れは免疫力の低下となるわけです。
主訴
目の疲れ・ドライアイ
症状
30代男性でパソコン作業が主な仕事で一日10時間はパソコン作業を行い、長い時は15時間パソコン作業を行っていました。最初は、夕方になると目の疲れや目の渇きを感じていたが、徐々に症状が強くなってきて、一日中症状を感じるようになっていった。そして、仕事に支障をきたして一時休職せざるおえなくなってしまった。
パソコン画面を見ると体が反応してすぐ目に不快感をおぼえて、みてられない
当院の治療
まず、自律神経測定器を用いて自律神経の状態を把握しました。測定した時間が夜なのにもかかわらず交感神経の数値が高く、常に神経が緊張している状態でした。聞くと寝つきが悪い時が多いとのこと。
とりあえず仰向きで自律神経を整えるような鍼灸施術をした後でうつ伏せで首肩の筋緊張をとっていきました。
最後にまた仰向けとなってもらい目の周りと頭部を鍼やお灸で刺激することで緊張をとってあげたり、血流の改善を促しました。
経過
1回目
目の疲れは少し楽になったが、まだパソコン画面を見ることができない
2~4回目
だいぶ目の症状が楽になり少しずつパソコン画面を見られるようになってきた。体が軽くなってきたと感じる
5~9回目
少し長い間パソコンを見ると目が気になってくるが、合間に休憩をとると回復する。会社への復帰を考えるようになってきた
10回目
会社に復帰することができた。会社に事情を理解してもらい、最初は短い時間から働くこととなった。
11~15回目
徐々に働く時間を戻していき、休職前と変わらずに仕事をこなせるようになった
考察
こちらの症例の男性患者さんも首肩のこり・痛みが強く出ていたためそちらの方もしっかり症状をとるような施術をしました。
休職前と同じように仕事をしていてはまだ症状がぶり返してしまう恐れがあるため、日々日常的に自分でできる目の疲労ケアを実践していただきました。
症例2
30代 女性
転職してからデスクワークが増えて、慢性的な首肩コリが悪化してきたのと同時に今まで気にしてこなかった眼精疲労が辛く感じている。
業務は常にパソコンとタブレット端末に向かっているため夕方になると眼のかすみを感じていたが、ここ2週間前から眼の奥が痛くなってきたことと、仕事が忙しい日は瞼の痙攣が止まらない時があり、このままでは更に悪化してしまうと思ったことと、もともと同僚がこちらの院に通っており、前から興味があったので紹介を受けて来院を決めた。
当院の治療
自律神経測定器で測定したところ、お昼の時間帯で深夜並みの副交感神経優位の状態でした。このような状態ですと、日中でも常に眠気があり、いまいちやる気が出ない等の状態になりやすく、本人に確認したところ眠気ややる気が出ないとこはほぼ毎日とのことです。
慢性的な首肩コリで筋肉の緊張が強く出ていたので筋肉を緩ませるための血流を促進する治療と、自律神経を整える治療、眼の周りの局所治療を行いました。
治療頻度は週に1回ほどです。
治療経過
◇1回目◇
鍼が思ったより痛くなくて安心した。リラックスできて良かった。
◇2~6回目◇
瞼の痙攣が出なくなった。
◇7~12回目◇
回数を重ねるごとに眼の奥の痛みが楽になってきた。最近は残業しても痛くならなくて嬉しい。
◇13~15回目◇
慢性化していた首肩コリも、くる前より良くなった。今後は美容鍼を自分のご褒美として受けに通院する。
パソコン作業を主に行うオフィスワーカにとくに多いのが肩こり・頭痛・目の疲れ(ドライアイ)の3症状で悩まれている方です。
それは、目の周囲の筋肉・頭の筋肉・首肩の筋肉がお互い影響を受けていることが原因と考えられます。
目周囲・頭部の筋肉
眼輪筋
目の周囲に輪状にある筋肉で、まぶたを閉じる役割があります。
前頭筋
ちょうどおでこにある筋肉で眉毛を上にあげる役割があります。
帽状腱膜
前頭筋と後頭筋を繋げる役割があります。
後頭筋
後頭部付近にあり、帽状腱膜についています。
首肩の筋肉
僧帽筋
後頭部から始まり鎖骨や肩甲骨についています。肩甲骨を動かす役割があります。
胸鎖乳突筋
耳裏のでっぱりについて胸骨・鎖骨を挙上する役割があります。
その他、頭の動きをつかさどる筋肉の多くは後頭部について頭を動かす役割を担っています。
目・首・肩の筋肉は帽状腱膜という組織を介して繋がっているといえます。
パソコン作業を長時間行うと目周囲の筋肉が疲労して目をばっちり開けることが難しくなってきます。またどうしても細かい字などを見る時は目を細めてみようとします。
すると前頭筋や後頭筋も引っ張られて疲労しやすくなります。
また引っ張られるため頭が締め付けられるような頭痛を感じやすくなります。
そして、それが僧帽筋や頭部を動かす筋肉にも影響を与えるのです。
パソコンを行う姿勢にも問題がありますが、目の使い過ぎが原因による肩こり・首の痛みの場合も多いのです。
よって当院では、目の疲れの症状でも首肩周りの筋肉や頭の筋肉の過緊張をとるために鍼灸施術や手技療法を施します。
目の症状・首肩の症状は、一つのセットであり両方の問題をとることで症状が軽快していく場合が多いです。
これらの症状でお困りの方は、一度お気軽にご相談ください。
声帯に炎症が生じて腫れてしまうことで、声が枯れたり声が全く出なくなったりする疾患です。
声帯炎になる原因の多くはウイルスや細菌感染によるもので、風邪の一部の症状として出ます。
その他に、タバコの吸いすぎやお酒の飲み過ぎ、汚れた空気を吸ったり、歌手や学校の先生、アナウンサーなど喉を酷使する職業の方などが起こりやすいです。
声帯粘膜が炎症により腫脹すると、発生時に声帯がしっかりと閉まらなくなり隙間ができるため、声が出なくなったり、ガラガラした声や、かすれた声になります。
ウイルス感染による場合は、対症療法が基本的な治療法になります。痰も増加することが多いので、去痰薬の内服やネブライザー療法を行います。また、二時的に細菌感染を合併することもあり、その場合には抗生剤の内服も行います。
大きな声を長時間出したり、声の使い過ぎなどで炎症が起きている場合には、ステロイドの内服治療が行われます。その際には、ステロイドによる、むくみや不眠、それに伴う精神・神経症状などが副作用として現れます。
安静を保ち治療をすれば1〜2週間で元の声に戻りますが、声帯に炎症が生じている状態で無理な発声を続けると、声帯に声帯結節ができてしまい、症状が悪化し長引くことがあります。そのため、声帯炎症の治療で最も重要なことは、喉の安静、つまり声を出さないことです。
【声帯ポリープ】
声帯ポリープは声帯にできる血豆のようなもので、大きな声を出した後などにできます。
声を使う職業の方に多く、声帯の使い過ぎによってできます。
【声帯結節】
声帯結節は、声帯の摩擦によってタコのような結節ができ、声が枯れるほかに、喉の痛みも引き起こします。
3ヶ月以内であれば、薬による治療と安静にすることで改善が見込めますが、慢性化すると手術が必要になることもあります。
こちらも、声を使う職業の方に多く、声帯の使い過ぎによってできます。
【甲状腺機能低下症】
喉にある甲状腺の機能低下によりホルモンの分泌が乱れてしまい、声枯れの症状を伴うことがあります。
【逆流性食道炎】
逆流性食道炎は胃酸の逆流によって食道に炎症が起きる疾患ですが、その炎症が喉付近まで達したり、声帯自体が胃酸の刺激を受けることで声枯れが生じます。
【咽頭がん】
初期症状として喉の痛みや違和感の他、声枯れが起こる場合があります。
・半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)
半夏厚朴湯には、神経や筋肉の緊張を調整する作用があり、喘息や気管支炎など、喉まわりの炎症や不快感に用いられます。
・補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
補中益気湯には、喉の筋肉の運動を高める作用があり、滋養強壮作用のある生薬や喉の痛みや炎症に効果のある生薬の組み合わせでできています。
声帯炎は、主にウイルスや細菌感染などにより、声帯粘膜が炎症し腫脹してしまう為、発声時にしっかりと声帯が閉まらなくなり隙間ができ、声が出なくなったり、声がかすれたりしてしまう症状が現れます。
鍼灸治療には抗炎症作用・鎮痛作用があるため、鍼とお灸を用いて、炎症の起きている喉周りや、声がかすれて発声しづらい為に負担がかかっている患部・筋肉に刺激を与え、症状の緩和を促します。
また声のかすれに対する治療として、東洋医学の観点からもアプローチします。
声帯炎は東洋医学では五臓六腑でいう『肺』の機能不全を起こしていると考えられるため、『肺』の働きを正常に戻すことが重要になってきます。その他に、声枯れなどの不調がある方は五臓六腑で言う『腎』の働きが弱っている方も多いため、『腎』に関する経絡や経穴も用いて施術を行います。
声帯の開閉時に働く喉頭内の筋肉は、迷走神経によって支配されています。その迷走神経の大部分は副交感神経からなり、頭部・頸部・胸部・腹部にわたる全ての内臓に分布しており、感覚や運動、内分泌の役割を担っています。
副交感神経は、安静時やリラックスしている時に優位になる神経です。ストレス社会と言われている現代では、多くの人が副交感神経の活動が低下していると言われています。
実際に当院にある自律神経測定器で測定すると、多くの方が副交感神経に拮抗する交感神経の活動が優位となっており、声の不調や喉の違和感でご来院される方々も例外ではありません。
自律神経には活動的な時や緊張時に働く『交感神経系』と、リラックス時に働く『副交感神経系』の2つからなり、通常はこの2つがバランスを取りながら働いているのですが、ストレスや過労などを受けるとバランスが崩れ、身体に不調が生じます。
そして喉や声の症状は、ストレスや過労によってトラブルを起こしやすい部分な為、自律神経の乱れを悪化させてしまう可能性があります。
人はストレスを感じたり過労が続くと、自律神経のバランスが崩れます。自律神経が乱れると、倦怠感や動悸、不眠、めまい、しびれ、手足の冷え、慢性症状の悪化などの様々な症状が現れます。
そのため、当院では、治療の前にしっかりと問診を行い、自律神経の状態を機械で測定し、症状や状態を把握した上で治療を行っていきます。
当院には自律神経測定器があり、この測定器では交感神経と副交感神経のバランス、肉体的ストレスや精神的ストレスなどの数値も測る事ができます。測定結果を元に、お一人お一人に合ったオーダーメイドの治療をします。そして、東洋医学の治療法と自律神経療法を組み合わせることで、より治療効果を高めることができます。
鍼灸治療は自律神経を整えるのにとても優れた治療法です。自律神経を整える経穴や声のトラブルやストレスに対する特効穴を用いて症状改善を目指します。
また、自律神経のバランスを整える事で心身の過緊張を緩和し、血行を促進して症状を改善し、再発や悪化を防ぎます。
声帯炎の症状でお悩みの方は、東京α鍼灸院へお越しください。
症例
30代 女性
3週間前に風邪を引いてしまい、声が出ずらくなった。
声の仕事をしているため早急に治したく当院に来院した。
声は嗄声の様なかすれ声で、長く出し続けることが出来ず途中でガラガラ声になってしまう。
病院で念のため検査をしてもらったが、ポリーブや結節などの異常はなく、炎症のため完全に声帯が閉じにくい状態になっている。
喉の痛みはないが首周りの圧迫感が強く感じ、多少咳も残っている。
仕事は楽しいが知らず知らずストレスは溜まっている感覚はあり、夜の睡眠の質はあまり良くないように感じる。
当院の施術
まず、現在の自律神経の状態を確認するために自律神経測定器を使用して交感神経と副交感神経のバランスをチェックしていきました。
午前中にも関わらず副交感神経の働きが強く交感神経の働きが弱い状態で、自律神経の働きが逆転している状態でした。
首肩や肩甲骨回りや背中の筋肉が緊張していたため、首肩背中に刺鍼し筋肉の緊張を緩めていきました。
また、自律神経の乱れを整えて自然治癒力を上げるために、自律神経調節を目的と施術も行いました。
同時に、首の前面の声帯炎の効果のあるツボに鍼やお灸で刺激し、炎症を抑える施術を行っていきました。
経過
◇1回目◇
咳が軽減して、声も出しやすくなった。
まだ少し、ガラガラ声。
◇2回目◇
まだ、完全な状態ではないが、初診より声がスムーズに出せるようになってきた。
◇3回目◇
ほぼ良い時の状態にまで回復した。
◇4回目◇
仕事に復帰できるまで改善した。
当院では、呼吸や脈拍、血圧などを司る自律神経の状態を自律神経測定器で測定し、患者様のお体の状態を把握した上で治療に移ります。
自律神経のバランス調整施術で、内臓機能、血液循環、免疫機能を高め全身的なバランスを整え、東洋医学的観点から、心・肺・腎を中心とした五臓六腑の機能調整、気を補う、流れを調整するツボなども用いて治療を行います。
また、呼吸筋、呼吸補助筋の緊張による横隔膜の動きが悪くなることも息切れの原因となりますので、首や肩、肩甲骨周囲、腹部などの筋緊張や筋疲労を和らげる施術も合わせて行っていきます。
東洋医学では息切れは過労や栄養不足、ストレスなどによる「気」の失調や五臓六腑の心・肺や肺が行う呼吸を助ける腎などの機能低下が関係していると考えられています。
代表的なものとしてこのような状態が挙げられます。
・心血虚
心を栄養する血液が不足した状態を指します。血を作る脾の働きが低下すると心血が作られない為心の循環不全になります。心血虚の場合、心陽で熱を帯びるため動悸、息切れ、胸苦しさなどが生じます。また、心は精神をコントロールするためイライラ、夢をよく見る、眠りが浅い、めまいなどの症状が起こることもあります。
・肺気虚
肺に供給される気が不足した状態を指します。具体的な症状として咳、痰、息切れ、疲労感、多汗などが挙げられます。
・肺腎気虚
肺と腎の気が不足した状態です。肺は呼吸を司っている臓器ですが、その中でも特に空気を吐き出す呼気を担っています。一方で腎は空気を吸い込む吸気に関わっています。
呼吸に関わる肺、腎の失調は大気中の気の取り込みに大きな支障になってしまいます。肺腎気虚の主な症状は呼吸困難、息切れ、発声困難、手足の冷え、むくみ、多汗、腰の痛みや重だるさなどが挙げられます。
息切れとは呼吸をするのに努力を必要としたり、不快感を自覚することです。
息切れには
・息がつまる
・呼吸が浅い
・胸が圧迫される
・十分に息が吐けない
・呼吸が早い
など様々な表現があります。血液中の酸素量の低下、二酸化炭素の増加、その他いろいろな原因がありますが、多くは体が必要とする酸素量が供給出来ないと息切れは起こります。
日常生活から考えられる原因
・激しい運動や運動不足による体内の酸欠
運動をするとき体は筋肉を動かすため沢山の酸素を必要とします。激しい運動をするほど大量の酸素を必要とするため、酸素を多く取り入れようと呼吸が早くなり息切れを起こしやすくなります。
また、日頃の運動不足も心臓が血液を送り出すための筋力が弱くなるため、息切れを起こしやすくなります。
・過労やストレスによる脈拍や自律神経の乱れ
自律神経には体を活動状態にする「交感神経」と、休息、回復状態にする「副交感神経」の二種類があります。この二つはアクセルとブレーキの関係にあり状況に応じてどちらかが優位になり、呼吸、血液循環、体温調節、消化、排泄、生殖、免疫などの働きを無意識のうちにコントロールしています。
強いストレスや過労などが原因で交感神経が緊張(亢進)してしまうと息切れや動悸が起こります。
・肥満による心臓への負担
体重の増加に伴って体が大きくなると、身体はその分多くの酸素を必要とします。肥満では心臓は沢山の血液と酸素を送ろうと活発に活動します。すると心臓に負担がかかり息切れや動悸が起こりやすくなります。
息切れを伴う疾患
・慢性閉塞性肺疾患(COPD)
長年の喫煙習慣が原因の約90%を占める疾患で、喫煙により慢性気管支炎や肺が弾力を失う肺気腫を引き起こし、咳や痰、息切れが続くようになります。
30年~40年近くかけてゆっくりと肺の機能が低下して徐々に呼吸が苦しくなり最終的には呼吸不全になることがあります。
・気管支喘息
慢性の気管支の炎症やアレルギーによって気道が過敏になって狭くなる症状が現れると息が苦しくなる発作を繰り返します。喘息の発作時には喉が詰まる感じが現れ、咳や痰、ゼイゼイ、ヒューヒューという呼吸音(喘鳴)、呼吸困難が続きます。息を吸う時より吐くときの方が苦しくなるのが特徴です。
・心不全
心筋梗塞や不整脈など様々な心疾患が原因で、心臓の機能が低下し体に十分な血液が供給できなくなった状態です。全身の血液循環が悪くなることで肺にうっ血が生じ、呼吸困難、息切れ、動悸が起こります。
また、胃腸や肝臓にうっ血が生じると食欲不振や嘔吐、腹部膨満感なども見られるようになります。
・狭心症
心臓の筋肉に血液を送り込む冠動脈が脂質異常や糖尿病などによって血管が動脈硬化で硬くなり、血流が不足しやすい状態に陥ります。
そして寒い日や階段昇降時など心臓に負担がかかった際に、数分程度一時的に酸素が不足して胸が締め付けられるような痛みや息苦しい発作が起こります。
・心筋梗塞
心臓の筋肉に血液を送る冠動脈が動脈硬化を起こして内腔が狭くなると、血液が固まって出来る血栓が詰まり、血流が完全に止まってしまうのが心筋梗塞です。突然胸に激痛が起こり、痛みは30分から数時間続くことがあります。
血流が止まると心筋の壊死が始まり、その範囲が広がると血圧が低下して顔面が蒼白となるとともに吐き気や冷や汗がみられたり、意識を失って死に至る場合があります。
・不整脈
心拍動が基準値(一分間に60~100回程度)を外れて拍動が多すぎたり少なすぎたり、または心拍動のリズムが乱れたりして起こるのが不整脈で、動悸や息切れ、胸の不快感などを生じます。低血圧や失神、意識消失や心停止に至ることもあり生命の危険にさらされることもあるため、心臓や循環器の専門医への受診が必要です。
・過換気症候群
過剰な精神的ストレスなどが引き金となって、突然浅く速い呼吸を繰り返す疾患です。動悸や酸欠状態のような息苦しさを訴えます。
呼吸回数が増えることで血液中の二酸化炭素が過度に減少しめまいや手足のしびれ、筋肉のこわばりなどとともに呼吸速度が速まりときに失神してしまうこともあります。
・バセドウ病(甲状腺機能亢進症)
のどぼとけの近くにある甲状腺から甲状腺ホルモンが過剰に分泌される疾患で、甲状腺ホルモンの代謝亢進作用によりのぼせやほてり、多汗、手の震え、動悸、息切れなどの症状が起こります。その他疲労感や甲状腺の腫れ、眼球突出などの症状が現れることがあります。
・更年期障害
閉経前後の約10年間を指す更年期を迎えると女性ホルモン(エストロゲン)の急激な変化により自律神経のバランスが崩れ、のぼせ、ほてり、めまい、イライラ、肩こり、動悸、息切れなど心や体に様々な症状が現れます。
・貧血
鉄分の不足などが原因で、酸素と融合し酸素を全身へ送るヘモグロビンの量が減少することで血液中の酸素濃度が薄くなった状態です。体内の酸素が不足することでめまいや倦怠感、息切れなどの症状が起こります。
などがあります。
まず、問診、触診、視診、聴診などを行い
バイタルサイン(血圧、脈拍など)の確認をします。呼吸困難で特に重要なバイタルサインは呼吸数、SpO2(動脈血酸素飽和度、体の動脈中でどれだけ酸素があるか示す指標)です。
多くの場合問診と身体所見でおおよその病気候補は絞られます。最終的な確定診断を行うために、胸部レントゲン写真、心電図検査、動脈血液検査などの検査が行われます。
症例
10代 女性
仕事中に息がしにくい時が数か月前から度々あったが、気にしないようにしていたら悪化してしまった。2,3週間前から常に息がしにくい状態になり仕事中ずっとゼエゼエ息をしていた。
高校を卒業し、一年前に社会人になったばかりだが、勤務時間が長く一日で家にいる時間が平均で6時間ほどでかなり疲労が溜まっている。
業務内容も体力仕事メインで職場で一番下っ端のため、自分の仕事プラス雑用と先輩の分の仕事も自分がやることが毎日なので、肉体的にも精神的にもキツイと感じている。
学生時代は運動もしていて体力には自信があったが、最近は家にいても何をする気にもならなくなっている程疲労している自覚はある。
先日、家から10メートルほどしか離れていない駐車場に行くために歩くだけでも息が切れるようになり、このままでは仕事だけではなく、生活に支障がでるため来院。
当院の治療
自律神経測定器で計測したところ、ストレス値と疲労度がかなり高い数値でした。自律神経の乱れもあり、夜に測定したのにも関わらず活動するときに優位になる交感神経がリラックスするときに優位になる副交感神経よりもかなり高い数値になっていました。
触診時には、首から背中にかけて筋肉に緊張が強く見られました。疲労も溜まっているとのことでしたので血行促進による筋肉の緊張緩和、自律神経を整えることでの疲労回復をメインで施術を行いました。
来院頻度は月に1回。
治療経過
◇1回目◇
施術中は寝ていて何も覚えていないが、リラックスできた。
◇2回目◇
呼吸は変わらないが、仕事中に体が軽く感じた。
◇3回目◇
歩いても息が上がらない日が増えてきた。
◇4回目◇
仕事の忙しい時以外なら、ほとんど呼吸は落ち着いてきた。日常生活では息切れがなくなった。
◇5回目◇
息切れが仕事中もでなくなり、快適に働けるようになった。
令和7年4月10日(木)より
高田馬場はりきゅう院
が開院いたしました。5店舗目の分院となります。
高田馬場駅から徒歩4分ほどに場所にありましてとてもアクセスが良い場所にあります。
施術内容は、他の院と特に変わりございませんのでお近くの方はお気軽にご利用ください。
高田馬場はりきゅう院
〒171-0033 東京都豊島区高田3丁目10−22 キャッスル安斎
TEL:03 6273 8887
HP:https://takadanobaba-shinkyu.com
東洋医学では精神的ストレスなどにより気の巡りが失調する「気滞」と呼ばれる病態と考えられています。気滞で生じる典型的な症状として、喉のつかえ感、ゲップ、胸部や腹部の膨満感、食欲不振、吐き気、下痢や便秘、胃や腹部の張り、生理不順、生理痛、不眠など多岐に渡ります。
呑気症は特に上腹部に生じた気滞による症状が顕著化した胃気滞と呼ばれる状態と考えられます。胃気滞の原因として、ストレスにより肝の疏泄作用(気を全身に巡らせる作用)が低下することが考えられます。
気の巡りが悪くなるため気滞に陥りやすいほか、肝の疏泄作用は脾胃の消化、吸収の促進や補助を行っているため、脾胃の働きも低下する原因となるのです。
治療の前に自律神経測定器にて唾液の分泌や、血液循環、内臓機能、精神面に関わる自律神経のバランスを測定し、現在のお身体の状態を把握した上で治療を行います。
自律神経のバランスを調整する施術を行い、肝、脾胃をはじめとした内臓機能や免疫力、自然治癒力を高め、身体全体のバランスを整えることで症状の緩和を図ります。
また、呑気症の方は不安や緊張から無意識に身体に力が入っているケースが多く、特に首や肩周りに筋緊張が現れやすいです。身体の緊張から自律神経の交感神経が刺激される場合もあるため、問診や触診を行い筋緊張がある場合それを除く施術も行います。
東洋医学的観点から気の流れを整えるツボも用いていきます。歯の食いしばりや噛みしめの関与が考えられる場合は顎関節周囲のツボも用いて治療を行います。
無意識に多量の空気を飲み込みんでしまうことで食道や胃、腸内に空気が貯留することで様々な症状を引き起こす疾患です。日本人の成人の8人に1人がこの呑気症の症状に悩んでいるといわれており、20代~50代のストレスを受けやすい女性に多いといわれています。
頻回のゲップ、おなら、しゃっくり、上腹部の不快感、吐き気、腹部膨満感、胸やけなど
呑気症の原因は未だはっきりとは解明されていませんが、精神的ストレスとの関連が強いと考えられています。
緊張や不安を覚えるとつばを飲み込むことがありますが、この動作を過度に繰り返す事により少量の空気も一緒に飲み込むことになります。そうすると食道や胃に空気が溜まり呑気症を引き起こす事になります。
また、歯の噛みしめ(食いしばり)も原因の一つです。上下の奥歯が接触していると顎や首の筋肉が唾液腺を刺激し、唾液が溜まりやすくなります。唾液を飲み下す回数が増えることで呑気症の症状を引き起こす事になります。
さらに歯を噛みしめることで首や肩の筋肉の緊張を引き起こし、頭痛や肩こりを伴うこともあります。
その他早食い、飲み込む時の癖などの食事の仕方、後鼻漏、口呼吸、義歯の不適合、PC作業等によりうつむき姿勢が多いことなども原因として考えられています。
また、ストレスが原因の呑気症の場合、※過敏性腸症候群も併発しやすいので注意が必要です。
※過敏性腸症候群とは
検査を行っても器質的な異常が無いのにもかかわらず、慢性的に腹痛、下痢、便秘、腹部の不快感などの症状を引き起こす疾患です。20代~40代に最も多く見られ、日本人の5人に1人が過敏性腸症候群といわれており最も身近な疾患の一つです。原因ははっきりとは解明されていませんが、ストレスが引き金になっているといわれています。ストレスにより脳が刺激を受けると脳下垂体から副腎皮質ホルモンが分泌されます。このホルモンは腸の動きを強める作用と、抑える作用両方の働きがあるため腸の機能がバランスを崩すことが考えられています。
症例1
10代 男性
3週間ほどまえにのどの詰まり感が出始め、げっぷがとまらなくなった。
病院を受診したところ器質的な異常はなく、ストレス性の呑気症と診断された。
薬を処方してもらいげっぷは少し減ったがのどの圧迫感は変化なし。
受験生なので塾に通っているが、隣の人にげっぷの音が聞こえるのではないかと緊張する。
緊張すればするほど空気を飲み込んでしまうし、勉強にも集中できず困っている。
1日12時間以上机にむかっているが、それ自体はストレスに感じたことはない。
症状がストレスとなっている感じはする。
睡眠は浅めで翌日の眠気もある。
当院の治療
自律神経測定器で自律神経の状態をみたところ、交感神経と副交感神経の割合が9:1と、交感神経優位であることが分かった。
日頃から呼吸も浅く、常に身体に力を入れてしまう面もあるとのことだったため、副交感神経を刺激し自律神経を整える治療をおもに行う。
本人は無自覚だが、後頭部や肩、前胸部などの筋肉がかたくなっていたため、筋緊張を緩和する治療も同時に行った。
のどまわりには鍼とお灸を施した。
◇1回目◇
施術後、身体がすごく軽くなった感じがした。のどの圧迫が減り呼吸がしやすくなった。
◇2回目◇
初回のあと2日程調子がよかったが戻ってしまった。鍼をする前と比べると軽快している。
◇3回目◇
徐々にのどの圧迫は減っている。時間帯によって症状が変わってきた。午前はよくて夕方あたりから症状が強く感じる。
◇4回目◇
はじめと比べて症状は半分程度に軽快。しばらく今のペースで来院し様子をみる。
◇5〜10回目◇
回数を重ねるごとに症状は軽快。
疲れが強いときはのどの圧迫感がややあるが、普段苦しくなることはなくなった。
症例2
20代 女性
数年前から、呑気症の症状に悩まされている。社会人になり仕事が忙しく、ストレスを強く感じるようになった頃から症状が出はじめた。症状がひどい時には、吐き気があり、嘔吐することもある。
施術
ストレスや緊張が主な原因となっているため、自律神経調整施術をメインに行っていきました。触診では、首肩から背中、特に肩甲骨間の筋緊張が強くみられました。首肩や背中の筋肉が硬いと、呼吸が浅くなり、身体を緊張状態にさせる交感神経優位の状態になりやすくなります。首肩背中にかけては、筋緊張を緩和させるよう鍼通電を行いました。
一回目
施術後は、首肩のこりがとれリラックスできた。
二~四回目
呑気症の症状が少し改善されたが、まだ空気が出ることがある。
五~七回目
たまに会議など強く緊張する時に症状がでることはあるが、普段は症状が治まっている。
同様の症状が食道や消化器の疾患でも起こることがあるためまずは消化器専門医で診察を受けることが大切です。腹部や胃部のX線、内視鏡、腹部超音波、腹部CTなどで器質的な疾患が無いか調べます。検査の結果器質的な異常が無ければ、原因が明らかになっていないため特有の治療法はありませんが、不安やストレスを取り除くことが重要と考えられているため、呑気症の治療は主に心療内科や精神科で行われ、時には歯科との共同治療を行うこともあります。
治療として下記のような方法が選択されます。
・病状の理解
空気嚥下の機能や、呑気症の症状が発症する仕組みを十分に説明し理解してもらいます。そうすることにより症状に対する不安が軽減し、改善する場合があります。
・薬物療法
ストレスによるうつ状態や、神経症、心気症等の症状が見られる場合薬物療法が選択される場合があります。比較的症状が軽い場合は消泡薬、消化管機能改善薬、消化酵素薬などを用い、症状が重い場合には抗うつ薬や抗不安薬などの向精神薬を使用することがあります。
・カウンセリング
医師やカウンセラーなどによるカウンセリングを行い、呑気症発症の背景を探りストレスを解消していきます。場合によっては自律訓練法などの指導を行います。
・スプリントの装着
医師の診断によりその人に適合したスプリント(マウスピース)を作成し装着することで噛みしめ具合が分かるため、無意識に噛みしめて唾液を分泌する回数を減らすことが出来ます。
清水大地
資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院
女性は7の倍数・男性は8の倍数で体の変化が現れてくる、そんなことを聞いたことがある人もいるかと思います。
なぜそういわれるようになったのか、それは『黄帝内経』という東洋医学の昔の書物から引用されたものだと考えられます。
黄帝内経の中に女性は7の倍数・男性は8の倍数の年齢の時にからだの変化の節目を迎えると記述されているのです。
女性では
・7才
・14才
・21才
・28才
・35才
・42才
・49才
・56才
・63才
男性では
・8才
・16才
・24才
・32才
・40才
・48才
・56才
・64才
・72才
といった具合です。黄帝内経は2千年前に書かれたすごく昔の書物ですので現代にまるっきり当てはまることもないかと思いますが、倍数の年齢を見てみますとあながち間違いではないと感じます。
東洋医学では、女性として最も身体が充実するのが28歳で男性は32歳だと考えられています。その年齢を境にして女性も男性も体が衰えていくことが多いです。
その年齢からお肌のケアを今まで以上に行っていく必要があるのです。逆をいいますとその年齢を超えて生活習慣が悪く不摂生な生活を送っているとすぐ体の異常となって現れやすくなるのです。
女性では28歳から男性では32歳から特にお肌のケアが重要です。お顔のたるみやシワには美容鍼灸がおススメです。
美容鍼灸の肌への効果は大きく分けて2つあります。
・血行改善
鍼が身体に刺さることで微細な組織破壊が起きます。すると体は鍼を異物と認識して鍼を排除としようと生体反応がおきます。
生体組織に異物が侵入すると異物を排除する作用のあるリンパ球やマクロファージなどを分泌するインターロイキンと呼ばれる蛋白質の一種などのケミカルメディエーターが活性化します。
すると血管透過性が亢進されて毛細血管の血行が促進されることで無菌的炎症反応が起き、結果的にその部分の血流がよくなります。
・鍼刺激によるコラーゲンやエラスチンの産生作用
細い鍼刺激によって破壊された組織はその修復過程でコラーゲンやエラスチンの産生が促進されると言われています。
コラーゲンは美容や関節の痛みなどのサプリメントなどでよく聞かれるかと思いますが、タンパク質の一種で体を構成している全タンパク質の実に30%も占めています。その体内のコラーゲンのうち40%は皮膚に分布しており、肌を構成する大事な栄養素です。コラーゲンが不足すると肌の調子が悪くなりツヤやたるみに繋がってしまいます。
ちなみにサプリメントやコラーゲンの多い食事を食べたとしてもそのコラーゲンが肌のコラーゲンになるかは不明であり、根拠となるデータは不十分とされています。
一方、エラスチンという物質はあまり聞きなれない言葉かもしれませんが、お肌の伸縮性や弾力性を保ち皮膚のハリ感を出すために特に重要なタンパク質の一つです。
エラスチンは弾性繊維が主な構成成分で皮膚や動脈、肺や靱帯にも分布しています。エラスチンは、20代をピークに段々と年を重ねるごとに減少していくと言われています。
お肌のハリやたるみ予防、弾力性を保つのには鍼刺激によるエラスチンの産生も重要となってきます。
症例
30代 女性
初めは首肩コリでご来院していたが、前から美容鍼が気になっていたため、一度試してみたいと美容鍼を予約した。
一番気になっているのは、お顔のむくみと肌荒れで乾燥すると赤みも出てしまい、乾燥の季節は毎日メイクで隠している。
ただ、乾燥が酷いと肌がヒリつくため、いつものクリームや化粧品でも痛くて使用できない時があり、そんな時はマスクで誤魔化すが困っている。
肌質の改善と、むくみ予防が出来たらいいと思っている。
当院の治療
美容鍼の前に鏡で今のお肌の状態などを確認したところ、乾燥での赤みはお顔全体にありましたが、頬の周りが特に強くでていました。また、本人は自覚がなかったのですが、顎の筋肉の緊張がありそれと関係して口角の高さが左右で違いがでていました。
顔のむくみは朝が特に気になっているとのことで、お顔周りの血流改善も同時に行っていきました。
数か月通っていただいている患者様のため、鍼治療にも慣れていますのでお顔にパルスで電気刺激を与えていきました。
顔のむくみは首周りのリンパの流れが関わっているため、太いリンパ菅の近くに鍼で刺激を与えて、循環の改善治療も行いました。
治療経過
◇1回目◇
顎のラインがスッキリした。治療の痕に小顔になっているのが分かる。
◇2回目◇
前回の治療をした次の日の朝はいつも気になっていた顔のむくみがなかった。肌の赤みはあるが、ヒリヒリ感が少し軽くなった気がする。
◇3~5回目◇
顔全体にあった赤みが頬のところのみになって嬉しい。肌のヒリヒリも落ち着いてきた。
◇6回目◇
メイクを薄くしても赤みが目立たないようになった。少し小顔になってきたことを家族にも褒められて嬉しい。これからも肌の調子が悪い時に続けていきたい。
清水大地
資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院
東洋医学ではドパミンの働きは、『心包の気』としてとらえられます。ドパミンは、意欲・集中力に関与しており、これは東洋医学内の心包の気の働きに類似しています。
西洋医学的でパーキンソン病はドパミン不足と言われていますが、それを東洋医学に置き換えると心包の気の不足だといえます。
『心包』とは、その名の通り『心』を包むような役割をもち、『心の気』から生成された『心血』を心包の力で体中に巡らせる働きがあるのです。
パーキンソン病では心包の気が弱くなってしまっているために心血が体中に行き渡らなくなってしまうため、手足に栄養ある心血が送られなくなり、手足に血液が滞りやすくなってしまうのです。
パーキンソン病患者では、身体がそれを解消させようと手足をぶるぶるふるわせて血液の流れを良くしようとする反応が振戦症状としてあらわれてしまうのです。
その方の強く出ている症状や症状の程度によって治療法を変えていきますが、どの患者様でも初診時には自律神経測定器で自律神経の状態を計測させていただきます。パーキンソン病の治療でも自律神経の状態を把握しておくことはとても重要です。
症状として自律神経症状が強く出ている方もおられます。多くの方は、交感神経の活動が過亢進状態ですが、まれに副交感神経の活動が優位になっている場合もあります。よって自律神経の状態を把握した上でその方に合った施術法を選択していきます。
東洋医学的に考えるとパーキンソン病では基本的に『心包の気』が不足している状態ですのでそれを補う施術をしていきます。
パーキンソン病とは、1817年にイギリス人医師のジェームズ・パーキンソンが初めて報告した疾患で進行性の脳の中の神経異常が原因で起こること発病するといわれています。
日本国内では1000人に1人の割合で発症しており、約10万人のパーキンソン病患者がいるとも言われています。日本での有病率は外国よりもやや少ない傾向にあるといわれていますが、高齢化社会に伴い日本でも有病率は増加傾向にあります。多くは、40代以上の方にみられますが、40歳前に発症するケースもあります。70歳や80歳になっても発症するリスクがあり、幅広い年代で注意しなければいけない疾患でもあります。
パーキンソン病の主な症状は4つ挙げられます。
・振戦
安静にしている時に体が震えてしまいます。特に指に多くみられますが、腕や手・足などにも震えが起きてしまい日常生活でも不憫に感じます。精神的緊張で増強することが多いようです。
・固縮
筋肉が硬くなり関節の動きがスムーズにできなくなってしまいます。本人に力を抜いてもらって他人が関節を動かした際に抵抗がみられます。
・無動
全体的な動きが鈍くなります。歩くスピードが凄くゆっくりとなったり、書く字が段々と小さくなるなどの症状があります。また全体的な動きも少なくなってきて瞬きの回数が減ったり、顔の表情が乏しくなります。寝返りをうてないほどとなることもあり、褥瘡の注意も必要です。
・姿勢反射障害
身体の平衡感覚に異常が起きて歩くときにバランスを保つように小股でさらにすり足で歩くようになります。歩いているとなかなか立ち止まれなったり急な方向転換ができなくなるため、物にぶつかりやすくなったり転倒しやすくなったりします。
この4つの代表的な疾患に加えて精神症状や自律神経症状もあらわれることがあります。
・精神症状
うつ状態による意欲の低下や気持ちの落ち込みや不安感、不眠などの症状もあらわれることがあります
・自律神経症状
多汗や全身の血流量低下からくる冷えや排尿障害、便秘や起立性低血圧などの症状も起こります。
精神症状や自律神経症状でパーキンソン病を判断するのは難しいので、特に上記のような『振戦』『固縮』『無動』『姿勢反射障害』の症状がみられる場合は。パーキンソン病の他にも脳腫瘍や脳卒中の可能性もあるのですぐに病院を受診する必要があります。
パーキンソンの原因は脳内のドパミンという物質が減少することによって起きることが知られています。ドパミンは、神経伝達物質で脳の中の黒質という部分で作られますが何らかの原因で黒質の神経細胞が減少して、正常のドパミン量の20%以下となるとパーキンソン病にかかってしまうといわれています。
特にドパミンは、体を動かす機能を調節する役割があるため、減少してしまうと正常な体の動きができなくなってしまうのです。
肝心な部分の黒質の神経細胞が減ってしまうのかという部分はいまだに解明されていませんが、遺伝的な要因であった、環境的な要因が関係していることが推測されています。
パーキンソン病の主な治療は、薬物療法と運動機能低下を防ぐリハビリです。
薬物療法では、ドパミンをドパミン量を増やす薬やドパミン受容体の感度を良くする薬が処方されます。また、精神症状や自律神経症状に合わせた薬も処方されることがあります。
運動療法では、身体の運動機能が低下してしまうことから日常生活の質の向上を目指してストレッチや簡単な運動療法が施されます。リハビリをしていないと運動機能の低下が一段と進みやすいため、自分の症状としっかりと向き合ってリハビリを行うことは重要です。
症例
60代 男性
半年前から身体の異常が現れ始め、徐々に足の震えが酷くなってきた。
動いているときは問題ないが、じっとしていると震えが止まらなくなる。
うつや不安感などといった精神状態は問題ないが、便秘が気になるようになってきた。
病院では薬物療法を勧められたがあまり乗り気ではなく、できるだけ他の方法をと思い当院に通い始めた。
当院の施術
現在みられる症状は、足の振戦と便秘のみで他の症状はまだ現れていませんでした。
しかし筋肉はかなり硬直しており、固縮も少し出はじめているようでした。
震えを止めようとして力を入れているので、余計筋緊張が強くなっていました。
当院では全身の筋緊張緩和と、振戦が現れている足に低周波電気鍼を行い、ドパミンの産生を促す目的で頭部に鍼で刺激していきました。
経過
1回目
あまり変化はない。
2回目~5回目
電気鍼を行っている間は、足の振戦が止まる。
6回目~8回目
施術後はしばらく振戦が軽減するが、徐々に元に戻る。
9回目~11回目
振戦は前回同様。便秘は最近解消してきている。
12回目~14回目
身体に力が入るため、疲れる。
15回目~17回目
進行は止まってきているような気がする。
18回目~20回目
施術後は振戦が軽減する。
清水大地
資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院
まず初めに自律神経測定器で自律神経の状態を把握してから自律神経を整える治療を行っていきます。
自律神経が乱れている状態ですと血流が悪くなりやすかったり、筋肉も正常に働きにくい状態となってしまうのです。自律神経を整えることでふらつきの改善や筋力低下の早期回復を促します。
また東洋医学的観点より背部の肝に関連するツボを刺激したり、首肩の筋緊張を取るような施術を行っていきます。特に複視の状態が強く出ている方は首こりが強く出ている人が多いのでしっかりとコリをとっていきます。
そして、目の周りに鍼を刺してその鍼に電極を繋いで電気を流していくことで神経や筋肉に刺激を与えて複視の改善を図ります。
フィッシャー症候群の施術目的は、まず第一に回復を早めることです。また、重症化を防ぐことも重要です。東洋医学的観点や自律神経を整える、鍼灸施術により筋肉や神経に刺激を与えることでそのような効果が期待できます。
症例1
20代 男性
当院にご来院される1か月ほど前に物が二重に見えてしまうしまって足元もおぼつかずにめまいもひどかったため、すぐに病院に入院した。検査しても最初は原因がわからなかったが、フィッシャー症候群と判明。
1週間ほど入院してステロイド治療などを行った。
発症当初よりは見え方や身体の平衡感覚なども良かったが、まだまだ体調も万全とも言えず、何か他にアプローチ法がないかと当院にご来院される。
経過
発症当初、職場でのストレスも多く、自律神経の状態もあまりよくなかったご様子。首肩コリも強く、背面の筋緊張が強いような状態でした。
まず、うつ伏せ施術で自律神経のバランスを整えたり、首肩周りの筋緊張の緩和、背部兪穴で肝腎のツボを用いて鍼や電子温灸器などで施術していきました。
次に仰向けとなって目の周りは鍼通電治療を行い、手足やお腹は鍼やお灸の施術を行っていきます。
週に1~2回ほどのペースで施術を受けていただきました。施術3回程はあまり施術効果がみられず、目の疲れや肩こりが少し改善した程度、4回目の施術のあとで複視の幅が狭くなって少し物が見えやすくなったかもとのこと。
5回目の施術後では7~8割がた物の見え方が改善。6回目は2週間空けて施術を受けていただいたが、その後の病院では目の状態はほぼ治っていると言われた。ご本人的にも日常生活で複視で困ることはなくなったとのことでした。
目の疲れや首肩コリは仕事などで感じることもあって1~2か月に1回程のペースでお身体のメンテナンスのためご来院されています。
症例 2
40代 女性
3週間前に物が二重に見える複視の症状が出た。フィッシャー症候群と診断され、入院しステロイド治療を行った。約10年前にもフィッシャー症候群を患ったことがある。複視と右目の眼瞼下垂がある。
施術
目の周りの血流改善や、筋肉・神経に刺激を入れるため、目の周りに鍼通電とお灸を行いました。目の血流には首肩のコリの緩和が重要なため、首肩の筋肉にも鍼通電を行いました。また、免疫力の向上、体の回復力の向上のため、全身的な自律神経調整施術も同時に行っていきました。
週に1、2回のペースでご来院された。
一~二回目
症状に変化はない。
三〜五回目
右目に比べ、左目の動きがよくなってきたため、複視の程度が少し改善された。
六〜七回目
目の動きの左右差がほとんどなくなった。右目の眼瞼下垂もほとんど治った。
八〜九回目
複視の症状はほとんど治ったが、目の動きに少し違和感がある。
十回目
複視の症状は治った。目の動きの違和感や、右目の眼瞼下垂が少し気になるため、来院ペースをあけてご来院中。
東洋医学では目と五臓六腑の『肝』は深い関係にあると言われています。肝の機能低下は目にあらわれやすく、フィッシャー症候群による複視の症状は東洋医学的には肝の機能病変と捉えることが多いです。
東洋医学の肝の機能は、西洋医学の肝とは少し異なります。東洋医学の肝の機能は、主に
・肝は疏泄を主る
気をすみずみまで行き渡らせる機能を肝はになっています。その作用としては、情緒を安定させたり、精神状態を正常に保つことです。また肝は自律神経系を介して体のそれぞれの機能を円滑に行われるように調整する重要な役割がります。
・肝は血を蔵する
肝は血の循環にも深く影響を与えています。肝は血を貯蔵して必要に応じて供給や消費を促します。自律神経系の血管を収縮や弛緩をさせて体内各部の血流量を調整する機能に似たものです。
・肝は筋を主る
肝は筋膜・腱の緊張を制御して関節運動を調整する機能を担っています。
フィッシャー症候群とは、自己免疫疾患の一つで難病指定されている疾患です。フィッシャー症候群に罹る確率は日本で200万人に1人という非常にまれな疾患で特にかかりやすい年齢や地域差などはありません。ただし、日本人における症例報告ではやや男性にかかりやすいことがわかっています。
フィッシャー症候群が発見されたのは1956年でミラー・フィッシャーという学者が発見してギランバレー症候群の亜型と位置付けることが提唱されました。フィッシャー症候群は難病指定こそされていますが、命の危険性が低い病気だと言われています。今までの多くの症例では発症して数ヶ月で治癒していくことが多いですが、稀に重症化してギランバレー症候群に移行することもあるので注意が必要です。
※ギランバレー症候群
ギランバレー症候群は、自己免疫疾患で難病指定されている疾患です。命の危険性の低いフィッシャー症候群とは違いギランバレー症候群は症状が進行すると命の危険性もあるとても怖い病気です。症状としまして手足に力が入らない・呼吸機能の低下・食べ物が飲み込みにくくなる・しゃべりにくい・顔面麻痺・複視などがあります。
フィッシャー症候群の症状は、フィッシャー症候群の3主候といわれる代表的なものが3つあります。
まず、ひとつは物が二重に見える複視の症状です。フィッシャー症候群にかかってしまうと初めに高い確率でこの複視の症状が出ます。これは、視神経が受ける自己免疫反応や眼筋が麻痺することで眼球を動かす筋肉が上手く働かなくなるため複視の症状を呈します。視神経が受ける自己免疫反応では視力の低下がみられたり、眼振による回転性のめまいが出ることもあります。
眼球運動は、外眼筋と言われる上直筋・下直筋・内側直筋・外側直筋・上斜筋・下斜筋の6つの働きによって複雑な運動を可能にしているのです。このどれかの筋肉に不具合が生じてしまいますとその筋肉の作用する方向の眼球運動が難しくなるため、左右の視点が合わなくなり複視の症状が起きてしまうのです。
また、常に目の焦点が合っていないような斜視の症状や機能していない筋肉を周りの筋肉がカバーしようとして目の筋肉の疲れが溜まりやすくなってしまうのです。
腱反射消失
腱反射とは身体の正常な反応の一つでわかりやすく言いますと、膝のお皿の下をたたくと足が自然と伸びるという反応です。これは腱の重要な反応であり、フィッシャー症候群の場合膝の腱反射消失が主に現れることで歩行が上手くできなくなり、歩行中にふらついたりつまづきやすくなってしまうのです。
運動失調
フィッシャー症候群は、運動ニューロンの障害によって筋肉が上手く動かせなくなったり、姿勢を保つことや四肢の痺れ、顔面神経麻痺などの症状も起きる可能性があります。
日常生活の中でもふらつきや筋力低下による歩行困難や自分で食事を摂れなくなるなど生活の質を大きく低下させてしまします。
これらの症状が重く出ている時は日常生活も一人ではままならない状態となってしまいますが、日本での症例報告によりますと日本人50人のフィッシャー症候群にかかった人の予後をみると運動失調は発症から平均1か月で消失、外眼筋麻痺は発症から平均3か月で消失したとの報告があります。トータルで見ると発症から6カ月時点で運動失調・外眼筋麻痺はほぼ消失しています。ただし、例外として軽度の複視が後遺症として残ってしまったという報告もあるようです。
フィッシャー症候群は、血清ガングリオシド抗体が増えすぎてしまい自分の体を攻撃してしまう自己免疫疾患と考えられています。しかし、まだまだ不明な点も多く、なぜ増えすぎてしまうことで自分の体までも攻撃してしまうのかということやそもそも血清ガングリオシドが増えておらず原因不明となっている方も10~20%はいるという症例もあります。
一般的には、フィッシャー症候群を発症する前に風邪や胃腸炎などの疾患に罹っている方が多く、そのウィルスや細菌を排除しようと身体は血清ガングリオシド抗体が体内に増えた状態でフィッシャー症候群にかかる方が多いようです。ただし、ウィルスや細菌を排除しようと体内に血清ガングリオシド抗体が増えることは異常ではなく、誰にでも起こる反応です。これがなぜ運動神経に悪さをして複視や運動失調などといったフィッシャー症候群の症状を発症するまでかははっきりとは解明されていないのです。
フィッシャー症候群は200万に1人というめずらしい疾患のため総合病院などの比較的大きな病院で発覚・治療することが多いです。
フィッシャー症候群は確立された治療法はありません。しかし、ほとんどの患者さんが半年以内に自然回復することから積極的な治療は必要ないとも言われています。
まれにギランバレー症候群に移行したり、重症化して複視などの後遺症が残る危険性もあり、注意が必要です。重症化した場合は、免疫ブログリンを大量投与することで進行を抑えたり、血漿浄化療法という血液を機械で取り出して不要物を取り除く人工透析のような治療法が行われることもあります。
当院では、詳しく問診した後に自律神経測定器で自律神経の状態を計測していきます。問診結果や自律神経の状態を知ったうえでその方にあった治療経穴や治療臓腑を決定していきます。
まず、胸やけや呑酸などのストレスで自律神経がさらに乱れていることも多いため自律神経の状態を整える自律神経調整療法を中心に特に逆流性食道炎の人に多い五臓六腑の『胃』と『肝』の状態を整えていきます。
当院の施術は、東洋医学の観点により少しでも逆流性食道炎を改善できる機会を提供することを心がけています。病院での処方されたお薬の服用と並行して施術を受けていただくことも可能です。
逆流性食道炎で東洋医学では五臓六腑の『胃』と『肝』の機能が低下してしまうことにより『胃気上逆』という症状が起きてしまって発症していると考えられています。
通常、『胃気』が下降しないといけないのに胃の機能が低下することで胃気が停滞または逆に上に昇ってしまうことで逆流性食道炎の主症状である胸やけや呑酸などの症状を呈してしまいます。
また、『肝気』は過度なストレス・イライラ感などで上昇しやすくそれが『胃気』にも影響を与えてしまい、『胃気上逆』症状を呈してしまいます。
脾
食べ物の消化吸収、輸送を調整して、吸収した栄養を全身へ振り分ける働き
脾の働きが低下すると水分代謝が低下して吐き気や胃もたれむくみなどが表れる
脾胃が弱ってしまう主な原因は、暴飲暴食や脂っこいもの、甘いもの、冷たいものの食べ過ぎなど食生活の乱れです。これらは消化に負担をかけるため消化器の働きに悪影響を及ぼします。
胃腸が弱くなると気や血の流れが滞り、元気がなくなります。
エネルギー不足を予防するには食べ過ぎ、飲み過ぎに気をつけること。そしてリラックスを心がけて生活するようにしましょう。
脾胃を元気にする食養生
暴飲暴食をさけ、消化の良い食べもので養生してください。
とくにおすすめはイモ類。
さつまいものお粥は脾胃にやさしい
ヨーグルトなどはお腹に良いとされがちですが、中医学では脾胃が弱っている時は避けるべきと考えられます。ネバネバ系の食材も消化には時間がかかるので注意してくださいね。
●深呼吸で気を巡らせる
●食後に足踏みをする
●少しでも早く寝る
このような点に注意して生活をして頂くと逆流性食道炎の回復が早いです
症例 1
40代 男性
仕事は主にデスクワークで終電近くまで働くことが多かった。仕事が忙しいと仕事が終わって帰宅してから暴飲暴食をすることが多々あった。暴飲暴食をしても30代の頃は特に体の調子は悪くならなかったが、40歳を境にして胃の不快感や全身の気怠さなどを感じるようになってしまった。
ある時、喉の違和感や胃の痛みを感じたため、病院で検査を受けたところ逆流性食道炎と診断された。薬を処方されたがあまり改善されずに当院にご来院された。
当院の施術
まず自律神経測定器で自律神経の状態を計測していきました。仕事や家庭でストレスを抱えており、自律神経が乱れている状態だったのでまず自律神経を調整する治療を行い、それから東洋医学的観点から施術していきました。
食生活もあまり変えていなかったということで食生活の改善も指導していきました。
治療経過
◇1回目◇
治療後、リラックスできてよく眠れたとのこと。胃の不快感も少し軽減。
◇2回目◇
治療後は胃の不快感が軽減するが、2日後くらいにはまた戻ってしまう
◇3回目◇
全体的に体の調子が改善されている感じとのこと
◇4~5回目◇
胃の不快感は少しずつ軽減
◇6~8回目◇
食生活も見直して胃の不快感はほぼ感じなくなった。
症例 2
60代 女性
40代半ばから食後に胃の不快感やげっぷ、胃酸が逆流することがたびたびあった。他にも、子供のころから頭痛や便秘に悩まされている。
当院の施術
子供のころから便秘や頭痛に悩まされており、自律神経のバランスが乱れやすい体質だと考えられる。胃腸の働きが正常に行われるよう、自律神経の調整を行っていきました。また、触診では肩の筋緊張が強く、筋緊張を弛緩させるような施術も行いました。強い刺激が苦手なため、鍼とお灸で施術を行いました。
施術頻度は週に一回。
一回目
施術後は、身体の力がぬけリラックスできた。
二回目
胃腸の調子は悪くない。食事をなるべく野菜中心に変えた。
三~五回目
便秘もなく、胃腸の調子は良い。睡眠がしっかりとれるようになった。
六回目
自宅で台座灸を行うようになり、胃の不快感や逆流する症状はない。
逆流性食道炎に対する鍼灸治療の効果については、近年の研究で一定の症状改善が報告されています。
主な効果
胸焼け・呑酸の軽減:複数の臨床試験で、鍼灸治療(特に鍼)が胸焼けや胃酸逆流の頻度・強度を低下させたと報告されています。
胃もたれや腹部膨満感の緩和:消化管運動を調整する作用が関与している可能性があります。
再発率の低下:中国の研究では、PPI(プロトンポンプ阻害薬)と鍼を併用した場合、PPI単独よりも再発率が低かったとするデータがあります。
研究データの例
- 2023年のランダム化比較試験(RCT)では、8週間の鍼治療を受けた患者は、偽鍼(シャム鍼)や標準治療群に比べ、症状スコアが約40%改善したとされています。
- メタ分析(2021年)では、鍼灸をPPIと併用した場合、PPI単独より症状改善率が1.5倍高かったと報告されています。
自律神経調節:迷走神経を刺激し、胃酸分泌の抑制や食道下部括約筋の緊張を高める可能性があります。
抗炎症作用:鍼が食道粘膜の炎症反応を軽減するという動物実験データがあります。
内臓感覚の調整:過敏になった内臓感覚(痛みや不快感)を鎮静化する効果があります。
心理的ストレスの軽減:ストレスが逆流性食道炎を悪化させるため、鍼のリラクゼーション効果が間接的に症状を緩和する可能性があります。
逆流性食道炎は、近年増えてきている病気の一つです。以前は、高齢となり胃液や胃の内容物の逆流を防ぐ下部食道括約筋などの筋力低下などにより、比較的年配の方が患っていた病気ですが、近年では食生活の変化により20代・30代でも逆流性食道炎に悩まされていることも多くなっています。
逆流性食道炎は、食べ物を消化するための強い酸性をもっている胃酸や消化酵素を含んでいる胃液が逆流してくるため、食道を傷つけてしまいます。
症状としては胸やけや吐き気などが挙げられますが、これくらいの症状では治療を受けないという方もいらっしゃいますが、逆流性食道炎を放置したままにしておいてしまうと重症化してしまう場合もあり、食道がんや吐血などの原因もなってしまうため放置しておくと取り返しのつかない状態となってしまいます。
通常、胃に入った飲食物は逆流しないような体の仕組みが働いています。しかし、何らかの原因で胃の中の飲食物や胃液が逆流してしまうことにより、食道を傷つけて様々な症状を呈します。
・胸やけや吐き気、呑酸
胃の中で食べ物を消化するための強い酸性を持つ胃酸が逆流してしまい食道が炎症を起こしてしまい胸やけを引き起こしてしまいます。逆流性食道炎で一番多い症状です。
また、胃酸が口の中にまで昇ってくることもありその場合、酸っぱい胃酸の味がします。それが原因で吐き気が実際に吐いてしまう場合もあります。
・ノドや胸の違和感及び痛み
上がってきた胃液が食道やノドの部分を炎症させて傷つけてしまう場合もあります。その場合、ノドや胸に違和感や痛みを生じます。狭心症のような胸を締め付けられるような強い痛みを感じる場合もあります。
・声がれや咳症状
上がってきた胃液が声帯や周りの神経を刺激してしまうことで声がれや咳が止まらなくなってしまうこともあります。
上記のような症状が主な逆流性食道炎の症状です。このような症状ですと特に20代・30代などの若い年代では余程のことがない限り、病院を受診することはないかもしれません。
しかし、このような症状を放っておいてしまうと、病気が重症化してしまう可能性もあります。
逆流性食道炎を放置したままにしてしまうと下記のような症状が現れてしまう可能性があります。
・食道がん
逆流性食道炎が慢性化してしまい、食べ物を食べた後常に食道が炎症や潰瘍を起こした状態ですと、細胞の変異が起きやすくなってしまうため、食道がんにかかって今うリスクが高まってしまうと言われています。
・バレット食道
バレット食道はロンドン大学の医師が発見した病変です。食事を摂る度に胃の内容物が逆流してしまい、食道を傷つけて食道の粘膜は傷つけられ回復してまた傷つけられるということを繰り返しすことにより、体が勘違いを起こしてしまい、食道の粘膜も胃の粘膜だと認識してしまいます。すると食道の粘膜が胃の粘膜に変化してしまうのです。
バレット食道に悩まされている逆流性食道炎の方は多く、腺がんなどの発がんの危険性があります。
・吐血
胃酸の逆流が強く、ひどく食道を炎症や潰瘍で傷つけてしまうと吐血することもあります。
・食べ物が飲み込みにくくなる
食道が炎症がおきて回復を繰り返すことにより、食道の内膜が硬くなり皮膚が引きつられて食道が狭くなってしまいます。食べ物を飲み込む時に痛みや飲み込みづらくなってしまいます。
・睡眠障害
横になるとさらに胃液が逆流しやすくなるために胸やけや口の中の不快感などにより睡眠を妨げたり、睡眠の質の低下につながります。
逆流性食道炎は元々欧米人に多い疾患でした。しかし、現代の日本では食生活の変化や過度なストレスなどにより増加傾向にあります。
通常、飲食物や胃液などの胃の内容物は食道に逆流しないように食道と胃の境目にある下部食道括約筋などの活動で逆流を防ぐ体の仕組みがあります。また、万が一食道に逆流してしまった場合でも唾液を飲み込んで胃の戻すことや唾液で胃液を薄めて炎症で傷つけられることを防いでいます。
これらの逆流を防ぐことが様々な原因でできなくなってしまったのが、逆流性食道炎です。主な原因としまして
・食生活の欧米化
以前の日本人は和食が食の中心であり、脂肪分の多い食事や肉類・乳製品はあまり食べませんでした。しかし、現代では洋食を食べる機会が増えて、脂っこい食事や脂肪・たんぱく質の多い食事を摂るようになり、消化に時間がかかるようになったり、脂肪分の多い食事を摂ったときに分泌されるコレシストキニンの作用によって下部食道括約筋が弛緩されやすくなってしまうことにより、逆流性食道炎の原因となってしまいます。
・暴飲暴食
暴飲暴食は、体にとって何一ついいことはありませんが、逆流性食道炎の場合でも例外ではありません。一度にたくさん食事を摂ってしまうと胃が拡張して下部食道括約筋が緩みやすくなってしまうため、逆流性食道炎にかかってしまう危険性が高まります。また、肥満の人ほど食べ物を多く食べたときに起きる一時的な下部食道括約筋の弛緩が大きいことがわかっているので注意が必要です。
アルコールの摂取も胃や食道によくありません。アルコールは胃酸の分泌を促進させますし、コレシストキニンの分泌を促進させるために下部食道括約筋が緩みやすくなってしまうのです。
・加齢による筋力低下
高齢となるとどうしても筋力が低下してしまいます。それは、内臓の筋肉も例外ではありません。飲食物を運ぶ食道や胃の蠕動運動も低下して下部食道括約筋の働きも悪くなってしまいます。また、唾液量も低下することから食道を傷つけやすくもなってしまいます。
・猫背姿勢
背中から腰かけて丸まった猫背姿勢となると胃の中の圧力が高くなってしまうために胃の内容物が逆流性食道炎しやすくなってしまいます。これは高齢者に多くみられます。
・過度なストレス
自律神経は胃腸などの飲食物の消化運動を主っています。過度なストレスで自律神経が乱れると消化運動にも支障をきたすため、逆流性食道炎の原因となる可能性があります。また、ストレスは食道粘膜の胃酸に対する感受性を高めてしまいます。
逆流性食道炎の検査では、主に内視鏡検査が中心となります。口か鼻から内視鏡を入れて食道の状態を検査します。いわゆる胃カメラといわれるものです。逆流性食道炎の症状は食道がんと似ている部分もあるため、上記のような逆流性食道炎の症状が出ている場合は一度病院での検査をお勧めします。
病院での逆流性食道炎の治療は、主に薬物療法が中心となります。胃酸分泌抑制剤や消化管運動機能改善薬が処方されます。
その他、食生活などの生活習慣改善の指導が行われます。
・食生活の改善
肉類中心の食事は避けて脂肪分やたんぱく質の多い食事は避けましょう。また、香辛料の多い食事やチョコレート・ケーキなどの甘いもの、ミカンやレモンなどの酸味の多い食事も控えるようにしましょう。
もちろん食べ過ぎも禁物です。
・アルコールやコーヒーも控える
アルコールは胃酸の分泌を促進させるので控えましょう。また、コーヒーに多く含まれるカフェインも胃酸の分泌を促進させてしまいます。
・適度な運動習慣
肥満は下部食道括約筋が緩みやすいことが知られていますので、運動習慣を持つことで肥満解消させましょう。また、適度な有酸素運動は、自律神経を整える役割もあります。
・普段の姿勢
猫背姿勢は胃を圧迫させて逆流性食道炎の原因となってしまう可能性があるため、長時間の猫背姿勢は避ける必要があります。
・食後の2時間は横にならない
食後の1~2時間は胃酸の分泌が活発に行われるためその時間に横になってしまうと胃液が逆流しやすくなってしまいます。食後の2時間は横になるのを避けましょう。
・お腹を締め付けない
ベルトやコルセットを強く巻いていると腹圧が上がることで胃液が逆流しやすくなってしまいます。特に食事中や食事後はベルトやコルセットは普段よりも緩めるようにしてください。