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手根管症候群の治療

金曜日, 7月 17th, 2026

①手根管症候群に対する当院の鍼灸治療

 

手根管症候群の鍼灸治療ポイント

 

当院の手根管症候群に対する治療の目的は、第一に手首付近のツボや痛みの強い部位に鍼をさして微電流を流すことにより血行を良くします。手のひらは痛点が多く存在するためはり施術に伴う痛みを感じやすく、お灸刺激で対応する場合が多いです。

橈側手根屈筋の腱は手根管を通るので橈側手根屈筋に圧痛が出る場合が多く橈側手根屈筋をねらって鍼をさします。また鍼を刺すことにより痛みを感じる閾値を上げて痛みを感じにくくする作用を促します。

手根管症候群は五臓六腑の「」と「」に深く関係しているので肝と腎に関するツボを用いて肝血や腎気を補うことや手首の気血の流れをよくします。

また「風寒」や「湿」の邪気によって引き起こされる場合はそれらを体外に出す治療が必要になります。

手根管症候群を患っている方は、仕事や家事を多く抱えており、過度な精神的なストレスを抱えている方がほとんどです。また、50歳代女性では、親の介護が加わったり、女性ホルモンの変化により自律神経が乱れやすくなっています。

そこで当院では、自律神経測定器で自律神経の状態を測定して患者さんに合った的確な施術が可能です。他にはない効果が生み出せるのです。

手根管症候群の鍼灸治療

 

②手根管症候群の東洋医学的考え

 

中医学では手根管症候群は、手首付近の気血の運行がスムーズにいかずに気血が滞り、それが痛みやしびれの原因となると考えられています。
寒く風のあたる場所にいた際に「風寒の邪気」を受けた時や湿度の高い場所にいて「湿邪」を受けた時、長い間手首を使う仕事をした時などに気血は滞り、それが手根管付近であった場合に手根管症候群を発症する可能性が高くなります。

また中医学でいう「肝」と「腎」の機能が弱ると全身的に血や体液が不足し、筋肉などの様々な器官に栄養を送ることができず、さらに上記の条件が加わると手根管症候群がおこりやすくなります。

両者の関係は深いので「肝腎同源」とも言われており、「肝」と「腎」の症候が同時にあらわれることが多いです。

 

■肝血虚
肝血虚とは中医学でいう「肝」が血を貯蔵して必要に応じて供給・消費する機能と自律神経系の作用を通じて血管を収縮あるいは弛緩させ、体内各部の血流量を調整する機能が異常をおこして発症します。
筋のけいれん・手足のしびれ・目の乾燥感や女性では、月経のおくれ・月経血の過少・無月経などがみられることが特徴です。

 

 

③手根管症候群の鍼灸治療症例

 

症例1

50代 女性
数日前から右手の親指から人差し指にかけて痺れを感じるようになってきた。常に痺れるというわけではなく、パートでのパソコン作業や介護でのちょっとした動作で痺れと痛みを感じる。朝起きてから30分ほどしびれが強く感じる。整形外科を受診したところ手根管症候群と診断され、湿布薬と飲み薬を処方されたが、改善されずに当院にご来院されました。 最近、パートでの仕事と母の介護が加わり、とても多忙な生活を送っていたことが一つの原因と考えられるとのこと。

 

当院の治療
自律神経測定器の結果自律神経の乱れ・特に交感神経の過亢進状態でしたので最初に自律神経を整える施術をしてから頸部・肩部・右手首を中心に施術いたしました。親指のしびれが特に強い状態でしたが、首や肩のこりも症状として強く出ており、そちらのほうのアプローチも重要だと感じました。

また、仕事や介護でストレスが溜まり、体の回復力も低下しており、本題の治療に入る前に自律神経を調整する施術を行ってからの方が治療効果が上がると考えます。

 

治療経過
◇1回目◇
治療後手のしびれは、さほど症状に変化がなく、逆に少ししびれを強く感じた。血流が良くなった好転反応と考えられる。

◇2回目◇
前回と同様の体が起こった。

◇3回目◇
首や肩のこりを感じにくくなった。痺れもいくらか落ち着いてきた様子。

◇4回目◇
体に元気がとり戻ってきた自分自身感じ、手のしびれもそこまで気にならない。

◇5回目◇
日常生活でほぼ支障なく生活できる。

◇6回目◇
前回の状況とは変わって、気温低下とストレスによって痺れ症状が強く出た。

◇7回目◇
痺れの辛い症状は治療後すぐに消えてきて、体が軽くなった。

◇8回目◇
日常生活でほぼしびれを感じなくなった。首・肩こりも楽になった。

 

症例2

30代女性

妊娠6か月でのご来院。ホルモンバランスの変化やむくみやすくなっているせいか右手首の痛みや指先のしびれを感じるようになって整形外科を受診したところ手根管症候群の診断を受けた。

妊娠中のため薬は処方されることなかったため、インターネットで鍼治療で良くなることがあるとのことで当院で鍼治療を受けにご来院されました。

午前中に一番症状が強く、痺れや痛みで日常生活でも支障が出てしまう。

治療

仕事や家事で右手首をよく使う・手首をかばって作業をしているせいか肘周りや肩周りもコリを感じて痛む時があるとのことで右上側臥位でまず首肩回りや肩甲骨周りの筋緊張を緩和させていきました。

鍼治療が初めてということもあり、刺激量は抑えつつ治療回数を重ねるごとに段々と鍼通電療法などを使うなどして刺激量をあげていきました。

一回目の治療後、首肩回りなどが軽くなり、なんとなく身体が楽に。しかしまだ右手首は変化がみられない状態。

2回目・3回目も身体は楽になるが手首の変化はまだ見られませんでした。

4回目以降、手首の鍼通電治療なども用いて刺激の量を上げていき、徐々に右手首の痛みが緩和。痛みが取れてきて段々と痺れ症状も良くなっていきました。

最後指先だけ少し痺れが残りましたが日常生活では全然気にならなくなってとのことで治療を終了。

 

症例3
30代 女性
1週間ほど前から右の示指と中指にしびれを感じるようになってきた。整形外科を受診したところ手根管症候群と診断され、ビタミン剤が処方された。特に痛みは感じないが、しびれが気になるため当院にご来院された。仕事はパソコン作業が長く、腕から手首、手の疲れやこりを日常的に感じる。首肩のこりも気になり、忙しいと痛むこともある。

施術

触診では、首から肩、右腕の筋緊張が強くみられたため、鍼通電療法を用いて筋肉を弛緩させるような施術を行いました。手関節には血行促進のためお灸を行いました。また、仕事の忙しさから疲労や眠りが浅いといった症状も出ていたため、体を休ませ全身的な血流改善を目的に自律神経調整の施術所も行なっていきました。 

一〜二回目
あまり変化を感じない。

三回目
しびれの場所は同じだが、軽くなっている。深く眠れるようになった。

四~五回目
しびれの度合いはだいぶマシになってきた。ただ、仕事で腕を使うことが多いため、肩や腕の疲れは感じている。

六回目

手のしびれは消失した。深く眠れるようになったため、身体も以前よりは疲れは感じない。

 

症例4

30代 男性

仕事でシステムエンジニアをしており、右手親指・人差し指の痺れと、キーボード打鍵時の違和感が出るとのことで来院されました。

1日10時間以上のPC作業による手首の過度な背屈(反らし)と、マウス操作時の手の長時間の緊張が原因で発症したのではないかと推察する。

手首の「屈筋支持帯」が肥厚して手根管内の内圧が高まり、正中神経を絞扼。親指から薬指橈側の痺れに加え、初期の母指球筋力低下(ピンチ動作の不調)が見られました。

 

当院の治療

治療局所の除圧と、神経伝導の改善を目的に週1回のペースで実施しました。

手首の大陵、内関には、正中神経に触れないよう慎重に直刺して周囲の浮腫を軽減。前腕部の孔最や手三里へ刺鍼し、屈筋群の緊張を緩めました。さらに、軽度の対立運動低下に対して、魚際と合谷に低周波パルス(電気鍼)を通電し、廃用性萎縮の防止と筋収縮を促しました。あわせて、頸神経根の環境改善を狙い、頸部の**挟脊穴(C6-C7)**にも置鍼しました。

経過

​◇初回〜3回目◇

施術直後は手首の軽さを感じるものの、仕事後半には痺れが戻る一進一退の状態。PC作業時のパームレスト使用を指導。

◇4回目(1ヶ月後)◇

 夜間や早朝に強く感じていた不快な痺れが約半分に減少。キーボードを叩く際の指の引っかかり感も軽減。

◇8回目(2ヶ月後)◇

日常生活での痺れはほぼ消失。マウスを長時間握った際にわずかに指先が気切する程度まで回復。きれいな「Oリング(涙のしずくサイン陰性)」が保持でき、母指球の筋力も正常化した。

​現在は月1回のメンテナンスに移行し、再発なく業務を継続しています。

 

④手根管症候群とは?

 

手根管症候群の主な症状

手根管症候群とは、手首を通っている正中神経が手根管という部位で炎症・骨折・奇形・腫瘍などにより圧迫されて痛みを生じる病気です。
正中神経は、上腕動脈とともに上腕の深い所を通って前腕を経て手根管に入って、手に至ります。手首を曲げる動作や腕を内側に捻る動作、手指を曲げる動作の筋肉を支配して、皮膚感覚としては手のひらで薬指を境として親指側を支配しています。

手根管とは、手首の手のひら側で、骨と靭帯に囲まれたトンネル状の部位のことをいいます。手首の骨は凹のアーチ形に並んでおり、その表面を幅2~3cmの屈筋支帯という靭帯が橋渡しをして、その下に手根管をつくります。

その手根管の中を手首を曲げたり親指側に倒す橈側手根屈筋の腱や親指を曲げる長母指屈筋の腱と親指以外の指を曲げる浅・深指屈筋の腱が通ります。手根管の中を走る腱は摩擦が少なく円滑に動くことができるように滑液鞘で包まれています。

また手根管の狭い管内を多くの腱とともに神経(正中神経)が通過します。主に手根管症候群とはこの正中神経が何らかの理由で圧迫されて発症する神経障害の一種です。

症状としては知覚障害運動障害などがあります。
手根管症候群

知覚障害
初期には人差し指や中指がしびれて痛みがでて、最終的には親指から薬指の親指側半面の3本がしびれます。症状は明け方強く、目を覚ますと手がしびれ痛みがありますが手を振ったり指を曲げ伸ばしすると楽になります。

運動障害
進行すると親指の付け根の母指球筋という筋肉が痩せてきて、細かい作業が困難になります。母指球があることでできていた親指が他の指と向き合う運動(対立運動)ができにくくなり、鉛筆を落としたり、OKサインのような指の形などもできにくくなります。またつまみ動作がしにくい、ボタンをかけにくい、箸が扱いにくいなどの細かい作業もできにくくなり、日常生活に支障が出てきます。

通常、手根管症候群は利き腕の片側性に発症しますが、50%の方には両側性にも同疾患があり、発症年齢は20~90歳代にわたります。50歳代の女性に一番発症しやすく、女性ホルモンの乱れが原因とも考えられています。
簡単な診断法として手根管症候群の方は手首を打鍵器などでたたくとしびれや痛みが指先にひびきます。また手首を直角に曲げて手の甲を合わせて保持し、1分間以内にしびれや痛みがが出るかどうか見ます。

 

 

⑤手根管症候群の原因

手根管症候群は特別な原因が見当たらないことが多いのですが、手の使い過ぎや肥満、妊娠などの他に糖尿病、甲状腺機能低下症、痛風、それに慢性関節リウマチなどの全身疾患が原因と考えられています。近年では、長期血液透析に伴う患者が増えています。

ⅰ)手の過度の使用による手根管症候群:手を酷使する人の腱消炎
ⅱ)むくみなどによる手根管症候群:妊娠や肥満
ⅲ)圧迫による手根管症候群:骨折や腫瘍による手根管の圧迫
ⅳ)アミロイド沈着による手根管症候群:血液透析によるアミロイドという物質の沈着

 

日常生活上での注意点

手根管症候群で炎症症状が強く出ている場合はまず安静にして炎症を引かせることが重要です。さらに炎症が強い急性期の場合では、氷水で炎症部位を冷やしてアイシング治療を行うことも早く炎症を冷やすのに効果的です。何もしてなくても手首が痛む場合や夜間痛がひどい場合では炎症が強く出ている危険性があるのでアイシング治療が有効です。

痛みの強く出る急性期が過ぎたら手指や腕にかけての筋肉をほぐしていきましょう。ストレッチや軽く自分で筋肉をもみほぐすことで手根管内の圧力を軽減させる効果が期待できます。注意点としまして痛みが出ない程度に行うことで、痛みの出ている周囲の筋肉をほぐすことです。

 

あまり過度に揉んだりストレッチでほぐしたりしてしまうと周りの組織が傷ついてしまい、炎症が起きる危険性があります。

その他日常生活では手根管に負担をあまりかけないように心がけましょう。手首にサポーターを巻いたり、片手で重いものを持たないようにしましょう。それに加え現代はパソコン作業による手首への負担で手根管症候群かかる人も多いです。パソコンの打ち込み作業では、手首の下に丸めたタオルをかませて手首をまっすぐにするようにすると手首への負担が軽減されます。

 

 

複視の鍼灸治療症例

金曜日, 7月 17th, 2026

 

複視症状

 

当院には、複視でお悩みの方が多くご来院されております。複視になってしまった原因も様々で神経麻痺や筋肉の異常、自己免疫疾患、また病院で精密検査を受けても特に原因が分からなかったという方もいらっしゃいます。効果には個人差もございますが、多くの方が複視の程度が軽減されて日常生活が楽になったというお声を頂いております。

発症して早期に施術を受けて頂くほどその効果は良いです。複視症状で悩まれている方は、一度試しにでも施術を受けてみることをお勧めします。

複視の鍼通電療法
複視の鍼通電治療

複視のお灸治療

複視のお灸治療

 

 

複視の鍼灸治療症例

60代 女性
1か月ほど前に急に左目の痛みと圧迫感を感じるようになった。仕事や家事でストレスとなることがあり、その体の反応かなとおもい、体を休めれば良くなると思ってそのままにしておいた。すると2日後くらいから物が二重に見えるようになってしまい特に左側の物が強く二重に見えてしまう。病院を受診したところ左目の外転神経麻痺と診断された。しかし、特に何も処置を行ってもらえずに体を休めるように言われただけだった。目の症状が出てきて耳鳴りや左顔面部の痛み・頭痛も出るようになってきてしまった。

治療
触診の結果、頚部の筋緊張が強く出ていました。そのほか自律神経のバランスも悪く、症状が出てからは不安で眠りも浅いとのことでした。
まず、うつ伏せ施術で首肩の筋緊張の緩和と東洋医学の肝と腎の経穴を中心にはり灸施術を施していきました。次に仰向けとなり左目中心の施術と自律神経のバランス調整を行っていきました。

◇1回目◇
1回目の治療後、身体のだるさが強く出て家に帰ると直ぐ眠ってしまったとのこと。次の日身体は軽く、左首肩・頭痛症状は半分程度に軽減。左目の痛みや複視症状は改善は見られない

◇2回目◇
2回目治療後、左目の動きが少し良くなったと感じた。正面を凝らしてみると複視は起こらない。動いているものを見るとまだ複視状態。

◇3回目◇
耳鳴り症状が半減。寝つきが良くなったとのこと。目の症状は2回目以降変化なし

◇4回目◇
右目も何となくまぶたの重たさを感じたとのことで右目も施術。

◇5回目◇
頭痛薬を飲む回数が明らかに減少。以前は飲んでもう頭痛が治まらなかったが今は薬の効果も感じられる。

◇6回目◇
左目の動き改善。日常生活ではほぼ複視の症状で悩まされない。動きの速いものをみるとずれる時がある。病院でも左目の動きが良くなっていると言われたとのこと

◇7回目◇
早い動きの物にも目が慣れるようになってきた。しかし、注意してみるため、目の疲れは感じやすいとのこと。

◇8回目◇
右目のまぶたの重たさ軽減。視力も良くなったとのこと。

 

 

症例②

60代男性
2週間ほど前から新聞やパソコン画面がぼやけて見えるようになってきた。以前から遠くのものは見えづらく、視力の低下を感じていた。最近近くのものが見えづらくなってきたことから老眼の症状が始まったかなと感じていた。しかし、2週間ほど前から近くのものを見ることがつらくなってきて徐々に二重に物が見えるようになってしまった。
日常生活でも不自由を感じていてあまりに症状がひどくなってしまったので眼科を受診したところ、右目の動きが悪いため二重に物が見えていると言われた。確かに右側に視線をやると二重の幅が広がるとのこと。しかし、なぜそのような状態になってしまったのかという原因は眼科の検査でもわからずに経過観察と言われた。

 

治療
以前、交通事故に遭った時に頸部を損傷して常に首に違和感を感じているとのことでした。たまにひどい時は整形外科でけん引してもらっていた。触診してみると頸肩の筋緊張が強く、それも何かしら目に影響を与えていると考えられたのでまずうつ伏せ施術で頸肩に鍼通電療法を施した後に仰向けとなり自律神経の調整施術と右目を中心に目周囲に鍼通電療法を施していきました。

◇1~3回目◇
3回目までは目についてはあまり変化がみられなかった。頸肩の筋緊張はいくらかほぐれている。

◇4回目◇
4回目の施術終了後から真正面のものは二重に見えることがなくなった。普段複視症状がつらく、片眼で見るための眼帯をしていたが眼帯せずに過ごせるようになった。

◇5~8回目◇
徐々に右に視線をやっても複視になる範囲が狭くなってきた。8回目終了後には日常生活には支障なく過ごせるようになった。

◇9~12回目◇
たまに集中して近くのものを見て目を使った時は複視症状が出る時もあるが以前のようなつらさはない。その日しっかりと睡眠をとると複視症状は回復できる。まだ電車内などで速く動いている物を目でとらえようとすると目が追い付かない感じがあるが普段は全然複視症状は気にならなくなった。

 

 

症例③

30代 男性
当院にご来院される2週間前から複視の症状が出た。複視は像が上下にずれてしまうタイプで近くが大きくずれてしまい、遠くの物を見ても少し像がずれてしまい車の運転に支障が出てしまう。仕事で車を運転するため3週間ほど仕事を休むことになった。
仕事は、朝早くから夜遅くまで長時間労働でたまに夜勤もあり、生活はかなり不規則だった。体の疲れもとても溜まっていて複視の症状が出た可能性があった。病院で脳の検査や重症筋無力症の検査を行ったが特に検査結果に異常はみられなかった。病院では治療は特に行われず安静を指示されたが、ご本人としては何か手はないのかと探していたところ当院のホームページを見つけてご来院されました。

 

治療
普段からの不規則の生活のせいか、自律神経のバランスも大きく崩れていた。首の付け根付近の筋緊張も強く出ていたのでまず初めにうつ伏せ治療で首肩の筋緊張の緩和、背部兪穴の肝・心を中心に施術していきました。次に仰向けとなり目の周りの施術と自律神経のバランス調整治療を行っていきました。

◇1回目◇
治療後、複視のずれ幅が少し改善。日常生活でのつらさが少なくなった。

◇2回目◇
以前は正面を見ても像がずれることが多かったが2回目の施術以降は正面は像が合うようになった。朝方はまだ日常生活でも辛さを感じる

◇3回目◇
視線を左右に動かすとピントがついていかずに像がずれるように感じる

◇4回目◇
4回目治療以降は日常生活で複視の症状が出る事はなくなった。ここで仕事への不安感などから夜寝つきが悪くなったり、突然胸の圧迫感や手足のしびれを感じるようになったとのことで心療内科系疾患への治療へ方針をシフトしていった。

◇5~8回目◇
夜寝つきもだんだんと改善。仕事へも無事に復帰することができたが、仕事している際中にたまに胸の圧迫感やわき腹当たりのはり感などが出ることがあり現在も通院加療中です。

 

 

症例④

50代 男性
当院にご来院される6ヶ月前に転倒して頭部を強打した。すぐに救急病院に行き、処置をしてもらったが、その時から2週間ほどかけて物が二重に見える症状が強くなっていってしまった。特に脳神経の異常は画像診断などで見られなかっため、経過観察となった。お医者さんには、3カ月ほどかけて徐々に良くなっていくと言われ、ビタミンB12が処方された。しかし、6カ月ほど経過しても複視の症状は一向に改善されずに何かほかに治療の手段はないかとインターネットで調べて当院にご来院されました。
ご本人の感覚としては、左目の動きが悪く物が二重に見えているような感覚とのこと。正視の状態では少し左目が内側を向いている。視界以外には、頭部を強打した後遺症は見られない。

 

治療
頸部の筋緊張が強く、特に後頭部付近の板状筋の硬直が見られたので、まず最初にうつ伏せとなり、背部や頸肩部の筋緊張を緩める鍼灸施術を行っていきました。次にうつ伏せとなり、左目中心に鍼を刺してさらに刺した鍼に電気の刺激を加えることで目周囲の筋肉や神経に刺激を与えて症状改善を図っていきました。近く地方に転勤するとのことで2日おきに集中的に治療していきました。

◇1回目◇
治療後若干、左目の動きが良くなったように感じるが、複視の状態は特に変化なし

◇2~5回目◇
左目の動きが徐々に良くなっていっている。以前感じていた頸肩こりも感じにくくなった

◇6~8回目◇
以前はどの方向を見ても物が二重に見えていたが、今は左下のほうだけが二重に見えている状態となった。それ以外は正常に見えている

◇9回目◇
大体正常に見えるようになった。少し左下方向を見ると複視の状態が出るが日常生活ではほぼ支障なく生活できる。しかし、目を凝らして物を見ているせいか目の疲労感を感じやすくなった。目を良く使った日の夜に複視の状態が出る時がたまにある。
治療9回目を終了したころに地方に転勤となったため、生活でのケアの方法などをアドバイスして治療を終了した。

 

症例⑤

70代 男性

1か月ほど前から物が二重に見える複視症状を発症。年齢も年齢なだけにすぐに病院で検査を受けて脳のMRIなどを受けても特に原因が特定されなかったとのこと。

図面など細かいものやパソコンなども仕事で見る機会が多く、目の疲れからくる一時的なものだと医師から言われた。
ビタミン剤を処方されて服用していたが、一向に良くなる気配がないため他に治療法がないかと検索したところ当院のホームページを見つけてご来院されました。

 

治療

図面やパソコンなどの近くの物を見るときも物が二重に見える・左側の視界はさらに二重の幅が大きく感じるとのこと。また、遠くの景色もさらに二重の幅が広くなって気持ち悪くなってしまう。

高齢であることから針の刺激量を少し抑えつつ調整しながら目の周りは電気鍼治療も行っていきました。

◇1回目◇

一回目の治療後、翌日の朝から効果が感じられたとのこと。まず、近くの物が見えやすくなってパソコン作業時や図面を見るときはしっかりと一つに見えるようになった。少し離れたテレビ画面などはまだ二重に見える

◇2回目◇

治療日から日数が経過するごとに状態が少し戻って行ってしまったが、2回目治療後も1回目同様に近くの物が見えやすい。

いくらか遠くの物も二重の幅が狭くなったように感じる

◇3回目◇

3~4メートルくらい離れた物だとほとんど正常に見えるようになった。家の中ではそこまで不憫を感じない。遠くの景色や階段を降りるときはやや少し怖さを感じる。

◇4回目◇

遠くの景色もほとんど一つに見えるが、夕方以降仕事で目を使っていると目の疲れを感じて物が二つに見えるときもあり。

目の疲れを感じた時などにメンテナンスのために通院加療。

 

症例⑥

80代 男性

 

当院にご来院される1か月ほど前から急に朝物が二重に見えてしまうようになってしまった。すぐに病院でMRIなどの検査をしたが、原因がわからずに動眼神経麻痺と診断を受けた。

医師からは経過観察で半年ほどかけて治っていく場合もあるとのことで、特に何も処方されなかったとのこと。

 

特に右眼の動きが悪く、真正面から左側の視界は物がひとつに見えるが、右側の視界は物が二重に見えてしまう。またテレビ画面を見るくらいの距離だと二重に見えてしまう、眼の前ほどに物を持っていくと正常に見える。

 

物が二重に見えてしまうため人との距離感がわからなくなって外で歩く際は、右眼のを隠す眼帯をして何とか歩行している状態。階段も恐々と手すりを持ちながら降りている

 

治療経過

初診時触診をしたところ、頸部の筋緊張も強いような状態でした。まずうつ伏せで首肩や背部兪穴を用いて首肩周りの筋緊張の緩和や五臓六腑の特に肝や腎に関するツボを刺激していきます。

 

次に目の周りに鍼をさして電気を流す鍼通電療法を用いて目の周りの筋肉や神経に直接刺激を与えていき改善をはかります。

 

5回目の施術終了後、だんだんとひとつに見える範囲が広がってきて、右側の視界もひとつに見えるようになってきた。ご家族にも眼球の動きが良くなっていると指摘されたとのこと。

 

施術8回目までだんだんと症状改善していったが、テレビを夜遅くまで見ることが多くなってしまって少し症状がぶり返した感覚。遠くの視界が複視

 

施術10回目以降また症状が改善してきた。以前は、人とすれ違う時が二重に見えてしまうためこわかったが、怖くなくなりテレビ画面もひとつに見えて遠くの視界もひとつに見えるようにだんだん変化していった。

日常生活に支障がない程度に回復。右側に視線をやると少し二重に見えるかなという程度。

 

 

症例⑦

60代 男性       

◇症状◇

3週間前、朝目覚めた時から物が二重に見えるようになった。

脳神経外科を受診したが脳神経、動脈硬化などの異常は見つからず。

眼科を受診し血液検査・超音波検査を行い甲状腺等の異常もなかった。

末梢神経に何らかの異常があるとしてステロイドとビタミン剤を処方された。

発症から2週間ほどは足元も二重に見え、歩くことも困難であった。来院時は足元は多少見えるようになっていたが、まだ周辺はよく見えない状況。

◇当院での治療◇

後頭部から首肩にかけて詰まりとコリがあり、眉間、眼輪筋の緊張が強い。

後頭部から首肩、眼の周りへ鍼通電療法を行った。

・1回目
肩こりが軽減し、眼は二重には見えるが少し良い。

・2回目

朝が特にぼやけて見えるが、活動を始めるうちにピントが合うようになる。
・3回目

遠くはピントが合うようになったが、近くはまだ二重に見える。

・8回目

目線より上であれば近くの物にピントが合うようになったが、目線より下の10cm以内辺りはまだ二重に見える。

12回目以降

二重に見えるラインは薄くなり、検査の数値も改善している。

人混みや階段の下りも不安がなくなっている。

 

橈骨神経麻痺の鍼灸治療

水曜日, 7月 15th, 2026

橈骨神経麻痺とは

橈骨神経とは、頸椎から鎖骨の下部を通り、腋の下を通って上腕骨の外側を回り込み、前腕の筋肉である伸筋に通じる神経で、正中神経や尺骨神経と並び、腕を走る大きな神経の一つで、手首を反らしたり、指を伸ばしたりする神経です。

感覚領域は手の背部で親指、人指し指とそれぞれの水かき部を支配しています。橈骨神経麻痺とはこの橈骨神経が何らかの原因で障害されることを指します。

長時間上腕部に圧迫をかけることで発症することもあって腕枕の状態で発症することもあるため「土曜日の麻痺」や「腕枕症候群」「ハネムーン麻痺」といった通称名も存在します。

橈骨神経麻痺

 

 

橈骨神経麻痺の原因

 

橈骨神経麻痺の原因

上腕部での麻痺の原因は開放創挫傷(ケガ)上腕骨骨折上腕骨外側上顆などの骨折、圧迫などにより生じます。

肘での麻痺の原因はガングリオンなどの腫瘤、腫瘍、骨折などの外傷、神経炎、運動のし過ぎなどによる絞扼性障害によって橈骨神経麻痺の症状が出現します。

しかし、原因が無いのにもかかわらず発症する場合もあります。

 

橈骨神経麻痺の症状

 

橈骨神経は手首や指先の動作に関連した筋肉支配に関与しているため手指や手首を反らしたり伸ばしにくくなります。(下垂手)また、障害部位に応じて親指、人指し指、中指の手の甲から前腕の親指側の感覚が障害されます。

 

 

西洋医学的治療

 

感覚障害の有無や、運動障害をもとにしてなされます。

下垂手や下垂指の所見は重要な判定項目になります。また、神経麻痺では神経が障害を受けた部位を外部から叩くと支配領域に痛みが出現することがあります。

これを「ティネル兆候」といいますが、この所見も診断には重要です。その他、麻痺を生じるようになった原因検索や症状の程度の評価を目的として、レントゲン写真やMRI,エコーなどの画像検査、筋電図検査などが必要に応じて行われます。

 

橈骨神経麻痺の西洋医学的治療

 

外傷や腫瘍などがきっかけとなり発症した場合、観血的な処置(手術など出血を伴う処置)を行うことで原因を排除します。

また、局所の安静のために固定をしたり、ビタミンB12や消炎鎮痛剤の投与などの保存的治療で経過観察を行うこともあります。

また、拘縮(関節可動域制限を起こした状態)を予防するためのリハビリテーションも大切です。保存療法を行っても症状の改善が見られない場合には手術療法が行われることになります。橈骨神経麻痺が進行すると神経障害が持続し、最終的には筋力の低下を呈する危険性もあります。

そのため神経損傷があるものであれば神経剥離、神経縫合、神経移植などが行われます。筋肉の障害が強く、筋力の回復が見込めない場合腱移行手術が選択されることになります。

橈骨神経麻痺の東洋医学的考え方

 

橈骨神経の走行は、東洋医学で考えられている経絡の走行上で『手の陽明大腸経』や『手の太陰肺経』の走行上と似ています。

東洋医学では、大腸経や肺経の気血が滞ってしまうことでその走行上に痛みや痺れが出てしまうことで橈骨神経麻痺のような症状が出てしまいます。

橈骨神経麻痺の当院の鍼灸治療

 

橈骨神経麻痺走行上の筋肉に鍼を刺して電気を流すことで刺激を与えることで回復を図ります。特に上腕部や肘中央部に橈骨神経の絞扼部があることが多いためその部分の筋緊張を取り除いて神経や血管の滞りを解消させていきます。

橈骨神経麻痺の鍼通電治療

筋肉や神経は電気信号で動いています。その筋肉や神経に直接鍼通電療法を施すことによって麻痺の解消を促していくのです。

また東洋医学的観点より、五臓六腑の『』や『大腸』のツボを用いて治療をしていきます。その他、頸部や胸部の筋緊張が原因で神経麻痺が起きることもあるためその部分の筋緊張も取り除いていきます。

橈骨神経麻痺の頸部の鍼灸治療

橈骨神経麻痺の症例

 

症例1

50代 男性

経過

6週間ほどまえに左手を下に寝てしまったことで橈骨神経麻痺を発症。整形外科に通院してマッサージや電気治療、ビタミン剤などの処方を受けたがなかなか改善されなかった。普段から手首が垂れないように添木をして対応。左手の背屈動作がほぼできずに親指辺りのしびれも出ている様な状態

 

当院の治療

まずうつ伏せで首肩回りの筋緊張を見ていきました。頸部の硬さや左肩甲骨外側の筋緊張が強い状態でした。
うつ伏せの施術ではそれらの筋緊張の緩和やその他腰痛の症状もあり、併せて鍼灸施術を行っていきました。

次に仰向けとなり左上肢を中心に施術。左上腕部や前腕部、肘部外側に特に強い固結があり、それらの部分と左手親指の痺れが強く出ている部分と左タバコかの部分にも鍼を刺して電気を流す鍼通電治療を行っていました。

治療経過

一回目の治療後から少しずつ背屈動作ができるようになってきました。鍼通電治療時にも最初は電気を流しても筋肉の収縮反応が全く見られませんでしたが、少しずつ腕橈骨筋などの筋腫縮反応が見えてきました。5回目の施術後には電気鍼治療時に親指が動く反応が初めて見えました。
日常生活で徐々にですが添木を外せる時間も出てきて上腕部の筋肉痛を感じられるようになってきました。10回の施術で病院で8割ほどに橈骨神経麻痺が回復していると言われある程度の動きが出来るようになってきましたが、まだ力入り具合はよくなく右と比べると握力が明らかに低下していました。

13回目の施術後ほぼ橈骨神経麻痺の症状は完治。まだ筋力は少し低下していましたが後は日常生活をこなしていくことで筋力をつけていくということで施術を終了しました。

 

症例2

40代 男性

1週間前に、飲酒後左手を枕にし机に突っ伏して3時間ほど寝てしまい、橈骨神経麻痺になった。下垂手と水かき辺りの痺れの症状が出ている。

整形外科ではビタミン剤が処方された。

普段から鍼灸院に通われており、鍼灸治療で症状を改善したいと思い、当院にご来院された。

施術

麻痺が出ている橈骨神経走行上の筋肉に鍼通電を行いました。左手の動きの悪さから、首肩周りの筋緊張が強く見られたため、首肩へも鍼通電を行いました。

また、症状に対する不安感により、眠りが浅い状態が続いていた。自律神経測定器の結果、交感神経優位、疲労度、肉体的ストレスが高い状態が見られた。副交感神経を働かせ睡眠の質の改善、全身の血流改善を目的に自律神経調整も同時に行なっていきました。

来院頻度は1週間に1回。

一回目
施術後は、首肩周りが軽くなった。

二回目

手首の動きに変化なし。眠れるようになった。

三~五回目

以前よりは手首が動くようになっている。

六回目

手首の動きはほとんど回復した。

痺れの感覚も弱くなり、日常生活で回復していくのを待つ。

 

症例3

20代 男性

2日前に、朝起床したら右手が動かなくなっており、急いで病院へ行ったら検査で何も異常がなく、橈骨神経麻痺と診断された。

発症した前の晩に泥酔してしまい、右腕を枕代わりにして寝てしまったのが原因と考えられる。

右手の背屈が全くできず、指も動きずらい。こぶしを握った状態だとわずかに背屈できる。

少し感覚以上もあり、冷え感を感じる。

仕事は建設業のため、右手が使えないためしかたなく休業している。

いち早く現場に復帰するため当院を受診した。

当院の施術

まず、触診や徒手テスト法をにて手首、腕、首肩などお身体の状態を確認していきました。

背屈は全くできず、手指を開いた状態だとより動かせない状態で、こぶしを握った状態だとわずかだけ動きが見られましたが、ほとんど動かないに等しい状態でした。無理やり動かそうとするため前腕の筋緊張が強く力むためか首肩の筋肉の張りもありました。

施術は橈骨神経の圧迫部や橈骨神経走行ライン上、橈骨神経の支配筋、特に手関節の背屈筋である長橈側手根伸筋、短橈側手根伸筋、尺側手根伸筋に刺鍼し電気を流す、低周波鍼通電療法を行い、筋肉の活動亢進、神経圧迫部の緩和を中心に行っていきました。

頻度は週に2回~3回ペース。

経過

1回目

まだ大きな変化はない。

2回目~4回目

手を開いた状態だとまだ動かないが、握りこぶしの状態で以前より背屈ができるようになってきた。

5回目~7回目

握りこぶしの状態だと問題なく背屈できるようにまで改善。指を開いた状態だと完全ではないが以前より背屈できるようになってきた。

8回目~10回目

少しずつ動かせる範囲が広がってきた。

11回目~13回目

ほぼ支障がない所まで改善した。現場での仕事も問題なくこなせている。

 

執筆者

 

眼精疲労専門の鍼灸師

 

資格

はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院

声のかすれ(嗄声)の鍼灸治療

火曜日, 7月 14th, 2026

声のかすれに対する当院の鍼灸治療

 

声のかすれに対する当院の治療は、東洋医学で機能不全を起こしていると考えられている五臓六腑の『』の機能を正常に戻すことや自律神経の状態を整えることを主眼において施術していきます。

声のかすれの自律神経調整鍼灸治療

 

声帯の開閉時に働く喉頭内の筋肉は、迷走神経によって支配されています。その迷走神経は、副交感神経が大部分からなり、頭部・頸部・胸部・腹部すべての内臓に分布して感覚や運動、分泌の役割を担っています。

声のかすれの鍼灸治療

 

副交感神経は安静に優位になるリラックス神経です。ストレス社会と言われる現代では多くの人が副交感神経の活動が低下していると言われています。実際に当院の自律神経測定器で測定すると多くの方は交感神経の活動が優位となっており、声のかすれでご来院される方々も例外ではありません。

声のかすれ症状の方も初診時に自律神経測定器で自律神経の状態を把握させていただき、施術していきます。

基本的には、副交感神経の活動を高めるリラックスできるような施術を行っていきます。特に鍼灸施術は副交感神経の活動を高めて自律神経を整える効果が期待できます。

その他、肺に関するツボや嗄声の方は五臓六腑の『』の働きが弱っている方も多く、腎に関する経穴も用いて施術していきます。

 

声のかすれのうつ伏せ鍼治療

 

 

 

 

 

声のかすれ(嗄声)とは

 

発生は大きく分けて4つの動作から成り立っており、息を送り出す→声帯が振動する→共鳴→言葉の形成の流れです。まず息を吸うことで肺に空気を溜め込みます。そして膨らんだ肺が収縮することで息が送り出されます。送り出された息は、声帯を振動させて音となります。声帯とは、咽頭腔の左右両側から突出する筋肉性のひだのことを指します。発生の時声帯は両側から狭くなりそれを肺から押し出された息が押しのけて通過することで声となるのです。
声帯の開閉は、喉頭軟骨や喉頭筋によって行われ、喉頭内の筋肉運動は迷走神経によって支配されています。

声のかすれ

喘鳴声のかすれ(嗄声)は、この過程でどこかしらに不具合が生じて発症します。

声のかすれの原因

声のかすれの原因は様々です。声のかすれは、風邪などの症状の一つで軽く見られがちですが、声のかすれが長引く場合は、喉頭がんなどの危険性もあるため耳鼻咽喉科などで検査を受ける必要があります。

・風邪やインフルエンザに伴う声のかすれ
風やインフルエンザのウィルスに感染することによって咽頭部に炎症が起きる咽頭炎を患ってしまった場合、のどの違和感や痛み、声のかすれが起こります。この場合はその他風邪症状の軽快に伴って声のかすれも軽快していきます。

風邪の初期症状に関する鍼灸治療

・甲状腺の異常
甲状腺炎や甲状腺機能低下症などで甲状腺に炎症が起こると声のかすれも現れます。これは、20代~40代の女性に多く発症します。免疫力の異常によって甲状腺に炎症が起こり慢性的な倦怠感や低血圧、むくみ、生理不順などの症状が現れることもあります。

甲状腺機能異常の鍼灸治療
生理不順の鍼灸治療

・喉頭がん
喉頭がんでは喉頭部に発生した悪性腫瘍によって声帯に障害を与えてしまい嗄声となります。肺がんや食道がんが周囲に広がって喉頭部の発声することに重要な筋肉を支配する迷走神経を阻害することによって嗄声となる場合もあります。

・声帯ポリープ
声帯に小さな腫物ができて声がかすれて症状がひどいと声が全く出せなくなってしまいます。これは、声帯のオーバーユースが原因でよく声を出す職業の人や大声でしゃべりまくる子供などに見られる症状です。声帯のオーバーユースで声帯ポリープまでいかないまでも声帯が軽い炎症やむくみを起こすことで声がかすれることがあります。

・タバコやお酒による声のかすれ
タバコの煙に含まれるタールによって気管を刺激して声帯が炎症してしまうことで声のかすれも起こります。アルコールも気管を刺激して声帯が炎症を起こすことで声のかすれを引き起こします。アルコール濃度が高かったり、飲みすぎは声帯を傷つける危険性もあるので注意する必要があります。

・加齢による声のかすれ
加齢によって声帯や声を出す筋肉もどうしても衰えていきます。加齢に伴い声帯は委縮してしまい発声時に息がもれやすく、声のかすれの原因となってしまいます。

 

・思春期の声変わり
特に思春期を迎える男性はのどぼとけと言われる甲状軟骨が急速に成長して声帯が引き延ばされるため声が低くなります。声帯が引き延ばされる時期はまだ声帯がうまく振動できないため安定するまでは声がかすれることがあります。

 

嗄声の東洋医学

嗄声は東洋医学では五臓六腑の『肺』が関係していると考えられています。東洋医学の『肺』は西洋医学の肺と似ているところもありますが、全く機能的に異なる部分もあります。
東洋医学の肺には

・肺は気を主る
呼吸によって外の清気を吸入して体内の濁気を排出してガス交換を行います。その他体内で「気」の生成に関与することで全身の様々な機能をつかさどっています。

・肺は宣さん・粛降を主る
肺には気や津液を全身のすみずみに送り届けます。肺呼吸や皮膚呼吸によって津液を発散させたり、末梢血管内外を浸透圧を調整して体液バランスを維持します。

嗄声はこの肺の機能低下によって起こると考えられており、特に『肺陰虚』という状態となったときに嗄声となりやすいといわれています。

・肺陰虚
肺の陰液不足という病態で慢性的疾患によって起こる栄養障害や炎症疾患による津液の消耗・乾燥した環境などの労働や居住などによって生じると言われています。気管支の粘液分泌不足や慢性炎症や自律神経系の過亢進などが関与すると考えられます。
嗄声症状やノドの乾燥感、口の渇きなども現れます。

 

声のかすれの治療症例

 

30代女性

1か月前に急性副鼻腔炎に罹ってしまい、それがきっかけで声がかすれるようになってしまった。声優をしているため、一刻も早く治したいと来院された。

副鼻腔炎はほぼ良くなっているが、少し鼻水が出る。

 

当院の治療

 

声のかすれは咽頭の炎症によるものである為、喉周りのツボに刺鍼をしさらにお灸をして炎症を改善を目的とした施術を行った。

さらに、自律神経測定器で測定してみた結果、免疫力が低下している状態であるので体質改善のため自律神経調節治療も同時に行った。

また、副鼻腔炎も完治していないので、そちらの治療も並行した。

 

 

◇1回目◇

あまり変化はない。

◇2回目◇

声が出しやすくなってきた。

◇3回目◇

鼻水も出なくなり、声も通常通りに戻ってきた。

◇4回目◇

声が元に戻った

 

症例 2

 

20代女性

 

1か月前に風邪を引いてしまい、発熱、鼻水、のどの痛みが出た。

現在は熱も下がり鼻水やのどの痛みも軽快したが、声のかすれだけが改善しないまま残ってしまっている。

声優をしているため仕事に支障が出てしまい、いち早く状態を改善したく当院に来院した。

声は小声で短時間ならあまり支障がないが、出し続けたり、少し声量を大きくすると、声がかすれてしまって出ずらくなる。酷くなるとガラガラ声になってしまう。

また声を出し続けると、首の前面の筋肉がギューッと締め付けられるような感覚がある。

仕事でのストレスも強く感じ、睡眠の質も悪く、疲労がなかなか抜けきれない。

 

当院の施術

まず自律神経測定器で現在のお身体の状態を確認していきました。

交感神経の割合が副交感神経よりも大きく上回っており、心身共にあまり休めていない状態が予測されました。

副交感神経は、身体を休ませる神経で、免疫力も司っています。

自律神経の乱れにより免疫力が低下したことで風邪をこじらせてしまい、声帯の慢性的な炎症状態が続いてしまっている可能性がありました。

また、首肩の筋緊張も強く、筋緊張の圧迫でより声が出しずらい状況になっていると考えられました。

当院では、

①自律神経の調節

②首肩背中周りの筋緊張の緩和

③炎症の抑制

を中心に施術を行っていきました。

 

経過

◇1回目◇

施術した数日後から声が出しやすくなった感覚がある。

◇2回目◇

まだ声を長く出し続けるとかすれてしまうが、以前より長持ちする。

◇3回目◇

まだ完全ではないが、長く声を出し続けてもかすれにくくなってきた。

◇4回目◇

酷使すると声が出しずらくなるが、日常生活ではあまり気にならなくなってきた。

◇5回目~10回目◇

支障なく仕事ができるようになるまで改善した。

 

 

 

 

 

執筆者

清水大地

眼精疲労専門の鍼灸師

資格
はり師
きゅう師

2008年
鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年
おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年
中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年
渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年
三軒茶屋α鍼灸院を開院

滑車神経麻痺の鍼灸治療

木曜日, 7月 2nd, 2026

①滑車神経麻痺に対する当院の鍼灸治療

当院の滑車神経麻痺に対する施術は、目の周辺の重要なツボにハリをさして微電流を流すことにより神経組織の回復や筋肉への刺激を行うことでを促します。またお灸刺激により血流を改善します。

滑車神経麻痺の鍼通電治療
東洋医学的に診ますと、滑車神経麻痺は五臓六腑の肝に深く関係しているので肝に関する経穴を用いて肝血を補うことや肝気の巡りをよくします。東洋医学の診断方法に基づき、全身の調整施術も行っていきます。

部分的な治療ではなく全身を治療することは東洋医学の特徴でもあり、当院が施術する上でも特に重要だと考えます。
全身施術を行うことにより自律神経が整えられて人間が本来もっている自然治癒力を高めます。

滑車神経麻痺のお灸治療

当院の滑車神経麻痺の施術目的は、滑車神経麻痺の回復程度を高めて、回復を速めることです。西洋医学とは違う東洋医学の観点により少しでも滑車神経麻痺が回復できる機会を提供して患者さんが少しでも快適に過ごせるようお手伝いさせていただきます。

滑車神経麻痺の全身調整鍼灸治療

 

 

②滑車神経麻痺の中医学的考え

中医学では五臓六腑の肝は目に開竅するといわれており、眼の疾患は肝の機能の障害が深く影響していると考えられています。

肝血が不足してしまうと視覚の異常や運動系の異常などがみられます。そのほか肝は運動神経系の調節に関係があると考えられています。
滑車神経麻痺は、上斜筋麻痺を引き起こすので、そのことからも滑車神経麻痺は肝に深く関係していることがわかります。

 

③症例

症例1

60代男性
当院にご来院の10日ほど前にテレビを見ていたら物が二重に見えるということで近くの眼科を受診。検査結果右目の滑車神経麻痺と診断された。特に処置はされず、経過観察とのことで何か治療法はないかと探したいたところ偶然当院のホームページを見てご来院されました。

複視の状態は、朝からある状態で、夕方から夜にかけて身体の疲れが溜まってくるとそれに伴い複視の幅も広がって目も疲れてきて目も開けているのがつらくなってしまうほど。頭を傾けてテレビなどを見ると複視が弱くなる。

ドライアイ肩こり・右頸部痛などの症状も見られる。

 

 

当院の治療

目の症状は自律神経の状態と深くかかわりがあるとの考えで、自律神経測定器で自律神経の状態を計測しました。この男性の場合、交感神経が過亢進状態で自律神経が乱れている状態でした。毎回首肩や目の治療に入る前に仰向けにて自律神経の状態を整えてから治療しました。
目の周りや顔に対する治療はとても繊細であるため刺激量が多くなり過ぎないように最初は弱い刺激で対応しました。体が治療の刺激になれてきたと感じた4回目の治療より鍼通電療法などを用いて徐々に刺激量を上げていきました。

最初の10回ほどは治療間隔を週に2回ほどと詰めて行いそれから徐々に治療間隔を空けていきました。

◇1回目◇
治療後複視症状の状態は、あまり変わらなかったが、首肩はとても楽になった

◇2回目◇
以前は滑車神経麻痺のない左目もまぶたが重たく感じていたが、重たさ感じなくなり左目も右目も開けやすくなった。

◇3回目◇
まぶたの開けやすさは、2~3日で戻ってしまった。

◇4~5回目◇
夕方は複視がまだつらいが、朝になると比較的楽でいちばんつらい時を10だとすると今は5程度

◇6~8回目◇
真正面に物を見てピントを合わせるとほぼ複視はなくなった。首などを傾けるとまだ複視の症状が出てしまう

◇9~11回目◇
首を傾けても複視の症状があまりでなく、日常生活で何気にすごしていても気付かないほどとなった。

身体が疲労して来たり、目を使いすぎるとまた元に戻りそうと本人がご心配されているので2週間に1回ぼどの間隔で現在も調整として通院されています。

 

 

症例2

40代男性

3か月ほど前に物が二重に見てしまって病院を受診。検査では特に脳などには異常が見られなかった。

右眼の滑車神経麻痺による複視症状が出ているとこいうことでビタミン剤を処方されて半年から1年ほどかけて複視が改善される場合が多いと言われて経過観察中。

だんだんとは複視症状が改善傾向にあったが何とか早く治したいとのことで、ネットなどを調べていたところ鍼灸治療でも症状が改善されたという症例をみて当院にご来院されました。

 

当院の鍼灸治療

近いところは比較的よく見えていて遠くの視界になると物が二重に見える、特に夕方以降など疲れてくると症状が強く出てしまう。

また、自律神経の乱れや右頸部のコリも強く出ていたため全身的な自律神経調整治療や頸部周りに鍼通電治療なども用いまして施術を行っていきました。

特に滑車神経麻痺の複視症状では、頸部の筋緊張がみられる場合が多く、その部分をしっかりほぐすことは治療のポイントになります。

 

その後、目の周り特に右眼周り中心に施術を行っていきます。比較的に刺激量に強い方でしたので最初から目の周りも鍼通電治療を用いていきました。

治療経過としましては、3~5日程度の治療頻度で治療4回目までは複視症状には大きな変化は見られずに目の疲れが感じにくくなった程度でした。

5回目以降だんだんと複視のズレ幅も改善されてきて右頸部の気になるコリもだんだんと改善されてきたと自覚。

7回の治療後大学病院で検査。検査でも複視の数値の改善がみられて、首を傾けなくでもだいぶ視界が通常に見えるようになってきた。

たまに右眼周りに痛みがでたりするのでその部分なども含めて治療間隔を延ばしながら通院加療中。

 

 

症例3

50代 男性       

◇症状◇

車を運転する職業。

8ヶ月前から仕事が終るころになると見えずらい感覚はあった。

徐々に症状が進み、車が2台に見えるようになり眼科を受診。

以前からドライアイで通院はしていたが、脳の異常は無く、滑車神経麻痺の診断を受け、休職することとなった。

運転が好きなのに車に乗れない、仕事に復帰できるかの不安などもあり、睡眠がうまくいかない日がふえている。

右に首を傾けていると見やすい。

◇当院での治療◇

自覚的肩こりは無いようだが、後頭部から首肩にかけて詰まりとコリがあった。

初めての鍼灸治療のため、リラックスできるよう全身の軽い刺激にくわえ、首肩周りは細めの鍼で筋肉まで刺入し筋緊張を緩めた。

目元の循環を改善する目的で鍼通電療法を行った。

・1回目
翌日、身体が楽になり日課のジョギングで足の痛みもなかった。

・2回目
前回より後頭部から首肩にかけて少し刺激を増やした。

翌日だるさはでたが、二重に見えることが少なくなっている。

まだぼやけていて運転をする気分にはなれていない。

・3回目

運転をしてみようとい気分になり、数か月ぶりに遠出してみた。疲れたら休憩をとりながらも支障なくドライブを楽しむことができた。

・4回目以降

まだ全快ではないが、治療の間隔をあけながらメンテナンスとして治療を継続している。

 

 

 

④滑車神経麻痺とは

滑車神経麻痺とは、滑車神経が何らかの原因で麻痺の状態になって眼球は上内側に偏倚して、垂直方向の複視を引き起こします。
滑車神経は中脳の背面より出て、上眼窩裂を通り上斜筋に分布します。上斜筋は収縮すると眼球を下外側方に向けます。上斜筋が収縮できなくなると、眼球は上内側に偏倚します。この症状が出た場合、視線を正面に向けるために頭を健側に傾けます。逆に頭を患側に傾けると眼球の偏倚は増強されます。

日常的には本を読む際や階段を下る際に複視を生じます。

複視

 

②滑車神経麻痺の原因

滑車神経麻痺は、原因が特定されるほとんどの場合は頭部外傷が原因です。
腫瘍などそれ以外の原因はまれです。滑車神経が単独で麻痺することはまれであり、動眼神経とともに障害されることが多いです。

その他脳のMRIなどの検査を行っても原因がわからい場合も多いです。滑車神経は第4脳神経で眼球を内側に寄せる役割があるため滑車神経が麻痺すると内側に眼球を寄せることができないために物が二重に見える複視の症状が出ます。

滑車神経麻痺の患者さんでよく見られるのが、テレビを真正面から見ると画面が二重に見えるが、寝そべって頭を少し横に倒すと二重に見えずに普通に画面が見えることを言われます。もしそのようなことを日常生活で感じる場合は、滑車神経麻痺の危険性があります。そのような場合、滑車神経は脳神経でまれではありますが、脳の腫瘍など脳の障害が原因で起こっている場合がありますのですぐに眼科や脳神経外科で診てもらう必要があります。

滑車神経以外にも眼球を動かす脳神経は動眼神経と外転神経があります。それらが障害されても物が二重に見える複視の症状が起きますが、動眼神経は眼球を上下に動かす、外転神経は眼球を外側に動かす作用があり、麻痺の出る神経によって眼球の動きが異なってきます。

眼球を動かす筋肉は、そのほかの体の筋肉と同様に脳からの信号を受けて動いています。眼球は、人体の中でもとても複雑な動きを可能にしており眼球を動かす筋肉を外眼筋といいます。外眼筋には、

・外側直筋
外転神経に支配されており、眼球を外側に向ける働きがあります。
・内側直筋
動眼神経に支配されており、眼球を内側に向ける働きがあります。
・上直筋
動眼神経に支配されており、眼球を内側斜め上方向に向ける働きがあります。
・下直筋
動眼神経に支配されており、眼球を内側斜め下方向に向ける働きがあります。
・上斜筋
滑車神経に支配されており、眼球を外側斜め上方向に向ける働きがあります。
・下斜筋
動眼神経に支配されており、眼球を外側斜め下方向に向ける働きがあります。

この6つの筋肉があります。これら6つの筋肉がうまく働くことで眼球運動が行われて焦点が合うように調整されているのです。その過程で筋肉や神経に不具合が生じてしまうと焦点が合わずに複視となったり、視線をずらすことができなくなるのです。

滑車神経麻痺の場合、上斜筋を支配しているので上斜筋の働きが損なわれて複視の症状が出てしまうのです。硬めに滑車神経麻痺が生じている場合、麻痺の出ていない側に頭を傾けると眼球の位置が修正されて焦点が合うようになります。
上述した寝そべって頭を傾けると画面が見えるようになるという現象はこのような頭の傾きによって複視が打ち消されているということです。

動眼神経麻痺について
外転神経麻痺について

 

 

執筆者

清水大地

眼精疲労専門の鍼灸師

資格
はり師
きゅう師

2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好医院にて多くの臨床経験を積む

2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立

2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院

2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院

2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院

消化不良の東洋医学

日曜日, 6月 28th, 2026

 

消化不良に対する鍼灸治療はWHO(世界保健機関)でもその有効性が認められている症状の一つです。消化不良の原因は多く挙げられますが、鍼灸治療を施すことにより東洋医学でいう五臓六腑の機能が整えられたり、自律神経のバランスが整えられることで消化不良の症状が軽減されることが期待できます。

消化不良の東洋医学

東洋医学では五臓六腑の『』と『』が消化吸収に関する重要な臓器と言われています。

東洋医学での脾は、消化器系全般の消化吸収機能や栄養代謝、免疫維持機能などの役割を担っていると考えられています。消化吸収に関しましては、脾の『運化を主る』という機能が重要です。

運化を主るとは、飲食物を消化して消化された栄養物質や水分を脈中などに送り、門脈系やリンパ系を通じて全身に輸送することを指します。この一連の流れを脾と胃の働きによって遂行されています。

この脾の運化作用が低下してしまい、全身のエネルギーとなる気血の生成が不足してしまうと吸収能力や栄養の代謝能力までも低下して全身に気血を行き渡らせることができなくなってしまいます。

すると、四肢や肌肉にも影響が出てきて肌肉がやせたり、力が入らずに、その状態が長く続いてしまうと全身的な栄養不良の状態である『気血両虚』という状態を引き起こしやすくなります。

脾の運化を主る機能が弱って消化不良を起こす病態の多くは、『脾胃気虚』と『脾胃陽虚』という状態です。

当院の消化不良に対する鍼灸施術は、東洋医学的観点によりこの『脾胃気虚』と『脾胃陽虚』を正常な状態に戻す施術を行っていきます。

消化不良の鍼灸治療

そのほか自律神経の状態も整えつつ、全身の巡りを活性化するような全身施術を行っていきます。

消化不良のうつ伏せ鍼灸治療

下肢への脾胃の重要なツボを用いて機能を正常化させる施術も行っていきます。

消化不良の下肢への鍼灸治療

消化不良について

消化不良で食べ過ぎた後やお酒を飲みすぎた後に胸やけや吐き気、便通が悪くなるといった症状を経験したことがある人は多いかと思います。このような場合、単なる消化不良といって放っておくと深刻な病気に繋がってしまう危険性があり、注意が必要です。

 

消化を行う器官を消化管といい、口から食道・胃や腸を経て肛門に出る一本の体を貫く管です。人間は野菜や果物、魚や肉も食するため消化も複雑な構造をしており、消化管の他に唾液腺や肝臓・胆のう・膵臓が消化に関わっており、すべてを含めて消化器系と言われます。

まず、口に運ばれた食べ物は咀嚼運動によって小さく細かくかみ砕かれて嚥下運動を経て食道に運ばれます。この際にもすでに唾液腺から出る唾液により消化は始まっています。

 

次に食道から下りてきた食物は、胃の中に入ります。

食物が胃の中に入ると反射的に胃は動き始めて胃液を分泌します。胃液は、ペプシノゲンという消化酵素が含まれており、タンパク質をペプチドという物質に分解していきます。その他胃酸は、その強い酸性により食物についている菌を殺します。

 

胃の中である程度消化された食物は、腸に運ばれてさらに消化されていきます。小腸は、十二指腸→空腸→回腸へと続く靱帯の中で一番長い消化管で食物はそこで4~8時間かけて消化されていきます。

肝臓で生成された胆汁は十二指腸で分泌されて脂質の消化に深い関わりをもっていきます。また、すい臓で生成された膵液も小腸内で分泌されて酸性の強い胃液の中和や中性脂肪の分解や多糖類の分解を行っています。

 

最後に食物は大腸・直腸を経て肛門から体外へと排出されます。大腸では主に水分が吸収されて、柔らかかった食物も固められて固形の物に変化していきます。

脂肪肝

このように口から運ばれた食物が様々な消化の過程を踏んで肛門から排出されますが、その中で臓器の何かしらの不具合が起きて消化不良となってしまうのです。消化不良は、消化の過程でうまく消化が行うことができずに食物から必要な栄養素や水分を吸収することができずに様々な体の不調を生じさせます。

消化不良の症状として主に

・胃痛

・胃の不快感

・腹部膨満感

・吐き気

・胸やけ

・腹痛

・下痢

・便秘

・げっぷ

 

などが挙げられます。

このような状態が続いてしまうと体は消化不良により、必要な栄養素や水分を体内に取り込むことができていないため、体力や免疫力は低下して重篤な疾患に繋がりかねません。

また、上記のような消化不良の症状が体にすでに重篤な疾患が隠れている際の場合もあります。

・急激な体重減少

・食物をうまく呑み込めない

・真っ黒い便や血便が出る

・嘔吐を頻繁に繰り返す

・めまい症状

・血圧の低下

・冷や汗が出る

 

などの症状を併発した場合はすぐに病院で検査を受ける必要がります。

消化不良

 

 

消化不良が伴う疾患

消化不良は、多くの場合は一時的であったり、検査をしても原因の分からない機能性消化不良の場合が多いですが、そこに重い病気が隠れている場合もあります。

 

・胃潰瘍

胃潰瘍は一度は耳にしたころのある疾患かと思いますが、ストレスなどによる自律神経の乱れや免疫力の低下により、胃液で胃が傷ついて胃痛や吐き気を伴います。

 

 

・逆流性食道炎

胃の中で食物を消化・殺菌するはずの胃液が食道へ逆流してしまう症状です。胃液に含まれる胃酸はとても強い酸性で食道を傷つけてしまい炎症を起こします。食生活の乱れや日常生活での過度なストレスが原因とも言われており、胸やけや呑酸の症状を呈します。

 

・十二指腸潰瘍

十二指腸が傷ついて炎症を起こしている状態です。強い腹痛や食欲不振・吐き気・嘔吐・腹部膨満感が症状としてあらわれます。30~40代の男性に多く発症すると言われており、ピロリ菌や強いストレス・喫煙習慣などが原因となると言われています。

 

・胃炎

胃炎には急に発症する急性胃炎と長期間の炎症が伴う慢性胃炎とがあります。多くは食べ過ぎ・飲みすぎ・喫煙習慣などの生活習慣、過度な精神的・肉体的ストレスによる自律神経の乱れが原因とされています。食べ過ぎ飲みすぎの状態で胃酸が過度に分泌されてしまうために胃の粘膜は傷つきやすく、自律神経の乱れも胃酸過多の状態となりやすくなります。

症状としてみぞおち辺りの違和感や痛み、吐き気や下痢、胸やけや嘔吐など様々な体の不調が出ます。

 

・がん

消化不良は、大腸がんや胃がんなど重篤な疾患が隠れている場合もあります。急激な体重減少や血便などの便の異常が見られた場合はすぐに病院で検査を受けましょう。

 

自律神経と胃腸の働き

自律神経と胃腸の働きはとても深い関係にあります。自律神経は自分の意識とは無関係に働き、主に内蔵の働きであったり、血流をつかさどっている神経です。これは、胃腸の働きに関しましても例外ではありません。胃腸も自分の意識で動かそうとしてもできません。自律神経には活動的な神経である交感神経と体を休めるリラックス神経である副交感神経とがあり、この交感神経と副交感神経とのバランスが重要となります。このバランスが崩れるとよく言われる自律神経が乱れとして体に様々な症状が出てきます。

胃腸の働きも自律神経が深く関わっており、交感神経が亢進すると胃腸の働きは低下して胃液や腸内の分泌液は減少して消化不良に陥りやすくなります。逆に副交感神経が亢進すると胃液の分泌が増えて胃腸の働きは活発になります。

しかし、副交感神経が亢進し過ぎても胃酸の量が増えて胃を傷つけたり、胃腸の働きが活発化し過ぎて下痢となる危険性があります。

胃腸の働きは自律神経である副交感神経の活動がとても重要ですが、あまりに副交感神経の働きが活発化してしまうと消化にとっても良くないのです。

 

しかし、現代のストレス社会では明らかに活動的な神経である交感神経が過亢進気味の方が多いです。交感神経は胃腸の働きを低下させて消化不良になりやすいです。

鍼灸治療は、自律神経を整える・主に交感神経の活動を抑制して副交感神経の活動を活発化させることが研究でもわかってきています。鍼灸治療は、この作用を利用して胃腸の働きを正常化するのにとても有効な治療法といえます。

消化不良の鍼灸治療 症例

40代女性

ここ1か月ほど胃の調子が悪く、食事後の胃もたれを強く感じる。

数時間してもなかなか消化されずお腹が全体的に重い。

食後にコーヒーを飲むのが好きだが、最近はコーヒーも飲めなくなってきた。

繁忙期のためゆっくり休むこともできずストレスもたまっている。

睡眠時間はだいたい4時間ほど。背中の胃の裏あたりの圧迫感も気になっている。

 

当院の治療

触診をおこなったところ、腹部と足の冷えが強く、腹部・背部の筋緊張も強くでていました。仕事のストレスや睡眠不足から自律神経が乱れ胃腸の働きが悪くなっているため、鍼灸で全身の調整を行うことにしました。

まずは仰向けで腹部と足に鍼と灸をほどこし、身体全体の血流が良くなるように促します。

次にうつ伏せで背部の筋緊張をゆるめ、胃の六ツ灸を行いました。

日常生活では、湯舟につかること、冷たいものや刺激物はさけること、油ものは控えて腹八分目を心がけることをアドバイスした。

 

◇1回目◇

胃もたれが軽減した。

背中が楽になり呼吸がしやすくなった。

 

◇2回目◇

徐々に良くなってきている。

まだ消化には時間がかかるが、前ほどのもたれ感はない。

仕事もひと段落し、ストレスも減少した。

 

◇3回目◇

胃もたれはほぼなし。

お菓子や油ものを食べると少し違和感があった。

 

◇4回目◇

良くなった。

鍼をはじめてから睡眠の質もあがったように感じる。

 

症例2

30代 女性

1ヶ月前から食後にみずおちに違和感が出るようになり、ここ数日は鈍痛や締め付けられるような痛みが気になるようになってきた。
食べても胃が固まって働きが悪く感じる。

元々ストレスがかかるとみずおちあたりがチクチク痛む事があり、自然に軽快するため今回の胃痛も放置していたが、悪化してきたため当院に来院した。

念のため病院で検査を受けたが特に異常がなく、機能性ディスプペシアと診断された。

当院の施術

問診、触診、自律神経測定器の結果を元に施術を進めていきました。
この方は、胃の痛みから背中の筋緊張が強くなってしまい、そのため胃の負担を増悪させている状態でした。
まずうつ伏せで背部の筋緊張緩和を目的に低周波電気鍼治療を行いました。

また、みずおち部分だけではなく、下腹部の強い張りがありました。詳しくお話を聞いてみると、胃の不調を感じ始めたあたりから便秘気味だったという事です。
胃に食べ物が入ると大腸の蠕動運動が起こり便を肛門まで運ぶ生理反応があります。
この方は胃の働きが低下しているため胃・大腸反射が充分に機能していない事で便秘を起こしていました。

仰向けでは自律神経の調節、腹部の張りに対する施術だけではなく、胃と大腸の反応点や経穴を組み合わせて胃腸を整えていきました。

経過

◇1回目◇
初回の施術では特に効果が得られなかった。

◇2回目◇
今回も胃の状態は変化がないが、良く眠れるようになり睡眠の質が変わったような自覚がある。

◇3回目◇
施術後胃の痛みが少し軽くなったが、また時間が経つと痛みはじめた。便秘の回数も以前より減少してきた。

◇4回目◇
食後の胃の痛みやむかつき感が軽くなってきた。

◇5回目◇
揚げ物やラーメン、辛い物を食べると胃の不快感はまだ出るが、それ以外の食事では気になる事が減ってきた。

◇6回目◇
ほとんど気になる事がなくなった。
食べる事への不安もなくなり、今では以前のように食事を楽しめるようになった。

 

症例3

40代 男性

 

最近独立したばかりで会食が多く、毎日胃が重たい感じがする。

仕事の付き合いでもあるため、誘われる、すすめられると断りにくくて体調が少し悪くてもスケジュールが空いていたら参加してしまい、帰宅後に後悔している。

何とか薬局で買った胃薬で誤魔化してきたが、ここ数日は胃が重たい感じが常にある。

特に食後は症状が強めにでる

 

当院の治療

 

食生活をきくと、毎日三食外食かコンビニで済ませているとのことでした。

腹部の触診をすると、全体的に張っていました。

当院の治療としては、消化器に関係している経穴を用いて、酷使されている胃腸の回復を促進させていきます。それと同時に、自律神経の調整も行っていくことで、身体の自然治癒力を高めていく治療も行います。

 

治療経過

 

◇1回目◇

変化は感じられない

◇2回目◇

治療の直後はリラックスできるが、胃の重たさに変化はない

◇3回目◇

うどんやおかゆなどの軽いものなら大丈夫になった。

◇4回目◇

先週、会食が続いてまた胃が重くなったが、以前より苦しさが軽減された。

◇5回目◇

おかゆではなく、白米を食べても胃が重くならないようになった。

◇6回目◇

少量であれば魚を食べても平気になった。

◇7回目◇

肉や揚げ物はまだ重くなるが、脂を少なめにしたら気持ち悪さが出るまでの重たい感じはなくなった。

 

 

 

症例4

80代 男性       

 

◇症状◇

若いころから胃のもたれはあった。

2年前にすい臓がんの手術を受けその後胃もたれを感じていたが、1ヶ月前から特にひどく、食欲はあるが、一食分をたべることはできない。

2年で15㎏減。来院前の2日間で2㎏減。

仕事のストレスは感じていた。

便通は1日1回で快便。胃薬を何種類も試したが効果がない。

◇当院の治療◇

2年前すい臓がんの疑いにより摘出手術を受け、みぞおちから臍下まで手術跡が残り、腹部表面の皮膚と腹筋の硬さがある。

体重減少により体力も落ちているため、刺激量を最小限に自律神経への全身刺鍼と、腹部の手術痕を含め腹筋の硬さを緩める施術を行った。

・1回目
翌日、胃の不快感はなく、少ないながらも普通の食事をとる事ができた。

・3回目
治療後10日ほど調子が良かったが、朝からむかつきを感じたため来院

・4回目

1ヶ月ほど調子よく過ごせていたため、飲酒したところ胃の調子が悪くなり来院

・5回目以降

症状の波はあるが、調子が悪くなると来院し、その都度回復するため定期的に治療を継続している

 

 

 

消化不良を予防する

これまで書いた通り消化不良だといって決して侮ってはいけません。消化不良を起こしてしまう原因の多くは食生活などの生活習慣にあり、それらを改善していかなければ重篤な疾患にかかってしまう危険性もあるのです。

・食生活の改善
まず、消化不良を起こしてしまう原因に食べ過ぎがあります。食べ過ぎてしまうと、胃や腸は消化が追い付かなくなってしまうため、消化しきれなかった食物が胃や腸に影響を与えて痛みや不快感、吐き気などの症状を起こしてしまいます。今は飽食の時代でしっかりと栄養を取れている方が多いので、食事は腹6~7分目を目安にお腹いっぱい食べないように心がけましょう。
咀嚼するときも意識的に回数を増やしましょう。咀嚼回数が増えると唾液が多く出るため、唾液に含まれるアミラーゼが消化を助けて消化しやすい状態で胃や腸の消化を助けてくれます。また咀嚼回数を増やすことで食事の時間が長くなり、満腹感を得やすくなります。
食事を摂る時間も重要です。特に寝る直前に食事を摂ってしまうと寝ていると胃や腸の働きは低下するため胃腸に長く食物が滞在して胃もたれなどの原因となってしまいます。

・運動習慣
適度な有酸素運動(ウォーキングや水泳など)をすると腸の働きが活発化して、消化の助けとなります。また、副交感神経の活動も活発化することで胃腸の働きやすい環境となります。

・ストレスを解消する
胃腸の働きは自律神経とくに副交感神経の活動が重要となります。常に緊張して体の力が抜けずリラックスできない状態が長く続いてしまうと交感神経の活動が高まり、胃腸の働きが鈍くなってしまいます。趣味の時間を持つ、十分な睡眠時間を確保するなどして副交感神経の活動を高めて自律神経のバランスを整えることで胃腸の働きは改善されやすくなります。

 

執筆者

清水大地

眼精疲労専門の鍼灸師

資格
はり師
きゅう師
2008年
鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年
おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年
中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年
渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年
三軒茶屋α鍼灸院を開院

肩の痛みの鍼灸治療

土曜日, 6月 27th, 2026

肩の痛みに対する当院の鍼灸治療

肩の痛みの原因は多岐にわたります。当院では、徒手検査や問診、自律神経測定器を用いて自律神経の状態を把握することで一人一人に合ったオーダーメイドの施術を行っております。

 

方の痛みに対する鍼灸治療

肩の痛みに対する鍼灸治療症例

40代 女性
趣味がテニスで毎週週末にテニスをしていた。月一回ほどのペースで試合もあるなど痛みが少し出ても無理して続けていた。ある時、テニスの練習が終わると右肩が何となく痛みを感じた。薬局で買った湿布薬を貼って何とか対処してテニスを数回続けていたが、急に痛みが強く出てテニスをするのもつらくなってきた。その頃には湿布薬だけでは痛みが引かず整形外科を受診したところ腱板の筋肉を痛めている可能性があると言われて安静を指示された。
しかし、今度テニスの大会があり、どうしても出場したく痛みをどうにかしてほしいということで当院にご来院された。

治療
まず仰向けで右肩前面から鍼を刺してその鍼に電極をつないで電気を流して鎮痛効果を促しました。次にうつ伏せとなり左右肩後面・左右肩甲骨周囲に鍼を刺して通電していきました。最後に筋肉が硬くなっているところを軽くストレッチで伸ばしていきました。

治療経過
治療後はそこまで変化がみられなかったが次の日には肩が軽くなったと感じてテニスの試合に出場できることができたとのこと。しかし、次の日また痛みが出てしまったのではり灸施術を受けて痛みが軽減。その後もテニスを長時間すると痛みが出る時があるのでその都度施術を受けられている

 

症例2
40代男性
左肩の痛みで来院される。以前から左肩に違和感を感じることはあったが、これほどの痛みを感じることは初めて。
朝、起床時から急に痛み始めたとの事。左腕の挙上動作で痛みが増悪。動かさなければ痛みはない。シャツや上着の着脱が困難な状態。整形外科を受診してレントゲンをとったが特に異常は見られないとのこと。

治療方針
肩関節前面の炎症部分に消炎、鎮痛を目的とした鍼通電と灸をしていきました。また、左頚部から肩関節、上腕部に筋緊張がみられた為頚部から上腕部までマッサージと鍼と灸を用いて筋緊張を緩める治療を行っていきました。

一回目
あまり変化は見られない。

二回目
痛みはあるがゆっくりと腕を動かすことが出来るようになってきた。しかしまだ一人でシャツの着脱は難しい。

三回目
痛みが軽減してきた。腕を挙上すると痛みは出るが我慢できる程度。ゆっくりとならシャツも着脱できる。

四回目
さらに痛みが軽減してきた。最近はあまり腕に負担をかける動作は行っていないが日常動作は問題ない。

五回目
痛みを感じることは無くなり、通常通り腕を動かせるようになった。

 

症例3
50代 女性
半年ほど前から肩に違和感を感じるようになってきた。日常生活にはそれほど支障は起きない程度だったがここ最近は右肩から上腕の後面にかけて鋭い痛みがふい襲うことがある。五十肩のような運動制限はそれほどなく腕を上げようとすれば挙げられるし、腕を後ろにまわすこともできる。しかし、何かをとろうとした時やドアの開け閉めなど何気ない動作をした時に鋭い痛みが走ってうずくまってしまうこともある。
整形外科を受診したところ肩関節周囲の炎症と言われて注射を打たれたが、その時は調子が良くてもすぐに痛みの状態が戻ってしまう。

治療
痛みが強く出る肩後面から上腕後面には鍼通電療法を用いて、首肩には鍼とお灸で筋肉を弛緩させるような施術をしていきました。痛みで眠りが浅くなることもあるとのことで自律神経調整を行ってから首肩の場所を中心に施術していきました。

一回目
いつも方が重たい感じがあったのが1回目のの治療後は、その重さが取れていくらか楽に感じた

二回目
日中の方の痛みはそれほど変化は無いが夜は眠りやすくなったように感じて途中で起きることは無くなった。

三~五回目
痛みが半分程度にまで軽減。いつ起こるかわからない痛みの怖さが和らいできた

六回目
夜間の痛みはほぼなく、ぐっすりと眠ることが出来た。

七~九回目
日中の痛みはほぼ感じなくなり、肩や腕を楽に動かせるようになった。

 

 

症例 4

60代 男性

1週間前にゴルフをしてから右の肩の痛みが気になり始めた。

肩関節の側方外転と屈曲で痛みが発生し、可動域の低下も見られるが、肩関節の伸展では痛みが起きず、可動域の極端な低下は見られなかった。

肩関節の側方外転で三角筋中部に強い筋緊張が起こり、同部に痛みが発生する。

念のため整形外科で検査をしてみたが、特に異常が見られなかった。

ゴルフは昔から好きで、1週間に2〜3回は練習をしていて、2週間に1回はラウンドを回っている。

以前も同じような状態になったことがあり、放って置いても2、3日で全快したが、今回は長引いている。

 

元々全身の筋緊張が強く、特に肩こりが常に感じている。

 

当院の施術

 

まずドロップアームテスト、ペインフルアークテストなど、肩関節の徒手テスト法を行いました。

肩の筋肉の状態を見てみたところ、患部の三角筋をはじめ、僧帽筋、棘上筋、棘下筋、小円筋の強い筋緊張がおきている状態でした。

患部である三角筋、棘上筋、棘下筋、小円筋、僧帽筋の硬結部や圧痛部に刺鍼し、電気を流して筋緊張の緩和を中心とした施術を行っていきました。

1回目

痛みが軽減し、動きも少し良くなったが、まだ疼痛、可動域は完全に治ってない。

2回目

前回よりもさらに痛みが軽減した。

ゴルフのプレイ時もあまり気にならない。

3回目

痛みは少し残っている程度まで落ち着いた。

腕を動かしても違和感はない。

4回目

日常生活に支障が無い所まで改善した。

 

 

症例 5
40代 女性
半年ほど前から肩に違和感を感じるようになってきた。日常生活にはそれほど支障は起きない程度だったがここ最近は左肩から上腕の後面にかけてにぶい痛みがある。腕を背中側にもっていく結帯動作で痛みがあり、右に比べて腕を動かすことが出来ない。夜間痛はない。仕事はパソコン作業が長く、慢性的に首肩のこりがある。

施術

痛みが強く出る肩後面から上腕後面を中心に、鍼とお灸で筋肉を弛緩させるような施術をしていきました。鍼通電が苦手ということでしたので、鍼通電は行わず、置鍼で行っていきました。全身的な筋緊張の緩和、血流の改善のため、同時に自律神経調整施術を行いました。

一~二回目
施術後肩の痛みが少し軽減した。

三~五回目
痛みが半分程度にまで軽減。肩の可動域が広がってきている。

六~九回目
首肩のこりは以前より軽減している。

十回目
痛みはほぼ感じなくなり、肩や腕を楽に動かせるようになった。

 

症例6

40代男性

3ヶ月ほど前から右肩に違和感を覚え始め、次第に夜間痛が強くなり、寝返りを打つたびに目が覚めるようになった。洗髪や背中に手を回す動作が困難となり、着替えにも支障をきたすようになる。整形外科へ行きリハビリも行ったがあまり変化が無く、紹介にて来院。

長年のデスクワークによる姿勢不良(円背・頭部前方位)が肩甲骨の動きを制限し、肩関節への負担が蓄積していたと考えられる。加えて40代という加齢による組織の血流低下・修復能力の低下が重なり、関節包周囲に炎症と線維化が生じた。現在は炎症期から凍結期への移行段階と判断した。

【施術】

初期は局所への強刺激を避け、遠隔穴である四瀆・陽陵泉・曲池を中心に施術。四瀆への刺鍼中に肩を他動運動させる「運動鍼」を取り入れ、可動域の拡大を図った。局所には肩髃・天宗・肩髎へ低刺激で施術し、温灸を加えて血流促進と筋緊張の緩和を促した。あわせて姿勢指導とセルフストレッチの指導も行った。

【経過】

週1回の施術を継続し、6回目より夜間痛が軽減。3ヶ月後には結帯動作(背中に手を回す動き)が徐々に改善し、日常生活への支障もほぼ解消された。現在は週1回のメンテナンス施術へ移行し、再発予防と姿勢改善を継続中である。

 

肩関節とは

肩関節は、5つの関節から構成されています。人体の中で最も可動域の広い関節の一種で複雑な構成をしています。

肩甲上腕関節

上腕骨と肩甲骨で構成されています。狭義では肩甲上腕関節を肩関節といいます。

第二肩関節

肩峰と上腕骨で構成されています。

肩鎖関節

肩甲骨と鎖骨によって構成されています。周りの肩鎖靭帯と烏口鎖骨靭帯によって位置を保っており、転倒などの外傷などによって脱臼や捻挫の原因となります。

胸鎖靭帯

胸骨と鎖骨で構成されています。体幹と上司を連絡する唯一の関節です。

 

 

このように肩関節は様々な骨が関節を作り構成されています。それらの関節は様々な靭帯によって繋ぎ止められています。

肩

 

 

肩の痛み

肩の痛みと言いまして原因は様々あります。上記のように肩関節は様々な骨や靭帯によって構成されているため、どの部分を痛めたかによって痛みの程度もかわってきます。

 

肩の痛みで最も注意しなければいけないのは、内臓の病変が方にあらわれる場合です。単純に肩の痛みといっても肩に異常があるばかりでなく内臓に異常がある場合があるので注意が必要です。

内臓の病変による肩の痛み

肩周囲の筋肉や靭帯が損傷を受けて痛みを引き起こしている場合はある一定の動作をして痛みが誘発される場合がほとんどです。安静にしていれば特に痛みを感じることは少ないです。しかし、特に肩を動かしていなかったり、横になって安静にしているのに痛みが誘発される場合は、肩の異常ではなく内臓の異常が方にあらわれる場合があります。

両肩の痛み

肩の痛みの他に咳や痰が続く場合は、肺に異常がある場合があります。肺の異常により呼吸を大きく吸うことができなくなり、呼吸による背部・肩部の動きが少なくなり、コリや痛みの原因となる可能性があります。

右肩の痛み

右肩から右の胸部にかけて痛みが走るまたは右手にも痺れなどの異常がみられる場合は心臓病の可能性があります。

左肩の痛み

左肩の痛みは肝臓・胆のう・胃腸が不調の原因である場合があります。

肝臓は体幹の左側に位置しており、肝がんや肝硬変など肝臓に異常がある場合は肝臓の上にある横隔膜に影響を与えて右肩の動きが悪くなるためコリや痛みの原因となります。

胆のうや胃腸に病変がある場合は肩ばかりでなく肩甲骨の間にコリや痛みが出やすくなります。

 

 

これら内臓の病変によっても肩の痛みが誘発されるため、安静にしていても肩の痛みが続く場合は一度病院で検査を受ける必要があります。

 

 

内臓の病変以外の方の痛み

様々な原因が肩の痛みとなりますが、ここではよく見られる代表的な疾患についてご紹介させていただきます。

 

・変形肩関節症

変形性関節症は、骨と骨とのクッション役である軟骨がすり減ってしまい、痛みや腫れを起こす病気です。軟骨がすり減って減少することにより、骨と骨との間に摩擦が生じて骨棘という骨のとげができたりします。それらが周りの組織を刺激するため痛みを引き起こします。進行すると関節液がたまり、関節の可動域も狭くなります。変形性関節症の多くは体重等の負担がかかる膝関節や股関節に起こりますが、肩関節でも起こる場合がります。また肩関節は脱臼することが他の関節よりも多く脱臼を繰り返すことによって変形性肩関節症になる場合もあります。

 

腱板損傷

腱板は棘上筋・棘下筋・肩甲下筋・小円筋で構成されており、上腕を上げる動作や内側・外側に捻る動作をする筋肉です。これら4つの筋肉は、肩甲骨から上腕骨に伸びてその間に肩峰と上腕の間狭い隙間を通ります。肩関節を無理に動かしたり、繰り返し肩関節を動かしていると肩峰と上腕との狭い隙間で圧迫されて炎症や腫れを引き起こしてしまうのです。症状が進行すると腱板断裂の可能性があります。炎症がなかなか引かずに夜間でも痛みを伴ったり、腕を伸ばした状態で真横に上げることができない場合は腱板損傷が疑われます。

 

 

肩関節周囲炎(五十肩)

五十肩や四十肩という言葉はよく効かれるかと思いますが、正式には肩関節周囲炎といいます。言葉の通り肩関節周囲の筋肉や腱・靭帯が損傷を受けることにより痛みや可動域制限がおこります。

急性期では痛みが強く出て運動時痛や安静時痛・夜間痛も見られて徐々に関節が拘縮していき、肩関節の運動制限がみられるようになってきます。日常生活でも支障をきたして、腕を上げることができない・ドライヤーをかけられない・ブラジャーのホックが止められないなどの支障が出てきます。炎症が治まってくると痛みは軽減されてきますが、周りの組織が硬くなっているために可動域制限がかかります。

 

 

・肩関節唇損傷

肩関節唇は、上腕骨頭と肩甲骨関節窩との間にある繊維状のクッションの役割をする組織です。その他、肩関節審は肩関節を前後左右にずれないように固定する役割もになっており、肩関節の中でもとても重要な組織です。通常、肩関節唇は骨にくっついているのですが、外傷や肩のオーバーユースなどにより、骨から剥がれてしまうことによって肩関節の動きが制限されたり、肩を動かすと痛みの原因となります。

肩関節唇は繰り返し肩を酷使する方に多くみられ、野球のピッチャーに多く見られる症状です。

 

肩こり

肩こりは特に病名というわけではありませんが、パソコン作業による長時間の姿勢や過度なストレスなどにより、肩に発痛物質や乳酸などが溜まり、痛みやこりの原因となります。肩こりとなる原因は人によってそれぞれで当院では問診時に詳しくうかがっていきます。

 

 

慢性関節リウマチ

関節リウマチは手指の関節に起こることが一般的ですが、肩関節にも起こる場合があります。関節リウマチとは、自己免疫疾患の一つで自分の体の組織を外的だと勘違いをしてしまい、攻撃してしまう疾患で、関節を覆う骨膜や骨自体を攻撃してしまうために炎症や関節のこわばりが起きてしまいます。肩関節のリウマチは、手指のリウマチが進行して肩にくる場合が多く、30~50代の女性に多い病気です。

 

後頭下筋群の鍼灸治療

木曜日, 6月 25th, 2026

後頭下筋群の解剖

後頭下筋群とは、後頭部と首の境目にある筋肉の総称です。詳しくは大後頭直筋小後頭直筋上頭斜筋下頭斜筋4つの小さな筋肉たちのことをいいます。

これらの後頭下筋群は、頭の骨と首の骨を繋いでいる筋肉です。働きは、頭を後ろに傾ける動き(後屈)や首を後ろにそらす動作(伸展)、顔を振り向く時の頭の動き(水平回旋)、頭を横に倒す動き(側屈)をサポートしています。また重要な動きの働きとして、頭が前にカクンと落ちないように後ろで引き留める働きがあります。そのためパソコンやスマホを長時間使う現代では常に働き続けている筋肉たちになります。

後頭下筋群は、首の筋肉の中で1番骨の近くにある筋肉です。後頭下部の皮膚の下の筋肉は、浅いところから僧帽筋、半棘筋があり、1番奥に後頭下筋群があります。そのため後頭下筋群が硬くなると首や頭の動きに直接影響を及ぼします。

また後頭下筋群は脊髄神経によって支配されています。加えて後頭下部の1番奥にあるため延髄に近い筋肉たちです。延髄とは生命を維持する上で重要な中枢が集まっている場所です。心臓や血管などの循環、呼吸、咳、嘔吐、嚥下、唾液分泌、発汗などの中枢が延髄にあります。循環や呼吸などの多くの調節を自律神経が行っております。

次に後頭下筋群の特徴として、筋紡錘とゴルジ腱器官が多数内在していることが分かっています。これらは筋肉の緊張(張力)や長さを感知します。よって後頭下筋群は頭の位置や傾きを敏感に感知して、頭の平衡を保ち、倒れないようにしています。

他にも眼球運動に伴って筋収縮を起こすことも特徴のひとつです。

後頭下筋群が関わる症状

〈眼の症状〉

眼の奥の鈍痛やだるさ

眼のかすみ

ピントがぼける

頻繁に眼を長時間使うことで眼の周りの筋肉(眼輪筋・雛眉筋)や眼を動かす筋肉(上斜筋や下直筋など)への血液の巡りが滞るため眼の症状が出てきます。眼を動かす筋肉と連動して筋収縮が起こる後頭下筋群にコリや痛みがあると眼の症状が出やすくなります。

〈頭の症状〉

後頭部の鈍痛

前頭部や眉あたりの痛み

頭皮の硬さ、薄毛

後頭下筋群の表層には僧帽筋があり、僧帽筋は後頭骨上項線で後頭筋に接します。後頭下筋群のコリや痛みが僧帽筋や後頭筋に影響することで後頭部の鈍痛を引き起こします。

後頭筋は帽状腱膜により、前頭筋・側頭頭頂筋と繋がっています。そのため慢性的に後頭下筋群のコリがある場合は影響が頭全体に及び、前頭部や側頭部の痛み、薄毛などの症状が現れます。

側頭部痛に対する鍼灸鍼

〈自律神経の症状〉

身体がだるい、疲れやすい

手足が火照る

胃膨満感、便秘下痢

後頭下筋群に多数存在する筋紡錘とゴルジ腱器官は、常に真っすぐ前を向けるよう頭の位置を感知しているとともに、筋の緊張も感知しています。そして筋紡錘は自律神経支配を受けているとされています。他の筋肉より筋紡錘が多い後頭下筋群が緊張していると、自律神経の働きが乱れやすくなります。また後頭下筋群の近くには延髄があり、内蔵や他の組織からも多くの自律神経が集まっている場所です。後頭下筋群の緊張は内蔵や血管、呼吸など全身の自律神経に影響を及ぼすため、全身のだるさや疲れやすさだけでなく、胃や腸の不調をきたします。

後頭下筋群が過緊張を起こす原因

現代社会で最も後頭下筋群の過緊張を起こす原因は、パソコン・スマートフォンの使用です。パソコンやスマートフォンの操作では、頭頚部を動かさずに少ない眼球運動のみを長時間行っています。眼の筋肉に疲労が溜まって負担が掛かるとともに、後頭下筋群も眼に伴って収縮するので筋疲労を起こします。

またパソコンやスマートフォンを操作する時の姿勢にも問題がある場合が多いです。パソコンを使う多くの方が、首が前に出ており、肩が内に入って、背中が丸まっている状態で操作しています。この姿勢は首元が強制的に圧迫される姿勢のため、後頭下筋群に圧迫のストレスが掛かり続けます。またスマートフォンを使う姿勢では、首が常に下を向いている状態が続きます。この姿勢は後頭下筋群が引き伸ばされるストレスが掛かり続けます。

こうしたストレスが毎日何時間も掛かり続けることで慢性的に後頭下筋群にコリや過緊張を起こします。

 

後頭下筋群の鍼灸治療

後頭下筋群の鍼灸治療では、首の後ろの痛みだけでなく、眼の症状・頭の症状・自律神経の失調症状を伴うことが多いため、それぞれに合った鍼灸治療をしていきます。

 

始めに自律神経測定器を用いて自律神経の状態を計測していきます。

後頭下筋群に痛みがある方は交感神経が過活動になっている場合が多く、交感神経の過活動を抑えて副交感神経とのバランスを図ります。

東洋医学的な考え方では自律神経の乱れは全身の気の巡りに不調をきたすと起こると考えられるため、疏泄(気を巡らす働き)を司る「肝」の機能を補うツボを使って治療していきます。

「肝」は五行色体表では眼と繋がりが深く、眼の症状がある場合も「肝」を補うツボを使っていきます。眼の症状がある場合はさらに眼の周りにあるツボも使い、眼輪筋や眼を動かす筋肉の血行を促します。

頭に症状がある場合には首の後ろだけでなく、前後頭部・側頭部にも鍼を行い、頸部の胸鎖乳突筋や肩部の僧帽筋などにも施術していきます。

 

痛みが発生する原因が日常の生活にあるため、慢性的に症状がある場合が多く、定期的なケアが必要になります。

 

 

症例

40代 男性

何年も前から首のコリに悩まされており、特に頭と首の間の所が辛くてたまらない。

指で押しても患部に届いている感覚がなく、深部の筋肉が凝り固まっている感覚がある。

ひどくなるとこめかみから後頭部にかけて締め付けられるような痛みが数日続くこともある。

横を向いたり、上を向くと首の付け根で引っかかるような嫌な感覚があり可動域も制限されている。

マッサージやストレッチではどうする事も出来ないため、鍼灸に藁にすがる思いで来院した。

普段はデスクワークが中心で、1日に8時間以上はパソコンに向かって仕事をしている。

当院の施術

まず、仰向けの状態で自然治癒力や血流を促すために自律神経の調節を行いました。

自律神経が乱れてしまうと血流が悪くなりコリができやすくなります。

また、交感神経が過剰に働くと筋肉を収縮してしまうため、副交感神経を働かせ心身ともにリラックス状態にしてから後頭下筋群に対してアプローチをしていきました。

体位をうつ伏せの状態に変え、後頭下筋、首、肩と背部や腰部に刺鍼し筋緊張を緩めていきました。

とくに患部である後頭下筋群(大、小後頭直筋、上、下頭斜筋すべて)に対してはしっかり深部まで鍼を刺入し、深部のコリを刺激していきました。

経過

1回目

施術終了時からとてもすっきりして、すがすがしい気分になった。今まで手が届かなかった深部のコリを刺激してもらえたのでよかった。辛さも軽減した。

2回目

前回後からかなり辛さがなくなった。

忙しいとまた硬くなる。

3回目

ほとんど気にならない。

快適に過ごせている。

 

症例 2

40代 男性

数年前から首肩こりがひどく感じ慢性化している状態が続いていたが、ここ2ヶ月ぐらい前から頭と首の付け根の部分がかなり辛くなってしまい、セルフストレッチではどうにもならなくなったため当院へ受診した。

常に重だるさや強いこり感が続いており、仕事に集中できないぐらいになっている。

後頭下筋群以外にも、肩、背中、腰の辛さもあり、全身的に筋肉を緩めたい。

普段の仕事はパソコンを使う事もあるが、重い荷物を持つ作業も多いため首肩から背中腰に大きな負担が掛かってしまう。

またそれ以外の時間はスマートフォンを使用している事が多く、自然と下を向く体勢が長くなってしまうため後頭下筋が疲れる。

当院の施術

この方のお仕事は激務らしく、連勤が何日も続き休日がとれない事が多いため来院されるときはかなり疲弊しておりました。

しかも二交代制で頻繁に日勤と夜勤が入れ替わるため生活リズムがかなり乱れており、長時間労働で睡眠時間も短くなってしまうため自律神経にも影響が出ている考え、念のため自律神経の状態を確認していきました。

施術内容は、後頭下筋群を中心に首肩背中のトリガーポイントに鍼で刺激し、低周波鍼通電療法で筋緊張を緩めていきました。

同時に自律神経の調節を目的とした施術も合わせて行い、全身の疲労改善を促進させていきました。

経過

1回目~5回目

筋緊張が取れて、首が動かしやすくなってきた。

6回目~10回目

終ったあと身体が軽くなり、スッキリする。

 

現在も定期的に通院中。

 

 

むくみの鍼灸治療

火曜日, 6月 23rd, 2026

むくみの東洋医学

東洋医学においてむくみは「津液の停滞」と考えます。臓腑は脾、肺、腎の三つの臓器が主に関連しています。

特に水分代謝を司る脾が大きく関係し、この脾の働きが弱くなることによって起こるのが脾虚によるむくみです。

むくみの他にお腹が張る、食欲がない、軟便、下痢、吐き気などを伴なうことがあります。脾は四肢を司るため手足にむくみを生じます。

消化吸収を担う臓腑でもある脾は暴飲暴食や無理なダイエット、疲労や運動不足でも弱まりやすく、湿気の多い環境で過ごしたり暑いからと水分を過剰に摂取する事で、水分が脾胃に停滞し消化吸収が阻害されてむくみを生じます。

肺虚によるむくみは上半身や顔に出やすいのが特徴で、肺はどの臓器よりも外気にさらされやすく冷えや乾燥に弱い臓器です。

長時間寒い場所にいたり乾燥した場所にいる事で肺の機能が弱まると、水分を体の内から外へ配布する働きや、水分を体へ巡らせ皮膚の潤いを保ったり、汗として体外に発散させる肺の働きが弱められ水分が停滞してむくむと考えられています。

また、全身の水分バランスを整える働きをしている腎の機能が疲労やストレス、食生活の乱れ、睡眠不足などで弱まると尿の生成、排泄が上手くいかず体内の水分代謝が悪くなり、むくみの原因になります。

その他にも寒湿(冷え、湿気)や、湿熱(アルコール、暴飲暴食、油っぽい食事など)が原因として考えられています。

むくみに対する当院の鍼灸治療

むくみが起きやすい方は冷え血流の悪さといった状態を伴なうことが多く、手足が冷えやすい、デスクワークで肩こりや腰痛がある、立ち仕事で足が疲れやすい、などといった自覚症状をお持ちの方が多いです。

むくみのお灸治療

当院では最初に自律経測定器で血管の状態や自律神経のバランスを測定させて頂きお身体の状態を診ていきます。
自律神経のバランスが乱れを起こして交感神経が過亢進状態になると血管が収縮し、冷えや血行不良、筋緊張を起こしたり、逆に副交感神経が過亢進状態も血管のポンプ作用が低下しむくみを起こす原因となるからです。
まず、仰向けで腹部や下肢、上肢に鍼やお灸で刺激を与えて自律神経の調整を行った後、うつ伏せで足や腰など下半身にあるツボや背部の五臓六腑の働きを整えるツボに刺激を与え、冷えや血液循環を改善していきます。

むくみの鍼灸治療

 

また上半身や顔のむくみが気になる方は首や肩、上肢にもアプローチしていきます。

むくみのうつ伏せ鍼灸治療

 

 

 

むくみとは

 

人間の身体の約6割程度は水分でできています。
水分は、細胞の内側と外側にも存在して、3分の2程度は細胞間質液といいまして細胞の中に存在しています。 しかし、何らかの原因で細胞内の水分が細胞外に出ることでむくみの症状として現れてしまうのです。
医学的にいいますと、「むくみ」を「浮腫」といいます。細胞間質液は、細胞内を飛び出して栄養成分を様々な器官に運ぶ役割があります。細胞外に出た細胞間質液は栄養成分を送り届けたあとに再び血液内に戻りますが、正常に血液内に細胞間質液が戻れないとむくみとなってしまうのです。

むくみ

むくみの原因とは

 

むくみの原因は、大きく分けて「生理的なむくみ」と「病的なむくみ」「突発性のむくみ」に分けられます。

 

・生理的なむくみ
生理的なむくみの原因は、長時間の座りっぱなしや立ち仕事などで同じ姿勢が長くなってしまうことで、特に足に静脈血が集中して静脈の圧力が高まることで細胞から押し出された細胞間質液が余分な水分となって現れることでむくみの症状となります。また、朝起きた時などにみられる一時的な顔のむくみなども生理的なむくみと言われ、生理的なむくみはずっとむくんでいるというわけではなく、むくみは朝や仕事終わりなど時間が限局されています。

・アルコールの摂取
アルコールを摂ると血液中のアルコール濃度が高くなり血管が拡張して静脈やリンパによる水分の処理が間に合わなくなるのでむくみやすくなります。

 

・塩分の摂りすぎ
塩分を摂りすぎると余分な水分が増えむくみが進行します。カップ麺などのインスタント食品は避けましょう。

 

・ビタミン・ミネラル不足
特にカリウム、マグネシウムなどの不足はむくみに繋がります。

 

・自律神経、ホルモンバランスの乱れ
自律神経は交感神経と副交感神経がバランスをとる事によって内臓や血管などの機能が正常に機能しています。ストレスや疲労、生活習慣の乱れ、気温の変化などでこのバランスが乱れると血行不良の原因となってしまいます。
血行不良は冷え性の原因となるだけでなく老廃物や余分な水分が下半身に溜まりやすくなるためむくみの原因になります。また、ホルモンバランスと自律神経は脳の視床下部という同じ場所で支配されてます。そのためホルモンバランスが乱れると視床下部に影響を与え、自律神経のバランスも乱れやすくなります。すると血行不良やリンパの流れに影響を与え、むくみの原因となります。

自律神経失調症について

 ・運動不足
筋ポンプ作用が十分に働かないため、足の血液が心臓へと戻らずに足にうっ血が起こりやすくなります。また、筋肉の量が少なくなることで筋ポンプ作用の効率が悪くなり、新陳代謝の低下により血行が悪くなり、リンパの働きが悪くなります。

 

・生活環境
運動不足や睡眠不足、エアコンによる冷え、ストレスや足を締め付けるような靴、極端にヒールの高い靴、圧迫感のある下着などもむくみの原因になります。

 

・筋肉疲労
筋肉の疲労は時間がたつにつれ筋肉を緊張させ、筋肉がポンプの役割を果たすことが出来なくなり血流が悪くなります。

 

・月経前のむくみ
身体の水分を保持するプロゲステロン(黄体ホルモン)が増加する事によりむくみが出やすくなります。

 

 

・足のむくみ
デスクワークや立ち仕事など、同じ姿勢を長時間とる事でふくらはぎなど血液を循環させるポンプ機能が低下してしまいむくみの原因になります。血行が阻害されるとむくみの他にも足首の痛みなどの症状が出る場合もあります。
人体において下肢がむくみやすい部位なのは重力の影響でどうしても脚部に血液が溜まりやすいという「人体構造のしくみ」に関係があります。また、疲れている時、睡眠不足の時にもむくみやすくなります。こちらもポンプ機能が関係しているのですが、こちらはふくらはぎでなく心臓のポンプ機能が低下していることが原因です。また、女性に多いホルモンバランスの乱れや運動不足、冷え性といった血液やリンパの流れが悪い状態も原因となります。

・顔のむくみ
顔がむくむ時間で一番多いのが朝起きた時ですが、その原因は人間が夜寝る事で起こります。水分は高いところから低い所へ流れるので昼は足がむくみやすく、夜寝ている時は水分が身体全体に流れますので朝起きた時が顔のむくみが見られます。また、前日の過度のアルコール摂取や塩分の摂りすぎもよるものも原因の一つです。
アルコールをたくさん摂取すると血液中のアルコール濃度が高くなり血管が広がります。血液の流れが緩やかになると本来であればすぐに運び出してくれるための水分が滞ってむくみやすくなります。また、塩分を過剰に摂取すると腎臓に負担がかかってしまいます。
塩分を処理することが出来なくなるため体は塩分濃度を下げようとし、身体に水分をため込んでしまうためむくみが起こります。顔のむくみの症状は朝起きがけから、午前中くらいまでで昼に仕事や学校などで活動している健康な方であればいつの間にか顔のむくみは消えています。

 

その他にも、睡眠不足や疲れから新陳代謝が悪くなったり首や肩の筋肉の緊張が強い方もリンパの老廃物や余分な水分が流れにくく顔のむくみの原因となります。

 

 

病的なむくみ

こんなむくみがある場合は、一度病院で検査を受けたほうがよいでしょう。

・心臓疾患
心不全など

心不全とは病名ではなく「心臓の働きが不十分な結果、起きた体の状態」をいいます。心臓は全身に血液を送るポンプ機能を果たしていますが、病気など何らかの原因でその機能が低下することによって全身へ新鮮な血液を送ることが出来なくなってしまいます。その結果全身の末端である足などに水が溜まり、むくみを引き起こします。

 

・腎臓疾患
ネフローゼ症候群、急性糸球体腎炎、腎硬化症、多発性嚢胞炎、糖尿病性腎症、腎不全など

何らかの原因により腎臓の機能が低下してしまうと体のフィルター機能が上手く働かなくなり老廃物が体から十分に排出することが出来ずむくみの原因になってしまいます。

 

・肝臓疾患
肝硬変や門脈圧亢進症など

肝臓の機能が低下すると血液の中に水分を留めておく「アルブミン」というタンパク質の合成を上手くすることが出来なくなります。血液中のタンパク質が低下する「低タンパク血症」を起こしむくみの原因になります。

 

・内分泌機能障害
甲状腺機能低下症、甲状腺機能亢進症、月経前症候群(PMS)など

甲状腺の機能が低下するとアルブミンとムコ多糖体の結合物が沈着する事で水分とナトリウムが移動するため粘液水腫というむくみが生じます。これは他の浮腫と違って指で押してもすぐに戻ってしまい指の跡が残りません。逆に甲状腺の機能が亢進すると甲状腺ホルモンの働きが活発で過剰に分泌されることにより不整脈の一つで脈が不規則、かつ非常に速くなる「心房細動」が合併症として現れる事があります。心房細動によって心臓の動きに負担がかかると、全身の血の巡りが悪くなり手足や身体に浮腫が現れる事があります。

また、月経前症候群(PMS)の症状の一つとしてむくみが挙げられます。原因は黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌です。黄体ホルモンは妊娠しやすい体を作るホルモンですが、受精卵が着床しやすいように、子宮内膜を厚くする原料となる栄養や水分を蓄えようとするため、むくみやすくなるといわれています。

甲状腺機能亢進症について
月経前症候群(PMS)について

・突発性のむくみ
突発性のむくみとは原因のわからないものを指します。特に20代~50代の女性に多く発症して原因不明のため特に病院で検査をしても異常が見つからないため、病院では特に治療が行われずに悩まされている方も多くいらっしゃいます。 自律神経の乱れによるホルモンバランスの乱れや循環が悪くなっているために起こるとなどと考えられていますが、はっきりとした原因解明にまでは至っていません。

 

 

症例

50代 女性

更年期も関係しているのか分からないが、顔、足、手が気が付いたらパンパンにむくんでいる事が多くなった。

病院で検査をしてもらったが、異常は見つからなかった。

特に下肢のむくみが酷く、朝履いた靴が仕事終わりに入らないので最近はつっかけサンダルで職場に行っている。

前は足のサイズは23cmだったが、むくみがひどい時は26cmの息子の靴を借りて履いている。

手は朝起きるとパンパンで動かしていると動くようになるが、起きた時は手を握るのがやっとの状態で不便さを感じている。

 

当院の治療

筋肉の固さと筋肉量の低下、ホルモンバランスの乱れもあり手足が冷えてかなり血行が悪い状態でした。

東洋医学的な治療では、身体の水分の循環に関係する経穴に刺激を与えて、筋肉や血液循環等の西洋医学的な治療では、特に冷えや筋肉が固くなっている局所的な治療を行っていきました。

 

治療経過

◇1回目◇

足が軽くなり、ふくらはぎの太さが少し細くなった気がする。

◇2~5回目◇

むくみはまだあるが、足のサイズが変わることは減った。

◇6~9回目◇

回数を重ねるごとに、仕事終わりの足の重さが軽くなった。

◇10回目◇

自分の靴が毎日履けるようになった。

 

症例 2

80代 男性以前から足のむくみが慢性的にひどく、別の鍼灸院に通っていた。

鍼をやると改善するため継続して通っていたが、鍼灸院の先生が高齢のため引退することとなり、別の鍼灸院を探していたところ当院を見つけ来院した。

足の痛みはないが常に重だるく、午前より午後から夕方、夜にかけてひどくなってくる。

特に足首周りが酷く、むくみのためくるぶしの骨の部分が埋もれており、靴を履くのも一苦労だ。病院で検査を受けたが何も異常はなく、加齢や血流障害によるむくみと診断された。

読書が好きで普段は座っている時間が多く、日によっては全く動かないこともある。

頭はしっかりしているが、体力や筋力は日々低下していることを実感している。

 

当院の施術

まず患部である足の状態を確認していきました。

むくみは両足で、特に足首周囲全体的に強いむくみが起きていました。

押してみると少しだけ圧痕が見られましたが腎臓の検査も異常がないという事でしたので、血流循環を促進させる事に集中した施術を行っていきました。

足首や下肢の経穴に刺鍼し、電気を流す低周波鍼通電方法を用いて筋肉をに他動的に動かし血流を促していきました。

また、それ以外にも血管の動きをコントロールしている自律神経の調節を目的と施術も同時に行っていきました。

 

 

 

執筆者

清水大地

眼精疲労専門の鍼灸師

資格
はり師
きゅう師

2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む

2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立

2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院

2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院

2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院

肩こり・肩痛の鍼灸治療

月曜日, 6月 22nd, 2026

肩こり・肩痛に対する鍼灸治療

肩こり・肩痛の鍼灸治療方針

 

肩こりの原因や症状には個人差がありますので、それぞれの原因、症状に合わせた治療を行う必要があります。当院ではまず自律神経測定器によって血管の状態や自律神経の状態を測定させて頂き、自律神経や内臓機能を整えるツボを鍼やお灸で刺激する事で全身の血流を促進し、身体をリラックスした状態へと促し自然治癒力を高めていきます。

肩こりの自律神経調整鍼灸

そのうえで症状と合わせた頚や肩部、背部、上腕部などのツボを鍼や灸で刺激し、必要であれば筋肉の緊張が強いところへ電極を繋ぎ微電流を流すことで筋肉の緊張を緩和していきます。また鍼通電治療を行うことで痛みの閾値が上がり肩の痛みを感じにくくさせる効果も期待できます。
それらとマッサージやストレッチを行うことでさらに筋緊張の緩和を促し、施術効果を持続させるのです。

肩こりの鍼灸治療

また、肩こりの改善には普段の日常生活での姿勢や生活習慣を変えていくことも必要です。当院での施術に加えて日常生活での注意点もアドバイスしていきます。

 

肩部の疼痛に対する鍼治療の有効性に対する研究

 

肩部の治療に対する鍼治療の臨床研究は日本問わず海外でも行われています。ここでは一つイギリスのプライマリケア・クリニックで行われた肩部の疼痛に対して鍼通電治療法を用いた臨床研究をご紹介させていただきます。

参加者は18歳以上で肩の軟部組織領域が原因で肩の疼痛が出ていると医師から診断を受けた方を対象に行われました。

一つ目のグループは、肩の痛みが出ている部分と末梢部分の経穴に鍼を刺して低周波鍼通電治療を1週間に一度8週間受けたグループ同じ経穴に対して鍼を刺さない偽鍼治療群とに分けて行われました。

130人の患者が参加し、鍼治療群65人と偽鍼治療群65人をランダムに振り分けて痛みを測定する疼痛VASを用いたり、非ステロイド性抗炎症薬の投与量、などを用いて施術後の変化を見ていきました生活の質への患者満足度の評価法

両郡から10人ずつ脱落者がでたが、7週間後偽鍼群では疼痛VASスコアが20%低下したのに対して鍼通電治療群では、43%の低下が見られました。その他非ステロイド性抗炎症薬の投与量の減少、肩関節の可動域の拡大、生活の質の改善など鍼通電治療群では明らかな改善結果が得られました。

その効果は治療開始後、3か月・6か月ともに継続して見られました。

参考文献
『鍼のエビデンス 鍼灸臨床評価論文のアブストラクト』
医道の日本社

肩こりの鍼灸治療症例

30代 女性
長年慢性的な肩こりに悩まれていたが、二年ほど前から結婚を期に職場が変わり、通勤に1時間以上かかり、仕事もパソコン中心のデスクワークを行うようになり、肩の痛みや腕の冷え感・だるさや痺れを感じるようになってしまった。ある時から通勤中の吊り輪を持つこともつらくなり、仕事中でも肩が痛く仕事にも支障が出るようになってしまった。整形外科を受診してレントゲンなどで検査をしたが、特に病的な異常は見られずに特に治療は行われなかった。
マッサージ院や整体院などにも1年ほど通院したがなかなか改善されずに鍼灸治療を試してみたいと当院にご来院されました。

治療
首や肩部分を触診したところ特に肩甲挙筋と僧帽筋、小円筋や大円筋、上腕二頭筋長腱付近の緊張が強く凝り固まってしまっている状態でした。また、通勤中や仕事中のつらさから仕事にも嫌気がさして夜も深い睡眠がとれていないと感じていることから自律神経測定器で自律神経の状態も測定していきました。

◇1~3回目◇
治療後1日くらいは肩や腕の調子はいいと感じたが、2日もすると状態は戻ってしまう。

◇4回目◇
普段、通勤電車でつり革をつかむとすぐに腕のだるさや冷え感を感じていたが、それを感じるまでの時間がだいぶ伸びてきたと感じたとのこと

◇5回目◇
頸肩周りの筋緊張はだいぶ緩和されてきた印象。本人としてはまだ仕事中1時間もすると肩が気になってくる。睡眠は最近深く取れるようになってきた。

◇6~8回目◇
頸肩部に鍼をさしながゆっくり肩を挙上させて痛みを軽減させる運動鍼療法を行ったところ次の日からだいぶ状態が軽減されてきたとのこと。

◇9回目◇
頸肩の状態はだいぶ緩和されてきて仕事中はそこまで気にならなくなってきた。まだつり革をもつと冷え感は感じてしまうが、その程度も軽減されてきた。

 

症例2

40代 男性

もともと肩こりが酷かったが、ここ最近になって痛みが生じるようになってきた。

腕を動かし始めるときに痛みが現れるが、動かし続けると楽になる。

普段はデスクワークで平均8時間、長い時は10時間ほどパソコンに向かって仕事をしている。

肩こりが気になるとマッサージや整体に行ってケアをしていて、今回もマッサージ、整体に行ったがあまり改善されず、他に良い方法がないかと探したところ、当院をみつけ予約した。

当院の施術

まず実際に筋肉の状態を触診にて確認していきました。

お身体は患部の肩のみではなく、背中や首、腰の筋肉も非常に緊張をしていました。

首や肩関節の可動域も狭く、首はストレートネックになっており、筋緊張は長時間の姿勢の悪さが大きな原因となっています。

 

当院では、

①自律神経の調節

②血流促進による筋緊張の緩和

③低周波鍼通電により痛みの緩和

以上を中心に行っていきました。

経過

◇1回目◇

施術後は少し軽くなったが、またすぐに戻ってしまった。

◇2回目◇

施術後は軽くなるが、まだ大きく変化はない。

◇3回目◇

少し楽な時間が増えてきた。

痛みも前より楽になってきた。

◇4回目~6回目◇

痛みも軽快し、首肩が軽い。

◇7回目~10回目◇

あまり気にならなくなってきたが、忙しいとまた辛くなる。

 

現在も通院中

 

症例 3

50代 男性

数年前から肩凝りがひどく感じるようになり、ここ1か月前から肩に痛みが気になり始めてきた。

基本的に両肩が辛いが、特に右肩から肩甲骨周辺の痛みが気になる。

普段は営業の仕事をしており、パソコンを持ち歩いているため常に肩が凝りやすい状況にある。それに加え休日は顧客とのゴルフに参加する事が多く、毎回プレー後は肩が辛くなる。

ゴルフはあまり好きではないため、練習は熱心にしておらず、あまり上達しない。そのためラウンドでゴルフをプレーすると、無理やり飛距離を出そうとして右肩に力が入ってしまう事が原因と自覚している。

当院の施術

まず、自律神経測定器での測定、肩のアライメント、患部の筋肉の状態などを確認していきました。肩関節の外転の可動域に左右差があり、少しだけ右側が狭くなっていました。

首や肩の筋肉はかなり緊張しており、特に僧帽筋や棘上筋といった肩上部の筋緊張が目立ちました。

自律神経の調節に合わせ、患部の筋肉のトリガーポイント鍼で刺激し、筋緊張を緩めていきました。

鍼治療は初めてとていう事で、普段注射も苦手のため非常に緊張している様子だっため初回はソフトな刺激量で施術を行いましたが、鍼の刺激の気持ちよさや効果を実感し、鍼灸治療好きになっている様子でした。

 

 

 

肩こりの鍼治療

 

 

肩こりとは

 

肩こりとは後頭部から肩、肩甲骨や鎖骨にいたる筋肉が異常に緊張し、痛みや不快感、違和感を感じる症候の総称であり、症状が悪化すると頭痛吐き気上肢の痛みを伴う事もあります。肩こりを感じる筋肉は色々ありますが、首の後ろから肩、背中にかけて張っている僧帽筋という幅広い筋肉が中心です。

筋肉が硬くなり循環障害が起こる事で酸素や栄養分が末端まで届かず、疲労物質が蓄積する事が刺激となり痛みを引き起こします。肩こりの原因は実に様々です。

 

 

 

肩こりの原因

 

・筋肉疲労によるもの

姿勢不良による筋肉の過緊張、使い過ぎによるもの、冷えによる筋肉の中での血行不良、加齢や運動不足などが原因として挙げられます。

 

・眼精疲労

目の酷使によって、目の周囲の筋肉の緊張と共に首や肩の筋肉が緊張する事や、メガネの度数があっていないなどの慢性的な目の緊張や疲労が肩こりの症状を引き起こす事があります。

眼精疲労の鍼灸治療について

・ストレスによる緊張

過度なストレスを受けると、身体の調節機能である自律神経のバランスが崩れる事により筋肉疲労を引き起こします。自律神経は日中の活動を司る交感神経と体の回復を司る副交感神経の二つで成り立っており、この正反対の働きをする二つの神経がバランス良く働く事で健康が保たれています。

この自律神経は脳の視床下部で統率されている為、精神的ストレスの影響を受けやすいといわれています。過度のストレスや疲労により自分の意志とは無関係に自律神経のバランスが崩れて血管を収縮させ、筋肉を緊張させる交感神経の働きが優位になります。

このような状態が長く続くと、血行不良や筋肉の緊張も続き、肩こりが慢性化しやすくなります。また、自律神経は心臓の拍動や血圧の調整、汗の分泌、内臓の運動などの体の反応を司っている為、肩こりと併発して動悸や息切れ、不眠めまい頭痛、火照り、血圧上昇、下痢や便秘、胃腸の不調など様々な自律神経症状が現れる事も少なくありません。

 

・体系や骨格の影響によるもの

猫背、なで肩、肥満、側弯症、ストレートネックなど

 

・歯のかみ合わせ不良、顎の関節の問題からくるもの

不自然なかみ合わせにより咀嚼筋の緊張を引き起こす事で顎周りの筋肉が緊張し、肩こりを引き起こします。特に側頭筋の筋緊張は頭痛を引き起こす原因ともなります。

 

・頸の骨や神経に問題がある場合

 頚椎椎間板ヘルニア
主に加齢や外傷が原因で発症し、骨と骨の間に挟まれているクッションの役割を果たしている椎間板が何らかの理由で飛び出て神経を刺激する事によって起こります。30代~50代に多く突然発症する事もあります。

悪い姿勢での作業やスポーツなどが誘因になる事もあります。首の痛みや肩こりに加えて痛みやしびれを腕や手指に感じます。椎間板が飛び出した場所により神経を圧迫する位置も違うので、痛みや痺れが現れる場所も違ってきます。

神経の圧迫が強くなると手足の動きが悪くなったり麻痺のような症状に進行する事もあります。

 

 

 

変形性頚椎症
私達の体は脊柱(いわゆる背骨)を支柱にしていますが、そのうち首の部分の骨は7つで構成されており頸椎(けいつい)と呼ばれています。

これらの骨や周辺の靱帯が組み合わさることで、上下左右の向きたい方向に首を動かすことが出来ています。頸椎の中には脊髄が中心に走っており脳から命令を全身に伝える役目を果たしています。変形性頚椎症とは何らかの理由により頸椎が変形を起こすことです。その原因は主に加齢や事故による外傷によるものが多く、40代以降の人が特にかかりやすいと言われています。

しかし、若くても遺伝的な要因で骨の変化が見られることがありますし、スポーツによる怪我や交通事故などの衝撃で頸椎がずれてしまったり、日頃の姿勢の影響も原因の一つとされています。

頸椎の変性とは骨と骨の間のクッションの役割を果たしている椎間板が弾力性を失っていく事で骨と骨がぶつかり合ったり擦り減ったりすることで、骨のでっぱりが出来て骨が変形します。これを骨棘(とげ状の突起)と言います。

 

また、靱帯の石灰化や骨化、椎間板が後ろに飛び出したり、脊髄の微細な傷や血行障害などにより脊髄から分かれて足の方へ向かう神経根という神経を圧迫、刺激されることによって痛みを引き起こします。首や肩の筋肉の緊張と圧痛、肩から腕にかけての痛み、(放散痛)脱力感、疲労感が生じ、腕や手指にしびれが出ることも多く、その痛みは軽いものから耐えられない程まで程度は様々です。

症状が進行すると手の筋肉の萎縮や皮膚温の低下、異常発汗、等が現れます。また、脊髄に圧迫が起こると下肢の症状が現れ、歩行障害、排尿、排便障害などの症状が現れます。

 

・臓器の問題があって起こる肩こり

肩こりを併発する内臓疾患として心臓病や肝臓、胆嚢の病気、胃腸障害、肺の病気などが挙げられます。

狭心症心筋梗塞では左胸から左肩への放散痛が特徴的です。肩こり以外にも背中の痛みや、強い胸やけ、胸が締め付けられるような激しい痛みが伴います。

右肩やその周辺に痛みやコリがある場合は肝臓や胆嚢の病気の疑いがあります。肝臓の機能に障害があると肝臓の上に位置する横隔膜が刺激され肩の動きが障害され、右の首から肩への痛みが見られます。胆嚢炎胆石の時は、右の上腹部の激しい痛みと共に右肩から肩甲骨にかけても強く痛みます。

胃腸障害では肩こりや肩甲骨の間に痛みが現れる事があります。肺結核肺膜炎になると微熱、咳、だるさの症状が起こりますが初期症状として首、肩こりや背中のコリ、だるさが出ることがあります。

慢性的な肩こりがある方は内臓疾患からくる肩こりを見極めにくいかもしれませんが、内臓疾患からくる肩こりの特徴として肩こり以外にも持続的な疲労感、頭痛、動悸や息切れ、めまい、耳鳴り、背中の痛み、発熱、手足のしびれなどの症状が現れるという事や、運動や入浴、マッサージなどで筋肉を緩めても症状が軽減されないという事が挙げられます。

今までに感じたことの無い痛みや違和感が続いたり、肩こり解消の対処をしても、痛みが段々と増しているなどの異常を感じたりした場合は重大な病気が隠れている可能性もありますので、早急に医療機関の受診をお勧めします。

また、疲労や暴飲暴食、ストレス、運動不足、寝不足などで内臓疲労(肝臓、腎臓、膵臓、脾臓、胃、腸など)が起こり、それが肩や背中のこりとして現れることもあります。

東洋医学では人の体には経絡という道のようなものがあり「生命エネルギー」の通り道になっていると考えられています。主要な経絡は14ありそれぞれが臓器と深い関係にあります。このルート上にあるのがツボと呼ばれ生命エネルギーの出入り口とされています。ツボと臓器は繋がっている為臓器が不調になれば関連するツボが硬くなったり押すと痛んだりするようになります。鍼灸治療ではこの関係を利用し、内臓疲労から起こる肩こりに対し関連する臓器に対応するツボを鍼や灸で刺激を与える事で症状を緩和していきます。

 

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