東洋医学では風邪は疲労やストレスなどで体の抵抗力(正気)が弱くなったところへ風邪、寒邪などの外邪(気候の変化、湿気や乾燥、寒冷などの温度変化)が侵入することで発症すると考えられていますが、この風邪の種類を大別すると悪寒の強い「風寒型」と、発熱や炎症の強い「風熱型」に分けられます。
上気道の炎症は「風熱型」で風熱の邪が何らかの理由で身体に侵入して起こると考えられています。
いわゆる体内に熱がこもっている状態で、口の渇き、発熱などがみられます。
また、東洋医学で五臓六腑の「肺」は呼吸器系の機能の他、皮膚や鼻、喉、気管支などの働きも含んでおり、体温調整機能や免疫機能も含みます。そのため何らかの理由により「肺」の機能が低下すると喉の炎症が起こりやすくなると考えられています。
経絡では「肺」と「大腸」は表裏関係にあり互いに影響しあっているため、肺の機能が低下すると便秘やお腹の張りなどの大腸のトラブルが起こりやすくなるといわれています。
当院ではまず自律神経のバランスを測定し、お身体の状態を把握した上で治療に移ります。
過度なストレスや疲労などにより自律神経のバランスが崩れると免疫力の低下が起こり、咽頭の免疫システムにも影響を及ぼします。また、咽頭には自律神経が数多く存在するため、炎症が起こることで自律神経が刺激を受け、頭痛、肩こりなどの自律神経症状が起こりやすいといわれています。
内臓機能、免疫機能、血液循環などを司る自律神経のバランスを整えるツボに鍼やお灸で刺激を与えることで、免疫力、自然治癒力を高め全体的な身体のバランスを整えます。

また、東洋医学的観点から、「肺」や「大腸」の経絡の重要なツボや、体内にこもった余分な熱を除くツボに鍼やお灸で刺激を与えます。
それに加え喉の周囲のツボを用いて咽頭周囲の血液循環を促進し炎症を抑える効果を促します。

鼻や口の奥を咽頭といいますが、ここには咽頭扁桃、口蓋扁桃、口蓋垂などが存在しています。咽頭炎とは咽頭の粘膜とリンパ組織に炎症が起こる疾患です。ただし、口蓋扁桃炎に強い炎症がある場合には扁桃炎という別の病名で呼びます。
大きな意味で風邪として扱われることが多い疾患でもあります。咽頭は鼻や口を通して直接、外と接するところなので感染を起こしやすい所です。
様々な咽頭炎がありますが、大きく急性咽頭炎、慢性咽頭炎、咽頭特殊感染症に分けられます。
急性咽頭炎はアデノウイルスやコクサッキーウイルス感染や、A群β溶血性連鎖球菌(溶連菌)、インフルエンザ菌などの細菌の感染によるものが一般的です。その他にも花粉や、刺激性の強いガスなどが原因となるものもあります。
慢性咽頭炎は急性咽頭炎を繰り返したり、タバコの煙、飲酒、ほこりなどが慢性的に咽頭を刺激したり、声を使いすぎることなどにより起こります。
咽頭特殊感染症はクラミジア、梅毒トレポネーマ、結核菌、ジフテリア菌などの特殊な病原体が原因となります。これらの感染症は社会環境の変化などにより近年増加の傾向にあります。
咽頭炎は気温の変化、寝不足や疲れなどから抵抗力がおちたときに発症しやすいといわれています。
※溶連菌感染症
溶連菌とは正式にはA群β溶血性連鎖球菌という細菌です。感染する場所は鼻の粘膜や喉の粘膜、扁桃腺などが一般的です。症状として38℃~39℃くらいの発熱と喉の痛みが現れます。しかし、3歳未満はあまり熱が上がらないといわれています。風邪と違い咳や鼻水などの症状はほとんどみられません。また、頭痛や腹痛、頸のリンパの腫れ、手足などに発疹が出たり、イチゴ舌(舌がイチゴの表面のように赤くブツブツした状態になる)がみられることがあります。子供に多い疾患ですがどの年代の方でも溶連菌感染症にかかる可能性はあります。
治療は抗生物質の服薬が主になりますが、溶連菌感染症は急性糸球体腎炎やリウマチ熱などの後遺症を残すことがありますので症状が無くなっても最後まで薬を飲み続けることが重要になります。
急性咽頭炎では咽頭の痛みが急激に現れ、その他喉の違和感(不快な感じ、乾燥した感じ、つまった感じなど)、ものを飲み込んだときの痛み、咳、痰、声のかすれなどが挙げられます。
このような喉の症状に加えて全身症状として発熱、倦怠感、首のリンパ節の腫れ、筋肉痛、頭痛、吐き気、食欲不振、腹痛などを引き起こすことがあります。溶連菌感染の場合全身に発疹が現れることがあり、猩紅熱と呼ばれています。
慢性咽頭炎では咽頭の不快感、違和感などが慢性的にあり、それに伴って咳払いも増えます。
咽頭特殊感染症では、症状は普通の急性、慢性咽頭炎に似ているため、症状だけで鑑別するのは困難です。
咽頭炎はいわゆる風邪として発症するため、診断は喉の状態を詳しく診察することで診断されます。視診により赤みや白苔の有無を確認し、インフルエンザや溶連菌が病原菌として疑わる場合には綿棒を使用してのどや鼻から検体を採取し迅速検査を行うことがあります。また、咽頭の細菌培養、血液検査などを行うこともあります。
細菌性の場合適切な抗菌剤を処方し、ウイルス性の場合は対処療法を行い自然治癒を期待します。
溶連菌による急性咽頭炎の場合、全身疾患の合併も考慮し、必要に応じてレントゲン検査、心電図、心臓の超音波検査などを行います。
薬物療法として喉の炎症を抑えるような内服薬や解熱鎮痛剤、うがい薬などを処方されます。また、痛みにより食事がとれない場合が点滴による水分補給が行われます。
ネブライザー治療
霧状の薬剤を鼻や口から吸入することによって患部に直接薬を当てていきます。ネブライザーを行うことにより患部に効率よく薬を作用させることができます。つまった鼻の通りを改善し、鼻水を出やすくしたり、鼻腔粘膜の腫れなどを鎮める効果があります。
副鼻腔炎などほかの病気が関与しているときはその病気の治療も行います。
症例
20代 男性
1か月前に風邪を引いてしまい、現在は熱やだるさ、鼻水は治まったが、喉の痛みと咳が残ってしまった。
病院でも治療を受けているがなかなか改善せず慢性化してきているので、病院の治療以外にも他の治療方法を考え、当院を受診した。
発症当時よりだいぶ改善はしているが、依然喉は常にイガイガしており、飲み物を飲むときは苦痛である。咳は日中はあまり出ないが、夜寝ているときに一度出はじめると止まらなくなる。
そのため、首の筋肉の張りが強く感じ、締め付けられるような感覚があるため余計に咳が出やすくなってしまっている。
当院の施術
まず、身体の回復力を司っている自律神経の状態を、測定器で確認していきました。
交感神経と副交感神経のバランスが大きく崩れ、乱れが強い状態でした。
話をお聞きすると、ついつい夜更かしをしていつも寝る時間が深夜の1時や2時ぐらいになってしまい、寝不足の状態が多いという事でした。
自律神経の乱れは、このように生活習慣が乱れることで起こります。
自律神経が乱れると、免疫力が低下し感染しやすくなると同時に、自然治癒力も低下してしまうので、喉の炎症が慢性化してしまう事があります。
そのため当院では、咽頭の炎症を抑える施術と合わせて、自律神経の調節を目的とした施術も同時に行っていきました。
経過
1回目
大きくは変わらないが、少しだけのどの痛みが軽減したような気がする。
2回目
あまり変化はない。
3回目
喉の痛みは軽くなった。
4回目
咳が出る頻度が少なくなった。
5回目
あまりのどの痛みが気にならなくなってきた。
6回目
ほとんど気にならない。
症例2
20代 女性
◇症状◇
3年前から冷えると、のど風邪をひくようになった。
頻繁にのどが痛む。同年に口蓋扁桃摘出。
翌年、慢性上咽頭炎の診断を受け、1年ほど病院の治療を続けたが改善せず。
首のコリが酷く、のどに血液が流れていないと自覚がある。
鍼灸治療も通っていたがあまり変化はなく、胸鎖乳突筋へのパルス治療を希望して当院を受診。
◇当院の施術◇
後頭部から後頚部、肩甲骨周囲、背中の筋肉へ刺入した鍼に電気療法を行い、交感神経の興奮を抑えるよう自律神経治療を同時に行った。
循環改善と筋緊張緩和を目的として胸鎖乳突筋への鍼通電療法を行った。
・1回目
後頚部は少し動きがよくなったが、前頸部の硬さは変化せず。
・2回目
全体的にゆるみがでている。
・4回目
全体的に軽くなり楽になった自覚あり。
・8回目
肌あれなどが気になり、美容鍼も同時に行う。
・7回目
ニキビが減ったことで気分も楽になっている。
・10回目以降
のど風邪をひくことがほぼなくなっている。
胸鎖乳突筋の硬さは8割りほど軽減。
清水大地

資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院
緑内障の鍼灸治療はWHO(世界保健機構)に適応疾患として定義されています。
当院の緑内障に対する施術は、第一に目の周辺のツボにハリやお灸の刺激をすることのより目の血行状態をよくします。緑内障は眼底の血流不足で発症するという報告もあり、眼底の血流改善の目的でも施術します。また必要の場合は、電気ハリも用います。緑内障では、眼圧の上昇は症状の進行につながるため眼圧を下げる効果のある経穴に鍼やお灸を用いて刺激していきます。当院の鍼灸施術で、眼圧が低下して安定して緑内障の進行を防ぐことができた方が多くいらっしゃいます。
また緑内障を東洋医学的に見ますと五臓六腑の肝と腎が深く関係していると考えられていますので、肝や腎の特に重要なツボも用いてハリやお灸の刺激をしていきます。
東洋医学の特徴である全身を診て治療いくことにより、人間の本来持っている体を正常に戻そうとする自然治癒力を引き出します。
緑内障の治療は西洋医学の目薬の治療だけでなく、東洋医学的治療を加えることで症状の進行を防ぐことができる可能性が高まります。病院と並行して鍼灸治療を受けることで相乗効果が生まれることが期待できます。

緑内障の原因は眼圧が高くなることが一般的に知られていますが、日本人に一番多いのは、正常眼圧範囲でも緑内障を発症してしまう正常眼圧緑内障です。

↑お灸治療も用いて血流の改善を図っていきます。
東洋医学では五臓六腑の肝は目に開竅するといわれており、目の疾患は肝機能の障害が深く影響していると考えられています。肝血が不足してしまうと視覚の異常や運動系の異常などがみられます。
また東洋医学では緑内障は瞳孔の疾患と考えられていて瞳は五臓六腑でいう腎に当てはまります。よって緑内障は肝が最も深く関係していますが、腎の疾患でもあります。また肝と腎は相互に依存しており、互いにとても深い関係にあります。

緑内障の発症や進行には、眼圧や加齢、酸化ストレスなどさまざまな要因が複雑に絡み合って関与していると考えられています。
・強度近視の人
強度近視の方は、眼軸長が長く楕円形みたくなっている場合が多くただでさえ視神経が障害を受けやすくなっており、緑内障の発症リスクが高いと言われています。よってこれ以上近視が進みにくくするように日常生活で気を付ける必要があります。
スマートフォンやパソコンなどを長時間見ない・一定時間見たら必ず目の休憩時間を取るといったことが重要です。
・酸化ストレスをへらす、消去する
体内に取り込まれた酸素のうち数%は活性酸素に変わると言われています。活性酸素は増えて過ぎてしまうと正常な細胞や組織を傷つけてしまうリスク(酸化ストレス)があります。
緑内障の重症度と酸化ストレスを調べた研究では、緑内障が進行している人ほど酸化ストレスが多い傾向があるという結果が出ました。
比較的若い世代にもその傾向が強く、酸化ストレスをへらすことで緑内障の発症リスクや進行リスクを減少させる可能性があります。
酸化ストレスを増やしてしまう要因として、激しい運動や紫外線、精神的ストレス、喫煙習慣、睡眠不足が挙げられます。それらをなるべく控えるようにしてビタミンA/C/Eが豊富に含まれる果物や野菜を摂るようにしましょう。
・カロリー制限をすると緑内障の進行予防になる
マウスを使った実験でカロリー制限によって緑内障の進行が抑えられたという結果が出ています。
正常眼圧緑内障を引き起こすマウスに位一日おきに絶食をさせたマウスは、同じように正常眼圧緑内障が発症して通常の食事を摂らせたマウスに比べて視神経の変性が抑えられて見る機能が悪化しにくくなることがわかりました。カロリー制限をすることで活性酸素の発声を抑えることができ、酸化ストレスの軽減に役立ったのではないかと推測されています。
マウスと同じように一日おきの絶食はほかの弊害が起こる場合もありますので腹八分目に食事を抑えるなどして食事量を減らすことを心がけると酸化ストレスを抑えられて同様の効果が得られる可能性があります。
症例1
50代 女性
10年ほど前から緑内障を患っており、一番症状がひどい時は眼圧が24mmHg程と高かった。現在は眼圧が20mmHgと少し下がってはいるものの薬を点眼し続けているため副作用も出てきて本人としては薬を使わないようにしたいとのこと。小さい時から強度の近視で先天性の白内障や網膜剥離も患っており目の疾患は今までも多かった。
目の症状の他に首から肩甲間部にかけて硬く、つらい。睡眠の質が悪く朝すっきりとしないことや冷え性、下痢など自律神経症状もみられる。
当院の治療
目ばかりでなく、全身の症状を時間をかけてじっくりと問診した後、自律神経測定器で自律神経の状態を計測しました。
治療方針として
1.自律神経の調整
2.首肩の筋緊張の緩和
3.目の周りの筋緊張の緩和
この3点を重点的に行いました。
この患者さんの場合は鍼灸治療が久しぶりということもあり、最初は刺激量を抑えて鍼も細い鍼を使用し、鍼灸治療の刺激を徐々に体に慣らしていくように施術していきました。
治療経過
◇1回目◇
自律神経測定器の結果、交感神経が過亢進の状態でしたので、まず心地よい程度の熱さのお灸で体をリラックス状態に持っていき、副交感神経の活動を上げる施術を重点的に行った。
◇2回目◇
1回目の治療後体が温まった感じが続いて長年の手足の冷えが良くなったと感じたとのこと
◇3回目◇
手足は継続して温かいと感じる。目の状態はあまり変化が見られない
◇4回目◇
首や肩の症状がいくらか和らいできた
◇5回目◇
見えづらさなどの目の状態が少しずつ改善されてきた。
◇6回目◇
眼科で眼圧を測定したところ眼圧が14~15mmHgと下がっていた。このままの眼圧だと薬の量を将来的には減らしていけるとのこと。
症例2
40代 男性
◇症状◇
3年前ほど前にたまたま検査を行った際、眼圧が高いことが発覚した。正常眼圧が平均14、15ぐらいなのに対し、両目とも25であった。自分で生活面での改善を行った結果、19まで落ちていたが、このままの状態が続けば視野傷害が出現する恐れもあり、それを鍼灸治療で食い止めたいという思いから当院に来院した。目のかすみが若干あるが緑内障自体の症状はまだない。
◇当院の治療◇
まずは自律神経測定器にて現在の身体の状態を計測。自律神経の乱れもあり、血管の働きも低下していたので、自律神経調節の治療を行った。房水の排出を狙い目の周りにあるツボに刺鍼をし、そこに低周波を流した。デスクワークが多く目への血流の妨げになっていると考えられる首肩周りの緊張を取るため首肩、肩甲骨まわりにも刺鍼。
・1回目
施術後、目の疲れが軽くなったが、目のかすみがまだ目立つ。
・2回目
目の疲れがだいぶ取れてきた。かすみも薄くなってきた。
・3回目
眼科で精密検査を行ったところ、眼圧が19のままであった。
・4回目
かすみがさらにとれてきている。
・5回目
かすみが取れてきて、目も疲れにくくなってきた。
・6回目
再び検査を行った結果、眼圧が16まで下がっていた。
症例3
50代 男性
1年前にかすみやドライアイが気になり始め、半年前から視界が一部黒くなった事に気がついた。急いで病院で受診したら緑内障と診断された。
眼圧は当初、右眼が40、左目が20と右眼が特に異常に高い状態だった。
右眼の手術を受けて正常範囲内まで下がったが、また一時的に40まで上昇し、現在は両目25前後で落ち着いている。
正常範囲内まで眼圧を下げることを希望して来院した。
高眼圧の影響で常に頭痛に苦しめられている。
また、デスクワークやストレスの影響で首肩、背中の筋緊張が強く見られた。
当院の施術
まず、自律神経測定器でお身体の状態を確認しました。
運動習慣がなく、食生活も脂質が多いものを好むという事のためか、血管の弾力性が低下しており、血管年齢が20歳も実年齢を上回ってました。また、交感神経と副交感神経の割合が9:1とバランスがかなり乱れており血流低下、自然治癒力の低下など身体の機能が正常に活動していないことが予測されました。
施術内容としましては、自律神経調節治療、首肩、背中の筋緊張緩和、眼の周囲に刺鍼し低周波で刺激する鍼通電療法を行いました。この3つを組み合わせることにより、眼の血液循環が改善し、房水が排出されるようになります。
通院間隔は最初の1週間は1回~2回、眼圧が正常範囲内で安定してきたら、2週間~4週間に1回とメンテナンスとして通っていただいています。
経過
◇1回目◇
身体がリラックスできて、眼もスッキリした。
◇2回目◇
とても眠れるようになったが、忙しいと心身ともに疲労感が強くなる。
◇3回目◇
身体の疲労感が取れ
◇4回目~10回目◇
定期検査で右14、左13まで眼圧が低下していた。
◇11回目~15回目◇
視野狭窄の進行が止まっており、眼圧も前回の検査と同じ数値だった。
◇16回目~20回目◇
繁忙期や気温の急激な低下など複合的な要因があり、眼圧が右16、左15と少し上昇した。
◇21回目~25回目◇
また眼圧の低下がみられ、両目とも13で落ち着いている。
現在は月に1回の頻度で定期的に通院中。
症例4
50代 男性
幼少期より近視であった。3年ほど前から、眼科の検査で眼圧が両目とも20mmHgあり、点眼薬は使用せず、様子をみていた。今回、定期検査の結果、眼圧が両目とも23mmHgとなり、薬をあまり使いたくないため、当院へご来院された。目の痛み、視野欠損や頭痛の症状はない。日常的にパソコンを使用するため、眼の疲れを感じている。また、仕事が忙しく身体の疲労や、首肩こり、腰痛などの症状もある。
施術
全身の筋緊張緩和や血流改善のため、自律神経調整施術を行いました。
触診では、首肩から腰にかけて強い筋緊張がみられたため、うつ伏せの際は首肩と腰に鍼通電を行い、筋緊張の緩和を図りました。
仰向けの際には、房水および血液循環を促すため、眼の周囲に鍼通電を行いました。
さらに、身体の自然回復力の向上、副交感神経の働きを高めるため、全身的な自律神経調整施術を行っていきました。
来院頻度は1週間に1回。
一回目
施術後は目が軽くなった。
二回目〜七回目
眼精疲労と首肩の凝りが軽減された。
八回目
眼圧が右目は18mmHg、左目は20mmHgにまで下がった。
一五回目
定期検査の結果、眼圧が両目とも18mmHgまで下がった。
視野検査の結果も問題がなかった。
以降も正常眼圧を維持するため、来院頻度を下げご来院中。
症例5
50代 女性
◇症状◇
2年前ほど前に眼科で緑内障の兆候があると診断されたがまだ目薬を使うレベルではないとの判断で経過観察だったが、最近、左目の視野の一部にモヤがあることに気づき当院を受診。
眼圧は21~22mmHgと境界線の状況。進行しないよう現状維持を希望されている。
◇当院の治療◇
首の凝りと後頭部のつまりが強く、自覚として眼の奥の重さがある。
自律神経の調節を目的に全身治療、首と後頭部へは筋肉まで刺入し筋緊張を緩めた。眼の周りのツボへ刺鍼を行い血流改善を促した。
・1回目
施術後、なんとなく流れが良くなったような感覚があった。
・2回目
当初の自覚的症状から6~7割くらいになった。
眼圧は15~16mmHgと低下していたが、正常眼圧緑内障の場合12mmHgくらいまで下げた方が良いと医師から言われている。
・3回目
施術後しばらくは感じないが、日数が経つにつれ左目の奥の重だるさが再発してくる。
・4回目以降
重だるい感じやモヤは軽減され、治療効果の維持する日数は伸びているように感じる。
眼圧と体調を維持すため、月に1回のペースで治療を続けている。
症例4
40代 女性
◇症状◇
24年前に開放隅角緑内障の診断を受け徐々に視野欠損も起こっていた。
目薬を処方され、点眼を続けていたが、数年前から副作用によりまぶたが下垂するようになり、目薬の使用をやめ、別の点眼薬へ変更。
ここ数か月は眼圧が高く、オペになる可能性もあると言われ、当院を受診。
首肩に力が入りやすく、昔から疲れやすい。
◇当院での治療◇
全身的に筋肉量が少なく力ないが、首肩は凝り固まり、可動域が狭い。
刺激に弱いため、全身へ細めの鍼で浅い刺激をいれ、首肩と目の周りには刺入しないバネ式とローラー式の鍼を用いて施術を行った。
・1回目
施術後、肩の力が抜け3日ほどは体が軽く感じた。
・2回目
まぶたが上がりやすくなった。
・8回目
頬のたるみなどが気になり、美容鍼も同時に行うと同時に、首やお顔も刺入する鍼へ変更。
・10回目
眼圧は16~17へと落ち着いている様子。
・10回目以降
眼圧は12と15まで下がり、点眼薬をしていた頃よりも安定している。
身体とお顔がコリやすいため、定期的に治療を継続している。
④緑内障の日常生活での注意点
緑内障は症状が進行すると失明にまで至るとても怖い病気です。視野欠損や中心暗点の症状に気づいた時点で症状がかなり進行していることも多いので、普段の日常生活で日ごろから緑内障にならないように予防していく必要があるのです。
日常生活で緑内障を予防するために
・糖分を控える
糖分を過剰摂取すると血液中の糖分が増えて血液はドロドロ状態となりやすくなってしまいます。眼の血管は細かい血管が多く血液がドロドロ状態ですと詰まりやすくすぐに血行不良の状態へと陥りやすくなります。眼底の血流不足は緑内障の原因となるとも言われるため日常生活での糖分の過剰摂取は控える必要があります。
・アルコールを控える
過度なアルコール摂取は、眼圧を高くすると言われ緑内障の原因になる可能性があります。また東洋医学的に診ても目と肝は関係が深く、アルコールにより肝が痛めつけられて目の症状が出やすい状態となってしまいます。
・目の疲れを溜め込まない
普段、パソコン作業やスマートフォン操作で多くの時間を費やす方は特に目の休息を意識して目を休める時間を確保するように心がけましょう。近くのものを見るということは人間の目にとってはとても負担の大きいものとなります。作業に合間で遠くのものにボーっと視点を合わせるようにして目の筋肉を休息させましょう。
・適度な有酸素運動
有酸素運動は高まりすぎた交感神経の活動を抑制させて副交感神経の活動を高めるリラックス効果があります。すると、全身の血行は良くなり、緑内障の予防となります。
緑内障とは何らかの原因で視神経が障害されて視野が狭くなる疾患です。緑内障では一般的に自覚症状はほとんどなく、知らないうちに病気が進行していることが多くあります。視野障害の進行としてまず目の中心を少しずれた場所に暗点ができます。
実際にはその暗点は両目で見ることにより補われたり、目を動かすことにより気付かないことが多いようです。症状が進行してくると暗点は徐々に拡大していきます。視野はさらに狭くなって、ついには日常生活に支障をきたすようになり、さらに放置すると失明に至る場合も少なくありません。緑内障は糖尿病性網膜症を抜いて一番の失明の原因となっています。
※眼圧が低いと…
緑内障は眼圧が高くなってしまい眼球が視神経を圧迫してしまうことにより視神経細胞を傷つけて視野欠損や視力の低下を招く疾患です。では、逆に眼圧が低すぎる場合は、目に何か不具合を生じさせるのでしょうか。
眼球内の硝子体の中には房水と言われる液体が入っています。房水は毛様体で生成されて硝子体内に排出されます。硝子体内には欠陥が存在しないために房水は、硝子体内の一定の圧力によって循環することで栄養を運ぶ役割や眼球の形を保つ重要な役割があります。この圧力を保てないと房水の働きが十分にできなくなってしまったり眼球の形を正常に保つことが難しくなってしまうのです。もちろん眼圧が高くなってしまっても視力や視野に影響を与えてしまいますが低すぎてもダメなのです。
眼圧が低すぎる状態は、眼球の形を一定に保つことが難しくなるためピントを合わせずらくなってしまうのです。すると視力が低下するばかりでなく物が歪んで見えたり、ひどいと歩くこともままなくなり日常生活に大きな支障をきたしてしまうのです。
正常な眼圧の範囲は、一般的に10~20㎜Hgと言われており、眼圧が10㎜Hgを下回ってしまった場合注意が必要です。ちなみに眼球はまぶたを閉じれば自分でその硬さを知ることができます。眼球を抑え過ぎるのは目に良くないことですが、自分の眼球の硬さを知ることは病気の早期発見に役に立ちます。

緑内障は眼球における房水の流出路が障害されて起こると考えられています。目の中には血液のかわりとなって栄養などを運ぶ、房水とよばれる液体が流れています。
房水は毛様体で生成されてシュレム管から排出されます。隅角はその経路の一部であり、緑内障にとってとても重要な場所です。眼の形状は房水の圧力によって保たれていてこれを眼圧といいます。緑内障はその眼圧が上昇することによって視機能が障害される疾患でもあります。緑内障の種類は5つあります。
ⅰ)原発閉塞隅角緑内障
虹彩の根もとが前に押し出されて隅角が狭くなり、房水の流出が悪くなって緑内障が起こります。中高年の女性に多いとされています。急性型と慢性型があります。急性型は眼圧が急に上がった状態で眼痛とともに頭痛や吐き気、嘔吐などがしばしば合併しますので内科疾患と間違えられる場合があります。
他覚的所見として瞳孔は散大して結膜の充血も強くみられます。慢性型は症状が軽い時は、頭痛や眼のかすみ・軽い痛みがあります。重い時は急性型の症状が現れることもあります。
ⅱ)原発開放隅角緑内障
隅角は狭くないが、その機能が悪く、房水の流出が障害されるもので慢性に経過します。正常よりも眼圧がやや高い状態が続いて、そのため視神経が障害されて、次第に視野が狭くなって視力も低下していきます。
そして視神経までも委縮してついに失明に至る場合もあります。また頭痛・軽い眼痛や眼のかすみといった症状を訴えることもあります。
ⅲ)正常眼圧緑内障
眼圧は正常範囲(10~21mmHg)であるが、視神経が障害されて視野の狭窄が見られるものをいいます。緑内障は、眼圧が高くなることが原因だと知られていますが、実は日本人で一番多いのが、この正常眼圧緑内障です。
視神経の障害を起こさない眼圧には個人差があり、人によっては低い眼圧でも視神経障害を起こすことがあります。眼圧が正常であること以外は原発開放隅角緑内障と同じ症状が現れます。
ⅳ)続発緑内障
ぶどう膜炎・ステロイド薬の長期点眼・外傷・眼内腫瘍・網膜疾患などでも緑内障の症状が起こる場合があります。
ⅴ)先天緑内障
隅角の形成不全による房水の流出障害で起こります。角膜が混濁するほか、乳児の場合は眼球の伸展性あるため眼球全体が大きくなります。自覚的に羞明や混濁などの症状があります。
Ⅵ)薬の副作用
薬の副作用でも緑内障が起こることが知られています。特に抗精神薬や抗不安薬、睡眠導入剤において目の副作用として原発性閉塞隅角緑内障があります。日本緑内障学会が行った調査によりますと有病率は決して多くないとされていますが、緑内障の急性発作が起こる危険性があると示されています。また多くの精神疾患に関する薬には目に対する副作用があると報告されています。ムスカリン性アセチルコリン受容体遮断作用による調節障害により目のかすみ症状が起きることがあります。その他の精神疾患薬の副作用として首や顔・眼球の筋肉にゆっくり持続的な異常収縮が起こることがあります。目ではまれに眼球上の瞼のけいれんが起こることがあり、注意が必要です。
清水大地

資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好医院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院

夏の疲れの原因は発汗による気の流出、暑さによる睡眠不足、冷房による陽気の不足、冷たいものの摂り過ぎによる脾胃の不調など様々ですが、東洋医学では夏バテは気虚、陰虚、湿邪の三つのタイプに分類されます。
気虚
暑さによって体力が消耗し、力が出ない状態
食欲の低下、元気が出ない、だるさ、めまいなど
陰虚
汗など体内の水分を失い、脱水症状に近い状態
手足のほてり、のぼせ、イライラ、口の渇き、食欲不振、頭痛など
湿邪
冷たい食べ物や飲み物の摂り過ぎで胃腸の消化吸収や水分代謝が悪いことが原因になりあます。新陳代謝が悪くなることで、体内に水分が溜まり、夏太りやむくみを引き起こします。
だるさ、むくみ、下痢など

当院の夏バテに対する鍼灸治療は、まず第一に自律神経を整えることです。自律神経の状態を正常に機能させることで、睡眠の質の向上や胃腸の機能回復、免疫力のアップなどにつながります。

そこで当院では、自律神経測定器で自律神経の状態をチェックして一人一人の自律神経の状態・体質などを見極めてその方に合った施術を行っていきます。
また東洋医学的観点より、特に気虚・陰虚・湿邪の病態を改善していきます。その他夏に多いむくみ症状や足の冷え、頭痛・肩こりに対してもその症状に合わせた独自のツボを用いて施術していきます。

50代女性
暑くなり始めた7月中旬辺りから徐々に体調不良に。朝の通勤時の電車や社内は冷房がきいていて寒さも感じて胃の辺りがキリキリと痛むことがある。足周りの冷えは感じるが、頭は火照った感じで額や頭からよく汗は出る。
何となく日中体のだるさを感じて仕事のやる気がおきづらく、夜も寝つきが悪くなってきた。食欲はあり。
漢方など普段から服用することもあり、東洋医学に興味があり、鍼灸治療を受けてみたいということで当院にご来院されました
施術
自律神経測定器では、日中の測定にも関わらず副交感神経の状態が優位で日中夜が逆転しているような自律神経のバランスでした。夜の寝つきも悪いとのことでおそらく夜は交感神経の活動が上がってしまうタイプだと考えられ、自律神経のバランスは良くない状態です。
東洋医学では、気虚・湿邪タイプだと考えられ特に五臓六腑の『腎』や『肝』に異常が出ていると考えれます。
鍼灸治療では、自律神経のバランスを整え、腎や肝のツボで気を補いつつ湿邪を体外に排出するようなツボを用いて治療していきました。
経過
合計4回ほど施術を受けていただきました。治療のペースは3~4日に一回ほどです。
徐々に睡眠が改善されてきて日中のだるさと冷えも感じづらくなっていきました。
日常生活では、運動習慣がなかったため血行改善や日中の交感神経の活動を高めるためにも朝に軽いジョギングの有酸素運動と日中にスクワットの無酸素系の運動を行うようにしていただきました。
症例2
20代 男性
10代のころに比べて夏のだるさが気になるようになってきた。特に今年の夏は今までで1番だるさを強く感じる。だるさ以外にも、食欲不振、不眠や、頻度は少ないが下痢をすることもある。
社会人になってから環境が変わり、生活習慣の乱れやストレスによって自律神経の乱れが気になっていた。
ここ最近夏場の平均睡眠時間は5時間程度で、長い日は6時間、短い時は4時間しか眠ることができない日もある。
身体のだるさや疲労感から仕事に集中することが難しくなってきており、体調を整えて今年の夏を乗り切りたいと思い来院した。
当院の施術
問診、触診に加え、自律神経測定器で現在の自律神経やストレスの状態を確認していきました。
測定の結果、交感神経の働きが弱く、副交感神経の働きが強くなっていました。
測定した時間は日中のため、交感神経が優位になっているのが正常ですが、副交感神経の働きが強いので、自律神経の働きが乱れていることを確認できました。
まずは仰向けで腹部、腕、足、頭部の経穴に鍼で刺激し、自律神経の調節を促す施術を行いました。
次にうつぶせになり、背中や首肩の筋緊張を緩める施術を行いました。
経過
1回目
施術した日はよく眠れた。
次の日からまた眠れなくなったため、まだだるさは取れない。
2回目
徐々に眠れる日が多くなってきた。
3回目
熟睡できるようになってきて、身体の疲れも軽快してきたような気がする。
4回目
睡眠の質、時間共に改善傾向。
だるさも軽くなった。
症例3
50代男性
7月下旬より全身の強い倦怠感、食欲不振、日中の胃もたれを訴え来院。オフィス内の強力な冷房と室外の酷暑による温度差(クーラー病)から自律神経が乱れ、夜間の不眠と中途覚醒も続いている。軟便傾向であり、多汗による口乾はあるものの、冷たい飲料を好むため胃腸の冷えが顕著となっている。
当院の施術
猛暑と冷房による寒冷刺激が交錯し、自律神経の調節機能が破綻した状態である。さらに、冷たい飲食を好むことにより消化吸収を担う「脾胃」の運化機能が失調され、エネルギー不足となった。
脾と胃の運化機能を上げ、そして自律神経の安定をさせていく。
自律神経の緊張を緩和し睡眠の質を高めるため、背部兪穴、および内関へ置鍼。また、体内の余分な湿気を除くため陰陵泉へ刺鍼した。
胃腸の冷えを改善するため、腹部の中脘や気海、足の足三里に対して心地よい温熱刺激を施し、陽気を補い温煦作用を高めた。
経過
初回~3回目
初回施術後当夜より熟睡感が得られ、不眠が改善傾向へ。3回目の施術前には胃もたれが軽減し、食欲が回復し始めた。
4〜5回目
全身の重だるさが大幅に軽減し、軟便も解消。冷房による身体の芯からの冷えを感じにくくなった。
現在、月2回のメンテナンスへ移行。冷飲食の制限など食養生の指導も併行し、夏を元気に乗り切る体力を維持している。
夏の暑さに身体が対応できなくて不調が出ている状態の事を、夏バテといいますが具体的な定義はありませんし、「夏バテ」=病名ではありません。室内外の急激な温度変化や日中の暑さから体温調節中枢である自律神経のバランスが崩れることで様々な症状が現れます。夏バテの代表的な症状は全身のだるさと疲労感です。何となく体がだるく、疲れが取れにくい日が続きます。暑さによって睡眠不足になる事も少なくありません。
また、日中の暑さによって体の中の温度が高くなると胃腸への血流が少なくなったり冷たいものの飲食が増える事で胃腸に負担がかかり胃腸の働きが低下し、食欲不振や便秘や下痢を引き起こす事もあります。睡眠不足で疲労が回復されない事での疲労の蓄積や、食欲不振での栄養不足、これらが引き金となってなんとなくだるいといった全身の倦怠感に繋がります。
夏バテは体力や免疫力の低下を起こすので、そこから風邪に繋がることもあります。

・自律神経の乱れ
自律神経とは自分の意思とは関係なく、無意識のうちに働いている神経で交感神経、副交感神経の二つの神経が心臓や血流、呼吸、消化、代謝などの働きを活動、抑制しバランスよく機能する事で私たちの身体を調節しています。しかし、高温多湿の環境が続く事や、室内外の温度差、冷房での体の冷やし過ぎなどで体温調節や発汗中枢の役割である自律神経を酷使する事でバランスが乱れたり、うまく機能しなくなる事で胃腸の不調や全身の倦怠感、食欲不振、のぼせ、めまい、頭痛など様々な症状を引き起こします。
・下痢や便秘などの胃腸の不調
冷たい飲食物の摂りすぎなどによって胃腸に負担がかかり、胃腸の機能が弱まる事で消化機能の低下や下痢、便秘、食欲不振などを引き起こします。
・睡眠不足
熱帯夜など特に夏は寝苦しい日が続くことがあります。睡眠が十分にとれない日が続いてしまうと体の疲労が取れずに日中の疲労感を感じやすくなってしまいます。また、夜に交感神経が高まりやすく逆に日中に副交感神経が働いてしまい通常の自律神経のバランスと真逆になってしまう危険性もあり、それが原因で自律神経の乱れに繋がることもあります。
・食欲の低下
胃腸の不調にも関係しますが、暑いとどうしても冷たい飲み物や食べ物を多く摂取してしまい、胃腸が正常に機能しなくなってしまうことが原因で食べ物を体が受け入れづらくなってしまいます。また胃腸の働きは自律神経の活動がつかさどっているため自律神経の乱れは食欲の低下にもつながります。
・免疫力の低下
免疫機能は自律神経が司っているため、自律神経が乱れることによって免疫機能が低下して普段は排除できるウィルスや細菌なども体が防御することができずに風邪などをひきやすくなってしまいます。また、夏風邪は長引きやすいと言われますが、免疫力の低下も一因として挙げられます。
・熱中症の初期
吐き気、下痢、めまい、頭痛などといった症状は熱中症の初期症状でも見られます。熱中症は暑さによって体内の水分や塩分バランスが崩れて起こります。夏バテと熱中症の症状は似ていますが熱中症は重症化すると命の危険性もあります。
熱中症はⅠ度(軽度)、Ⅱ度(中等度)Ⅲ度(重度)に分類されており、めまいはⅠ度に含まれ、立ちくらみが起こる状態で「熱失神」とも呼ばれます。運動を終えた直後に起こりやすく顔面蒼白、脈が弱くなって速くなる、呼吸の回数が増えるなどの症状が見られます。
吐き気、頭痛、下痢はⅡ度に含まれ他にも倦怠感、虚脱感、判断力や集中力の低下などがみられます。Ⅱ度は従来「熱疲労」と呼ばれていた状態で放置したり対処が適切でない場合などは重症化する危険性があります。
Ⅲ度に分類されるのは意識障害やけいれん、ショック症状、過呼吸、手足の運動障害などです。

最近では夏バテ外来を設ける病院も増えてきましたがまだまだその数は少ないようです。夏バテをそのまま放置しておいてしまうと免疫力なども低下して体に隠れていた思わぬ疾患が出てくる危険性もあります。
内科などで行われる夏バテ治療としまして夏に不足しがちなミネラルやビタミンを補給する注射やニンニク注射などが行われたり、または最近は漢方薬を処方するところもあるようです。
食事の工夫
暑いからと言って麺類などあっさりしたものばかり食べいては、体力がなくなってしまいます。肉や魚、野菜、果物など良質なタンパク質、ビタミン、ミネラルを補給しましょう。栄養バランスのとれた食事が大切です。
また、ショウガやワサビ、コショウなどの薬味や香辛料や、しそ、ねぎ、みょうがなどの香味野菜には食欲を増進させる効果がありますから上手く食事に取り入れるのも良いでしょう。決してたくさん食べる必要はありませんので、少量でも栄養価の高い食品を一日三回の食事で摂りましょう。
適度な運動
ウォーキングや軽いジョギングなど適度な運動を行うと自律神経の働きが整えられて夏バテが解消されやすくなります。朝や夕方の日差しが弱い涼しい時間帯に行い無理なく続けられるようにすると良いでしょう。
外で運動する時間がなかなか取れないという方はストレッチやスクワットなど室内で出来る運動を取り入れてみましょう。
十分な睡眠
夜遅くまで起きていると一日の疲れが残ってしまいます。早めに就寝して睡眠時間を十分にとり一日の疲れはその日のうちにとるようにしましょう。
竹素材やゴザのシーツを使ったり除湿を行うなど出来るだけ涼しく寝られるよう配慮しましょう。
清水大地

資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院
当院では、自律神経を整えることを第一に治療しています。死の四重奏には自律神経が深く関係しています。死の四重奏は血管の病気を引き起こすもので自律神経は全身の血管をコントロールしているからです。
鍼灸治療は自律神経を整えるのに優れた治療法です。交感神経と副交感神経のバランスを整えて本来のリズムに近づける作用があります。

現代は、ストレス社会と言われるように内面からの影響で身体を壊される方が多いです。鍼灸治療はストレス治療も同時に行えるので現代にあった治療法だといえます。
当院では、自律神経測定器により交感神経と副交感神経のバランスを測る事ができます。

バランス以外にも身体的ストレス、精神的ストレス、疲労度などをグラフ化してみることができ自分自身の状態を客観的にデータで知ることができます。
そのデータを元にその方その方に合ったオーダーメイドの治療法を行います。
また、東洋医学的な観点より五臓六腑のどの部分が弱っているのか診断してその部分を正常に働かせるようなツボを選定して施術していきます。合わせて肩腰など筋肉の張っている部分にもアプローチを行い筋肉をほぐしていくことで全身の循環を改善していきます。
小一時間程の治療時間の中で鍼とお灸をメインに身体を整えていきますので終わったころには効果を実感していただけると思います。
治療を続けて定期的に測定して体調面をサポートしていきたいと考えています。

免疫力と自律神経とは深い関係にあると言われています。
過度なストレスなどによって自律神経のバランスが乱されてしまいますと体の免疫力が下がることがわかっています。
免疫力とは具体的にいいますと体に侵入してきた細菌やウィルスなどの外敵や腫瘍などを排除するという体に備わっている機能のことです。
その免疫システムは、血液中にある白血球が大きな役割を受けており、白血球の中にもリンパ球や顆粒球・マクロファージなどといわれる免疫細胞があります。
その白血球の比率調整は自律神経が支配しており、例えば緊張する場面が続いたり、過労、寝不足状態などが続くとそのストレスに反応して脳からステロイドホルモンや神経伝達物質が分泌されて免疫細胞の働きを低下させることがマウスの実験から明らかになっています。
よって自律神経の状態を整えることは体の免疫力を上昇させると言えます。
鍼灸治療は自律神経の状態を整えることが研究結果でも出てきています。鍼灸治療することで免疫力向上が期待できます。
死の四重奏を改善するには、生活習慣の改善がとても重要となってきます。その中でもやはり食事と運動が重要です。
・運動
運動には簡単に分けて重い負荷をかけて息を止めて行う筋トレのような無酸素運動と軽い負荷である程度の時間を継続して行う有酸素運動があります。生活習慣病の改善には、後者の有酸素運動が有効とされています。
有酸素運動には、ウォーキング・軽いジョギング・水泳・サイクリング・ヨガなどがあります。これらの運動を30分程度で息の切れない程度に行うことが有効です。通勤や買い物に行く時などに早足で少しいつもより歩幅を広げて姿勢に注意して歩行するとそれだけでも効果的です。
・食事
食事は、減塩・栄養バランスのとれた食事・一日のカロリー摂取量の制限が生活習慣の改善のキーポイントとなります。塩分の取り過ぎは、高血圧や糖尿病一番の原因となります。塩分摂取に気を付けて偏った食べ物ばかり食べずにバランスよく栄誉を摂取することが重要です。野菜などの食物繊維を摂ることも重要で肥満や脂質異常症などでは食物繊維の不足と関係していると言われています。
また、食べ過ぎ・早食いには注意して腹6~7分目を意識してよく噛んで食事を摂るようにしましょう。
・その他
食事や運動習慣の他にも禁煙することやしっかりと睡眠時間を確保すること、過度な飲酒をしない、ストレスを溜め込まないなどは死の四重奏の改善には重要です。
死の四重奏とは肥満・高脂血症・高血圧・糖尿病の4つを指すもので、これらが重なるほど病気の発症率が高くなるという意味で提唱された言葉です。
この4つは生活習慣と深く関係しており、日頃の食生活や運動習慣、仕事状態で発症のリスクが高くなります。上記の4つは生活習慣病とも言われるものです。
食生活
偏食や不規則な食事を摂ることやお酒を飲み過ぎるなど
運動不足
運動は自分から行なわなければまずしない行動です。血圧や血糖値、コレステロール値などにも関係します。
仕事環境
睡眠不足や夜勤などの不規則な勤務状態では身体的疲労と精神ストレスが多くたまります。
飲酒・喫煙
このような生活を続けると生活習慣病になる確率が高くなります。
生活習慣病は動脈硬化を引き起こします。この状態だと血管壁にコレステロールなどが溜まりやすく詰まる原因になります。脳出血や脳梗塞、心筋梗塞など命に関わる病気のリスクが高まります。
生活習慣病が引き起こす病気はどれも怖いものばかりです。早めの生活習慣改善を行うべきです。健康だと思って生活していてもいきなり発症して生命に関わる状態になることからサイレントキラーと呼ばれることもあります。
肥満とは、身体の中に体脂肪が過剰に蓄積した状態と定義されます。食物から取り入れた脂質は小腸で消化されて種類ごとに体内に取り込まれます。この際に余った脂質が中性脂肪として体内に蓄積されて肥満に繋がっていきます。脂肪が蓄積されていくことで肥満を招き生活習慣病の原因となります。
日本肥満学会は肥満の定義をBMI25以上と決めています。
BMIは
BMI=体重kg/(身長m)2
で調べることができます。
肥満による健康障害は以下のものがあります。
・2型糖尿病
・脂質代謝異常
・高血圧
・高尿酸血症、痛風
・冠動脈疾患、心筋梗塞、狭心症
・脳梗塞、脳血栓、一過性脳虚血発作
・睡眠時無呼吸症候群
・脂肪肝
・変形性関節症、腰椎症
・月経異常
肥満に対する鍼灸について詳しくはコチラ
日本での高血圧患者は3000万人いると言われています。日本人の中年期以降では男性で6割、女性で4割だと計算されています。高血圧は心血管病を引き起こす主な原因であり重篤な病気に繋がる可能性を持った怖い病気です。
高血圧は、最大血圧140mmHg以上最小血圧が90mmHg以上を定義としています。
高血圧の合併症には、
などがあります。
以前までは、高脂血症と呼ばれていましたが、最近では脂質異常症と呼ばれることが多い病名です。血液中の脂肪分の濃度が高くなっている病気です。脂肪分の濃さはLDLコレステロール、HDLコレステロール、トリグリセライドが関係します。
血液中のLDLコレステロールとトリグリセライドが高く、HDLコレステロールが低くなる病気です。
この脂質異常の状態だと動脈硬化を起こしやすくなるため、心筋梗塞や脳梗塞のような重篤な病気に繋がる可能性が高くなります。重篤な病気は命の危険性もあり、命が助かっても後遺症が残りQOL(生活の質)を大きく低下させることもあります。
日本人の死因上位を占める脳血管障害や心疾患を引き起こす病気なため誰しもが注意して予防していきたい病気です。
脂質異常症の判断基準
LDLコレステロール値 140mg/dl以上
HDLコレステロール値 40mg/dl未満
トリグリセライド値 150mg/dl以上
脂質を改善する習慣
・偏った食事生活を改善する
・動物性脂肪の摂り過ぎの方は、食物繊維が多く入ったものや野菜や果物をよく摂る
・喫煙やお酒の飲み過ぎを控える
・運動不足の場合は週三回ほど有酸素運動を取り入れる
糖尿病は増加傾向にある病気で、2012年の調査で約950万人いるとされ、予備軍で約1100万人と言われており日本人の6人に1人は糖尿病か予備軍となる計算です。
糖尿病は血糖値が高くなりやすい体質になってしまうことが原因ですので、その体質になると一生血糖をコントロールする食生活や運動習慣を送らなければなりません。
糖尿病の診断基準は、
1 空腹時血糖値126mgdl以上
2 75gのブドウ糖を飲んで2時間後の血糖値が200mgdl以上
3 随時血糖200mgdl
4 ヘモグロビンA1c6.5以上
のいずれかが認められ場合です。
合併症として怖いものが
糖尿病性神経症
糖尿病網膜症
糖尿病腎症
があります。
症例
60代 男性
健康診断でここ数年再検査ばかりで、糖尿病の薬も長く飲んでいる。コロナの影響でリモートでの仕事が9割になり、3年ほど外出は週に1回ほどになってから体重が増加しはじめた。
動く事は減ったが、食べる量はむしろ増えているため良くない循環ができてしまっている。
仕事では常に座り仕事で、画面を見ているか、書類を整理しているかなので家の中しか歩かない。
妻と2人暮らしだが、生活の中で動くことがほぼなく買い物も全て任せているため全く家から出ない。
このままでは生活習慣病になってしまう危機感と、妻に強く進められて来院。
当院の治療
自律神経測定器で測定したところ、血管年齢がかなり高い結果がでました。
他にも、自律神経の乱れがありましたが、それに伴い心臓の安定度がかなり低いという結果がでました。
これを踏まえて自律神経を整えていくのと同時に、血流を良くしていくことで心臓の安定度を高めることで代謝を上げることや、睡眠の質の向上、免疫力の活性など身体に元々備わっている力を高める治療を行いました。
治療経過
◇1~8回目◇
変化なし
◇9回目◇
少し眠りが深くなった。家で動画を参考に見ながら運動をはじめた。
◇10~20回目◇
少しお腹周りが小さくなった気がする。妻が散歩や買い物に誘ってくれることがあり、外出と運動量が増えた。
◇21~30回目◇
外見に変化がでてきた。身体が軽くなってきたおかげか、動きやすくなった。前よりも運動が億劫ではない。
症例2
40代 男性
以前から別の鍼灸院に通っていたが担当の方が高齢のため引退されて、これを機に別の鍼灸院の施術も試してみたいと思い当院を受診した。
現在の症状は、主に自律神経の乱れ、首肩背中の張り感が気になり、いつも眠りが浅いと感じ、疲労も慢性的になっている。
仕事はデスクワークで一日中座りっぱなしが多いため常に首肩のコリがつらく、ひどくなるとたまに頭痛も起こることもある。
睡眠時間は平均して6時間は眠れているが、忙しい時期は5時間以下になってしまうこともある。
あまり忙しいときは就寝直前まで仕事をしているため、布団に入っても脳が興奮してなかなか眠りにつくことができない。
運動は週に1回ジム通っている。
当院の施術
まず自律神経測定器で、現在の自律神経、ストレス度、疲労度などを簡単に測定し、それから施術を行っていきました。
うつ伏せでは、背部兪穴と首肩背中のトリガーポイントに刺鍼し筋緊張緩和を目的とした施術を行っていきました。
仰向けでは、腹部、手足、頭部の経穴を針で刺激し、自律神経の調節を行っていきました。
経過
◇1回目◇
終わった後は、体がだるくなり夜はゆっくり眠れた。
◇2回目◇
肩こりは感じるが、体全体が軽くなったような気がする。
◇3回目◇
睡眠の質が良くなってきたのか、次の日の体のだるさが軽くなっている。
◇4回目◇
調子がいい日が続いている。
現在も継続して通院中。

突発性難聴と似ており難聴を引き起こす病気ですが、低音部の音が聞こえにくくなることに特徴があり、難聴の程度も比較的軽い傾向があります。
耳閉感(耳がふさがった、耳がこもった、水が入ったような感じなど)で気がつくことが多く、反復することが多く、女性(20~40代くらい)に多い病気です。比較的若い世代に多いと言われていた低音性難聴ですが、近年では50代や60代のかたの低音性難聴も増えています。

また、将来めまいや耳鳴りもともなうようになり、メニエール症候群になっていくこともあります。
※メニエール病とは
体の平衡感覚を司る耳の奥の内耳のリンパ液が溜まることで生じる病気のことです。30~50歳代で発症することが多く、症状として耳閉感や聴力低下、回転性のめまい、耳鳴りなどの症状を引き起こします。
発症後1~2年で軽快することが多いですが、数年にわたって続くこともあります。発作を繰り返すことで慢性化したり、難聴が進むこともあります。
メニエール病の鍼灸治療について詳しくはコチラ⇨https://alfashinkyu-tokyo.com/column/index-494.html
内耳の内リンパ水腫(内耳の内リンパ腔に水ぶくれのようにリンパ液が溜まってしまう)が起こることにより、特に低音が聞こえにくくなる障害が起こるという説が考えられています。
では、なぜリンパ液が溜まってしまうのかというと、内耳のリンパ液の状態を正常に保っているのは自律神経ですが、自律神経は細かい血管を介してリンパ液を供給、排泄の調整を行っています。
しかし、何らかの原因で自律神経系の機能が低下すると内耳のリンパ液の調整ができなくなってしまいリンパ液が溜まってしまうことが起こるのではないかといわれています。自律神経の機能低下を起こす要因として次のようなことが挙げられます。
(要因)
・ストレス
・疲労
・睡眠不足
・気圧の変化
・風邪などによる体調不良
これらの要因はメニエール病とほぼ同じです。
低音性難聴は内耳の音を聞く器官である蝸牛という場所で起こるため「蝸牛型メニエール」と呼ばれることもあります。
その他、同じような自律神経の乱れで内耳の血流の流れが悪くなることによっても内耳の音を聞く細胞の働きが低下してしまうことによって低音性難聴が起きてしまうこともあります。
主に「耳が詰まった感じがする」「低い音の耳鳴りがする」「自分の声が大きく聞こえる」という症状を訴える方が多いです。
通常の会話や生活で急激に聴き取れなくなることはないので、気付かないうちに進行してしまう人も多いといわれています。
似たような症状を起こす病気としてメニエール病がありますが、こちらは耳鳴りだけでなくめまいも引き起こします。
聴力検査で低音部(1,000Hz以下)の難聴が見られるのが特徴で、片側や両側のこともあります。
治療法は薬物療法が中心となります。突発性難聴と同じ、循環改善薬、ビタミンB12などの他に、内耳のむくみをとるため、利尿剤を使用します。緊張やストレスを和らげるため、安定剤を使用することもあります。
多くの場合、入院は必要ありませんが、難聴が高度である場合や、治療しているにもかかわらず、難聴が進行する場合は入院が必要になることもあります。
治療期間は1~2週間程度が多いです。数時間や2、3日での自然治癒もあります。治っていれば聴力検査も元に戻ります。
(注意)
自然治癒もありといえ完治するのは6~7割といわれています。治っても再発が多いこと、メニエール病に移行した場合にめまいと難聴の進行を招いたりすることもあることを考えておかねばならないでしょう。
東洋医学で難聴、耳鳴りなどの症状は、耳と関係する臓器である「腎」の気の不足や、「肝」の気のたかぶりによるものと捉えます。
腎の気の不足を腎虚(じんきょ)といいますが、腎虚に陥ると血液循環が悪くなり、体内に余分な水分や老廃物が溜まる「むくみ体質」になります。
腎虚となるとむくみ体質となるために耳の機能が衰え何らかの異常が起こることは珍しくありません。耳鳴りや難聴、めまいなどのトラブルは腎虚の典型的な症状です。腎虚の原因として、加齢、ストレス、過労などが考えられています。
また、「肝」は情緒、ストレスを司り自律神経のバランスと深い関わりがあります。肝の働きが過度なストレスや緊張で乱れると、自律神経の緊張が高まり、難聴や耳鳴りを引き起こす原因となると考えられています。
また、生命活動に欠かせない気・血・水のバランスを整えるツボや、経絡的に耳を栄養していると考えられている小陽胆経の流れを整るツボなども用いて治療を行います。
当院では、リンパの循環、血液循環、内臓機能、免疫機能などを主る自律神経のバランスを機械で測定し、お身体の状態を把握した上で治療へ移ります。

まず、うつ伏せで首や肩周りの筋緊張を和らげ耳周りの血行を促進し、次に仰向けで耳周りのツボに鍼やお灸で刺激を与えます。
また、東洋医学的観点から「腎」「肝」をはじめとした五臓六腑の機能調整のツボや気・血・水を補うツボなどを取り入れます。
さらに、自律神経の調整施術を行うことで内耳リンパ液の循環を促進し、全身的な血行促進と内臓機能や免疫機能を整え、症状が治癒しやすいお体の状態へ整えていきます。


低音性難聴ではストレスとの関係が指摘されていますので、あまりストレスをためないようにしましょう。
そのためには、睡眠はしっかりとり、不摂生な食事を控え、適度な運動を行いましょう。
また、脱水症状は症状を悪化させる原因にもなりますので、水分補給はこまめにしましょう。
症例 1
50代女性
当院にご来院される3週間前に左耳が聞こえづらくなって耳鼻科を受診したところ低音性難聴と診断を受けた。左耳のみで聴力の低下と耳が詰まっている感覚が顕著に出ている。
発症当初は、頭痛やめまいがあったが、行きつけの整体でほぐしてもらったところ頭痛は軽減されたが、めまいや耳の症状は改善されなかったため鍼灸治療も難聴には効果的と知人から知って当院にご来院された。
病院でも、ステロイド薬と血流促進剤が処方されており服用しているが全く改善がみられなかった。
鍼灸施術
低音性難聴では自律神経の状態や首肩周りの筋緊張の状態・耳周りや側頭部の血液循環も重要になってきます。
まず問診時に自律神経の状態が乱されるようなストレスが最近あったか、睡眠状態や食欲・仕事や家庭での事情などを聞いていきます。自律神経測定器でも自律神経の状態を把握して施術に入ります。
触診では首肩周りの状態や頬部や側頭部周囲のこりを診たり、全身のむくみの状態も触診していきます。
この方は、自律神経測定器の結果、交感神経の活動が高く常に身体が緊張状態にあってなかなか心身ともに休めていない状態だと推察されます。
首肩周りや背中のコリもつよく、側頭部のむくみもあるような状態でした。
施術としましてはまずうつ伏せ施術で首肩周りの筋緊張の緩和や背部兪穴を使って低音性難聴と関連の深い五臓六腑の肺・肝・腎等のツボを用いて状態を整えていきます。鍼やお灸を併用してマッサージ等でも軽くほぐします。
その後仰向けとなり、耳周りのツボに低周波鍼通電治療を行っていきます。また手足やお腹周りにのツボを使用することで自律神経の乱れも整えていきます。
経過
3~4日に1回程度で鍼灸施術を受けていただきました。
4回の施術期間中は症状に波がかなりあって調子のいい日は耳のこもる感覚はあまりなく、耳の聞こえも順調。めまいもほぼなし。
しかし、天候の悪い日など体調が悪く、耳の状態も悪い日はピアノの音などがダブって聞こえてしまう時もある。
4回目の施術後に病院にて聴力検査をうけてもらったところ数値的には改善傾向がみられました。医師にも回復傾向なのでもう少しで完治するかもと言われたとのこと。
その後3回程施術を受けたあとにほぼ聞こえ方が安定してきて音がこもって聞こえることがもなくなった。聴力検査の数値も右耳とほぼ遜色ない数値にまで回復しました。
症例 2
50代男性
3〜4週間前から左耳の聞こえが悪くなってしまって病院を受診したところ低音性難聴と診断を受けた。耳鳴りも多少あるが、日常生活では特に支障なく過ごすことができている。
日常的には音が割れて聞こえたり、テレビを見ていると少し聞き取りづらい部分がある。
受診した耳鼻科ではステロイドでの治療をして少し聴力が回復したが、ここ1週間は聴力検査をしても変化が見られなかったとのことです。
以前にも突発性難聴を患ったことがあったが、その時は1〜2週間で軽快したのでそのような感じで治っていくと思っていたらあまり変化が見られなかったため鍼灸治療も試してみたいと当院にご来院されました。
施術経過
自律神経の状態を測定する自律神経測定器では、その際は特に異常は見られなかったが、お酒を毎晩飲んでおり、特に深酒をしてしまった翌朝は特に耳の状態が悪いことが多かったとのことで施術したあとは飲酒を控えてもらった。
触診では、頸部の筋の過緊張状態や側頭部あたりのむくみが見られ、それらが難聴の原因となっている可能性もあるためそれらを改善させるツボなどを用いまして施術を行っていきます。
また、背部の筋緊張の緩和や耳周りのツボに直接鍼を刺して電気を流す鍼通電治療を用いて刺激を入れていきました。
施術後は、翌日までは聞き取りやすく、音が割れないことが多くなったが、その日によってまだ耳の状態が悪いと感じるときがある。
施術10回ほどまでは症状は一進一退といった感じで、聴力検査をしても多少改善傾向にあるがそこまで大きな変化は見られませんでした。
16回目を過ぎたころに急に以前のような耳のつまりや聞き取りづらさ、音が割れる感じが改善されていった。実際に病院で聴力検査を行ったところ聴力はほぼ正常値に戻るまでに改善された。
症例 3
40代 女性
1ヶ月ほど前に低音障害型難聴を発症した。耳鼻科での検査の結果、低音の聴力低下がみられた。耳閉感や自声強調、耳鳴り症状もみられる。慢性的な首肩こり、側頭部痛にも悩まされており、週に1回は頭痛薬を服用している。症状が出始める以前は、半年ほど仕事が忙しく、休みがあまり取れていない状況だった。耳鼻科で処方されたステロイドとビタミン剤を服用している。
施術
自律神経測定器の結果、交感神経が過剰に優位な状態であった。過労による慢性的な疲労で自律神経が乱れ、内耳の血流の悪さが起こっていると考えられる。デスクワークによる慢性的な首肩こり、それにともなう頭部の筋緊張がみられた。
全身の血液循環の改善、ストレス緩和のため副交感神経を働かせるように自律神経調整施術を行いました。そして、内耳の循環を良くするために、耳周りのツボを用いました。首肩の筋緊張は自律神経を乱すだけでなく頭部の血流にも重要なため、首肩や頭の筋緊張緩和を目的に首肩周りに鍼通電を行いました。
来院頻度は1週間に1回。
一回目
首肩こりが軽くなった。
二回目
耳閉感や自声強調、耳鳴りが改善し気にならなくなった。
三回目
8割ほど聴力は改善し、耳鼻科の通院を終えた。耳閉感や自声強調、耳鳴りはほとんど感じていない。
頭痛も起こる頻度が減ってきた。
以降メンテナンスとしてご来院。
症例 4
40代 女性
3週間ほど前に低音障害型難聴を発症。耳鼻科での検査の結果、低音の聴力低下がみられた。両耳に症状がみられ、耳閉感や音の反響、耳鳴り症状もある。慢性的な首肩こり、腰痛がある。発症前は、仕事が忙しく睡眠不足が続いており、風邪を引いたことをきっかけに発症。耳鼻科で処方されたステロイドとビタミン剤を服用している。
施術
過労や睡眠不足による慢性的な疲労による自律神経の乱れがあり、風邪を引いたことをきっかけに内耳の循環不良が起きていると考えられる。首肩から腰にかけての強い筋緊張がみられた。内耳の循環改善のため耳周りのツボに鍼通電を行い、身体の回復力を高め疲労やストレス緩和のため、全身のツボを用いた自律神経調整施術を行っていきました。
一回目
首肩のこりや腰痛が軽減した。
二回目
音の反響がなくなった。耳鳴りも以前より治まったが、耳閉感は残っている。
三〜十回目
耳鳴り、音の反響は起こっていない。疲れているときや天気が良くない日は耳閉感が強くあるが、身体の調子が良いと耳閉感はない。
十一回目
聴力検査では聴力の改善がみられ、耳閉感も解消された。首肩こりや、腰痛もなく身体の調子が良い。
症例5
60代 女性
◇症状◇
1年前から水に潜ったような耳閉感があり、聞こえにくくなることがあるため耳鼻科を受診したところ低音性難聴の診断。
最近はストレスのせいか頻発しているが、ステロイドは使いたくないため当院を受診。
耳の症状の他に、時々よろけることもある。
週に数回、微熱がでてだるくなる。
現在は漢方、琵琶の葉温灸、酸素療法などを定期的に行っている。
◇当院での治療◇
頭部をはじめ、全身的にむくみがあり、後頭部から肩は慢性的に凝り固まっている。
全身の循環を改善するため、手足の末端や体幹への軽い刺鍼、施灸を行い、首肩回りは筋緊張を取るよう筋肉までの刺激を入れた。
・1回目
施術後、数日は微熱が治まった。
・2回目
耳のつまり感が気にならない時間が増えている。
・3回目
耳のつまりはほぼ感じることがなく、聞き返すこともなくなっている。
・4回目
微熱は出るが、以前より発熱温度は少し低く、頻度も減少している。
・5回目以降
耳の症状は出現しないようになったが、全身のメンテナンスのため、症状に合わせて治療を続けている。
症例6
20代 女性
1か月前に右耳から耳鳴り、閉塞感、聞こえづらさが現れた。
すぐに病院を受診したところ、低音障害型難聴と診断された。
耳鳴りはあまり気にならないが、閉塞感や聞こえづらさが気になり、日常生活の会話等で支障が出ている。
以前も一度発症したことがあるが、その時は鍼灸で改善した経験があったため、今回も鍼灸での改善を望み当院へ受診した。
最近結婚し、専業主婦のため以前のような1日中パソコンに向かって仕事をすると言うことはないが、慢性的に首肩こりが気になっている。
当院の施術
今まで実家暮らしだったが、結婚を期に引っ越しをした環境変化が強いストレスとなり発症したと考えられます。
また、専業主婦になり仕事をしなくなった代わりに、スマートフォンを使用する時間が増えたため、下を向く体勢が増加し首肩こりの筋緊張から耳の血流が低下したことも原因の1つと考えられます。
当院では、耳の血流を促進させる施術を中心に、首と肩のコリの改善、自律神経の調節を目的とした施術を合わせて行っていきました。
また、運動や水分摂取方法など生活習慣の見直しの指導も行いました。
ご本人はこの病気と真剣に向き合っておられるため、真摯に聞いて実行して下さったおかげで、順調に改善していきました。
経過
◇1回目~3回目◇
まだ少し残っているが、耳の閉塞感が軽減した。
◇4回目~6回目◇
閉塞感がさらに軽減した。そのため聴力も戻ってきて、日常生活の会話がスムーズになってきた。
◇7回目~10回目◇
疲れた時や寝不足、ストレスがかかると短時間の耳鳴りが聞こえることがあるが、閉塞感や難聴はもうほぼ気にならない。
ヒステリー球は自律神経の乱れが原因で生じている場合が多いため、当院では自律神経測定器で自律神経の状態を把握したうえで施術していきます。ヒステリー球では特に交感神経が過亢進の状態が多く、主に副交感神経の活動を活発にさせて交感神経の活動を抑える身体がリラックスできるような施術を行っていきます。

鍼灸施術は自律神経のバランスが整えることできるということは研究結果でも出ています。
その他東洋医学的観点より、肝の働きを正常に戻すようなツボも刺激することや付随して起こる精神症状にも心や腎の働きを整えることでアプローチしていきます。
梅核気の初期では、日常生活でもそこまで支障をきたすことが少ないですが、症状が進行するとうつ病や自律神経失調症など症状が重症化してしまう危険性がありますので早めの治療が重要となってきます。

ヒステリー球を東洋医学では、『梅核気』といいます。五臓六腑では『肝』の病変で梅核気が起きると考えられています。
東洋医学での肝の役割・機能は西洋医学の肝臓と少し違ってきます。東洋医学での肝は、『肝は疏泄を主る』『肝は血を蔵する』『肝は筋を主る』の役割機能があります。
・肝は疏泄を主る
気を全身のすみずみまで行き渡らせることを指します。これは、情緒を安定させて精神様態を快適に保ったり、自律神経系の機能によって各機能が正常に行われるように調整する役割・機能を担っているということです。
・肝は血を蔵する
肝が血を貯蔵して必要に応じて供給して消費することを指します。また、血液循環の調整にも大きな役割を果たして自律神経系を通じて血管の収縮や弛緩をさせて体内の細胞への血流量を調整しています。その他、女性の場合では子宮への血液量の調整や自律神経系を介した女性ホルモンの調整も行うことで月経や妊娠が正常に行えるようにしています。
・肝は筋を主る
肝は血流の調整や神経系を介して筋肉の緊張や弛緩を調整しています。四肢の筋や腱の緊張を制御することで関節の運動もつかさどっているのです。
梅核気の症状に効果のあるとされる漢方に『半夏厚朴湯』があります。半夏厚朴湯は、気の巡りをよくする効能があることで梅核気を改善させます。梅核気は上記のように肝の病変によってのどの部分の『気』の巡りが悪くなったり、『血』が不足したり過剰となってしまうことでノドに何か詰まったような異物感を感じると考えられており、半夏厚朴湯はそれを解消させる効能があるのです。
この3つの機能のうち梅核気では、「肝の疏泄を主る」機能が低下して起こると考えられています。それにより、気は全身のすみずみまで行き渡ることができなくなり、『肝気鬱結』という症状が出ます。これは自律神経系の過緊張が主体で起こると考えられています。精神的な緊張状態が続くことや精神的な不安定状態が続くことで生じやすいほか病邪や引用の失調状態でも引き起こされるとされています。
肝気鬱結の主な症状は、胸苦しい・ノドのつかえた感じ・憂鬱感・精神不安定・食欲不振・便秘と下痢症状など多岐にわたります。肝気鬱結に痰症状が加わることで梅核気となりやすくなってしまいます。
ヒステリー球とは喉に大きな異常がないのにもかかわらず喉の違和感などの感覚を引き起こす疾患であまり聞きなれない言葉かもしれませんが、ストレス社会と言われる現代ではヒステリー球で悩まされている方が意外にも多いのです。
このような症状がある方はヒステリー球の疑いがあります。
☑ノドに異物感を感じる
☑食べ物が飲み込みにくい
☑風邪を引いたときのようなノドのイガイガ感
☑ノドに物がつかえたような感覚が消えない
☑ノドの奥が狭くなって息苦しさを感じる
☑ストレスや不安感が消えない
☑睡眠の質が悪く、寝つきが悪い
☑胸やけが続く
☑吐き気
このような症状が出ている場合、ヒステリー球の疑いがありますが、自己判断をするのは危険です。上記のようなノドの異常が出ると、喉頭がんや腫瘍が見つかる・逆流性食道炎や風邪症状の可能性もありますので一度耳鼻咽喉科や内科を受診して検査を受ける必要があります。
ヒステリー球の場合、腫瘍やがんなどの器質的異常が見られないため、検査では異常が見られません。医学的には咽喉頭異常感症(いんこうとういじょうかんしょう)と呼ばれています。他にも梅核気(ばいかくき)感覚球(かんかくきゅう)咽頭神経症(いんとうしんけいしょう)などとも呼ばれることもあります。。

上述の通り、ヒステリー球は検査では異常が見られません。
ヒステリー球を起こす最大の原因はストレス等による自律神経の乱れと考えられているからです。また、喉の病気やドライマウス、空気の乾燥なども原因として挙げられます。
自律神経は心臓や血管、内臓の働きなど、自分の意志とは無関係に身体をコントロールしている神経のことを指します。自律神経には交感神経と副交感神経との二つの神経があり、この二つの神経のバランスが崩れると「自律神経の乱れ」ということとなり、身体に様々な悪影響が出てくるのです。
交感神経は活動的な神経で基本的に筋肉を収縮させて運動時や仕事中など集中して作業をするときに働く神経で、逆に副交感神経は身体を休める神経で夕方から夜にかけて活動が優位となってくる神経です。この二つの神経が乱れることで、よく知られている疾患としましては自律神経失調症やうつ病、不安神経症などは自律神経のバランスの乱れが大きな原因となります。
・自律神経失調症について
・うつ病について
・不安神経症について
自律神経は、筋肉の働きや胃腸の働き、血液の供給やエネルギー消費などにもとても大きな役割を担っています。自律神経が乱れてしまうとこれらの身体の働きも乱れてきてしまうのです。
ヒステリー球の場合、交感神経が活発な状態が続いてしまい、ノド周囲の筋肉が萎縮してしまい圧迫された状態が続くことでノドの違和感や異物感、息苦しさなどを感じるのです。
これは不安や疲労、緊張状態などが引き金となるため、仕事中や仕事に向かう際、会議中や人混みなどストレスの多い環境で比較的発症しやすいです。その他、睡眠不足や運動不足、食事の偏りなど生活習慣の乱れによってもヒステリー球の症状は起こりやすくなってしまうのです。
症例 1
20代 男性
3か月前から喉に違和感が出始めて、喉に異物があるような感覚に悩まされている。
病院で検査をしたが特に異常がなく、ヒステリー球と診断された。
喉の異物感のおかげで仕事に集中できない、休日も気になってリラックスできないなど、日常生活に支障が出ている。他の治療を色々試したが期待通りの効果はなく、藁にもすがる思いで来院した。
普段はIT企業に勤めており、パソコン作業が多い。今の仕事が好きでやりがいを感じており、睡眠時間を削ってしまう事もある。
ストレスは人並にあるが、そこまで強く感じたことはないが、
半年前に地方から東京に引っ越ししてきて環境変化へのストレスはある。
ストレートネックで首肩のコリ、眼精疲労は慢性的にある。
当院の施術
自律神経測定器で自律神経の状態をチェックしました。
交感神経が副交感神経よりも過剰に働いており、第一の原因と判断し自律神経の調節、とくに副交感神経の働きを促す施術を行いました。
それと同時に、胸鎖乳突筋や僧帽筋に刺鍼をし首肩の緊張をとり、ヒステリーに効果がある「天突」、「中脘」、「膻中」「豊隆」「気海」といったツボを刺激しました。
また施術以外にも、運動や食事の指導も行いました。
◇1回目◇
あまり変化はない
◇2回目◇
少し楽になったような気がするが、大きな変化はない
◇3回目◇
初回に比べてかなり楽になってきた
◇4回目◇
調子よいが、まだ完全に取れていない
最近ランニングをするようになってから気分もいいし、体調が良くなってきた
◇5回目◇
気になる頻度が減ってきた
◇6回目◇
ほとんど気にならない
症例 2
30代女性
半年前、ペットロスがきっかけで喉の違和感や息苦しさがぬけず病院を診断したところ、病的な所見はなく、ヒステリー球ではないかと診断された。
当時は喉まわりだけでなく全身の疲労感があったが現在は特に気にならない。
喉まわりだけがなかなか改善されないため、仕事中や就寝時など気になってしまい日常生活に支障をきたすため当院を受診された。
昔からストレスには弱いほうで、気持ちがおちこむと体調も悪くなりやすい。
当院の治療
ヒステリー球の治療は、第一に自律神経のバランスを整えることが重要です。
ストレスが加わり交感神経がたかぶる時間が長いと、身体をリラックスさせる時間がなくなり喉周りの筋肉の圧迫も続いてしまいます。
手足やお腹のツボをつかい自律神経を整え、それから首や喉周辺の筋肉を緩め症状改善を図りました。
また、慢性的な身体の疲れもでていたため背中のツボにも鍼と灸を行い、治療頻度は1週間に1回程度で経過をみていくようにした。
◇1回目◇
常に身体に力が入っている状態だったことに気づいた。
治療後は少し息がしやすいような気がした。
◇2〜4回目◇
変化なし
◇5〜12回目◇
回数を重ねるごとにのどの圧迫感が減り、仕事に集中できるようになった。
就寝時は意識してしまうためかまだ違和感が残っている。
◇13〜15回目◇
日常的にあまり気にならない程度まで回復。
今後は治療間隔を2週間あけて経過をみる。
症例 3
30代 男性
半年ほど前から喉に違和感を感じるようになった。職場の部署移動後から、喉がつまるような感覚があり、呼吸が浅くなる症状が出始めた。職場の環境は良く、特にストレスの自覚はないが、仕事内容の変化による忙しさやプレッシャーは感じている。
施術
自律神経測定器の結果、過剰に交感神経優位で、精神的ストレスが高い状態であった。ご自身では特にストレスだと感じていない状態でも、環境や仕事の変化による精神的なストレスが溜まっている場合があります。
触診では、首肩周りの筋緊張が強く出ている状態でした。全身的な自律神経調整施術を行ってから、喉や呼吸に関わる場所を中心に施術をしていきました。
一回目
初めての鍼灸治療で緊張していたが、施術後は身体が適度にリラックスできている感じがあった。
二~五
首肩周りの筋緊張は軽減している。喉のつまり感は施術回数を重ねるごとに解消され、気にならない時間が増えていった。呼吸も正常に行えるようになった。
ヒステリー球を治すまたは予防するためには自律神経の状態が大きくかかわってくることから生活習慣がとても重要となってきます。基本的なストレスや疲れを溜め込まない生活を心がける必要があるのです。
・十分な睡眠
睡眠時間が十分に確保されていない状態が続いてしまうと体の疲れが溜まりやすく、精神状態もイライラや不安が強く出やすい状態となってしまいます。また夜に十分な睡眠をとることで自律神経の状態も整いやすくなります。
・適度な運動
主にウォーキングや軽めのジョギング、体操やヨガなどの有酸素運動は、副交感神経の活動を活発にすると言われています。逆に筋力トレーニングなどの筋肉に大きな負担のかけるトレーニングでは交感神経が優位になりやすいので夕方から夜かけての筋力トレーニングは避けた方が良いです。
・労働時間
労働時間の超過は体の疲れが溜まりやすく、自律神経の状態も悪くなりやすいです。夜の残業や仕事を家にまで持ち込むと自律神経の乱れに繋がります。
・規則正しい食事
栄養のバランスが偏っていたり、食事のとる時間が毎日バラバラですと自律神経が乱されやすくなります。胃腸の働きは自律神経が担っているため、食事を摂る時間は重要で夜の9時以降の食事はできるだけ避けた方が良いです。
症例4
20代 男性
5年ほど前から声の掠れや違和感が出るようになり、特に会話や運動中に症状が強まるとのこと。朝の起き抜けは喉の乾燥や詰まり感も目立ち、お体に強い緊張を抱えていらっしゃいました。耳鼻咽喉科では器質的疾患はないと診断されたので、自然な形での回復を希望され当院を受診されました。
世界的な自粛で外に出ることもなく、家にこもってゲームや携帯を見る機会がとても増えてからまもなくして症状が発症したとのことでした。
東洋医学的には、喉を潤す力の不足とストレスによる気の滞りが原因と考えられます。
当院の治療
喉の潤いを補いながら、全身の気血流の巡りをスムーズにすることを主眼に施術を行いました。喉周りのツボで局所の血流を促すとともに、足や手のツボを用いて自律神経を整え、体質面からの改善を図ります。週1回のペースで来院いただき、ご自宅での喉のケア、姿勢についてもアドバイスを差し上げました。
治療の経過
〈1〜2週目〉
施術した翌日に熱が少しでたが、声の掠れ、違和感が軽減した。
〈3〜4週目〉
会話でだいぶ声が出るようになってきたが、まだ違和感が残る。
〈5〜6週目〉
姿勢を意識することで声質が安定し、運動中も違和感が出なくなったとのこと。首肩の凝りも改善し、その後はメンテナンスとして月1回の受診をつづけている。
症例5
20代の女性
転職に伴う環境変化と業務負担の増加により、1ヶ月前から喉の奥に梅の種が詰まったような強い違和感(ヒステリー球)が出現。耳鼻咽喉科での内視鏡検査では異常なしと診断される。次第に喉の圧迫感から呼吸の浅さや寝付きの悪さ、日中のイライラ感も伴うようになり、当院を受診。
当院の施術
精神的ストレスによる肝鬱気滞や気の滞りから生じた余分な水分が喉に絡むと見立て、気の巡りを改善し自律神経の緊張を緩める方針をとりました。
喉の緊張を直接緩和するため天突へごく浅く刺鍼し、胸のつかえを開くために膻中へ鍼と温灸を行う。
ストレスによる気の滞りを流すため太衝、自律神経を整える手首の内関、余分な水分を排出させる豊隆へ置鍼。さらに首肩の過緊張が喉へ影響していたため、背部兪穴や風池にもアプローチを組み合わせました。
経過
◇初診〜3回目◇
初回の施術直後から胸が開き、呼吸がしやすくなったと実感。3回目の施術後には、日中仕事に集中している時間は喉の詰まり感を忘れる時間が増える。
◇4回目〜6回目◇
睡眠の質が向上し、夜中に目が覚めることがほとんどなくなる。喉の違和感は当初の10から2程度まで軽減。
◇7回目◇
喉の症状は完全に消失。環境変化への適応も進み、心身ともに安定したため治療を卒業とした。日常的な養生として、香りの良いハーブティーの摂取や軽い運動の継続を指導した。
眼精疲労の主な症状は、目の疲れに伴う痛みやピントが合わせづらい、視力の低下などの目の症状に加えて首肩こりや頭痛、全身の倦怠感などの全身症状も呈します。目は、人間の外部から得られる情報の中の約8割をも占めるといわれるとても重要な臓器の一つです。その視覚情報に不具合や不快感が生じてしまいますと全身にも影響を及ぼしてしまうのです。
現代社会では、パソコン作業やスマートフォン操作の増大によって近くの物を注視する機会が増えたことによって目に負担がかかり、目に関するトラブルが急増しています。人間の目は本来遠くのもが見えやすいように構造されています。それは、昔は目によって獲物を捕らえて狩りをしていたり、天候の変化を見極めて身を守っていたことに由来します。それが現代では、そういった機会少なく逆に近くの物を見る機会が増えており、それが目の構造とは真逆となって目に負担をかけているのです。

近くの物にピントを合わせようとすると目のピント合わせる毛様体筋に負担がかかり、その周りの眼輪筋などにも波及してしまいます。また、視線を動かすことが少なくなり、目を動かす6つの筋肉(外直筋・内直筋・上斜筋・下斜筋・上直筋・下直筋)が衰えてしまうことで物が二重に見えてしまう複視症状にもつながりかねません。

当院の眼精疲労に対する鍼治療では、目の周りに鍼を刺して疲労している筋肉に直接アプローチすることで目の循環を改善して疲労物質を排出してあげて栄養ある血液を行き届かせるように施術していきます。また、目の周りに温かいお灸を施すことで凝り固まった筋肉を緩ませる施術も行っていきます。

その他、眼精疲労を東洋医学で考えますと、五臓六腑の『肝』が深く関係しています。目にとって肝はとても重要な五臓の一つで肝の機能が低下してしまうと目に気血が十分に行き届かなかったり、逆に肝火が上炎してしまって充血や目の痛みに繋がってしまうと考えられています。当院では、肝のツボも用いて肝の状態を正常に戻すような施術も行っていきます。

また、全身施術として自律神経調整治療も行っていきます。目と自律神経も深い関係にあります。目のピントを調整する機能であったりまぶたの開閉、血液循環は自律神経が関係しています。目の不調は自律神経の乱れにつながりかねません。自律神経の乱れを整えることで目にもいい作用が働くと考えて施術していきます。
初診時に必要であれば自律神経測定器を用いて自律神経測定も行ってその方に合わせた自律神経調整治療を行っていきます。

・眼精疲労の鍼灸治療について詳しくはコチラ←
・視力低下の鍼灸治療について詳しくはコチラ←
・複視の鍼灸治療について詳しくはコチラ←
・首コリの鍼灸治療について詳しくはコチラ←
症例①
30代女性
社会人となって事務職に就いてからパソコン作業の時間が増えてそれに伴い5年ほど前から目の疲れや目の奥の痛みを定期的に感じるようになった。夜遅くまで仕事などもある時があり、なかなか寝付けない・全身の倦怠感・頭痛などの全身症状も最近出てきた。
眼科を受診したところ、少しドライアイ気味だが特に大きな病気は見つからず、目薬が処方されて点眼をしているがあまり良くならなかったため鍼治療を受けてみようと思ったとのこと。
鍼治療
特に目の奥の痛みが左側に現れることが多く、それに伴って左首肩にも痛みが波及していくとのことで、左目と左首肩に比重を置いて施術していきました。また、問診時に自律神経の乱れもあると考えられたため、自律神経測定を行い自律神経のバランスも調整する自律神経調整治療も合わせて行っていきました。
まず、うつ伏せとなり首肩の筋緊張の強い部分に鍼をしてその他背中にあるツボも施術していき、次に仰向けで目の周り特に左目の鍼の本数を増やして治療しました。左目にはさらに鎮痛効果が期待できる鍼通電を行い、症状の緩和をはかりました。
自律神経調整治療ではお腹手足のツボを用いて鍼やお灸療法も行っていきました。
・1~2回目
一回目の治療後、一番つらい状態が10(VAS)だとすると3~4程度に症状は落ち着いた。下肢の冷え症状も強く出ていたため、下肢にお灸を多く行って全身の巡りを良くしていきました。
・3回目
日常的に左目の痛みを感じることはなくなった。違和感程度。左目のVASは1~2ほどで、左首肩はまだVAS3~4ほど。
・4~5回目
仕事が忙しい時でも以前よりは寝つきが良くなってきた。左目と左首肩のVASは1~2ほど。でも、どうしても無理して体を酷使すると痛みが少し出る時もあるため、症状が出そうになった時だけ不定期に来院。
症例②
20代男性
美容師の仕事をしており、細かい作業が多く目をよく使う。また、髪を切る姿勢は頸肩に負担が多くかかるため常に首肩こりに悩まされていた。忙しい時は、ほぼ休みなく一日中カットをしている時もあり、そのような日は夕方くらいから目の周りに痛みが出てひどい場合には頭痛やめまいを起こすようになってしまった。
病院を受診して薬を処方してもらっていくらか症状は抑えられているが完璧な状態までいかずに何とかもう少し体が楽に仕事ができるようになりたいということで当院にご来院された。
鍼治療
まず頸肩の筋緊張の緩和と立って仕事をする機会が多く腰部の筋肉も過緊張状態であったためうつ伏せでそれらの筋肉をほぐしていきました。つぎに仰向けとなり、目の周りの筋緊張の緩和と自律神経の調整施術を行っていきました。また、眠りも浅く寝ても疲れが取れないという状態だったことから睡眠に関するツボも用いて鍼とお灸の施術を行っていきました。
・1回目
治療後、頸肩は楽になり、いつもよりも睡眠が深く取れたように感じたとのこと。目の状態はまだ夕方ごろになると疲れを感じてくる
・2回目
以前よりも目の状態は良くなったように感じるが、まだ夕方以降に調子が崩れてしまう
・3回目
夕方以降の目の状態は、VAS4程度と徐々に改善が見られるようになってきた
・8回目
7回目まではいい状態と悪い状態を繰り返す調子の波があったが、8回目以降は体も安定。夕方以降となっても目の疲れを感じにくくなった。
症例③
30代男性
半年前から目の奥の痛みや乾きが気になるようになった。
目薬をさしてもその場はよくなるがすぐもとに戻ってしまう。
1日10時間以上パソコンを使用している。
細かい作業が多く、長時間続けると頭痛がでることもある
目を温めると調子はいい。
当院の治療
目の周りの筋緊張の緩和を目的として、目のまわりに鍼を行い低周波治療器で電気を流した。
温めると症状が緩和されるとのことだったので、電子温灸器で目の周りを温め、血液循環がよくなるように治療した。
デスクワークによる首や肩のこりもあったためうつ伏せで背部の治療も行った。
経過
1回目
施術後視界がクリアになり、目の奥の痛みがなくなった。
2回目
目の痛みが軽減し、目薬も効くようになった。
頭痛も以前より回数が減っている。
5回目
仕事をしていると疲れるが、目のまわりを押したり温めると目の奥の痛みはとれるようになった。
頭痛も2週間出ていない。
今後も定期的な治療を続ける。
症例④
50代 女性
デスクワークのため、業務中は画面2台、パソコン1台に囲まれて毎日働いている。自分で目の周りのマッサージをしたり、ホットアイマスクで血流を良くするなどで自分なりにケアをしていたが、先月同僚が退職し1.5人分の仕事をし始めてからこれまでと全く違う痛みが目の奥に出てきた。
眼科では異常なしで、おそらく眼精疲労からきていると説明された。
ドライアイや首こり、肩こりも慢性的にあるが、一番気になるのが眼精疲労からくる目の痛みをなんとかしたい。
当院の施術
触診したところ、目の周りはもちろん筋肉が硬くなっておりました。他にも首、肩、背中、腰、の上半身を中心に全体的に身体が硬かったです。
当院の施術として、硬くなりすぎている筋肉を緩めるところからはじめました。そのために血流改善や筋緊張を緩めるための自律神経の調節を行っていきました。
経過
1回目
目はあまり変化を感じないが、肩はかなり楽になった
2回目
眉毛やこめかみに血が流れている感じがする。
3~7回目
目の痛みに変化はないが、画面は以前より確実に見やすくなった。
8回目
気づいたら目の奥の痛みが軽くなっていた。
9回目
ほとんど痛みが気にならなくなった。
10回目
来院頻度を減らして、メンテナンスとしてこれから利用していく。
症例⑤
30代女性
デスクワーク中心で1日8時間以上のPC作業に加え、通勤中もスマートフォンを使用ことが多い。両眼の乾燥感、異物感、目の奥の重だるさを訴え来院されました。
夕方になると症状が悪化し、目の疲れとともに頭痛・肩こりも感じるようになる。既往に大きな疾患なし。月経不順の傾向があり、冷え性も併せ持っている。
長時間のVDT作業によるまばたき回数減少とマイボーム腺機能低下が直接的な誘因と考える。加えて、デスクワークによる同一姿勢の持続で頸肩部の筋緊張が強く、自律神経のバランスが交感神経優位に傾いていたことが涙液分泌低下を助長していたと考えられる。東洋医学的には、月経不順・冷え性の所見と合わせ「肝血虚」による目への栄養供給不足と判断。パソコン作業による「肝」への負担蓄積も背景にあるとみられる
当院の施術
局所には攅竹・魚腰・太陽・四白へ浅刺・置鍼し、眼窩周囲の血流を促進。全身治療では肝血虚証に対し肝兪・三陰交・膈兪に補法を施し、血を補い目への栄養供給を高める方針とした。あわせて後頸部・肩甲骨内側のコリに天柱・風池・肩井を用いて緊張を緩和し、副交感神経優位への切り替えを図った。眼周囲にはホットタオルを施し、涙腺周囲の血流をさらに促進させるようにした。週1回、計8回の施術を実施。
経過
◇1回目〜3回目◇
夕方の乾燥感・異物感がやや軽減。
◇4回目〜5回目◇
頭痛・肩こりも改善し、まばたきの意識的な回数増加とあわせて自覚症状が大きく緩和した。
◇6回目〜8回目◇
終了時点で乾燥感はほぼ消失し、月経不順の改善傾向も見られた。以後は月1〜2回のメンテナンス施術に移行し、症状の再燃なく経過良好となっている。
清水大地

資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院
①問診
しっかりと時間をかけて問診していきます。ストレスや環境の変化により発症する場合もあります。症状の経過などによっても治療過程が変わってきますので詳しくお伝えください。

②検査
自律神経測定器を用いて現在のお身体の状態を計測していきます。また柳原法を用いて症状の進行具合を診ます。
③うつ伏せ治療
背部には五臓六腑の重要な経穴があります。東洋医学の診断法に基づいて弱っていると臓腑、逆に強くなりすぎている臓腑を経穴を刺激して調整します。顔面神経麻痺の方は、首肩の筋緊張が強い場合が多いのでそれらの筋肉をほぐしていきます。

④仰向け治療
顔面部に鍼やお灸をしていき、同時にお腹や上下肢などの重要な経穴を刺激して自律神経を調整していきます。

顔面神経麻痺は、2週間以内の早期に治療を開始するとそれだけ予後も良いです。しかし、慢性期の方や後遺症が残っている方でも鍼灸施術で改善していったという症例が多くございます。

※顔面神経麻痺の効果についての研究
東京女子医科大学の東洋医学研究所の研究では、顔面神経麻痺の鍼灸効果についての研究がされており、鍼治療の効果のエビデンスはいまだ解明されていないものの鍼刺激が顔面神経や顔面神経管等の周辺組織の血流が改善されることで麻痺の回復を促すことが研究結果から推測されています。
「難治性のBell麻痺およびHunt症候群に対する鍼治療効果の検討ーENoG値0%でかつNETスケールアウトであった29例の検討」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kampomed/60/3/60_3_347/_article/-char/ja/
この研究では、1996年8月から2004年6月までの間に鍼治療を行った顔面神経麻痺患者の中で電気生理学的検査で全く反応がなく一般的には予後不良となる方29例を対象に行われました。
結果では、発症後6か月以内に顔面神経麻痺が完全治癒したのが17・2%で不完全治癒が82.8%でした。不完全治癒が圧倒的に多いかと思いますがこの研究で扱った症例では、一般的には治癒見込みがないとされる症状の重い状態の患者さんであってそういった患者さんでも鍼の有効性が認められ、顔面神経麻痺の鍼灸治療の効果が示されています。
40代 男性
3週間ほど前に風邪をひいて体調を崩してから頭痛や耳の後ろ当たりの痛みを感じるようになった。痛み自体は2日ほどでほとんど軽減されたが、右顔面部の動かしずらさを覚えて病院を受診したところ、顔面神経麻痺の診断を受けた。
病院では主に経過観察でビタミン剤などの栄養剤を処方されただけで次は1か月後に来院されてくださいとだけ言われて他に何か治療手段はないかと検索をかけたところ鍼灸治療が効果があると知って当院にご来院されました。
当院の治療
体調を崩されてからの顔面神経麻痺の発症ということで自律神経の状態も何かしら顔面神経麻痺に影響を及ぼしている可能性もあるので自律神経測定器で自律神経の状態を測定して治療に入っていきます。
測定の結果交感神経の活動も高く、最近よく眠れていないということから全身的な副交感神経の活動を高められるような施術も含めて行っていきました。
うつ伏せから施術を行い首肩周りの筋緊張の緩和、背部兪穴を用いた五臓六腑の機能回復を行います。
その後、仰向けとなり右顔面部中心に鍼灸施術を行っていきます。
治療経過
最初問診時、特におでこのしわ寄せ動作や口をイーっと横に広げる動作が右顔面部できていない状態でした。また、目もうまく閉じれない状態でドライアイも出ていた。
一回目の治療では顔周りの鍼通電治療は症状悪化の可能性も高くなるので行わずに顔周りは鍼とお灸で刺激していきます。
一回目の施術後その日の夜に目の閉じやすさを実感。口元やおでこはまだあまり変化を感じることができない。
2回目後はおでこのしわ寄せ動作も少しずつですができるようになってきた。
3~4回目では症状にあまり変化がみられなくなったため5回目以降は耳の後ろと口元の右横とおでこ周囲に低周波の鍼通電治療を行っていき、変化をみていきます。
6回目の施術後次の日から明らかに口元の動きが改善、口をイーっと行う動作が左側とさほど変わらないくらいまで回復。
7回目以降は大きな変化は見られなかったが少しずつ回復していって10回目で施術を終了。ほぼ完治された。
症例2
40代 男性
2週間前に体調を崩し風邪を引いた。風邪が治りかけたタイミングで耳の奥に痛み出始め、左顔面部に帯状疱疹が発症した。帯状疱疹が治り始めてしばらくたったら、左片側顔面神経麻痺が発症した。
主な症状は、額のしわ寄せ、閉眼、ほほを膨らませる、口の動きなどが不能。
病院ではラムゼイ・ハント症候群と診断され、最初はステロイド薬の治療を行い、その後は抗生物質での治療に切り替え経過を見ている。少しでも早く改善したいと思い当院を受診した。顔面神経麻痺以外には、首肩のコリも気になる。
当院の施術
寝不足もあり体調を気にしていましたので、まずは自律神経測定器で現在の自律神経の状態を確認しました。
多少交感神経の活動が優位になっていましたが、バランスはそこまで大きく乱れてはなく、ほぼ正常に近い状態でした。
しかし、いち早い改善を目指すためにはさらに自律神経の調節が必要不可欠になります。
そのため、顔面神経麻痺、首肩コリに対する施術の他に自律神経調節治療も同時に行いました。
発症からまだ期間も短く、異常共同運動のリスクを避けるために、電気鍼は行わず低刺激で血流を促進させ末梢神経損傷部の再生を促す事を目的とした施術を行いました。
その後、末梢神経損傷部の再生が完了し、異常共同運動のリスクが消滅した時点で顔面部の筋委縮を弛緩させる鍼通電療法に切り替えていきました。
経過
1回目
まだ大きな変化はないが、心身ともにリラックスできた。
2回目
顔のこわばりは少し楽になった。
3回目
瞼は前より閉じやすくなってきたが、ほほや口の動きはまだ変化がない。
4回目
以前より口が動きやすくなってきた。首の張りが気になる。
5回目
以前より軽快してきた。
継続して通院中。
症例3
50代 男性
約2ヶ月前から顔の右側の筋肉が動かせなくなり、急いで病院へ向かったところ顔面神経麻痺と診断された。
初期症状として耳の下の痛み始まり、食べ物や水をうまく飲み込めない、瞼を閉じる事ができないといった症状が出現した。聴覚症状やめまい、味覚障害は現れなかった。
病院ではステロイドや抗ウイルス薬による薬物治療を続けていて、初期に比べたらある程度改善したが、まだ麻痺が残っているため、他の治療方法を模索していたところ当院を見つけた。
当院の施術
まずは、柳原テスト法で現在のお顔の麻痺の状態を確認していきました。
特に口元と目元の麻痺が強く残っており、眼を閉じられない、口をへの字にできない、頬を膨らませづらい、といった事が難しい状況でした。
当院ではお顔だけではなく、お身体全体を整え事も同時に行います。
①麻痺を起こしている表情筋へのアプローチ
②首肩の筋緊張を緩め、顔面部の血流を促す施術
③自然治癒力の向上を目的とした自律神経の調節
以上を中心に施術を進めていきました。
経過
1回目
あまり大きな変化はないが、施術当日ゆっくり眠れた。
2回目
ほんの少しだけ動きが良くなったような気がする。
3回目~6回目
あまり大きくは変化はない。
7回目
状態に合わせて、表情筋に低周波電気鍼療法を使用。
8回目~10回目
少し動きが出てきた。
11回目~13回目
まぶたが前より閉じれるようになってきた。
14回目~16回目
まぶたは完全に閉じれるまで改善した。
口元はまだ麻痺が残っている。
17回目~20回目
口元は前より改善した。
現在も通院中
顔面神経麻痺とは顔面の表情筋をつかさどっている顔面神経が何らかの原因により、神経麻痺をおこして顔面部の筋の運動麻痺を主とした様々な症状が現れる疾患です。
発症にとくに男女差はみられませんが、発症前に仕事が忙しかったり、ストレスを著しく感じていたり、風邪をひいて寝込んでいたりと身体が弱っている時に発症しやすいことが言われています。
また、発生頻度は高齢の方のほうが高く、血圧の高い方や血糖値の高い方に多い傾向にあり、そのような方は治る過程も遅くなります。
東洋医学では、病気の原因は大きく分けて内因(体質素因・精神的素因)と外因(生活素因・自然素因)、病理的産物とに分けられます。外因は内因を通してはじめて病変して身体に影響が出ます。
顔面神経麻痺の場合、外因が深くかかわっていると考えられています。
東洋医学の外因とは
・生活素因
暴飲暴食や過労、性生活が過剰であったり、睡眠が不規則であったり、運動不足などにより日常生活が乱れている場合に病変として現れます。
・自然素因
環境の変化や細菌やウィルスなどによる体の外から来る病気の原因によって病変が現れます。東洋医学では、自然界の気候の変化を「風・寒・暑・湿・燥・熱」の6つに分けられ、それらが人体に作用して病変が起きる状態を「風邪・寒邪・暑邪・湿邪・燥邪・熱邪」と呼びます。
顔面神経麻痺の東洋医学での原因
東洋医学では、末梢性顔面神経麻痺は風邪と寒邪が合わさった病変だと考えられています。
風邪は
・突然発症する
・変化が多い
・人体の表面部分をおかしやすい
などの特徴があり、風邪によって顔面部の経絡の流通が妨げられて、運動麻痺や痺れ、痛みなどが発症すると考えられています。
寒邪は
・全身あるいは局所の寒冷症状
・固定制の疼痛や筋肉のひきつれ
・体が冷えると症状が強く出る
などの特徴があり、ストレスや生活の不摂生などにより、体の防御反応が弱くなってきた際に顔面部に寒邪が侵入しやすく、神経麻痺が起きます。
顔面神経は12対ある脳神経の一つで、第七脳神経とも呼ばれます。顔面神経は左右の脳幹から出て、内耳神経と一緒に内耳道、中耳腔を通って側頭骨を貫きます。さらに単独で顔面神経管という管を通り、耳の前下あたりから出て表情筋などへ伸びていきます。
また顔面神経管を通るあたりから涙腺や唾液腺、味覚をつかさどる神経の枝を出します。
主に顔面部の表情筋の運動を主っており、また涙腺や唾液腺、味覚などにも関係する神経が出ており、顔面神経麻痺が起こったときは、それらの症状も発症することがあります。
顔面神経麻痺に起こる主な症状としまして
表情筋の麻痺
顔面神経は顔の表情筋を主っているため顔の表情筋が麻痺します。両側に起こることは少なく、多くは片側に麻痺が出ます。
顔の表情筋に麻痺が出てしまうと
などの症状が出ます
味覚障害
唾液腺の障害
涙腺の障害

顔面神経麻痺には、大きく分けて中枢性と末梢性があります。
中枢性顔面神経麻痺
脳幹より上位の中枢側の障害による顔面神経麻痺です。脳卒中や脳梗塞などによって引き起こされます。一般的に中枢性の方が末梢性よりも予後が悪いです。
顔面神経麻痺の症状に加えて下記のような症状が出た場合はすぐに専門医を受診してください。
末梢性顔面神経麻痺
顔面神経麻痺のほとんどは末梢性顔面神経麻痺です。末梢神経麻痺は、脳や脊髄の中枢から手足など様々な部分に伸びる末梢神経が障害を受けるために麻痺が起こります。
顔面神経の場合は顔の筋肉を支配してますので、顔の筋肉の麻痺が起きてしまうのです。
末梢神経麻痺の代表的なものとしてベル麻痺とハント症候群が挙げられます。 ベル麻痺は、顔面神経麻痺全体の7割近くを占めます。次いでハント症候群が挙げられます。
ベル麻痺は末梢神経麻痺の中でも発症頻度が高く、およそ10万人に23人もの割合で発症し、年齢男女問いません。原因としましてはわからないとされていましたが、近年の研究により単純ヘルペスウィルスの感染・再活性が原因という説が有力です。
従来ベル麻痺に関しては原因不明とされてきましたが、近年ではヒト単純ヘルペスウイルスの再活性が原因とされるウイルス説が有力とされるようになってきました。
ベル麻痺は前駆症状がなく、いきなり顔の片側の筋肉が動かしづらく感じて筋力低下を起こす場合もありますが、発症の数時間~2日前に耳の後ろの痛みを感じて顔面神経麻痺を生じる場合もあります。
ベル麻痺による麻痺の程度は軽度から重度のものがあり、発症から2日以内が最も筋力低下が起きやすい期間となります。
顔の筋力の低下が起きると、目を閉じづらくなり眼球結膜が常に見えた状態の兎目という状態になることがあります。また、額にしわを寄せる・口角を上げる・口を膨らませるといった動作ができなります。
ベル麻痺による影響は、顔の筋肉に留まるばかりでなく、涙腺や唾液腺にも影響を与えるため目や口の渇きを感じる場合もあります。
ベル麻痺は数ケ月の間に自然治癒する場合もありますが、長い時間顔の筋肉を使わないため筋肉が拘縮したり、筋力低下による顔の垂れ下がりなど後遺症も残る場合も多いので注意が必要です。
また、目の乾燥や閉眼動作ができないた目の表面が傷つきやすく、視力の低下などにもつながる可能性があるのでしっかり目もケアしていく必要があります。
ハント症候群とは、末梢性顔面神経麻痺の中でベル麻痺に次いで2番目に多い疾患です。ベル麻痺との大きな違いは、顔の筋肉が動かしづらい症状に加えて強い痛みを感じることが特徴です。
ハント症候群の原因は水痘帯状疱疹ウィルスです。幼少期などに水ぼうそうに感染し、体にウィルスが潜伏していた場合に発症するリスクがあり、体の疲れやストレス、免疫力の低下などの原因によりウィルスが再活性して症状が現れます。
ウィルスが活性化する神経によって症状が異なりますが、ハント症候群の場合顔面神経でウィルスが活性化します。すると、耳や口の中に水泡やかさぶたを生じて強い痛みを感じるのです。
また、顔面神経近くを通る内耳神経にも影響を与えるので、難聴や耳鳴り・めまいなどの症状も現れる場合もあります。
ハント症候群はベル麻痺よりも治癒率が低く、時間が経てばたつほど治りも悪くなるので早期に治療を開始することが重要です。顔の筋力が戻らない・病的共同運動・筋肉のひきつれなど後遺症が残ってしまう場合も多いです。
病院では、MRI検査やCT検査などの画像診断で中枢性か末梢性か検査されます。脳卒中などで中枢性に障害を受けている場合は、顔の神経麻痺ばかりでなく片側の上下肢にも痺れや筋力低下が起きるので、診断は可能かと思います。しかしまれに頭部外傷や腫瘍、その他の感染症で顔面神経麻痺が起きる場合もあるので、一度病院で検査を受けていただく必要があります。
当院では、顔面神経麻痺の際に使用される評価法40点法(柳原法)を用いて顔面の筋肉運動の評価をしていきます。柳原検査法は、麻痺の程度を把握するためにとても重要な検査で顔面間神経麻痺の評価法において世界的にも用いられている検査法の一つです。
柳原法は、顔面の筋肉各部の動き・麻痺の程度を評価する検査法で、ベル麻痺とハント症候群を評価するために作成された評価法です。
これら9つの項目40点満点で評価します。
顔面神経麻痺の種類によって治療法は変わってきます。
ベル麻痺の場合は、単純ヘルペスウィルスに有効な抗ウィルス薬が処方されて、ハント症候群に関しましては、水痘帯状疱疹ウィルスに有効な抗ウィルス薬が処方されます。その他にも神経を早期に修復させる目的でビタミンB12やビタミンEなどの製剤が処方されたり、星状神経節ブロックやリハビリなどの保存的両方が採用されます。
顔面神経麻痺が重くなるにしたがってお薬の量が増えて、重度の場合は入院して集中的に治療する場合もあります。
清水大地

資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院
中医学では梨状筋症候群(坐骨神経痛)は、臀部付近の気血の運行がスムーズにいかずに気血が滞り、それが痛みや痺れの原因となると考えられています。
寒く風のあたる場所にいた際に「風寒の邪気」を受けた時や湿度の高い場所にいて「湿邪」を受けた時、長い間体力仕事をした時などに気血は滞り、それが臀部付近であった場合に梨状筋症候群(坐骨神経痛)を発症する可能性が高くなります。
また坐骨神経の通り道は、中医学の「膀胱経」の通り道と似ており、「膀胱経」が何らかの障害を受けると梨状筋症候群(坐骨神経痛)を発症しやすくなります。
また中医学でいう「肝」と「腎」の機能が弱ると全身的に血や体液が不足し、筋肉などの様々な器官に栄養を送ることができず、さらに上記のような条件が加わると梨状筋症候群(坐骨神経痛)がおこりやすくなります。
両者の関係は深いので「肝腎同源」とも言われており、「肝」と「腎」の症候が同時にあらわれることが多いです。
当院の梨状筋症候群(坐骨神経痛)に対する施術の目的は、臀部付近のツボや痛みの強い部位に鍼をさして微電流を流すことにより血行を良くして梨状筋の緊張を緩めることです。また鍼を刺すことにより痛みを感じる閾値を上げて痛みを感じにくくする作用を促します。

電気の刺激が苦手な方には、鍼とお灸とストレッチやマッサージ等を併用して筋肉を緩めて坐骨神経の圧迫されている部分を取り除いていく施術も行っていきます。

梨状筋症候群(坐骨神経痛)は五臓六腑の「肝」と「腎」、「膀胱」に深く関係しているので肝と腎に関するツボを用いて肝血や腎気を補うことや臀部付近の気血の流れをよくします。また「風寒」や「湿」の邪気によって引き起こされる場合はそれらを体外に出す治療が必要になります。

東洋医学では痛みはその部位だけの問題ではなく、五臓六腑を含めた体全体の問題としてとらえます。梨状筋症候群(坐骨神経痛)は全身性の疲労や気血の滞りが原因の場合もあるので梨状筋だけの部分的な治療ではなく全身を診て治療していきます。
全身治療を行うことにより人間が本来もっている自然治癒力を高め、早期回復が見込めます。
当院では補助的施術としてストレッチや吸角を行い、はりやお灸の効果を一層高めます。
※坐骨神経痛の鍼灸治療の有効性についての研究
明治鍼灸大学の研究
『根性坐骨神経痛に対する神経根鍼通電療法の開発とその有効性』
www.meiji-u.ac.jp/research/files/shinkyuigaku30_1.pdf
では、神経根に鍼通電療法を施すことで神経根ブロック注射よりも効果が持続出来て症状も軽減されたという研究結果も出ています。また、薬物療法神経根ブロック注射に対して鍼灸治療で用いられる鍼は細く、神経を傷つける危険性の低下や薬物による副作用リスクの軽減なども示唆され、鍼通電療法ではブロック注射よりも簡便に行うことができる治療法になり得る可能性が考えられるとされています。
症例 1
30代 女性
仕事はデスクワークが主で一日中椅子に座って仕事をしていた。ある日座って仕事をしている最中に臀部に痛みを感じた。痛みの程度は軽かったためそのまま仕事をしていると仕事が終わったときには強い痛みに変わってしまっていた。次の日も臀部の痛みが強く出ていて1時間ほど座って作業をしていると足の方にも痺れの症状が出てきて座っていなれないほどになってしまった。整形外科を受診したところ、梨状筋症候群と診断されて痛み止めの薬と日常的に運動やストレッチを行うように言われた。
毎日、痛み止めの薬を飲んで薬の効果が出ている時は良いが、効果が切れてしまうと痛みが再現されて座っていられない。インターネットで調べて臀部のストレッチなども行ってみたがあまり効果が見られず、なんとか痛みを軽減させてほしいということで当院にご来院されました。
施術
まず、仰向け治療で鼠径部・前脛骨筋などの下腿部の固結部に鍼通電療法やお灸療法を施して筋緊張を緩和していきました。次にうつ伏せとなり、梨状筋をねらった鍼通電療法、腰部・下腿後面部にも鍼やお灸を施していき、最後にマッサージやストレッチで筋肉をほぐして痛みの緩和をはかりました。
◇1回目◇
その日は臀部が楽になったと感じた。以前は、痛み止めを飲まないと痛みで眠ることができなかったが治療後当日は眠ることができた。
◇2回目◇
ひどいと仕事開始して10分後に痛みを感じることがあったがそれがなくなった。痛み止めはまだ服用
◇3回目◇
痛み止めを飲まなくても何とか座って仕事をできる日が出てきた。しかし、まだ1時間ほどすると足のしびれや痛みが出ることもある
◇5~4回目◇
痛みがほぼ出ないようになってきて調子のよい日が増えてきた。痛み止めの薬も服用していない。
症例 2
20代 女性
半年ほど前から1時間以上座る姿勢を続けていると、左臀部の痛みと左太もも裏にしびれや痛みがでるようになった。
仕事は立ち仕事で、前かがみに下を向きながら作業することが多く、首から肩、背中、腰のコリや疲労は常に感じていた。臀部の痛みや足のしびれは、1時間以上の座り姿勢の時のみ生じ、普段は全く感じない。
映画館で長時間座り続けるのが辛くご来院された。
施術
後頸部や肩、腰、臀部に強い筋緊張がみられたため、筋緊張緩和を目的に鍼通電を行い、下肢の血行促進のため、左下肢にお灸と鍼を行いました。また、全身の疲労回復と血流改善のため、自律神経調整施術を行いました。
一回目
施術後は筋緊張がほぐれ、身体が軽くなった。
二~三回目
仕事をすると、また身体が凝ってくるが、以前よりは楽になった。
四回目
映画を見に行っても、臀部や太もも裏が痛んだりしびれることがなくなった。
症例3
40代男性
デスクワーク中心の会社員で数ヶ月前より長時間の座位後に腰部の重だるさを自覚していた。1週間前に重い荷物を持ち上げた際、右腰から右臀部、大腿後面、下腿外側にかけて鋭い痛みとしびれが出現しました。
安静時にも右臀部深部に鈍痛があり、特に座位や前屈動作で痛みが増強した。歩行時には右下腿にしびれを伴い、長距離の歩行が困難な状態でありました。SLRテスト(下肢伸展挙上テスト)は右側で陽性、環跳穴周辺に著明な圧痛を認められた。麻痺や膀胱直腸障害はなく、整形外科の画像検査では軽度の腰椎椎間板膨隆が確認されていました。
施術
初回は急性期のため刺激を控えめにし、遠隔穴の委中・崑崙などを中心に、局所は環跳・秩辺へ浅めに刺鍼しました。2回目以降、痛みの軽減とともに環跳への深刺と電気鍼(パルス)を追加し、坐骨神経の走行に沿って刺激を強化しました。冷えの自覚があったため腎兪・大腸兪に温灸を併用し、梨状筋の緊張緩和を目的に周辺筋へも刺鍼しました。週1〜2回のペースで治療を継続しました。
1回目〜3回目
臀部の圧痛と下肢のしびれが徐々に軽減。
4回目〜6回目
座位時間も徐々に延長できるようになった。
7回目〜8回目
SLRテストが陰性化し、歩行時の痛みもほぼ消失した。その後は経絡調整を中心とした維持療法へ移行し、再発予防として姿勢指導とストレッチ指導も並行して行いました。。
梨状筋症候群(坐骨神経痛)とは?
梨状筋症候群は、臀部にある洋梨の形をした梨状筋が何らかの原因で坐骨神経を圧迫し、坐骨神経障害を引き起こす病気です。梨状筋は臀部中央にある仙骨から始まり足の付け根付近の大腿骨大転子という部分についている筋肉で足先を外側に向かせる働きがあります。
梨状筋は、中殿筋・小殿筋・大腿筋膜張筋と並んで痛みが遠くの場所にも発生しやすい筋肉の一つであり、こじらせると厄介な筋肉でもあります。特に梨状筋は、坐骨神経が通過しているため、梨状筋の緊張は、そのまま坐骨神経にも影響を与えてももの裏側から足の裏にかけて痛みが放散することもあります。
ももを曲げる働きをする筋肉はすべて坐骨神経から出る神経に支配されており、坐骨神経は一般的に梨状筋の下孔を通って骨盤外に出ます。しかし、走行には個人差があり梨状筋の下を通っている場合もあり、まれなケースでは梨状筋を貫通していることもあります。そして、大腿後面中央をほぼ縦に垂直に通り、膝裏に向かいます。膝裏に入る直前に脛骨神経と総腓骨神経という神経に分かれ、足の方へ下っていきます。しかしその過程で坐骨神経の一部が梨状筋の間を通ったりする場合があるため、股関節を曲げたり伸ばしたり捻ったりすることで筋の柔軟性が失われると坐骨神経は梨状筋に絞扼され、坐骨神経痛を訴えます。
症状としては臀部から足先にかけて坐骨神経の経路に沿って広がる痛みや痺れです。一般的に梨状筋症候群では腰痛症状がなく、足先を外側に向ける動きや横座りで体重を患側にかけると痛みが増強します。
※梨状筋症候群だと疑うポイント
・ももの裏・ひざ裏・足裏に痛みが走り、坐骨神経痛のような症状が出る
・特にももの裏に痛みがある
・股関節の痛みがある。
・仰向けで寝ている時に足先が内側を向く
・内またで歩く癖がある
※坐骨神経痛
坐骨神経痛は症状の表現であり、病名ではありません。坐骨神経が圧迫されることによって生じる神経痛を総称して「坐骨神経痛」といいます。
坐骨神経痛の原因疾患で最も多いのが腰椎椎間板ヘルニアで、その他に腰部脊柱管狭窄症、腰椎すべり症・分離症、梨状筋症候群などがあります。基本的に梨状筋症候群の場合は腰痛を伴わず、臀部から下肢にかけての痛みおよび痺れがありますが、腰痛の所見がないからといって容易に梨状筋症候群と判断することはできません。そういった場合でも腰椎椎間板ヘルニアが痛みの原因である場合も多いからです。
※臀部の痛みの原因
臀部痛の原因となりやすい筋肉は、主に3つあります。人体の中で最大と言われる大殿筋、その大殿筋の上方に位置する中殿筋、それと梨状筋です。これらの臀部の筋肉は、人が歩行するにあたってとても重要な役割を担っています。中殿筋は、股関節の動きにとても重要な筋肉で中殿筋が委縮してしまうと歩行時に骨盤が斜めに下がってしまうトレンデレンブルグ徴候が起きてしまい、歩行が安定しません。中殿筋は、大殿筋よりも小さい筋肉で筋肉に刺激を与えないと比較的筋力低下が起こりやすい筋肉と言われていますので注意が必要です。特に病気で安静が必要となってしまったケースでは、筋肉が萎縮してしまわないように出来る範囲でトレーニングをしていないと歩行に支障が出てきてしまいます。
また、臀部に強い痛みが発生している場合は、臀部の表層筋である大殿筋が痛みを防御するために未意識に周囲の筋肉を固くしてしまい、梨状筋・小殿筋・中殿筋にも影響を与えてしまいます。
梨状筋症候群は坐骨神経が梨状筋間で絞扼され、仕事や運動でストレスが加わり発症します。外傷やスポーツ活動などで圧迫されて引き起こされることが多く、特にランニングのように股関節の屈伸を繰り返すスポーツでは、坐骨神経を摩擦し、絞扼するため神経炎を生じる原因となります。
また長時間、座位の姿勢を取ることによって圧迫され発症する事もあります。腰椎椎間板ヘルニアと症状が似ており、鑑別が必要となります。
清水大地

資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院
当院の肘部管症候群に対する施術は、第一に肘関節付近のツボや痛みの強い部位または萎縮している筋にはりやお灸の刺激を施し、血行を良くします。必要であれば、その鍼に電極をつないで微電流を流します。
また痛みの強い方に関しては、鍼やお灸の刺激により痛みを感じる閾値を上げて痛みを感じにくくする作用を促します。
手根管症候群は五臓六腑の「小腸」と「肝」「腎」に深く関係しているので、小腸や肝と腎に関するツボを用いて小腸の機能を正常に戻すこと、または肝血と腎気を補うことや肘関節の気血の流れをよくします。また「風寒」や「湿」の邪気によって引き起こされる場合はそれらを体外に出す治療が必要になります。
東洋医学の診断方法に基づき全身の調整治療も行っていきます。東洋医学では、局所ばかりを診るのではなく体全体を診るという考えがあります。肘部管症候群では、症状が強く出ている上腕部ばかりでなく、全身性の疲労や気血の滞りが原因と考えるのです。
結局最後に症状を治すのは、自分自身です。当院では人間が本来持っている自然治癒力を高め、症状回復のお手伝いを致します。
お悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。


症例①
40代 男性
主にパソコンを使ってのデスクワークが仕事で一日10時間以上はキーボードをうつ動作をしている生活を20年ほど続けていた。半年前からパソコン作業中に肘をついていた際に左手の薬指と小指に痺れを感じるようになってきた。また、最近身体全体が疲れやすく、目も疲れていて仕事をすることがとてもつらいとのこと。睡眠時間も4時間程度とあまり取れておらず、忙しさのため運動などもできていない。
治療・経過
ご本人の自覚としては、手の痺れが一番気になるとのことでしたが、問診や自律神経測定器の結果などから身体全体の調整施術も重要だと判断し、患者さんに説明の上最初は、身体全体の調子を整える治療を3回ほど行いました。1回目の治療後は身体がとてもだるくなり、翌朝体がすっきりしたとのことだった。治療後は、少し痺れが強く出たが翌日には痛みの程度は戻っていた。2・3回目も同様体が徐々に良くなっていくのが実感できた。しかしまだ手指の痺れの改善はあまり見られなかった。
4回目からは、本格的に痺れに対する治療をしたところ、痺れが徐々に感じられなくなり、8回目の治療でほぼ痺れを感じなくなった。

症例2
40代 女性
◇症状◇
1週間前に肘を強打し、肘から小指にかけてしびれが続いている。
整形外科を受診し、尺骨神経麻痺と診断を受け、ビタミンB12とメチコバールを処方され、自然回復を待つよう言われた。
当初は感覚がなかく、3日ほどすると症状は少し落ち着いたが、その後の変化はなく、腕から手にかけて力が入らない。
チネル徴候陽性。
◇当院での治療◇
痛みにより全身の緊張があるため、自律神経を整える施術に加え、首肩から背中のコリを緩め、症状のある右上腕から前腕にかけ鍼通電療法を行った。
・1回目
施術後、しびれの軽減がみられた。
・2回目
前回施術後、症状が楽になったが、重い物を持ったためまた痛み出現。
・3回目
しびれは軽減し、肘から小指の感覚は80%ほど戻っている。
・4回目
腕の状態はほぼ改善しているが、重い物を持つとピリピリする。
・5回目以降
尺骨神経麻痺の症状は改善。
東洋医学で肘部管症候群は、肘付近の気血の運行がスムーズにいかずに気血が滞り、それが痛みやしびれの原因となると考えられています。寒く風のあたる場所にいた際に「風寒の邪気」を受けた時や湿度の高い場所にいて「湿邪」を受けた時、長い間肘を酷使する仕事やスポーツをした時などに気血は滞り、それが肘内側付近であった場合に肘部管症候群を発症する可能性が高くなります。
肘部管症候群と関係が深い尺骨神経の肘下の走行は、東洋医学の「小腸」の経絡の走行と類似しており、小腸にもなにかしらの不調があると考えられます。
また手の痺れの症状から肝血虚という病態も疑われます。
肝血虚
肝血虚とは中医学でいう「肝」が血を貯蔵して必要に応じて供給・消費する機能と自律神経系の作用を通じて血管を収縮あるいは弛緩させ、体内各部の血流量を調整する機能が異常をおこして発症します。
筋のけいれん・手足のしびれ・目の乾燥感や女性では、月経のおくれ・月経血の過少・無月経などがみられることが特徴です。
肘部管症候群とは、肘の内側の肘部管と呼ばれる部位で、尺骨神経が圧迫されて起こる疾患です。尺骨神経は肘上内側で筋の間から出て上腕骨内側上顆という骨の出っ張りの後ろの尺骨神経溝を通り、その先にある骨と靭帯とで囲まれた「肘部管」というトンネルをくぐって手の方へ伸びて行きます。肘部管は狭く、尺骨神経はその中を通るため圧迫されて神経障害を引き起こしやすいのです。
尺骨神経は、手の薬指の小指側半分から小指にかけて感覚を支配しています。また手首を曲げさせる筋の一部や小指を親指方向へ引き寄せる筋、手の骨と骨との間で手指の細かい運動をつかさどる筋などを支配しています。
肘部管症候群は尺骨神経領域の感覚障害、運動障害、支配している筋の萎縮などが見られます。
感覚障害
薬指の小指側半分から小指にかけて痺れや知覚鈍麻が起こります。
運動障害
感覚障害が進むにつれて、手の筋肉がやせてきて細かい指の運動がしづらくなります。特に、手の骨と骨との間の筋がやせてくると指を開いたり閉じたりする力が弱くなったり、親指と人差し指で物をつまむ力が弱くなり、箸が使いづらいなど握力も低下していきます。
筋の萎縮
手の骨と骨との間の筋が萎縮すると、指が伸びたままで指先だけが曲がり、「鷲手」と呼ばれる状態になります。
また、肘部管症候群では肘をよく使う人に発症しやすく、30歳以上の男性に多く見られます。一般に利き手側に起こり、両手に同時に発症することはめったにありません。
※肘部管以外にも手のしびれを感じる疾患があります
肘部管症候群以外にも手の感覚異常や運動障害が起きる場合があります。場合によっては、すぐに病院で検査を受ける必要があります。
・脳の障害の場合
脳卒中やくも膜下出血、脳腫瘍によっても肘部管症候群に似たような症状が出る場合もあります。脳血管が詰まったり出血してしまったりすると、脳の細部にまで血液が行き渡らくなってしまい、その部分が運動機能を主る部分や手足の感覚を主る部分に血液が行き渡らない状態となると手のしびれや運動障害を引き起こします。
この場合手の不具合ばかりでなく、吐き気や頭痛・めまいしゃべりにくいなどの症状も出るため、それらの症状が合わせて出た場合には早急に病院を受診しましょう。
・脊髄の疾患
脊髄の疾患の場合でも手に症状が出る場合があります。脊髄は脳からの電気信号を体の細部に伝達する中継地点でその脊髄部分に腫瘍や脊髄損傷が起きると手のしびれ症状や運動障害を引き起こしてしまいます。
・椎骨や椎間板の疾患
腰椎椎間板ヘルニアで下肢に症状が出ることはよく知られていますが、頸部の場合でも椎間板ヘルニアが起きることがあります。すると飛び出した髄核が神経を圧迫してしまい、手のしびれなどの神経根症状を呈します。その他椎骨が変形して神経を圧迫する頚椎症などでも同様の症状を呈します。
肘部管症候群の原因は様々ですが、主に外反肘、変形性肘関節症、ガングリオンによる圧迫があります。
外反肘・・・生まれつき肘が外側に曲がっていたり、小児期の肘関節の骨折によって肘を伸ばすと過剰に外側に反ることにより尺骨神経を引き伸ばす。
変形性肘関節症・・・肘関節で衝撃を和らげるクッションのような役割をしている関節軟骨が仕事やスポーツなどで長年酷使続けたことにより擦り減って肘に痛みや変形などが起こる疾患。
ガングリオン・・・手足などの関節にできる出来物。多くは良性。無症状だが時に神経や腱を圧迫することにより痛みを生じさせる。
肘部管症候群の簡単な診断法として、肘関節の内側をたたくと、薬指や小指に痛みや痺れが放散すると肘部管症候群が疑われます。また肘部管症候群では手指の開いたり閉じたりする筋力の低下により親指と人差し指の間で挟んだ紙が親指を曲げないと引き抜かれてしまうフロマン徴候が出ます。