まず、自律神経測定器で血管の状態や自律神経のバランス、疲労度、ストレス度などを計測しお身体の状態を診ていきます。
自律神経は免疫力にも深く関係しており疲労の蓄積や過度なストレス、生活習慣の乱れなどからこのバランスが乱れると、免疫力が低下し細菌やウイルスなどに感染しやすくなります。また、自律神経は全身の血行や涙や油分の調節にも深い関わりがあります。
そのため、自律神経のバランスを調整し、首肩周囲の筋緊張は眼周囲に注ぐ血管が圧迫され眼の血液循環にも影響を与えるため首肩の治療も行います。
また、目の周囲のツボに鍼やお灸で刺激を与え、抗炎症作用を促し自然治癒を促進します。
霰粒腫で炎症や腫れが見られない場合や麦粒腫で膿が出て炎症が治まっている場合目の周囲を温め血液循環を促進し脂肪分などの排出や、患部の組織の治癒を促進する治療も行っていきます。
そのほか、特効穴というものもらいに即効性のあるツボが『二間』というがあり、そのツボも用いて施術していきます。
東洋医学の観点では、膿などが体表に現れる状態は「痰湿(たんしつ)」といいます。
これは食物から作られた水分を全身に運搬する脾(ひ)の弱りや衰えにより体内の余分な水分が溜まることで発生すると考えられています。
また、中医学では五臓六腑の肝(かん)は目に開竅するといわれており、目の疾患は肝の機能の障害や低下が深く影響していると考えられています。
20代女性
3日程前から右目のまつ毛の根元に痒みと痛みを感じ、それから徐々に痛みが増し、まぶたの腫れと目の異物感も出てきた。眼科を受診したところ麦粒腫との診断を受け、抗菌点眼薬を処方されたがまだあまり効果が見られない。仕事はパソコンを主に使う仕事の為、痛みで集中出来ないのが困るので早く治したいとのことで退院される。目の症状の他にも慢性的な肩こりや、頭痛、倦怠感がある。
当院での治療
自律神経測定器の結果、副交感神経が過亢進状態で、肉体的ストレス、疲労度が非常に高い状態でした。まず、うつ伏せで触診したところ右首肩に強い筋緊張が見られたため首肩、背部の緊張を緩め、仰向けで目の周囲に鍼をし、炎症のある部位にお灸をする事で抗炎症作用を促しました。また、自律神経のバランス調整も合わせて行いました。
一回目
目の症状は大きな変化はないが、施術後よく眠れた。肩こりは少し楽になった感覚があるが、仕事をしているうちに徐々に戻った。
二回目
痛み、腫れ共に少し軽減したが、まだ痛みがある。異物感はいまだに強い。肩こりは仕事中感じるが、いつもよりは強くない。
三回目
痛み、腫れ七割ほど改善した。異物感がややまだ気になる。肩こりは最近仕事時間が長く痛み感じるほど強い。
四回目
腫れは9割ほど引き、痛みが少しある。異物感はほぼ感じない。
肩こりもだいぶ楽になり頭痛も出ていない。倦怠感はあるが以前ほどではなくなった。
五回目
腫れは無くなったが少し痛みがある。異物感は消失した。肩こりも軽減し倦怠感も疲れた時は感じるが、日常生活で意識しない程度になっている。
六回目
麦粒腫は完治し、痛みも感じなくなった。肩こり、頭痛、倦怠感は時々あるが、症状が持続する時間が短くなり、以前よりだいぶ楽になった感覚。
「ものもらい」などと呼ばれるものを大きく分けると「麦粒腫」と「霰粒腫」の2種類に分けられます。一般的に呼ばれる「ものもらい」は麦粒腫の方がほとんどです。この二つは混同されやすいのですが原因も症状も異なります。
まぶたにある小さな毛穴から化膿性疾患の代表的な病原菌である黄色ブドウ球菌が入り込み発症します。雑菌が付着した手で目をこすったり、触ったりしたことにより感染する病気です。さらに、麦粒腫は細かく分けると2種類に分けられます。
まぶたの縁にある目を保護する脂を分泌するマイボーム腺に不純物などが詰まることで発症します。別名「マイボーム腺梗塞」と呼ばれています。洗顔不足、過度なアイメイクや老化などで発症することが多いといわれています。細菌によるものではないため無菌性の炎症を起こします。
初期段階ではまつ毛の根元近の痒みを感じ始め、それが徐々に痛みを伴うようになり、時には耳たぶの付け根のリンパ節まで腫れる事があります。まぶたの一部が赤く腫れたり、瞬きをすると痛む、充血やゴロゴロとした異物感も症状として当てはまります。炎症が悪化すると腫れが強くなりまぶた全体が腫れてしまう事もあります。
まぶたの中にやや硬いしこりの様な白っぽい塊が出来ますがほとんどの場合痛みはありません。しこりの部分が腫れたり瞼が開けづらくなります。しかし、そこから細菌感染を起こす事があるため、最終的には麦粒腫と似た症状を起こす場合があります。
・まぶたの周辺を清潔に保つ
まぶたの周辺、まつ毛の根元には雑菌が溜まりやすいので、普段から丁寧に洗顔をしましょう。また、汚れた手指やタオルなどで目をこすらないようにしましょう。
・コンタクトレンズの使用に注意する
コンタクトレンズをつけたり、はずしたりする際には、手指を石鹸で丁寧に洗い、雑菌がつかないようにしましょう。
・目をこすらない
眠い時や花粉症で痒い時など目をこすると雑菌が入りやすくなり、ものもらいが出来やすくなります。目をこすらず、きれいな水で洗い流したり、目薬を差すなどの工夫をしましょう。
・体調管理をしっかりとする
季節の変わり目や風邪などで体の抵抗力が弱っている時に出来やすい傾向があります。
普段から十分な睡眠時間をとる、バランスのとれた食事を摂る、適度に運動するなど健康管理に気を配り免疫力が低下しないようにしましょう。
・化粧に気を付ける
女性の場合は化粧が避けられないケースもありますが、目の周りはデリケートな部分です。過度なアイメイクやアイメイクがしっかり落とせていないことが原因になることもあるためなるべく薄化粧を心がけ、メイクの落とし残しが無いようにしましょう。
痛みがひどい、膿が出来ている場合、速やかに病院へ行く必要があります。しかし軽度のもの、初期の場合に自然治癒をサポートする自宅で出来る対策をご紹介します。
・麦粒腫の場合
赤みやかゆみがある場合、患部を清潔な濡れタオルや保冷剤などで冷やすと血管が収縮し痛みや炎症を抑制、緩和する効果が期待できます。ただし、冷やしすぎは逆効果の為冷やすのは一日10分ほどに留め、一日2回を目安に行うようにしましょう。
・霰粒腫の場合
目元を温める
霰粒腫はマイボーム腺から分泌される脂分が冷やされ固まることが原因として挙げられます。蒸しタオルなどで目元を温める事で血行や分泌腺の流れを良くすることで溜まった脂肪などが排出されやすくなります。また、入浴時や入浴後に清潔にした手で目の周りをマッサージする事も効果的です。しかし、マイボーム腺に炎症が起こって痛みがある時は温めると逆効果になるため痛みや炎症の無い場合にのみ温めましょう。
清水大地
資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院
Posted by 中目黒の鍼灸院 東京α鍼灸院|眼精疲労 at 22:49 / 院長コラム コメント&トラックバック(0)