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下痢の鍼灸治療

火曜日, 8月 26th, 2025

下痢とは

一般的には水分の多い液状便、またはそれに近い状態の便をたびたび排泄する状態を「下痢」と呼んでいます。

正常な有形便の水分含有量は70~80%です。水分量が80~90%になると泥状、90%以上になると水様になります。

 

 

腹痛

下痢になる原因

下痢には四種類のパターンがあります。

<浸透圧性下痢>

過度なアルコール摂取や脂質の多い食事が習慣化することによって起こる下痢です。
暴飲暴食による腸への負担、食べ過ぎ)栄養の過剰摂取)で腸の吸収機能を弱め、水分電解質などの吸収が十分できなくなることが要因です。

 

<分泌性下痢>

分泌性の下痢は腸粘膜から腸液などの分泌が過剰に行われることで起こります。また、腸粘膜障害、細菌などにより腸管内の塩類と水分の分泌が促進される場合もあります。

 

<腸管運動性下痢>

腸の内容物を肛門まで運ぶ運動のことを蠕動運動といいます。腸の筋肉が伸び縮みを繰り返し水分を吸収しながらゆっくりと肛門まで送り込むのです。
ところが、ストレスなどが原因でこの蠕動運動が過剰に働いてしまうと、十分に水分や食物が消化・吸収できないまま腸管を通過し下痢が生じます。また、逆に蠕動が障害されて便が滞った場合も、増殖した腸内細菌の刺激によって下痢が起こります。

 

<滲出性下痢>

潰瘍性大腸炎やクローン病など、腸に炎症があることによって起こる下痢症状を滲出性下痢といいます。腸の粘膜から血液成分や細胞内の液体が流れ出てしまうことによって、便の水分量が多くなってしまいます。また、炎症によって水分吸収能力が低下することも要因として挙げられます。

 

 

下痢を引き起こす病気

・感染性胃腸炎

感染性胃腸炎の代表的な病原体はノロウイルスです。激しい下痢と嘔吐に悩まされます。

 

・炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)

潰瘍性大腸炎は、下痢や血便の症状が併発します。軽い微熱や、渋り腹といったスッキリしない排便も見られます。長期化すると大腸がんを合併することがあります。定期的な大腸内視鏡検査が必要です。

 

・虚血性腸炎

大腸に栄養を送る血管の血流が阻害されることで大腸の粘膜障害が起き、炎症によって粘膜のただれや潰瘍などが生じる病気です。虚血性腸炎の3大症状として、腹痛(左側腹部~下腹部)、下痢、血便の3つがあげられます。

 

・過敏性腸症候群(IBS)

お腹の張りなどの便通異常が慢性的に(3か月以上)続いている場合、過敏性腸症候群が疑われます。下痢と便秘を繰り返すことが多く精神的なストレスから発症する場合もあります。

・慢性膵炎

慢性膵炎は進行すると、体重減少や下痢などの痛み以外の症状も出てきます。膵臓からの消化酵素の分泌が低下することで、主に脂肪分の消化がうまくできなくなり、液状の白っぽい脂肪便が見られる場合があります。

 

・大腸がん

大腸がんの兆候として「繰り返す便秘と下痢」の症状が挙げられます。大腸がんが進行し、大腸の管腔が狭くなることで誘発される症状です。

 

西洋医学的治療

検査・診断

下痢の原因は様々なので、まずは問診を行い、症状、既往歴、服薬中の薬、摂取した食べ物などを確認します。そのうえで必要に応じて血液検査、腹部エコー検査、大腸カメラ検査などを行います。

治療方法

下痢の場合、ウイルス・細菌感染による胃腸炎が原因で起こることが多いので、整腸剤を使って治療するほか、必要に応じて抗生物質を投与します。

慢性下痢の場合には、大腸カメラ検査などの各種検査を行い原因を判明させたうえで、適切な治療を行います。また、病気が原因の場合はその病気の治療を行います。原因となる病気が見つからない場合、過敏性腸症候群(IBS)が考えられるため、生活習慣の改善やストレスの解消などをアドバイスして治療していきます。

 

下痢に対する東洋医学的考え方

 

東洋医学では感染性の下痢を「痢疾(りしつ)」、一般的な下痢を「泄瀉(せっしゃ)」といい、泄瀉は水分のとりすぎや冷房、夏バテや食あたりなどが原因で、体に余分な「湿」が溜まった状態である「水毒」により胃腸機能の低下を招いたものと考えられています。また、下痢と関係のある臓腑は「脾胃」「肝」「腎」です。

下痢は、実証と虚証の二つのタイプに分けられます。

<実証のタイプ>

①寒証
冷たいものの取りすぎや冷房によって体を冷やしたことが原因で、胃腸の機能が低下して水分代謝が滞り、下痢が起こるもの

寒証の症状

下痢、食欲不振、口の粘つき、むくみ、胸のつかえ、吐き気、腹痛など

②熱証
暴飲暴食や食あたり、細菌やウイルスの体への侵入により、消化不良を起こし、熱性の下痢が起こるもの

熱証の症状

下痢(便の臭いが強く回数も多い)、消化不良、黄疸など

<虚証のタイプ>

過労やストレス、生活の不摂生や虚弱体質などが原因で気のエネルギーが不足して、胃腸機能が低下する「脾気虚」や脾気虚の長期化や冷え、加齢などによる「腎」の機能低下による「脾腎陽虚」があります。

また、「肝」は気の流れをスムーズにし、精神面の調整において重要な臓腑ですが、普段から情緒不安定やストレスがあると肝気の流れが悪くなり、消化機能に影響を与え下痢を引き起こすことがあります。

脾気虚の症状

下痢(泥状便)、疲れやすくいつもだるい、顔色が悪い、食後すぐ眠くなる、食後お腹が張りやすい、ゲップなど

 

脾腎陽虚の症状

下痢(水様性の便)、みぞおち当たりの痛み、むくみ、尿が出にくい、尿の色が薄いまたは透明で多量に出るなど

 

当院の下痢に対する鍼灸治療

 

下痢に対するお灸治療

当院では、消化器官などの働きを調整している自律神経のバランスを機械で測定し患者様のお身体の状態を把握したうえで治療へ移ります。

自律神経系の調整施術を行い、消化器官の機能を整えるとともに内臓機能や免疫力を高め、全身的な血流を促進し、自然治癒力を高めることで症状が治癒しやすいお身体の状態へ整えます。また、東洋医学的観点から「脾胃」「肝」「腎」をはじめとした五臓六腑を整えるツボや、気の流れを整えるツボを選択していきます。

さらに、腹部や腰背部などにある消化器系に関係するツボに鍼やお灸で刺激を与えることで消化器系の機能を整えていきます。

 

症例

40代 男性

 

年末の忘年会で週7で飲み会があり、そこからお腹の調子が悪くなってしまった。仕事中、プライベートに関わらず腹痛に襲われ下痢をしてしまう。

もともとお腹はゆるい方だったが、数日もすれば気にならない程度には回復していたが、今回は3ヶ月たっても良くならなかった。原因は食べ過ぎ、飲み過ぎのため病院には行っておらず、いつも飲んでいるドラッグストアの胃腸薬で誤魔化してきたが、同僚に紹介されて来院。

治療頻度は週に1回

 

当院の治療

 

胃腸の調子が悪くなってからお肌の調子も悪い、顔面、背中、腕に湿疹があり、赤くなり痒みも出ているとのこと。腸のダメージは肌にでやすいので、かなり内臓系が弱っていると予想し内臓の回復の為の自律神経の調整治療、血行促進の治療、消化器系と関わりのある経絡経穴に刺激を与える東洋医学治療をメインで行った。

 

経過

 

◇1回目◇

身体は軽くなった、お腹の変化はなし。

◇2回目◇

肌の痒みが軽くなった、お腹の変化はなし。

◇3回目◇

腹痛が軽くなった、トイレに行く回数等は変化なし。

◇4~8回目◇

治療回数を重ねるごとに腹痛、肌の湿疹が改善していった。

◇9回目◇

腹痛はほぼなくなった。

◇10回目◇

昨日の飲み会のあと、家系ラーメンを食べたら腹痛が戻ってしまった。治療後に落ち着いた。

◇11回目◇

便はゆるいが、おなかの調子が悪くなる前の状態にほぼ戻ってきた。

 

目の下のクマに対する美容鍼

火曜日, 8月 26th, 2025

目の下のクマに対する当院の美容鍼

まず、最初に血液循環や内臓の働きに関与する自律神経のバランスや血管の状態を、自律神経測定器で測定させて頂き、お身体の状態を診ていきます。
目の周りの血行は肩や首周りの筋肉の緊張が大きく関わっているため、まずうつ伏せで首肩周りの施術を行い、同時に背部の五臓六腑の働きを調整するツボを刺激し筋緊張の緩和と内臓機能の調整を行います。

目の下のクマに対する頸肩鍼治療

 

その後目の周囲のツボに鍼やお灸を施すことで目の周りの血液やリンパの循環、肌のターンオーバーを促し、筋肉の緊張を緩和しクマを改善していきます。また、自律神経を整えるツボに刺激を与えることで、全身の血液循環や内臓の機能調整、免疫力の向上を促し全身の機能のバランスを整えていきます。

 

目の下のクマに対する美容鍼

 

目の下のクマに対する東洋医学的考え

東洋医学ではクマは「気滞血瘀」と考えられています。つまり、ストレスや疲労により気の流れが上手くいかない「気滞」と、血流の悪化「血瘀」状態の事を指します。

気滞や瘀血により眼の周りの血行も悪くなるとまぶたがはれぼったくなったり、目の周りがくすむ原因となります。

また、不規則な食生活や偏食などにより、消化吸収を司る脾胃の働きが弱くなることで食物から吸収した栄養を全身に巡らせる気、血の流れを停滞させ、目の周りの血液循環にも影響を与えることや、睡眠不足や疲労、生活リズムの乱れにより腎の働きが弱くなり身体のエネルギーである精が不足し肌の代謝を衰えさせることも原因の一つといわれています。

 

症例

50代 男性

1年ほど前から目の下のクマが気になり始めたとのこと。30代までは仕事で身体を酷使しても眠ったり休息すれば治っていはいたが、最近ではクマがなかなか取れなくなってしまった。

周囲からも疲れた表情をしていると指摘されて気にされている。
仕事はパソコン作業がメインで常に目を酷使している状態で眼精疲労も強く出ている。お仕事も多忙で平日は5時間くらいの睡眠時間しか確保できない。

当院の治療

目の下のクマの色は青黒く目の下ばかりでなく目の周り全体的に血行が良くない状態が見受けられました。

施術前に自律神経測定器で自律神経の状態を測定させて頂いたところ交感神経の状態が優位であまりリラックスできていないという結果が出ていました。ご本人は寝つきは悪くないとおっしゃっていましたが睡眠の質が悪く、朝の目覚めや気怠さも出ているとのことで、自律神経の状態を整える全身的なバランス調整施術や睡眠のツボも取り入れつつ施術を行っていきました。

 

首肩回りや背部の経穴から行って自律神経の状態を整え、首肩回りの筋緊張を緩和させて頭周りの血流の改善を行ってから、次に仰向けとなり目の周りに施術を行います。

鍼施術ばかりでなく、目の周りを軽く温めるお灸施術も用いまして目の周りの血流量を上げていきます。

 

経過

一回目の施術の後、眼精疲労はかなり楽に。10段階中4くらいになったとのこと。目の下のクマはまだ変化は見られず。3回目・4回目を過ぎたあたり目の下のクマの色が改善されてきて周囲からも顔色が良くなったと言われて喜んでおられました。

 

症例②

50代 女性

もともと眼の症状でこちらの院に通っていたが、美容鍼が前から気になっていた。年齢や肌のたるみが原因かもしれないが、クマが気になる。睡眠は取るようにしているし、眼の周りを温めるなど、自宅で出来ることはしており薄くはなってきたが目立つ濃さではあるので、もう少し薄くしたい。

 

当院での治療

もともと行っていた眼の症状の治療にクマ対策としてのお肌のトーンアップのための血行促進、たるみ対策としてのお顔のリフトアップを追加しました。また、首周りのリンパの流れを改善して小顔、美肌の治療も同時に行っていきました。

また、顎の筋肉も硬くなっており、顎のラインが左右で違いました。こちらも筋肉が緩んでいくと改善していくので、筋肉の硬さを緩める治療を行いました。

 

治療経過

◇1回目◇

クマの濃さは変化がないが、顔がかなり小さくなった。

◇2~7回目◇

肌のつやが良くなって嬉しい。エラが張っているのを少し気にしていたが、顎の筋肉が柔らかくなってなくなった事に驚いた。

◇8回目◇

前よりもクマが目立たなくなってきた。

◇9~12回目◇

クマを隠すためのコンシーラーを塗らなくても気にならないくらいの薄さに変わった。

◇13回目◇

クマは気にならなくなったが、美容鍼は定期的に行うことにした。

 

目の下のクマの原因

 

寝不足が続いてしまったり、身体の疲労が溜まっていたりすると目の下にクマができたことがあるという経験は多くの方がしたことがあるかと思います。 眼球の周りには、たくさんの毛細血管が集まっており、目の周りやまぶたの皮膚はその他と比べても非常に薄い構造でできています。
体の外からで毛細血管がすけて見えるため、すぐに身体の状態を反映しやすく、寝不足の状態であったり、身体が疲弊していると血流などが悪くなり目の下のクマとして現れるのです。

また、その他にも目の下のクマができる原因はあり、目の下のクマが何かしら病気のサインであったりもするため注意が必要です。

 

 

目の下のクマの種類

 

眼の下のクマの原因

 

目の下のクマはそのクマの色によって原因であったり現れる症状が異なります。

 

茶クマ

茶クマの原因は主に目の周囲の皮膚にメラニン色素が沈着して目の下が茶色に見えるものです。色素沈着が起こるには様々な原因があります。

<色素沈着の起こる原因>

・目の周りをこすることにより眼の周囲の皮膚にメラニン色素が付着して茶色っぽく見える

・血液循環が悪いため肌の透明感が無くなりくすんでいる

・加齢により皮膚に過酸化脂質が増加し、肌をくすませる

(紫外線にあたると活性酸素が肌の脂質と結びついて過酸化脂質になります。これが増えると肌のみずみずしさや弾力が無くなりくすみの原因となります。)

・マスカラやアイラインなどのアイメイクの色素の沈着

・角質層のキメが荒れていて光が乱反射したり、肌のターンオーバーの低下により古い角質が剥がれず、厚くなることで透明感が失われくすんで見える

 

 

 

黒クマ

黒クマは皮膚のたるみやへこみが原因といわれています。

生まれつき目の下のくぼみが少ない、加齢により目の周りの脂肪が萎縮したり目の周りの筋肉のたるみで皮膚のへこみが目立つために影が出来る事や、加齢により眼の下の眼窩脂肪を支えている筋肉が緩み眼窩脂肪が突出することにより、たるみが生じ目の下にへこみが出来る事が原因となります。

 

 

青クマ

血行不良による目の下のクマです。血行不良によるクマがある方の中には肩こりや頭痛、冷え性の方が多いといわれています。その他にも疲労やストレス、低体温、眼精疲労、睡眠不足なども血行不良の原因として挙げられます。

青クマは乾燥や冷えが厳しい冬の時期に起こりやすい傾向にあります。

目の下のクマ

目の下のクマが病気のサインである場合

 

目の下のクマは重大な病気のサインである場合もあるため注意が必要です。長い間クマが消えないそして上記の3種類のクマに当てはまりそうにない場合は、一度病院を受診して検査を受けてみてください。

 

肝機能障害

肝臓には老廃物を排除し、血液を綺麗にする役割がありますがこの機能が低下すると血液が浄化されにくなり血液が滞って目の下にクマが出来やすくなることがあります。
病気までとはいかなくてもアルコール、甘いものの摂りすぎ、過労などによって臓器が疲れている時もこのような状態に陥ることがあるため生活や食生活の改善を図ることが重要です。

 

腎機能障害

腎臓は血液中の老廃物など不要物をろ過し余分な水分と一緒に尿として排出する働きがあります。
しかし、腎臓の機能が低下すると血液中の老廃物を十分にろ過できなくなってしまい血液が汚れてしまいます。血液が汚れると血液の色は黒ずんでそれが目の下の薄い皮膚を通して黒ずんだ血液が見える事で青クマとなります。また水分調整が上手くできないことで体がむくみます。目の下は身体の中でも特にむくみが出来やすい部分です。
目のむくみは影を作り目の下にクマが現れる原因になります。なお、腎臓の機能の1つとしてホルモン分泌がありますが、この腎臓が分泌するホルモンに赤血球を作るエリスロポエチンがあります。腎臓の機能が低下すると赤血球を作る機能が失われ、段々と酸素運搬量が少ないどす黒い血となって他の要因と相まって目の下のクマとなります。

 

バセドウ病

バセドウ病は喉にある甲状腺で作られるホルモンが過剰に分泌される病気です。主な症状として眼球の突出があります。これは目の周りにある脂肪や筋肉が炎症を起こして腫れ目の中の圧力(眼窩圧力)が高まることで眼球が前にせり出してくるものです。眼球突出に伴い眼窩脂肪も前にせり出すためたるみを起こし黒クマができることがあります。

 

鉄欠乏性貧血

赤血球内にあるヘモグロビンの量が減ると貧血が起こります。ヘモグロビンを作るためには鉄分が不可欠です。
この鉄分が不足することによって起こる貧血が鉄欠乏性貧血です。貧血になると血行が悪くなり、赤黒い色をした還元ヘモグロビンが停滞し、目の下にクマとなって現れます。

 

うつ病

うつ病になると両目と口の周りが青白くなる特徴があります。これは自律神経の異常によって目の周りの筋肉や口の周りの筋肉に血液がスムーズに流れなくなり血行不良を起こしているためです。

 

アトピー性皮膚炎

下まぶただけではなく目の周り全体がくすんでいる場合はアトピー性皮膚炎や花粉症皮膚炎の可能性があります。デリケートな目の周りの皮膚にハウスダストや花粉が付着して炎症を起こし、色素沈着による茶クマになります。

 

自分で行うセルフケア

 

・睡眠をしっかりとる

血行不良で出来る青クマや色素沈着によって出来る茶クマのケアとして、まず睡眠時間をしっかり確保することが挙げられます。血行不良は寝不足や冷えが原因になっていることが多いためです。また、睡眠不足はターンオーバー(肌の新陳代謝)を乱す原因にもなります。ターンオーバーが正常に行われない事で色素沈着を起こすメラニン色素がスムーズに排出されず、茶クマの原因になってしまいます。

 

・目の周りの血行促進

目の周りの筋肉をマッサージしたり蒸しタオルを目に当てて温めるのは目の周りの血行促進や、リンパの流れをスムーズにしむくみ解消に効果的です。ただし、マッサージをする際は強く擦りすぎないように注意が必要です。強い摩擦は刺激となり色素沈着を招きます。

 

・目の周りの筋肉を鍛える

目の周りの筋肉の衰えはたるみの原因となります。例えば目をぎゅっと閉じて5秒間キープし目を大きく開いて5秒間キープといったまぶたの動きを五回ほど繰り返す運動は目の周りの筋肉のストレッチと筋肉の強化になります。

 

・目元のアンチエイジングでたるみを防ぐ

目元のハリをもたせるために、コラーゲンやヒアルロン酸といった肌にハリを与える成分を含んだクリームや美容液を取り入れてたるみを防ぐことも有効です。

 

・バランスの良い食事

過度のダイエットなどで目の周りの皮膚がやせてしまうと、目が落ちくぼんでしまいそこに影が出来てクマになってしまうことがあります。また、栄養不足や偏食により内臓の機能が低下してしまうことが血行不良の原因となる事もありますので、食事はしっかりバランスよく食べることが大切です。また、クマ改善に有効な栄養素として血液をサラサラにし血行不良を改善するレバーやホウレン草などに含まれるビタミンEや青魚に含まれるDHAなどを意識して摂取すると良いでしょう。

 

 

執筆者

清水大地

眼精疲労専門の鍼灸師

資格
はり師
きゅう師

2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む

2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立

2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院

2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院

2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院

腰椎椎間板ヘルニアの鍼灸治療

日曜日, 8月 24th, 2025

 

 

腰椎椎間板ヘルニアに対する当院の鍼灸治療

 

 

当院の腰椎椎間板ヘルニアに対する治療の目的は、第一に腰部から下肢にかけてのツボや痛みの強い部位に鍼をさして血行を良くしたり、筋の過緊張を和らげます。また必要と判断した場合は、微電流を流して痛みを感じる閾値を上げて痛みを感じにくくする作用を促します。

腰椎椎間板ヘルニアの鍼治療

 

 

従来は、一度飛び出してしまったヘルニアは自然と引っ込むことはないと考えられていましたが、MRIなどの画像診断の発達によって時間が経てば一部のヘルニアは吸収されて飛び出したヘルニアが小さくなったりまたは完全になくなったりすることがわかってきました。ヘルニアが吸収されるポイントとして白血球の働きがあります。白血球は本来体外から侵入してきた病原菌や異物から体を守る防御作用があります。この働きが髄核から飛び出したヘルニアにも作用してヘルニアを異物と察知して溶かして吸収する作用が働くと言われています。

この作用を利用したお灸の作用でヘルニアが軽減する可能性があります。お灸の作用の一つとしてお灸をした箇所が火傷をしたと体が反応して白血球が集まることがわかっています。それを利用して患部にお灸を施すことでその付近に白血球を集めてヘルニアを溶かして吸収する作用を促します。

 

腰椎椎間板ヘルニアは五臓六腑の「」に深く関係しているので腎に関する経穴を用いて「腎気」を補うことや腰部の気血の流れをよくします。また風寒や湿の邪気によって引き起こされる場合はそれらを体外に出す治療が必要になります。

東洋医学の診断方法に基づき全身の調整治療も行っていきます。腰椎椎間板ヘルニアは全身性の疲労や気血の滞りが原因の場合もあるので腰だけの部分的な治療ではなく全身を診て治療していきます。全身治療を行うことにより人間が本来もっている自然治癒力を高めます。腰痛の鍼灸治療はWHO(世界保健機関)でも有効とされています。

当院の腰椎椎間板ヘルニアの治療目的は、腰椎椎間板ヘルニアの回復程度を高めて、回復を速めることです。また西洋医学とは違う東洋医学の観点により少しでも腰椎椎間板ヘルニアが回復できる機会を提供することです。それにより、患者さんの仕事の質の向上や生活の質の向上が期待できます。

腰椎椎間板ヘルニアの足への鍼灸治療

 

 

腰椎椎間板ヘルニアの場合、当院では整形外科などの他の病院での治療を勧めさせていただく場合がございます。はりやお灸などを使った施術よりも治療効果が見込めるからです。
当院で施術可能と判断された場合のみの対応させていただきます。

当院では、こういった場合、専門医の診断が必要と考えております。
ⅰ)尿閉や尿漏れなどの排尿障害や排便の障害が出ている場合
ⅱ)筋力低下や知覚障害がなかなか改善されていかない
ⅲ)鍼灸治療を2週間続けても効果が出ない

 

腰椎椎間板ヘルニアの鍼灸治療症例

 

症例 1

30代男性

運送業の仕事で車を運転することも多く、重い荷物も運ぶこともあり、慢性的な腰痛で悩んでいた。痛みでつらい時は、マッサージなどを受けてなんとか過ごしていたが3週間ほど前の朝に歯磨きをしていて急にくしゃみをしたところ歩けないほどの痛みを腰に感じた。すぐに病院に行き、注射や痛み止めを飲み強い痛みはなんとか2~3日で軽減されたがその後も強い痛みが腰に出ることがある。病院では、CTおよびMRIを撮ったところ第4腰椎と第5腰椎間の椎間板ヘルニアと診断された。痛みが続くようだと手術しかないと言われたがどうしても手術は回避したいということで当院にご来院された。

 

当院の治療
痛みを抑制させる鍼通電療法、周りの筋肉を弛緩させる目的での温熱療法、収縮された筋肉を伸ばすストレッチ療法を駆使して施術していきました。家でもストレッチとインナーマッスルを鍛えるトレーニングを行っていただきました。

 

治療経過
最初の施術は腰の痛みが少しいいかなという程度でそこまで変化が見られなかったが2回目以降だんだんと腰痛が軽減されて集中的な治療で6回程治療をしたところ腰痛をほぼ感じなくなったので、その後は経過観察で2週間後にご来院していただきました。その後定期的(1か月に1回程)に筋肉を緩める施術を行っているが再発はしていません。

 

症例 2
60代 男性

慢性的な腰痛に悩まされている。数年前にぎっくり腰を発症してから、1年ごとに再発を繰り返している。腰椎4番5番に椎間板ヘルニアがある。整形外科で処方された鎮痛剤は合わず服用していない。痛みがひどいと湿布薬で対処をしている。ゴルフ中や長時間座っているとお尻から右のふくらはぎまで痛みが生じる。

施術

まずは、うつ伏せで腰臀部の筋緊張緩和と鎮痛を目的に鍼通電療法を行いました。太もも裏やふくらはぎの筋緊張もみられたため、鍼とお灸で筋肉を弛緩させ血流の改善をはかりました。さらに、仰向けで全身的な筋緊張緩和や血流改善のため自律神経調整施術を行っていきました。

一回目
腰の痛みがだいぶ楽になった。

二回目
腰は表面的な筋肉の痛みが改善し、深い筋肉のこりを感じる。

三~五回目
腰は最初の痛みを10とすると、1ぐらいにまで減った。ゴルフも多少は痛みを感じることはあるが、プレーを再開できるようになった。

六~九回目
腰は痛みがなくなった。たまに鈍く重い感じがする。お尻からふくらはぎにかけての坐骨神経痛は感じることがなくなった。

以降メンテナンスでご来院中。

 

腰椎椎間板ヘルニアとは?

 

腰椎は5個あって上から順に第一腰椎・第二腰椎と名付けられています。椎骨は円柱状の椎体と後ろにある椎孔をアーチ状に囲む椎弓よりなり、椎孔は上下に重なって脊髄を通す脊柱管をつくります。椎体と椎体はいくつかの靭帯や椎間板という組織によりつながれています。

椎間板は外縁部を構成する線維性軟骨組織でできた線維輪と中心部を構成する軟らかい髄核という組織でできています。髄核は弾力性とある程度の流動性があり、それらが圧の分配を行って脊柱の屈伸やねじれを可能にしています。

椎間板の線維輪が弱くなって全体として膨隆したり、線維輪が断裂して中の髄核が脱出したりして椎間板組織が神経根を圧迫して腰・下肢痛を引き起こした病態を腰椎椎間板ヘルニアといいます。椎間板という組織自体は加齢とともに老化しやすい組織であり、退行性疾患の代表的疾患ですが、重いものを持ったり、スポーツなどで腰に負担がかかって発症するきっかけとなる場合も少なくありません。髄核の脱出部位や程度によって3型に分類されます。

 

ⅰ)膨隆型
後方の線維輪の列隙部に髄核の一部が移動してしまいます。症状は比較的軽いものが多いです。

ⅱ)突出型
髄核が線維輪から突出している状態ですが、後縦靭帯には覆われていて、症状としては中程度の場合が多いです。

ⅲ)脱出型
髄核が線維輪から突出して、後縦靭帯をも破っている状態です。症状は、重症の場合が多いです。

腰椎椎間板ヘルニアの主な症状は、腰痛片側の下肢へと放散する痛みです。症状が急激に生じる場合とゆっくりと生じる場合とがあり、急激に発症する場合の多くはいわゆるぎっくり腰のような症状が数日みられます。

発症当初は腰痛がひどく体動もままにならない場合がありますが、1~2日経過すると腰痛が軽快し、それに代わって圧迫された神経根の支配領域に放散する下肢痛しびれが症状の主体となります。

両下肢の高度な感覚・運動障害そして排尿障害が急激に生じる場合があり、その場合は早急に手術的治療が必要となる場合もあります。
好発年齢は20代、30代・40代、次いで10代、50~60代の活動性の高い男性に多く、好発部位は第四腰椎-第五腰椎の間(第四腰髄神経)、次いで第五腰椎-仙骨(第五腰髄神経)です。この2つの好発部位で椎間板ヘルニアの実に95%も占めています。その他第三腰椎―第四腰椎にもまれに発症しますが、複数のヘルニアが同時に発症する頻度はひくいです。

第五腰髄神経が障害されれば、足背では中央部から母指にかけて知覚鈍麻が起こり、親指を反り返す動作がしづらくなります。第一仙髄神経が障害されれば、足背の小指側の知覚が鈍くなります。

 

腰痛

 

 

※肩こりと椎間板ヘルニアの関係
肩こりによって体の重心がずれてしまう事で骨盤が傾いてしまい、椎間板への側方への圧が集中してしまうため椎間板ヘルニアのリスクが高まってしまうことが言われています。
肩こりの原因の多くは、僧帽筋や肩甲挙筋の筋の過緊張状態です。それらの筋肉が過緊張状態となると片方に首が引っ張られてしまうために体の重心が肩こりが起こっている側に移動してしまいます。
すると、反射的に身体を姿勢を保とうとするため、腰部の姿勢を保つ役割のある筋肉である腰方形筋や腹斜筋に無意識に力が入るようになり、筋疲労を起こしやすい状態となってしまうのです。そして、それらの筋肉の疲労を人は無意識に他の関節を動かして調整するような代償運動がおこります。その代償運動により筋肉への負担はある程度軽減されるのですが関節にはかかる負担は増大してしまうのです。その状態が長く続いてしまうことで関節が耐え切れなくなり、椎間板ヘルニアや椎間板圧迫骨折などの症状をきたしてしまうのです。

 

 

腰椎椎間板ヘルニアの原因

腰椎椎間板ヘルニアになる原因として重いものを持つなど日常生活での動作が引き金となる場合や椎間板や椎骨の老化による場合、姿勢の悪さからくる背骨の歪みによる場合などがあります。また、スポーツなど力学的負担が原因となる場合も少なくありません。

この疾患の発症には、同一家系内に同じ疾患が多発することや不安抑うつなどの精神的な疾患、仕事上のストレス・集中度・満足度などが深く関与していることも指摘されています。遺伝的要因が考えられる場合、若年者の発症にその傾向が強く、急性腰痛症を数回発症したことがある方に腰椎椎間板ヘルニアが発症しやすくなると言われています。

 

腰椎椎間板ヘルニア症状の予防

腰椎はもう20代からすでに老化が始まってしまっていると言われています。人間の体の中で最も早く老化が進む箇所だとも言われます。
もともと、哺乳類は二足歩行ではなく、人間は進化していく過程で2足歩行に進化していきました。人類の二足歩行への進化は急速に進んだため上半身を支えている腰部に負担が大きくかかることはある程度仕方ない人体構造となっているのです。

腰椎椎間板ヘルニアの症状で一番つらい症状が腰痛かと思いますが、腰痛症状を予防するにはまず腰部に負担を大きくかけないことです。重いものを持つときは上半身だけで持ち上げようとはせずに膝などの下半身からしっかりと持ち上げるようにすると腰部への負担はいくらか軽減されます。

また中腰姿勢が長く続いてしまいますと負担が増大しますので避ける必要があります。

その他、腰部周辺の筋肉の柔軟性を保つことも重要です。筋肉が固まってしまっている状態ですと腰部の関節に負担がかかりヘルニアになりやすくなります。
腹筋を鍛えることも腰痛予防には重要で腹筋には体の姿勢を保つ役割もあり、その部分の筋力が低下してしまいますと同じように体の姿勢を保持する役割のある腰部の筋肉に負担が大きくかかります。

 

 

執筆者

清水大地

眼精疲労専門の鍼灸師

資格
はり師
きゅう師

2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好医院にて多くの臨床経験を積む

2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立

2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院

2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院

2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院

薄毛の鍼灸治療

土曜日, 8月 23rd, 2025

当院での薄毛に対する鍼灸治療

 

当院での薄毛の治療は、第一に患部に鍼灸施術で施術して毛母細胞を活性化させ、太くこしのある健康な髪にしていきます。

薄毛の鍼灸治療

 

薄毛は、ストレスや生活習慣も深く関係しているため当院ではしっかりと時間をかけて問診していきます。

その次に自律神経測定器で自律神経の状態を計測していきます。自律神経の乱れも薄毛の原因となる可能性があります。

また、東洋医学的観点より診察をして東洋医学の病証である『』を決定していきます。
問診内容・自律神経の計測結果・東洋医学の証これらをふまえて鍼灸施術をしていきます。

薄毛の自律神経調整鍼灸治療

 

薄毛の東洋医学的考え

東洋医学の考えでは薄毛は腎の精気が弱っていることで外側の髪に影響が出るとしています。

また肺機能の衰退は、呼吸器や喉の諸症状から髪を弱らせることにも繋がります。東洋医学では『腎水』が髪の健康をつくるとされており、髪は血余と言われ、血液の状態に余裕がないと髪は育たないと言われています。

腎水系が弱る、つまり腎虚が起きれば髪のこしがなくなったり薄毛になるといえるのです。

薄毛で多い証
血虚証
血虚は血液が不足し、血流が悪く髪の毛に栄養が行き届きにくい状態です。
この場合、髪は細くて弱っている印象です。

腎虚型
腎は生殖、成長、老化にも深く関係があります。薄毛が最近になって進行してきたというかたは、この証にあてはまります。

湿熱型
湿熱型の場合、頭皮がべたついた状態です。湿気や熱、頭皮の脂が多い状態なので、それを改善していく経穴を使って施術していきます。

これらの証に合わせた五臓六腑(特に腎、肺、脾)を調整し、健康な髪が育つ身体にしていきます。

薄毛の鍼灸治療症例

症例 1
30代 男性
5年ほど前から頭頂部や生え際の後退など薄毛の症状が気になるようになった。4ヶ月ほど前から特に薄くなったように感じ、1週間前からAGA薬の服用を始めた。

薬以外での改善方法を求め、当院へご来院された。

施術

頭頂部とおでこの生え際は頭皮が透けるほど髪が薄くなっていました。内服薬の効果を高めるためにも、患部の血流を改善する事はとても重要になります。頭皮の血流改善を目的に、頭頂部と生え際に鍼通電を行いました。また、頭部の血流には首肩こりの解消が重要なため、首肩回りの筋緊張はしっかりと筋肉に刺激をいれほぐしていきました。全身的な血流改善、身体の回復力を高めるため、自律神経調整施術も行っていきました。

来院頻度は1週間に1回。

一回目

施術後は頭皮のコリがほぐれるような感じがした。

二〜四回目

体調が良い。薬の副作用による初期脱毛があり、抜け毛が気になる。

五〜六回目

抜け毛は治まった。短い毛がたくさん生えてきている。

七〜十回目

薄さが気になっていた箇所の髪が増え、太さも少しずつでてきている。

以降来院頻度の間隔をあけてご来院。

 

症例 2
20代 男性
1年ほど前からおでこの生え際の薄毛が気になっている。

薬以外での改善方法を求め、当院へご来院された。

施術

おでこの生え際の髪は少し薄く頭皮が透けていました。

頭皮の毛細血管の血流が増えることで、毛母細胞が活性化し発毛作用があるといわれています。頭皮の血流改善を目的に、頭頂部と生え際に鍼通電を行いました。首肩の筋緊張緩和を目的に、首肩周りの筋肉にはしっかりと刺激を入れ筋緊張をとっていきました。

また、全身的な血流改善、内臓機能の調子を高めるため、自律神経調整施術も行っていきました。

来院頻度は1週間に1回。

一回目〜十回目
毛髪の状態に変わりはないが、施術を受けるようになってから体調が良い。

頭皮の状態を改善するため、生活習慣を見直すようになった。睡眠時間を確保し、食事は外食が多かったため、バランスを考え自炊を行うようになった。

十一~十五回目

少しずつ生え際の髪が増えてきた。髪全体的にコシが出てきた。

十六~二十五回目

生えてきた髪が伸び、太さもでてきた。

薄さが気にならなくなったため、施術を終了した。

 

薄毛について

薄毛とは髪が生え変わるたびに少しずつ細く弱くなり髪の毛の艶やこしがなくなって、
全体的に髪の毛のボリュームがなくなっている状態のことです。遺伝的な素因や男性ホルモンの影響などが考えられますが、現代社会においては

  • ・食生活の乱れ
    ・睡眠時間の不足
    ・運動習慣の低下
    ・過度の飲酒
    ・喫煙習慣
    ・ストレスの増大
    ・自律神経の乱れ

 

などが、要因となっています。薄毛に悩む人は多く、20代から50代の男性で、半数以上が気にしているというデータもあります。また女性にも、薄毛で悩んでいる人は多いようです。女性では10人に1人の割合で悩んでいるのです。

薄毛

薄毛のメカニズム

髪の毛が生え変わる過程を『ヘアサイクル』と言います。
髪の毛一本一本には寿命があります。伸びては抜けて、伸びては抜けて新しく生え変わることを繰り返します。髪は一日に0.3~0.5ミリ、一か月で約1.2センチ、一年では約15センチ伸びます。髪はずっと伸び続けるかというと、そうではありません。ヘアサイクルには、成長期、退行期、休止期があり、髪は成長期(4年〜6年)に伸びていくのです。

毛母細胞分裂し髪が伸びる成長期が長ければ、その分長く太くなる傾向にあります。その後、成長が止まる退行期(2〜3週間)を経て、休止期(数か月)になると
新たな成長を始めた髪に押し出されるようにして自然に抜け落ちます。
毛髪は一本一本ヘアサイクルが違うので、
一度にまとめ抜けることは正常であればないのです。
このヘアサイクルの乱れによって髪の毛が成長できないことにより薄毛になります。

薄毛の原因

薄毛の原因は様々で生活習慣との関連が非常強く出やすいです。
また男女でも原因や薄毛の部位などにも違いが出てきます。

① 栄養バランスの乱れ
毛髪のほとんどはケラチンというアミノ酸(タンパク質)からできています。ケラチンは年齢とともに減少していきます。加齢に加えて、不規則な食生活飲酒喫煙も原因になります。栄養が十分でないと、髪の毛の成長は低下してしまいます。栄養のない土から綺麗な花が咲かないのと同様、土台(バランスの良い栄養素)が良い状態であれば、
毛髪の状態も良い状態なのです。
特に髪や頭皮の活性化に欠かせないビタミンB群や亜鉛などを充分に摂取できると良いです。難しい場合はサプリメントなどを活用できると良いでしょう。

② 睡眠不足
睡眠は毛髪の成長にとって非常に重要です。
人間の細胞は睡眠時に細胞分裂して新しい細胞に生まれ変わります。髪の毛も同様に睡眠時に成長して生まれ変わります。
特に成長ホルモンとの関係が深く、成長ホルモンが一番多く分泌される時に髪の毛も成長して太く伸びていきます。成長ホルモンは副交感神経が一番優位でかつ、午後10時〜午前2時の間が一番分泌されます。つまりこの時間に寝ていることは、髪にとっても身体にとっても非常に大切なことと言えます。遅くとも日付が変わるまえには寝るようにしましょう。

③ ホルモンバランスの乱れ
女性では、加齢や閉経、出産などによってホルモンバランスが乱れることで、ヘアサイクルに影響して髪が細くなり、頭髪全体の密度が少なくなることが多いです。
男性では、男性ホルモンの一つであるテストステロンが毛髪に攻撃性の高いDHT(ジヒドロテストステロン)により、前頭部や頭頂部の薄毛になりやすいのが特徴です。
男女ともに不規則な生活リズムが一番の大敵といえます。規則正しい生活習慣が薄毛改善への基礎といえるでしょう。

④ 環境因子
頭皮が紫外線にさらされると、毛母細胞がダメージをうけ薄毛の原因に繋がります。
またパーマやカラーリングなどで髪にダメージを与えるのも環境因子といえます。

白内障の鍼灸治療

水曜日, 8月 20th, 2025

白内障の予防

老人性白内障の鍼灸治療はWHO(世界保健機構)に適応疾患として定義されています。

WHOの適応疾患について←

 

 

白内障に対する当院の鍼灸治療

当院の白内障に対する施術は、眼の周辺の経穴にハリやお灸をすることにより、眼の血行状態を良くして視機能の回復を促します。当院では、初期の老化による白内障・紫外線の活性酸素増加に伴う白内障を施術対象と考えております。目の周囲の血流改善により老化を防ぎ、活性酸素を排出することで白内障を予防する効果が期待できます。

白内障の鍼灸治療

また白内障は五臓六腑の「」と「」に深く関係しているので肝や腎に関する経穴を用いて「肝血」や「腎精」を補うことや肝気の巡りをよくします。
目の老化が原因で白内障が発生している場合、目ばかりでなく体全体が老化しています。当院では、東洋医学の診断法に基づき診断して、東洋医学の特徴である全身を診て調整施術致します。そうすることで、目ばかりでなく体の老化予防や体調改善に繋がります。

白内障の全身調整鍼灸

 

 

白内障の手術は、日帰りの手軽にできる手術の場合が多く、視力回復が期待できます。しかし、はり灸施術でも病状の初期や予防には対応できますのでぜひ一度ご相談ください。

 

白内障の東洋医学的考え

中医学では五臓六腑の肝は眼に開竅するといわれており、眼の疾患は肝の機能の障害が深く影響していると考えられていてその中でも「肝血」が不足した状態に陥ると視覚の異常運動系の異常などがみられます。

また中医学では肝と腎は同じ源にあるといわれており、「肝血」と「腎精」は互いに補い合っています。加齢により「腎精」が減少した状態だと「肝血」にも影響を与えると考えられます。それは白内障を引き起こす原因にもなります。

 

白内障とは

白内障はさまざまな原因で眼の水晶体という部分が濁る病気です。昔から俗に「しろそこひ」と呼ばれています。私たちが眼で見ている映像は、外から入ってきた光が角膜・水晶体や硝子体を通り抜けて網膜で集められた映像が電気信号に変わり視神経から脳へと伝えられ、はじめて物として見ることができるのです。
また物を見るために対象物にピントをあわせているのが毛様体です。毛様体には毛様体筋があって、この働きにより遠くの物を見るときには水晶体が薄くなり、近くの物を見るときは水晶体が厚くなります。その水晶体が様々な原因で濁って様々な症状の原因となります。
症状として

ⅰ)目がかすむ
一番多い症状で、ひどくなると前に人がいるのがわからなくなるまで進行します。

ⅱ)明るいところで眩しく感じる
光のあたる明るい場所に出るとまぶしくつらさを感じます。

ⅲ)物がだぶって見える
片目で見ていて、二重三重に物がだぶって見えます。(複視

ⅳ)視力が低下する
細かい字が読みにくくなって老眼と間違えやすいが、白内障の場合は老眼鏡をかけてもよく見えません。

ⅵ)近くが一時的に見えやすくなる
中心部の濁りが強くなることで近くが見えるようになるために老眼が一時的に良くなったように思われがちだが、やがて全体が見えにくくなります。

白内障の発症は45歳以上の中年世代に多く、年齢を重なるにつれて発症しやすくなります。また80歳以上の高齢者はほとんどなんらかの原因により白内障の症状を引き起こしています。進行の速さには個人差があって、目が見えづらくなるといった症状に至るとは限りません。

 

 

白内障の種類

白内障は老人性白内障・糖尿病による白内障・アトピー性皮膚炎による白内障・先天性白内障・紫外線や赤外線による白内障・薬の副作用による白内障などがあります。

ⅰ)老人性白内障
白内障でもっとも多い原因が加齢によるものです。年を取れば誰しも体力が落ちて身体機能が低下し、病気になりやすくなります。それと同じように白内障も眼の機能が低下して水晶体がだんだんと濁ってきます。進行のスピードは人それぞれですが、10年、20年かけてゆっくり進行していきます。

ⅱ)糖尿病による白内障
高血糖が長く続くことにより水晶体の成分に変化が起こって白内障が発症することがあります。早い人では30~40歳代から発症してたちまち進行していきます。また糖尿病による白内障の場合、白内障手術後に網膜剥離や緑内障を発症する可能性が高くなると言われています。

ⅲ)アトピー性皮膚炎による白内障
アトピー性皮膚炎の場合に眼瞼皮膚炎や顔に強い湿疹がある人は白内障になる可能性が高いと言われています。かゆみにより眼部をたたくことで白内障を発症する外傷説やステロイド投与による副作用だと考えられています。

ⅳ)先天性白内障
先天性白内障は遺伝であったり母親の胎内で風疹に感染したりすることで、先天的に白内障をもって生まれてきます。

ⅴ)紫外線や赤外線による白内障
活性酸素は本来、体の中の病原菌などを退治してくれる強い味方ですが、それが増え過ぎると自分の細胞までも攻撃してしまいます。外で紫外線を浴びることで活性酸素が発生して水晶体の中のたんぱく質を酸化させて白く濁らせ白内障となります。

 

 

白内障の一般的治療

初期の白内障は点眼薬で進行を遅らせることができる場合もありますが、濁った水晶体を戻すことはできません。進行した白内障に対しては濁った水晶体を手術で取り除き、眼内レンズを挿入する方法が一般的です。最近は手術により大多数の患者さんにとって視力を回復することができる安全な手術となりましたが、手術の合併症によって重篤な視力障害が生じる場合もあるようです。

 

白内障を予防する食事

白内障を予防するには、活性酸素を増やさないことが大事です。活性酸素は、体内に適度にあれば侵入してきた細菌などを破壊して身体を守ってくれる働きがあります。
しかし、体の中で活性酸素が増えすぎてしまうと細菌だけでなく自分の大事な細胞までも攻撃して破壊してしまうのです。また、活性酸素は身体を酸化させる(体を錆びさせる)恐れもあり、身体の老化を促進させてしまう可能性もあります。

目の観点から見ると紫外線を浴びることで眼球に活性酸素ができて、それが増えすぎてしまうと水晶体の白濁がおきてしまい白内障となってしまいます。体が健康な状態の時は、活性酸素を排除する働きで白内障になることを防ぐことができます。しかしそれらの働きが弱いと白内障となる確率が高くなります。白内障を予防するのに重要なことは食事です。

べ物の中でも活性化酸素を防ぐ食材があり、それらの食材をバランスよくとることが重要です。

 

 

  • ・緑黄色野菜を摂る
    ホウレンソウやブロッコリー、ニンジンなどに含まれるルテインは抗酸化作用があると言われています。

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  • ・赤ワインを飲む
    赤ワインに含まれる赤ワインポリフェノールは抗酸化作用があると言われています。

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  • ・ブルーベリーを摂る
    ブルーベリーに含まれるアントシアニンは、目の血流を改善し、新陳代謝を上げることが言われており、抗酸化作用が期待できます。

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白内障の鍼灸治療の症例

症例1

40代 女性

半年前に白内障と診断され、手術を勧められたが抵抗があるため他の治療方法はないかと探し当院を受診した。

半年前から少しずつ進行しており、不安になってきている。

症状はかすみや羞明、眼精疲労、ドライアイなどがあり、目の見えにくさから首肩コリ、頭痛が強く感じる。

仕事や人間関係のストレスから睡眠障害や不安感も見られるようになり、心療内科で神経症と診断され投薬治療を受けている。

仕事はデスクワークで1日10時間パソコンを使用し、それ以外でもスマートフォンを頻繁に見るため目はかなり酷使している様子。

当院の施術

まず、ストレスやお身体の緊張度合いから自律神経の乱れの可能性が高かったため、自律神経測定器で現在のお身体の状態を確認しました。

ストレスの度合いは非常に高く、交感神経が8、副交感神経が2という割り合いから自律神経の乱れがあることを判明しました。

まず全身の血流や自然治癒力の向上を目的に自律神経調節治療を行いました。

他に首肩の筋緊張の緩和、眼の周囲に刺鍼し低周波鍼療法で刺激していきました。

治療頻度は週に1~2回のペースで通っていただきました。

 

経過

1回目

初めての鍼で緊張されていたので、初回はソフトな刺激量で施術を行いました。

2回目

前回後、とてもよく眠れるようになった。

鍼も慣れてきた。

3回目

眼の状態はまだ変わりないが、肩首の緊張が緩和し、リラックスできる。

4回目

睡眠の質が向上してきた。

5回目

目の疲れやすさが以前より出にくくなってきた。

6回目

少しかすみが減少してきた。

7回目

視界が少しだけクリアになってきた。

首肩コリも緩和。

8回目

かすみが薄くなってきた。まぶしさも減少。

9回目

視界が広がり、視力が上がったように感じる。

10回目

まぶしさはほとんど気にならない。

11回目

かすみ、まぶしさともにほとんど気にならない。

現在もメンテナンスのため通院中。

 

症例 2

70代 女性

3年程前に白内障と診断された。視界はかすんで見えている。緑内障も患っており、点眼薬を20年ほど使用している。眼圧は安定しており視野欠損はない。白内障の手術を避けたいため、ご来院された。

施術

白内障と緑内障の進行予防のため、眼の周りのツボに鍼通電とお灸を行い、血液循環の促進を図っていきました。腎や肝を補うツボを用い、全身的な自律神経調整施術も同時に行いました。

来院頻度は1週間に1回。

一回目
初めての鍼治療のため、鍼の刺激は弱めで、置鍼とお灸で施術を行った。リラックスでき、身体や眼の周りがほぐれたように感じた。

二~十回目

眼の周りに鍼通電を行った。施術後は視界のかすみが減り、見えやすくなる。

十一~二十回目

施術を受けるようになってから、体調が良く、睡眠時間が伸びた。視界は以前よりはっきりして見えるようになった。

以降も週一回のペースでご来院中。

 

執筆者

清水大地

眼精疲労専門の鍼灸師

資格
はり師
きゅう師

2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好医院にて多くの臨床経験を積む

2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立

2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院

2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院

2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院

逆子のお灸治療

火曜日, 8月 19th, 2025

逆子の鍼灸治療

東洋医学では、現代医学での28週以降の骨盤位を逆子とするという概念は18世紀後半に至るまでなかったころもあり、逆子に対する鍼灸治療は古くから行われてきた各疾患に対する鍼灸治療と比べて歴史はそれほど長くはありません。

しかし、逆子に対する鍼灸治療の論文が出ていることで積極的に施術が行われています。
逆子の治療で主に使われるツボは、
至陰(足の小指の爪の付け根、外側に位置する)
三陰交(足の内くるぶしのうえ指4本分上に位置する)
です。至陰は難産時に胎児をスムーズに出すツボとして昔から使われてきたツボです。また、三陰交は産婦人科症状に対して良く効果のあるツボとして知られており、逆子治療の他にも妊娠中の体調維持にもよく使われるツボです。

逆子に対する至陰へのお灸

逆子に対する当院の治療

逆子に対する当院の治療は、特効穴と言われる至陰と三陰交にお灸施術を行います。その他
・自律神経の状態を計測して自律神経を整えること
・お灸で身体全体を温めて冷えの改善
・東洋医学的観点より足の腎経・肝経・脾経のツボを用いて出産に重要な三経の状態を整える

 

これらを基本的にははり灸を用いて施術していきます。はり灸施術が苦手という方には刺激量を調整したり、マッサージなど手技療法を行ってリラックスできる施術を心掛けております。

逆子に対する三陰交へのお灸

妊娠28週を過ぎると一般的に逆子と診断されることが多く、28週過ぎて逆子が問題視されてからすぐに鍼灸施術を開始するとそれだけ逆子が治る可能性が高まります。治療開始が33週くらいまでであれば鍼灸治療による回転率は高くなります。
産婦人科などで逆子と診断されたら早い時期から鍼灸治療を始めることをおすすめします。

逆子に対する腹部への温灸

逆子に対する鍼灸治療は、以前よりおこなわれており、特に至陰三陰交というツボにお灸をすると逆子が治るとして広く知られています。
一般的に妊娠8カ月を超えてまだ逆子の状態だと、赤ちゃんの体が成長して子宮内で動き回ることが出来にくくなるため、逆子は治りにくくなると言われています。逆子のままの出産となると赤ちゃんの成長には問題はありませんが、分娩時に時間がかかったりへその緒が圧迫されやすかったりと胎児母体とともにリスクが高まります。その場合、帝王切開術での出産となってしまう事があります。

逆子の至陰へのお灸効果について

至陰へのお灸でなぜ逆子が治るのかその機序ははっきりとはいまだ解明されてはいません。しかし、至陰へのお灸で子宮動脈の血管抵抗指数(RI)が低下したという報告もあり、子宮筋の緊張が低下して逆子の改善につながるのではないかと考察されています。

また、全日本鍼灸学会の逆子の研究

お灸で骨盤位(逆子)が治る

では、至陰へのお灸と三陰交への灸頭鍼で骨盤位(逆子)584例中525例が逆子が改善された(改善率89.9%)という報告があり、鍼灸治療が有効な治療法として紹介されています。

逆子とは

逆子とは子宮内で赤ちゃんの頭が上腹部や臍横にある状態をいいます。

通常、胎児は妊娠後期となると頭部の重たさや頭から産道を通り抜けるために胎児の頭は子宮口に向いていて逆に臀部や足は上腹部にあります。こちらのほうがスムーズに出産しやすいと言われており、逆子の状態での分娩となってしまうと分娩時間が長くなってしまったりと母子とともに危険な状態となってしまう可能性があります。

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逆子のリスク

妊娠中期・妊娠7ヶ月くらいまではまだ胎児も成長しておらず、子宮内にスペースがあり胎児が動きやすいため約30%が逆子の状態となると言われています。妊娠7カ月を過ぎると頭が恥骨側に位置する正常な頭位で安定することが多いです。しかし、それとは逆に逆子の位置で安定することもあり、逆子の状態で出産期を迎える人は日本では3~5%の頻度と言われています。
逆子で出産を迎えると様々なリスクがあります。
妊娠中の逆子のリスクとして
早産
逆子となるとお腹の張り感が強くなり、早産となってしまう危険性があります。早産は妊娠37週より前に出産することで体重2500g未満の低出生体重児が生まれるリスクがあり、正規産児と比べて自閉症や多動性障害・学習障害などの発達障害になってしまう危険性が高くなることが知られています。

破水
胎児が正常な頭位で子宮口に頭が向いている場合子宮口にちょうど栓をしている状態となり、羊水が流れ出るリスクを軽減させてくれます。しかし、逆子の場合は足が子宮口に向いているので子宮口に栓がされていないため羊水が流れ出てしまうリスクが高まるのです。破水をしてしまい羊水が極端に減ってしまうと胎児に酸素や栄養が届かなくなってしまい胎児に肺機能の障害が出たり、最悪の場合胎児が亡くなってしまうこともあります。また、細菌が胎児に及ぶ危険性もあり、肺炎や髄膜炎などの感染症を引き起こす原因にもなります。

出産時の逆子のリスクとしまして
分娩時間が長くなる
逆子の状態で出産に至る場合、出産する際に頭がでづらくなってしまい、母子ともに体力の消耗が激しくなり、命の危険まで及ぶ危険性もあります。そのため、日本では帝王切開を選択する産科医が増加傾向にあります。

帝王切開
逆子での分娩となると胎児と母体に負担がかかり過ぎる為、帝王切開での出産が増えています。帝王切開は一般的に胎児に影響を及ぼす危険性は少ないと言われていますが、母体には手術という事になりますのでリスクは伴います。妊娠中は血栓が出来やすい状態なので肺塞栓症や感染症などにかかる危険性があります。また麻酔による副作用が胎児に影響を及ぼすこともあります。

逆子になる原因

逆子になってしまう原因として考えられるものは母子側と胎児側があり、母子側で考えれる原因として、骨盤が小さいこと胎盤異常子宮の奇形子宮筋腫などが考えられます。胎児側の考えれる原因としまして胎児奇形双子・三つ子などの多胎妊娠などが挙げられます。しかし、原因不明で逆子になる場合も非常に多いです。その場合、体の冷えストレス過多による自律神経の乱れなどが考えられます。

症例①

30代女性

妊娠31週目。2ヶ月前から逆子だとクリニックで言われ、今日まで変化なし。

お腹の中で動いているのは感じられるし、羊水も多いから様子をみることになったが不安だったため当院を受診した。

慢性的に手足は冷えやすい。身体の疲れや痛みは特になし。

鍼灸ははじめてで緊張する。

当院の治療

三陰交と至陰をメインにお灸を施した。

足先とお腹の冷えが強かったため、足は遠赤外線で、お腹は電子温灸器で温めながら施灸した。三陰交はやんわり熱を感じる程度に10壮づつ。至陰はすこし熱いと感じる程度に20壮づつ刺激をいれる。

本人曰く身体の疲れはないとのことだったが、腰、背中のハリが強かったので浅めの鍼とマッサージを行った。

◇1回目◇

施灸しているときに赤ちゃんが動いているのがわかった。

片足のお灸が終わった頃にはぽかぽかする感じがあり、施術後は全身があたたかくなり眠くなった。

腰も自分が思っていたよりもこっていて、マッサージをしてもらい軽くなった。

次の日の検診では逆子が治っていた。

症例②

30代女性

妊娠33週目。31週のときに逆子が分かり、逆子体操やストレッチなどを試したがまわらなかった。婦人科でお灸がいいと勧められて当院に来院された。

妊娠前から首肩こりがあったが、最近はさらに辛く感じる。

当院の治療

足首から下の冷えが強かったため、まずは温めることを目的にお灸を行った。

三陰交、豊隆は15壮、至陰は20壮。

また、身体のコリも強かったため横向きで首から腰にかけての筋緊張の緩和も行った。

◇1回目◇

三陰交のお灸はすぐに感じたが、至陰のお灸は感じるまでに時間ががかかった。

お灸の最中は赤ちゃんが動く回数が多かった。

首、肩まわりはすっきりして楽になった。

◇2回目◇

前回のあとに検診があったが、まだ治っていなかった。

自宅用にお灸を購入し、自宅でのセルフケアも行うようにした。

◇3回目◇

お灸の刺激をあげてみた。少し熱かったが、今までで一番赤ちゃんが動いた。

2日後の検診で逆子が治ったことがわかった。

症例③

20代 女性

妊娠33週目の定期健診で逆子と診断された。

このまま治らなければ帝王切開の可能性もあるといわれ、逆子にはお灸が良いと聞いたことがあるため当院で逆子の施術を受けるために来院した。産婦人科の検診時には完全な骨盤位ではなく、横向きの状態である横位であった。初めてのお産で不安が大きいため帝王切開はできるだけ避けたいと思っている。

当院の施術

まず母体の状態を確認したところ、足の冷えが強く感じました。足の冷えが強い人はその冷えが下腹部まで伝わり子宮の筋肉の動きを抑制してしまいます。

また、腰回りや肩の筋緊張が強かったため、より身体のリラックス状態作りだすために首肩腰周りの筋緊張緩和と、至陰、三陰交にお灸で熱刺激を入れていきました。

また、普段の生活で足をあまり冷やさないようにする、ご自宅でできるお灸の方法などをアドバイスしました。

施術間隔は、2日に1回のペースで行っていきました。

経過

◇1回目◇

施術後は体がポカポカ温かくなって、よく眠れた。

また、施術中はお腹の赤ちゃんが良く動いていた。

◇2回目◇

同じ施術方法

しっかり熱刺激を入れていきました。

◇3回目◇

検診で逆子が改善されていた。

その後無事出産されたという報告をいただきました。

 

執筆者

清水大地

眼精疲労専門の鍼灸師

資格
はり師
きゅう師

2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む

2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立

2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院

2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院

2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院

自律神経調整鍼灸治療

日曜日, 8月 10th, 2025

自律神経鍼灸治療

 

①副交感神経を高めるためにお腹に刺鍼します。
同時にお腹を温めていきます。ストレス社会による交感神経優位の方は副交感神経を高めていくことが必要となります。

自律神経調整鍼灸治療

 

 

副交感神経と交感神経は互いにバランスを取り合う関係でもあるため、一方を高めていくことでもう一方をコントロールしていきます。
副交感神経はリラックス神経と呼ばれています。
人がリラックスした時に優位になるため休息時や睡眠時、食事中に活動します。
食事をすると内臓系が働くことから副交感神経が優位になるのでお腹を外部から刺激することで内臓に刺激を与えられます。

 

②次にうつ伏せ治療では主に症状に合わせた治療を行います。

胃腸の働きを高めていくよう背部にお灸を施すことが多いです。

うつ伏せの自律神経調整鍼灸

 

交感神経は筋肉の緊張を高めますので、全身の筋緊張緩和によりリラックスでき副交感神経が優位になりやすい状態にしていきます。
特に大事にしていますのが、頸部の筋緊張がよくほぐれるように治療します。

PC仕事や目を酷使される方は決まって後頭部が緊張しています。この部分は経験上ですが、うつ病の方やプレッシャーが強い管理職の方も硬く緊張しやすいです。
これは考え事に追われるとストレスを感じてその反応が頭の近くにでるのではと考えています。

そのためこの部分をよく治療すると、寝つきが良くなったり、睡眠時に起きなくなったとよく喜ばれています。

 

死の四重奏

当院の治療方針は自律神経を重点に見ており、
現代のストレス社会や生活習慣病に対して治療や予防をしております。

死の四重奏やうつ、不眠などの病気や症状は自律神経が大きく関与していると考えられています。

自律神経は、交感神経と副交感神経の2種類があり、双方のバランスによって身体をコントロールしています。
このバランスが仕事や悩み、育児などで大きく崩れると身体の体調も大きく変化します。

身体全体をコントロールしているため、部分的な症状より全身症状になります。

全身の症状の中でも糖尿病肥満高脂血症高血圧の四つは「死の四重奏」と呼ばれます。
二つ以上で習慣病に発展していきやすく、2つ3つと重なるほど生活習慣病のリスクが高まります。

日本では、この生活習慣病による罹患率がとても高く、この四つが引き金となって心筋梗塞脳梗塞に発展します。

将来の健康は日々の積み重ねより守られていくもので、罹ってからでは後戻りができません。
微々たる原因の積み重ねで将来大きなものになっていきますから、今のうちから微々たる修正を加えていくことで、大きな代償を払って修正しなくて済むようにしていきましょう。

鍼灸は自然治癒力を高めます!

鍼灸治療はお薬や外科的手術とは違い、身体が本来もっている自然治癒力をたかめる治療法です。
治療概念は自然から組み立てられているため、人にも優しい治療法となるわけです。お薬のように副作用もありません。

自律神経は自然環境に沿って過ごせば、大して崩れないものです。
ですが、今の時代生活をしていくためにもお仕事をしなければなりません。
デスクワークの方は・・・・
・腰痛
・肩こり
・手足の冷、えむくみ
PCやスマホを使われる方は・・・・

・眼精疲労
・近視
・乱視
夜勤などがある方は・・・・
・うつ病
・自律神経失調症
・精神疾患
働くことによる身体の代償はいろいろですが、すべては身体のバランスが乱れることから起きています。
痛い場所だけの治療や慰安目的だけの治療ではなく、当院では自律神経を調整療法で根本から見直す治療が身体を健康にしていきます。

今から少しずつ体を見直していってみましょう。

 

日常生活でやっていただくこと

1.主に朝は必ず朝日を浴びるように勧めています。
朝日を浴びることで人の体内時計はリセットされて夜に眠気がくるようになっています。
この体内時計こそ自律神経が大きく関与していますのです、朝日がその日のスタートに欠かせないことになります。
朝日を浴びる

2.次にコップ一杯のお水を飲んでいただきます
夜に汗により水分が抜けてしまったこともありますが、第一は内臓をゆっくり動かすのにちょうどいいからです。
内臓が動くことで副交感神経が動き出します。
朝はこれから行動していくため本来は交感神経を高めていきたいのですが、これは現代のストレス社会の人にお勧めしている方法です。
寝起きにコップ一杯の水

3.夜は、PCやスマホなどの目に刺激になるものは控えていただきます。
帰ったら家をなるべく暗くしてもらいます。暗い状況ですと身体がリラックスするためです。
夜はパソコンを控える

4.なるべく睡眠三時間前に晩御飯を済ませていただきます。
空腹で睡眠することによりホルモンが上手くでて身体を修復してくれます。
快適な睡眠

これが一日の健康なリズムとなります。

これに時間が取れる方や余裕がでてきた方には、
毎朝のウォーキングをしてもらいます。
汗をかくぐらいのウォーキングで泌尿器が鍛えられます。
息が早くなるぐらいで呼吸器が鍛えられます。
さらに息切れするぐらいで筋骨系が鍛えられて、脳内からはドーパミンが出てきます。

時間としては40分がお勧めです。
40分以上ですと身体が疲れてしまい、40分以下ですと効果がでません。

当院の自律神経調整法とこの生活指導を行っていただくことで将来の健康を作っていきましょう。

 

症例

40代 男性

以前から不眠で悩まされていて、最近ひどくなってきた。疲れがひどく精神的にも落ち込みが激しくやる気が出ないうつ状態に陥ったため、2か月前から休職している。休職前に比べたら多少改善してきたが、まだ眠れないことが多い。平均睡眠時間は約4~5時間程度。

不眠の状態は入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒があり、それぞれ日によって繰り返す状態。

不眠の他に、うつ状態、手足の冷え、緊張性頭痛、胃腸の不調が見られる。

職業はプログラマーで、睡眠を削って仕事をすることが多く、時には徹夜することもある。

 

当院の施術

問診で詳しく話をお聞きした後、自律神経測定器で現在のストレス度や自律神経の状態を測定しました。

休職中のためか肉体的ストレスは正常値でしたが、精神的ストレスがやや高い状態でした。

自律神経は昼間にもかかわらず副交感神経の割合が高く、逆に交感神経がほとんど働いていない状態で、交感神経と副交感神経がそれぞれ逆転して働いてしまっている事が分かりました。

触診では、お身体全体の緊張が非常に強く常に力が入っている様な状態で、特に肩首の筋緊張が強く感じました。

まず仰向けで腹部や手足、頭部にあるリラックス効果、自律神経調節に効果が高い経穴に鍼やお灸で刺激をしました。

次にうつ伏せで、背部の経穴や首肩の硬結に刺鍼、また不眠に効果的な安眠穴にも鍼で刺激をしていきました。

 

経過

◇1回目◇

不眠は大きな変化はないが、施術後は身体がポカポカして気持ちよかった

◇2回目◇

以前より自然とリラックスできるようになってきて、身体の力みが減少

◇3回目◇

以前より入眠時間が早くなったような気がする

寝起きが楽に感じる

◇4回目◇

手足の冷えや胃腸の不調が気にならなくなってきた

中途覚醒が減ってきた

◇5回目◇

1週間の間で不眠が全くない日が4日あった

気分もすごく快適

◇6回目◇

考え事をしてしまうと寝つきが悪い日もあるが、それ以外は十分寝れている

◇7回目◇

平均睡眠時間が7時間まで改善

冷えや胃腸の調子も改善し、気分の落ち込みもなくなった

 

 

症例2

 

60代 女性

何年も前から自律神経の乱れで身体の色んなところに不調が起きている。沢山の病院や民間療法、食事や生活習慣を見直して多少の変化はあるが、すぐに元の不調状態に戻ってしまう。

今は頭痛と食いしばりが一番気になっている。身体のだるさや首肩コリは慢性化していて、一生変わらないと思っている。眠れない日も多く日中はやる気が出ない。今はパートで働く時間を短くしているが、子供の進学費等を考えるともっと働きたいが身体がついていかない。

数年前に家族関係の事で問題が起こったと同時に職場の繁忙期がかさなりうつ病になってから身体の調子がおかしくなった。

 

当院の治療

 

自立神経測定器で計測したところ、日中の時間帯でしたが、副交感神経がかなり優位の状態でした。このような方は活動する日中に身体がだるくなる、やる気がでない、逆に夜に脳が活性化して寝付けなくなる等の状態になりやすいです。

自律神経の乱れが大きく関係しているので当院の治療としては、自律神経を調節して頭痛、食いしばり、睡眠の改善からはじめることにしました。

 

治療経過

 

◇1回目◇

治療後さっきまであった頭痛がなくなった。

◇2~7回目◇

1回目にあった変化はなく、頭痛も治まらない。

◇8回目◇

治療後頭痛が治まった。

◇9回目◇

日常生活でも頭痛に悩まされる時間がかなり減った。

◇10~15回目◇

回数を重ねるごとに頭痛や食いしばりだけではなく、身体の気になっていただるさ等の悩みもなくなっていった。

◇16回目◇

来院の間隔をあけてメンテナンスとして通う。

 

 

眼精疲労の鍼灸治療

日曜日, 8月 3rd, 2025

眼精疲労の鍼灸治療はWHO(世界保健機構)に適応疾患として定義されています。

WHOの適応疾患について←

また眼精疲労に対する鍼灸治療の有効性は、臨床研究でも明らかになっています。

明治国際医療大学の研究
鍼治療による眼精疲労および眼精疲労軽減効果
研究では、日ごろから目の疲れを感じている96名(平均年齢23歳)を対象に行われ、攅竹や太陽などの目のツボや合谷や手三里などの手のツボを使って様々な鍼の手技を用いました。ほとんどの被験者でVAS(Visual Analogue Scale)の改善がみられたとのことです。

 

眼精疲労に対する当院の鍼灸治療

1.まずはしっかり問診します。


目の疲労ばかりでなく、体の不調を全てお教えください。治療効果の向上に繋がります。

2.問診をした上で自律神経測定器で自律神経の状態を計測していきます。

自律神経測定器

 

3.まずはうつ伏せで首肩こりや背部兪穴の目に関するツボを用いて施術していきます。

眼精疲労の頸肩鍼灸治療

 

首肩の筋緊張を緩和させることで目にも栄養ある血液が行き渡りやすくなります。

5.次に仰向けとなり目の周りの施術と自律神経調整施術に入ります。

眼精疲労の鍼灸治療

 

当院では、目の周りに打つ鍼は、体打つ鍼よりも細い鍼を使用しており、美容鍼で使われるような刺激がソフトな鍼を使用しております。また鍼を刺したうえで濡れタオルに包んだ電子温灸器で目の周りを温めていきます。

鍼の刺激+電気温灸器の心地よい刺激で目の周りの筋緊張の緩和、血流改善につながります。ここでほとんどの方が気持ちよく眠ってしまうほどです。

顔に針を刺されるのがどうしても苦手という方もご安心ください。そういった方の場合はお灸で対応することも可能です。顔に直接お灸をのせて火をつけるのですが焼ききる前に火を消すため火傷の心配も跡がついてしまう心配もありません

眼精疲労のお灸治療

 

特にお腹を電子温灸器で心地よく温めることにより、体をリラックス状態にすることで自律神経を整えていきます。

 

 

眼精疲労に対する当院の鍼灸治療の特徴

 

当院の眼精疲労に対する施術は、第一に目の周辺の経穴にハリを刺して刺激することにより目の血行状態をよくします。目に刺すというものではなく、目周囲にハリを刺します。顔に刺されるのが怖いという方は、お灸で対応致します。お灸は、痕を残さず心地よい温かさの刺激です。目の奥の痛みなど痛みに対しては鍼通電療法を用いて鎮痛効果をねらって施術していく場合もございます。

 

また眼精疲労は五臓六腑の肝に深く関係しているので肝に関する経穴を用いたり、東洋医学の診断方法に基づき全身の調整治療を行います。東洋医学の特徴に全身を診て、状態を把握した上で施術を行うというものがあります。

 

眼精疲労は、目ばかりでなくうつ睡眠障害など自律神経系の疾患も患っている場合が少なくありません。そこで当院では、自律神経測定器を用いて自律神経の状態を知った上で施術致します。自律神経の状態を把握して当院独自の自律神経調整療法を行うことで、他にはない施術効果が期待できるのです。

 

眼精疲労についての東洋医学的考え

中医学では五臓六腑の肝は目に開竅するといわれており、眼の疾患は肝の機能の障害が深く影響していると考えられています。
肝血が不足してしまうと視覚の異常や運動系の異常などがみられます。そのほか肝は運動神経系の調節に関係があると考えられています。

 

眼精疲労は、上記の筋性眼精疲労や眼のピントを合わせる働きのある毛様体筋の運動機能が低下していると考えられ、そのことからも眼精疲労は肝の機能との関係が深いことがわかります

また、肝は精神情緒の安定、自律神経系を介した機能調節もおこなっており、それらの機能低下は上記の神経性眼精疲労を引き起こすと考えられます。

 

眼精疲労の鍼灸治療症例

40代 女性
主にパソコンでの作業がお仕事で一日10時間以上、パソコン画面を見るという生活を送っていた。普段から目の疲れや乾き、首肩こりを感じていたが、たまにマッサージなどでほぐしてもらうことで症状は軽減できていた。
しかし、ここ一週間前程から仕事が忙しくなり、目や体の症状が強く出るようになってしまった。マッサージを受けても終わった直後は良いが、一日経つともうつらくてなかなか改善されないということで当院にご来院されました。当院ご来院時には、まぶたが重く感じたり、眉間辺りがパソコン画面を見ていると痛くなり、仕事にも支障をきたすほどとなってしまっていた。

当院の治療
睡眠不足や朝すっきりと起きれることが少ない・日中体がだる重くことなども問診時にわかったので、自律神経測定器で自律神経の状態を計測した上で治療を行ないました。自律神経測定器の結果、交感神経の活動が高く、自律神経のバランスが悪かったため仰向け治療にて自律神経のバランスを整える施術を行い、うつ伏せ治療で首や肩の筋緊張を取り除き、最後に目の周りを鍼灸施術で刺激していきました。

◇1回目◇
治療後少し首や肩に重だるさが残ったが、夜しっかりと眠れることができて翌朝体がすっきりとした。目の症状も朝は非常に楽だった。しかし、仕事をしていて夕方ごろからは目の疲れや痛みを少し感じた。

◇2回目◇
鍼灸治療によって首肩・目の周りがとても軽くなったと感じた。仕事のほうもだいぶ落ち着いてきて目の疲れも感じにくくなってきた。

◇3回目◇
今週は仕事がとても忙しく目の症状が気になり始めてしまった。治療後は軽快。

◇4回目◇
症状は軽減されたがまだ気になる

◇5回目◇
パソコン作業をしても目の疲れをほとんど感じなくなった。目が疲れる前に遠くを見るなどして目の筋肉を休めることも日常的な疲れ目予防として行っていただいた。

 

症例②
50代男性
10年以上前から目の疲れを感じていた。主にパソコン仕事なので目の疲れがひどくなってくると目の奥が痛くこってくる感じで目も動かしづらくなるとのこと。さらに進行すると首のこりも強く出てきて仕事にも支障をきたしていた。症状がひどく出るとマッサージなどに通って痛みをとっていたが、2~3日するとまた症状が戻るという状態を繰り返していた。
当院にご来院される2か月程前から目の奥に急激な痛みを感じるようになり、病院で検査を受けるも原因はわからなかった。

当院の治療
目の症状の他にも首こり・手の痺れも感じることがあったとのこと。目の周りの施術の他にも首肩の筋緊張をほぐす施術をしっかり行っていきました。また、天気が悪くなるとめまいや軽い動悸を感じることもあり、自律神経の乱れも考えられるので測定器で検査してから施術に入りました。

◇1回目◇
治療後、首肩がすっきりしていつもより深い睡眠がとれたような気がしたとのこと

◇2回目◇
以前は仕事をしていない時でも体に力が入って目が疲れていると感じることがあったが、最近はそれがなく仕事をしていないと目の疲れを感じにくくなった。仕事中は依然として疲れる

◇3回目◇
目の動かしづらさがとれてきて目が動かしやすくなってきた

◇4~6回目◇
全体的には身体の調子が良くなっている気がするが、そこまで変化が見られなかったとのこと

◇7回目◇
仕事で長い時間パソコン画面を見ていて疲れを感じにくくなった。目の奥の痛みもあまり感じなくなったが、たまに仕事中に痛くなる時あり

◇8回目◇
出張で治療間隔が少し空いた。目・首肩の症状は当院に来る前より断然良いとのことだが、少し戻ってしまった感じとのこと

◇9回目◇
前回の久しぶりの治療でだいぶ症状がよくなったとのこと。目の疲れ・痛み・首肩こりをあまり感じなくなったとのこと

◇10回目以降◇
少しずつ治療間隔を延ばしながら、身体のメンテナンスを含め施術している

 

症例③
20代女性
IT関係の仕事についてパソコンを見て仕事をする時間が増えてきた。以前よりスマホやパソコンの画面を見る機会は比較的多かったが、就職するとみる時間が倍以上となり、目の疲れを感じるようになってきた。就職して3年ほど経って視力の低下に気づいた。以前は視力左右とも1.2。急激に視力が低下したと感じて眼鏡を作ろうと眼鏡屋にいって視力を測ったところ0.7までに低下していた。常に眼鏡はかけず、車の運転などで眼鏡をかけていたところ、さらに目の疲れを感じるようになってしまった。
目の疲れがひどいときは、首肩こり・頭痛を感じて画面を見るのも次第につらくなっていった。簡易マッサージなどで何とか過ごしていたが我慢できなくなり、当院にご来院された。

治療
触診の結果、頸肩の筋緊張が強く、自律神経測定器の結果もよくありませんでした。全体の調子も整えつつ、頸肩と目の周りを中心に施術していきました。

◇1回目◇
施術後、体の疲れがどっと出てきた感じで帰ったら深い睡眠がとれた。目の調子も少し良い感じ

◇2回目◇
施術後は頸肩の調子が改善。しかし2~3日すると調子が戻ってしまう

◇3回目◇
以前は1時間もするとパソコン画面を見ているとつらくなってきていたが、1時間経ってもつらくならくなってきた

◇4回目◇
視界がくっきりとして普段あまり眼鏡をかけなくてもよくなってきた。

◇5回目◇
仕事後は少し首肩こりや目の疲れを感じるが仕事中は全く感じなくなった。

 

症例③
30代男性
二年ほど前から急に目の疲れやショボショボ感を感じるようになった。市販の目薬をさしていたが、なかなか改善されずに過ごしていた。仕事でパソコンを5~6時間ほど使うが、20代の頃もそれ以上に目を酷使していたように思うが、30歳後半となると目の疲れや身体の疲れが取れにくくなったように感じたとのこと。
最近はまぶたも重たくなってきているように感じて目の疲れが酷い時は目を閉じている方が楽に感じる。首肩こりの症状も出てきて、パソコン作業を30分ほどしているとすぐにつらくなってくる。睡眠は良好。運動習慣も週に2~3回程はランニングをしている。

治療
◇1回目◇
目のショボショボ感は少し楽になったとの事。夕方になると目の疲れや身体の疲れは感じやすい

◇2回目◇
目の疲れやショボショボ感はつらい時の半分ほどに軽減。

◇3回目◇
パソコン作業を1時間ほぼしていても首肩こり・目のつらさは感じなくなってきた。

◇4回目◇
仕事の終わりごろでもまぶたの重たさを感じない。目が開きやすくなった

◇5回目以降◇
3~4週間に1回のペースで来院。仕事をしているとどうしても目の疲れや首肩こりを感じるのでその緩和のために施術を受けられている。

 

症例④

20代 女性

在宅のみで働いているため仕事中は常に画面を見ている。机の上には画面が3つあり、時にはスマホとタブレット端末も使用することがあるので、多いと5つの液晶画面に囲まれながら1日作業している。

そのせいか、常に眼が痛くなっていてしまい、眩しい光や長時間の作業でより悪化するようになった。今までは眼の周りを温めたり、自分でマッサージすれば楽になったのだが今回は全く良くならない。

また、座り仕事と運動不足も重なって首こり、肩こり、腰痛が慢性的になっていて足のむくみも酷い。

鍼や痛いことは怖いのでなるべく優しめにお願いしたい。

 

当院の治療

触診したところ首、肩、背中、腰の上半身がかなり固くなっていました。なかでも、首から肩にかけては筋肉の緊張が酷く、かなり辛そうなお身体でした。眼の周りの筋肉だけではなく、眼の筋肉と繋がっている側頭筋や顎筋も固くなっていました。

全体的に疲労と緊張状態が慢性化していましたので当院の治療としては全身の血流を

良くして、筋肉を緩める治療と自律神経を調節することで緊張状態の

改善を行いました。

血流が悪いためか手足が冷え性とのことでしたのでお灸も使用していきました。

 

治療経過

◇1回目◇

思ったより痛くなかった。変化は分からない。

◇2~4回目◇

変化なし

◇5回目◇

眩しい光を見た時の眼の痛みが少しだが軽くなっていた。

◇6~10回目◇

変化なし、痛みは軽くなったがそれ以上良くも悪くもならない。

◇11回目◇

また少しだけ痛みが軽くなった。作業できる時間が長くなって嬉しい。

◇12~15回目◇

回数を重ねるごとに痛みが軽くなった。今後間隔を空けてメンテナンスで通う。

 

目のアンチエイジング

パソコンやスマホなど目を酷使する機会の多い現代では、目の血流低下や筋肉の疲労により目の老化現象が起きやすくなっています。また目の疲労眼精疲労は、目の老化現象である白内障や緑内障、飛蚊症などにかかりすくなってしまいます。

目の使い過ぎによりカメラのレンズの役割のある水晶体の弾力性が失われたり、水晶体の厚さを調節する毛様体筋の疲労がおこってしまいます。するとピントを合わることに時間がかかったり、近くのものにピントを合わすことができなくなる老眼現象へとつながってしまうのです。

まずは、目のアンチエイジングとしてこの毛様体筋の疲労をとること・水晶体の弾力性を保つことが重要となってきます。
近くの物を見続けていると毛様体筋は緊張しっぱなしの状態となり疲労していきます。パソコン作業の合間に遠くに視点を合わせることで毛様体筋の緊張をとってあげることも重要です。
また、10分間ほどのまとまった休憩を取り下記のようなトレーニングを行ってみてください。

 

 

  •  1.ピント遠近トレーニング
    近くの物を見た状態が続いてしまうと毛様体筋が常に緊張した状態が続いてしまいます。遠くを見るようにして緊張した状態の毛様体筋を弛緩させることで疲労をとります。腕を前に伸ばし、目線の高さまで約30cm程の位置に親指をたてます。次に動かない目標物をで2~3m先に目標物を定めます。そして親指と動かない2~3m先の目標物を交互にみてピントを合わせることを30回繰り返します。このトレーニングの際は、特に速さは求めません。正確に確実に親指と目標物にピントを合わせるようにしてください。
  • 2.ピント前後左右トレーニング
    自分の2~3m前後左右それぞれに目標物を定め、上から時計回りにをそれぞれ5秒ずつ目いっぱい見ます。それを、3セット繰り返します。外眼筋や目の周りの表情筋などの運動になります。
  • 3.目の閉眼トレーニング
    目をギュッと閉じて次に大きく開きます。これも5秒ずつ3セット繰り返します。目を開ける上眼瞼挙筋や目を閉じる眼輪筋の運動になります。パソコンなど近くのものを注視して作業していた場合は、ちゃんと一時間ごとに目の休息をとり、1~3の運動を順に行いましょう。

 

目の老化を防ぐ生活習慣

  • 1. バランスの良い食事
    紫外線などを受けて発生してしまった活性酸素は、目の場合緑内障や飛蚊症となる危険性もあります。それらの疾患は、目を見えづらくするばかりではなく、眼精疲労にもつながります。
    活性酸素による細胞の酸化を防ぐ食事を心がけましょう。緑黄色野菜やトマトやイチゴなどをバランスよくとりましょう。またカシスやブルーベリーに含まれるアントシアニンは目の酸化を防ぐと言われていますので、積極的に摂ってください。
    その他、疲れ目には古くからホタテガイが効果があるとされ漢方では扇貝と言われ利用されています。漢方では、消化を促す作用やのどの渇きをおさえて各臓器の機能を回復させるなどの作用があると言われています。特に目と深い関係があるとされる五臓六腑の肝の肝陽が上がって目の異常が出てしまう状態に効果があるとされ、疲れ目や視力の回復にも作用があります。現代医学の研究でもホタテガイに多く含まれているタウリンの働きによって目の機能を回復させるという研究結果があります。タウリンは胃腸にやさしいとされ、悪玉コレステロールを下げながら、善玉コレステロールのレベルを維持する働きがあったり、動脈硬化を予防する働きもあると言われています。食物繊維は、タウリンの働きを助ける効果があるためホタテガイと一緒に食物繊維の多い大根やレンコン、ニンジンなどと摂取すると良いです。その他、ホタテガイには嗅覚障害を回復させる亜鉛や糖質や脂質の代謝に関与するビタミンB2などを豊富に含みます。亜鉛が不足してしまうと嗅覚障害や免疫力の低下、うつ状態へとなりやすいとされ、それらの状態にある場合にもホタテガイは非常に有効な食べ物でもあります。

 

 

  • 2. タバコは吸わない。
    タバコを吸うと体に良くないということは周知の事実ですが、タバコは目にとってもよくありません。喫煙は、目を含む全身の細胞の酸化につながり、抗酸化作用のある体内のビタミンCも大量に消費してしまいます。
    また、血管を収縮させて全身の血流量の低下にもつながります。

 

 

  • 3.目薬に頼りすぎない
    目に異物が入った時などたまに目薬を使用することは問題ありませんが、点眼が習慣化してしまうと体外からの細菌などの侵入物を撃退する力が弱まってしまいます。細菌への防御反応が低下して細菌が繁殖しやすくなってしまいます。またドライアイなどの方で涙の成分が入っている目薬を多用されている方も注意が必要です。習慣化してしまうと目が本来持っている涙を作るという機能も低下してしまいさらにドライアイが進んでしまう可能性もあります。

 

患者さんからよくある質問

Q.目に鍼を刺すのですか?

A.
眼球自体に鍼を刺すことはしません。また眼窩内に鍼を刺入する方法もありますが、眼球を傷つけて炎症を起こす危険性もあるので当院では行っておりません。しかし、目の周りに鍼灸施術を行うことにより眼窩内の施術と同じような効果が得られます。

Q.コンタクトはつけたままで大丈夫ですか?

A.
眼球自体には鍼を刺入することはありませんのでコンタクトレンズをつけたままでも大丈夫です。まぶたを閉じたままでまぶたの上から温めるお灸をすることもありますが、強く抑えたりすることもありません。

Q.治療の頻度はどれくらいですか?

A.
症状の強さや患っている期間によってもかわってきます。基本的に3か月以上の慢性的な症状となってしまっている場合には治療期間も長くなり、1週間に1度程度の治療間隔をお勧めしています。逆にここ1,2週間の目の疲れなどの場合は2~3回程度の治療を3~4日おきの頻度で治療させていただくことをお勧めしています。

Q.効果はどれくらい見込めますか?

A.
個人差があります。2,3回程度の治療でパソコンなどのデスクワークで目が疲れなくなったという方や2か月の治療でようやく効果が見られるようになってきたという方もいらっしゃいます。日常生活での行動も大切になってきます。目を休めずに酷使ばかりしているとやはり目は疲れてきてしまいます。治療と並行して上記の生活上での注意点を実践してください。

 

 

執筆者

清水大地

眼精疲労専門の鍼灸師

資格
はり師
きゅう師

2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む

2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立

2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院

2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院

2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院

老人性(高齢者)うつに対する鍼灸治療

土曜日, 7月 26th, 2025

うつ病とは

うつ病は、しばしば『心の風』などと呼ばれるため、人間性の問題のように勘違いされますが、『心の弱さ』や『気持ちの問題』などで起こる病気ではありません。

うつ病は、脳内の神経伝達物質の機能異常によって起こる病気であり適切な治療が必要になります。

そのため、精神論や根性論といったものでどうにかなるものでもないのです。

うつ病の状態とは

人はうつ病になるとなにをしても楽しめないといった精神状態になり、一日中気分が強く落ち込み、食欲不振、不眠、疲れやすい、身体がだるいなどの身体症状が現れます。

ひどくなると日常生活にも支障をきたすため、治療が必要な病気で、気分障害のひとつになります。

 

うつ病の原因とは

うつ病のきっかけに最もなりやすいのは『環境要因』が深く関係しています。

家族や親しい人など大切な人の死や離別、仕事や財産、健康などの大切なものを失う事や、人間関係のトラブル、家庭内のトラブル、職場や家庭での変化などが要因となります。

また最近では、ペットが亡くなりペットロスからうつ病になるケースも少なくありません。

様々なストレスにより人は誰でも、『どうも気分がすぐれない、やる気ぐ起きない』などと言うことはありますが、そうした状態はほとんどの場合、時間の経過やちょっとしたきっかけで回復していきます。

ところがうつ病の場合は、憂うつな気分が長く続き、いつもイライラや不安を感じ、何をするにもやる気になれず、何もかもどうにでも良くなり、死んでしまいたいと考えるようになったりもします。

 

高齢者はうつになりやすい?

中年以降は、初老期から老年期にかけては『うつ病になりやすい因子』が増えてくる時期と言われています。

原因のひとつは体調の変化によるものです。つまり、さまざまな病気にかかりそれが慢性化しやすいといったことが考えられます。

年を重ねるごとに疲れやすくなったり、疲れがなかなか取れなかったり、また物忘れや物覚えが悪くなったりしますが、そうしたことが以前との違いを実感してしまい、高齢者のうつ病の引き金になります。実際に身体のあちらこちらに不調が生じるようになるのもこの時期です。

さらには、高齢者になると、仕事を退職したり、子どもの独立や配偶者や親しい人の死別などにより、より大きな喪失感に襲われることになり、こうした大きな悲しみや寂しさからうつ病になることもあります。

こうした高齢者のうつ病は、『老人性うつ病』と呼ばれます。

 

老人性うつ病の特徴

老人性うつ病の特徴は、多くの場合、生きがいや興味の消失、漠然とした不安感や焦燥感などが主な症状です。

また、これらの精神症状より、不眠(過眠も含む)、食欲不振(過食も含む)めまい極度の疲労感などの身体症状を強く訴える場合もあります。

うつ病患者では脳内の神経伝達物質である、セロトニンやノルアドレナリンの量が減少し情報伝達がスムーズに行われていないことが分かっています。

つまり、うつ病は脳内の神経伝達物質の働きぐ悪くなっていることから起こる疾患と言うことになります。

また、高齢者に限らず、うつ病症状は朝や午前中に酷く現れ、午後から夕方にかけて改善していくことが多く見られます。

 

認知症との違い

認知症の場合は、発症のきっかけとなる出来事が分かりづらく、気がついたら進行していたと行く事も少なくありません。それほどゆっくりと進行していき、初期症状としては、『性格の変化や記憶障害』が主症状となります。

一日のなかで調子の波は少なく、人によっては攻撃的になることもあります。

認知症の場合、記憶障害が目立つようになり周囲が気づくことも多いですが、老人性うつ病の場合でも記憶障害は起こることがあります。しかし大きな違いは、老人性うつ病の場合は記憶障害があることに自覚があり、自ら訴える事ができます。認知症の場合は、忘れているという自覚がなく、指摘されると取り繕ってカバーしようとする傾向にあります。

脳疲労の首肩治療

病院での治療

老人性のうつの治療は、薬物療法精神療法環境調整の3つを軸として治療を行います。

薬物療法

老人性うつに限らず、その人に合った抗うつ剤などが処方され経過をみます。しかし、高齢者の場合には他の服用中の薬との相性もあるため、人によっては他の治療法で進めていくことも多いです。

精神療法

医療従事者が行うカウンセリングを通して改善を目指す方法で、薬物療法と併用して行われることもあります。

カウンセリングの注意点としては、本人の訴えることを否定しない、励まさないなどです。人によって適した関わり方は異なるため、家族や周囲の人の接し方などについては、医師のアドバイスをもらった上で行うと安心です。

環境調整

1人でいる時間が多い場合や孤独感の中にいる方は「人との関わりの時間を増やす」「体を動かす機会を作る」「外出することで気持ちを外に向ける」など、他者や他のものとの関わりをつくることが大切です。

 

老人性うつ病に対する当院の治療法

老人性うつ病の多くは心身にかかるストレスが原因と考えられています。

人はストレスを感じたり、過労が続くと、自律神経のバランスがくずれてしまい、自律神経の乱れから、倦怠感や動悸、不眠、めまいなど様々な症状が現れ、これらの症状はうつ病を悪化させてしまう要因にもなります。

そのため、当院では自律神経測定器を用いて自律神経の状態を測定して治療します。うつ病の方の場合、自律神経の状態もその日によってかなり変化していきます。自律神経測定でこまめに測定して、現在の自律神経の状態を把握する事は、うつ病治療においてとても重要です。

そして測定結果を元に、お一人お一人に合ったオーダーメイドの治療をします。また、東洋医学の治療法と自律神経療法を組み合わせることでより治療効果を高めることができます。

鍼灸治療は自律神経を整えるのにとても優れた治療法です。

自律神経を整える経穴やストレス解消の特効穴を用いて、脳内の伝達物質(ホルモン分泌)に働きかけるのと同時に、心身の負担を軽減させ、症状改善を目指します。

また、自律神経のバランスを整える事で身体の過緊張を緩和し、血行を促進して症状を改善し、再発や悪化を防ぎます。

老人性うつ病の症状でお悩みの方は、東京α鍼灸院へお越しください。

 

ただれ目(眼瞼縁炎)の鍼灸治療

金曜日, 7月 25th, 2025

ただれ目とは

 

まぶたやまつ毛の根元付近、おもに目頭や目尻に炎症が起こり、皮膚が赤く腫れたりただれて、発疹ができたりします

細菌やウイルスによる感染性と、かぶれやアレルギー反応などの非感染性の2種類に分かれ、原因がウイルスなどの感染性のものは痛みを感じ、アレルギー性の非感染性のものは痒みを感じます。また、かゆみが強いため、お子さんや目を触る癖がある方は自分でかいたり触ったりしてしまい、さらに炎症を強めることが多いです。そしてかいてしまうと、ヒリヒリとした痛みを生じます。

また、光に敏感になり、目の中に異物感を感じたり、重症化して炎症の範囲が広がってしまうと、逆さまつげ(まつ毛が目のほうに向かって生える病気)になりまつげが目を傷つけて痛みを生じたり、まつげ抜け落ちる、まつ毛の脱毛が起こります。

 

病院での治療方法

治療法としては、感染性の場合は、原因菌やウイルスに対する抗生物質や抗ウイルス薬による治療を行い、点眼や眼軟こうを使用します。非感染性のアレルギー性の場合には、ステロイドの眼軟こうを用いて、炎症を鎮め、アレルギーの原因物質を避け、取り除く事が第一に大切になってきます。また、痒みなどの症状が強い場合は、抗ヒスタミン剤を内服する場合もあります。感染性と非感染性のどちらにおいても、患部やその周辺を清潔に保つことがとても重要になります。

 

病院での検査・診断

視診や細菌検査で原因菌を調べ、パッチテストによるアレルギー反応をみて原因の特定を行います。

予防法

眼瞼炎を繰り返し発症する人の多くは、汚い手で目をこすったり無意識にまぶたや目の周辺に触る人が多いと考えられています。そのため、日頃から手洗いをしっかりと行い、必要以上に目元に触れないよう心がけることが大切です。

また、コンタクトレンズの着脱時や、付けまつげ、アイメイク時に清潔に保つことも重要になります。

 

東洋医学の考え方

東洋医学では、五臓六腑のと深く関係すると考えます。そして肝は目に開竅すると言われているので、目の疾患は肝の機能障害が深く影響していると考えられています。そのため、目の症状には肝の機能を良くする事が大切です。

また、肝はストレスに弱い性質を持ちます。これは自律神経との関係も深いと考えられ、肝の機能を高めるように治療することが重要になります。

【肝陰虚】・【肝陽上亢】

過度な緊張や疲労、ストレスを抱えると肝陽が上り熱証がみられます。

過度なストレスや疲労により肝の陰陽のバランスが崩れ、肝の陽気の過亢進がおこり、その後次第に陰液を消耗して肝陽が頭の方に上がっていきます。陰液が不足してしまい、肝陽を抑える事ができないので肝陽が上ってしまい、目の炎症充血を起こすと考えられているからです。

症状としては、顔面部や頭部に症状が現れやすく目の充血、炎症、など目の疾患とほてり、めまい、ふらつき、高血圧、頭痛、自律神経失調症などがあります。

ただれ目の鍼灸治療症例

症例 1
50代 男性

緑内障のため点眼薬を20年ほど使用している。眼圧は安定しているが、点眼薬の副作用により眼瞼縁炎が右目下のまぶたの縁にある。かゆみや痛みは感じないが、見た目が気になっている。

施術

緑内障の点眼薬では、眼瞼縁炎の副作用がでることがよくあります。

眼の循環改善や炎症を抑えることを目的に、目の周りのツボに鍼通電刺激を加えていきました。

身体の免疫力や治癒力を上げるため、全身的な自律神経施術も同時に行いました。

治療経過

治療頻度は1週間に1回。

初回では赤くただれていたところが、治療を重ねるごとに治っていきました。10回目の治療が過ぎたころには炎症はだいぶ治まり、ただれが無くなり、赤みが薄っすら残る程度にまでなりました。

緑内障の進行予防のため、通院中。

 

ただれ目の当院での鍼灸治療

当院の眼瞼縁炎に対する施術目的は、第一に目の周辺のツボに鍼やお灸の刺激を与え、抗炎症作用を促し自然治癒力を促進します

また、眼瞼縁炎は五臓六腑の「肝」に深く関係しているので、肝に関する経穴を用いて肝血を補うことや「肝気」の巡りをよくします。また肝の陽気が過亢進して頭の方へのぼっていくことで眼瞼縁炎の症状を起こしているとも考えられるので肝の陽気を抑え、なおかつ下げる治療もする必要があります。風熱の邪気によって引き起こされる場合はそれらを体外に出す施術が必要になります。

そして、眼瞼縁炎は、アレルギーや細菌、ウイルスなどによる感染が原因と考えられることが多く、根本に免疫力の低下や自律神経の乱れがあり、それが原因となり起こる場合もあります。そのため、当院では、自律神経の状態を把握した上で施術させていただき、全身の自律神経のバランスも調整します。

自律神経は免疫力にも深く関係しており、疲労の蓄積過度なストレス生活習慣の乱れなどからバランスが崩れると免疫力が低下し、細菌やウイルスに感染しやすくなります。また、自律神経は全身の血行や皮脂分泌の調節にも関わっている為、自律神経を整えることはとても大切になっていきます。

そして首や肩周りには眼周辺に注ぐ血管や眼の症状に効くツボがあるため、首肩周辺の筋緊張は血液循環を妨げ影響を与えるため、首肩の治療も行います。そして、眼瞼縁炎の治療に対してお灸治療も用います。目の周りにお灸をいたしますが、痕などは残らず心地よいお灸を施しますのでご安心ください。

 

免疫力の向上

身体の免疫力が落ちていない状態であれば目に細菌やウイルスが触れても感染する可能性は低くなります。しかし、高齢者や他の治療を行っていて免疫力が低下している方などは感染しやすい状態になりますので、注意が必要です。

バランスのとれた食事良質な睡眠適度な運動生活習慣を整え免疫力の向上に繋がるのでとても大切です。

 

自律神経の治療

自律神経は、無意識下で働く神経です。中枢は脳にありストレスの影響を受けやすいため乱れる原因は様々です

当院では、自律神経測定器で血管の状態や自律神経の交感神経と副交感神経のバランス、疲労度、ストレス度などを測定をし、お身体の状態を診ていきます。このデータを元にその方その方に合ったオーダーメイドの治療を行います

血管は自律神経の作用を受けるため、自律神経を整える事は全身だけでなく眼周辺の血液循環も良くなると考えます。また、自律神経を整えることで、自然治癒力を最大限に得ることができるので自律神経治療はとても重要です

自律神経のバランスを整える事で、筋肉の緊張を緩和し、血行を促進して症状を改善し、再発や悪化を防いでくれます

眼瞼縁炎やただれ目など目の症状でお悩みの方は、東京α鍼灸院へお越しください。

 

 

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