東洋医学では、その部分だけでなく体全体のバランスを診て治療をすることが特徴の一つです。美眼鍼灸においても目ばかりでなく体全体を診て治療をして行くことがとても重要です。目の症状だけが出ている人は、ほぼいません。その他首肩であったり、内臓などに不調が出ている方がほとんどです。
問診
目の症状ばかりでなく、身体全体の不調についても詳しく問診していきます。また、生活習慣や仕事を行っている時の姿勢など原因がどこにあるのか様々な角度から問診していきます。
自律神経測定器
当院では、自律神経の状態を把握することが様々な治療において重要だと考えています。美顔鍼灸施術においても自律神経の状態を計測することはとても重要です。
うつ伏せ治療
背中には五臓六腑の働きを整える上で重要な背部兪穴という重要な経穴が存在します。また、多くの方が長時間の事務作業などで首肩のコリが強いです首肩の筋緊張が強いと、首から上の血流が滞りやすく、顔面部にも栄養ある血液が行き渡らなくなってしまいます。
うつ伏せ治療で背部兪穴を刺激して五臓六腑を調整し、首肩の筋緊張をとることで顔面部の血流を改善していきます。
仰向け治療
次に仰向けになっていただき、目の周りの治療と手足やお腹の重要な五臓六腑の経穴を使用して全体のバランス治療・自律神経調整治療を行っていきます。全体のバランス調整・自律神経調整・首肩の筋緊張の緩和も併せて目の周りの鍼灸治療を行うことで身体の根本から症状の解決を行っていきます。
最近、目尻のシワ・まぶたが重い・目の下のクマなど、眼の美容にお困りの方はぜひ一度当院の美顔鍼灸施術を受けてください。
美容鍼灸コース・・・8,900円
お得な5回分回数券 ・・・40,940円(8%off)
お得な10回分回数券 ・・・80,100円(10%off)
眼精疲労で目の下のクマやシワができる
目の下にクマやシワができる原因は主に皮膚の乾燥と筋肉のコリや硬さが挙げられます。
まず目元の表面部分の皮膚に注目します。目元に皮膚は他の皮膚よりも薄くとてもデリケートな部分で尚且つ皮脂が少なく乾燥がしやすい箇所なのです。
そして細かい血管が張り巡らされているため周りの筋肉の疲労などで疲労物質が溜まりやすくなったり、血流が悪くなりやすい部分なのです。血流が悪く静脈が滞ってしまうとうっ血状態となり目のクマとして表面化します。
目の周囲には眼輪筋といいまして顔の表情を形成する表情筋という筋肉があります。現代人に多いのが近くの物を注視するあまり眼輪筋の緊張状態が長く続いてしまって気づかないうちに疲労しています。
また、肌の乾燥が原因で細かいシワができることがあります。目の下に限らず皮膚がアトピー性皮膚炎などで炎症状態にあるときは細かいシワが目立ちます。逆に赤ちゃんなど肌にうるおいがあるとシワはありません。
目の下やクマやシワは老けて見られるばかりでなく、相手に疲れている印象を与えていい印象を持たれない場合が多いです。
40代 女性 パソコン業務
最近、仕事が忙しく残業で夜遅くまで仕事をしていることが続いていた。睡眠時間も4時間程度で朝になると目の下のくまができて一日中消えずに化粧をする時にとても気になっていた。
夕方から夜にかけてパソコン画面を見ているとまぶたも重たく感じてきて目を開けているのもつらくなり、頭痛や首肩の痛みも強くなった。
少し仕事も落ち着いてきて目のつらさも軽減してくるかと思っていたらなかなか軽減されないため当院にご来院された。
治療
しっかりと問診したうえで自律神経の状態を計測していきました。自律神経が乱れてくると目の周りの血液循環の悪化やまぶたを上げる筋肉の異常にも繋がりかねません。当院では目の症状の方に関しましては必ず自律神経測定器で自律神経の状態を計測していきます。
この方の場合も交感神経の活動が非常に高い状態で副交感神経の活動が低下している状態でした。身体の疲れも取りきれずに朝から体が重い状態とのこと。
まず自律神経の状態を整えてから目の周りの血液循環の改善・筋緊張の緩和を目的に治療していきました。睡眠は身体が回復していく上でやはりとても重要な項目となります。睡眠の質を改善治療にも力を入れて施術していきます。
治療経過
◇1回目◇
治療後、睡眠が深く取れたような気がして朝すっきりした感じがした
◇2~4回目◇
以前感じていた夕方から夜かけて感じる目のつらさが感じにくくなってきた。
◇5回目◇
お化粧をする際に目の下のクマもだいぶ薄くなってきた感じる。
◇6~8回目◇
仕事が忙しく夜遅くまで仕事をしていると翌朝目の下のクマが気になるがそれ以外は気にならなくなった。
症例2
50代 女性
業務中は常にパソコンに向かっており、慢性的な眼精疲労がある。また、何十年と不眠に悩んでおり、眼の下にクマが常にある状態が続いている。
画面を見ると自然と眼がチカチカしてしまうようになり、最近では外に出るときや室内の明るい蛍光灯の光でも眼が痛くなってしまうようになった。
また、眼に症状がでてから眼の周りの肌も荒れてクマの状態も悪化した。コンシーラーで隠せないくらい濃い色になってきたので、眼の症状と一緒に治してもらえるならやって欲しい。
もともと通っていたマッサージの店があったが、眼の周りはやってもらえず色々ネットで検索してこの鍼灸院を見つけて来院。
鍼は初めてだが、眼が楽になるなら痛いのは我慢できる。
当院の治療
自律神経測定器で計測したところ、活動的になる日中のお時間ですが夕方から夜に優位になる副交感神経が優位になっていました。
このような結果ですと、日中は眠気や身体のだるさ、やる気が出ない等の状態になり、夜間は逆に神経が高ぶって眠れないような状態になることが多いです。
また、触診では眼の周りの筋肉だけではなく首、肩、肩甲骨の筋肉も筋緊張が強くでていました。
そのため、筋緊張を緩めるために血行促進と筋疲労の回復を目的とした治療と、自律神経の調節の治療を行いました。
また、眼のクマが色素沈着になってしまった箇所は鍼のみでは難しいですが、色素沈着になっていない部分に関してはお灸や鍼での血行促進で治療を行いました。
治療経過
◇1回目◇
気づいたら眠っていた。リラックスできた。
◇2~7回目◇
治療した時から数日間は調子が良いが、すぐに元に戻ってしまう。
◇8回目◇
仕事中の画面はまだ眼が痛くなるが、通勤中に眩しさが気にならなくなってきた。
◇9~13回目◇
外出した時の眩しさはほぼ気にならない。クマの色が薄くなり、ひとまわり小さくなった。
◇14~19回目◇
画面を見ても眼に痛みが出にくくなった。仕事がかなり楽になり嬉しい。
◇20回目◇
治療頻度をおとして今後はメンテナンスとして通う。
東洋医学でいいますと目は五臓六腑の『肝』に深いかかわりがあると考えられています。肝が視覚系の調節をしていると言われているのです。
その他の肝の機能として
・肝は疏泄を主る
疏泄とは隅々まで機能を通行させることです。肝はその役割を担っています。具体的には、情緒を安定させて精神状態を平静に保つことと、自律神経系を介して全身の各機能を異常なく作用させることにあたります。
・肝は血を蔵する
肝が血を貯蔵して必要に応じて各器官に供給や消費をしています。具体的には、自律神経系を介して血管を収縮・弛緩させることで各器官の血流量を調節することを指します。
・肝は筋を主る
肝は筋肉に作用して、緊張や弛緩をさせることで筋肉の運動を調節しています。また、筋肉への血流や神経系を通して運動の調整もしています。
などがあります。肝は目に深い関係があるばかりでなく、身体の血流や各器官の運動に深くかかわっており、とても大切な五臓の一つだとわかります。
この肝に不調が起きてしまうと、美容の面から見ても、血流が悪くなり、筋肉の運動も悪くなるため、シワやしみの原因となってしまう可能性があります。
パソコンやスマートフォンなどの普及により、目に対する環境は悪化の一途をたどっています。
それにより、眼精疲労やドライアイ、眼瞼下垂などの様々な目の症状に多くの方が悩まされています。美容の面においてもこのような目に対する環境の悪化は影響を与えて
・目の周りの血色が悪い
・すぐ目の下にクマができる
・まぶたが下がる
・目尻にしわができる
・目の下たるみ
などの症状が起こりやすくなってしまいます。
長時間パソコンやスマホを見ていると、近くに焦点を合わせるために目のピントを合わせる毛様体筋など目の周りの筋肉が緊張状態をおこして、それが長時間続いてしまうと血流が悪くなってしまいます。
すると、栄養が筋肉などの器官に行き届かなくなり、老廃物質も溜まりやすくなります。
筋肉に栄養が行き渡らなくなる結果、眼瞼下垂や目尻のしわなどの状態や血流が滞ってしまうため目の周りの循環が悪くなっていまい目の下のクマや目の周りの血色が悪くなってしまうのです。
眼瞼下垂とは、上のまぶたが何らかの原因で開けづらくなってしまう病態です。
眼瞼下垂の原因は先天性や後天性など様々なものがあります。ここでは、後天性の眼瞼下垂について簡単に説明させていただきます。
まず、まぶたを上げる筋肉は主に二つあり、上眼瞼挙筋とミュラー筋という筋肉があります。上眼瞼挙筋は脳神経の一つである動眼神経によって支配されており、上眼瞼挙筋の他に毛様体筋に作用して水晶体の厚みを変えることでピントを合わせる役割もあります。
よって動眼神経が外傷など様々な要因で麻痺してしまうと眼瞼下垂の原因となります。そのような原因の場合、目の半分以上がまぶたで隠れてしまい、視界がかなり狭くなる場合があります。他人が見ても顕著に下垂がわかります。
もう一方のミュラー筋は、自律神経のよって支配されており、まぶたを上げる動作において上眼瞼挙筋の補助的な役割のある筋肉です。
最近、増えているのがこのミュラー筋の機能低下により起こる眼瞼下垂だと考えられます。ストレスの多い現代では、自律神経が乱れがちの方が非常に多いです。自律神経の乱れが自律神経支配であるミュラー筋に影響を与えてまぶたを上に上げにくくさせているのです。自律神経失調症やうつ病の方もまぶたが開けづらく、常に眠たそうな顔になってしまう方も非常に多いです。
またパソコンなどで目の周りの血流不足や筋疲労などでさらにミュラー筋や上眼瞼挙筋に栄養が行き渡りにくい環境となり、眼瞼下垂の症状を加速させているのです。
眼瞼下垂は目の症状ばかりでなく、頭痛や首肩痛の原因にもなります。まぶたを上に持ち上がりにくいため、それをおでこの前頭筋という筋肉で補おうとしたり、顎を上げて視界を確保しようとするのです。すると、前頭筋が過緊張状態となり緊張性頭痛の原因となったり、顎を上げることで頸肩部が圧迫されて首肩部の痛みの原因となるのです。
眼瞼下垂は、現代のパソコンやスマホ環境の中で最近増えてきた疾患の一つで、目がパッチリと開きにくい等美容の観点からもとても大きな影響を与えると考えられています。
手湿疹とは、外的な刺激やアレルゲンに触れることで手に生じる湿疹のことです。接触性皮膚炎の一種で、皮むけやひび割れ、紅斑や丘疹、水疱などさまざまな皮疹がみられるのが特徴です。
手湿疹は、慢性的な刺激が加わったり、長期間アレルゲンに触れることで慢性の接触性皮膚炎になり、痒みや炎症が続くことで、手の皮膚が肥厚して硬くなり苔癬化を生じます。
苔癬化する原因は主に、痒みからくる掻き壊しです。掻いた刺激により更にかゆみを増幅させてしまうため、また掻いてしまうという悪循環が起こり、慢性的に掻き壊しが続いた結果、象の皮膚のように固くごわごわした皮膚になってしまいます。
そして皮膚の一部は、炎症を伴う紅斑や丘疹などの急性の症状も現れるため、さまざまな皮疹の症状が混在した状態となります。
また、手湿疹は職業病としても頻度が高い症状です。
特に理容師、美容師、調理師、看護師、医療関係の方に多くみられます。これらの職種は、薬液や消毒液などに晒される機会も多く、手指消毒や手洗いなどの回数も多いため、このような外的刺激が発症の誘因であると考えられています。
手湿疹は女性に多いとされていますが、これは女性のほうがこれらの仕事の場以外にも家事などさまざまな刺激を受けやすいためです。このように、手湿疹は水仕事などの多い家事を行う主婦にも多くみられることから、主婦湿疹と呼ばれることもあります。
手湿疹の主な原因は、物理的・科学的な刺激、ストレスなど内的要因、アレルギー反応、アトピー性皮膚炎に分けられます。
【物理的・科学的な刺激】
手湿疹の約70%はこの物理的・科学的な刺激によるものが原因であると考えられています。
薬液や洗剤などの刺激が皮膚に直接ダメージを与え、手湿疹を引き起こします。主に、利き手の指先や爪まわりなどから皮疹が現れ、手全体に広がっていきます。
皮膚症状は、軽度な紅斑や乾燥からはじまり、長期的な刺激や短期間でも強い刺激が加わった場合には水疱を生じ、強い痒みを引き起こします。炎症が慢性化すると皮膚が乾燥した状態で肥厚し、指先などを中心に皮膚に亀裂がはいるようになります。
【ストレスなど内的要因によるもの】
過労やストレスなどにより手湿疹を引き起こします。
最初の症状が軽いものであっても、強いかゆみを伴うものであったり、精神的に強いストレスを感じてしまうことで、無意識のうちに手を掻きむしってしまう事があります。
その結果、手荒れを悪化させる原因となり手湿疹を悪化させてしまいます。
【アレルギーによるもの】
アレルゲンは、花粉やハウスダストよりも金属やゴム製品、洗剤、などの化学物質である事が多く、指先、指の間や側面など、アレルゲンが残りやすいところに症状が現れるのが特徴です。
また、ハウスダストやダニ、ペットなどによるタンパク質をメインとしたアレルゲンに触れた場合は、物理的・化学的刺激で生じる湿疹よりも重度なことが多く、即時型アレルギーによって蕁麻疹が現れます。通常、蕁麻疹はアレルゲンが除去されると数時間で自然に寛解するものですが、繰り返しアレルゲンに触れ蕁麻疹の発症を繰り返すことで、掻いた部分を中心に湿疹が生じます。
【アトピー性皮膚炎】
アトピー性皮膚炎では、皮膚のバリア機能が低下するため、水仕事などで荒れた手に炎症を起こしやすくなります。主に手の甲に広範囲、かつ重度な苔癬化を伴う紅斑や水疱、丘疹などが見られます。また、外的な刺激に弱く悪化しやすいのが特徴です。
★皮膚の表面にある角質の層は、皮脂膜に覆われています。 この皮脂膜は外から刺激物が侵入するのを防ぎ、水分を保つ“皮膚のバリア機能”を担っていますが、度重なる水仕事やアルコール消毒、摩擦や刺激によってバリア機能が低下し、角層のなかの水分が蒸発してしまいます。その為、乾燥しやすい季節には手指の保湿ケアが大切になってきます。
手湿疹に対する治療には主に外用薬と内服薬が用いられます。
外用薬は皮膚の炎症を抑えるためのステロイド軟膏や、皮膚を保湿するための保湿剤などが使用されます。
ステロイドの外用薬は皮膚の炎症を抑える効果がありますが根本から治す効果はなく、また漫然と使用を続けると皮膚が薄くなったり、細菌・真菌感染を起こしやすくなったりするので使用には医師の診断と注意が必要です。
また、アレルゲンが原因の手湿疹では、抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤などの内服治療が行われます。これらの内服薬は湿疹による痒みを改善する効果があり、皮膚を掻きむしることで起こる湿疹の悪化を防ぐこともできます。
また、手湿疹を治すには、原因となる外的な刺激やストレス、アレルゲンを避け、刺激を与えないようにすることが重要です。
東洋医学ではアレルギー症状の原因は、水分の代謝障害『水滞』または『水毒』と考えられています。
普段から冷たい飲食物を摂りすぎていたり、過労やストレス、または虚弱体質のなどが原因となり胃腸の働きが弱まり、消化吸収が低下すると飲食物がしっかりと吸収されずに体内にとどまってしまいます。
この余分な水分が浮腫みとなり、体の生理機能の低下を起こし、アレルギーを引き起こすのです。
また、アレルギー反応は免疫機能の異常とも考えられるため、免疫機能をつかさどる自律神経の乱れが原因で起きると考えられます。
自律神経はストレスや過労、温度差や不規則な生活などが主な原因となり乱れてしまいます。
当院には自律神経測定器があり、この測定器では交感神経と副交感神経のバランスや肉体的・精神的ストレスなども測る事ができます。測定結果を元に、お一人お一人に合ったオーダーメイドの治療をします。そして、東洋医学の治療法と自律神経療法を組み合わせることでより治療効果を高めることができます。
鍼灸治療は自律神経を整えるのにとても優れた治療法です。自律神経を整える経穴やストレス解消、アレルギーに対しての特効穴を用いて症状改善を目指します。また、痒みやひび割れによる痛みがある局所にも鍼とお灸を用いて症状の緩和を促します。
鍼灸治療で自然治癒力を高め、自律神経のバランスを整える事で心身の過緊張を緩和し、血行を促進して症状を改善し、症状の再発や悪化を防ぎます。
手湿疹の症状でお悩みの方は、東京α鍼灸院へお越しください。
非定型顔面痛は、自律神経の状態が深く関係していると考えています。
自律神経のバランスが崩れると血行不良や神経伝達の不具合などで痛みを感じやすくなってしまいます。その痛みが更なるストレスをまねいて自律神経をさらに乱す原因となってしまうのです。その負のスパイラルを鍼灸施術で取り除いていきます。
そのため、初診時に自律神経測定器で自律神経の状態を測定していきます。そしてその方に合わせた自律神経調整施術を行っていきます。
また、顔面部の痛みが出ている部分・周囲にもアプローチしていきます。痛みが強く出ている部分には、鍼通電療法を行っていく場合もございます。刺した鍼に電気を流すことで鎮痛効果がより一層高まります。
その他、東洋医学的観点より施術を行っていきます。東洋医学では局所的な痛みは気血の滞りや病邪の侵入が原因と考えられています。よって顔面部の気血の滞りの解消や病邪を体外に排出しやすくするよう施術していきます。
非定型顔面痛とは、三叉神経痛以外の顔面神経痛のことを指します。原因は、詳しく特定されておらず、薬物療法も確立されていないため症状が慢性化しやすく常に顔面部のうずくような痛みや締め付けられる痛みに悩まさされる疾患です。
顔面部の感覚を支配する神経を『三叉神経』といいます。三叉神経は第五脳神経で脳神経であり、脳神経の中でも一番太い神経です。顔面部の感覚を脳に伝える重要な神経で顔面部の痛みが発生した場合まず三叉神経が原因で痛みを発症している三叉神経痛を疑います。
三叉神経は、顔面部で3つの主要な枝に分岐しています。第一枝は目の上の上眼かれつを出て前頭部やまぶた、鼻周囲の知覚を主っています。第二枝は正円孔から出て上あご全体の伸びて歯茎や上唇、頬、下まぶた副鼻腔の部分の知覚を支配しています。第三枝は卵円孔を出て下あご全体に分布して歯茎や下唇、頬下から首にかけて外耳部分の知覚も主っています。
三叉神経痛の特徴は、突き刺すようなズキッと激しい痛みが電気の走ったように突然襲われることです。痛みの程度がきつい場合、精神的な負担もおもく、それが原因でうつ病や不眠症などの精神的な疾患にも繋がりかねません。
三叉神経痛は日常な様々な動作で発言する可能性があり、洗顔時や化粧時、ひげをそっている時など顔面部に何らかの刺激が加わっている時に突発的に長くても週十秒程度激しい痛みが出ます。このように三叉神経痛の痛みは顔面部特に痛みが強く出る部分に触ると痛みが誘発されることが特徴です。
また三叉神経は3つに分かれていることを上記で述べましたが痛みが出る領域にも特徴があり、第一枝~第三枝の支配領域でそれぞれ痛みが出ると三叉神経痛による顔面痛の場合がほとんどです。1枝だけでなく2枝にわたって痛みが出る場合もまれにありますが、第一枝と第三枝が同時に起こる場合はなく、第一枝と第二枝・第二枝と第三枝の組み合わせで痛みが起こります。
顔面部の感覚神経は、三叉神経であることは上記で説明しました。三叉神経痛は顔面部の痛みで最もポピュラーな疾患ですが、このほかにも様々な疾患が原因で顔面部に痛みを発症します。
・副鼻腔炎
副鼻腔は鼻周囲、前頭部や眉間部分にも広がっており、副鼻腔炎によってその部分が炎症が起きると痛みがでます。その場合、鼻づまりや鼻閉などの鼻の不調が併発します。
・帯状疱疹後神経痛
帯状疱疹は体内に潜伏していたヘルペスウイルスが体の免疫力の低下などによって活発化して皮膚上に出てくる疾患です。水ぼうそうのような小さな水膨れが出た後にかさぶたとなります。水ぼうそうが神経の走行上に出ることが特徴でその際に強い痛みも出ます。顔面部にも帯状疱疹が起こることがあり、水ぼうそうやかさぶた治っても痛みだけが残ることがあります。
・顎関節症
顎関節が使いすぎや突発した動きなどによって炎症を起こすと頬部やあごに痛みが出ます。
・群発性頭痛
群発性頭痛は目の周囲がえぐられるような強い痛みが出ることが特徴です。激しい痛みで三叉神経痛と痛みが似ている部分もありますが、群発性頭痛は発作時間が1~2時間程度と三叉神経よりも痛みの持続時間が長いこと、体を動かすと痛みまぎれることが特徴です。その他群発性頭痛は、目の充血や流涙などの自律神経症状も併発することがあります。
上記のようなに痛みが特定できる顔面痛のほかにもいろいろな診療科で受診しても原因が特定できない顔面痛も少なくありません。
そのような場合を『非特定顔面痛』といいます。非特定顔面痛の特徴は、ズキッと激しい痛みが走る三叉神経痛などとは異なり、締め付けられるような重い痛みが継続的に続きます。痛みの領域も神経走行に沿わずに痛みの部分も限局的ではありません。
原因は特定されていませんが、非特定顔面痛で悩まされている方の特徴は、精神的な問題を抱えてる方に多いことです。うつ病や自律神経失調症の方、睡眠障害、パニック障害の方で感情の変化や体調の悪化などによって誘発されることもあります。そのような診断を受けていない方でも仕事でのストレスや家庭内でのストレス、疲れが溜まっていたり、睡眠が不十分の場合に非特定顔面痛の症状が出る引き金となり得るのです。
非定型顔面痛は、特に原因が分かってはいませんがうつ病やパニック障害によって発症するとも考えられているため過剰なストレスをため込むなど日常生活で注意しなければならない点があります。また頸部の筋緊張も強くみられるため頸部のストレッチなど日常的にも筋が過緊張を取り除くことも重要です。
・十分な睡眠時間
睡眠時間の低下は自律神経の乱れに繋がります。疲労の蓄積や自律神経のバランスを乱して血流が悪い状態になってしまいます。日中の眠気に襲われる時は夜の睡眠時間が少なかったり、睡眠時間が足りていない証拠です。最低6時間以上の睡眠をとるようにしましょう。
・栄養バランスのとれた食事
待るべく決まった時間に1日3食の栄養バランスのとれた食事を摂るようにしましょう。生活のリズムが整い自律神経が整いやすくなります。
・適度な運動
適度な運動特に散歩や軽いジョギングなどの有酸素運動を習慣化しましょう。有酸素運動は副交感神経の活動を高めて全身の血流改善につながります。また、現代人は交感神経の活動が高すぎる方が多いです。有酸素運動を取り入れて興奮しがちな交感神経の活動を抑えるようにしましょう。
・長時間のデスクワークを避ける
長時間のデスクワークは、目の周囲の筋緊張を強める可能性があります。それが顔面部の筋緊張と繋がり痛みの原因となることもあります。定期的に休憩時間を設けて目を休めたり首をゆっくり回すことで頸部の筋緊張を緩和させましょう。
・入浴後の頸部のストレッチ
身体が温まっている時にストレッチを行うと筋肉が伸びやすくコリなどの過緊張状態を取り除くのに適しています。
・冷たい風に顔面部をさらさない
筋肉は冷えると固まりやすくなる性質があります。特に顔面部は衣服等もなく直接外気が触れる箇所でもあります。その部分に冷たい風が当たりさらに温度が低下してしまうと筋緊張が増して痛みの原因となる可能性があります。
症例
20代 女性
二週間前から左側半分の顔の痛みが気になり始めた。
痛みが起きる場所は、こめかみ、眼の周囲、頬、顎、口周りと広範囲で、日によって痛みの出る場所が変わる。痛みの種類は鈍痛で、持続的に不快な感覚がある。
病院で検査を受けたが特に異常がなく、原因ははっきりわからなかった。
普段はデスクワークで、首肩のコリや頭のコリも慢性的に気になっていた。
忙しかったり、疲れ、寝不足、ストレスがかかると顔の痛みがひどくなる傾向がある。
当院の施術
まずは現在の痛みの場所、筋肉の緊張、生活習慣や日頃のストレスの状態を細かく確認していき、状態に合わせた施術をおこなぅていきました。
非定型顔面痛は顔の筋緊張が痛みを引き起こしていることが多く、筋緊張を緩めるだけも緩和につながるため直接顔の表情筋やツボに鍼で刺激していきました。
それ以外にも首肩頭部の筋緊張や自律神経も関係しているため、首肩頭の筋緊張緩和や自律神経の調節を目的とした施術も同時に行っていきました。
経過
1回目
身体は軽くなったが、痛みはあまり変わらず。
2回目
少しだけ痛みが軽くなったような気がする。
3回目
痛みが起きる時間が少し減ったような気がする。
4回目
前回から良くも悪くもあまり変化はない。
5回目
前回より少し痛みは軽減した。
6回目~8回目
痛みが出る時間が短くなり、痛みの強さも軽減してきている。
9回目~10回目
忙しく寝不足になり、また痛みが強くなってきた。
11回目~13回目
痛みは軽くなり、違和感の感覚が増えるという変化がみられた。
14回目~17回目
痛みは軽くなり、違和感も減ってきた。
18回目~20回目
痛む頻度も減ってきており、一日で気になる時間も少なくなってきた。
21回目~23回目
ほとんど気にならなくなるまで改善した。
清水大地
資格
はり師
きゅう師
2008年
鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年
おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年
中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年
渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年
三軒茶屋α鍼灸院を開院
自律神経失調症の鍼灸治療はWHO(世界保健機構)に適応疾患として定義されています。
当院の自律神経失調症に対する施術は、第一に鍼灸治療を施すことにより全身の調整を図り、自律神経のバランスを整えます。施術をする前に自律神経測定器を用いてその時の自律神経の状態を把握してから施術致します。そうすることで的確な施術ができて他にはない施術効果が期待できます。
東洋医学では症状を局所的に診るのではなく、全体的に診ることが特徴のひとつであり、自律神経失調症などの全身性の症状を施術するのに適しているといえます。
自律神経失調症は東洋医学的に見ると「気」の不足や「気」の作用不足、「気」流れの滞りが原因で発症すると考えられているので、ハリやお灸を用いてツボを刺激することで「気」を補ったり、「気」の流れの滞りを解消させるように促します。その他自律神経失調症の患者さんでは頭痛、肩こり、慢性的な痛み、めまいなどを訴える方が少なくありません。そういった患者さんには頭痛、肩こりやめまいの解消、痛みの緩和を目的とした治療も並行して行っていきます。
当院の鍼灸治療による自律神経失調症の施術目的は、西洋医学とは異なる東洋医学の観点により少しでも自律神経失調症が回復できる機会を提供することです。自律神経失調症では、日常生活の活動が重要となってきます。施術後の日常生活の注意点などもしっかりとサポートして患者さんと共に症状改善に努めます。
自律神経測定器
症例 1
30代 男性
3か月前より仕事が急に忙しくなり、期限などにも間に合わず上司や同僚にも冷たい目で見られるようになってきた。その頃より朝動悸がしたり、肩の痛みや目の痛み、寝つきが悪い・夜中急に目を覚ましてしまうといった症状が出てきた。痛みや眠れないせいか日中は仕事に身が入らなくなり、さらに仕事が溜まるようになってきた。身体の調子もどんどん悪化してきたので心療内科を受診したところ自律神経失調症と診断された。
病院では抗不安薬や抗うつ剤などが処方されたが、改善させず鍼灸治療やマッサージなども受けてみたが一向に改善されなかった。そうこうしているうちに会社にも行けなくなり1か月のお休みをもらうことになり、当院にご来院された。
治療経過
しっかりと時間をかけて問診をしたうえで自律神経測定器で現在の自律神経の状態を測定しました。この方の場合お昼頃にもかかわらず交感神経の数値が低く逆に副交感神経が高い状態でした。自律神経の状態はその日や時間によって変化していきます。日中は活動的な時間帯ですので、本来は交感神経が高く副交感神経が低い状態が理想的です。
しかしこの方の場合は逆で日中のだるさや夜なかなか寝付けないなどの症状がこれが一つの原因だと考えられます。
◇1回目◇
自律神経調整療法を中心に痛みの強い部分の鎮痛目的に治療しました。
治療後、痛みは軽減されたがだるさや睡眠は改善されない。
◇2~4回目◇
治療して数日すると痛みが戻り、治療をするとまた改善するという状態が続く。
◇5~8回目◇
痛みはだいぶ改善されてきた。日中少しずつ外に出て活動できるようになってきた。
◇9回目◇
夜しっかり睡眠がとれて朝も早く目覚めて本などを読めるようになって規則正しい生活ができるようになってきた。
◇10~12回目◇
一か月間の休養を終えて職場に復帰された。今のところ以前のような症状は出ていないが、仕事が忙しく時間に追われるようななると肩の痛みや多少の動悸がする。そのような症状を軽減させるため現在も通院中です。
症例 2
50代 男性
1年半ほど前から動悸や不安感、首肩こり、頭の皮膚がチクチクとしびれるような感覚が起こる。仕事で大きなミスをしてしまい、そこから身体に力が入り、力を抜くことができなくなり、症状が生じるようになった。パニック発作が起こるのではないかと不安になるくらい動悸が起こり、呼吸が苦しくなり、不安感に襲われる。1ヶ月前から症状が頻繁に起こるようになり、ご来院された。
施術
自律神経測定機の結果、副交感神経が過剰に優位で、疲労度が蓄積している状態でした。長期的にストレスを感じていると、副交感神経が優位な状態が続くことがあり、自律神経の乱れが、動悸や不安感、首肩のこり、体のしびれなどを生じさせることがあります。
全身的な自律神経調整施術を行い、首肩まわりの筋緊張にはしっかりと刺激を入れ、筋緊張の緩和を図りました。
来院頻度は1週間に1度のペース。
一回目
治療後は、首肩の重さが取れていくらか楽に感じた。
二〜三回目
不安感に襲われ、胸が締め付けられるような感覚は起きたが、動悸は起こらなかった。
四回目
動悸が一度あった。頭のしびれや重さがなくなった。
五〜七回目
鍼の刺激に慣れてきたため、首肩の筋肉には鍼通電を行いました。動悸は起こらなかった。
八〜十回目
軽い不安感に襲われることが週に1回程度あったが、動悸は起こらなかった。首肩のこりが以前より解消され、身体が全体的に軽く感じる。頭のしびれは完全になくなり、重さも解消された。
自律神経失調症は、東洋医学でいう「虚証」が大きく関係していると考えられます。「虚」とは、人体にとって必要な物質や機能不足の事をいいます。虚証の中にもいろいろな種類があり、自律神経失調症は「気虚」と「陽虚」つまり中医学でいう「陽気」が不足している状態であると考えられています。
「気」は、体内を流動する精微物質のひとつであり、人体の各種の生理的機能に相当します。「気」は中医学でいう脾胃や肺によって生成され、心または肺の作用によって全身に行き渡ります。そして肝や腎の作用によって量を調節されます。「気」の基本的機能としては、生長、発育、代謝の推進、推動の維持及び体温の維持・調節、病邪の防御または排除などがあります。自律神経失調症はそういった作用を持った「気」が不足したり、流れが滞ったりすることで発症するものと考えられます。
・「気」の作用不足
「気」の作用不足による症候では臓腑の機能低下や抵抗力の減退などがあらわれ、元気が出ない、気力がない、無力感、声に力がない、動きたがらない、食欲不振、息切れなどの全身的な虚弱の症状が出ます。とりわけ心の気の不足(心気虚)では自律神経失調症の症状が出やすく、加えて不安感や胸苦しいなどの精神面または循環系の症候がよく見られます。
・「気」の流れの滞り
精神的ストレスなどにより「気」の流れが滞ると自律神経系の緊張や過亢進による症候があらわれると考えられています。とりわけ肝の気の流れが滞ると精神的な素因に関係する症状があらわれ、憂うつ感、怒りやすい、胸脇部の張った痛みなどの症状が見られます。また肝の流れが滞る状態が長く続くと、自律神経系の過亢進に伴って、頭痛、のぼせ、胸やけ、難聴、不眠などの症状をあらわします。
自律神経失調症は、うつ病に発展する場合も多く、早期の対応が求められます。
自律神経失調症とは、交感神経と副交感神経の働きのバランスが崩れることにより、身体や精神に様々な症状が現れる病気の総称です。器質的な疾患や顕著な精神障害が認められず、医学的な検査によって原因や悪い部分を特定することが困難な疾患です。
そのため、内科、耳鼻科など様々な科を受診し、ほとんど異常はないので原因がわからずにいろいろな病院を行ったり来たりする場合も少なくありません。自律神経失調症という病気は今では、最近よく耳にするようになった言葉ですが、医学的にもまだまだ確立されておらず、自律神経失調症は日本でしか使用されていない病名です。
日本心身医学会では「種々の自律神経系の不定愁訴を有し、しかも臨床検査では器質的病変が認められず、かつ顕著な精神障害のないもの」と定義されています。
自律神経とは、血管、リンパ腺、内臓などに分布しており無意識のうちに循環器系・呼吸器系・消化器系の身体機能を調節して自分の意志とは無関係で環境や状況に適応して生命活動の維持や調節を行い、絶えず活動している神経です。自律神経は、交感神経と副交感神経からなっており、絶妙なバランスをとって相互に協力し合い安定した体調管理を行っています。
交感神経
主に昼間に働く神経で代謝や消化などの生命活動を活発にする働きがある。また精神活動を促進・興奮させたり、心拍数の増加や血圧を上昇させたりする。
副交感神経
主に夜に働く神経でリラックスした安定した精神状態にあり穏やかな気持ちにする。また呼吸をゆっくりさせ、心拍数の減少や血圧を下降させたりする。
自律神経失調症の症状はあらゆる身体部位に多種多様な症状が現れてきます。自律神経は、体の各部位に分布しており、関わっている器官・機能が多岐にわたるために人によって症状に個人差が大きく、症状が単独で現れたり、2つ3つ同時に現れたりして何度も出たり消えたりします。
代表的な症状としては、体が疲れやすい・倦怠感がある・動悸や息切れがする・肩や頸部に張りを感じる・頭痛・眠れない・食欲不振・吐き気・めまいなどがあります。これらに伴い多くの場合は、精神的にも不安定になりやすく不安・緊張・過敏・抑うつなどを感じている方も少なくありません。
また自律神経失調症は女性に非常に多く発症しやすい病気で女性ホルモンのバランスの変化が大きく関係していると考えられています。
自律神経と免疫力との関係
自律神経と免疫力とは深い関係にあると言われています。精神的・肉体的ストレスなどによって自律神経のバランスに乱れが生じてしまうと免疫力が低下してしまい、外部からウィルスや細菌が容易に侵入しやすくなったり、内部ではがん細胞も増えやすくなるとも言われています。
体には、生まれたころから備わっている基本的な免疫力である自然免疫と病気に対する新しい抵抗力を身につけていく獲得免疫とがあります。それらの働きによって細菌やウィルスは容易に体内に侵入して悪さをすることができない仕組みとなっています。
しかし時に外敵がそれらの免疫を突破して体内に侵入して悪さをしようします。その際には、身体は非常事態と察知して、白血球という細胞が血液に乗って運ばれて外敵を排除する機能が働くのです。白血球には大きく分けてマクロファージ・顆粒球・リンパ球の3種類が存在してそれぞれに役割があります。
マクロファージは情報を収集しながらその他二つに指令を出して指揮をとります。顆粒球やリンパ球は、侵入してきた外敵やウィルス、がん細胞などを実際に退治する役割があります。正常に免疫を働かせて免疫力の高い状態を維持するためには白血球の3種類のバランス・比率が重要です。
マクロファージは司令部なのでそこまで多くなくてもよいですが、顆粒球やリンパ球の比率が落ちてしまいます。この白血球の比率を調整するのが自律神経の役割とも言われているため自律神経の乱れによる自律神経の不調は免疫力にも影響を与えてしまうのです。
自律神経失調症は自律神経の交感神経と副交感神経の働きのバランスが崩れることにより、身体や精神のバランスが崩れて多種多様な症状が現れる病気です。
交感神経と副交感神経は、絶妙なバランスをとってお互いに協力し合って安定した体調や心理状態を維持しています。しかし、何らかの原因によりどちらかの神経が過剰に働いたり、働きが弱くなり過ぎることによって自律神経失調症の症状が現れてくることになります。
自律神経が乱れる原因や身体症状・精神症状などにより自律神経失調症は、4つのグループに分類されます。
ⅰ)本態性型自律神経失調症
遺伝的素因によって、幼少期から自律神経のバランスが崩れやすく、身体の調整機能が乱れやすいのが特徴です。発症の原因は、心因性・精神的なものではなく、生まれ持った体質に起因する自律神経失調症のタイプです。
ⅱ)神経症型自律神経失調症
自律神経そのものに異常がないのに自分の身体や精神に関して敏感な人や不安・恐怖・葛藤といった心理的要因に弱い人が神経質なためには発症する自律神経失調所のタイプです。
ⅲ)心身症型自律神経失調症
最も多い自律神経失調症のタイプで、感情の変化や肉体疲労など日常生活における心身への強いストレスが原因で発症し、身体と精神の両方に症状がでることが多くあります。
ⅳ)抑うつ型自律神経失調症
その人がおかれている環境や人間関係などから受ける慢性的なストレスの蓄積が原因で発症する自律神経失調症のタイプです。最終的にはうつ病へと発展してしまう場合も少なくありません。
自律神経失調症は、交感神経と副交感神経の調節が乱れて起こる症状で、ストレスや生活習慣の乱れなどが大きな原因となります。
自律神経失調症を患わないためには生活習慣の改善がとても重要になってきます。
自律神経失調症を予防するためには、適度な運動を心がけることが大切です。
有酸素運動やストレッチなどを行い、血流や代謝の促進を図ります。最初は運動強度を弱めて一番大事なのは続けられる強度で行うことです。
運動が習慣化できれば、運動強度は上がっていきます。
運動により筋肉が強くなれば、筋肉の収縮・緩和に役立つ副交感神経の働きも高まると言われています。また、筋肉量が増えることでストレス耐性も上がることがわかっています。
自律神経失調症の原因の一つに、睡眠不足が挙げられます。深い睡眠を促すためには、就寝時間や睡眠環境の整備が必要です。
また、安眠効果が期待できるハーブティーや、寝る前のリラックス効果のあるストレッチなども取り入れると良いでしょう。今一番多いのが寝る前のスマートフォン操作です。光によって脳が活動的になってリラックスできずに睡眠の質の低下につながります。
寝る前のスマホ操作はなくして寝る前の行動をルーチン化することがポイントです。
意外にも一番重要なのが、食事の改善です。
コンビニ弁当やファーストフードなど栄養の偏りの多い食生活を続けていると腸内環境が乱れてしまって自律神経のバランスが乱されやすくなってしまいます。
自律神経失調症の症状が改善するといわれている栄養素は、マグネシウム、ビタミンB群、ビタミンC、イノシトールなどです。これらの栄養素が多く含まれる、野菜や果物、豆類、ナッツ類などを積極的に摂取するようにしましょう。
また、胃腸を刺激する刺激物やアルコール、カフェインの摂取は控えるようにします。
ストレスは自律神経失調症の大敵です。ストレスを減らすためには、自分なりのストレス解消法を見つけることが必要です。ヨガや瞑想、アロマセラピーなどを活用する方も多く、自分にあった方法を見つけることが大切です。
趣味でもなんでも没頭できる時間を作ることもポイントです。没頭できる時間が長ければ長いほど人生の幸福度が上がるという研究結果もあります。
時間の確保も重要です。必要に応じて仕事量を減らす、家事代行サービスを利用するなど時間を確保するようにしましょう。
自律神経失調症を予防するためには、身体と心の休息が必要です。リラックスタイムを設け、趣味やマッサージ、温泉などでリラックスする時間を確保するようにしましょう。
以上のように、適度な運動、良質な睡眠、食生活の改善、ストレスの減少、リラックスタイムの確保などを意識することで、自律神経失調症の予防につながります。
清水大地
資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院
耳がつまる感じとは、専門用語では耳閉感(じへいかん)といいます。耳閉感はごくありふれた症状で誰でも一度や二度は経験していることと思いますが、原因はいろいろなことが考えられます。
また、「耳がつまった感じ」、「塞がった感じ」、「耳の中に水が入った感じ」、「膜が張った感じ」など耳閉感の訴え方は様々です。
耳閉感は聴覚路のどこが原因でも起こります。代表的なものとして、耳垢や気圧の変動などで耳管が影響を受ける、中耳炎で水や膿がたまる、その他メニエール病や突発性難聴などがあります。
耳閉感を伴う主な疾患
・急性中耳炎
喉の奥から耳管を介してウイルスや細菌が中耳で炎症を起こしている状態です。風邪などをきっかけとして起こります。
・慢性中耳炎
鼓膜に穴が開いて中耳の炎症が慢性化した状態です。
・滲出性中耳炎
耳と鼻をつないでいる耳管の機能不全や副鼻腔炎、アデノイド増殖症などの鼻の病気が原因で鼓室に浸出液が持続的に溜まる病気です。幼児期、学童期前半までのお子さんに多い疾患です。
・好酸球性中耳炎
中耳の粘膜に血球の一つでアレルギー疾患と関連がある好酸球が浸潤し、にかわ状の浸出液が溜まる中耳炎です。
難治性であり慢性副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎、気管支喘息が合併していることがほとんどです。貯留液が中耳腔に溜まることで難聴や耳閉感、耳鳴りなどが生じます。
・耳管狭窄症
耳管の換気機能が低下して、鼻の奥から中耳(鼓膜の内側)に空気が通らない病気です。
・耳管開放症
正常な耳管の閉開が出来ず、耳管が常に開放、またはほとんどずっと開放されいている状態です。短期間での無理なダイエット、ストレス、手術などによって体重が大きく減少したときに、耳管近くの脂肪が落ちることが原因になります。耳閉感、自分の声が響く、めまい、難聴などの症状を伴います。
・突発性難聴
内耳障害により、突然聞こえの悪くなる病気です。はっきりとした原因はわかっていませんが、ストレス、慢性疲労などが発症と関わっているのではないかと言われています。耳閉感、耳鳴り、めまい、吐き気などの症状を伴います。
・低音障害型感音難聴
低音の周波数の聞こえに支障が出るのと同時に耳閉感があるのが低音障害型感音障害です。
はっきりとした原因は不明ですが、大きなストレスを感じたり、睡眠不足や疲れ、体調不良などが続く度に何度も起こるようになります。
・メニエール病
内リンパ液が過剰にたまり、内耳が浮腫んだ状態です。はっきりとした原因はわかっていませんが、耳閉感、難聴、耳鳴り、めまいなどの症状を伴います。
・聴神経腫瘍
聴神経を包む細胞から発生する良性腫瘍です。平均して一年間で直径で約2mm弱大きくなるといわれています。増大してくると聴神経のすぐ隣の顔面神経の圧迫により難聴、耳鳴り、めまい、顔面神経麻痺が起こってくるようになります。
・耳垢栓塞
耳垢が完全につまってしまい、鼓膜が見えない状態です。
・外耳炎
鼓膜の手前を指す外耳(外耳道)と呼ばれる部位に炎症が起こる病気のことです。耳かきや耳の中をかくことなどで外耳に傷ができ、最近が感染することで発症します。
問診では聞こえ方や最近の体調、ストレスの有無などについて確認します。外耳や中耳は、顕微鏡または内視鏡で診ることで状態が把握でき、そこで異常がなければ内耳の疾患の可能性が高くなります。中耳炎の場合は鼻の中も確認します。
検査
・鼓膜所見
耳垢などがあれば視診で分かります。
・聴力検査・ティンパノメトリー
中耳や内耳の評価を行います。
耳閉塞感の治療は、原因となる疾患の治療を行うことで改善されます。
外耳道の異物や耳垢栓塞の場合、異物や耳垢を取り除きます。外耳炎は炎症を抑える処置や内服治療、滲出性中耳炎は鼓室の中の貯留液を取り除いていくための鼓膜切開またはチュービングが必要になります。
好酸球性中耳炎はそれらに加えて中耳に直接ステロイドを注入します。鼻や副鼻腔の炎症を抑えるため、鼻処置やネブライザー療法も必要となる場合が多いです。その他、マクロライドの少量長期療法、抗アレルギー剤内服を行うこともあります。
また、内耳疾患から耳閉感がある場合、内リンパ水腫という病態を取り除くことが必要なので、日常生活ではなるべくストレスを溜めないようにしつつ、高浸透圧利尿剤を内服します。ビタミンB12やアデホスなどを内服し、内耳の代謝を助けることも有効です。
耳閉感を東洋医学的に考えると、気滞血瘀(きたいけつお)、腎虚、水滞が挙げられます。
この気滞血瘀は首周辺の筋肉のコリなどで血行をはじめとする代謝が低下して気や血が滞った状態を指します。
五臓の腎は「腎は耳に開竅する」と言われ、泌尿器以外に免疫、生殖、骨、耳、髪、成長に関係すると考えられています。年齢を重ねるごとに腎の機能は低下し骨や歯は弱くなり、耳が弱くなると耳鳴りや難聴をはじめとした耳の異常を起こしやすくなります。
また、体質の虚弱や慢性疲労などで腎虚を生じる場合もあります。
水滞は水毒とも呼ばれ、いわゆる浮腫みに起因するもので、水分の取りすぎ、お酒の飲みすぎ、内臓機能の低下、自律神経のバランスの乱れなどから体の中の水分の巡りが悪くなると耳にも余分な水が溜まりやすく、それが原因でめまいや難聴、耳閉感などの症状を引き起こすことがあります。
当院では、内耳の血液循環やストレスなどに関わる自律神経のバランスを機械で測定し、お体の状態を把握したうえで治療へ移ります。
自律神経の調整施術を行い免疫機能、内臓機能、血液循環を整え症状が治癒しやすいお体の状態へ整えます。
東洋医学的観点から腎を補うツボや気・血・水の流れを整えるツボを取り入れます。また、腎と関係の深い肝のツボなどにも刺激を与えます。
また、首や肩周りの筋緊張は耳への血流に大きく影響を及ぼします。そのため首や肩の筋緊張を緩める施術も行います。
さらに、直接耳の周囲のツボに鍼やお灸で刺激を与えることで、血行を促進し耳の機能を整えていきます。
症例 1
20代 女性
1年ほど前から耳のつまりを感じるようになった。症状が起こる頻度は徐々に増え、今では毎日症状が起こる。耳がつまる時は自分の声が響いて聞こえる。耳のつけねでパキパキと音が鳴ることがあり気になる。耳鼻科では耳管開放症と診断され、半年前までは漢方などを服用していたが改善がみられなかった。
ストレスの自覚はなく、慢性的に首や肩のこりがある。
施術
全身的な血液循環の改善、治癒力回復のため自律神経調整を行ってから、耳周りの循環改善のため、耳周りのツボに鍼とお灸を行いました。首肩の筋緊張が強かったため、首肩の筋肉にはしっかりと刺激を入れ、筋緊張の緩和を図りました。
一~二回目
施術後は、首肩コリが楽に感じた。耳のつまりや音が少し減った。
三〜六回目
症状は軽減してきている。
鍼の刺激に慣れてきたため、首肩と耳周りに鍼通電を行っていきました。
七回目以降
耳のつまりはほとんど気にならないぐらいに解消された。パキパキと鳴る音は、以前は左右差があり左の方が大きかったが、同じくらいの大きさになった。まだ少し気になるため、通院加療中。
足関節は脛骨、腓骨、距骨から構成されており、足関節を安定化させる靱帯として、内側の三角靱帯、外側の前距骨靱帯、踵腓靱帯、後距腓靱帯、脛腓靱帯などがあります。
・足関節捻挫
捻挫とは関節にかかる外力によって、関節を支持している靱帯や関節包が損傷することです。靭帯の損傷程度によって捻挫の程度を三つに分けられており、靭帯が伸びる程度の損傷を1度捻挫、靭帯の一部が切れるものを2度捻挫、靭帯が完全に切れるものを3度捻挫と定義しています。
内反捻挫
足関節の捻挫の約85%は足首を内側に捻ることで生じるといわれています。
足首の外側には前距腓靭帯、後距腓靭帯、踵腓靭帯、三角靭帯の四つの靭帯が付いており、前距腓靭帯の損傷が最も多く、外くるぶしの前に痛みが起こりやすいといわれています。
外反捻挫
足首を外側へ捻る捻挫で、こちらはなかなか日常生活では起こりにくいですが、サッカーなどのスポーツで多く見られます。他にもテニスやラグビー、野球でも発生しやすいです。損傷部位として内くるぶしの下方(三角靱帯)、外くるぶしの上方(脛腓靱帯結合)が挙げられます。
・捻挫の後遺症
足関節捻挫の約20%~40%に痛みが残るという報告もあり、痛みの原因として足関節前方インピンジメント症候群、距骨骨軟骨損傷などが挙げられます。
①足関節前方インピンジメント症候群
足関節の外側靭帯が緩んだ状態で癒合すると、足関節に回旋方向、前後方向時の不安定性を生じるようになり、その影響により足関節の前方で、前下脛腓靱帯や滑膜組織などが引っかかるようになり痛みを起こします。
②距骨骨軟骨損傷
捻挫など強い外力が加わったときに、距骨が脛骨や腓骨の関節面と衝突することで骨軟骨損傷が生じると考えられています。しかし、明らかな怪我がなくても毎日繰り返される運動の中で徐々に発生する場合もあります。足関節を捻挫した際に同時に発生していることが多く、捻挫による痛みが軽快した後も長期にわたって痛みが続きます。通常は運動後に足関節に痛みや腫れを訴えます。
・変形性足関節症
足関節の軟骨が損傷して炎症が起こり痛みを生じる病気です。高齢の女性に多いといわれています。
足関節は複数の靭帯で守られていますが、捻挫を繰り返したり、骨折をすると足首の靭帯が緩んで関節が不安定になります。加齢により軟骨が退行性変性を起こして弾力性が失われることや、先天性内反尖足や先天性偏平足などのアライメント不良(骨格や骨の並びが崩れた状態)や距骨滑車の剥離性軟骨症、関節リウマチ、血友病などによる関節の破壊が要因となります。
また、O脚の人は体重が足首の内側にかかることで、内側の軟骨を傷めやすくなるといわれています。
・痛風、偽痛風
関節内に結晶ができることで関節に腫れや痛みを引き起こす病気です。痛風は尿酸、偽痛風はピロリン酸が結晶になり関節に溜まり痛みを引き起こす原因になります。
痛風は足の親指の付け根や足首やくるぶしの周りに多く、偽痛風は足首、膝、手首、肘に起こりやすいといわれています。
・偏平足
足の骨をアーチ状に吊り上げる筋肉(後脛骨筋)や腱が年齢とともに脆弱化(ぜいじゃくか)したり、体重がかかり過ぎたりして足のアーチが保持できなくなることで、内側のくるぶしの痛みや腫れを引き起こしたり歩きにくくなる場合があります。
・アキレス腱炎・アキレス腱周囲炎
スポーツ等による慢性的な刺激や不適切な靴等により踵骨の後ろにあるアキレス腱やその周囲に炎症が生じる病気です。歩行時、運動時にアキレス腱付着部周囲に痛みを訴え、同部位に強い圧痛を認めます。
・足根管症候群
踵と足の裏に通っている神経の圧迫や損傷により、足首やつま先に痛みや痺れが起こる病気です。歩行や運動時の痛みが主ですが入浴時、夜間などにも痛みや痺れが出ることもあります。
・腓骨筋腱脱臼
腓骨筋という足の筋肉を繋ぐ腱がずれ、外くるぶしの上に脱臼してしまうことがあります。テニスやサッカーなどのスポーツで起こりやすく運動時(歩行時、左右への切り替えし時)の後足部外側の痛みや外くるぶし後方に腱の脱臼感や不安定感が出現し、脱臼が慢性化すると外くるぶし後方に沿った腫れを認めるようになります。
・関節リウマチ
免疫の異常により体の様々な関節に炎症を起こし、悪化すると関節の変形や破壊を起こす病気で、足の外反母趾のような変形をきたしたり変形性関節症が生じる場合があります。
症状により検査方法は異なりますが問診、徒手検査法、血液検査、超音波検査、X線、CT、MRIなどの画像検査等を必要に応じて行い診断されます。治療方法として一般的に大きく分けて保存療法、手術療法があります。
・保存療法
①薬物療法(消炎鎮痛剤、ビタミンB剤、ステロイドなどの内服薬、湿布、塗り薬など)
②神経ブロック療法(神経節への局所麻酔、関節内注射など)
③手技療法
④物理療法(干渉波、ホットパック、超音波など)
⑤装具療法(ギブス固定、足底板、サポーター等)
・手術療法
保存療法で痛みのコントロールが難しい場合、変形が進行したり、関節軟骨の損傷が激しく保存療法が効果がみられない場合などは手術療法が選択される場合もあります。手術方法は年齢、活動性などにより患者と相談し決定していきます。
人工足関節置換術、骨切り術や関節固定、足関節の靱帯再建など症状に合わせた様々な手術が選択されます。
関節の痛みを中医学では「痺証」として捉え、風、寒、湿、熱などの外邪の侵入が経絡の流れを停滞させることが原因と考えられています。
気滞、瘀血などにより気や血の流れが滞ることで痛みの原因となるとも考えられています。
つまり外邪の侵入や気血の滞りが足首で起こると足首の痛みとして現れると考えられているのです。
足首に対する鍼灸治療は、足首やその周囲に鍼を刺すことで鍼治療効果の一つの鎮痛効果を目的に施術を行っていきます。また、お灸には抗炎症効果もあるため炎症が出ている場合は炎症部位に直接お灸施術を行っていきます。
その他、足首の痛みが出ている場合脛部分の筋緊張も強くみられることが多いためその部分にも筋緊張緩和のために施術を行っていきます。
また、東洋医学的観点より気血の滞りが痛みに影響を与えるため気血の流れをよくする全身のツボにも施術を行います。
趣味で登山をしていたところ下山中に段差で踏み外して足首を捻ってしまい足首の外側が痛みが出て腫れも少し出てしまっていた。
整形外科を受診したところ足首外側の人体を軽度損傷した捻挫と診断されて湿布薬を処方されて安静にと指導されたとのこと。
出来るだけ早く治したいとのことで湿布以外の治療はないかと思い鍼灸治療を試してみたいとのことで当院にご来院されました。
治療
まだ腫れている状態でしたので腫れている部分の周囲に鍼を刺して鍼通電療法を施すことで痛みを抑制して周りの血液循環を早く排出させて上げることで治癒の速度を上げる処置を行っていきました。
その他前脛骨筋や腓腹筋などの下腿の筋肉にも筋緊張状態も見られましたのでそれらの筋肉にもアプローチをかけていきました。鍼灸治療後、軽いテーピングで足首への負担を軽減する処置を行いました。
日常的にはアイシングを行っていただくようにしていただきました。
受傷後、1週間ほどで腫れは解消されて歩行時に少し痛みが出る程度に回復、さらに治療を続けて3週間後には軽くランニングを行えるまでに回復しました。
症例2
20代 男性
二週間前にトレイルランニングを行った際、左足首を捻挫してしまった。
山中だったので受傷後も自力で移動しなくてはならず、痛みがある状態でやっとの思いで下山した。
家に着いたときは、非常に腫れ上がってしまいジンジン痛む。すぐにアイシングを行い安静にしたら、翌日には多少痛みが引き、念のため整形外科で画像診断を受けたが、骨には異常がなかった。
数日間アイシングをし安静にしていたおかげで、痛みと腫れは治まってきたが、まだ快方にはほど遠く、普段は身体を使う仕事をしているため、いち早い回復を思い当院を受診した。
当院の施術
まず足の状態を確認していきましたが、足関節の外くるぶし付近の腫れがまだ残っており、歩行時や、足関節を回外、内転、背屈、底屈、内返しで痛みが出現し、当然ながら可動域も狭くなっており、そのため前脛骨筋や腓骨筋、腓腹筋などに負担が掛かり強く筋緊張を起こしている状態でした。
捻挫は、受傷直後はできるだけ安静にしていることが大切になりますが、自力で移動しなくてはいけないといった状況が状況なだけに患部の負担が大きくなってしまい、状態を悪化につながってしまいました。しかし、こまめにアイシングを繰り返していたおかげで腫れも少しずつ引いてきて回復しやすい状態には整っておりました。
当院では、
①炎症を抑える
②下肢の筋緊張の緩和
③鍼通電療法で痛みの緩和
以上を中心に施術を行っていきました。
通院頻度は2日に1回のペースで、間隔を詰めて施術を進めていきました。
徐々に腫れも引いていき、3,4回目で歩行時の痛みは解消されました。
その後、数回施術を繰り返した時点でランニングの行えるようになり、最終的にはトレイルマラソンも復帰できるまで回復しました。
当院の月経前不快気分障害(PMDD)に対する鍼灸治療は、自律神経のバランスと女性ホルモンのバランスを整え、身体の冷えを取り除き全身の血流を良くすることにより、症状の改善を促します。
1問診
しっかりと問診をして原因がありそうな部分を特定していきます。
2自律神経測定
自律神経測定器を用いて現在の身体の状態を把握します。
3仰向け治療
腹部・手足のツボを用いて自律神経の調節を行います。
冷えのある部分にはお灸も行います。
このとき婦人科系のツボも用いて、女性ホルモンのバランスも整えていきます。
4うつ伏せ治療
背部兪穴という五臓六腑の状態を調節するのに重要なツボがありますので、その部分に刺激をいれていきます。
主に「脾」「腎」「肝」のツボを用います。
また、下肢・骨盤周囲にも施術を行います。
骨盤内血流が増加することで子宮内膜が健康な状態になるため、乱れていたホルモンバランスが整いやすくなります。
月経前不快気分障害(PMDD)とは、月経の数日前から精神症状を引き起こす病気です。
主な症状は、気分の落ち込み、不安感、緊張感、イライラ、悲しみなど様々で、日常生活に支障をきたしてしまう重度なものです。
この重い精神症状は、生理の7~10日前に現れ、生理が始まるころに消失するのが特徴です。
月経前不快気分障害(PMDD)と似た症状で月経前症候群(PMS)が存在します。
月経前症候群(PMS)も、生理前に心身ともに不調が現れ生理開始とともに良くなる、という点ではとてもよく似ていますが、月経前不快気分障害(PMDD)は月経前症候群(PMS)と比べて精神症状がより重症であると言えます。
閉経が近づくにつれ症状が増すこともありますが、閉経後には症状は消失します。
月経前不快気分障害(PMDD)の原因はいまだ解明されてはいません。
しかし、生理前に増加する黄体ホルモンの影響が大きいことは分かっています。
通常であれば月経が近づくにつれて黄体期に増加した黄体ホルモンの量は、1週間程度で徐々に低下していきます。しかし、月経前不快気分障害(PMDD)症状が強い場合、黄体ホルモンは月経の数日前に急激に減少するため精神状態が不安定になってしまうのです。
また、もう一つの女性ホルモンである卵胞ホルモンとのバランスが乱れることも原因のひとつであると言われています。
いずれにせよ女性ホルモンの乱れが大きく関わっていると考えられます。
他にもストレスや姿勢、睡眠、食生活、低血糖、自律神経の乱れなども大きく作用すると言われています。
・SSRI
セロトニンなどの働きを高め、気分を安定させる作用があります。
うつ病に対してはこれらの薬の効果が現れるのに数週間かかりますが、月経前不快気分障害(PMDD)には即効性があると言われています。
特にイライラや怒りの感情などを抑えるのに効果的です。
・漢方薬
東洋医学的には月経前気分不快症状には瘀血治療を基本とします。
瘀血とは血の流れが滞った状態をさします。
このとき血の流れだけでなく気の流れも滞っていると考えられるため、気・血の流れを良くする漢方薬が効果的です。
また、精神症状に加えて心身症状もみられる場合は鎮痛薬や便秘薬などが処方されます。
東洋医学では子宮を「女子胞」と称します。
女子胞は「脾」「腎」「肝」と深く関与しています。
これら3つのバランスが崩れることで子宮の血液循環が滞り瘀血に繋がります。
①脾の機能失調により肝や腎精が不足する
脾の機能が低下すると、腎精や肝血を十分に化生できないため腎精不足や肝血虚になります。
②肝腎精血不足
腎精不足になると血を十分に化生できず肝血虚がおこります。
また、不足した肝血を化生するために腎精が消耗されると腎精不足がおこります。
30代女性
4〜5年前から、生理前になると気分の落ち込み、パニック、集中力の低下などの症状が現れた。
基本的に梅雨の天気が安定しないときや、秋から冬の気温の低下がある際に出現していたが、1年前の出産を期に悪化し、生理2週間前から上記の症状が毎月でるようになった。
生理前はメンタルが安定せず、家事と育児をこなすことで精一杯でイライラしたり、悲しくもないのに涙が止まらなくなるときもある。
日常生活に支障がでるため、弱めの精神安定剤を服用している。
もともと婦人科系は弱く、生理不順でピルを服用していたが、肝臓の数値が悪化したため現在は服用を中止している。
手足の冷え、気圧頭痛、首肩こりは慢性化している月の半分は体調が悪いため、疲労もなかなかとれない。
病院にいっても薬をもらうだけで改善はみられず、家族のすすめもあり今回はじめて鍼灸治療を行うことにした。
当院の治療
初診時は生理後で比較的安定していたため自律神経に大きな乱れはなかったが、疲労度が高く、自律神経調節能力の低下がみられた。
PMDDは自律神経が大きく関わってきているため、まず自律神経の調節を行い、婦人科系のツボを用いてホルモンバランスを整えるように治療した。
また、触診したところ、首肩・背部の筋肉の張りが強く、手足・下腹部に冷えが強くでていた。
張りが強い場所には鍼を用いて筋緊張の緩和、冷えが強い部位には鍼とお灸を行い血流改善をはかった。
治療経過
◇1回目◇
治療後身体がぽかぽかして眠気がでた。久しぶりにリラックスできた。
◇2回目◇
前回治療後、調子は良かった。
昨日気圧頭痛があり、痛み止めと精神安定剤を服用したところ副作用でだるさが強い。
自律神経の調節と首肩の緊張をとることで、だるさはなくなりスッキリした。
◇3回目◇
身体の余分な力がぬけて、日常的にあった重だるさは減ってきた。
慢性的な首肩こりはまだある。
生理予定1週間前だがメンタルは安定している。
◇4回目◇
生理2日目。メンタルは安定しており、イライラも悲しみもない。
生理痛は強くあったため、腰・臀部に鍼とお灸を行い骨盤内の血流を良くする治療をした。
◇5回目◇
全体的に調子がいい。薬を飲まなくてもメンタルが安定するようになった。
首肩こりもまだあるが、そこまで気にならない程度になった。
治療間隔を少しあけて今後も継続していく。
症例2
10代 女性
生理前になると毎回メンタルがおちて、家族や友達に当たってしまう。そんな自分が嫌で、思考が良くない方へ自動的に向かうのを止められないのが辛い。
落ち着いたら自分のしたことや周りに当たってしまった事を振り返り、毎月必ず自己嫌悪に陥ってしまう。
今は理解ある人たちに恵まれているが、これからもそうとは限らないし、何より毎月自分のホルモンバランスに振り回されるのは辛いので何とかしたい。
鍼は初めてだが、好きなインスタグラマーが鍼をやっていたので自分もやってみたいと思い来院。
当院の治療
自律神経測定器で計測したところ、交感神経が優位な状態との結果がでました。
また、自律神経の調節能力が低い結果が出たため、この状態ですと、活動する日中と、リラックスする夜中で切り替わるはずの自律神経が切り替わらずに常に交感神経が優位な状態の可能性が高いとお伝えしました。
他にも血管年齢も20歳ほど高い結果となり、お話を聞くと、睡眠がしっかりと取れておらず寝不足気味な日々が続いているとのことでした。
以上の測定結果でかなり自律神経が乱れていることが分かりました。
治療としては自律神経を整える事をメインで行うことと同時に、婦人科系に関りが深い経穴を用いて東洋医学的な治療を行いました。
治療経過
◇1回目◇
足のお灸で全身が暖かくなった。
◇2~5回目◇
寝付きが良くなってきた。
◇6~10回目◇
生理が近くなり不安定になってしまった。ただ、鍼に来る前よりは軽くなってる。
◇11~15回目◇
生理痛や頭痛の当たり前になっていた不調がなくなった。今はかなり快適に過ごせている。
◇16,17回目◇
生理周期で不安定になることはゼロではないが、一番やめたかった周りへの言動が改善された。
月経前不快気分障害(PMDD)の特徴として、生理の数日前から精神症状があらわれ生理開始とともに症状が消失するのが大きな特徴です。
つまり、ある程度の病状を予測できることになります。
この点を生かして、生理前にはできる限り仕事のピークや心身に負担のかかるイベントを避けることが第一です。
また、症状が出た際は下記の内容を日常に取り入れてみるのがよいでしょう。
①発症時も無理に通常と同じ効率を求めない
症状がでているときは、普段当たり前に出来ていることが出来なくなる場合がほとんどです。
いつもと同じ生活を求めると新たなイライラを生むため、「いつもの60%くらいの力で仕方がない」くらいの気持ちで過ごしましょう。
②休日や睡眠時間を確保して心身ともに余裕をもつ
ホルモンバランスを整えるためにも、十分な睡眠をとりリラックスする時間を作ってストレスを緩和させることが大切です。
ゆっくりお風呂につかったり鍼やマッサージを受けたり、身体を休めることを意識しましょう。
まず、仰向けで自律神経のバランスを整えるツボに鍼やお灸で刺激を与え、内臓機能の調整、免疫機能調整、全身の血流促進と体のバランスを整えた後、下肢のツボに鍼やお灸で刺激を与え、血行を促進し、冷えを取り除くことで筋肉の疲労物質の代謝を促進する施術を行います。
また、下肢の血液循環や神経伝達機能を整えるために腰部や臀部にもアプローチしていきます。結局、下肢に向かう血液や神経は腰部や臀部を通りますのでその部分の筋緊張が見られて圧迫されてしまっていると下肢にも血液循環は悪くなってしまうのです。
鍼やお灸が施術のメインとなりますが、腰臀部や下肢へのストレッチやマッサージも取り入れて筋肉の柔らかさ、柔軟性も出していくことでこむら返りが起きづらい体へ予防施術も行っていきます。
東洋医学的観点から肝の働きを補うツボ、血の生成を助け、血の巡りを改善するツボも取り入れ治療を行います。
こむら返りを東洋医学的にみた場合、過労や冷えストレスなどにより瘀血(おけつ)の状態に陥ることにより筋への血の供給が妨げられた状態か、消化器系の不調、栄養不足、過労などにより血の不足(血虚)があるために筋に栄養が行き渡らず筋痙攣を起こすと考えられています。
また、五臓六腑の「肝」は血液を貯蔵し必要に応じて供給する役割をしていますが、その肝に供給され血や肝に貯蔵される血であると考えられている「肝血」が不足する(肝血虚)と体内各部に血液を十分に供給できず滋養作用(栄養を与える機能)が低下し筋の引きつり、痙攣、しびれなどを引き起こすといわれています。「肝血」が不足する原因として老化やストレス、睡眠不足、疲労などが挙げられます。
自分の意志とは無関係に起こるふくらはぎの筋肉(腓腹筋)の痙攣のことを「こむら返り」と呼びます。一般的に「足が攣(つ)る」ともいわれ医学用語では「有痛性筋痙攣(けいれん)」や「筋クランプ」とも表現されます。50歳以上の成人のほとんどが一度は経験しているといわれるほど多くの人にとって身近な症状です。加齢とともに頻度が増す傾向があり、高齢者では発生頻度も高いことが分かっています。
人間の体は筋肉の収縮と弛緩を調整する事によりバランスのとれた動きをしています。この調整の仕組みは、脳の脊髄などの中枢から信号が神経を通って筋肉に送られ筋肉の収縮が起こり、次に筋肉や腱のセンサーから逆方向に信号が中枢に送られ、どのくらい収縮するか弛緩するかが決められています。
こむら返りはこの仕組みのなかでおこる筋肉の異常収縮です。
スポーツなどで多量の汗をかき脱水状態になったとき、電解質のバランスの崩れ、運動や労働による筋疲労、水分不足、運動不足、冷えや血行不良、薬の副作用、病気による神経系の伝達機能低下などが挙げられます。
※電解質とは
体内にあるイオンのことで、筋肉細胞や神経細胞の働きに関わります。ナトリウム、カリウム、カルシウムなどのミネラルが電解質として挙げられこれらのバランスが崩れると筋肉や心臓、神経の働きに支障が出てこむら返りが起こりやすくなるほか、最悪な場合は命に関わることもあります。中高年がこむら返りになりやすいのは汗や尿と一緒にミネラルが体外に排出される量が増えることが一つの原因とされています。また、胎児にミネラル分を供給している妊婦も、同様の理由でこむら返りを起こしやすい状況にあります。
・糖尿病
・肝硬変
・甲状腺機能低下症
・副甲状腺機能亢進症
・動脈硬化症
・下肢静脈瘤
・椎間板ヘルニア
・変形性腰椎症
などこれらの疾患でこむら返りの症状が現れる事があります。また、薬の副作用で起こることもあります。あまり頻繁にこむら返りが起きてしまう場合は一度病院で検査を受ける必要があります。
こむら返りを起こすと急激に強い痛みが走ると同時に、自分の意志とは無関係に足の筋肉が収縮したり、痙攣したりします。人によっては痺れを伴なうこともあります。
筋肉は硬直して動かしづらく、立ったり歩いたりといった単純な動作も困難になります。こうした症状は数秒から数分間持続してから自然に消失します。頻度には個人差があり球に発症する方もいれば毎晩複数回に及ぶ場合もあります。一般的には睡眠中に発生することが多い症状ですが、日中に症状が見られることもあります。
夜間時にふくらはぎに筋収縮がひどく起きてしまった場合に翌日まで痛みが残り、歩行時に痛みや違和感が出ることも少なくありません。またよくこむら返りが起きてしまうという方の中には下肢の血液循環の悪化に伴い、足のむくみ症状が見られます。
こむら返りが起こっている時は筋肉が縮んだまま伸びなくなっている状態です。そのため収縮した筋肉をゆっくりと伸展する(伸ばす)ことです。ふくらはぎに筋収縮が起きてしまっている場合には腓腹筋やヒラメ筋を伸ばすようにすると自然と治まっていきます。
痛い方の足を伸ばし、かかとを前方に出すようにしてつま先を頭の方向へ傾けるようにします。つま先を掴んだり、タオルなどを使ったりして頭の方向へ引き寄せるとより筋肉を伸ばすことが出来ます。
こむら返りは、病的なもの以外では、下肢の血流が悪く、疲労物質やミネラルバランスが悪い場合に起こる危険性が高まります。そのため、こむら返りを予防する生活習慣では、食事や運動・休息が重要になってきます。
食事では、鶏肉や魚、大豆成否などを摂取して血流をよくする体づくりが重要です。
運動では特にふくらはぎをよく使う運動をしてこむら返りを予防することが重要です。血液循環がわるく筋力が低下閉まっている状態ですと筋肉のけいれん(寝ている時のこむら返り)になることがあります。
意識的にウォーキングや軽めのストレッチなどをしてふくらはぎ改善していく必要があります。
その他下肢を冷やさないために締め付けない、レッグウォーマーや寝る前に足湯などをされますと効果的です。
また、水分が減ってしまった状態ですと筋痙攣の症状が起こりやすいとされています。寝る前に一杯の水やスポーツドリンクを飲むようにして水分をある程度宅われていく必要があります。
こむら返りの鍼灸治療症例
症例1
70代男性
70歳を過ぎてから、就寝中にふくらはぎをつる事が多くなった。
そのためゆっくり眠る事ができず、寝不足気味なった。
元々足が浮腫みやすく、最近は腰や膝も痛い。
当院の治療
下肢の循環、筋緊張の改善のためにふくらはぎ(腓腹筋、ヒラメ筋)、下肢前面(前脛骨筋)、下肢内側(後脛骨筋)、下肢外側(腓骨筋)に刺鍼し、低周波の電気鍼を行った。
また、膝の痛みや腰痛も下肢の負担になる一因のため、それらの治療も並行して行った。
◇一回目◇
まだあまり変化はないが、施術後は足が軽い。
◇二回目◇
足はまだつるが、膝の痛みは軽くなってきた。
◇三回目◇
夜足がつる回数が減ってきた。
◇四回目◇
左足はつらないが、右足がたまにつることがある。
◇五回目◇
両足ともつる事が減少した。
◇六回目◇
足のむくみも気にならなくなり、つることもなくなった。
◇七回目◇
膝の痛みが最近少し気になるので、そちらの治療のため通院中
症例 2
60代 女性
1年前から全身に筋けいれんが起こるようになり、最近症状がひどくなりご来院された。けいれんは脇腹やふくらはぎ、土踏まずでよく起こる。2年ほど前から仕事が特に忙しく、月に3日ほどしか休みが取れていない生活が続いていた。病院で画像検査などしたが問題は見つからなかった。降圧剤と抗甲状腺薬を服用している。
施術
自律神経測定器の結果、夜の時間帯であったが交感神経が過剰に優位な状態であった。
仕事が忙しく心身の疲労から自律神経のバランスを乱し、血流の悪さや薬の影響で全身的な筋けいれんが起こっていると考えられる。そのため、全身的な血液循環促進や身体を休ませる働きのある副交感神経を高めることを目的に、自律神経調整施術を行っていきました。
来院頻度は1、2週間に1回。
一~四回目
施術後はリラックス出来てよく眠れる。
筋けいれんが起こる回数は大幅に減った。治療間隔が開くと、またけいれんが起こる。
五回目以降
筋けいれんは数日に1回ぐらいまで減り、体調が良い。
症状が気になる時にご来院される。
清水大地
資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院
まず、自律神経測定器にて自律神経のバランスを測定した後治療に移ります。
交感神経が高まると全身の筋肉が緊張し、肋骨の動きを阻害してしまったり、気管支の周りの筋肉がこわばり肺がうまく膨らまないことが考えられますので、自律神経のバランスを整えるツボに鍼やお灸で刺激を与え全身の緊張を和らげます。
また、首の前の筋肉や横隔膜、肋骨周囲の呼吸筋(呼吸を行う際に使われる筋肉)の緊張を和らげます。東洋医学的観点から肺、腎の経絡のツボを用いて呼吸器の機能を調整していきます。
ストレスの蓄積、運動不足などにより生命エネルギーである「気」の流れが悪くなる「気滞」という状態に陥ると、イライラしやすい、喉のつまり感、息苦しさ、お腹の張り、気力の低下などの症状を引き起こします。
この「気滞」という状態に深く関わるのが五臓六腑の「肝」です。ストレスなどにより「肝」の失調が起こると肝の持つ疏泄(そせつ)作用(気を全身へ巡らす作用)が低下し「気滞」に陥りやすくなってしまいます。
また、呼吸は東洋医学では五臓六腑の肺と腎の働きが関係していると考えられています。肺は呼吸をして大気から気の一部となる清気を吸い込み濁気を排出する役割と、水分の循環と排泄を調整する働きをしており、腎は肺が吸い込んだ清気を深く留める働きをしています。
肺と腎の失調は呼吸器のトラブルを引き起こしやすくなるのです。
私たちは普段日常生活において特に意識することなく呼吸をしています。「息苦しい」とは無意識にしていた呼吸が楽に呼吸ができないと感じたり、のどが狭くなって苦しい感覚や酸素が薄いと感じる状態です。
息苦しさは身体を正常に動かすためのエネルギーを作り出す「酸素」が体内へ送り届けられる途中、何らかのトラブルが発生することによって起こると考えられています。
肺は空気中の酸素を取り入れて不要になった二酸化炭素を体外へ排出しています。肺で取り込まれた酸素は血液に取り込まれ全身へ送られます。
しかし何らかの原因で身体に酸素がうまく届けられないと息苦しさが現れます。肺はきちんと機能しているのに身体に酸素が届けられない時やきちんと酸素が行き届いているのに酸素が足りないと勘違いするような状況になっても息苦しさが起こります。
・煙や粉塵(ふんじん)による呼吸器へのダメージ
タバコの煙や、大気汚染、粉塵などにより気管支や肺胞が刺激されて炎症が起こると息苦しさを感じる原因になります。
・アレルギーを引き起こしやすい体質とアレルギー反応
特定の原因物質に対して体の免疫システムが過敏になるのがアレルギーですが、その反応が強く出た際に気管支が狭まって呼吸困難が起こることがあります。
・酸素濃度の低下
密閉された空間や換気の悪いところでは、空気中の酸素濃度が低くなり、息苦しさを感じることがあります。また、高地などの酸素が希薄な場所では、身体がその環境に順応できず息苦しさを感じることがあります。
・激しい運動
全速力で走るなどの激しい運動をすると呼吸が荒くなり、早いペースで呼吸が行われるため酸素の取り込みが間に合わず酸欠状態に陥ることで息苦しさを感じます。
・ストレス
不安や緊張など過度のストレスを感じているときは「交感神経」の緊張が起こり筋肉が緊張状態になったり血圧や心拍数が上昇したりする症状が現れます。
すると呼吸が浅くなり息苦しさを感じてしまうことがあります。また、ストレスによる緊張は横隔膜や肋骨周囲の筋肉も緊張させてしまうため肺が十分に膨らんだりしぼんだりすることが出来なくなることで息苦しさを感じる原因になります。
・慢性閉塞性肺疾患(COPD)
タバコの煙や汚染された空気を吸うことで肺胞が破壊され、空気の取り込みが十分に行われなくなる病気です。重度の呼吸困難や咳などが主な症状です。
・気管支喘息
アレルギー反応により、気管支が炎症を起こし気管支の幅が狭くなり、息が苦しくなる発作を繰り返します。のどが詰まるような感覚と息苦しさ、咳、喘鳴が主な症状で、息を吸うときより吐き出すときの方が苦しくなるのが特徴的です。
気管支喘息に対する鍼灸治療について詳しくはこちら←
・気胸
外傷などにより肺を覆っている胸膜に穴が開き、胸腔に空気が侵入して肺が急速にしぼむ病気です。突発的に起こる呼吸困難や咳、胸痛が現れるのが特徴です。放置すると肺の機能を大きく損なうばかりか場合によっては生命の危険もある病気です。原因不明で起こる気胸は自然気胸と呼ばれ10代~30代の長身でやせ型の男性に発症しやすいといわれています。
・肺結核
「結核菌」という細菌に肺が感染して起こる病気です。肺以外にもリンパ節や腸、骨などにも感染します。咳や痰、発熱、呼吸困難、体重減少などの症状が現れます。咳などによる飛沫により菌が広がる可能性がありますが、初期症状が軽いため感染に気付かないこともあります。
・肺炎
口や鼻から侵入した細菌が喉から気管支を通って肺胞が炎症を起こすことで肺胞の壁が厚くなり、スムーズに空気の交換が行われなくなる病気です。初めは咳や痰、発熱など風の初期症状と変わりはありません。
しかし、肺炎の場合は咳が長く続いたり、黄色や黒っぽい痰が出るようになったり、息を吸うと胸の痛みが出るようになったりします。息苦しさを関るようになると重症な肺炎になっている可能性があります。
・心不全
心筋梗塞や不整脈などの様々な心疾患が原因で心臓の機能が低下し、身体に十分な血液を送り出すことができなくなった状態です。
全身の血液循環が悪くなるため、肺に水がたまり急激にうっ血が増すと肺水腫による重度の呼吸困難やショック症状が起こることがあります。
・心臓弁膜症
心臓にある四つの弁の中で全身血流に影響の大きい二つのいずれかの弁が十分に開かなかったり、弁がきちんと閉じなくなり血液が逆流したり一部が漏れ出たりすることで起こる疾患です。
・過換気症候群
精神的不安や極度の緊張など過剰なストレスが引き金となり、突然浅く速い呼吸を繰り返す疾患です。
動機や胸部絞扼感(胸がしめつけられる感覚)酸欠状態のような息苦しさがあります。固有回数が増えることで血液中の炭酸ガス(二酸化炭素)が過度に減少し、血液がアルカリ性に傾くことで血管の収縮が起きめまい、手足のしびれ、筋肉のこわばりなどが生じます。
対処法として紙袋で口と鼻を覆い呼吸をするペーパーバック法が有効です。
過換気症候群の鍼灸治療について詳しくはこちら←
・貧血
貧血になると酸素を全身へ運ぶヘモグロビンが減少して体が酸欠状態になり、息切れ、息苦しさなどの症状が起こることがあります。
貧血症状の鍼灸治療について詳しくはこちら←
・甲状腺機能亢進症
甲状腺ホルモンは心拍数をあげる働きをします。甲状腺機能亢進症の場合は甲状腺ホルモンが過剰であり通常より心拍数が上がった状態になります。
心拍数が最適な状態よりも上がりすぎてしまうため心臓がポンプの役割を十分に果たすことが出来ず、全身に必要な酸素を届けることが出来ないため呼吸困難を起こすことがあります。
甲状腺異常の鍼灸治療について詳しくはこちら←
症例
30代 女性
転職した会社に人間関係でストレスがあり、仕事はやりたかったことで楽しさややりがいは十分に感じているが、最近はその働く楽しさを上回るストレスが増えてきた。前までは会話かあったり、関りがあれば息苦しさを感じたが、今では上手く呼吸ができていないのではないかと思うくらい苦しい時がある。
気づいた時にはその人が近くにいるだけでも息が苦しくなることも増えてきた。
今の職場はその人以外は皆さん良い人で仲良く働いているが、その人の事だけで働けなくなるかもと不安になり来院。
鍼治療は美容鍼で受けた事があるが、お灸は初めて。
当院の治療
自律神経測定器で測定したところ、精神的ストレスが高い結果がでました。
ご本人も自覚があり、かなり職場の人間関係で悩まれている様子でした。
もともとお仕事は好きな気持ちがある分悩みが大きくなっているように感じました。当院の治療としてはストレス値が高くなっている事が原因で交感神経が優位な状態が続いていたため、自律神経を整える事をメインの治療として行い、同時呼吸器に関係する経穴等の東洋医学的な治療も合わせて行いました。
治療経過
◇1~5回目◇
特に変化はなく、終わりにはリラックスした感じはあるが、すぐに元に戻ってしまう。
◇6回目◇
治療した次の日に急に楽に呼吸が出来るようになった。ストレスになる人が近くに来たらまだ苦しさはあるが、かなり変化を感じた。
◇7~13回目◇
特に変化を感じない。楽になった状態から元に戻らないため、良くはなっている。
◇14回目◇
ストレスになる人が近くにきても呼吸が出来る様になった。
◇15回目◇
日常生活に支障が無くなるまで改善した。
尿崩症とは、尿の量を調整する抗利尿ホルモン(ADH)バゾプレッシンと呼ばれるホルモンの合成・分泌の障害により腎臓での水の再吸収が低下する結果、尿量が著しく増加する疾患です。
多尿とそれによる多飲が主症状です。突然に発症し、強いのどの渇き(口喝)があります。一日の尿量は3ℓ以上になり、夜間でも減少しません。
尿崩症は体内の水分のバランス調整ができなくなり、腎臓から大量の尿が排泄されるようになる病気です。
体内の水分バランスは、抗利尿ホルモン(バゾプレッシン)と呼ばれるホルモンが重要な役割を果たしています。抗利尿ホルモンは、尿が大量に排泄されないように調整するホルモンであり、体内の水分量を正常に保つために重要なホルモンです。
抗利尿ホルモンは、視床下部と呼ばれる脳の組織の一部で産生された後、同じく脳に位置する下垂体へと移され同部位で保存されます。
体内の水分が足りてないような状態になると(長時間水分が取れていない、下痢などで脱水になっている、運動で汗をかいたなど)、抗利尿ホルモンが下垂体から分泌されます。
下垂体から分泌された抗利尿ホルモンは、血液の流れに乗って腎臓に運ばれます。腎臓に運ばれた抗利尿ホルモンは腎臓に働きかけ、尿を濃くします。つまり、尿として対外に排泄される水分量を減らすことで、体内で水分が保たれるように調整します。
体内に水分を保持する一連の流れから分かるように、体内に水分を保持する機構は複雑です。この経路のどこかに異常をきたすと尿崩症が発症します。
尿崩症は原因に応じて、中枢性尿崩症と腎性尿崩症に分類されます。
◇中枢性尿崩症
中枢性尿崩症は、そもそも抗利尿ホルモンが脳(視床下部・下垂体)において生産や分泌がなされなくなったことによって発症します。
中枢性尿崩症の分類
・特発性:原因が不明なもの
・続発性:脳の中の視床下部から下垂体後葉という部分に別の病気があり、その病気に伴って発症するもの。原因として胚細胞腫、頭蓋咽頭腫などの脳腫瘍、脳外科手術、炎症などが挙げられます。
・家族性:ADHの合成、分泌に関わる遺伝子に変異があるために発症するもの。子へと遺伝する確率は50%です。
◇腎性尿崩症
腎性尿崩症は、抗利尿ホルモンに対して腎臓が反応をしない状態から生じる尿崩症を指します。脳からの指令に対して腎臓が適切に反応しない結果、大量の水分が尿として排泄されることになります。
中枢性尿崩症と腎性尿崩症が尿崩症の代表ですが、その他にも尿崩症を引き起こしうる状況があります。
たとえば、手術や感染、炎症、脳腫瘍などにより視床下部が障害を受けると体内の水分がしっかり保てているにも関わらず常時喉が渇くことがあります。この場合には大量の水分を自発的に摂取するようになりそれに反応して大量の尿が排泄されてしまうようになります。
また、妊娠期間中に一過性の尿崩症を発症することもあります。これは胎盤から分泌されるたんぱく質が抗利尿ホルモンを壊してしまうため、尿量の調節がうまくいかなくなることが原因です。
また、胎盤からはプロスタグランジンと呼ばれる物質が分泌されますが、プロスタグランジンが抗利尿ホルモンの腎臓における反応性を低下させます。しかし、これらの妊娠に関連した尿崩症は軽度であることが多く、出産とともに症状も改善します。
検査・診断
尿崩症では尿検査、血液検査、水制限試験、画像検査などが行われます。
血中の抗利尿ホルモンと血中、尿中の浸透圧を調べます。血中浸透圧は高く、尿中浸透圧は低いですが血中抗利尿ホルモンは低値となります。
また、摂取水分量を制限し、採尿と採血をし、浸透圧の変化を調べます。正常では尿の浸透圧が上昇しますが、尿崩症では上昇しません。さらに、抗利尿ホルモンを注射して、その効果を調べます。中枢性では尿量が減少しますが、腎性では変わりません。MRIでは、性状で認められる下垂体後葉の信号が失われています。糖尿病や腎臓病などの除外と精神的な原因による多飲多尿との区別が必要です。
治療
脳内の病変による場合は、原疾患の治療が必要です。多尿の治療には抗利尿ホルモン製剤を日に1~2回点鼻する方法が一般的です。その他、飲み薬や注射製剤も使用できます。
東洋医学では、排尿に関するトラブルは、水分循環に異常をきたす「水毒・水滞」によって生じる症状です。こうした原因を作り出すのが「水」の状態を調整している五臓六腑の「腎」です。
東洋医学でいう「腎」は腎臓という臓器だけを指すのではなく、排尿、排泄、水分代謝、ホルモンバランス、記憶力などを総合した働きを表しています。
この「腎」の機能が衰える「腎虚」になると「水」の異常が起こりやすくなると考えられています。また、寒くなるとトイレが近くなるように、排尿トラブルの根底には「冷え」があると捉えており、腎虚にも体の冷えや、血の滞りで生じる「瘀血(おけつ)」も関わることがあります。
当院では自律神経測定器にて測定を行い、自律神経のバランスや血管の状態など、お身体の状態を把握したうえで治療へ移ります。
まず、血液循環、内臓機能、内分泌、免疫機能などを司る自律神経系の調整施術を行うことで、症状が治癒しやすいお身体の状態へと整えていきます。
また、排尿障害のある方は下腹部から下肢、腰部や骨盤周囲の筋緊張や冷えが見られる方が多いため、腰から下肢にかけての重要なツボを用いて筋緊張を緩めて血行を改善し、内臓機能を高めます。
さらに、東洋医学的観点から、気、血、水の流れを整えるツボや冷えを除くツボ、五臓六腑の「腎」をはじめとした五臓六腑の機能を高めるツボなどに刺激を与えていきます。