脳疲労とは「脳が疲れて正常に機能しなくなった状態」のことを指します。脳疲労は正式な病名ではありません。
脳の不調を理解するためにまずは脳のネットワークについて知っておきましょう。
人間の脳には大脳新皮質と大脳辺縁系という司令塔があります。大脳新皮質は、思考や学習など精神活動を、大脳辺縁系は食欲や性欲などの本能や情動を担っています。
また大脳の下には、自律神経中枢や食欲中枢を司る間脳があります。間脳は無意識に心臓を適切なリズムで動かしたり、適切に体にエネルギーを入れるための食欲をコントロールしている脳です。
この三つの関係性は人間の体を機能させる高度情報処理システムといえます。
人間を取り巻く環境は「情報」または「情報源」といえます。もし、高度情報処理システムの処理能力を上回る情報が脳に入ってくる(情報過多)とこの高度情報処理システムの機能は破綻してしまいます。まず、本能を司る大脳辺縁系が機能不全に陥り、大脳新皮質にも影響を及ぼし始めます。やがてその影響は間脳にも達し、脳全体の働きが鈍ってしまいます。これが「脳疲労」の仕組みです。
・スマートフォンやパソコンの使い過ぎ
脳疲労の原因には、スマートフォンやパソコンなどのデジタルデバイスの影響も考えられます。
検索サイトで手軽に調べ物が出来たり、SNSで友人とコミュニケーションが取れたりと便利な反面、脳が受け取る情報量が増加して脳疲労につながる可能性があります。
・睡眠不足
脳はノンレム睡眠と呼ばれる深い睡眠時に休んでいるため睡眠が十分でないと、脳の疲労が回復せず、次の日に疲れを持ち越してしまうのです。また、脳の疲労が蓄積すると慢性的な疲労状態となり、集中力の低下などにつながってくるとされています。一方のレム睡眠も、脳波としては浅い睡眠でありますが、多量に入ってきた情報を淘汰し消去するために必須と考えられています。朝の目覚めのすっきり感には双方の睡眠が必須なわけです。
・精神的ストレス
現代社会はストレス社会と言われていて仕事や家庭でストレスを抱えている人が増えています。恋人関係や夫婦関係など人間関係においてもストレスを継続的に抱えることで、脳の処理が刺激に対して追いつけず、機能不全に陥ってしまうのです。
集中力の低下、感情のコントロールがしにくくなる、自律神経の乱れなどが挙げられます。また、脳疲労が続くとうつ病や不安障害のリスクもあるといわれています。
・リラックスする時間を増やす
脳の疲労を回復させるために必要なのはストレスをためないことです。アロマなどを活用したり、音楽を聴いたりしてリラックスする時間を積極的に取りましょう。また、マッサージをすると体を弛緩させ、よりリラックスできるようになります。
・スケジュールを整理する
覚えておく事柄が多いと、脳の負荷も大きくなってしまいます。リマインダーを活用したり、タイマーをかけたりしてテクノロジーの力に頼るのも一つの方法です。スマートフォンは使いすぎると脳疲労の原因にもなり得ますが、うまく活用すると脳疲労の軽減にも役立ってくれます。
・睡眠を十分にとる
十分な睡眠をとることは、脳疲労の回復のために非常に重要です。適切な睡眠時間は個人差がありますので、あまり時間にはこだわらず、毎日すっきり自然に起きられる状態を目指すとよいでしょう。
・睡眠前のデジタル機器の利用を控える
スマートフォンなどの光は、睡眠や覚醒のリズムを調整するメラトニンというホルモンの分泌を抑制します。
ベッドに入ってから眠りにつくまでの間、スマートフォンについ手を伸ばしてしまいがちという方は、枕元に置くのではなく、充電器をデスクの上に置くなどして物理的に距離を置くこともよい方法です。
1.夜中に目が覚めたり、用がないのに朝早く目覚める
2.寝つきが悪い
3.食事がおいしいと思わない
4.便秘する
5.体を使わないのに疲労感がある
6.気持ちが沈んで重い
7.希望が持てない
8.考えがまとまらない
9.イライラする
10.不安だ
11.自分は価値がない人間だと思う
これら項目に多く当てはまればはまるほどに脳疲労が起きている危険性が高くなります。
当院では自律神経測定器でストレス、疲労度、自律神経のバランスを測定しお体の状態を把握したうえで治療へ移ります。
脳血流を促進するため肩や首の筋緊張を緩和します。脳疲労のある方はデスクワークでPCを長時間使用したり、スマートフォン、タブレットなどデジタルデバイスを長時間使用する方も多く、首肩の筋肉が過緊張状態の方が多く見られます。首肩コリがあると脳へ行く血管を圧迫し脳の血流が悪くなってしまいます。
頭周りのツボを鍼で刺激を入れていき脳の血流を改善し脳に栄養が届けやすくなることで、効率よく脳が働けるようになり疲れにくくなります。
併せて自律神経系の調整施術を行うことで、自律神経の乱れが調整され、自律神経症状の緩和や就寝時の質の高い睡眠作用が期待できます。また、免疫機能や内臓機能を高め、健康なお体の状態へと近づけていきます。
症例
50代 男性
ここ数か月リモートワークが主体となり、不慣れなパソコン作業が増え、休みの日はぼーっとしてしまう時間が増えた。常に身体が重い感じがして、何に対してもやる気が出ない。
慢性的に首肩回りのこりはあるが、20年以上のものなので、諦めている。
不眠も続き、ひどいときは1時間ごとに目が覚める。市販の薬や医者に処方してもらった薬もあったが効かなくなってきた。
当院の治療
長年の首肩の筋肉の固さで、脳に流れるはずの血液がうまく循環できていませんでした。筋肉の過緊張を和らげるために、うつ伏せの治療では首肩の筋肉に鍼とお灸で血行促進を行い、仰向けの治療では四肢と腹部に鍼とお灸で自律神経を整える治療を行いました。
◇1回目◇
首肩コリは楽になった気がする
◇2回目◇
治療後は楽になるが、すぐに元に戻ってしまう。
◇3回目◇
睡眠時に起きる回数が減った。
◇4回目◇
睡眠時に起きない日があった。身体が軽くなり、頭もクリアになることが増えてきた。
◇5回目◇
かなり改善してきた。全身の血流が良くなっている事がわかる。治療間隔を週に2回から週に1回に変えて経過観察をしていく。
食いしばりは、上下の歯で強く噛み合わせる事をいい、『クレンチング症候群』とも呼ばれます。
通常、上下の歯と歯が接しているのは、食事の時だけになるので、一日あたり20分程度です。それ以外の時は、上下の歯は2、3㎜程度隙間を開けた状態で保っているのが正常です。しかし、食いしばりの癖がある方は、一日に一時間から場合によっては数時間、大きな力で上下の歯を噛み合わせる状態になります。
そして食いしばりにより、顎にも負担がかかってしまうと、顎関節症や無呼吸症候群の原因にもなりかねます。
食いしばりの主な原因は、ストレスや緊張などの精神的なものが原因とされています。対人関係や生活環境など何かしらのストレスがある場合や、緊張する場面に遭遇する事で食いしばりが生じやすくなります。
食いしばりは、中枢性のストレスに対する防御反応として生じる生理現象のため、現代社会ではほとんどの人が多かれ少なかれ見られる現象である事が最近の研究でわかってきました。また、噛み合わせなどにより、顎の筋肉の緊張がアンバランスになっているとこなども考えられます。虫歯で歯に痛みがあったり、その後治療をしたが不適合な高さの補綴物が入っていたり、抜歯後に治療をせずにそのままにしてしまい噛み合わせが悪化が起きている場合には、歯ぎしりや食いしばりが起こりやすくなります。
この様に、食いしばりの原因は、精神的・肉体的なストレス、お口の中の環境、全身疾患やお薬の副作用など、様々な因子が絡んできます。
【口腔内】
・歯が欠けたり割れたり、ヒビが入る
・虫歯ができる
・歯の動揺がみられる(ぐらつきがみられる)
・顎関節症になる
・歯周病が悪化する
・知覚過敏の悪化
・口腔内が乾燥する
食いしばりが原因で歯のエナメル質が擦れてしまったり、欠けてしまう恐れがあり、欠けたりヒビが入った所から細菌が入り、虫歯になる恐れもあります。
また、歯や歯を支えている顎の骨に持続的に力が加わり負担がかかると、歯が移動したり動揺(ぐらつき)が起こり、噛み合わせが悪くなってしまいます。そして、顎の骨に力がかかると、顎関節症になる恐れがあり、顎関節症で顎周りにある唾液腺を圧迫すると、口腔内が乾燥してしまい細菌が増殖しやすくなる為、もともと歯周病がある方は食いしばりが原因となり悪化することがあります。
【身体】
・頭痛
・肩こり
・首こり
・顎周辺の痛み
・顔面痛
・エラの張り
・ほうれい線の目立ち
・表情筋への影響
食いしばりで側頭筋が筋緊張することにより、頭痛を起こします。また側頭筋だけでなく、噛みしめる咬筋など、さまざまな筋肉が緊張するため、肩こりや首こりがおこる原因になります。
そして、食いしばりにより、顎周辺やお顔の筋肉が緊張している場合は、ほうれい線が目立ち、顔のたるみや表情筋への影響が出てしまい、表情筋が過緊張すると顔面痛が起こるケースもあります。
食いしばりの治療法としては、マウスピース療法、行動変容療法、ボトックス療法があります。
・マウスピース療法・・・食いしばりを無意識に行っている就寝中にマウスピースを装着して行う療法です。食いしばる力をマウスピースにより分散させ歯に加わるダメージを軽減する効果が期待できます。マウスピースは症状や状態に合わせてその都度作り直す必要があります。
・行動変容療法・・・正しい行動ができるように変えていく療法になり、上下の歯と歯を合わせない様に意識させます。上下の歯を接触させていると気づいたら歯と歯を離すように心がけ、顎周りの筋肉をリラックスさせるようにします。
・ボトックス療法・・・筋肉を弛緩させる効果のあるボツリヌス菌を筋収縮が最も強いとされる咬筋に注入し、筋収縮に制限をかけます。筋肉の緊張が緩和されエラの張りが減少し小顔効果も期待できます。
食いしばりは、ご自身での生活習慣を見直して対処する必要があります。
【対処法】
・全身のストレッチ・・・食いしばりが原因となり、顎周りだけでなく、肩凝りや首のこりが強くなります。また、逆に首や肩がこっていると食いしばりを起こしやすいくなります。その為、全身のストレッチを行い筋肉を緩めると良いでしょう。
・患部のマッサージ、弛緩療法・・・顎周辺や、側頭筋、表情筋、首や肩周り筋肉をマッサージします。マッサージすることで、筋肉を弛緩させ、血流を改善し、患部の痛みや張りを軽減させます。手指でのマッサージが難しい時はマッサージ用のツールを使用して行うと、必要以上に力を使わずとも行う事ができるのでオススメです。
また、マッサージは痛気持ちいいぐらいの力で行うことで、筋肉が早く緩みやすくなります。
・姿勢の改善・・・猫背や巻き肩など姿勢の悪い方は首や肩に負担がかかり、肩凝り、首こりが起こり、それが原因となり食いしばりを起こしやすいです。そして、就寝時の姿勢もとても大切になってきます。横向きの姿勢で寝ると片側の顎や肩へと負担が大きくなってします。就寝時の姿勢とともに、ほおづえなどの顎に負担のかかる姿勢のクセも改善していく事が大切です。
当院では、自律神経測定器にて自律神経の状態を把握した上で治療に移ります。
自律神経は交感神経、副交感神経の二つに分けられ、交感神経は日中の活動時に活発に働く神経で、副交感神経は夕方から夜にかけて優位に働くリラックス神経です。この二つの神経がバランスをとりながら無意識下で全身の筋肉や血管、ホルモンの分泌など様々な調整を行っているため、ストレスや疲労、生活習慣の乱れなどから自律神経のバランスが乱れると、心身の不調をきたす原因になります。
本来、寝ている時は自律神経の副交感神経が優位になるので筋肉は緩むのですが、食いしばりをしてしまうと、交感神経活動が亢進し副交感神経の活動は抑制されてしまい、体と心を休める時間である睡眠時間にしっかりと身体が休まらず疲労が溜まってしまいます。
また逆に、ストレスや過労が自律神経のバランスを崩す原因となり、就寝時に交感神経が優位になってしまうことで口を閉める筋肉が緊張してしまい、食いしばりを起こしてしまいます。
その為、自律神経のバランスを整える治療に加え、東洋医学的観点から【肝・心】に関わる経穴に刺激を与えることで、食いしばりの影響による顎や、首、肩、側頭筋の筋肉の過緊張を取り除き、顎関節周囲にかかる負担を軽減させる治療を行います。
また、状態の必要に応じて鍼に微弱な電気を通し、鎮痛作用や筋緊張の緩和、血流の促進を促します。
食いしばりの原因はストレスの影響が大きいと考えられるため、身体がストレスを受けると、脳が反応して自律神経を乱します。自律神経の状態を良くすることでストレス緩和や症状の改善を促し、免疫を上げることができます。
また、生活習慣からの影響も自律神経に関係するため、自律神経を整えるには、バランスの良い食事や睡眠、適度な運動をするなど、生活習慣の見直しも必要になります。
当院では、自律神経測定器があります。この測定器では、交感神経と副交感神経のバランスや肉体的ストレスや精神的ストレスなども測る事ができます。測定結果を元に、お一人お一人に合ったオーダーメイドの治療をします。そして、東洋医学の治療法と自律神経療法を組み合わせることでより治療効果を高めることができます。
鍼灸治療は自律神経を整えるのにとても優れた治療法です。自律神経を整える経穴やストレス解消の特効穴を用いて症状改善を目指します。
また、自律神経のバランスを整える事で筋肉の過緊張を緩和し、
血行を促進して症状を改善し、再発や悪化を防いでくれます。
食いしばりの症状でお悩みの方は、東京α鍼灸院へお越しください。
食いしばりの鍼灸治療症例
50代 女性
幼い頃から睡眠時に歯ぎしりをしていた。社会人になってストレスを感じると無意識に顎や歯に力が入り緊張してしまう。
首肩コリは慢性的にある。
当院の治療
治療前の触診で顎周りから側頭筋まで広く筋緊張があり、仕事や家庭のストレスも強く自律神経の乱れが見られました。
うつ伏せでは、自律神経を整えるための副交感神経が優位になる治療、仰向けでは咬筋、側頭筋の筋緊張の改善を中心に血行促進の治療を行いました。
治療経過
◇1回目◇
変化は感じない
◇2回目◇
治療後は顎周りが動かしやすい気がする。すぐに元の硬さに戻る。
◇3回目◇
あまり気にしていなかったが頭痛が改善している。
◇4、5回目◇
朝起きた時の顎の疲れが軽くなってきた。
◇6回目◇
仕事が忙しく疲れとストレスがたまったが、以前よりも楽に過ごせるようになった。
◇7回目◇
来院ペースを2週間に1回にして、経過観察をすることにした。
◇8回目以降◇
日常生活でほぼ気にならなくなった。
日光アレルギーとは、日光を浴びることで発生したり、悪化したりする皮膚の総称で、『光線過敏症』や『日光過敏症』などとも呼ばれています。『総称』とあるように、日光アレルギーは一つの病気ではなく、いくつかの病気をまとめた呼び名になります。
日光アレルギーに含まれる病気はたくさんありますが、遺伝や代謝の異常などが関係する内因性のものと、薬剤や化粧品などがきっかけとなる外因性のものの2つに大きく分けられます。
日光アレルギーの主な症状としては、日光を浴びた後に、皮膚にかゆみや赤み、水ぶくれなどの症状が出る病気です。
放っておくと症状が悪化して、日常生活に支障をきたすことがあります。
内因性の日光アレルギーは、はっきりとした原因が解明されていないものが多いですが、多くの原因としては遺伝や他の病気などが関係していて、紫外線や可視光線を浴びることで皮膚に症状が現れます。
日光蕁麻疹:ある日突然、日光が当たった部分に蕁麻疹ができます。軽症の場合であれば自然に症状が消えていくことが多いのですが、ひどい場合はめまいや頭痛など、全身症状を伴うことがあります。また、紫外線以外の可視光線で症状がでる人もいます。
多形日光疹:日光に当たる部分(主に腕や顔)に赤く小さな丘疹ができます。痒みを伴い、水ぶくれになることもあります。春から夏にかけて症状が出やすく、若い女性に多くみられます。
慢性光線性皮膚炎:光の当たる部分に、赤みのあるゴツゴツとした湿疹ができます。中高年の男性に多くみられます。原因は分かっておらず、治療も難しい病気です。
色素性乾皮症:遺伝性の難病で、日光が当たった部分にシミができたり、皮膚が乾燥したりする病気です。赤ちゃんのうちから症状が出ることもあります。症状に気づかずに紫外線を浴び続けると、10〜20代で皮膚がんに移行する可能性が高くなります。
※これらの他に、自己免疫疾患の『全身性エリテマトーデス』や代謝異常症の一つである『ポルフィン症』のように、ほかの病気が原因となることもあります。
外因性の日光アレルギーでは、薬や化粧品などを塗ったり、服用することがきっかけとなり発症します。一部の薬剤や化粧品、香水、果物や野菜などには光に過敏に反応する物質が含まれていて、それらを体内に取り込み、日光を浴びることで化学反応を起こしたり、皮膚に何らかの症状が現れると考えられています。また外因性の日光アレルギーには、光アレルギー性と光毒性の2つの発生メカニズムがあることがわかっています。
【光アレルギー性】
体内に取り込まれた原因物質が紫外線と化学反応を起こすと、アレルギーの原因物質(抗原)が作られることがあります。その物質が体内に取り込まれて、紫外線を浴びた際に、過剰な免疫反応が起きてしまい、赤みを伴う腫れ、丘疹、浮腫や水ぶくれ、痒みなどの症状が現れます。
こうした症状は、すべての人に起こるものではなく、花粉症などと同じように抗原が作られた人のみ起こります。一度、抗原が作られてしまうと、ごくわずかな量でも症状が出やすくなります。
【光毒性】
薬や香水などに含まれる物質に紫外線が当たることにより、活性酸素が作られ、それが細胞などを攻撃することで皮膚炎が起こるものです。光アレルギー性のように免疫反応の異常によるものではないので、血液中に一定量の原因物質があり、一定量の紫外線を浴びれば、誰でも発症する可能性があります。
紫外線が当たると数分から数時間後に、赤みや腫れといった日焼けに似た症状が現れ、その後、落屑や色素沈着がおこります。
光接触皮膚炎:一般的に『光かぶれ』とも呼ばれていて、一部の外用薬や香料、日焼け止めなどに含まれる物質が原因となります。特に、ケトプロフェン系の湿布薬は、鎮静効果が高い一方で光接触皮膚炎が起きやすいことで知られています。そのは他、セロリやパセリ、オレンジなどが原因になることもあります。
光線過敏型薬疹:一部の利尿剤や降圧剤、抗菌剤、抗がん剤、抗ヒスタミン剤、抗精神病薬などの内服薬が原因になります。口から摂取し体内に取り込まれることで、そこに含まれる原因物質が皮膚に影響を及ぼし、それが紫外線(主にUV-A)に反応することで、発疹などの症状が現れます。
日光アレルギーは病気によって、抗ヒスタミン薬、ステロイドなどの外用薬、原因となる光線をあえて照射して身体を慣れさせる治療法など様々です。そのため、血液検査や光パッチテストなどを行い、原因となってる光の種類を特定していきます。
東洋医学ではアレルギー症状の原因は水分の代謝障害『水滞』または『水毒』と考えられています。
普段から冷たい飲食物を摂りすぎていたり、過労やストレス、または虚弱体質のなどが原因となり胃腸の働きが弱まり、消化吸収が低下すると飲食物がしっかりと吸収されずに体内にとどまってしまいます。
この余分な水分が、体の生理機能の低下を引き起こし、アレルギーを引き起こすのです。
また、アレルギー反応は免疫機能の異常とも考えられるため、免疫機能を主る自律神経の乱れが原因で起きると考えられます。
自律神経はストレスや過労、温度差や不規則な生活などが主な原因となり乱れてしまいます。
当院には自律神経測定器があり、この測定器では交感神経と副交感神経のバランスや肉体的・精神的ストレスなども測る事ができます。測定結果を元に、お一人お一人に合ったオーダーメイドの治療をします。そして、東洋医学の治療法と自律神経療法を組み合わせることでより治療効果を高めることができます。
鍼灸治療は自律神経を整えるのにとても優れた治療法です。自律神経を整える経穴やストレス解消の特効穴を用いて症状改善を目指します。
また、自律神経のバランスを整える事で心身の過緊張を緩和し、血行を促進して症状を改善し、症状の再発や悪化を防ぎます。
日光アレルギーの症状でお悩みの方は、東京α鍼灸院へお越しください。
胃痛とは一般的にみぞおち(左右の肋骨の間)のあたりに痛みや不快感を感じる症状のことを指します。何かの拍子に突然痛くなることもあれば、長期間にわたって痛みが繰り返されることもあり、その原因も様々です。
・胃酸の影響
過剰に分泌された遺産が胃の内側にある胃粘膜を攻撃し、炎症が起きている状態です。空腹時などにシクシク、もしくはキリキリと痛むことが多いとされます。胃炎や消化性潰瘍などがこれにあたります。
・胃痙攣
胃の筋肉が痙攣を起こし、神経を刺激することで起こります。キューッと差し込むような痛みと表現されることが多く、吐き気や食欲不振などを伴うこともあります。
・胃腸機能の低下
胃そのものに症状の原因となるものは見つからないにもかかわらず、胃痛や胃もたれなどを起こす疾患で、機能性ディスペプシアなどがこれに挙げられます。
痛みは食後に起こることが多く、心理的・身体的ストレスなどが原因となり、胃の働きに支障が出て、胃の不調を起こすと考えられています。
・ストレス
胃などの消化器官の働きは自律神経(交感神経と副交感神経)が関わっています。
ストレスによる刺激が脳から「副交感神経」を通って胃に伝えられ、過剰な胃酸分泌を促しさらに胃の蠕動運動を促進します。ストレスによる刺激は、もう一方では脳から「交感神経」にも伝わり、胃の血管を収縮させ、血流や胃の粘膜の分泌を減少させます。
・食生活の影響
暴飲暴食、油っぽい食事、消化に悪い食べ物を摂取し続けると胃酸の分泌が高まって胃の粘膜が傷つけてしまいます。その結果胃痛が起こります。
・ピロリ菌
胃の中は強い酸の影響によって細菌は生息できませんが、ピロリ菌はウレアーゼという酵素によって尿素からアンモニアを作り自分の周囲を酸性からアルカリ性に変化させることができます。
胃の中で生息することができるピロリ菌に感染すると、胃の中の粘膜を傷つけて胃痛が起こります。
みぞおちの痛みが起きているときに疑われる病気
みぞおちの痛みは様々な病気で発生します。胃液が過剰に分泌されていると、胃粘膜を傷つけてみぞおちが痛くなります。胃炎や胃潰瘍が疑われます。その他胃がんや膵臓の病気、心臓の病気によってもみぞおちが痛くなることがあります。
みぞおちの痛みは、機能性ディスペプシアでも起こります。機能性ディスペプシアは「胃痛や吐き気、胃もたれなどが続いているにもかかわらず、内視鏡検査をしても粘膜などに異常が見つからない」病気と定義されています。
胸やけが起きているときに疑われる病気
胸やけが起きているとき、胃酸が食道に逆流している可能性があります。これを逆流性食道炎といいます。食道と胃のつなぎ目は通常飲み食いしていないときはしっかり閉じていますが、それが緩むときがあります。
そのため、胃の中の強い酸性の胃液が食道に入ってきて、むねやけの症状を引き起こします。また、慢性胃炎でも胸やけが起こるときがあります。
胃もたれが起きているときに疑われる病気
胃もたれが起きているとき、食べ物が胃の中にとどまりすぎている可能性があります。食べ物は胃の中でドロドロになったら十二指腸へ流れますが、胃の排出機能が低下してその流れが起きないことがあります。
それで胃が重く感じるようになってきます。胃液の量が足りず、食べたものが消化されず胃の中へとどまって胃もたれを起こすこともあります。慢性胃炎や機能性ディスペプシアでも胃もたれが起きます。
吐き気や嘔吐が起きているときに疑われる病気
吐き気や嘔吐が起きているとき、機能性ディスペプシアの可能性があります。吐き気や嘔吐の症状は、その他にも胃炎、イレウス、片頭痛、脳神経の病気でも起きます。
・ストレスによる肝の機能低下
胃が行っている、飲食から必要な栄養を吸収し、不要なものを下に降ろす(受納・降濁:じゅのう・こうだく)は、肝の協調によって行われています。何らかの影響で肝の働きが妨げられると胃も影響を受け、受納降濁の働きがうまくいかなくなってしまいます。(肝胃不和:かんいふわ)
肝は身体のバランスを整えている場所で、感情の影響を受けやすいところです。過度なストレスを受けることで肝の働きは低下し「肝鬱気滞」という気の停滞を生じます。これが胃の働きを邪魔して胃痛を生じると考えれられています。
・冷えによる胃痛
また、冷えが原因で胃痛になることがあります。例えば冷たい飲食物を多く摂りすぎたり冷房の効いた室内で体が冷えたときにお腹が痛くなった経験はないでしょうか。このような胃の痛みは温かいものを食べたりお腹を温めると痛みが楽になります。
・胃腸虚弱
もともとの体質で胃腸の機能が弱い方、東洋医学でいう「脾」と「胃」の機能が低下すると、水分代謝機能が低下します。それがしばらく続くと湿気のように重くなかなか排出できず溜まってしまい、各所に張ったような痛みやつかえた感じが腹部にも起こると考えられています。
当院では胃酸の分泌や胃の働きなどに大きく関わる自律神経のバランスを測定しお体の状態を把握したうえで治療へ移ります。
胃の働きを調整している自律神経系の調整施術と腹部や背部、下肢などにある脾、胃の働きを整えるツボ、東洋医学的観点から肝の機能を整えるツボなどを用いて治療を行います。
また、胃の機能低下は冷えとも関係があるため、お体の状態を見て必要であれば冷えを除くようなツボに刺激を与えたり、お灸を用いて体を温めるような施術を行います。
外耳炎とは、鼓膜の外側にある外耳道という部分に炎症が起こる疾患です。
通常は耳掃除といった外耳を傷つける要因になることを中止し清潔にすれば自然に軽快していきますが、高齢者や糖尿病患者は治りが悪くなることがあります。重症の場合、外耳の細菌感染が頭蓋骨まで浸食し悪性外耳道炎を引き起こすこともありますので、治りが遅い場合には早めに耳鼻科へ受診することが大切です。
外耳炎は、外耳道を耳かきや爪で引っ掻くことで傷ができ、そこに黄色ブドウ球菌、緑膿菌、真菌などの細菌が感染することによって起こります。
それ以外でも水泳で耳の内部に水が入ることや、整髪料やヘアカラー剤などの刺激物が耳の中に入ることがきっかけで発症することもあります。耳栓や補聴器、イヤホンの使用も外耳炎のリスクが高まります。
外耳炎は、急性限局性外耳道炎、びまん性外耳道炎、悪性外耳道炎の3つに分類されます。
・急性限局性外耳道炎
急性限局性外耳道炎は多くの場合、耳の入口あたりの皮膚が腫れ上がり、激痛を伴います。
食事で咀嚼時に顎を動かしたり、耳の入口付近や耳介、耳珠を押したり引っ張ったりすると痛みが増します。歯や頭頂部に痛みが放散する事もあります。
・びまん性外耳道炎
びまん性外耳道炎は外耳道の骨部という部位に発症する事が特徴で、主な症状は強いかゆみと痛みになります。
悪化すると奥の方まで炎症が広がり鼓膜周辺まで腫れ上がることがあります。中耳炎での耳漏、耳せつ、外耳道湿疹に続発して起こる事もあります。
・悪性外耳道炎
悪性外耳道炎は、強い炎症が起こりそれにより、炎症が外耳道周辺の組織まで広がり、側頭骨の骨髄炎を生じるのが特徴で、進行すると頭蓋骨底部の頭蓋底にまで炎症が波及してしまうこともあります。
外耳道に緑膿菌が感染することが主な原因で、それ以外にも細菌、真菌、アスペルギルスやMRSAを含む黄色ブドウ球菌でも発症することがあります。発症には免疫力の低下が関与していると考えられており、発症者の約80%が糖尿病に罹患していると言われています。
症状は、耳の強い痛みで、特に夜間に強くなる事が多いです。また、耳から悪臭のある分泌物を出し、外耳道に膿やカスが見られ、聴力の低下めまい、耳鳴りが起きる事もあります。外耳道に肉芽が形成されてしまうと耳閉感も現れ、頭蓋底まで感染が広がると、顔面神経、舌院神経、迷走神経など様々な脳神経が障害され、顔面神経麻痺などの神経障害が引き起こす事もあります。
炎症が顎関節に広がると、顎周辺に腫れや痛みが起こり、口が開きにくいといった症状も起こります。
炎症が頭蓋内に及ぶと、髄膜炎や脳膿瘍を生じ意識障害や痙攣などが引き起こされる事もあります。
当院ではまず、自律神経の調節施術を行い、内蔵機能と全身的な血流循環の促進、免疫機能を高め、治癒しやすいお身体の状態へと整えていきます。
ご希望の方は、施術前に自律神経測定器で現在の自律神経の状態や、ストレスの状態、血管の状態を測定していきます。
また、外耳炎の東洋医学の観点から「肝」「腎」「脾」に関連する経穴を使用し体質を整えていく事や、耳の血流を促進し回復を促すため首肩の筋緊張を緩める施術も行っていきます。
さらに耳周囲の経穴に鍼やお灸で刺激を与え、炎症や痛みを抑える作用を促していきます。
状態によっては刺入した鍼に微弱な電気を流す低周波鍼通電法を用いて痛みを抑制していきます。
外耳炎で鍼灸治療で使用される経穴は「耳門」「聴宮」「聴会」「翳風」になります。耳門は水分調節や老廃物を排出する働きに効くツボで、翳風は外耳炎の化膿による痛みに効果的なツボになります。
東洋医学では、「腎」「肝」「脾」の機能が低下することで耳の症状が現れると考えられています。
腎は、慢性的な身体の疲労、または加齢によって低下し、肝は精神的ストレス、脾は胃腸などの消化器系の不調や、自律神経系の失調により機能が低下します。
外耳炎は外鏡検査で、発赤、腫脹、耳漏を確認していきます。耳漏が認められたら、原因の微生物の種類を見極めるために、外耳から分泌液を採取して細菌検査を行います。
悪性外耳道炎の場合は、外鏡検査、細菌検査の他に周囲の骨破壊や膿腫の形成の有無、上咽頭や頭蓋内の癌などの鑑別を行うために、レントゲン検査やCT検査を行います。
また、悪性外耳道炎と類似した症状を示す外耳道癌や中耳結核との鑑別を行うために、外耳道に形成された皮膚組織や肉芽を採取して顕微鏡で観察する病理検査、炎症反応などの全身状態を評価するための血液検査も行われます。
病院で行う治療は、脱脂綿や吸引機で軽く耳の内を清掃して清潔な状態にします。それから局所へステロイドの点耳薬、軟膏塗布を行います。
びまん性外耳道炎の場合は抗生物質の塗布や投与が中心になります。
また、患部を切開して膿を除去する処置や痛みが激しい場合は、鎮痛剤が処方されることもあります。
悪性外耳道炎では、肉芽組織を除去する手術も行われることがあります。
外耳炎は過剰な耳掃除によるものが一番多いです。そのため耳かきをしすぎないことが大切です。耳かきを行う頻度は月に1~2回程度がおすすめです。
耳の中の深部は皮膚が薄く非常に傷がつきやすいです。また、耳垢は入口から1cmぐらいの深さに存在しますので、それ以上の深さで行わないように注意しましょう。
耳掃除以外にも、長時間のイヤホンの使用やヘアスプレーが耳の中に入らないように注意することも外耳炎の予防に非常に大切なことです。
もし、外耳炎の症状がある場合はプールやお風呂に潜らないようにし、早めに耳鼻科に受診しましょう。
気虚(ききょ)とは、東洋医学で用いられる言葉であり、体や心の状態を表す概念です。気は体内に存在する生命エネルギーでネルギーであり、体内の機能やバランスを調整する役割を果たしています。気虚とは、この気の不足や弱さを指し、体力、免疫力、集中力などの低下や疲労感、体のだるさなどの症状が現れる状態を指します。
気虚の症状は人によって異なりますが、以下に代表的な症状をいくつか挙げます。
1 疲労感:気虚の人は体力が低下しており、疲れやすい傾向があります。日常的な活動や運動においても、通常よりも早く疲れを感じることがあります。
2 集中力の低下:気虚の人は集中力が乏しくなり、仕事や勉強、日常生活においても思考や注意力の散漫さを感じることがあります。
3 免疫力低下:気虚の人は免疫力が低下し、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなります。体が弱く、抵抗力が低下しているためです。
4 冷えやだるさ:気虚の人は体の冷えやだるさを感じやすくなります。特に手足の末端が冷たくなることが多く、むくみや脚のおもだるさ、冷え性の症状が現れることもあります。
5 睡眠障害:気虚の人は睡眠障害を抱えることが多く、入眠困難や中途覚醒、ぐっすり眠っても疲労感が取れないなどの症状が現れることがあります。
6 頭痛やめまい: 脳血流が不足するため、頭痛やめまいを感じることがあります。特に体力を使った後や、ストレスを感じた後に起こりやすいです。
7 情動の不安定:気は感情のコントロールにも関わっています。適切な度合いの感情は必要ですが、過度な怒りや悲しみ、反対に全く反応が無くなってしまう場合があります。普段気にならないことでもイライラしたり、攻撃的になる場合があります。
気虚が起こる原因は生活習慣に大きく関わっています。
1 長期の過労やストレス:過度の仕事やストレスは気虚を引き起こす要因の一つです。長時間の労働や精神的なストレスが続くと、気の消耗が起こり、気虚の症状が現れることがあります。
2 栄養不足:栄養バランスの悪い食事や食欲不振による栄養不足は気虚を引き起こす原因となります。特にビタミンやミネラル、たんぱく質などの摂取が不足すると、気の生成や運行に必要な栄養素が不足し、気虚の状態が生じます。
3 過度の運動や過労のスポーツ活動:過度の運動や過労のスポーツ活動は、筋肉の疲労だけでなく、気の消耗も引き起こすことがあります。特に長時間の激しい運動や短期間での過度のトレーニングは、気虚の症状を生じやすくします。
4 慢性的な睡眠不足:睡眠不足や睡眠の質の低下は、気の不足を引き起こす原因となります。日常的に睡眠時間が短いと身体だけでなく胃腸の活動も低下します。食事からの栄養吸収効率が低下すると気虚になりやすくなります。
このように気虚では、基礎代謝や免疫力など健康の基盤が弱くなります。つまり血液循環が低下します。そのため身体のいたるところで症状が見られます。
脚の血液循環が低下すると、末端冷え症やふくらはぎのこむら返り、浮腫を起こします。
内臓の血流が低下すれば体重減少や栄養失調、下痢などお腹の症状に繋がります。
頭部の場合は、目や耳、鼻に症状が現れます。
目の症状:目の重だるさ、かすみ目、ドライアイなど
耳の症状:突発性難聴、耳鳴り、めまいなど
鼻の症状;鼻汁、嗅覚障害、後鼻漏など
また、気虚では情動の不安定性が見られます。
多くの場合は2つのケースにわかれます。感情の起伏が激しくなり、怒りや悲しみが強く発現して感情が抑えられなくなる場合と、物事に対するリアクションが軽微になり喜びや楽しさを感じにくくなる場合があります。
情動の不安定性による疾患:統合失調症、気分障害(双極性障害・うつ病)、不安神経症など
気虚の状態では自律神経の働きが低下している場合が多くみられます。
そのため自律神経の働きを上げることと、交感・副交感神経の働きのバランスを整える必要があります。
当院では自律神経測定器を導入しており、治療の前に測定して現在の自律神経の状態を確認します。
うつ症状が見られる場合は副交感神経が優位な場合が多く、イライラや睡眠障害が見られる場合は交感神経が過剰活動になっている場合があります。
うつ伏せ治療では、首や肩、背中、腰、脚にあるツボや筋肉の硬さ(硬結)に鍼をします。
その周囲を温めることでより効果的に血流を改善していきます。
仰向け治療では手足、お腹にあるツボに鍼をします。頭痛やめまい、目や耳にも症状があれば局所とその症状にあうツボにも鍼と灸をします。
気虚の症状は慢性的に発症していることが多く、その場合はある程度の治療期間が必要になります。また一時的に改善しても再発しやすいのも特徴です。そのため定期的な治療を受けることで良い状態を維持していくことが重要になります。
腱板とは、肩甲骨から上腕骨(腕の骨)につく、棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋の4つの筋肉をさします。
肩をあげたり捻じる動作を行うため、回旋筋腱板(ローテーターカフ)とも呼ばれます。
これら4つの筋肉が肩のインナーマッスルとなり、肩関節の動きとして重要な役割をしています。
腱板炎をおこしてしまう主な原因は、使いすぎにあります。
野球の投球動作やゴルフ、テニスのサーブやバレーボールのアタックなどオーバーハンドスポーツ、水泳などをされるアスリートに多くみられます。一般の方ですと、肩を上げたり捻じる動作が日常的に多く、肩を酷使される方に多く見受けられます。
病態の損傷と分類としては、微細損傷、不全断裂,完全断裂に分かれます。
不全断裂や完全断裂の主な症状としては、肩の可動時痛です。
腱板炎は五十肩と似た症状ですが、五十肩の場合原因がはっきりとしないのに対し、腱板炎は腱板の炎症、または断裂が疑われるものをいいます。筋肉の損傷ですので、損傷している部分の筋肉に力が入ると痛みが出ます。
五十肩は、他人に動かしてもらっても痛みは変わりませんが、腱板炎の場合は、関節自体に問題があるわけではないので、力を抜いた状態で他人に動かしてもらった場合、痛みが出ることはありません。
夜間痛が強い方も多く、急性期には強い痛みが出る場合もあるため、安静と可動域制限(固定)も考慮し日常生活では注意しなければいけません。
また損傷の程度によって筋肉の萎縮が見られる為、肩に力が入りづらくなることもあります。
【棘上筋】
三角とともに肩の外転(腕を真横に上げる)働きがあります。肩関節の固定性と上腕骨の滑りを担っているため、棘上筋が弱くなったり硬くなってしまうと、肩の安定性が乏しくなり、棘上筋腱(上腕骨に付着している部分)に炎症を引き起こしてしまうことがあります。
【棘下筋】
肩甲骨と上腕をつないで肩関節を安定させる役割。また、上腕を後方へ引く動作に関与している為、ボールの投球時などの振りかぶる動作や、背中を掻いたり頭を洗ったりする際などに使われます。日常的によく使う筋肉のため、あまり休まる時がない筋肉です。
【小円筋】
肩関節の後方の安定性と腕を外向きにひねる役割りを果たしていおり、小円筋が硬くなると、内側にひねる動作に制限がでたり、痛みが生じます。
【肩甲下筋】
肩甲骨と上腕骨をつなぎ、支えるための重要な筋肉です。また、肩の内旋(内側にひねる動き)を担っています。肩甲下筋が縮んで硬くなると、肩の外旋(外にひねる動き)の範囲が狭くなります。
※なかでも、1番痛めやすいのが棘上筋です。棘上筋は肩甲骨から始まり、肩甲骨の突起(肩峰:けんぽう)の下をくぐるように上腕骨の大結節というところに付着します。
そのため、肩の使い過ぎや筋肉疲労によって、上腕骨と肩峰に挟み込まれた衝撃や摩擦により棘上筋の筋繊維を損傷してしまいます。その他の筋肉は回旋時(肩を回す時)に作用するため、回旋時のストレスが蓄積されることによって痛めてしまいます。
【検査】
レントゲンでは腱板の損傷はうつらないため、問診やテスト法、可動域の検査や、MRI検査、超音波検査などを行います。
【治療法】
急性期の場合は、固定やアイシングなど怪我の基本的な処置が必要となることがあります。極端に大きな負荷がかかった場合は腱板の完全断裂を疑われるので、専門医の精査が必要となります。
そして、治療法は保存療法と手術療法に分けられます。保存療法の場合は、2週間ほど固定し安静に保ちます。その後、手技療法で可能なストレッチを行い患部周囲をほぐしたり、段階に応じた運動療法を取り入れて組織の再強化を行います。
※腱板損傷は、外傷性のものもありますが、ほとんどは度重なる運動や動作のストレスによるものです。日頃から肩にストレスが蓄積されないように、ストレッチなどを取り入れて、セルフケアをしっかりと行いましょう。
鍼灸治療で適応となるのは微細損傷と不全断裂となり、慢性期に移行した際には、機能回復治療として鍼灸治療が選択の1つとなります。
局所や痛みに関連している経絡を使い、反応のあるツボに刺激を入れて痛みの軽減を図ります。また、上腕二頭筋の緊張を緩め、筋の摩擦を軽減し炎症を抑えていきます。急性期にはアイシングや患部の安静が重要になります。
東洋医学的観点において筋肉の問題は『肝』に関係していると言われています。肝が損われると、筋に引きつれが起こりやすいと考えられているため、肝の経穴に刺激を与えることで、筋肉の過緊張を取り除き、体にかかる負担を軽減させる治療を行います。そして上腕二頭筋や関連している筋肉の状態に応じて鍼に微弱な電気を通し、鎮痛作用や筋緊張の緩和、血流の促進を促します。
また当院では、自律神経測定器にて自律神経の状態を把握した上で治療をします。
自律神経は交感神経、副交感神経の二つに分けられ、交感神経は日中の活動時に活発に働く神経で、副交感神経は夕方から夜にかけて優位に働くリラックス神経です。この二つの神経がバランスをとりながら無意識下で全身の筋肉や血管、ホルモンの分泌など様々な調整を行っているため、ストレスや疲労、生活習慣の乱れなどから自律神経のバランスが乱れると、心身の不調をきたします。
また自律神経が乱れることで、就寝時に交感神経が優位になってしまい身体が休まらず疲労が溜まってしまい、筋肉の緊張が取れにくい身体になってしまいます。
そしてなにより、東洋医学の治療法と自律神経療法を組み合わせることでより治療効果を高めることができるため、お一人お一人に合ったオーダーメイドの治療を行っていきます。
鍼灸治療は自律神経を整えるのにとても優れた治療法です。自律神経を整える経穴や肝の特効穴を用いて症状改善を目指します。
また、自律神経のバランスを整える事で筋肉の過緊張を緩和し、血行を促進して鎮痛効果と症状を改善し、免疫力をあげることで再発や悪化を防いでくれます。
腱板炎の症状でお悩みの方は、東京α鍼灸院へお越しください。
気滞とは、文字通り気の滞りのことを指します。次に気とは生命活動の源とされるもので、普段は滞りなく全身を巡っています。気は血液や熱と類似しており、ある部位で滞ってしまうと身体に症状が現れます。この身体症状が気滞です。具体的な症状は気滞が起こる部位によって異なります。そのため気滞によって引き起こされる症状は多岐にわたります。
まず気とは血液や熱に類似しているとお伝えしました。さらに詳しくは血液の中に気が含まれて全身に巡っており、内臓や筋肉、骨など全身を栄養しています。つまり気滞症状ではその巡りが滞ってしまうことで引き起こされる症状になります。
この気滞は生活環境や身体環境の様々な原因によって起こります。
食生活
食事は身体のエネルギー源であり、健康に欠かせない要素です。しかし、過度の食べ物摂取や不健康な食習慣は、消化器系に負担をかけ、エネルギーの流れが滞る原因となります。例えば、過食や脂っこい食事は消化に時間がかかり、胃腸の動きを乱すことがあります。その結果、気滞が発生し、体調不良や消化不良の症状が現れることがあります。気滞を解消するためには、バランスの取れた食事を摂ることや、食べ過ぎないことが重要です。
運動不足
運動不足は身体の血液やリンパの流れを鈍らせ、気滞を引き起こす可能性があります。適度な運動は、身体を活性化させ、エネルギーの流れを促進します。例えば、座りっぱなしのデスクワークや長時間のスマートフォンの使用は、身体を動かさずに時間を過ごすことになります。その結果、筋肉の硬直や血行不良が引き起こされ、気滞が生じることがあります。気滞を解消するためには、適度な運動を取り入れることが大切です。ウォーキングやヨガなどの軽い運動がオススメです。
ストレス管理
ストレスは心身に深刻な影響を与える要因の1つです。ストレスは自律神経のバランスを乱し、エネルギーの流れを阻害する可能性があります。仕事のプレッシャーや人間関係のストレスなど、さまざまな要素がストレスを引き起こす原因となります。例えば、ストレスを抱えていると、血圧や心拍数の上昇、筋肉の緊張などが起こります。これらの症状は、気滞を引き起こす一因となります。気滞を解消するためには、ストレス管理法を取り入れることが必要です。瞑想や深呼吸、趣味の時間を作ることなど、ストレスを軽減する方法を積極的に取り入れましょう。
身体の中で気滞を起こしやすい部位があります。それは首です。首は頭と身体の境にあります。頭部にある目や脳は大量のエネルギーが必要でより多くの血液を滞りなく巡らせる必要があります。また身体の心臓から血液を上に持ち上げて頭に送らなければならないのでより負担がかかっています。さらに首の筋肉は重量のある頭を常に支えています。現代ではデスクワークやスマホによる不良姿勢が原因で首の筋肉が固まってしまっている方が多くなっています。これらの理由により首で気滞が起こりやすくなっています。
気滞が起こる部位は筋肉だけでなく内臓でも起こるとされています。
中でも胃は特に気滞が起こりやすい部位です。
胃は熱を過剰に持ちやすい内臓です。胃で気滞が起こると、心窩部の膨満感や噯気(ゲップのこと)が現れます。胃にある空気を噯気で外に出すことで気が滞ってできた熱を逃すためです。
頭痛
気滞によって頭部の血流が悪くなり、頭痛を引き起こす場合があります。また、気滞が長く続くと、頭部のエネルギーバランスが乱れ、慢性的な頭痛に発展することもあります。
消化器疾患
気滞が胃や腸に影響を与えるため、消化器疾患を引き起こすことがあります。胃もたれや食欲不振、胃酸過多などの症状が現れることがあります。また、気滞が腸内環境に悪影響を与え、便秘や下痢などの症状を引き起こすこともあります。
筋骨格系の疾患
気滞によって筋肉や関節の血行不良が引き起こされ、肩こりや腰痛などの症状が現れることがあります。また、気滞が続くと筋肉の硬化や筋不全症を引き起こすこともあるため、適切な運動やストレッチが重要です。
皮膚トラブル
気滞が肌にも影響を及ぼし、肌荒れやニキビ、じんましんなどの皮膚トラブルを引き起こすことがあります。
不眠症
気滞が睡眠中の気の流れを妨げ、不眠症を引き起こすことがあります。気が滞ると、頭の中が活発になり、うまくリラックスできないことが原因とされています。
胃のトラブル
胃は気滞が起こりやすい部位の一つです。胃で気が滞ると、噯気(ゲップのこと)や心窩部の膨満感を感じます。さらに悪化していくと、逆流性食道炎や呑気症といった疾患に繋がります。
東洋医学において、気滞は「肝」の不調と考えられます。
「肝」とは気の巡りを司る働きを担っており、この働きが不調になると正常に気が巡らず、首元や胃で気滞を起こしてしまいます。また、気の巡りを司る「肝」は他にも自律神経と深く関わっており、パソコン業務などで目を酷使した際や全身的に疲労した際は「肝」の機能が落ちるため、情動の抑えが利かずにイライラを強く感じやすくなったり、目の乾きや充血がみられたりします。
気滞によって起こっている症状に合わせて頭や首、全身的に鍼をしていきます。
特に気滞が起こりやすく筋肉が固まりやすい首を緩めていくためには、手や腕にあるツボを使います。
また「肝」の機能を補ってあげることで気の巡りが正常に戻るので、脚にある「肝」と関わりの深いツボにも鍼をしていきます。
患者様によっては交感神経が優位で緊張状態にある場合があるため、その際はお腹や頭といった部位にも鍼をしてリラックスできる身体にしていきます。
声帯に炎症が生じて腫れてしまうことで、声が枯れたり声が全く出なくなったりする疾患です。
声帯炎になる原因の多くはウイルスや細菌感染によるもので、風邪の一部の症状として出ます。
その他に、タバコの吸いすぎやお酒の飲み過ぎ、汚れた空気を吸ったり、歌手や学校の先生、アナウンサーなど喉を酷使する職業の方などが起こりやすいです。
声帯粘膜が炎症により腫脹すると、発生時に声帯がしっかりと閉まらなくなり隙間ができるため、声が出なくなったり、ガラガラした声や、かすれた声になります。
ウイルス感染による場合は、対症療法が基本的な治療法になります。痰も増加することが多いので、去痰薬の内服やネブライザー療法を行います。また、二時的に細菌感染を合併することもあり、その場合には抗生剤の内服も行います。
大きな声を長時間出したり、声の使い過ぎなどで炎症が起きている場合には、ステロイドの内服治療が行われます。その際には、ステロイドによる、むくみや不眠、それに伴う精神・神経症状などが副作用として現れます。
安静を保ち治療をすれば1〜2週間で元の声に戻りますが、声帯に炎症が生じている状態で無理な発声を続けると、声帯に声帯結節ができてしまい、症状が悪化し長引くことがあります。そのため、声帯炎症の治療で最も重要なことは、喉の安静、つまり声を出さないことです。
【声帯ポリープ】
声帯ポリープは声帯にできる血豆のようなもので、大きな声を出した後などにできます。
声を使う職業の方に多く、声帯の使い過ぎによってできます。
【声帯結節】
声帯結節は、声帯の摩擦によってタコのような結節ができ、声が枯れるほかに、喉の痛みも引き起こします。
3ヶ月以内であれば、薬による治療と安静にすることで改善が見込めますが、慢性化すると手術が必要になることもあります。
こちらも、声を使う職業の方に多く、声帯の使い過ぎによってできます。
【甲状腺機能低下症】
喉にある甲状腺の機能低下によりホルモンの分泌が乱れてしまい、声枯れの症状を伴うことがあります。
【逆流性食道炎】
逆流性食道炎は胃酸の逆流によって食道に炎症が起きる疾患ですが、その炎症が喉付近まで達したり、声帯自体が胃酸の刺激を受けることで声枯れが生じます。
【咽頭がん】
初期症状として喉の痛みや違和感の他、声枯れが起こる場合があります。
・半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)
半夏厚朴湯には、神経や筋肉の緊張を調整する作用があり、喘息や気管支炎など、喉まわりの炎症や不快感に用いられます。
・補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
補中益気湯には、喉の筋肉の運動を高める作用があり、滋養強壮作用のある生薬や喉の痛みや炎症に効果のある生薬の組み合わせでできています。
声帯炎は、主にウイルスや細菌感染などにより、声帯粘膜が炎症し腫脹してしまう為、発声時にしっかりと声帯が閉まらなくなり隙間ができ、声が出なくなったり、声がかすれたりしてしまう症状が現れます。
鍼灸治療には抗炎症作用・鎮痛作用があるため、鍼とお灸を用いて、炎症の起きている喉周りや、声がかすれて発声しづらい為に負担がかかっている患部・筋肉に刺激を与え、症状の緩和を促します。
また声のかすれに対する治療として、東洋医学の観点からもアプローチします。
声帯炎は東洋医学では五臓六腑でいう『肺』の機能不全を起こしていると考えられるため、『肺』の働きを正常に戻すことが重要になってきます。その他に、声枯れなどの不調がある方は五臓六腑で言う『腎』の働きが弱っている方も多いため、『腎』に関する経絡や経穴も用いて施術を行います。
声帯の開閉時に働く喉頭内の筋肉は、迷走神経によって支配されています。その迷走神経の大部分は副交感神経からなり、頭部・頸部・胸部・腹部にわたる全ての内臓に分布しており、感覚や運動、内分泌の役割を担っています。
副交感神経は、安静時やリラックスしている時に優位になる神経です。ストレス社会と言われている現代では、多くの人が副交感神経の活動が低下していると言われています。
実際に当院にある自律神経測定器で測定すると、多くの方が副交感神経に拮抗する交感神経の活動が優位となっており、声の不調や喉の違和感でご来院される方々も例外ではありません。
自律神経には活動的な時や緊張時に働く『交感神経系』と、リラックス時に働く『副交感神経系』の2つからなり、通常はこの2つがバランスを取りながら働いているのですが、ストレスや過労などを受けるとバランスが崩れ、身体に不調が生じます。
そして喉や声の症状は、ストレスや過労によってトラブルを起こしやすい部分な為、自律神経の乱れを悪化させてしまう可能性があります。
人はストレスを感じたり過労が続くと、自律神経のバランスが崩れます。自律神経が乱れると、倦怠感や動悸、不眠、めまい、しびれ、手足の冷え、慢性症状の悪化などの様々な症状が現れます。
そのため、当院では、治療の前にしっかりと問診を行い、自律神経の状態を機械で測定し、症状や状態を把握した上で治療を行っていきます。
当院には自律神経測定器があり、この測定器では交感神経と副交感神経のバランス、肉体的ストレスや精神的ストレスなどの数値も測る事ができます。測定結果を元に、お一人お一人に合ったオーダーメイドの治療をします。そして、東洋医学の治療法と自律神経療法を組み合わせることで、より治療効果を高めることができます。
鍼灸治療は自律神経を整えるのにとても優れた治療法です。自律神経を整える経穴や声のトラブルやストレスに対する特効穴を用いて症状改善を目指します。
また、自律神経のバランスを整える事で心身の過緊張を緩和し、血行を促進して症状を改善し、再発や悪化を防ぎます。
声帯炎の症状でお悩みの方は、東京α鍼灸院へお越しください。
虚弱体質の医学的な定義はありませんが、特定の基礎疾患があるわけでもないにも関わらず、体に何らかの不調が常にある状態と表現することができます。
疾患ではないため「体質」と表現することしかできませんが、疲れやすい、元気がないと感じることが多い方は、虚弱体質かもしれません。
また、虚弱体質の方は、すぐに風邪をひく、軽い運動でも疲れてしまう、冷え性、夏バテしやすいなどの特徴があります。
基本的には
・顔色が悪
・動作が緩慢
・疲れやすい
・暑さや寒さに弱い
・風邪などの病気が治りにくく再発しやすい
といった特徴がみられます。
また、食欲不振、胃もたれ、胃痛や腹痛、吐き気や嘔吐、下痢や軟便などの消化器症状もしばしば伴います。他にも顔色の悪さ、めまい、立ちくらみ、動機や息切れ、気力の低下などがしばしば挙げられる症状といえます。
・お腹が弱いタイプ
食が細い、お腹がすぐに痛くなる、嘔吐や下痢をしやすい、食べ過ぎると腹痛、下痢をしやすい、体重が増えない
・発熱・風邪をひきやすいタイプ
熱がすぐに出る、扁桃腺、リンパが腫れやすい、風邪をひきやすく治りにくい
・神経過敏タイプ
感情の起伏が激しい、夜泣きをする、眠りが浅い
原因ははっきりとはしていませんが、体質面と環境面の両方によってもたらされると考えられています。
体質面では食欲不振や消化不良といった消化器系のトラブルにより、栄養素をうまく身体に取り込めていないケースが多いです。アレルギー体質の関与も考えられています。その他何らかの病気をきっかけに体調を崩し、虚弱体質へ移行してしまうこともあります。
環境面では、長時間労働による肉体的・精神的ストレスの蓄積、偏食などの食生活の乱れ、運動不足や睡眠不足といった体力消耗と体力回復の問題などが挙げられます。
・慢性疲労症候群
身体を動かせないほどの疲労が6か月以上異常の長期間にわたり続き、日常生活に支障をきたすほどになる病気です。
・本態性自律神経失調症
遺伝や生まれつきの体質に原因があり、自律神経のバランスが乱れやすいタイプです。虚弱体質や低血圧の人に多いと言われています。
西洋医学的に見て疲労感を引き起こしている病気があるならば、その病気の治療が虚弱体質の改善につながります。
代表的なものとして身体に活力を与えるホルモンである甲状腺ホルモンの低下が挙げられます。橋本病といった甲状腺ホルモン量の低下が起こる病気では、疲労感、冷え性、むくみ、気力の低下などの症状が現れます。この場合は甲状腺ホルモン製剤を服用することで諸症状の改善が見込めます。
また、アトピー性皮膚炎や小児喘息などの実際に起きた症状に対しての対症療法が行われます。
東洋医学では五臓(肝・心・脾・肺・腎)の機能低下が虚弱体質に大きな影響を与えると考えられています。虚弱体質に関りが強いのは、主に肺と脾です。つまり肺と脾の機能を向上させることが虚弱体質の改善につながります。
また、子供の虚弱体質とと関連が深いのは腎です。腎は成長・発育の中心的な臓器と考えらえています。
・食が細いタイプの虚弱体質
食べるのに時間がかかる、すぐに満腹なり沢山食べられないなど、食が細いタイプです。これは東洋医学的に考えると脾臓の元気がない「脾虚(ひきょ)」タイプです。
脾臓は主に、食べ物の消化吸収や肌、筋肉の生成に関係している種、その機能が低下すると食に大きな影響を与えます。食が細いタイプの虚弱体質に痩せている方が多いのはこのためです。
・風邪になりやすいタイプの虚弱体質
風邪をひきやすい、疲れやすい、すぐにお腹を壊すなどの症状が思い当たる方は「肺虚(はいきょ)」タイプです。このタイプはストレスにも影響を受けやすく、ふくよかな割に食べている量は少ないといった方が多い傾向にあります。
東洋医学では「気・血・水」の3つが身体を巡ることで心身の健康が保たれていると考えられています。虚弱体質はこの3つのうちの「気」が不足している状態です。
気が不足すると免疫機能が弱くなったり、疲れ、だるさが出やすくなったりすることが多くなります。
気が不足する原因として、一つは気を作り出す力が弱いためです。気は脾がしっかり機能していれば作ることが出来るため、脾を元気にして消化吸収がスムーズになるように働きかけることが重要です。また、気を全身に送る力が弱いことも挙げられます。気を全身に運搬するには肺の力が必要不可欠です。
当院では、治療の前に内臓の働きや免疫力などを主る自律神経の状態を機械で測定し、お体の状態を把握したうえで治療へ移ります。
東洋医学的観点から五臓の肺、脾の機能を整えるツボや血を補うツボなどを選穴して治療を行います。また、虚弱体質の方にはお灸が相性が良いため、お腹や背中を中心にお灸を多めに施術します。
さらに、自律神経のバランス調整施術を行い全身的な血流を良くし、内臓機能や免疫力を高めて本来お身体が持つ自己治癒力を高め症状の改善につなげていきます。