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神経性(心因性)嘔吐症の鍼灸治療

日曜日, 7月 13th, 2025

神経性(心因性)嘔吐症東洋医学的考え方

東洋医学で神経性嘔吐症は吐き気、嘔吐は主に気滞(きたい)により生じる消化に関係する臓腑である「脾」「胃」「肝」の機能低下により、「胃」の気が下に降りられず上逆することによって生じると考えられています。

消化吸収は胃が食物を受け取り、揉み砕いて細かくし、小腸へ送る働きがあり、脾が食物の消化吸収を行います。

肝は気の流れの調節(疏泄作用)、胆汁の分泌と排泄により消化を助けるなどの働きがあります。

「気」は身体内を巡る生命エネルギーのような存在として捉えられていますが、脾胃を含めた臓腑はこの「気」の力により正常に働いています。

精神的ストレス(仕事の重圧、近所や家庭、職場などの人間関係、人によっては寒暖や湿度といった自然環境や騒音、日照りなどの生活環境が原因になることもあります。)などによって五臓六腑の「肝」の働きが低下し、「肝」の持つ疏泄作用(気を全身へ巡らす作用)が低下すると「気滞」に陥りやすくなります。「気滞」の他に「気の不足(気虚)」も気の流れが滞ってしまう原因になり、そうすると臓腑も十分にその力を発揮できなくなると考えられています。

気滞によって起こる典型的な消化器系症状としては吐き気、嘔吐、ゲップ、胃痛、食欲不振、下腹部痛、腹部の張り、ガス溜まり、下痢、軟便などが挙げられ、消化器系以外の症状としては胸のつかえ、喉のつまり、生理不順、イライラ感、気分の落ち込み、不眠症などが挙げられます。

 

 

神経性(心因性)嘔吐症に対する当院の治療

当院ではまず、自律神経測定器にて測定を行い患者様のお身体の状態を把握した上で治療に移ります。

 

腹部、手足、背部などに存在する自律神経のバランスを整えるツボに鍼やお灸で刺激を与えることで、消化器系を含む内臓機能の調整、免疫力の向上、全身的な血行を促進し自然治癒力を高めていきます。

神経性(心因性)嘔吐症の鍼灸治療

また、自律神経系の調整を行うことで嘔吐中枢の興奮を抑え、吐き気や嘔吐の症状を和らげる効果が期待できます。

さらに、東洋医学的観点から脾、胃、肝の働きを調整するツボや気の流れを整えるツボを選択します。

神経性(心因性)嘔吐症の背部兪穴の治療

 

心因性嘔吐症の症例

症例1

20代 女性

4年ほど前から慢性的な吐き気に悩まされてきた。特に人と食事をしている際中や仕事で過度なストレスを受けた際に吐き気が出てしまって実際にトイレに駆け込んで吐いてしまうときもある。

食事は特に外食をしているときに吐き気が出やすく、また吐き気が出てしまうのではないかと外食の時は不安感も襲ってきてしまう。

吐き気は、仕事のある朝にも起きやすく、その時は動悸症状も併発することが多い。

数か月前から転職を機に吐き気が強くなって吐き気止めと抗不安薬を毎日服用。たまに眠れない日もあるため眠れない日は睡眠薬も服用している。

のど周りの締め付け感、ヒステリー球のような症状も常時気になってしまう。

当院の施術

自律神経測定器で自律神経の状態を測定したところ交感神経の活動が活発で副交感神経の活動が低い状態でした。

自律神経の状態、特に交感神経の活動を抑える背部兪穴や頭部のツボを用いてその他胃のツボ、のど周りの筋緊張の緩和、触診をしたところ肩甲骨の内側のコリがとても強い状態でしたのでその部分もしっかり緩めていきました。

とりあえずの目標は、吐き気止めと抗不安薬の服用頻度を減少させることで心療内科と並行して当院も受診していただきました。

施術頻度は2ヶ月間を週に1~2回ほどのペースで3か月目からは2~3週間ほどの施術頻度で行いました。

6回目の施術以降、症状が落ち着き始めたので薬を少しずつ減らしていった良いと医師から言われたとのこと。

それ以降症状に波はありますが徐々に回復傾向。

3日に1回ほど吐き気止めを服用するにまで頻度が減り、抗不安薬は1週間に1度ほどの服用でよくなりました。

さらに減薬するため通院加療中

症例 2
50代 男性

20年ほど前から、神経性嘔吐症の症状が起こるようになった。毎日気持ち悪さや吐き気を感じるが、実際に吐くことはない。脳神経外科での画像検査では問題がなく、心療内科で処方された薬は合わず、症状の改善は見られなかった。

施術

自律神経測定機の結果、交感神経が優位で、疲労度が蓄積している状態でした。

嘔吐中枢の興奮を抑えるため、全身的な自律神経調整施術を行ってきました。

来院頻度は1週間に1度のペース。

一回目
治療後にだるさを感じたが、身体の調子は良い状態で一週間を過ごせた。嘔吐反射が以前より減った。

二〜四回目

連続で起こっていた嘔吐反射の回数が格段に減った。

五回目

嘔吐反射はほとんど起こることがなくなった。メンテナンスで月に1回程度ご来院中。

 

神経性(心因性)嘔吐症とは

 

吐き気

 

神経性嘔吐症とは、嘔吐の原因となる身体的な異常が見られず、心理社会的ストレスが誘発、原因となり、頻繁に吐き気や嘔吐をに悩まされる病気です

常にむかむかするだけで実際の嘔吐を伴わない場合や、実際に何度も続けて嘔吐してしまうものや、食事した後など決まったタイミングで嘔吐する習慣的なものまで様々です。

神経性嘔吐症はストレス耐性が低く脳の発達が完全でない子供に多い症状ですが、成人にも見られる病気です。

 

原因

神経性嘔吐症の原因ははっきりとは解明されていませんが、精神的なストレスが深く関係しているのではないかと考えられています。

 

ストレスと吐き気の関係

吐き気を感じるということは、脳幹内にある嘔吐中枢が刺激されているという事を意味します。嘔吐中枢は自律神経などによって大脳皮質や咽頭、心臓、消化管などの各器官とつながっています。

ストレスを認知したり評価したり判断したりするのは大脳の仕事ですが、その際ストレスに対して適切な受け止めができず上手に処理できない場合に、不快な感情、不安、恐怖、怒りなどが神経を介して延髄にある嘔吐中枢を刺激して症状が引き起こされると考えられています。

また、過度なストレスにさらされる状態が続くと自律神経の乱れを引き起こしやすくなります。その自律神経の興奮が嘔吐中枢を刺激することも神経性嘔吐症の症状を引き起こす原因になると考えられています。

 

神経性嘔吐症を発症しやすい性格

何事にもまじめに取り組む几帳面な性格、細かいことが気になる神経質な性格、人からの頼みごとを断れずストレスを溜めやすい性格などが発症しやすい可能性があります。

また、集団生活や状況の変化が苦手意識のある方も発症しやすいといえるでしょう。

 

症状

中心的な症状は吐き気と嘔吐になります。しかし、神経性嘔吐症を患っていても必ずしも嘔吐するわけではなく乾嘔(からえずき)を伴う吐き気や胃の不快感が主訴となるケースも多くみられます。

症状には波があり、何も感じない時もあれば、吐き気のために学校や職場へ行けなくなってしまう事もあります。

嘔吐が習慣的に繰り返されると胃酸の逆流により、胃と食道の境の粘膜が炎症を起こし、胸の中心あたりに痛みを感じることがあります。

また、歯のエナメル質が溶け出し虫歯になりやすいことも分かっています。

 

西洋医学的治療

神経性嘔吐症の診断は、まず嘔吐の原因となる他の疾患がないかを確認します。血液、尿、便の検査、内視鏡や腹部エコーなどを行います。

そこで胃炎などの嘔吐の原因となる疾患が無いことを確認してから、症状の発現に心理的なストレスが関係していると判断された場合に診断されます。

治療法として基本的には薬物療法やカウンセリング、自己訓練法などが用いられます。薬物療法では、制吐薬や抗不安薬などが使用されます。

 

外反母趾の鍼灸治療

日曜日, 7月 13th, 2025

外反母趾とは

 

外反母趾とは、母趾が外側に曲がった変形をいいます。65歳以上の女性では3人に1人以上が外反母趾を発症しているといわれるほどです。日本では様式の靴を履くような生活が中心になってから発生頻度が増加しており、性別では女性が患者のほぼ9割を占めるといわれています。

外反母趾は歩き方や姿勢にも影響しますので、膝痛や腰痛、肩こり、片頭痛など体の様々な箇所に不調をきたします。

外反母趾

 

外反母趾になる原因

外反母趾の原因

 

合わない靴やハイヒール

外反母趾になる最も多い原因です。サイズの合わない靴を履き続けると、靴の中で脚が前に滑り、指が靴のつま先へと押し付けられて、親指に付け根の骨だけが異常に出っ張る外反母趾になりやすいとされています。
また、ハイヒールが特に悪いと思われがちですが、靴の種類に関わらず、女性の方が男性に比べて筋肉量が少ないため負担を受けやすく、親指の力が衰えて外反してくるといわれています。

 

遺伝

外反母趾そのものが遺伝するのではなく、外反母趾になりやすい骨格が遺伝するため、一般的に両親や親族に外反母趾の人がいるとなりやすいといわれています。

 

足の筋力低下

近代では長時間靴を履いて過ごす時間が増え、裸足で過ごす時間は減少しました。また、乗り物を利用することも多く自分の足で歩く機会は減少してきています。
このような要因から足底の筋肉が発達せず靭帯や筋が緩んだり弱くなって(開帳足)、外反母趾を進行させてしまいます。

 

その他

10歳代に起こるものは母指が人差し指より長かったり、生まれつき扁平足ぎみであったりすると外反母趾になりやすい特徴があります。最も多い中年期のものは履物に加えて、肥満と筋力低下などによって起こります。

健常な足には縦のアーチだけでなく横のアーチがあります。外反母趾ではこれらのアーチが崩れて扁平足になると、中ほどにある母指の中足骨が扇状に内側に開き、それから先の指は逆に靴で外側に圧迫されて起こります。

足の裏の痛みの鍼治療

外反母趾の症状

 

外反母趾の症状

 

特徴的な症状は足の母指(親指・母趾)の先が人差し指(第2趾)の方に「くの字」に曲がり、付け根の関節の内側の突き出したところが痛みます。
その突出部が靴に当たって炎症を起こして、ひどくなると靴を履いていなくても痛むようになります。また、足の裏に胼胝(タコ)ができたり、母趾が人差し指の下にもぐりこみ痛みが酷くなることもあります。

外反母趾により足のアーチが崩れてしまうと、地面からの衝撃を吸収できない状態になってしまい、膝や股関節、腰などの関節に着地の衝撃が直接響くため、痛みや不調を感じやすくなることがあります。また、外反母趾の部分をかばうように歩くことで脚自体が変形してしまうこともあるといわれており、O脚やX脚に発展してしまうこともあります。

 

・頭痛や肩こりなど上半身の不調の原因にも

外反母趾になると足指をうまく使えなくなるため、心臓から最も遠い部位である足指や足裏の血流ポンプ機能にも影響を及ぼす可能性もあり、全身の血の巡りが良くない状況になることで、冷えむくみ免疫力の低下を感じやすくなりかねません。

また、外反母趾により生じた体のバランスの崩れを肩や首で修正しようとするため、特定の部位が緊張しがちになり、首や肩のコリなど上半身の不調を招くともいわれています。

 

貧血の鍼灸治療

西洋医学的治療

外見からも診断は可能ですが、正確には足部のレントゲン写真で診断します。第一中足骨と第一基節骨のなす角を外反母趾角といい、15°までを正常、15~30°までを軽度30~40°までを中等度、それ以上を重度としています。

ただし、外反母趾があっても症状がないものは単に「外反母趾変形」があるというだけで、治療対象にはなりません。痛みや靴のトラブルなどの症状があってはじめて外反母趾は治療が必要になります。

治療

保存療法(手術以外の治療方法)と手術療法があります。

保存療法

装具療法と運動療法があります。中等度以上の外反母趾は痛みが強くなったり、変形が進むことが多いので予防することが重要です。

装具療法

まず、アーチサポート(靴の中敷きのようなもので、土踏まずの部分を少し高くする装具は縦アーチを、中足骨パッド(足趾の付け根の部分にある出っ張り)は横アーチの低下を防止し、痛みを和らげます。その他には趾の間に挟むセパレーター(ベルクマン、スーパートンチャンなど)、外転装具があり、それらをいくつか合わせて使うこともあります。

運動療法

足趾でのタオルをつまみ寄せる訓練、ホーマン体操(ゴムバンドを両方の母趾にかけ、母趾を内側に動かす訓練)などがありますが、変形を元に戻す効果はなく、いずれも進行を遅らせる程度の効果です。それでも痛みが強くなる場合には手術を行うことになります。

 

手術療法

変形が進むと、指についている筋肉も変形を助長するように働き、体操や装具では元に戻りにくくなります。痛みが強く、靴を履いての歩行がつらくなると手術を行います。
外反母趾の手術にはいろいろありますが、最も一般的なのは中足骨を骨切りして矯正する方法で、変形の程度により方法を選んで行っていきます。

 

当院の外反母趾に対する鍼灸治療

外反母趾の鍼灸治療は変形そのものを戻す治療ではなく、痛みを軽減したり、進行を遅らせる治療になります。

鍼灸治療の効果の特徴として鎮痛効果抗炎症作用がまず挙げられまます。

 

炎症が起きている患部の周辺のツボに鍼やお灸で刺激を与え、炎症を抑える作用や鎮痛効果を促します。
また、外反母趾の方は足だけの問題だけではなく筋肉のバランスが崩れることで、膝や股関節、腰などの下半身の関節の不調や、首や肩など上半身に不調をきたすこともしばしばあります。

全身の関節のゆがみや筋肉の緊張は足にも影響を与えるため、全身的なバランス調整施術も行っていきます。

また、内臓機能や血液循環などを司る自律神経のバランス調整性術も合わせて行うことで、免疫力や自然治癒力を高め全身的な血液循環を促進し、症状が治癒しやすいお身体の状態へと整えていきます。

膝痛の鍼灸治療
腰痛の鍼灸治療
肩こりの鍼灸治療
片頭痛の鍼灸治療

 

ドライアイの原因

土曜日, 7月 12th, 2025

パソコンやスマホなどの普及によりドライアイで悩んでいる方が増えています。パソコンなどを夢中で見ていると自然と瞬きの回数は減るということが言われており、すると目の表面を潤すことができなくなって、目の疲れや痛み、ショボショボやゴロゴロなどの違和感を感じるようになります

 

10秒間目を開け続けられますか?

10秒間目を開け続けれれない人は、ドライアイの可能性が非常に高く、開け続けられるまでも目の痛みや違和感を感じたドライアイの可能性がありますので、注意が必要です。

その他、下記の症状が3つ以上当てはまってしまっている場合にドライアイの疑いが強くなります。

□目が乾いた感じがする
□目がゴロゴロする
□目に何となく不快感がする
□まぶしい
□目が疲れる
□物がかすんで見えやすい
□コンタクト・パソコン・エアコンいずれかを使う
□まぶたが重たい感じがする

ドライアイの原因は?

 

ドライアイの原因

ここ最近ドライアイの症状で悩んでおられる方が増えておりますが、私の子供のころなどはドライアイという症状は聞いたことがなかったように記憶してます。やはり最近増えている原因としましてはパソコンやスマホなどの普及が関係していると考えられます。
厚生労働省の2008年の調査では、一日6時間以上パソコンやスマホなどの画像表示端末を使う労働者の多くは身体的な症状を抱えており、その9割もの方が目の疲れや痛みを訴えているとの結果が出ました。

今は、仕事以外にもパソコンやスマホを使う機会が多く、そのような仕事をしていない方でも一日中そういった端末を見ている方も少ありません。
人間の目は、獲物を捕らえるためもしくは身を守るため遠くの方をよく見るように作られていますが、パソコンやスマホでは、より近くのものを注視しており目の周りの筋肉などに相当な負担をかけている状態です。目の周りの筋肉の疲労は、血流を滞らせます。
涙の成分は血液から抽出されますから目の周りの血流障害はドライアイへとつながる可能性があります。

また、人間の目は集中している時、一般的に瞬きの回数が減ってしまいます。例えば、スポーツの場なんかでもそうですが、野球で打者が今から打つと集中している時やサッカーでのPKの時などは自然と瞬きの回数が減ります。
それと同じように集中して仕事ややゲームなどで遊んでいる時はどうしても瞬きの回数は減ってしまいます。それが短時間でしたらそこまで体の症状として出てこないわけですが、長時間続けてしまいますとドライアイばかりでなく眼精疲労飛蚊症眼瞼下垂などの疾患にもつながってしまいます。

また子供の視力低下も年々低下傾向にあります。
2013年度の学校保健統計調査によると、裸眼視力1・0未満の子の割合は、高校で65・8%、中学校で52・8%、小学校で30・5%だという結果でした。一概に原因はわかりませんが、テレビやスマホなどの生活の環境因子が大きなウエートを占めていると考えれています。

 

なぜ瞬きの回数減少でドライアイになるのか。

瞬きの役割をご存知でしょうか?
瞬きの役割としまして

①目の保護・乾燥防止

②網膜などの目の組織への休息時間の提供

③緊張の解消や痛みの感覚、感情などの心理的要因

④涙を作れという脳への指令

主にこの4点が挙げられます。特に注目していただきたいのが④の『涙を作れという脳への指令』です。瞬きの回数が減ると、目の表面の水分が蒸発しやすくなるばかりでなく、涙を作れという脳への指令も減ってしまうのです。ですからまた涙の量が減り、悪循環となってしまいます。

市販でよく涙の成分が入っているドライアイ解消のための目薬が売っていますが、むやみやたらに使用してしまうと自分で涙を作る機能が低下してしまう可能性がありますので注意が必要です。

パソコン環境とドライアイの関係

ドライアイで悩んでいる方の多くは事務作業などで長時間パソコン作業をしている方々です。なぜパソコン画面を見続けるとドライアイになりやすいのかと言いますと

①比較的近い画面を長時間で集中的にみる
上記にもある通り、近くの物を長時間注視し続けると、目のピントを合わせる毛様体筋などの筋肉が疲労します。筋肉が硬くなり、血液の循環が悪くなってしまうとドライアイになってしまいます。また、集中的にみることは人間の本能的に瞬きの回数を減少させます。瞬きの減少は、眼球の表面を乾燥させて傷つきやすくさせます。瞬きは脳へ涙をつくれという指令を送る役割もあり、瞬きが減少することは涙の生産減少にもい繋がってしまうのです。

②ブルーライトや画面の明るさ
ブルーライトはとても強い光で網膜まで達すると言われ、目に負担をかけます。また、画面が明るすぎるのも目に負担をかけ、疲れ目やドライアイになりやすくさせます。

③パソコンを行う姿勢
パソコンを行う時、気づくと背中は丸まって首は前に曲がっているという方も多いかと思います。そういった姿勢は、首などの姿勢を保持する筋肉を緊張させます。それが長時間続くと、首周りの筋肉は硬くなって、その下を通る血管などを圧迫して、首から上の血液循環を阻害します。眼にも悪影響を与えてしまい、疲れ目やドライアイの原因となります。

自分でできるドライアイケア

①パソコンやスマホを長時間使用しない。₁時間に1回は10分ほどの休憩をとる

②パソコンやスマホ使用中に意識的の瞬きや軽く目を閉じる

③画面を40センチ以上離して近くで見過ぎない

④暖かい蒸れタオルで目を温める

⑤目の周囲を軽くマッサージする

ドライアイに効果的な食事

ドライアイに効果的とされる食べ物があります。それはラクトフェリンを含む食材を摂取することとオメガ3系脂肪酸の多く含まれる食材を摂取することです。

ラクトフェリンとは、あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、涙に含まれるたんぱく質の一種であり、ラクトフェリンが含まれるヨーグルトやチーズ・牛乳を食べるとドライアイに効果的とされています。これらの乳製品は、腸内環境を整える食材として知られていますが、目も腸も粘膜に覆われており、腸の粘膜の状態が改善されると目の粘膜の環境も整いやすく、ドライアイの改善に役立ちます。

オメガ3系脂肪酸は、魚類に多く含まれていることが有名です。目の表面を乾かないように保つためには油分も重要です。質のいい魚類のオメガ3系脂肪酸を摂取することでドライアイの防止につながると言われています。

その他、一般的に眼に良いとされる食材、ビタミンCブルーベリーに多く含まれるアントシアニンなど抗酸化物質も摂取するとドライアイの防止になると考えられています。

鍼灸でドライアイを治療する

当院では、ドライアイ鍼灸治療を積極的に行っております。ドライアイでお悩みの方を解消させてきました。ドライアイのほかに眼精疲労や緑内障、飛蚊症、眼瞼下垂などの症状を併発されてご来院される方も多いです。

 

ドライアイのはり灸治療

お困りの方はお気軽にご相談ください!

 

執筆者

清水大地

眼精疲労専門の鍼灸師

資格
はり師
きゅう師

2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好医院にて多くの臨床経験を積む

2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立

2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院

2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院

2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院

眼精疲労と頭痛に効果のある鍼治療

火曜日, 7月 8th, 2025

眼精疲労と頭痛

眼精疲労は、目の疲れなどの眼の症状と首肩こりや頭痛など眼以外の症状も出ることが多いです。

頭痛にも様々な原因があり、それによる種類がありますが、眼精疲労で起こる頭痛は筋緊張性の頭痛が大半です。

 

筋緊張性の頭痛

 

筋緊張性の頭痛の特徴は、重く締め付けられるような痛みが側頭部から後頭部にかけて起こります。偏頭痛のように鋭い痛みが出て日常生活に著しく支障が出ることは少ないですが、鈍い痛みが長時間続くことが特徴です。

緊張性の頭痛は、主に長時間同じ姿勢をとることによって起こります。

長時間のデスクワークや車の運転によって首は前傾して上肢は前に突き出す姿勢となります。その状態を長時間続けてしまうことにより首や頭周辺の筋肉が緊張してしまい、圧迫されることで痛みとなって現れるのです。

また、近くの物を長時間注視することでも筋緊張性の頭痛は起こります。

近くの物を注視するとどうしても目の周りの筋肉に力が入ってしまい緊張してそれが前頭部の筋肉に波及してしまうことで頭痛症状として現れてしまいます。

 

眼瞼下垂症と頭痛

 

眼瞼下垂と頭痛が併発することも多くあります。眼瞼下垂はまぶたを上げる上眼瞼挙筋ミュラー筋の2つのどれかの筋肉に異常が出てしまい頭痛が出てしまいます。

上眼瞼挙筋は脳神経の一つである動眼神経支配となりますので、脳の障害で上眼瞼挙筋がうまく機能しないことで眼瞼下垂となってしまいます。

一方、ミュラー筋は自律神経支配で上眼瞼挙筋の補助的な役割のある筋肉です。このミュラー筋の不具合によって起こる眼瞼下垂が多く、自律神経の乱れで発症します。

眼瞼下垂症でまぶたがあげづらい状態が出ますとそれを補おうとしておでこの筋肉を収縮させて視界を保とうします。

すると前頭部の筋肉が疲労することで筋緊張性の頭痛がでることがあります。

 

眼精疲労と頭痛症状に対する鍼灸治療

眼精疲労と頭痛の治療では、まずうつ伏せとなり首回りの筋肉・後頭部・側頭部の筋緊張の緩和を行っていきます。

眼精疲労と頭痛症状のうつ伏せ鍼灸治療

 

その後上向きとなり目の周りと前頭部の筋肉に鍼やお灸を行って筋緊張の緩和を目的に施術していきます。

頭部や顔面部は体よりも敏感な部分となりますので細めの鍼を使用して刺激の量を調整しながら施術を行っていきます。

眼精疲労と頭痛症状に効果のある鍼灸治療

 

その他、腹部や手足のツボも使って自律神経の調整施術も行っていきます。自律神経が乱れている状態ですと筋肉の緊張も取れずらく、全身の血流も悪いことが多いです。

当院では、初診の問診時に必要であれば自律神経測定器で自律神経の状態を把握したうえで施術を行っていきます。

目や頭痛の状態ばかりでなく、睡眠の質や食欲などお身体の気になる部分は治療の参考となりますので問診時にお伝えください。

 

自律神経測定器

自律神経測定

 

眼精疲労の鍼灸治療について
眼瞼下垂の鍼灸治療について
頭痛の鍼灸治療について

 

 

症例

 

40代 男性

 

仕事の繁忙期になるといつも頭痛が酷くなることが数年前からあったのだが、最近になって痛みがより酷くなってきた。今までは仕事中か仕事終わりにしか起こらなかった痛みが休日や起床時にも痛みを感じる事が増えてきている。

仕事中はずっとパソコンの前に座って画面が3つ目の前にあるので慢性的な眼精疲労に悩んでいる。

自分の感覚だと、眼の疲れがピークになった時に頭痛が出ているので、どちらも治したい。痛みの場所は眼の奥、こめかみ、おでこなどその時によって違うが、眼の奥が痛い時が一番痛みが激しくて辛い。

鍼灸や整体は好きで色々な所に行っている。今通っている整体もあるのだがそこは眼の専門ではないためここに来た。

 

当院の治療

 

他の整体院にも通院中とのことでしたが、かなり全身の筋肉が慢性的に固くなっている状態でした。

特に固くなっていたのが首肩、肩甲骨周りでした。こちらの筋肉は眼の症状がでている方は固くなりやすい場所です。

また、眼の周りの局所的な筋肉も固くなっており、筋緊張が強い状態が慢性化していました。

当院の治療としては、固くなっている筋肉を緩めるために、固い筋肉への局所刺激を行い血流を改善していくことで筋肉へのアプローチをしました。また、自律神経の乱れから交感神経が優位な状態になっていましたので、自律神経の調節治療も同時に行いました。

 

施術経過

◇1回目◇

治療後は変化を感じなかったが、この日の夜はぐっすり眠れた。

◇2〜6回目◇

少し身体が楽になってる気もするが、気のせいかもしれないくらいの変化しかない。

◇7回目◇

気がついたら頭痛がなくなっていた。パソコン作業に長時間集中していると多少ズキンとした痛みはくるが、かなりおさまった。

◇8回目◇

頭痛、眼の痛みがかなり治まった。

◇9回目◇

パソコンの画面が見やすくなった。身体が良くなって気付いたが、自分はドライアイだったかもしれない。

◇10回目◇

治療の間隔を空けて様子をみることにした。

 

 

執筆者

清水大地

眼精疲労専門の鍼灸師

資格
はり師
きゅう師

2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む

2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立

2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院

2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院

2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院

胆石症の鍼灸治療

月曜日, 7月 7th, 2025

胆石症は人により痛みの強さはそれぞれで、軽度なものだと重苦しい痛み、強いものだと七転八倒するような激しい苦痛の場合もあります。重度なものだと鍼灸の効果が出にくい場合があり、手術が必要になります。また、場合によっては重篤な病気に繋がることもあります。自己判断ではなくまずは病院で主治医の指示に従って下さい。

胆石症とは

 

胆石症は胆道に胆汁に含まれる成分が結晶化し固まることでできる結石の総称です。

胆道の場所によって名称が変わり、胆嚢結石、胆管結石、肝内結石、に分類されます。

欧米では全人口の10%〜20%を占めており、日本でも食事の欧米化や高齢化社会により胆石症が増加しており今では欧米と比較して同様の数になっています。

 

胆石症の原因

 

胆汁にはコレステロール、ビリルビン、胆汁酸、レシチンなどが含まれており。胆汁が濃縮過程でこれらの成分のバランスが崩れることによって胆石が発生すると言われています。

胆汁成分のバランスが崩れる原因は、①肥満、②加齢、③過食、⓸不規則な食生活、⑤ストレスが上げられます。

また、胆石症の6割がコレステロール石と言われており、脂肪分の多い食べ物を好んで摂取している人は発症のリスクが高くなります。

胆汁はアルコールによって濃度が濃くなります。そのためアルコールの過剰摂取の方も注意が必要です。

それだけではなく女性ホルモンも関係しています。女性ホルモンはコレステロールが原料の一つであり、加齢により女性ホルモンの分泌が低下すると、それを補おうと血中コレステロールが増加し胆石が作られやすくなります。そのため中年以降の女性も発症することがあります。

 

胆石症の症状

 

胆石症の主な症状は胆道痛です。痛みが出る場所は、右肋骨の下、みずおち、右の背中、右肩で、食後に表れやすいことが特徴です。

腰やへその上あたりに合わせて痛みが出ることもあります。

痛みは常にあるわけではなく、痛みが続いた後数十分〜数時間の間落ち着きます。

夜間や食後、特に脂質が多い食事をした後は痛みが出現することが多いです。

 

また、白目の部分や皮膚が黄色くなる黄疸、茶色や黒色の尿が出るビリルビン尿があります。

一部分の人は胆嚢や胆管に炎症が起こり高熱、さらに細菌感染が加わると敗血症に発展することがあります。

胆石症の2~3割の人は、無症状胆石(サイレントストーン)といった症状がほとんどみられない場合もあります。

 

※吐き気や嘔吐、38度以上の高熱の症状もある場合は、胆嚢炎の可能性があります。

胆石が胆管に詰まったり、胆嚢の炎症が悪化し胆嚢が腫れると胆管が圧迫され肝機能障害や黄疸が出ることもあり、胆石症を放置していると場合によっては急性膵臓炎、胆嚢がんのリスクに繋がることもあります。

胆石症の東洋医学的な考え

 

胆石症は東洋医学で「胆」と「肝」が大きく関係していると考えられています。「肝は謀慮(ぼうりょ)を主る」、「胆は決断主る」と精神的機能と大きく関わっています。

東洋医学の世界では昔から胆と肝は怒りを溜めこむ臓器と伝えれており、怒りや我慢が限界まで達しそれが続くとエネルギーが固まり石を作ってしまい、それが胆石症になります。

東洋医学ではストレスで疲れている肝と胆の働きや気の流れを調節する事で、胆石症の治療を行います。

  

 

胆石症の鍼灸治療

 

胆石症の鍼灸治療は石を取り除くことではなく、痛みを軽減させ日常生活への支障を最低限まで抑えることが目的になります。

鍼でツボを刺激すると脳内モルヒネが分泌し鎮痛作用が働きます。そのような鍼特有の作用で痛みを軽減していきます。

痛みが強い場合は痛みの閾値を上げるために鍼通電法を行います。

また、自律神経調節治療も同時に行い自然治癒力を高め、「肝」や「胆」の機能を調節する東洋医学観点による施術も同時に行います。

眼精疲労の頸肩への鍼灸治療

治療頻度は最初の1か月は週2回、2か月目以降は週1回が理想で、症状の緩和など状態に合わせて少しずつ間隔を開けていきます。

病院で行う主な胆石症の治療方法

 

無症状の場合は定期的な経過観察、痛みやその他の症状がある場合は手術が一般的です。

胆石症は胆石を取り除いても再発することがあるため胆嚢ごと摘出します。

他に内科的治療として胆石溶解剤による薬物治療、衝撃波で体外から石を砕く体外衝撃波胆石破砕療法などがあります。

 

胆石症の予防

 

卵、バター、魚卵、レバー、ドレッシング、マーガリン、洋菓子類など脂質やコレステロールが多いものは控え、栄養バランスが良い食生活を送りましょう。特に豆類やブロッコリー、人参、さつまいもといった水溶性のものやビタミン、食物繊維を意識的に摂りましょう。

 

また、規則正しい生活も重要です。

良く睡眠をとり、適度な運動を心がけましょう。

 

胆汁が出るタイミングが不規則になり、胆汁が溜まりやすくなると胆石ができます。

毎日決まった時間に食事をとる事で胆汁が規則正しく分泌されます。1日の3食をなるべく同じ時間にとるようにしましょう。

 

疲労回復に効果のある鍼灸治療

日曜日, 7月 6th, 2025

年齢を重ねていくごとに仕事の疲れが取れない・育児や家事に追われて日に日に疲れが溜まってしまうそのようなお悩みで鍼灸治療を受けられる方も増えています。

身体の疲労感は、身体が送っているSOSです。体は私たちに休養を取りなさいと勧めてくれているのです。しかし、その疲れを放っておくとやがてツケとなって体に跳ね返ってきます。

一定量の疲労感が溜まって許容量をオーバーすると様々な疾患へとつながる危険性があるのです。

 

疲労の種類

体の疲れ・疲労と言いましても様々な種類があります。単なる疲労感から疾患に繋がるサインの場合もあります。

慢性疲労

一般的に6ヶ月以上続く疲労感を慢性疲労

炎症性疾患による疲労

・自己免疫疾患(膠原病、血管炎など)・結晶起因性疾患(痛風、偽痛風など)

 

更年期障害による疲労

更年期を迎えると体内の卵子の数が極端に減り、急激にエストロゲン(卵巣から分泌される女性ホルモンの一つ)の分泌が急激に低下します。
エストロゲンの分泌は脳の視床下部という自律神経や体温調節などを行っている部位がコントロールしていますが、エストロゲンが低下すると視床下部は卵巣にもっと女性ホルモンを出すようにシグナルを送ります。しかしその際シグナルが不要な興奮を起こしてしまうことで、視床下部が混乱を起こし自律神経の乱れを引き起こすため、神経の調節不良や心身の不調が起こりやすい状態になるのです。
そのような症状は多かれ少なかれ生じますが、特に日常生活に支障をきたす場合を更年期障害と呼びます。

更年期障害は人によって症状が様々ですが、主な症状として肩こり、倦怠感、疲労感、のぼせ、ほてり、動悸、息切れ、腹痛、腰痛、不眠、イライラ、うつ状態、不安感、めまいなどが挙げられます。

更年期障害の鍼灸治療について詳しくはこちら←

甲状腺異常による疲労

・甲状腺機能亢進症(バセドウ病)・甲状腺機能低下症(橋本病)など

甲状腺機能亢進症(バセドウ病)では、甲状腺ホルモンが異常に分泌されてしまい、その結果として新陳代謝が上がるので激しいやせ、激しい発汗、イライラ、動悸、だるさ、眼の突出などの症状が現れます。

一方、甲状腺機能低下症(橋本病)では、甲状腺ホルモンの分泌が減ってしまい、その結果として新陳代謝が落ちるので皮膚のかさつき、体重増加、寒がり、だるさ、物忘れ、集中力のなさ、うつ症状、抜け毛などの症状が現れます。

甲状腺機能異常の鍼灸治療について詳しくはこちら←

心疾患や貧血による疲労

・虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞など

虚血性心疾患は心臓の筋肉(心筋)に栄養や酸素を送り届けている冠状動脈という血管の動脈硬化から起こります。

・心不全

心不全とは心臓のポンプの働きが低下して全身の臓器に必要な血液量を送れなくなった状態をいいます。心不全の症状として動悸や息切れ、呼吸困難、疲労感、むくみなどが挙げられます。

・貧血

貧血は赤血球数の低下、またはヘモグロビンの値の低下を来した状態で血液が不足した状態の総称です。貧血に陥ると酸素が体にうまく行き渡りにくくため新陳代謝が低下し結果として倦怠感や疲労感を引き起こします。

貧血の鍼灸治療について詳しくはこちら←

 

栄養不足による疲労

食事をしっかりとれずに栄養が摂取できていない状態ですと、疲労感が出やすい状態となります。

 

精神疾患による疲労

うつ病や自律神経失調症などの精神疾患では、疲労感を感じやすく、動くのも億劫な状態となることがあります。

疲労を感じる状態は主に身体的な疲労と『脳の疲労』というものがあります。脳疲労は、現代社会では疲労を感じる場合多くが脳が疲労している状態とも考えられています。

脳疲労は英語では、「brain fatigue」といい、近年注目を集めている概念であり九州大学の藤野武彦名誉教授が提唱した概念として知られています。脳疲労は、アメリカの「ウェルネス・リソース」のサイトに3つの主症状として挙げられており、「心の疲れ」「燃え尽き症候群」「疲労感」とがあります。

それが、自分自身では鬱々とした感覚としてとらえられる場合もあれば、ただ単に年を取ったかなと感じる時もあります。
この3つに共通して言えることは、知的作業において作業効率が悪く作業速度も遅いと感じることです。
それは、自分自身よりも先に周りの人がそれを感じ取ることが多いようです。

日常生活で他人からそのような指摘を受けた場合は脳疲労が溜まっているかもしれないのです。
脳疲労の原因はいまだ明らかに解明されてはいませんが、日常生活での過度なストレスや食生活、労働環境や学習環境の変化など環境的変化に適応できないなどの問題によって自律神経のバランスが悪くなったのだろうと考えられています。

脳疲労が溜まるとうつ病や自律神経失調症などの精神疾患にも悪化しかねないため注意が必要です。

うつ病の鍼灸治療ついて詳しくはこちら←
自律神経失調の鍼灸治療について詳しくはこちら←

などです。

このように疲労感と言いましても様々な種類があるためなかなか疲労が取れない場合には一度病院を受診して検査を受けてみることをおすすめします。

特にしっかりと休息・睡眠をとったのに疲労感が取れない場合は何らかの病気が隠れている場合もあります。

 

自律神経の日内変動が起こす疲労

 

自律神経は、基本的に日中活動的な時間帯の朝から夕方までの時間帯では交感神経の活動が高くなり、副交感神経の活動は抑えられています。逆に夕方から夜にかけては副交感神経の活動が高まり、交感神経の活動が抑えられるのが正常な活動となります。

 

疲労回復に効果のある鍼灸治療

疲労回復に対する鍼灸治療では、自律神経の状態を整える自律神経調整治療を中心に東洋医学の『腎』を整える施術も行っていきます。

その他、疲労で出ている症状、首肩こりや腰痛、下肢の痛みやコリに対しても施術を行っていきます。

疲労回復の鍼治療

症例1

 

20代 男性

 

学生時代から疲労感が感じやすくなり、ここ一年ぐらいで全身的な疲れが著明に現れるようになった。また、やる気の低下や精神力もなくなり不安を感じやすい。

一日の睡眠時間は7~8時間寝ているがすっきり起きれず、日中の眠気も強い。

首や肩のコリ感もあり、頭痛も気になる。

 

当院の施術

問診で詳しくお話をお聞きしたところ、お仕事の関係で就寝時間が遅くなることもあり、海外出張も頻繁にあるため生活が不規則という事がわかりました。生活習慣や症状の特徴から自律神経の乱れが強い可能性があるため、まず自律神経測定器でお身体の状態を測定したのですが、夜の時間にもかかわらず交感神経と副交感神経の割合が9:1と交感神経が異常に高くなっており、自律神経の乱れが大きく出ていました。

また、触診において全身の張りとくに首肩の緊張の強さが目立っていました。

 

この患者様は睡眠の質が悪く寝ても疲れが取れない体質のため、まず副交感神経を高める治療から始めました。慢性疲労の多くが睡眠の質の低下によるものなので、体質改善をベースとして施術を行っていきます。

その後に、全身の筋緊張の解消を目的としたアプローチを行っていきます。

特に首が硬くなることにより、脳から放出される幸福ホルモンのセロトニンが

分泌できなくなり、やる気の低下を引き起こす原因になります。

 

1回目

あまり大きな変化はないが、体は軽くなった。

2回目

やる気の低下や精神的な調子は改善した。

疲れはまだ取れにくい。

3~7回目

徐々に疲労感は軽減してきているが、仕事で多忙の時など日によってまだ日中のだるさや眠気を強く感じることがある

8~12回目

首肩こりや頭痛・疲労感など身体的な不調は感じることがだいぶ少なくなってきた。精神的な不安感ややる気の低下は感じない時間も増えてきたが仕事量や出張によっても左右される。

精神状態を把握しつつ、症状が強く出そうであればその前に施術を受けてもらうようにアドバイスされていただきました。

心因性難聴・耳鳴りに対する鍼治療

症例2

34歳 男性

仕事が好きでプライベートも充実している。

勤務時間外もついつい長く働いてしまうため、疲れが蓄積して体が重だるい時があり、日々のパフォーマンスを高め生活の質の向上を目的に来院。

ストレスは全く感じていないが、肩こりや頭痛が起こることもある。

週に一回近所の整体で体のケアをしている。ゴルフとサーフィンが好きで、休日は仕事を忘れ思いっきり楽しんでいる。

 

施術

声に張りがあり、とても生き生きとしている。普段から運動をしているためか筋肉もしっかり付いていてとても健康的な反面、柔軟性が乏しくそのまま放置していたらいつかはケガをしてしまうような体つきをしている印象。

仕事に集中してしまうため睡眠時間が短くなる事もあるが、日中の眠たさはない。

自律神経測定器で測定した結果、問題は見当たらなかった。元々体調が崩れにくい体質な様子。

まずは、仰向けで頭痛に対する施術、さらなる自律神経の機能安定のために副交感神経を高める施術を行った。

次に、うつ伏せで首、肩、背中、腰の筋緊張緩和を目的とした施術を行った。

 

◇1回目◇

肩が軽くなり快適になった

 

◇2回目◇

よく眠れるようになり、疲れが取れた

 

◇3回目◇

疲労感がなく、気持ちよくゴルフをプレイできた

 

◇4回目◇

目の疲れがあるため、今回から眼精疲労の施術も合わせて行った

 

◇5回目◇

目の疲れも取れて、仕事もしやすくなった

 

◇6回目◇

疲労が感じにくくなり、肩こりや頭痛の頻度が減少した

 

疲労回復には日常生活を見直す事も重要です!

 

適度な運動をしましょう

身体を動かすことで全身の血行が良くなり、自律神経のバランスも整いやすくなることから疲労回復に効果的な場合があります。特にウォーキングやジョギングなどの有酸素運動が有効です。

バランス良い食事と十分な睡眠をとりましょう

バランスの良い栄養の摂取と十分な睡眠は疲労回復の基本です。偏った栄養の食事は避けて肉類・野菜類・炭水化物類とバランスよく食べるようにしてなるべく食事する時間も毎日合わせると良いです。

休みの日でも早寝早起きの習慣

仕事がある日とお休みの日とで就寝・起床時間が著しく異なってしまいますと自律神経のバランスが崩れやすく、疲れが溜まりやすい体の状態となってしまいます。
自律神経のバランスを崩さないためにもお休みの日でも仕事のある日と同じように早寝早起きを心がけましょう。

睡眠の質を促す鍼灸治療

土曜日, 7月 5th, 2025

不眠症や睡眠の質が落ちることで起こる体調の変化とは

睡眠は一日の疲れを取るために必要なことですが、寝不足や睡眠の質が下がることで心身に様々な悪影響を及ぼしてしまいます。

 

・倦怠感

・胃腸の不調

・やる気の低下

・うつ症状

・肩こり

・腰痛

・頭重感

・めまい

など、多岐にわたり様々な症状の原因になります。

側頭部痛に対する鍼灸鍼

睡眠の質が下がる原因

 

睡眠の質の低下は、不規則な生活習慣が続いたり、慢性的な精神的ストレスにより自律神経が乱れる事が原因で起こります

自律神経は交感神経と副交感神経の2つの神経で成り立っており、お互いが必要時にバランスを取って働いています。交感神経は体を活動的に働かせ、心を高ぶらせる役割があり、副交感神経は精神をリラックスさせ気持ちを落ち着かせる、また疲れた体を回復させる役割があります。睡眠中は副交感神経が働くことでぐっすり寝れる事ができるのです。

自動車で例えると交感神経がアクセル、副交感神経がブレーキのようなものです。

 

しかし、夜更かしをして不規則な生活習慣が続いたり精神的ストレスを受け続けると、夜に働かなくてはいけない副交感神経が働く事ができず、その代わり交感神経が働いてしまい心身が興奮状態になるためなかなか寝付けないという事が起きてしまいます。眠りについたとしても副交感神経が十分に働いていないために質が低下してしまいます。

 

・生活習慣の乱れや夜更かし

生活習慣の乱れは体内時計を乱してしまい、体内時計が乱れると睡眠リズムが狂い睡眠障害の原因になります。

 

・無呼吸症候群

睡眠中に上気道が狭くなったり一時的に閉塞したり、延髄の呼吸中枢の異常によって正常な呼吸ができないことで起こります。中枢性のものははっきりとした原因はわからないですが、閉塞性のものは肥満による首の脂肪の圧迫や先天性による舌や扁桃、アデノイドの肥大や顎が小さいための舌根沈下が原因と言われています。

 

・パソコンやスマートフォンの使用

パソコンやスマートフォンを長時間使用したり、就寝前に使用することで交感神経が働いてしまい、逆に質の良い睡眠を促す副交感神経の働きが悪くなります。

人間の体は元々、太陽が昇ると交感神経が働いて日が沈んで暗くなると副交感神経が働いて眠りにつくのが自然体なのですが、パソコンやスマートフォンを夜間や睡眠前に使用する事でタブレットの光が視覚を通して脳を刺激してしまい、昼間と錯覚させてしまいます。そうすると本来副交感神経が働いて交感神経が抑制されなくてはならないのに、夜の時間も昼間と同様に交感神経が働いてしまいます。そのまま就寝すると睡眠の質が悪くなるのは必然的になります。

 

・ストレス

多少のストレスは問題ないのですが、強いストレスや慢性的なストレスは自律神経が乱れます。ストレスは交感神経を働かせるため睡眠の質が低下します。

 

・カフェインやアルコールの摂取

お酒が好きな方は就寝前に飲酒することが多いと思いますが、アルコールが体内に入ると肝臓で分解する過程でアセトアルデヒドという物質が発生します。このアセトアルデヒドは毒性が強く交感神経を刺激してしまうと言われています。

また、カフェインは脳を活性化させる作用がありますが、それも交感神経を介して作用するため睡眠の質を低下させてしまいます。

 

睡眠と東洋医学的思考

 

東洋医学では五臓六腑と関連つけて考えていきます。

五臓六腑とは、肝、心、脾、肺、腎の五臓と、胆、小腸、胃、大腸、膀胱、三焦の六腑のことを言います。

これらは現代医学の解剖学的機能の概念ではなく、精・気・血のコントロールといった陰陽五行説の思考に基づいた役割があります。

この中の「心」は精神や意識など精神活動を主ります。この「心」の機能が低下することで、眠りが浅い、中途覚醒、不眠、。寝つきが悪いなど睡眠障害が引き起こされると考えられています。心の機能低下を、心血虚心陰虚と言います。

また、「肝」は自律神経機能、情緒系の機能を担っており、気をのびやかにめぐらせる作用があります。この「肝」の機能が低下すると、精神的に不安定になりイライラするといった感情が出現しやすくなります。精神的ストレスが発生すると自律神経や情緒系機能に影響し抑うつや緊張状態を起こします。これを肝気鬱血といい、不安感、緊張感、焦燥感による不眠の原因になります。肝の機能低下は、肝血虚肝陰虚と言います。

腎炎に対する鍼灸治療

睡眠障害の西洋医学的治療

 

病院や睡眠専門クリニックでは、精神を落ち着かせるために鎮静剤や抗不安薬といった薬物療法を行うことが多いです。また、認知行動療法や睡眠習慣の指導、など薬に頼らない治療や、無呼吸症候群の場合は睡眠中に口に装着したマスクから気道へ空気を送ることで気道の閉塞を防ぐ方法が用いられます。

 

睡眠の質を上げるための当院の鍼灸治療

 

当院での睡眠に対する治療は自律神経の調節を重視しております。

また、心経、肝経、腎経を使用して五臓六腑を整え、失眠という良い睡眠を促すツボも鍼やお灸で刺激をしていきます。

睡眠の質が低い方は首肩のコリや腰が辛いという方が多いのが特徴です。触診をしていきコリや張り具合を確認し、筋緊張を緩和させる施術も同時に行っていきます。

 

睡眠の質を向上させるための7つのポイント

 

①就寝前に白湯、生姜湯を飲んで体を温める

 

②湯舟に入りゆっくり体を温める

 

③入眠時間、起床時間、朝昼晩の食事時間を毎日一定にする

 

⓸就寝前のパソコンやスマートフォンの使用、アルコール、喫煙は避ける

 

⑤日中に適度な運動をする

 

⑥午前中に日光を浴びる

 

⑦就寝前にストレッチをして体をほぐす

 

目の病気に効くツボ

金曜日, 7月 4th, 2025

目の疾患に効果的なツボ

目の疲れは頭後ろの後頭下筋群に現れます。この部分は頭と首の連結部で目の周りの疲労はこの部分にも影響を与えます。

ここが硬い人は目の疲労が蓄積されていることが多いです。
治療の際にはこの筋肉上にある「風池」「完骨」という経穴が目の疾患に良く効きます。

風池・完骨への鍼治療

この経穴に刺鍼すると目から脳に伝わる神経速度が上がったというデータがありますので
鍼による視力回復は期待できるということです。
疲労回復にも視力回復にも鍼灸治療は効果的であるということになります。

軽度の症状であれば数回の治療で効果が出てきますし、頑固で長期間の症状は数か月で効果が期待できます。

そのほか、腕にある『合谷』や『曲池』といったツボも目の症状に効果的とされています。

 

目の治療は専門的知識と経験によるものが治療効果にも大きく関係してきます。
目の専門治療であれば当院にお任せ下さい。

 

目の奥の痛みなどに対しても鍼治療は有効です!

 

目の奥が痛い。首の付け根が痛い。寝ても痛みが取れない。

このような症状で悩まれている方が多いです。

パソコン仕事やスマートフォンの増加が眼科疾患に大きく関係していると思います。

 

年齢も10代から高齢者までと幅広く、職種も学生からサラリーマンと不特定に多い症状になっています。

目で悩まれている方は、症状がでていても眼科や治療院に掛からずに放置される方が多いのですが、放置してしまったためにかえって症状が固定されてしまい、治りづらくなるのもあります。

そのうちの一つが眼精疲労です。

始めは目の疲れやドライアイなどの症状ですが、次第に症状が固定していき、寝ても回復しないどころか症状が悪化していくだけと悩まれる方が多いです。

 

白内障緑内障も初めは疲れ目から来ることが多く、現代のように目を酷使してしまう社会環境ならば治療院や自己ケアによって目を守っていく必要があると思います。

トロサ・ハント症候群の鍼通電治療

 

眼精疲労に変わる前に対処する事が大事です。

始めは疲れ目やドライアイなどからです。

この二つは目の疲労から来るものです。

 

目の疲労度は環境によって影響されます。

 

 

  • ・一日中オフィスでパソコンと向き合っている
  • ・読書が好きで、通勤電車や寝る前に長く読んでいる
  • ・強い光をよく見る職場
  • ・スマホやパソコンを長時間使っている
  • ・クーラーの風邪がよく当たって目が乾く

 

これらは目にとって悪環境になります。

まずは疲れ目から始まり、次第にドライアイに変化して眼精疲労となります。

パーキンソン病の鍼灸治療

眼精疲労は目の症状ばかりでなう身体の症状も伴います。

目の症状では、

  • ・目が疲れることや、
  • ・目が痛む
  • ・目が充血する、
  • ・しょぼしょぼする
  • ・目がゴロゴロする

かすんで見える、ぼやけて見える

 

身体の全身症状としては、

精神的な症状が現れることもあります

眼瞼けいれん 鍼灸治療

 

 

眼精疲労とはこれらの症状が固定してしまう状態です。

これからさらに症状が悪化さしていく可能性もありますので早めに対策や予防をされる

のがいいです。

 

 

目もすぐに病気にかかるというわけではなくサインをだしてきます。

 

目の病気だと思われるサイン

加齢性黄斑変性症

  • ・中心部がぼやける
  • ・視界がかすんで見える
  • ・視野が欠ける

などがあります。

加齢性黄斑変性は比較的男性に多い病気です。

年齢を重ねると誰でもなる可能性があるものです。

白内障

  • ・まぶしく感じたり
  • ・全体的にかすんで見える

白内障は加齢でなることが一番多いですがアトピー、遺伝、糖尿病からなるものもあり原因となるものが多いです。

飛蚊症

  • ・視野の中で虫が飛ぶように見える
  • ・ゴミが見える

飛蚊症は目の酷使、紫外線などの影響によりなることがあります。

痛みを伴わないので軽い症状と認識されないで、一度眼科を掛かられた方がいいです。

網膜剥離のような重いものにも繋がる可能性があるからです。

片頭痛

  • ・視野の中で電気を見た後みたいに光が残る

麦粒腫 霰粒腫

  • ・目やまぶたがかゆい、痛い
  •  ・まぶたが腫れている

鼻涙管 涙小管の異常

  • ・涙が止まらない

ウィルス性結膜炎、細菌性結膜炎、慢性類嚢炎

  • ・目ヤニが多く出る

 

目に負担をかけ過ぎない

上記のような症状が出た場合、一度眼科などで検診を受けてください。

またご自分でできる予防としてやはり目の負担を抑えることが大切です。

視力に関しては、ピント調整が眼精疲労に関係してきます。

目の水晶体は厚さを調節することでピントを合わせます。

この調節が上手くできなくなると近くのものや遠くのものが見えにくくなります。

 

ピント調節ができなくなるため

 

になります。

 

 

上記の四つはピント調節機能低下で起こります。

 

年齢を重ねると水晶体が弾力性を失って硬くなり、ピント調節が上手くできなくなる状態を老眼と言います。

これはほぼ全ての人がなっていきます。

30歳以降にピント調節機能が低下してくるので、40歳以上で見えにくくなってきた場合は、

老眼の可能性があります。

 

ピント調節が上手くできないで目を使い続けるのは、目の筋肉が酷使される状態になりますので、目の負担が大きいです。

そのため、目の負担からくる眼精疲労になりやすくなります。

 眼鏡やコンタクトレンズ選びにも注意!

自分の視力にあったコンタクトレンズや眼鏡を使うことで目の疲れや眼精疲労などが改善することもあります。

見えすぎることによっても過矯正でかえって視力が悪くなったり、目をつかれさせてしまいます。

自分に合ったコンタクトレンズや眼鏡を使用するのが一番いいです。

 

昔流行ったカラーコンタクトなどは昔に利用したことがあるのですが

数時間着けただけで目がぱさぱさになり後頭部の痛みが出たことを覚えています。

視力に関係ないカラーコンタクトなどはやはり控えていただいた方がいいです。

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症例

 

30代 男性

仕事ではパソコン、私生活ではスマートフォンをよく使用しているため、慢性的な眼精疲労に悩まされている。ここ最近では、ドライアイ、目の痙攣などの症状に加え、首肩コリ、頭痛も気になるようになってきた。

仕事は忙しく、休日も仕事をすることが多いため目を休める時間があまりない。睡眠時間も平均5~6時間と十分にとれている気がしない。運動は週1回ジムに行っている。

 

当院の施術

まず自律神経測定器でお身体の状態を確認しました。

血管の老化はまだ進んでおらず、血管年齢は実年齢と同じくらいで、自律神経の状態をみてみると交感神経の割合が副交感神経を大きく上回り、強い乱れを確認しました。

そのため自律神経の調節治療を加え、首肩コリや頭の筋緊張緩和、眼の周囲にある経穴に刺鍼し、低周波療法で血流改善を促しました。

 

治療間隔は1週間に1回~2回のペースで行いました。

 

経過

1回目

施術直後はとても目が楽になって、視界がクリアになった。

しかし、次の日はまた元に戻ってしまった。

 

2回目

よく眠れるようになり、目の疲れが取れてきた。

首肩コリも前より少し楽。

 

3回目

ここ数日非常に忙しく、また目の疲れがひどくなってきたが、施術後は症状が緩和し楽に感じる。

 

4回目

首肩や、頭が軽い。ドライアイも軽快している。

 

5回目

目の疲れが少ない。痙攣も気にならなくなってきた。

 

6回目

痙攣はほとんど治まった。眼精疲労もほとんど気にならない。

 

7回目

目の疲れが気にならないため、仕事に集中できる。

 

現在もメンテナンスのため通院中。

 

 

執筆者

清水大地

眼精疲労専門の鍼灸師

資格
はり師
きゅう師

2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好医院にて多くの臨床経験を積む

2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立

2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院

2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院

2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院

後鼻漏(こうびろう)のはり治療

木曜日, 7月 3rd, 2025

【後鼻漏】

後鼻漏とは、鼻の奥の粘膜から分泌された粘液が、鼻の奥や喉の方に流れてしまい、鼻水や咳、痰の原因となる症状のことを指します。一般的にはアレルギーや鼻炎、副鼻腔炎、鼻ポリープなどが原因となるケースが多いです。

吐き気

【鼻水の役割】

鼻水の役割には主に「温湿化」「粘着作用」「防御機能」の3つがあります。

 

◯温湿化: 鼻水は鼻腔の粘膜上にある微小な毛状構造である繊毛によって運ばれます。この過程で、鼻水は鼻腔内の空気を加湿し、温める役割を果たします。これにより、呼吸する空気は体内に適切な湿度と温度で入ってきます。

 

◯粘着作用: 鼻水は微粒子や異物をキャッチし、粘着作用によって鼻腔内に捕らえます。これにより、鼻腔内の異物や細菌が呼吸器系に入り込むのを防ぎます。鼻水はまた、ウイルスや細菌などの病原体を排除するための防御メカニズムとしても機能します。

 

◯防御機能:鼻水には抗体や酵素が含まれており、これらは呼吸器系の感染症に対する防御機能を持っています。鼻水は病原体を中和し、排除するための役割を果たします。

 

後鼻漏の原因

先天的に後鼻漏になりやすい鼻の構造を持つ方もいますが、多くは鼻の中で起きている炎症により粘液が分泌されて起こります。

 

◯鼻の解剖学的な異常:鼻腔や副鼻腔の形態や機能の変化が後鼻漏を引き起こすことがあります。例えば、鼻中隔(鼻の仕切り)の偏位、鼻腔や副鼻腔のポリープ、鼻腔の狭窄などが原因となることがあります。

 

◯アレルギー性鼻炎:アレルギー反応による鼻粘膜の炎症が後鼻漏を引き起こすことがあります。アレルギー性鼻炎では、鼻腔の粘膜が腫れて鼻水や粘液の産生が増え、これが後鼻漏となることがあります。

 

◯副鼻腔炎(ふくびくうえん):鼻や副鼻腔の慢性的な炎症や感染が後鼻漏の原因となることがあります。鼻や副鼻腔の炎症によって鼻腔内の分泌物が増え、これが後鼻漏となることがあります。

 

◯上気道逆流(じょうきどうぎゃくりゅう):喉から胃への逆流(逆流性食道炎)が後鼻漏を引き起こすことがあります。胃酸や消化液が喉を通って鼻腔に逆流すると、後鼻漏の原因となることがあります。

 

◯上咽頭炎(じょういんとうえん):上咽頭(のどの奥の部分)の炎症を指す医学的な用語です。主な原因はウイルス感染や細菌感染で、炎症が上方に上がってくると鼻腔内の分泌物が増え後鼻漏の原因となることがあります。

後鼻漏の症状

◯喉の奥からの鼻水感:後鼻漏の典型的な症状として、喉の奥から鼻水や粘液が感じられることがあります。この感覚は、鼻の奥から鼻水が逆流しているために生じます。

 

◯喉の痛みや違和感:鼻水や粘液の逆流によって、喉の奥が刺激を受けるため、喉の痛みや違和感を感じることがあります。

 

◯咳:後鼻漏が喉に流れ込むことにより、咳が引き起こされることがあります。特に寝ている間や寝起きのときに咳が増えることが多いです。

 

◯口臭: 鼻水や粘液が喉に逆流することで、口臭が発生することがあります。これは鼻腔内の細菌や分泌物が喉に移動することによるものです。

 

◯味覚の変化: 後鼻漏が口腔内に逆流することにより、味覚の変化を感じることがあります。特に鼻水や粘液の味が口内に広がることがあります。

 

副交感神経が優位になることで鼻腔内の分泌液が増えます。そのため、寝る前・朝起きた時・リラックスしたい時ほど、咳や喉の異物感が増します。

 

また。症状が悪化すると、食べ物が美味しく感じなくなり食事が楽しくなくなる方や、口臭に悩む方もいます。

 

リモートワークによる首肩こりの不調に対する鍼灸治療

 

【後鼻漏の東洋医学的な考え】

洋医学で、主な後鼻漏の原因は「肺・脾の弱まり」と考えられます。

肺とは、呼吸器系の機能と体表面の分泌液(汗や鼻水)を司っている機能の事です。

また、脾は、身体の水分の運搬に関わっており、肺の機能を強めてくれる能力もあります。

これらの機能が弱くなることで後鼻漏の症状が見られやすくなります。

他にも以下の原因が考えられます。

 

気の滞りと湿邪:後鼻漏は体内の気の滞りや湿邪(湿気の異常な状態)によって引き起こされると考えられています。気の滞りは通常、ストレスや情緒的な要因、不規則な食事や生活習慣などによって引き起こされるとされています。湿邪は、外部からの湿気や内部の消化不良などによって体内に留まる湿気の状態を指します。

 

脾胃の不調:後鼻漏は脾胃の不調によるものとも考えられます。脾胃は消化・吸収の働きを担っており、消化不良や脾胃の弱さが湿邪の蓄積を引き起こし、後鼻漏を発生させる可能性があります。

 

気血の循環の乱れ:後鼻漏は気血の循環の乱れによるものとも考えられます。気血のスムーズな流れが阻害されると、鼻腔内の湿気や粘液が滞り、後鼻漏の症状が現れるとされています。

【後鼻漏のセルフケア】

ご自身でケアする際は、局所的(喉と鼻)と全身的があります。

 

◯喉と鼻のケア

・喉の保湿:喉の乾燥を防ぐために、こまめに水分を摂ることが重要です。水を十分に飲んだり、加湿器を使ったりして喉の乾燥を防ぎましょう。

 

・喉のうがい:温かい塩水やうがい薬を使って、喉をうがいすることで、鼻水や粘液を洗い流すことができます。

 

・鼻腔の洗浄:鼻腔洗浄(ネットポットや洗浄器具を使用)を行うことで、鼻腔内の余分な鼻水や粘液を除去することができます。

 

◯全身

・呼吸器機能の向上:持続的なランニング、階段昇降、胸郭のストレッチ。日常生活より負荷の高い運動を行いましょう。

 

心身症の鍼灸治療

水曜日, 7月 2nd, 2025

心身症とは

心身症と言うと心の病気と思われがちですが、これは病名ではなく病態の総称をいい、身体疾患の中で、その発症や経過に心理・社会的因子(本人の性格、家族や職場の環境や対人関係などによるストレス)が密接に関与しており、器質的ないし機能的な障害が認められる病態です。

様々な心理社会的要因の影響で症状が出現したり、寛解または悪化することもあるため、心理社会的な要因が治療の妨げになることもあります。

心身症の症状

代表的な心身症としては、気管支喘息頭痛高血圧過敏性腸症候群摂食障害アトピー性皮膚炎慢性蕁麻疹腰痛症月経前症候群月経異常などがあります。

主な症状としては、頭痛や、腹痛などの痛みに関する症状、息苦しいなどの呼吸に関する症状、皮膚に関する症状、胃のむかつきや、便通など消化管に関する症状などです。

片頭痛や高血圧のように診断がつくものもあれば、病院で検査を受けても、「身体の異常はみられません」となる場合もあり、検査結果で異常がないのは一つの安心材料ではありますが、実際に症状が出ている患者さんにとっては、原因がわからない不安を抱え続け、余計に辛くなる方も多くいらっしゃいます。

そして、心理社会的要因が原因となり、腹痛や過換気症候群のような症状を経験すると、「また症状が出るかもしれない」という不安を抱く様になり、そのせいで体調に対してより過敏になってしまい、症状の頻度が増えてしまうという悪循環に陥ってしまう事もあります。

その為、症状を和らげながら、症状へ対しての捉え方を軽くして行くことが治療の第一歩となります。

 

心身症とメンタルの病気

うつ病自律神経失調症パニック症・パニック障害、は区別が難しいとされています。

まず、うつ病は、抗うつ気分や意欲の低下などメンタル症状以外に、食欲低下や痛みなどの身体の症状を伴うことがあります。

次に、パニック症・パニック障害においても、動悸や発汗、息苦しさ、めまい、胸の痛み、など様々な身体の症状を伴います。

そして自律神経失調症は、倦怠感や動悸、自律神経が司っている、循環器系や呼吸、体温調節、消化器系、発汗などのバランスが崩れ、不眠、動悸、息苦しさ、だるさ、めまい、しびれ、手足の冷えなどの様々な症状が現れます。

心身症の場合でも、不眠や気持ちの落ち込みや、心身の痛みに対して、睡眠やうつのお薬を使うことで改善する事もあります。

このように、心身症とうつ病、パニック症・パニック障害、自律神経失調症などの症状についても、こころとからだを切り離して考えず、【心身一如】【全人的】な観点から見て行く事が大事になってきます。

 

心身症に対する一般的な治療法

【薬物療法】

心身の緊張、不安、抑うつといった精神症状が見られることも多い為、その緩和には、抗不安薬(安定剤)や抗うつ薬の投与を行います。(専門的な治療を受けるには、心療内科や精神科を受診する事が必要です。)

 

【生活習慣の見直し】

心身症は、慢性の身体疾患である事が多く、生活習慣病と言われる疾患とかなり似てきます。そして、ストレスの多い生活を送っていると、食事・運動・休養といった生活習慣は乱れがちになり、それらが、さらに病態を悪化させてしまいます。

例えば、高血圧であれば塩分を控えめにする。過敏性腸症候群であれば、刺激物(辛いもの・コーヒーなどのカフェインを含む飲食物など)を避けるなどの取り組みが症状の改善につながります。

また、直接治療と関係しなくても、生活習慣を規則正しくする事は、ストレスに対する心身の免疫力を高めることに繋がるので、心身症の治療にはとても大切です。

 

【リラクゼーション法】

ストレスは慢性の心身の緊張状態を作り出し、それらが身体に様々な障害をもたらすと考えられています。その影響を緩和するためには、リラクゼーション法(呼吸法)がとても効果的です。毎日習慣づけて行う事により、ストレスに対する身体の反応自体が変わっていきます。また、深い呼吸を行う事により全身の巡りが良くなり、心身共にリラックスができ、自立神経の副交感神経が刺激され、身体の緊張が和らぎ、自律神経が整っていきます。

 

当院での心身症に対する鍼灸治療

 

心身症の多くは、症状の程度や場所が移動する・曜日や時間によって症状の程度が変わる・学校や仕事を休むと症状が軽減するなど、ストレスから離れると症状が軽くなる ということもあり、様々な心理社会的なストレスが主な原因と考えられます。

人はストレスを感じたり、過労が続くと、自律神経のバランスがくずれてしまい、自律神経の乱れから、倦怠感や動悸、不眠、めまい、しびれ、手足の冷えなどの様々な症状が現れます。

そのため、当院では、治療の前にしっかりと問診を行い、自律神経の状態を機械で測定し、症状や状態を把握した上で治療を行っていきます。

当院には自律神経測定器があり、この測定器では交感神経と副交感神経のバランスや肉体的ストレスや精神的ストレスなども測る事ができます。測定結果を元に、お一人お一人に合ったオーダーメイドの治療をします。そして、東洋医学の治療法と自律神経療法を組み合わせることでより治療効果を高めることができます。

鍼灸治療は自律神経を整えるのにとても優れた治療法です。自律神経を整える経穴やストレス解消の特効穴を用いて症状改善を目指します。

また、自律神経のバランスを整える事で心身の過緊張を緩和し、血行を促進して症状を改善し、体が本来持つ自然治癒力を高め、症状が治癒しやすいお体の状態へと整えていきます。

心身症の症状でお悩みの方は、東京α鍼灸院へお越しください。

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