イライラとは、一般的には物事が自分の思うようにならなかったり、不快なことがあったりして神経が高ぶり、いら立っている状態を指します。
医学的には、些細なことで不機嫌になることを「易刺激性(いしげきせい)」、怒りっぽいことを「易怒性(いどせい)」と呼びます。
これは、日常茶飯事誰にでもあることですが、程度が過ぎると日常生活に支障をきたすこととなります。

イライラの原因は、まず、ストレスが挙げられます。また、ホルモンバランスの乱れや病気などが関係していることもあります。
ストレスとは外からの刺激に対して緊張した状態を指します。
具体的には恋人や友人、上司、妻、夫などとの人間関係がうまくいかない場合や、仕事でやることが多すぎたり、予定通りに仕事がうまくいかない場合、職場の環境に慣れない場合、人生のいろいろなことに不安があり眠れない場合などの心理的、社会生活によるストレスや、気温、騒音、天気などの環境による刺激、疲労や睡眠不足、病気などの身体が受けた影響、クラス替えや進学、転職、結婚や出産、引っ越しなど喜ばしいと思われる出来事も含まれ、これらもストレスを引き起こす原因になります。
ホルモンバランスによるイライラは本人の意思とは無関係にイライラする場合で、ホルモンバランスが崩れていることが原因で起こります。
具体的には生理前になると普段気にならないことでもカッとなったりイライラする「月経前緊張症(PMS)」と閉経前の女性に起こる、加齢に伴う卵巣機能の低下により女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が減少し、そのため様々な不定愁訴が出現する「更年期障害」があります。また、男性も加齢に伴い男性ホルモンの分泌が低下して起こる「男性更年期障害」によってイライラが起こることがあります。
・月経前緊張症(PMS)の鍼灸治療について
・更年期障害の鍼灸治療について
・男性更年期障害の鍼灸治療について
同様に20~40歳の場合でも、ストレスや不規則な生活リズムで睡眠不足が続いていたり、忙しくて食事ができない、あるいは極端なダイエットをしたために栄養不足が女性ホルモンの分泌にも影響することがあり、更年期障害と同じような症状が現れることがあります。
また、妊娠中もホルモンバランスが不安定なため、自分では気が付かないうちにイライラして人に当たったりして対人関係がうまくいかなかったりすることがあります。また、すぐにイライラして子供を叱りつけたり、日常生活に不安を感じたりします。
このようなストレスやホルモンバランスの乱れは全身の器官やホルモン分泌を調整する神経である自律神経のバランスを崩す原因となり、心身に様々な不調が現れやすくなります。
病気との関連では、心の病気(双極性障害、統合失調症、依存症など)のほとんどはイライラを引き起こしやすいことが知られています。また、脳の病気(脳卒中、低酸素脳症、脳炎、認知症、発達障害など)や怪我による高次脳機能障害もイライラの原因となることがあります。特に認知症は攻撃的な発言をしたり、すぐに怒鳴ったりという初期症状が出ることがあります。認知症の周辺症状の一つで性格、人格の変化として現れることもあります。

精神的なストレスによるイライラは老若男女を問いません。多くの場合は何かしらのストレスを抱えていて、その解決、納得がしにくいときに起こります。その状態が長かったり、程度がひどかったりすると生活に支障をきたしかねません。また、これといった精神的ストレスや病気がなくても、生活の乱れによってリラックスする時間が取れないとイライラしやすくなります。
例えば、睡眠不足が続いている、忙しくて疲労がたまっている、運動不足、コミュニケーション不足などが挙げられます。
東洋医学ではストレスを七情といって「怒」「喜」「思」「憂」「驚」「恐」の七つに分類していますが、イライラの原因はこの中の「怒」になります。
ストレスは「気」の流れを停滞させる「気滞(きたい)」や気が本来の巡り方と逆行させる「気逆(きぎゃく)」血の滞りである「瘀血(おけつ)」を起こす原因になります。また、五臓の「肝」に影響しその機能を失調させます。
「気滞」になると気分が落ち込む、イライラ、不眠、頭が重い、ボーっとする、喉のつまり感、胸のつまり感、お腹の膨満感、ガスが多いといった症状が現れます。
「気逆」はのぼせや動悸、頭痛、めまいなど上半身に症状があり、足が冷えます。
「瘀血」は緊張性の頭痛、胸、腹部の張り、痛み、イライラ、情緒不安定などの症状が現れます。女性の場合、月経前に最も症状が出やすくなります。
「肝」が失調するとイライラ、不眠、目の充血、筋肉痛や筋肉のコリ、耳鳴り、末端の冷え、ゲップやガスが出やすい、便秘、胸や脇が張る、生理周期の乱れ、生理痛、肌荒れ、など様々な症状を呈します。


当院では、自律神経測定器で計測を行いお身体の状態を把握したうえで治療へ移ります。ストレス、疲労の蓄積、生活習慣の乱れなどで自律神経のバランスが乱れるとイライラ、情緒不安定などの精神症状が現れやすくなるためです。
自律神経を整えるツボに鍼やお灸で刺激を与え、内臓機能や免疫力を高め、全身的な血流を良くし自己治癒力を高めていきます。また、東洋医学的観点から気の巡りや血の巡りを整えるツボや「肝」をはじめとした五臓六腑の機能を整えるツボを選択していきます。
イライラ、怒りっぽい症状がみられる場合、身体的な緊張もみられることがほとんどです。身体的な緊張があると気や血の巡りも悪くなります。
特にストレスを感じると防御反応として首や肩周りに筋緊張が現れやすいため、首肩周りの施術も行っていきます。
また、問診や触診により精神症状の他にも不定愁訴や、緊張の強い部位、冷えのある部位を確認しそれに合わせて施術を行います。

心の症状が強く出ている場合には心療内科、精神科、メンタルクリニック、ホルモンバランスの崩れから起こるイライラは婦人科、産婦人科などを受診することをお勧めします。
産婦人科的な病気、内科の病気、薬物の関与が疑われれば、そちらに対する精密検査と治療が必要です。これらがない場合は、ストレスの有無を確認し、ストレス源がある場合は環境を調整するようなアドバイスをします。また、カウンセリングや行動認知療法などで心の整理を行うことで安定が得られる場合もあります。
明らかなうつ病、適応障害などの精神疾患と判断できる場合や薬を使わないケアだけでは日常生活の障害が解消しない場合は、抗うつ薬や抗不安薬などの薬物療法が有効です。
ホルモンバランスの崩れによるイライラの治療法はその原因となっている病気の治療を行うことが第一です。更年期障害のホルモン補充療法や、月経前緊張症のホルモン療法、漢方薬療法などがあります。また、カウンセラーに相談する精神療法、抗うつ薬や抗不安薬、睡眠薬などが処方される薬物療法などがあります。
症例 1
40代 女性
首肩のこり、頭痛を主訴として来院された。問診では、更年期障害や生活でのストレスで常にイライラしてしまうとのこと。イライラすることで、身体に力が入り、首肩の凝りを強く感じる。ひどい時には頭痛が起こる。さらに、中途覚醒が多く睡眠の浅さにも悩まされている。
施術
イライラしてしまうことで、血流低下や筋緊張が起こり、首肩のこりや、それに伴う緊張型頭痛の症状が出ていました。イライラする原因が、更年期障害や生活上でのストレスということでしたので、身体の方からアプローチし、自律神経を整える施術を行っていきました。
更年期はホルモンバランスの乱れから、睡眠の質の低下やイライラといった精神的な不調が起こりやすくなります。ホルモン分泌は自律神経の支配を受けるため、自律神経の働きを整えることは、非常に重要となります。自律神経の中でも交感神経が過剰に働きすぎると、精神的にはイライラしたり、身体的には血流の低下や筋緊張、動悸といった症状が起こります。この患者様は過剰な首肩の筋緊張や血流の低下により、緊張型頭痛の症状もみられました。
自律神経を整えることを目的とした、全身的な自律神経調整施術、首肩周りの筋肉と頭のツボへの鍼通電療法を行いました。
一回目
施術後は身体の緊張がほぐれリラックスできた。
二回目
頭痛が起こる頻度が低下した。施術後2日ほどは夜も眠りやすく、中途覚醒がなかった。
三~五回目
首肩のこりが以前よりは気にならなくなってきた。イライラすることが減ってきて、気分が良い時が多くなった。
六回目以降
中途覚醒がほとんど起こらなくなり、睡眠がよく取れるようになった。そのため、身体の疲れも以前より楽になった。
突発的にイライラすることが減り、精神的にも楽に過ごせている。
当院のゴルフ肘(上腕骨内側上顆炎)に対する施術は、第一に肘関節付近のツボや痛みの強い部位にはりやお灸を施すことにより血行を良くします。

また鍼を刺すことにより痛みを感じる閾値を上げて痛みを感じにくくする作用を促します。
ゴルフ肘(上腕骨内側上顆炎)は五臓六腑の「小腸」「心」に深く関係しているので、小腸と心関するツボを用いて小腸や心の機能を正常に戻すことまたは、肘関節の気血の流れをよくする施術を施します。また「風寒」や「湿」の邪気によって引き起こされる場合はそれらを体外に出す治療が必要になります。
また東洋医学では、筋肉・関節の不調は体全体の不調も影響していると考えられており、ゴルフ肘の場合においても全身施術を行います。そうすることにより、肘関節の痛みの施術効果はもちろんのこと全身の施術効果が期待できます。

ゴルフをされている方は、肘の特に内側を痛めやすい傾向にあります。ゴルフは比較的年を重ねても楽しめるスポーツの一つであり、それに伴う筋力の低下などにより肘関節の不調を訴える方は年々増えております。

症例 1
50代男性
2週間ほど前にゴルフをしていたところ、インパクトの瞬間突然右肘の内側に激痛みが走り、その後整形外科を受診し上腕骨内側上顆炎と診断された。消炎鎮痛剤を服用し湿布を張り徐々に痛みが楽になったが6割位痛みが残存している。以前は頻繁にゴルフをしていたが、今回は久しぶりで準備運動もほどほどに腕を酷使してしまったことが原因と考えられるとのこと。また、仕事でPCを主に使用するため日常的にタイピングにより前腕の筋疲労があった可能性も考えられる。現在は腕を伸ばす、カバンを持つ、手を握る動作などで痛みが出現する。
当院での治療
触診した結果右の肩関節周囲、肩甲骨周囲に筋緊張がみられましたので、うつ伏せで筋緊張を和らげ肩周囲の筋肉の柔軟性を向上させ前腕部への血液循環を促進する施術を行い、次に仰向けで上腕骨内側上顆に付着する前腕の筋肉や上腕二頭筋に鍼やお灸で刺激を与え、血液循環を良くし筋肉の緊張を和らげる施術と自律神経を調整する施術を行い、全身的な血行促進、免疫力、自然治癒力を高める施術を行いました。
1回目
施術当日はあまり変化を感じなかったが、翌日から少し痛みが緩和した。しかしまだ同じ動作で痛みは出現する。
2回目
施術後2、3日は痛みかなり改善したと感じたが、その後徐々にまた状態戻ってしまった。しかし、初回に比べると痛みは現在6割程になっている。
3回~4回目
手を握る動作でまだ痛み感じるが、それ以外の動作は楽になってきた。以前は前腕のストレッチ痛みでできなかったが徐々にできるようになってきた。
5回目
手を握る動作も楽になってきたが、まだ1~2割ほどの痛みはある。ストレッチの際痛みの出ない範囲で継続して行っている。
6回目
痛みは消失した。しかし、筋肉の張り、違和感は少し感じる。
7回目
肘周りの違和感、筋肉の張りも施術後徐々に消失した。発症以前の状態に戻ったと感じるため一度通院中止する。一か月後にゴルフする予定がある。この調子だとおそらく大丈夫だと思うが、また違和感があったら来院したい。
症例 2
50代 男性
1ヶ月ほど前から右肘に痛みを感じるようになってきた。ゴルフを週に1、2回ほど行う。ゴルフのプレイ後に肘の痛みが出始めた。整形外科を受診したところ、ゴルフ肘と診断され、湿布薬が処方された。しかし、痛みが引かず、夜間痛も出てきたため、当院にご来院された。
施術
痛みが強く出る肘周りには鍼通電療法を用いて、鎮痛と筋肉を弛緩させるような施術をしていきました。また、肩周りの筋緊張も強く見られたため、肩周りにも鍼通電を行い、より広い範囲で肩から肘にかけての筋肉をほぐしていきました。
痛みで眠りが浅くなることもあるとのことで自律神経調整を行いました。
施術
一回目
いつも右肘や腕が重たい感じがあったのが1回目の治療後は、その重さが取れていくらか楽に感じた。肘の痛みも少し軽減した。
二〜四回目
肘の夜間痛が起こらなくなった。痛みは半分程度にまで軽減してきている。肘の痛みをかばって、肩が少し凝っている。
五回目
肘の痛みはほとんど感じなくなった。
中医学でゴルフ肘(上腕骨内側上顆炎)は、肘付近の気血の運行がスムーズにいかずに気血が滞り、それが痛みやしびれの原因となると考えられています。
寒く風のあたる場所にいた際に「風寒の邪気」を受けた時や湿度の高い場所にいて「湿邪」を受けた時、長い間肘を酷使する仕事やスポーツをした時などに気血は滞り、それが肘内側付近であった場合にゴルフ肘(上腕骨内側上顆炎)を発症する可能性が高くなります。
上腕骨内側上顆に付着する屈曲筋群の走行は中医学でいう「小腸経」あるいは「心経」の走行と類似しており中医学でいう「小腸」や「心」にもなんらかの不調があると考えられます。
上腕骨内側上顆炎とは、手などを使った際に肘関節の内側上方が痛むことです。日常生活の中で発症する場合もありますが、多くは手を使うゴルフやテニスなどのスポーツをしている人に発症する場合でゴルフ肘やテニス肘とも呼ばれます。ゴルフは、比較的年配の方でも楽しめるスポーツであり、プレー中のけがも多くゴルフ肘はその代表的な疾患です。
肘関節は、3つの骨から構成されており、肩から肘にある上腕骨、肘から手首まであり親指側の橈骨と小指側の尺骨があります。
上腕骨内側には、手首を手のひら側に曲げるあるいは親指側に倒す橈側手根屈筋、手首を手のひら側に曲げるあるいは小指側に倒す尺側手根屈筋、手首を手のひら側に曲げる長掌筋、手のひらを下に向けるように腕を捻る動作をする回内筋という筋肉が付着しています。
使い過ぎなどによりこの付着している部分に負担が重なって細かい断裂や出血などによる炎症が起こり、そういった動作をすると痛みを発症します。
・橈側手根屈筋・・・肘の外側から始まり、人差し指・中指に伸びる筋肉です。橈側手根屈筋は、手首を手の表側に曲げる筋肉の中で一番強い筋肉です。ゴルフでスイングする際にとても重要な筋肉の一つです。
・尺側手根屈筋・・・上腕骨の内側上顆・尺骨から出て手の小指の方まで伸びていく筋肉です。
・長掌筋・・・上腕骨の内側上顆から出て手掌腱膜につきます。手首を手のおもてに曲げたり、グリップ握ったりするときに作用する筋肉です。
・円回内筋・・・上腕頭・尺骨頭から出て頭骨に付着します。前腕を内側に捻る動作をします。ゴルフ肘の方はこの円回内筋に過度な負担がかかっている場合が多く、この部分にサポーターなどを巻くと痛さが弱まる場合があります。
動作痛
•スポーツではゴルフでスイングした際、テニスのフォアハンドストロークやオーバーハンドサーブなどの動作をした際に肘関節内側に痛みを発症する場合が多いです。
圧痛
•肘関節の内側を押すと痛みが出ます
ゴルフ肘(上腕骨内側上顆炎)は30~50歳代の女性に好発します。誘発試験としては明確なものはないものの肘を伸ばして手のひらを下に向けるように腕を捻る動作をさせて検者がそれと反対方向に力を加え捻る動作をさせないようにすると肘内側に痛みを発症します。ゴルフ歴があることや上記のような典型的な症状が出ていれば、ゴルフ肘(上腕内側上顆炎)と予想できます。ゴルフ肘(上腕骨内側上顆炎)では肘関節の運動そのものには制限や疼痛は基本的にないです。
清水大地

資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院

・ドケルバン病(狭窄性腱鞘炎)
手首の親指側に痛みや腫れが出て、親指を動かしたり広げたりすると痛みが強くなります。親指の使い過ぎによって腱鞘(けんしょう)にストレスがかかり、炎症を起こすことで手首の親指側付近に強い痛みが出ます。
・手首の腱鞘炎
手首には様々な腱が通っており、ドケルバン病以外にも様々な腱鞘炎が起こります。炎症が生じた腱に応じ、それぞれの部位に特定の動きで痛みが生じることが多いです。尺側手根屈筋腱腱鞘炎、尺側手根伸筋腱腱鞘炎、長母指伸筋腱腱鞘炎などがあります。仕事や家事での使い過ぎが原因のことが多く、難治性となることがあります。
・TFCC損傷(三角線維軟骨複合体損傷)
TFCCとは手首の小指側にある三角繊維軟骨複合体という靭帯や腱、軟骨などの軟部組織の事を言います。手を床について痛めたり、
症状として雑巾を絞れない、ペットボトルの蓋を開けられないなど手首を捻る動作で痛みが出現します。
・母指CM関節症
変形性関節症の一種で親指の付け根で手首に近い関節に痛みが出現します。親指を酷使するような動作を繰り返したり、年齢を重ねたりしてCM関節を構成する骨と骨の間にある関節軟骨が摩耗することで発症します。
安静にすれば痛みは治まりますが、進行すると安静にしていても痛みが生じ、関節が腫れる、変形するなどの症状が現れるようになります。
・橈骨遠位端骨折
手をついて転倒した際、手首の橈骨という骨の端が骨折するものです。通常手首の強い痛みが生じます。骨のズレが少ない場合では、痛みが強くなく捻挫と勘違いしてしまうこともあります。
・ガングリオン
関節の周辺や腱鞘のある場所にできるコブ状の腫瘤(しゅりゅう)をガングリオンと呼びます。原因ははっきりとわかっておらず、症状は特にないことが多いですが、神経を圧迫すると痛みやしびれが出ることもあります。
・キーンベック病(月状骨無腐性壊死)
手関節に8個ある手根骨(しゅこんこつ)の一つで、手首のほぼ中央にある月状骨(げつじょうこつ)がつぶれて壊死を起こす病気です。原因は不明で、手をよく使う壮年期の男性に多く見られますが、特にケガをしたりぶつけたりといった覚えがなくても、発症すると手を動かした後に痛みが出たり、握力の低下、手首を反らす方向の動きが悪くなるといった症状が現れます。
・インターセクション症候群(腱交叉症候群)
親指を伸ばすための短母指伸筋と親指を外に開くための長母指外転筋と手首を反らす働きをする長橈側手根伸筋と短橈側手根伸筋とが手首より少し肘側で交叉している部分に起こる腱鞘炎です。
大工仕事や手作業の多いデスクワークを職業とする人や、野球やテニス、バイクの運転など手首を返す動作の多いスポーツを好まれる方などの集中的に手を酷使する30~50代の方の多く見られます。
症状は手首より4~6cm手前のところの痛みや腫脹、違和感などです。手首を反らす動作、親指でキーボードを打つ際の痛み、また痛い部分を触れて動かすとギシギシとこすれる感じがする場合もあります。

・指が曲げられない・開かない
・手首が張れる
・何もしなくてもズキズキ痛む
・物が握れない
などが挙げられます。
検査・診断
身体所見、レントゲン検査、CT、MRI撮影、超音波検査などを必要に応じて行います。
治療
一般的に湿布、テーピング、服薬、痛み止めの注射、ブロック注射、ギプスによる安静、装具療法、マッサージ、アイシング、温熱療法、電気治療、手術療法などの対処を行います。
東洋医学では関節痛は「痺症」として考えられます。
「痺症」とは身体の外から侵入した外邪(風邪、湿邪、寒邪、熱邪など)が筋肉、骨、関節に影響を与え疼痛や重だるさ、しびれ、腫れ、熱感などの症状として現れることをいいます。
手首の痛みは経絡的には大腸経、肺経、心包経、三焦経、心経、小腸経とたくさんの経絡が関係しています。
筋疲労や筋肉の過緊張、萎縮により起こった関節痛では、血流促進や筋緊張緩和を目的として、原因となっている筋肉に鍼やお灸で刺激を与えます。また、状態によっては鍼に電気を流し、筋緊張を和らげる作用や鎮痛作用を促す場合があります。
痛みや腫れ、発赤等がみられる炎症部位に対しては、疼痛の軽減や抗炎症作用を目的とし、鍼に電気を流すことがあります。また関節の周囲のツボに鍼やお灸で刺激を与えることで炎症により増えすぎた関節液や組織液の吸収を促し、腫れを改善し疼痛を軽減させていきます。
手首に異常がある方は、姿勢の影響などで骨盤周囲、背中、首や肩関節周囲の筋緊張が強く出ていたり、関節のバランスが崩れ、その結果手首を安定させる筋肉の働きを低下させたり、手首の関節が痛くなるような不安定性を生じている場合がよくあります。
そのため当院では全身の調整施術も行い身体の歪みを整え、根本的な原因を取り除いていきます。
また、東洋医学的観点から気血の流れを改善するツボや、痛みや圧痛のある部位から異常のある経絡を判別し、その流れを整えるツボを選択します。

症例
40代 女性
ここ数日前から右手首の親指の付け根付近に痛みが出るようになった。
整形外科に受診したところ腱鞘炎と診断された。普段はデスクワークでパソコンのキーボードやマウスを使用する頻度は多く手首に負担が掛かっていた。
患部の熱感はあまり感じないが、母指の曲げ伸ばし時やペットボトルのふたを開ける動作、かばんやフライパンを持つ動作で痛みが出る。
手首の痛み以外は肩こりもひどく、慢性的に重だるさが続いている。
当院の施術
まず、患部の状態を確認したところ、わずかに熱を帯びており軽度の炎症を起こしている状態でしたが、大きな腫れや変形は見当たりませんでした。しかし前腕の筋緊張が非常に強く、その前腕の筋緊張が手首の痛みの大きな原因になっていると判断しました。
手首の患部や前腕の筋緊張が強い場所に刺鍼し、患部の鎮痛や抗炎症、筋緊張の緩和を目的とした施術を行っていきました。
また、首肩の筋緊張の緩和や、自然治癒力を高めるために自律神経のバランスを整える施術も同時に行っていきました。
経過
1回目
少し腕は軽くなったが、手首は痛みが続いている。
2回目
曲げ伸ばし時の痛みは少し軽くなったような気がする。
3回目~5回目
重いものを持ったり、無理をすると痛みが強くなる。
それ以外は、痛みは軽くなってきている。
6回目
重いものを持っても強い痛みが出ることはなくなってきた。
7回目
ペットボトルのふたを開ける動作をしても、痛みが気にならなくなっていた。
日常生活に支障がない状態まで改善した。
眼の炎症の原因疾患は以下のようなものがあります。
・ぶどう膜炎
ぶどう膜炎は主にウィルス感染や自己免疫異常により眼のぶどう膜という部位に炎症が起こる疾患です。
症状は視力低下、眼の痛み、視界のかすみ、眼の充血、羞明です。時には人によっては視界にゴミの様な物が映って見えてしまう飛蚊症のような症状も現れることがあります。
・アレルギー性結膜炎
目の表面にスギやヒノキなどの花粉、ダニといったアレルギーを引き起こす物質が付着して、結膜に炎症を引き起こす疾患です。
症状は、目のかゆみ、充血、眼がゴロゴロするといった異物感、目やに、涙の増加があります。
・強膜炎
強膜炎は、自己免疫により強膜が攻撃を受けて炎症を起こす疾患です。
関節リウマチ、結節性動脈周囲炎、全身性エリテマトーデス、サルコイドーシス、痛風、結核、梅毒なども強膜炎の原因に挙げられますが、それほど多くはありません。また、検査をしても異常が見当たらない原因不明の事も多いです。
症状は、非常に強い眼の痛み、充血、涙目、異物感、眼球の局所的な盛り上がりが挙げられます。また、重度な強膜炎の場合は強膜の一部が溶けてしまうこともあり、内側のぶどう膜が透けて見えるため白目の部分が黒っぽくなることもあります。このような場合は、かすみ目や視力低下を引き起こします。
強膜は、眼の球体を強固に保つ役割があり、強膜が溶けることで眼球の強度が脆く弱くなるため眼球破裂を起こすこともあります。
・角膜炎
角膜炎は帯状ヘルペスウイルスやアカントアメーバによる角膜感染や、異物の混入、まつ毛、紫外線、コンタクトレンズによる外傷、重度のドライアイが主な原因になります。
症状は、眼の痛み、異物感、涙目、視力低下、光の周りに虹がにじんで見える虹輪視、光が異常にまぶしく感じる羞明があります。
・交感性眼炎
交感性眼炎は、眼の外傷や手術によってぶどう膜が損傷して起こるぶどう膜炎の事を言います。ぶどう膜に傷がつくと、それを修復しようとする強い自己免疫反応が色素細胞に起きてしまい、眼の痛みや視力低下といった症状を引き起こします。
これは外傷後や手術後などぶどう膜に損傷を受けた1~2か月後におこる場合もあり、発病の3~7日後ぐらいで発熱といった風邪に似た症状が現れ、眼精疲労、めまい、頭痛、頭皮がピリピリする、嘔吐などの症状も出ることがあります。
また内耳機能障害を併発することもあり、難聴や耳鳴りが起こることもあります。
①問診
症状、現在の体調、生活習慣など、しっかり時間をかけてお身体の状態を確認していきます。

②自律神経測定
患者様のご希望や、施術者の判断により自律神経測定器で現在の自律神経やストレスの状態を確認していきます。

③うつ伏せ治療
まずは、うつぶせの状態で首肩の筋肉の緊張を緩める施術を行います。眼球の炎症がある方はその症状により、首肩周辺の筋緊張が強くなる傾向があります。首肩の筋緊張が強くなると、眼に栄養を送る血管が圧迫してしまい、眼の炎症の回復が遅くなります。
そのため、眼の治療には首肩コリに対するアプローチも欠かせないのです。
また、背部や腰部にも眼に関わるツボがありますので、そちらも同時に刺激していきます。

④仰向け治療
仰向けの施術では眼がメインになります。同時に自律神経の調節も行っていきます。
眼の周囲にあるツボに鍼とお灸で刺激し、炎症を抑えていきます。

⑤施術後のクロージング
施術後の注意点、適切な治療間隔などをご説明し、終了になります。

東洋医学では五臓の肝は眼に開竅すると言われており、肝と眼は深い繋がりがあると考えられています。
そのため、眼の病気には肝の異常を正していく事が非常に重要であります。
肝血が不足すると、視覚や運動器系に何かしらの異常がみられます。また、肝の陰陽のバランスが崩れてしまい、肝の陽気が過剰に高まってしまうことで陰液が消耗してしまいます。
その結果、肝陽が頭に上ってしまい眼の炎症や、頭痛、高血圧、自律神経失調症を引き起こす原因になります。
強膜炎、ぶどう膜炎、交感性眼炎は基本的にステロイド薬を使用した方法がメインになります。角膜炎は感染した病原体を明らかにし、その種類に応じた抗菌薬、抗真菌薬、抗ウイルス薬などといった薬剤を点眼薬や塗り薬といった形で直接眼に投与する治療になります。
アレルギー性結膜炎は主に抗アレルギー点眼薬を使用し、重症の場合はステロイド点眼薬を使用することもあります。
全員に当てはまるわけではないですが、眼の炎症を起こしやすい人はストレスが慢性化している、生活習慣の乱れがあるという事が共通しています。
ストレスや生活習慣の乱れは自律神経のバランスを崩してしまい、免疫力の低下につながります。また、慢性的な炎症も自律神経が乱れて自然治癒力が下がっている状態だと考えられます。
ストレスをため込まずに発散する事や、生活習慣を見直して自律神経を正しく働かせることが重要になります。
症例
50代 女性
約1か月前に眼の強い痛みが起こり、病院に診てもらったところ強膜炎と診断された。
病院ではステロイドの全身投与治療を行っており、以前より痛みのピークは落ち着いてきたがまだ痛みと充血が続いているため不安な毎日を送っている。
病院の先生には徐々に治まって来ると言われているが、とても神経質でもともと痛みに対して弱かったため、少しでも早く痛みを軽減させたいと思い当院を受診した。
主な症状は、眼の強い痛み、眼の異物感、眼の充血、涙目。
関節痛といった全身症状はまだ見られない。
当院の施術
まず自律神経測定器で自律神経の状態を確認していきました。
測定の結果、交感神経の働きが強くなってしまい、逆に副交感神経の働きが低下している状態でした。交感神経の過剰な働きが慢性化してしまいますと、人によっては刺激に敏感になってしまい、余計に痛みを強く感じやすくなってしまいます。また身体が自己の細胞を回復させようとする自然治癒力も低下してしまいます。
そのため、眼の炎症を抑える目的とした施術以外にも、自律神経を整える施術も同時に行っていきました。
経過
1回目
あまり大きな変化はないが、身体が軽くなり、その日の夜はよく眠れた。
2回目
眼の痛みは少し軽くなったような気がする。
3回目
眼の強い痛みは引いてきたが、まだ持続的な痛みはある。
4回目
以前より痛みが軽くなってきている。充血も軽快してきた。
後鼻漏とは、鼻の奥の粘膜から分泌された粘液が、鼻の奥や喉の方に流れてしまい、鼻水や咳、痰の原因となる症状のことを指します。一般的にはアレルギーや鼻炎、副鼻腔炎、鼻ポリープなどが原因となるケースが多いです。

鼻水の役割には主に「温湿化」「粘着作用」「防御機能」の3つがあります。
◯温湿化: 鼻水は鼻腔の粘膜上にある微小な毛状構造である繊毛によって運ばれます。この過程で、鼻水は鼻腔内の空気を加湿し、温める役割を果たします。これにより、呼吸する空気は体内に適切な湿度と温度で入ってきます。
◯粘着作用: 鼻水は微粒子や異物をキャッチし、粘着作用によって鼻腔内に捕らえます。これにより、鼻腔内の異物や細菌が呼吸器系に入り込むのを防ぎます。鼻水はまた、ウイルスや細菌などの病原体を排除するための防御メカニズムとしても機能します。
◯防御機能:鼻水には抗体や酵素が含まれており、これらは呼吸器系の感染症に対する防御機能を持っています。鼻水は病原体を中和し、排除するための役割を果たします。
先天的に後鼻漏になりやすい鼻の構造を持つ方もいますが、多くは鼻の中で起きている炎症により粘液が分泌されて起こります。
◯鼻の解剖学的な異常:鼻腔や副鼻腔の形態や機能の変化が後鼻漏を引き起こすことがあります。例えば、鼻中隔(鼻の仕切り)の偏位、鼻腔や副鼻腔のポリープ、鼻腔の狭窄などが原因となることがあります。
◯アレルギー性鼻炎:アレルギー反応による鼻粘膜の炎症が後鼻漏を引き起こすことがあります。アレルギー性鼻炎では、鼻腔の粘膜が腫れて鼻水や粘液の産生が増え、これが後鼻漏となることがあります。
◯副鼻腔炎(ふくびくうえん):鼻や副鼻腔の慢性的な炎症や感染が後鼻漏の原因となることがあります。鼻や副鼻腔の炎症によって鼻腔内の分泌物が増え、これが後鼻漏となることがあります。
◯上気道逆流(じょうきどうぎゃくりゅう):喉から胃への逆流(逆流性食道炎)が後鼻漏を引き起こすことがあります。胃酸や消化液が喉を通って鼻腔に逆流すると、後鼻漏の原因となることがあります。
◯上咽頭炎(じょういんとうえん):上咽頭(のどの奥の部分)の炎症を指す医学的な用語です。主な原因はウイルス感染や細菌感染で、炎症が上方に上がってくると鼻腔内の分泌物が増え後鼻漏の原因となることがあります。

◯喉の奥からの鼻水感:後鼻漏の典型的な症状として、喉の奥から鼻水や粘液が感じられることがあります。この感覚は、鼻の奥から鼻水が逆流しているために生じます。
◯喉の痛みや違和感:鼻水や粘液の逆流によって、喉の奥が刺激を受けるため、喉の痛みや違和感を感じることがあります。
◯咳:後鼻漏が喉に流れ込むことにより、咳が引き起こされることがあります。特に寝ている間や寝起きのときに咳が増えることが多いです。
◯口臭: 鼻水や粘液が喉に逆流することで、口臭が発生することがあります。これは鼻腔内の細菌や分泌物が喉に移動することによるものです。
◯味覚の変化: 後鼻漏が口腔内に逆流することにより、味覚の変化を感じることがあります。特に鼻水や粘液の味が口内に広がることがあります。
副交感神経が優位になることで鼻腔内の分泌液が増えます。そのため、寝る前・朝起きた時・リラックスしたい時ほど、咳や喉の異物感が増します。
また。症状が悪化すると、食べ物が美味しく感じなくなり食事が楽しくなくなる方や、口臭に悩む方もいます。

東洋医学で、主な後鼻漏の原因は「肺・脾の弱まり」と考えられます。
肺とは、呼吸器系の機能と体表面の分泌液(汗や鼻水)を司っている機能の事です。
また、脾は、身体の水分の運搬に関わっており、肺の機能を強めてくれる能力もあります。
これらの機能が弱くなることで後鼻漏の症状が見られやすくなります。
他にも以下の原因が考えられます。
気の滞りと湿邪:後鼻漏は体内の気の滞りや湿邪(湿気の異常な状態)によって引き起こされると考えられています。気の滞りは通常、ストレスや情緒的な要因、不規則な食事や生活習慣などによって引き起こされるとされています。湿邪は、外部からの湿気や内部の消化不良などによって体内に留まる湿気の状態を指します。
脾胃の不調:後鼻漏は脾胃の不調によるものとも考えられます。脾胃は消化・吸収の働きを担っており、消化不良や脾胃の弱さが湿邪の蓄積を引き起こし、後鼻漏を発生させる可能性があります。
気血の循環の乱れ:後鼻漏は気血の循環の乱れによるものとも考えられます。気血のスムーズな流れが阻害されると、鼻腔内の湿気や粘液が滞り、後鼻漏の症状が現れるとされています。

ご自身でケアする際は、局所的(喉と鼻)と全身的があります。
◯喉と鼻のケア
・喉の保湿:喉の乾燥を防ぐために、こまめに水分を摂ることが重要です。水を十分に飲んだり、加湿器を使ったりして喉の乾燥を防ぎましょう。
・喉のうがい:温かい塩水やうがい薬を使って、喉をうがいすることで、鼻水や粘液を洗い流すことができます。
・鼻腔の洗浄:鼻腔洗浄(ネットポットや洗浄器具を使用)を行うことで、鼻腔内の余分な鼻水や粘液を除去することができます。
◯全身
・呼吸器機能の向上:持続的なランニング、階段昇降、胸郭のストレッチ。日常生活より負荷の高い運動を行いましょう。
症例 1
40代 男性
1ヶ月前に風邪を患い、副鼻腔炎になり、後鼻漏の症状が出るようになった。10代のころから、風邪を引くとその後鼻水の症状が3ヶ月ほど残っていた。慢性的に手足の冷えや倦怠感、首肩の凝りにも悩まされている。
施術
自律神経測定器の結果、過剰に交感神経が優位で自律神経のバランスが乱れている状態であった。自律神経の乱れにより、手足の冷えや首肩コリ、免疫力の低下といった症状がでていたため、全身的な自律神経調整施術を行っていきました。また、鼻の炎症を抑え血流改善のため、鼻周りのツボと頭のツボに鍼通電療法を行いました。
来院頻度は1週間に1回。
経過
初回施術の翌日から、症状の軽減が見られた。後鼻漏の症状は、5回の治療で改善された。以降は間隔をあけ、月に1回程度メンテナンスのためご来院中。
背中の痛みに対する当院の治療は、背中に鍼を刺して場合によってその鍼に通電療法を用いることで痛みを鎮静化させます。
鍼の効果として痛みを抑制する鎮痛効果が挙げられます。刺した鍼に電気を流すことでその鎮痛効果がさらに高まることが期待できます。

当院ではお灸療法も並行して行っていきます。お灸は筋肉が暖まることで弛緩しやすくなり、老廃物質や発痛物質を流してくれる効果が期待できます。
東洋医学的に診ると痛みは、気血の滞りや外邪の侵入などが考えられます。それらを流してあげたり、体外に排出する東洋医学的観点からの施術も行っていきます。また背中には背部兪穴といって五臓六腑の重要なツボが分布しています。痛みの部位とツボの位置を照らし合わせることでどの臓腑が異常をきたしているか特定してその臓腑のツボも用いた施術も並行して行うことで高い施術効果が期待できます。
その他問診時に自律神経の乱れも関与していると考えられた場合には、自律神経測定器で自律神経の状態も把握したうえで施術を行っていきます。背中の痛みが強く出ている部分の施術と自律神経の状態も整えることで根本的な解決を目指します。

症例1
40代男性
2週間程前から左の肩甲骨の下辺りの痛みに悩まされている。デスクワークで主にパソコンを使う仕事の為、腕を上に挙げる動作が辛い。
最近は残業が多く、睡眠時間も十分にとれていなかったため疲労の蓄積と元々の姿勢が猫背気味なのが関係しているかもしれないとの事。
当院での治療
自律神経測定器の結果、交感神経が過亢進状態で自律神経のバランスに大きく乱れが見られました。そのため、まず仰向けで自律神経の調整を行いました。その後うつ伏せで触診を行ったところ、肩甲骨下部に硬結が見られ押すと圧痛がありましたので、痛みの強い
部分や頸と頚肩部、背部の筋緊張の見られる箇所へ鍼や灸で刺激を与え筋緊張を緩和する施術を行いました。
一回目
鍼の後は痛みが半減していたが、翌日から徐々に元の状態へ戻った。
二回目
痛みが弱くなった気がするが、長時間仕事をしていると痛みが出てくる。
三回目
徐々に良くなっているが、週に二回程痛みが出た時があった。
四回目
痛みはほとんど感じなくなったが、張りは残っている。
五回目
張りは若干あるが痛みは消失した。日常生活支障ない程度になったため、少し治療間隔を空けてみる。
六回目
筋肉の張りも和らいできた。長時間仕事をすると筋肉が緊張する感覚はあるものの、身体を休めれば治る程度まで落ち着いた。
症例2
20代 女性
一か月前から背中のコリが気になりだし、二週間前から徐々に重だるいような痛みに代わってきた。安静時は痛みは感じないが、下を向いたり肩を上に引き上げる動作で痛みが出る。
安静時は痛みはなく、動き始めが一番痛い。
仕事はネイリストで、一日中下を向く体勢や背中を丸くしていることが多い。そのため肩や首まわりのコリ感や重だるさが常にある。尚且細かい作業なため集中力を持続していなければならないため精神的ストレスもある。
当院の施術
まず、触診にて首や肩、背中などの筋肉の状態や、背骨の歪みのチェックを行いました。
背骨の歪みは見られなかったが、ストレートネックになっており、全体的に筋緊張が非常に強い状態でした。とくに肩甲骨内側の僧帽筋、菱形筋の柔軟性が低下しており、そこが痛みの原因になっていました。
炎症反応は見られなかったため、背中の患部に刺鍼し筋緊張緩和と沈痛を目的とした鍼通電療法を行いました。
また首や肩、頭周りの硬さも非常に強く背中の柔軟性に関連していると考え、首肩頭部の硬結に対しても鍼で刺激をしていきました。
この方は長時間労働で休みも少ない、夜も不眠気味という事から自律神経の乱れもみられたため、自律神経調節治療も並行して行いました。
経過
1回目
痛みが軽くなった。
施術後はかなり楽になったが、またしばらくすると元に戻ってきた
2回目
まだ痛みがあるが、以前よりは改善した
3回目
だいぶ楽になってきた
施術後の痛みが軽減した状態が長くなってきた
4回目
痛みが気にならなくなってきた
忙しいと辛くなってくる
5回目
ほとんど気にならない
現在も定期的にメンテナンスとして通院中
症例 3
50代 男性
1週間前から、背中の痛みを感じている。筋肉がつったような痛みがあり、動かしていなくても痛みがある。仕事柄、重い荷物をよく持ち運びしているため、よく背中や腰回りの筋肉の凝りや痛みを感じることがある。今回の痛みも、仕事中に痛みを感じ始め、湿布薬を貼っているが、痛みが軽減されていない。
施術
触診では、首肩や背中、腰臀部といった背面の筋肉の張りやこりが強い状態でした。重い荷物を運んだ際に痛みが出たことから、筋肉に過剰な負荷がかかり、炎症が起こり痛みが生じているものと考えられる。
筋緊張の強い首肩と痛みが強く出る背中から肩甲骨、上腕後面には鍼通電療法を用いて、筋肉を弛緩させ、血液循環の促進、鎮痛作用を図っていきました。また、全身的な疲労回復や自然治癒力の向上のため、自律神経調整施術を同時に行いました。
一回目
施術翌日には背中の痛みが半分ほどに軽減した。
二回目
仕事で身体を動かすため、痛みがぶり返したが、以前よりはマシであった。
三~五回目
肩や背中周りの筋肉のコリが軽減してきており、身体を動かすのが楽に感じる。
背中の痛みもほぼなくなった。
以降は、メンテナンスとして、間隔を空けご来院。
背中の痛みの痛みには様々な原因があり、一概には言えません。ぎっくり腰のような症状が背中にあらわれているものもあれば、内臓の疾患が隠れている場合もあり、注意が必要です。

背中の痛みの原因は軽度のものから内臓疾患などの重度の病気が隠れている場合がります。運動など背中に負荷をかけていないのに痛み時や2週間以上背中に強い痛みを感じていたり、どの姿勢をとっても背中に痛みが出る場合は一度病院で検査を受ける方が良いでしょう。
・筋疲労や筋肉の損傷
背中の筋肉には僧帽筋や肩甲挙筋、菱形筋などの様々な筋肉が走行しています。それらの筋肉のおかげで姿勢を保持したり体幹を曲げたり捻ったりとあらゆる動作を行うことが可能です。それは、それらの筋肉に負荷が相当かかっていることも意味しています。力仕事などの方はもちろんのこと長時間のデスクワークで同じ姿勢を長時間続けていると筋肉は気づかないうちに疲労して疲労物質が溜まってしまい痛みの原因となってしまうのです。
また、普段運動習慣のない方が急に運動して体を捻ったりすると筋肉が損傷して炎症を起こして痛みの原因となってしまいます。
・ヘルニア
頸椎の椎間板の突出して神経を圧迫することで肩甲骨周囲の痛みが生じる場合があります。椎間板は椎骨と椎骨との間にある圧力を緩和させるクッションのような役割がありますが、椎間板ヘルニアでは、その椎間板が強い圧力や加齢に伴って弾力性の低下が起こり、飛び出してしまう状態となります。肩甲骨周りだけではなく、首周辺の痛みを感じている場合頚椎椎間板ヘルニアの可能性もあります。
・内臓疾患
背中の右側が痛む場合
背中の右側、右肩甲骨周囲に痛みが出る場合は、肝臓や胆のうの病気が隠れている可能性もあります。身体の右側に肝臓や胆のうはあり、右肩甲骨周囲の筋肉は肝臓や胆のうと繋がっており、異常が出ると右肩甲骨周囲の筋肉にも影響を及ぼすことがあります。
具体的には、肝臓がんや肝炎、胆石症、胆嚢炎が挙げられます。それらの疾患の場合、背中の痛みの他にも発熱や腹部の不快感・痛みなども現れます。
背中の左側が痛む場合
背中の左側が痛む場合は膵臓や心臓、胃の疾患が隠れている場合があります。特に心筋梗塞は早急な対応が生死の分かれ目となります。背中のみだり側の痛みの他に胸部の激痛、吐き気や意識障害が見られます。
膵臓の疾患の場合は背中の痛みの他に腹部の痛みや食欲不振や全身の倦怠感などが現れます・
・肋間神経痛
肋間神経とは肋骨の間を肋骨に沿って走行している神経で人間では12対あります。肋間神経は肋間筋などの筋支配と胸壁や側面の皮膚に分布して感覚を主っています。その肋間神経が何らかの原因によって痛みを生じさせます。痛みが出る範囲は、主にわき腹や胸部となりますが、肩甲骨に近い部分も感覚をつかさどっているため肋間神経痛でも背部の痛みを感じる場合があります。肋間神経痛は、明確な原因が特定されない場合が多く、単純な疲労の蓄積や運動不足であったり、ストレスからくる自律神経の乱れなども考えられています。
・自律神経の乱れから生じる背中の痛み
自律神経は、自分の意志とは無関係に働いている神経で心臓などの内臓の働きをつかさどり、血流にも影響をあたえています。過度なストレスや睡眠不足、飲食の不摂生などは自律神経を乱して血流の悪化をまねきます。すると、疲労物質や発痛物質は流されずにそこに滞留しやすくなります。その部位が背中に起きてしまった場合に自律神経の乱れによって背中の痛みを感じてしまうのです。
内臓の疾患を除いて背中の痛みを感じる人には姿勢や生活習慣の乱れの特徴があります。
・姿勢
特に猫背をなっている方は、背中の痛みを生じやすいとされます。背中が丸まってしまうと頸部は前傾姿勢となっています。すると背中が頭部の重みをうまく分散できないためある一定の部分に負担が言ってしまい背中の痛みの原因となってしまうのです。パソコン作業では、腕は前方に出しているためどうしても背中は丸まり猫背姿勢となりがちです。長時間のパソコン作業の際は細目に休憩をとって背中のストレッチなどで伸ばすことが重要です。
・運動不足
運動不足の人は筋力が低下している場合が多く、背部の筋肉も例外ではありません。背部の筋肉の筋力低下が起きていて許容範囲を超えてしまうと痛みが生じます。また筋肉は動かさないと柔軟性が低下してしまう性質があり、その状態で過度な負担や急に動かしてしまうことで痛みの原因となってしまうのです。
・乱れた生活習慣やストレス
睡眠不足や飲食の不摂生は、体の疲労を蓄積してしまい負担のかかっている筋肉に痛みを生じさせます。その他、精神的緊張状態などが長く続いてしまって交感神経が高ぶっている状態ですと筋肉は固まりやすくなってしまい、血流も悪化します。

清水大地

資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院
夕方以降になると目の奥やこめかみ辺りがズーンと重い・目のピントがなかなか合わなくなってきて仕事に集中できないなどなど、目の不調特に眼精疲労の症状でご来院される方が中目黒の東京α鍼灸院に増えています。
・一日中スマホやパソコン作業をしている
・スマホでの長時間の動画の視聴
・在宅勤務でパソコン作業のうえ運動不足
こうした環境が続いてしまうと、目の疲労は蓄積してしまって目薬をさしただけでは追いつかなくなるほど目の疲れがたまっていきます。
目の不調は首肩コリ、さらには自律神経の不調も引き起こす危険性があるため早めの対処が重要です。
長時間のスマホやパソコン作業など目のピントが近くのものばかりに集中していると…
・目のピントを合せる毛様体筋
・まぶたの周辺の細かな筋肉
・前頭部や頭周りの筋肉
・首や肩周りの筋肉
これら筋肉が休むことなく働き続けている状態です。身体でいうと常に運動をし続けている状態なのです。運動し続けると乳酸などの疲労物質が溜まってきて、筋肉が悲鳴をあげることと同じように目に関連するこれらの筋肉も悲鳴をあげます。
すると、筋肉のコリや血行不良、神経の疲れを引き起こします。
その結果
・目の奥の痛み
・まぶたの重たさ
・首肩コリ
・頭痛
・イライラ
・集中力の低下
・倦怠感
・睡眠障害
などの症状がでます。目ばかりでなく、身体全体の症状が出ることが眼精疲労の厄介なところです。
薬やサプリで一時的に楽になっても、根本の血流・筋緊張・自律神経バランスがそのままでは、症状をくり返してしまいます。

東京α鍼灸院では、眼精疲労を
「目の使いすぎ」+「首肩まわりの負担」+「自律神経の乱れ」
と考えて施術を行っていきます。
目ばかりでなく全体を施術することが当院の特徴で、全身を施術することでより多くの効果が期待できます。
実際の施術でも
・首肩の筋肉
・肩甲骨回りのコリが強い部分
・手足や頭部の目と関連が深いツボ
こうのような目と離れた部位にもアプローチを行っていきます。

眼精疲労症状の強い方は特に
・眠りが浅くよく眠れない
・寝たとしても翌日に疲れが抜けない
・いつも身体緊張状態
・イライラしている
・集中力が低下
このような自律神経の不調を抱えていることが少なくありません。
当院では自律神経のツボ、具体的には脊柱起立筋や手足、腹部のツボを使いながら交感神経・副交感神経のバランスを整えて、ちゃんと休んだら回復できる身体作りも重視しています。
◆中目黒・代官山・恵比寿周辺のIT・クリエイティブ職の方
◆リモートワークで1日中自宅PCに向かうフリーランスの方
◆育児中でスマホ時間が増えた30〜40代の方
◆老眼も入ってきて近くの物がみえづらい、目が疲れやすい60代以上の方
「現代ではパソコンやスマホを辞められないからこそ、眼精疲労と上手く付き合いたい」
そんな方に多くご利用いただいています。
カウンセリング
目の症状だけでなく、仕事環境・睡眠・ストレス状況まで丁寧にお伺いします。

首・肩・背中・頭皮などのチェック
こりが強い場所や左右差を確認し、原因となるポイントを絞り込みます。
一人ひとりに合わせた鍼灸施術
目の周りは極細の鍼を使用し、痛みをほとんど感じないよう配慮しています。
最初に首肩〜背中、腰やふくらはぎなどの筋緊張を緩めてから次に目の周りや手足・腹部の施術を行います。 可能であれば鍼通電治療なども用いてより刺激をいれていくこともあります。
またお灸や温熱を組み合わせ、リラックスしながら血流を促進させます。

誠に勝手ながら、当院の年末年始の診療は、下記のとおりとさせて頂きます。
令和7年12月30日(火)~令和8年1月3日(土)まで休診
年内診療 12月29日(月)まで
年始診療 1月4日(日)から
本年はご愛顧頂き誠にありがとうございました。
来年もよろしくお願い申し上げます。
眼精疲労の主な症状は、目の疲れに伴う痛みやピントが合わせづらい、視力の低下などの目の症状に加えて首肩こりや頭痛、全身の倦怠感などの全身症状も呈します。目は、人間の外部から得られる情報の中の約8割をも占めるといわれるとても重要な臓器の一つです。その視覚情報に不具合や不快感が生じてしまいますと全身にも影響を及ぼしてしまうのです。
現代社会では、パソコン作業やスマートフォン操作の増大によって近くの物を注視する機会が増えたことによって目に負担がかかり、目に関するトラブルが急増しています。人間の目は本来遠くのもが見えやすいように構造されています。それは、昔は目によって獲物を捕らえて狩りをしていたり、天候の変化を見極めて身を守っていたことに由来します。それが現代では、そういった機会少なく逆に近くの物を見る機会が増えており、それが目の構造とは真逆となって目に負担をかけているのです。

近くの物にピントを合わせようとすると目のピント合わせる毛様体筋に負担がかかり、その周りの眼輪筋などにも波及してしまいます。また、視線を動かすことが少なくなり、目を動かす6つの筋肉(外直筋・内直筋・上斜筋・下斜筋・上直筋・下直筋)が衰えてしまうことで物が二重に見えてしまう複視症状にもつながりかねません。

当院の眼精疲労に対する鍼治療では、目の周りに鍼を刺して疲労している筋肉に直接アプローチすることで目の循環を改善して疲労物質を排出してあげて栄養ある血液を行き届かせるように施術していきます。また、目の周りに温かいお灸を施すことで凝り固まった筋肉を緩ませる施術も行っていきます。

その他、眼精疲労を東洋医学で考えますと、五臓六腑の『肝』が深く関係しています。目にとって肝はとても重要な五臓の一つで肝の機能が低下してしまうと目に気血が十分に行き届かなかったり、逆に肝火が上炎してしまって充血や目の痛みに繋がってしまうと考えられています。当院では、肝のツボも用いて肝の状態を正常に戻すような施術も行っていきます。

また、全身施術として自律神経調整治療も行っていきます。目と自律神経も深い関係にあります。目のピントを調整する機能であったりまぶたの開閉、血液循環は自律神経が関係しています。目の不調は自律神経の乱れにつながりかねません。自律神経の乱れを整えることで目にもいい作用が働くと考えて施術していきます。
初診時に必要であれば自律神経測定器を用いて自律神経測定も行ってその方に合わせた自律神経調整治療を行っていきます。

・眼精疲労の鍼灸治療について詳しくはコチラ←
・視力低下の鍼灸治療について詳しくはコチラ←
・複視の鍼灸治療について詳しくはコチラ←
・首コリの鍼灸治療について詳しくはコチラ←
症例①
30代女性
社会人となって事務職に就いてからパソコン作業の時間が増えてそれに伴い5年ほど前から目の疲れや目の奥の痛みを定期的に感じるようになった。夜遅くまで仕事などもある時があり、なかなか寝付けない・全身の倦怠感・頭痛などの全身症状も最近出てきた。
眼科を受診したところ、少しドライアイ気味だが特に大きな病気は見つからず、目薬が処方されて点眼をしているがあまり良くならなかったため鍼治療を受けてみようと思ったとのこと。
鍼治療
特に目の奥の痛みが左側に現れることが多く、それに伴って左首肩にも痛みが波及していくとのことで、左目と左首肩に比重を置いて施術していきました。また、問診時に自律神経の乱れもあると考えられたため、自律神経測定を行い自律神経のバランスも調整する自律神経調整治療も合わせて行っていきました。
まず、うつ伏せとなり首肩の筋緊張の強い部分に鍼をしてその他背中にあるツボも施術していき、次に仰向けで目の周り特に左目の鍼の本数を増やして治療しました。左目にはさらに鎮痛効果が期待できる鍼通電を行い、症状の緩和をはかりました。
自律神経調整治療ではお腹手足のツボを用いて鍼やお灸療法も行っていきました。
・1~2回目
一回目の治療後、一番つらい状態が10(VAS)だとすると3~4程度に症状は落ち着いた。下肢の冷え症状も強く出ていたため、下肢にお灸を多く行って全身の巡りを良くしていきました。
・3回目
日常的に左目の痛みを感じることはなくなった。違和感程度。左目のVASは1~2ほどで、左首肩はまだVAS3~4ほど。
・4~5回目
仕事が忙しい時でも以前よりは寝つきが良くなってきた。左目と左首肩のVASは1~2ほど。でも、どうしても無理して体を酷使すると痛みが少し出る時もあるため、症状が出そうになった時だけ不定期に来院。
症例②
20代男性
美容師の仕事をしており、細かい作業が多く目をよく使う。また、髪を切る姿勢は頸肩に負担が多くかかるため常に首肩こりに悩まされていた。忙しい時は、ほぼ休みなく一日中カットをしている時もあり、そのような日は夕方くらいから目の周りに痛みが出てひどい場合には頭痛やめまいを起こすようになってしまった。
病院を受診して薬を処方してもらっていくらか症状は抑えられているが完璧な状態までいかずに何とかもう少し体が楽に仕事ができるようになりたいということで当院にご来院された。
鍼治療
まず頸肩の筋緊張の緩和と立って仕事をする機会が多く腰部の筋肉も過緊張状態であったためうつ伏せでそれらの筋肉をほぐしていきました。つぎに仰向けとなり、目の周りの筋緊張の緩和と自律神経の調整施術を行っていきました。また、眠りも浅く寝ても疲れが取れないという状態だったことから睡眠に関するツボも用いて鍼とお灸の施術を行っていきました。
・1回目
治療後、頸肩は楽になり、いつもよりも睡眠が深く取れたように感じたとのこと。目の状態はまだ夕方ごろになると疲れを感じてくる
・2回目
以前よりも目の状態は良くなったように感じるが、まだ夕方以降に調子が崩れてしまう
・3回目
夕方以降の目の状態は、VAS4程度と徐々に改善が見られるようになってきた
・8回目
7回目まではいい状態と悪い状態を繰り返す調子の波があったが、8回目以降は体も安定。夕方以降となっても目の疲れを感じにくくなった。
症例③
30代男性
半年前から目の奥の痛みや乾きが気になるようになった。
目薬をさしてもその場はよくなるがすぐもとに戻ってしまう。
1日10時間以上パソコンを使用している。
細かい作業が多く、長時間続けると頭痛がでることもある
目を温めると調子はいい。
当院の治療
目の周りの筋緊張の緩和を目的として、目のまわりに鍼を行い低周波治療器で電気を流した。
温めると症状が緩和されるとのことだったので、電子温灸器で目の周りを温め、血液循環がよくなるように治療した。
デスクワークによる首や肩のこりもあったためうつ伏せで背部の治療も行った。
経過
1回目
施術後視界がクリアになり、目の奥の痛みがなくなった。
2回目
目の痛みが軽減し、目薬も効くようになった。
頭痛も以前より回数が減っている。
5回目
仕事をしていると疲れるが、目のまわりを押したり温めると目の奥の痛みはとれるようになった。
頭痛も2週間出ていない。
今後も定期的な治療を続ける。
症例④
50代 女性
デスクワークのため、業務中は画面2台、パソコン1台に囲まれて毎日働いている。自分で目の周りのマッサージをしたり、ホットアイマスクで血流を良くするなどで自分なりにケアをしていたが、先月同僚が退職し1.5人分の仕事をし始めてからこれまでと全く違う痛みが目の奥に出てきた。
眼科では異常なしで、おそらく眼精疲労からきていると説明された。
ドライアイや首こり、肩こりも慢性的にあるが、一番気になるのが眼精疲労からくる目の痛みをなんとかしたい。
当院の施術
触診したところ、目の周りはもちろん筋肉が硬くなっておりました。他にも首、肩、背中、腰、の上半身を中心に全体的に身体が硬かったです。
当院の施術として、硬くなりすぎている筋肉を緩めるところからはじめました。そのために血流改善や筋緊張を緩めるための自律神経の調節を行っていきました。
経過
1回目
目はあまり変化を感じないが、肩はかなり楽になった
2回目
眉毛やこめかみに血が流れている感じがする。
3~7回目
目の痛みに変化はないが、画面は以前より確実に見やすくなった。
8回目
気づいたら目の奥の痛みが軽くなっていた。
9回目
ほとんど痛みが気にならなくなった。
10回目
来院頻度を減らして、メンテナンスとしてこれから利用していく。
清水大地

資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院
蝸牛型メニエール病の症状は、
① 難聴
② 耳閉塞感
③ 耳鳴り
④ 音が響く
などがあり、一般的なメニエール病と違い、めまいを伴わない事が特徴です。また、ストレスにより頭痛や肩こりを訴える人もいます。
難聴は低音が聞こえづらくなる人が多く、低音障害型感音難聴と診断されることもあります。
耳は大きく分類すると、外側から、外耳、中耳、内耳と分かれています。

外耳は耳介と外耳道からなる場所で、耳の穴の部分に相当します。音はまずこの耳介から入り外耳道を通り耳の奥にある中耳に到達します。
中耳は入ってきた音の振動の増幅を調節する場所です。
中耳と外耳の間には鼓膜があり、その奥には中耳ので骨に囲まれた個室という空間があります。ここには耳小骨という小さな骨が存在しております。この耳小骨は鼓膜と内耳の間に架かる橋のように繋がっており、外耳から入ってきた音を鼓膜と耳小骨が振動し内耳に伝える役割があります。
また中耳には鼻と耳を繋げる耳管という細い管状の通路があります。この耳管は耳の奥にある鼓室という場所の内圧と外気を同じ圧に保つ役割があります。耳管は通常は閉じていますが、あくびをしたり何か飲み込むと一時的に開きます。
この耳管が何かしらの原因により閉じなくなってしまうと、耳の閉塞感(耳づまり)、自声強調、などの症状がある耳管開放症が発症してしまいます。
耳管開放症の鍼灸治療
https://alfashinkyu-tokyo.com/column/index-1333.html
内耳は中耳の更に奥の骨の中に埋もれている場所に存在します。
内耳には、聴覚に関わる蝸牛、平衡感覚をつかさどる前庭や三半規管があります。
蝸牛には、鼓膜と耳小骨から伝導された音の振動をキャッチし、聴神経に伝える有毛細胞があり、蝸牛、前庭、三半規管の中にはリンパ液という水で満たされています。
蝸牛のリンパ液は、音の振動を水の振動に変え有毛細胞に伝導する役割があり、前庭、三半規管のリンパ液は、体の動きに合わせて動く特徴から頭部の回転や体の平衡バランスの動きを脳に伝える働きがあるため存在します。
蝸牛型メニエール病の原因はまだ解明はされていませんが、自律神経の乱れによる内耳のリンパ液の調節力が低下する事が大きく関わっていると考えられています。
自律神経は交感神経と副交感神経の2つでバランスをとっており、ストレスを感じると交感神経が働きます。
交感神経は身体を活発に働かせる神経で生体機能に不可欠なものですが、強いストレスを受け続けると交感神経が過剰に働いてしまいます。交感神経は血管を収縮する作用もあるため、耳の血流が低下からリンパ液が蝸牛内に流水し、メニエール病が発症します。
またこの他にも、内耳構造の生まれつきの異常や、アレルギー、免疫異常などの可能性もあり単独ではなくこれらの要因がいくつか重なって発症するとも考えられています。
蝸牛型メニエール病は東洋医学において、「肝」と「腎」が大きく関わりを持っていると考えられています。
東洋医学における肝は、気・血・津液の巡りをコントロールする役割があります。また精神状態を安定する働きもあり、気の流れを通じて感情の調節や、自律神経によって身体全体の機能が正常に行われるようにコントロールするものと考えられています。
しかし、精神的緊張が長く続いたり、強いストレスを受けることで肝に負担が掛かり、次第に肝の働きが低下し感情や自律神経のコントロールが効かなくなってしまいます。耳にも気や血が循環しなくなりメニエール病が発症します。
「腎は精を蔵し、精は骨髄に変化する。髄は脳を満たし耳の機能を維持する」と言われており、生殖活動や骨、脳、耳、髪の毛まで関係しており、特に耳に強く影響している臓器と考えられています。
腎の機能低下は全身の津液の停滞につながり、特に耳に停滞しやすく、それは内耳の蝸牛にリンパ液が溜まってしまいます。その結果、難聴、耳閉感、耳鳴りという蝸牛型メニエール病の症状が起こってしまいます。
津液は体内に存在する血以外の液体の事で、涙、よだれ、関節液、胃液、腸液、汗、尿、鼻水などがあり、脳や、骨髄にも潤いを与える働きがあります。
津は体の表面を流れていて、液は体の中を流れています。
また、津液は血のように栄養分や滋養作用があるため血の働きを補完する役目もあります。
津液は血の生成の原料になるため、健康な体を維持するために非常に重要なものになります。
体の各部で利用され不要になった津液は腎に送られ尿になり、膀胱を通じて体外へ排出されます。
当院での蝸牛型メニエール病の治療は、内耳の血液循環の促進を第一に行っていきます。
蝸牛型メニエール病は血液循環の低下による浮腫みが原因であるため、耳周囲や首に刺鍼し血管活動を促進させることで蝸牛のリンパ液排出を促します。
使用する経穴は、「耳門」「聴宮」「聴会」「翳風」「完骨」「風池」「天柱」「下関」「角孫」「肩井」、その他にもお体の状態に合わせて経穴を組み合わせていきます。
次に、自律神経の調節を行っていきます。
蝸牛型メニエール病の方のほとんどは、慢性的なストレス、強いストレス、大きな環境の変化、生活習慣の乱れなどの生活背景があり、不眠、体のだるさ、肩こり、のぼせ、だるさなどといった自律神経の不調を訴えることが少なくありません。
自律神経は血流をコントロールしており、自律神経を正しい働きに調節することにより血液循環が促進されます。血液循環を促し内耳のリンパ液を排出する体質改善を行っていきます。
自律神経を整えることは血液循環の促進だけではなく、自然治癒力を高めることも目的になります。
肩こりを訴える方には、筋肉のコリに直接刺鍼し筋緊張を緩め、耳への血流を促していきます。

現在行われている病院での治療方法は、ビタミン剤、抗ヒスタミン剤、血管拡張剤、精神安定剤、ステロイドホルモン、漢方薬などの薬物療法、外科的処置、水分摂取や有酸素運動などの生活指導があります。
症例
20代 女性
約2週間前から耳閉塞感や聞こえの悪さが現れ耳鼻科で診察を受けたところ、蝸牛型メニエール病と診断された。
病院の検査では、低音が低下しており、日常生活でも少し低い音や男性の低い声が聞き取りずらいことがある。めまいはない。
以前も発症したことがあり、以前住んでいた近所で鍼灸院に通って改善した経験があり、今回も鍼灸を頼って当院を受診した。
結婚を期に、2か月前から地元から引っ越しをし、環境の変化によるストレスが強く、また結婚前は仕事をバリバリこなし充実した生活をしていたが、専業主婦になってから家から外に出ないことが多くなり、そのストレスも強く関係していると自覚している。
当院の施術
首肩の筋肉を確認したところ、かなり強い筋緊張を確認しました。
現在は仕事をしていないため、パソコンを使用する頻度は減ったが、その代わりスマホを見る時間が長くなってしまい、それによって首肩の緊張が強くなっている可能性もありました。それ以外にも慣れない環境や新しく始まった結婚生活への不安も強く、その様なストレスも自律神経の交感神経を高めてしまい筋緊張に繋がっていると感じました。
当院では、自律神経の調節を目的とした施術、首肩の筋緊張の緩和、耳の血流を促進させ内耳のリンパ液の排出を促す施術を行っていきました。
経過
◇1回目◇
あまり大きな変化はない
◇2回目◇
耳のつまり感が軽減されて、楽になった。
耳の聞こえもクリアに聞こえる。
◇3回目◇
まだつまり感が少し残っているが、ほとんど気にならないぐらいまで、軽減してきている。
◇4回目◇
天気が悪いと調子が悪くなる。
◇5回目◇
ほとんど気にならない。