味覚異常とは、味覚の感度が低下したり症状がひどい場合には全く味覚が感じられない場合をいいます。その他口の中に何もなくても塩味や苦味を感じてしまったり、何を食べても同じような味でまずく感じてしまう、これも味覚異常ととらえます。
味覚異常を東洋医学では五臓六腑の『心』や『脾胃』の機能低下と捉えることが多いです。東洋医学では、心は舌に開竅するといわれます。舌には多くの血管が走行しており、心の異常は舌にあらわれやすいとされます。心の機能低下『心虚』の状態となると味覚に異常が出しやすくなります。
また、脾胃の機能低下で食物が胃に停滞してしまった病態で味覚が起こりやすいとされます。
味覚異常に対する当院の治療は、口周りや鼻周りの経穴を用いて鍼灸刺激することによって血流促進・五臓六腑の『心』や『脾胃』の機能改善・自律神経の乱れを整えることを行っていきます。

口周りを施術することで唾液の促進や鼻周りの経穴で鼻詰まりの解消をしていき味覚の改善をはかります。また、味覚の異常を訴える方の多くは自律神経の乱れもあります。自律神経が乱れることで味蕾の新陳代謝がうまくいかなかったり、神経の感度が低下している可能性が考えられます。それらを自律神経のバランスを整え全身のバランスも整えることで改善していきます。

30代女性
三か月ほど前に酷い風邪を引いてから以前より味覚が乏しくなり、食事の味が分かりにくい、味の濃いものを食べても以前より薄く感じるようになってしまった。
匂いにも鈍感になった気がする。また、唾液の分泌が少なく口の中が乾きやすい。
耳鼻咽喉科にて検査を行ったが器質的な異常は認められなかった。
亜鉛のサプリメントは検査後からずっと飲み続けている。
そのうち治るだろうと思い放置していたが一向に改善しないため、食欲も徐々に低下し
てしまっている。
加えて発症以前より慢性的な首や肩のこり、全身の倦怠感があり生活の質が低下している。
当院の治療
自律神経測定器の結果交感神経が過亢進状態でバランスに大きく乱れがありました。
唾液の分泌を司る自律神経のバランスを整える施術と首肩の筋緊張の緩和、顔面部の経穴を用いて血液循環を促進し、神経伝達機能の改善を図りました。
また、東洋医学的観点から心、脾胃の経穴も用いて治療を行っていきました。
1回目
大きな変化はないが、首肩のコリは少し和らいだ。
2回目
前回施術後夕食とった際に少し味が普段よりも分かるような感覚があったが、翌日には元に戻ってしまった。
3~4回目
首のコリが楽になった。匂いが少し分かるようになってきたように感じる。味覚はまだ変化感じない。ただ、口の渇きがやや改善された。
5~7回目
大きな変化はないが口の渇きは以前よりも良くなっている。匂い感じる日と感じない日があるが感じない日のほうがまだ多い。
8回目
旋回施術後何日か味、匂い共に少し分かるような気がした。症状半減まではいかないが改善傾向にはある。
9回目
味、匂いは全体的に以前よりは感じるようになってきた。体の血の巡りが良くなったのか首肩こりや倦怠感も薄れてきている。
10回目
味、匂い共に感じる日のほうが増えてきた。しかしまだ、味は薄い感覚はある。
食欲も以前よりはある。少し体重も増えた。
11回目
食事が美味しいと感じられるようになってきた。唾液の分泌が改善され口の渇きほぼ消失。
症状8割ほど改善している。
12回目
前回と同じ状態だが、最近は肩こりや倦怠感はほとんど感じていない。
13回目
味覚、嗅覚共に発症以前の状態に戻ったと感じている。
肉体的な疲れも以前よりずっと楽になった。
味覚は、主に舌で感じられるものです。舌の粘膜にある味蕾(みらい)という感覚受容器によって感じられるため、味蕾を味細胞ともいわれます。味蕾は、粘膜のくぼみの部分に多く分布しており、その他にも頬の内側や口の中の上にある軟口蓋にも分布しています。味蕾で感じ取られた味の感覚は神経細胞を通して脳に伝達されます。
味覚を生物学的に捉えると5つの基本的味から構成されます。それは、酸味・塩味・苦味・旨味・甘味です。5つで構成されているのにはそれぞれの味に理由があるからです。

酸味
酸味は、酢酸やクエン酸などから生じる水素イオンを感じ取るために感じられます。それは、新陳代謝の促進や腐った飲食物を体に取り込まないような理由があります。
塩味
塩味はナトリウムイオンや金属系のイオンを感じ取るためです。それは、体液のバランスや体に必要なミネラルを取り込めるという理由からです。
苦味
苦味は、カフェインやキニーネ、アルカロイド系物質をを取り込み、毒物への警告を脳に送るためです。苦味が発達していないと有害なものを摂取してしまう危険性もあるため苦味もとても重要な味覚のひとつです。しかし、苦味は経験を重ねていくことによってなれる性質があるため、子供の頃は苦いものが苦手でも大人になると平気になるといった現象が起きるのです。
旨味
旨味は、グルタミン酸ナトリウムやイノシン酸ナトリウムを体内に取り込み、人体に必要不可欠なアミノ酸類やタンパク質の供給に役立ちます。アミノ酸やタンパク質は筋肉や臓器、皮膚や毛髪を作る機能をもっています。
甘味
甘味は、砂糖や人工甘味料に反応して大切なエネルギー源となります。甘味を感じ取ることで体はエネルギー源かどうかを判断しているのです。
美味しく食事を摂ることは、身体をリラックスさせ体の免疫や自律神経の活動も高めてくれます。しかし、味覚に異常が出てしまうと、それがストレスとなり自律神経の乱れや免疫力なども低下しがちとなってしまうのです。
また、味覚は嗅覚からも感じられるものです。嗅覚は空気中にある揮発性の物質を判別します。嗅覚に異常があると正常に味覚も感じられない場合もあります。鼻風邪で鼻づまりが起きた状態では、味が感じにくくなるといったのは味覚の異常というよりはむしろ嗅覚の異常から味が感じにくくなっているのです。
味覚と嗅覚はとても密接な関係にあり、味覚と嗅覚の情報が脳内で一つに合わさることによって風味を初めて感じられるようになっています。
東洋医学では『面ゆう風』と呼ばれ、顔(面)に風邪などの邪気が停滞することによっておこると考えられています。
まず始めに当院独自の自律神経調整治療で、自律神経のバランスを整えて行きます。
脂漏性皮膚炎の方は、炎症や痒み、症状のストレスなどで自律神経系の乱れがおきていることが多いです。ですから最初に自律神経のバランスを調整して自然治癒力をあげることがベースになるわけです。

次に東洋医学のツボで皮毛や気・血に関係している経穴を用いながら、全身の気血・臓腑の状態を整えていきます。
主要穴
中府・列穴・血海・膈兪・肝兪・肺兪・膏肓
天井・腎兪・顔面部及び頭部の炎症部位など

のツボを使っていきます。炎症部分に関しては鍼通電治療も併用していくことで、皮膚炎を抑制したり、局所の血液循環や白血球の働きも高まるため、炎症部分の赤みがフケの状態にも変化が出てきます。

脂漏性皮膚炎は慢性化しやすい症状ですから、治療も2~3か月ほどのスパンで長期的な視点でみていただく必要があります。
鍼灸治療で自律神経のバランスを整え、皮膚の新陳代謝を高めることで免疫力も高まり、症状を改善していきます。
理想をいえば、西洋医学の薬物治療と鍼灸治療を併用して行えるとより効果的かつ症状の改善もはやいでしょう。
頭皮での脂っぽいフケや皮膚の赤み、Tゾーンや頬周りの赤ら顔。痒みやかさつきも気になりますが、周りからの視線も嫌になりますよね。
脂漏性皮膚炎がなかなか良くならないという方
お気軽にご相談ください。
40代男性
二年ほど前から脂漏性皮膚炎を発症し胸部、前頸部、顔面部、頭部に湿疹が出ている。皮膚科にて処方された塗り薬を塗り続けているがなかなか改善されない。頭皮はかさぶた状に
なっている部分と痒みがあり掻くとフケが出るようになっている。
食事、生活習慣等自分でできることは気を付けるようにしているものの、徐々に症状が重くなってきていると感じており、鍼灸治療も試してみたいとのことで来院される。
当院での治療
自律神経測定器の結果交感神経が過亢進状態でバランスに大きく乱れがみられました。うつ伏せで自律神経、内臓機能調整、頭部、顔面部の血行促進のため、首肩周囲のツボに鍼やお灸で刺激を与えました。仰向けで自律神経調整と胸部、顔面部、頭部のツボを用いて患部の血行を促進させ皮膚のバリア機能を高め、抗炎症作用を促しました。また、頭部には梅花鍼という刺さない鍼も併用していきました。
1回目
特に変化はない
2~4回目
大きな変化は見られないが赤みが以前よりは落ち着いてきたように思う。
5~7回目
赤みは引き続き抑えられてはいるが湿疹はまだ変化ない。
8回目
胸、首、頭部の湿疹が徐々に減少してきている。赤みと痒みも以前よりは抑えられている。
頭皮のかさぶたが半減程度になってきている。フケも減少傾向にある。
9回目
湿疹以前は胸から上部全体だったのが、現在は顔面部の鼻、頬の辺りに湿疹があるが、ほかの部分は八割ほど消失してきている。
10回~12回目
顔面部も徐々に湿疹減少してきた。前胸部、前頸部、頭部はほとんど湿疹消失した。
13回~15回目
顔面部の湿疹もほとんど気にならなくなってきた。若干の赤み、痒みはある。
16~17回目
顔面部の湿疹もほぼ消失した。
脂漏性皮膚炎は読んで字のごとく皮脂が漏れ出すことによっておこる皮膚炎の症状です。
当然皮脂分泌の多い頭部や顔面部(Tゾーン)に多く発症し、かさぶたのような赤い湿疹や、フケのような付着物を伴う湿疹が現れるのが特徴的な皮膚炎です。
適切な治療をせずにいると、症状が悪化したり、慢性化して何度も繰り返すことなども多い疾患です。生後3か月くらいまでの赤ちゃんと思春期以降の成人にかかりやすい疾患だといわれています。
脂漏性皮膚炎は脂漏性湿疹とも言い、頭にできた場合ですと、フケ症と勘違いしてしまうかたも多いようです。
また皮脂が酸化されて加齢臭のような匂いを放つ原因ともなります。
皮脂の中に含まれるトリグリセリド(中性脂肪)が、真菌の異常増殖などによって分解されて、それにより生じる遊離脂肪酸(代謝物)が、皮膚を刺激して炎症をひきおこすと考えられています。
他にも原因についてはわかっていない部分もおおくありますが、
寝不足やストレスのほか不適切な洗顔や洗髪での洗いすぎやすすぎ残しもあげられます。
脂漏性湿疹は皮脂分泌が多い男性の方が罹患率が高いです。(男性ホルモンが皮脂分泌を促進するため)
しかしながら女性でもホルモンバランスの乱れなどによっておこることも珍しくありません。
また赤ちゃんは皮脂の分泌が豊富なことと毛穴に皮脂がつまりやすいため炎症を起こしやすく脂漏性皮膚炎にかかりやすいとされています。
そのほかマラセチアという真菌が異常増殖することによって起こるとも考えられており、マラセチアは靱帯の皮膚に常在する菌で皮脂が多い環境では異常増殖し、マラセチアの代謝物によって炎症を引き起こすとも考えられています。よくアトピー性皮膚炎とも間違われますが、脂漏性皮膚炎は皮脂の多い箇所に出ることが特徴なのでアトピー性皮膚炎では出やすい膝裏や背中などにはできにくく、皮脂の多い頭部や鼻周囲などにできやすいのが特徴です。

清水大地

資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院
痛みを東洋医学的に考えた場合「不通則通(ふつうそくつう)」という考え方があり、これは、気血の不足や滞りで血行が悪くなると痛みが生じるという考え方です。
痛みの中でも痺れを伴うような神経痛などを「痺証(ひしょう)」といい、痺とは「通じない」という意味があり、なんらかの外的要因が原因で気血の流れが滞ることで痛みやしびれが生じると考えます。この外的要因として外邪(湿邪、風邪、寒邪、熱邪、乾邪)、湿痰、瘀血、血虚、気虚、気滞などが挙げられます。
また、五臓六腑の肝は疏泄作用(気を巡らす作用)を司り、ストレスなどにより肝の機能が低下すると気の滞りが生じやすくなります。
自律神経測定器により、現在のお身体の状態を測定した後治療に移ります。
激しい痛みがある場合交感神経系は過剰に緊張し、末梢血管を収縮させ、運動神経系も興奮するため筋肉の緊張が起こり、血管を圧迫して血行を悪化させます。
そうすると発痛物質などの代謝産物が一層溜まりさらに痛みを増強させることになります。
これは「痛みの悪循環」と呼ばれる現象です。この痛みの悪循環を断ち切るため、まず、自律神経系の調整を行い、内臓機能調整、全身の血行促進、免疫力を高め、本来体が持つ然治癒力の活性化を促します。

また、東洋医学的観点から気血の流れを促すツボや五臓六腑の機能調整に関わるツボも取り入れます。顔面痛と頸部のアライメント(関節のバランス)や筋緊張は深い関わりがあると考えられているため、うつ伏せで首肩周囲の治療を行った後、仰向けで顔面部の痛みの強い部分やその周囲のツボに鍼やお灸で刺激を与え、痛みを脳に伝える神経経路をブロックする作用を促し、「脳内モルヒネ」と称されるエンドルフィン等の分泌を促します。また、血行を促進して痛みの原因となる物質を排出しやすくします。

必要であると判断した場合鍼に微弱な電気を流すことで鎮痛効果を促します。

歯、舌、顎、顔面部、頭部などに出現する痛みの総称です。原因が明確な顔面痛は症状に応じた治療を行えば完治しますが、レントゲンや検査に異常がないのにもかかわらずズキズキ鈍い痛みを持続的に感じる、激しい痛みが断続的に起こるなどの症状が現ることがあります。
統計的に性差は圧倒的に女性に多く見られ、特に中高年に多いといわれています。

口腔顔面痛の原因は多岐に渡り神経の病気や外傷、ウイルス、細菌感染、中には脳神経の異常や心筋梗塞など決して見逃すことのできない病気の一現象を示す場合もあるため十分な注意が必要です。
しかし、原因不明の痛みに関してはストレスや心理的葛藤が深く関係していると考えられており、心身共に緊張した状態が長く続くことにより起こる筋肉の緊張や、脳の痛みをコントロールしたり、認知するシステムの変調によって脳の中で痛みが増幅されたり、勝手に作り出されていることが近年の研究で分かってきました。
これら原因不明の慢性疼痛に対していわゆる痛み止め(鎮痛薬)は末梢神経に作用する薬であるため脳の中で起こる痛みには効果が無いとされています。
・顎が痛む
・歯を抜いたり神経をとったのに歯が痛む
・顔面がピリピリとしびれる
・口の中や舌が痛い
・耳の周囲が痛む
・頭や目の周囲が痛む
非定型歯痛、顔面痛
X線などの検査において異常を見つけることが出来ない顔面の痛みを非定型顔面痛、歯の痛みを非定型歯痛といいます。
外傷や炎症など局所に明らかな原因が認められないにもかかわらず、歯やその付近に痛みが起こります。鎮痛薬や外科処置、歯科処置では改善が得られない場合が多く、原因も十分に解明されていませんが、神経系の異常が原因とする「神経因性疼痛説」や心理社会的要因が原因とされる「心因説」などの説があります。
歯痛に対する鍼灸治療について←
顎関節症
顎関節とその周囲の異常により顎運動時の疼痛、関節雑音、開口障害などを伴ないます。咀嚼筋自体や、顎関節に過剰負荷が加わることにより発症されるとされています。
副鼻腔炎
いわゆる蓄膿症と呼ばれる疾患で、風邪や顔の怪我、アレルギーなどを原因として発症する副鼻腔の炎症です。
一ヶ月程度で自然に軽快する急性副鼻腔炎と、症状が三カ月以上に渡り続くものを慢性副鼻腔炎に分けられます。鼻の粘膜が腫れ、副鼻腔の空洞に膿や剥がれた粘膜が溜まり症状として頭痛、顔面痛、顔面腫脹、黄色や緑の鼻汁、鼻づまり、嗅覚障害などの鼻症状が見られます。
三叉神経痛
三叉神経は顔や歯の感覚(痛覚、触覚、温覚など)を脳に伝える神経ですが、この神経の支配領域に起こる発作性神経痛を三叉神経痛と呼びます。三叉神経の痛みの特徴は三叉神経の神経分布に沿って数秒から数十秒の電気が走ったような痛みが生じます。
触れると痛みを感じる部分(トリガーゾーン)があり、洗顔や会話、食事、歯みがきなどで痛みが誘発されます。
原因は完全に解明されていませんが、その多くが脳の脳幹と呼ばれる三叉神経の出入り口のところで動脈硬化などで屈曲した動脈や静脈が直接ぶつかり、神経を圧迫することによって生じると考えられています。
帯状疱疹後神経痛
帯状疱疹は子供の頃にかかった水ぼうそうの原因ウイルスである水痘帯状疱疹ウイルスが神経の中に潜んでいて、加齢やストレスなどにより免疫力が低下した際に水痘帯状疱疹ウイルスが再活性化する事により発症します。急性期には発疹と水疱が起こり、酷い時には皮膚の潰瘍も生じます。抗ウイルス薬の服用により皮膚症状は通常そのうちに治りますが、皮膚症状が消えた後にも急性期より耐え難い痛みが続いたり、一時帯状疱疹が良くなったのにもかかわらず一ヶ月ほどして再び痛みが起こる痛みが起こる場合があります。これを帯状疱疹後神経痛といいます。痛みは年齢が高いほど、急性期の疼痛が強い場合、初期の治療が遅くなった場合ひどくなる傾向にあります。
片頭痛
脳血管の拡張により周囲の炎症によって神経が刺激されて起こる頭痛です。悪心、嘔吐などを伴う事もあり、関連痛として歯痛や顔面痛を伴うことがあります。
群発頭痛
偏頭痛と同じタイプの頭痛の一つで非常に激しい顔面部の痛みを訴えます。痛みが生じるところは目の周囲の多いのですが、痛みの症状によっては上顎の奥歯が痛いと訴えることがあります。痛みの他涙、目の充血、鼻水、鼻づまりなどの症状も認められます。
舌痛症・口腔内灼熱症候群
舌がヒリヒリ、ピリピリとした痛みや熱さを感じる病気です。多くは舌の先端や舌の縁がなどに持続性、自発性の痛みを訴えますが、食事には支障がなく、舌の表面の外見は異常がないのが特徴です。原因がいまだ明らかになっていない病気ですが、心気症に近い病態で何らかの精神的要因が背景にあるものという考えや、更年期の女性に多い事からホルモンのアンバランスや自律神経の変調なども関係があると考えられています。
痛みは医学的に発生メカニズムから大きく3つに分けて考えられています。
・侵害受容性疼痛
骨折や打撲、筋肉痛、火傷など炎症や物理的、化学的な刺激によって起こる痛みで、通常は急性期は疼痛部位に炎症の3兆候(発赤、腫脹、熱感)を伴ないます。
・神経障害性疼痛
しびれや神経痛など神経への刺激や損傷によって神経系統の異常興奮が原因で起こる痛み
・心因性疼痛
医学的な検査をしても以上が見られないため原因不明の痛みとされ、心理的、社会的なストレス要素が関係していると考えられる痛みで、非器質的疼痛といわれます。
清水大地

資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院
胃が行う飲食物から栄養を吸収し、不要なものを下に降ろすという働き(受納・降濁作用)は肝の協調によって行われています。肝は感情をコントロールし、ストレスを受け止める働きがありますが、ストレスなどが原因で肝の働きが妨げられると胃も影響を受けその働きが上手くいかなくなります。
(肝胃不和)また、中医学では体に悪影響を及ぼす自然の変化を「邪気」と呼びますが、梅雨から夏にかけて増える湿気の邪気は「湿邪」と呼ばれます。
胃と協調して消化吸収を行う五臓の「脾」は「湿を嫌い乾を好む」性質があるため、梅雨から夏にかけては体に余分な水分が溜まり胃腸の働きが低下しやすいのです。冷たいものの摂りすぎや、冷房の効き過ぎも胃腸の働きが低下してしまう原因となると東洋医学でも考えられています。
胃酸過多症の方は自律神経のバランスが乱れている方が多いため、まず、自律神経測定器で血管の状態や自律神経のバランスを測定していきます。その結果をふまえた上でその方々に合わせたオーダーメイドの施術を行っていきます。

胃酸の分泌を制御している自律神経のバランスを整え、胃、肝、脾の機能を高めるツボに鍼やお灸で刺激を与えます。また、身体の冷えは内臓機能を低下させる原因となるため冷えのある方には冷えを除く治療も合わせて行っていきます。


30代 男性
3ヶ月程前から仕事が多忙でストレスから暴飲暴食を続けていたせいか、数日前から空腹時の胃痛と食後の胃もたれと胸やけを起こすようになった。なんとなく常に胃部に不快感を感じ、特に夕方から夜にかけて症状が重い。
脂っこいものを食べた後や飲酒後、歯みがきの際の刺激などで吐き気を催し、時には嘔吐してしまう。
当院での治療
自律神経測定器の結果、交感神経が過亢進状態でしたので、自律神経のバランスを整える治療を主に、腹部、下肢、背部にある消化器系の機能を調整するツボを取り入れながら治療を行いました。慢性的な肩こりがあるということで、触診したところ頚肩、背部に筋緊張が見られたため、そちらの治療も合わせて行い全身的な緊張や疲労を緩和する治療も行いました。また、問診の中で食生活、飲酒、喫煙、運動習慣等の生活習慣の指導も行いました。
◇1回目◇
施術後当日は変化感じなかったが、翌日は胃のもたれと胸やけが少し楽に感じた。その後は徐々に状態戻った。胃痛、胃部不快感と吐き気は変わらない。
◇2回目◇
治療後は胃の痛みはさほど強く感じなかった。胃のもたれは変化ないが、胸やけは少し楽になった。以前はほぼ毎日飲酒していたが最近は控えていることも関係あると思われる。
胃部不快感は押すと感じる。吐き気、嘔吐は時折あり。最近仕事が残業続きで肩こりが酷い。
◇3回目◇
胃もたれ、胸やけ以前は毎日あったが、現在は3日に1回程度。胃部不快感はまだあるが、胃痛はたまにチクッと痛む程度になっている。吐き気も時折あるが強くはない。肩こりは痛む部位は狭くなった。
◇4回目◇
仕事で飲み会があった日は胃のもたれ、胸やけ、吐き気強く出たが、それ以外の日は胃症状軽くなってきたと感じる。胃部不快感は食後に感じるが、それ以外はそこまで気にならない。肩こりは全体的に楽になってきたと感じる。
◇5回目◇
吐き気を最近は感じなくなった。仕事でストレスを感じる事があり、その日は胃痛が久しぶりに出たが、それ以降は出ていない。胃もたれ、胸やけは脂っこいものを摂らなければあまり感じなくなった。肩こりが以前より楽になり体が軽くなったと感じる。
◇6回目◇
胃の痛みは消失した。胃もたれは、たまに脂っこいものを食べた時や飲酒を多めにした時くらいで胸やけも最近は出ていない。胃部不快感は押すと感じるが日常生活で気にならない程度。吐き気は歯ブラシの刺激のみ起こるが実際に嘔吐する事は無い。肩こりも押すと硬いところはあるが痛みが気にならない程度になった。
症状が日常生活であまり気にならなくなったので、治療間隔を延ばしてあと何回か健康維持のために通院したいとのこと。
胃酸過多症とは、何らかの原因によって通常よりも多く胃液が分泌される病気です。食べ物を消化する胃酸は非常に酸性が強いのですが、通常胃は胃酸で胃壁を溶かしてしまわないように胃粘膜から粘液を分泌して胃壁を守っています。胃酸が過多な状態では、この胃粘膜と胃酸のバランスが崩れ自分の胃を攻撃してしまうため身体の色々な部分に悪影響が現れます。
症状
・胃もたれ、むかつき
胃酸過多になると胃の粘膜が荒れてしまい、消化機能に支障が生じて胃もたれやむかつきが起こります。
・胃の痛み
胃酸が過剰に分泌される事で胃の粘膜が傷つき、炎症が起こると胃痛を感じることが多くなります。胃痛はみぞおちに感じることが多く、空腹時などにキリキリと痛みます。
・胸やけ
胃酸が過剰に分泌されると、食道と胃を繋ぐ筋肉が緩み食べた物や胃酸が逆流しやすくなります。胸からみぞおちまでの間に焼けつくような不快感を感じたり、チクチク刺されるような痛みを感じます。
・ゲップ
胃酸が過剰に分泌されると食べ物外で消化される際に大量のガスが発生します。そのため頻繁にゲップが出るようになります。食道と胃の間には弁があり胃の中の空気やガスは逆流しないようになっているのですが量が多すぎると弁では支えきれなくなりゲップとして出てきます。早食いをすると食べ物と一緒に空気が胃の中に入りやすくなりゲップも出やすくなります。
・吐き気、嘔吐
胃酸が過剰に分泌されると食道と胃を繋ぐ筋肉が緩むため口の中に胃酸が上がってきます。すると喉を圧迫し吐き気や嘔吐が起こりやすくなります。
その他
・胃部、腹部膨満感
・食欲減退
・口の中の酸っぱさ
・喉の奥の違和感
などが挙げられます。

ストレス
胃酸と胃の粘液は自律神経(交感神経・副交感神経)の働きにより分泌のバランスが制御されており、通常は胃の中に食べ物がある時に胃酸が分泌されます。交感神経が優位になると胃酸の分泌が減少し、反対に副交感神経が優位になると胃酸の分泌は増加します。
ストレスを感じると交感神経が優位になります。すると胃の血管が収縮し、胃酸の分泌が減少します。しかし、交感神経が強く働くと体はバランスを保つために副交感神経の働きも盛んにします。そのため胃の蠕動運動が活発になり、胃液の分泌を促進するため胃酸過多の状態となるのです。
食生活の乱れ
刺激物の食べ過ぎも原因となります。香辛料、酢を使う料理、アルコール、カフェイン、脂質や糖質の摂りすぎは胃酸の分泌を促進させます。また、早食いや食べ過ぎなどの食習慣も胃酸過多を招きます。
喫煙
喫煙は交感神経を刺激するため、胃の血流が悪くなり消化機能が低下して胃酸の分泌量を低下させます。しかし自律神経はバランスをとるため副交感神経の働きを強めるため胃酸の分泌が増加します。また、たばこに含まれるニコチンには一部中枢神経を刺激して、胃酸を分泌させる働きもあるため過度な喫煙は胃酸過多を招きます。
過剰なガストリン分泌
ガストリンとは胃の出口にある幽門前庭部から分泌されるホルモンの一種で、胃酸や消化酵素を分泌させる作用や血糖値を下げるインスリンの分泌を促進する作用があります。
ガストリンが大量に分泌されるのは、消化機能が低下した際や、ピロリ菌の産生の原因となるアンモニアが発生した際に、それに対抗するためだと考えられています。ガストリンが過剰に分泌されると胃酸も過剰に分泌されるようになります。
・逆流性食道炎、逆流性胃腸炎
胃酸過多によって胃酸が逆流して炎症が起こる病気です。逆流性食道炎と逆流性胃腸炎の違いは炎症が起こっている場所の違いです。逆流性食道炎の場合は食道に、逆流性胃腸炎の場合は胃腸に炎症が起こっています。この二つの病気の症状は似通っていて胸やけ、ゲップ、喉の違和感、胃もたれ、吐き気、胃痛などが起こります。
逆流性食道炎の鍼灸治療について
・十二指腸潰瘍
十二指腸の粘膜が炎症を起こし、粘膜や組織の一部が損傷してしまう病気です。症状としては、空腹時や夜間に上腹部が痛む、下腹部の違和感、胸やけ、ゲップ、吐血、下血などが挙げられます。
・胃潰瘍
胃の粘膜がただれ、傷つき損傷した状態の事を言います。進行すると胃壁に穴が開いてしまうこともあるので、病院で早期治療を受けることが大切です。主な症状としてゲップや胸やけ、吐き気、空腹時のみぞおちの痛み、腰痛や背中の痛み、吐血、黒い便が出る、などの症状が挙げられます。
・胃炎
胃の粘膜に炎症が起きた状態です。
・胃がん
胃粘膜の表面の組織が、がん細胞に変わってしまう事で発病します。胃がんの症状は他の胃の病気と非常に似通っており、胸やけ、胃痛、ゲップ、食欲不振、消化不良、吐血、黒色便が出る、貧血などがあります。
慢性的な胃炎や胃潰瘍により胃の粘膜が傷ついているので、細胞の遺伝子が損傷しやすく、細胞の再生時にがん細胞化しやすいと言われています。
また、塩分の過剰摂取も胃がんのリスクを高めるというデータもあります。
清水大地

資格
はり師
きゅう師
2008年
鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年
おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年
中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年
渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年
三軒茶屋α鍼灸院を開院
羞明感に対する鍼灸治療でメインは、目の周りに鍼やお灸治療を行っていくことです。羞明感の原因は、人によって様々であるためそれによって施術方法や選ぶツボは異なってきます。
・ドライアイや眼精疲労で起きている場合
ドライアイや眼精疲労によっても羞明感、眩しさを異常に感じて時に眩しさで目の違和感や目を開くことが難しくなることもあります。
それは、目に入る光が散乱してしまうためです。ドライアイでは、涙の分量が減少してしまっているため光が乱反射したり、眼球表面に傷がついてしまっていることで眼球表面が凸凹な状態となってしまうことで光が思わぬ方向へと反射してしまうことがあります。
そのような場合に鍼灸治療のアプローチとしましては目の周りに鍼を刺して暖かい比較的温度の低いお灸をすることで目の循環を改善していきます。

涙の成分は血液から産出されており、目の血行不順はドライアイの原因となります。また、目の周りの筋肉が疲労を起こした状態ですとそれも血流の妨げになるため羞明感を感じやすくなってしまうのです。
・結膜炎やぶどう膜炎で起きている場合
結膜(白目を覆う薄い膜)やぶどう膜(眼球表面の強膜と網膜の間にある膜)に炎症が起きてしまうと眩しさを異常に感じやすくなることがあります。
特にぶどう膜炎は、眩しさを異常に強く感じたり、網膜までに炎症の影響がでると著しい視力の低下やかすみ目、飛蚊症などの目の異常が多く出てしまう疾患の一つです。
炎症が起きているような疾患の場合に鍼灸のアプローチとしましては、まず炎症を早く引かせるように施術を行っていきます。特にお灸治療は抗炎症作用があり、炎症を早く引かせることに長けています。鍼も少し浅めにさすことで炎症を引かす効果があるため目の周りに浅めの鍼と少し熱めのお灸治療を施していきます。

また結膜炎やぶどう膜炎では目の周囲や奥の痛みの症状が出る場合があります。その場合はさした鍼に電気を流すことで鎮痛効果を狙って施術を行っていく場合もあります。

・自律神経の乱れで起きている場合
目の光に入ってくる量を調整する機能は瞳孔が開いたり閉じたりすることで調整されています。その調整に自律神経も関わっているため自律神経の大きな乱れは瞳孔に影響を与えて光が異常に入り込んでしまうことがあります。
そのような場合の鍼灸のアプローチとしましては、目の周りの治療ももちろんですが、身体全体のバランスを整えて自律神経の状態も整えていきます。

当院には、自律神経測定器がありますので自律神経の状態を初診時に測定して治療に入ります。
また背中の背部兪穴と言われる五臓六腑の状態を整える際にとても重要なツボも用いて施術を行っていきます。

羞明感に対する東洋医学的なアプローチは、まず五臓六腑の『肝』と『心』の状態を診ていきます。肝は目と深い関わりがあると東洋医学では考えられており、また心とも深い関係にあります。
東洋医学でいう『血』で考えますと、肝は血を貯蔵して心は血を送り出します。その二つの臓腑が機能低下してしまうと栄養ある血が全身に送り届かなくなってしまいます。そうなることで目の方にも悪影響が出て目の症状が出やすい状態になってしまうのです。
肝や心を整えるツボとして背中にある背部兪穴といったツボを用いたり、『太衝』といわれる肝の重要な経穴や心の重要なツボである『神門』といわれるツボを用いて施術していきます。
ドライアイ対策
ドライアイは、羞明感の原因となります。ドライアイにならない為にも長時間のパソコン作業やスマートフォン操作はなるべく控える必要があります。人は本能的に集中して物を見ている時はまばたきの回数が減少してしまいます。
まばたきの回数が減少してしまうと目の表面の潤いが低下してドライアイの状態となりやすく、目の表面が傷つきやすかったり目の細胞に十分に栄養が届かない状態となってしまいます。
長時間の目の酷使は避けてまばたきを多めにするように意識しましょう。集中している時にそんなの意識してられなないという方はパソコンの隅にポストイットなどでメモ書きして目に入るところにおいて意識付けを行うと良いです。
また、ドライアイを回避するためには部屋の湿度が重要です。乾燥する時期は特に加湿器などを設置して部屋の湿度をあげましょう。
自律神経を整える
自律神経が乱されると眩しさを感じやすくなってしまう傾向にあります。
自律神経を整えるには、食事・睡眠・運動が重要です。栄養バランスを考えた食生活や決まった時間に食事を摂る、睡眠時間は十分に確保する、有酸素運動を週に2~4日程は行うなど規則正しい生活を送るように心がけましょう。
また、朝目覚めたら朝日を浴びて体内時計を戻し交感神経の活動を高めて、夜は湯船にしっかりと浸かって身体を冷やさないことやリラックスさせることで夜に副交感神経をたかめることも自律神経を整える上では重要です。
清水大地

資格
はり師
きゅう師
2008年
鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年
おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年
中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年
渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年
三軒茶屋α鍼灸院を開院
室内から室外へと出る時または室外から室内に入る際など、肌が敏感な方に起きる疾患の一つとして寒冷蕁麻疹という疾患があります。
寒冷蕁麻疹とは温められた体が急に冷やされることによって全身に蕁麻疹がおこり、強いかゆみや赤みが生じます。
寒冷蕁麻疹は日常生活の中で様々な場面で起きてしまう可能性があります。寒冷蕁麻疹がよく起きてしまう場合として
・冬に暖房のきいた室内から室外に出るとき
・お風呂から出て脱衣所などで体が冷えたとき
・ジョギングなどの運動をした直後に汗で体が冷やされたとき
・暖房で温められた室内で厚着をして汗をかき、体が冷やされたとき
などが挙げられます。また、あまりピンと来ないかもしれませんが夏場でも寒冷蕁麻疹が起きる場合があります。
・夏場にアイスや冷たい飲み物を飲んで体が冷やされたとき
・エアコンの冷気が直接身体にあたっているとき
・水温の低いプールに入ったとき
夏場の場合でも寒冷蕁麻疹が起きる可能性があるのです。
東洋医学では蕁麻疹の状態を『瘀血』といいます。瘀血とは、循環の滞りや脈からはみ出した浸出液のことを指します。東洋医学では瘀血の状態の原因となるのは多くの原因が考えられています。循環に大きな影響を与える要因は多種多様あり、気虚・陽虚・血虚・陰虚など様々です。その中に『寒凝』(寒冷による血管の収縮・血管凝固・血栓)も含まれます。
よって東洋医学でも寒さ・冷えによって循環が滞り、発疹ができると考えられているのです。
また循環が滞ることによって津液不足や血が足りない血虚という状態となり、慢性の栄養不良となることで皮膚のかゆみや乾燥、筋肉の衰えなどの症状が出るのです。
当院の寒冷蕁麻疹に対する施術は、第一に発疹の起きている周辺もしくはその周辺の経穴に鍼やお灸を施して皮膚の炎症をおさえる作用を促します。

かゆみの強い場合は電気鍼療法を用いることでかゆみを抑える効果が期待できます。

電気鍼療法は、刺激の量が強いため鍼に慣れていない方には行うことはありませんので安心してください。
またアレルギー性結膜炎は肝の機能や東洋医学でいう『風邪』と深く関係していることが考えられていますので、肝に関連の強いツボを多く用います。肝の陽気が過亢進して頭の方へのぼっていくことで症状を起こしているとも考えられるので肝の陽気を抑えて下げる治療もする必要があります。
風邪は五臓六腑の『肺』から侵入することが多いので肺に関するツボも刺激していきます。

また東洋医学の全身の状態を診て治療していくという特徴によって当院でも全身の調整施術を行っていきます。自律神経の状態を整えていくこも寒冷蕁麻疹を治療していく上で重要だと考えます。
自律神経を整える全身治療を行うことにより人間が本来もっている自然治癒力を高めます。
30代女性
一か月程前に日課のジョギングの後、手足首周囲に膨疹と痒みが出現。数時間で消失したが、それから寒い環境にいると同じような症状が良く起こるようになった。皮膚科にて皮膚科にて寒冷蕁麻疹との診断を受け、ヒスタミン薬とかゆみ止めの塗り薬を処方されるも根本的には改善されていない気がする。
体質的に冷え症で去年から職場が変わり仕事が多忙になったり、人間関係のストレスや睡眠不足、疲労の蓄積があると感じている。
当院での治療
自律神経測定器の結果副交感神経が過亢進状態でバランスに大きく乱れがありました。
副交感神経が過亢進状態になることで免疫機能が過亢進となり、炎症反応も起こりやすくなると考えられるため自律神経系の調整を主に炎症反応の起きている腕や下肢のツボや、東洋医学的観点から五臓六腑の肺や肝のツボを取り入れ治療を行いました。
一回目
特に大きな変化ないが施術当日は体が温まりよく眠れた。
二回目
前回施術後2,3日は膨疹出なかったが、昨日バス停で冷たい風にさらされたせいか夜から膨疹出現した。
三回目
末梢の冷えが少し改善されたと感じる。蕁麻疹も来院する前よりは良くなっていると感じる。
四回目
蕁麻疹出る頻度が減少してきた。しかし、残業が続いたり、食事の質が低下すると出現する日もある。以前と比べ睡眠の質が良くなった。
五回目
ここ一週間はとても調子が良い。一回だけ蕁麻疹出た日があったがそれ以外は全く気にならなかった。
六回目
天気のせいもあるのか比較的良い状態続いている。
七回目
数日寒い日もあったが、一回だけ膨疹出現するも2~3時間で引いた。以前よりも症状自体が軽くなっていると感じる。末梢の冷えも以前より良いと感じる。
八回目
前回治療後からは寒い環境下でも蕁麻疹出ていない。冷えもあまり感じなくなってきている。体調面安定してきたので一度間隔を伸ばしてみる。
九回目
蕁麻疹引き続き出ていない。最近仕事がハードで首肩こり、腰痛等全身的な疲れが気になるとの事でメンテナンスもかねて施術希望。
なぜ寒冷蕁麻疹が体に起きてしまうのかということは細かい部分まではわかっていないのが現実です。しかし、寒さが何かしらの引き金となり皮膚の血管周囲にある肥満細胞が反応して赤みやかゆみの原因となるヒスタミンを放出すると考えられています。
肥満細胞は寒冷蕁麻疹にかかわらずあらゆる蕁麻疹に関係していると言われています。
肥満細胞と名だけ聞くと肥満になってしまう細胞かと思われますが、別に体が太る肥満とは何ら関係もありません。肥満細胞の名の由来は様々な諸説がありますが、肥満細胞が発見されたときに肥満細胞がヒスタミンを含む顆粒をたくさん抱えている様が名の由来とされています。
肥満細胞は、皮膚の血管周囲ばかりでなく、気管支や鼻の粘膜にも存在します。肥満細胞の役割は外部からの異物を体外に排出する重要な免疫反応です。
身体に異物が侵入すると肥満細胞の表面に抗体ができそ、それが異物と結びつくと肥満細胞はヒスタミンなどの物質を放出します。ヒスタミンは血管を拡張させる作用があり、血管から浸出液が飛び出すことによって皮膚が赤く腫れあがるのです。またヒスタミンは炎症作用やかゆみ・咳・鼻水・くしゃみを引き起こします。
花粉症や食物アレルギーの増加などから肥満細胞による免疫反応は身体に害をもたらすと考えられがちですが、身体が正常な反応を起こせば身体にとって異物を体外に排出する重要な役割があるのです。
しかし、近年では身体が花粉や食物など様々な物質に過剰に反応することが多くなっています。寒冷蕁麻疹もその一種だと考えられます。
寒冷蕁麻疹の場合は、異物も侵入してきていないのに身体が異物が侵入してきたと判断して免疫反応を起こしていることから体の異常な反応だと言えます。
アトピー性皮膚炎について詳しくはこちら
当たり前ですが、暖房のきいた室内から室外に出た際に寒冷蕁麻疹が起きる人と起きない人がいます。寒冷蕁麻疹にかかりやすい人には特徴がいくつかあります。
・体温が低く、冷え性の人
・手足の血行が悪く、手足がいつも冷えている人
・痩せ型の体型の人
・汗をよくかく人
・自律神経のバランスが乱れがちな人
などが挙げられます。日々の生活習慣の乱れや仕事でのストレスで体温の低下・血行不良・自律神経のバランスが乱れている方が多いように感じます。
寒冷蕁麻疹は近年増えてきた一種の現代病だと考えられます。
蕁麻疹が出てきたらまず病院で検査を受ける必要があります。発疹を見て何がアレルギー反応の原因となっているかわからないためです。今はペットを飼っている人が多く動物アレルギーであったり、食物アレルギーであったりと判断が難しくなっています。
アレルゲン検査をして原因が特定できない場合もあります。その場合、寒冷刺激も蕁麻疹を引き起こしている一つの原因として挙げられるのです。
清水大地

資格
はり師
きゅう師
2008年
鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年
おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年
中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年
渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年
三軒茶屋α鍼灸院を開院
東洋医学では、乳汁の産生がうまくいかない状態と、乳汁産生はうまくいくが分泌がうまくいかない状態のどちらかによるものと考えます。
乳汁産生減少には、気や血が足りていないと考え、気血両虚と証をたてます。もともと気血不足の体質の方や、分娩時に多量の失血、長時間の陣痛などにより体力が下がってしまったためにおこることがあります。
分泌がうまくいかない状態は、気の巡りが悪い場合があります。妊娠から分娩後のストレスにより肝の気が溜まってしまい上手く分泌できないと考えます。肝鬱気滞と証をたてます。
乳汁分泌の鍼灸治療として、胸や背部などの経穴を使います。乳根・雲門・中府・檀中・天窓を主に使用して、証に合わせて他の経穴を増やしていきます。
気血両虚では、足三里・中かん・気海・三陰交・膈兪・脾兪などです。

肝鬱気滞では、太衝・合谷・肝兪・百会などです。


当院では、自律神経測定器で身体のバランスを調べた後にその方その方に合った治療方法で施術します。
自律神経測定器では、交感神経と副交感神経のバランスや肉体的ストレス・精神的ストレス・疲労度を調べられます。
この情報を元に身体のバランスがとれるよう鍼灸治療します。乳汁分泌不全はストレスが原因になることもあります。鍼灸治療は自律神経を整えるのに優れた治療方法で、ストレス解消にも良く効きます。
鍼灸治療は、身体が本来持っている自然治癒力を高める治療であるため非薬物療法になります。そのため母親や乳児への影響も心配ないです。
乳汁分泌不全における鍼灸治療は、乳房マッサージや生活を見直しても効果が出づらい場合などの補完的役割になります。
当院では、個室完備ですのでプライベートも保たれて、リラックスした気分で治療を受けられます。また、当院には女性鍼灸師が在籍しております
小一時間ほど鍼灸治療を受けられた後は、効果を実感していただけられると思います。
乳汁分泌不全は、ストレスや生活習慣も深く関係しているため当院ではしっかりと時間をかけて問診していきます。
その次に自律神経測定器で自律神経の状態を計測していきます。自律神経の乱れも乳汁分泌不全の原因となる可能性があります。
また、東洋医学的観点より診察をして東洋医学の病証である「証」を決定していきます。
問診内容・自律神経の計測結果・東洋医学の証これらをふまえて総合的な鍼灸治療をしていきます。
20代後半 女性
乳汁分泌不全にて来院。一日8回授乳、乳量は右乳10cc左乳30ccとの事。
乳房マッサージは二週に一度通われているがあまり変化は見られないので当院にご来院された。肩こりの訴えもあり。
当院の治療
育児のストレスや疲れを抱えており、自律神経測定器で自律神経の状態を計測した結果、自律神経が乱れている状態でしたのでまず、自律神経を調整する治療を行った後、肩周囲の筋肉と胸筋の筋緊張を緩める治療を行い、東洋医学的観点からも治療していきました。
最後に乳管の詰まりを感じる部分、その周囲にお灸と刺さない鍼(ローラー鍼)で周囲の血行を良くする施術を行いました。また、乳房マッサージの頻度が二週に一度との事でしたので、毎日入浴後に自身にてマッサージをして頂くよう指導しました。
治療経過
◇一回目◇
右の乳量が少し増えたが左はあまり変化なし。
◇二回目◇
右はまた少し乳量が増加した。左も少量ではあるが増えてきているとのこと。
◇三回目◇
乳量が二倍~三倍に増えた。
◇四回目◇
鍼治療の翌日はとても出が良いが間が空くと乳量が少なくなっていると感じる。
◇五回目◇
乳量が安定して出てくるようになった。
乳汁分泌不全とは、分娩後の数日で自然に分泌される乳汁が分泌されない状態や充分に乳汁が分泌されない状態をいいます。一回の哺乳で約60mlの分泌量が充足量だと言われます。
赤ちゃんにとって乳汁は最も理想な栄養になります。授乳は積極的に勧めたいものです。
乳汁不全には、分泌不足も含まれますが、病院などでは病気の概念には入れていないこともあります。
原因には、乳汁の産生が少ないことや、分泌が充分でも射乳ができないことで不全になることがあります。
陥没乳頭などの形の異常があると赤ちゃんが上手く吸えなくなるため乳汁の産生が充分でも分泌不全になります。
乳汁の産生にはプロラクチンというホルモンが乳腺細胞に作用して乳汁の産生を促します。射乳にはオキシトシンというホルモンが乳腺の筋上皮細胞に働きかけて乳汁の排出を促します。これらのホルモン産生が不十分だと乳汁分泌不全になります。
乳汁分泌不全は真性と仮性にわけられます。
真性乳汁不全は、
・乳腺欠損
・乳腺発育不全
・内分泌の異常
・下垂体機能障害
などになります。
仮性乳汁不全は、
・産婦の母乳栄養に対しての意識の低さ
・赤ちゃんの未熟性による吸啜障害
・扁平乳頭や陥没乳頭などにより赤ちゃんが吸引できない
などがあります。
乳汁分泌不全の多くは仮性によるものです。
また、ストレスや栄養不足、生活習慣の乱れからも分泌に関係します。そのような場合は、ストレスから避けるようにすることと、日常生活や食生活の改善も必要になります。
検査方法には、乳児の体重測定や母親の乳腺炎を調べます。乳児の健康診断を行うこともあります。栄養状態や体重の管理などです。母親は乳腺炎がないか炎症反応などの血液検査などを行います。
清水大地

資格
はり師
きゅう師
2008年
鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年
おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年
中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年
渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年
三軒茶屋α鍼灸院を開院
東洋医学では、尿失禁を『虚証』と診ます。人体の水分調節作用に関係するのは、
腎と膀胱、脾と胃、小腸と三焦、肺があります。
『腎』には全身の水を管理する機能を持ち水の蔵だと言われます。
『脾』は、水湿を運化する作用があります。
『三焦』は、全身の水液の管理を行います。
『肺』は、水道を調節する作用を持ちます。
証では、腎気不足、脾肺気虚、肝鬱が考えられます。各証によって用いる経穴は違ってきます。
『腎気不足』には、関元、中極、曲骨、腎兪、膀胱兪、太渓を使います。
『脾肺気虚』には、気海、三陰交、足三里、太淵、肺兪を使います。
『肝鬱』には、中極、中リョ、三陰交、陰陵泉、太衝を使います。

当院では、自律神経測定器により交感神経と副交感神経のバランスを調べます。
自律神経の状態が整っていない状態ですと身体の中枢神経や全身の血行状態に関係して自然治癒力が発揮されません。
自律神経はストレスや生活習慣から影響を受けて変化しますので、1人1人の状態に合わせたオーダーメイドの治療になります。

鍼灸治療は、自律神経を整えるのに高い効果があります。初めての方には問診をしっかり行なうことで、症状と身体や生活習慣との因果関係を突き詰めて治療に入ります。当院では、完全使い捨ての鍼を使用しますので衛生面は安心してください。
治療部屋は全室個室になっていますので、プライベートを守り治療を行います。
自分の意思ではコントロールできずに尿が漏れ出てしまうことです。昼間で自分の意識があるときに、クシャミや咳などをした際に失禁してしまうことや睡眠時などの無意識のときに尿が排出してしまうことです。
この尿が漏れてしまうことを尿失禁と言います。睡眠時に起こる尿漏れを夜尿と言い、一般的には「おねしょ」と言われるものです。
①腹圧性尿失禁
腹圧性尿失禁は、お腹に力が入る状態で尿が漏れ出るものです。くしゃみや咳、重いものを持ち上げる時などに起こります。腹圧性尿失禁は女性に多いです。尿道括約筋の弛緩によるものが多く、女性は妊娠や出産などにより弱くなるため女性に多いです。男性の場合は前立腺の手術などをするとその際にできた傷により起きることがあります。
②切迫性尿失禁
切迫性尿失禁は、尿意が起こった後にトイレまで間に合わずに尿が漏れ出るものです。高齢者に多くみられるもので、男女差は特にありません。原因には、脳や脊髄の病気によって神経症害がおこり、うまくコントロールができないために起こることもありますが、多くの場合は、特に原因がないのに膀胱が勝手に収縮してしまい起こります。膀胱炎や尿道炎、前立腺肥大症なども原因となります。
③溢流性尿失禁
溢流性尿失禁は、男性に多くみられるもので、排尿障害を伴います。膀胱に尿が溜まり過ぎて、入りきらない尿が漏れ出てくるものです。溢流性尿失禁は、男性がかかる前立腺肥大症や前立腺癌などが原因となることが多く、女性の場合はまれな尿道狭窄によってなるため、男性に多くみられます。
④機能性尿失禁
機能性尿失禁は、排尿機能は正常にもかかわらず、身体運動機能の低下や認知症が原因で起こる尿失禁です。歩行障害や認知症によりトイレで排尿ができないために起こるものです。
尿失禁は相対的に女性が多くその理由は、解剖学で説明できます。
男女で尿道の長さが違います。男性だと16から20㎝に対して女性だと3から4㎝と短いです。膀胱頚部から外尿道口までが真っ直ぐと解剖学からみると女性の方が失禁しやすい形状になるわけです。
また膀胱内に尿を貯めておくには、膀胱内圧と尿道内圧が関係します。
この尿道圧には、女性では尿道平滑筋の一つが関係しますが、男性では尿道平滑筋と尿道括約筋の二つが関係します。そのため、女性は、妊娠や出産、加齢などにより筋力の低下がおこり腹圧からの影響で男性よりも腹圧性尿失禁の率が高いです。

資格
はり師
きゅう師
2008年
鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年
おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年
中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年
渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年
三軒茶屋α鍼灸院を開院
東洋医学では尿閉、または排尿困難の状態を「癃閉(りゅうへい)」といいます。癃は、小便が出にくく出ても点滴して出ることを表し、緩慢に発症するという特徴があります。
閉は小便が全く出ないこと(小便不通)を表し、急性に発症するという特徴があります。
東洋医学では尿は腎が体に不要なもの(濁)を気化作用により膀胱に送り、膀胱から体外に排出されるものをいいますが、癃閉の発症の多くは五臓六腑の脾、肺、腎、三焦の機能が関わっていると考えられており、肺熱、膀胱湿熱、肝鬱、血瘀、脾気虚、腎陽虚などが原因で起こると考えられています。
排尿は膀胱や尿道括約筋が脳や自律神経などによりコントロールされることで行われています。
そのため、過度のストレスや疲労、生活習慣の乱れなどにより自律神経のバランスが乱れることが尿閉の原因の一つとなると考えれています。そのため、当院では自律神経測定器にて自律神経のバランスを計測し患者様のお身体の状態を把握した上で治療に移ります。

治療内容は自律神経系を整えるツボや、膀胱や尿道括約筋の支配神経に関連する下腹部、腰仙部にあるツボに鍼やお灸で刺激を与え、排尿機能、全身の血行促進、内臓機能調整、免疫力を高める作用を促し、自然治癒力を高める治療を行うことで症状の緩和、改善を図ります。また、東洋医学的観点から脾、肺、腎、三焦の機能を高めるツボも用います。

体外に排出されるはずの尿が、膀胱の機能低下や何らかの問題により膀胱内に貯留して排出できない状態を尿閉といいます。全く排尿できないものを完全尿閉といい、少しは排尿できるもののほとんどは膀胱内に残っている場合を不完全尿閉といいます。
また、尿閉には急性と慢性のものとがあります。
急性尿閉
膀胱内には尿が充満しているにもかかわらず、急に尿が一滴も出なくなり下腹部が腫れて苦しい、強度の不安感が生じ冷や汗などがみられます。
慢性尿閉
下部尿路閉塞が慢性的に経過し、それに伴い残尿が多くなり膀胱内には尿が充満し、尿意を感じなくなり尿が少しずつ漏れる状態です。尿も少しずつでも出ているので本人の自覚は軽いものが多いといわれています。放置すると上部尿路内圧が上昇し腎不全に陥る場合があります。
・下部尿路の通路障害によるもの
男性の場合、前立腺肥大症や前立腺癌、尿道狭窄のために尿道が細くなっていたり、尿道に結石が詰まっていることが多いです。中でも最も多いのが前立腺肥大によるものです。
女性の場合腹圧性失禁に対する手術、骨盤臓器脱に伴う尿道の屈曲や下垂した直腸や子宮による膀胱頸部への圧迫、子宮や卵巣の腫瘍の膀胱への圧迫や浸潤などにより尿閉が生じる場合があります。
・排尿筋、括約筋協調不全(膀胱収縮と括約筋弛緩の調整の欠如)
・膀胱の神経障害によるもの
膀胱を中心とする下部尿路を支配する末梢神経や脊髄、または行為中枢における神経系が何らかの原因で器質的に障害されたものです。糖尿病や脊髄損傷などに起因する神経因性膀胱があげられます。
・薬剤の影響によるもの
排尿障害をきたす薬剤には、最も多いものとして副交感神経遮断作用の強い胃腸薬と複合感冒薬中の抗ヒスタミン薬や解熱、鎮痛薬、一部の抗うつ薬などがあげられます。その他にも膀胱利尿筋の収縮力を減弱させる薬剤(副交感神経遮断薬、平滑筋抑制薬、βアドレナリン刺激薬)や膀胱出口の圧を高める薬(αアドレナリン刺激薬やβアドレナリン遮断薬)があります。
・その他の原因によるもの
手術後や膀胱鏡検査施術後では疼痛や緊張のために腹圧がかけられずに尿閉になることがあります。また、重度の便秘により便が直腸を満たすことで膀胱を圧迫することなども原因として挙げられます。
排尿ができない、または排尿困難が挙げられます。膀胱が拡張することで下腹部の強い張りとその部分に痛みを伴うことがあります。
また、合併症による発熱や腰痛、尿閉による不安やストレスから頻脈、血圧上昇などが起こることもあります。不完全尿閉では頻尿や尿失禁が見られることがあります。長時間の尿閉は尿路感染症の原因となるほか、膀胱圧を上昇させることで閉塞性尿路疾患を引き起こす事もあるため注意が必要です。
清水大地

資格
はり師
きゅう師
2008年
鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年
おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年
中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年
渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年
三軒茶屋α鍼灸院を開院
トロサ・ハント症候群は、非常にまれな疾患でありますが、症状としましては片側の頭痛や眼の周囲や奥の痛み、物が二重に見える複視の症状が出ます。
トロサ・ハント症候群に対する複視の治療は、第一に目周囲に鍼の施術を行うことで痛みを取り除いたり、お灸の炎症を取り除く効果を用いて眼の周囲にお灸をすることでトロサ・ハント症候群における目の奥の炎症を緩和させることです。

また、目の周囲の鍼に対しては低周波治療器を用いてさした鍼に電極を繋ぎ電気の刺激を加えていくことで筋肉や神経に刺激を与えることで複視の症状の改善を図っていきます。

その他、トロサ・ハント症候群は自己免疫疾患の要素もあるため自律神経のバランスも整えていく施術を行っていきます。体の免疫機能は、自律神経のバランスがよくない状態ですと免疫機能も低下する可能性が高くなります。

30代 女性
当院にご来院される2週間ほど前から左目中心に痛みが出て、その翌週から物が二重に見える複視の症状が出た。今までも同じような症状が4回ほど起こっており、トロサ・ハント症候群と診断された。病院では、ステロイドの治療を受けてはいて軽快傾向にはあるが、早く回復させたいとのことで当院にご来院されました。
当院の治療
今までもストレスや体調の崩れから発症することが多いとのことで自律神経測定器を用いて自律神経の状態を測定したところ、交感神経の活動がやや活発気味でした。痛みが強い時は睡眠もうまく取れず痛みで目覚めてしまうことも多かったとのこと。
トロサ・ハント症候群が再発してしまう前には仕事上でもストレスを抱えており、体の疲れも溜まっていた状態でした。目の症状も気になる状態ですがそれに付随して寝つきが悪かったり、睡眠の質の低下などの心療内科的な状態もわるくなっているとのことで合わせて施術していきました。そのほか首肩コリや背部の筋緊張も見られたため背部の筋緊張緩和も重点的に行っていきました。
◇1回目◇
1回目の施術を複視の症状が少し改善。正面は一つに見えるが左右上下とだぶって見える。
◇2回目◇
視界の左側だけ物が二重に見える。その他は正常に見える。以前は眼帯をして片方の目で物を見ないとつらかったが眼帯をつけなくてもつらさはない。
◇3回目◇
目やまぶたの重たさや多少の痛みはあるが複視はいい。
◇4回目◇
仕事を再開してまた複視の症状が出てしまった。最初の頃よりは楽だが物が二重に見える
◇5回目◇
左目の動きづらさを感じる。動いているものに左目がついていかない状態とのこと。二重に見える範囲は減ってきた。
◇6回目◇
左目の動きづらさ軽快。複視に見えることはなくなった。目の多少の重たさは感じる。6回目以降は、睡眠や精神的不安などの治療を中心に変更。
トロサ・ハント症候群の症状は、ほとんどの場合目周囲の筋肉の強い痛みと麻痺が起こることが言われており、目の奥の領域の炎症や野の動眼神経・滑車神経・三叉神経・外転神経・顔面神経が何らかの関係があるともいわれています。
動眼神経
動眼神経は中脳から出て眼球運動を行う眼筋群を支配しています。その他、毛様体筋などに作用して水晶体の厚さも調節することで対象物にピントを合わせる働きや上眼瞼挙筋を上げてまぶたを上げる働きもあります。動眼神経に異常が起きてしまうと眼瞼下垂や複視の症状、散瞳などが起き、トロサ・ハント症候群でも動眼神経の異常から複視症状や眼瞼下垂が見られることもあります。
滑車神経
滑車神経は中脳から出て眼球を外側や外側下方に動かす上斜筋を支配しています。滑車神経に異常が生じると複視の症状が出て階段を降りる動作が物が二重に見えるためにこわくなったり、顔を傾けて物を見ると複視の症状が消失したりします。
三叉神経
三叉神経は、その名の通り眼神経・上顎神経・下顎神経の3つの神経に分岐する神経です。三叉神経も脳神経の1つで脳神経の中でも一番大きな神経でもあります。三叉神経は顔全般の知覚を主っていてその他にも咀嚼筋などの運動も主っています。三叉神経に異常が生じるとよく見られるのが三叉神経痛で顔の鋭い強い痛みに悩まされます。トロサ・ハント症候群でも三叉神経痛のような目周囲に痛みが出る場合もあります。
顔面神経
顔面神経は、表情筋の運動をつかさどっています。顔面神経に異常が生じると顔面神経麻痺と言われ、表情筋の運動麻痺や知覚障害などが起こります。顔の筋肉が麻痺をしているため食事が口からこぼれ落ちてしまったり、口笛を吹くような動きが出来ない、主に片側に症状が出るため左右非対称の表情となってしまうなどの症状が出ます。トロサ・ハント症候群でも顔面神経麻痺のような症状が出ることもあります。

トロサ・ハント症候群の原因はいまだ詳しくは解明されていませんが眼の奥にある海綿静脈洞や上眼窩裂の部分に炎症が起きてしまっていると考えられています。よって炎症による強い目周囲の痛みが生じてしまったり、その他発熱やめまい、関節の痛みなども出ることがあります。よって病院で行われる治療は副腎皮質ステロイドや免疫抑制剤で炎症や痛みを抑えます。
トロサ・ハント症候群の予後は比較的良いとされていますが、症状がおさまってもまた再発率が高い疾患でもあります。また、眼筋の運動は障害が残る可能性もあり、なかなか複視や眼瞼下垂の症状が取れないこともあるので注意が必要です。
清水大地

資格
はり師
きゅう師
2008年
鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年
おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年
中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年
渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年
三軒茶屋α鍼灸院を開院