味覚異常の鍼灸治療

2018年11月2日

味覚異常とは、味覚の感度が低下したり症状がひどい場合には全く味覚が感じられない場合をいいます。その他口の中に何もなくても塩味や苦味を感じてしまったり、何を食べても同じような味でまずく感じてしまう、これも味覚異常ととらえます。

 

味覚異常の東洋医学

味覚異常を東洋医学では五臓六腑の『』や『脾胃』の機能低下と捉えることが多いです。東洋医学では、心は舌に開竅するといわれます。舌には多くの血管が走行しており、心の異常は舌にあらわれやすいとされます。心の機能低下『心虚』の状態となると味覚に異常が出しやすくなります。

また、脾胃の機能低下で食物が胃に停滞してしまった病態で味覚が起こりやすいとされます。

 

味覚異常に対する当院の鍼灸治療

 

味覚異常に対する当院の治療は、口周りや鼻周りの経穴を用いて鍼灸刺激することによって血流促進・五臓六腑の『心』や『脾胃』の機能改善・自律神経の乱れを整えることを行っていきます。

味覚異常の鍼灸治療

 

口周りを施術することで唾液の促進や鼻周りの経穴で鼻詰まりの解消をしていき味覚の改善をはかります。また、味覚の異常を訴える方の多くは自律神経の乱れもあります。自律神経が乱れることで味蕾の新陳代謝がうまくいかなかったり、神経の感度が低下している可能性が考えられます。それらを自律神経のバランスを整え全身のバランスも整えることで改善していきます。

 

味覚異常のうつ伏せ鍼灸治療

 

味覚異常の鍼灸治療症例

 

30代女性

三か月ほど前に酷い風邪を引いてから以前より味覚が乏しくなり、食事の味が分かりにくい、味の濃いものを食べても以前より薄く感じるようになってしまった。
匂いにも鈍感になった気がする。また、唾液の分泌が少なく口の中が乾きやすい。

耳鼻咽喉科にて検査を行ったが器質的な異常は認められなかった。
亜鉛のサプリメントは検査後からずっと飲み続けている。
そのうち治るだろうと思い放置していたが一向に改善しないため、食欲も徐々に低下し
てしまっている。
加えて発症以前より慢性的な首や肩のこり、全身の倦怠感があり生活の質が低下している。

 

当院の治療
自律神経測定器の結果交感神経が過亢進状態でバランスに大きく乱れがありました。
唾液の分泌を司る自律神経のバランスを整える施術と首肩の筋緊張の緩和、顔面部の経穴を用いて血液循環を促進し、神経伝達機能の改善を図りました。

また、東洋医学的観点から心、脾胃の経穴も用いて治療を行っていきました。

1回目
大きな変化はないが、首肩のコリは少し和らいだ。

2回目
前回施術後夕食とった際に少し味が普段よりも分かるような感覚があったが、翌日には元に戻ってしまった。

3~4回目
首のコリが楽になった。匂いが少し分かるようになってきたように感じる。味覚はまだ変化感じない。ただ、口の渇きがやや改善された。

5~7回目
大きな変化はないが口の渇きは以前よりも良くなっている。匂い感じる日と感じない日があるが感じない日のほうがまだ多い。

8回目
旋回施術後何日か味、匂い共に少し分かるような気がした。症状半減まではいかないが改善傾向にはある。

9回目
味、匂いは全体的に以前よりは感じるようになってきた。体の血の巡りが良くなったのか首肩こりや倦怠感も薄れてきている。

10回目
味、匂い共に感じる日のほうが増えてきた。しかしまだ、味は薄い感覚はある。
食欲も以前よりはある。少し体重も増えた。

11回目
食事が美味しいと感じられるようになってきた。唾液の分泌が改善され口の渇きほぼ消失。
症状8割ほど改善している。

12回目
前回と同じ状態だが、最近は肩こりや倦怠感はほとんど感じていない。

13回目
味覚、嗅覚共に発症以前の状態に戻ったと感じている。
肉体的な疲れも以前よりずっと楽になった。

 

 

味覚のメカニズム

味覚は、主に舌で感じられるものです。舌の粘膜にある味蕾(みらい)という感覚受容器によって感じられるため、味蕾を味細胞ともいわれます。味蕾は、粘膜のくぼみの部分に多く分布しており、その他にも頬の内側や口の中の上にある軟口蓋にも分布しています。味蕾で感じ取られた味の感覚は神経細胞を通して脳に伝達されます。

味覚を生物学的に捉えると5つの基本的味から構成されます。それは、酸味・塩味・苦味・旨味・甘味です。5つで構成されているのにはそれぞれの味に理由があるからです。

 

酸味
酸味は、酢酸やクエン酸などから生じる水素イオンを感じ取るために感じられます。それは、新陳代謝の促進や腐った飲食物を体に取り込まないような理由があります。

 

塩味
塩味はナトリウムイオンや金属系のイオンを感じ取るためです。それは、体液のバランスや体に必要なミネラルを取り込めるという理由からです。

 

苦味
苦味は、カフェインやキニーネ、アルカロイド系物質をを取り込み、毒物への警告を脳に送るためです。苦味が発達していないと有害なものを摂取してしまう危険性もあるため苦味もとても重要な味覚のひとつです。しかし、苦味は経験を重ねていくことによってなれる性質があるため、子供の頃は苦いものが苦手でも大人になると平気になるといった現象が起きるのです。

 

旨味
旨味は、グルタミン酸ナトリウムやイノシン酸ナトリウムを体内に取り込み、人体に必要不可欠なアミノ酸類やタンパク質の供給に役立ちます。アミノ酸やタンパク質は筋肉や臓器、皮膚や毛髪を作る機能をもっています。

 

甘味
甘味は、砂糖や人工甘味料に反応して大切なエネルギー源となります。甘味を感じ取ることで体はエネルギー源かどうかを判断しているのです。

 

 

美味しく食事を摂ることは、身体をリラックスさせ体の免疫や自律神経の活動も高めてくれます。しかし、味覚に異常が出てしまうと、それがストレスとなり自律神経の乱れや免疫力なども低下しがちとなってしまうのです。

また、味覚は嗅覚からも感じられるものです。嗅覚は空気中にある揮発性の物質を判別します。嗅覚に異常があると正常に味覚も感じられない場合もあります。鼻風邪で鼻づまりが起きた状態では、味が感じにくくなるといったのは味覚の異常というよりはむしろ嗅覚の異常から味が感じにくくなっているのです。

味覚と嗅覚はとても密接な関係にあり、味覚と嗅覚の情報が脳内で一つに合わさることによって風味を初めて感じられるようになっています。

 


Posted by 中目黒の鍼灸院 東京α鍼灸整骨院|眼精疲労 at 00:11 / 院長コラム コメント&トラックバック(0)

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