鍼灸治療でもダイエットでは、基礎代謝のアップやむくみを取り除いたりすることで健康的にダイエットできる体づくりのサポートをします。
残念ながらここを刺激すると簡単に痩せられるツボというのは存在しません。しかし、食欲を抑えるツボや自律神経・内臓機能を高めることで基礎代謝のアップなどを通してダイエットをしたいあなたをサポートしていきます。
内臓機能を高めて基礎代謝のアップ
東洋医学には、五臓(肝・心・脾・肺・腎)六腑(胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦)という考え方があり、西洋医学の臓腑と似ている所もあります。それぞれに経絡といいまして気血の流れがあり、それぞれにツボが存在します。
鍼灸治療では、身体の調子を診て弱っている五臓六腑のツボを刺激して働きを正常に戻して内臓機能を高めます。
内臓の機能が弱いと代謝が悪く食べ物や栄養が留まりやすくなってしまいます。内臓機能を高めて効率よく消化・吸収・エネルギー代謝を行うことで基礎代謝のアップをはかります。
浮腫みを取り除く
ダイエットしたい方にとって気になるのがお腹やもも回り、二の腕などの部分太りです。疾患に起因する浮腫み以外は、静脈やリンパなどが循環の悪い状態で内容物が滞っているため「むくみ」として現れているのです。
鍼刺激は、細胞を鍼を刺すことで軽く損傷させて修復細胞が血液を通して集まるためその部分の血流量が上がり血流の改善が見込まれます。
お灸刺激では、お灸の柔らかい熱で血管を弛緩させることで留まっていた血液やリンパ液を流してあげます。
また、お灸にも色々な種類があり、鋭い熱を入れることでその部分は火傷をしたと脳が判断します。すると、それを修復しようと修復細胞が集まり、血流を改善していきます。
食欲を抑える
食欲を抑えるツボは、耳ツボが有名です。ダイエットに関心のある方なら一度は「耳ツボダイエット」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。
耳の前部分にあたる「飢点」や耳介にある「神門」「噴門」「胃」「内分泌」「肺」というツボを使い、食欲の抑制やダイエット中のイライラを解消させて精神を安定させていきます。
当院では、それらのツボに鍼のシールを貼って食事前などに軽くマッサージをして食欲の抑制や精神安定をはかっていきます。
ストレスからくる暴飲暴食を防ぐ
仕事や人間関係でストレスが溜まり、ストレスを発散させるために暴飲暴食に走る方も多いです。
そういう方に多いのが自律神経が乱れです。交感神経と副交感神経のバランスが正常に保たれていれば多少のストレスにも対応できますが、普段から自律神経の乱れがある場合ストレスのはけ口が飲食に向いてしまう危険性もあります。
当院では、初診時に自律神経測定器で自律神経のバランスを測定することでその方の自律神経の状態を把握した上で施術を行っていきます。
エネルギーを溜め込む過ぎ
摂取したエネルギーが消費するエネルギーを上回ってしまうと体に脂肪として蓄積されてしまいます。
また、偏った食生活や夜遅くの夜食、まとめ食いなどは脂肪として身体に蓄積されやすくなります。
運動不足などによるエネルギー代謝不足
車や電車など昔と比べると歩行数などが減少し、仕事もデスクワークが増え運動量は年々減少傾向にあります。そのため摂取エネルギーが消費エネルギーを上回りやすい状態となってしまいます。
病気が原因の肥満
病気が原因で肥満となってしまう場合もあります。
甲状腺機能低下症などの内分泌疾患や遺伝的な疾患また精神病薬などの薬の副作用でも肥満となってしまう可能性もあります。
ダイエット鍼灸は、あくまでもダイエットをしたいあなたのサポート役です。鍼灸をしているからといって暴飲暴食・運動不足などの生活の不摂生をしていると元も子もありません。鍼灸を擦れば絶対に瘦せられるというわけではありません。
鍼灸で痩せやすい健康的な体づくりのサポートや食欲の抑制、精神的な安定をお手伝いしていきます。
鍼灸ダイエットのメリットは何と言いましても瘦せる以外に健康的な身体を手に入れ、体に無理のない継続的な体重維持が可能になるということです。
内臓機能を高めて基礎代謝のアップさせて新陳代謝をはかり、身体に溜まった老廃物を排出させます。
また、心身をリラックスさせて自律神経の状態を整える効果やホルモンのバランスも整えてくれる効果など様々なメリットがあります
足関節は脛骨、腓骨、距骨から構成されており、足関節を安定化させる靱帯として、内側の三角靱帯、外側の前距骨靱帯、踵腓靱帯、後距腓靱帯、脛腓靱帯などがあります。
・足関節捻挫
捻挫とは関節にかかる外力によって、関節を支持している靱帯や関節包が損傷することです。靭帯の損傷程度によって捻挫の程度を三つに分けられており、靭帯が伸びる程度の損傷を1度捻挫、靭帯の一部が切れるものを2度捻挫、靭帯が完全に切れるものを3度捻挫と定義しています。
内反捻挫
足関節の捻挫の約85%は足首を内側に捻ることで生じるといわれています。
足首の外側には前距腓靭帯、後距腓靭帯、踵腓靭帯、三角靭帯の四つの靭帯が付いており、前距腓靭帯の損傷が最も多く、外くるぶしの前に痛みが起こりやすいといわれています。
外反捻挫
足首を外側へ捻る捻挫で、こちらはなかなか日常生活では起こりにくいですが、サッカーなどのスポーツで多く見られます。他にもテニスやラグビー、野球でも発生しやすいです。損傷部位として内くるぶしの下方(三角靱帯)、外くるぶしの上方(脛腓靱帯結合)が挙げられます。
・捻挫の後遺症
足関節捻挫の約20%~40%に痛みが残るという報告もあり、痛みの原因として足関節前方インピンジメント症候群、距骨骨軟骨損傷などが挙げられます。
①足関節前方インピンジメント症候群
足関節の外側靭帯が緩んだ状態で癒合すると、足関節に回旋方向、前後方向時の不安定性を生じるようになり、その影響により足関節の前方で、前下脛腓靱帯や滑膜組織などが引っかかるようになり痛みを起こします。
②距骨骨軟骨損傷
捻挫など強い外力が加わったときに、距骨が脛骨や腓骨の関節面と衝突することで骨軟骨損傷が生じると考えられています。しかし、明らかな怪我がなくても毎日繰り返される運動の中で徐々に発生する場合もあります。足関節を捻挫した際に同時に発生していることが多く、捻挫による痛みが軽快した後も長期にわたって痛みが続きます。通常は運動後に足関節に痛みや腫れを訴えます。
・変形性足関節症
足関節の軟骨が損傷して炎症が起こり痛みを生じる病気です。高齢の女性に多いといわれています。
足関節は複数の靭帯で守られていますが、捻挫を繰り返したり、骨折をすると足首の靭帯が緩んで関節が不安定になります。加齢により軟骨が退行性変性を起こして弾力性が失われることや、先天性内反尖足や先天性偏平足などのアライメント不良(骨格や骨の並びが崩れた状態)や距骨滑車の剥離性軟骨症、関節リウマチ、血友病などによる関節の破壊が要因となります。
また、O脚の人は体重が足首の内側にかかることで、内側の軟骨を傷めやすくなるといわれています。
・痛風、偽痛風
関節内に結晶ができることで関節に腫れや痛みを引き起こす病気です。痛風は尿酸、偽痛風はピロリン酸が結晶になり関節に溜まり痛みを引き起こす原因になります。
痛風は足の親指の付け根や足首やくるぶしの周りに多く、偽痛風は足首、膝、手首、肘に起こりやすいといわれています。
・偏平足
足の骨をアーチ状に吊り上げる筋肉(後脛骨筋)や腱が年齢とともに脆弱化(ぜいじゃくか)したり、体重がかかり過ぎたりして足のアーチが保持できなくなることで、内側のくるぶしの痛みや腫れを引き起こしたり歩きにくくなる場合があります。
・アキレス腱炎・アキレス腱周囲炎
スポーツ等による慢性的な刺激や不適切な靴等により踵骨の後ろにあるアキレス腱やその周囲に炎症が生じる病気です。歩行時、運動時にアキレス腱付着部周囲に痛みを訴え、同部位に強い圧痛を認めます。
・足根管症候群
踵と足の裏に通っている神経の圧迫や損傷により、足首やつま先に痛みや痺れが起こる病気です。歩行や運動時の痛みが主ですが入浴時、夜間などにも痛みや痺れが出ることもあります。
・腓骨筋腱脱臼
腓骨筋という足の筋肉を繋ぐ腱がずれ、外くるぶしの上に脱臼してしまうことがあります。テニスやサッカーなどのスポーツで起こりやすく運動時(歩行時、左右への切り替えし時)の後足部外側の痛みや外くるぶし後方に腱の脱臼感や不安定感が出現し、脱臼が慢性化すると外くるぶし後方に沿った腫れを認めるようになります。
・関節リウマチ
免疫の異常により体の様々な関節に炎症を起こし、悪化すると関節の変形や破壊を起こす病気で、足の外反母趾のような変形をきたしたり変形性関節症が生じる場合があります。
症状により検査方法は異なりますが問診、徒手検査法、血液検査、超音波検査、X線、CT、MRIなどの画像検査等を必要に応じて行い診断されます。治療方法として一般的に大きく分けて保存療法、手術療法があります。
・保存療法
①薬物療法(消炎鎮痛剤、ビタミンB剤、ステロイドなどの内服薬、湿布、塗り薬など)
②神経ブロック療法(神経節への局所麻酔、関節内注射など)
③手技療法
④物理療法(干渉波、ホットパック、超音波など)
⑤装具療法(ギブス固定、足底板、サポーター等)
・手術療法
保存療法で痛みのコントロールが難しい場合、変形が進行したり、関節軟骨の損傷が激しく保存療法が効果がみられない場合などは手術療法が選択される場合もあります。手術方法は年齢、活動性などにより患者と相談し決定していきます。
人工足関節置換術、骨切り術や関節固定、足関節の靱帯再建など症状に合わせた様々な手術が選択されます。
関節の痛みを中医学では「痺証」として捉え、風、寒、湿、熱などの外邪の侵入が経絡の流れを停滞させることが原因と考えられています。
気滞、瘀血などにより気や血の流れが滞ることで痛みの原因となるとも考えられています。
つまり外邪の侵入や気血の滞りが足首で起こると足首の痛みとして現れると考えられているのです。
足首に対する鍼灸治療は、足首やその周囲に鍼を刺すことで鍼治療効果の一つの鎮痛効果を目的に施術を行っていきます。また、お灸には抗炎症効果もあるため炎症が出ている場合は炎症部位に直接お灸施術を行っていきます。
その他、足首の痛みが出ている場合脛部分の筋緊張も強くみられることが多いためその部分にも筋緊張緩和のために施術を行っていきます。
また、東洋医学的観点より気血の滞りが痛みに影響を与えるため気血の流れをよくする全身のツボにも施術を行います。
趣味で登山をしていたところ下山中に段差で踏み外して足首を捻ってしまい足首の外側が痛みが出て腫れも少し出てしまっていた。
整形外科を受診したところ足首外側の人体を軽度損傷した捻挫と診断されて湿布薬を処方されて安静にと指導されたとのこと。
出来るだけ早く治したいとのことで湿布以外の治療はないかと思い鍼灸治療を試してみたいとのことで当院にご来院されました。
治療
まだ腫れている状態でしたので腫れている部分の周囲に鍼を刺して鍼通電療法を施すことで痛みを抑制して周りの血液循環を早く排出させて上げることで治癒の速度を上げる処置を行っていきました。
その他前脛骨筋や腓腹筋などの下腿の筋肉にも筋緊張状態も見られましたのでそれらの筋肉にもアプローチをかけていきました。鍼灸治療後、軽いテーピングで足首への負担を軽減する処置を行いました。
日常的にはアイシングを行っていただくようにしていただきました。
受傷後、1週間ほどで腫れは解消されて歩行時に少し痛みが出る程度に回復、さらに治療を続けて3週間後には軽くランニングを行えるまでに回復しました。
気象や天気の変化によって症状が出現する、または悪化する疾患を「気象病」と呼ばれています。雨の前に頭痛がする、梅雨時期になると古傷が痛む、季節の変わり目に体が重だるい、などの症状があります。
・頭痛
・首肩こり
・めまい
・耳鳴り
・気管支ぜんそく
・関節痛
・神経痛
・鬱(うつ)
・不安症
などが挙げられます。
未だ明確な原因は分かっていませんが、気圧の変化により、人間の体はストレスを感じるため、それに抵抗しようとするため自律神経が活性化することが主な原因ではないかといわれています。主に不調を訴えるのは気圧が低下したときですが、中には気圧が上昇したときに不調を訴える人もいます。
また、症状が出やすい時期として低気圧が定期的に通過する春、秋、梅雨時、台風が接近する晩夏から秋にかけてです。一方で気圧が比較的安定する冬は体調が良い日が多いことが特徴として挙げられます。
気圧の変化で症状が出やすいため、気候の変化の他にも高層ビルのエレベーターに乗っている時や飛行機に乗っている時などにも症状が出る場合もあります。
自律神経は無意識化で体を調整している神経で交感神経と副交感神経があり、交感神経は日中活動時に優位に働く神経で、血管を収縮させたり心拍数を上げ体を興奮させる働きがあります。
副交感神経は血管を拡張し、体をリラックスさせる働きがあります。
この二つのバランスが乱れてしまうと様々な不調の原因になってしまうのです。
気象病にかかりやすい人の特徴としまして耳の内耳の機能が敏感な人にかかりやすいとされています。
内耳は気圧の変化を感じてその情報を脳へと送り届けて自律神経を活性化させます。これは、人間本来に備わっている防衛本能の一種と考えられています。昔の人類は、水を確保するため川辺など水に近い場所に住居を構えていました。
水辺に近いので、突然の雷雨は流されてしまう危険性が高まります。そこで気圧の変化で事前に天候の変化をキャッチすることで自分の命を守る防衛機能として内耳の気圧の変化を感じる機能が備わっていると考えられています。
その内耳の機能が敏感に反応してしまうと少しの気圧の変化だけでも過剰に脳が反応して自律神経に働きかけて交感神経はるいは副交感神経の活動を亢進させてしまうのです。
交感神経が活発になる人では、関節痛や頭痛、神経痛など痛みの症状が出やすく、副交感神経が活発になる人ではうつ症状や不安症、気管支喘息などの症状が出やすくなります。
気象病にかかりやすい人は、乗り物酔いになりやすいのも特徴の1つです。内耳のそばには平衡感覚をつかさどる三半規管が存在します。内耳が敏感な場合この三半規管も敏感に反応する場合が多く気象病にかかりやすい人は少しの「揺れ」にも敏感に反応してしまうのです。
気象病の治療では、自律神経を整えることがとても重要です。
当院には自律神経測定器が常備されており、ご自身の自律神経の状態を知ることが出来ます。
当院では初診時に自律神経の状態を測定してから施術を行っていきます。
お腹や手足などのツボを用いて自律神経の状態を整えていきます。特にお腹のツボは自律神経の状態を整えるために重要です。
胃腸など内臓の働きは自律神経がつかさどっています。お腹のツボで内臓機能を整えていくと自然と自律神経の状態も整いやすくなるのです。
その他、気象病の出ている症状に合わせてもオーダーメイドの施術を行っていきます。
・頭痛の鍼灸治療について
・首コリの鍼灸治療について
・肩こりの鍼灸治療について
・めまいの鍼灸治療について
・耳鳴りの鍼灸治療について
・うつ病の鍼灸治療について
こんにちは。院長の清水です。
今年はゴールデンウイークがなんと10連休となります。連休明け特に注意が必要なのが、五月病などの精神的疾患です。今回は、五月病の東洋医学的考えについて書かせていただきます。
東洋医学で五月病を考える上で重要になってくるのが五行学説という考えです。
東洋医学の基礎的な考えである五行学説は、病気を知る上で重要であり、宇宙に存在するすべての事物・事象を「木・火・土・金・水」の五行に分類し、個々の性質や相互関係を把握するために用いられます。
東洋医学では、この五行をもとに病理・病態把握・治療法・調剤などを様々な事柄を決定するとても重要な考えです。
ちょうど今の春から夏に向けてという季節は五行学説に当てはめると「木→火」に移行する期間です。そして、東洋医学の五臓で当てはめると「肝→心」に当てはまります。
それが何を表すかというと今の時期は、「心」の病気を起こしやすいという事です。「心」は血脈をつかさどって気血を椎動して全身を温める役割があり、夏に向けて活発になっていきます。しかし体の調子が思わしくなく、季節の変化についていけないと、うまく「心」の機能が弱くなってしまったり、逆に強く出過ぎる場合も多く見られます。
その二つの場合を見ていきますと…
「心」の機能不足で今よく見られるのが「心血虚・心陰虚」というものがあり、主に精神不安を呈し、不眠症や自律神経失調症が見られます。また、心拍動の異常を伴ったり、慢性病による栄養不良や貧血あるいは発熱などもみられます。
「心」機能の過亢進状態で今よく見られるのが「心火旺・心火上炎」というものがあり、自律神経系の過興奮や刺激物の過剰摂取により自律神経失調症や不眠症・精神分裂症・神経症あるいは口内炎・舌炎などが見られます。
五月病は、医学的には適応障害やうつ病、パニック障害、パーソナリティ障害などと考えられています。
初期症状としましては、五月の連休明けからなんとなくやる気が出ない・食欲がない・眠れない・仕事にいく気力がわかないなどでそれらがきっかけとなりさらに状態が悪化して仕事を休みがちになったり、外出するのも億劫となってしまい著しく日常生活に影響を与えてしまいます。
適応障害
適応障害は世界保健機構のガイドラインによりますと「ストレス因により引き起こされる情緒面や行動面の症状で、社会的機能が著しく障害されている状態」とされています。五月病の場合、そのストレス因は新生活での環境の変化であったり、長期休暇と仕事との生活の違いであったりします。重症となると抑うつ気分や不安感が強く出て日常生活に支障をきたします。
パーソナリティ障害
パーソナリティ障害は人一倍考え方や行動に偏り・独自性が強く社会生活になじめない場合が多く、それらが重なることで連休明けの生活に支障をきたす場合があります。
・うつ病の鍼灸治療について
・パニック障害の鍼灸治療について
五月病は誰にでもかかる可能性があります。特に4月で環境が変わって新生活が始まった・生活のリズムが変わった・受験や就職が決まり大きな目標を達成した後に燃え尽き症候群のような状態にある方など特に注意が必要です。
五月病にかからないためには連休中の過ごし方が特に重要です。休みだからといって夜遅くまで起きて昼頃目覚めるなど出勤時や登校時とは異なる生活習慣を続けてしまうと連休明けに五月病にかかってしまうリスクが増大します。
出来るだけ平日時と同じ生活リズムで過ごすことがとても重要です。
その他、運動するということも重要です。特に有酸素運動は自律神経のバランスを整えることで精神的にも安定しやすい状態をつくります。時間を決めてメリハリある生活を送ることを心がけましょう。
また、連休中に体や自律神経のメンテナンスとして鍼灸治療を受けていただくこともおすすめです。新生活も始まり心身ともに疲れが見え始める時期ですし、寒暖差も激しい時期で自律神経も乱れがちです。鍼灸治療で心身の疲れを取ってリフレッシュしましょう。
上記のような「心」機能の不具合は、五月病の症状と似ています。今の季節は、東洋医学の観点から見ても五月病のような精神的な不調を発症しやすい季節といえます。ある程度は精神的に不安定になりやすいと覚悟して無理に新生活に適応しようと頑張り過ぎないことも重要です。
焦ることはさらに精神的不安を生み、悪循環を引き起こしかねません。毎朝ウォーキングの時間を設けたり、少しぬるま湯に長めに浸かってみるなどして日々の生活でリラックスする時間を設けましょう。
また当院では、五月病の鍼灸治療も行っております。自り神経測定器で自律神経の状態を把握してその方に合わせた治療を行っております。
五月病かもと悩まれている方はご気軽に当院へご相談ください。
清水大地
資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院
眼精疲労は、目の疲れなどの眼の症状と首肩こりや頭痛など眼以外の症状も出ることが多いです。
頭痛にも様々な原因があり、それによる種類がありますが、眼精疲労で起こる頭痛は筋緊張性の頭痛が大半です。
筋緊張性の頭痛の特徴は、重く締め付けられるような痛みが側頭部から後頭部にかけて起こります。偏頭痛のように鋭い痛みが出て日常生活に著しく支障が出ることは少ないですが、鈍い痛みが長時間続くことが特徴です。
緊張性の頭痛は、主に長時間同じ姿勢をとることによって起こります。
長時間のデスクワークや車の運転によって首は前傾して上肢は前に突き出す姿勢となります。その状態を長時間続けてしまうことにより首や頭周辺の筋肉が緊張してしまい、圧迫されることで痛みとなって現れるのです。
また、近くの物を長時間注視することでも筋緊張性の頭痛は起こります。
近くの物を注視するとどうしても目の周りの筋肉に力が入ってしまい緊張してそれが前頭部の筋肉に波及してしまうことで頭痛症状として現れてしまいます。
眼瞼下垂と頭痛が併発することも多くあります。眼瞼下垂はまぶたを上げる上眼瞼挙筋とミュラー筋の2つのどれかの筋肉に異常が出てしまい頭痛が出てしまいます。
上眼瞼挙筋は脳神経の一つである動眼神経支配となりますので、脳の障害で上眼瞼挙筋がうまく機能しないことで眼瞼下垂となってしまいます。
一方、ミュラー筋は自律神経支配で上眼瞼挙筋の補助的な役割のある筋肉です。このミュラー筋の不具合によって起こる眼瞼下垂が多く、自律神経の乱れで発症します。
眼瞼下垂症でまぶたがあげづらい状態が出ますとそれを補おうとしておでこの筋肉を収縮させて視界を保とうします。
すると前頭部の筋肉が疲労することで筋緊張性の頭痛がでることがあります。
眼精疲労と頭痛の治療では、まずうつ伏せとなり首回りの筋肉・後頭部・側頭部の筋緊張の緩和を行っていきます。
その後上向きとなり目の周りと前頭部の筋肉に鍼やお灸を行って筋緊張の緩和を目的に施術していきます。
頭部や顔面部は体よりも敏感な部分となりますので細めの鍼を使用して刺激の量を調整しながら施術を行っていきます。
その他、腹部や手足のツボも使って自律神経の調整施術も行っていきます。自律神経が乱れている状態ですと筋肉の緊張も取れずらく、全身の血流も悪いことが多いです。
当院では、初診の問診時に必要であれば自律神経測定器で自律神経の状態を把握したうえで施術を行っていきます。
目や頭痛の状態ばかりでなく、睡眠の質や食欲などお身体の気になる部分は治療の参考となりますので問診時にお伝えください。
自律神経測定器
・眼精疲労の鍼灸治療について
・眼瞼下垂の鍼灸治療について
・頭痛の鍼灸治療について
清水大地
資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院
女性は7の倍数・男性は8の倍数で体の変化が現れてくる、そんなことを聞いたことがある人もいるかと思います。
なぜそういわれるようになったのか、それは『黄帝内経』という東洋医学の昔の書物から引用されたものだと考えられます。
黄帝内経の中に女性は7の倍数・男性は8の倍数の年齢の時にからだの変化の節目を迎えると記述されているのです。
女性では
・7才
・14才
・21才
・28才
・35才
・42才
・49才
・56才
・63才
男性では
・8才
・16才
・24才
・32才
・40才
・48才
・56才
・64才
・72才
といった具合です。黄帝内経は2千年前に書かれたすごく昔の書物ですので現代にまるっきり当てはまることもないかと思いますが、倍数の年齢を見てみますとあながち間違いではないと感じます。
東洋医学では、女性として最も身体が充実するのが28歳で男性は32歳だと考えられています。その年齢を境にして女性も男性も体が衰えていくことが多いです。
その年齢からお肌のケアを今まで以上に行っていく必要があるのです。逆をいいますとその年齢を超えて生活習慣が悪く不摂生な生活を送っているとすぐ体の異常となって現れやすくなるのです。
女性では28歳から男性では32歳から特にお肌のケアが重要です。お顔のたるみやシワには美容鍼灸がおススメです。
美容鍼灸の肌への効果は大きく分けて2つあります。
・血行改善
鍼が身体に刺さることで微細な組織破壊が起きます。すると体は鍼を異物と認識して鍼を排除としようと生体反応がおきます。
生体組織に異物が侵入すると異物を排除する作用のあるリンパ球やマクロファージなどを分泌するインターロイキンと呼ばれる蛋白質の一種などのケミカルメディエーターが活性化します。
すると血管透過性が亢進されて毛細血管の血行が促進されることで無菌的炎症反応が起き、結果的にその部分の血流がよくなります。
・鍼刺激によるコラーゲンやエラスチンの産生作用
細い鍼刺激によって破壊された組織はその修復過程でコラーゲンやエラスチンの産生が促進されると言われています。
コラーゲンは美容や関節の痛みなどのサプリメントなどでよく聞かれるかと思いますが、タンパク質の一種で体を構成している全タンパク質の実に30%も占めています。その体内のコラーゲンのうち40%は皮膚に分布しており、肌を構成する大事な栄養素です。コラーゲンが不足すると肌の調子が悪くなりツヤやたるみに繋がってしまいます。
ちなみにサプリメントやコラーゲンの多い食事を食べたとしてもそのコラーゲンが肌のコラーゲンになるかは不明であり、根拠となるデータは不十分とされています。
一方、エラスチンという物質はあまり聞きなれない言葉かもしれませんが、お肌の伸縮性や弾力性を保ち皮膚のハリ感を出すために特に重要なタンパク質の一つです。
エラスチンは弾性繊維が主な構成成分で皮膚や動脈、肺や靱帯にも分布しています。エラスチンは、20代をピークに段々と年を重ねるごとに減少していくと言われています。
お肌のハリやたるみ予防、弾力性を保つのには鍼刺激によるエラスチンの産生も重要となってきます。
清水大地
資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院
近年の健康ブームに伴って普段ランニングをされている方は少なくありません。ランニングは体の健康にはいいことですが、疲労の蓄積により膝へ大きな負担がかかっていることも忘れてはいけません。
当院のランナー膝に対する施術は、第一に膝付近のツボや腫れの出ている部分にはりやお灸の刺激をして炎症を抑える効果を促します。
炎症が治まったら第二段階としまして、血行を良くして筋肉や骨に栄養が行き渡るよう施します。
また必要であれば、はりを刺してそれに電気を流すことにより筋肉を動かして老廃物を排出させることや患部付近を刺激することで痛みを感じる閾値を上げて痛みを感じにくくする作用を促します。
ランナー膝では、腸脛靭帯もしくは大腿筋膜腸筋に筋緊張がみられる場合が多いのでその緊張を緩める目的の施術も施します。
東洋医学の診断方法に基づき全身の調整施術も行っていきます。ランナー膝は、全身性の疲れや気血の滞りが原因の場合もあるので膝だけの部分的な治療ではなく、全身を診て治療していきます。
また、ランナー膝の場合、オーバーユースや走り方に問題がある場合が多いのでそういった生活上の注意点などもご指導させていただきます。
場合によっては、さした鍼に電気を流す鍼通電療法も行っていきます。鍼通電療法では、鍼による鎮痛効果がより増すことが期待できます。
・症例
40代 男性
ランニングが趣味で週末休みになると10キロほどランニングをしていた。
東京マラソンに出るためにランニング量を増やしていたところ5キロを走ったところで膝の痛みが出るようになってしまった。無理して走っていたところ日常生活の歩行時にも痛みが出るようになってしまった。
あと、1か月ほどで東京マラソンがあり、なんとかそれまでに痛みを軽減させて完走したいとのことで当院にご来院されました。
治療
まず痛みが強く出る部分に鍼を刺して電気を流す鍼通電治療で痛みを緩和させていきました。大腿部周囲の筋肉にも過緊張状態が診られましたのでそれらの部分に鍼やお灸の施術、ストレッチなどを加えながら筋肉の柔軟性を出していきました。
とりあえず2週間はランニングは控えていただき治療に専念してもらいました。日常生活での膝の痛みがなくなったので徐々にランニングを再開して距離を少しずつのばしていってもらいました。
東京マラソン前日に鍼灸治療を受けてもらい挑んでいただきました。
結果はメールにて無事痛みなく完走できたとの報告があり、とてもうれしく思います。
東洋医学ではランナー膝は体の外から邪気を受けるため発症するものと中医学でいう「肝」と「腎」が何らかの原因で損傷して働きが弱まって発症するものと考えられています。特に骨を生産させる役割を持つ「腎精」は青壮年期には最も充実して維持され、中年頃から次第に衰え始めます。ランナー膝はオーバーユースや加齢などが原因の場合が多く、「腎精」との関係が深いと考えられます。そういった原因で膝関節付近の気血が滞り、それが痛みや関節可動域制限の原因となると考えられています。
体の外からの邪気として一番ランナー膝が発生しやすいのは、寒く風のあたる場所にいた時などに体に悪さをする「風寒の邪気」を受けた時です。次いで湿度の高い場所にいて「湿邪」を受けた時などです。
またランニングなどで長時間にわたり膝に負担がかかることで気血は滞りやすく、それが膝関節付近であった場合にランナー膝を発症する可能性が高くなります。
ランナー膝とは、ランニングによって生じる膝関節痛の総称で、変形性膝関節症・腸脛靭帯炎・膝蓋軟骨軟化症などが原因となります。
変形性膝関節症とは、膝関節のクッションである軟骨の擦り減りや筋力低下、肥満、加齢などのきっかけで膝関節の機能が低下し、膝関節に炎症がおきたり、関節が変形したりして痛みが生じる疾患です。
高齢者で最も多い骨または関節疾患は、腰背部痛と膝関節症です。近年の高齢者人口の増加に伴い、変形性膝関節症に代表される膝の変性疾患が急増しています。40歳未満では、ケガなどが原因で変形性膝関節症が女性よりも男性に多く発症しますが、40歳以降では体重の重い女性に多く発症します。
腸脛靭帯炎とは、ランニングなどによって膝関節に衝撃が加わって膝の曲げ伸ばしや捻るなどの動作によって、大腿骨外側の隆起に膝の外側の支えや片足でバランスを取る際に重要な役割をもつ腸脛靭帯が擦られて摩擦性の炎症が生じて痛みを発症する疾患です。特に長距離ランナーに好発しますが、ほかにバスケットボール・水泳・自転車などでも腸脛靭帯炎を発症します。
ランナー膝の症状として
膝の痛み
膝の皿周囲の痛みや圧痛があり、特に運動時に痛みがあります。最初はランニングの最中に痛みがあり、やがて症状がひどくなると日常生活でも痛みを感じるようになります。腸脛骨靭帯は明らかに緊張が増して硬くなり腸脛靭帯に沿って痛みが放散します。
膝の腫れ
・ときに痛みと同時に膝周囲に腫れを生じる場合があります。
膝関節の運動制限
・膝が曲がらない・伸ばせないまたは膝に何か引っかかっている感じや歩くと膝が不安定感があります。
ランナー膝の原因として考えられているのは、長時間のランニングによるオーバーユースやウォーミングアップ不足・休養不足・硬い路面での走行・下り坂での走行・靴が合わないなど様々です。
ⅰ)大腿四頭筋の筋力不足
大腿四頭筋の腱は膝蓋骨と連なっており、筋力不足は膝蓋骨の不安定を招いて摩擦による炎症が生じやすくなります。
ⅱ)足の小指側に体重がかかり過ぎる
足の小指側に体重がかかり過ぎると内股気味となり、すねの部分は内側にねじられ、膝蓋骨を内側に引っ張ります。一方、大腿四頭筋は膝蓋骨を外側に引っ張ることで相反する力が生まれ摩擦性の炎症が生じやすくなります。
ⅲ)構造的な異常
膝蓋骨の位置が正常よりも高すぎたり低すぎたりすることや大腿四頭筋やハムストリングが異常に硬い・アキレス腱が硬いなどの原因により摩擦の起きやすい位置に膝蓋骨があり炎症が生じやすくなります。
※大腿四頭筋
大腿四頭筋とは、その名の通り大腿直筋・内側広筋・中間広筋・外側広筋の4つの筋肉から構成されています。膝痛や腰痛などを考える上でとても重要な筋肉です。大腿四頭筋は、腸骨棘や大腿骨から始まり膝蓋骨の上や脛骨につきます。膝蓋骨とは、いわゆる「膝の皿」の部分です。
大腿四頭筋は、筋疲労の影響が出やすい筋肉であり、動かさないと萎縮し硬直しやすい筋肉でもあります。
大腿四頭筋が筋疲労を起こしたり、筋力が低下してくると、「膝の皿」が不安定になってしまい動くことで摩擦を生み、炎症が起きてしまいます。
また高齢者などに多いですが、あまり歩行ができずに大腿四頭筋を使えないでいると、筋肉が委縮し弾力性がなくなってきます。すると、大腿四頭筋は短くなり「膝の皿」が下に押し付けられて可動性を失って痛みを生じやすくなります。膝痛にならないためには大腿四頭筋の筋力をつけること、ストレッチなどで柔軟性を保つことがとても重要となってくるのです。
一度ランナー膝となり、膝に痛みを覚えてしまった場合にその時と同じようにランニングをしていると再発する率は高くなります。ランナー膝にかかってしまった理由が必ずあるわけです。その根本的原因を改善していかなければ解決に至りません。
また、まだランナー膝にかかったことのないランニングを良くされる方でもランナーの2,3割は一度は膝の痛みで悩んだことがあるという統計もあることからランナー膝にかからないように普段から注意してランニングを行うようにしましょう。
ランナー膝の原因として多いのが股関節や足首の硬さからくるものや大腿部や下腿の筋肉の柔軟性の低下が挙げられます。ランニングの際に足関節が過剰に内側に荷重がかかり、大腿部の外側への力が高まり腸脛靭帯への負担が増すことでランナー膝となってしまいます。
ランニング前と後にもしっかり下肢のストレッチ、股関節周りのストレッチを行うようにしましょう。また、筋肉は暖まることで柔軟性が増し、逆に冷えることで固まりやすくなります。ランニング開始前に下肢を冷やさずできるだけ温めた段階でランニングを開始することでランナー膝を防ぐことが出来ます。
その他、ランニングコースやランニングの距離も見直すことも重要です。上り坂や下り坂など傾斜のついたコースでは膝に多くの負担をかけてしまいます。膝を痛めて復帰される時期にはできるだけ平坦なコースを選んで走ることが無難です。
また、ランニングを始めたばかりの方が急にランニング距離を伸ばしたことでランナー膝になってしまうという場合も多く見られます。いきなり走行距離を伸ばすのではなく徐々に距離を伸ばすように心がけましょう。すると、筋力も徐々に増強されることで関節への負担が軽減されてランナー膝になりにくくなります。
今年のゴールデンウイークはなんと10連休です
当院はゴールデンウイーク中も休まず診療しております。
4月27日(土)~5月5日(日)
受付時間 午前10時~午後7時(最終受付午後7時)
五月は新生活も始まり、生活環境の変化などからくるストレスや季節の変わり目で自律神経が乱れがちです。
やる気の低下や倦怠感、日頃のデスクワークからくる肩こり・腰痛・眼精疲労などお身体の疲れが出やすい時期です。
・肩こりの鍼灸治療について
・腰痛の鍼灸治療について
・眼精疲労の鍼灸治療について
・五月病の東洋医学について
大型連休を利用した体のメンテナンスにぜひご活用ください。
①眼と自律神経系の関係
自律神経失調症の症状の一つとして眼の疲れ・眼精疲労があると知られており、目と自律神経系との関係は深いといえます。
自律神経とは、血管・リンパ腺・内臓などに分布しており無意識のうちに循環器系・呼吸器系・消化器系の身体機能を調節して自分の意志とは無関係で環境や状況に適応して生命活動の維持や調節を行い、絶えず活動している神経です。
交感神経・・・・・主に昼間に働く神経で代謝や消化などの生命活動を活発にする働きがある。また精神活動を促進・興奮させたり、心拍数の増加や血圧を上昇させたりする。
副交感神経・・・主に夜に働くリラックス神経。安定した精神状態にあり穏やかな気持ちにする。また呼吸をゆっくりさせ、心拍数の減少や血圧を下降させたりする。
眼の組織と自律神経の作用効果
標的組織 | 交感神経刺激 | 副交感神経刺激 | |
眼球 | 瞳孔散大筋 | 収縮 | ― |
瞳孔括約筋 | ― | 収縮 | |
眼筋 | 毛様体筋 | 弛緩 | 収縮 |
ミュラー筋 | 収縮 | ― |
※自律神経の調整先
自律神経は脳の視床下部で調節されている。視床下部は、脳幹にある心拍数・血圧・呼吸・消化の自律神経中枢の活動も調節・統合している。
ここで注目していただきたいのが毛様体筋とミュラー筋です。
毛様体筋はカメラのレンズの役割をする水晶体に作用してピントを合わせる役割があります。近くの物を見る時は毛様体筋が緊張して水晶体を暑くしてピントを合わせます。遠くを見る時は逆に毛様体筋緩ん水晶体を薄くしてピントを合わせます。
パソコンやスマホが広く普及している現代の日本では、近くの物にピントを合わせることが多いため毛様体筋は常に緊張状態にあり疲労が蓄積されていきます。すると目の疲れに繋がるのです。
人間の目は本来長時間近くの物にピントを合わせるような構造はしていません。遠く物を見て敵から身を守ったり、獲物を見つけ出すために発達してきました。近くの物を多く見るということは、人間本来の構造とは逆行しているということです。
アフリカなどのまだパソコンやスマホなどが普及していない地域の人々の視力がいいのは、こういった人間本来の目の使い方をしているからです。
朝起きて夜眠るという人間本来の習慣からはずれ、夜勤など夜働き昼眠る方の自律神経が乱れやすいように、人間本来の働きと逆行すると自律神経は乱れやすくなります。
次はミュラー筋です。ミュラー筋はまぶたを上にあげる上眼瞼挙筋の働きの補助をします。目の酷使により上眼瞼挙筋が疲労してくるとその分をミュラー筋でカバーしようとします。
すると、どんどんミュラー筋への負担が重くなり、交感神経を刺激します。パソコンを多く使うお仕事をしており、目の疲れが強い方は、交感神経か緊張状態の方が多いです。
そういった方は、上眼瞼挙筋が疲弊してミュラー筋への負担が大きくなっていることがほとんどです。当院では、目の周りを刺激することでこういった目の周りの筋肉の疲労をとるような治療をしております。
眼精疲労とは目を使う仕事をするとき、普通の人では疲れない仕事でも容易に目が疲れて痛くなり物を見ているだけでも目のかすみ、まぶしさ、目の充血、ドライアイといった症状が現れる疾患です。
また目の症状以外にも首や肩の凝り、吐き気、便秘、全身倦怠感など全身症状がみられることも一つの特徴です。このような状態が続いてしまうとうつや不眠といった精神性疾患となることもしばしばみられます。
眼精疲労の原因は大きく分けて4つあります。
ⅰ)調節性眼精疲労
屈折異常や調節異常によっておこる眼精疲労です。とくに遠視、近視、乱視、老眼の場合で、物が適正にみることができないためピントがうまく合わず無理に調節しようとして眼精疲労が発生すると思われます。
ⅱ)筋性眼精疲労
眼筋麻痺・斜位・斜視など眼筋に異常がある場合に起こります。
ⅲ)症候性眼精疲労
角膜炎・結膜炎などによっておこります。最近ではドライアイも眼精疲労の原因として考えられています。緑内障の初期には目のピントを合わせる調節力が低下してくることがあり、眼精疲労の原因になります。
ⅳ)不等像性眼精疲労
両眼の網膜にうつる像の大きさや形が異なることを不等像視といい、これによりおこる眼精疲労をいいます。メガネやコンタクトレンズが合っていないためにおこることが多いです。
ⅴ)神経性眼精疲労
眼には異常はなく、全身衰弱、心身症、神経症などでおこる眼精疲労をいいます。仕事などでストレスが強くなると体に様々な悪影響を与えます。眼精疲労はその一種と考えられます。
目の疲労は、身体全体に影響を与えてしまう可能性があります。それは、筋肉の関係と自律神経の関係が理由に挙げられます。まずは、筋肉の観点から見ていきたいと思います。当院に眼の疾患で来院される方の多くは、肩こりや頸部痛及び自律神経失調症など心療内科系の疾患を同時に抱えて来院されます。
ⅰ)眼周囲の筋肉
眼周囲の筋肉の過緊張は、表情筋である前頭筋→帽状腱膜→後頭筋を通して頸部及び肩部の筋肉(僧帽筋・胸鎖乳突筋・板状筋群・棘筋群)にも影響を与え、肩こり・頸部痛を引き起こします。
表情筋群
筋名 | 起始 | 停止 | 作用 | 支配神経 |
前頭筋 | 帽状腱膜 | 眉部・鼻根の皮膚 | 眉を引き上げ、前頭部に皺を作る | 顔面神経 |
後頭筋 | 上項線 | 帽状腱膜 | 帽子状腱膜を後方に引く | 顔面神経 |
側頭筋 | 側頭窩 | 下顎骨の筋突起 | 口を閉じる・下顎骨を後方に引く | 三叉神経 |
眼輪筋 | 眼窩の内側縁 | 眼窩周囲の皮膚 | 閉眼 | 顔面神経 |
皺眉筋 | 前頭骨の鼻部 | 眉部 | 眉間に皺を作る | 顔面神経 |
上眼瞼挙筋 | 視神経管 | 上眼瞼 | 上眼瞼の挙上 | 動眼神経 |
※眼精疲労が自律神経失調の原因にもなります
眼精疲労の症状が長く続いてしまいますと自律神経失調へ繋がってしまう危険性があります。自律神経失調の症状はひとそれぞれで精神的な落ち込みなど精神的な症状から体の慢性的な痛み・耳鳴り・動悸・胃腸の不調・便秘・生理不順など多種多様です。人によっては複数の症状が出て日常生活の質を著しく低下させてしまいます。
場合によっては仕事ができなくなる・家事が手につかないなど生活のリズムがくるいさらに自律神経の状態を乱しかねません。
近年では仕事で一日中パソコンに向き合い、プライベートでもスマートフォンやパソコンを使い目を酷使する機会が増えています。
この近くのものを見続ける生活は、目の毛様体筋が緊張させて交感神経が長時間働きっぱなしとなります。特に夜は交感神経の活動が抑制されないといけませんが、夜遅くまで目を酷使していると著しく自律神経のバランスを乱します。
それが毎日のように続くと自律神経失調症となってしまうのです。
当院では、目の周囲に直接鍼やお灸を施すことで目の周囲の筋緊張の緩和をしていきます。顔の部分は感覚が鋭く、人間の構造上痛みを感じやすくなっています。
鍼やお灸の刺激量には細心の注意を払って施術していきます。眼精疲労が主な症状であっても首肩こりや自律神経の乱れがある場合が少なくありません。上述したように目と自律神経には深い関わりがあり、自律神経が乱れてしまうと目のピントを合わせる筋肉に影響が出たり、まぶたが開きづらくなってしまいます。
当院では、お腹や背中、手足のツボを用いて自律神経を整える施術を目の施術と並行して行っていきます。
清水大地
資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好医院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院
先日NHKの東洋医学ホントのチカラという番組で頻尿の患者さんに対してツボを刺激してもらったところほとんどの方で改善が見られたということが紹介されていました。
紹介された頻尿対策の記事はコチラです。
https://www.bbm-japan.com/_ct/17208637
当院でも頻尿・過活動膀胱の鍼灸治療を行っております。
過活動膀胱とは蓄尿(尿を溜める)という膀胱機能の障害です。膀胱が過敏になっていて過剰に反応し尿を出そうとするため、尿を溜めて我慢することが難しくなります。
若い方から年配の方まで発症し、年齢とともに多くなってきます。男女共に起こりますが、50代以降は男性にやや多くなってきます。
脳と膀胱(尿道)を結ぶ神経のトラブルで起こる「神経因性」のものと、それ以外の原因で起こる「非神経因性」のものがあります。
・神経因性過活動膀胱(神経のトラブルが原因)
脳卒中や脳梗塞などの脳血管障害、パーキンソン病、認知症、脊髄損傷、頚椎症、脊柱管狭窄症などが原因となります。
・非神経因性過活動性膀胱(神経トラブルとは関係ない原因)
男性の場合、前立腺肥大症などの下部尿路閉塞により排尿のたびに膀胱に負担がかかり続けることにより膀胱の筋肉に異常をきたし、少しの刺激にも過敏に反応するようになり過活動性膀胱が起こることがあります。
また、女性の場合加齢や出産により膀胱、子宮、尿道などを支えている骨盤底筋が脆弱化することで、排尿メカニズムに異常をきたすことがあります。
・それ以外の原因
何らかの原因で膀胱の神経が過敏に働く場合や原因が特定できないものが実際には最も多いといわれています。
原因ははっきりとは解明されていませんが、加齢変化によって膀胱の伸び縮みが悪くなることや、女性ホルモンの不足により膀胱粘膜の過敏性が高まること、ストレスなどの影響により排尿に関わる自律神経が乱れることなどが関連していると考えられています。
・尿意切迫感
急に尿意をもよおして我慢できなくなる。慌ててトイレに駆け込む。いったん尿意が気になり始めると我慢できなくなる。
・頻尿、夜間頻尿
頻繁にトイレに行く。夜中に何度もトイレに行く、一日8回以上、あるいは2時間異常もたない。しかし、トイレに行ってもあまり尿は出ない。
・切迫性尿失禁
間に合わなくて漏れてしまう。漏れる量はほんの少しのことが多い。
症状と過活動膀胱症状スコア(OABSS)、尿検査、残尿測定検査、超音波検査などから診断されます。
治療は主に薬物療法と行動療法が一般的です。主に膀胱平滑筋(排尿筋)の不随意収縮を抑制する抗コリン剤や膀胱の広がりを促進するβ3受容体作動薬を使用します。前立腺肥大症が原因となっている場合はその治療を行います。
行動療法として水分、カフェイン、アルコールの摂取制限やトイレ習慣の変更などの日常生活における指導や、排尿間隔を意図的に伸ばし膀胱容量を増加させる膀胱訓練法で効果が得られる場合もあります。
また、尿道を締める骨盤底筋の強化として骨盤底筋体操の指導が行われる場合もあります。
中医学において泌尿器系のコントロールは五臓六腑の機能失調と関わりがあり、特に「腎」と「膀胱」が大きく関わっています。尿は六腑の「膀胱」に貯蔵され五臓の「腎」によって排泄が調整されています。
ただしこの生理機能は「腎」によって統率されているため膀胱に関係する疾患は原則として「腎」の機能調整を行います。
その他、体全体の機能を調節する「肝」や体液の調整をする「肺」の機能も関係しています。
腎は年齢とともに機能が低下し「腎虚(じんきょ)」と呼ばれる状態に陥りがちです。
腎虚になると頻尿や尿漏れといった泌尿器のトラブルや、冷え、疲れやすさ、腰痛、身体の乾燥感などの症状が現れやすくなります。
また、寒くなるとトイレが近くなるように、中医学では排尿トラブルの根底には水滞、水毒などによる体の冷えがあると捉えられています。その他「血」の滞りで生じる「瘀血(おけつ)」も腎虚に関わることがあります。
当院では自律神経測定器により血管の状態や自律神経のバランスを測定し、お身体の状態をふまえた上で治療へ移ります。
膀胱の収縮や拡張を司る自律神経のバランスを整える治療や東洋医学的観点から、「腎」、「肝」、「肺」をはじめとした内臓機能の調整を行います。
用いるツボは下腹部や腰部、骨盤周囲が多くなりますが、全身の血液循環を促進し自然治癒力を高めたり、体の冷えを除く目的で全身の重要なツボを用いて施術を行っていきます。