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レイノー症候群の鍼灸治療

日曜日, 4月 19th, 2020

 

 

レイノー症候群とは

 

手指の写真

レイノー症候群とは寒冷刺激や精神的ストレスが原因の血管攣縮によっておこる手指などの皮膚色変化を有する総称で、他も手指の痛みやしびれなどの自覚症状を伴います。

原因が明らかなものをレイノー現象、原因不明なものをレイノー病と言います。

一般的には若年層の女性に多く、手指の第2~第5指の指先からMCP関節(丁度指と手の間ぐらいにあるグーにした時の骨が出る部分)ぐらいまでの所が好発部位です。また、足の指や鼻先、耳、顎の先端部分、舌にも発症することがあります。

 

また、成人の約5%~10%の人に発症する言われています。

 

 

レイノー症候群の症状

 

 

レイノー現象はまず最初に血流低下による手指の蒼白化がおこり、指先の疼痛締め付けられる感覚冷感が現れます。

その数分後にはチアノーゼにより紫色に変化し、血管が反応的に拡張するため充血し赤色に帯びてきて、徐々に正常に戻るという過程を繰り返します。これらは数分から数10分続きます。

また重篤になると、強い疼痛を伴う壊疽潰瘍形成も現れることがあります。

 

 

レイノー症候群の原因

 

〇原発性

・自律神経系機能異常

・寒冷刺激

 

〇続発性

・膠原病(全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、シェーグレン症候群、強皮症、多発性筋炎、多発性皮膚筋炎など)

 

・閉塞性の血管疾患(閉塞性動脈硬化症、閉塞性血栓血管炎、血栓塞栓症、胸郭出口症候群)

 

・血液疾患(多血症、クリオグロブリン血症、マクログロブリン血症)

 

・職業病(振動工具病、白蝋病)

 

・その他(甲状腺機能低下症、褐色細胞腫、低血糖、原発性肺高血圧、特発性間質性肺炎、原発性胆汁性肝硬変症)

 

などがあります。

 

 

※膠原病とは・・・

膠原病とは,皮膚や筋肉、関節や骨、血管、内臓の細胞が慢性的な炎症を繰り返す自己免疫疾患で、本来、自分の体の防御機能でもある免疫が異常を起こし、自己の正常な細胞(細胞同士を繋げているコラーゲン)を異物として間違って攻撃をしてしまう病気の事です。

女性にかかる事がほとんどで、代表的なものが関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群があります。

 

 

レイノー症候群の東洋医学的考え

 

レイノー症候群は東洋医学的観点だと「瘀血」が深く関与していると考えられます。瘀血とは血液の流れが滞ってしまい循環が悪くなる状態を言います。油っぽい食事に偏った生活や不規則な生活、ストレス、運動不足、過労によって血の循環や貯蔵を司っている「の機能が低下することが瘀血になる原因となります。

また、瘀血になることで血液の供給量が低下し、同時に気の不足や流れの滞り状態である気虚気滞を引き起こす事になります。

 

 

レイノー症候群の病院で行う西洋医学的治療方法

 

病院ではまず、病歴、職業、生活環境、喫煙歴、服用中の薬剤、発熱、全身倦怠感、関節や皮膚・筋肉の症状の有無といった詳細な問診を行い、膠原病との関わりを鑑別していきます。

次に、皮膚の職長変化や腫瘍形成の有無、患部の皮膚温度や動脈圧の左右差の確認、爪圧迫テストを行っていきます。

治療方法は、血管拡張薬や抗血小板薬といった薬物療法を基本ですが、外科療法も取り入れることもあります。

 

 

レイノー症候群の当院の治療

 

レイノー現象は血流低下によって起こるので、血管運動をコントロールしている自律神経調節治療を行っていきます。

次に患部の血流量を上げるために各中手骨間部や手三里穴曲池合谷といったツボに置鍼を行います。

症状や鍼刺激の慣れに合わせて、少しづつ鍼通電療法に変えていきます

さらに、膠原病を伴う関節痛など他の症状がある場合は全身的な鍼灸治療を併せて行っていきます。

 

 

・冷え性改善の鍼灸治療について

 

 

 

 

ほてり、のぼせ(ホットフラッシュ)の鍼灸治療

木曜日, 4月 16th, 2020

ほてり、のぼせ(ホットフラッシュ)とは

一般的に異常な熱感のことをほてりといい、それが頭や顔に起こった状態をのぼせといいます。

 

※ホットフラッシュとは
更年期障害の代表的な症状で、ほてりやのぼせ、発汗、めまい、動悸などの症状が現れます。
更年期には卵巣機能が低下することで女性ホルモンのエストロゲンが減少し、血管の収縮や拡張、体温調整などをコントロールしている自律神経の働きが乱れることにより起こります。

 

考えられる原因

 

・気温の変化や長時間の入浴などによる体温の上昇
炎天下での作業など長時間の入浴などで血管が拡張したままの状態になると脳の血液循環に異常をきたし一時的なのぼせやほてりが生じます。

 

・精神的な緊張やストレスによる自律神経の乱れ
強い緊張や精神的ストレスにより自律神経のバランスが乱れると、血管の収縮、拡張がコントロールできなくなることでのぼせやほてりの症状が起こります。

 

・女性ホルモンのバランスの乱れ
女性ホルモンのバランスが乱れると、自律神経に影響を与え、血管の拡張や収縮のコントロールが狂うことによってのぼせることがあります。
特に出産後や閉経前後の更年期には女性ホルモンのバランスが乱れやすくなります。

・血行不良によるもの

血行の良い人ほど顔がほてりやすいと思われがちですが、実は冷え性の人の方がほてりやすいのです。手や足の先の冷えは血管が収縮することで起こります。そのため手や足の血管が収縮すると、体の中心や頭部に血液が集中し、のぼせやほてりが起こりやすくなります。

 

・疾患によるもの

・感染症(風邪、インフルエンザなど)

・熱中症

・甲状腺機能亢進症(バセドウ病)

・自律神経失調症

・更年期障害

・高血圧症

などが挙げられます。

その他、遺伝や肥満、塩分の摂りすぎなどからのぼせが引き起こされることがあります。

自律神経失調症の鍼灸治療について
更年期障害の鍼灸治療について
高血圧症の鍼灸治療について

 

症状

頭や顔が異常に熱いと感じます。頭痛やめまいを伴うこともあります。また、頭や顔が熱いと感じる一方で下半身や手先は冷えている場合もあります。

 

西洋医学的治療

のぼせを起こしている疾患が明確な場合にはその治療が間接的にのぼせ症状の緩和に繋がります。しかし、原因不明の場合(体質的、生活習慣的なもの)だと西洋医学的な治療を行うのは難しいです。

更年期障害の場合、治療法として生活習慣の改善、漢方療法、減少したエストロゲンを薬で補充するホルモン補充療法(HRT)、抗うつ薬、非薬物療法(心理療法やカウンセリング)などがあります。

 

 

ほてり、のぼせ(ホットフラッシュ)に対する東洋医学的考え方

中医学ではのぼせやほてり、発汗の症状は気逆(きぎゃく)、瘀血(おけつ)陰虚などにより引き起こされると考えられています。

気逆とは気の流れに異常が生じ、下降しなければならなかった気が逆流し上昇してしまう状態のことを指します。生体を巡るエネルギーである「気」は、もともと上に昇りやすい性質をもっています。生体にストレスが負荷されると全身をくまなく循環する気の量が低下したり(気虚)、循環が鬱滞した状態(気うつ)となり気逆が起こりやすくなってしまうと考えられています。

気逆が起こるとのぼせやほてりの他、頭痛、動悸、焦燥感などの症状を引き起こしやすくなります。

また、気を全身に運ぶ「血」の循環が滞った状態を「瘀血」といいますが、瘀血は気の失調と相まってのぼせや冷え症の原因となると考えられています。
瘀血は精神的ストレスを慢性的に受けたり、身体を冷やしすぎると生じやすいです。

陰虚は身体を適度にクールダウンさせる血や津液が不足した状態です。血と津液が不足すると、相対的に熱性の性質を持つ気が優位となりのぼせが起こりやすくなります。
陰虚によって起こる症状として口喝、目や肌の乾燥、ふらつき、動悸、息切れ、発汗過多などが挙げられます。発汗を伴うホットフラッシュは陰虚によるものが多いです。陰虚の原因としては加齢、発熱を伴う病気、長期にわたる闘病、過労などが代表的です。

 

また、五臓六腑の失調として「」「」「」などが考えられます。

肝火

肝の機能が強いストレスや緊張などの影響で失調すると、肝気の流れが鬱滞して熱を帯びるようになります。肝気は上へ上りやすい性質を持ち、気が逆流することで頭部や顔面にのぼせが起こります。

肝は体の諸機能を調整(疏泄:そせつ)そせつする臓器です。自律神経系や情緒の安定、気血の流れと関係があります。のぼせ、ほてりの他、イライラ、怒りっぽい、不眠、顔面紅潮などの症状が現れることもあります。

心火

人間の意識や思考など、高次の精神活動を司る五臓の「心」が過度の刺激を受けることで亢進し、熱を帯びて心火となり、のぼせやほてりが引き起こされている状態です。落ち着きがない、不安、不眠などの症状を引き起こすことがあります。

心腎不交

五臓の「腎」は単に腎臓のことではなく、内分泌、泌尿生殖器系の働きや自律神経系など幅広い機能を指します。

加齢や過労、ストレスなどにより腎の機能が弱まる(腎陰虚)と、腎水(陰)が不足することで、身体を冷やしたり栄養する能力が弱まり心火(陽)の亢進を抑制できなくなります。(心腎不交)

 

 

 

 

 

ほてり、のぼせ(ホットフラッシュ)に対する当院の治療

当院では血管の収縮や拡張、体温調整、ホルモン分泌などに深く関わる自律神経のバランスを機械で測定しお体の状態を把握したうえで治療へ移ります。

自律神経やホルモンバランスの調整施術と、東洋医学的観点から気血の巡りを整えるツボや五臓六腑の「」「」「」の機能を調整するツボを用います。また、中医学では手足や体の内部の冷えからほてりやのぼせが起こると考えますので、鍼やお灸の刺激により体の冷えた部分を温めて血行を良くしていきます。

さらに、のぼせやほてりのある方は首や肩回りの筋緊張が影響し頭部や顔面の血流が鬱滞している場合が多いため首肩周囲の治療も合わせて行っていきます。

 

ほてり、のぼせ(ホットフラッシュ)の鍼灸治療

脚気に対する鍼灸治療

金曜日, 4月 10th, 2020

脚気とは

 

脚気は偏った栄養状態などによるビタミンB1不足で末梢神経障害や心疾患を起こす病気で、末梢神経障害は乾生脚気、心疾患症状は湿性脚気と2つに分類されます。

 

 

脚気に対する当院の治療

 

 

鍼灸では、脚気によるそれぞれの症状緩和を目的とした治療を行っていきます。

食欲、倦怠感や、動悸、むくみといった症状は自律神経と深い関わりがあるため自律神経調節治療を行っていきます。

それと同時に、動悸には心臓に関わるツボ、食欲不振には胃の働きを調節するツボ、むくみに対しては血管運動の活性化を目的に電気鍼などといったそれぞれの症状に合わせて施術を行っていきます。

また、脚気八処の穴という脚気に効果がある八つのツボに鍼やお灸で刺激をしていきます。

黄体機能不全の下肢への冷え治療

 

 

 

 

脚気の原因

 

 

脚気はアルコールの依存症や妊娠中、栄養の偏った食生活を続けている事で、ビタミンB1不足になり発症する病気です。

 

 

 

脚気の症状

 

 

初期の段階では、倦怠感や食欲不振、疲れやすいといった症状が現れ、次第に手足の感覚が感じにくかったり力が入りにくい、言葉を発しにくい、意識障害、焼けるような痛み、筋力低下といった神経症状や、動悸や下肢のむくみといった心臓に関わる症状が出現します。

さらに進行すると、心不全を引き起こす事もあります。

 

また、神経に異常が出るため、膝の下を叩くと足が跳ね上がる膝蓋腱反射が起きなくなるのも特徴の1つです。

 

 

 

 

 

 

ビタミンB1の働き

 

 

ビタミンB1は別名チアミンといい、8種類存在するビタミンBの中の1つです。

ビタミンB1は、食べ物から摂取した炭水化物からATP(アドノシン三リン酸)を作り出す役割があります。ATPはエネルギーの放出や貯蔵、代謝や合成に重要な物質になります。

ビタミンB1は白米やパン、砂糖といった糖を分解するのに必要で、そのため不足するといくら糖質を摂取してもエネルギーに変えることができず、乳酸や疲労物質が蓄積し疲れやすくなってしまいます。

 

また、ATPは神経伝達物質でもあります。

我々の神経はニューロンという神経細胞が1つ1つ組み合わさって構成されています。それぞれの間には小さな隙間があり、ニューロンからニューロンにATPが放出され神経の信号が伝達されていきます。しかし、ビタミンB1が不足すると神経伝達物質のATPが作り出せなくなり身体に神経系特有の障害が起きたり、精神も不安定になりやすくなり、イライラや集中力の低下といった症状が現れます。

 

 

 

脚気の病院での現代治療

 

 

脚気はビタミンB1不足になることで起きるため、内服薬の服用か点滴によるビタミンB1の補充を行います。

脚気の発症リスクが高いアルコール依存症の場合は禁酒の指導、アルコール依存以外にも妊娠中や偏った食事をしている場合は意識的にビタミンB1を多く含む食事の指導を行います。

 

 

ビタミンB1を多く含む食材

 

・豚肉

・大豆

・ウナギ

・ナッツ類

・たらこ

 

なお、これらの食材は加熱した方がビタミンB1の摂取量は増えると言われています。

 

 

関節炎の鍼灸治療

木曜日, 4月 9th, 2020

関節炎とは

関節炎とは、関節内に炎症を生じる病気すべての総称です。原因は多岐に渡り、リウマチなどの関節に炎症を生じる病気や外傷関節の変形細菌感染などが挙げられます。

関節炎は全身の様々な関節に起こり得ます。そのため原因や発症部位によって症状は大きく異なり治療法にも違いがあるため正確な診断が必要です。

関節炎の鍼灸治療

 

 

原因

・急性単関節炎

主な原因は、関節内への細菌感染や過度な運動による関節内摩擦などです。
また、痛風や偽痛風など、関節内に結晶を形成する病気でも関節炎を発症することがあります。

・急性多関節炎

多くはウイルス感染が原因です。代表的なウイルスには、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、HIV,風疹、パルボウイルスなどが挙げられます。
また、感染性心内膜炎によって血行性に関節内細菌感染を生じて、二次的な関節炎を生じることがあります。

・慢性単関節炎

加齢による変形性関節症、外傷などによる非炎症性と結核感染などによる感染性に分類されます。

・慢性多関節炎

関節リウマチやエリテマトーゼスなどの自己免疫疾患が主な原因として挙げられますが、痛風や偽痛風などの関節内血漿による関節炎がいくつかの関節に生じて炎症が慢性化することがあります。
また、皮膚疾患である乾癬(かんせん)も関節炎を引き起こすことが知られています。(乾癬性関節炎)。最近では乾癬性関節炎と類似疾患をまとめて脊椎関節炎を総称することも多くなっています。

関節リウマチに対する鍼灸治療について

症状

関越炎では、骨、関節軟骨、関節包、滑膜、靭帯など、関節を構成する素構造の組織にダメージが生じることで様々な症状が引き起こされます。

関節内で骨と骨同士のクッションのような役割をする関節軟骨は、神経や血管、リンパ管が無いため、ダメージに対する修復能力が極めて低く、破壊、変性の変化を生じます。
その血管骨同士の摩擦が増えて痛みを生じたり、関節の可動域が低下したりします。

また、滑膜は関節包の内張りの組織であり、滑らかな関節運動を可能にしています。滑膜は関節内で重要な役割を担いますが、滑膜に炎症が生じると関節液が増加する症状が現れます。
炎症が慢性化すると滑膜自体が肥厚し、関節の動きが悪くなることもあります。
関節液が過度に溜まることで関節包や靱帯が引き伸ばされて関節が緩くなったり、関節包や靱帯に炎症が及んで組織が脆弱化したり、組織同士が癒着を生じると関節が硬くなって関節運動に制限が生じることがあります。

また、感染症疾患や自己免疫疾患などが原因の場合には発熱倦怠感などの全身症状が現れることが特徴です。

 

西洋医学的治療

関節炎の検査では関節の状態を確認する検査と、関節炎の原因を調べる検査が行われます。

関節の腫れや圧痛、関節液貯留の有無などを調べる身体診察、レントゲン、CT、MRI、超音波などの画像検査が行われます。

原因を調べる検査として、炎症状態や自己抗体の有無などを確認するために血液検査が行われ、関節液が貯留している場合には穿刺しえ関節液の性状を調べる検査が行われます。

治療として感染性によるものでは、原因菌に適した抗菌薬の投与や手術による関節内部の洗浄が行われます。
また、痛風や偽痛風などの関節内結晶が原因の場合には、原因疾患に対する治療を第一に行います。
関節の痛みの強い場合には鎮痛薬の内服などの対処療法が行われます。

また、軟骨の破壊が著しい変形性関節症では、関節内にヒアルロン酸注射などが行われます。対処療法によっても症状が改善せず、歩行障害など日常生活に支障をきたしてるようなケースでは、人工関節置換術のための手術が行われることもあります。

東洋医学的考え方

東洋医学では、筋肉や関節に痛みやしびれを起こす病証のことを「痺証」といいます。

「痺」には「つまって通じない」という意味があります。痺証は生体の弱りに乗じて、風邪寒邪湿邪などの外邪(人体に影響を及ぼす気候的変化)が体内に侵入し、四肢の経絡の「気」や「血」の流れが滞るとそれが痛みとなって現れると考えられています。痺証は主に四つのタイプに分類されます。

・行痺(風痺)

行痺は主に風邪が原因の場合にみられる痺証です。痛みの部位が一定ではなく移動するのが特徴です。また、寒さを感じる風にあたると症状が悪化しやすいです。

・痛痺(寒痺)

痛痺は主に寒邪が原因の場合にみられる痺証です。寒邪は気血を凝滞させやすいため、固定性の激しい痛みが生じます。痛痺は冷えにより症状が悪化し、逆に温めることで症状が緩和するという特徴があります。

・着痺(湿痺)

湿邪が原因の場合にみられる痺証で、常に同じ部位が痛む固定性疼痛が特徴です。また、関節の重だるさやしびれ、雨天の場合に症状が増悪しやすいです。

・熱痺

熱邪が経絡を阻害するタイプですが、もともとは風、寒、湿邪が長時間鬱滞した結果、化熱して生じる場合も少なくありません。関節部の発赤、腫脹、疼痛、灼熱感などの症状が見られ、冷やすことで症状が軽減するといった傾向がみられます。

また、東洋医学では、五臓六腑の「肝」は気血の巡りをコントロールしたり、筋肉の正常な運動に大きく関わっています。

 

当院の鍼灸治療

当院では、患部の関節に関連した筋肉の重要なツボに鍼やお灸で刺激を与え、筋肉の緊張を緩め、血液循環を促進して炎症物質や疲労物質の代謝を促します。
また、痛みが強い場合は鍼に微弱な電気を流すことで痛みの閾値を上げ鎮痛作用を促します。

東洋医学的観点から、肝をはじめとした内臓機能気血を補うツボ、患部に関わる経絡の流れを整えるツボも取り入れていきます。さらに、自律神経系の調整施術を行うことで内臓機能や免疫機能を高め、症状が治癒しやすいお身体の状態を整えていきます。

関節炎は疾患によっては完治が難しい場合もありますが、鍼灸治療によって症状を緩和させる効果が期待できます。

関節炎の鍼灸治療

前立腺肥大症に伴う排尿障害の鍼灸治療

金曜日, 4月 3rd, 2020

 

 

 

前立腺肥大症の東洋医学的な考え

 

前立腺肥大症の症状は、東洋医学では「尿精」「白淫」と言い、アルコールの過剰摂取が原因で脾胃の運化が失調し、湿熱が体内に生じ気熱の流れが悪くなる事で起こると考えられています。

 

 

前立腺肥大症による当院の治療

 

前立腺の筋肉は自律神経がコントロールしており、交感神経が過剰に亢進することによって前立腺の筋肉が収縮し膀胱を圧迫し頻尿がおきます。自律神経の乱れは前立腺肥大症に大きく関わりがあるため、まずは自律神経測定器で自律神経の状態を確認します。

 

施術内容は、頻尿やは排尿困難などの改善を目的とし、膀胱や腎に関わるツボに鍼やお灸で気血の流れを高める治療を行います。

また体質改善としまして、自律神経や男性ホルモンを調節する治療を行っていきます。

 

 

 

 

 

前立腺肥大症とは

 

前立腺肥大症は、男性の膀胱に隣接している前立腺が何らかの原因で肥大してしまい、膀胱の圧迫や尿道の一部狭小化によって排尿障害が起きる病気です。

 

前立腺の働き

 

前立腺は、男性だけにある臓器で、膀胱の下に位置し尿道を取り囲むようにあります。

前立腺の働きはまだよく分かっていないことが多いですが、前立腺液を分泌し精子を保護したり精子に栄養を与え活動を助ける役割があります。

 

 

前立腺肥大症の原因

 

前立腺肥大症の原因はまだはっきり解明されていません。

しかし、前立腺は男性ホルモンのアンドロゲンによって維持されているため、加齢による男性ホルモンの変化が原因と推測されています。

また、高血圧、高血糖、肥満、脂質異常、メタボリックシンドローム、遺伝的要因が発症の誘因ではないかといわれています。

 

前立腺肥大症の症状

 

・排尿困難

・頻尿

・尿意切迫感

・残尿感

・尿失禁

 

 

また、前立腺肥大症には合併症があり、代表的なものに尿閉があります。尿閉とは尿路が完全に塞がってしまい排尿が全くできなくなってしまう状態です。尿閉があると腹部が苦しくなり食事が困難になります。

それ以外にも、前立腺が肥大化する事によって出血し血尿を生じたり、尿路感染、膀胱結石、腎機能障害などの危険性もあります。

 

 

 

 

前立腺肥大症と思ったら・・・

 

上記のような症状が出現したらまずは病院での診察が必要にります。

前立腺肥大症の他に、前立腺癌の恐れがあるからです。前立腺癌は前立腺肥大症と違い悪性腫瘍のため進行すると他の臓器に転移する恐れがあります。

 

前立腺肥大症と前立腺癌は症状では見分けをつけることはできないため、病院での検査を必ず行ってください。

 

 

 

急性・慢性腸炎の鍼灸治療

木曜日, 3月 26th, 2020

腸炎とは

腸の中には食べ物や細菌などが存在し、それに対して人の体は色々な細胞や抗体を作り、異物や細菌から体を守ろうとする働きを持っています。

このような働きのバランスが崩れ、腸の一部、または全体に炎症、出血、壊死などが起こることを腸炎と言います。腸炎には経過が急性のものと慢性のものがあります。また、腸炎には様々な原因がありますが、感染性腸炎と非感染性腸炎に分けられます。

・急性腸炎

<感染性腸炎>

ノロウイルスやロタウイルス、アデノウイルス、ブドウ球菌、カンピロバクター、サルモネラ菌、腸炎ビブリオ、O-157大腸菌などのウイルスや細菌感染、カビなど。

<非感染性腸炎>

貝類、キノコ類、山菜などの毒素、抗菌剤や抗がん剤などの薬剤の影響、アレルギー、虚血、冷えなどの物理的要因、過食やアルコールなどによっても引き起こされることがあります。

胆嚢炎・腸炎

 

 

急性腸炎の症状

・下痢
・腹痛
・吐き気
・嘔吐
・食用不振
・発熱
・血便

など

 

 

急性腸炎の西洋医学的治療

問診と、検査として糞便、腸液、生検組織の培養などが用いられます。症状が強い場合や特異的な症状の場合、CT検査や大腸カメラなどを行うことがあります。

治療として、一般的には自然に治癒するため対処療法が中心に行われます。下痢をきたす場合は整腸剤、脱水症状がある場合は輸液、重症の場合は入院加療など状態に応じて治療が行われます。

細菌性腸炎の場合には抗生物質を使うことがありますが、ウイルス性には抗生物質が効かないので対処療法のみが治療法になります。

・慢性腸炎とは

慢性腸炎は、急性腸炎と似ていますが、何らかの原因で腸粘膜の炎症が慢性化したものです。原因不明のものが多いですが細菌やウイルス感染、自己免疫、アルコールの常用、日頃の食生活の暴飲暴食、食物アレルギー、ストレスなどが考えられています。慢性腸炎は急性腸炎から移行するものと、初めから慢性型になるものとがあります。

 

慢性腸炎の症状

比較的長期にわたって腹痛、血便、下痢などの便通異常が続ます。腹痛は差し込むような強い痛み、臍周辺に鈍痛が出ることがあります。

他にも腹部の不快感、ガスが溜まってお腹が張る、下腹部の痛み、食欲不振、倦怠感などの症状が出ることがあります。その他、腸の炎症がある疾患として潰瘍性大腸炎やクローン病があります。

 

慢性腸炎の西洋医学的治療

慢性腸炎の治療は原因によって治療法が異なるため医師による診断が必要です。治療は対処療法が基本です。

感染症では、抗生物質などの薬剤を使うことがあります。感染症以外のときは副腎皮質ステロイド薬を使うこともあります。

 

 

東洋医学的考え方

下痢のことを中医学ではその原因を「寒・熱」「虚・実」に分けるのが一般的です。熱証であれば感染性の下痢である場合が多くこれを「痢疾(りしつ)」といいます。

痢疾は実証の傾向に属します。一方で寒証、つまり冷えが原因である場合は腹痛を伴うことが多く、虚証であれば食欲不振になり、体力の消耗を伴います。このような状態を「泄瀉(せっしゃ)」と呼びます。

・泄瀉
「泄」は大便が稀薄で出たり止まったりする症状を指し、「瀉」とは水溶性の下痢のことをいいます。
・痢疾
腹痛、裏急後重、排便回数が少なく粘液便あるいは膿血を含む便を排出することを主症とする状態。

胃腸の機能は五臓六腑の脾・胃・小腸・大腸

また、ストレスの感受性はと深く関わっています。

脾には清を吸収して気血を生成し、全身に輸送していきます(運化)。胃の降濁作用に対して、脾は精を肺へ持ち上げあげ(昇清)、運化します。

胃には飲食物を受け入れ(受納)消化し(腐熟)、食べ物を人体に有用な形(精:せい)に変化させ、その清を脾に渡した後、残りのかす(濁)を下の小腸、や大腸に降ろします(降濁)。脾と胃が協調して消化活動全体を司っています。

また、小腸は胃が消化した飲食物を受け取り、時間をかけて消化吸収して栄養分の元とします(受盛化物)。そして水分を吸収し、取り込んだ栄養と残った不要物(濁)を分け大腸へ送ります(秘別清濁)。大腸は小腸が栄養分を吸収した後の、不要物を受け取り、余った水分を更に吸収して便に変え排泄されます(伝導作用)。小腸や大腸の機能が低下すると便秘、下痢などの症状が現れます。

肝は体の諸機能を調整(疏泄:そせつ)します。自律神経系や情緒の安定、気血の流れと深い関係があります。脾胃の消化吸収機能も、肝が調節しています。

当院の鍼灸治療

 

当院では、まず胃腸の働きに大きく関与する自律神経のバランスを機械で測定し、お体の状態を把握したうえで治療へ移ります。

自律神経系の調整施術を行い全身的な血液の循環を促進し、免疫力を高め症状が治癒しやすいお体の状態へと整えます。

また、東洋医学的観点からお腹や背中、下肢などにある脾胃、小腸、大腸、肝をはじめとした内臓機能の働きを調整するツボに鍼やお灸で刺激を与え、消化器系の機能を整える治療を行います。

胆嚢炎・腸炎の鍼灸治療

 

ブシャール結節の鍼灸治療

木曜日, 3月 5th, 2020

ブシャール結節とは

ブシャール結節とは変形性指関節症の一種で指の第二関節(PIP関節)の軟骨が摩擦することで関節の変形、腫れ、痛みや動きの制限が生じる病気で、40代以上の女性に多く見られます。へバーデン結節(指の第一関節の変形性指関節症)と合併することもあります。

 

結節とは

関節内で骨と骨との摩擦により生じた骨の変形部分に骨組織が異常増殖する結果、その部位の骨が腫大したものです。

 

手指の写真

症状

指の第二関節の痛みや腫れ、こわばり、変形、水膨れ(ミューカシスト)などの症状を伴い、変形が進行すると、関節を動かすことが難しくなります。

また、雑巾が強く絞れなかったり、ペンや箸をうまく使えないなど、日常生活に支障をきたすような症状が現れることもあります。

 

 

原因

 

原因ははっきりと解明されていませんが、加齢による軟骨組織の減少と、過度な手指運動が発症に関与していると考えられています。

女性ホルモンとの関連も指摘されており、腱や滑膜(関越を包む膜)の腫れをとる抗浮腫作用のあるエストロゲンが減少することで、関節に炎症が起こりやすくなるとも考えられています。

エストロゲンの急激な減少は更年期や妊娠時、授乳期に起こりやすいといわれています。また、家族歴、肥満、手の外傷の既往、前腕の筋力が強い(関節負荷がかかりやすい)、関節の弛緩などが変形性手関節症のリスク因子として挙げられます。

 

 

西洋医学的治療

問診、視診、触診、画像検査などを行います。診断をするうえで最も重要な検査はレントゲン検査で骨と関節の状態(軟骨の擦り減りや骨棘の有無、関節裂隙の狭小化など)を確認します。また、関節リウマチや感染症などと鑑別するために、血液検査で炎症反応やリウマトイド因子などを調べることもあります。

治療は保存療法として患部の安静と消炎鎮痛剤の外用や内服、レーザー照射、温熱療法、テーピングや装具による固定、関節内へステロイド注射などがあります。

保存療法で症状が改善しない場合や関節の変形が強く日常生活に支障をきたす場合などには指を曲げる機能を担う「腱」を部分的に切除したり、指の第二関節を固定したり、人工関節に置き換える手術を行う場合があります。

東洋医学的考え方

中医学では筋、関節などの疼痛、腫脹、しびれなどを主症状とする病証を「痺証(ひしょう)」と呼びます。痺証の「痺」は通じない、塞がるという意味を持っており、体の気血の流れ(神経、血液の流れ)が生体の弱りに乗じて風邪、寒邪、湿邪、熱邪などの身体の外部からの因子によって妨げられて起こると考えられています。

痺証の代表的な種類

・痛痺(寒痺)
寒邪が強い痺証で温めると良くなり、冷やすと悪化します。熱感や赤みが無く痛みが強い特徴があります。

・行痺(風痺)
風邪が一番強い痺証で風邪の性質である遊走性があり、痛いところが変わる遊走痛、冷風に当たると悪化する特徴があります。

・着痺(湿痺)
湿邪が強い痺証で、局所の腫脹、重だるさ、固定痛、雨天での痛みの増加、飲酒での悪化などが特徴です。

・熱痺

関節や筋肉が赤く腫れ熱感を持ちます。発熱、口喝、患部を冷やすと気持ちが良いなどの特徴的な症状が見られます。熱がこもっているため熱を消そうと体が冷たい物を欲します。全般的に熱をイメージする症状が多いことからこの名前が付けられています。リウマチなどの膠原病の活動期によく現れる病証です。

また、痺証は血虚、瘀血(おけつ)腎虚を伴うことが多く、血虚や瘀血は気虚から伸展して現れると考えられています。

東洋医学では「肝は筋を主り、腎は骨を主る」との言葉があります。そのため肝や腎の働きが弱れば筋や骨にトラブルが起こりやすくなるのです。また、腎と肝は支え合う関係にあり、どちらかが弱ればもう片方も弱りやすくなってしまいます。

 

 

 

 

 

 

当院のブシャール結節に対する鍼灸治療

 

内臓機能や免疫機能、血液循環などを司る自律神経の調整やホルモンバランスの調整施術を行い、症状が治癒しやすいお身体の状態へ整えます。また、ブシャール結節の方は首肩周り、胸部、前腕の筋肉が緊張しやすいため、まずその部分の筋緊張を和らげ、手指の血液の循環を促進します。

東洋医学的観点から患部に関係する経絡の流れを整えるツボ、腎や肝の機能を高めるツボ、気血を補うツボも取り入れていきます。

患部である指先は感覚が鋭敏で痛みを感じやすいため、基本的にはお灸でアプローチしていきます。鍼を用いる場合は美容鍼など痛みを感じにくい非常に細い鍼を使用していきます。

全身的なバランスを整え、患部やその周囲の血流を良くすることで痛みや腫れを緩和する効果や関節可動域制限の改善、変形の進行を抑える効果が期待できます。

 

 

へバーデン結節の鍼灸治療

土曜日, 2月 29th, 2020

へバーデン結節とは

へバーデン結節とは指の第一関節(DIP関節)が変形し曲がってしまう疾患で、変形性関症の一種です。第一関節の背側の中央の伸筋腱付着部を挟むように2つのコブ(結節)が出来るのが特徴です。

すべての人が強い変形になるとは限らず色々な程度の変形があります。発症は30歳を過ぎたころから多くなり、年齢とともに増加します。痛みや変形の強い方は女性に多いです。

 

症状

第一関節の腫れ、変形、関節の曲がりにくさなどの症状が現れます。ズキズキとした痛みを伴うことが多く、痛みは安静時の痛み、夜寝ているときの痛み、物をつまむ動作の痛みなどがあります。

また、関節に水が溜まるとその付近に水膨れのようなものができることがあり、ミューカシストと呼ばれています。潰れたり化膿することもあり注意が必要です。

 

原因

へバーデン結節の直接の原因は不明です。しかし、病気の性質から変形性関節症の一種であると考えられているため、加齢や使い過ぎが原因となっていると考えられています。また、最近では女性ホルモンとの関連が指摘されています。

指の第一関節には他の関節同様軟骨が存在し骨を守っていますが、年齢とともに軟骨が擦り減り骨と骨との隙間が狭くなり、骨同士が擦れあうことで骨の新たな隆起が生じ、結節ができます。また、骨の変形と共に炎症が生じ痛みが生じます。

へバーデン結節のリスク因子として年齢(特に40歳以降)、家族歴、肥満、痛風、関節への負担などが挙げられます。

 

※女性ホルモンの働き
女性ホルモンの一つであるエストロゲンは、骨、関節、靭帯、皮膚、血管などに作用し全身を守る役割を果たしています。
エストロゲンの分泌が減少すると手指の関節や関節を包む膜、腱、腱を包む腱鞘などがダメージを受けやすくなり、しびれやこわばり、炎症による腫れや痛みの原因になるといわれています。そのため更年期以降や女性ホルモンのバランスが崩れる妊娠中、産後などは関節などのトラブルが起こりやすいといわれています。

西洋医学的治療

外見上の第一関節の結節性隆起やゆがみ、痛み症状でも診断できますが、レントゲン検査が診断にとって有効です。

関節間隙が狭小化していることで診断します。一般的な治療として保存療法としては、安静(固定も含む)や消炎鎮痛薬、局所のテーピングなどがあります。急性期では、少量の関節内ステロイド注射も有効です。

保存療法で痛みが改善しない場合や、変形がひどくなり日常生活に支障をきたす場合は手術療法が選択されます。手術法には結節を切除するものや関節を固定する方法が行われます。

 

東洋医学的考え方

中医学では筋、関節などの疼痛、腫脹、しびれなどを主症状とする病証を「痺証(ひしょう)」と呼びます。

痺証は四肢経絡が風邪、寒邪、湿邪、熱邪などの身体の外部からの因子に気血の運行が妨げられて起こると考えられています。

痺証の代表的な種類

・痛痺(寒痺)
寒邪が強い痺証で温めると良くなり、冷やすと悪化する。熱感や赤みが無く痛みが強い特徴があります。

・行痺(風痺)
風邪が一番強い痺証で風邪の性質である遊走性があり、痛いところが変わる遊走痛、冷風に当たると悪化する特徴があります。

・着痺(湿痺)
湿邪が強い痺証で、局所の腫脹、重だるさ、固定痛、雨天での痛みの増加、飲酒での悪化などが特徴です。

・熱痺

関節や筋肉が赤く腫れ熱感を持ちます。発熱、口喝、患部を冷やすと気持ちが良いなどの特徴的な症状が見られます。熱がこもっているため熱を消そうと体が冷たい物を欲します。全般的に熱をイメージする症状が多いことからこの名前が付けられています。リウマチなどの膠原病の活動期によく現れる病証です。

また、痺証は血虚、瘀血(おけつ)腎虚を伴うことが多く、血虚や瘀血は気虚から進展して現れると考えられています。

東洋医学では「肝は筋を主り、腎は骨を主る」との言葉があります。そのため五臓六腑の肝や腎の働きが弱れば筋や骨にトラブルが起こりやすくなるのです。また、腎と肝は支え合う関係にあり、どちらかが弱ればもう片方も弱りやすくなってしまいます。

 

当院の鍼灸治療

内臓機能や免疫機能、血液循環などを司る自律神経の調整やホルモンバランスの調整を行い症状が治癒しやすいお身体の状態へ整える施術や、へバーデン結節の方は首肩周り、胸部、前腕の筋肉が緊張しやすいため、まずその部分の筋緊張を和らげ、手指の血液の循環を促進します。

また、東洋医学的観点から患部に関係する経絡の流れを整えるツボや腎や肝の機能、気血を補うツボも取り入れていきます。

患部である指は感覚が鋭敏で痛みを感じやすいため、基本的にはお灸でアプローチしていきます。鍼を用いる場合は美容鍼など痛みを感じにくい非常に細い鍼を使用していきます。

全身的なバランスを整え、患部やその周囲の血流を良くすることで痛みや腫れ、しびれを緩和する効果や関節可動域制限の改善、変形の進行を抑える効果が期待できます。

胃痙攣の鍼灸治療

火曜日, 2月 4th, 2020

胃痙攣とは

胃痙攣とは上腹部に起こる発作性の痛みの総称で、胃の壁にある筋肉層が異常に緊張して痛みを発する状態がけいれんを起こしているかのように感じるためそう呼ばれています。

胃痙攣は腹痛や頭痛などと一緒で症状に対する呼び名で病名ではありません。

 

 

胃痙攣の原因

胃炎や胃潰瘍、胃がん、十二指腸潰瘍、胆石症、膵炎、虫垂炎、急性胃腸炎、腎結石などの疾患や、食中毒、腹部の冷え、ヒステリー、過食後やアルコールの飲み過ぎた後に起こることがあります。また、強いストレスを感じて緊張しすぎた場合にも起こることがあります。

胃はもともとストレスに敏感な臓器だと考えられています。それは自律神経の働きが胃と連動しやすいことと関係しています。極度のストレスや緊張が長時間続いてしまうと自律神経が乱れることで胃酸が出過ぎたり、逆に胃酸が出なかったりということが起こります。

また、便秘になると胃の動きが停滞し消化機能が働きにくくなります。冷えも胃痛には大敵で、冷え性の人や、腹部周辺が冷えやすい人、冷たい飲食物を好んで摂られる人は胃痙攣を起こしやすいといえます。

胃十二指腸潰瘍の鍼灸治療について
胃酸過多症の鍼灸治療について
慢性胃炎の鍼灸治療について

 

症状

心窩部(しんかぶ)(みぞおち)のあたりを中心に痛みの発作が起こります。発作の時間は数分から長いものでは1~2時間続くこともあります。

痛みによって呼吸困難に陥ったり、冷や汗をかいたりすることもあります。また、腹痛だけでなく吐き気下痢食欲不振などの症状を引き起こす場合もあります。

食欲不振に対する鍼灸治療について

 

西洋医学的治療

 

血液検査や内視鏡検査、尿検査、X線画像検査、超音波検査などを行い胃痙攣が起こる原因を調べ、原因に対する治療を行います。痛みを抑えるための鎮痛薬が処方されます。

 

胃痙攣に対する東洋医学的考え方

中医学では、西洋医学における急性、慢性胃炎や十二指腸潰瘍、胃痙攣、胃下垂などの疾患は胃痛として弁証することが多いです。

飲食から必要な栄養を吸収して、不要なものを下に降ろすという働き(受納・降濁:じゅのう・こうだく)は、肝の協調によって行われています。

慢性的なストレスは肝鬱気滞という情志の鬱滞からくる気の停滞を意味しますが、これが胃の働きを阻害し胃痛を生じます。

 

 

胃痙攣に対する当院の鍼灸治療

当院では自律神経測定器にて自律神経のバランスを測定しお身体の状態を把握した上で治療へ移ります。

内臓機能に大きく関わる自律神経の働きを整え、東洋医学的観点から胃や肝に関わるツボを用います。

腹部への施術は鍼ばかりでなくお灸の施術も行い、胃部等への冷えを解消して働きを正常に戻すように施術を行っていきます。

お灸にも様々な種類がございますが、当院で使用しているお灸施術は決して跡が残らず心地よい温熱刺激で副交感神経の活動を高めることで身体をリラックス状態へと導きます。

胃痙攣に対する鍼灸治療

 

 

日常生活での注意点

胃痙攣の原因は上述されいます通り、様々な原因が挙げられますが最も多いのがストレスによるものや腹部の冷えからくるものです。

それらは日常生活習慣を見直すこといくら改善されることが多いです。

①食事
お肉や脂っこい食べ物を日常的に食べ過ぎている状態や消化に悪いものを多く摂取すると胃内に飲食物が長く停滞することになります。すると体は早く消化しようと胃酸を過剰に分泌することになります。それにより胃の粘膜が傷つくことで胃痙攣となりやすすくなります。

その他、ビールなどの冷えた飲み物やアイスクリームなどの食べ過ぎ、辛い物の食べ過ぎも胃痙攣を引き起こす危険性があります。

胃も筋肉の働きによって活動しているため、寒い季節は手がかじかんでうまく動かせなくなるように胃も冷えると活動が低下してしまいます。

それらの食べ物の過剰摂取は控えて胃の調子が良くないと感じたらよく煮込んだ野菜スープやおかゆなどの消化の良い食べ物を摂取するようにしましょう。

②睡眠
睡眠時間の低下は自律神経の活動を乱すことで胃の活動にも影響を与えます。
また胃の活動を考えると右側を下に向けたほうが良いとされています。

それは胃の構造上の理由で胃は十二指腸へと繋がるのですがその繋がる部分がお腹の右寄りにあるため右側を舌にして寝たほうがよりスムーズに胃の中の飲食物が十二指腸へと流れやすくなるのです。

③体を温める・リラックスできる時間をつくる
ぬるま湯にゆったり20~30分ほど浸かって体の芯までしっかりと温まるように心がけましょう。体が冷えてしまうと胃の活動にも影響が出ます。冬は肌着の上からホッカイロを張ったり夏は冷房の冷えから身体を守る腹巻を巻くことも有効です。

リラックスできる時間をつくるのは、実践するとなかなか難しく感じることもあるかもしれませんが、趣味や読書、軽いウォーキングなどの運動でリラックスできる時間が増えると胃の活動にもいい影響が出てきます。

 

男性更年期障害(LOH症候群)の鍼灸治療

木曜日, 12月 26th, 2019

男性更年期障害(LOH症候群)とは

更年期障害と聞くと、女性で閉経後の前後にホルモンバランスが崩れ様々な不調があらわれるものというイメージを持たれる方が多いと思いますが、実は女性だけでなく男性にも起こることがあります。

この男性更年期障害は日本でも十数年前から知られるようになりました。医学上はLOH症候群(加齢男性性腺機能低下症候群)と呼ばれています。

 

 

男性更年期障害の原因

 

男性更年期障害は加齢に伴う男性ホルモン(テストステロン)の低下によって引き起こされます。

男性と女性の大きな違いは女性の場合は閉経前後10年間に起きることが多いのに対して男性は環境による影響が大きく、ホルモンの減少する時期や期間、程度においてかなり個人差があることです。

発症するのは概ね40歳以降が多いですが、中には30代の方もあり、逆に60歳~70歳になって初めて発症する方もいます。一般的にテストステロンの量は10代前半から急激に増え始め、20歳頃をピークに年齢とともになだらかなカーブを描いて減少していきます。

しかし、何らかの原因でテストステロンが急激に減少してしまうと、体はバランスを崩し様々な不調を引き起こすのです。テストステロンを減少させる要因はいくつかありますが、その代表的なものがストレスといわれています。

テストステロンは大脳の視床下部からの指令によって主に精巣で作られますが、心理的ストレスを長く受け続け、交感神経が優位の状態が続くと大脳から「テストステロンをつくるな」という指令が出されてしまうのです。

男性の50~60代に患者数が多いのは加齢によるテストステロンの減少に加えて、職場でも家庭でもストレスの多い時期だからと考えられています。

 

症状

男性ホルモンは全身に作用し、筋肉や骨を強くする、性機能を正常に保つ、判断力や理解力などの認知能力を高める役割などがあり、低下すると様々な症状が現れます。

症状は身体症状と精神症状に分けられます。

身体症状は、朝立ちの消失や勃起不全(ED)といった男性機能の低下がまず挙げられます。

その他にものぼせ、多汗、全身倦怠感、筋肉や関節の痛み、筋力や骨密度の低下、頭痛、めまい、耳鳴り、頻尿など、

精神症状としては、不眠、イライラ、性欲減退、集中力や記憶力の低下などとともにうつ症状が出る場合もあります。

さらに、男性更年期障害になるとメタボリックシンドローム、心筋梗塞、脳梗塞やがんなどの生活習慣病のリスクが高まることもわかってきました。このことからテストステロンというホルモンが男性にとっていかに幅広く大きな役割を担っているかがわかります。

頭痛の鍼灸治療について
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西洋医学的治療

診断は問診と血液検査によって行われます。問診では、心身にどのような症状が出ているか、性機能の低下が無いかなどを確認します。血液検査では男性ホルモンが十分に分泌されているかどうかを調べます。血液中のフリーテストステロンの値が8.5pg/mL未満で、心と体の症状が強い場合男性更年期障害と診断されます。

男性ホルモンの値がそれほど低くない場合や、症状が軽い場合は、漢方薬や症状の応じた薬を使って治療していきます。うつ症状や不安症状など、精神症状がある場合には抗うつ薬、抗不安薬などを使うことがあります。また、男性ホルモンが低下すると骨が弱くなってくるため、骨粗鬆症薬を使うこともあります。さらに勃起力や性欲が低下するなどの性機能に関わる症状がある場合は、ED治療薬が処方されます。

男性ホルモンの値が著しく低下して、症状が重い場合は、男性ホルモン補充療法を行います。ただし、テストステロンを補充すると、精子を作る機能が抑制されて、男性不妊を起こすおそれがあります。そのため、将来子供を希望する場合にはhcgホルモンでテストステロンの分泌を促します。

 

男性更年期障害の東洋医学的考え方

 

中医学では男性更年期障害は、女性と同様に「腎」機能の低下「腎虚(じんきょ)」が基礎にあると考えます。東洋医学における「腎」とは西洋医学の腎臓の働きである尿の排泄機能だけでなく、生殖、発育機能も持ち合わせています。

加齢、ストレス、食生活の乱れ、運動不足など様々な要因が「腎」の機能を低下させると考えられています。腎虚の症状は頭、耳、下半身に現れやすく、物忘れ、抜け毛や白髪、聴力低下、足腰のだるさ、腰痛、頻尿、生殖機能の衰えなどが挙げられます。

また、中医学では「肝腎同源」といわれている通り五臓六腑の「肝」と「腎」は互いに相互し合う関係であることから、「腎」の機能向上には「肝」の機能を高めることも重要と考えられています。

 

更年期障害に対する当院の治療

 

当院では自律神経測定器で、まず患者様の自律神経のバランスを測定し、お身体の状態を把握した上で治療に移ります。

ホルモン分泌や内臓機能、免疫力に大きく関わる自律神経の調整施術と、東洋医学的観点から五臓六腑の腎、肝の機能を補うツボ、気や血を補うツボを用いて治療を行います。また、更年期障害の方は現れる症状も様々なため、それぞれ症状に合わせたツボも用いて治療していきます。

 

男性更年期障害の鍼灸治療

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