慢性腰痛の鍼灸治療

変形性腰椎症 慢性的な腰痛ならお任せください

腰痛の鍼灸治療はWHO(世界保健機構)に適応疾患として定義されています。

WHOの適応疾患について←

①変形性腰椎症に対する当院の治療

当院の変形性腰椎症に対する治療の目的は、第一に腰部のツボや痛みの強い部位に鍼をさして必要な場合は微電流も流します。電気の刺激が苦手な方はお申し付けください。無理な施術は致しません。
はりやお灸を施すことで血流改善や筋の過緊張を和らげます。また鍼を刺すことにより痛みを感じる閾値を上げて痛みを感じにくくする作用を促します。

変形性腰痛症の鍼灸治療

慢性的な痛みは自律神経特に交感神経を過亢進させている場合が多いので、当院では心地よい刺激を心掛けております。はりやお灸などを使った心地よい刺激は、交感神経の亢進を抑えてリラックス神経である副交感神経優位の状態に持っていきます。

もちろん腰ばかりではなくお体全体を診させていただくことは、東洋医学の基本です。当院では、自律神経測定器を用いてお体の状態を十分に把握した上で施術に入らせて頂いております。そうすることで他にはない治療効果を得られます。

 

変形性腰椎症の鍼通電治療

※腰痛の鍼灸治療の論文

鍼灸治療を受ける方で一番多い疾患が、腰痛症状だと言われています。その中で腰痛に対する鍼灸治療の臨床研究は世界各国で数多く行われてきました。

中国やアメリカはもちろんのことドイツなどヨーロッパでも積極的に行われているようです。

腰痛に対する鍼灸治療では、鍼治療や鍼通電治療を行うことでほとんどの研究でその有意差が示されています。

また近年ドイツで「医師と健康保険計画の連邦政府合同委員会」によって鍼治療の効果を検証する大規模の臨床研究が行われました。慢性腰痛患者1162人に対して鍼治療群と偽鍼治療群、薬物療法・理学療法・運動療法などの西洋医学群をランダム分けて6か月間治療を行った結果が報告されています。

結果は鍼治療群47.5%、偽鍼群44.2%、西洋医学群は27.4%に効果があったというものでした。

ここで注目していただきたいのが従来の西洋医学群ではその効果が不十分であるという結果が出たことです。この結果ドイツでは日本と違って鍼治療で異常保険が適用されているとのことです。

https://ci.nii.ac.jp/naid/10031188653

②変形性腰椎症の東洋医学的考え

東洋医学では腰痛は体の外から邪気を受けるため発症するものと「腎気」が何らかの原因で損傷して発症するものと考えられています。「風寒の邪気」を受けた時や湿度の高い場所にいた時、長い間体力仕事をした時などに腰部の経絡の気血が滞り、流れなくなって痛みを発症します。また「腰は腎の腑」とも呼ばれており、何らかの原因で腎気が損傷を受けると腰部の経絡は温度を保つ作用や栄養を行き渡らせる作用を失い、腰痛を発症します。

変形性腰椎症の腰痛は、比較的経過が長いなど「湿邪」の症候も著名です。「湿邪」による病理反応は、発汗障害・水分代謝障害・循環障害などが関連すると考えられており、中医学でいう肺・脾・腎の機能が深く関係しています。

③変形性腰椎症とは?

変形性腰椎症とは、腰部椎間板の老化によって椎体周囲の骨増殖と変形、椎間の間が狭くなって生じたものであり、そのために神経が圧迫され疼痛や運動制限、姿勢不良をきたす疾患です。

脊柱の機能に最も重要な役割を果たしている椎間板は、上下の椎体を連結することによって脊椎の支持性と運動性を担っており、重荷や衝撃の吸収・緩衝という重要な機能も併せ持っています。よって椎間板は一生を通じて負担がかかる部分です。例えば、椎間板内圧でみると、立位を100%とした場合に上体の屈曲で150%、屈曲位での物の挙上で220%以上にもなります。

変形性腰椎症の最も代表的な症状は慢性腰痛です。起床時に動き出す時や座っていた状態から立ち上がる時など動作の開始時に痛みが強く現れ、動いているうちに軽くなるのが特徴的です。また腰痛があることによって結果的に腰椎の可動域制限が起こります。加齢とともに腰椎の可動域は狭くなるのは当然のことで変形性腰椎症の場合は、さらに痛みが加わることによりさらに可動域が狭くなります。

腰痛以外に症状もみられますが、その多くはどの部分に変性が起こっているかによって異なります。下肢の痺れや痛みなどの神経症状が出た場合は、原因によっては椎間板ヘルニア脊柱管狭窄症なども疑われます。

また腰椎は正常では軽く前方に曲がっていますが、変形により後ろにまがって後弯したり、横に曲がって側弯などが起こります。しかし、人によってそれら変形があっても症状が出ない場合があり、その場合は問題ではありません。
変形性腰椎症は性別には関係がなく、早ければ30歳代から発症して年齢が高くなるにつれて発症しやすくなります。発症率は50歳代でピークとなります。

 

※多く見られる慢性腰痛の種類

・椎間板変性症
加齢や繰り返す外傷などにより、椎骨の髄核が水分が失われて髄核の弾力性が損なわれて、圧力の分散が出来なくなってしまい圧一定の箇所に圧がかかってしまってその部分から神経の痛みの原因となってしまいます。椎間板ヘルニアの慢性化したものも椎間板変性症に含まれます。
・骨粗鬆症
骨粗鬆症で骨がもろくなってしまうことで腰椎の微小な骨折が起こってしまって慢性腰痛につながります。症状が進行してしまうと腰部の圧迫骨折を越してしまい、腰が伸び切らない状態へと脊椎が変形してしまいます。圧迫骨折は、筋力の低下した高齢者に多く見られさらに男性よりも女性に多く見られる症状です。また瘦せ型・喫煙習慣も骨粗鬆症になるリスクをあげるともいわれています。その他がんの転移・膠原病腎疾患などのステロイド使用者にも圧迫骨折を起こしやすいと言われていますので注意が必要です。
・腰椎分離すべり症
分離相は子供のころスポーツとの関連がわかっています。腰椎が分離してすべってずれてしまう事で慢性腰痛を引き起こす危険性があります。

④慢性腰痛を引き起こしやすい生活習慣

慢性腰痛との関連性が認められている生活習慣として喫煙と同じ姿勢を長時間継続するが挙げられます。

喫煙者は、タバコを吸わない人に比べてストレスへの耐性が低いと言われています。痛みに対しても敏感に反応するため、通常痛みをして感じることのない刺激を痛みとして感じてしまうのです。痛みを感じると運動量は減ってしまい、腰部の筋のコリや痛みにつながりやすくなります。

同じ姿勢で長時間継続してしまい腰痛を引き起こしている人の特徴として、デスクワークが主な仕事・タクシー運転手・トラックの運転手・硬すぎるマットレスで寝ている・柔らかすぎるマットレスに寝ているなどが挙げられます。長時間座りっぱなしの人は腰に負担をかけやすいです。

特にデスクワーカーに多い姿勢は、骨盤が後ろに傾いてしまい腰椎が後ろに湾曲していることが多いです。この姿勢は、立っている状態よりも座っている状態の方が、腰部への負担が大きくかかります。さらに座っている状態では股関節にも負担がかかり、股関節は常に曲がった状態であるため、股関節を曲げる筋群は常に筋緊張が起きている状態です。特にインナーマッスルとして知られている腸腰筋が過緊張状態で硬くなることが多くなります。

そして、股関節を伸ばす役割のある臀部の大殿筋など伸筋群は、使われていない状態が長く続くことで筋力低下を引き起こしてしまうのです。その他体の姿勢を保つ役割のある背部の筋肉・脊柱起立筋は常に緊張状態にあるため容易に筋疲労を起こしてしまいます。座った状態を長時間続けてしまうとこれらの弊害が生じてしまうため、座った状態を長時間続けずに1時間に5~10分程は立ち上がり、臀部の筋肉や股関節周囲の筋肉のストレッチを行うようにしましょう

また、睡眠時のマットレスも重要です。硬すぎるマットレスでは荷重面が少なるために特定部分に圧が集中しやすく、身体にかかる圧を分散できないために腰部の筋肉は緊張しやすい状態となっています。逆に柔らかすぎるマットレスでも腰椎の生理的湾曲が崩れてしまうために腰に負担をかけます。脊椎の生理的湾曲が適度に保持できるマットレスを選びましょう。

腰痛は生活習慣が深く影響を与えており、現代では肥満などの身体的特徴が腰痛に影響を与えていないと言われています。一つずつ生活習慣を変えていきことで腰痛予防・再発を防ぎましょう。

⑤腰痛に対する新常識

腰痛とくにぎっくり腰のような激しい痛みに襲われるとできるだけ安静にして腰に負担をかけないように日常生活を過ごした方がいい、コルセットを常に巻いて腰に負担をかけないようにしたほうがいいなどと以前は言われていました。

しかし、腰痛に対する研究が進んで今では少しずつその考えが変わってきています。
まず重要なのは腰痛は腰ばかりに痛みの原因があるとは限らないということです。腰痛で整形外科を受診したことがある方なら経験があるかもしれませんが、レントゲンなどで検査を受けても少し骨が変形しているだけで特に異常が見られないということが意外にも多いです。しかし、身体は腰が痛いという反応を示しています。

最近の研究では、腰痛の原因の多くは腰痛への恐怖感や不安などのストレスから脳が痛みを感じているということがわかってきています。近年、整形外科学会が発表した腰痛治療のガイドラインでも腰痛の関連のある因子として

・日常生活でのストレス
・日常生活での作業姿勢
・運動不足
・喫煙習慣
・痛みに対する不安感

が挙げられています。
ストレスや痛みに対する不安感が痛みを誘発していると考えづらいかもしれませんが、腰痛を改善していくためには痛くても動かせる範囲で積極的に体を動かすことで、ストレスの軽減や痛みに対する不安感や恐怖感を克服することはとても重要なのです。海外の研究では腰痛があっても安静を避けて仕事や日常生活を続けるようにすることでぎっくり腰の再発の低下や保険請求の減額という結果が出ています。
ぎっくり腰の初期などどうしても動くことができない時期もありますが、少し落ち着いたら積極的に動くことで脳に腰痛があっても動けるという意識付けを行わせて不安感や恐怖感を取り除いていくことが重要なのです。

 

慢性腰痛の鍼灸治療症例

 

 

症例1

 

40代 女性

 

腰痛歴は20年。ヘアスタイリストの仕事をしているため、普段から中腰の姿勢が多い。

そのため腰に負担がかかり、常に腰が重だるい。

特に、前屈の姿勢で左腰から臀部にかけて痛みが走る。

 

当院の治療

 

腰から臀部、太ももの裏側にかけてまで筋緊張が強い。

筋肉の緊張を取るために、腰部、臀部、大腿後面に刺鍼をし、腰や臀部の鍼に電極を繋いで電気刺激療法を行った。

また、腰以外にも首肩のコリも少し感じるという事だったので、首肩の硬結にも刺鍼を行った。

 

 

◇1回目◇

少しだけ軽くなったような気がする。

だが、まだ痛みがある。

 

◇2回目◇

終わった直後は軽快するが、またすぐに戻る。

 

◇3回目◇

重だるさが消えてきた。

 

◇4回目◇

前屈時の痛みがさらに軽減。

 

◇5回目◇

痛みがほとんど感じない。

 

 

執筆者

清水大地

眼精疲労専門の鍼灸師

資格
はり師
きゅう師

2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好医院にて多くの臨床経験を積む

2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立

2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院

2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院

2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院


Posted by 中目黒の鍼灸院 東京α鍼灸院|眼精疲労 at 17:10 / 院長コラム コメント&トラックバック(%)

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