平素はひとかたならぬご厚情にあずかり、心から御礼申し上げます。
誠に勝手ながら、当院では下記の期間を夏季休業とさせて頂きます。
8月10日(火)~8月13日(金)
8月14日(土)より通常営業となります。※石島は15日(日)からの出勤
夏季休業中はご不便をお掛け致しますが、何卒ご寛容くださいます様お願い申し上げます。
なお、休業期間中にいただいたお問い合わせにつきましては、休業期間終了後に順次ご返信致します。
当院の黄斑変性症に対する施術は、目周辺のツボにハリやお灸を施して必要とであるならば微電流も流すことにより黄斑組織の細胞の再生を促進します。
乾燥型黄斑変性症の場合、網膜の血流量の減少が原因と考えられるため、目の周囲に積極的施術を致しますが、新生血管のできてしまう滲出型黄斑変性症の場合は新生血管が破裂してしまう可能性があるため、目周囲の施術は積極的には行いません。
その場合、東洋医学特有の全身を診て施術することで症状軽減をはかります。また、視界や視力の障害は、体にとってかなりストレスとなります。
当院では自律神経測定器を用いて自律神経の状態を確認した上で施術致します。多くの場合、交感神経の活動を抑えてリラックス神経である副交感神経の活動を高めていきます。
目の症状はもちろんのこと全体の体調もよくなっていくことが期待できます。
中医学では五臓六腑の肝は目に開竅するといわれており、眼の疾患は肝の機能の障害が深く影響していると考えられています。
肝血が不足してしまうと視覚の異常や運動系の異常などがみられます。
また中医学では肝腎同源といわれており、肝血と腎精は互いに補い合っています。加齢により腎精が減少して肝血にも影響を与えると考えられます。それは黄斑変性症を引き起こす原因にもなります。
よって肝と腎の異常が黄斑変性症の主な原因と東洋医学では考えられています。
60代 女性
視力が徐々に悪くなり、気になっていたので眼科を受診したところ右目の加齢性黄斑変性症と診断された。両眼だけで見ると気づかなかったが右目の片目だけで物を診ると中心が黒く見える中心暗点の症状が出ていた。病院では、特に治療法が無いとのことでどうにかしてこの症状を少しでも改善した、これより症状を悪化させたくないとのことで当院にご来院された。
治療開始前、左目の視力0.6・右目の視力0.3
当院の治療
自律神経の状態と頸部の筋肉の緊張を緩和して目まわりの通電気療法やお灸療法を施していきました。治療開始前の計測では自律神経の状態は交感神経の活動が高く、自律神経の乱れがみられました。治療開始2か月程は週に2回ほどの治療間隔のペースでその後は、週に1回程の治療間隔で施術していきました。
◇1か月後◇
治療開始から1か月程は頸部の筋緊張の緩和・自律神経のバランスの改善などは見られたが、視力と中心暗点の改善は見られなかった
◇2か月後◇
2か月程経ったとき眼科を受診したところ、視力が左目0.7右目0.5に回復。視野の中心も薄くもやがかかっているような感じで以前よりは見えやすくなったとのこと。普段、左目ばかり使っており、左目の疲れが出ていたため左目もしっかりと刺激をしていきました。
◇3か月後◇
依然として目の調子は良い。視力と中心暗点は1か月前の計測と変わらない
◇6か月後◇
治療開始から6カ月ほどになった頃、視力が左目0.7右目0.6に回復。中心暗点も家事などをやる時やパソコン・スマホをみる時などには全然気にならない
◇1年後◇
症状は進行せずに良い状態をキープし続けている。
黄斑変性症とは目の網膜の中心部にある物を見ることにとって重要な黄斑部分に障害が生じて、見ようとするものがゆがんだり、中心部がぼやけてしまい、視界が狭くなる疾患です。
両方の目でみるとあまり気にならないこともあり、片方の目で見たときに初めて症状に気がつくということもあります。症状の悪化とともにゆがみが強くなり、眼底出血などによって視力低下や中心暗点がみられ、失明に至る場合もあります。
症状が徐々に進行していく場合もありますが、新生血管が出血した場合は急激な視力低下を伴う場合もあります。
黄斑変性症の症状は、50歳を過ぎたころから見られて60歳~70歳が最も多い目の疾患です。いままで何も病気がかかったことがなく、視力もよかった人が突然発症したケースが多くみられます。黄斑変性症は男性の発生率が高くて女性の3倍もあると言われています。
また、遺伝的背景もあると考えられています。黄斑変性症では、双子で発症しやすかったり、家族にその既往歴があると疾患にかかりやすいという報告もあります。
しかし、家族に既往歴があるからと言ってすべての人が罹ってしまうというわけではなく、遺伝的要因・老化的要因・環境的要因などが合わさって発症してしまうと考えられています。
最近では黄斑変性症特有の遺伝子の変異が見つかったという研究があり、黄斑変性症にかかりやすい人とかかりにくいひととの遺伝子の違いが明らかになってきました。
●加齢性黄斑変性になりやすい人の特徴
加齢性黄斑変性症の根本となる原因は今だわかっていませんが、高齢になればなるほど発症リスクが高まることから黄斑部の老化現象が一つの原因だと考えられています。日本人の場合、脈絡膜から発生する新生血管という血管が原因で加齢性黄斑黄斑変性症を発症する方が多い事が分かっています。
この新生血管は今まであった血管が詰まっていて流れが悪くなったり、血流そのものの流れが悪くなってそれを補おうとして新生血管ができると考えられています。
その新生血管が隆起して物が歪んで見えたり、新生血管は非常に繊細で破れやすいので新生血管が破れてしまうことで出血してしまい中心暗点や視力低下が起こってしまうのです。
これを踏まえると目に負担のかかる生活をしている人や全体的な血流を阻害するような生活を送ってしまっている人が加齢性黄斑変性症にかかりやすい人と言えます。
具体的には
・喫煙習慣がある人
・長時間のパソコンやスマホ画面を見ている人
・食生活が乱れていて肥満の人
・室外に出ている時間が長い人
このような人が挙げられます。喫煙は血管を収縮させて身体全体の血流を悪化させます。特に目の血管は細く影響を多く受けやすいです。
それにストレスなどの自律神経の乱れなどが加わると加齢性黄斑変性症にかかってしまうリスクは増大します。食生活が乱れ、肥満気味の人も血液がドロドロとなり血管が詰まりやすくなり、血管の細い眼にはすぐに影響が出る可能性があります。
室外に多く出て紫外線を目に受けると目の硝子体や水晶体に活性酸素が出来てしまい血流を阻害する原因にもなります。特に紫外線の強い日はサングラスや紫外線カットのメガネをかけるなどを対策をすると良いです。
加齢性黄斑変性症は日本で視覚障碍者手帳の交付原因疾患の第4位にあたります。高齢となり視力低下や視界の中心が見えない状態ですと、日常生活にも多大な影響を与えてしまいますので思い当たる方は今からでも対策をしていきましょう。
滲出型黄斑変性症に対するiPS細胞の移植手術が行われ、その経過が注目されています。黄斑変性症は、黄斑部に変性が起こり機能しなくなる疾患であるため、患者本人の皮膚細胞からiPS細胞を作製し、網膜の黄斑部に移植します。
もうすでに移植手術は実施されており、被験者の方は退院されています。しかし、移植手術から約1年は経過観察が必要であり、今後の術後経過の情報が待たれるところです。
この移植手術が成功し、視野や視力が回復すると多くの方の助けとなり、様々な難病にも応用されていくことになるでしょう。
患者本人の皮膚細胞から多分化能をもったiPS細胞を作製し、それをRPE細胞に分化させシート状にして網膜の黄斑部に移植します。
アメリカの国立衛生研究所NIHの研究でルテインとゼアキサンチンは加齢黄斑変性症に重要な予防効果がある可能性が示唆されています。
この二つの物質は生体内では合成されないため、サプリメントや野菜・果物から摂取する必要があります。
網膜の黄斑部は、ものを見るのにとても重要な目の部分です。ものを見るためには90%ほどこの黄斑部の機能によるものと言われており視機能の大半を占めています。黄斑部の中央部にはゼアキサンチンが多く存在して黄斑部の周辺にはルテインが多く存在しています。
これらのルテインやゼアキサンチンの黄色の色素であるカロテノイドは、ブルーライトを吸収して網膜黄斑部を守ってくれます。パソコンやスマートフォンの画面から出るブルーライトは、網膜を障害することが報告されており、眼の表面ばかりでなく黄斑部にも影響が出てしまう危険性があるのです。
さらにカロテノイドは抗酸化作用が強く、活性酸素を排除することで黄斑部をしっかりと保護してくれます。
ルテインは、パセリ・ほうれん草・ブロッコリーなどに多く含まれており、ゼアキサンチンは生のパブリカや生のほうれん草に多く含まれています。
それらの食品をなかなか食べる機会が少ない方は、サプリメントでも代用できます。
当院の眼瞼けいれんに対する治療の目的は、第一に目の周辺の経穴に鍼をさして目の周りをお灸で温めることにより目の血行状態をよくします。
また眼瞼けいれんは五臓六腑の肝に深く関係しているので肝に関する経穴を用いて肝血を補うことや肝気の巡りをよくします。
また腹部や背部の重要なツボをはりやお灸で刺激することで、自律神経を調整する治療を施します。
部分的な治療ではなく全身を治療することは東洋医学の特徴でもあります。全身治療を行うことにより人間が本来もっている自然治癒力を高めます。中国では眼瞼けいれんに対する鍼灸治療は有効とされています。
治療間隔の目安は、治療開始時は週に2回もしくは1回程の治療間隔です。症状の程度にもよりますが、治療開始して数回で症状が軽減または消失することもあります。ただし、治療開始して間もなくは症状がまた出てしまう事も多いため最初のうちは気を抜かずに定期的に施術を受けられることをお勧めします。
多くの方は治療を開始して1か月程で治療間隔を延ばしていきます。ただし眼瞼けいれんの原因は、ストレスや薬の副作用、繊維束収縮など多岐にわたるため症状の重症度によっても効果には個人差があります。一番重要なことは治療を続けていく中で原因となるを改善させることですので生活習慣の改善や意思への薬のご相談をお願いする場合もあります。
東洋医学では五臓六腑の「肝は目に開竅する」といわれており、眼の疾患は肝の機能の障害が深く影響していると考えられています。
「肝は肌肉を主る」とも言われており、筋肉との関係もとても深いです。
「肝血」が不足してしまうと視覚の異常や運動系の異常などがみられます。そのほか肝は運動神経系の調節に関係があると考えられています。
眼瞼けいれんは、目の筋肉の異常で目そのものにも影響が出るので、東洋医学では、「肝」がとても深く関係していると言われています。
また、肝は精神情緒の安定、自律神経系を介した機能調節もおこなっており、それらの機能低下は眼瞼けいれん引き起こすひとつの原因となっているかもしれません。
30代 男性
仕事はデスクワークで一日中ほぼパソコンを見ながら仕事をしている。仕事以外の時でもスマホ画面を見る時間が長く、目をとても酷使している。夕方や夜になるとよく目の疲れを感じていたが、朝起きると目の疲れはある程度軽減されていた。ある時、徹夜でパソコン作業をしていたところ、右目の下まぶたがけいれんするようになってしまった。その後睡眠をとったらけいれんはなくなったが、その日から目が疲れてくるとしたまぶたのけいれんが起きるようになってしまった。
日に日にけいれんする頻度や時間が長くなっていってしまったので不安になり、眼科を受診したが特に異常は見られずに目の使い過ぎだと言われた。ビタミン剤を処方されたが、全く改善されなかったため当院にご来院された。
治療
まず自律神経測定を行い、自律神経の状態を検査していきました。結果、自律神経の状態は乱れていたため、自律神経の調整療法と首肩の筋緊張を緩めてから目の周りを施術していきました。
◇1回目◇
1回目の治療後は特に変化なし。身体は軽くなったと感じた。
◇2回目◇
治療をした2日後まではけいれんは起きなかった。
◇3回目◇
けいれんしてもけいれんする時間が段々と短くなってきた
◇4回目◇
けいれんをあまり感じない。たまに軽くけいれんすることもあるがあまり気にならない程度
◇5回目◇
5回目の治療後からほぼけいれんは起きなくなった。
症例2
30代女性
当院にご来院される1年ほど前から左目のまぶたと涙袋のあたりがけいれんするようになった。仕事は主にパソコン作業で初回人となり目を酷使している生活が続いていたが、けいれんの症状が出始めたときは特に仕事が忙しくなったというわけではなかった。症状は一年前と比べると今は段々と悪くなっていると感じている。眼科でも診てもらったが特に原因はわからず、目薬を処方されたが特に改善されなかった。今では、仕事中も目が気になって仕事に集中できないほどとなり、朝目覚めて顔を洗う時からすぐにけいれんが気になるようになってしまい、どうにか改善されないかということで当院にご来院された。
治療
運動習慣も特になく、足はむくんでいて手の先や足先はとても冷えており、全体的に血流が良くなかった。自律神経測定器の結果も交感神経の活動が過亢進状態で自律神経の乱れがみられた。まずは、心地よい温度でのお灸施術などで自律神経の乱れを調整したうえで頸肩の筋緊張の緩和と目の周りにはり灸施術を施して改善をはかりました。
◇1回目◇
1回目の治療後から治療効果を感じた。今までまぶたの揺れ幅が仕事中でも気になっていたがその程度が軽減された。
◇2回目◇
2回目治療終了後からまたさらにまぶたの揺れ幅が小さくなったと感じた
◇3回目◇
けいれんが感じない時も出てきた。仕事中は集中していてほとんどけいれんが気にならないほどとなったが逆に人との会話中など顔の筋肉が動くとそれと連動して左目のけいれんが気になる。
◇4回目◇
日常生活のなかでも3分の1ほどはけいれんしなくなった。ふとした時にけいれんしているなと感じる程度
◇5回目◇
また眼科を受診したところけいれんがある程度おさまったと判断されて薬を処方されなかった
◇6回目◇
薬を飲まなくなっても左目の状態は良好。ほぼけいれんを感じない。ほんとにごくまれに触れているなと感じる程度。
症例③
60代 女性
2年前ほど前から外的な刺激によって目の周りが勝手に力がひってしまって目をつむってしまう症状に悩まされていた。だんだんと症状が強くなって1年前くらいに病院を受診。眼瞼けいれんと診断を受けた。
趣味でテニスを週に4日ほど行うがここ最近症状が強く、テニスを行っている最中にも眼瞼けいれんが起きてしまい目を開けていられずにボールがよく見えない状態にまでなってしまったため何かいい方法はないかと当院を受診されました。
病院では、4回ほどボトックス注射をしたが最初は効果を感じられたが徐々にその効果を感じにくくなっているとのこと。
当院の施術
目の周りの施術を中心に行い、眼の周囲の眼輪筋や前頭筋・側頭筋などにアプローチを行っていき改善をはかっていきました。鍼治療も受け慣れているということでしたので、初めから鍼通電療法を目の周りの経穴に行っていきました。
3~6か月に一回のペースでボトックス注射を受けているとのことでしたのでボトックス注射も鍼灸治療と並行して受けていきます。
屋外でテニスをすることが多く太陽のまぶしさで目をつむってしまうことが多い。
鍼灸治療は半年間継続して1~2週間ほどのペースで受けて頂きまして反応を見ていきました。治療行って2ヶ月ほどで徐々に調子のいい日も出てきてテニスや車の運転をしていてもつらさを感じない時も出てきた。週に2~3日ほど。
4か月経過したところでは。テニスをしている時はあまり眼瞼けいれんは起きずにシニアの大会で準優勝するまでに回復。テニス以外の日常生活、日差しの強い日などにたまに症状が強く出る。
5か月目以降だんだんと眼瞼けいれんの状態が回復。ボトックス注射も並行して受けて頂き、治療効果の継続ができてきて定期的な治療を終了。目に違和感を感じたりしたらまたご来院していただくようにしました
眼瞼けいれんとは、まぶたの筋肉がけいれんを起こして、まぶたが開けにくくなったり不要な瞬きなどが増えたりする症状です。また近年では、光やドライアイなどによって目の表面が刺激されると自然と眼の周りの筋肉が反応してしまい、勝手にまぶたが閉じてしまうタイプの眼瞼けいれんで鍼灸治療を受けられるにいらっしゃる方が増えています。
こんな方は注意が必要です。
こんな場合は、眼瞼けいれんが起こっている可能性があります。
眼瞼けいれんはドライアイの症状と似ている部分もあり、ドライアイと勘違いされるケースもあり、注意が必要です。
現在この症状で悩まされている方は、全国で数十万人以上にのぼるとも言われており、たいへん増えてきている疾患です。眼瞼けいれんは、重症化してしまうと瞼が重たく感じて目を開けているのがつらい状態にまでなってしまいます。
女性の方が悩まされている方が多く、男性と比べて2.5倍ほどにもなります。
40代以上の女性に非常に多く発症しています。
眼瞼けいれんの初期の症状としては、目が乾く・目の周りに違和感がありたまに痛むなどの症状があるため、ドライアイと間違われやすいです。
しかし、ドライアイの薬を点眼しても症状が改善されずに症状が続いていきます。眼瞼痙攣の特徴としてけいれんが起きている片目の方をつぶっていた方が楽に感じます。それは、一眼の視機能に不具合が生じてしまうと両眼視機能が障害されるため障害目からの情報はノイズとなるためそれを遮断するために片目をつぶる動作を行うようになるのです。
両目に症状が出て、症状が進行してくるとまぶたが上げづらくなり、俯いていたり横になっている姿勢が一番楽な状態となります。まぶたが上がりづらくなってきて、全く目を開けられない状態になることもあります。
物につまずく・階段を踏み外す・車の運転ができなくなるなどの日常生活の中でも支障が出てきて、それがストレスとなりうつ病やパニック障害などの心療内科的な症状を併発してしまう場合も少なくありません。また、光をまぶしく感じやすくなる・目を開いているのがつらい・痙攣している方の目が自然と閉じていってしまう・目のゴロゴロ感・瞬きが多くなる・眉間にしわが寄るなどの症状が出ることもあります。よって、眼瞼痙攣と眼瞼下垂・ドライアイ・眼精疲労が同時にあらわれて日常生活に多大な影響を与えてしまう危険性もあります。
眼瞼痙攣の方は、強い目の開閉動作を繰り返して行うことができずに何回目かにはまったく開閉動作が出来なくなってしまう場合もあります。眼瞼痙攣は一般的にはあまり知られていない疾患ですが、全国に30万人以上は悩んでいる方がいるとも言われています。
眼瞼けいれんの発症原因については、未だに解明されていません。まぶたの動きを制御している脳の神経回路の異常や抗うつ剤などの薬の副作用、眼瞼炎や結膜炎等の症状が引き金となっているなど様々な説があります。
眼瞼痙攣で悩んでいて眼科を受診するとドライアイと診断されることが多いようです。そこで涙の成分の点眼薬を処方され、点眼をするのですがなかなか改善されない方が多いです。また、神経学的もしくは眼科学的異常が見られない場合、頬やあご周囲の顔面筋や首の筋にも異常な痙攣を伴うこともあります。その場合も加齢や様々な原因が考えられますが、ベンゾジアゼピン系の抗不安薬や入眠薬の常用者にも多く発症しているとも言われています。
※眼瞼ミオキミア
片方のまぶたがぴくぴくと痙攣する症状を眼瞼ミオキミアと呼ばれることがあります。眼瞼ミオキミアの原因は、身体や目の疲労やストレスまたは睡眠不足などによって起きると言われています。これは眼球周囲にあり、覆うように走行している眼輪筋が異常をきたして発症すると言われています。激しいスポーツをしている際中にふくらはぎなどの足の筋肉が痙攣する経験は多く方がご経験されているかと思いますが、それと同じように筋肉に栄養が行き渡らなくなったり、疲労物質である乳酸が排出されなくなってしまったりすることによって勝手に眼輪筋が収縮を繰り返すことが原因と眼瞼ミオキミアは考えれられています。
この場合は、目を酷使した際に発症することが多く、目を休めることができれば3~4日程度で症状が消えていくことがほとんどです。しかし、現代社会ではパソコン作業やスマホ操作時間が長くなっていることにより、症状が慢性化してしまっていることも少なくあります。
ただの目の周りの筋疲労ととらえて放っておくとそのごドライアイや強度の近視になる場合もあるので注意が必要です。特に子供の時に目を酷使すると視力が上がらずそのまま大人となって強度の近視がさらに進行してしまう危険性もあります。
眼瞼けいれんは日常でのストレスや目の酷使が原因となる場合があります。
1.パソコン・スマホを見続けない。(1時間に5分は休憩を取る)
2.コンタクトレンズの使用を守る・清潔に保つ
3.睡眠を十分にとる
4.ストレスを溜め込まず、発散させる
当院の近視に対する施術は、第一に目の周辺の経穴にハリや電子温灸器を用いて刺激することで目の血行状態をよくします。仮性近視はピントを合わせる役割のある毛様体筋という筋肉が目の使い過ぎにより血流が滞り、うまく機能していない場合がほとんどです。
毛様体筋は自律神経によっても支配されており、自律神経の乱れがある場合は、うまく目のピントを合わせられません。そこで当院では自律神経測定器を用いることで自律神経の状態を把握し、その結果に応じて施術法を変えていきます。
また近視は五臓六腑の肝に深く関係しているので肝に関する経穴を用いて肝血を補って肝陽の抑制などを行います。肝血は脾の機能の影響を受けるので脾の経穴も用いたりします。また東洋医学の診断方法に基づき、全身のバランスを整えます。全身を診て施術することは東洋医学の重要な特徴の一つです。
当院の施術により視力が回復された方も多くいらっしゃいますので、お気軽にご相談ください。
中医学では五臓六腑の肝は目に開竅するといわれており、眼の疾患は肝機能の障害が深く影響していると考えられています。肝血が不足してしまうと視覚の異常や運動系の異常などがみられます。また肝は精神情緒の安定、自律神経系を介した機能調節もおこなっており、精神的ストレスは肝気を滞らせて巡りを阻害します。
そのため眼の障害を引き起こします。五臓六腑でいう肝と脾には「血」に関して密接な関連性があります。それは脾には栄養物質や水分を吸収して、「気」、「血」などを生成して全身に輸送する機能があります。よって脾の機能が低下してしまうと肝血も不足してしまいます。近視を引き起こす原因になります。
20代 女性
中学生までは視力は1.2で視力は良かったが、高校生になり視力が著しく低下し0.5程になってしまった。高校生になり、薄暗い場所で読書や勉強を長時間するよになり、それが原因で視力が低下してしまったかもとのこと。社会人となり、パソコンを主に使う仕事についてさらに視力が低下して、色までもぼやけて見えるよになり色覚も低下してきたしまい心配となって当院にご来院されました。
当院の治療
ピントを合わせる能力や色覚の異常も自律神経の乱れが原因の可能性があるので時間をかけて問診をした後、自律神経測定機を用いて自律神経の状態を計測しました。
自律神経を測定した結果、交感神経の活動が非常に高く、精神的ストレスの数値も高い状態でした。問診した結果、仕事上での人間関係でストレスを感じており、体が疲れてくる夕方や人間関係でのストレスを感じた際に目の調子も悪くなるとのことでした。
①自律神経調整治療
②首肩の筋緊張の緩和
③目の周りの筋緊張の緩和・血流改善
問診・検査結果よりこの3点を重点的に施術していきました。
治療経過
◇1回目◇
治療後目の調子はあまり変化が見られなかったが、首肩が軽くなり体が楽になったとのこと。
◇2回目◇
夕方いつも感じていた目の疲れ・かすみ目が少なくなってきた。
◇3~5回目◇
普段裸眼で見えにくかったが道路の標識がしっかりと見えるようになってきた。
◇6回目◇
仕事が忙しく、残業する日が増えて目のかすみを少し感じた。
◇7回目◇
前回治療後、目のかすみがとれて目が楽になった。
◇8回目◇
物の色がくっきりと見えるようになってきた。
◇9回目◇
会社の定期検診で視力を計測したところ、0.9となっていて前回計測(0.5)よりも改善が見られた。
※近視に対する鍼灸治療効果の臨床研究について
明治鍼灸大学では、若年性の近視に対して鍼灸治療がどの程度の効果があったかの研究が行われています。
「若年近視に対する鍼治療の効果」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsam1981/49/4/49_4_567/_article/-char/ja/
この研究では視力低下を訴えている13~25歳の200名の患者に足して2年間鍼治療を行っています。治療後では視力が平均右目0.33の改善、左目では0.31の改善が見られたとのことです。この研究では、基本的な目の周りのツボに鍼を刺してまた目に効果的とされる手の合谷というツボを持ちています。また、効果があまり芳しくない方に対しては目の周りの鍼通電治療も用いて施術したとされています。
この治療法は、当院でも用いている治療法です。当院ではその他首肩背中の施術や自律神経も整える全身のバランス調整施術も行っていきます。
目の屈折異常のひとつで、目が調節を休ませたときに眼球内に入ってきた平行光線が網膜の前方に像を結ぶ状態をいいます。
近視になりますと近くはよく見えますが、遠くがぼやけたりして症状が強く出ると視力障害を引き起こします。現在近視は増加傾向にあり、小中学校でも近視の割合は徐々に高まっています。
■近視は主に3つの種類があります。
ⅰ)屈折性近視
人の目はカメラと似たような構造をしていて、カメラのレンズが水晶体、フィルムが網膜に相当しています。人はピントを合わせる場合は眼球を伸ばしたり縮めたりすることは出来ないので、水晶体を膨らませたり、薄くしたりすることで網膜にピントを合わせようとします。
しかし、屈折性近視の場合は、角膜や水晶体の屈折力が強いので網膜よりもまえに焦点を結んでしまいます。
ⅱ)軸性近視
生まれた時は眼球も小さいので物を見ても焦点は網膜の後ろにいってしまいます。これを遠視といいます。成長するにつれてだんだん眼球も大きくなり大部分の人は調節しなくてもピントが合う状態(正視)になって、眼球の成長はとまります。
しかし何らかの原因で成長が止まらずに眼球が大きくなると焦点が網膜の前になってしまいます。そのことが近視の原因になります。軸性近視は眼球が通常よりも前後が長いために起こります。
ⅲ)仮性近視
目の疲労により一時的に近視のような状態になることを仮性近視といいます。テレビやパソコンなどで目を酷使した後は症状が強くなり、目を休めたり遠くをみたりすると症状が弱くなることが特徴です。
テレビやパソコンなど近くで作業を長時間行いますと、目の調節が緊張したまま近くにピントが合った状態で遠くにピントが戻らない場合があり、一時的に近視の症状になります。
■近視の原因は現在のところまだよくわかっていませんが、有力なものに遺伝説と環境説などがあります。
1)遺伝による近視説
親が近視の場合に子供が近視になる可能性は比較的高く、遺伝的な要素が近視に複雑に関係すると考えられます。近視の発生率の民族間の違いが近視に遺伝が関係していることの証拠として挙げられています。
近視の遺伝説では何歳の時に近視になり始めて何歳までにどこまで進行するかが生まれつき決まっていると考えられます。近視はほとんどの場合に青年期までに徐々に症状が進行して成人なると症状は進行しません。
2)環境による近視説
統計的に長時間の勉強やパソコンなどをする人に近視が多い傾向や途上国の農村部の人たちなど普段あまり長時間勉強やパソコンをする機会が少ない人に近視が少ないといわれています。そのことが近視の環境説の証拠として挙げられます。
3)栄養による近視説
幼年期の炭水化物の取りすぎが慢性の高インスリン血症を引き起こしてそれが近視の原因となる説があります。
近視の原因は様々な説が挙げられています。もし遺伝と関係している場合は、予防は難しいと考えられます。しかし、近年のパソコンやスマホなど近くの物を見ることが増えた現代では、目の使い過ぎが原因の近視が増えていると感じます。近年は、子供でもスマートフォンをもっていて視力低下が著しい状態です。
近くの物を見るということは、ピント調節の毛様体筋が使われて長時間に及んでしまうと疲れが溜まってきます。そのようなことが続いてしまうと毛様体筋の働きが鈍くなり、ピントを合わせることが困難となってきます。
大人になってから視力を回復することは、とても苦労しますし、視力が良くならず逆にどんどん低下していってしまう方も少なくありません。
幼少期や20歳前までの環境がとても重要となってきます。
・スマホは30分以上続けてみないようにする。
・パソコンも60分以上続けてみない。
・勉強などの合間の休憩に5m先の物にピントを合わせて毛様体筋を休ませるようにする。
・目を酷使した時は、就寝前に目の周りに蒸れタオルをかけて温める
・目の周りを軽くマッサージして血行を促進させる
こういったことを日頃から気をつけて行ってみてください。
現代の日本では、子供の近視がより増えています。それは、統計的にみても明らかになっていて様々な要因が考えられています。
一番は、近くにものを見る時間が長くなっていることにあるかと思います。スマートフォンやゲーム機の普及などでいつでもどこにいてもゲームや動画が見ることができる環境で子供でも眼の酷使が鮮明になっています。人の目の構造上、本来は遠くのものが見えやすくなるようにできています。遠くのものを見ることができた方が身の危険から回避できたり、獲物を捕らえることができるからです。
近くのものを凝視するということは、人の目の構造にとってとても負担になっているのです。
眼の酷使によってピントを合わせる調節筋がうまく機能しなくなってしまったりすることで視力の低下が起きている場合が多いです。
また最近では、外に出て遊ぶ子が減っていることで子供の近視化が進んでしまっているということも言われています。
太陽光に含まれる紫外線は、身体に害があると一般的に思われがちですが、実際は害ばかりではありません。
子供の目にとって紫外線は害ばかりでなくプラスに働いてくれている場合もあるのです。
眼球を覆っている角膜や強膜には膠原繊維が多く存在します。紫外線を浴びることでこの膠原繊維同士が繋がって太く硬くなります。
すると、近視化の原因である眼軸の伸びを防いでくれるのです。
眼軸が伸びるというのは、眼球の形が卵型のように楕円形になってしまうこと。すると、光の焦点が網膜よりも前に来てしまうため近視となります。
紫外線を浴びて膠原繊維が硬く繋がることで眼球の周りが強く保たれて卵型に変形してしまうことを防いでくれるわけです。
逆に太陽光を十分に浴びない場合は、眼球が柔らかすぎて眼圧で長く伸びやすくなってしまうのです。
子供の近視化防ぐためにも子供を室内ばかりで遊ばせるのではなく外で遊ばせることも重要のようです。
清水大地
資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院
パソコンやスマホなどの普及によりドライアイで悩んでいる方が増えています。パソコンなどを夢中で見ていると自然と瞬きの回数は減るということが言われており、すると目の表面を潤すことができなくなって、目の疲れや痛み、ショボショボやゴロゴロなどの違和感を感じるようになります
10秒間目を開け続けれれない人は、ドライアイの可能性が非常に高く、開け続けられるまでも目の痛みや違和感を感じたドライアイの可能性がありますので、注意が必要です。
その他、下記の症状が3つ以上当てはまってしまっている場合にドライアイの疑いが強くなります。
□目が乾いた感じがする
□目がゴロゴロする
□目に何となく不快感がする
□まぶしい
□目が疲れる
□物がかすんで見えやすい
□コンタクト・パソコン・エアコンいずれかを使う
□まぶたが重たい感じがする
ここ最近ドライアイの症状で悩んでおられる方が増えておりますが、私の子供のころなどはドライアイという症状は聞いたことがなかったように記憶してます。やはり最近増えている原因としましてはパソコンやスマホなどの普及が関係していると考えられます。
厚生労働省の2008年の調査では、一日6時間以上パソコンやスマホなどの画像表示端末を使う労働者の多くは身体的な症状を抱えており、その9割もの方が目の疲れや痛みを訴えているとの結果が出ました。
今は、仕事以外にもパソコンやスマホを使う機会が多く、そのような仕事をしていない方でも一日中そういった端末を見ている方も少ありません。
人間の目は、獲物を捕らえるためもしくは身を守るため遠くの方をよく見るように作られていますが、パソコンやスマホでは、より近くのものを注視しており目の周りの筋肉などに相当な負担をかけている状態です。目の周りの筋肉の疲労は、血流を滞らせます。
涙の成分は血液から抽出されますから目の周りの血流障害はドライアイへとつながる可能性があります。
また、人間の目は集中している時、一般的に瞬きの回数が減ってしまいます。例えば、スポーツの場なんかでもそうですが、野球で打者が今から打つと集中している時やサッカーでのPKの時などは自然と瞬きの回数が減ります。
それと同じように集中して仕事ややゲームなどで遊んでいる時はどうしても瞬きの回数は減ってしまいます。それが短時間でしたらそこまで体の症状として出てこないわけですが、長時間続けてしまいますとドライアイばかりでなく眼精疲労や飛蚊症、眼瞼下垂などの疾患にもつながってしまいます。
また子供の視力低下も年々低下傾向にあります。
2013年度の学校保健統計調査によると、裸眼視力1・0未満の子の割合は、高校で65・8%、中学校で52・8%、小学校で30・5%だという結果でした。一概に原因はわかりませんが、テレビやスマホなどの生活の環境因子が大きなウエートを占めていると考えれています。
瞬きの役割をご存知でしょうか?
瞬きの役割としまして
①目の保護・乾燥防止
②網膜などの目の組織への休息時間の提供
③緊張の解消や痛みの感覚、感情などの心理的要因
④涙を作れという脳への指令
主にこの4点が挙げられます。特に注目していただきたいのが④の『涙を作れという脳への指令』です。瞬きの回数が減ると、目の表面の水分が蒸発しやすくなるばかりでなく、涙を作れという脳への指令も減ってしまうのです。ですからまた涙の量が減り、悪循環となってしまいます。
市販でよく涙の成分が入っているドライアイ解消のための目薬が売っていますが、むやみやたらに使用してしまうと自分で涙を作る機能が低下してしまう可能性がありますので注意が必要です。
ドライアイで悩んでいる方の多くは事務作業などで長時間パソコン作業をしている方々です。なぜパソコン画面を見続けるとドライアイになりやすいのかと言いますと
①比較的近い画面を長時間で集中的にみる
上記にもある通り、近くの物を長時間注視し続けると、目のピントを合わせる毛様体筋などの筋肉が疲労します。筋肉が硬くなり、血液の循環が悪くなってしまうとドライアイになってしまいます。また、集中的にみることは人間の本能的に瞬きの回数を減少させます。瞬きの減少は、眼球の表面を乾燥させて傷つきやすくさせます。瞬きは脳へ涙をつくれという指令を送る役割もあり、瞬きが減少することは涙の生産減少にもい繋がってしまうのです。
②ブルーライトや画面の明るさ
ブルーライトはとても強い光で網膜まで達すると言われ、目に負担をかけます。また、画面が明るすぎるのも目に負担をかけ、疲れ目やドライアイになりやすくさせます。
③パソコンを行う姿勢
パソコンを行う時、気づくと背中は丸まって首は前に曲がっているという方も多いかと思います。そういった姿勢は、首などの姿勢を保持する筋肉を緊張させます。それが長時間続くと、首周りの筋肉は硬くなって、その下を通る血管などを圧迫して、首から上の血液循環を阻害します。眼にも悪影響を与えてしまい、疲れ目やドライアイの原因となります。
①パソコンやスマホを長時間使用しない。₁時間に1回は10分ほどの休憩をとる
②パソコンやスマホ使用中に意識的の瞬きや軽く目を閉じる
③画面を40センチ以上離して近くで見過ぎない
④暖かい蒸れタオルで目を温める
⑤目の周囲を軽くマッサージする
ドライアイに効果的とされる食べ物があります。それはラクトフェリンを含む食材を摂取することとオメガ3系脂肪酸の多く含まれる食材を摂取することです。
ラクトフェリンとは、あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、涙に含まれるたんぱく質の一種であり、ラクトフェリンが含まれるヨーグルトやチーズ・牛乳を食べるとドライアイに効果的とされています。これらの乳製品は、腸内環境を整える食材として知られていますが、目も腸も粘膜に覆われており、腸の粘膜の状態が改善されると目の粘膜の環境も整いやすく、ドライアイの改善に役立ちます。
オメガ3系脂肪酸は、魚類に多く含まれていることが有名です。目の表面を乾かないように保つためには油分も重要です。質のいい魚類のオメガ3系脂肪酸を摂取することでドライアイの防止につながると言われています。
その他、一般的に眼に良いとされる食材、ビタミンCやブルーベリーに多く含まれるアントシアニンなど抗酸化物質も摂取するとドライアイの防止になると考えられています。
当院では、ドライアイ鍼灸治療を積極的に行っております。ドライアイでお悩みの方を解消させてきました。ドライアイのほかに眼精疲労や緑内障、飛蚊症、眼瞼下垂などの症状を併発されてご来院される方も多いです。
お困りの方はお気軽にご相談ください!
清水大地
資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好医院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院
東洋医学では倦怠感、疲労感はエネルギーである「気」が十分に取り込めない状態や気の流れに乱れがあったり滞りがある状態が続く事で「気虚」の状態となり慢性的な疲労状態が続く要因であると考えられています。
また「気」は血による作用によって機能していて逆に「血」も気の作用によって生成されて全身に循環していると考えられています。
よって「気」と「血」は相互に関係しており、「気」が不足した状態が続くことで「血」が不足する「血虚」を引き起こしより状態の悪い「気血両虚」の状態となります。
よく見られるものとして、貧血の状態の場合に顔色が悪く頭がふらつくなどの血虚の症候と息切れや無力感などの気虚の症状が同時にあらわれることが多いです。気血の他に津液という体を循環しているものがあり、その気・血・津液(水)のバランスが悪くなってしまうと倦怠感は起こりやすいと考えられています。
東洋医学で倦怠感を考える「気血両虚」という気血が少ない場合と、気血の循環が悪くなって滞ってしまって症状が出る場合もあります。気血が滞ってしまっている状態を「気滞血お」といい、まず「気滞」といいまして気が滞ってしまうことで各体の部分で機能停滞などが生じると血管運動神経系にも影響を与えて循環障害が起きてしまうと血も滞ってしまう状態である「血お」になってしまうのです。
「気滞血お」では倦怠感のほかに無月経・月経困難症・消化管潰瘍などの症状も出てくる危険性もあります。
このような状態に対して鍼や灸の刺激を与える事で気、血、津液(水)の巡りを良くしたり足りないところを補っていきます。
特に気の働きの低下は関わりが深く気を補うようなツボを用いて治療を行います。また、ストレスや疲労、生活習慣の乱れなどから自律神経のバランスが乱れると体の自然治癒力や免疫機能も低下して自律神経を調整するツボなども取り入れながら治療を行っていきます。
タンパク質が欠乏してしまうと、脳のやる気を起こさせるセロトニンやドーパミン、ノルアドレナリンなどの物質も足りなくなります。
タンパク質が不足することでうつ状態に陥ってしまう危険性もあるほどです。
栄養ある食事を摂ってくださいといいますと近年ではどうしても野菜中心でお肉などの脂肪分などは控える食事を連想される方が多いのではないでしょうか。
しかし、栄養は3大栄養素といわれるタンパク質・脂質・炭水化物をしっかり摂れているということが重要です。
野菜が重要視されすぎていることが多く、偏った人ですと野菜中心の食事でお肉をほぼ食べないという方も多くいらっしゃいます。それを良しとする考えが広まっているのが現実です。
しかし、野菜中心の偏った食事は十分な3大栄養素を身体に取り込むことが難しくなってきます。
特に倦怠感に重要なタンパク質は、大豆類・魚類・牛乳・肉類に多く含まれます。
接種源は人の構成成分に近い方が良いとされているため同じ哺乳動物である牛肉や豚肉を摂った方がタンパク質の補充には適任とされています。
過度な摂取はもちろん脂肪も多くカロリーも高めですので肥満となるリスクが上がり生活習慣病にかかるリスクが増大しますので摂取量は気を付ける必要がありますが、ほとんど取らないことも身体にとっては重要な栄養素を取り込めないため倦怠感が出やすくなってしまうのです。
40代女性
1ヶ月ほど前から寝ても疲れが取れない状態がずっと続いている。睡眠時間も7時間は確保しているが、疲れているはずなのに途中で目が覚めてしまう事があり熟睡できていないと感じる。その代わりに日中の眠気が強く、頭がぼーっとして常に体が重だるい。基本的にデスクワークでパソコンを使う業務が多く首肩こりが慢性的にある。
当院での治療
自律神経測定器で計測を行ったところ、副交感神経が過亢進状態で血管年齢も実年齢より10歳ほど高めに出ており、肉体的ストレスと疲労度が非常に高い状態でした。
そのため、自律神経の乱れを整えるツボや、東洋医学的観点から気、血、水の巡りや気を補うようなツボを用いて治療を行いました。
また、首肩、背部の筋緊張を除き血液循環を促進し疲労物質の代謝を促す治療を行いました。
一回目
特に変化感じないが、体が温まった感じがした。
二回目
睡眠の質が少し向上した気がするが、2日に一回は途中で目が覚めてしまう。
倦怠感はまだ変化ない。肩こりが少し軽減した。
三回目
施術後2、3日は日中比較的体も頭がスッキリした感覚があった。徐々に戻ってしまったが、それでも最初よりは若干調子が良い。睡眠はたまに目が覚める時はあるがその後の寝つきは良い。
四回目
倦怠感が午前中はあるが、午後は比較的楽に感じる。眠気も昼食後や長時間のパソコン作業の際は感じるが、それ以外はあまり気にならなくなった。睡眠は寝つき、寝起きは楽になったが、途中で目が覚めることがまだ時々ある。
五回目
最近は仕事が忙しく肩こりが酷い。倦怠感は午前中に感じやすいが、以前ほどではない。
睡眠は途中で目が覚めたのは週に一回だけだった。
六回目
肩こりが楽になり首がまわるようになってきた。日によって差はあるが頭のぼーっとした感じと眠気が軽減してきた。
倦怠感は以前の半分くらいに感じる。
七回目
仕事後は肩こり感じるが翌日まで持ち越さなくなってきた。午前中も比較的元気な状態が続いている。睡眠も週に1、2回は目が覚めることがあるがその後の寝つきはよく熟睡できている。
八回目
仕事が忙しかった翌日は倦怠感を感じることもあるが、それ以外はあまり気にならなくなってきた。午前と午後の差もほぼ無くなり体が軽くなってきた。
九回目
肩こりが楽になった。睡眠も最近は目が覚めることなく熟睡できている。倦怠感は寝起きに感じる時もあるが、動いているうちに楽になるため日常生活に支障をきたすほどでは無くなった。
何となく体がだるい・倦怠感が続いている・疲れがなかなか取れないそのような症状に悩まされる方は少なくありません。
その原因は、様々で単純な身体の疲労から重篤な疾患のサインの場合もあります。倦怠感やだるさを単なる疲労と受け取って放っておくと思わぬ体の危険が迫っていることもあるので注意が必要です。
・貧血
女性に多いのが貧血による倦怠感です。中でも特に多く見られる「鉄欠乏性貧血」では体内の鉄分が不足して体が酸欠状態になりだるさや倦怠感が生じます。
・インフルエンザ
体の中に入ってきたウイルスを攻撃しようと免疫機能が活発になり発熱や倦怠感、だるさが引き起こされます。
・肝機能障害
肝機能の症状の中では黄疸や眼球が黄色くなる症状というものが出てきます。それ以外の症状として体のだるさや脱力感、過度の眠気、微熱、不眠といった症状が現れる事があります。また、急性肝炎の初期症状は風邪と間違えられやすく酷い倦怠感が突然生じて頭痛や発熱、腹痛や吐き気などの症状も現れます。こうした症状がおさまる頃に黄疸(おうだん)が出始め皮膚や白目が黄色くなります。重症化を防ぐために早い段階で病院の受診が必要です。
・甲状腺機能低下症
情勢に多く見られる病気です。全身の代謝に関わる甲状腺ホルモンの分泌が低下して倦怠感や疲労感、体重の増加、むくみ、便秘など様々な症状が現れます。
・糖尿病
糖尿病などで血糖値が高い場合でも倦怠感の症状が現れる場合があります。
・心不全
動悸や息切れ、呼吸困難やむくみと言った症状が出てきます。初期症状としては坂道を歩いたときの息切れなどですが、進行が進むにつれ普通の道を歩いていても息切れや動悸の症状が出てきたり、夜に息苦しさや咳が出て寝られなくなったり足にむくみが出たりします。
・腎不全
欠尿により尿が減少したりそのために下腹部が張ることもあります。そのためむくみや食欲不振や全身の倦怠感と言った症状も現れる事があります。尿検査では蛋白尿が出る事がありますが、濁った尿が出るというのも特徴です。
上記の疾患に対してはだるさを訴えて病院で診察を受けた場合に比較的簡単にわかる疾患です。しかし、血液検査などをしてもなかなか発見されない疾患もあります。
・うつ病
抑うつ気分や無力感といった精神的な症状だけでなく、全身の倦怠感や疲労感もみられます。
・自律神経失調症
自律神経には活動的で緊張感のある状態にさせる交感神経とリラックスさせ体を休める副交感神経があります。昼間の活動的な時間帯は交感神経が優位に働き夜の睡眠時には副交感神経が優位に働く事でバランスが保たれています。しかしこの二つの神経がバランスを崩すと体を休めたい夜の時間帯に交感神経が優位になり体が緊張状態になり休まらないという状態になります。そして活動をしなくてはならない日中の時間帯に副交感神経が優位になりだるさや眠気、倦怠感などの症状を引き起こします。
・慢性疲労症候群
体を動かすのも難しく日常生活に支障が出るほど重い倦怠感や疲労感が半年以上続く病気です。微熱やのどの痛み頭痛、筋肉痛、思考力の低下など倦怠感以外にも様々な症状に悩まされます。慢性疲労という言葉から少し重い疲労が続くだけと思われがちですが、休息をとるだけではなかなか治らず、病院での治療が必要です。
その他、疾患名のつかない倦怠感やだるさもあります。そもそもだるさや倦怠感は活動に応じて発生する体の生理的な反応です。体が疲労しているとそれに反応して倦怠感やだるさとして現れて体を休めようと知らせてくれているのです。
体に現れる疲労の種類は大きく3つに分類されます。
・精神的疲労
物事を始めるために必要なやる気やモチベーションなどの精神力が低下する疲労を精神的疲労と言います。活力や目標が無いため全ての物に興味がなくなったり、何もする気がなくなるなどの症状が発生します。自覚症状に気が付きにくい傾向がありますが、朝起きると大きな疲れを感じるのが特徴です。
また、眠りが浅く満足できる睡眠がとれない傾向にあります。日常の様々なプレッシャーに対するストレスが原因ですが特に人間関係や悩み事から発生するストレスと大きく関係しています。このストレスが慢性化し限界を超えると、うつ病などの精神疾患や副腎疲労などの臓器の疾患の発症を引き起こす事もあります。
・肉体的疲労
筋肉を動かすためのエネルギーの不足と乳酸などの疲労物質の蓄積によって起こる疲労です。筋肉はエネルギーが足りないと動かすことが難しくなります。また、立ち仕事やパソコン業務の長時間労働などにより同じ姿勢でいることで一部の筋肉だけが緊張を続けていると乳酸が溜まり、筋肉の働きが悪くなります。
この状態で筋肉を動かさなくなるとさらに疲れやすい体になる事があり注意が必要です。
・脳疲労
理解や判断力論理などの知的機能が低下する脳疲労と言われる種類の疲労です。デスクワークや勉強などで視神経や脳が緊張した状態が続く事により起こる神経の疲れと言われており、学校や職場での生産性が低下したり記憶力や思考力、注意力などが低下し、集中が出来なくなるなど個人が持つ認知能力を完全に発揮できなくなる可能性があります。
また、脳が緊張している時は交感神経の働きによって内臓や筋肉が動き続けるため体にも疲労が溜まっていく事があります。
疲労を感じやすい原因の一つに自律神経の乱れがあります。
自律神経には交感神経と副交感神経の二つがあり、交感神経は呼吸を早める、・血圧を上昇させる・筋肉を緊張させる・神経活動を活発にするなど緊張や興奮を促し人を活動的にさせる神経です。
副交感神経には、呼吸を穏やかにする・血圧を下げる・筋肉を弛緩させる・精神的にリラックスさせるなどといった働きがあり、睡眠を促し休息の効果を高める作用もあります。
現代人は多忙で精神的なストレスに晒されがちなので、交感神経優位の時間が長くなる傾向にあります。交感神経が優位な状況ばかり続いてしまうと副交感神経が優位になるべき状況でもスムーズな切り替えができず、自律神経のバランスが乱れてしまうのです。
そうすると休息時にも十分にリラックスするのが難しくなります。こうした状況は眼精疲労や頭痛、肩こり、腰痛、動悸など様々な症状を引き起こす原因になるとともに全身の疲労を感じやすくさせます。
清水大地
資格
はり師
きゅう師
2008年
鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年
おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年
中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年
渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年
三軒茶屋α鍼灸院を開院
当院の寝違えに対する施術は、第一に首や肩背部のツボや痛みの強い部位に鍼をさしてその部位の痛みを抑える鎮痛効果を促します。
痛みを抑えた状態で、首肩部や背中に電気を流すことで筋の緊張を緩めて運動制限を取り除いていきます。
寝違えは五臓六腑の「腎」と「肝」に深く関係しているので腎や肝に関する経穴を用いて「腎気」や「肝血」を補うことや頸部の気血の流れをよくします。また「風寒」や「湿」の邪気によって引き起こされる場合はそれらを体外に出す治療が必要になります。
寝違えは体が非常に疲れている状態におこる場合がほとんどです。それは東洋医学では全身の気血が滞っている状態と考え、はり灸施術でその滞りを取り除きます。
寝違えといいましても軽い状態から重い状態の症状があります。施術ですぐ取れる場合もございますが、全身の疲れや慢性的な肩こりなどからくる寝違えの場合は、施術期間もそれなりにかかる場合がございますのでご了承ください。
30代女性
当院へご来院する前日の朝に起きて寝返りをうった際に突然右の首から肩にかけて痛みが走った。そのまま起き上がる時にも首に強い痛みが残り、出社されたとのこと。歩くだけでも首や肩に響き、デスクワークの仕事の際にも少し首を動かすだけでも痛む。
治療
寝違えは、疲れやストレスのたまっている時やソファーで寝てしまった時など寝る姿勢に問題があった時などに発症しやすいので寝違えになってしまった経緯を詳しく問診していきます。この方の場合、仕事が忙しく帰りも遅くなることも多いとのこと。また3か月前にも左首を寝違えており、デスクワークの姿勢や寝る姿勢などから普段から首や肩の筋の過緊張状態であることが推察できた。
また普段から全身の倦怠感や身体の冷えがあることから全身を調整する必要があると考え、自律神経測定器で自律神経の状態を計測しました。
1.自律神経調整治療
まず仰向け治療で全身の調整施術を行いました。体の自律神経などのバランスを整えることで身体を回復しやすいようにしていきます。
2.アイシング
触診してみると右頸部に若干の熱感が感じ取られたため、炎症ひかせる目的でまずは頸部をアイシングしました。
3、鍼通電気治療
腰部や背部にも筋緊張が見られたため、それらの筋肉の過緊張を取り除くため腰や肩甲間部にも鍼灸施術を施し、首の痛みが強い部分には鎮痛目的で通電気治療を行いました。
経過
◇1回目◇
鍼灸治療が初めてのご経験ということと注射の刺激が特に苦手ということで、刺激量が多くなり過ぎないように体の状態を見極めながら施術しました。
◇2回目◇
前回治療後、その日は痛みがだいぶ経過したが右頸部の違う場所に痛みがまた出た。新たに痛みが出た部分を中心に前回同様仰向けで自律神経調整治療を行ってからアイシングをしてうつ伏せ治療を行いました。
◇3回目◇
右頸部の痛みはだいぶ引いて最初の痛みが10とすると2回目の施術のあとは2となった。まだ少し痛みと筋緊張があるためその改善を目的に施術しました。
③症例2
40代男性
3日ほど前にお酒を飲んだ帰りにソファーでそのまま眠ってしまった。朝起きると首を動かすと痛みが出てその痛みが段々と痛みが強くなって首を後ろに曲げる動作や右に倒す動作をすると痛みが首から肩にかけてはしる。以前も同じようなことがあったが、2日ほど経つと痛みが治まっていった。しかし、今回はなかなか痛みが消えないということで当院にご来院された。
治療
痛みが発症して数日が経ち、その間も首をあまり動かさなかったということで、炎症部分は落ち着ていてきたのでアイシングはせずに首肩の通電気療法を中心に治療して行きました。痛みが徐々にとれてきた段階で肩周りの筋肉の張りはマッサージなどの手技療法で取っていきました。
経過
◇1回目◇
痛みが半分ほどに軽減。治療前よりはだいぶ動けるようになったが、まだ痛みはある。
◇2回目◇
治療後次の日の朝にまた痛みが出たがすぐに治まって動かすと痛みが出るためまだ可動域は狭い。
◇3回目◇
痛みはほぼ感じない程度になってきた。肩周りの筋緊張が強いため、ほぐしていった。
◇4回目◇
3回目の治療から1週間後にご来院。首の痛みが感じなくなった代わりに肩こりを感じるようになったとのことで肩の治療中心に行った。
④症例3
30代女性
朝起きてから首に違和感を感じ、時間が経つにつれて痛みが増してきた。首を後ろに曲げようとすると強い痛みが出て動かすことが出来ない。右側の頭と首の付け根から肩甲骨内側にかけて、特に肩甲骨のきわの所に強い痛みが走る。今までも寝違いすることはあったが、今回は全く首を動かすことが出来ず日常生活に支障が出てしまうためその日のうちにご来院された。
治療
まず眠りが浅い習慣があり、睡眠中の体勢が崩れ首の負担がかかりやすくなっているので、自律神経を調節する治療をおこなった。時間が経つにつれて急激に痛みが増してきたということなので急性的な炎症を抑えるためにアイシングをし、さらに肩首、肩甲骨まわりを中心に鍼通電治療をおこなった。
経過
◇1回目◇
施術後すぐに痛みが軽くなり首を後ろに曲げれるようになった。後ろに曲げた時に少し痛みがあるということなので、最後に寝違いの痛みを軽減するツボに貼るタイプの鍼を装着。まだ炎症が治まってなく痛みも出てくる可能性があるため次の日も治療をおこなう。
◇2回目◇
首や右肩甲骨内側の痛みは無くなり日常生活に支障はなくなった。今度は左の背中に軽い痛みが出現。首肩、左の背中を中心に鍼治療をおこない、痛みの原因であるものを一つ一つ取り除いていった。施術後はほぼ痛みは無くなり、首の可動域も広がった。
◇3回目◇
痛みは感じない。もともと肩が凝りやすいということもあり、再発予防のための施術をおこなった。現在も、メンテナンスを兼ねて来院中。
④症例3
30代女性
5日前に寝違えをして良くなったと思ったら今朝同じ場所にまた痛みが出現した。
下を向く動き、左を向く動きが痛くてできない。
左側の肩甲骨や背中のほうまで痛みがでる。
湿布をはったら少し痛みは軽減した。
治療
痛みがでる範囲からみて、肩甲挙筋、僧帽筋が主に炎症をおこしている状態だった。
最初の寝違えで痛みをかばうように動いていたことから、2度目は範囲が広がり出現したと考えられる。
局所の治療と、痛みをかばってできた身体のバランスを整える治療を行った。
経過
◇1回目◇
痛みの原因となっている肩甲挙筋、僧帽筋を中心に鍼をした。
施術後は痛みが7割減。
寝違えの治療は間隔を短くしたほうが効果的なので明日も来院するようにすすめた。
◇2回目◇
痛み消失。
痛くて動かせなかった分、コリ感があるのでコリをとるような治療をした。
施術後は体が軽くなった。
寝違えとは、不自然な姿勢で眠り続けた時に、首に負担がかかるために起こる頸椎捻挫のことです。睡眠中に無理な姿勢を取り続けたり、無理に首を動かすことで首の筋肉に負担がかかって筋線維が損傷し、筋肉痛にも似た症状を呈します。骨の異常ではないのでX線検査を受けても異常が見つかることはほとんどないようです。
【寝違えの症状】
ⅰ)首の痛み
起床時に首を横に回すと激痛が走ります。首を回す角度が大きくなるほど痛みも徐々に増していき、横を向く際には無意識に体ごと横を向いてしまいます。
ⅱ)首の運動制限
起床時突然に首が動かせなくなります。症状が重い場合では、首にこわばりがあり、起き上がるのもつらい状態になります。
寝違えは症状が重い状態から軽い状態まで様々であり、寝違えによって仕事に影響が出る場合も少なくありません。痛みや運動制限が数週間続く場合もあり、決して侮ってはいけない疾患です。
首の痛みとともに痺れの症状などが併発している場合は、神経系の障害の可能性が考えられます。よく見られる神経系の障害として頸椎椎間板ヘルニアがあります。また首の筋肉は転倒や交通事故などの時に損傷を受けやすく、むちうち症との見極めも重要になってきます。首への外力が急激にかかった場合がないかを検討していく必要があります。
※頸椎椎間板ヘルニアとは?
頸椎椎間板ヘルニアとは、首の骨の間にある椎間板が飛び出して、急激な片側の頸・肩・腕などの痛みを発症します。頸椎椎間板ヘルニアの主な症状は、首から背中にかけてのこり・不快感・疼痛などと首の運動制限が生じることに加え、飛びだした髄核が脊髄や神経根を圧迫するために圧迫された神経によって腕や手指の痺れや疼痛が現れます。
※ムチウチ症とは?
交通事故による後遺症で最も多いのが首から肩にかけての痛み、所謂むち打ち症です。頚椎部分の神経や血管が損傷したり圧迫されたりすると首・肩・腕などの痛みはもちろんのこと頭痛・めまい・吐き気なども引き起こします。むち打ち症の怖いところは事故直後は症状が出ていなくても数日経過して徐々に痛みが出てくる場合が往々にしてあることです。
寝違えにはいくつかの原因があると考えられています。
ⅰ)寝る時の姿勢
通常人が眠っている場合は、一部分へ負担がかからないように無意識に寝返りなどで体の向きを変えます。しかし、泥酔状態で眠ってしまった場合や体に疲労が溜まっていたり、睡眠不足の場合はそういった負担を軽減する無意識の行動が減少します。その結果一部分に負担がかかってしまい寝違えを引き起こします。
ⅱ)慢性の肩こりやリウマチ
慢性的な肩こりやリウマチから血流の流れが低下して首に痛みを生じ、寝違えを引き起こします。デスクワークや車の運転時間が長い人は慢性的な筋疲労や筋肉や筋膜の方さが見られる場合が多く寝違えが起きやすいです。
ⅲ)日常的な筋疲労や体の疲れ
寝違えを起こしやすい筋肉は、一般的に肩甲挙筋・板状筋・僧帽筋・菱形筋などが挙げられます。
肩甲挙筋・僧帽筋・菱形筋
肩甲挙筋第1~4頚椎横突起から肩甲骨の上角に付着する筋肉で肩甲骨を上げる作用、主に肩関節を動かす作用があります。
僧帽筋は首肩周りや背部を覆うとても大きな筋肉で寝違えで痛めた場合上部の筋肉が炎症を起こしている場合が多いです。僧帽筋は後頭部から鎖骨外側に付着する筋肉です。
菱形筋は頚椎7と1~5胸椎の棘突起から肩甲骨内側につく横に作用する筋肉です
これら筋肉は肩甲骨を動かす作用があり、寝違えで炎症が起きた状態になると肩関節を動かしたときに痛みが増強します。その他、首を動かした際にも引き伸ばされたりするため痛みを誘発します。
板状筋
板状筋には頭板状筋と頸板状筋とがあり、頭板状筋は頚椎や胸椎の棘突起から後頭骨や乳様突起に付着します。頸板状筋は胸椎の棘突起から頚椎の棘突起につきます。
二つの筋肉ともに首の伸ばしや回す、横に倒すなどの作用を担っており、この筋肉に寝違えで炎症が起きると首を動かすごとに痛みが強く出ます。
また、筋膜の損傷が痛みの原因になっている場合も多く引き伸ばされると痛みを誘発します。
清水大地
資格
はり師
きゅう師
2008年
鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年
おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年
中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年
渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年
三軒茶屋α鍼灸院を開院
東洋医学では、その部分だけでなく体全体のバランスを診て治療をすることが特徴の一つです。美眼鍼灸においても目ばかりでなく体全体を診て治療をして行くことがとても重要です。目の症状だけが出ている人は、ほぼいません。その他首肩であったり、内臓などに不調が出ている方がほとんどです。
問診
目の症状ばかりでなく、身体全体の不調についても詳しく問診していきます。また、生活習慣や仕事を行っている時の姿勢など原因がどこにあるのか様々な角度から問診していきます。
自律神経測定器
当院では、自律神経の状態を把握することが様々な治療において重要だと考えています。美顔鍼灸施術においても自律神経の状態を計測することはとても重要です。
うつ伏せ治療
背中には五臓六腑の働きを整える上で重要な背部兪穴という重要な経穴が存在します。また、多くの方が長時間の事務作業などで首肩のコリが強いです首肩の筋緊張が強いと、首から上の血流が滞りやすく、顔面部にも栄養ある血液が行き渡らなくなってしまいます。
うつ伏せ治療で背部兪穴を刺激して五臓六腑を調整し、首肩の筋緊張をとることで顔面部の血流を改善していきます。
仰向け治療
次に仰向けになっていただき、目の周りの治療と手足やお腹の重要な五臓六腑の経穴を使用して全体のバランス治療・自律神経調整治療を行っていきます。全体のバランス調整・自律神経調整・首肩の筋緊張の緩和も併せて目の周りの鍼灸治療を行うことで身体の根本から症状の解決を行っていきます。
最近、目尻のシワ・まぶたが重い・目の下のクマなど、眼の美容にお困りの方はぜひ一度当院の美顔鍼灸施術を受けてください。
美容鍼灸コース・・・8,900円
お得な5回分回数券 ・・・40,940円(8%off)
お得な10回分回数券 ・・・80,100円(10%off)
眼精疲労で目の下のクマやシワができる
目の下にクマやシワができる原因は主に皮膚の乾燥と筋肉のコリや硬さが挙げられます。
まず目元の表面部分の皮膚に注目します。目元に皮膚は他の皮膚よりも薄くとてもデリケートな部分で尚且つ皮脂が少なく乾燥がしやすい箇所なのです。
そして細かい血管が張り巡らされているため周りの筋肉の疲労などで疲労物質が溜まりやすくなったり、血流が悪くなりやすい部分なのです。血流が悪く静脈が滞ってしまうとうっ血状態となり目のクマとして表面化します。
目の周囲には眼輪筋といいまして顔の表情を形成する表情筋という筋肉があります。現代人に多いのが近くの物を注視するあまり眼輪筋の緊張状態が長く続いてしまって気づかないうちに疲労しています。
また、肌の乾燥が原因で細かいシワができることがあります。目の下に限らず皮膚がアトピー性皮膚炎などで炎症状態にあるときは細かいシワが目立ちます。逆に赤ちゃんなど肌にうるおいがあるとシワはありません。
目の下やクマやシワは老けて見られるばかりでなく、相手に疲れている印象を与えていい印象を持たれない場合が多いです。
40代 女性 パソコン業務
最近、仕事が忙しく残業で夜遅くまで仕事をしていることが続いていた。睡眠時間も4時間程度で朝になると目の下のくまができて一日中消えずに化粧をする時にとても気になっていた。
夕方から夜にかけてパソコン画面を見ているとまぶたも重たく感じてきて目を開けているのもつらくなり、頭痛や首肩の痛みも強くなった。
少し仕事も落ち着いてきて目のつらさも軽減してくるかと思っていたらなかなか軽減されないため当院にご来院された。
治療
しっかりと問診したうえで自律神経の状態を計測していきました。自律神経が乱れてくると目の周りの血液循環の悪化やまぶたを上げる筋肉の異常にも繋がりかねません。当院では目の症状の方に関しましては必ず自律神経測定器で自律神経の状態を計測していきます。
この方の場合も交感神経の活動が非常に高い状態で副交感神経の活動が低下している状態でした。身体の疲れも取りきれずに朝から体が重い状態とのこと。
まず自律神経の状態を整えてから目の周りの血液循環の改善・筋緊張の緩和を目的に治療していきました。睡眠は身体が回復していく上でやはりとても重要な項目となります。睡眠の質を改善治療にも力を入れて施術していきます。
治療経過
◇1回目◇
治療後、睡眠が深く取れたような気がして朝すっきりした感じがした
◇2~4回目◇
以前感じていた夕方から夜かけて感じる目のつらさが感じにくくなってきた。
◇5回目◇
お化粧をする際に目の下のクマもだいぶ薄くなってきた感じる。
◇6~8回目◇
仕事が忙しく夜遅くまで仕事をしていると翌朝目の下のクマが気になるがそれ以外は気にならなくなった。
東洋医学でいいますと目は五臓六腑の『肝』に深いかかわりがあると考えられています。肝が視覚系の調節をしていると言われているのです。
その他の肝の機能として
・肝は疏泄を主る
疏泄とは隅々まで機能を通行させることです。肝はその役割を担っています。具体的には、情緒を安定させて精神状態を平静に保つことと、自律神経系を介して全身の各機能を異常なく作用させることにあたります。
・肝は血を蔵する
肝が血を貯蔵して必要に応じて各器官に供給や消費をしています。具体的には、自律神経系を介して血管を収縮・弛緩させることで各器官の血流量を調節することを指します。
・肝は筋を主る
肝は筋肉に作用して、緊張や弛緩をさせることで筋肉の運動を調節しています。また、筋肉への血流や神経系を通して運動の調整もしています。
などがあります。肝は目に深い関係があるばかりでなく、身体の血流や各器官の運動に深くかかわっており、とても大切な五臓の一つだとわかります。
この肝に不調が起きてしまうと、美容の面から見ても、血流が悪くなり、筋肉の運動も悪くなるため、シワやしみの原因となってしまう可能性があります。
パソコンやスマートフォンなどの普及により、目に対する環境は悪化の一途をたどっています。
それにより、眼精疲労やドライアイ、眼瞼下垂などの様々な目の症状に多くの方が悩まされています。美容の面においてもこのような目に対する環境の悪化は影響を与えて
・目の周りの血色が悪い
・すぐ目の下にクマができる
・まぶたが下がる
・目尻にしわができる
・目の下たるみ
などの症状が起こりやすくなってしまいます。
長時間パソコンやスマホを見ていると、近くに焦点を合わせるために目のピントを合わせる毛様体筋など目の周りの筋肉が緊張状態をおこして、それが長時間続いてしまうと血流が悪くなってしまいます。
すると、栄養が筋肉などの器官に行き届かなくなり、老廃物質も溜まりやすくなります。
筋肉に栄養が行き渡らなくなる結果、眼瞼下垂や目尻のしわなどの状態や血流が滞ってしまうため目の周りの循環が悪くなっていまい目の下のクマや目の周りの血色が悪くなってしまうのです。
眼瞼下垂とは、上のまぶたが何らかの原因で開けづらくなってしまう病態です。
眼瞼下垂の原因は先天性や後天性など様々なものがあります。ここでは、後天性の眼瞼下垂について簡単に説明させていただきます。
まず、まぶたを上げる筋肉は主に二つあり、上眼瞼挙筋とミュラー筋という筋肉があります。上眼瞼挙筋は脳神経の一つである動眼神経によって支配されており、上眼瞼挙筋の他に毛様体筋に作用して水晶体の厚みを変えることでピントを合わせる役割もあります。
よって動眼神経が外傷など様々な要因で麻痺してしまうと眼瞼下垂の原因となります。そのような原因の場合、目の半分以上がまぶたで隠れてしまい、視界がかなり狭くなる場合があります。他人が見ても顕著に下垂がわかります。
もう一方のミュラー筋は、自律神経のよって支配されており、まぶたを上げる動作において上眼瞼挙筋の補助的な役割のある筋肉です。
最近、増えているのがこのミュラー筋の機能低下により起こる眼瞼下垂だと考えられます。ストレスの多い現代では、自律神経が乱れがちの方が非常に多いです。自律神経の乱れが自律神経支配であるミュラー筋に影響を与えてまぶたを上に上げにくくさせているのです。自律神経失調症やうつ病の方もまぶたが開けづらく、常に眠たそうな顔になってしまう方も非常に多いです。
またパソコンなどで目の周りの血流不足や筋疲労などでさらにミュラー筋や上眼瞼挙筋に栄養が行き渡りにくい環境となり、眼瞼下垂の症状を加速させているのです。
眼瞼下垂は目の症状ばかりでなく、頭痛や首肩痛の原因にもなります。まぶたを上に持ち上がりにくいため、それをおでこの前頭筋という筋肉で補おうとしたり、顎を上げて視界を確保しようとするのです。すると、前頭筋が過緊張状態となり緊張性頭痛の原因となったり、顎を上げることで頸肩部が圧迫されて首肩部の痛みの原因となるのです。
眼瞼下垂は、現代のパソコンやスマホ環境の中で最近増えてきた疾患の一つで、目がパッチリと開きにくい等美容の観点からもとても大きな影響を与えると考えられています。
尿崩症とは、尿の量を調整する抗利尿ホルモン(ADH)バゾプレッシンと呼ばれるホルモンの合成・分泌の障害により腎臓での水の再吸収が低下する結果、尿量が著しく増加する疾患です。
多尿とそれによる多飲が主症状です。突然に発症し、強いのどの渇き(口喝)があります。一日の尿量は3ℓ以上になり、夜間でも減少しません。
尿崩症は体内の水分のバランス調整ができなくなり、腎臓から大量の尿が排泄されるようになる病気です。
体内の水分バランスは、抗利尿ホルモン(バゾプレッシン)と呼ばれるホルモンが重要な役割を果たしています。抗利尿ホルモンは、尿が大量に排泄されないように調整するホルモンであり、体内の水分量を正常に保つために重要なホルモンです。
抗利尿ホルモンは、視床下部と呼ばれる脳の組織の一部で産生された後、同じく脳に位置する下垂体へと移され同部位で保存されます。
体内の水分が足りてないような状態になると(長時間水分が取れていない、下痢などで脱水になっている、運動で汗をかいたなど)、抗利尿ホルモンが下垂体から分泌されます。
下垂体から分泌された抗利尿ホルモンは、血液の流れに乗って腎臓に運ばれます。腎臓に運ばれた抗利尿ホルモンは腎臓に働きかけ、尿を濃くします。つまり、尿として対外に排泄される水分量を減らすことで、体内で水分が保たれるように調整します。
体内に水分を保持する一連の流れから分かるように、体内に水分を保持する機構は複雑です。この経路のどこかに異常をきたすと尿崩症が発症します。
尿崩症は原因に応じて、中枢性尿崩症と腎性尿崩症に分類されます。
◇中枢性尿崩症
中枢性尿崩症は、そもそも抗利尿ホルモンが脳(視床下部・下垂体)において生産や分泌がなされなくなったことによって発症します。
中枢性尿崩症の分類
・特発性:原因が不明なもの
・続発性:脳の中の視床下部から下垂体後葉という部分に別の病気があり、その病気に伴って発症するもの。原因として胚細胞腫、頭蓋咽頭腫などの脳腫瘍、脳外科手術、炎症などが挙げられます。
・家族性:ADHの合成、分泌に関わる遺伝子に変異があるために発症するもの。子へと遺伝する確率は50%です。
◇腎性尿崩症
腎性尿崩症は、抗利尿ホルモンに対して腎臓が反応をしない状態から生じる尿崩症を指します。脳からの指令に対して腎臓が適切に反応しない結果、大量の水分が尿として排泄されることになります。
中枢性尿崩症と腎性尿崩症が尿崩症の代表ですが、その他にも尿崩症を引き起こしうる状況があります。
たとえば、手術や感染、炎症、脳腫瘍などにより視床下部が障害を受けると体内の水分がしっかり保てているにも関わらず常時喉が渇くことがあります。この場合には大量の水分を自発的に摂取するようになりそれに反応して大量の尿が排泄されてしまうようになります。
また、妊娠期間中に一過性の尿崩症を発症することもあります。これは胎盤から分泌されるたんぱく質が抗利尿ホルモンを壊してしまうため、尿量の調節がうまくいかなくなることが原因です。
また、胎盤からはプロスタグランジンと呼ばれる物質が分泌されますが、プロスタグランジンが抗利尿ホルモンの腎臓における反応性を低下させます。しかし、これらの妊娠に関連した尿崩症は軽度であることが多く、出産とともに症状も改善します。
検査・診断
尿崩症では尿検査、血液検査、水制限試験、画像検査などが行われます。
血中の抗利尿ホルモンと血中、尿中の浸透圧を調べます。血中浸透圧は高く、尿中浸透圧は低いですが血中抗利尿ホルモンは低値となります。
また、摂取水分量を制限し、採尿と採血をし、浸透圧の変化を調べます。正常では尿の浸透圧が上昇しますが、尿崩症では上昇しません。さらに、抗利尿ホルモンを注射して、その効果を調べます。中枢性では尿量が減少しますが、腎性では変わりません。MRIでは、性状で認められる下垂体後葉の信号が失われています。糖尿病や腎臓病などの除外と精神的な原因による多飲多尿との区別が必要です。
治療
脳内の病変による場合は、原疾患の治療が必要です。多尿の治療には抗利尿ホルモン製剤を日に1~2回点鼻する方法が一般的です。その他、飲み薬や注射製剤も使用できます。
東洋医学では、排尿に関するトラブルは、水分循環に異常をきたす「水毒・水滞」によって生じる症状です。こうした原因を作り出すのが「水」の状態を調整している五臓六腑の「腎」です。
東洋医学でいう「腎」は腎臓という臓器だけを指すのではなく、排尿、排泄、水分代謝、ホルモンバランス、記憶力などを総合した働きを表しています。
この「腎」の機能が衰える「腎虚」になると「水」の異常が起こりやすくなると考えられています。また、寒くなるとトイレが近くなるように、排尿トラブルの根底には「冷え」があると捉えており、腎虚にも体の冷えや、血の滞りで生じる「瘀血(おけつ)」も関わることがあります。
当院では自律神経測定器にて測定を行い、自律神経のバランスや血管の状態など、お身体の状態を把握したうえで治療へ移ります。
まず、血液循環、内臓機能、内分泌、免疫機能などを司る自律神経系の調整施術を行うことで、症状が治癒しやすいお身体の状態へと整えていきます。
また、排尿障害のある方は下腹部から下肢、腰部や骨盤周囲の筋緊張や冷えが見られる方が多いため、腰から下肢にかけての重要なツボを用いて筋緊張を緩めて血行を改善し、内臓機能を高めます。
さらに、東洋医学的観点から、気、血、水の流れを整えるツボや冷えを除くツボ、五臓六腑の「腎」をはじめとした五臓六腑の機能を高めるツボなどに刺激を与えていきます。
鍼灸治療では、自律神経のバランスと女性ホルモンのバランスを両方整えていくためにそれぞれに対応したツボに鍼や灸をしていきます。また、五臓六腑の働きを整えるツボに鍼やお灸を用い施術することで体の免疫力を高めていきます。
冷えを伴う場合は冷えている部分に温熱療法や鍼灸で血流を改善し身体を温めます。そして下肢や、骨盤周囲に鍼と通電を行う事で骨盤内臓器の血流の循環改善を図り、子宮内膜を強く健康な状態に導くことでホルモンバランスを整えていきます。
また、月経前困難症の方の多くは足の冷えやむくみ症状が出ます。ホルモンバランスや自律神経のバランスの乱れによるためで足を温めることにより血流が改善されて全身的な症状の緩和に繋がります。
女性ホルモンの分泌をコントロールしているのは脳の視床下部で、自律神経も同じく視床下部でコントロールされています。同じ部分でコントロールされているだけでなく女性ホルモンと自律神経は互いに影響しあっている存在でもありますので、女性ホルモンのバランスが乱れると引きずられるように自律神経のバランスにも乱れが生じます。
その他にも疲労やストレスで免疫力が低下していたり、体の冷えから血管が収縮したり自律神経のバランスが乱れてもPMSの症状が重くなる原因になります。
PMS(月経前症候群)とは月経前の3~10日の間続く精神的あるいは身体的症状で月経が始まるとともに減ったり消えたりするものをいいますが、実は女性の中の80%が何らかのPMS症状を抱えているといわれています。
症状としまして
・気分の落ち込み
・イライラ感
・不安感
・集中力の低下
・易疲労
・眠さ
・頭痛
・腰痛
・下腹部痛
・腹部膨満感
・乳房の痛み
・便秘や下痢
・食欲不振
・過食
・めまい
・むくみ
など多岐にわたります。
年代によっても症状が現れる特徴があります。初めて月経が起きるのが小学生の高学年から中学生にかけてでその時期は月経周期も不安定になりがちです。そして、18歳ごろにかけてホルモンの働きが安定してきて月経周期も安定しやすくなります。
18歳から45歳ごろにかけて性成熟期と言われて月経周期も安定しやすく、女性が妊娠するのに適した時期だと言われています。この性成熟期にPMSが多く現れて悩まされている人が多く、20代では、乳房のはり感や腹痛・頭痛などの症状に悩まされることが多くなります。そして、30代に入るとそれに加えてイライラ感や不安感、集中力の低下など精神的な症状も出てきて多くの方がそれに悩まされます。
妊娠経験の有無でも症状が変わってくることが言われており、出産経験がある場合ですと身体症状が多く出て、逆に妊娠経験がある場合ですと精神症状が強く出ると言われています。
また、ホルモンバランスの微妙な変化により月経が起きるたびに違う症状になって身体や精神にあらわれることもあり、毎回毎回その対処に悩まされることもあります。
PMSの起こる原因はまだはっきりと解明されていませんが、セロトニンなどの神経伝達物質の異常分泌や、排卵を境に変動する二つの女性ホルモンが影響してPMSを引き起こすと考えられています。
その二つのホルモンは、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)という二種類の女性ホルモンです。エストロゲンの分泌量は排卵に向けて急上昇し、排卵以降は緩やかに低下します。
一方プロゲステロンの分泌量は黄体期に一気に上昇し月経が始まると急激に低下します。そしてPMSの症状はこの黄体期に現れます。PMSはストレスや体調によって重くなりやすいため、仕事や恋愛などでストレスを抱えやすい20代の方や、家事や育児、仕事で忙しい30代に圧倒的に多く見られます。
几帳面で神経質、完璧主義者、負けず嫌い、コーヒーや甘い物を好む、体力がない、急に仕事が忙しくなった人などもなりやすいと言われています。
・卵胞ホルモン(エストロゲン)
エストロゲンは女性らしさを作るホルモンといわれています。乳房、子宮を発達させ女性らしい体を作り、子宮内膜を厚くさせる働きがあります。また、自律神経の働きを整えたりコラーゲンの合成を進め艶やハリのある肌を保つ働き、骨の形成や血管の収縮を抑制するなどの働きもあります。
最近になってエストロゲンが脳由来神経栄養因子(BDNF)の生産を促していることも確認されています。BDNFは減少すると抑うつ気分などに関係するセロトニンの生産を促すといわれています。
・黄体ホルモン(プロゲステロン)
プロゲステロンは妊娠を助けるホルモンといわれています。子宮内膜の厚さを維持して着床しやすい状態にする働きや、乳腺の発達、食欲増進、体脂肪を減らす、ホルモンバランスを調整する、水分の保持、体温を上昇させるなどの働きがあります。
黄体期に分泌されるプロゲステロンは体の中で色々な現象を誘発します。
例えばホルモンの働きで水分が排出されにくくなってしまうとむくみの原因になります。それが乳房に溜まれば乳房の痛みに、頭であれば頭痛に、水分が体に溜まると身体全体がだるく感じることもあります。
また、エストロゲンの分泌量が減るのに伴いセロトニンの分泌量が減少します。セロトニンは心や体の安定に深く関わっていることから「幸せホルモン」とも呼ばれています。このセロトニンが減少することでうつ症状やネガティブ思考など気持ちが不安定になります。
また、セロトニンの減少は身体面にも大きな影響を与えます。片頭痛や肩こり、身体がだるくなる症状などが代表です。さらにインスリン(血糖値を下げるホルモン)の効果が低下し血糖値が上がる為、この上がった血糖値を抑えるためにより多くのインスリンが必要になります。そのため食事後に2~3時間は低血糖を生じやすく甘い物を食べたくなることもあります。
・食事
PMSの改善には何よりもバランスのとれた食事が大切で特に良質のビタミンやミネラルの摂取が有効です。低脂肪食も良いと言われています。月経前はホルモンの働きで甘い物が欲しくなりますが一度の大量の食べ物を摂取したり血糖値を急激に上昇させるジュースや洋菓子を取るとかえって疲れやすくなってしまいます。月経前は血糖値をゆるやかに上るいも類や玄米、果物などがお勧めです。また、浮腫みなどの症状がある時は塩分の摂取量を控えることも大切です。その他血糖値の急激な上昇を避けるために一日の食事回数を4~6回程度に小分けにして食事を摂ることも有効です。しかし、この際には1日摂取する食事量が増えすぎないように調整することが重要です。
その他、PMSの症状緩和につながる食材としまして、牛乳・ひじき・ゴマ・卵・イワシ・わかめ・さばなどがあります。
・運動
身体に水分を溜めこみやすい月経前は有酸素運動で汗をかくのが一番です。一週間に三回程度30分から1時間程度のウォーキングや水泳、ストレッチなど軽い運動を行うと体に溜め込まれた余分な水分が排出されやすくなり血行も良くなります。また、ストレス解消の効果や安眠効果も期待できます。
1992年にデューク大学で行われた研究で運動によってPMSの精神面における症状が軽減されたという実験結果が出ています。
中年女性(閉経前)23人を2つのグループに分けて有酸素運動か筋トレを行ってもらいPMSへの影響を調べました。一つ目のグループは週三回1時間ほどの有酸素運動を行ってもらいます。内容は15分のウォーミングアップののちに最大有酸素運動能の70~85%の強度で30分間ランニングしてその後15分間のクールダウンを行った。
もう一つのグループは指導を受けながらウェイトマシンで筋トレを1時間ほど行った。
両グループとともに体のPMS症状は軽減されたが、精神面でかなり良い改善結果が出たのがランニングしたグループつまり有酸素運動群でした。とりわけ抑うつ気分やイライラ感、集中力の低下が顕著に改善されたという結果が出ています。
この結果は、PMSの体の症状は筋トレなどの無酸素運動でも改善される可能性があるが、精神面の改善を考慮すると有酸素運動がPMS症状改善に有効と示唆されます。
・ストレスを溜めこまない
PMSには日常のストレスも大きく関係していると言われています。そろそろ体調に波が出てくる時期だと思ったら過度の仕事や無理なスケジュールを避けるなどストレスを溜めない工夫をしましょう。また、睡眠をたっぷりとる事も大切です。普段から基礎体温を測って不調になるサイクルを記録しておくと不調になる大体の時期を把握できるので便利です。