月経困難症の鍼灸治療

2018年10月2日

月経困難症の鍼灸治療

 

気と血の状態をよくして、子宮の周辺の状態をよくすることを目的に施術します。下半身から子宮への影響があるため冷え症を持っている方は、併せて施術していきます。

月経困難症の鍼灸治療

 

手足や背中の経穴を用いて症状緩和をさせていきます。

 

月経困難の背部への鍼灸治療

当院では、自律神経測定器により身体の中の自律神経を測っていきます。
測定器により交感神経と副交感神経のバランスを調べることができます。
それ以外にもストレスや疲労度、血管年齢から日頃の生活習慣もわかってきます。
自律神経は人の自然治癒力に大きく関係しますので、自律神経を整えていくことが症状を治していく早道だということになります。

自律神経はその人の体質になりますので一定期間の施術が必要になります。
まずは2回から3回はつめて来ていただき、一週間に一度、二週間に一度のように来院期間を伸ばして施術していきます。
おおよその目安として三か月程度をみていただきたいと思います。

その人その人によって症状の重さが違いますので、すぐに治療効果が出る方から何回か治療を重ねないと効果がでない場合もありますので、上記の治療期間は目安までにご参考下さい。
鍼灸治療は現代医学の補完医療にもなりますので、現在病院に通われている方も併せて鍼灸治療を受けていただくことで効果が高まりことがあります。
月経困難症で悩まれている方は鍼灸治療による体質改善をお勧めします。

 

月経困難症には三陰交
月経困難症の特効穴として『三陰交』というツボがあります。三陰交は五臓六腑の肝・脾・腎の3つの経絡が交わるとても重要なツボです。場所は、足の内くるぶしの一番高い所から指4本分膝方向に進んだところの骨のきわにあります。それを毎日軽く押してみたり、簡易的なお灸で刺激してあげるのも効果的です。

月経困難症の三陰交への鍼灸治療

月経困難症のセルフケア
月経困難症の痛みを和らげる方法として子宮や骨盤内の血流をよくすることが基本です。
そのためには、体を冷やさない特に下腹部を冷やさず温めることが重要です。冬では下腹部辺りにホッカイロを当てたり、夏では薄手の腹巻を巻いて冷えから子宮や骨盤内を守りましょう。また、下腹部ばかりでなく腰も冷えてしまうとその冷えが伝わり月経困難症の痛みの原因となってしまいます。東洋医学でも腰には腎の重要な経穴が存在しており、腰を冷やすと腎や生殖器に悪影響が出ることが知られています。

 

その他にも
・有酸素運動やストレッチを行う
・栄養バランスのとれた食事
・しっかりと睡眠時間を確保する
・禁煙をする
などが挙げられます。運動特に有酸素運動をすることで体全体の血流が良くなり、自律神経的にみても副交感神経が優位に働きやすい状態となります。食事や睡眠も重要でそれらの基本的な生活習慣の乱れは症状を長期化させる危険性があり、普段の生活から意識的に行っていきましょう。

 

 

月経困難症に対する東洋医学

 

東洋医学では月経困難症を「痛経」または「経行腹痛」といいます。この2つの原因は、気血が滞っていたり、運行がスムーズに行かないことと考えられています。気血が滞る原因は様々なものが考えられますが、月経困難症の場合、肝鬱気滞・気血両虚・肝腎陰虚の3つが主な原因として考えられます。

特に東洋医学の『』は精神的なストレスの影響を受けやすく、肝の疏泄を主るという気を全身に巡らす重要な機能が損なわれて気が停滞して月経困難症のほかにも更年期障害やうつ病・自律神経失調症などの症状を呈します。

また、肝の機能が低下して弱まってしまうと、東洋医学では『肝腎同源』と考えられているため腎の機能低下にも繋がり、肝腎陰虚の症候として体に現れます。肝腎陰虚は月経困難症の他にも頭痛や目の充血などの目の障害も引き起こす可能性があります。

 

 

月経困難症の鍼灸治療症例

 

20代女性
10代の頃から生理前になると下腹部痛がひどかったが、20代で就職してからはさら症状が強く出るようになった。さらに仕事でのストレスが多い時期と生理の時期が重なると症状が強く出て会社を休まざる負えない状態となることもあった。当院にご来院された時も生理痛がひどく出ていて鎮痛薬と漢方でなんとか症状を抑えている状態でした。

治療経過
まず自律神経測定器で自律神経の状態を計測してから治療に入りました。下腹部痛の症状の他にも下肢の冷えやむくみ症状が強く出ている状態で、全体的な血液循環も悪く、東洋医学では肝と腎が弱っている状態でした。自律神経も交感神経の活動が高く、自律神経の乱れがありました。
自律神経を整え全身をリラックス状態にする施術と下腹部の痛みを鍼刺激でとる治療を重点的に行いました。

◇1回目◇
治療後、下腹部痛の痛みは半分ほどになった。

◇2回目◇
生理が終わり、下腹部痛はなくなったが、冷えやむくみ・自律神経の乱れは見受けられたので全身の調整治療を中心に治療していった。

◇3~5回目◇
身体がなんとなく軽く感じるようになり、睡眠が深くなったように感じた。日中たまに感じる身体の重だるさがあまりなくなった。仕事でストレスを多く抱えると胃の辺りに不快感を感じていたがそれが最近なくなった。
◇6回目◇
今回の生理痛では下腹部痛があまりなくなり、薬を少し服用するだけで過ごすことができた

 

症例2
20代 女性
高校生の時から月経痛がひどく、痛みがひどい時には学校にも行けない日もあった。大学時代は少し痛みが落ち着いていて痛みがあるときは鎮痛剤を服用することで日常生活はおくれていた。しかし、社会人となってストレスが多い生活を送っていた時にまた月経痛がひどくなり、鎮痛剤の効き目も悪くなってきてしまった。
痛みがひどくて外出が出来ずに仕事を休んでしまう日もあるほど。月経周期は正常だが、不妊症にも悩んでいる。腹痛以外にも頭痛・肩こり症状が出る時もある。

治療
自律神経を計測したところ交感神経・副交感神経の活動がともに低い状態で自律神経の乱れが見られたので自律神経の活動を整えつつ、東洋医学で月経困難症に有効とされる肝経・腎軽・脾経の経穴を用いて施術していきました。体特に四肢の冷えが強く診られたのでお灸を使って補温の施術も行っていきました。

治療経過
週に1回の治療間隔で施術していきました。治療開始から初めての生理時には月経量が減少したと感じて、痛みも以前の生理時よりも半分程度まで減少したと感じたとのこと。鎮痛剤も飲まなくて済んだ。自分でできる簡易なお灸も自宅でやっていただくようにした。毎回置き鍼も貼るようにして効果がなるべく持続できるような処置をしていきました。

治療開始から3か月後には生理時でも腹痛や頭痛などの症状が起きなかった。体の冷えもだいぶ解消されたと感じてお腹の冷えがなくなり、体全体の調子が良くなったと感じているとのこと。
4か月後には妊娠していることが判明された。

 

 

月経困難症とは?

月経困難症とは、月経直前や月経時に下腹部痛腰痛といった骨盤を中心とした疼痛の症状です。

いわゆる生理痛のことです。本疾患は気にならない程度のものは含まず、日常生活が損なわれるような仕事や学業などの社会生活が困難な場合や何らかの医療介助を必要とする強い症状をきたした場合にいいます。

月経時の疼痛は6割から8割程度にみられますが、就労が困難なものは3割程度と言われています。

月経困難症には、器質的な異常を伴わない機能性月経困難症と器質的な異常を伴う器質性月経困難症に分類されます。

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機能性月経困難症

月経困難症の大半が機能性月経困難症になります。

機能性月経困難症は原発性月経困難症ともいい、骨盤内に器質的な異常がないのに月経困難症をおこすものです。若年層では月経困難症で悩んでいる方のほとんどは、機能性月経困難症と言われています。月経痛の原因として、内分泌失調・自律神経失調や心因的要因が考えられており、それらが誘因となって子宮筋に過度なストレスがかかって、痛みを引き起こすとされています。
機能性月経困難症は、一般的に初経後の3年間は起こらずに3年経った後に月経困難症が発症して出産後は軽快する場合が多いのが特徴です。

器質性月経困難症

器質性月経困難症は続発性月経困難症ともいいます。器質的な原因となるものや骨盤内の炎症や子宮位置異常、子宮奇形、子宮頸管狭窄、子宮内膜症や子宮腺筋症、子宮筋腫、などがあります。

この中でも器質性月経困難症で子宮内膜症が一番多くみられるものです。20代以降で月経周期が安定してからの月経困難症は、器質性月経困難症の可能性が高く、すぐに一度婦人科を受ける必要があります。

主な症状は激しい生理痛です。不妊症との関わりも深く、原因不明の不妊症の半分に子宮内膜症があると言われています。子宮内膜症はホルモン療法が主流ですが、その副作用と再発率が高く、注意が必要です。

また子宮筋腫が原因で器質性月経困難症にかかる場合も多く、筋腫が小さかったりほぼ無症状の場合も含めると中年女性の20~25%の方に子宮筋腫がみられるといわれています。子宮筋腫の場合、月経困難症の他に過多月経や頻発月経の場合もあります。

原発性月経困難症は原因を特定することが難しいのですが、妊娠や加齢によって症状が軽減することもあります。

 

 

月経困難症の原因

機能性月経困難症の原因には様々な説があり、心因、内分泌、子宮筋過強収縮、頸管因子、神経、子宮後頸後屈、子宮発育不全などです。その中でも注目されているのが、プロスタグランジン説です。

プロスタグランジンとは、子宮内膜が分泌期から月経期に産生されるもので、子宮筋が過剰に収縮して、子宮内圧が亢進するため子宮筋が虚血性変化を起こすことで痛みを引き起こすものと考えられています。

このプロスタグランジンは痛みのもとであり、月経困難症の原因となるときに通常より多く産生されるために痛みを強く感じると考えられます。

器質性月経困難症は、器質的な病気が存在するもので、子宮内膜症、子宮腺筋腫、子宮筋腫、子宮頸管狭窄、骨盤内の炎症や癒着、性器奇形、子宮位置異常などの子宮関連の病気です。

また、無排卵でも月経困難症になることもあります。前屈や後屈が強い女性で、子宮発育不全の子宮腔内に月経血が溜まることで起こると考えられています。

 

病院での検査

 

検査には、尿検査、血圧検査、血液検査、超音波検査などを行います。

 

器質性月経困難症にはCTやMRIなどを行います。

 

診察では、初経の開始時期月経期間月経周期など月経歴で推定鑑別をします。そのなかでも初経より月経痛が発症するまでの期間、痛みや時期、持続について聞きます。

機能性月経困難症の場合は、月経直前または一日目に症状が出て増悪しないことが多いです。一般に若年に起こります。

排卵性周期に伴って起きることが多いので、初経後に排卵性周期が確立すると増加します。

器質性月経困難症の場合は初経後5年など数年後に発症するものが多いです。

初経から数年ない状態から発症した場合は器質性月経困難症を疑います。

 

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病院での治療

器質性月経困難症の場合は原因となっている病気を治すことで症状を改善していきます。

 

機能性月経困難症の場合は、鎮痛薬漢方薬などの対処療法が一般的です。

鎮痛薬、低用量ピル、子宮収縮抑制薬、漢方薬などの薬があります。

その他、月経困難症のプロスタグランジンの産生を減少させるものや子宮の収縮を抑える薬などです。

 


Posted by 中目黒の鍼灸院 東京α鍼灸整骨院|眼精疲労 at 22:56 / 院長コラム 月経困難症の鍼灸治療 はコメントを受け付けていません。

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