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2月1日(木)より院長清水の施術料改定のお知らせ

木曜日, 1月 11th, 2024

いつも東京α鍼灸院をご利用いただき、誠にありがとうございます。お陰様で多くの方に支えられ、これまで以上に質の高いサービスを提供できるよう努力してまいりました。

誠に勝手ながら、経費の変動やサービス向上のための改善策を実施することとなり、院長清水の施術に限りまして料金改定をさせていただくことになりました。

改定後の主な料金は下記の通りです。

 

◆院長全身はりきゅう施術料金◆

6,900円 → 7,900円

◆院長眼科鍼灸施術及び耳鼻科鍼灸施術料金◆

7,900円 → 8,900円

◆院長美顔鍼灸及び全身ゆったり施術料金◆

9,900円 → 10,900円

◆回数券料金◆

今までと同様に5回券は8%オフ・10回券は10%オフ

 

 

新しい料金は2024年2月1日(木)から適用となります。

今回、院長清水の料金改定のみになります。他の施術者の施術料は変更ございません。

これからもより一層の満足度向上に向けて、心を込めた施術とサービスを提供してまいります。何かご質問やご不明点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

今後とも変わらぬご愛顧賜りますようお願い申し上げます。

 

 

予期不安に対する鍼灸治療

金曜日, 12月 29th, 2023

◯予期不安に対する鍼灸治療

予期不安に対する鍼灸の治療方針は、

「心(しん)の働きを整えること」と

「頸・背中のコリを解消させること」です。

「心(しん)の働きを整えること」

人の情動や精神活動を司る「心」は気が不足すると焦燥感や不安を起こしやすくなります。この状態は、電車や人混みなど発作の起きやすい場面を想像した際に発症する予期不安を誘発します。

そのため「心」の気の充足が重要になります。

また、「心」の働きを強めるのが「肝」の働きになります。「肝」は身体の気の巡りや自律神経系を司ります。

「心」と「肝」が充分に働くようお身体に合わせて手足にあるツボに鍼や灸をしていきます。

例)神門・太衝

「頸・背中のコリを解消させること」

頸・背中のコリは自律神経の交感神経が過剰に働いてしまう原因の一つです。また身体の状態と精神の状態はとても深く影響し合っています。そのため発作は抑えられていてもコリが残っていると予期不安が続いてしまう場合がみられます。

なので頸や背中の筋肉にあるコリに鍼をしていきます。

例)後頭下筋群・胸鎖乳突筋・僧帽筋・脊柱起立筋

◯予期不安の東洋医学

東洋医学では、予期不安は「心」と深い関係にあると考えられます。五臓六腑の「心」とは精神活動や情動を司るとされ、「心」を病むと精神的な症状(不安・動悸・睡眠障害など)が現れます。また「心」は五臓六腑全ての活動を統率し、身体全体が正常に働くよう調和を計っている役割があります。つまり脳や内臓、神経、ホルモン、筋肉、血液全ての組織・器官の働きが適切に行われるためには「心」が正常に働き統率する必要があります。

「心」を補い、支えているのが「肝」になります。五臓六腑の「肝」とは身体の気の巡り(疎泄)や自律神経系を司っており、「心」の働きを補う役割も担っています。また「肝」は自律神経系に深く関わっているため、「肝」の働きが乱れると頭痛や息苦しさ、下痢、便秘、慢性的な首肩こり、疲労感などを引き起こします。

◯予期不安の病院での治療

薬物療法

パニック発作や予期不安に対して、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)や三環系抗うつ薬、ベンゾジアゼピン系抗不安薬が用いられます。薬物療法のお薬の副作用として悪心やめまい、眠気、立ちくらみ、お薬の依存性が挙げられます。症状を抑えるのにとても有用なお薬ですが依存してしまう可能性がありますので、徐々に服用頻度を減らせるとよいです。

認知行動療法

普段なら難なくできる行動が予期不安でできなくなってしまっている状態に行います。できないことを挙げていき、一番簡単なことから少しずつ行い成功体験を積んでいきます。

◯予期不安とは、、、

予期不安とは、「〜をしたら、〜になってしまうのではないか」という明確な不安です。

一般的な例として、電車内でパニック発作を起こしていた方。この方は症状の軽快後に「電車に乗ったら、パニック発作が出てしまうのではないか」という予期不安が出ます。

このように予期不安が頻繁に起こるようになると、日常の行動一つ一つが行い辛くなります。「音楽ライブや映画館に行くことが怖い」はまだ行くのを控えればよいですが、「学校や仕事場に行くことが事が怖い」があると生活・人生に支障をきたします。

また「外に出る事」や「人に合う事」すら予期不安によって行えなくなる場合があります。このような症状があると日常の生活がとても困難になります。そして併せてうつ症状(気分の落ち込み・やる気が出ない)や自律神経失調症(寝れない・日中怠い・疲れやすい)などを併発することもあります。

他にも不安によって日常生活に支障をきたす不安神経症も存在します。こちらは漠然とした不安から急な動悸や発汗、めまい、呼吸困難を起こします。そのため発作の頻度によっては外出がしにくくなり普段通りに生活を送り辛くなります。

吐き気

◯予期不安のセルフケア

予期不安が出にくくするために出来るセルフケアをご紹介します。

首の後ろで後頭骨と首の筋肉が交わっているラインにコリがあります。このラインの中央にあるコリは瘂門と呼ばれる経穴のある部位です。またその両脇にもコリがあります。経穴は天柱や風池がある部位です。

この後頭部にあるコリは後頭下筋群と呼ばれる小さい筋肉の集まりにコリが出来ています。後頭下筋群は頭蓋骨を支えると同時に脳幹の中の自律神経の中枢(視床下部)に近い重要な筋肉群です。ここにコリがあることでめまいや不安、動悸などの自律神経症状が起きやすくなります。

仰向けに寝た状態で、このコリを母指でゆっくり押していきます。方向は後頭骨にコリを押し付けていきます。首の筋肉は脱力し、母指に頭の重さを感じながら行います。

次に浅い呼吸に対するセルフケアです。

重要な筋肉として、胸鎖乳突筋があります。

この筋肉にコリがあると呼吸が浅くなりやすくなります。

胸鎖乳突筋は耳の後ろの頭蓋骨から鎖骨に付着しています。耳の後ろにあるコリは後頭下筋群と同じように押していきます。鎖骨の方は上から指を引っ掛けるように少し食い込ませて圧迫していきます。このように胸鎖乳突筋の緊張を緩めることでコリを解消していきます。

消化不良の東洋医学

木曜日, 12月 28th, 2023

消化不良に対する鍼灸治療はWHO(世界保健機関)でもその有効性が認められている症状の一つです。消化不良の原因は多く挙げられますが、鍼灸治療を施すことにより東洋医学でいう五臓六腑の機能が整えられたり、自律神経のバランスが整えられることで消化不良の症状が軽減されることが期待できます。

消化不良の東洋医学

東洋医学では五臓六腑の『』と『』が消化吸収に関する重要な臓器と言われています。

東洋医学での脾は、消化器系全般の消化吸収機能や栄養代謝、免疫維持機能などの役割を担っていると考えられています。消化吸収に関しましては、脾の『運化を主る』という機能が重要です。

運化を主るとは、飲食物を消化して消化された栄養物質や水分を脈中などに送り、門脈系やリンパ系を通じて全身に輸送することを指します。この一連の流れを脾と胃の働きによって遂行されています。

この脾の運化作用が低下してしまい、全身のエネルギーとなる気血の生成が不足してしまうと吸収能力や栄養の代謝能力までも低下して全身に気血を行き渡らせることができなくなってしまいます。

すると、四肢や肌肉にも影響が出てきて肌肉がやせたり、力が入らずに、その状態が長く続いてしまうと全身的な栄養不良の状態である『気血両虚』という状態を引き起こしやすくなります。

脾の運化を主る機能が弱って消化不良を起こす病態の多くは、『脾胃気虚』と『脾胃陽虚』という状態です。

当院の消化不良に対する鍼灸施術は、東洋医学的観点によりこの『脾胃気虚』と『脾胃陽虚』を正常な状態に戻す施術を行っていきます。

消化不良の鍼灸治療

そのほか自律神経の状態も整えつつ、全身の巡りを活性化するような全身施術を行っていきます。

消化不良のうつ伏せ鍼灸治療

下肢への脾胃の重要なツボを用いて機能を正常化させる施術も行っていきます。

消化不良の下肢への鍼灸治療

消化不良について

消化不良で食べ過ぎた後やお酒を飲みすぎた後に胸やけや吐き気、便通が悪くなるといった症状を経験したことがある人は多いかと思います。このような場合、単なる消化不良といって放っておくと深刻な病気に繋がってしまう危険性があり、注意が必要です。

 

消化を行う器官を消化管といい、口から食道・胃や腸を経て肛門に出る一本の体を貫く管です。人間は野菜や果物、魚や肉も食するため消化も複雑な構造をしており、消化管の他に唾液腺や肝臓・胆のう・膵臓が消化に関わっており、すべてを含めて消化器系と言われます。

まず、口に運ばれた食べ物は咀嚼運動によって小さく細かくかみ砕かれて嚥下運動を経て食道に運ばれます。この際にもすでに唾液腺から出る唾液により消化は始まっています。

 

次に食道から下りてきた食物は、胃の中に入ります。

食物が胃の中に入ると反射的に胃は動き始めて胃液を分泌します。胃液は、ペプシノゲンという消化酵素が含まれており、タンパク質をペプチドという物質に分解していきます。その他胃酸は、その強い酸性により食物についている菌を殺します。

 

胃の中である程度消化された食物は、腸に運ばれてさらに消化されていきます。小腸は、十二指腸→空腸→回腸へと続く靱帯の中で一番長い消化管で食物はそこで4~8時間かけて消化されていきます。

肝臓で生成された胆汁は十二指腸で分泌されて脂質の消化に深い関わりをもっていきます。また、すい臓で生成された膵液も小腸内で分泌されて酸性の強い胃液の中和や中性脂肪の分解や多糖類の分解を行っています。

 

最後に食物は大腸・直腸を経て肛門から体外へと排出されます。大腸では主に水分が吸収されて、柔らかかった食物も固められて固形の物に変化していきます。

脂肪肝

このように口から運ばれた食物が様々な消化の過程を踏んで肛門から排出されますが、その中で臓器の何かしらの不具合が起きて消化不良となってしまうのです。消化不良は、消化の過程でうまく消化が行うことができずに食物から必要な栄養素や水分を吸収することができずに様々な体の不調を生じさせます。

消化不良の症状として主に

・胃痛

・胃の不快感

・腹部膨満感

・吐き気

・胸やけ

・腹痛

・下痢

・便秘

・げっぷ

 

などが挙げられます。

このような状態が続いてしまうと体は消化不良により、必要な栄養素や水分を体内に取り込むことができていないため、体力や免疫力は低下して重篤な疾患に繋がりかねません。

また、上記のような消化不良の症状が体にすでに重篤な疾患が隠れている際の場合もあります。

・急激な体重減少

・食物をうまく呑み込めない

・真っ黒い便や血便が出る

・嘔吐を頻繁に繰り返す

・めまい症状

・血圧の低下

・冷や汗が出る

 

などの症状を併発した場合はすぐに病院で検査を受ける必要がります。

消化不良

 

 

消化不良が伴う疾患

消化不良は、多くの場合は一時的であったり、検査をしても原因の分からない機能性消化不良の場合が多いですが、そこに重い病気が隠れている場合もあります。

 

・胃潰瘍

胃潰瘍は一度は耳にしたころのある疾患かと思いますが、ストレスなどによる自律神経の乱れや免疫力の低下により、胃液で胃が傷ついて胃痛や吐き気を伴います。

 

 

・逆流性食道炎

胃の中で食物を消化・殺菌するはずの胃液が食道へ逆流してしまう症状です。胃液に含まれる胃酸はとても強い酸性で食道を傷つけてしまい炎症を起こします。食生活の乱れや日常生活での過度なストレスが原因とも言われており、胸やけや呑酸の症状を呈します。

 

・十二指腸潰瘍

十二指腸が傷ついて炎症を起こしている状態です。強い腹痛や食欲不振・吐き気・嘔吐・腹部膨満感が症状としてあらわれます。30~40代の男性に多く発症すると言われており、ピロリ菌や強いストレス・喫煙習慣などが原因となると言われています。

 

・胃炎

胃炎には急に発症する急性胃炎と長期間の炎症が伴う慢性胃炎とがあります。多くは食べ過ぎ・飲みすぎ・喫煙習慣などの生活習慣、過度な精神的・肉体的ストレスによる自律神経の乱れが原因とされています。食べ過ぎ飲みすぎの状態で胃酸が過度に分泌されてしまうために胃の粘膜は傷つきやすく、自律神経の乱れも胃酸過多の状態となりやすくなります。

症状としてみぞおち辺りの違和感や痛み、吐き気や下痢、胸やけや嘔吐など様々な体の不調が出ます。

 

・がん

消化不良は、大腸がんや胃がんなど重篤な疾患が隠れている場合もあります。急激な体重減少や血便などの便の異常が見られた場合はすぐに病院で検査を受けましょう。

 

自律神経と胃腸の働き

自律神経と胃腸の働きはとても深い関係にあります。自律神経は自分の意識とは無関係に働き、主に内蔵の働きであったり、血流をつかさどっている神経です。これは、胃腸の働きに関しましても例外ではありません。胃腸も自分の意識で動かそうとしてもできません。自律神経には活動的な神経である交感神経と体を休めるリラックス神経である副交感神経とがあり、この交感神経と副交感神経とのバランスが重要となります。このバランスが崩れるとよく言われる自律神経が乱れとして体に様々な症状が出てきます。

胃腸の働きも自律神経が深く関わっており、交感神経が亢進すると胃腸の働きは低下して胃液や腸内の分泌液は減少して消化不良に陥りやすくなります。逆に副交感神経が亢進すると胃液の分泌が増えて胃腸の働きは活発になります。

しかし、副交感神経が亢進し過ぎても胃酸の量が増えて胃を傷つけたり、胃腸の働きが活発化し過ぎて下痢となる危険性があります。

胃腸の働きは自律神経である副交感神経の活動がとても重要ですが、あまりに副交感神経の働きが活発化してしまうと消化にとっても良くないのです。

 

しかし、現代のストレス社会では明らかに活動的な神経である交感神経が過亢進気味の方が多いです。交感神経は胃腸の働きを低下させて消化不良になりやすいです。

鍼灸治療は、自律神経を整える・主に交感神経の活動を抑制して副交感神経の活動を活発化させることが研究でもわかってきています。鍼灸治療は、この作用を利用して胃腸の働きを正常化するのにとても有効な治療法といえます。

消化不良の鍼灸治療 症例

40代女性

ここ1か月ほど胃の調子が悪く、食事後の胃もたれを強く感じる。

数時間してもなかなか消化されずお腹が全体的に重い。

食後にコーヒーを飲むのが好きだが、最近はコーヒーも飲めなくなってきた。

繁忙期のためゆっくり休むこともできずストレスもたまっている。

睡眠時間はだいたい4時間ほど。背中の胃の裏あたりの圧迫感も気になっている。

 

当院の治療

触診をおこなったところ、腹部と足の冷えが強く、腹部・背部の筋緊張も強くでていました。仕事のストレスや睡眠不足から自律神経が乱れ胃腸の働きが悪くなっているため、鍼灸で全身の調整を行うことにしました。

まずは仰向けで腹部と足に鍼と灸をほどこし、身体全体の血流が良くなるように促します。

次にうつ伏せで背部の筋緊張をゆるめ、胃の六ツ灸を行いました。

日常生活では、湯舟につかること、冷たいものや刺激物はさけること、油ものは控えて腹八分目を心がけることをアドバイスした。

 

◇1回目◇

胃もたれが軽減した。

背中が楽になり呼吸がしやすくなった。

 

◇2回目◇

徐々に良くなってきている。

まだ消化には時間がかかるが、前ほどのもたれ感はない。

仕事もひと段落し、ストレスも減少した。

 

◇3回目◇

胃もたれはほぼなし。

お菓子や油ものを食べると少し違和感があった。

 

◇4回目◇

良くなった。

鍼をはじめてから睡眠の質もあがったように感じる。

 

症例2

30代 女性

1ヶ月前から食後にみずおちに違和感が出るようになり、ここ数日は鈍痛や締め付けられるような痛みが気になるようになってきた。
食べても胃が固まって働きが悪く感じる。

元々ストレスがかかるとみずおちあたりがチクチク痛む事があり、自然に軽快するため今回の胃痛も放置していたが、悪化してきたため当院に来院した。

念のため病院で検査を受けたが特に異常がなく、機能性ディスプペシアと診断された。

当院の施術

問診、触診、自律神経測定器の結果を元に施術を進めていきました。
この方は、胃の痛みから背中の筋緊張が強くなってしまい、そのため胃の負担を増悪させている状態でした。
まずうつ伏せで背部の筋緊張緩和を目的に低周波電気鍼治療を行いました。

また、みずおち部分だけではなく、下腹部の強い張りがありました。詳しくお話を聞いてみると、胃の不調を感じ始めたあたりから便秘気味だったという事です。
胃に食べ物が入ると大腸の蠕動運動が起こり便を肛門まで運ぶ生理反応があります。
この方は胃の働きが低下しているため胃・大腸反射が充分に機能していない事で便秘を起こしていました。

仰向けでは自律神経の調節、腹部の張りに対する施術だけではなく、胃と大腸の反応点や経穴を組み合わせて胃腸を整えていきました。

経過

◇1回目◇
初回の施術では特に効果が得られなかった。

◇2回目◇
今回も胃の状態は変化がないが、良く眠れるようになり睡眠の質が変わったような自覚がある。

◇3回目◇
施術後胃の痛みが少し軽くなったが、また時間が経つと痛みはじめた。便秘の回数も以前より減少してきた。

◇4回目◇
食後の胃の痛みやむかつき感が軽くなってきた。

◇5回目◇
揚げ物やラーメン、辛い物を食べると胃の不快感はまだ出るが、それ以外の食事では気になる事が減ってきた。

◇6回目◇
ほとんど気になる事がなくなった。
食べる事への不安もなくなり、今では以前のように食事を楽しめるようになった。

 

消化不良を予防する

これまで書いた通り消化不良だといって決して侮ってはいけません。消化不良を起こしてしまう原因の多くは食生活などの生活習慣にあり、それらを改善していかなければ重篤な疾患にかかってしまう危険性もあるのです。

・食生活の改善
まず、消化不良を起こしてしまう原因に食べ過ぎがあります。食べ過ぎてしまうと、胃や腸は消化が追い付かなくなってしまうため、消化しきれなかった食物が胃や腸に影響を与えて痛みや不快感、吐き気などの症状を起こしてしまいます。今は飽食の時代でしっかりと栄養を取れている方が多いので、食事は腹6~7分目を目安にお腹いっぱい食べないように心がけましょう。
咀嚼するときも意識的に回数を増やしましょう。咀嚼回数が増えると唾液が多く出るため、唾液に含まれるアミラーゼが消化を助けて消化しやすい状態で胃や腸の消化を助けてくれます。また咀嚼回数を増やすことで食事の時間が長くなり、満腹感を得やすくなります。
食事を摂る時間も重要です。特に寝る直前に食事を摂ってしまうと寝ていると胃や腸の働きは低下するため胃腸に長く食物が滞在して胃もたれなどの原因となってしまいます。

・運動習慣
適度な有酸素運動(ウォーキングや水泳など)をすると腸の働きが活発化して、消化の助けとなります。また、副交感神経の活動も活発化することで胃腸の働きやすい環境となります。

・ストレスを解消する
胃腸の働きは自律神経とくに副交感神経の活動が重要となります。常に緊張して体の力が抜けずリラックスできない状態が長く続いてしまうと交感神経の活動が高まり、胃腸の働きが鈍くなってしまいます。趣味の時間を持つ、十分な睡眠時間を確保するなどして副交感神経の活動を高めて自律神経のバランスを整えることで胃腸の働きは改善されやすくなります。

 

執筆者

清水大地

眼精疲労専門の鍼灸師

資格
はり師
きゅう師
2008年
鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年
おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年
中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年
渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年
三軒茶屋α鍼灸院を開院

不妊症に対する鍼灸治療

火曜日, 12月 26th, 2023

 

鍼灸治療

実際に現代医学で一般検査をしても原因がわかるのは6割程度です。

現在では生活習慣が妊娠と大きく関係していると見直されています。

ストレス回避や運動習慣など日常の健康管理が妊娠に繋がると考えられています。

 

鍼灸治療では

大まかに悪いところを治す!になります。

健康な身体であれば妊娠しやすいはずですので、鍼灸治療により身体のバランスを整えることが不妊治療にもなります。

女性に多い症状で

  • 女性に多い下半身のむくみや冷え症
  • ・腰部が異常に硬く柔軟性が無い方

があります。これらの方は、骨盤内血流量が下がっています。

骨盤内血流量が直接妊娠に関係しているとはわかっていませんが、子宮血流が良くなると妊娠率も上がってるということはわかっています。

 

不妊症の鍼灸治療

 

中リョウ穴が骨盤内血流量を上げることも知られています。

陰部神経に響くように仙骨側からアプローチすることが有効になります。

血管抵抗が下がり子宮血流が良くなります。

 

不妊症の骨盤内血流改善鍼灸

 

 

冷えに対するアプローチも大切です。

下半身の状態は女性ホルモンに影響しますので、冷えやむくみを改善する事も不妊治療になります。

冷え解消の鍼灸治療

下半身からの冷えた血流や緊張した筋肉が鼡径部に悪影響を与えるためです。

下半身の冷えの改善を目的に腎兪・三陰交に灸頭鍼を行います。
それと症状に合わせた経穴を使うことで、冷えを改善していきます。

 

 

男性側の不妊治療には、腎の気を高めてあげるのと生活習慣を改善してもらいます。

精液は食生活の影響を受けます。コンビニ弁当や偏った食事の方としっかりとした食事をとられている方では精子の運動率や数に大きな差がでるからです。

治療では、肩こりや腰痛などを中心に体の諸症状を治していくことで健康になっていってもらいます。

当然お酒は控えめにしていただき、禁煙してもらうのが一番です。

 

 

 

 

治療期間

 

3か月間の治療を続けていくと効果がでてきやすいです。

 

鍼灸治療で体質改善後から影響を受け始めて、排卵するまでが六か月間になるからです。

思春期になり原始卵胞が順番にスタートラインに並び成熟を開始します。それから順番になって排卵までおよそ三カ月かかります。

今の卵子は三カ月前の生活や体調が関係してくることになります。

三か月前の状態をよくするためにもそこからさらに体質改善に三か月ほどみたいので、

一般的に半年を目安行います。

 

 

その他

健康食品などでは

 

排卵障害にはエストロゲン様作用を持つものを食べて、

黄体機能不全にはプロゲステロン様作用を持つものを食べると良いです。

 

エストロゲンには

  • ・マカ
  • ・ブラックコホッシュ
  • ・レッドクローバー
  • ・イソフラボン

 

プロゲステロンには

  • ・チェストベリー
  • ・チェストツリー

 

 

大切な生活習慣

 

  • ・適度な運動習慣
  • ・バランスのとれた食事
  • ・充分な睡眠
  • ・ストレスを回避する生活

健康的な生活を送っていただけなければ、治療をしても意味がありません。

生活習慣の改善なくしてはその効果は半減します。

特に現代では運動不足、食生活の変化、ストレス、冷え、薬剤、高齢化など生活を見直すことは治療効果にも大きく影響します。

 

 

治療方針

 

治療には女性も男性も同じぐらいの意識をもって治療を受けて頂けるのが理想です。

女性だけの問題ではなく、男性も原因を持っていることがあるためです。

男性側と女性側が取り組んでからの治療効果になります。全員で妊娠にアプローチしていくのが当院の治療方針です。

妊娠

 

 

 

不妊症の原因

 

妊娠を試みて2年経っても妊娠しない状態と定義されています。避妊せずに一定の頻度性交渉を行った場合、一年で80%、2年で90%のカップルが妊娠するという統計があります。

その妊娠に至らなかった残り10%が何かが原因で妊娠に至らなかったと考えます。

不妊症

 

一般的には女性側が取り上げられますが、原因としては、女性側、男性側、原因不明そして男女両方に原因がある場合に分かれます。
女性側の原因としては

  • ・排卵因子
  • ・卵管因子
  • ・子宮因子
  • ・免疫因子
  • ・内膜症

 

男性側の原因としては

  • ・造成機能障害
  • ・精子成熟、保護障害
  • ・精路障害
  • ・射精障害

それ以外にも精子の運動率や数によるものもあります。

 

頻度は

  • ・排卵因子25~30%
  • ・卵管因子30~35%
  • ・男性因子30~35%

となっており、これら3つが三大原因と言われます。

この原因は単独だけではなく重複していることもあります。

 

実際には女性と男性は同じ程度に原因があると言われています。

 

 

妊娠の流れ

 

受精

受精は卵管の膨大部で起こります。

ここで射精された精子が卵子を待ち受けるのですが、精子の寿命は4~7日くらいになります。

 

排卵された卵子は寿命が1日しかありません。

精子と卵子が受精した後は細胞分裂を繰り返しながら子宮内腔に運ばれます。内腔に到達するのは、受精からだいたい5日目になります。

この間に子宮内膜は女性ホルモンの作用で着床環境を整えます。

内膜はいつでも着床できるわけではなく、着床できるのは数日間だけです。

 

このように非常に複雑なメカニズムが働いて妊娠します。

このメカニズムが正常に働いてくれるようにお助けするのが鍼灸治療です。

 

 

不妊症の鍼灸治療症例

30代女性

過去に2回流産をしたことがあり、婦人科では多嚢胞性卵巣症候群の可能性が高いと言われていた。

生理周期もながく、ホルモンバランスも乱れていると診断を受けていました。

友人に鍼灸治療をすすめられて不妊症の鍼灸治療を試してみたいと当院にご来院されました。

 

仕事のストレスも過大にかかっており、中途覚醒や多汗症、のぼせや下肢の冷え症状など自律神経のバランスも乱れているような症状も多くみられたため初診時に自律神経の状態を測定してから施術を行っていきました。

足底の結果、交感神経の活動も高く、ストレス指数も高いような状態でしたので、全身的なバランス調整の施術や自律神経調整施術をしっかりと行っていき、三陰交や腎経・下腹部の経穴など婦人科で特に重要なツボを用いまして施術を行っていきました。

 

経過

婦人科にも並行して通院していただき、体温を測定してタイミング療法も同時に行っていきます。

仕事のストレスが多く、睡眠が浅く中途覚醒も一晩で2~3回あったのでまずはしっかりと睡眠のツボを刺激して眠れるような施術をメインに行っていきました。

次第と眠れるようになり、下肢の冷えや仙骨付近の冷えも目立ってきましたのでその個所に鍼やお灸を施すことで血流量を上げて冷え改善を行っていきました。

施術開始後4か月経過してタイミング療法で結果がなかなか出なかったため、体外受精に移行。

すると1か月後に妊娠確認が取れました。以前に流産経験があるため心拍確認がしっかりととれるまでは安心できないので、しっかりと気を抜かずに自律神経の状態を整えたりと鍼灸施術で体調管理を行っていきました。

その後心拍確認も取れて安定期に入ることができて体調管理のために鍼灸施術は1~2週間おきに受けておられます。

【年末年始診療のお知らせ 】

火曜日, 12月 19th, 2023

 

誠に勝手ながら、当院の年末年始の診療は、下記のとおりとさせて頂きます。

令和5年12月30日~令和6年1月3日まで休診

年内診療 12月29日金曜日まで
年始診療 1月4日木曜日から

本年はご愛顧頂き誠にありがとうございました。
来年もよろしくお願い申し上げます。

 

足底筋膜炎の鍼灸治療

日曜日, 12月 17th, 2023

足底筋膜炎に対する当院の鍼灸治療

足底筋膜炎に対する当院の治療はまず第一に局所の抗炎症作用を促進させて、鎮痛効果を目的に施術していきます。

足底筋膜炎の鍼灸治療

 

かかと付近のツボや痛みの強い部位に鍼をさして微電流を流すことにより痛みを感じる閾値を上げて痛みを感じにくくする作用を促します。

足底筋膜炎の鍼通電治療

 

また、足底筋膜炎は、五臓六腑の「」と「肝」の不調に深く関係しているので、「腎」と「肝」に関するツボを用いてそれらの機能を正常に戻し、足底部の気血の流れを良くします。「風寒」や「湿」の邪気によって引き起こされる場合はそれらを体外に出す治療が必要になります。

足底筋膜炎の腰への鍼治療

 

足底筋膜炎は、オーバーユースによる負担のかけ過ぎやスポーツを行う前のストレッチ不足が原因の場合もあります。
当院では、日常生活動作での改善点をお伝えることも重要だと考えております。施術後、注意点の説明を行い、早期回復を目指します。

当院の足底筋膜炎の施術目的は、足底筋膜炎の回復程度を高めて、回復を速めることです。また西洋医学とは違う東洋医学の観点により少しでも足底筋膜炎が回復できる機会を提供します。

足底筋膜炎の下肢への鍼灸治療

 

 

足底筋膜炎の鍼灸治療症例

30代 男性
ランニングが趣味で週末は10㎞以上ランニングをしていた。平日も仕事が早く終わった時はランニングするなどして体を動かしていた。マラソン大会に出場を予定しており、当院にご来院される数日前からランニングの量を増やしていた。すると、足裏の痛みを感じるようになり整形外科を受診。足亭筋膜炎と診断され、湿布薬が処方されて足底を普段から伸ばすように指導されて実践していたが、痛みがあまりひかなかったため当院にご来院されました。

最初は、ランニング中だけ足底の痛みを感じていたが、日常生活で歩行する際にも少しずつ痛みを感じるようになってきたとのこと。仕事は主にデスクワークで座ったままあまり動かない。

 

当院の治療
足底筋膜の鎮痛目的で内踝の下から足底筋に向かい鍼をして通電療法を用いました。また炎症を早くひかせる目的で足底に直接灸を行いました。
腰部の筋の左右のバランスの乱れ・骨盤の傾きも見られたのでそれらも調整していきました。ご本人がどうしてもマラソン大会に出場したいとのことで短期的な集中治療を行いました。大会は2週間後で治療は2日に一度のペースで行っていきました。

◇1回目◇
治療後、日常生活の歩行ではあまり痛みを感じなくなった。朝や貯時間座った後の動き始めは少し違和感を感じる。

◇2回目◇
治療後、歩く分には痛みをまったく感じなかったので試しにランニングをしてみたら10分後に痛みを感じた。

◇3~5回目◇
炎症が取れ切れていない段階でランニングをするとまた炎症が悪化する可能性があるのでランニングは大会の直前まで避けていただき、治療に専念してもらった。

◇6回目◇
大会2日前に軽く走って見たが痛みが全く出なくなっていた。距離を伸ばしていくとまだまだ不安があるが、大会に出ることになった。

◇7回目◇
大会後、ご来院された。大会中はうそのように痛みが感じなかったが、無理をしたせいか終わった後に痛みを感じて歩いても痛みを感じる。しかし、アイシングをしたらだいぶ治まった。今は違和感程度とのこと。

◇8回目◇
その後少し間隔を空けてのご来院。ランニングも再開して少しずつ距離を伸ばしていっている。痛みは感じないが、ランニングが終わると違和感を感じることがある。

 

症例2
40代 女性
普段はデパートでの立ち仕事でヒールを履くことが多い。休みの日は、山でのハイキングが趣味で体を動かすことが好きだった。ある日、ハイキングへ出かけた帰りに足の裏が痛むような感覚があり、次の日になるとさらに痛みが増していた。
その日の仕事中も常に足裏に痛みを感じていて仕事にも影響が出ていた。次の日からも動き始める時や夕方疲れがたまった時などに足裏に痛みを感じるようになってしまった。整形外科を受診したところ足底筋膜炎と診断されてしまった。

治療
足の前面から筋緊張をとるような鍼灸施術を行い、次にうつ伏せとなり足裏とふくらはぎ辺りに通電療法を行いました。また、腰にも筋肉の張り感があったのでそれらも取るような施術をしていきました。

経過
◇1回目◇
治療後、すぐは痛みが引いたように感じたが、次の日痛みが戻ってしまった

◇2回目◇
今回も治療後痛みが軽減。次の日も少し痛みが引いたように感じた
◇3回目◇
仕事に集中しているとあまり痛みを感じない程度になってきた

◇4回目◇
足裏の痛み少なくなってきたとのことでハイキングに参加。ハイキング後、足裏に違和感を感じたが痛みまでにはならなかった

◇5回目◇
ほぼ痛みは消失。多少違和感が出る時あり

 

症例3

25歳 男性

1か月前フルマラソン完走後、左足裏に違和感が出て少しずつ踵付近の所に鈍痛が起こり始めた。今は歩くたびに痛みが走りランニングを中止している。

今までも足の裏が痛くなることはあったが、今回はなかなか改善しないため通院を決意した。

2年前にマラソンを始め、今では1日に15km、休日は30km走っている。練習すればするほど良い成績が得られるため、走るのが楽しくついついオーバーワーク気味になってしまう。左腓腹筋肉離れの既往歴あり。

当院の治療

まず、脚全体の筋肉の状態を確認していきました。

腓腹筋と足底の筋緊張の左右差が見られたため、できるだけ均等な重心に近づけるよう左右の筋肉のバランスを整えていきました。

 

また、患部の炎症を抑えるために痛みが強く出ているところに施灸、鎮痛を目的に鍼通電療法を行いました。

 

自然治癒力を高めるために自律神経調節治療も合わせて行い、少しでも早く競技復帰に向けて施術を継続していきました。

経過

◇1回目◇

施術後は少し痛みが軽減したが、その日のうちにまた痛み出す

 

◇2回目◇

前回から痛みが軽減してきた

長く歩くとまた痛みが強くなる

 

◇3回目◇

ランニングはまだ難しいが、歩行時での痛みが気にならなくなってきた

 

◇4回目◇

歩行時ではほとんど痛みがない

まだ完全な状態ではないので、大事をとってランニングでなはくエアロバイクで身体を動かしている

 

◇5回目◇

軽く走ってみたら痛みが軽くなっていた

 

◇6回目◇

症状が緩和しているため少し長めに走ってみたら、徐々に痛みが増してきたのでランニングを中止した

 

◇7回目◇

痛みが増してからすぐに施術を受けたため、悪化を防ぐ事ができた

 

◇8回目◇

ランニング、歩行と共に徐々に痛みが軽減

 

◇9回目◇

長時間走ってもほとんど気にならない

 

足底筋膜炎の東洋医学的考え

東洋医学で足底筋膜炎は、足底部の気血の運行がスムーズにいかずに気血が滞り、それが痛みやしびれの原因となると考えられています。
寒く風のあたる場所にいた際に「風寒の邪気」を受けた時や湿度の高い場所にいて「湿邪」を受けた時、慢性的な疲労が足底部の筋に蓄積した時に足底部の気血が滞ってしまうのです。

また、足底部は東洋医学の「腎経」という経絡が通っているため、「腎」の障害も起こりやすくなります。東洋医学の腎の障害の代表的なものとして全身の疲労感や膝・腰に力が入らない、耳鳴り、めまいなどがあります。

足底筋膜炎の場合それらの症状も出やすくなるので注意が必要です。
それに加えて東洋医学でいう「」の機能が弱ると全身的に血や体液が不足し、筋肉などの様々な器官に栄養を送ることができないため、「肝虚」の状態ですと、足底筋膜炎にかかりやすくなってしまいます。

「腎」と「肝」の関係は深いので「肝腎同源」とも言われており、「肝」と「腎」の症候が同時にあらわれることが多いです。

●肝血虚
肝血虚とは中医学でいう「肝」が血を貯蔵して必要に応じて供給・消費する機能と自律神経系の作用を通じて血管を収縮あるいは弛緩させ、体内各部の血流量を調整する機能が異常をおこして発症します。

 

 

足底筋膜炎とは

足底筋膜炎とは、足の裏や踵から指の付け根にかけて伸びている足底筋という組織がスポーツや偏平足などにより過度に負担がかかり、炎症を起こして痛みを発症させてしまう疾患です。
主に足に負担が多くかかるランニングなどをする方に多く、スポーツ選手などにも多い症状の一つです。また、40代以上の方でスポーツをされる方にも多い症状で、年を重ねると足底筋膜が硬くなり、柔軟性がなくなることで亀裂が生じやすくなります。すると炎症が起こり、足の裏やかかとの部分に痛みが生じるのです。

足底筋膜は足の付け根からかかとまで伸びている膜で、足の裏に張っている腱組織です。足の甲の骨は、アーチ状になっていますが、足底筋膜はそのアーチの端を繋いで弦のように張っています。そうすることで、足の裏にかかる負担を軽減させているのです。

しかし、多くの負荷がかかっているためランニングやジャンプなどを繰り返すことによって負担が大きくなり、炎症が起きやすくなるのです。また、組織の弾力性がなくなることによっても炎症が起こりやすくなります。

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足底筋膜炎の症状

足底筋膜炎は足の裏やかかとの痛みが主ですが、痛みの出方にも特徴があります。

・朝の動き初めに痛む
朝起きて動き始める時に足の裏・かかとに痛みが出ることが多いです。夜の間、動かさなかったり、座っている時間が多かったりすると足底筋膜は硬くなり、弾力性が失われます。その状態で一歩目を歩くと痛みが出やすくなります。

・歩行時・ランニング時に痛くなる
日常生活ではそれほど痛みが出ていなくても、運動時だけに痛みが出る場合があります。強い負荷がかかる時だけに痛みが誘発される場合もあります。

・横になっている状態でも足裏に痛み・痺れが出る
炎症が強い場合ですと、何もしなくて横になっている状態でも足裏に痛み・痺れが出ます。炎症が強いため、鼓動を打つように痛みが出たり、患部に熱感を持っていたりします。

・足の裏に違和感を感じる
痛みまでも行かないまでも足の裏・かかとに違和感を感じる方もいます。症状が進行すると痛みに変わる可能性があります。

・足底筋膜炎の原因
足底筋膜に炎症が起こり、痛み症状として現れる原因はいくつか考えられています。

・オーバーユースや疲労の蓄積による炎症
使い過ぎによる炎症です。ランニングやジャンプの動作をよくするスポーツをする方に多く、足裏への過度な負担に耐え切られず、足底筋膜に炎症を起こしてしまいます。
また足底筋の疲労が蓄積して筋膜の柔軟性が損なわれて炎症が起きる場合もあります。筋肉は疲労が蓄積すると硬くなり、柔軟性が低下します。柔軟性が低下した筋肉は、少しの力で傷つきやすくなってしまうのです。

・足底筋をあまり動かしていない
普段から運動習慣がなかったり、長時間立ち仕事をしている方が足底筋膜炎にかかってしまう原因で多いのが、足底筋をあまり動かしていないということです。
筋肉は伸ばしたり動かしたりしていないと段々と硬くなります。足底筋に関しても普段から使う機会少ないと硬くなってしまい、急に運動をした際に傷ついてしまうのです。

・偏平足
足裏のアーチがあまりないと、地面からの衝撃を吸収できずに足裏に多くの負荷がかかりやすいです。すると足裏の筋肉も疲労しやすいため足底筋膜炎にかかりやすくなってしまうのです。

・靴
ヒールの靴や靴が足に合っていない場合でも足裏に多くの負担がかかるため足底筋膜炎にかかってしまいやすくなります。

足底筋膜炎の一般的治療

足底筋膜炎に対する治療は、急性期の場合まず患部を冷やして安静に保つことが重要です。局所の炎症が治まったら足湯などで温めて血流を良くしたり、軽くストレッチなどを行うなどして足底筋の柔軟性を戻していきます。筋肉の柔軟性を戻すことで足底筋膜への負担を軽減させる効果があります。
また、急性期の場合消炎鎮痛剤を内服したり、痛みどめの注射を痛みのある部分に打つ場合もあります。かかとの骨に骨棘というトゲができていて痛みの出ている場合は、そのトゲを除去する手術をする場合もあります。

動眼神経麻痺の鍼灸治療

火曜日, 11月 28th, 2023

動眼神経麻痺に対する当院の鍼灸治療

 

当院の動眼神経麻痺に対する施術は、目の周辺のツボにハリをさして微電流を流すことにより目の血行状態を良くし、さらに筋に刺激を与えて麻痺の解消を促します。

動眼神経麻痺の鍼治療

 

また動眼神経麻痺は五臓六腑の肝に深く関係しているので肝に関する経穴を用いて肝血を補うことや肝気の巡りをよくします

動眼神経は、運動神経と自律神経の二つがあり、動眼神経麻痺は自律神経の状態を知ることがとても重要となってきます。そこで当院では、自律神経測定器を用いて自律神経の状態を把握した上で施術致します。

動眼神経麻痺の鍼灸治療

 

当院では糖尿病を併発している場合、目周囲の施術の刺激量を抑えて施術致します。糖尿病の方の場合血管がもろくなっており、目周囲への過度な施術は、目の血管の細い部分を出血させてしまう危険性を伴うからです。施術の際は必ずお申し付けください。

・動眼神経麻痺による複視の治療
動眼神経麻痺の症状でよく当院にご来院される方の多くが複視の症状を患ってご来院されます。動眼神経は、上直筋、下直筋、内側直筋、下斜筋、眼瞼挙筋と多くの眼球を動かす筋肉をつかさどっているため動眼神経に異常が起きてしまうと筋肉が正常に働かなくなってしまうため焦点が左右の目で合いづらくなってしまう複視の症状が起こってしまうのです。

そこで当院の鍼灸施術では動眼神経麻痺で複視の症状が出ている方に対して鍼通電療法を行っております。目の周りの筋肉に鍼を刺して刺した鍼に電極を繋いで電気の刺激を加えていくことで強制的に筋肉を動かして筋肉が正常に機能するように働きかけていきます。また神経は電気信号によって感覚や動作の指令などが伝わっていくため電気刺激を行うことにより神経にも刺激を与えて神経が正常に機能するようにアプローチしていきます。

その他目の周りに跡のつかない程度のお灸で熱の刺激を加えていきます。お灸の刺激は、皮膚が火傷をしたと体に勘違いをさせることでその周囲に火傷を修復させようと白血球などの修復させる役割のある細胞が集まってきます。そうすることで周囲の損傷している筋肉や神経細胞を修復してくれるのです。

動眼神経麻痺のお灸治療

 

 

動眼神経麻痺の東洋医学的考え

中医学では五臓六腑の肝は目に開竅するといわれており、眼の疾患は肝の機能の障害が深く影響していると考えられています。肝血が不足してしまうと視覚の異常や運動系の異常などがみられます。

そのほか肝は運動神経系の調節に関係があると考えられています。動眼神経麻痺は、動眼神経の運動神経支配である外眼筋麻痺を引き起こすのでそのことからも肝と関係が深いと考えられます。
また、肝は精神情緒の安定、自律神経系を介した機能調節もおこなっており、それらの機能低下は動眼神経の副交感神経にも影響を及ぼすと考えられます。

 

 

動眼神経麻痺とは

 

動眼神経麻痺とは何らかの原因で、外眼筋(上直筋、下直筋、内側直筋、下斜筋、眼瞼挙筋)と毛様体筋瞳孔括約筋を支配している動眼神経が麻痺を生じることです。
動眼神経は、眼球運動に強く関わるほか上眼瞼をあげて眼を開く上眼瞼挙筋の運動、毛様体によりレンズの厚みを調節してピントを合わせる毛様体筋の運動、瞳孔括約筋により瞳孔を収縮させてレンズに入る光の量を調節する運動をつかさどります。

動眼神経には運動神経と副交感神経があります。運動神経は中脳から起こり、上眼窩裂を通って眼窩に入ります。そして上直筋、下直筋、内側直筋、下斜筋の眼球を動かす4つの筋と上眼瞼を引き上げる上眼瞼挙筋を支配します。

副交感神経は運動神経と共に眼窩に入り、眼球に進入して瞳孔括約筋、毛様体筋など平滑筋に分布します。よって動眼神経麻痺がおこると、外眼筋の麻痺がおこり上、内、下、外上方向の眼球運動ができません。正常な眼でまっすぐ前方を見ているときに、侵された側の眼は外側を向いてしまって物が二つに見える複視が起こります。
侵された側の眼で内側を見ているときは、中央にしか動かせず、上下方向には動かせません。まぶたは垂れて瞳孔が散大したり、時には瞳孔が固定して大きさが変化しなくなったりします。

動眼神経麻痺の症状でよく見られるのが、眼瞼下垂です。眼瞼下垂とは、まぶたが垂れ下がり、動眼神経麻痺で眼瞼下垂が起きる場合、まぶたが目の半分以上も覆い、視界が狭くなることがあります。まぶたを上げる筋肉には上眼瞼挙筋とミュラー筋という筋肉があります。この上眼瞼挙筋が動眼神経の支配を受けているため、動眼神経が麻痺してしまうとまぶたが上がらなくなってしまうのです。まぶたを上げる筋肉で主に働いているのが上眼瞼挙筋である一方、補助的な役割を担っているのがミュラー筋という筋肉でこちらは自律神経の支配を受けています。動眼神経麻痺でまぶたが垂れ下がってしまっていると補助的な役割を持つミュラー筋に過度な負担がかかってしまうために自律神経の状態も乱れやすくなってしまいます。
すると、睡眠障害うつ状態なども併発しやすくなってしまうのです。また、視界の上部がまぶたでおおわれて視界が悪くなってしまうためそれを首の上下運動で補おうとするため頚椎症や肩こりなどの症状も呈しやすくなってしまうのです。
まぶたの開閉運動もままならくなってしまうためドライアイの症状も出やすくなります。このように動眼神経麻痺は目の症状ばかりでなく体全体に影響を及ぼす危険性があります。

 

 

 

動眼神経麻痺の原因

動眼神経麻痺は通常、後天性の発症ですが、稀に先天性動眼神経麻痺にも認められます。片眼性動眼神経麻痺も多いが、両眼性動眼神経麻痺もあります。

動眼神経麻痺は動脈瘤に合併して発症することが多いです。また糖尿病の合併症である末梢神経障害のひとつとして動眼神経麻痺が起こることもよく見られます。
動脈瘤に伴う場合は、初期には散瞳や対光反射の消失など自律神経障害のみが起き、眼瞼下垂などの外眼筋麻痺は遅れて起きます。糖尿病に伴う場合は外眼筋麻痺による複視や眼瞼下垂が起こりやすく、瞳孔症状を欠くことがあります。これらはすべて末梢性の動眼神経麻痺です。

また動眼神経麻痺以外にも重症筋無力症などの神経筋接合部の障害や眼筋ミオパチーなど眼筋そのものの異常で外眼筋麻痺は起こる場合があります。中枢性の動眼神経麻痺は対光反射の消失などが起こります。

 

 

 

動眼神経麻痺の一般的治療

動眼神経麻痺は様々な原因で、また様々な病変の場所で起きる疾患を含むので、治療法もそれに合わせて様々です。糖尿病が原因の場合はもちろん内服薬などで糖尿病の治療をする必要がありますし、動脈瘤が原因の場合は手術療法が行われる場合もあります。
また複視がある場合はプリズム眼鏡などを使って対症療法が施されます。

 

症例1

70代 男性

1週間前から左目が急に外斜視になり、時間とともに左瞼が開かなくなってしまった。

病院でMRI検査をした所、脳に異常がなく外傷などもないことから原因不明の動眼神経麻痺と診断された。

仕事ではパソコンをよく使用するが、眼の疲れはあまり気にならない。

そのかわり、首肩のこりが強く感じる。

瞼に力を入れても全く動かず、完全に閉じてしまっている。

他動的に瞼を引き上げてみると、強度な外斜視になっている。

当院の施術

まず、うつ伏せで筋緊張を緩和するために首や肩に刺鍼を行いました。

今回鍼が初めてという事でしたので、初回は慣れるために刺激量を抑えていきました。

 

次に仰向けになり、自律神経調節治療と並行して眼の周辺にある経穴に低周波電気鍼療法を行いました。

治療経過

◇1回目◇

あまり変化はない。

◇2回目◇

今回も変化は見られない。

◇3回目◇

今回から刺激量を上げるため、電気の数を増加。

◇4回目◇

まだ大きな変化はない。

◇5回目◇

少し開くようになってきたが、まだ10分の1程度。

◇6回目◇

少しずつ開いてきた。

外斜視はまだ強く出ている。

◇7回目◇

半分まで開くようになってきた。

外斜視も先週より改善。

◇8回目◇

ほぼ開いてきている。

外斜視も完全ではないが正常化してきた。

 

症例2

40代男性

当院にご来院される2週間ほどまえに急に頭痛がおきてめまいと複視症状がおそった。すぐに病院に駆け込んで診てもらったところ脳に異常はみられなく、原因不明と診断を受けて薬を処方されて帰宅。

2日後から左目の瞼が開かなくなってしまって眼球の動きも悪くなり、また病院を受診したところ動眼神経麻痺と診断。ただし脳には異常が見られずに経過観察と言われた。発症当初、ほとんど瞼が開かず眼球の動きが悪いため治るまで相当時間がかかるかもしかしたら治らないかもと言われて、他に治療法はないかと模索していたところ当院のホームページに辿り着いた。

糖尿病性の網膜症も患っており中心視力は0.01とかなり悪い状態。

 

鍼灸施術

睡眠の質も悪く、3時間から5・6時間程度しか睡眠をとれないことが続いていたとのことで全身的な自律神経の状態も整えつつ、左目周りを中心に施術を行っていきます。

お身体の状態も頸部の筋緊張や腰部の筋緊張状態が強く常に力が入ってしまっている状態でした。

まずうつ伏せの状態で首肩周りや背部兪穴の重要な経穴に鍼やお灸さらに頸部と腰部に鍼通電治療を用います。

 

次に仰向けの状態となり、左目周り中心に鍼通電治療、手足のお腹の経穴で睡眠や自律神経に対してアプローチをしていきます。

経過

施術後3回ほどでまず身体の状態に変化がみられてきました。具体的には睡眠の状態が改善してきて中途覚醒の消失と食欲も出てきました。

施術開始5回目で何となく左目を開く力が出てきたとのことで実際にも2割くらい瞼が開くようになっていました。睡眠の質もますます改善されてきて睡眠時間も伸びてきました。

週に2回ほどのペースで鍼灸施術を受けていただいて施術開始後2か月で目の開きが7割程度開くようになりました。眼球の動きも出てきて今までは全く複視の状態で左目をつぶって生活せざるを得ない状態だったのが、正面や左側の視界はものが一つになって見えるようになってきました。

施術開始後3か月で目の状態・視界の状態はほぼ完治しましたが、まだ目が疲れやすく仕事にも多少なりとも支障がでており、その解消のために定期的に受診なさっています。

 

執筆者

清水大地

眼精疲労専門の鍼灸師

資格
はり師
きゅう師

2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好医院にて多くの臨床経験を積む

2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立

2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院

2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院

2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院

 

つわりの鍼灸治療

火曜日, 11月 28th, 2023

 

つわり・妊娠悪阻の鍼灸治療

自律神経のみだれが原因と考えられていますので、当院では、自律神経のバランスを特殊な検査機器で調べたのち自律神経を整える治療法を行います。女性のようにデリケートな体質には自律神経からのアプローチが必要になります。

つわりの鍼灸治療

 

自律神経の働きを最大限に上げることで症状の改善を図ります。
体質改善を治療方針としますので、初めの2回から3回は3日置きに来院されると鍼灸治療の効果が出やすいです。効果が出始めてからは、一週間から二週間に一度の来院ペースに変えていきます。

症状には個人差がありますので、上記のように変わっていかれない方もいます。

自律神経以外にもホルモンバランスの崩れや精神状態の改善を目的に施術を行います。
初産婦のため精神状態も不安定になりやすい状況で症状を悪化させやすいことから治療の必要性があります。

身体という器を和らげてあげることで精神状況も落ち着いてきて症状が改善されていきます。
鍼灸治療には副交感神経を上げることに有効な治療方法です。小一時間受けていただくことで精神状況もかなり落ち着いてくるかと思います。

 

当院のつわりに対する鍼灸治療

鍼灸治療は経穴(ツボ)を鍼やお灸で刺激することで、生体反応を利用した施術方法です。

使用する鍼も髪の毛より細く、病院で使われる注射とは太さにかなり差があります。針という印象が痛そうと思われますが、ほとんど痛みがなく施術を受けられる方が多いです。お灸は小さい個所を温めるものから足や手などの部位全体を温めるものがあります。

当院では、火傷が起きないよう温かいぐらいの感覚で終わるお灸をしようしています。
皮膚などが弱い方には稀に小さい火傷や水泡ができてしまうこともあります。
鍼灸治療はWHO(世界保健機構)に認めらて様々な症状に効果があると認められた治療方法です。

 

つわりに使用する経穴

内関・裏内庭・だん中・三陰交・足三里などといった経穴がつわりに効くと言われています。

 

つわりに対する下肢への鍼灸治療

 

この経穴に鍼とお灸を施術することで症状の改善を行います。
当院で使用する鍼もお灸も刺激が弱いものです。
刺激が強くなることで、お腹に影響がでないよう細心の注意を払って施術にあたりますのでご安心下さい。

自己ケア
・少量だけでもこまめに食事をとる
・枕元などに簡単に摂れるお菓子などを置いておく
・好きなものを食べるようにする。
・水分と食事の摂取を心掛ける。

 

 

つわりの鍼灸治療症例

30代女性
妊娠7週目の妊婦。1週間ほど前から悪阻が出始め空腹時の胃のむかつき、吐き気、だるさが続いている。食べると吐き気は治まるので以前より食べる量は増加している。今のところ体重の増加は無いが今後体重が増えすぎないか心配との事。夜中、朝方も吐き気がある為ベッドの横にも常に食べ物を用意している。

治療方針
まず、ホルモン分泌と関わりの深い自律神経に焦点をあて、測定器で自律神経のバランスを測定していきました。交感神経が過亢進状態で、触診したところ胃の冷感があったため、温灸器や灸で腹部を温めながら自律神経の調整施術を行いました。また、ホルモンバランスを整える経穴に鍼と灸を用いて刺激していきました。その後うつ伏せになって頂き、胃部の筋緊張を緩める為背部に鍼をし、さらに胃を補う経穴を用い施術していきました。

治療経過
一回目
施術の後胃の不快感が少し軽減した感じがあった。しかしまだ吐き気はあり、辛さのピークに向かっている感じがある。

二回目
前回施術後、二日位少し楽な感じがした。においに敏感になり、食べられるものが限られてきた。

三回目
やはり鍼の後は楽になる感覚がある。まだ悪阻自体はあるが、以前よりは楽に感じる。

四回目
明け方だけ胃がからっぽで少し辛いが、吐き気を感じる事が以前より少なくなった。食事量も安定している。

 

つわりに対する東洋医学的考え

東洋医学では、妊娠や月経をつかさどる器官を女子胞と呼びます。

女子胞は、心・肝・脾・腎などによって調節されています。女子胞は腎の精気と肝血によって栄養されています。

また脾はの「運化をつかさどる」という機能は、飲食物の消化や吸収と密接な関係にあり、「気血」をつくりだす源であり、心は血を巡らす重要な役割があります。
「心・肝・脾・腎」それらの機能に異常が起きると妊娠や月経に異常をきたしてしまいます。特に妊娠時には、女子胞に十分な血液の供給が必要となるため全体の気血が不足がちとなります。

そこにさらに「心・肝・脾・腎」の不調がかさなるとつわりのような症状を呈しやすくなります。

東洋医学でつわりの状態は、「妊娠嘔吐」や「悪阻病」とよばれています。妊娠悪阻は、胃の病変とも考えられており、胃気上逆という胃の異常によって引き起こされると考えられています。代表的なものとして、

・胃気虚
・胃陽虚
・肝胃不和

が挙げられます。

胃気虚
もともと胃の気が弱い方に多く現れる症候です。もともと弱い胃の気の働きが妊娠によってさらに障害されて胃気上逆症状が起こり、悪心・嘔吐や食べ物の匂いをかいだだけでも気持ちやるくなったり、食べてもすぐ吐いてしまうなどの症状があらわれます。
その他にも全身の倦怠感や日中でも眠気に襲われたりと全身症状が出ます。

胃陽虚
もともと胃が弱い方に起こる胃気虚とは違い、食事の不摂生(冷たい飲食物を摂りすぎるなど)により胃の機能が低下したところで、妊娠期によるさらなる医機能の低下によりおこるつわり症状です。
特徴的な症状としましては、手足の冷えや冷えによって気分が悪くなったり、嘔吐症状が出たりします。

肝胃不和
日常的なストレスによって肝の機能が弱くなってしまい、肝気鬱結の状態となってそれが妊娠期と重なると、肝血が不足状態となってしまいます。すると肝の気を全身に巡らす機能は低下して、胃の気は上逆反応を引き起こしてしまい、悪心・嘔吐などのつわり症状を呈します。この肝胃不和によるつわり症状が近年では増加傾向にあります。
つわりの原因としてホルモンバランスの変化から考えると、東洋医学で腎がホルモンバランスの調節の役割を担っているため腎の病変とも考えられます。

・腎は精を蔵し、生長・発育・生殖をつかさどる
腎は人体の生長や発育、生殖などを維持して促進させる精を貯蔵しています。
これはホルモンを分泌させる内分泌系全般の機能を指すものと考えられており、腎の不調や腎精の不足は人体の発育・生殖に多大な影響を与えると考えられます。

 

 

つわりとは

つわりとは、妊娠5週前後から妊娠14~16週を過ぎるあたりまでに消失する、悪心、嘔吐、嗜好の変化などといった症状をいいます。つわり症状のピークは妊娠して3か月と言われています。臭いに敏感になり、食べた後に必ず吐くことやお腹はすいているのに胃液も吐いて水も飲めないようにもなる場合があります。

妊婦の5割から8割くらいの方にみられる生理的な現象で自然に消失していきます。
つわり

つわり症状

つわり症状は人によって様々です。ここでは代表的な症状を挙げてみます。

・吐き気、嘔吐
つわり症状の中でも一番よくみられる症状です。吐き気や嘔吐の症状などにより妊娠に気づく場合も多いようです。つわり症状がひどい時期は、においに敏感になりご飯のにおいなど今までは特に気にならなかった臭いが気になるようになり、吐き気嘔吐をもよおすようになります。また、妊娠による子宮の形の変化から胃が持ち上げられるような不快感を感じることもあります。

・倦怠感
妊娠によるホルモンバランスの変化自律神経の乱れなどから気怠い感じや身体が重い感覚が出ることがあります。だるさや身体が重いという症状は、つわり症状の一種だととらえることが重要です。無理せずに体を休めることが重要です。

・頭痛、頭重感
頭痛や頭が重いという症状もつわり症状の一種です。出産への不安や仕事の悩みなどを多く抱える方に見られる症状です。

・眠気が強く出る
しっかり睡眠をとっているのにもかかわらず、眠気に襲われることがあります。仕事をしている方の場合、それがとてもストレスとなりさらに体に負担をかけてしまいます。

・偏食になる
妊娠すると嗜好の変化が生じる場合があり、とくに酸っぱい食べ物を食べたくなる傾向にあります。栄養やカロリーが偏らないように食事に気を遣う必要があります。

 

これらの症状が強くなり、頑固に繰り返すようになると、脱水症状や栄養障害を起こすようになり、時には妊婦の命を脅かすほどになり入院の必要があるものを妊娠悪阻といいます。つわりと比べてかなり少ないですが、症状が重いと入院の必要があります。
つわりの原因は様々な説がありますが、精神的要因も考えられるため、妊娠に対する不安などからくる精神的ストレスの多くかかる初産婦の方がつわり症状が出やすいと言われています。また単胎より多胎に多いと言われています。

 

つわりの原因

原因は明らかではありませんが、ホルモン説や自律神経説、アレルギー説、精神的要因など幅広く考えられています。妊娠初期に起こることから、内分泌や代謝の急激な変化によるものと、精神的や体質的な因子により母体の適応症候群だとも言われています。

・ホルモンバランスの変化説
黄体ホルモンや絨毛性ゴナドトロピンが大量に分泌されるためにその変化に体が適応できずにつわり症状が出てしまうという説。

・自律神経の乱れ説
急激な体の変化や出産・妊娠に対する不安などからストレスを感じて自律神経のバランスを乱します。一種の自律神経失調症のような状態となってしまいます。

・アレルギー反応説
妊娠したばかりは、体がまだ胎児を異物だととらえて一種のアレルギー反応としてつわり症状が出てしまうという説

 

軽度の悪心、嘔吐、嗜好の変化やつわりの増悪で頑固な悪心、嘔吐を繰り返すと栄養障害や代謝障害が出現し、尿中にケトン体やアセトン体がでて全身状態が衰弱して重症妊娠悪阻となります。
頭痛や下痢などの症状を伴うこともあります。

臭いに敏感になったり、嗜好の変化により好き嫌いが強くでたりします。つわりによる、食欲がなくなったり、吐き気などは消化器症状です。食べ物を少量にすると栄養障害の恐れがありますが、逆に少しずつ食べ続けると太ってしまうこともあります。

 

 

病院での治療法

病院での治療法には薬物療法食事療法輸液療法があります。

・薬物療法
薬物療法は、この時期に胎児の器官形成期にあたるため安易な薬物の使用は行われません。嘔吐を抑える薬や鎮静薬、漢方薬などが処方されます。

・食事療法
食事療法は、空腹時に嘔吐が多く出現するため、栄養価の高い食事を摂らせることで空腹を避けるようにします。そのうえで回数も多くします。食事の内容は、糖質の高いものと低脂肪を中心にします。臭いにも敏感になるので強い臭いもの食事は避けます。

・輸液療法
嘔吐が強くなると食事を摂りづらくなりますので、その場合は輸液療法が必要となります。輸液療法は、電解質やブドウ糖、ビタミン剤の輸液を行います。脱水状態や電解質異常、飢餓状態を積極的に改善していきます。
症状が改善してくれば、流動食の経口摂取に切り替えていきます。

胎児にとってもこの時期はたくさんの栄養はいりませんので心配をし過ぎないことも大切です。

 

つわりに良い食事や生活習慣について

 

つわりの症状は個人差があり、どの食べ物が良いかは個々の体調によることが多いです。ただし、以下は一般的につわりの軽減に役立つとされる食事のアドバイスです。ただし、個人差があるため、自分の体に合った食事を見つけることが重要です。

小分けで頻繁な食事
大量の食事ではなく、小分けで頻繁に摂ることがおすすめです。これにより、血糖値が安定し、つわりの症状が緩和される可能性があります。

 

消化の良い食品
消化の良い食品を選ぶことも大切です。例えば、白米や白パン、蒸し野菜などが挙げられます。これらは胃への負担が少なく、つわりの症状を和らげることが期待されます.

 

タンパク質の摂取
肉、魚、卵、豆腐などのタンパク質を摂ることが重要です。これらの食品は栄養価が高く、エネルギーを効果的に提供してくれます。

 

生姜の利用
生姜はつわりの症状を軽減する効果があると言われています。生姜茶や生姜を使った料理を摂ることで、胃の不快感を和らげることが期待されます。

 

水分補給
脱水症状を避けるためにも十分な水分を摂ることが重要です。しかし、一度に多くの水を摂りすぎないように気をつけてください。氷を使ったり、水分を少しずつ摂ることが役立つことがあります。

 

つわりの症状を和らげるためには、食事だけでなく生活習慣にも気を配ることが大切です。以下はその他の気を付けるポイントです。

 

 

十分な休息
十分な休息がとれるように心がけましょう。特につわりの症状が強い場合、昼寝や夜更かしを避け、十分な睡眠を確保することが重要です。

 

ストレスの軽減
ストレスはつわりの症状を悪化させる可能性があります。リラックスするためには、ゆっくりとした音楽を聴いたり、散歩をするなどの方法があります。また、妊娠中は無理な仕事やスケジュールを避け、自分の体調に合わせた生活を心がけましょう。

 

適度な運動
軽い運動は体調を整えるのに役立ちます。ウォーキングやヨガなど、妊娠に適した運動を選んで行うと良いでしょう。ただし、医師と相談の上で行うようにしてください。

慢性疲労症候群に対する鍼灸治療

月曜日, 11月 6th, 2023

 

慢性疲労症候群に対する当院の鍼灸治療

・問診

生活習慣や東洋医学による体のどの部分が虚しているかを診断するため詳しく問診をして行きます。

丁寧な問診

・自律神経測定

慢性疲労症候群は自律神経とも深いかかわりがあると考えています。自律神経の日内変動のリズムが狂っていたり、副交感神経が優位すぎたりすると身体の倦怠感も感じやすくなります。

また体の免疫系と自律神経も深いかかわりがあることが知れており、自律神経を整えて免疫システムを正常に戻すことは慢性疲労症候群の治療においてとても重要となってきます。

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・仰向け治療

お腹や手足の経穴を用いて自律神経の調整・全身の調整治療を行います。

慢性疲労症候群の仰向け鍼灸治療

 

・うつ伏せ治療

背部兪穴といって背部にも五臓六腑に重要な経穴が存在しています。

そういった経穴を刺激することで虚している五臓六腑を補います。慢性疲労症候群のうつ伏せ鍼灸治療

 

 

 

慢性疲労症候群は、単なる疲れと感じていたり、周りにはサボり症だと勘違いされやすく多くの方が悩まれています。

当院ではそういった方々のサポートを全力で行い、少しでもQOL(生活の質)が上がるように手助けをいたします。

 

慢性疲労症候群の東洋医学的考え

慢性疲労症候群は、東洋医学では虚証に当てはまります。東洋医学では、『実証』『虚証』があり、正気の強さと病邪の勢いを表します。

基本的に体が虚している状態は、機能が低下している状態を指して、体が実している状態は機能が停滞あるいは、過亢進している状態を指します。

虚証にも様々な種類があります。虚証の種類としまして

・気虚

・血虚

・陰虚

・陽虚

 

などが挙げられます。慢性疲労症候群は、東洋医学のでいう『気』『血』『津液』などが不足している状態だといえます。

虚証が発症してしまう要因として

・先天的な体の問題

・慢性的な疾患による体の疲労

・過度のストレス

・食欲不振

・出血や激しい発汗

・病邪が体内に侵入することによる消耗

 

が挙げられます。

また五臓六腑のどの部分が虚している状態であるか見極めるのかも重要となってきます。

当院では、脈診や舌診など東洋医学的診断法に基づいてどこが虚しているのか見極めてから治療に移ります。

 

 

慢性疲労症候群の鍼灸治療症例

30代男性
いつも比較的仕事が忙しく、残業することもあったが、ここ1か月程は毎日残業の日々で、終電を逃してタクシーで帰宅することもあった。睡眠時間も3,4時間ほどで身体の疲れが取れにくい状態でした。仕事が通常に戻っても身体の疲れが取れずに寝ても寝ても日中眠たくなることが多くなり、気分も塞ぎがちで仕事に身が入らなくなってきた。
当院にご来院される3日ほど前、朝起きたら身体の節々が痛く微熱も出ていたため風邪かと思い内科でお薬を処方してもらい、服用したがなかなか改善されず当院を受診された。通勤することもままならず、少しの間会社も休むことにされた。

 

治療経過
一回目の治療後、久しぶりに深く眠ることができたとおっしゃっていました。5回目までの治療で微熱がひいたり出たりを繰り返していたが、その後は身体の状態も落ち着いてきました。

8回目の治療で全身の疲労感もだいぶ軽減されて、リハビリがてらジムで運動できるようになった。10回目の治療で終了し、会社に復帰されました。「このままの状態で会社に行かれなくなったらどうしようという不安から解放されてよかった」ととても喜ばれていました。

 

症例2

40代 男性

以前から仕事が忙しかったためか、体が重だるさが続いており、やる気も低下している。

治療に専念するため現在は休職しているが、なかなか改善されないため鍼灸治療を受けてみようと思い来院した。

主な症状は、倦怠感、やる気の低下といったうつ状態、体の冷え、肩こり、背中の張り感、睡眠の質の低下、入眠困難、頭が重い。

休職中にもかかわらず疲労感が強く感じる。病院で診てもらったが検査には異常がなく慢性疲労症候群と診断された。

もともと神経質でまじめな性格で責任感が強いため、嫌な頼み事でも引き受けてしまい疲弊することが多かった。気を抜く事が苦手でうまくストレスを発散できていない。

物事に過敏になり、少しの事でも気になってしまう。そのため、少しの物音のため眠れなくなる事がある。

 

当院の施術

まず、自律神経測定器で現在のストレス度、疲労度、自律神経の状態を確認しました。

ストレスと疲労度はやや高めの状態で、自律神経の交感神経が過剰に働いており、その代わり副交感神経の働きが少ない状態がという測定結果になりました。

自律神経の交感神経は心身を活動させ、副交感神経はリラックスさせる作用があります。

この2つの神経は必要に応じてバランスを保っておりますが、この方の場合は常に交感神経が過剰に働きすぎてしまっているため心身ともに休めない状態が要因の1つと考えました。

また、触診で首や肩、背中の筋緊張が強さ、呼吸の浅さ、手足や腹部の冷えを確認しました。

①自律神経の調節

②首肩や背中などの筋緊張緩和

③東洋医学的観点での経絡治療

この3つに注力して施術を行い、治療間隔は週に1回~2回のペースで通院していただきました。

 

経過

◇1回目◇

まだあまり変化はないが、施術中は気持ちよくリラックスできる。

◇2回目◇

体の冷えが気にならなくなってきた。

胃腸が正常に動いているような感覚がある。

まだ夜は眠れないことがある。

◇3回目◇

冷えはほとんど感じない。

夜も眠れる日が増えてきた。

◇4回目◇

最近はゆっくり眠れるようになってきたが、まだ首肩のコリは強く感じる。

◇5回目◇

筋緊張が強いため今回から低周波電気鍼を使用した。

施術終了後から効果を実感。

◇6回目◇

前回より筋緊張の緩和がみられ、コリの自覚も軽減した。

気分も落ち着き、夜もゆっくり眠れるようになっている。

疲労感も感じなくなってきた。

顔色も良くなってきた。

◇7回目◇

活動する意欲が湧いてきた。

◇8回目◇

体力をつけるため定期的にジムに通っている。

気分も良い。

現在もメンテナンスのため月に1回のペースで通院中。

 

慢性疲労症候群とは

このような症状でお悩みでありませんか?

半年以上身体が疲れた状態である

ちょっとした動作でも体が疲れてしまう

睡眠をとってもすっきりしない

運動をしたというわけでもないのに筋肉痛になる

微熱が続いている

ノドが痛い状態が続いている

首のリンパ節の腫れた状態が続いている

気分が落ち込んでいる状態が続いている

寝つきが悪い状態が続いている

仕事や勉強の集中力・記憶力の低下

 

これらの状態があり、原因が特定されない場合は、『慢性疲労症候群』という病気かもしれません。

慢性疲労症候群とはあまり聞きなれない言葉ですが、日常生活に支障が出るほどに身体が6カ月以上にわたり疲弊した状態で、精密検査などをしても特に原因がわからない病気です。

アメリカでは、10万人に38人の割合で慢性疲労症候群が発症しており、1980年代後半にある地域で多発したことから注目されるようになった病気です。日本では慢性疲労症候群という病気があまり認識されていないことから罹患率はそれほど高くないと言われている病気ですが、現在も増え続けている病気です。実際には、日本人でももっと多くの人が慢性疲労症候群にかかっている可能性が大きいです。

 

慢性疲労症候群は20代から50代に多く発症すると言われており、男性よりも女性の方が1.5倍罹っている人が多いと言われています。

頚椎症

 

慢性疲労症候群の症状

慢性疲労症候群はその名の通り長期間慢性的に体の疲労を感じる病気ですが、それだけではありません。身体の様々な部分に症状が出るのです。

 

・微熱

慢性疲労症候群の代表的な症状として微熱が挙げられます。微熱が出て、喉に痛みや頭痛も感じるため最初は風邪の症状と間違われがちです。微熱が6カ月以上続き、解熱剤などの薬を服用しても効果が出ないのが特徴です。

 

・筋肉痛

まったく運動した覚えがないのにもかかわらず、全身または局所的に筋肉痛の症状が現れて動くことさえも億劫になることがあります。

 

・リンパ節の腫れ

首や腋窩のリンパ節が腫れることがあり、押すと痛みが出る場合があります。

 

睡眠障害

なかなか寝付けなかったり、寝つけてもすぐに目覚めてしまう中途覚醒や逆に寝すぎてしまったり、寝ても寝ても極度の睡魔に襲われる過眠症などの症状が現れる場合があります

 

・気分障害

うつ病のような症状が出る場合があります。慢性的な疲労のため気分が落ち込み、仕事や学校に支障が出るほどになる場合があり、怠けとも勘違いされやすいです。慢性疲労症候群の場合、身体が疲れてくるとそのような症状が顕著になるため午後の方が抑うつ症状が出やすくなってしまいます。

 

・記憶障害

物忘れがひどくなる認知症のような症状が出る場合があります。また、短期記憶の低下や思考力の低下、集中力の低下から仕事や学業に大きな支障が出る場合があります。

 

 

慢性疲労症候群の原因

慢性疲労症候群は1980年代後半にアメリカで注目された疾患でまだ知られて久しい病気です。そのため、まだまだ研究が進んでおらず、いまだに原因は不明の疾患です。

様々な研究結果から慢性疲労症候群の起こる原因の仮説がたてられています。

・免疫システムの異常

肉体的・精神的な過剰なストレスは、免疫系の働きを弱めると言われています。免疫系の働きが弱まると潜伏していたウィルスが動き出して身体に様々な悪影響をもたらします。体は、それを防ごうとして免疫物質がつくられるのですが、慢性疲労症候群の方の場合この免疫物質が過剰に作られているのではないかといわれています。 過剰に作られて免疫物質は、脳の働きに影響を及ぼして、疲労感などの慢性疲労症候群による諸症状を引き起こすのです。

・脳内の炎症

脳内に何らかの原因で炎症が起きて慢性疲労症候群が発症するという説もあります。脳の炎症が強くなると脳の神経系にダメージを与えて、痛みや記憶障害などの原因にもなります。

また、脳の血流不足や脳の神経伝達物質が少なくなり、筋肉や関節の痛み、気分障害などを引き起こしていると考えられています。

冷え性改善には鍼灸治療

水曜日, 11月 1st, 2023

冷え性改善の鍼灸治療

 

冷え性を根本的に改善させるには自律神経のバランスホルモンのバランスを整える治療

東洋医学による精気を補う治療をしていくことが必要です。

東洋医学と西洋医学のそれぞれの問題を解決していくことが

冷え性の改善となります。

お腹の冷えを改善するお灸治療

 

当院では、特別な温灸器を使い身体の芯から温めて

 

下腹部から下肢までの血行を良くしていきます。

 

足の冷え性改善の鍼灸治療

 

下半身を温めて女性ホルモンの調整を行い

 

全身の経絡治療をすることで自律神経のバランスを整えていきます。

 

全身の経絡経穴を用いて、身体の循環や気血を巡らせるよう

鍼と灸を用いて治療します。

 

治療が終わって帰られるころには、身体が温まったと実感していただけると思います。

冷え性対策

 

冷え性改善には日々の生活習慣お仕事の姿勢など

から引き起こされるものも多いので、これを機に生活を変えていかれるのも健康のために良いと思います。

 

 

 

冷え性を東洋医学で考えると

 

陽気が弱い状態や水が多い状態でなるものと考えます。

主に

血の不足や停滞による血の問題

水分の停滞や水毒という水の問題

が考えられて、

・おけつ

・水毒

と東洋医学では表現します。

東洋医学での鍼灸治療としては、根本に精気が弱っているため起きるものですので、

この精気を補ってあげる治療をしていきます。

身体の体質改善ができていければ自然治癒の力で症状は改善されていきます。

 

 

 

冷え性の治療症例

 

40代 女性

冬は外気の気温低下、夏は室内のエアコンにより一年中冷え性に悩まされていた。運動やマッサージなど冷え性の冷え性に良いとされることは一通り行ったが、冷え性の解消までには繋がらなかった。

ほかに膝から下がむくみやすく、一日座って仕事をした後は足がとても重たく感じる。また、数日前より腰の重だるい痛みもひどくなってきてどうしようもなくなり当院にご来院された。

 

当院の治療
しっかりと問診をしたうえで自律神経の状態を計測しました。問診で一日中パソコンの前で座って作業していることが多く、夢中になると4・5時間はずっと座ったままの状態とのことでしたので、しっかりと1時間に1回は休憩をとって歩行してもらい、入浴後は軽くふくらはぎを下から上へ自分でマッサージしていただくようにしました。

また自律神経測定器の結果、交感神経が高い状態で自律神経も乱れている状態と判断されたため、当院の治療としましてはまず自律神経を整える治療をしたうえでお灸を中心にして腰から下を温める治療を施しました。

当院では、様々なお灸を用います。はりの上にもぐさを乗っけて火をつける灸頭鍼療法や直接もぐさを皮膚の上に乗せて火をつけ、焼き切れる前に火を消す透熱灸療法などその患者様に合わせたお灸療法用いて治療していきます。

 

◇1回目◇
治療後全身が温まるような感じがして腰の重だるい痛みがなくなった。

◇2回目◇
前回の治療から3週間空いても手足は以前ほどの冷たさは感じられなくなったとのこと。しかし、まだたまに手足が冷えて夜寝つくのに時間がかかる時がある。

◇3~5回目◇
3・4回目は冷えは膠着状態だったが、5回目が終わった後は日常的に手足の冷えを感じることが少なくなり夜もしっかり眠れるようになった。外気温などで冷えてもすぐ温まるようになった。

 

 

30代女性

数年前から冷え性に悩まされていた。友人がヨガをやって冷え性が改善されたということでヨガをやってみたがあまり改善されなかった。気温の下がる冬になると特に冷え性がきつくなり足先や手先がとても冷えて靴下を2重3重に履いたり、カイロなどで暖めてももまったく暖まらない。
夜も入浴を1時間入るとさすがに暖まるが、寝る頃になると体が冷えて眠れないこともある。

当院の治療
問診・自律神経測定器で測定後、お灸療法を中心に治療していきました。お灸は、直接灸・灸頭鍼・MT温灸・電子温灸器などさまざまな種類のお灸を用いました。

MT温灸器

◇1回目◇
治療中、体が暖まっていく感覚が実感できた。

◇2回目◇
外に出ると体は冷えることは冷えるが、室内に入り体を暖めると体が早く暖まり、それが以前よりも持続するように感じた。

◇3回目◇
冷えがひどいと頭痛の症状が出ていたが、それがなくなってきた。

◇4回目◇
夜中、体の冷えで目覚めることがなくなり睡眠が快調に取れるようになってきた。

◇5回目◇
手先・足先の冷えの感覚が以前の半分ほどとなり、だいぶ軽快してきていると自覚されている。

 

 

 

20代女性

 

不妊治療を目的にご来院されました。

膝からしたが特に冷たく下腹部や手先も常に冷えているような状態でした。

仕事でのストレスも多く、睡眠も浅めでよく悪い夢をみて寝起きも悪い状態。中途覚醒もあり。

 

数年前から不妊症で悩んでいて生理不順でホルモンバランスの乱れも婦人科では指摘されていました。子供ができない状態が5年ほど続いており、何とか手段はないかとご主人と探していて当院にご来院されました。

自律神経測定器の結果、夜の時間帯にもかかわらず交感神経の活動が亢進状態にあって常に交感神経の状態が過亢進状態か日中夜の自律神経のバランスが逆転してしまっている状態が推察されます。

 

治療

 

下腹部や特にひざ下の冷えは東洋医学でも不妊症治療に対してとても重要でその部分を電子温灸器や灸頭鍼、点灸等を用いてしっかりと温めていきます。

 

全身施術では、手足の自律神経の状態を整えるツボであったり、四神窓といって睡眠や精神的な状態を改善させることに効果的なツボに鍼を刺して電気を流す鍼通電伝治療を用いていきます。

 

その他、背中の背部兪穴といいまして五臓六腑の関連した重要なツボがございますのでその部分にも鍼やお灸を施すことで特に重要な腎や生殖に関わる臓腑のツボを刺激していきます。

 

経過

 

施術後、徐々に睡眠の質が向上。仕事の忙しさなど日々のストレスに左右されることもあるがトータル的にみると深く眠れる日が増えていった。

下肢の冷えや下腹部は、最初は本人もそこまで自覚できなかったが他が温まるようになってきて本人も冷えを自覚してきて冷えないような対策をしていただきました。

 

3か月間くらいかけて徐々に冷えや睡眠が改善していき、体調も波はありますが改善傾向にありました。そんな中施術開始後、タイミング療法と並行して妊娠が確認できました。

 

流産の経験もあるためその後体調を整える目的で週一回はメンテナンスで鍼灸施術も受けています。

 

下肢や下腹部の冷えは、ほとんどなくなってきました。

 

 

冷え性とは

 

体内のホルモン変動や自律神経のバランスが乱れるために引き起こる症状だと考えられています。

血流が豊富で身体を温める作用がある筋肉が男性に比べて女性の方が少ないです。

それに伴い女性は出産や月経など血が少なることもあり、男性よりも冷えを強く感じる方が多いと思われます。

 

女性の方が多いのですが、男性の方にも冷え症の症状を持った人もいます。

 

 

現代社会が引き起こすもの

デスクワークや運動不足で下肢の筋肉が落ちてくることや、

不規則な生活習慣のため自律神経が乱れることによって起きやすいことから、

現代病といっても過言ではありません。

 

冷え性は病気としては見ませんので、お医者さんは専門的に診ているところは少ないと思います。

 

身体の中から変えていかなければなりませんので、

体質改善が必要です。

 

症状

冷え性になると、

肩こり

腰痛

・下肢のむくみ

・下肢の感覚が鈍くなる

・下腹部の痛み

下痢や便秘

頻尿

といった症状を伴いやすいです。

 

それ以外にも

生理不順

易疲労性

・肌荒れ

不眠

 

などの症状も付随してでてきやすいもので。

お仕事や生活でも悩まされやすいものです。

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