先日NHKの東洋医学ホントのチカラという番組で頻尿の患者さんに対してツボを刺激してもらったところほとんどの方で改善が見られたということが紹介されていました。
紹介された頻尿対策の記事はコチラです。
https://www.bbm-japan.com/_ct/17208637
当院でも頻尿・過活動膀胱の鍼灸治療を行っております。
過活動膀胱とは蓄尿(尿を溜める)という膀胱機能の障害です。膀胱が過敏になっていて過剰に反応し尿を出そうとするため、尿を溜めて我慢することが難しくなります。
若い方から年配の方まで発症し、年齢とともに多くなってきます。男女共に起こりますが、50代以降は男性にやや多くなってきます。
脳と膀胱(尿道)を結ぶ神経のトラブルで起こる「神経因性」のものと、それ以外の原因で起こる「非神経因性」のものがあります。
・神経因性過活動膀胱(神経のトラブルが原因)
脳卒中や脳梗塞などの脳血管障害、パーキンソン病、認知症、脊髄損傷、頚椎症、脊柱管狭窄症などが原因となります。
・非神経因性過活動性膀胱(神経トラブルとは関係ない原因)
男性の場合、前立腺肥大症などの下部尿路閉塞により排尿のたびに膀胱に負担がかかり続けることにより膀胱の筋肉に異常をきたし、少しの刺激にも過敏に反応するようになり過活動性膀胱が起こることがあります。
また、女性の場合加齢や出産により膀胱、子宮、尿道などを支えている骨盤底筋が脆弱化することで、排尿メカニズムに異常をきたすことがあります。
・それ以外の原因
何らかの原因で膀胱の神経が過敏に働く場合や原因が特定できないものが実際には最も多いといわれています。
原因ははっきりとは解明されていませんが、加齢変化によって膀胱の伸び縮みが悪くなることや、女性ホルモンの不足により膀胱粘膜の過敏性が高まること、ストレスなどの影響により排尿に関わる自律神経が乱れることなどが関連していると考えられています。
・尿意切迫感
急に尿意をもよおして我慢できなくなる。慌ててトイレに駆け込む。いったん尿意が気になり始めると我慢できなくなる。
・頻尿、夜間頻尿
頻繁にトイレに行く。夜中に何度もトイレに行く、一日8回以上、あるいは2時間異常もたない。しかし、トイレに行ってもあまり尿は出ない。
・切迫性尿失禁
間に合わなくて漏れてしまう。漏れる量はほんの少しのことが多い。
症状と過活動膀胱症状スコア(OABSS)、尿検査、残尿測定検査、超音波検査などから診断されます。
治療は主に薬物療法と行動療法が一般的です。主に膀胱平滑筋(排尿筋)の不随意収縮を抑制する抗コリン剤や膀胱の広がりを促進するβ3受容体作動薬を使用します。前立腺肥大症が原因となっている場合はその治療を行います。
行動療法として水分、カフェイン、アルコールの摂取制限やトイレ習慣の変更などの日常生活における指導や、排尿間隔を意図的に伸ばし膀胱容量を増加させる膀胱訓練法で効果が得られる場合もあります。
また、尿道を締める骨盤底筋の強化として骨盤底筋体操の指導が行われる場合もあります。
中医学において泌尿器系のコントロールは五臓六腑の機能失調と関わりがあり、特に「腎」と「膀胱」が大きく関わっています。尿は六腑の「膀胱」に貯蔵され五臓の「腎」によって排泄が調整されています。
ただしこの生理機能は「腎」によって統率されているため膀胱に関係する疾患は原則として「腎」の機能調整を行います。
その他、体全体の機能を調節する「肝」や体液の調整をする「肺」の機能も関係しています。
腎は年齢とともに機能が低下し「腎虚(じんきょ)」と呼ばれる状態に陥りがちです。
腎虚になると頻尿や尿漏れといった泌尿器のトラブルや、冷え、疲れやすさ、腰痛、身体の乾燥感などの症状が現れやすくなります。
また、寒くなるとトイレが近くなるように、中医学では排尿トラブルの根底には水滞、水毒などによる体の冷えがあると捉えられています。その他「血」の滞りで生じる「瘀血(おけつ)」も腎虚に関わることがあります。
当院では自律神経測定器により血管の状態や自律神経のバランスを測定し、お身体の状態をふまえた上で治療へ移ります。
膀胱の収縮や拡張を司る自律神経のバランスを整える治療や東洋医学的観点から、「腎」、「肝」、「肺」をはじめとした内臓機能の調整を行います。
用いるツボは下腹部や腰部、骨盤周囲が多くなりますが、全身の血液循環を促進し自然治癒力を高めたり、体の冷えを除く目的で全身の重要なツボを用いて施術を行っていきます。
Posted by 中目黒の鍼灸院 東京α鍼灸院|眼精疲労 at 13:47 / 院長コラム コメント&トラックバック(0)