当院の視神経炎に対する施術は、第一に目周囲の重要なツボにハリをさして視神経の炎症をおさえる作用を促します。また視神経炎は五臓六腑の肝に深く関係しているので肝に関する経穴を用いて肝血を補うことや肝気の巡りをよくします。また視神経炎は五臓六腑の脾や胃の機能が弱くなって起こるとも考えられているので脾や胃に関する経穴を用いてそれも補います。
視神経炎の場合、強い痛みのため交感神経が過亢進状態になることが多いです。交感神経の過亢進は、イライラ感や不安感・高血圧・睡眠障害にも繋がりやすいです。当院では、自律神経測定器で自律神経の状態を把握して施術していきます。
当院の視神経炎の施術目的は、まず炎症を抑えて悪化を防いだ上で徐々に回復を速めることです。西洋医学とは違う東洋医学の観点により少しでも視神経炎が回復できる機会を提供して少しでも患者さんの手助けになるよう努めます。お悩みの方は一度ご相談ください。
東洋医学では五臓六腑の肝と目の関係が深いといわれております。肝の機能障害は、目の症状としてあらわれやすく、特に肝血が不足してしまうと視覚の異常や運動系の異常などがみられます。
また東洋医学では神経炎は体外からの湿邪や熱邪の影響、五臓六腑の脾や胃の機能が弱くなって気血津液の生成不足などにより栄養が体の隅々に行き渡ることができなくなって起こると考えられています。
視神経炎とは視神経に炎症が生じて視力障害が起き、視野の障害として視野の中心がみえにくくなる中心暗点がおこります。
視神経は眼球の網膜から始まる視神経線維の束です。視神経は、視神経管を通って眼窩から頭蓋腔に入ります。視神経は脳底で視神経交叉をして視野の右半分の像は左の脳へ、視野の左半分の像は右の脳へ伝えられます。
視神経に炎症が起こると、網膜に映った像は正常でもそこから脳へ伝達される間に異常があるので結果的に視力障害をきたします。
視神経炎は15歳~45歳までの年齢層に発生することが多く、視神経炎の75%は女性です。急性の視力低下を主訴に発症して多くの患者さんでは眼球運動痛も訴えます。視神経炎は片目に生じることもあれば両眼に生じることもり、片目だけに症状が現れた場合はもう一方の目でほとんどのものが見えるので、視力低下に気付かないこともあります。
視神経炎になった場合、視力が急激に低下し、視力障害が起きる1~2日前に目の奥に痛みを感じることがあります。なかには1~2日で視力が低下して、両目が真っ暗になってしまうこともあります。
視力が低下してから1~4週間かけてゆっくり回復していき、多くは正常または正常近くまで視力が戻ります。
視神経とは
視神経は脳神経の一つであり、視覚をつかさどる重要な神経です。視神経は、網膜の神経節細胞から起こり視覚情報を伝達して、視床や中脳にまで伸びる神経です。視神経は100万の神経線維を持っています。
左右の目から視神経に伝わった視覚情報は、左右の視覚情報が交わる視交叉という所に集まったあとに再び左右に分かれていきます。視交叉を通過した情報は、左右の視覚情報が統合され再び分かれることで複雑な情報をまた再処理できるようになるといわれています。これらの視覚情報は最終的に大脳の後頭葉で映像となって、さらに意味を持った情報として処理されます。
眼球運動
眼球運動は、外眼筋の働きによって行われています。外眼筋は、上直筋・下直筋・下斜筋・内直筋・外直筋・上斜筋があります。
眼球は直接斜めに上や斜め下に動かす筋肉は存在しておらず、相互の筋肉がうまく機能して複雑な眼球運動を可能にしています。
ⅰ)特発性視神経炎
視神経炎にはその原因などによりいろいろなタイプに分けられます。
発症時に多発性硬化症などの疾患が特定されない視神経炎は特発性視神経炎と呼ばれます。特発性視神経炎は視神経の視神経乳頭が炎症を起こして腫れる病気で、年齢は若年から中年にかけて多く、やや女性に多い傾向があります。
急性の特発性視神経炎が発症した場合は手足の麻痺などを引き起こす多発性硬化症に移行する可能性が比較的高いです。
ⅱ)球後視神経炎
眼底検査で視神経に異常が見られないが、視神経炎の症状が出現するものは球後視神経炎です。球後視神経炎を引き起こす代表的疾患に多発性硬化症という疾患があります。多発性硬化症は20~40歳代の成人に多く見られます。
自己免疫異常やウイルス感染の関与が高いと考えられていますが、いまだに原因は不明です。目の障害だけではなくて、運動失調や感覚障害、痴呆などが出現することがあります。急激に視神経炎を発症することが多く、その後症状は軽快と悪化を繰り返します。
※多発性硬化症
多発性硬化症は脳の中枢神経系の異常によって起こる難病指定されている疾患です。多発性硬化症は、神経の周りを覆っている髄鞘に異常をきたして神経がむき出しになることによって生じると言われています。視神経炎ではその状態が視神経に及びますが視神経ばかりでなく脊髄や脳にも病変が出ることもあり、目の症状ばかりでなく体のさまざまな箇所に症状が出てしまうのです。視神経が障害されてしまうと視力低下や視野欠損が症状として現れ、脳の小脳が障害されると平衡感覚が麻痺してしまいまっすぐにあることができない状態、大脳が障害されると身体の感覚が鈍くなったり痺れ症状が出たり、筋肉がうまく動かせなくなったりもします。
多発性硬化症は、欧米の白人に多いと言われており、日本では比較的まれな疾患とされていて人口10万人に対して8~9人程度の割合で発症していると推定されています。発症しやすい年代では比較的若い世代に発症しやすいことが分かっており、平均すると30歳前後に発症することが多いようです。
この疾患の原因は、自分の細胞を攻撃してしまう自己免疫疾患が有力な説ですがいまだ詳しい原因はわかっていません。よって有効な治療法はないとされ、症状が軽減されたりまた出たりとを繰り返すとされています
ⅲ)鼻性視神経炎
蓄膿症が悪くなると視神経を圧迫したり、鼻腔にできた腫瘍などが視神経を圧迫することなどによって視神経障害が起こった疾患を鼻性視神経炎と呼びます。
特発性視神経炎はステロイドパルス療法を行います。ステロイドパルス療法は炎症を抑える作用が強いステロイドを大量に短期間使用するものです。強い効果が期待できますが、副作用が出ることがあり、それが出た場合は早急に対処する必要があるため2週間程度入院が必要です。
ただし効果には個人差があり、不十分な場合は繰り返し行うことがあります。その他の視神経炎に対してはそれぞれの原因に応じた治療を行います。
清水大地
資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好医院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院
Posted by 中目黒の鍼灸院 東京α鍼灸院|眼精疲労 at 13:44 / 院長コラム コメント&トラックバック(0)