当院の嗅覚障害に対する治療の目的は、第一に鼻の周辺の経穴に鍼をさして鼻周囲の血行状態をよくします。お灸施術も並行して行っていきます。
また嗅覚障害は五臓六腑の『肺』に深く関係しているので肺に関する経穴を用いて肺機能を補うことや肺の陰液の巡りをよくします。
また腹部や背部の重要なツボをはりやお灸で刺激することで、自律神経を調整する治療を施します。
当院では、施術に入る前に自律神経測定器で自律神経の状態を計測してから施術に入ります。自律神経の状態を把握することでそれに合わせた適切な施術が可能になります。鍼灸治療が比較的効果の高いとされるのは、副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎によって生じる呼吸性嗅覚障害やストレスによって生じる心因性嗅覚障害です。
自律神経を整えることで身体の回復する力が高まり、嗅覚機能が正常に戻りやすくなると考えられます。 部分的な治療ではなく全身を治療することは東洋医学の特徴でもあります。
全身治療を行うことにより人間が本来もっている自然治癒力を高めます。中国では嗅覚障害に対する鍼灸治療は有効とされています。
東洋医学の五行学説五官で鼻は、『肺』に属すると考えられています。嗅覚障害は何等かの原因により肺が機能低下して生じると考えられます。
東洋医学の肺の役割として
・肺は気を主る
呼吸の機能に当てはまります。体内の濁気を派出して体外の清気を取り込む役割があります。
・肺は宣散・粛降を主り、水道を通調する
気や津液を全身のすみずみまで行き渡らせる役割があります。呼吸や汗によって体内の水分を外に排出する役割も担っています。また津液を全身に行き渡らせるばかりでなく、末梢血管の浸透圧のバランスを調整することで体液のバランスも調整しています。
・肺は皮毛を主り、鼻に開竅する
汗の分泌調整や立毛筋の調整など皮膚表面の温度や体液のバランスを調整しています。また病邪が侵入するのを防ぎ、侵入された場合は抵抗し排除する役割もあります。
・鼻水は肺液である
鼻水は鼻に開竅する肺との関係が深いと考えられています。
肺陰虚
肺の陰液が不足することで慢性の炎症や自律神経系の過亢進などが起こります。嗅覚障害や嗄声、口の渇きの原因となります。
症例 1
50代 女性
◇症状◇
7、8年前に風邪のため発熱を起こした。それと同時に副鼻腔炎が発症し、鼻水が止まらなくなり、徐々に臭いが感じられなくなった。鼻水はサラサラな状態。味覚の感覚も落ちている。耳鼻科には副鼻腔炎の症状が出ると通院しているが、嗅覚の異常までは改善しないため当院に来院した。
◇当院の治療◇
鼻粘膜にある嗅細胞が炎症によって機能不全に陥っているので鼻粘膜や副鼻腔への血液循環を向上させ炎症を回復させるために、鼻周りのや目の周りに刺激をして低周波電気を流していきました。
それに加えて自律神経の調節治療を行うことにより自己免疫力を向上させて回復力を高めていきました。また、頸肩のコリが強いため心臓から頭部への血流を阻害していることがわかり、同時に頸肩の治療も行っていきました。
・1回目
施術後まだ変化は見られなかった。
・2回目
頸肩のつらさは軽減されたが、鼻の症状はまだ変化は見られない。
・3回目
以前に比べると鼻の通りが良くなった感じがするとのこと。
・4回目
鼻水の状態が漿液性のものから粘液性のものに変化した。匂いはまだ感じられない。
・5回目
鼻水の量が少なくなってきた。鼻の調子はいいが、匂いはまだ改善されていない
・6回目
鼻水が出なくなり、匂いを感じられるが出てきた。
・7回目
鼻の調子が良く、いい匂いが少しずつではあるがはっきりと感じられるようになってきた。
・8回目
前回からあまり変化なし。いい匂いは感じるが、臭いにおいは感じられない。
・9回目
カビのにおいなどの臭いも少しずつ感じられるようになってきた。
・10回目
いい匂いは、意識しなくても自然と感じられるようになってきた。
症例 2
2ヶ月前に鼻風邪引き、風邪症状は3日ほどで落ち着いたが、嗅覚だけがもとにもどらない。
うすい匂いは全くわからず、コーヒーやカレー、ラベンダー系のアロマのみ、なんとなくわかる程度。
もともと鼻炎もちではあるが、風邪のあとにここまで匂いが感じなくなったのは初めてで原因がよくわからない。
匂いがわからないため食事も楽しくなく、体重は3キロ落ちた。
心身ともに疲れているので、嗅覚と身体のケアもしていきたい。
当院の治療
自律神経測定器で自律神経の状態を確認したところ、交感神経が優位で精神的ストレス値がかなり高い状態だった。
自律神経の乱れは身体に様々な不調をもたらし、特に目や耳、鼻などの感覚器は影響をうけやすい。
風邪を引く前は仕事が多忙でストレスが強かったことから、今回の嗅覚は自律神経の乱れが少なからず関与していると考えられる。
鼻周囲のツボを用いて機能の改善を図るとともに、自律神経の調整を行った。
◇1回目◇
特に変化なし
◇2回目◇
前回施術後、ローズマリーの香りがわかるようになった。
変化が出たことで気持ちがすこし楽になった。
◇5回目◇
アロマで少しずつ匂いの分かるものが増えてきた。
食事の際も毎回ではないが味が分かることもあって嬉しい
◇10回目◇
うすくではあるが、嗅覚が戻ってきた感じがする。
薄味のものはまだ難しいが、ほかは平気で食事も楽しめるようになった。
まだ完全に戻ったわけではないので今後も続けて様子をみたい。
症例 3
50代 男性
約1年ほど前から、匂いがわからないことに気がついた。嗅覚障害になる半年前にはコロナにかかった。咳がでたり、むせるような後遺症がある。鍼灸院に通われたが効果はなく、耳鼻科で手術を勧められたが抵抗があったため当院にご来院された。にんにくなどの強い匂いであれば、たまに感じることができる。
当院の施術
コロナ感染により、匂いを感じ取る嗅粘膜にある嗅神経がダメージを受け匂いを感じ取ることができなくなっている状態だと考えられるため、嗅神経への血流を促し回復を図るよう鼻周りに低周波電気を流していきました。また、自律神経測定器の結果、交感神経が過剰に優位であったため、自律神経調整や自己免疫力を高めていく施術を行いました。
一回目
施術中、お灸の匂いを少し感じた。
二回目
前回の施術後、身体が軽くなった。匂いの感じ方に変化はない。
三回目
前回より少し刺激のある匂いが感じられるようになってきた。
施術後、外に出ると色々な匂いを感じることができた。
四回目
匂いの感じ方は50パーセントぐらい戻った。匂いを感じることを思い出している。
五回目
日によって、匂いの感じ方が変わる。
六回目
だいぶ匂いが分かるようになった。
コロナ後遺症の咳やむせることがなくなった。
嗅覚障害とは、においを感じにくいまたはまったく感じないという嗅覚機能の低下あるいは、本来いいにおいとして自覚されるはずのにおいを悪臭だと感じたり、ちょっとしたにおいでも耐えられない嗅覚の異常が挙げられます。
また嗅覚は味覚をとても深い関係にあります。味覚は舌の味蕾という細胞で識別されて脳に送られて嗅覚の情報とともに脳で情報処理されるのです。嗅覚が障害されても苦みや甘味などの大雑把な味はわかりますが、複雑な味は嗅覚とともに脳で処理される必要があるため複雑な味覚はわからなくなるのです。
嗅覚が障害されると今までの食事の味の感覚も変わり、それがストレスとなり精神的な病気にかかる可能性もあります。
最近では、ストレスによる嗅覚障害発症が増えています。感覚器官は自律神経とも深くかかわっているため嗅覚もストレスによって自律神経が乱されると障害が起きるのです。
嗅覚障害には主に3種類あります。
・呼吸性嗅覚障害
臭細胞のある部分が慢性副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎などによる粘膜の腫れやできものなどにより塞がれて臭いの元となる分子がにおいを感じ取る部分に到達できない状態です。
先天的な鼻腔の形成異常や外傷などによって鼻中隔が湾曲することによっても起こります。
・末梢神経性嗅覚障害
鼻の粘膜が障害される場合と嗅神経が障害される場合とがあります。鼻粘膜が障害される原因としてインフルエンザウィルスなどのウィルスが鼻粘膜に炎症や萎縮を起こさせることで鼻粘膜が変性を起こしてにおいを感じ取りにくくするのです。
風邪を引いたり、インフルエンザに罹った時に臭いを感じにくくなるのはこのためです。嗅神経が障害される場合は、頭を打った時などの外傷性のものが多く、頭を打った衝撃で嗅神経が切れてしまうために起こります。
・中枢神経性嗅覚障害
大脳などの脳の部分が障害を受けることで起こる嗅覚障害です。頭部外傷・脳梗塞・脳腫瘍や初期のアルツハイマー病・パーキンソン病などによっても嗅覚障害が起こります。
鼻炎や風邪に罹ったわけでもなく、においの感じ方が普段と違うと感じた時はすぐに病院で検査を受ける必要があります。
主にこの3つが挙げられます。
嗅覚障害の原因として鼻道の異常や神経の異常・脳の異常があります。
慢性鼻炎などにより鼻がつまった状態だと鼻の内側にある嗅覚を感知する受容体に臭い分子が到達することができないためにおいを感じられません。風邪を引いて鼻炎になるとにおいを感じにくくなるのはそのためです。
またウィルス感染によって嗅覚受容体が障害されると数日から長いと数か月においを感じることができない場合もあります。
嗅覚障害が長く続く場合は、嗅神経という脳神経が障害を受けている可能性があります。嗅神経が障害される多くの原因は交通事故などでの頭部外傷や頭を打った時による骨折が原因となります。またアルツハイマー病やパーキンソン病でも嗅神経が変性を起こして障害されることがあります。
嗅覚障害では原因がはっきりとわからない場合もあります。多くは心因性と考えられます。
嗅覚が過敏に反応する嗅覚異常では、うつ病や副鼻腔の感染症などが原因となり、一般的には妊婦もにおいには敏感になります。
嗅覚障害はストレスなどとの関わりも深く、普段の日常生活を注意すると予防や症状が緩和されることが多くあります。
・十分な睡眠
十分な睡眠時間を確保して体の疲れをためないように注意しましょう。
・栄養バランスのとれた食事
栄養バランスのとれた食事をとって体の抵抗力や自然治癒力を高めることは重要です。
・鼻のケア
できるだけ鼻への刺激を避けて、鼻をかむ時でも勢いよくかむのはしないようにしましょう。風やインフルエンザにかかってしまうと嗅覚障害がさらに治りにくくなってしまうのでマスクなどして風邪予防や鼻部の保護をしましょう。
・ストレスを溜め込まない
ストレスをため込んでしまい自律神経が乱されると人間が本来持っている免疫力が低下して症状改善が難しくなります。有酸素運動などの適度な運動や趣味をする時間などを設けてリラックスできる時間をつくりましょう。
肘関節とは、上腕と前腕の間にある関節で、上腕骨と前腕の橈骨と尺骨の3つの骨によって形成されています。
3つの骨の間にはそれぞれ関節があるため、肘には3つの関節が含まれ、共通の関節包で覆われています。関節面は軟骨の層で隔てられており、関節のスムーズな動きは潤滑油の役割をする滑液によりもたらされています。
肘関節を形成する骨同士をつなぐ複数の靱帯があり、関節の安定性に関与しています。
また肘関節は曲げる(屈曲)、伸ばす(伸展)、内側にひねる(回内)、外側にひねる(回外)といった動きができますが、同時に手首を返して捻るなど、ほかの関節と連動して動くこともできます。
・上腕骨内側上顆炎
上腕骨内側上顆炎は一般的にリトルリーガー肘、ゴルフ肘とも呼ばれています。野球の投球動作やゴルフのダウンスイングを繰り返し行うことが原因です。その他仕事で毎日ハンマーを振るなど、手の動きを繰り返した結果、発症することもあります。
上腕骨内側上顆炎は肘の内側に沿って痛みが生じます。特に手首を手のひら側に曲げる動きや物を持つことが、痛みの引き金になることがあります。繰り返して首を曲げたり、指を握ったりして動かすことで上腕骨の内側に付着する筋肉の腱が炎症を起こすことが原因です。
治療は保存療法として安静、固定、氷冷、消炎鎮痛薬、湿布、注射、リハビリテーションなどが挙げられます。保存療法でも改善がみられない場合、手術療法を行います。
・上腕骨外側上顆炎
上腕骨外側上顆炎は、別名テニス肘と呼ばれます。ラケットを使いスポーツをしたり、またハンマーを打ち付けたりするなどの、ラケットを使ったスポーツと同じような動きをする特定の腕の動きを繰り返しているとこの症状を生じることがあります。
アスリート以外に、シェフ、大工、自動車修理工、配管工、音楽家なども上腕骨外側上顆炎を起こしやすいです。上腕骨外側上顆炎では肘の外側にある腱が影響を受けています。
肘の外側に沿って痛みや熱感などの症状が現れます。また、握ることに問題が生じることがあります。
治療は保存療法として安静、ストレッチ、薬物投与、装具着用などがあります。保存療法で改善しない場合手術が検討されます。
・変形性肘関節症
変形性肘関節症は、関節内に存在しクッションの役割を果たしている軟骨が侵される病気で、軟骨が摩耗する結果、クッションを失った関節が損傷を受けます。変形性肘関節症では、肘の怪我や関節炎などによって引き起こされる場合があります。
主に肘の内側では、骨棘と呼ばれる骨の過剰な突起物ができ、そのために肘の動きが制限されます。また、骨棘が折れてしまうと関節内で遊離体となり、関節の動きを止めてしまうこともあります。(ロッキング)
肘の痛み、肘の曲げ伸ばしが困難になる、肘の曲げ伸ばし動作が急に制限されてロックされる、肘を動かすときの異常な音、肘関節の腫れなどの症状を認めます。進行すると肘部管症候群と呼ばれる肘の内側にある尺骨神経が圧迫される状態になり、薬指と小指の感覚の力が入りにくくなり、感覚も鈍くなります。
治療は通常、固定具を用いた安静、消炎鎮痛薬の使用などの薬物療法、理学療法で治療を開始します。しかし、重症の場合は人工関節置換術を含む手術が行われます。
・肘頭滑液包炎
肘を曲げたときにできる肘の後方の出っ張りが肘頭ですが、この肘頭の皮下に存在するクッションの役割を果たしている滑液包に生じる炎症です。
肘への直接の打撃、長時間肘をついて肘に圧力をかけていた場合、感染症、リウマチなどの内科疾患などが原因となっています。
局所の腫れが最初の症状です。腫れが大きくなってくると、滑液包が大きくなり周囲の神経を刺激するために痛みを感じるようになります。感染症の場合、発赤や熱感が生じることがあります。適切に治療が行われないと徐々に肘を動かすことも難しくなってきます。
治療として感染症が原因であれば、抗菌薬の内服が必要です。滑液包の内部の液体が多い時は、注射により液体を抜きます。感染症が原因でない場合はアイシングや圧迫、非ステロイド性消炎鎮痛薬の内服で管理します。重症な場合は手術が必要になることもあります。
関節痛は東洋医学では「痺証(ひしょう)」として考えられます。「痺証」とは生気の弱りがあり、それに加え、外邪(風邪、寒邪、湿邪、熱邪など)が入ってくると、関節部や筋肉にしびれや痛み、こわばりが出ることをいいます。
肘の痛みもこの「痺証」にあたります。また、経絡的にいうと「肺経」「大腸経」「肝経」が関係が深いです。
肘周囲の重要なツボに鍼やお灸で刺激を与えることで、肘関節周りの血流を良くして十分に血液が負傷部位に供給できるようにしていきます。そうすることで疼痛物質の吸収、代謝を高める作用や筋や靱帯の炎症を鎮静する作用、患部の修復作用を促し、症状を改善していきます。
鍼通電治療法なども用いましてより鎮痛効果を引き出す施術も行う場合があります。
また、東洋医学的観点から症状に対し重要な経絡のツボや気血の流れを整えるツボを用いて治療を行います。
症例
40代 女性
昔からテニスをしており、今も練習を週に3~4日ほど行っているが、2週間前から右ひじの内側に鈍痛が走るようになった。
整形外科に受診したところ、上腕骨内側上顆炎と診断された。練習の中止を指示されテーピングや湿布などの処置をされたが、なかなか改善されず当院を受診した。
きっかけは男性を相手にプレーを行い、相手の重いサーブや返球を受け続けたことで痛みが発症した。
当院の施術
まず触診や徒手テスト法でお身体の状態を確認していきました。
患部は若干熱感があり、腫れもみられたため、患部に直接お灸を行い抗炎症を促しました。また、前腕の筋肉は過剰に緊張しており肘に大きく負担しているため、腕の筋緊張も緩め痛みを軽減するために低周波鍼通電法を用いて施術を行っていきました。
その他に、首肩のコリに対する施術や自然治癒力を高めるために自律神経を調節する施術も加えました。
治療間隔は週に1~2回ペース。
経過
1回目
痛みは少し軽減したが、腫れや鈍痛はまだある。
2回目
腫れが引いてきた。安静時の痛みはなくなったが、動かすと痛い。
3回目
動かすだけなら痛くないがタオルを絞る動作や、重いものを持つと痛みを感じる。
4回目
タオルを絞る動作や重いものを持つ動作での痛みは軽減してきた。
5回目
軽くテニスボールを打ってみたが、痛みはあまり出なかった。
強く打つとまだ痛む。
6回目
日常生活ではほとんど気にならなくなったが、長時間練習すると痛みが出てくる。まだ無理ができない状態。
7回目
軽くラリーをしてみたが、痛みは気にならなくなった。
8回目
ほとんど気にならないまで改善した。
定期的にメンテナンスに通っている。
顎関節症に対する当院の鍼灸治療は、
・痛みの緩和
鍼を刺して通電療法を行うことで患部の痛みを緩和させること。その他、腕の顔面部の痛みを軽減させる効果のある「合谷」と「曲池」というツボも鍼通電を行うこともあります。患部との併用して行うことで鎮痛効果がさらに期待できます。
・筋緊張の緩和
物をかむ際に使われる側頭筋や咬筋などの咀嚼筋の筋緊張緩和。それらの筋肉が過緊張状態ですと、顎関節に負担が大きくかかるため顎関節症の原因ともなります。
・自律神経調整治療
心因性の顎関節症に代表されるように精神的なストレス、自律神経の乱れによっても顎関節の痛みとなって現れることもあります。特に交感神経が優位が続いてしまうと交感神経は筋や血管を収縮される作用があるため筋肉のコリや発痛物質が留まってしまうことによって痛みの原因となってしまうのです。また、過度にストレスが溜まっている状態ですと気付かないうちに喰いしばり状態となって顎関節症の原因となります。そこで当院では自律神経測定器で自律神経を計測してその人に合ったオーダーメイド施術を行うことで顎関節症にも効果が期待できます。
・頸肩の筋緊張の緩和
特に歯のかみ合わせが悪かったり、喰いしばり動作が多い状態ですと首や肩の筋緊張が強く出ている方が多いです。頸肩の筋緊張を施術によって緩和することで咬筋の筋緊張も緩和されやすくなります。
この4点を主な柱として施術していきます。痛みの強く出ている時期では3~7日ほどの間隔で集中的な施術を行って痛みが軽減してきたところで施術間隔を延ばしていきます。
※顎関節症に対する鍼灸治療の効果について
外傷性のものなど器質的な原因で起きている顎関節症では、あまり有効性はみられないが、特に器質的に異常が見られない場合、鍼灸治療の有効性が著効にあらわれたという研究結果も出ています。
全日本鍼灸学会
『顎関節症に対する鍼灸治療』
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsam1981/36/4/36_4_250/_article/-char/ja/
この研究では、顎関節症の鍼灸治療で有効率が75%あったという報告がされています。
顎関節症は、嚙み合わせや咀嚼筋の疲労、精神的なストレスが溜まって起こるなど多岐にわたります。鎮痛薬でその場だけ凌いでもそれまでと変わらない生活を続けているとまた同じような痛みやその他の首こり・肩こり・精神的な症状などさまざまな症状に波及しかねません。まずは顎関節症の原因となりやすい生活習慣を見直して改善していきましょう。
・急性期は患部を冷やす
顎関節症で痛みが強く出て間もない時期は、炎症を拡大させないためにも痛みが出ている患部を氷水などで冷やすようにすると良いです。痛みが出てもそのままにしておいてしまうと症状が長く続いてしまう危険性があります。すると、痛みが慢性的となってしまいさらに咀嚼筋などの周囲の筋肉が緊張しやすい状態となり回復も遅くなってしまいます。
・日中の食いしばりに注意する
何気ないパソコン作業での仕事中などでも自然と食いしばることがあり、それが顎関節症の原因となり得ると考えられています。集中してしまうとどうしても自分が食いしばっているか気が向かないかと思いますので仕事中など目のつく場所にメモ書きを貼っておいて自分が食いしばっているか確認すると良いでしょう。
・硬いものや咀嚼回数の多いものは控える
顎関節症の症状が出ている場合は、硬い食べ物が咀嚼回数の増える食物はなるべく控えるようにしましょう。顎関節に負担をかけてしまうと回復も遅くなります。痛みが出いる時はなるべく負担をかけないように注意しましょう。
・ストレスの軽減
ストレスが溜まって自律神経が乱れている状態ですと血流や筋肉の状態も悪くなってしまうためストレスを溜め込まないということは顎関節症の改善にもとても重要です。
顎関節症とは咀嚼したり、口の開閉をする際に、咀嚼筋(顎を動かす筋肉)に痛みや違和感を感じる咀嚼筋群の機能障害と顎関節に伴う痛みや雑音を伴う可動域制限の総称です。
顎の痛みの他に咀嚼や大きな口を開ける時にカックンとかガリガリといった関節音が生じたり、顎の関節が変形して下顎頭と直接、または間接的に擦れ合うとシャリシャリ、グニュといった軋轢音が生じる事もあります。また、顎の痛みの他にも長い間喋ったり食べ物を噛んだりすると顎がだるく疲れたり、顎が引っ掛かったようになり動かなくなる、
顎関節症の原因は様々で、
・かみ合わせの異常(不正咬合)
・頸椎の異常
・筋肉の緊張
・外傷
・精神的ストレス
・疲れ
を蓄積させる生活習慣などが挙げられますが直接的には歯ぎしりや食いしばりによる影響が最も大きいと考えられます。歯ぎしりや食いしばりがあると咀嚼筋に疲労が蓄積すると顎関節にも過剰な負担がかかり咀嚼筋や顎関節の機能障害(口を大きく開けられない、硬いものが噛めないなど)が現れます。顎関節症の発生頻度は歯科受診患者総数の約10%で20代~40代の女性が多いと言われていますが最近では若年者の患者が増加しています。
このような顎関節に直接かかわる症状の他に身体の各部位に様々な症状が見られる場合もあります。
鼻と喉
鼻閉感、喉の閉塞感、鼻やのどの圧迫感など
目
充血、涙目、視力低下など
その他
肩こり、頭痛、全身のだるさ、疲労感、頸椎ヘルニア、手足のしびれや痛みなど
顎関節症は障害を受け入ている部位によって四つに分類されます。
・顎関節円板(がくかんせつえんばん)障害
顎の関節である関節円板がずれてしまっている状態です。顎関節症患者の6~7割がこの顎関節円板障害だといわれています。
・咀嚼筋痛(そしゃくきんつう)障害
咀嚼筋という筋肉が噛みしめなどによってダメージを受ける事によって起こります。
咀嚼筋とは何かを嚙むために下顎を動かす筋肉の総称で、側頭部にある「側頭筋」や顎関節の外側にある「咬筋」などが含まれます。咀嚼筋は大きな筋肉で頭部、肩や首につながっているため、咀嚼筋痛障害になると首や肩の痛みやこり、頭痛などを感じる事があります。
・顎関節痛障害
顎関節に強い力が加わり、顎関節がねじれている状態です。主に歯のかみ合わせが悪い状態で食事を行う事により起こります。顎を動かすと顎関節に強い痛みを感じます。
・変形性顎関節症
長期間あごの骨に負担がかかり続ける事によって、下顎の骨が変形してしまった状態です。変形性顎関節症は長い間顎関節症を患っている人が多いため年齢層が高い傾向にあります。
外側翼突筋の障害
就寝時の歯ぎしりなどにより外側翼突筋が断続的に強く収縮し筋肉が強く疲労することで障害を受けることがあります。軽症の段階では筋肉疲労の状態ですが、重症化すると腱鞘炎に移行する事があります。
変形性顎関節症
顎関節を構成する軟骨や骨の変性性疾患で診断はX線写真により、関節結節が擦り減ったり、骨が刺激により増殖する骨棘の形成、軟部組織の骨化などが認められるとこの疾患名が付けられます。主に対症療法が中心で予後は良くないといわれています。
心因性の顎関節症
顎関節症の症状があるのにかかわらず、診断することが出来ない場合、この疾患名が付けられることがあります。心理的、精神的原因によりものとされるため、一般的に精神科医へ診察を依頼する事になります。うつ病や自律神経失調症も併発している危険性があります。
症例
20代 女性
一か月前から硬いものを食べるとあごに痛みが生じるようになり、最近は痛くて口が開けなくなった。開口時には、軋むような音が鳴る。
仕事でのストレスの影響で睡眠時の食いしばりが強く、朝起きたらあごの筋肉が痛い。日中も気が付いたら食いしばっているため夕方になるとあごの痛みが強くなる。
強度の肩こりがあり、酷い時は頭痛も出る。
当院の施術
営業のお仕事をされていて、慢性的な強いストレスを感じるという事でしたので、自律神経測定器でお身体の状態を確認したところ、交感神経が非常に高く、休日にもかかわらずリラックス出来ていない様子でした。
運動習慣もなく、休日は日頃の仕事の疲れで寝ていることが多いという事でした。
まず自律神経、とくに副交感神経を働かせる施術を行い、首肩の筋肉にも刺鍼をし、筋緊張緊張緩和を目的とした施術を行いました。
顎の患部に関しては、「カクッ」というクリック音ではないため関節円盤の障害というよりも、顎周りの咬筋の緊張による障害と判断し、顎や首の前面にある胸鎖乳突筋、こめかみの筋肉といった顎の動作に関わる筋肉の硬結に電気鍼療法を行いました。
治療間隔は1週間に1回のペースで、一回一回状態に合わせて刺激量を変えていきました。
1回目
鍼灸治療は初めてで、緊張されていた様子だったので、初回は鍼に慣れて頂く事も踏まえてソフトな刺激量で行った
2回目
痛みや開口障害にまだ大きな変化はないが、心身共にリラックスできた
3回目
鍼に慣れてきたので、少し刺激量を上げた
4回目
少し痛みが軽減し、口も開けるようになってきたが、硬さはまだある
5回目
口がスムーズに開きやすくなってきた。
6回目
口は開くが、痛みは変わらず。
今回から同様の施術に加え、さらなる鎮痛作用上昇を目的とした鍼麻酔方式を取り入れた。
7回目
痛みが軽減。大きく口も開くようになった。以前の様な軋む音も頻度が減少
8回目
硬いもの食べると多少痛みはあるが、それ以外ではほとんど気にならない
9回目
ほぼ気にならなくなって、日常生活に支障がないまでに改善
症例2
20代 男性
1ヶ月前から口を開くと顎に痛みが出るようになり病院の診察を受けた結果、顎関節症と診断された。
もともと食いしばりがあり、歯が欠けることもあった。
顎の痛みに加え、開口時のパキッというクリック音やギシギシ軋む音が聞こえる。
普段はシステムエンジニアとして1日中パソコンに向かっていることが多く、精神的ストレスや肩こり、慢性的な疲労を感じている。
施術
患部は右顎で食いしばりのためか、右の顎のほうが少し筋肉の盛り上がりが目立ち、触診しても過剰な筋緊張がみられました。
側頭部もかなり硬さがあり、首肩の筋緊張も強い食いしばりが原因の一つと感じました。
まずうつ伏せで首肩の筋緊張を緩和を目的とした施術を行い、次に横向きで顎や顎周辺の筋緊張と痛みの緩和を目的とした施術を行いました。
施術の頻度は週1〜2回のペース。
状態に合わせて電気鍼も行いました。
経過
1回目
まだ大きな変化はない
2回目
顎筋緊張が取れた感じがする。痛みが少し軽減した
3回目
以前より大きく口を開くことができるようになってきた
4回目
口を開くと音はまだなるが、痛みは軽くなってきている
5回目
痛みはほぼなく、音も出なくなった。
日常生活で気にならない程度まで改善した
症例3
20代 女性
2か月前から起床時に顎の張りが気になるようになり、日が経つにつれて痛みに変わってきた。放っておけばそのうち治ると思い最初は気にしていなかったが、徐々に痛みが強くなり口が開けないほどに悪化してきている。開口時のクリック音は無いが、筋肉がガチガチに硬直して顎の部分が盛り上がっている。日中の食いしばる感覚はないが、就寝中の食いしばりの自覚はある。
顎の筋緊張から側頭部や首肩のコリも強く感じるようになってきた。
当院の施術
転職して環境が変わってストレスを感じていたということだったため、問診、触診に加え自律神経測定器で現在の状態を確認していきました。
測定の結果、交感神経が8、副交感神経が2の割合になっており、交感神経の働きが過剰になっていることが分かりました。
この方の根本的な原因が交感神経の過剰な高まりによるものと考え、当院では
①自律神経の調節治療
②顎周辺の筋緊張や疼痛を軽減する目的で低周波鍼通電療法
③首肩コリの緩和
以上を中心とした施術を行いました。
週に1~2回の感覚で通院していただきました。
経過
1回目
顎の痛みが少し軽減した。
口も開きやすくなったが時間が経つと元に戻ってしまう。
2回目
顎の痛みが和らいできた。押すとまだ痛みが出る。
食事も以前より楽になってきた。
3回目
顎の硬さはまだ感じられるが、痛みはほとんど気にならない。
4回目~6回目
口も以前のように開けられるようになり、痛みも気にならない。
清水大地
資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院
夏の疲れの原因は発汗による気の流出、暑さによる睡眠不足、冷房による陽気の不足、冷たいものの摂り過ぎによる脾胃の不調など様々ですが、東洋医学では夏バテは気虚、陰虚、湿邪の三つのタイプに分類されます。
気虚
暑さによって体力が消耗し、力が出ない状態
食欲の低下、元気が出ない、だるさ、めまいなど
陰虚
汗など体内の水分を失い、脱水症状に近い状態
手足のほてり、のぼせ、イライラ、口の渇き、食欲不振、頭痛など
湿邪
冷たい食べ物や飲み物の摂り過ぎで胃腸の消化吸収や水分代謝が悪いことが原因になりあます。新陳代謝が悪くなることで、体内に水分が溜まり、夏太りやむくみを引き起こします。
だるさ、むくみ、下痢など
当院の夏バテに対する鍼灸治療は、まず第一に自律神経を整えることです。自律神経の状態を正常に機能させることで、睡眠の質の向上や胃腸の機能回復、免疫力のアップなどにつながります。
そこで当院では、自律神経測定器で自律神経の状態をチェックして一人一人の自律神経の状態・体質などを見極めてその方に合った施術を行っていきます。
また東洋医学的観点より、特に気虚・陰虚・湿邪の病態を改善していきます。その他夏に多いむくみ症状や足の冷え、頭痛・肩こりに対してもその症状に合わせた独自のツボを用いて施術していきます。
50代女性
暑くなり始めた7月中旬辺りから徐々に体調不良に。朝の通勤時の電車や社内は冷房がきいていて寒さも感じて胃の辺りがキリキリと痛むことがある。足周りの冷えは感じるが、頭は火照った感じで額や頭からよく汗は出る。
何となく日中体のだるさを感じて仕事のやる気がおきづらく、夜も寝つきが悪くなってきた。食欲はあり。
漢方など普段から服用することもあり、東洋医学に興味があり、鍼灸治療を受けてみたいということで当院にご来院されました
施術
自律神経測定器では、日中の測定にも関わらず副交感神経の状態が優位で日中夜が逆転しているような自律神経のバランスでした。夜の寝つきも悪いとのことでおそらく夜は交感神経の活動が上がってしまうタイプだと考えられ、自律神経のバランスは良くない状態です。
東洋医学では、気虚・湿邪タイプだと考えられ特に五臓六腑の『腎』や『肝』に異常が出ていると考えれます。
鍼灸治療では、自律神経のバランスを整え、腎や肝のツボで気を補いつつ湿邪を体外に排出するようなツボを用いて治療していきました。
経過
合計4回ほど施術を受けていただきました。治療のペースは3~4日に一回ほどです。
徐々に睡眠が改善されてきて日中のだるさと冷えも感じづらくなっていきました。
日常生活では、運動習慣がなかったため血行改善や日中の交感神経の活動を高めるためにも朝に軽いジョギングの有酸素運動と日中にスクワットの無酸素系の運動を行うようにしていただきました。
症例2
20代 男性
10代のころに比べて夏のだるさが気になるようになってきた。特に今年の夏は今までで1番だるさを強く感じる。だるさ以外にも、食欲不振、不眠や、頻度は少ないが下痢をすることもある。
社会人になってから環境が変わり、生活習慣の乱れやストレスによって自律神経の乱れが気になっていた。
ここ最近夏場の平均睡眠時間は5時間程度で、長い日は6時間、短い時は4時間しか眠ることができない日もある。
身体のだるさや疲労感から仕事に集中することが難しくなってきており、体調を整えて今年の夏を乗り切りたいと思い来院した。
当院の施術
問診、触診に加え、自律神経測定器で現在の自律神経やストレスの状態を確認していきました。
測定の結果、交感神経の働きが弱く、副交感神経の働きが強くなっていました。
測定した時間は日中のため、交感神経が優位になっているのが正常ですが、副交感神経の働きが強いので、自律神経の働きが乱れていることを確認できました。
まずは仰向けで腹部、腕、足、頭部の経穴に鍼で刺激し、自律神経の調節を促す施術を行いました。
次にうつぶせになり、背中や首肩の筋緊張を緩める施術を行いました。
経過
1回目
施術した日はよく眠れた。
次の日からまた眠れなくなったため、まだだるさは取れない。
2回目
徐々に眠れる日が多くなってきた。
3回目
熟睡できるようになってきて、身体の疲れも軽快してきたような気がする。
4回目
睡眠の質、時間共に改善傾向。
だるさも軽くなった。
夏の暑さに身体が対応できなくて不調が出ている状態の事を、夏バテといいますが具体的な定義はありませんし、「夏バテ」=病名ではありません。室内外の急激な温度変化や日中の暑さから体温調節中枢である自律神経のバランスが崩れることで様々な症状が現れます。夏バテの代表的な症状は全身のだるさと疲労感です。何となく体がだるく、疲れが取れにくい日が続きます。暑さによって睡眠不足になる事も少なくありません。
また、日中の暑さによって体の中の温度が高くなると胃腸への血流が少なくなったり冷たいものの飲食が増える事で胃腸に負担がかかり胃腸の働きが低下し、食欲不振や便秘や下痢を引き起こす事もあります。睡眠不足で疲労が回復されない事での疲労の蓄積や、食欲不振での栄養不足、これらが引き金となってなんとなくだるいといった全身の倦怠感に繋がります。
夏バテは体力や免疫力の低下を起こすので、そこから風邪に繋がることもあります。
・自律神経の乱れ
自律神経とは自分の意思とは関係なく、無意識のうちに働いている神経で交感神経、副交感神経の二つの神経が心臓や血流、呼吸、消化、代謝などの働きを活動、抑制しバランスよく機能する事で私たちの身体を調節しています。しかし、高温多湿の環境が続く事や、室内外の温度差、冷房での体の冷やし過ぎなどで体温調節や発汗中枢の役割である自律神経を酷使する事でバランスが乱れたり、うまく機能しなくなる事で胃腸の不調や全身の倦怠感、食欲不振、のぼせ、めまい、頭痛など様々な症状を引き起こします。
・下痢や便秘などの胃腸の不調
冷たい飲食物の摂りすぎなどによって胃腸に負担がかかり、胃腸の機能が弱まる事で消化機能の低下や下痢、便秘、食欲不振などを引き起こします。
・睡眠不足
熱帯夜など特に夏は寝苦しい日が続くことがあります。睡眠が十分にとれない日が続いてしまうと体の疲労が取れずに日中の疲労感を感じやすくなってしまいます。また、夜に交感神経が高まりやすく逆に日中に副交感神経が働いてしまい通常の自律神経のバランスと真逆になってしまう危険性もあり、それが原因で自律神経の乱れに繋がることもあります。
・食欲の低下
胃腸の不調にも関係しますが、暑いとどうしても冷たい飲み物や食べ物を多く摂取してしまい、胃腸が正常に機能しなくなってしまうことが原因で食べ物を体が受け入れづらくなってしまいます。また胃腸の働きは自律神経の活動がつかさどっているため自律神経の乱れは食欲の低下にもつながります。
・免疫力の低下
免疫機能は自律神経が司っているため、自律神経が乱れることによって免疫機能が低下して普段は排除できるウィルスや細菌なども体が防御することができずに風邪などをひきやすくなってしまいます。また、夏風邪は長引きやすいと言われますが、免疫力の低下も一因として挙げられます。
・熱中症の初期
吐き気、下痢、めまい、頭痛などといった症状は熱中症の初期症状でも見られます。熱中症は暑さによって体内の水分や塩分バランスが崩れて起こります。夏バテと熱中症の症状は似ていますが熱中症は重症化すると命の危険性もあります。
熱中症はⅠ度(軽度)、Ⅱ度(中等度)Ⅲ度(重度)に分類されており、めまいはⅠ度に含まれ、立ちくらみが起こる状態で「熱失神」とも呼ばれます。運動を終えた直後に起こりやすく顔面蒼白、脈が弱くなって速くなる、呼吸の回数が増えるなどの症状が見られます。
吐き気、頭痛、下痢はⅡ度に含まれ他にも倦怠感、虚脱感、判断力や集中力の低下などがみられます。Ⅱ度は従来「熱疲労」と呼ばれていた状態で放置したり対処が適切でない場合などは重症化する危険性があります。
Ⅲ度に分類されるのは意識障害やけいれん、ショック症状、過呼吸、手足の運動障害などです。
最近では夏バテ外来を設ける病院も増えてきましたがまだまだその数は少ないようです。夏バテをそのまま放置しておいてしまうと免疫力なども低下して体に隠れていた思わぬ疾患が出てくる危険性もあります。
内科などで行われる夏バテ治療としまして夏に不足しがちなミネラルやビタミンを補給する注射やニンニク注射などが行われたり、または最近は漢方薬を処方するところもあるようです。
食事の工夫
暑いからと言って麺類などあっさりしたものばかり食べいては、体力がなくなってしまいます。肉や魚、野菜、果物など良質なタンパク質、ビタミン、ミネラルを補給しましょう。栄養バランスのとれた食事が大切です。
また、ショウガやワサビ、コショウなどの薬味や香辛料や、しそ、ねぎ、みょうがなどの香味野菜には食欲を増進させる効果がありますから上手く食事に取り入れるのも良いでしょう。決してたくさん食べる必要はありませんので、少量でも栄養価の高い食品を一日三回の食事で摂りましょう。
適度な運動
ウォーキングや軽いジョギングなど適度な運動を行うと自律神経の働きが整えられて夏バテが解消されやすくなります。朝や夕方の日差しが弱い涼しい時間帯に行い無理なく続けられるようにすると良いでしょう。
外で運動する時間がなかなか取れないという方はストレッチやスクワットなど室内で出来る運動を取り入れてみましょう。
十分な睡眠
夜遅くまで起きていると一日の疲れが残ってしまいます。早めに就寝して睡眠時間を十分にとり一日の疲れはその日のうちにとるようにしましょう。
竹素材やゴザのシーツを使ったり除湿を行うなど出来るだけ涼しく寝られるよう配慮しましょう。
清水大地
資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院
一般的にみぞおちの痛みは、胃の問題が考えられます。みぞおちの奥には外腹斜筋、腹直筋、腹横筋の三層の筋肉があります。さらに奥に腹膜、胃が存在します。心窩部深くにある胃で異常が起こるとお腹の筋肉は緊張し硬くなり表面が張っていきます。また胃の容積が増えて膨らむことでもみぞおちが張ります。
呼吸は、胸部が膨らむ胸式呼吸と腹部が膨らむ腹式呼吸があります。胸部が膨らむ為には肋骨がよく動く必要があります。首・胸・背中・ウエスト周りの筋肉の柔軟性が必要です。
また、浅い呼吸になっている状態では交感神経が過剰に活動します。交感神経が過活動的になると筋肉は緊張し、さらに呼吸が浅くなる悪循環に陥ります。加えて交感神経過活動では、胃痛・動悸・発汗・持続的な疲労感や倦怠感を起こします。
東洋医学では臍から上の腹部を胃脘といいます。そして胃脘で起こる痛みを胃脘痛といいます。胃脘痛の原因には食滞、肝気犯胃、脾胃虚寒の3つがあります。
○食滞による胃脘痛・・・暴飲暴食などで胃に重く負担がかかった場合に、胃脘部に気が滞り痛みをおこします。食滞では胃脘痛の膨満感、食欲低下、げっぷ、嘔吐、呑酸などを伴う場合があります。
○肝気犯胃による胃脘痛・・・精神的ストレスにより気持ちが不安定になることで肝の作用(気を巡らす作用)に異常をおこし、胃の気が滞ってしまうことで痛みをおこします。肝気犯胃では季肋部(肋骨とお腹の境)が張る、食欲不振、呑酸、溜息、げっぷを伴う場合があります。
○脾胃虚寒による胃脘痛・・・過労や睡眠不足、不摂生な生活により、脾胃(胃腸の機能)を損傷することで痛みをおこします。脾胃虚寒では喜温喜按(温めたり手で押さえたりすると軽快する)、手足お腹の冷え、空腹時痛、疲労感、倦怠感、気力の減少を伴う場合があります。
呼吸は呼気と吸気に分かれ、呼気は「肺」、吸気は「腎」が司っているため、肺と腎の機能低下によるものと考えられます。肺は身体の中で一番始めに外部環境の影響を受けるとされています。季節の変わり目に風邪をひきやすいのは、冷えや乾燥によって肺を損傷するためです。腎は生命活動において根源的な役割を持ちます。吸気で息を吸い、酸素を充分に取り込むために腎の働きが欠かせません。
始めに起きている症状、それによって仕事や日常生活で困っていることなどを包括的に伺います。
みぞおち(上腹部)の痛みと呼吸が浅く感じる場合、自律神経の交感神経と副交感神経が不均衡になっている場合が多いため自律神経測定を行います。
当院では自律神経測定器を導入しており、指先に測定器を装着しておよそ3分間安静にしていただき測定します。自律神経の過活動が見られれば抑制させるように、反対に低活動であれば働きを促進させるように治療していきます。より患者様の困り事、悩み事を最善の形で解決できるようご相談し、治療方針を決めます。
治療内容は、まずうつ伏せになり背部兪穴の「肺」や「腎」に関係するツボ、首から腰の筋肉の硬結に鍼灸を行います。特に首・肩・背中の筋肉の緊張が緩和すると呼吸が深くなります。
次に仰向けになり、手足にある肺や腎の要穴、腹部の痛みを緩和させる鍼灸を行います。胸部には鍼をすると気胸になる可能性がある部位があるのでお灸を主体に施術します。
・胃炎
・胃十二指腸潰瘍
・急性膵炎、慢性膵炎
・胃がん
・膵癌
・狭心症
・心筋梗塞
・心膜炎
・気道内異物
・喘息
・気管支炎
・気胸
・肺線維症
・鉄欠乏性貧血
・過換気症候群
急に痛み出した、急に呼吸がしづらくなったなどの急性症状は医療機関を受診ください。
症例
20代 女性
学生の頃から呼吸が浅く、体育の授業等で走るとすぐに息が切れてしまう。数ヶ月前から急にみぞおちが痛くなりはじめた。最初は数秒間ほどで治まっていた痛みが、今では平均10分間続いている。長い時で20分間続く時もある。
病院に行って検査をしたが原因不明と言われ、痛み止めしかもらえなかった。
日常生活や仕事は辛うじてこなせるが、今よりも痛みが強くなるか、時間が長引くと生活に支障が出てきてしまうので、その前に改善するために来院。
当院の治療
脈診、腹診をしたところ、かなり緊張が強い状態が続いていることがわかった。緊張状態が続くと交感神経が優位になり、自律神経の乱れにつながるため自律神経調整治療をメインで行う。これと同時に身体全体の筋肉が緊張し、硬くなっていたので血行促進治療も行った。
鍼は初めてとのことで、痛みに対して抵抗感があり、刺激量はかなり抑えての治療を提案した。
回数を重ねて慣れてきたら少しずつ刺激量を上げる。
治療間隔は週2回
治療経過
◇1回目◇
特に変化は感じない。
◇2回目◇
来院前に痛みがでた、痛みの強さや時間に変化は感じない。
◇3回目◇
痛みが少し弱く感じる時が数回あった。
◇4~7回目◇
治療を受けるたび痛みが軽くなっていった。
◇8~12回目◇
仕事の繁忙期に入り症状が強くでる日が増えた。だが、以前より痛みがある時間が短くなったとのこと。
◇13回目◇
仕事が落ち着いたら症状も落ち着いてきた。治療頻度を週に1回に変えて経過観察することにした。
◇14回目◇
日常生活のなかでほぼ痛みがでることはなくなった。
◇15回目以降◇
みぞおちの痛みから首肩回りのコリを目的として治療を継続することになった。
頭痛で悩んでいる人は日本人の3人に1人と言われるほどです。
しかし頭痛について知っている方は案外少ないものです。
緊張型頭痛、「頭痛」とはなにか見ていきましょう。
頭痛にはさまざまな種類があります。一般的な種類として、片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛などが挙げられます。
片頭痛は一側の頭痛で、頭痛とともに吐き気や光過敏、音過敏が起こることがあります。
緊張型頭痛は両側の頭痛で、長時間続く鈍い痛みが特徴です。
群発頭痛は非常に激しい一側の頭痛で、発作が集中して起こり、周期的に再発する特徴があります。
片頭痛の原因は脳の血管の異常や神経の知覚異常にあるとされています。特定の刺激(例えば気圧、ストレス、食物、睡眠不足など)によって脳血管が拡張し、神経の過敏化が起こります。これによって血管拡張に伴う炎症物質が放出され、痛みを引き起こすと考えられています。前駆症状として閃輝性暗点(突然視野の中に稲妻のようなギザギザの光の波が現れ、徐々に四方に広がり、その場所が暗くはっきり見えなくなる現象)
がみられます。
緊張型頭痛の原因はストレスや筋肉の緊張が関与しており、筋肉の緊張が血流を制限し、酸素不足が起こることで痛みが発生します。主な原因となる筋肉は僧帽筋や後頸筋群、菱形筋の過緊張があり発生します。
長時間のPC業務やスマホ動画視聴により、眼精疲労をともないます。首・肩が凝る、背中が張っているなどの自覚症状がある場合が多いです。
群発頭痛の原因はまだ明確ではありませんが、神経の異常機能やホルモンの関与が考えられています。結膜充血や鼻汁前頭部発汗など自律神経症状が伴います。
病院で行われる頭痛の治療は、まず正確な診断が重要です。診断には患者の症状や生活状況の詳細なヒアリング、神経学的な検査、画像検査などが行われます。治療の方法は頭痛の種類により異なりますが、一般的な治療法としては、薬物療法が挙げられます。片頭痛の場合、痛みを和らげるための鎮痛剤や三叉神経阻止剤が処方されることがあります。また、予防的な薬物療法も行われることがあります。
まず東洋医学は局所的に診るのではなく、全体的に診ることが特徴のひとつです。全身治療を行うことにより免疫力・自然治癒力を高めます。
頭痛において東洋医学では、気や津液(血液)の滞りやバランスの乱れが原因とされています。体のエネルギーである気が滞ることで緊張型頭痛が起こると考えられています。また、気と津液(血液)の流れが円滑でないことが片頭痛の原因とされています。東洋医学では外因と内因の2つに二分でき、頭痛の多くは内因によって発生しています。特に頭と関係の深い肝・腎・脾の3つに異常をきたすと頭痛が起きます。
肝は血液の流れやストレスに対応する能力と深い関係にあります。頭部への血流を調節する働きやストレスで身体が病まないようにする働きがあります。
腎は精神的・身体的な活動において根源的な活力「気」を司ります。過労になると腎が機能不全になり倦怠感や脱力感といった症状が現れます。気は血液を正常に全身に送る働きを持ちます。そのため気が不足すると頭部への血流が減り、頭痛が出ます。
脾は消化吸収と水分の運搬の働きがあります。脾の機能が弱まると、頭がむくみ、頭重感や頭痛が出ます。また脳は身体の中で1番エネルギーを消費する場所です。消化吸収不良による栄養素の不足は、脳疲労・頭痛に繋がります。
・気血両虚による頭痛:胃腸不良による栄養の欠乏している場合、首肩周りの筋肉が硬くなり血行が不充分な場合、過度な疲労で気を消耗している場合など現代でとても多い頭痛です。
・痰濁による頭痛:頭部の浮腫による頭痛です。低気圧や暴飲暴食(脂っこい食べ物、甘い食べ物の過剰摂取)により起こります。
緊張型頭痛では、後頸部にある僧帽筋や頭半棘筋上の天柱・風池、胸鎖乳突筋や頭板状筋停止部上の完骨、肩甲上部にある僧帽筋上部繊維上の肩井、肩甲間部上にある肺兪・厥陰兪・心兪、肩甲骨上角付近の肩中兪・肩外兪・天髎を治療部位として用いる。そうすることで肩甲骨と頸部周囲の筋肉の緊張が緩み、頭痛が緩和します。
気血両虚による頭痛の治療では、脾胃の気虚を補うことと養血を促すことが必要になります。主に用いる経穴は、足部で三陰交・陰陵泉・足三里・血海、腹部で中脘、背部では脾兪です。また頭部の百会・上星に刺鍼することで気血の巡りを促します。
痰濁による頭痛では、身体に滞っている湿痰(余分な水分)を巡らせて身体の外に排泄できるようにすることが必要です。そのため水の運搬を司る脾胃の能力を高めます。主に用いる経穴は、陰陵泉・豊隆・脾兪・胃兪です。
家庭で頭痛の予防に取り組むことも重要です。まずは十分な睡眠をとることや、ストレスを軽減するためのリラックス法(例: ヨガ、瞑想)を取り入れることが効果的です。また、適度な運動やバランスの良い食事を心掛けることも大切です。加えて飲酒やタバコの過度な摂取を控えることも頭痛の予防につながります。定期的な休息やストレッチは緊張型頭痛の予防に役立つので、日常生活に取り入れることをおすすめします。
症例
40代 男性
先月自分の会社を売り、諸々の手続きが多く数ヶ月間まともに休むことなく働いていた。元々の性格でイライラしやすいと自覚はあったが、忙しい日々を送る中で次第に余裕がなくなっていき常に頭痛がおきるようになった。
仕事柄パソコンを朝から晩まで見ていたが、オンラインでのやり取りが増えたことと、自宅での作業が増えたことで、更にリラックスする時間と場所が無くなったように感じている。
一番気になるのは頭痛だが、眼の疲れも慢性的にあるので、一緒に治療して欲しい。
当院の治療
自律神経測定器で検査したところ、交感神経がかなり優位になっていた。また、ストレスの数値と疲労度の高い数値ででていたため、肉体的な疲労回復と、自律神経の調整治療、そして特に筋肉が硬く緊張している側頭筋を重点的に頭、首、肩、肩甲骨周りに鍼とお灸で刺激を与えて血行促進を目的とした治療を行った。
治療間隔は週に2回
治療経過
◇1回目◇
治療中に深い睡眠が取れた。肩の力が抜けた気がする。
◇2回目◇
よく寝たら逆に頭痛が悪化した。首を中心的に治療し、頭の血流を改善した。
◇3~6回目◇
治療後に好転反応で痛みが強くなることを繰り返しながら、少しずつ痛みが軽くなってきた。
◇7回目◇
深い眠りについても頭痛が起こらなくなり、日中も気にならなくなってきた。
治療頻度を週に1回に変更
◇8回目◇
頭痛をほぼ感じなくなってきた。
◇9回目◇
これからは眼精疲労が気になった時にメンテナンスとして来院することになった。
当院の外転神経麻痺に対する施術は、目の周辺の重要なツボにハリを刺して微電流を流すことで麻痺した神経にアプローチします。
また外転神経麻痺は五臓六腑の肝に深く関係しているので肝に関する経穴を用いて肝血を補うことや肝気の巡りをよくします。
東洋医学の診断方法に基づき全身の調整施術も行っていきます。東洋医学では、症状が出ている場所ばかりに注目するのではなく、その裏に隠された内臓であったり、下肢などの気血になにか問題がある部分に注目して治療していきます。
例えば人間の体は、出血しても時間がたてば塞がれますし、骨が折れても固定しておけばくっつきます。人間は本来、すごい力の自然治癒力を持っています。はり灸はその自然治癒力を呼び覚ますとても有効な施術法です。
当院にご来院される方は、特に外転神経麻痺にかかってしまった前後に仕事などで多くのストレスを感じていたり、多忙な生活を送って体調を崩してしまって発症される方がほとんどです。全体の体調を整えていくこと、自律神経の状態を整えていくことも治癒への大事な一歩となります。問診や自律神経測定器で現在のお身体の調子を把握して、生活習慣なども見直していく必要があります。
当院のはり灸施術の目的は、外転神経麻痺の回復程度を高めて、回復を速めることです。また西洋医学とは違う東洋医学の観点により少しでも外転神経麻痺が回復できる機会を提供することです。それにより、少しでも患者さんのお役にたちたいという思いで施術しております。
中医学では五臓六腑の肝は目に開竅するといわれており、眼の疾患は肝の機能の障害が深く影響していると考えられています。肝血が不足してしまうと視覚の異常や運動系の異常などがみられます。そのほか肝は運動神経系の調節に関係があると考えられています。
外転神経麻痺は、外側直筋を麻痺させるので、そのことからも外転神経麻痺は肝に深く関係していることがわかります。
30代 男性
朝起きると急に物が二重に見えていることに気づいた。少し時間を置けば良くなるだろうと思い、そのままにしておいたが、逆に二重の幅が広くなっていることに気づき会社を早退して眼科を受診した。右目が内側によっている斜視と診断されてその日のうちに脳神経外科を紹介されてCT・MRIの検査を受けた。特に原因特定されずに外転神経麻痺と診断された。仕事はそれから休んでいる。
当院には発症して一か月後に来院。少しずつ複視の幅が狭くなってきたがここ1週間ほどは停滞している。
当院の治療
複視の症状が出る前までは仕事が忙しく、夜遅くまで残業していることが多かった。仕事は主にパソコン仕事で目を酷使する生活が続いていた。複視になる前日に身体の疲れや右目の腫れぼったさや違和感を感じていたとのこと。当院の治療方針として
1.自律神経の調整治療
2.首肩の筋緊張の緩和
3.右目周囲を中心に鍼を刺して電気を流して神経及び筋肉に刺激を与える
治療経過
◇1回目◇
治療後、複視の幅は変わらなかったが体は楽になっている。
◇2~4回目◇
4回目の治療後、通勤時に電車の中の風景にダブりが少なくなっていることに気づいた。
◇5~8回目◇
調子の良い時はダブりが少なくなってきたが、週に半分くらいはまだ調子が悪い。
◇9回目◇
だんだん週の半分以上は目の調子が良くなってきた。
◇10回目◇
複視の症状が消えて身体の調子も良くなった。仕事などたまに忙しくなると少し物が二重に見えることがあるため月に1~2回ほどのペースで治療を受けている。
症例2
40代女性
当院にご来院される2カ月半ほど前に物が二重に見える複視の症状が出た。最初は目の疲れで視力が落ちて物がダブって見えているだけと思い、何もしなかったが徐々に複視の幅が広くなって日常生活を送るのも不自由となってしまった。眼科を受診したところ特に異常は見られずに脳神経外科を紹介されてそこで外転神経麻痺と診断された。しかし、特に脳の異常もみられなかったので経過観察で特に治療はされなかったとのこと。
日常生活では常に眼帯をしていないと物が二重に見えて生活できないため、常にどちらかの目に眼帯をして生活していた。医師によるとどちらの目も外転神経麻痺を起こしているとの診断でした。
当院の治療
仕事は主にデスクワークで頸肩のコリは強く出ていたため、初めに首肩を施術して筋緊張をとった後に目の周りの施術と自律神経調整治療も行っていきました。施術前に自律神経測定器で自律神経のバランスを計測したところ自律神経が乱れている状態でした。
首肩と目の周りは共に鍼を刺した後通電して筋や神経に刺激を与えていきました。
◇1回目◇
特に複視の変化は見られなかった。
◇2回目◇
治療後、若干複視の幅が狭くなったように感じたが、眼帯なしでの生活は送れない
◇3回目◇
朝に手を伸ばした先位の距離はぼやくなくなった。遠くを見るとまだ依然として二重に見える。特に目が疲れてくる夕方以降は調子が悪い
◇4回目◇
日中、家の中だと眼帯を外して生活できるようになった。近くはダブりが少ない
◇5回目◇
近くはいいが、遠くに視点を持っていくと複視になる。特に人混みの中だとつらい
◇6回目◇
段々と遠くに視点を合わせてもダブらなくなってきた。ぼやける程度
◇7回目◇
6回目の施術以降、ほとんど眼帯をせずに生活できるようになってきた。仕事で目を酷使した夜などは眼帯をつけることもある
◇8回目◇
真っ直ぐをみているとほぼ問題なく見える。左右に視点を移すとぼやけることがあるため自然と目線だけでなく、顔も横を向けるようになっているとのこと
◇9回目◇
横のダブりもだいぶ少なくなった。夕方以降でも複視の状態にならない。日常生活ではほぼ支障なく生活できる
症例3
60代 男性
経過
夕方仕事の時に物がぼやけて見えるようになった。最初は目の疲れだと思い、気にせず作業をしていたが次の日の朝にテレビを見ていたら物が二つに見えることに気が付いた。
だんだんと二つに見える幅が離れていったため、こわくなって病院をすぐ受診。脳の検査など行っていったが原因は特にわからずに外転神経麻痺と診断された。
6ヶ月くらいかけて治っていく場合があるから様子見でどうしてもつらかったらプリズム眼鏡を処方するが、6か月間は症状の変動が見られることが多いため基本そのままで対処すると言われた。
以前から漢方治療など東洋医学にも興味があったため外転神経麻痺を治せるところがないかとインターネットで検索して当院にたどり着いたとのこと。
治療
主に目の周り特に眼球の外側に強めの鍼通電治療を行って筋肉や神経に刺激を与えていくことで改善をはかっていきました。
複視症状のほか物が二重に見えるため階段の上り下り時などにめまいやパソコン作業時の目の疲労感も強く感じるとのことでそれらの症状にもアプローチしていきました。
首肩周りの筋緊張の緩和、背中やお腹の経穴を用いた自律神経のバランスも整えて治癒しやすいお身体の状態にしていきます。
経過
来院当初は、複視で歩行が困難なため片目に眼帯をして複視症状をおさえてご来院されていたが、4回目の施術後に眼帯を外しても怖さを感じにくくなったためほぼ眼帯を外して生活。だんだんと複視の幅が狭くなっていった。
治療開始1か月後8回目の治療後には、階段上り下りもそつなく行えるようになってきて日常生活もだいぶ楽に。近くのものパソコン作業時などはほぼ一つに見えるとのこと。まだ遠くの景色は二重に見える。
2か月目以降は治療間隔を週に2回から1回に延ばしていきました。
2か月終了時には、複視症状がほぼ消失したため治療も終了。
症例 4
30代 男性
一週間前、起床時から右目が外側に動かなくなった。眼科を受診したところ、原因不明の外転神経麻痺と診断された。脳神経には異常がなく、自律神経かスマホの使いすぎかと言われた。複視がでているため、モノがダブって見える。
発症前は、仕事が忙しく就寝前までスマホで仕事をしていた。
当院の施術
触診では、強い首肩のコリはなく、手足の末端が異常に冷たい状態だった。仕事の忙しさなどから、自律神経のバランスを乱していることや、目の使いすぎによる目の周りの筋緊張で血液循環が悪くなり、神経の働きが麻痺したものと考えられる。
全身への鍼灸施術による自律神経の調整と、血流を促進させるために目の周りへの鍼通電を行った。
一回目
施術後は体が暖かく感じた。
二回目
前回の施術後から、体が温かくなった。目の麻痺は少しマシになり動きがでてきた。
三回目
体は温かい。目が外を向くようになり、外側の視野が広がっている。治療の次の日は目の動きがよくなる。
四回目
だいぶ目が外側に動くようになった。近くのピントも合うようになり、文字が読めるようになった。遠くのものを見る時は、まだピントが合わない。
五回目
目の動きは正常に戻り、遠くのものを見る時もダブることがほとんどなくなった。
外転神経麻痺は脳底の動脈瘤・腫瘍・髄膜血管梅毒・糖尿病・外傷などで起こり、眼筋麻痺のなかでもっとも頻度が高い疾患です。外転神経は橋の後縁から出て上眼窩裂を通って眼窩に入り、外側直筋を支配します。
そして、外側直筋を収縮させて眼球を外側に向かって水平に動かします。よって外転神経が麻痺すると眼球は外転できなくなり、正常よりも内側を向くようになります。すると両眼の視線が見たい場所で交わらなくなり、ものが二つに見えたりします(複視)。眼球運動にかかわる神経は外転神経以外に動眼神経と滑車神経があります。
外側直筋
眼球の奥の総腱輪から出て眼球の外側に停止する筋肉です。外側直筋の主な役割は、眼球を外側に向ける役割があります。外転神経が支配しています。
外側直筋は眼科の中にあるため、触ることができない筋肉です。この筋肉が何らかの原因で機能しないと、目を外側に向けることができなくなり、正視していても内側に向いてしまうより目の状態となってしまいます。
外側直筋が機能しないと目のピントを合わせる能力が低下して焦点が合わなくなり、二重に物が見える状態・複視の状態となってしまいます。
外転神経麻痺を突き止めるのは容易ですが、原因を突き止めるのは容易ではありません。CT検査やMRI検査で腫瘍があるか判断したり、脊髄搾刺では頭外内圧が上昇していないか診断されます。
原因が判明しない場合は、神経に血液を運ぶ動脈の閉塞や一過性脳虚血発作による神経の障害が考えられます。
これらの異常は、高血圧・糖尿病・アテローム動脈硬化がある患者に多く見られます。
当院にご来院される多くの方は、外転神経麻痺と眼科などで診断されたもののその原因が精密な検査を重ねてもわからないという方がほとんどです。原因がわからないと西洋医学では対処が難しく具体的な治療は施されません。当院ではそのような方々でも東洋医学の観点から施術することで複視の状態が改善していったという方が多くいらっしゃいます。
清水大地
資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好医院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院
EDは東洋医学では『陽萎』と言います。
先天の気である腎の(陽気)の弱り(萎える)と考えられています。
EDは古くから存在し、鍼灸や漢方などでも治療されていたと記されています。
東洋医学の腎(腎精≒生殖力)は年齢とともに弱くなってきます。
腎精の力が低下する要因としては過度なセックス(房事過多)や暴飲暴食(飲食不摂)や過労(労倦)といったところが腎の気を消耗することに繋がります。
つまり、生活習慣や食生活、性習慣も含めた部分も見直す必要があると言えます。
当院では全身調整治療で自律神経のバランスを整えていきます。自律神経は自分の意思とは無関係に働く神経で、勃起するメカニズムにおいても自律神経の働きが大きく関係しています。
勃起することは交感神経が優位になると思われがちですが、これは逆で副交感神経が優位になることで勃起・射精ということがおこるのです。
つまり副交感神経の機能が低下していておこる場合や交感神経の機能亢進でEDが起こることがあるということです。ですから最初に自律神経のバランスを整えていくわけです。自律神経調整治療に加えて腎の陽気を補う(補腎)の治療も行います。
人によっては肝・心経にも反応があるため、反応点には施術していきます。それに加えて骨盤内動脈の血流量を増やすために下腹部と仙骨穴に置鍼+電気刺激を加えていきます。
EDの患者の治療効果は高く、鍼灸治療をうけた翌日の朝は勃起する感覚があるなどの声も耳にします。
30代男性
当院にご来院される半年前に仕事環境の変化や仕事が多忙となり、睡眠時間も低下してしまった。夜寝る時間も遅く、奥さんとも寝る時間が合わなくなってきて自然と性交渉をおこわなくなってしまった。段々と仕事が落ち着いて時間ができるようになり、いざ性交渉をしようとしたところ全く勃起しなくなってしまった。
日を変えても同じ結果で、様々なサプリを試したがまったくよくならなかったため当院にご来院されました。
治療
まずは、しっかりと問診を行った上で自律神経測定器で自律神経の状態を把握していきました。睡眠時間も未だ短く、以前は出来ていた運動も時間がなくあまりやらなくなってしまったとのこと。自律神経の測定結果も交感神経の活動が高い状態で副交感神経の活動があまり見られない状態でした。
まず自律神経を整える治療を行ったうえで腰部・臀部の経穴(次リョウ・上リョウなど)に鍼通電を行っていきました。
治療経過
◇1回目◇
治療後、体はリラックスできたように感じたが、相変わらず勃起は起きなかった。
◇2回目◇
2回目の治療後も特に変化なし。
◇3回目◇
夜の反応は変わらないが、朝立ちはする日が出てきた
◇4回目◇
少しずつ性交渉の時にも勃起するようになってきて2~3割程度の確率で勃起するようになった。
◇5回目◇
性交渉時、半分くらいの確率で勃起して射精できるようになった。
◇6回目◇
ほぼ100%性交渉時に射精できるようになった。
◇7回目以降◇
また元の状態に戻る可能性もあるので身体のメンテナンスのためにも10回施術を行って終了した。
40代 男性
半年前から単身赴任となり、職場の環境の変化や日常生活で何でも自分でこなさないといけないというストレスもあり、睡眠の質の低下や倦怠感などを感じていた。少し時間に余裕が出来て久しぶりに家に帰って奥さんと性行為を行ったところ勃起することなく射精もできなかった。それからその出来事が頭に残り、性行為の際にまた同じようなことが起きてしまったらどうしようというプレッシャーを感じるようになり、さらに勃起することが難しくなってしまった。
病院を受診して薬を処方してもらったが、改善がみられなかったため、別の治療法がないか探していた際に当院のホームページを見てご来院された。
治療
普段の生活でもストレスを感じることが多く、自律神経の状態が乱れていることが考えられることからまず最初に自律神経測定器で自律神経の状態を計測していきました。自律神経測定器の結果は交感神経の活動が非常に高く、逆に副交感神経の活動が低すぎるというものでした。
まず自律神経の状態を整えたうえで東洋医学的観点より施術していきました。
治療経過
施術を受けると体は楽になると感じていたが、EDに関しては5回目までは特に変化は見られなかった。
5回目治療後、性行為時に射精まではいかないまでも勃起するようになってきた。施術8回目後には治療開始して初めて勃起して射精することができるようになってきた。でも、まだ2回に1回ほどの割合。
12回目施術をしたところほぼ性行為時に勃起をして射精できるようになった。
症例3
40代 男性
40代になってから、以前の様な勃起ができなくなってきた。
前から飲酒や精神的緊張で十分な勃起ができないこともあったが、ここ最近立ちが悪いのが気になる。とくに睡眠不足や仕事が忙しい状態が続くと不全になる。
1日の平均睡眠時間は6時間程度だが、短い時は3時間程の事もあり、なかなか疲労感が取れない事もある。
当院の施術
年齢的にもまだまだ十分勃起力は保たれても問題はないなく、疲労や睡眠など状況によって波があるというお話から、自律神経の乱れによるものが大きな要因と考えらます。
そのため、まず自律神経測定器で自律神経の状態を確認していきました。
夕方に測定したにも関わらず、交感神経が過剰に働いており、逆に副交感神経の働きが弱い状態でした。勃起をコントロールしているのはこの副交感神経で、この神経の働きが弱いと勃起不全になってしまいます。
当院では、
①自律神経、特に副交感神経の働きを高める
②骨盤血流の促進
③低周波鍼通電で骨盤神経を刺激
を中心に行っていきました。
経過
1回目
まだあまり変化はないが、前回後よく眠ることができた。
2回目
立ち、硬さ共に少し改善してきた。
3回目
疲れていると、立ちが悪い。焦ってしまうとだめ。
4回目
立ちが長続きしてきた。自信もついてきた。
5回目
あまり気にならなくなってきた。
現在も定期的に通院中。
EDとはErectile Dysfunction;の略式で日本語では勃起不全と訳されています。またインポテンツという言い方をすることもあります。
性交渉時に十分な勃起が得られないため、または十分な勃起が維持できないため、満足な性交渉が行えないことを言います。
妊娠を望む夫婦にとっては、EDは軽視できるものではないといえます。
成人男性のおおよそ4人に1人が中等度以上のEDの症状であると言われていますから、軽度の人も含めると症状で悩んでいる方は数多くいるということになりますね。
まずEDの原因を考える前に、勃起がどのようにして起きるかを理解するとEDの原因もよりわかりやすくなりなります。
勃起は性的刺激が加わってペニスの海綿体に血液ながれでることでおこります。EDの原因は、要するに何らかの原因によって海綿体に血液が流れにくい状態ということになります。
海綿体に血液が流れにくくなる原因としまして
・加齢によるもの
年齢があがるとEDになる確率もあがります。
40代以降では生活習慣病のリスクも高まりますから、年齢を重ねることでもEDになりやすいといえるでしょう。
・心理的な要因
ストレス・うつ・不安など日常で誰しもが起こりうるものが心因性によるものです。
仕事や日常生活で精神的なストレスが蓄積しておこることが多いようです。また幼児期の体験や性的トラウマなどが要因になっていることもあります。仕事や家庭などで精神的ストレスを抱えることの多い30代・40代に多いと原因と言われています。
・生活習慣により起こるもの
高血圧・高脂血症・糖尿病の半分以上の患者はEDと言われています。そのくらい密接に生活習慣病と関係しています。この三つの疾患では、何らかの形で末梢の神経や血管に障害がおこることにもより勃起不全の症状がおこるのです。
・病気や怪我によるもの
脳出血や脳梗塞や脳腫瘍、アルツハイマー病でもEDになりえます。
また交通事故や脊髄損傷でも起こることがあります。
・複合型
多くの場合、EDとなってしまう原因が特定できません。前述のように加齢や生活習慣または心理的要因などが複雑に関わりあってEDとなってしまう場合が多いようです。
今は20代の方でもEDで悩まされている方が増えていると言われています。その一因としてストレス社会と食事の関係が注目されています。上述したように心理的な要因でEDとなってしまうことがあり、それを心因性EDといいます。20代から30代は生活環境の変化が激しく特に男性は仕事でのストレスを多く受けやすい時期と言えます。体がストレスを受けると脳が男性ホルモンの分泌を減らすように指令を出して精巣からのホルモン分泌量が減ってしまうと言われています。その他、ストレスから自律神経のバランスが乱されてEDとなってしまう危険性もあります。ストレスを受けると主に交感神経が優位となりがちで交感神経の過亢進状態が続くことで勃起不全の状態となってしまうのです。
ストレスの原因として現実心因と言われる日常生活での仕事や家庭環境・パートナーとの関係からくるストレスと深層心因といわれる幼少期や思春期のトラウマからくるストレスとがあります。
そういったストレスを取り除くことは、言葉では簡単でもなかなか簡単にできるものではありませんが、適度な有酸素運動・十分な睡眠・趣味の時間を作るなどはストレス解消の問題を解決するうえでやはり重要です。
諦めずに習慣化することにより、少しずつ体への変化が現れて症状の回復へとつながることが期待できます。
西洋医学では、ED治療薬の内服が一般的です。一般的に多く使われているのは、
バイアグラ・シアリス・レビトラなどが多いです。血管を広げる作用があったり、勃起を促す酵素の働きを手助けしたりする作用があります。EDの治療薬は多かれ少なかれ副作用がありますから、専門医に相談していただくとよいです。他にも手術療法やホルモン療法、心理療法などもあります。
EDとなってしまったのには必ず何かしらの原因があります。脳梗塞やアルツハイマー型のEDを除いては、詳しく問診を取っていくと生活習慣の乱れがある方がほとんどです。食生活の乱れや睡眠不足、ストレス過多状態は特にEDの改善の妨げとなってしまいます。
せっかく治療を受けても生活習慣を改善していかなければ、治療でよくなったとしてもまた症状が戻ってしまう可能性もあります。EDを根本的に改善させるには治療と並行して生活習慣の改善をしていく必要があるのです。
当院では、治療と並行して下記のような生活習慣の改善をお願いする場合がございます。
食生活の改善
高脂血症や中性脂肪が高い状態だと血液がドロドロとなり、血行不良になりやすくなります。すると陰茎部分にも血流が行き届きづらい状態となってしまうため、食生活を改めて血液はサラサラ状態にしていく必要があります。
具体的に摂った方が良い食材として、魚類・海藻・納豆・酢・きのこ類・野菜類などがあり、洋食中心の食生活の方は和食中心に切り替えることが好ましいです。
運動習慣
運動不足となると全身の血流も悪くなり、自律神経の状態を悪くなってしまいます。特に交感神経が過亢進状態の方が多く、交感神経は血管を収縮させる作用が働くため、交感神経亢進状態が続いてしまうと血流が悪くなってしまいます。
特にウォーキングや軽いランニングなどの有酸素運動はリラックス神経である副交感神経を働かやすくなります。
またED症状の場合、下半身の筋力をつけることも重要でスクワット運動はED改善には効果的ということが分かっています。
タンパク質やビタミンを摂る
食生活の改善にも当てはまりますが、タンパク質とビタミンを摂取するというのは体内で精液をつくるのにとても重要となってきます。体内で精液を生成するにはタンパク質・ビタミン・ミネラルが必要な栄養素となります。
具体的には、レバー・オクラ・納豆・ヤマイモ・大豆食品・野菜類を意識的に多めに摂るようにしましょう。
東洋医学で効果のあるとされる食材
・くるみ
くるみは、縄文時代の遺跡からクルミの殻が発見されており、かなり昔から食べられていたと考えられています。くるみには、『補腎固精』という体を補強してインポテンツや早漏に効果があると言われています。生クルミを毎日60グラムほど2か月間食べ続けると効果が出てきやすいです。しかし、くるみは油分が多く含まれているため下痢傾向のある人はさらに下しやすくなってしまうので控えめに摂るようにしましょう。
・なまこ
なまこには、『補腎益精』と言われる作用があり、五臓六腑の腎を補うことで勢力を高める効能があると言われています。なまこは、90%が水分で残りはコラーゲンからできているため、お腹を下しやすかったり、痰を発生しやすいので注意しましょう。その他なまこには、便通の改善や頻尿の改善にも効果があるとされています。
・ドジョウ
ドジョウの効能は、漢方の世界では『補中益気』といわれ、胃腸を丈夫にして消化吸収力を高めて体力をつけると言われています。日本ではそこまで食する機会の少ない食材ですが、中国では古くから体力がつくと知られています。子供の栄養不良や黄疸性肝炎、インポテンツなどの治療に用いられています、また、ドジョウには多くのカルシウムが含まれており骨や歯の状態を良くしたい方にもおすすめです。
エビにもインポテンツの改善に薬効があるといわれ、ドジョウとエビを一緒に煮て摂取するとより効果が期待できます。
EDの治療においては生活習慣も含めた上で改善していく必要性があると言えます。
特に睡眠不足や栄養不足は大敵といえます。寝る時間や充分な栄養がないと、精子の量や勃起時の膨張率にも関係してきますし、セックスやマスターベーションのしすぎもセーブすることが大切といえます。
また適度な運動習慣をするようにすることや飲酒・喫煙習慣を見直すことも重要です。
身体をリラックスさせストレスを溜めないように心がけるだけでも軽度の場合であれば改善されます。
まずは生活習慣の改善を見直すことが重要です。
それでもなかなかうまくいかない・・・
薬は副作用が心配だからあまり頼りたくない・・・
そうであれば当院の鍼灸治療を一度受けてみてください。
清水大地
資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院
東洋医学的に診ますと五臓六腑の肝と脾の機能低下が筋肉痛になりやすい状態へとつながると言われています。
東洋医学では、「肝は肌肉をつかさどる」といわれます。血液を蓄えて体内の血流量を調整することで全身の筋膜や腱を調整しています。
また脾は東洋医学では西洋の脾臓と胃腸のことをさします。全身の筋肉に栄養素を届ける働きがあります。
これらの肝と脾の機能が低下することで筋肉や肌肉、腱に栄養が行き渡らずにその状態で運動をすると筋肉痛になる確率が高まるのです。
当院で行う筋肉痛の治療目的は筋肉痛の回復程度を高めることと、筋肉痛が完治するまでの時間を早めることです。
鍼灸治療の効果として、炎症を早く治めることや鎮痛効果、血流促進などがあります。筋肉痛が起きている部分に直接アプローチして炎症や痛みを早く取り除いたり、周りの筋肉の過緊張状態を和らげることで筋肉痛の回復を早めます。
また、東洋医学的に診ますと五臓六腑の肝や脾が弱っているために筋肉に栄養が行き渡りずらい状態で筋肉痛が発症している可能性もありますので肝や脾の機能を回復させるような経穴なども用いて施術していきます。
筋肉痛とは運動や筋力トレーニングにより筋線維がダメージを受けて起こる痛みのことです。筋肉痛の原因は医学的にまだはっきりと解明されていません。
筋肉痛は広義には肉離れなどを含みますが、一般的に運動した数時間後から数日後に発生する遅発性筋肉痛の事で、程度は個人差がありますが、運動の種類、運動強度、年齢、運動に対する慣れなど様々な要因によって決まるとされています。
以前は、運動中の激しい筋収縮により筋肉への酸素供給が間に合わなくなり、エネルギー源であるブドウ糖が不完全燃焼を起こし、代謝産物である乳酸が筋肉中に蓄積されることにより筋肉を硬くし、神経を刺激して炎症や痛みを起こすと考えられてきましたが、最近の研究では、血液中の乳酸は運動後すぐに低下するため、筋肉痛のような症状を起こす要因にはならないという矛盾点が指摘されており、現在最も有力な説は、普段使われない筋肉を急に使ったり、同じ筋肉が使われすぎたりすると、筋繊維とその周りの結合組織の損傷し、回復過程において炎症を起こし、その際に発生したブラジキニンやプロスタグランジンなどの発痛物質が筋膜を刺激し痛みの信号として脳へ伝わり、筋肉痛として痛みを感じるという見方です。
筋肉痛の症状は、運動した数時間後から数日後に発生する筋肉痛と長時間運動した直後の筋肉痛があります。
・筋肉痛はなぜ時間を置いて痛むのか
運動によって傷ついた筋線維に炎症が起き、そこで出来たブラジキニンなどの発痛物質が筋膜を刺激します。そこから刺激が伝わって痛みを感じるまでに時間差があるからだと考えられています。あまり使っていない筋肉は毛細血管が十分に巡っていません。炎症反応が起こり発痛物質が出てくるまで時間がかかったり、痛みが強くなっていったりするとよく言われますが、現在では年齢による時間差はないという調査報告もみられています。
・筋肉痛になりやすい運動とは
運動するとき筋肉を収縮させて力を発揮しています。この筋肉の収縮運動は以下の三種類に分けられます。
伸びながら力を発揮するエキセントリック(伸張性)運動
重い荷物を降ろす、下り坂を降りる、階段を下りるなど
縮みながら力を発揮するコンセントリック(短縮性)運動
重い荷物を持ち上げる、階段を上るなど
伸縮なく力を発揮するアイソメトリック(等尺性)運動
腕相撲など
このうち特に筋肉痛になりやすいのがエキセントリック運動です。これは、筋肉を伸ばすときの方が筋線維への負荷が大きくなるため、損傷が起こりやすいためです。
・運動前後のストレッチ
運動前のストレッチは、血行を良くして筋肉を柔らかくします。筋肉の伸縮性を高める事で、筋肉痛の原因となる炎症を起こしにくくするだけでなく、ケガの防止につながります。
ストレッチは反動をつけずにゆっくり行うことがポイントです。無理をせず、痛みを感じない程度に行いこれから使う筋肉や、使った後の筋肉を中心にストレッチングしていくことで筋肉痛を
軽減できます。
・普段からの運動習慣
筋肉痛は普段使っていない筋肉を使ったりすると起こるものです。普段から運動習慣をつけ、筋肉を鍛えることが筋肉痛の予防につながります。
筋肉痛は一般的にそのまま様子を見ていれば、運動後3~7日程度で治っていきます。セルフケアとして筋肉痛を早く治すために次のようなことを心がけると良いでしょう。
・患部を温めて血行を促す
入浴やマッサージなどで血行を促すことで、傷ついた場所を回復させるための栄養や酸素を運びやすくなり、新陳代謝が促進され回復を早める効果が期待できます。
・炎症がひどい時はアイシングをする
運動直後や、炎症がひどく熱を持っている場合には温めずに、まずは氷や冷湿布で患部を冷やしましょう。これはアイシングと呼ばれるものです。アイシングをすることで血管が収縮し血流が抑制され、痛みを伝える神経を麻痺させて痛みを緩和する効果があります。アイシングは、一回あたり20分程度。一日に数回に分けて行うのが良いでしょう。運動から1日~2日までがアイシングの目安となります。
・運動直後に良質な栄養を摂る
運動後、回復時に良い食事は、タンパク質、糖質、ビタミン、ミネラルをしっかりととる事が出来る食事です。タンパク質は傷ついた筋肉を修復するのに使われ、糖質は運動で消費したエネルギーを補うための筋肉の分解を抑えるのに役立ちます。また、ビタミン、ミネラルは汗により失われたり、エネルギー効率を良くするため、体で消費されたりしているので、補うことが大切です。
・十分な睡眠を取る
筋肉痛に限りませんが、睡眠は疲労回復に欠かせません。眠っている時には体の中では成長ホルモンが分泌されて、消耗した筋肉を修復してくれる作用があります。
・ストレッチや軽い運動を行う
ストレッチをすると筋肉が柔らかくなり、血行が良くなるので筋肉痛の回復の助けになります。しかし、勢いをつけたり、重い負荷をかけるのはよくありません。できるだけゆっくりと時間をかけて、軽く筋肉を伸ばすストレッチを心がけましょう。また、ウォーキングや水中歩行も良い方法です。無理をせず20分~30分くらいが良いでしょう。
次のような場合には病院に行きましょう。病気や怪我が隠れている場合もあります。
・1週間以上たっても痛みやこわばりが取れない場合(まれにリウマチ性多発筋痛などの疾患の場合があるため)
・全身性の痛みがある場合(他の疾患の可能性があるため)
・局所に急激な痛みがある場合(怪我や骨折の可能性があるため)
・運動をしたわけでもないのに、筋肉痛のような痛みがある場合(内臓疾患の可能性があるため)
筋肉痛の鍼灸治療症例
症例1
30代 男性
前日にフルマラソンを走り、筋肉痛や疲労回復のために来院された。
ふくらはぎが緊張が一番強く、それ以外にも大腿や腕、肩、背中の緊張が見られた。
当院の治療
ふくらはぎの緊張を取るために、下肢のツボ(承筋、承山、承間、飛陽、三陰交
足三里)と硬結部に刺鍼をし、そこに低周波の電気刺激を行った。
また、大腿後面と前面や腰部、背部、首肩の硬結部にも刺鍼をし、さらに自然治癒力を働かせるために、自律神経治療も行った。
施術後
全身的にリラックスできて、体が楽に動けるようになった。
しかし、まだ痛い所がある。
二回目(翌日)
筋肉痛は微かにあるが、気にならない。
症例 2
30代 男性
1週間後にフルマラソンの大会に出場予定で、筋疲労の回復のため来院した。
ここ数か月走り込みをつづけており、週末は30キロ~40キロ近く走ることもある。
過去ににふくらはぎの肉離れを起こしたことがあるため、再発防止としてマッサージでこまめにケアをしているが、以前よりなかなか筋肉痛が取れなくなってきている。
当院の施術
まず、触診にてお身体の状態を確認していきました。
全身の筋肉の硬さはみられるが、とくに太ももの前面とふくらはぎの筋緊張が非常に強く、軽く押しただけでも筋肉痛が起きる。触ると多少の熱感も感じられました。
1週間後にフルマラソンのレースに出場ということで、少しでも万全の状態に近づけるためしっかり筋肉にアプローチを行い、鍼に電気を流す低周波鍼通電法を行いました。
以前より筋肉痛が取れにくくなっているといううことなので、自然治癒力を担う自律神経の状態を測定器で測定したうえで、自律神経調節治療も同時に行いました。
治療間隔はレースまであまり日がないため、3日連続で来院していただき、集中して施術を重ねていきました。
1回目
かなり楽になった。足が軽い。
しかしまだ完全に、取り切れていない。
2回目
痛みはほとんど取れている。
圧痛もほぼ気にならない。
3回目
もうほぼ痛みや張り感は消滅した。
清水大地
資格
はり師
きゅう師
2008年
鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年
おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年
中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年
渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年
三軒茶屋α鍼灸院を開院
東洋医学に診ると「肺」と熱や水分代謝を主に治療することが蓄膿症には効きます。また免疫力を上げることも重要です。免疫力を上げるこには全身の血流量をあげること・自律神経の状態を正常に戻すことが重要です。
自律神経の乱れは・・・・
などを引き起こします。
これらは自律神経の活動により、改善していきやすいものです。
自律神経のバランスが乱れていると、全身の血行循環が悪くなり、血液がドロドロとなります。血液が末梢まで流れないことで、微小循環も悪くなり、代謝が落ちていきます。自律神経の活動を高めて免疫力をあげることが、蓄膿症・副鼻腔炎の改善に欠かせないということです。
身体本来が持っている自然治癒力を高めてあげることで、血液をサラサラに、全身循環を良くしていきます。体質改善を行うことで症状を治していきます。
治療の流れ
①問診
しっかりと問診をしていき、原因を特定していきます。
②自律神経測定
蓄膿症・副鼻腔炎の治療は自律神経の状態を知ることが重要となってきます。
③仰向け治療
自律神経調整療法・鼻周囲の重要な経穴などを用いて症状改善を目指します。
④うつ伏せ治療
肺や大腸などの重要な経穴は背部にもあり、その経穴を刺激していきます。
鼻汁や鼻づまりなど鼻の症例は、東洋医学では「肺」と「大腸」が関係します。
肺には「宣散・粛降を主る」「気を主る」機能があります。
肺の病変では、主に呼吸器系や水分代謝の面の障害が現れます。
大腸には、「伝化を主る」で、主に大便の排泄を行っていて、肺とは気機の下降の面で関連を持っています。
「肺」と「大腸」の関係
肺の粛降の作用と大腸の伝化の作用とは深い関係にあり、肺の粛降作用により大腸は排便を促すことができます。
「肺」や「大腸」不調
乾燥による燥邪などが肺の津液を損傷すると肺の機能が下がり皮膚や粘膜の脱水と炎症を引き起こします。
肺の機能が上手く働かなくなると身体の水が停滞してしまいます。これが、軌道に貯留すると鼻や喉などに症状がでます。これが大腸にも影響を与えて便秘や腸閉塞にも繋がってしまいます。
50代男性
2か月ほど前に風邪に感染し、一週間内に熱は下がったものの、それから鼻が常に詰まっている状態が続いている。病院にて薬物療法を行っているがなかなか治らない。後鼻漏があり、特に夜間に咳が出る。顔面痛、頭重感。最近では嗅覚障害も出現している。
当院での治療
自律神経測定器にて計測を行ったところ、交感神経が過亢進状態でバランスに乱れが見られました。顔面部の血行促進の為、うつ伏せで首肩の筋緊張の緩和と、東洋医学的観点から肺と大腸経のツボにも鍼とお灸を施しました。
次に仰向けで顔面部に鍼とお灸で刺激を与え、鼻周囲の血流循環を促進し、抗炎症作用、鼻汁や膿の排出を促すと同時に、免疫、内臓機能の調整と全身の血行促進のため自律神経系の調整のツボに刺激を与えました。
一回目
施術が終わった後は頭が2、3日軽くなった感覚があった。鼻詰まりも当日は少し改善された感覚があったが、徐々に戻ってしまった。他の症状はまだ変化感じられない。
二回目
顔面痛が少し改善され、後鼻漏がやや少なくなったと感じる。鼻詰まりは日によって通りが良いと感じる日が出てきた。頭重感鼻の通りが悪い日は感じる。
三回目
顔面痛前回よりも改善した。後鼻漏も比較的少ない状態が続いている。鼻の通りが片方は通るようになったが、もう片方は未だ詰まっている。頭重感減少。匂いも少し分かるようになってきたと感じる。
四回目
顔面痛は半減した。後鼻漏は気にならない日が増えてきた。咳も治まってきている。鼻づまりは両方の鼻が通った日があったが、翌日からまた通りが悪くなってしまった。
五回目
顔面痛三分の一程度。後鼻漏も減少し咳が出なくなってきており寝つきが良くなったと感じる。鼻づまりは片方は通るがもう片方は、詰まる日もあるがだいぶ息がしやすくなったと感じる。頭重感も匂いも以前ほどではないが感じる。
六回目
顔面痛ほぼ消失した。後鼻漏もほぼ無くなり鼻づまりも両方の鼻詰まりが無くなった。鼻水の色も透明に近いものになってきた。
症例2
20代 女性
3か月前に副鼻腔炎と診断され薬による治療で軽減したが完全に解消したわけではなく、鼻づまり、後鼻漏が気になる状態。
声の仕事をしているのだが、後鼻漏の影響のため声質が以前と変わってしまい、仕事に支障が出ているため来院した。
鼻汁は粘液状で色は緑色をしていたが、今は白っぽい色に変わってきている。
当院の施術
副鼻腔炎は免疫力が低下すると慢性化することが多く、自律神経の乱れで免疫力が低下します。
仕事の関係で睡眠時間が削られることが多く、生活習慣も乱れ気味という事なので、自律神経測定器でお身体の状態を確認していきました。
測定結果は、交感神経が高く副交感神経があまり働いていない状態でした。副交感神経は免疫細胞を活発にさせる神経なので、改善するためには副交感神経を働かせる施術が最優先と考えました。
触診では首肩、背中周りの筋緊張が強く、昔から自然と力が入りやすい体質ということでした。
まず、うつ伏せで首肩や背中周辺の筋緊張を緩める施術を行い、仰向けで自律神経調節治療、炎症を抑えるために鼻周辺や喉のツボに鍼やお灸を施しました。。
経過
1回目
大きな変化はないが、鼻の通りがよくなった。
2回目
鼻が通りやすくなったため、よく寝れるようになった。少なからず鼻水の量も減ってきた気がする。
3回目
鼻水の量が減って、後鼻漏が軽減。
4回目~6回目
鼻づまり、鼻水の量が軽減。
声の調子も良くなり、元に戻り始めてきた。
7回目
声も完全に回復し、鼻の調子も良い。
症例 3
40代 女性
5年前から、風邪をきっかけに慢性的な副鼻腔炎になった。疲れやすく、体調を崩すと、すぐ鼻が詰まり、痰や膿がでる。転職をきっかけに、仕事で声をよく出すようになり喉を痛め、さらに副鼻腔炎がひどくなった。耳鼻科で処方された薬の影響でさらに疲れを感じるようになり、ご来院された。また、40代になってからとにかく疲れが取れないことがしんどい。
当院の施術
女性は40代で自律神経のバランスを崩しやすくなるため、疲れがとれにくく、免疫力が下がり、副鼻腔炎がなかなか治らない状態になっていると考えられる。
自律神経のバランスを整え、免疫力を上げること、鼻の周りに鍼やお灸を行うことで、血流を促進するような施術を行いました。
仕事が忙しく、週に1回のペースで通っていただきました。
一回目
施術後は、鼻の通りがよくなり、よく眠れて身体の疲れがとれる。
二回目
少し鼻の様子がよくなっている。
漢方も飲み始め、膿や痰がよく排出されている。
三回目
鼻が通るようになり、だいぶマシになった。
痰はまだ出る。
四回目
痰も出なくなり、副鼻腔炎はよくなった。
蓄膿症とは俗称で副鼻腔炎とも呼ばれます。
鼻の周りにある副鼻腔という場所が炎症する状態です。この副鼻腔に膿が貯まることを蓄膿症と言います。今では、溜まるほどでなくても副鼻腔炎ということもあります。
原因には様々あります。細菌、真菌などから鼻腔が感染して炎症を起こしてなるものや
などの炎症からなるものもあります。
炎症によって副鼻腔と鼻腔の間が腫れて分泌物や膿などが外に出なくなって炎症が長引きます。この状態ですと細菌感染を繰り返す可能性が大きくなり、症状が固定されて慢性副鼻腔炎になります。
その他にも遺伝が原因になるとも考えられています。
昔によく見られた病気でしたが、医療環境や生活環境の変化により今ではかなり少なってきました。少なくなってきたものの、いまだによくみられる病気であることには変わりません。
頭蓋骨の骨で作られる前頭洞・篩骨洞・上顎洞・蝶形骨洞の四つの空洞で副鼻腔は形成されます。粘膜で覆われた骨で囲まれて、鼻腔と狭い管で通じています。
粘膜の表面には線毛と呼ばれる細い毛によって外から入ってくるゴミやほこり・細菌・ウイルスなどから体内を守ります。これらの異物を粘液と絡めて外で排出する働きをします。
副鼻腔の役割ははっきりとわかっていませんが、音を響かせることや外力からの衝撃を和らげてくれる存在とも言われています。
副鼻腔炎は急性副鼻腔炎と慢性副鼻腔炎に分けられます。
急性副鼻腔炎は、細菌やウイルス感染から副鼻腔に急性に炎症ができる病態で、頭痛や顔面痛・鼻の中の異臭・嗅覚低下・頬の違和感・後鼻漏などの症状が起こります。
アレルギー性鼻炎の方が風邪をひいて急性副鼻腔炎になることもあります。
急性副鼻腔炎では通常1~2週間で治ると言われています。
慢性副鼻腔炎は、急性副鼻腔炎の症状が繰り返したりしたものが長引いたもので、三か月以上続くもので、この状態を蓄膿症と呼びます。症状は、鼻づまりや頭痛・鼻の中に悪臭・嗅覚低下・後鼻漏など様々です。
慢性化することで、副鼻腔の分泌物が増えて粘度が高くなるなど病態をさらに悪化させる可能性があります。
年齢的な要因や免疫力など治癒期間が異なってきますが、目安として半年から一年と言われています。
鼻漏などで細菌検査を行います。
内視鏡で鼻を見る検査で痛みもなくすぐに行なえます。
鼻の中にある膿などのたまりを調べることができます。
痛みがなく時間もかからずにできます。
レントゲンでは蓄膿症の進行具合を調べることができます。
これらの検査で蓄膿症を判断します。
その他にも嗅覚機能検査・鼻腔通気度検査・採血検査などがあります。
蓄膿症には免疫力が関係します。
免疫力などの体力がある方は蓄膿症になりにくいです。
蓄膿症は体質改善により症状も改善されていきます。
蓄膿症は、細菌感染や風などを繰り返すことで慢性化するので、身体本来が持っている自然治癒力と免疫力を高めてあげることで症状を改善してきます。
東洋医学からみた蓄膿症は、免疫力が低くて、野菜不足の肉類などの偏食の方はなりやすいと考えられます。体質では、風邪をひきやすい方や鼻や喉が弱い方など、冷え性、むくみ、肥満などの水分代謝が悪い方もなりやすいと考えます。
清水大地
資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好医院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院