HOME >  ドライマウスに対する鍼灸治療

Archive for the ‘院長コラム’ Category

ドライマウスに対する鍼灸治療

木曜日, 6月 6th, 2024

ドライマウスに対する当院の鍼灸治療について

 

ドライマウスとは、その名の通り口の中が乾いてしまうことで様々な不快な症状を引き起こしてしまい、生活の質が著しく低下してしまうこともあります。

ドライマウスでは唾液の分泌が低下してしまっています。唾液には、

唾液の作用

があります。

唾液の分泌が低下してしまいますと、歯の病気歯周病などにかかりやすくなってしまいますし、さらには口臭の原因食べ物が飲み込みづらくなり食欲の低下などにもつながりかねません。

当院が施術するドライマウスの鍼灸治療では、3つのポイントに重視して行っております。

ドライマウスの施術ポイント

・自律神経の調整施術

自律神経とドライマウスに関係するのと疑問を持たれるかもしれませんが、実は唾液を分泌する唾液腺は自律神経である副交感神経と交感神経とに支配されており、唾液分泌が反射的に調節されています。
主に副交感神経刺激時にはサラサラとした唾液が分泌されて、交感神経刺激には主としてネバネバした唾液を分泌させます。
よく緊張した状態では、口の中がネバネバして乾くような状態となりますが、交感神経は身体が緊張時に働く神経ですのでその反応として口の中がネバネバするように感じるのです。
ドライマウスの原因は様々なものが挙げられますが、ストレスの一つの原因だと考えられており自律神経の状態も関係してくるものと考えられます。

自律神経測定pptx

当院では現在の副交感神経・交感神経の状態、どちらが優位に活動しているのかを把握した上でその方々に合わせた施術を行っていきます。
ドライマウスでご来院される方の多くは、副交感神経の活動が弱い方が多いので基本的に副交感神経の活動を高めるようなお灸でリラックスできる治療も行っていきます。

自律神経調整

 

・首肩回りや手足のツボを刺激

自律神経の状態を整えるうえで首肩回りや背中の施術は特に重要となっています。脊柱の周りに自律神経節なども存在しており、背部の施術でも自律神経の状態を整えていきます。

当院のドライマウスの施術ではまずうつ伏せで背部や頸肩周りの施術を行ってから次に仰向けとなってお腹や手足さらに頬部を中心に施術を行います。

ドライマウスに関連するツボは頬部に多くあるため頬周りの施術は重要となってきますが、上肢にある合谷や下肢にある足三里太谿といったツボもドライマウスに関連したツボであるためそれらも刺激していきます。

ドライマウスの首肩治療

 

・頬部へのツボの刺激

頬部にある下関・頬車・地倉・廉泉などといったツボに鍼を刺して唾液分泌を促します。それらのツボに鍼を刺して電気を流す鍼通電治療をおこなうことで唾液分泌量が増加したという研究結果もあります。

ドライマウスの電気鍼

 

当院ではこの3つのポイントを重点的に行うことでドライマウスの改善をはかっていきます。
鍼が初めてで少し抵抗があるや電気を流すのが怖いといった方もいらっしゃいますので最初は刺激量はご相談の上決めさせて頂いてなるべく患者様の身体に負担をかけさせないように努めておりますので、何なりとご相談下さい。

 

症例

50代 女性

シェーグレン症候群によるドライマウスに苦しんでいる。

普段から飴を舐めていないと口が乾いてしまい、食事の時は水が手放せない。

とくにパンやビスケットなど水分が少ない食べ物を食べると口や喉に張り付いてしまい非常に苦痛を感じる。

もともとストレスはあまり感じる方ではなかったが、ドライマウスの症状がストレスになりますます口の渇きがひどくなったような気がする。

趣味や湯船に浸かったりリラックスしている状態になると口の渇きは多少マシになる。

当院の施術

自律神経測定器で自律神経の状態を確認しました。

自律神経の状態は、交感神経の働きが過剰になっており副交感神経とのバランスが大きく乱れた状態でありました。

唾液は、ネバネバした粘液性唾液とサラサラした漿液性唾液があります。粘液性唾液がは交感神経によってコントロールしており、緊張したりストレスを感じることで交感神経が高まり粘液性唾液が多く分泌されます。粘液性の唾液が多くなると口がネバネバして乾いた状態になってしまうので、シェーグレン症候群に加え、自律神経の乱れがドライマウスの症状を増悪していることが考えられます。

施術内容は

①自律神経の調節

②首肩の筋緊張の緩和

③顎や耳の下の経穴に鍼通電を施す唾液腺への刺激

以上を中心に行いました。

施術間隔は週に1~2回。

経過

◇1回目◇

施術中に唾液が出てきた感覚があったが、大きくは変化がない。

◇2回目◇

施術後に唾液が滲み出てきた。その後の食事もいつもより楽に食べることができた。

◇3回目◇

食事中に水を飲む回数が減ってきた。

 

 

 

ドライマウスの鍼灸治療のエビデンス

日本における1997年の研究ではドライマウス・ドライアイが主症状となるシェーグレン症候群患者12例と健常成人群5例に対して顔面部へ鍼を刺して低周波鍼通電療法を10分間行い唾液分泌量および涙液分泌量にどのような影響を及ぼすか比較試験を行いました。報告では、唾液障害重症度によって差異は生じるが、低周波鍼通電療法で唾液及び涙液が増加したという結果が出ています。

別の1999年の研究でも口内感想を訴えるシェーグレン症候群の患者11例を含む32例に足して鍼治療の効果を検証した比較試験があります。その結果、鍼治療1カ月後で25例中18例(72%)の唾液分泌量が著しく増加して、6カ月後では23例中17例(74%)の患者に分泌量の増加が見られました。

これらの結果から鍼刺激による唾液分泌量や涙液分泌量の増加についてはカルシトニンなどの血管拡張物質の作用やアセチルコリンの関与によって唾液腺血管の拡張さらに神経ペプチドの活性化などによって分泌量が増加したと考えられています。

※参考文献
『鍼灸臨床 最新科学』 医歯薬出版株式会社

ドライマウスの原因

ドライマウスの原因は様々なものが挙げられます。最近口がよく乾くと言って放置しておくと大変なこと病気が隠れている場合もありますので一度内科などを受診してしっかりと検査することをお勧めします。

ドライマウスの検査から糖尿病シェーグレン症候群などの自己免疫疾患が分かる場合もあります。

シェーグレン症候群の鍼灸治療について

 

他にもドライマウスの原因となるものにストレスからくる自律神経の状態が良くないことなどや咀嚼時間が短いなども挙げられます。

よく噛むことで唾液は分泌されます。しかし、食生活の変化で近年ではよく噛まない人が増えていると言います。咀嚼は唾液の分泌を促すばかりでなく唾液腺自体が衰えていくことでますます唾液の分泌量が低下してしまうのです。

 

ドライマウスチェックシート

ドライマウスチェックシートに当てはまりお困りの方はお気軽にお問い合わせください。

不正出血の鍼灸治療

月曜日, 5月 27th, 2024

不正出血とは

ホルモン異常や様々な原因によって、分娩や月経時以外にも性器から出血してしまう事を不正出血と言います。

不正出血と月経時の出血を量やにおいによって見分けることは難しく、月経期間以外におきた出血はすべて不正出血になり、子宮に何かしらに異常が起きている状態なので、必ず病院に受診しましょう。

出血量が大量だったり、腹痛、腰痛、性交時痛、排尿痛、発熱、性器のかゆみ等の症状がある場合は、特に要注意です。

 

不正出血の原因

 

不正出血の原因は、以下のようなものが考えられます。

 

① ホルモンバランスの乱れによるもの

女性ホルモンのバランスが乱れると不正出血が起こります。

特に思春期や更年期といったホルモンバランスが乱れやすい時期に起こりやすいです。

それ以外にも、卵巣機能不全、多嚢胞性卵巣症候群といった卵巣の病気によって女性ホルモンの分泌量に異常を起こす事があります。

 

②膣の炎症によるもの

クラミジア、淋菌、トリコモナスといった性感染症や、便中の大腸菌が膣内に入り込み感染すると膣炎を引き起こす事があります。炎症によって膣の粘膜が損傷し出血の原因になることがあります。

また、閉経で女性ホルモンが減少し膣粘膜が萎縮し乾燥した状態になる萎縮性膣炎も原因の一つです。膣粘膜の乾燥で、些細な摩擦刺激により粘膜が弱くなることで不正出血が起きることがあります。

 

③子宮の病気によるもの

子宮がん、子宮筋腫、子宮膣部びらん、子宮ポリーブ、流早産や胎盤剥離、子宮外妊娠などの異常妊娠によって不正出血が起こることがあります。

 

女性ホルモンと不正出血のメカニズム

 

 

 

女性ホルモンには、エストロゲンプロゲステロンという2種類があり、エストロゲンは卵胞ホルモンと呼ばれており、乳管の発育、乳汁分泌の抑制、子宮筋の発育と増大、子宮内膜の増殖と肥厚といった作用があります。

プロゲステロンは黄体ホルモンと呼ばれており、乳腺や乳房の増殖、子宮筋の収縮の抑制、基礎体温の上昇させ受精卵が着床しやすいように子宮内膜を安定させる作用があります。

この2つのホルモンはバランスが正しく分泌していれば問題ありません。しかし、ホルモンバランスが乱れると不正出血を起こしてしまいます。

 

エストロゲンの作用で子宮内膜が増殖し、ある程度まで内膜が肥厚するとその厚さを支えることができず不安定になります。

そこにプロゲステロンが分泌されることによって、成長した子宮内膜を安定化し肥厚しても崩れないようにしてくれます。

 

しかし、プロゲステロンの分泌が止まってしまうと肥厚した子宮内膜はその厚さを支えられず崩壊してしまいます。それが不正出血になります。

 

また、エストロゲンがの分泌が止まらずに出続けてしまうと、子宮内膜が肥厚しすぎてしまうので、内膜が崩壊し不正出血を起こします

 

逆に子宮内膜を厚くするエストロゲンの分泌が減少すると、子宮内膜が脆くなってしまいます。そうすると、内膜の表面の一部が剝がれてしまい出血が起こってしまいます。

 

不正出血の症状

 

不正出血は、頻度、出血量、血液の色など様々な違いがあります。

色は、ピンク色、黄色、茶色、黒色があり、おりものに血が混ざることもあります。

月経以外で鮮血な出血がみられ、閉経しているのにもかかわらず、出血が起こることもあります。痛みやかゆみを伴うこともあります。

閉経後の出血、痛みやかゆみがある場合は緊急性のものの可能性があるため至急病院への受診する必要がありますが、それに関係なく不正出血がみられる場合は必ず病院へ受診しましょう。

 

不正出血に対する東洋医学的考え

 

不正出血は東洋医学では「心」「脾」が深く関係していると考えられています。

 

東洋医学での心は、

心は血脈を主る(ポンプ作用、新陳代謝)

心は神を主る(思考や分析、判断処理といった意思決定)といった作用

 

脾は、

脾は運化を主る(消化された栄養物質を全身に送る。気・血・津液等の生成)

脾は統血する(栄養物質を脈外に出さないようにする)

脾は四肢・肌肉を主る(四肢や肌肉に栄養する)といった作用があります。

 

飲食したものは気や血に変化し、気血は脾胃の作用でよって体内へ送り運びますが、脾の機能が低下してしまうと、気血うまく運べなくなってしまうので、不正出血がおこります。

また、心の血脈を主るという心臓のポンプ作用が低下してしまうと、血液が十分にまわらなくなり、不正出血を引き起こすと考えられています。

 

脾が血の生成の元を供給し、その血を心が循環させるという役割から、お互いが大きく関係し合っています。そのため、脾の機能が低下すると心に影響を及ぼし、逆に心の機能が低下すると脾にも影響が及んでしまいます。

 

不正出血に対する当院の施術

 

当院での不正出血に対する鍼灸施術は自律神経の乱れや、女性ホルモンのバランスを整えることで不正出血の改善を促していきます。

 

問診

 

 

記入していただいた問診票をもとに、症状やお身体の状態、生活習慣などを確認し、治療方針を組み立てていきます。

 

 

自律神経測定器

 

 

女性ホルモンのバランスは自律神経の乱れと大きく関わりがあるため、測定ご希望の方や必要に応じて施術前に自律神経のリアルタイムの状態を測定していきます。

 

鍼灸施術

 

 

仰向けとうつ伏せの体勢で、自律神経の調整、女性ホルモンの調整、不正出血に関わる経穴を組み合わせ使用した東洋医学的観点の施術を主に行っていきます。

 

不正出血の病院での治療

 

婦人科では一般的に内診により出血量や出血源を確認します。また、子宮や卵巣の状態を確認するため超音波検査、子宮がん検査やおりもの検査、血液検査、尿検査を行います。

検査結果で明らかな異常や腫瘍が見られない場合は経過観察を行うことが多く、不正出血が続く場合はホルモン剤などが処方されます。

 

 

ふくらはぎの痛みの鍼灸治療

月曜日, 5月 27th, 2024

ふくらはぎの痛みの原因

 

ふくらはぎの痛み

■筋肉の損傷が原因のふくらはぎの痛み

・筋肉痛

ふくらはぎの痛みで最も多い原因は筋肉痛です。筋肉痛とは、運動によって傷ついた筋繊維を修復しようとするときに起こります。主に運動量の増加、オーバーワークによって筋線維が耐え切れなくなって損傷します。
・筋肉痛の鍼灸治療について

 

・肉離れ

ふくらはぎの肉離れとは、急激な筋肉の引き伸ばしと収縮が同時に起こり、ふくらはぎの筋繊維が部分的に断裂してしまった状態です。まれに完全に断裂することもあります。
こむら返りと混同されやすいものの全くの別物です。肉離れは筋肉が伸縮性が乏しくなってしまっている状態では起こりやすくなります。

 

■病気や症状が原因のふくらはぎの痛み

・こむら返り

足がつる」と表現されるこむら返りは、主にふくらはぎに起こる筋肉けいれんの総称です。
自分の意志とは無関係に筋肉が持続的な攣縮(れんしゅく)を起こし、多くは激しい痛みを伴います。ふくらはぎの筋肉に起こることが多いですがその他、足の裏、太もも、上体を多く使う方では、指、首、肩などでも起こります。
睡眠中(明け方に多い)に見られるほか、激しい運動中や筋肉を使いすぎた後にも見られます。
どうして、こむら返りが起こるのか、その原因はよくわかっていませんが、一般的にカリウム、カルシウム、マグネシウムなどの電解質異常やそれらが不足する状態などが原因で起こるといわれていますが。しかし、原因が特定できない状況で起こることもあります。
・こむら返りの鍼灸治療について

 

・坐骨神経痛

坐骨神経痛とは、お尻から脛、ふくらはぎといった下肢全体に痛みを生じさせることがある症状です。特定の病気を指す言葉ではなく、頭痛などと同じく痛みの総称を意味します。

坐骨神経痛を引き起こす原因は複数考えられます。
どの原因にも共通しているのが、腰椎の異常に伴う坐骨神経への強い刺激や圧迫です。例えば激しい運動や長時間同じ姿勢で座り続けるデスクワークなどが一因として挙げられます。症状としては、痺れを伴った痛みがお尻からふくらはぎのラインに走るケースが見受けられるのが坐骨神経痛の特徴です。
・坐骨神経痛の鍼灸治療について

 

・シンスプリント

シンスプリントは、過度なランニングや繰り返しのジャンプなどが原因で発症する骨膜の炎症です。
シンスプリントは脛(すね)の痛みを指す症状ですが、柔軟性が低下したふくらはぎの筋群(ヒラメ筋など)によって、脛の内側が引っ張られて痛みが生じると考えられています。
そのため、脛の裏側にあるふくらはぎにも痛みが起こることがあります。
・シンスプリントの鍼灸治療について

 

・下肢静脈瘤

足の動脈硬化が原因で、ふくらはぎに血流障害を引き起こしてします症状です。ふくらはぎの血管が狭くなったり、詰まったりし、何もしていなくても痛みが現れることがあります。

 

・閉塞性動脈硬化症

閉塞性動脈硬化症は徐々に血管が詰まっていくため、初期はふくらはぎのしびれや冷えを訴えます。
進行すると痛みを伴うようになり、長い時間歩くことが困難になる場合もあるため、血管外科のある病院で治療の相談をしましょう。

 

ふくらはぎの痛みの種類

 

 

東洋医学的考え方

痛みは気・血(けつ)・津液(しんえき)など人体の構造成分の流れや量と深い関係にあると捉えています。気は生命エネルギーに近い概念、血は全身を滋養する血液や栄養、津液は体内の水分を指します。ふくらはぎの痛みに関係が深いのは血と津液です。

東洋医学に「不通則通(ふつうそくつう)」という言葉があります。「通ざれば、すなわち痛む」と読みます。体内での気・血・津液の流れがスムーズでないと痛みが生じるという意味です。

量については「不栄則通(ふえいそくつう)」という言葉があり、これは「栄ざれば、すなわち痛む」と読みます。
人体にとって必要な気・血・津液が不足すると痛みが生じるという意味で、栄養や潤いが十分供給されないと、その部分が正常に機能できず、痛みが生じるのです。

また、筋肉や関節のしびれ、だるさ、痛みなどを特徴とした病気を「痺症(ひしょう)」といいます。「痺」という文字は通じない、塞がるといった意味で、体の気血(きけつ)の流れ(神経、血液の流れ)が何らかの原因によって障害を受けていることを指します。

これは、風、寒、湿、熱などの外邪が経絡に侵入し起こると考えられています。

 

 

ふくらはぎの痛みに対する当院の鍼灸治療

 

◇急性症状の場合

痛みの強い部分やその周囲のツボに鍼やお灸で刺激を与え血液循環を促進し、消炎作用、鎮痛作用を促します。また、必要であれば、鍼に電気を流して電気鍼治療をして痛みを感じる閾値を上げ、痛みを感じにくくする作用を促します。

さらに、ふくらはぎの筋肉の問題は腰背部や臀部、大腿部の筋肉の連動性が大きく関わっているため、その部分にも鍼やお灸をして、筋肉の緊張を緩和しバランスを整えていきます。

 

ふくらはぎの痛みに対する電気鍼治療

 

◇その他の症状の場合

骨盤のゆがみや筋肉のバランスを正常に戻して下肢の血液循環を改善していくことが重要になってきます。

なぜなら骨盤が歪むと足へと流れる神経伝達の乱れにより、筋肉の活動量が減ることで筋肉のバランスが崩れ、ふくらはぎや足の血液循環が悪くなることが多いからです。

腰背部や臀部、大腿部の筋肉の重要なツボに鍼やお灸で刺激を与え下肢の筋緊張を緩め、血行を促進します。また、東洋医学的観点から気・血・津液を補うツボや下肢を栄養する経絡である、腎経、脾経、胆経、膀胱経などの重要なツボも取り入れて施術を行います。

また、自律神経系の調整施術を行うことで、全身的な血行促進、内臓機能や免疫機能を高め、症状が治癒しやすいお身体の状態へ整えていきます。

下肢の血流促進鍼灸

 

症例

 

40代 男性

昨日子供とキャッチボールをして、肉離れになった。歩くのもつらい、以前から運動習慣があり、痛めるのは決まって右足。今回も右を痛めた。

病院に行く前に少しでも痛みをとってほしくて来院。

 

当院の治療

うつ伏せでは右腰からふくらはぎ全体に電気治療で痛みの沈静化と筋緊張をとり、血行促進する治療、仰向けでは、常に痛みがある状態だと乱れやすくなってしまう自律神経を調節して自然治癒力を高める治療を行いました。

◇1回目◇

治療後は変化を感じない。

◇2回目◇

前回から3日後に治療を行い、かなり痛みがひき少し歩けるようになった。

◇3、4回目◇

腰から足まで感じていた痛みがふくらはぎのみになった。

◇5回目◇

日常生活も支障がでないほどに回復し、普通に歩けるようになった。

頭の疲れが取れない・脳疲労でお困りなら鍼灸治療を

月曜日, 5月 27th, 2024

脳疲労とは

 

脳疲労とは「脳が疲れて正常に機能しなくなった状態」のことを指します。脳疲労は正式な病名ではありません。

脳の不調を理解するためにまずは脳のネットワークについて知っておきましょう。

人間の脳には大脳新皮質と大脳辺縁系という司令塔があります。大脳新皮質は、思考や学習など精神活動を、大脳辺縁系は食欲や性欲などの本能や情動を担っています。

また大脳の下には、自律神経中枢や食欲中枢を司る間脳があります。間脳は無意識に心臓を適切なリズムで動かしたり、適切に体にエネルギーを入れるための食欲をコントロールしている脳です。

この三つの関係性は人間の体を機能させる高度情報処理システムといえます。

人間を取り巻く環境は「情報」または「情報源」といえます。もし、高度情報処理システムの処理能力を上回る情報が脳に入ってくる(情報過多)とこの高度情報処理システムの機能は破綻してしまいます。まず、本能を司る大脳辺縁系が機能不全に陥り、大脳新皮質にも影響を及ぼし始めます。やがてその影響は間脳にも達し、脳全体の働きが鈍ってしまいます。これが「脳疲労」の仕組みです。

 

 

脳疲労の原因

 

・スマートフォンやパソコンの使い過ぎ

脳疲労の原因には、スマートフォンやパソコンなどのデジタルデバイスの影響も考えられます。

検索サイトで手軽に調べ物が出来たり、SNSで友人とコミュニケーションが取れたりと便利な反面、脳が受け取る情報量が増加して脳疲労につながる可能性があります。

 

・睡眠不足

脳はノンレム睡眠と呼ばれる深い睡眠時に休んでいるため睡眠が十分でないと、脳の疲労が回復せず、次の日に疲れを持ち越してしまうのです。また、脳の疲労が蓄積すると慢性的な疲労状態となり、集中力の低下などにつながってくるとされています。一方のレム睡眠も、脳波としては浅い睡眠でありますが、多量に入ってきた情報を淘汰し消去するために必須と考えられています。朝の目覚めのすっきり感には双方の睡眠が必須なわけです。

 

・精神的ストレス

現代社会はストレス社会と言われていて仕事や家庭でストレスを抱えている人が増えています。恋人関係や夫婦関係など人間関係においてもストレスを継続的に抱えることで、脳の処理が刺激に対して追いつけず、機能不全に陥ってしまうのです。

 

脳疲労の症状

集中力の低下、感情のコントロールがしにくくなる、自律神経の乱れなどが挙げられます。また、脳疲労が続くとうつ病や不安障害のリスクもあるといわれています。

・うつ病の鍼灸治療について
・不安障害の鍼灸治療について

 

脳疲労を回復させる対処法とは

 

・リラックスする時間を増やす

脳の疲労を回復させるために必要なのはストレスをためないことです。アロマなどを活用したり、音楽を聴いたりしてリラックスする時間を積極的に取りましょう。また、マッサージをすると体を弛緩させ、よりリラックスできるようになります。

 

・スケジュールを整理する

覚えておく事柄が多いと、脳の負荷も大きくなってしまいます。リマインダーを活用したり、タイマーをかけたりしてテクノロジーの力に頼るのも一つの方法です。スマートフォンは使いすぎると脳疲労の原因にもなり得ますが、うまく活用すると脳疲労の軽減にも役立ってくれます。

 

・睡眠を十分にとる

十分な睡眠をとることは、脳疲労の回復のために非常に重要です。適切な睡眠時間は個人差がありますので、あまり時間にはこだわらず、毎日すっきり自然に起きられる状態を目指すとよいでしょう。

 

・睡眠前のデジタル機器の利用を控える

スマートフォンなどの光は、睡眠や覚醒のリズムを調整するメラトニンというホルモンの分泌を抑制します。

ベッドに入ってから眠りにつくまでの間、スマートフォンについ手を伸ばしてしまいがちという方は、枕元に置くのではなく、充電器をデスクの上に置くなどして物理的に距離を置くこともよい方法です。

 

脳疲労の自己診断11ヶ条

 

1.夜中に目が覚めたり、用がないのに朝早く目覚める

2.寝つきが悪い

3.食事がおいしいと思わない

4.便秘する

5.体を使わないのに疲労感がある

6.気持ちが沈んで重い

7.希望が持てない

8.考えがまとまらない

9.イライラする

10.不安だ

11.自分は価値がない人間だと思う

 

これら項目に多く当てはまればはまるほどに脳疲労が起きている危険性が高くなります。

 

当院の脳疲労に対する鍼灸治療

 

当院では自律神経測定器でストレス、疲労度、自律神経のバランスを測定しお体の状態を把握したうえで治療へ移ります。

 

脳血流を促進するため肩や首の筋緊張を緩和します。脳疲労のある方はデスクワークでPCを長時間使用したり、スマートフォン、タブレットなどデジタルデバイスを長時間使用する方も多く、首肩の筋肉が過緊張状態の方が多く見られます。首肩コリがあると脳へ行く血管を圧迫し脳の血流が悪くなってしまいます。

脳疲労の首肩治療

頭周りのツボを鍼で刺激を入れていき脳の血流を改善し脳に栄養が届けやすくなることで、効率よく脳が働けるようになり疲れにくくなります。

脳疲労への頭への鍼治療

併せて自律神経系の調整施術を行うことで、自律神経の乱れが調整され、自律神経症状の緩和や就寝時の質の高い睡眠作用が期待できます。また、免疫機能や内臓機能を高め、健康なお体の状態へと近づけていきます。

 

症例

50代 男性

ここ数か月リモートワークが主体となり、不慣れなパソコン作業が増え、休みの日はぼーっとしてしまう時間が増えた。常に身体が重い感じがして、何に対してもやる気が出ない。

慢性的に首肩回りのこりはあるが、20年以上のものなので、諦めている。

不眠も続き、ひどいときは1時間ごとに目が覚める。市販の薬や医者に処方してもらった薬もあったが効かなくなってきた。

 

当院の治療

長年の首肩の筋肉の固さで、脳に流れるはずの血液がうまく循環できていませんでした。筋肉の過緊張を和らげるために、うつ伏せの治療では首肩の筋肉に鍼とお灸で血行促進を行い、仰向けの治療では四肢と腹部に鍼とお灸で自律神経を整える治療を行いました。

 

◇1回目◇

首肩コリは楽になった気がする

◇2回目◇

治療後は楽になるが、すぐに元に戻ってしまう。

◇3回目◇

睡眠時に起きる回数が減った。

◇4回目◇

睡眠時に起きない日があった。身体が軽くなり、頭もクリアになることが増えてきた。

◇5回目◇

かなり改善してきた。全身の血流が良くなっている事がわかる。治療間隔を週に2回から週に1回に変えて経過観察をしていく。

食いしばりの鍼灸治療

月曜日, 5月 27th, 2024

食いしばりとは

食いしばりは、上下の歯で強く噛み合わせる事をいい、『クレンチング症候群』とも呼ばれます。

通常、上下の歯と歯が接しているのは、食事の時だけになるので、一日あたり20分程度です。それ以外の時は、上下の歯は2、3㎜程度隙間を開けた状態で保っているのが正常です。しかし、食いしばりの癖がある方は、一日に一時間から場合によっては数時間、大きな力で上下の歯を噛み合わせる状態になります。

そして食いしばりにより、顎にも負担がかかってしまうと、顎関節症や無呼吸症候群の原因にもなりかねます。

 

食いしばりの原因

食いしばりの主な原因は、ストレス緊張などの精神的なものが原因とされています。対人関係や生活環境など何かしらのストレスがある場合や、緊張する場面に遭遇する事で食いしばりが生じやすくなります。

食いしばりは、中枢性のストレスに対する防御反応として生じる生理現象のため、現代社会ではほとんどの人が多かれ少なかれ見られる現象である事が最近の研究でわかってきました。また、噛み合わせなどにより、顎の筋肉の緊張がアンバランスになっているとこなども考えられます。虫歯で歯に痛みがあったり、その後治療をしたが不適合な高さの補綴物が入っていたり、抜歯後に治療をせずにそのままにしてしまい噛み合わせが悪化が起きている場合には、歯ぎしりや食いしばりが起こりやすくなります。

この様に、食いしばりの原因は、精神的・肉体的なストレスお口の中の環境全身疾患やお薬の副作用など、様々な因子が絡んできます。

 

食いしばりが原因で起こる症状とリスク

【口腔内】

・歯が欠けたり割れたり、ヒビが入る

・虫歯ができる

・歯の動揺がみられる(ぐらつきがみられる)

・顎関節症になる

・歯周病が悪化する

・知覚過敏の悪化

・口腔内が乾燥する

食いしばりが原因で歯のエナメル質が擦れてしまったり、欠けてしまう恐れがあり、欠けたりヒビが入った所から細菌が入り、虫歯になる恐れもあります

また、歯や歯を支えている顎の骨に持続的に力が加わり負担がかかると、歯が移動したり動揺(ぐらつき)が起こり、噛み合わせが悪くなってしまいます。そして、顎の骨に力がかかると、顎関節症になる恐れがあり、顎関節症で顎周りにある唾液腺を圧迫すると、口腔内が乾燥してしまい細菌が増殖しやすくなる為、もともと歯周病がある方は食いしばりが原因となり悪化することがあります

 

【身体】

頭痛

肩こり

首こり

顎周辺の痛み

顔面痛

エラの張り

ほうれい線の目立ち

表情筋への影響

食いしばりで側頭筋が筋緊張することにより、頭痛を起こします。また側頭筋だけでなく、噛みしめる咬筋など、さまざまな筋肉が緊張するため、肩こりや首こりがおこ原因になります。

そして、食いしばりにより、顎周辺やお顔の筋肉が緊張している場合は、ほうれい線が目立ち顔のたるみや表情筋への影響が出てしまい、表情筋が過緊張すると顔面痛が起こるケースもあります。

 

病院・歯科医師での食いしばりの治療法

食いしばりの治療法としては、マウスピース療法行動変容療法ボトックス療法があります。

マウスピース療法・・・食いしばりを無意識に行っている就寝中にマウスピースを装着して行う療法です。食いしばる力をマウスピースにより分散させ歯に加わるダメージを軽減する効果が期待できます。マウスピースは症状や状態に合わせてその都度作り直す必要があります。

行動変容療法・・・正しい行動ができるように変えていく療法になり、上下の歯と歯を合わせない様に意識させます。上下の歯を接触させていると気づいたら歯と歯を離すように心がけ、顎周りの筋肉をリラックスさせるようにします。

ボトックス療法・・・筋肉を弛緩させる効果のあるボツリヌス菌を筋収縮が最も強いとされる咬筋に注入し、筋収縮に制限をかけます。筋肉の緊張が緩和されエラの張りが減少し小顔効果も期待できます。

 

食いしばりの対処法

食いしばりは、ご自身での生活習慣を見直して対処する必要があります。

【対処法】

全身のストレッチ・・・食いしばりが原因となり、顎周りだけでなく、肩凝りや首のこりが強くなります。また、逆に首や肩がこっていると食いしばりを起こしやすいくなります。その為、全身のストレッチを行い筋肉を緩めると良いでしょう。

 

患部のマッサージ、弛緩療法・・・顎周辺や、側頭筋、表情筋、首や肩周り筋肉をマッサージします。マッサージすることで、筋肉を弛緩させ、血流を改善し、患部の痛みや張りを軽減させます。手指でのマッサージが難しい時はマッサージ用のツールを使用して行うと、必要以上に力を使わずとも行う事ができるのでオススメです。

また、マッサージは痛気持ちいいぐらいの力で行うことで、筋肉が早く緩みやすくなります。

 

姿勢の改善・・・猫背や巻き肩など姿勢の悪い方は首や肩に負担がかかり、肩凝り、首こりが起こり、それが原因となり食いしばりを起こしやすいです。そして、就寝時の姿勢もとても大切になってきます。横向きの姿勢で寝ると片側の顎や肩へと負担が大きくなってします。就寝時の姿勢とともに、ほおづえなどの顎に負担のかかる姿勢のクセも改善していく事が大切です

 

食いしばりの当院での鍼灸治療

口内炎の鍼灸治療

当院では、自律神経測定器にて自律神経の状態を把握した上で治療に移ります。

自律神経は交感神経、副交感神経の二つに分けられ、交感神経は日中の活動時に活発に働く神経で、副交感神経は夕方から夜にかけて優位に働くリラックス神経です。この二つの神経がバランスをとりながら無意識下で全身の筋肉血管ホルモンの分泌など様々な調整を行っているため、ストレス疲労生活習慣の乱れなどから自律神経のバランスが乱れると心身の不調をきたす原因になります

本来、寝ている時は自律神経の副交感神経が優位になるので筋肉は緩むのですが、食いしばりをしてしまうと、交感神経活動が亢進し副交感神経の活動は抑制されてしまい、体と心を休める時間である睡眠時間にしっかりと身体が休まらず疲労が溜まってしまいます。

また逆に、ストレスや過労が自律神経のバランスを崩す原因となり、就寝時に交感神経が優位になってしまうことで口を閉める筋肉が緊張してしまい、食いしばりを起こしてしまいます。

その為、自律神経のバランスを整える治療に加え、東洋医学的観点から【肝・心】に関わる経穴に刺激を与えることで、食いしばりの影響による顎や、首、肩、側頭筋の筋肉の過緊張を取り除き、顎関節周囲にかかる負担を軽減させる治療を行います。

また、状態の必要に応じて鍼に微弱な電気を通し、鎮痛作用や筋緊張の緩和、血流の促進を促します。

 

自律神経の治療

食いしばりの原因はストレスの影響が大きいと考えられるため、身体がストレスを受けると、脳が反応して自律神経を乱します。自律神経の状態を良くすることでストレス緩和や症状の改善を促し、免疫を上げることができます

また、生活習慣からの影響も自律神経に関係するため、自律神経を整えるには、バランスの良い食事睡眠適度な運動をするなど、生活習慣の見直しも必要になります。

当院では、自律神経測定器があります。この測定器では、交感神経と副交感神経のバランスや肉体的ストレスや精神的ストレスなども測る事ができます。測定結果を元に、お一人お一人に合ったオーダーメイドの治療をします。そして、東洋医学の治療法と自律神経療法を組み合わせることでより治療効果を高めることができます。

鍼灸治療は自律神経を整えるのにとても優れた治療法です。自律神経を整える経穴やストレス解消の特効穴を用いて症状改善を目指します。

また、自律神経のバランスを整える事で筋肉の過緊張を緩和し、

血行を促進して症状を改善し、再発や悪化を防いでくれます

食いしばりの症状でお悩みの方は、東京α鍼灸院へお越しください。

 

 

食いしばりの鍼灸治療症例

50代 女性

幼い頃から睡眠時に歯ぎしりをしていた。社会人になってストレスを感じると無意識に顎や歯に力が入り緊張してしまう。

首肩コリは慢性的にある。

 

当院の治療

治療前の触診で顎周りから側頭筋まで広く筋緊張があり、仕事や家庭のストレスも強く自律神経の乱れが見られました。

うつ伏せでは、自律神経を整えるための副交感神経が優位になる治療、仰向けでは咬筋、側頭筋の筋緊張の改善を中心に血行促進の治療を行いました。

 

治療経過

◇1回目◇

変化は感じない

◇2回目◇

治療後は顎周りが動かしやすい気がする。すぐに元の硬さに戻る。

◇3回目◇

あまり気にしていなかったが頭痛が改善している。

◇4、5回目◇

朝起きた時の顎の疲れが軽くなってきた。

◇6回目◇

仕事が忙しく疲れとストレスがたまったが、以前よりも楽に過ごせるようになった。

◇7回目◇

来院ペースを2週間に1回にして、経過観察をすることにした。

◇8回目以降◇

日常生活でほぼ気にならなくなった。

日光アレルギーに対する鍼灸治療

水曜日, 5月 22nd, 2024

日光アレルギー(光線過敏症)とは 

日光アレルギーとは、日光を浴びることで発生したり、悪化したりする皮膚の総称で、『光線過敏症』『日光過敏症』などとも呼ばれています。『総称』とあるように、日光アレルギーは一つの病気ではなく、いくつかの病気をまとめた呼び名になります。

日光アレルギーに含まれる病気はたくさんありますが、遺伝や代謝の異常などが関係する内因性のものと、薬剤や化粧品などがきっかけとなる外因性のものの2つに大きく分けられます。

日光アレルギーの主な症状としては、日光を浴びた後に、皮膚にかゆみや赤み、水ぶくれなどの症状が出る病気です。

放っておくと症状が悪化して、日常生活に支障をきたすことがあります。 

 

内因性の日光アレルギー

内因性の日光アレルギーは、はっきりとした原因が解明されていないものが多いですが、多くの原因としては遺伝や他の病気などが関係していて、紫外線や可視光線を浴びることで皮膚に症状が現れます。

 

代表的な内因性の日光アレルギー

日光蕁麻疹:ある日突然、日光が当たった部分に蕁麻疹ができます。軽症の場合であれば自然に症状が消えていくことが多いのですが、ひどい場合はめまいや頭痛など、全身症状を伴うことがあります。また、紫外線以外の可視光線で症状がでる人もいます。

 

多形日光疹:日光に当たる部分(主に腕や顔)に赤く小さな丘疹ができます。痒みを伴い、水ぶくれになることもあります。春から夏にかけて症状が出やすく、若い女性に多くみられます。

 

慢性光線性皮膚炎:光の当たる部分に、赤みのあるゴツゴツとした湿疹ができます。中高年の男性に多くみられます。原因は分かっておらず、治療も難しい病気です。

 

色素性乾皮症:遺伝性の難病で、日光が当たった部分にシミができたり、皮膚が乾燥したりする病気です。赤ちゃんのうちから症状が出ることもあります。症状に気づかずに紫外線を浴び続けると、10〜20代で皮膚がんに移行する可能性が高くなります。

これらの他に、自己免疫疾患の『全身性エリテマトーデス』や代謝異常症の一つである『ポルフィン症』のように、ほかの病気が原因となることもあります。

 

外因性の日光アレルギー

外因性の日光アレルギーでは、薬や化粧品などを塗ったり、服用することがきっかけとなり発症します。一部の薬剤や化粧品、香水、果物や野菜などには光に過敏に反応する物質が含まれていて、それらを体内に取り込み、日光を浴びることで化学反応を起こしたり、皮膚に何らかの症状が現れると考えられています。また外因性の日光アレルギーには、光アレルギー性と光毒性の2つの発生メカニズムがあることがわかっています。

【光アレルギー性】

体内に取り込まれた原因物質が紫外線と化学反応を起こすと、アレルギーの原因物質(抗原)が作られることがあります。その物質が体内に取り込まれて、紫外線を浴びた際に、過剰な免疫反応が起きてしまい、赤みを伴う腫れ、丘疹、浮腫や水ぶくれ、痒みなどの症状が現れます。

こうした症状は、すべての人に起こるものではなく、花粉症などと同じように抗原が作られた人のみ起こります。一度、抗原が作られてしまうと、ごくわずかな量でも症状が出やすくなります。

【光毒性】

薬や香水などに含まれる物質に紫外線が当たることにより、活性酸素が作られ、それが細胞などを攻撃することで皮膚炎が起こるものです。光アレルギー性のように免疫反応の異常によるものではないので、血液中に一定量の原因物質があり、一定量の紫外線を浴びれば、誰でも発症する可能性があります。

紫外線が当たると数分から数時間後に、赤みや腫れといった日焼けに似た症状が現れ、その後、落屑や色素沈着がおこります。

 

代表的な外因性の日光アレルギー

光接触皮膚炎:一般的に『光かぶれ』とも呼ばれていて、一部の外用薬や香料、日焼け止めなどに含まれる物質が原因となります。特に、ケトプロフェン系の湿布薬は、鎮静効果が高い一方で光接触皮膚炎が起きやすいことで知られています。そのは他、セロリやパセリ、オレンジなどが原因になることもあります。

 

光線過敏型薬疹:一部の利尿剤や降圧剤、抗菌剤、抗がん剤、抗ヒスタミン剤、抗精神病薬などの内服薬が原因になります。口から摂取し体内に取り込まれることで、そこに含まれる原因物質が皮膚に影響を及ぼし、それが紫外線(主にUV-A)に反応することで、発疹などの症状が現れます。

 

日光アレルギーの一般的な治療法

日光アレルギーは病気によって、抗ヒスタミン薬、ステロイドなどの外用薬、原因となる光線をあえて照射して身体を慣れさせる治療法など様々です。そのため、血液検査や光パッチテストなどを行い、原因となってる光の種類を特定していきます。

 

日光アレルギーに対する当院の鍼灸治療

東洋医学ではアレルギー症状の原因は水分の代謝障害『水滞』または『水毒』と考えられています。

普段から冷たい飲食物を摂りすぎていたり、過労やストレス、または虚弱体質のなどが原因となり胃腸の働きが弱まり、消化吸収が低下すると飲食物がしっかりと吸収されずに体内にとどまってしまいます。

この余分な水分が、体の生理機能の低下を引き起こし、アレルギーを引き起こすのです。

また、アレルギー反応は免疫機能の異常とも考えられるため、免疫機能を主る自律神経の乱れが原因で起きると考えられます。

自律神経はストレスや過労、温度差や不規則な生活などが主な原因となり乱れてしまいます。

当院には自律神経測定器があり、この測定器では交感神経と副交感神経のバランスや肉体的・精神的ストレスなども測る事ができます。測定結果を元に、お一人お一人に合ったオーダーメイドの治療をします。そして、東洋医学の治療法と自律神経療法を組み合わせることでより治療効果を高めることができます。

鍼灸治療は自律神経を整えるのにとても優れた治療法です。自律神経を整える経穴やストレス解消の特効穴を用いて症状改善を目指します。

また、自律神経のバランスを整える事で心身の過緊張を緩和し、血行を促進して症状を改善し、症状の再発や悪化を防ぎます。

日光アレルギーの症状でお悩みの方は、東京α鍼灸院へお越しください。

 

胃痛の鍼灸治療

水曜日, 5月 8th, 2024

胃痛とは

 

胃痛とは一般的にみぞおち(左右の肋骨の間)のあたりに痛みや不快感を感じる症状のことを指します。何かの拍子に突然痛くなることもあれば、長期間にわたって痛みが繰り返されることもあり、その原因も様々です。

胃痛

胃痛が起こる主な原因

 

・胃酸の影響

過剰に分泌された遺産が胃の内側にある胃粘膜を攻撃し、炎症が起きている状態です。空腹時などにシクシク、もしくはキリキリと痛むことが多いとされます。胃炎や消化性潰瘍などがこれにあたります。

 

・胃痙攣

胃の筋肉が痙攣を起こし、神経を刺激することで起こります。キューッと差し込むような痛みと表現されることが多く、吐き気や食欲不振などを伴うこともあります。

 

・胃腸機能の低下

胃そのものに症状の原因となるものは見つからないにもかかわらず、胃痛や胃もたれなどを起こす疾患で、機能性ディスペプシアなどがこれに挙げられます。
痛みは食後に起こることが多く、心理的・身体的ストレスなどが原因となり、胃の働きに支障が出て、胃の不調を起こすと考えられています。

 

・ストレス

胃などの消化器官の働きは自律神経(交感神経と副交感神経)が関わっています。
ストレスによる刺激が脳から「副交感神経」を通って胃に伝えられ、過剰な胃酸分泌を促しさらに胃の蠕動運動を促進します。ストレスによる刺激は、もう一方では脳から「交感神経」にも伝わり、胃の血管を収縮させ、血流や胃の粘膜の分泌を減少させます。

 

・食生活の影響

暴飲暴食、油っぽい食事、消化に悪い食べ物を摂取し続けると胃酸の分泌が高まって胃の粘膜が傷つけてしまいます。その結果胃痛が起こります。

 

・ピロリ菌

胃の中は強い酸の影響によって細菌は生息できませんが、ピロリ菌はウレアーゼという酵素によって尿素からアンモニアを作り自分の周囲を酸性からアルカリ性に変化させることができます。
胃の中で生息することができるピロリ菌に感染すると、胃の中の粘膜を傷つけて胃痛が起こります。

 

 

胃痛が起きると疑われる病気

 

みぞおちの痛みが起きているときに疑われる病気

みぞおちの痛みは様々な病気で発生します。胃液が過剰に分泌されていると、胃粘膜を傷つけてみぞおちが痛くなります。胃炎や胃潰瘍が疑われます。その他胃がんや膵臓の病気、心臓の病気によってもみぞおちが痛くなることがあります。

みぞおちの痛みは、機能性ディスペプシアでも起こります。機能性ディスペプシアは「胃痛や吐き気、胃もたれなどが続いているにもかかわらず、内視鏡検査をしても粘膜などに異常が見つからない」病気と定義されています。

 

胸やけが起きているときに疑われる病気

胸やけが起きているとき、胃酸が食道に逆流している可能性があります。これを逆流性食道炎といいます。食道と胃のつなぎ目は通常飲み食いしていないときはしっかり閉じていますが、それが緩むときがあります。

そのため、胃の中の強い酸性の胃液が食道に入ってきて、むねやけの症状を引き起こします。また、慢性胃炎でも胸やけが起こるときがあります。

 

 

胃もたれが起きているときに疑われる病気

 

胃もたれが起きているとき、食べ物が胃の中にとどまりすぎている可能性があります。食べ物は胃の中でドロドロになったら十二指腸へ流れますが、胃の排出機能が低下してその流れが起きないことがあります。

それで胃が重く感じるようになってきます。胃液の量が足りず、食べたものが消化されず胃の中へとどまって胃もたれを起こすこともあります。慢性胃炎や機能性ディスペプシアでも胃もたれが起きます。

吐き気や嘔吐が起きているときに疑われる病気

吐き気や嘔吐が起きているとき、機能性ディスペプシアの可能性があります。吐き気や嘔吐の症状は、その他にも胃炎、イレウス、片頭痛、脳神経の病気でも起きます。

 

胃痛に対する東洋医学的考え方

・ストレスによる肝の機能低下

胃が行っている、飲食から必要な栄養を吸収し、不要なものを下に降ろす(受納・降濁:じゅのう・こうだく)は、肝の協調によって行われています。何らかの影響で肝の働きが妨げられると胃も影響を受け、受納降濁の働きがうまくいかなくなってしまいます。(肝胃不和:かんいふわ)

肝は身体のバランスを整えている場所で、感情の影響を受けやすいところです。過度なストレスを受けることで肝の働きは低下し「肝鬱気滞」という気の停滞を生じます。これが胃の働きを邪魔して胃痛を生じると考えれられています。

・冷えによる胃痛

また、冷えが原因で胃痛になることがあります。例えば冷たい飲食物を多く摂りすぎたり冷房の効いた室内で体が冷えたときにお腹が痛くなった経験はないでしょうか。このような胃の痛みは温かいものを食べたりお腹を温めると痛みが楽になります。

・胃腸虚弱

もともとの体質で胃腸の機能が弱い方、東洋医学でいう「脾」と「胃」の機能が低下すると、水分代謝機能が低下します。それがしばらく続くと湿気のように重くなかなか排出できず溜まってしまい、各所に張ったような痛みやつかえた感じが腹部にも起こると考えられています。

 

当院の鍼灸治療

 

 

当院では胃酸の分泌や胃の働きなどに大きく関わる自律神経のバランスを測定しお体の状態を把握したうえで治療へ移ります。

胃の働きを調整している自律神経系の調整施術と腹部や背部、下肢などにある脾、胃の働きを整えるツボ、東洋医学的観点から肝の機能を整えるツボなどを用いて治療を行います。

また、胃の機能低下は冷えとも関係があるため、お体の状態を見て必要であれば冷えを除くようなツボに刺激を与えたり、お灸を用いて体を温めるような施術を行います。

外耳炎の鍼灸治療

日曜日, 4月 28th, 2024

外耳炎とは

 

外耳炎とは、鼓膜の外側にある外耳道という部分に炎症が起こる疾患です。

通常は耳掃除といった外耳を傷つける要因になることを中止し清潔にすれば自然に軽快していきますが、高齢者や糖尿病患者は治りが悪くなることがあります。重症の場合、外耳の細菌感染が頭蓋骨まで浸食し悪性外耳道炎を引き起こすこともありますので、治りが遅い場合には早めに耳鼻科へ受診することが大切です。

 

外耳炎の原因

 

外耳炎は、外耳道を耳かきや爪で引っ掻くことで傷ができ、そこに黄色ブドウ球菌、緑膿菌、真菌などの細菌が感染することによって起こります。

それ以外でも水泳で耳の内部に水が入ることや、整髪料やヘアカラー剤などの刺激物が耳の中に入ることがきっかけで発症することもあります。耳栓や補聴器、イヤホンの使用も外耳炎のリスクが高まります。

 

 

外耳炎の症状

 

外耳炎は、急性限局性外耳道炎、びまん性外耳道炎、悪性外耳道炎の3つに分類されます。

 

・急性限局性外耳道炎

急性限局性外耳道炎は多くの場合、耳の入口あたりの皮膚が腫れ上がり、激痛を伴います。

食事で咀嚼時に顎を動かしたり、耳の入口付近や耳介、耳珠を押したり引っ張ったりすると痛みが増します。歯や頭頂部に痛みが放散する事もあります。

 

・びまん性外耳道炎

びまん性外耳道炎は外耳道の骨部という部位に発症する事が特徴で、主な症状は強いかゆみと痛みになります。

悪化すると奥の方まで炎症が広がり鼓膜周辺まで腫れ上がることがあります。中耳炎での耳漏、耳せつ、外耳道湿疹に続発して起こる事もあります。

 

・悪性外耳道炎

悪性外耳道炎は、強い炎症が起こりそれにより、炎症が外耳道周辺の組織まで広がり、側頭骨の骨髄炎を生じるのが特徴で、進行すると頭蓋骨底部の頭蓋底にまで炎症が波及してしまうこともあります。

外耳道に緑膿菌が感染することが主な原因で、それ以外にも細菌、真菌、アスペルギルスやMRSAを含む黄色ブドウ球菌でも発症することがあります。発症には免疫力の低下が関与していると考えられており、発症者の約80%が糖尿病に罹患していると言われています。

症状は、耳の強い痛みで、特に夜間に強くなる事が多いです。また、耳から悪臭のある分泌物を出し、外耳道に膿やカスが見られ、聴力の低下めまい、耳鳴りが起きる事もあります。外耳道に肉芽が形成されてしまうと耳閉感も現れ、頭蓋底まで感染が広がると、顔面神経、舌院神経、迷走神経など様々な脳神経が障害され、顔面神経麻痺などの神経障害が引き起こす事もあります。

炎症が顎関節に広がると、顎周辺に腫れや痛みが起こり、口が開きにくいといった症状も起こります。

炎症が頭蓋内に及ぶと、髄膜炎や脳膿瘍を生じ意識障害や痙攣などが引き起こされる事もあります。

 

 

外耳炎の当院の治療

 

当院ではまず、自律神経の調節施術を行い、内蔵機能と全身的な血流循環の促進、免疫機能を高め、治癒しやすいお身体の状態へと整えていきます。

 

自律神経調整

 

ご希望の方は、施術前に自律神経測定器で現在の自律神経の状態や、ストレスの状態、血管の状態を測定していきます。

 

自律神経測定

 

また、外耳炎の東洋医学の観点から「肝」「腎」「脾」に関連する経穴を使用し体質を整えていく事や、耳の血流を促進し回復を促すため首肩の筋緊張を緩める施術も行っていきます。

 

さらに耳周囲の経穴に鍼やお灸で刺激を与え、炎症や痛みを抑える作用を促していきます。

状態によっては刺入した鍼に微弱な電気を流す低周波鍼通電法を用いて痛みを抑制していきます。

頭鳴りの耳周りのツボへの施術

 

外耳炎で鍼灸治療で使用される経穴は「耳門」「聴宮」「聴会」「翳風」になります。耳門は水分調節や老廃物を排出する働きに効くツボで、翳風は外耳炎の化膿による痛みに効果的なツボになります。

 

外耳炎の東洋医学の考え

 

東洋医学では、「腎」「肝」「脾」の機能が低下することで耳の症状が現れると考えられています。

腎は、慢性的な身体の疲労、または加齢によって低下し、肝は精神的ストレス、脾は胃腸などの消化器系の不調や、自律神経系の失調により機能が低下します。

 

外耳炎の病院で行う治療や検査

 

外耳炎は外鏡検査で、発赤、腫脹、耳漏を確認していきます。耳漏が認められたら、原因の微生物の種類を見極めるために、外耳から分泌液を採取して細菌検査を行います。

 

悪性外耳道炎の場合は、外鏡検査、細菌検査の他に周囲の骨破壊や膿腫の形成の有無、上咽頭や頭蓋内の癌などの鑑別を行うために、レントゲン検査やCT検査を行います。

また、悪性外耳道炎と類似した症状を示す外耳道癌や中耳結核との鑑別を行うために、外耳道に形成された皮膚組織や肉芽を採取して顕微鏡で観察する病理検査、炎症反応などの全身状態を評価するための血液検査も行われます。

 

病院で行う治療は、脱脂綿や吸引機で軽く耳の内を清掃して清潔な状態にします。それから局所へステロイドの点耳薬、軟膏塗布を行います。

びまん性外耳道炎の場合は抗生物質の塗布や投与が中心になります。

また、患部を切開して膿を除去する処置や痛みが激しい場合は、鎮痛剤が処方されることもあります。

悪性外耳道炎では、肉芽組織を除去する手術も行われることがあります。

 

外耳炎の予防や注意点

 

外耳炎は過剰な耳掃除によるものが一番多いです。そのため耳かきをしすぎないことが大切です。耳かきを行う頻度は月に1~2回程度がおすすめです。

耳の中の深部は皮膚が薄く非常に傷がつきやすいです。また、耳垢は入口から1cmぐらいの深さに存在しますので、それ以上の深さで行わないように注意しましょう。

 

 

 

耳掃除以外にも、長時間のイヤホンの使用やヘアスプレーが耳の中に入らないように注意することも外耳炎の予防に非常に大切なことです。

 

もし、外耳炎の症状がある場合はプールやお風呂に潜らないようにし、早めに耳鼻科に受診しましょう。

 

気虚に対する鍼灸治療

金曜日, 4月 26th, 2024

気虚とは

気虚(ききょ)とは、東洋医学で用いられる言葉であり、体や心の状態を表す概念です。気は体内に存在する生命エネルギーでネルギーであり、体内の機能やバランスを調整する役割を果たしています。気虚とは、この気の不足や弱さを指し、体力、免疫力、集中力などの低下や疲労感、体のだるさなどの症状が現れる状態を指します。

 

気虚の具体的な症状

気虚の症状は人によって異なりますが、以下に代表的な症状をいくつか挙げます。

 

1 疲労感:気虚の人は体力が低下しており、疲れやすい傾向があります。日常的な活動や運動においても、通常よりも早く疲れを感じることがあります。

 

2 集中力の低下:気虚の人は集中力が乏しくなり、仕事や勉強、日常生活においても思考や注意力の散漫さを感じることがあります。

 

3  免疫力低下:気虚の人は免疫力が低下し、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなります。体が弱く、抵抗力が低下しているためです。

 

4 冷えやだるさ:気虚の人は体の冷えやだるさを感じやすくなります。特に手足の末端が冷たくなることが多く、むくみや脚のおもだるさ、冷え性の症状が現れることもあります。

 

5 睡眠障害:気虚の人は睡眠障害を抱えることが多く、入眠困難や中途覚醒、ぐっすり眠っても疲労感が取れないなどの症状が現れることがあります。

 

6 頭痛やめまい: 脳血流が不足するため、頭痛やめまいを感じることがあります。特に体力を使った後や、ストレスを感じた後に起こりやすいです。

 

7 情動の不安定:気は感情のコントロールにも関わっています。適切な度合いの感情は必要ですが、過度な怒りや悲しみ、反対に全く反応が無くなってしまう場合があります。普段気にならないことでもイライラしたり、攻撃的になる場合があります。

ストレスによる睡眠障害

気虚が起こる原因

気虚が起こる原因は生活習慣に大きく関わっています。

 

1 長期の過労やストレス:過度の仕事やストレスは気虚を引き起こす要因の一つです。長時間の労働や精神的なストレスが続くと、気の消耗が起こり、気虚の症状が現れることがあります。

 

2 栄養不足:栄養バランスの悪い食事や食欲不振による栄養不足は気虚を引き起こす原因となります。特にビタミンやミネラル、たんぱく質などの摂取が不足すると、気の生成や運行に必要な栄養素が不足し、気虚の状態が生じます。

 

3 過度の運動や過労のスポーツ活動:過度の運動や過労のスポーツ活動は、筋肉の疲労だけでなく、気の消耗も引き起こすことがあります。特に長時間の激しい運動や短期間での過度のトレーニングは、気虚の症状を生じやすくします。

 

4 慢性的な睡眠不足:睡眠不足や睡眠の質の低下は、気の不足を引き起こす原因となります。日常的に睡眠時間が短いと身体だけでなく胃腸の活動も低下します。食事からの栄養吸収効率が低下すると気虚になりやすくなります。

気虚によって起こりうる疾患

このように気虚では、基礎代謝や免疫力など健康の基盤が弱くなります。つまり血液循環が低下します。そのため身体のいたるところで症状が見られます。

脚の血液循環が低下すると、末端冷え症やふくらはぎのこむら返り、浮腫を起こします。

内臓の血流が低下すれば体重減少や栄養失調、下痢などお腹の症状に繋がります。

頭部の場合は、目や耳、鼻に症状が現れます。

 

目の症状:目の重だるさ、かすみ目、ドライアイなど

耳の症状:突発性難聴、耳鳴り、めまいなど

鼻の症状;鼻汁、嗅覚障害、後鼻漏など

また、気虚では情動の不安定性が見られます。

多くの場合は2つのケースにわかれます。感情の起伏が激しくなり、怒りや悲しみが強く発現して感情が抑えられなくなる場合と、物事に対するリアクションが軽微になり喜びや楽しさを感じにくくなる場合があります。

情動の不安定性による疾患:統合失調症、気分障害(双極性障害・うつ病)、不安神経症など

当院での鍼灸治療

気虚の状態では自律神経の働きが低下している場合が多くみられます。

そのため自律神経の働きを上げることと、交感・副交感神経の働きのバランスを整える必要があります。

 

当院では自律神経測定器を導入しており、治療の前に測定して現在の自律神経の状態を確認します。

うつ症状が見られる場合は副交感神経が優位な場合が多く、イライラや睡眠障害が見られる場合は交感神経が過剰活動になっている場合があります。

うつ伏せ治療では、首や肩、背中、腰、脚にあるツボや筋肉の硬さ(硬結)に鍼をします。

その周囲を温めることでより効果的に血流を改善していきます。

仰向け治療では手足、お腹にあるツボに鍼をします。頭痛やめまい、目や耳にも症状があれば局所とその症状にあうツボにも鍼と灸をします。

気虚の症状は慢性的に発症していることが多く、その場合はある程度の治療期間が必要になります。また一時的に改善しても再発しやすいのも特徴です。そのため定期的な治療を受けることで良い状態を維持していくことが重要になります。

腱板炎に対する鍼灸治療

木曜日, 4月 25th, 2024

腱板とは

腱板とは、肩甲骨から上腕骨(腕の骨)につく、棘上筋棘下筋小円筋肩甲下筋の4つの筋肉をさします。

肩をあげたり捻じる動作を行うため、回旋筋腱板(ローテーターカフ)とも呼ばれます

これら4つの筋肉が肩のインナーマッスルとなり、肩関節の動きとして重要な役割をしています。

 

腱板を痛めてしまう原因

腱板炎をおこしてしまう主な原因は、使いすぎにあります。

野球の投球動作やゴルフ、テニスのサーブやバレーボールのアタックなどオーバーハンドスポーツ、水泳などをされるアスリートに多くみられます。一般の方ですと、肩を上げたり捻じる動作が日常的に多く、肩を酷使される方に多く見受けられます。

 

分類とと症状

病態の損傷と分類としては、微細損傷不全断裂完全断裂に分かれます。

不全断裂や完全断裂の主な症状としては、肩の可動時痛です。

腱板炎は五十肩と似た症状ですが、五十肩の場合原因がはっきりとしないのに対し、腱板炎は腱板の炎症、または断裂が疑われるものをいいます。筋肉の損傷ですので、損傷している部分の筋肉に力が入ると痛みが出ます。

五十肩は、他人に動かしてもらっても痛みは変わりませんが、腱板炎の場合は、関節自体に問題があるわけではないので、力を抜いた状態で他人に動かしてもらった場合、痛みが出ることはありません。

夜間痛が強い方も多く、急性期には強い痛みが出る場合もあるため、安静と可動域制限(固定)も考慮し日常生活では注意しなければいけません。

また損傷の程度によって筋肉の萎縮が見られる為、肩に力が入りづらくなることもあります。

 

腱板筋のそれぞれの作用(動き)

【棘上筋】

三角とともに肩の外転(腕を真横に上げる)働きがあります。肩関節の固定性と上腕骨の滑りを担っているため、棘上筋が弱くなったり硬くなってしまうと、肩の安定性が乏しくなり、棘上筋腱(上腕骨に付着している部分)に炎症を引き起こしてしまうことがあります。

【棘下筋】

肩甲骨と上腕をつないで肩関節を安定させる役割。また、上腕を後方へ引く動作に関与している為、ボールの投球時などの振りかぶる動作や、背中を掻いたり頭を洗ったりする際などに使われます。日常的によく使う筋肉のため、あまり休まる時がない筋肉です。

【小円筋】

肩関節の後方の安定性と腕を外向きにひねる役割りを果たしていおり、小円筋が硬くなると、内側にひねる動作に制限がでたり、痛みが生じます。

【肩甲下筋】

 肩甲骨と上腕骨をつなぎ、支えるための重要な筋肉です。また、肩の内旋(内側にひねる動き)を担っています。肩甲下筋が縮んで硬くなると、肩の外旋(外にひねる動き)の範囲が狭くなります。

※なかでも、1番痛めやすいのが棘上筋です。棘上筋は肩甲骨から始まり、肩甲骨の突起(肩峰:けんぽう)の下をくぐるように上腕骨の大結節というところに付着します。

そのため、肩の使い過ぎや筋肉疲労によって、上腕骨と肩峰に挟み込まれた衝撃や摩擦により棘上筋の筋繊維を損傷してしまいます。その他の筋肉は回旋時(肩を回す時)に作用するため、回旋時のストレスが蓄積されることによって痛めてしまいます。

 

検査と一般的な治療法

【検査】

レントゲンでは腱板の損傷はうつらないため、問診やテスト法、可動域の検査や、MRI検査、超音波検査などを行います。

【治療法】

急性期の場合は、固定やアイシングなど怪我の基本的な処置が必要となることがあります。極端に大きな負荷がかかった場合は腱板の完全断裂を疑われるので、専門医の精査が必要となります。

そして、治療法は保存療法と手術療法に分けられます。保存療法の場合は、2週間ほど固定し安静に保ちます。その後、手技療法で可能なストレッチを行い患部周囲をほぐしたり、段階に応じた運動療法を取り入れて組織の再強化を行います。

※腱板損傷は、外傷性のものもありますが、ほとんどは度重なる運動や動作のストレスによるものです。日頃から肩にストレスが蓄積されないように、ストレッチなどを取り入れて、セルフケアをしっかりと行いましょう。

 

腱板炎に対する当院の鍼灸治療

鍼灸治療で適応となるのは微細損傷と不全断裂となり、慢性期に移行した際には、機能回復治療として鍼灸治療が選択の1つとなります。

局所や痛みに関連している経絡を使い、反応のあるツボに刺激を入れて痛みの軽減を図ります。また、上腕二頭筋の緊張を緩め、筋の摩擦を軽減し炎症を抑えていきます。急性期にはアイシングや患部の安静が重要になります。

東洋医学的観点において筋肉の問題は『肝』に関係していると言われています。肝が損われると、筋に引きつれが起こりやすいと考えられているため、肝の経穴に刺激を与えることで、筋肉の過緊張を取り除き、体にかかる負担を軽減させる治療を行います。そして上腕二頭筋や関連している筋肉の状態に応じて鍼に微弱な電気を通し、鎮痛作用や筋緊張の緩和、血流の促進を促します。

また当院では、自律神経測定器にて自律神経の状態を把握した上で治療をします。

自律神経は交感神経、副交感神経の二つに分けられ、交感神経は日中の活動時に活発に働く神経で、副交感神経は夕方から夜にかけて優位に働くリラックス神経です。この二つの神経がバランスをとりながら無意識下で全身の筋肉や血管、ホルモンの分泌など様々な調整を行っているため、ストレスや疲労、生活習慣の乱れなどから自律神経のバランスが乱れると、心身の不調をきたします。

また自律神経が乱れることで、就寝時に交感神経が優位になってしまい身体が休まらず疲労が溜まってしまい、筋肉の緊張が取れにくい身体になってしまいます。

そしてなにより、東洋医学の治療法と自律神経療法を組み合わせることでより治療効果を高めることができるため、お一人お一人に合ったオーダーメイドの治療を行っていきます。

鍼灸治療は自律神経を整えるのにとても優れた治療法です。自律神経を整える経穴や肝の特効穴を用いて症状改善を目指します

また、自律神経のバランスを整える事で筋肉の過緊張を緩和血行を促進して鎮痛効果と症状を改善し、免疫力をあげることで再発や悪化を防いでくれます

腱板炎の症状でお悩みの方は、東京α鍼灸院へお越しください。

 

お問い合わせはこちらから
ここをタッチするとすぐにお電話が出来ます
メールでのお問い合わせはこちらから