心身症の鍼灸治療

心身症とは

心身症と言うと心の病気と思われがちですが、これは病名ではなく病態の総称をいい、身体疾患の中で、その発症や経過に心理・社会的因子(本人の性格、家族や職場の環境や対人関係などによるストレス)が密接に関与しており、器質的ないし機能的な障害が認められる病態です。

様々な心理社会的要因の影響で症状が出現したり、寛解または悪化することもあるため、心理社会的な要因が治療の妨げになることもあります。

心身症の症状

代表的な心身症としては、気管支喘息頭痛高血圧過敏性腸症候群摂食障害アトピー性皮膚炎慢性蕁麻疹腰痛症月経前症候群月経異常などがあります。

主な症状としては、頭痛や、腹痛などの痛みに関する症状、息苦しいなどの呼吸に関する症状、皮膚に関する症状、胃のむかつきや、便通など消化管に関する症状などです。

片頭痛や高血圧のように診断がつくものもあれば、病院で検査を受けても、「身体の異常はみられません」となる場合もあり、検査結果で異常がないのは一つの安心材料ではありますが、実際に症状が出ている患者さんにとっては、原因がわからない不安を抱え続け、余計に辛くなる方も多くいらっしゃいます。

そして、心理社会的要因が原因となり、腹痛や過換気症候群のような症状を経験すると、「また症状が出るかもしれない」という不安を抱く様になり、そのせいで体調に対してより過敏になってしまい、症状の頻度が増えてしまうという悪循環に陥ってしまう事もあります。

その為、症状を和らげながら、症状へ対しての捉え方を軽くして行くことが治療の第一歩となります。

 

心身症とメンタルの病気

うつ病自律神経失調症パニック症・パニック障害、は区別が難しいとされています。

まず、うつ病は、抗うつ気分や意欲の低下などメンタル症状以外に、食欲低下や痛みなどの身体の症状を伴うことがあります。

次に、パニック症・パニック障害においても、動悸や発汗、息苦しさ、めまい、胸の痛み、など様々な身体の症状を伴います。

そして自律神経失調症は、倦怠感や動悸、自律神経が司っている、循環器系や呼吸、体温調節、消化器系、発汗などのバランスが崩れ、不眠、動悸、息苦しさ、だるさ、めまい、しびれ、手足の冷えなどの様々な症状が現れます。

心身症の場合でも、不眠や気持ちの落ち込みや、心身の痛みに対して、睡眠やうつのお薬を使うことで改善する事もあります。

このように、心身症とうつ病、パニック症・パニック障害、自律神経失調症などの症状についても、こころとからだを切り離して考えず、【心身一如】【全人的】な観点から見て行く事が大事になってきます。

 

心身症に対する一般的な治療法

【薬物療法】

心身の緊張、不安、抑うつといった精神症状が見られることも多い為、その緩和には、抗不安薬(安定剤)や抗うつ薬の投与を行います。(専門的な治療を受けるには、心療内科や精神科を受診する事が必要です。)

 

【生活習慣の見直し】

心身症は、慢性の身体疾患である事が多く、生活習慣病と言われる疾患とかなり似てきます。そして、ストレスの多い生活を送っていると、食事・運動・休養といった生活習慣は乱れがちになり、それらが、さらに病態を悪化させてしまいます。

例えば、高血圧であれば塩分を控えめにする。過敏性腸症候群であれば、刺激物(辛いもの・コーヒーなどのカフェインを含む飲食物など)を避けるなどの取り組みが症状の改善につながります。

また、直接治療と関係しなくても、生活習慣を規則正しくする事は、ストレスに対する心身の免疫力を高めることに繋がるので、心身症の治療にはとても大切です。

 

【リラクゼーション法】

ストレスは慢性の心身の緊張状態を作り出し、それらが身体に様々な障害をもたらすと考えられています。その影響を緩和するためには、リラクゼーション法(呼吸法)がとても効果的です。毎日習慣づけて行う事により、ストレスに対する身体の反応自体が変わっていきます。また、深い呼吸を行う事により全身の巡りが良くなり、心身共にリラックスができ、自立神経の副交感神経が刺激され、身体の緊張が和らぎ、自律神経が整っていきます。

 

当院での心身症に対する鍼灸治療

 

心身症の多くは、症状の程度や場所が移動する・曜日や時間によって症状の程度が変わる・学校や仕事を休むと症状が軽減するなど、ストレスから離れると症状が軽くなる ということもあり、様々な心理社会的なストレスが主な原因と考えられます。

人はストレスを感じたり、過労が続くと、自律神経のバランスがくずれてしまい、自律神経の乱れから、倦怠感や動悸、不眠、めまい、しびれ、手足の冷えなどの様々な症状が現れます。

そのため、当院では、治療の前にしっかりと問診を行い、自律神経の状態を機械で測定し、症状や状態を把握した上で治療を行っていきます。

当院には自律神経測定器があり、この測定器では交感神経と副交感神経のバランスや肉体的ストレスや精神的ストレスなども測る事ができます。測定結果を元に、お一人お一人に合ったオーダーメイドの治療をします。そして、東洋医学の治療法と自律神経療法を組み合わせることでより治療効果を高めることができます。

鍼灸治療は自律神経を整えるのにとても優れた治療法です。自律神経を整える経穴やストレス解消の特効穴を用いて症状改善を目指します。

また、自律神経のバランスを整える事で心身の過緊張を緩和し、血行を促進して症状を改善し、体が本来持つ自然治癒力を高め、症状が治癒しやすいお体の状態へと整えていきます。

心身症の症状でお悩みの方は、東京α鍼灸院へお越しください。


Posted by 中目黒の鍼灸院 東京α鍼灸院|眼精疲労 at 14:24 / 院長コラム コメント&トラックバック(0)

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