産後の体は妊娠中と同様にとてもデリケートで大きな体の変化が起こります。出産後に元の体に戻ろうとする約8週間を「産後の肥立ち」や「産褥期」と呼び、体が急激に元の状態に戻ろうとしホルモンバランスも大きく変わり様々な痛みや不快症状があるだけでなく、免疫力も低下してウイルスなどに感染しやすくなります。
また、赤ちゃんが生まれてからは生活も急激に変化するので、産褥期が過ぎた後もいろいろな不調や変化が起こりやすく、体だけでなく精神面も不安定になりがちです。そのため、産褥期はしっかりと体を休めて心身を整えることが重要です。
赤ちゃんが生まれたあとのお母さんは、自分の体のことを後回しにして無理してしまいがちですが、この時期のケアはとても大切で無理した結果、後々までつらい症状が残ることもあります。

産褥期は子宮が妊娠前のように戻り、母乳も分泌され始めます。体が急激に戻ろうとすることで様々な症状がみられます。
・悪露の排出
出産後に起こる子宮内膜や分泌物の排出。整理よりも量が多いが出血があり、分娩時に残った胎盤の一部が排出されることも。産後すぐから一か月前後まで続きます。
・子宮収縮の痛み(後陣痛)
大きくなった子宮が元の大きさに戻る際の収縮による痛み。後陣痛とも呼ばれ産後三日程度までが特に強い痛みを感じやすい。授乳によって子宮が収縮して痛みが強まることもあります。
・会陰切開・帝王切開の痛み
傷の程度にもよりますが、産後二週間程度は切開による傷そのものが痛むでしょう。傷が治った後も、瘢痕と呼ばれる傷跡が残るため、痛みや座った時の違和感を覚えることがあります。
・便秘
産後は悪露や授乳によって体内の水分量が減り、便秘になりやすい傾向にあります。こまめな水分補給や、食物繊維・乳酸菌など便秘に効果的な栄養素を積極的に取り入れるとよいといわれています。便秘が悪化すると痔になることもあります。
・抜け毛
産後はホルモンバランスの変化により、毛髪の成長サイクルが乱れて抜け毛が多くなる方も多いです。中には円形脱毛症になってしまうケースも。ただし、症状は一過性であるため、ホルモンバランスが落ち着くのと同時に徐々に改善されていくケースが多いです。
・腰痛
骨盤の開きや筋肉の衰えなどで腰痛を訴える方も少なくありません。また、産後すは出産の際にゆるんだ骨盤が不安定な状態になるため、特に痛みを感じやすいです。
骨盤が不安的な状態や筋肉が衰えた状態で無理な姿勢をとると腰痛を悪化させてしまいます。赤ちゃんのお世話をする際にもできるだけ背筋を伸ばした正しい姿勢をとるように心がけましょう。
・むくみ
妊娠中の血液量は妊娠前の1.5倍に増えます。産後急激に血液量が減ることで体内の水分バランスを保ちにくくなり、浮腫みが発生しやすくなります。また、産後は体力回復のために激しい運動ができないため、筋肉のポンプ機能が衰えてしまうことも原因の一つです。
・マタニティブルー、鬱状態
産後二週間以内に起こりやすい気分の落ち込みや不安感などの症状でホルモンバランスの乱れが影響していることも。二週間以上症状が改善しない場合は産後鬱に移行している可能性もあり、医師に相談を。
・腱鞘炎
赤ちゃんの沐浴や授乳などで手を使うことが多くなるため手首に負担がかかり炎症を起こしてしまいます。
・肩こり
赤ちゃんのお世話は入浴やおむつ替えなどで無理な姿勢をとることが多いです。また、抱っこや授乳などは首肩に大きな負担がかかってしまいます。
・頭痛
産後は様々な原因が重なり頭痛が起こります。首肩こりはもちろん、寝不足や育児に対する緊張で血管が細くなることも頭痛の原因になります。
産後は体が妊娠前の状態に戻ろうとするため、大きくなった子宮の収縮やホルモンバランスの急激な変化が起こります。
ホルモン分泌の変化と一口に言っても、女性ホルモンであるエストロゲンやプロゲステロン、骨盤を広げて赤ちゃんが産道を通りやすいようにするリラキシン、炎症を抑えるステロイドホルモンなどそれぞれ役割が異なるホルモンの分泌に変化が起こります。
また、生活環境の変化から体の変化が起こる場合もあります。
育児のために同じ体勢を取ることが増えると体の痛みにつながったり、夜泣きに合わせて生活をすることになるため生活リズムが乱れたり、また慣れない育児により精神的なストレスを感じることなどが考えられます。
東洋医学で考える産後ケアは
◆妊娠、出産で失われた体力の回復「気(元気の元)」を補う
◆授乳で消耗した「血」を補う
◆悪露を出し切り「血」の巡りをよくする
◆ホルモンバランスの改善
が大切です。
・気(き)
中医学では、身体を動かすものを「気」といい消耗した状態を「気虚(ききょ)」といいます。出産により消耗した身体を休めて体力を回復するのが大事です。
気虚の状態が続くと肥立ちが悪くなるだけでなく、お露が長引いたり、お腹の皮膚が引き締まらない原因にもつながります。
また、「気滞(きたい)」といってストレスなどの影響で気の流れが滞ることで悪露が長引いたり、不眠やイライラ、胸が張り母乳の分泌が悪くなるようなことが起こります。
・血(けつ)
出産による出血で消耗するだけでなく、母体の回復のため、母乳の材料などで使われることで出産後は不足しがちになります。血が不足するとイライラや不安、不眠など精神的に不安定になります。母乳の不足や産後鬱にならないためにも血を補うことは大切です。
また、身体に不要な血の滞りを「瘀血(おけつ)」といいます。胎盤の残りなど悪露は不要なものなので血流を良くしてしっかりと排泄します。悪露をしっかり排泄することで子宮が引き締まり妊娠前の状態に戻りやすくなります。
・腎虚(じんきょ)
「腎(じん)」は西洋医学の腎臓の水分調節だけでなくホルモンや骨、生殖に関する機能を担っている場所です。出産前と後では大きく女性ホルモンの分泌が低下します。このため情緒が不安定になります。腎を補うことでホルモンバランスを整えていくことが重要と考えられています。
産後はホルモンバランスの変調や育児による体の疲れから自律神経の不調が起こりやすいです。そのため、自律神経系の調整施術を行い免疫機能や内臓機能、全身の血流を促進し体が本来持つ自然治癒力を高めます。
東洋医学的観点から気・血を補うツボや腎の機能を高めるツボなどを選穴していきます。
産後のお悩みは様々ですので、一人一人のお悩みの症状に合わせてツボを選穴し施術していきます。

頭痛の鍼灸治療はWHO(世界保健機構)に適応疾患として定義されております。
https://alfashinkyu-tokyo.com/column/index-991.html
①問診で生活習慣、仕事、日常の姿勢、食事習慣、精神状態、など詳しくお話をお聞きします。
②ストレスは自律神経のバランスを乱し頭痛の原因となるため、必要であれば自律神経測定器で現在のストレスの度合いや自律神経の状態を確認します。
③ベットに横になって頂いて、触診にて筋肉の状態や冷えなどお身体の状態を確認していきます。
④問診、触診、自律神経測定器の結果をもとに、施術を行います。
⑤施術後は日常生活へのアドバイス、適切な施術間隔をお伝えします。
⑥お会計、次回のご予約を済ませ終了となります。

まず、頸肩部周辺にの経穴に刺鍼し筋肉を緩めることで頭部の血液循環を促していきます。
頸は僧帽筋上部、頭半棘筋部の「天柱」「風池」、頭板状筋や胸鎖乳突筋の「完骨」、肩は僧帽筋の「肩井」、「肩外兪」、肩甲間部の「膏肓」棘下筋の「天宗」といったっけ経穴を主に刺鍼していきます。
頭部は「百会」や「頭維」「四神聡」の経穴以外にもコリや疼痛部にも直接刺鍼し、そこに低周波を流す「電気鍼療法」を行い頭部の筋緊張を緩め痛みを緩和させていきます。
※電気鍼療法が苦手な方は刺鍼のみでも対応可能です。お気軽にお申し付けください。
同時にストレスの緩和や体質改善を目的に自律神経を整える施術を行っていきます。自律神経を整えることによって、滞っている全身の血流がよくなり蓄積した疲労が回復が回復していきます。また、副交感神経を高めることでリラックス効果が生まれ、ストレスによる過剰な筋緊張が改善していきます。

精神的ストレスで自律神経の交感神経が過剰に働きます。交感神経が過剰に働くと筋肉を必要以上に収縮させてしまいます。さらに血流も悪くなるので頭部の筋緊張が増悪し頭痛が引き起ります。
また、食いしばりとの関連性も大きいです。ストレスで交感神経が亢進すると、睡眠の質が低下し食いしばりを起こします。こめかみにある側頭筋は顎を動かす咬筋と連動して収縮します。こめかみを触りながら歯をぐっと噛みしめると側頭筋が動くのがわかります。
食いしばる時間が長ければ長いほど頭痛が起きやすくなります。
頸肩の筋肉の硬さが頭部に波及して頭痛が増幅することもあります。
また脳内のセロトニンがストレスなどの原因で一次的に増加し血管が収縮し、ふたたび拡張されることで刺激され痛みが起こるという説もあります。
片頭痛の誘因でもある喫煙、飲酒、チョコレートの食べ過ぎというストレス解消による行動も頭痛の原因になります。

頭痛には一次性頭痛と二次性頭痛があります。
一次性頭痛は原因疾患が特定できない頭痛で、二次性頭痛は原因疾患が特定できる頭痛をのことを言います。
原因疾患とは脳出血、くも膜下出血、脳梗塞、脳腫瘍、外傷、感染症などといったものがあり、これらによって起こる頭痛は二次性頭痛に分類されます。
上記のような疾患が検査しても見つからず、原因疾患の存在が否定され初めて一次性頭痛を疑います。つまり、脳出血や脳梗塞などが二次的に頭痛を引き起こしているため、これらは二次性頭痛と言われるのです。
一次性頭痛は片頭痛、緊張性頭痛、群発性頭痛などが上げられ、これらは二次性頭痛の検査結果が陰性で、頭痛の部位、性質、誘因、持続時間、光や音に対しての過敏性、前兆の有無など情報を考慮し鑑別していきます。
片頭痛は原因がはっきりわかっていませんが、ストレスにより三叉神経が刺激され神経末端から炎症物質が放出されることによって脳の血管が急激に拡張することで頭痛が起こると考えられています。吐き気や嘔吐も伴うことがあり、音や光に過敏になります。チョコレートやワイン、チーズ、柑橘類が誘因になることがわかっています。
ズキンズキンと脈打つような痛みなのが特徴です。
緊張性頭痛は精神的ストレスや頸肩コリ、眼精疲労による頭部の筋収縮から起こる頭痛です。頭全体または一部に締め付けられるような痛みが発生し、その痛みがストレスになりさらに筋収縮を引き起こし頭痛を増悪するという悪循環ができてしまいます。
群発性頭痛は左右どちらかの目の奥に耐え難い痛みが起こる頭痛です。
例えるなら、目の奥をえぐられるような、またはバットで頭を殴られるような痛みと言われるほど強烈なものです。この頭痛は持続性はなく、30分~1時間といった比較的短時間で消失します。通常は1~3か月程規則的に起こり、その後は数か月~数年と頭痛のない日が続きます。
痛みは目の奥だけではなく、時には片側の側頭部や目の周辺にも出現することがあります。
群発性頭痛のはっきりとした原因はまだ分かっていませんが、目の裏側にある太い血管が拡張し、それが神経を刺激するためではないかと言われています。
※突然今まで経験したことのない強烈な痛みや、発熱、しびれや感覚が無いなどの麻痺、ろれつが回らない、物が二重に見える、意識が朦朧とするなどの症状がある場合は脳梗塞、脳出血、くも膜下出血ような緊急性の病気の疑いがあります。その場合は一刻も早く病院に受診しましょう。
症例
20代 男性
仕事の人間関係でストレスを感じるようになってから仕事中に頭痛がするようになった。最初は30分ほどでおさまっていたが、最近は仕事中だけではなく、出勤前にも痛みが出てくるようになり、かなり辛い。現在は仕事中は常に痛みがある状態になった。
主に痛みがあるのが仕事中のため、現在は薬で誤魔化して働いているが、業務にも支障をきたすかもしれないと不安になって来院。
当院の施術
自律神経を整える事をメインで考え治療。また、頭に行く血液は肩、首を通り脳に流れるので肩と首、背中の筋緊張を緩める治療も同時に行った。
特に頭痛の症状が現れている側頭部、後頭部の筋緊張が強く、血行促進と緊張緩和のために他の箇所と比べ筋肉にしっかり刺激を入れた。
週に2回来院。
◇1回目◇
治療中に寝てしまうくらいリラックスできた。身体の血流良くなった気がする。
◇2回目◇
前回はすぐ元に戻ってしまった。治療後には楽になる。
◇3〜5回目◇
肩が動かしやすくなり、頭痛の時間が短くなってきた。
◇6〜9回目◇
出勤前の頭痛が出なくなり、朝の時間が楽に過ごせるようになった。
◇10〜15回目◇
仕事中に頭痛はあるが、前のような激しい痛みはなくなり、かなり痛みが軽くなった。来院頻度を週に1回にして様子を見ながら治療。
◇16回目~20回目◇
仕事中常に頭痛がある日がなくなり、頭痛がでる以前のように仕事に集中できるようになった。
◇20回目以降◇
体調や疲労の度合いをみて月に数回来院。

当院の強膜炎に対する施術は、第一に目周辺のツボに鍼をさして強膜の炎症をおさえる作用を促します。

また強膜炎は五臓六腑の肝に深く関係しているので肝に関する経穴を用いて肝血を補うことや肝気の巡りをよくします。肝の陽気が過亢進して頭の方へのぼっていくことで症状を起こしているとも考えられるので肝の陽気を抑えて下げる治療もする必要があります。
強膜炎の場合、強い痛みのため寝不足となったり、常にイライラしたりと交感神経が過亢進状態となりやすいです。それは、自律神経の乱れとなり、様々な全身症状へと繋がってしまいます。
そこで当院では自律神経を測定して施術することで自律神経のバランスを調整します。
自律神経のバランスを整えることで人間が本来持っている免疫力を回復させます。

東洋医学では五臓六腑の肝は目に開竅するといわれており、眼の疾患は肝の機能障害が深く影響していると考えられています。
肝血が不足してしまうと視覚の異常や運動系の異常などがみられます。また肝の陰陽のバランスが崩れてしまい肝の陽気の過亢進がおきると次第に陰液を消耗して肝陽が頭の方へ上がっていきます。
すると強膜炎などのさまざまな目の疾患・高血圧・頭痛・自律神経失調症などを引き起こします。また外からの風熱の邪気が体に侵入すると目は侵されやすく、強膜炎を引き起こす原因にもなります。
症例1
50代 女性
当院にご来院される半年ほど前から強膜炎を発症し、眼科でステロイド薬の点眼薬を処方してもらったが、なかなか症状が改善されず当院にご来院された。眼科では、強膜炎になった原因は特定されなかったが、既往歴に自己免疫疾患があり、ストレスなどと深く関係しているのではないかとご本人とおっしゃっていました。
強膜炎の症状として目の痛みはなく視力の低下や目の充血、日中太陽の光をあびるととてもまぶしく感じるとのこと。また、症状に対するストレスなどにより睡眠が浅く、朝の目覚めがすっきりしない。
・当院の治療
まず、自律神経測定器で自律神経の状態を計測してから治療に入りました。まず、仰向けで自律神経調整療法を行い、自律神経の状態を整えてうつ伏せで首や肩の筋緊張をとっていきます。
そして再度仰向けになっていただき目の周りの施術をしました。
・経過
1回目
自律神経測定器の結果、交感神経が過度に亢進している状態でしたので、交感神経を下げて副交感神経の働きを上げるような柔らかなお灸と鍼の刺激を施していきました。
2回目
1回目の治療後ステロイドの薬を以前は1日2回点眼していたが、1日1回で済むようになった。首肩部の筋の緊張はまだ緩和されていない
3回目
1回目の施術後のように点眼薬を1日1回ですんでいる。
4回目
眼科を受診したところ残りの目薬を使い切って、その後目に異常が出なかったらステロイドの点眼薬をもうしなくて良いと言われた
5回目
点眼薬をしなくても目の症状は落ち着いている。
症例2
40代女性
一年ほど前に目に強い痛みや視力低下が出たため病院を受診したところ、右目の強膜炎と診断された。左側頭部や左目周囲の痛みが強かったため鎮痛剤とステロイド剤を処方された。少しして症状が軽減したが、また仕事や家事が忙しくなると再発して薬を処方してもらうというサイクルを繰り返していた。
しかし、一か月前に症状が出て薬を飲んでもあまり効き目がなく痛みで睡眠もうまくとれなくなってきて当院にご来院された。
当院の治療
仕事も立ち仕事で特に目を酷使しているわけではないが、身体が疲労してくると症状が出るということで自律神経測定器で自律神経の状態を計測してから施術にはいりました。痛みも強い状態、検査結果から自律神経も乱れている状態だったので自律神経を整えて首肩の筋緊張をとってから電気鍼療法で鎮痛効果をねらい施術しました。
経過
1回目
治療後、左目・左側頭部の痛みは軽減した。2日ほどたったらまた痛みが少し戻ったとのこと。
2回目
側頭部の痛みはほぼ感じなくなったが目の痛みはまだ少し感じる。夕方疲れてくると視界のぼやけを感じる
3~6回目
症状が少し強くなったり、全く感じなかったりを繰り返す
7回目
左目・左側頭部の痛みはまったく感じなくなった。薬の服用も中止
8回目以降
2週間に1度のペースで治療。以前は一か月周期で左目が痛くなっていたが3か月経っても今のところ症状が出ていないでいる
症例3
50代女性
5年ほど前に目の痛みと赤みの症状が出て眼科を受診したところ強膜炎と診断された。ステロイドの点眼薬と痛み止めの注射をして痛みは治まったが、赤みは常にある状態が続いていた。痛み止めをすると1か月かけて徐々に痛みは治まるが、2~3か月後にまた痛くなり、注射をうつという状態が続いていた。視力は昔から悪く左右共に0.01ほど。
当院にご来院される1か月前に痛み止めの注射を打ってもらったが、痛みが続いて目の赤み症状も強く出ていた。何とかこの痛みだけでも解消したいと当院にご来院された。
当院の治療
痛みが出始めるきっかけは本人としてもわからず、特に体に疲労が溜まっている時や目を酷使した時などに発症するというわけではなくイレギュラーに痛みが出てくるので本人としても対策のしようがないとのこと。しかし、痛くなる前は必ずと言っていいほど首肩がこって痛くなるとのことで、自律神経の状態・首肩の筋緊張も整える形で治療していきました。
治療経過
1回目
両目ともに痛みや赤みが見られたが、左目の方が症状が強く出ていたのでまず左目を中心に治療していきました。
2回目
前回治療後、痛みが軽減。違和感程度になった。赤みはまだ消えていない
3回目
左目は痛みというよりも違和感程度になった。赤みも軽くなってきて左目の内側だけまだ赤い
4回目
左目が良くなったことで右目が気になるようになってきたとのことで右目中心に治療
5回目
右目の違和感はなくなった
6回目
全体的に赤みもだいぶ減ってきて、1日のうちでたまに痛みが走る時がある
7回目
ステロイドの点眼薬を少しずつ減らしている。赤みが消えて眼科の先生にも驚かれたと嬉しそうにおっしゃっていた
症例4
30代 女性
産後にいきなり目の痛みと充血に襲われて病院を受診したところ強膜炎と診断を受けた。ステロイド点眼薬と服用薬を処方されて最初の目の痛みと充血が2週間くらいかけて軽減していった。
その後体調が悪いせいか、強膜炎を繰り返し起こすようになってしまった。
その度に比較的強いステロイド剤で炎症を抑えて時間が経つとまた発症するの繰り返し。
昔から漢方薬を服用するなど東洋医学に興味があり、鍼灸治療でどうにか回復しないかと当院にご来院されました。
経過
ご来院された3日ほど前から強膜炎が発症。目の痛みと充血のほかに痛みが強いせいか頭痛やめまいも感じるとのこと。明るい日差しで視界が真っ白、視力も低下。
また、育児と仕事の両立で身体は疲弊しきっている。仕事もパソコン等のデスクワークが中心で日常的に眼精疲労も感じやすい。
最近痛みのせいか睡眠不足もあるため自律神経の状態も乱れていないか診るために自律神経の状態も測定していきました。
治療間隔は5回ほどを3日〜5日の間隔で鍼灸治療を行っていきました。その後治療間隔を延ばしていき、2週間に1回ほど。
治療効果は出やすく、1回目のあとから目の痛みや充血は引いていった。病院でもステロイド剤の強さがワンランク下がったとのこと。
痛みがたまに出て痛みが出るとめまいにつながる感覚。
治療5回目までは症状に波がある日が多かったです。痛みが出るときもあるが痛みの程度はだいぶマシになっていった。
視力が元々悪く病院でも普段メガネをかけることを勧められていたがコンタクトレンズをつけてもいいとのことで強膜炎の状態はかなり改善されてきた。
8回目の施術後、病院でステロイド剤が処方されてず、炎症もだいぶ引いたとのこと。視力・羞明感も回復。
症例5
50代 女性
2か月前ほど前から眼の充血、痛みが気になり始めた。眼の痛みがかなり強くなったため眼科へ受診したら強膜炎と診断された。薬を処方してもらい多少楽になったが、強い痛みが続いており、日常生活で支障が出るほど苦痛なため当院を受診した。
患部は左目で、強膜部分は広範囲に充血が見られる。まぶしさは感じないが、もともと痛みに弱くこの痛みが続くかと思うと夜も眠れない。
当院の施術
まず、自律神経測定器で現在の自律神経の状態を確認していきました。
緊張やストレスを感じる事で反応する交感神経が過剰に働いており、リラックスした精神状態にさせる副交感神経の働きが弱い状態でした。
これは強い眼の痛みによってそれがストレスになり、交感神経を優位にしてしまっていると考えられます。交感神経優位になると自然治癒力も低下し治癒が遅れてしまいます。また、人によっては痛みに対して過敏になってしまいます。
次に触診でお身体の状態を確認したところ、背中から首、肩、頭部の筋緊張が強くみられました。普段の姿勢によるものが原因として考えられますが、痛みによる精神的ストレスで筋肉が緊張しているものも大きく関係しています。
①鍼とお灸で眼の炎症を抑える、鎮痛を促す
②自律神経の調節
③首、肩、背中、頭部の筋緊張を緩める
上記の内容を中心に施術を行いました。
経過
1回目
まだ痛みは続いているが、少し楽になった様な気がする。
2回目
初回より痛みが引いてきた。充血も改善してきた。
3回目
痛みが引いてきたため、よく眠れるようになってきた。
4回目
痛みはあまり気にならなくなってきた。
充血も少し残っているが、ほとんどない。
5回目
痛みは気にならなくなり、快適に過ごせるようになった。

強膜炎とは、眼球の外側を覆っている強膜という部分に炎症がおこることを言います。強膜は眼球の外壁の後ろ6分の5の白い不透明な組織です。また眼球の外壁の前6分の1は透明で角膜という組織です。
これらは厚くて強靭な密性結合組織から成り、眼球の形を保ち保護します。角膜周囲の強膜の上には、半透明の結膜が張っており、この強膜あるいはその表面に炎症を起こした状態が強膜炎です。
強膜炎は30代~50代の成人に多く見られて、男性よりも女性に多く発症します。患者の3分の1で両眼に発症します。強膜炎は関節リウマチや全身性エリテマトーデスなどの自己免疫疾患を伴うことがあります。
強膜炎の症状として目の充血・痛み・視力障害などの症状があらわれます。強膜炎は病巣が深いので痛みも強くて充血の範囲も広くあらわれます。突き刺すような目の激しい痛みがあり、あまりの痛さに眠れなかったり、食欲が落ちることがしばしばあります。
そのほか目の圧痛・涙の量の増加・明るい光に対して過敏になるといった症状が出ます。強膜炎が重症の場合は強膜に穴があいたり、薄くなったりします。眼の奥の方にも炎症が起こると視神経に異常が出る場合があるので、眼底検査で確認する必要があります。網膜剥離を起こして視力が低下する場合もあります。
また強膜は、内側でぶどう膜と前方で角膜と接していることから強膜炎となるとそれらにまで炎症が及ぶことがあり、ぶどう膜炎や角膜炎を合併してしまい視力低下や眼痛の症状が一層強く出てしまう危険性があります。
強膜炎のほとんどは原因が不明ですが、挙げられる原因として自己の組織を攻撃する自己免疫疾患やさまざまな炎症性疾患などがあります。
慢性関節リウマチ・結節性動脈周囲炎・全身性エリテマトーデス・サルコイドーシス・痛風・結核・梅毒なども強膜炎の原因に挙げられますが、それらの疾患の存在が確定されるケースはそれほど多くはありません。
強膜炎は、発症場所や炎症の性質によって分類されます。
上強膜炎
上強膜炎では強膜の表面部に炎症が起こります。上強膜炎では強膜の表面部分が炎症していることで充血が強くみられますが、それ以外の視力低下や痛みなどの症状は比較的軽いです。上強膜炎は原因がはっきりと特定されておらず、自己免疫疾患などが疑われており症状がなくなっても再発を繰り返すと言われていますが、症状が重症化することは比較的稀です。発症する年代は青年期が多く、男性よりも女性にかかりやすいとされています。
前部強膜炎
前部強膜炎は強膜の深部に炎症が起こっていることを指し、強膜炎というと一般的にこの前部強膜炎のことをいいます。前部強膜炎のなかでも広範囲に炎症が及ぶものをびまん性前部強膜炎、強膜にしこりのようなできものができるものを結節性前部強膜炎、強膜が壊死して溶けてしまうものを壊死性前部強膜炎といいます。
後部強膜炎
後部強膜炎は眼球の後部にまで炎症が進行して炎症が広範囲に広がっていることを指します。後部強膜炎で炎症が広範囲にわたってしまうと脈絡膜にまで炎症が及んで網膜に浮腫ができて網膜が剥離することがあり、視力が著しく低下する危険性があります。
清水大地

資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好医院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院
・自律神経の調整
目と自律神経は実は深い関係にあります。自律神経とは、内臓の働きや血液循環など自分の意識とは無関係に働いている神経であり、目のピントを合わせる調整や目の血液循環にも影響を与えています。
自律神経の状態が乱れていると目のピントを合わせる調整能力が低下したり、目の周りの血液循環は低下してしまいます。

・首肩コリの解消
首肩の筋肉が過緊張状態やコリがあるとその部分で血管を圧迫してしまい脳や目に栄養ある血液が行き届きませんし、脳や目からの血液が下がりにくくなってしまうのです。
また、首肩部分には目に関するツボもあるためその部分を刺激していきます。
東洋医学的にみると目と五臓六腑の『肝』、老化と五臓六腑の『腎』は深い関係にあります。『肝腎同源』という言葉もあり、肝と腎はお互いに影響しあうため症状が現れるときも同時に現れる場合も多いです。首肩の施術と並行して背部に肝と腎の重要なツボがあるためそのツボも刺激していきます。

・目の周りの施術
目の周りに鍼を刺してお灸を施すことで目の周りの筋緊張の緩和や血液循環を改善する目的で施術していきます。

当院ではこの3点を老眼治療として行っていきます。その他にもその方の症状に合わせたツボを用いて施術を行っていきます。
老眼とは目の水晶体が老化によって硬くなったり、毛様体筋という水晶体の厚みを調節する筋肉の衰えによって近くのものが見えづらくなることです。
現代の生活の中には、目に負担のかかることが溢れています。仕事中は、パソコン作業をして仕事の時間以外でもスマートフォンを見ていたりテレビを見たりと常に目に負担のかかることをしている方も少なくないと思います。
目に負担のかかる時間の多い人は、老眼となる時期も早まる可能性があります。一般的には老眼は45歳から始まりやすいと言われますが、30代後半くらいから老眼の症状が出る方もいます。

老眼となってしまう原因を知るためには目の構造を理解する必要があります。
目に入ってきた情報は、角膜→水晶体→硝子体→網膜と通過して資格情報として視神経を介して脳に伝わります。

角膜:角膜は一般的には黒目と言われるもので暑さ0.5ミリほどの厚さです。角膜は透明な組織で外から入ってきた光を網膜上で合わせるために光を屈曲させる役割があります。角膜は、目の構造上一番外にあり外界に触れやすいため傷つきやすいため傷つくと角膜炎となったりします。
水晶体:水晶体はカメラの機能でいうとレンズに相当する目の器官です。角膜の内側に位置します。水晶体の役割は角膜と同じように光を屈折させて網膜上で合わせる役割があります。
しかし、角膜と違う部分は水晶体は毛様体筋の働きによって水晶体の厚さを変化させることができる点です。近くのものに焦点を合わせるときは、毛様体筋は収縮して水晶体は膨らむことで焦点を合わせようとします。逆に遠くのもに焦点を合わせるときは、毛様体筋は弛緩して水晶体を薄くすることで遠くに焦点を合わせます。
水晶体が白く濁って物が見えづらくなる症状を白内障と言います。
硝子体:硝子体は水晶体の内側にある目の器官の中ではとても大きい器官です。硝子体の内部は房水というタンパク質で出来ており、眼球の形を保つ役割があります。硝子体の中の房水がうまく排出されなかったりして房水の量が増えてしまうと視神経を圧迫して視界が狭くなったり、中心暗点ができる緑内障となってしまいます。
また、房水が紫外線などによって物質変化して線維化したものが房水内に漂流してしまうと飛蚊症となってしまいます。
網膜:網膜はカメラで言いますとフィルムの役割で角膜・水晶体・硝子体と通ってきた光を視覚情報として電気信号に変えて視神経を介して脳に情報を送る役割があります。成人では厚さは0.2ミリほどで網膜の中心部分、視覚情報が集中する部分を黄斑部といい、この黄斑部分が変性してしまい物が歪んで見えたり、視界が狭くなってしまう症状を加齢性黄斑変性症といいます。
この4つの視覚情報を伝達する過程で老眼となる原因となってしまうのは、水晶体と毛様体筋です。水晶体は目の器官で唯一自分で厚さを変えてピントを調節するととても重要な役割があります。その過程で、老化により厚さを変えることができなかったり、筋力の衰えによって厚さの調整能力が低下すると老眼となってしまうのです。

老眼は思っているよりも早く発症します。40歳以上は目のピントを調整する能力が衰えてしまう老眼世代にあたります。目の調整能力は20歳がピークと言われてそれを境目に段々と落ちてくるといわれていますが、眼を酷使する現代社会ではその年齢も低年齢化していると思われます。
ピント調節筋である毛様体筋の緊張が強く、簡単には筋肉の緊張がほどけない場合もあります。このような場合、子供ならば仮性近視といい、大人であればスマートフォンを長時間艦見続けてピント調整がうまくいかない『スマホ老眼』の方が急増しています。
そのような方々は、厳密にいうと水晶体の弾力性が失われた状態ではないので「老眼」とは診断されませんが、老眼とほぼ同じような症状がでます。
水晶体の弾力性が失われている老眼と違ってスマホ老眼の方がまだ対処が簡単にできます。
一番は長時間のスマホ操作を避ける・30分以上はできるだけ見続けない・合間に遠くを眺めたり目を温めるなどして目の保養時間を作る、ルテインやゼアキサンチンなどの栄養素を摂取するなどの対策を行っていけば、段々とスマホ老眼は回復していく可能性が高いです。
逆にスマホ老眼の状態を放っておいてしまいますと、毛様体筋や水晶体周囲にも血流の悪化などで影響が及ぶ危険性があります。

老眼と遠視はともに近くのものが見えづらくなるということでは同じですが、原因がまるっきり違ってきます。
老眼は先ほども記述した通り、水晶体の硬化や毛様体筋の機能低下により近くのものが見えづらくなる現象ですが、遠視は、眼軸が原因となってきます。眼軸とは角膜から光の焦点が合う網膜までの距離のことをいいます。遠視とは、この眼軸の長さが短いために網膜よりも後ろで焦点が合ってしまい網膜に映る画像がぼやけてしまうのです。
逆に眼軸が長い場合もあります。その場合は、光の焦点が網膜よりも前に来てしまうため遠くのものが見えづらくなってしまうのです。このような近視も近年若い世代中心に増加傾向にあります。目の周りの筋疲労などで眼球が圧迫されることで眼軸が伸びてしまうタイプです。
体の老化は、人間にとって避けられないものです。老化は進行を遅らせたりと予防は十分に可能です。特に目は視覚情報が人間の情報の6~8割も占めると言われ、特に老化現象を身にしみて感じやすいと言えます。ここでは老眼の前兆となる症状をしっかりと把握して、目の衰えを感じたらすぐに対処していきましょう。
・細かい作業をしているとすぐに目が疲れる
・以前に比べると新聞の字が見えにくくなってきた
・目の疲れのほかに肩こり、頭痛もする(眼精疲労)
・うす暗い所で視力が低下したと感じる
・普段何気ないときに目がかすんで見える
・物が二重に見える(複視)

これらの症状は老眼のサインと考えられます。一度眼科で調べてもらう必要があります。
目に負担のかかる生活を続けていると老眼の進行は早まってしまいます。老眼を予防・症状を軽くするためには治療のほかにも日常生活で目に負担のかかる生活をしないように心がけることが必要です
・近くのものを長時間見ない(1時間に10分は休憩を挟む)
・パソコン作業の合間に遠くのものに焦点を合わせて目の筋肉を休める
・温めた濡れタオルを目にかけて目を温める
・有酸素運動を習慣化して体全体の血行を良くする
このような日常生活での注意点を頭に入れておきましょう。

症例
40代 女性
症状
最近暗い所で仕事をすることが多くなり、少し気になっていた老眼が一気に酷くなった。もともと視力が悪く眼の疲れも感じやすかったが、最近は特に疲れを感じている。
仕事でも困っているが生活で特に困るのが朝のメイクの時、眼鏡をかけることもできないからなんとかしたくて来院。
当院の施術
目の周りの筋肉だけではなく、首肩、背中周りまで広く筋肉の緊張があったため、目の周り、筋緊張が強く出ている箇所に鍼で刺激を与えました。また、血行促進と緊張を緩めるための自律神経を整える治療をも仰向けで行い、相乗効果でお身体の改善を早めていきました。
鍼が初めてとのことなので軽めの刺激から筋肉に届くしっかりめの刺激に増やしていきました。
治療頻度は週に2回です。
経過
◇1回目◇
視界が明るくなってきた。眼の周りが軽い気がする。
◇2回目◇
治療後は良かったが次の日には戻ってしまった。
◇3回目◇
眼の調子がよくなり、メイクする時も少し見え方が変わってきた。
◇4~6回目◇
眼の調子も良いが、周りから肌や髪の毛の調子が良い、きれいになったと言われた。
◇7~10回目◇
眼の疲れが出にくくなってきた。
治療を週に1回にし、現在も通院中
肉離れとは筋膜や筋繊維の損傷や断裂した状態を意味します。
特に太ももの筋肉やふくらはぎといった、大きな筋肉にみられることが特徴です。受傷時に「急に力が抜けた」「バキッと音が鳴った」などの訴えもあります。
また、肉離れとは俗称で医学的には「筋挫傷(きんざしょう)」と呼びます。

運動中のジャンプやダッシュ動作、急な切り返し動作など、筋肉の瞬間的な収縮が過度に行われることで、筋肉や筋膜が急に引き伸ばされて損傷します。
しかし、その背景にはオーバーユース、筋肉の柔軟性の低下や筋肉の疲労、筋力不足、加齢、ウォーミングアップ不足、脳から筋肉への指令系統(運動神経)の不調和、関節運動の不安定、ミネラル不足、体の冷えなど様々な要素が関与しています。
・筋肉の過緊張
筋肉にはゴムのように伸びたり縮んだりする作用があり、それによって関節を動かし、運動時の出力を上げています。ところが、疲労やストレッチ不足などが原因で筋肉が過度に緊張していると、古くなったゴムのように切れやすくなってしまい、肉離れのリスクが高くなります。
・水分不足
体にはいくつものミネラルが存在していますが、汗をかく水分不足に陥ってしまうと体内のイオンバランスが崩れ、筋肉がつりやすくなってしまい、それが肉離れにリスクが高くなります。
・冷え
冬場やクーラーの風が直接当たるなどして体が冷えていると、血流が悪化し筋肉が硬くなりやすい状態になっています。筋肉が硬くなると外力により筋繊維が断裂しやすく肉離れを起こしやすくなります。
損傷を起こした筋肉の痛みと圧痛が主な症状です。痛みは、伸ばした時(伸長痛・ストレッチ痛)や力をかける時(収縮時痛)に強く出ます。
そのため、ももやふくらはぎに肉離れが生じると、重度の場合、体重をかけることで痛みが強くなり、うまく歩くことができなくなってしまいます。
また、重症度の肉離れを起こすと、見た目の変化を伴うこともあります。例えば断裂した部分がへこんだり、内出血を伴ったりすることがあります。また、肉離れによる腫れが大きい場合、血行が悪くなることで患部がしびれるコンパートメント症候群がみられることがあります。重度のコンパートメント症候群では、筋肉の壊死を引き起こすことがあり注意が必要です。
肉離れは普段からストレッチを行うなどして予防に努めることが重要です。
・ウォーミングアップをしっかり行う
運動前にはウォーミングアップを行い、筋肉を温めておきましょう。
・運動後はストレッチを行う
スポーツ終了後のクールダウンをしっかり行うことで筋肉に疲労が残りにくくなります。

肉離れを起こしてから48時間以内はRICE処置が有効です。
・R:Rest(安静)
肉離れは筋繊維が断裂しており、動かしてしまうと内出血がひどくなってしまいます。なるべく患部には体重をかけず動かさないように安静を保ちましょう。
・I:Ice(冷却)
患部を氷嚢などで冷やしましょう。15~20分ほど冷やしたら一度様子を見て、痛みや腫れが続くようであればさらに冷やしましょう。
・Compression(圧迫)
患部を弾性包帯などで固定し、炎症による腫れを抑えましょう。※あまり強く圧迫してしまうと血流が悪化してしまうため注意が必要です。
・E:Elevation(挙上)
可能であれば患部を心臓よりも高くし、炎症の拡大を抑えましょう。
診断
問診、診察、エコー(超音波検査)、CT(コンピューター断層診断)、MRI、レントゲンなどの画像診断などによって状態を確認します。肉離れ、剥離骨折の有無、軽傷・重症の判断を行います。
肉離れ重症度の分類
・Ⅰ型:出血所見が特徴である軽傷型
・Ⅱ型:肉離れの典型例で筋腱移行部、腱膜の損傷が特徴の中等 症型
・Ⅲ型:腱性部の断裂や腱付着部での裂離損傷といった重症型
受傷直後は、RICE処置で対応します。RICEとはRest(安静)、Ice(患部の冷却)、Compression(圧迫)、Elevation(挙上)です。適切なRICE処置を行えばその後の治療も良好な経過をたどります。
肉離れは基本的に保存療法とその後のリハビリによる治療が中心となります。痛みが強く荷重歩行が困難な時にはギプス固定や松葉杖を用いて免荷(めんか:体重をかけないこと)をすることもあります。
また、ストレッチ痛の強いⅢ型に関しては手術療法も考慮する必要があります。

当院では肉離れの早期回復と再発防止の為の施術を行っています。炎症の強い急性期には必要であればアイシングを行い、患部やその周囲のツボに鍼やお灸で刺激を与え炎症を抑える作用を促し、損傷した筋肉を改善させるための施術を行います。
また、肉離れの周辺の筋肉が凝り固まり違和感を覚えたり痛みの原因になることがありますが、この筋肉のしこりも鍼やお灸の刺激で筋肉の柔軟性を高めたり血流を良くすることで取り除くことができます。
慢性期では、根本的治療として全身の筋肉のバランスを整え肉離れの再発を防ぎます。また、筋肉の血流改善と組織の修復促進のため患部やその周囲のツボを用いて施術を行います。
症例
40代 女性
症状
3日前に自宅でトレーニングしていたらふくらはぎから変な音がして急に息ができないくらいの痛みがふくらはぎにでた。その場で冷やし、応急処置はしたが歩くことが難しい。病院に行く前に少しでも楽になりたいので来院。
当院の施術
筋肉の炎症と緊張が強く、少しでも動くと痛みがあるようでした。
特に痛みの強いふくらはぎから大腿四頭筋までの筋肉に鍼と電気で刺激をあたえて筋肉の血流改善をし、筋肉細胞の修復を速める事を目的とした治療をうつ伏せで行い、仰向けでは自律神経を整えて身体全体の自然治癒力を高め、回復を手助けする効果のある治療を週に2回行いました。
経過
◇1回目◇
治療直後は変化なし。
◇2回目◇
痛みと腫れはまだあるが、軽減してきた。
◇3回目◇
炎症反応が強くなり、痛みが戻ってきた。
◇4回目◇
前回の痛みがかなり良くなった。少し歩けるようにまで回復した。
◇5回目◇
一気に痛みがなくなり、ゆっくりであれば歩けるようになった。
◇6回目◇
痛みはほぼなくなり、日常生活に支障がなくなった。
これからは再発防止と体のメンテナンスとして週に1回のペースで通いたい。
ホルモン異常や様々な原因によって、分娩や月経時以外にも性器から出血してしまう事を不正出血と言います。
不正出血と月経時の出血を量やにおいによって見分けることは難しく、月経期間以外におきた出血はすべて不正出血になり、子宮に何かしらに異常が起きている状態なので、必ず病院に受診しましょう。
出血量が大量だったり、腹痛、腰痛、性交時痛、排尿痛、発熱、性器のかゆみ等の症状がある場合は、特に要注意です。

不正出血の原因は、以下のようなものが考えられます。
① ホルモンバランスの乱れによるもの
女性ホルモンのバランスが乱れると不正出血が起こります。
特に思春期や更年期といったホルモンバランスが乱れやすい時期に起こりやすいです。
それ以外にも、卵巣機能不全、多嚢胞性卵巣症候群といった卵巣の病気によって女性ホルモンの分泌量に異常を起こす事があります。
②膣の炎症によるもの
クラミジア、淋菌、トリコモナスといった性感染症や、便中の大腸菌が膣内に入り込み感染すると膣炎を引き起こす事があります。炎症によって膣の粘膜が損傷し出血の原因になることがあります。
また、閉経で女性ホルモンが減少し膣粘膜が萎縮し乾燥した状態になる萎縮性膣炎も原因の一つです。膣粘膜の乾燥で、些細な摩擦刺激により粘膜が弱くなることで不正出血が起きることがあります。
③子宮の病気によるもの
子宮がん、子宮筋腫、子宮膣部びらん、子宮ポリーブ、流早産や胎盤剥離、子宮外妊娠などの異常妊娠によって不正出血が起こることがあります。
女性ホルモンには、エストロゲンとプロゲステロンという2種類があり、エストロゲンは卵胞ホルモンと呼ばれており、乳管の発育、乳汁分泌の抑制、子宮筋の発育と増大、子宮内膜の増殖と肥厚といった作用があります。
プロゲステロンは黄体ホルモンと呼ばれており、乳腺や乳房の増殖、子宮筋の収縮の抑制、基礎体温の上昇させ受精卵が着床しやすいように子宮内膜を安定させる作用があります。
この2つのホルモンはバランスが正しく分泌していれば問題ありません。しかし、ホルモンバランスが乱れると不正出血を起こしてしまいます。
エストロゲンの作用で子宮内膜が増殖し、ある程度まで内膜が肥厚するとその厚さを支えることができず不安定になります。
そこにプロゲステロンが分泌されることによって、成長した子宮内膜を安定化し肥厚しても崩れないようにしてくれます。
しかし、プロゲステロンの分泌が止まってしまうと肥厚した子宮内膜はその厚さを支えられず崩壊してしまいます。それが不正出血になります。
また、エストロゲンがの分泌が止まらずに出続けてしまうと、子宮内膜が肥厚しすぎてしまうので、内膜が崩壊し不正出血を起こします。
逆に子宮内膜を厚くするエストロゲンの分泌が減少すると、子宮内膜が脆くなってしまいます。そうすると、内膜の表面の一部が剝がれてしまい出血が起こってしまいます。
不正出血は、頻度、出血量、血液の色など様々な違いがあります。
色は、ピンク色、黄色、茶色、黒色があり、おりものに血が混ざることもあります。
月経以外で鮮血な出血がみられ、閉経しているのにもかかわらず、出血が起こることもあります。痛みやかゆみを伴うこともあります。
閉経後の出血、痛みやかゆみがある場合は緊急性のものの可能性があるため至急病院への受診する必要がありますが、それに関係なく不正出血がみられる場合は必ず病院へ受診しましょう。
不正出血は東洋医学では「心」と「脾」が深く関係していると考えられています。
東洋医学での心は、
心は血脈を主る(ポンプ作用、新陳代謝)
心は神を主る(思考や分析、判断処理といった意思決定)といった作用
脾は、
脾は運化を主る(消化された栄養物質を全身に送る。気・血・津液等の生成)
脾は統血する(栄養物質を脈外に出さないようにする)
脾は四肢・肌肉を主る(四肢や肌肉に栄養する)といった作用があります。
飲食したものは気や血に変化し、気血は脾胃の作用でよって体内へ送り運びますが、脾の機能が低下してしまうと、気血うまく運べなくなってしまうので、不正出血がおこります。
また、心の血脈を主るという心臓のポンプ作用が低下してしまうと、血液が十分にまわらなくなり、不正出血を引き起こすと考えられています。
脾が血の生成の元を供給し、その血を心が循環させるという役割から、お互いが大きく関係し合っています。そのため、脾の機能が低下すると心に影響を及ぼし、逆に心の機能が低下すると脾にも影響が及んでしまいます。
当院での不正出血に対する鍼灸施術は自律神経の乱れや、女性ホルモンのバランスを整えることで不正出血の改善を促していきます。
問診

記入していただいた問診票をもとに、症状やお身体の状態、生活習慣などを確認し、治療方針を組み立てていきます。
自律神経測定器

女性ホルモンのバランスは自律神経の乱れと大きく関わりがあるため、測定ご希望の方や必要に応じて施術前に自律神経のリアルタイムの状態を測定していきます。
鍼灸施術

仰向けとうつ伏せの体勢で、自律神経の調整、女性ホルモンの調整、不正出血に関わる経穴を組み合わせ使用した東洋医学的観点の施術を主に行っていきます。
婦人科では一般的に内診により出血量や出血源を確認します。また、子宮や卵巣の状態を確認するため超音波検査、子宮がん検査やおりもの検査、血液検査、尿検査を行います。
検査結果で明らかな異常や腫瘍が見られない場合は経過観察を行うことが多く、不正出血が続く場合はホルモン剤などが処方されます。
脳疲労とは「脳が疲れて正常に機能しなくなった状態」のことを指します。脳疲労は正式な病名ではありません。
脳の不調を理解するためにまずは脳のネットワークについて知っておきましょう。
人間の脳には大脳新皮質と大脳辺縁系という司令塔があります。大脳新皮質は、思考や学習など精神活動を、大脳辺縁系は食欲や性欲などの本能や情動を担っています。
また大脳の下には、自律神経中枢や食欲中枢を司る間脳があります。間脳は無意識に心臓を適切なリズムで動かしたり、適切に体にエネルギーを入れるための食欲をコントロールしている脳です。
この三つの関係性は人間の体を機能させる高度情報処理システムといえます。
人間を取り巻く環境は「情報」または「情報源」といえます。もし、高度情報処理システムの処理能力を上回る情報が脳に入ってくる(情報過多)とこの高度情報処理システムの機能は破綻してしまいます。まず、本能を司る大脳辺縁系が機能不全に陥り、大脳新皮質にも影響を及ぼし始めます。やがてその影響は間脳にも達し、脳全体の働きが鈍ってしまいます。これが「脳疲労」の仕組みです。

・スマートフォンやパソコンの使い過ぎ
脳疲労の原因には、スマートフォンやパソコンなどのデジタルデバイスの影響も考えられます。
検索サイトで手軽に調べ物が出来たり、SNSで友人とコミュニケーションが取れたりと便利な反面、脳が受け取る情報量が増加して脳疲労につながる可能性があります。
・睡眠不足
脳はノンレム睡眠と呼ばれる深い睡眠時に休んでいるため睡眠が十分でないと、脳の疲労が回復せず、次の日に疲れを持ち越してしまうのです。また、脳の疲労が蓄積すると慢性的な疲労状態となり、集中力の低下などにつながってくるとされています。一方のレム睡眠も、脳波としては浅い睡眠でありますが、多量に入ってきた情報を淘汰し消去するために必須と考えられています。朝の目覚めのすっきり感には双方の睡眠が必須なわけです。
・精神的ストレス
現代社会はストレス社会と言われていて仕事や家庭でストレスを抱えている人が増えています。恋人関係や夫婦関係など人間関係においてもストレスを継続的に抱えることで、脳の処理が刺激に対して追いつけず、機能不全に陥ってしまうのです。
集中力の低下、感情のコントロールがしにくくなる、自律神経の乱れなどが挙げられます。また、脳疲労が続くとうつ病や不安障害のリスクもあるといわれています。
・リラックスする時間を増やす
脳の疲労を回復させるために必要なのはストレスをためないことです。アロマなどを活用したり、音楽を聴いたりしてリラックスする時間を積極的に取りましょう。また、マッサージをすると体を弛緩させ、よりリラックスできるようになります。
・スケジュールを整理する
覚えておく事柄が多いと、脳の負荷も大きくなってしまいます。リマインダーを活用したり、タイマーをかけたりしてテクノロジーの力に頼るのも一つの方法です。スマートフォンは使いすぎると脳疲労の原因にもなり得ますが、うまく活用すると脳疲労の軽減にも役立ってくれます。
・睡眠を十分にとる
十分な睡眠をとることは、脳疲労の回復のために非常に重要です。適切な睡眠時間は個人差がありますので、あまり時間にはこだわらず、毎日すっきり自然に起きられる状態を目指すとよいでしょう。
・睡眠前のデジタル機器の利用を控える
スマートフォンなどの光は、睡眠や覚醒のリズムを調整するメラトニンというホルモンの分泌を抑制します。
ベッドに入ってから眠りにつくまでの間、スマートフォンについ手を伸ばしてしまいがちという方は、枕元に置くのではなく、充電器をデスクの上に置くなどして物理的に距離を置くこともよい方法です。
1.夜中に目が覚めたり、用がないのに朝早く目覚める
2.寝つきが悪い
3.食事がおいしいと思わない
4.便秘する
5.体を使わないのに疲労感がある
6.気持ちが沈んで重い
7.希望が持てない
8.考えがまとまらない
9.イライラする
10.不安だ
11.自分は価値がない人間だと思う
これら項目に多く当てはまればはまるほどに脳疲労が起きている危険性が高くなります。
当院では自律神経測定器でストレス、疲労度、自律神経のバランスを測定しお体の状態を把握したうえで治療へ移ります。
脳血流を促進するため肩や首の筋緊張を緩和します。脳疲労のある方はデスクワークでPCを長時間使用したり、スマートフォン、タブレットなどデジタルデバイスを長時間使用する方も多く、首肩の筋肉が過緊張状態の方が多く見られます。首肩コリがあると脳へ行く血管を圧迫し脳の血流が悪くなってしまいます。

頭周りのツボを鍼で刺激を入れていき脳の血流を改善し脳に栄養が届けやすくなることで、効率よく脳が働けるようになり疲れにくくなります。

併せて自律神経系の調整施術を行うことで、自律神経の乱れが調整され、自律神経症状の緩和や就寝時の質の高い睡眠作用が期待できます。また、免疫機能や内臓機能を高め、健康なお体の状態へと近づけていきます。
症例
50代 男性
ここ数か月リモートワークが主体となり、不慣れなパソコン作業が増え、休みの日はぼーっとしてしまう時間が増えた。常に身体が重い感じがして、何に対してもやる気が出ない。
慢性的に首肩回りのこりはあるが、20年以上のものなので、諦めている。
不眠も続き、ひどいときは1時間ごとに目が覚める。市販の薬や医者に処方してもらった薬もあったが効かなくなってきた。
当院の治療
長年の首肩の筋肉の固さで、脳に流れるはずの血液がうまく循環できていませんでした。筋肉の過緊張を和らげるために、うつ伏せの治療では首肩の筋肉に鍼とお灸で血行促進を行い、仰向けの治療では四肢と腹部に鍼とお灸で自律神経を整える治療を行いました。
◇1回目◇
首肩コリは楽になった気がする
◇2回目◇
治療後は楽になるが、すぐに元に戻ってしまう。
◇3回目◇
睡眠時に起きる回数が減った。
◇4回目◇
睡眠時に起きない日があった。身体が軽くなり、頭もクリアになることが増えてきた。
◇5回目◇
かなり改善してきた。全身の血流が良くなっている事がわかる。治療間隔を週に2回から週に1回に変えて経過観察をしていく。

日光アレルギーとは、日光を浴びることで発生したり、悪化したりする皮膚の総称で、『光線過敏症』や『日光過敏症』などとも呼ばれています。『総称』とあるように、日光アレルギーは一つの病気ではなく、いくつかの病気をまとめた呼び名になります。
日光アレルギーに含まれる病気はたくさんありますが、遺伝や代謝の異常などが関係する内因性のものと、薬剤や化粧品などがきっかけとなる外因性のものの2つに大きく分けられます。
日光アレルギーの主な症状としては、日光を浴びた後に、皮膚にかゆみや赤み、水ぶくれなどの症状が出る病気です。
放っておくと症状が悪化して、日常生活に支障をきたすことがあります。
内因性の日光アレルギーは、はっきりとした原因が解明されていないものが多いですが、多くの原因としては遺伝や他の病気などが関係していて、紫外線や可視光線を浴びることで皮膚に症状が現れます。
日光蕁麻疹:ある日突然、日光が当たった部分に蕁麻疹ができます。軽症の場合であれば自然に症状が消えていくことが多いのですが、ひどい場合はめまいや頭痛など、全身症状を伴うことがあります。また、紫外線以外の可視光線で症状がでる人もいます。
多形日光疹:日光に当たる部分(主に腕や顔)に赤く小さな丘疹ができます。痒みを伴い、水ぶくれになることもあります。春から夏にかけて症状が出やすく、若い女性に多くみられます。
慢性光線性皮膚炎:光の当たる部分に、赤みのあるゴツゴツとした湿疹ができます。中高年の男性に多くみられます。原因は分かっておらず、治療も難しい病気です。
色素性乾皮症:遺伝性の難病で、日光が当たった部分にシミができたり、皮膚が乾燥したりする病気です。赤ちゃんのうちから症状が出ることもあります。症状に気づかずに紫外線を浴び続けると、10〜20代で皮膚がんに移行する可能性が高くなります。
※これらの他に、自己免疫疾患の『全身性エリテマトーデス』や代謝異常症の一つである『ポルフィン症』のように、ほかの病気が原因となることもあります。
外因性の日光アレルギーでは、薬や化粧品などを塗ったり、服用することがきっかけとなり発症します。一部の薬剤や化粧品、香水、果物や野菜などには光に過敏に反応する物質が含まれていて、それらを体内に取り込み、日光を浴びることで化学反応を起こしたり、皮膚に何らかの症状が現れると考えられています。また外因性の日光アレルギーには、光アレルギー性と光毒性の2つの発生メカニズムがあることがわかっています。
【光アレルギー性】
体内に取り込まれた原因物質が紫外線と化学反応を起こすと、アレルギーの原因物質(抗原)が作られることがあります。その物質が体内に取り込まれて、紫外線を浴びた際に、過剰な免疫反応が起きてしまい、赤みを伴う腫れ、丘疹、浮腫や水ぶくれ、痒みなどの症状が現れます。
こうした症状は、すべての人に起こるものではなく、花粉症などと同じように抗原が作られた人のみ起こります。一度、抗原が作られてしまうと、ごくわずかな量でも症状が出やすくなります。
【光毒性】
薬や香水などに含まれる物質に紫外線が当たることにより、活性酸素が作られ、それが細胞などを攻撃することで皮膚炎が起こるものです。光アレルギー性のように免疫反応の異常によるものではないので、血液中に一定量の原因物質があり、一定量の紫外線を浴びれば、誰でも発症する可能性があります。
紫外線が当たると数分から数時間後に、赤みや腫れといった日焼けに似た症状が現れ、その後、落屑や色素沈着がおこります。
光接触皮膚炎:一般的に『光かぶれ』とも呼ばれていて、一部の外用薬や香料、日焼け止めなどに含まれる物質が原因となります。特に、ケトプロフェン系の湿布薬は、鎮静効果が高い一方で光接触皮膚炎が起きやすいことで知られています。そのは他、セロリやパセリ、オレンジなどが原因になることもあります。
光線過敏型薬疹:一部の利尿剤や降圧剤、抗菌剤、抗がん剤、抗ヒスタミン剤、抗精神病薬などの内服薬が原因になります。口から摂取し体内に取り込まれることで、そこに含まれる原因物質が皮膚に影響を及ぼし、それが紫外線(主にUV-A)に反応することで、発疹などの症状が現れます。
日光アレルギーは病気によって、抗ヒスタミン薬、ステロイドなどの外用薬、原因となる光線をあえて照射して身体を慣れさせる治療法など様々です。そのため、血液検査や光パッチテストなどを行い、原因となってる光の種類を特定していきます。
東洋医学ではアレルギー症状の原因は水分の代謝障害『水滞』または『水毒』と考えられています。
普段から冷たい飲食物を摂りすぎていたり、過労やストレス、または虚弱体質のなどが原因となり胃腸の働きが弱まり、消化吸収が低下すると飲食物がしっかりと吸収されずに体内にとどまってしまいます。
この余分な水分が、体の生理機能の低下を引き起こし、アレルギーを引き起こすのです。
また、アレルギー反応は免疫機能の異常とも考えられるため、免疫機能を主る自律神経の乱れが原因で起きると考えられます。
自律神経はストレスや過労、温度差や不規則な生活などが主な原因となり乱れてしまいます。

当院には自律神経測定器があり、この測定器では交感神経と副交感神経のバランスや肉体的・精神的ストレスなども測る事ができます。測定結果を元に、お一人お一人に合ったオーダーメイドの治療をします。そして、東洋医学の治療法と自律神経療法を組み合わせることでより治療効果を高めることができます。
鍼灸治療は自律神経を整えるのにとても優れた治療法です。自律神経を整える経穴やストレス解消の特効穴を用いて症状改善を目指します。
また、自律神経のバランスを整える事で心身の過緊張を緩和し、血行を促進して症状を改善し、症状の再発や悪化を防ぎます。
日光アレルギーの症状でお悩みの方は、東京α鍼灸院へお越しください。
胃痛とは一般的にみぞおち(左右の肋骨の間)のあたりに痛みや不快感を感じる症状のことを指します。何かの拍子に突然痛くなることもあれば、長期間にわたって痛みが繰り返されることもあり、その原因も様々です。

・胃酸の影響
過剰に分泌された遺産が胃の内側にある胃粘膜を攻撃し、炎症が起きている状態です。空腹時などにシクシク、もしくはキリキリと痛むことが多いとされます。胃炎や消化性潰瘍などがこれにあたります。
・胃痙攣
胃の筋肉が痙攣を起こし、神経を刺激することで起こります。キューッと差し込むような痛みと表現されることが多く、吐き気や食欲不振などを伴うこともあります。
・胃腸機能の低下
胃そのものに症状の原因となるものは見つからないにもかかわらず、胃痛や胃もたれなどを起こす疾患で、機能性ディスペプシアなどがこれに挙げられます。
痛みは食後に起こることが多く、心理的・身体的ストレスなどが原因となり、胃の働きに支障が出て、胃の不調を起こすと考えられています。
・ストレス
胃などの消化器官の働きは自律神経(交感神経と副交感神経)が関わっています。
ストレスによる刺激が脳から「副交感神経」を通って胃に伝えられ、過剰な胃酸分泌を促しさらに胃の蠕動運動を促進します。ストレスによる刺激は、もう一方では脳から「交感神経」にも伝わり、胃の血管を収縮させ、血流や胃の粘膜の分泌を減少させます。
・食生活の影響
暴飲暴食、油っぽい食事、消化に悪い食べ物を摂取し続けると胃酸の分泌が高まって胃の粘膜が傷つけてしまいます。その結果胃痛が起こります。
・ピロリ菌
胃の中は強い酸の影響によって細菌は生息できませんが、ピロリ菌はウレアーゼという酵素によって尿素からアンモニアを作り自分の周囲を酸性からアルカリ性に変化させることができます。
胃の中で生息することができるピロリ菌に感染すると、胃の中の粘膜を傷つけて胃痛が起こります。
みぞおちの痛みが起きているときに疑われる病気
みぞおちの痛みは様々な病気で発生します。胃液が過剰に分泌されていると、胃粘膜を傷つけてみぞおちが痛くなります。胃炎や胃潰瘍が疑われます。その他胃がんや膵臓の病気、心臓の病気によってもみぞおちが痛くなることがあります。
みぞおちの痛みは、機能性ディスペプシアでも起こります。機能性ディスペプシアは「胃痛や吐き気、胃もたれなどが続いているにもかかわらず、内視鏡検査をしても粘膜などに異常が見つからない」病気と定義されています。
胸やけが起きているときに疑われる病気
胸やけが起きているとき、胃酸が食道に逆流している可能性があります。これを逆流性食道炎といいます。食道と胃のつなぎ目は通常飲み食いしていないときはしっかり閉じていますが、それが緩むときがあります。
そのため、胃の中の強い酸性の胃液が食道に入ってきて、むねやけの症状を引き起こします。また、慢性胃炎でも胸やけが起こるときがあります。
胃もたれが起きているときに疑われる病気
胃もたれが起きているとき、食べ物が胃の中にとどまりすぎている可能性があります。食べ物は胃の中でドロドロになったら十二指腸へ流れますが、胃の排出機能が低下してその流れが起きないことがあります。
それで胃が重く感じるようになってきます。胃液の量が足りず、食べたものが消化されず胃の中へとどまって胃もたれを起こすこともあります。慢性胃炎や機能性ディスペプシアでも胃もたれが起きます。
吐き気や嘔吐が起きているときに疑われる病気
吐き気や嘔吐が起きているとき、機能性ディスペプシアの可能性があります。吐き気や嘔吐の症状は、その他にも胃炎、イレウス、片頭痛、脳神経の病気でも起きます。
・ストレスによる肝の機能低下
胃が行っている、飲食から必要な栄養を吸収し、不要なものを下に降ろす(受納・降濁:じゅのう・こうだく)は、肝の協調によって行われています。何らかの影響で肝の働きが妨げられると胃も影響を受け、受納降濁の働きがうまくいかなくなってしまいます。(肝胃不和:かんいふわ)
肝は身体のバランスを整えている場所で、感情の影響を受けやすいところです。過度なストレスを受けることで肝の働きは低下し「肝鬱気滞」という気の停滞を生じます。これが胃の働きを邪魔して胃痛を生じると考えれられています。
・冷えによる胃痛
また、冷えが原因で胃痛になることがあります。例えば冷たい飲食物を多く摂りすぎたり冷房の効いた室内で体が冷えたときにお腹が痛くなった経験はないでしょうか。このような胃の痛みは温かいものを食べたりお腹を温めると痛みが楽になります。
・胃腸虚弱
もともとの体質で胃腸の機能が弱い方、東洋医学でいう「脾」と「胃」の機能が低下すると、水分代謝機能が低下します。それがしばらく続くと湿気のように重くなかなか排出できず溜まってしまい、各所に張ったような痛みやつかえた感じが腹部にも起こると考えられています。

当院では胃酸の分泌や胃の働きなどに大きく関わる自律神経のバランスを測定しお体の状態を把握したうえで治療へ移ります。
胃の働きを調整している自律神経系の調整施術と腹部や背部、下肢などにある脾、胃の働きを整えるツボ、東洋医学的観点から肝の機能を整えるツボなどを用いて治療を行います。
また、胃の機能低下は冷えとも関係があるため、お体の状態を見て必要であれば冷えを除くようなツボに刺激を与えたり、お灸を用いて体を温めるような施術を行います。
外耳炎とは、鼓膜の外側にある外耳道という部分に炎症が起こる疾患です。
通常は耳掃除といった外耳を傷つける要因になることを中止し清潔にすれば自然に軽快していきますが、高齢者や糖尿病患者は治りが悪くなることがあります。重症の場合、外耳の細菌感染が頭蓋骨まで浸食し悪性外耳道炎を引き起こすこともありますので、治りが遅い場合には早めに耳鼻科へ受診することが大切です。

外耳炎は、外耳道を耳かきや爪で引っ掻くことで傷ができ、そこに黄色ブドウ球菌、緑膿菌、真菌などの細菌が感染することによって起こります。
それ以外でも水泳で耳の内部に水が入ることや、整髪料やヘアカラー剤などの刺激物が耳の中に入ることがきっかけで発症することもあります。耳栓や補聴器、イヤホンの使用も外耳炎のリスクが高まります。
外耳炎は、急性限局性外耳道炎、びまん性外耳道炎、悪性外耳道炎の3つに分類されます。
・急性限局性外耳道炎
急性限局性外耳道炎は多くの場合、耳の入口あたりの皮膚が腫れ上がり、激痛を伴います。
食事で咀嚼時に顎を動かしたり、耳の入口付近や耳介、耳珠を押したり引っ張ったりすると痛みが増します。歯や頭頂部に痛みが放散する事もあります。
・びまん性外耳道炎
びまん性外耳道炎は外耳道の骨部という部位に発症する事が特徴で、主な症状は強いかゆみと痛みになります。
悪化すると奥の方まで炎症が広がり鼓膜周辺まで腫れ上がることがあります。中耳炎での耳漏、耳せつ、外耳道湿疹に続発して起こる事もあります。
・悪性外耳道炎
悪性外耳道炎は、強い炎症が起こりそれにより、炎症が外耳道周辺の組織まで広がり、側頭骨の骨髄炎を生じるのが特徴で、進行すると頭蓋骨底部の頭蓋底にまで炎症が波及してしまうこともあります。
外耳道に緑膿菌が感染することが主な原因で、それ以外にも細菌、真菌、アスペルギルスやMRSAを含む黄色ブドウ球菌でも発症することがあります。発症には免疫力の低下が関与していると考えられており、発症者の約80%が糖尿病に罹患していると言われています。
症状は、耳の強い痛みで、特に夜間に強くなる事が多いです。また、耳から悪臭のある分泌物を出し、外耳道に膿やカスが見られ、聴力の低下めまい、耳鳴りが起きる事もあります。外耳道に肉芽が形成されてしまうと耳閉感も現れ、頭蓋底まで感染が広がると、顔面神経、舌院神経、迷走神経など様々な脳神経が障害され、顔面神経麻痺などの神経障害が引き起こす事もあります。
炎症が顎関節に広がると、顎周辺に腫れや痛みが起こり、口が開きにくいといった症状も起こります。
炎症が頭蓋内に及ぶと、髄膜炎や脳膿瘍を生じ意識障害や痙攣などが引き起こされる事もあります。
当院ではまず、自律神経の調節施術を行い、内蔵機能と全身的な血流循環の促進、免疫機能を高め、治癒しやすいお身体の状態へと整えていきます。

ご希望の方は、施術前に自律神経測定器で現在の自律神経の状態や、ストレスの状態、血管の状態を測定していきます。

また、外耳炎の東洋医学の観点から「肝」「腎」「脾」に関連する経穴を使用し体質を整えていく事や、耳の血流を促進し回復を促すため首肩の筋緊張を緩める施術も行っていきます。
さらに耳周囲の経穴に鍼やお灸で刺激を与え、炎症や痛みを抑える作用を促していきます。
状態によっては刺入した鍼に微弱な電気を流す低周波鍼通電法を用いて痛みを抑制していきます。

外耳炎で鍼灸治療で使用される経穴は「耳門」「聴宮」「聴会」「翳風」になります。耳門は水分調節や老廃物を排出する働きに効くツボで、翳風は外耳炎の化膿による痛みに効果的なツボになります。
東洋医学では、「腎」「肝」「脾」の機能が低下することで耳の症状が現れると考えられています。
腎は、慢性的な身体の疲労、または加齢によって低下し、肝は精神的ストレス、脾は胃腸などの消化器系の不調や、自律神経系の失調により機能が低下します。
外耳炎は外鏡検査で、発赤、腫脹、耳漏を確認していきます。耳漏が認められたら、原因の微生物の種類を見極めるために、外耳から分泌液を採取して細菌検査を行います。
悪性外耳道炎の場合は、外鏡検査、細菌検査の他に周囲の骨破壊や膿腫の形成の有無、上咽頭や頭蓋内の癌などの鑑別を行うために、レントゲン検査やCT検査を行います。
また、悪性外耳道炎と類似した症状を示す外耳道癌や中耳結核との鑑別を行うために、外耳道に形成された皮膚組織や肉芽を採取して顕微鏡で観察する病理検査、炎症反応などの全身状態を評価するための血液検査も行われます。
病院で行う治療は、脱脂綿や吸引機で軽く耳の内を清掃して清潔な状態にします。それから局所へステロイドの点耳薬、軟膏塗布を行います。
びまん性外耳道炎の場合は抗生物質の塗布や投与が中心になります。
また、患部を切開して膿を除去する処置や痛みが激しい場合は、鎮痛剤が処方されることもあります。
悪性外耳道炎では、肉芽組織を除去する手術も行われることがあります。
外耳炎は過剰な耳掃除によるものが一番多いです。そのため耳かきをしすぎないことが大切です。耳かきを行う頻度は月に1~2回程度がおすすめです。
耳の中の深部は皮膚が薄く非常に傷がつきやすいです。また、耳垢は入口から1cmぐらいの深さに存在しますので、それ以上の深さで行わないように注意しましょう。

耳掃除以外にも、長時間のイヤホンの使用やヘアスプレーが耳の中に入らないように注意することも外耳炎の予防に非常に大切なことです。
もし、外耳炎の症状がある場合はプールやお風呂に潜らないようにし、早めに耳鼻科に受診しましょう。