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後頭神経痛の鍼灸治療

月曜日, 11月 18th, 2024

 

後頭神経痛に対する当院の治療

当院の後頭神経痛に対する鍼灸治療はまず第一に痛みの強い部分に鍼灸施術を施して鎮痛効果を促します。

後頭神経痛の鍼灸治療

 

また痛みが慢性化している場合に自律神経も乱れている場合が多いので全身の緊張を緩めて自律神経を整えることによって精神を安定させる施術も施します。

首肩耳周囲のツボとして頸肩部周囲の筋肉への治療ツボとして僧帽筋や頭半棘筋部の「天柱」「風池」、胸鎖乳突筋や頭板状筋の停止部の「完骨」、耳周辺の「角孫」「翳風」、肩甲上部では僧帽筋上部線維上の「肩井」、肩甲間部では各筋が交差する「膏肓」などの経穴を主に使用します。

 

後頭神経痛の自律神経調整鍼灸

 

また後頭神経痛は、東洋医学的に考えると「腎」「肝」「脾」の不調により気血水がうまく身体に回らないことが原因で発症すると考えられているので、上肢や下肢にあるツボを用いて鍼灸治療を施すことで「腎」の機能を活性化させたり、「肝」の機能低下・過亢進を抑えます。

東洋医学では局所的に診るのではなく、全体的に診ることが特徴のひとつであり、全信を整えることによって自然治癒力を高めます。

全身を施術することにより、睡眠の質の向上・目の疲れの解消・便秘の解消・血圧の安定・倦怠感の消失など様々な効果が期待できます。

 

後頭神経痛は、痛みが慢性化してしまうと脳がそれを記憶して痛みをさらに悪化させてしまう可能性もあり、ひどくなると仕事や日常生活の活動に支障をきたす恐れのある侮れない疾患です。

早めの治療・対応をすることで慢性化させないことが特に重要といえます。

 

 後頭神経痛の鍼灸治療症例

50代 女性

3年ほど前から後頭部から頭部上部にかけてチクチクとした痛みを感じていた。病院で診察を受けたところ大後頭神経痛と診断された。痛み止めのお薬を処方されて痛みの強い時にその場しのぎで服用していた。しかし、最近痛みが段々と強くなってきて薬の効き目の弱くなってきた。デスクワークを主な仕事としており、ひどい場合は頭を前に曲げる動作だけでもチクチクとした痛みが増幅して吐き気をもよおすこともあった。
なんとかこの痛みを和らげたいとのことで当院にご来院されました。

当院の治療
痛みで寝つきが悪く、浅い睡眠が続いたということで自律神経測定器で自律神経の状態を測定していきました。測定した結果、交感神経が高い状態でした。そこでまず自律神経を整える全体施術を施した上で首や肩を重点的に治療していきました。頸部には鍼に電気を流して痛みを抑える施術をしました。

治療経過
◇1回目◇
一回目の治療後、後頭部の痛みは半減された。頭を前に倒すことができるようになった

◇2回目◇
治療効果は継続されている。まだ仕事などでデスクワークが長時間続くと痛みは出る

◇3回目◇
激しい痛みで夜目覚めることがなく、熟睡できるようになり、身体全体の調子は上向いている

◇4回目◇
たまに痛みが出る時もあるが直ぐ軽快してくる。痛み止めの薬を服用することがなくなってきた。

◇5回目◇
痛みがほぼ出なくなり、日常生活の中で痛みを気にすることがなくなり、体調も整ってきた。

 

症例2

50代女性

一週間前から左側の首から後頭部・頭頂部に激痛がはしり、日に日にひどくなっている。

痛み止めを飲むも一時的にしか楽にならず、夜は2時間おきに痛みで目が覚めてしまう。

既往歴として脳挫傷があるため、脳外科で検査をするも特に異常はなかった。

極寒地域への海外出張が続いていて全身の疲労、デスクワークによる肩こりが強くあった。

一週間ほどで落ち着くと病院で言われたが変化がないため当院へ来院された。

 

症例 3

20代 男性

1か月前から右の後頭部から耳の後ろにかけてチクチク刺すような痛みが起きるようになった。

痛みが続いたため、病院に受診したところ後頭神経痛と診断された。

病院で処方された薬を服用しているがあまり軽快されず、他の治療を試したいと思い当院に来院した。

首肩のコリが慢性的にあり頭全体を締め付けられるような緊張性頭痛も起こることがある。

仕事は基本的にデスクワークで、仕事以外もパソコンやスマートフォンを使用していることが多い。とても緊張しやすく、ストレスを溜めやすい。

 

当院の施術

まず、お身体全体の状態を触診で確認していきました。

首と頭の付け根がの筋肉が非常に強い緊張を起こしていました。また、肩や背中の筋肉も張っているため呼吸が浅くリラックスしにくい状態と感じました。

呼吸が浅くなると交感神経が活動的になりやすく、筋肉を緊張させてしまいます。

特に首肩の筋肉は交感神経の活動に影響されやすく、後頭神経痛の発症の要因になってきます。

そのため、まずは仰向けで自律神経を整える施術を行い、リラックスに関わる副交感神経の働きを高めていきました。

次に、うつぶせの状態で背中や首肩の筋緊張、特に右側の首と頭の付け根から後頭部にかけての筋肉に対してしっかり刺激を入れ緩めていきました。

 

経過

◇1回目◇

施術後から、少し痛みが軽減したように感じた。

時間が経つとまた痛みが戻ってきた。

◇2回目◇

大きくは変わらないが、初回より良くなってきているような気がする。

 

◇3回目◇

気が付いたら、痛みが気にならなくなっていた。

首肩のコリも軽くなっている。

 

◇4回目◇

日常生活に全く支障がなく過ごせている。

 

 

当院の施術

何日も激痛が続き、心身ともに疲弊している状態が見受けられた。まずは鎮痛を促す治療を第一とし、痛みが最も強い箇所への鍼治療を行った。神経が過敏になっており軽く触れるだけで痛みがでるため、浅い表面の筋肉から徐々に緩める。また、頭に鍼をしている間に、腹部や手足の副交感神経を高めるツボに鍼と灸を用い、リラックス作用が期待できる治療を行った。

 

大後頭神経痛のほとんどは、肩こり・首こりによって筋肉が硬くなり、その部位を通過している後頭神経(主に頭皮に分布する)が刺激されることが原因で痛みを生じる。

この患者様は極寒地域への海外出張で体全体がこわばっている状態にあり、デスクワークによる慢性的な肩こりも強いため、首肩の筋緊張の解消する施術も行った。

 

症状が強いため3日おきの治療を勧めた。

 

◇1回目◇

治療前の痛みを10とすると治療後の痛みは7まで低下。

鍼を刺している間はリラックスできた。

◇2回目◇

痛みは初回の半分くらいで、5まで低下。

表面が緩んできたので、すこし深めの筋肉を刺激しそこに微弱な電気を流す治療を行った。

◇3回目◇

痛みの程度は2まで低下。

睡眠がしっかりとれるようになった。仕事にも集中できる。

◇4回目◇

全く痛みが無い日と、軽く痛む日と、日により差がある。痛みの程度は2くらい。

◇5回目◇

ほぼ痛み無し。こめかみが重い感じがあったが、治療後にはなくなった。

 

 

後頭神経痛の東洋医学的考え

後頭神経痛の東洋医学的考えは、痛みの出る部分によって問題となる経絡が違ってきます。

後頭部の痛み

後頭部の痛みは東洋医学では『太陽経頭痛』と言われます。太陽経頭痛の場合は後頭部の頭痛に加えて背部の痛みや肩甲骨周辺の筋肉の痛みも伴うこともあります。

側頭部の痛み

側頭部の痛みは東洋医学では、『少陽経頭痛』と言われます。少陽経頭痛の場合は、耳周りにも痛みが出ることもあります。ホルモンバランスの変化が原因で起きることもあります。

 

痛みについて東洋医学では、気・血・津液が滞ることによって滞っている部分が栄養不足となり痛みを発症すると考えられています。後頭神経痛の場合に関しましても後頭部あるいは側頭部を通る経絡の気・血・津液が滞ることによって神経痛の症状を起こしてしまっていると考えられます。

なぜ気・血・津液が滞ってしまうのかと言いますと天候や気温などの外部的環境と東洋医学でいう「肝」「腎」「脾」の病変による内部的環境が影響します。

ジメジメした湿度の高い日や急に寒くなった日・風の強い日などは特に滞りやすいです。またストレスや飲食物などによって「肝」「腎」「脾」が損傷を受けても滞りやすくなります。

 

 

後頭神経痛とは

 

後頭神経痛とは、耳の後ろや後頭部にズキズキとした痛みが発作性に起きる疾患です。

首や頭部の筋緊張によって起きる緊張性の締め付けられるような頭痛とは違い、後頭神経痛は神経痛独特のチクチクとした皮膚表面の痛みが特徴です。

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後頭神経痛を起こす原因となる神経は主に3つあります。

・小後頭神経

小後頭神経は、第二頚神経と第三頚神経の前肢で構成されており、胸鎖乳突筋と僧帽筋との間を斜め上に頭頂に向かっていく神経です。

 

・大後頭神経

第二頚神経の後枝から起こり、僧帽筋の上から出て後頭部や頭頂部の皮膚に伸びていく神経です。

 

・大耳介神経

第二頚神経と第三頚神経から起こり胸鎖乳突筋と広頚筋の間を上に向かって進みます。耳下腺部の皮膚や耳介の後方部の皮膚に分布します。

 

 

後頭神経痛の症状

後頭神経痛の痛みの感じ方は人それぞれでデスクワークなど首肩に負担がかかっている時だけに強く感じる人や横になっている時でさえも強い痛みで眠ることができずに悩んでいる方もいます。

痛みが突発的にあらわれて痛みが急に引くこともあります。後頭部や耳の周りがひどく痛むと目の奥が痛いと感じることや目の疲れも感じます。

また障害されている神経によって症状が出る部分にも変化が出ます。

大後頭神経が障害されると後頭部から頭のてっぺんに痛みが走り、前頭部まで痛みが達することがあります。

大耳介神経が障害されると耳の後ろが主に痛みが出て耳周辺全体が痛くなることもあります。

小後頭神経が障害されるとちょうど大後頭神経痛と大耳介神経痛に出る痛みの範囲の中間、側頭部分に痛みを生じます。

 

頭痛を感じたら一度病院で検査を受けてください

後頭神経痛と同じような痛みを生じさせて重篤な病気にくも膜下出血があります。

くも膜下出血とは、脳の外側から覆われている硬膜・くも膜・軟膜の3つの膜のうちくも膜の内側の脳脊髄液に出血が起こる病気です。

発症してすぐに適切な処置をしないと死に至る可能性の高い怖い病気です。くも膜下出血は、急に今までに経験したことのない激しい頭痛に襲われて吐き気や嘔吐、首のこりなども感じます。その場合はすぐにでも脳神経外科などを受診しなければいけません。

くも膜下出血は急に起こることが多いですが、前兆症状なども見られることもあります。前兆症状として

・めまい

・血圧の乱高下

・吐き気

・複視

・目の痛み

・まぶたが下がる(眼瞼下垂)

・ろれつが回りづらい

・急な頭痛

 

などがあります

そのような症状が見られたら念のため一度病院で検査をうけましょう。

 

 

後頭神経痛の原因

後頭神経痛の原因は、未だはっきりとした原因はわかっていません。有力な説として、ストレスやパソコン作業、スマートホン操作の姿勢によって首肩の筋緊張が強く出て後頭神経を圧迫することによって起きるといわれています。

また神経に潜伏していたヘルペスウィルスが体力や免疫力が弱まった時に活性化して神経に炎症を起こして痛みを誘発するという説もあります。

 

歯ぎしり(噛みしめ)の鍼灸治療

日曜日, 11月 17th, 2024

歯ぎしり(噛みしめ)とは

 

歯ぎしり「ブラキシズム(口腔内悪習慣)」は、歯を擦り合わせたり、過度に歯を噛みしめたりする動作です。寝ている時に起こる場合と、目覚めている時に起こる場合とにより睡眠時ブラキシズムと、覚醒時ブラキシズムとに分けられます。

歯ぎしりや噛みしめは無意識に行っている人がほとんどで、睡眠中の歯ぎしりは一緒に寝ている人や暮らしている人の指摘で症状に気付くことが多いです。これは歯を噛みしめる力が強い場合に歯ぎしりをした音が周りに聞こえるためです。

しかし、実際は睡眠中の歯ぎしりは音を立てていない人の方が多く、音が出ないタイプも含めると日本人の約7割もの人が歯ぎしりをしているとも言われています。

通常、上下の歯の間には2mmくらいの隙間が空くのが安静時の正常な状態であり、一日の間で上下の歯の接触は生理的範囲で約17分といわれています。人間の噛む力は40~60kgと自分の体重ほどもあり歯ぎしりや噛みしめはその頻度や強さ、持続時間によっては歯や身体の病気の原因になります。

 

歯列接触癖(TCH)

「噛み続け癖」と呼ばれることもあるこの癖は食べていない時にも不必要に上下の歯を接触させ続けてしまうというものです。

歯ぎしりや噛みしめと違い、意識せずに上下の歯が触れている状態の事を指します上下の歯の接触時間が長くなると、筋肉の緊張や疲労、顎関節の負担が増え、顎関節症や顎の疲労感、歯の違和感、口が開きにくいなどの症状を引き起こすことがあります。

また、頭痛、首肩こり、腰痛、顎の痛み、耳鳴り、めまい、息苦しさなど不定愁訴の原因になることがあります。

 

 

歯ぎしりの種類

・グラインディング

上下の歯をこすり合わせる歯ぎしりのことです。多くの人がしてる歯ぎしりはこのグラインディングタイプの歯ぎしりになります。寝ている時に下顎を左右に動かす動作を繰り返すことで「ギリギリ」という嫌な音が出るのが特徴です。

・クレンチング

音が出ないタイプの歯ぎしりのことで、上下の歯を強く噛みしめる癖のことです。同位置で歯を強く食いしばるのが特徴です。

・タッピング

上下の歯を続けてぶつける歯ぎしりのことです。下顎をリズミカルに素早く動かし、上下の歯を噛みしめるため「カチカチ」といった音が出るのが特徴です。

 

歯ぎしりの原因

歯ぎしりの原因は詳しくは解明されていませんが、メンタリティが関わってる場合が多いと言われており不安、緊張、心配などのストレス、遺伝や飲酒、喫煙、カフェイン摂取、交感神経活動の亢進、服薬、かみ合わせなどの関与が指摘されています。

歯ぎしりは浅い眠りの時に起こることが分かっています。

人間は深い眠りと浅い眠りを交互に繰り返しており、深い眠りの時には筋肉の動きは抑制されています。(副交感神経の亢進、交感神経の低下)

そして眠りが浅くなるとその抑制が解け(交感神経の亢進、副交感神経の低下)、その拍子に咬筋(頬の筋肉)が動き、歯ぎしりが起こると考えられています。

飲酒、喫煙、カフェイン摂取、ストレスなどは睡眠を浅くする要因であり、特にストレスは歯ぎしりの7~10%に関与していると考えられています。また、特定の遺伝子型の人は他の人の約5%歯ぎしりをしやすいことが分かっています。また、睡眠時無呼吸症候群、逆流性食道炎などの疾患も眠りが浅くなるため歯ぎしりが起こりやすいといわれています。

 

日中の噛みしめ、歯列接触癖(TCH)の原因

ストレスによる緊張や、何かに長時間集中している時、PCやスマートフォンなどの操作の少し俯き加減の姿勢などが考えられています。

 

症状

・歯が擦り減る、割れる

歯ぎしりによって歯に非常に大きな力がかかります。個人差はあれど歯ぎしりの力は、ガムを噛む力の数倍~10倍といわれており大きな力がかかり続ける事で上下の歯が擦り減ってしまいます。

歯が擦り減るとエナメル質が破壊されて知覚過敏を起こします。また、詰め物が取れたり壊れたり、歯そのものが欠けたり割れたりする場合もあります。

 

・歯周病が発症、進行する

歯ぎしりによる過剰な力は、歯だけでなく歯茎にもダメージを与えます。歯茎が弱ると歯周病菌が繁殖しやすくなり、歯周病が発症、進行するリスクが高まります。

 

・歯の位置が移動する、歯並びが変化する

歯と歯が強く擦れあったりぶつかり合ったりすると歯が揺れ動きやすくなるため歯並びが悪くなったり、歯の位置が動くことがあります。

 

・顎関節症の発症

歯ぎしりをすることで、顎の関節や筋肉に負担がかかり、顎関節症を発症することがあります。

顎関節症に対する鍼灸治療

・咬筋(顎のえらの部分)の肥大

咀嚼筋である咬筋に強い負荷がかかることで、咬筋の緊張状態が続くと咬筋が発達し肥大することがあります。

 

・その他

顎の痛みや疲労感、肩こり、頭痛、めまい、耳鳴り、睡眠障害など様々な二次障害が歯ぎしりによって引き起こされているといわれています。

肩こりに対する鍼灸治療

頭痛に対する鍼灸治療

めまいに対する鍼灸治療

耳鳴りに対する鍼灸治療

睡眠障害に対する鍼灸治療

 

 

 

歯ぎしりの予防法

自宅で出来る予防法として節酒や禁煙、カフェイン飲料を飲むことを減らすなど睡眠が深くなるような生活を心がけましょう。

また、不必要な昼寝は避けて生活習慣を整えることや、寝る前にストレッチをしたりぬるめのお風呂にゆったり入るなどストレスを軽減する工夫も必要です。

 

西洋医学的治療

一般的には歯科医院にて治療が行われます。

治療方法としてマウスピース(スプリント)、かみ合わせの調整、矯正治療、睡眠衛生、行動療法などが挙げられます。

 

歯ぎしりに対する東洋医学的考え方

歯ぎしりは東洋医学では噛歯(ごうし)といわれています。

歯ぎしりは心因的な感情が根底にあると捉えられ、五臓六腑の「肝」の不調に関わりがあると考えられています。「肝」は神経や感情をコントロールする役割があると考えられており、ストレスなどによりこの「肝」の働きが乱れると感情のコントロールがうまくいかなくなり、不眠、怒りっぽい、焦燥感などの症状が現れることがあります。精神的な緊張は筋肉が過緊張を起こす原因になります。

また、風、寒、湿、熱邪などの外邪などによって顎関節周囲を通る足の陽明胃経、手の少陽胆経、手の太陽小腸経の経絡の滞りなども原因となる場合があります。

 

歯ぎしりに対する当院の治療

当院では自律神測定器にて自律神経のバランスを測定し、お身体の状態を把握した上で治療に移ります。

自律神経は交感神経、副交感神経の二つに分けられ、交感神経は日中活動時に活発に働く神経で、副交感神経は夕方から夜にかけて優位に働くリラックス神経です。この二つの神経がバランスをとりながら無意識下で全身の器官を調整しています。ストレスや疲労、生活習慣の乱れなどからこのバランスが乱れると心身の不調をきたす原因になります。

自律神経は睡眠の質や筋肉の緊張にも大きく関わっており、特に交感神経の過亢進は精神の緊張、全身的な筋緊張を招きます。

そのため自律神経系のバランスを整えるツボや東洋医学的観点から肝、心に関わるツボに刺激を与えます。

歯ぎしりに対するうつ伏せ治療

また、歯ぎしりや噛みしめ影響による顎や首や肩の筋肉の過緊張を除き、顎関節へかかる負担を軽減する治療を行います。また、顎関節周囲の胃経、胆経、小腸経のツボも用います。状態によっては鍼に微弱な電気を流すことで鎮痛作用や筋緊張の緩和、血液循環を促します。

 

歯ぎしりの鍼灸治療

 

症例

30代 女性

歯ぎしりがひどく、歯科でマウスピースを作ってそれを付けて夜は睡眠をとっていました。それでも朝になるとあご周りが痛く、首や肩にまで波及している状態でした。

普段からも気が付くと歯を噛みしめている場合もあり、それが原因で首回りも緊張しているのではないかとのことでした。

当院の自律神経測定器で自律神経の状態を測定したところ交感神経の活動が異常に高く逆に副交感神経が低い状態で常に緊張状態が長く続いていてなかなかリラックスできていないことわかりました。

問診時にも仕事や家庭内でのトラブル最近ストレスが溜まっているとのこと

治療

首肩や肩甲骨周りの筋緊張を鍼灸施術で緩めてから仰向けとなり顎周りの施術で筋緊張を緩めてお腹手足のツボを用いて自律神経の状態を整えていきました。

治療した次の日の朝は顎周りが少し楽で日常的にも首肩が楽でしたが2~3日で元の状態と戻ってしまっていました。

数回の治療後は、治療効果も延びて朝目覚めもすっきり起きられてる様になっています。

自律神経測定器の結果も交感神経の活動が下がり良好の状態となりました。

 

 

症例2

50代 女性

 

睡眠時にかなり噛みしめていると歯医者で指摘され、マウスピースを作ったが顎周りの痛みは軽減しなかった。

顎の痛みで目覚めることが多く、数ヶ月間寝不足気味が続いている。

今も毎晩マウスピースをはめて眠っているが、擦り切れて穴が空きそうなくらい酷使されている。自分で顎の筋肉を触ると、ゴリゴリしているのが気になっている。

このままだと、顎以外のトラブルもおこりそうだと感じて来院。

 

当院の治療

自律神経測定器で計測したところ、かなり交感神経が優位の数値がでた。精神的なストレスも高く自律神経の乱れがみられたので、自律神経を調節する治療をメインで行なった。また同時に顎の周りだけではなく、首肩の筋肉も筋緊張が強いため血行を促進させて筋肉を緩ませる治療も行った。

治療頻度は月に2回

 

治療経過

1回目

変化は感じない。

2,3回目

痛みはあるが、少し眠りやすくなった。

4~7回目

治療していくと、顎の筋肉のゴリゴリが小さくなっていくのを感じている。

7~15回目

朝になって起きた時の顎の疲れが少しずつ軽くなった。

16回目

痛みで眼が覚めることがほぼなくなった。

17回目

まだマウスピースを付けて寝ているが、マウスピースのすり減っていくスピードが遅くなった。

18回目

来院頻度を月に1回と少なくして経過観察をすることになった。

 

執筆者

清水大地

眼精疲労専門の鍼灸師

資格
はり師
きゅう師

2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む

2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立

2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院

2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院

2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院

乱視の治療

水曜日, 11月 13th, 2024

乱視に対する当院の鍼灸治療

 

当院の乱視に対する施術は、目の周辺のツボにハリやお灸の刺激をすることで目の血行状態をよくします。

 

乱視の鍼治療

 

鍼がどうしても苦手という方には、お灸だけの施術もございますので、ご相談ください。

乱視のお灸治療

また乱視は五臓六腑の肝に深く関係しているので肝に関する経穴を用いたり、東洋医学の診断方法に基づき全身の調整治療を行います。乱視の患者さんは、頭痛やイライラ感・睡眠障害に悩まれる方が多いので、部分的な治療ではなく全身を施術することが重要だと考えております。全身施術を行うことにより人間の本来もっている自然治癒力を高めます。

当院による乱視の施術目的は、乱視に併発する目の疲れや眼精疲労の症状を軽減することです。角膜の屈折率などの問題で乱視が起きていた場合、乱視自体の回復は大変難しいものがありますが、それに併発する症状を抑えることで患者さんの日々の生活が充実し、よりよくなることが見込めます。

また中国では、はり灸施術での回復事例もあり、西洋医学とは違う東洋医学の観点により少しでも乱視が回復できる機会を提供致します。

 

 

乱視の鍼灸治療症例

 

当院にご来院される1か月前から遠くも近くもぼやけて見えるようになってしまった。もともと視力は良いほうで眼鏡やコンタクトレンズもつけずに日常生活を送れていた。眼科で検診を受けたところ軽い乱視があると言われ、眼鏡を勧められたが今まで眼鏡をかけたことが無く抵抗があったため自力で治したいということで当院にご来院されました。
近く車の免許の更新もあるため眼鏡をかけなくてもいいように免許を更新したいという願望もあった。

 

当院の治療
最近、仕事やプライベートでもスマホなどを使う機会が多かったため、目が疲れているとのこと。また忙しさのあまり睡眠を充分をとれていないとのことからまず身体の状態・自律神経のバランスを測定していきました。その結果を踏まえて

・自律神経のバランスを整える
・首肩の筋緊張の緩和
・目の周りの筋疲労緩和と循環改善

を目的に施術していきました。

治療経過
1回目の治療後は目の見え方の変化はわからなかったが首肩は楽になったとのこと。治療回数を重ねていくごとに体が楽になってきたと感じてそれに伴い目も見えやすくなってきた。
5回目の治療終了後に車の免許の更新があったが、無事に眼鏡なしで免許更新ができた。

 

 

 

乱視の東洋医学的考え

 

中医学では五臓六腑の肝は目に開竅するといわれており、目の疾患は肝の機能障害が深く影響していると考えられています。
肝は精神情緒の安定・自律神経系を介した機能調節もおこなっており、それらの機能低下は身体に様々な影響を与え、さらに肝血が不足してしまうと視覚の異常や運動系の異常などがみられます。

乱視の生活上の注意点

 

ⅰ)正しい姿勢での勉強や読書を心掛けましょう。目と本の距離は30cmほどは離しましょう。
ⅱ)運動や散歩などをして遠くを見る習慣をつけて目に負担をかからない生活を心掛けましょう。
ⅲ)パソコンなどでの長時間作業は避けましょう
ⅳ)目を細めて物を見ないようにしましょう。

 

乱視とは

 

乱視とは角膜や水晶体が歪んでいることにより光が網膜に届くまでの間に乱れてしまい、焦点が合わなくなる目の屈折異常です。
正常の場合、屈折した光が眼球後ろの網膜上のある一点に焦点が合い、像を結んで物が見えるのです。遠視や近視の場合は像を結ぶ位置がずれているものの、必ずどこかに焦点があります。

しかし乱視の場合は焦点が無いので、遠くも近くもはっきり見えず、また物の一部が霞んで見えたり、歪んで見えたりします。理論上、眼球が完璧な球体であれば、乱視は生じませんが、人間の目は大なり小なり歪みがあるのが普通で、そうなると角膜や水晶体を通過する光の屈折が光の入ってくる方向によって均一ではなくなります。年齢が若く、軽度の乱視では自覚症状がありませんが、ある程度以上の乱視や軽度でも年齢を重ねるにしたがって、症状が徐々に現れてきます。

乱視の症状として遠い所も近い所もみえにくいなどの視力障害や眼精疲労を伴うこともあります。乱視は調節に努力がいることから物を普通に見ているだけなのに疲れ目になったり、頭痛がしたり、集中力が続かないなど普段の生活でも影響が現れます。
乱視は子供のうちから生じている場合もあり、なかなか気づきにくいものです。子供が頭を傾けて物をみる、目を細めて物をみる、目の疲れや頭痛などを訴えるといったことがあれば早めに対処する必要があります。

 

乱視の原因

乱視には角膜の球面が歪んでいる角膜乱視と水晶体が一定方向に歪んでしまい元に戻らなくなった水晶体乱視があります。ともに先天的なものと後天的なものの二種類があります。先天的な場合の原因として胎児の状態や出産時の対処にも影響されます。また遺伝的なものもあります。さらに乳幼児期の肥満も関係してくると考えられています。

後天性の角膜乱視の原因で、最も多いのは目を細めることで眼球にかかる圧迫と考えられています。近視の初期に遠くを見る際、目を細めたりすると目の周りの筋肉が角膜に余計な圧迫を加え、角膜や眼球が歪んでしまう場合があります。

このため、近視だと無意識に目を細めて見てしまう人も多いですが、角膜乱視を予防するためにも目を細めることを避けるようにする必要があります。

後天性の水晶体乱視の原因として考えられるのは偏った目の使い方で水晶体が歪んでしまうことです。例えば仕事などで長時間パソコン画面などをみていると、水晶体が下に引っ張られて元に戻らなくなる状態になってしまい、乱視の原因となります。

このため水晶体乱視を予防するためにも長時間パソコンなどの作業をしないようにする必要があります。

 

ⅰ)正乱視
角膜のカーブが均一でないものが正乱視で、これは先天的な原因が大抵ですが、角膜の病気が原因となることもあります。また、近視や遠視が誘因となる場合も多く見られます。

ⅱ)不正乱視
屈折面での屈折が不規則で、円柱レンズでの補正ができない乱視が不正乱視です。原因としては円錐角膜、翼状片などによる角膜の非対称な歪みや外傷による水晶体の亜脱臼、加齢性変化による白内障やまれに円錐水晶体などの水晶体疾患などです。

 

 

乱視の一般的治療

一般に角膜の歪みによる正乱視は、円柱レンズまたはハードコンタクトレンズによる矯正が適しています。不正乱視の治療はその原因が角膜の形状異常によるものであれば、ハードコンタクトによる矯正が適していますが、水晶体が原因である不正乱視は、正乱視と同じくコンタクトレンズによる矯正はできません。
現在は乱視はエキシマレーザーによる角膜の屈折矯正手術によりある程度は補正できるようです。

 

 

症例

30代 男性

元々視力が悪かったが、最近仕事の部署が変わりデスクワークになり、眼の負担が増えた。それが原因か分からないが、1か月ほど前に通勤電車で読書していたら文字が隣の行にはみ出しているように見えはじめた。

はじめは気にしていなかったが、どんどん悪化していき最近は仕事にも支障をきたすのではと思いネットで色々検索していたらここの院のホームページを見て来院。

鍼は学生時代にスポーツをやっていて、一度受けたことがあるが痛かった思い出があり少なめの刺激を希望。

 

当院の治療

 

眼の周りの筋肉だけではなく、首、肩、背中の広い範囲で筋肉が硬くなっていた。

首肩コリは本人は自覚がなく、慢性的に腰痛があるとのことだった。目の周りの局所治療だけではなく、上半身の筋肉を緩めて血行を促進していくことと、自律神経の乱れを整えることで身体の自然治癒力を高める治療を行っていく。

治療頻度は週1回

 

治療経過

◇1回目◇

思ったより痛くなくリラックスした感じはある。

◇2~5回目◇

見え方は特に変化はないが、首肩周りの身体は楽になってきた事を感じる。

◇6回目◇

見え方に変化がないので、電気鍼に挑戦。治療後は少しだるさがでた。

◇7~12回目◇

電気鍼で治療後にだるくはなるが、眼がかなり楽になる感じがある。

◇13~18回目◇

回数を重ねると視界のブレが小さくなっていた。

◇19回目以降◇

乱視はほぼ改善し、治療頻度を少なくしてメンテナンスとして通っている。

 

 

執筆者

清水大地

眼精疲労専門の鍼灸師

資格
はり師
きゅう師

2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好医院にて多くの臨床経験を積む

2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立

2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院

2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院

2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院

貧血症状に対する鍼灸治療

月曜日, 11月 11th, 2024

貧血の東洋医学

 

東洋医学では「気・血・水」という概念があり、貧血はこの「血」の不足や働きの低下を現す「血虚」という状態ととらえます。血は全身を巡り栄養や酸素や潤いを届け身体を温めたり精神を安定させるといった働きを担っています。

五臓六腑のうち血に深く関わる臓器として肝、脾、心が挙げられ、肝は血貯蔵や循環量の調節を行い、心は血を流す原動力になっています。脾は飲食物を消化吸収し血の材料を作っていると考えられています。

 

貧血に対する当院の鍼灸治療

 

自律神経測定器で血管年齢と自律神経のバランスを測定し、お身体の状態を診させて頂いてから治療に移ります。東洋医学的観点より五臓六腑の肝、脾、心のツボを中心に用い、血液の産生を促します。

また、内臓機能、心臓の動きや血管の動きを主る自律神経系の調整を行うことで血液循環を促進し、貧血の症状の軽減を図ります。

貧血の自律神経調整鍼灸

 

その他貧血の方は身体の倦怠感や首や肩、腰などの筋緊張を伴なうことが多いため、そちらの治療も合わせて行っていきます。

基本的にまず仰向けでお腹や手足のツボを用いて自律神経調整治療を行った後にうつ伏せとなり、頸肩や腰部の筋緊張の緩和・背部兪穴といわれる五臓六腑の重要なツボを用いて五臓六腑の働きを調整していきます。

貧血の鍼灸治療

 

 

貧血とは

血液中の赤血球に含まれるヘモグロビン(血色素)の量が正常より少なくなる事です。血中のヘモグロビンの数値が男性は13.0g/dl以下、女性は12.0g/dl以下になると貧血と診断されます。血液の働きで最も重要な仕事は酸素を全身に運搬することで、この働きを司っているのは血液中のヘモグロビンです。そのため、貧血になると全身の細胞に酸素の運搬が十分に行われなくなり、頭痛やだるさ、肩こりなど様々な症状を引き起こします。

貧血は女性に多く10人に1人が貧血ともいわれています。

 

貧血の主な症状

・めまい
・立ちくらみ
・顔面蒼白
・動悸
・息切れ
・耳鳴り
・頭痛
・眠気
・食欲不振
・倦怠感
・疲労感
・不安や緊張感
・首や肩のこり
・爪の変形

など

貧血の種類と原因

 

・鉄欠乏性貧血

日本の貧血患者の約7割、女性全体の約一割が該当するといわれているのが鉄欠乏性貧血です。ヘモグロビンの主な材料である鉄が不足し、ヘモグロビンが作られなくなるために起こる貧血です。

欠食、偏食、無理なダイエットや、インスタント食品などの食生活の乱れ、特に女性では妊娠中や授乳期、月経などで鉄が不足しやすくこの貧血に陥りやすい傾向があるといわれています。その他にも子宮内膜症や子宮筋腫、子宮内膜ポリープなど婦人科疾患に伴う過多月経や潰瘍、痔、ガンなどによる消化管からの出血なども原因の一つとして挙げられます。

 

・再生不良性貧血

骨髄中の造血細胞が何らかの原因によって障害されることで、赤血球、白血球、血小板のすべての血球が減少する疾患です。再生不良性貧血は生まれつきこの病気になる先天性と何らかのきっかけがあってこの病気が起こる後天性のものがあります。

再生不良性貧血は特定疾患(難病)に指定されており、後天性のものは原因がはっきりとしない特発性と、ウイルス感染や薬剤の使用など原因の分かっている続発性に分けられます。

 

・悪性貧血(巨赤芽球貧血)

赤血球の合成に必要なビタミンB12、葉酸が不足して赤血球が減少することによって起こる貧血です。この場合は、赤血球の形が大きくなるため、巨赤芽球貧血とも呼ばれます。

不足している成分ごとにビタミンB12欠乏症貧血や葉酸欠乏性貧血に分類されます。

 

・ビタミンB12欠乏性貧血

本来ビタミンB12は胃で吸収され赤血球生成の材料になりますが、胃や腸を手術で切除した場合などにはビタミンB12が吸収される機会が失われてしまいます。ビタミンB12は極端な偏食でなければ不足は起こりにくいのですが、ビタミンB12の吸収に問題がある人、動物性食品をあまり食べない人、菜食主義の人は不足する可能性があるため注意が必要です。

 

・溶血性貧血

健康な人の赤血球の寿命は120日程といわれていますが、赤血球が正常の寿命より早く血管内や脾臓、肝臓や骨髄内などで破壊される事で起こる貧血です。先天性の原因として遺伝性球状赤血球症、鎌状赤血球症などがあり、後天性のもの自己免疫性溶血性貧血、発作性夜間ヘモグロビン尿症、薬の副作用、不適合な輸血、ウイルス感染などが挙げられます。

 

 

・二次性貧血(続発性貧血)

骨髄や赤血球の異常ではなく、他の病気が原因となって起こる貧血で、感染症や膠原病、慢性炎症、癌など血液の病気とは異なる病気が原因となる貧血です。

 

 

症例

40代 女性

子宮筋腫による不正出血のため以前から貧血症状に苦しんできた。

月経過多になることが多く、ひどい時は鉄剤を服用しても貧血症状がおさまらず、めまいや立ちくらみ、少し動いただけで息切れをする。

もともと末端冷え性でもあり、とくに足先からふくらはぎにかけて冷たくなるため、全身のの血流が悪いことも自覚している。

仕事は忙しく、睡眠の眠りは浅いため疲れがとれない。

 

当院の施術

この方の貧血の原因は子宮筋腫によるもののため、子宮筋腫に対する施術で貧血症状を改善していきました。

まず、自律神経測定器で自律神経の状態を確認したところ、交感神経の働きが強くなっており、逆に副交感神経の働きが弱くなっていました。

このような自律神経の乱れは血流の妨げになることが多く、貧血症状の悪化につながります。また足の冷えが非常に強く、下肢の冷えは骨盤血流量を低下させ女性ホルモンに大きな影響を及ぼします。

今回は女性ホルモンと自律神経のバランス調節、骨盤血流量の促進を目的とした施術を行いました。

 

経過

◇1回目◇

施術後は身体が暖かくなり、夜も気持ちよく寝れた。

◇2回目◇

出血量はまだ変化が見られないが、体調は整っているように思える。

体が軽い。

◇3回目◇

出血量が少し減った気がする。

ふらつく様なめまいが気にならなくなってきた。

◇4回目◇

出血が減り、身体の調子が良い。

階段を登っても以前のような息切れがしなくなってきた。

◇5回目◇

調子が良い日が続いている。

気持ちも前向きになってきた。

 

 

症例2

20代 女性

 

職場の健康診断で貧血の数値でひっかかり、再検査を受けることになった。貧血の自覚はなかったが、ネットで調べたら貧血からくる体調不良が多く当てはまっており、根本から改善したくて来院。

昔から偏食の為、食べられる食材が少ないのも原因と医者に言われ、食生活は少しずつ見直している。平熱35.7度

治療頻度は月に2,3回

 

当院の施術

食生活に偏りがあるせいか、自律神経測定器での測定で血管年齢が25歳ほど高い数値がでた。自律神経も乱れ気味だったので、血行促進、自律神経の乱れを整える治療と同時に内蔵機能を亢進させる治療も行うことで、食事の栄養が吸収しやすい身体をつくっていく。

 

治療経過

◇1回目◇

いつも手足が冷たいが治療後は温かくなった。

◇2回目◇

劇的な変化はないが治療後の体調は良い。しかし、数日したら元に戻ってしまう。

◇3回目◇

日中のだるさや無気力感がなくなってきた。

◇4~8回目◇

回数を重ねていくと、立つたび目の前が真っ白になるような目眩があったが、なくなっていった。

◇9、10回目◇

目眩はほぼなくなった。

◇11回目◇

体温が高くなり、平熱が36.2度になった。

 

 

 

執筆者

清水大地

眼精疲労専門の鍼灸師

資格
はり師
きゅう師

2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む

2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立

2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院

2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院

2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院

メニエール病の鍼灸治療

木曜日, 10月 31st, 2024

メニエール病に対する当院の鍼灸治療

 

当院のメニエール病に対する施術は、第一にハリやお灸を施すことにより全身の調整を図り、自律神経のバランスを整えることです。当院のはり灸施術は、交感神経を抑制し副交感神経の働きを促すばかりでなく、双方の神経の活動量を高めて自律神経のバランスを整えることが研究結果でも出ています。当院では自律神経測定器で自律神経脳状態を知った上で施術致します。

 

メニエール病の鍼治療

また内耳の血流不足によるむくみを改善するという点から頸肩部周辺や耳周辺の経穴に鍼を刺します。頸肩部周囲の筋肉への治療穴として僧帽筋や頭半棘筋部の「天柱」「風池」、胸鎖乳突筋や頭板状筋の停止部の「完骨」、耳周辺の治療穴として「翳風」「耳門」「聴会」「聴宮」などを用います。

メニエール病は東洋医学的に診ると「腎」や「肝」の不調が原因で発症すると考えられているので、鍼灸治療を用いてツボを刺激することで「腎」の機能を活性化させたり、「肝」の機能低下・過亢進を抑えます。

過度な身体的・精神的ストレスは、自律神経を乱してメニエール病の原因となります。東洋医学の特徴である全身を診て治療することにより全身をリラックス状態へと導き、交感神経の過亢進を抑制して過度なストレスを和らげます。

メニエール病の鍼灸治療

また身体全体の調子が上がっていくことも期待でき、実際に当院でもめまいの治療で「目が疲れなくなった」「便秘が解消した」「ゆっくりと体が休められ、熟睡できた」などといった声が数多く聞かれます。東洋医学では局所的に診るのではなく、全体的に診ることで自然治癒力を高めるといわれ、様々な効果が期待できます。

当院の施術目的は、メニエール病の回復程度を高め、回復を速めることです。また西洋医学とは違う東洋医学の観点により少しでもメニエール病が回復できる機会を提供することです。
メニエール病の発作時の激しいめまいは、仕事が手に着かずにストレスを溜め込んだり、症状がいつ起こるかわからないといった不安がストレスとなり、更に症状を悪化させかねません。
症状が慢性化する前に病院で診断を受けた上で早期の治療をお勧めします。

メニエール病に対する東洋医学的考え

 

 

メニエール病において東洋医学では特に「肝」と「腎」が深く関係していると考えられています。

めまいは東洋医学では「水毒」といわれ、生体内を循環している津液が寒さや湿度などの外因の影響を受けたり、東洋医学での「肝」や「腎」などの内因の影響を受けて停滞して起こると考えられています。特に停滞している部分が耳である場合にめまいの症状としてあらわれます。

また、「腎は耳に開竅する」といわれ、腎精が不十分だと耳鳴りや聴力の減退・排尿異常・生殖能力の低下や・白髪・毛髪脱落などが発生するといわれています。

 

「津液」とは
津液とは、体内の生理的水液を意味して、例えば細胞内外の液・唾液・胃液・関節内腔・涙・リンパ液などすべてを含めた組織液に相当します。

津液は、飲食物から脾胃で生成され、大部分は三焦という通路を運航して全身に送られます。この過程で、「肝の疏泄をつかさどる」という機能と「腎の水をつかさどるという機能」が重要になってきます。

 

肝は疏泄をつかさどる
肝の疏泄をつかさどるという機能は、すみずみまで機能を通行させるということを意味し、津液を全身に送る場合にも一役かっています。またその他に情緒を安定させ、精神状態を快適に保つ機能や自律神経機能によって全身の各機能が円滑に行われる機能にも影響を与えています。
よって過度な精神的ストレスや自律神経の不調は、肝の疏泄をつかさどるという機能にも影響を与え、めまいの原因となります。

 

腎は水をつかさどる
体液の代謝全般に対し、腎が根本的な調節作用を行うことを示しています。有用な津液を蒸気のように変えて三焦を通して全身に巡らせ、身体の水分代謝に供給すると同時に、不要な廃液を尿として適宜排泄するという機能を腎が担っているのです。

また東洋医学では、腎は耳と関係が深いと考えられ、腎の不調は耳の症状に反映されやすいといわれています。
腎の機能異常は、全身に津液を停滞させ、特に耳に停滞しやすく、内耳にリンパ液が溜まることで起きるめまいや耳鳴り・難聴を引き起こすメニエール病の症状としてあらわれやすくなります。

 

腎精とは
腎が貯蔵する精は、人体の生長・発育・生殖及び生命活動を維持する物質的な基礎です。父母から受け継いだ「先天の精」は絶え間なく腎に注ぎ、成人を迎えるころには自然と減少していきます。

この不足した部分を飲食物で得られた「後天の精」で補おうとするのですが、それが間に合わなくなると身体は様々な老化現象を引き起こします。

 

「腎」と「肝」との関係
東洋医学では「腎」と「肝」との関係は密接と言われており、両者の症状は同時にあらわれることが多く、「肝腎同源」ともいわれています。
精が不足すると肝の血は、精に変化してそれを補い、血が不足すると腎の精は血に変化してそれを補います。精は高齢になると減少傾向にあり、それは同時に肝の血も減少傾向にあると考えられます。

 

 

メニエール病の鍼灸治療の効果に対する研究について

日本鍼灸医学会の研究によりますと、メニエール病に対する鍼灸治療の効果の科学的根拠は、まだまだ研究段階ではありますが、30症例のうちめまい症状が減退したのは、1~10回の治療でほぼ全員でメニエール病に対して鍼灸治療を認めざる得ないだろうとされています。

その他難聴は47%で有効、耳鳴りは80%で有効であったという結果が出ています。この研究では、鍼灸治療が自律神経系統やリンパ循環系などに作用して病的状態を正常な状態へと転向させて人間本来の持っている恒常性を高める作用があるのでないかとされています。

 

日本鍼灸医学会

「メニエール病の鍼灸治療」

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsam1948/24/1/24_1_26/_article/-char/ja/

 

 

メニエール病とは?

 

メニエール病とは、自分や周りがグルグルと回る回転性めまいの突然発作を繰り返しながら、だんだんと聴力の異常を引き起こす疾患です。それまで何も徴候がなかったのにある日突然激しい回転性のめまいに襲われ、目も開けられず立つこともできないためパニック状態に陥る場合もあります。これが、メニエール病発端の典型であり、徐々に耳塞感や耳鳴りを感じるようになって難聴へと至ります。
メニエール病の発症には、現代特有の身体的・精神的ストレスが関係しているといわれており、現代病とも都会病ともいわれています。
近年、メニエール病は増加傾向にあり、男女差は特にありませんが、仕事や家庭でストレスの多くかかる30~50代に多い疾患です。代表的な症状と共に嘔吐・冷汗・睡眠障害・呼吸の乱れなど自律神経症状を伴うことも一つの特徴です。

 

メニエール病の特徴


■吐き気を伴う回転性のめまい■

自分や周囲がグルグルと回る回転めまいを感じ、症状が激しいために吐き気を伴います。座っていたり横になっていたりと自分が動いていない場合でもぐるぐると回転するようにめまいを感じます。

 

■耳鳴り・耳塞感・難聴■
めまい・耳鳴り・難聴はメニエール病の典型的な症状であり、初期の発作は激しいめまいのため耳の症状に気付かない場合が多いですが、発作を繰り返していくうちに耳の症状を感じるようになってきます。両側の耳に現れることはまれで片側の場合がほとんどです。

 

■発作は数分から数時間■
めまい発作は数分から数時間、長くても半日で徐々におさまっていきます。難聴や耳鳴りも軽くなりますが完全に消失しないことも多いです。また回転性めまいがおさまっても体がフワフワ浮いているような感じが残ることもあります。

 

■不定期に発作を繰り返す■
発作がおさまれば立つことや歩行が可能になり日常生活にあまり支障なく過ごすことができますが、しばらく経つとまた同じような発作に襲われ、早いと数日か数週間、長ければ数カ月から数年後に発作を繰り返します。そして発作を繰り返していくうちにたとえめまいがおさまっても耳鳴りや難聴の症状が強く出てきます。

 

■随伴症状■
めまい・耳鳴り・難聴に伴って吐き気・嘔吐・顔面蒼白・冷や汗・動悸・寒気・熱感などの自律神経症状も呈する場合があります。

 

※
また、めまい・耳鳴り・難聴という三徴候を満たさないケースもあり、回転性めまいを欠く蝸牛型メニエール病や耳鳴り・難聴を欠く前庭型メニエール病があります。
メニエール病と似たような症状を起こす病気として、突発性難聴・聴神経腫瘍・中耳炎などがあります。

 

 

こんな場合はすぐ病院へ

 

めまいは、単独で症状が現れる場合は少なく、自律神経症状や意識障害、運動障害などを併発する場合がほとんどです。併発する症状によっては、生命の危険にかかわり、一刻も早く医療機関を受診する必要があります。
下記のような症状がある場合はすぐに医療機関を受診しましょう。脳梗塞・脳出血・脳腫瘍などの脳の病気が疑われます。
・体の半身が不自由、感覚が鈍いと感じる
・舌がもつれたり、言葉が発しにくくなる
・物が二重に見え、目がかすむ(複視)
・歩行困難
・激しい頭痛で意識がもうろうとする
・物の片側が見えない

めまいと共にこのような症状を呈する場合、様子を見ることなどせずにすぐに医療機関を受診してください。症状が重症化する場合もあります。

 

 

メニエール病の原因

 

メニエール病を引き起こす原因は、内耳の内リンパ液水腫であると考えられています。
耳は、音を聞くための聴覚器官であることは周知の事実ですが、体のバランスを保つための平衡器官でもあります。耳の中の「内耳」という器官は、カタツムリのような形をした蝸牛という器官(聴覚をつかさどる)と平衡感覚をつかさどる前庭という器官とがあります。内耳には、外リンパ液と内リンパ液があり、何らかの原因で内リンパ液が増えすぎると内耳全体は膨れ上がり、水ぶくれのような状態になってしまいます。この状態を内リンパ水腫といいます。

内リンパ水腫の状態になると、内リンパ液と外リンパ液を隔てている膜が破裂して二つのリンパ液が混ざりあい、前庭の平衡機能や蝸牛の聴覚機能などに混乱が起こります。するとめまいや耳鳴り・難聴などが症状としてあらわれるのです。内外のリンパ液を隔てている膜は、短時間で閉鎖されますが、また破裂するといった状態を繰り返します。
また平衡感覚の異常を伝える前庭神経が自律神経にも影響を及ぼして吐き気や嘔吐などの自律神経症状を併発する場合があります。

内リンパ水腫を起こす原因はいまだ詳しく解明されていませんが、過労や睡眠不足などの肉体的ストレスあるいは、人間関係や仕事などでの精神的ストレスが発症の原因となることが多いとされています。よって、メニエール病の発作は、過労や睡眠不足からくるストレスが多い時、季節の変わり目あるいは、天気の変動による激しい気圧の変化などの時に多いです。
※
内リンパ水腫が発見されずにメニエール病の徴候であるめまい・耳鳴り・難聴がそろった場合は「メニエール病」とは診断されず、「メニエール症候群」といわれます。

 

メニエール病の治療症例

 

症例1

 

20代男性

 

耳鳴りとめまいがするため病院へ行ったらメニエール病と診断された。

そのまま病院の帰りに当院へ予約し、翌日に来院した。

普段ストレスはあまり感じないが、自律神経測定器で測定してみた結果ストレス度が高く、本人の自覚がない所でストレスが蓄積していた様子。

また、普段ウエートトレーニングを行っており、汗を大量にかくことがあるが喉が渇かない為水分補給が不足していたとのが原因と考えた。水分不足になると、体内に水分を溜め込もうとしてリンパ液が内耳から排出されなくなる。

 

当院の治療

まずは体質改善を目的とした自律神経調節治療を行った。

次に、耳周りのツボに刺鍼して電気を流す事によって、内耳の血液循環を促進し、溜まったリンパ液の排出を目的とした施術を行い、それと同時に首肩へのアプローチもした。

 

◇1回目◇

めまい、耳鳴り共に改善。

 

◇2回目◇

1週間後に2回目の来院。

ほぼ症状は出ていない。

 

◇3回目◇

状態を確認するため2週間空けて来院。

この時はすでに正常化。

 

◇4回目◇

最近少し耳鳴りがするという事で、半年後に来院された。

 

◇5回目◇

今は症状は落ち着いて、安定している。

 

 

症例2

70代 女性

当院にご来院される1年前くらいから歩くとフワフワとしためまいを感じるようになった。脳神経外科にて脳のMRIをとってが、異常なしと診断をうけた。

めまい症状の他にも身体の疲労が溜まってくると右耳がエレベーターや山の上に行った時のようなつまったような感覚。自分の呼吸音も聞こえて気になる。

あらためて耳鼻科を受診したところ、耳管開放症・メニエール病と診断を受けてお薬を処方してもらって服用。しかし、服用しても一向に症状が軽快されないために当院にご通院されたことのある方の紹介を受けて鍼灸治療を試してみたいとのことでご来院されました。

耳症状の他にも腰部脊柱管狭窄症で右足の痺れや痛み・むくみも併発。歩行時に足裏とくに親指裏あたりの感覚が鈍く一枚何か挟まったいるような感覚。

 

当院の治療

自律神経測定器にて自律神経の状態を測定。自律神経のバランスを整える全身的な調整施術と右の耳周りの特効穴を中心に施術を行っていきました。それと並行して腰回りの筋緊張の緩和や坐骨神経に沿ったツボも使用していきました。

 

 

経過

◇1回目◇

施術後特に変化なく、めまいや耳症状まだまだつらい。特に夜になると症状が強くなる感覚。

◇2回目◇

2回目施術後の1週間はめまい症状が日中は消えていた。夜になると少し出てくる。耳症状は特に変わりなし。腰がいくらか軽くなったように感じる

◇3回目◇

3回目終わってから1週間めまい症状が出なくなった。耳の詰まったような症状も出にくくなってきた。足裏の感覚異常は相変わらず

◇4回目◇

今まで週に一回だった治療ペースを2週に1度にして治療間隔を延ばしていった。めまい・耳症状は出ていない。1年間かなり悩まされていた症状だったので症状がほぼなくなったことで大変うれしいとのことだった。

5回目以降治療間隔を少しずつ伸ばしつつ経過観察。少しずつ腰部脊柱管狭窄症への比重を増やしてアプローチ

 

症例3
60代 男性

3ヶ月ほど前からめまいや耳鳴りの症状がでるようになった。症状がでる前は仕事が忙しく精神的な負担を強く感じていた。めまいは回転するような感じがありふらつくことがある。ひどいと、頭痛や吐き気がある。耳鳴りは常に鳴っているが、ひどいときには他の音が聞こえなくなる。

耳鼻科でメニエールと診断され、循環を改善する薬を服用している。

首肩こりは慢性的にあり、特に首は痛みを感じている。

施術

自律神経測定器の結果、交感神経が過剰に優位で、精神的なストレスが高い状態であった。副交感神経の働きを高め、全身的な血流改善を目的に自律神経調整の施術を行った。また、内耳のリンパ液の排出を目的に症状のある右耳の周囲に鍼通電とお灸を行った。首肩にも鍼通電を行い筋緊張を緩めていった。

一週間に一回のペースでご来院。

一回目
鍼灸を受け慣れていたため、初回から首肩と耳に鍼通電を行った。施術後、来院時にあったふらつきがなくなり、首の痛みが改善された。

二回目

前回の次の日は調子が良く、耳鳴り、めまいの症状はほとんどなかった。

三回目
前回以来、めまいはなかった。

四〜六回目
耳鳴りの音が小さくなった。めまいが少しでる時がある。

七回目
耳鳴りの症状はなくなった。めまいが1日に1回はある。

現在もさらに症状改善のためご来院中。

執筆者

清水大地

眼精疲労専門の鍼灸師

資格
はり師
きゅう師

2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む

2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立

2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院

2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院

2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院

こころが原因で起きる難聴・耳鳴りの鍼治療

日曜日, 10月 13th, 2024

心因性難聴・耳鳴りの特徴

 

心因性難聴は、内耳や脳など検査では異常が見られないのにも関わらずに耳の聞こえが悪かったり、耳鳴りが起きてしまいます。

一般的に心因性難聴は、思春期の子供に多いといわれていますが、働き盛りの30~50代の男性や子育てや仕事で忙しい20~40代の女性にも多くみられることがあります。

耳もデリケートな器官であり、血流やリンパの流れが悪くなってしまう事で上手く機能が果たせません。ストレスなどで自律神経が乱されることで全身的な血液循環が悪くなってしまい、弱っている耳の機能に異常をきたしてしまうことが考えられます。

心因性難聴・耳鳴りに対する鍼灸治療

 

心因性難聴の鍼灸治療では、他の難聴とは違い全身的な自律神経のバランス調整や東洋医学でいう五臓六腑の『心』『腎』の調節がメインになります。もちろん耳周りのツボにも施術していきますが、比重が全身調整の部分が大きくなります。

心因性難聴・耳鳴りに対する鍼治療

初診時に自律神経測定器で自律神経の状態を測定してそれを踏まえた上で治療を行っていきます。

自律神経測定器

上向きでお腹手足のツボ・頭頂部の百会というツボを用いて自律神経の調整、耳周りの循環改善を目的に耳周りの施術を行います。

自律神経調整鍼灸

うつ伏せ治療では、背部兪穴といって五臓六腑の重要なツボに鍼灸治療を行っていきます。また、頸部の筋緊張は耳周りの循環を悪化させる危険性があるため頸部の筋緊張緩和もうつ伏せ治療時に行います。

難聴は、発症して時間が経ってしまいますと症状が固定化してしまうことが多いため発症したら早期に治療を開始することをおすすめします。

一般的には発症して2週間が一番症状が改善しやすいと言われています。それ以降でも治っていく可能性はありますが、治療が遅くなればなるほど治るまでの時間を要することが多いです。

心因性難聴・耳鳴りの鍼

心因性難聴・耳鳴りの東洋医学

 

東洋医学では、耳の疾患は五臓六腑の『腎』と深い関わりがあると言われています。特に多いのが腎の機能が弱くなってしまう『腎虚』という病態です。

腎虚の状態では、耳の異常に加えて腰痛や思考力の低下、排尿異常も出る場合があります。

その他、心因性難聴で関わりが深くなってきますのが五臓六腑の『心』です。東洋医学の心は、心臓の働きの他に意識や精神活動などの部分の働きも含まれています。ストレスなどの過度な負荷が掛かってしまいますと影響が顕著に出てしまうのが心です。

また、東洋医学では心火の状態と腎陰虚の状態が同時に診られることが多くありその病態を『心腎不交』と言います。心腎不交の病態では耳の不調と共に不眠・自律神経失調・更年期障害がよく現れます。

心因性以外の難聴

心因性以外で難聴を引き起こす場合特に気を付けないといけないのが、聴神経腫瘍や脳血管障害で難聴が起きている場合です。脳血管障害の場合、難聴の他にふらつきやめまいなどが同時にあらわれます。

その他、メニエール病・ムンプス難聴なども難聴を引き起こします。

難聴や耳鳴りが突然起きた場合、原因解明のため一度病院で診察を受けることをお勧めします。

・メニエール病の鍼灸治療について

難聴・耳鳴りに対する西洋医学の治療

突発的に起きた難聴の場合、ステロイドの点滴や耳鳴りの場合血管拡張剤や筋弛緩薬が処方されることが多いです。

鍼灸治療はそれらの治療と並行して行っていくことが可能です。

 

心因性難聴・耳鳴りを予防するには

 

心身性難聴・耳鳴りでは、過度なストレスや睡眠不足などの生活習慣の乱れが大きな要因となります。それらを出来るだけ排除していくことがとても重要です。

ストレスへの耐性や生活習慣など一人一人違いますので、これを行えば確実に防ぐことが出来るというものではありません。しかし、睡眠・運動・食事は生活の基盤であり、それらを正しく行っていけばいくらか症状を軽減させたり防ぐことは可能です。

 

睡眠

しっかりと睡眠時間を確保することや寝る前にスマートフォンやパソコン作業は行わずに深い睡眠をとれるような準備をしましょう。

 

食事

栄養バランスのとれた食事を大体毎日決まった時間に摂るようにしましょう。

 

運動

ウォーキングやストレッチなどの有酸素運動は、身体をリラックスさせて全身の循環をよくします。特に朝日を浴びながらのウォーキングは体内時計も調整してセロトニンも体内に排出させますので自律神経の状態を整えるのにとても有効です。

 

 

症例

60代 女性

半年前から耳鳴りがする。

それ以前にもたまに耳鳴りはあったが、気になる程ではなかった。ここ半年でかなり頻度が上がり今も鳴っている。特に左が酷く、右耳は左耳程ではないが、気になる時がたまにあるくらい。左耳は強弱があり、一日中耳鳴りがする。

病院に行っても異常は無く、本人の中では、症状が出始めた時に身内の不幸が重なり忙しさとストレスがかかったのではと思っているとのこと。

耳鳴りが強くなる前兆で肩にコリや疲れを感じる日は耳鳴りが酷くなる。

治療頻度は週に1回

 

当院の治療

治療の前に自律神経測定を行ったところ肉体的、精神的ストレスが共に標準以上の数値が出ておりました。また、疲労度も高く交感神経が高まっている状態が長期に渡って慢性的なものになっていると感じました。首肩の筋肉も緊張で筋肉が硬くなっていたので、筋肉の緊張緩和の為の血流改善治療、耳の周りの局所治療、そしてメインのストレスを軽減させ、リラックス効果を高めるための自律神経調節治療を行いました。

 

治療経過

◇1回目◇

肩回りがかなり軽さを感じる、耳鳴りの変化は感じない。

◇2回目◇

前回の治療でだるさが強くでたので、刺激を軽くして施術。

◇3回目◇

耳鳴りが少し改善されてきた。肩も動かしやすくなり生活が楽になった。

◇4~8回目◇

回数を重ねるにつれ耳鳴りが順調に小さくなっていった。

◇9回目◇

耳だけではなく、身体も軽くなった。

ほぼ耳鳴りを感じなくなり、次回からは治療間隔を月に1、2回程度にしてメンテナンス目的で通院中。

 

執筆者

清水大地

眼精疲労専門の鍼灸師

 

 

資格

はり師
きゅう師

2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院

腱板炎 肩の痛みの鍼灸治療

木曜日, 10月 3rd, 2024

①腱板炎に対する当院の鍼灸治療

当院の腱板炎に対する施術は、第一に炎症を抑える目的で肩周りにはりやお灸を施します。また、痛みの強い場合は、当院独自の電気ハリ療法を用いて鎮痛効果を促します。
炎症がおさまった段階で、少しずつ血行を良くし、老廃物を取り除くことや筋肉や腱に栄養が行き渡るように促して早期回復を目指します。
腱板炎は五臓六腑の「肝」と「腎」と「脾」に深く関係しているので肝と腎と脾に関するツボを用いて肝血や腎気を補うことや脾の作用不足を正常に戻すように促します。また患部が冷えていて発症した場合はお灸の刺激により温めることも行います。

東洋医学の特徴の一つである全身を診て施術をすることで人間の本来持っている自然治癒力を取り戻します。
また肩の柔軟性が失われている場合が多いので、無理のない範囲でストレッチなどを行い肩関節への負担軽減を目指します。

腱板炎に対する鍼灸治療

 

②腱板炎の東洋医学的考え

中医学では腱板炎は体の外から邪気を受けるため発症するものと中医学でいう「肝」と「腎」と「脾」が何らかの原因で損傷して働きが弱まって発症するものと考えられています。そういった原因で肩背部付近もしくは上肢の気血が滞り、それが痛みや痺れの原因となると考えられています。

またスポーツでの肩に負担のかかる動作繰り返しや長い間腕を上げながら作業していた時などに気血は滞り、それが肩背部付近であった場合に腱板炎を発症する可能性が高くなります。
また中医学でも冷えは、様々な症状をもたらすとわれており、腱板炎の場合でも肩を冷やしてしまった場合に発症確率が高くなると考えられています。

③腱板炎の鍼灸治療症例

50代 女性
1か月ほど前にヨガで右腕を動かした際に急に右肩に痛みを感じた。その日は、夜も痛みが続いて次の日に病院を受診したところ腱板炎と診断された。湿布薬と痛み止めの飲み薬を処方されたが、あまり効果が見られずにマッサージ店に行って右首肩周りをほぐしてもらったところさらに痛みが悪化してしまい当院にご来院された。仕事中は、気を張っているせいか痛みが軽減されて可動域も狭くない。
当院来院時は仕事終わりで痛みが強く出ていた。

 

治療経過
触診したところ、左右の首肩や肩甲骨周りの筋肉が緊張状態で右肩には多少熱感がありました。右肩には痛みを抑えるように鍼通電療法を行い、その他筋肉が緊張している場所には鍼を刺して心地よい温度程のお灸で筋肉を弛緩させていきまました。最初の5回程の治療は3~4日おきに治療。その後は治療間隔を延ばしていきました。
◇1回目◇
治療した日の夜はあまり痛みを感じなくてよく眠ることが出来たとのこと。

◇2回目◇
まだ日常生活でのドアノブを回すなどふとした時に痛みを感じる。

◇3~5回目◇
痛みは徐々に消失。しかし、腕を後ろにまわす動作で痛みが誘発。その部分は可動域も狭い

◇6回目◇
少しずつ可動域を広げるように家でもできるストレッチ法を行ってもらった。右肩の炎症はだいぶ治まってきたと判断して右肩も温熱灸療法を施していきました。

◇7~9回目◇
痛み・可動域制限ともに日常生活で感じる事がなくなったので治療を終了しました。

 

症例2

40代 女性

趣味でダンスを習っており、2週間前から右肩の痛みが気になりはじめ、ここ数日で急に痛みが増してきた。念のため整形外科に受診し、断裂はなく腱板炎と診断された。

腕は肩関節を外転させると三角筋中部に激痛が走り、高いところから物を取る動作や、持ち上げる動作ができない。

ダンスでは腕を大きく振り回す動作が多く、以前から大きく負荷がかかっていた。肩こりも慢性的にある。

日常生活に支障をきたし、好きなダンスに早く復帰したいと思い当院を受診した。

 

当院の施術

施術を始める前に、肩関節の可動域や筋肉の緊張度、痛みの状態を確認していきました。

横向きの状態で、肩の痛みを抑えるために患部に直接刺鍼し、他の肩関節の可動で負荷のかかっている筋肉にに対しても刺鍼を行い、これらに電気を流す低周波鍼通電療法を行いました。

また、炎症を抑えるために痛みが出ている部分にお灸し、炎症を抑える施術、自然治癒力を上げるために自律神経の調節を促す施術も同時に行っていきました。

施術間隔は、痛みが強く出ている間は週に2回~3回、痛みが軽快してきたら週に1回ペースで通院してもらいました。

 

経過

◇1回目◇

まだ変わらず激痛が走る。

腕を上げられない。

◇2回目◇

まだ痛みが強く出るが、少し軽くなったような気がする。

◇3回目◇

痛みは変わらない。

◇4回目◇

痛みの変化はなく、筋緊張がまだ取れていないため、電気の強さを少し上げてみたら、痛みが軽くなってきた。

◇5回目◇

前回から痛みが和らいできて、腕が前より挙がるようになってきた。

◇6回目~8回目◇

まだ痛みが出るが、以前よりも軽くなっている。

◇9回目~11回目◇

痛みが気にならなくなってきたので、ダンスを再開したらまた少し痛みが気になるようになった。

◇12回目~14回目◇

痛みが徐々にひいてきて、物を上に持ち上げる動作もできるようになってきた。

◇15回目~17回目◇

痛みがほとんど気にならなくなり、ダンスも問題なく再開できるようになった。

 

④腱板炎とは?

腱板炎とは、腱板という肩関節を安定させ動かすために重要な役割をもつ筋肉が炎症を起こす疾患です。
腱板とは、肩甲下筋・棘上筋・棘下筋・小円筋の4つの小さな筋肉のことをいいます。それぞれの筋肉は、上腕骨頭に付着しており肩関節がはずれないように上腕骨を固定しています。これらの筋肉の上腕骨頭に付着する部分の腱がそれぞれ境目のわからないように板状に付着しているため「腱板」と呼ばれています。

肩関節は身体の関節の中でも最も可動性のある関節です。関節の動ける範囲が広いために関節にある程度の弛みが必要であるため脱臼が多く、周囲の筋肉への負担が重い関節の一つです。肩関節周囲に数多くの筋肉があり、肩関節の可動性はこれらの筋肉がバランスよく連動する事でスムーズかつ複雑な動きを可能にしています。なかでも関節の深部にある腱板は、肩甲骨と上腕骨頭を覆うような形で関節を安定させる重要な役割をしています。

 

腱板炎

 

腱板炎は、徐々に発症する腕を上げた時の疼痛・ひっかかり感・筋力低下やこわばりおよび夜間痛などが主な症状です。特に腕を肩の高さより上で使用した時の運動痛が特徴であり、肩を使うほど症状が悪化します。症状が悪化すると、握手のため腕を前へ動かす動作だけでも痛みを伴う場合もあります。
簡単な検査法として腕を水平に挙げて前方に動かしたり内側に捻ったりすると痛みが出ます(インピンジメント徴候)。腕を挙げて、下ろしてくるときに痛みが出ます(ペインフル・アーク・サイン)。又、腕を外側へ挙げてゆくと、水平の位置で止めておくことが出来ず腕が落ちてしまう(ドロップアームサイン)などが見られます。

 

急性期の症状
痛みが出始める急性期は、痛みのため可動域の制限が出ることが多いです。しかし、痛みがどこであるかはっきりとはわからずに肩全体が痛みます。肩に熱感や腫れが見られることもあります。

慢性期の症状
急性期の症状が悪化してしまい、慢性的な痛みとなると肩前面の奥の方が痛むというように急性期とは違い痛む位置がはっきりとわかってきます。押すと痛みが出ますが、熱感や腫れはみられません。

 

腱板
棘上筋
腕を外側に挙げる運動に重要な役割を果たす筋肉。肩甲骨の上部から出て上腕骨大結節につきます。この筋肉の障害は、腕を高い位置で長時間作業している方に多く、痛みにより眠れない方もいます。

棘下筋
腕を外側に捻る働きをする強力な筋肉。肩甲骨の表下部から出て上腕骨大結節につきます。この筋肉が障害されると、髪を結む動作や痛みの内方の耳を頭の後ろ側から触るような動作で痛みが出ます。

肩甲下筋
肩甲骨の裏から起こり上腕骨に付く筋肉。腕を内側に捻る働きをする筋肉です。また肩甲骨を安定させるための重要な筋肉であるため肩関節の障害の多くは肩甲下筋が関与していると考えられています。

小円筋
腕を外側に捻る働きをする筋肉。肩甲骨の外側から出て上腕骨に付きます。上腕が運動するときに上腕骨頭を関節内で安定させる補助的な役割もあります。

 

※腱板断裂の場合
腱板炎が進行したり、腱板の部分断裂が進行してしまうと腱板が完全断裂してしまう場合があります。そうなってしまうと病院で手術治療を受ける必要があるので注意が必要です。
棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋のうち最も損傷を受けやすい部位は、棘上筋腱で肩峰の下にある肩峰下腔と呼ばれる空間を通過しなければいけないために肩峰下腔が狭くなればなるほど腱板が骨に挟まれて擦れてしまうことで炎症や部分断裂を引き起こします。

炎症が起きるとその部位は腫れあがってしまいさらに骨に擦れやすくなってしまう悪循環に陥ってしまうのです。

この悪循環が繰り返されることによって腱板の筋としての強度は低下してしまい、そこに強い衝撃が加わってしまうと完全断裂が起きてしまう危険性があるのです。腱板断裂は、野球など肩部を多く使うスポーツ選手や交通事故等による強い衝撃を受けた場合に多く見られますが、その他にも高齢者にもみられる場合があります。

高齢となればなるほど傷の修復能力は低下します。それと同じように腱板が少しでも損傷してしまうと治癒能力が低下してしまっているため、炎症が進行して腫れ上がることでさらに損傷部位が広がりやがて完全断裂へと悪化します。
腱板が断裂してしまっている場合腕を身体前面から上に挙げるような動作ができなく日常生活でも著しく支障をきたします。

 

 

⑤腱板炎の原因

腱板炎はすべての年代に起こりうる疾患で、若い年代では野球投球動作や水泳の自由形・背泳ぎなどといった肩を酷使するスポーツに多く、過度な方の動きや腕を高く上げる動作を繰り返し行うことにより腱板は靭帯や骨と摩擦が生じたり、動作時に強く引き伸ばされるため微細な損傷を受けやすくなります。(野球肩について)

痛みがあっても我慢して動作を続ければ、腱が断裂してしまうことがあります。またスポーツをしない人でも年を重ねるごとに肩周辺は筋力低下して肩関節のさまざまな動きにより腱板は圧迫・摩擦・牽引されやすく、転倒した際に手をつく動作で損傷を受けます。そういったはっきりとした外傷から腱板炎を発症する場合も多いですが、特別な外傷もなく発症する場合も多いです。
腱板の中では、棘上筋の腱がちょうど骨と骨との間にあって最も障害されやすく、最終的には腱の断裂に至ります。

 

また、夜間に突然痛みが生じる肩関節の原因としまして石灰沈着性腱板炎というものがあります。石灰沈着性腱板炎は主に40~50代の女性に多く見受けられ、痛みで睡眠中に起きてしまったり日常生活でも痛みが強く肩を動かすことができずに支障をきたします。
石灰沈着性腱板円は腱板内にリン酸カルシウム結晶が沈着してしまい急性の炎症が生じて強い痛みと可動域制限が起きます。

沈着したばかりの石灰は、粘り気は少ない状態ですが時間が経つにつれてどんどんと固まってさらにそれが集まり膨らんだ状態へと変化して肩の痛みが増していきます。
石灰沈着性腱板炎では整形外科で激痛を早く取り除くため腱板内に注射をして石灰を吸引する方法がとられます。
しかし、それでもなかなか症状が改善されないで症状が6か月以上も続く場合もあります。

 

 

執筆者

清水大地

眼精疲労専門の鍼灸師

資格
はり師
きゅう師

2008年
鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年
おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年
中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年
渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年
三軒茶屋α鍼灸院を開院

首コリの鍼灸治療

水曜日, 10月 2nd, 2024

首コリに対する鍼灸治療

首コリに対する当院の治療は、第一に首回りの筋緊張の緩和を目的に鍼灸施術中心に行っていきます。また、首周りのコリがある方の多くは肩甲骨まわり等も筋緊張が見られる方が多くそれらの筋肉もほぐしていきます。

また、自律神経のバランスを整える自律神経調整施術も行っていきます。

首コリの自律神経調整治療

 

上述したように首コリにも自律神経の乱れが関係してくる場合が多く、場合によっては最初の問診時等に自律神経測定器で現在の自律神経の状態を測定していく場合もございます。

首やその周囲に対する局所的な施術にプラスして全身的な自律神経のバランスを整える施術を行うことで根本的な治療を行っていきます。その他、東洋医学的観点から五臓六腑のどの臓腑が弱っているかを診断して五臓六腑の働きを正常に戻すツボも用いて施術を行っていきます。

また、マッサージやストレッチなどの手技療法も行っていき、鍼灸施術との相互効果を狙っていきます。

首コリの鍼通電治療

 

首コリを予防する生活習慣

運動やストレッチを行う
日々の運動習慣特に有酸素運動(ウォーキングや軽いジョギング)を取り入れると全身への血流が良くなり、コリの解消に繋がります。また、自律神経も整える効果があります。その他、デスクワーク中はこまめに休憩を入れて首を回したり、ゆっくりといろいろな方向に首を倒すことでストレッチを行いましょう。

 

軽く自分でマッサージする
マッサージは、強くやりすぎてしまうと筋肉を傷めつけて傷んだ筋肉を再生しようとして筋線維が硬くなってしまう危険性があります。自身での強めのまっさじは厳禁です。軽く押す程度、さするだけでも血流が促されて首コリの解消・予防に繋がります。

パソコン作業の増加やスマートフォン操作などで、首コリで悩まされている方が増えています。

パソコン作業やスマートフォン操作をするときには、首は前傾します。頭の重さは、体重比率で約10%ほどにもなると言われ、首が長時間前傾してしまうことで頸部の筋肉などの組織に負荷をかけてしまうのです。その状態が続いてしまうと首コリばかりでなく、頸部の生理的湾曲が失われてしまうストレートネックという疾患にかかってしまう危険性もあるのです。

ストレートネックは、首コリばかりでなく、頭痛や吐き気、上肢の痺れなどにも繋がることもあります。

頸部は自律神経を調節する自立神経節や脳や目などに栄養を送る重要な動脈が走っていたり、上肢へ巡らす血管や神経も通っています。よって首コリはそれらにも影響を与えてしまう危険性もあるのです。

・自律神経失調症の鍼灸治療について
・頭痛に対する鍼灸治療について

 

寝違え

首コリの原因

長時間のデスクワーク

長時間のデスクワークは首コリの最大の原因となります。パソコン作業時の姿勢は気を付けていても首コリが起こりやすい姿勢となりがちです。少しの時間でもいいのでこまめに休憩をはさんで首を動かしたりストレッチを行う必要があります。

 

 

運動不足による筋肉の硬さや血行不良

運動習慣が日常的にない方は、首コリにかかりやすいとされています。筋肉は動かしたりストレッチすることで柔軟性が保たれます。逆にその柔軟性を失ってしまいますと頸部の場合、頭部の重さの負担が筋肉の柔軟性がないために過度にかかってしまうために筋肉のコリとなって現れていしまいます。

 

 

自律神経の乱れ
自律神経特に交感神経の活動が活発な状態が長時間続いてしまいますと、筋肉は科緊張状態、さらに血管は収縮された状態が続いてしまうことでコリの原因となってしまいます。

自律神経には、交感神経と副交感神経とがあり、日中は活動的な神経である交感神経の活動のほうが副交感神経の活動よりも優位になります。逆に夕方から夜にかけては副交感神経の活動が交感神経の活動よりも優位なります。

しかし、現代では仕事が夜遅かったり、夜に活動的になる機会が多く、夕方から夜にかけても副交感神経の活動が高まらずに一日を通して交感神経の活動が高くなりがちです。

すると、身体はしっかり休むことができずに筋肉にも悪影響をもたらしコリの原因となってきます。

また、頸部には自律神経を調節する自律神経節が多く張り巡らされており頸部のコリはさらなる自律神経の乱れを起こしてしまう悪循環に陥ってしまう危険性もあるのです。

そこで当院では、首コリ症状に対しましても自律神経の状態を整える事がとても重要だと考えて施術してまいります。

 

 

寒さによる筋緊張
夏では、冷房の風が頸部にあたっていたり、冬マフラーをしないで外出して首が寒さにさらされてしまうと筋が緊張して首コリの原因となってしまう危険性があります。

寒さで一時的に首回りの筋肉が緊張してしまっても運動やストレッチ等でほぐせればよいのですが、それを放っておいてしまいますと頑固な首コリに悪化しかねません。

首コリの中に隠された疾患

首コリ症状で慢性的に悩まされている方の中には、その中に隠されている疾患がある可能性もあります。

・頚椎椎間板ヘルニア

頸椎と頸椎との間にあるクッションの役割のある椎間板が圧迫されて飛び出してしまうことでその間から出ている神経を刺激して痛みが生じます。特に首を後ろに曲げると首周囲に痛みや腕や手のほうに痛みやしびれ感が走ります。

頚椎椎間板ヘルニアは、様々な原因が考えられますが首コリが原因となって起こってしまう場合があります。首コリが起きているということは首回りの筋肉が過緊張状態ということです。すると、筋肉にある本来の柔軟性が損なわれてその周りの関節や靭帯に負担がかかってしまうことで首に関しましては頚椎椎間板ヘルニアにかかってしまうことがあるのです。

・変形性頚椎症

変形性頚椎症は、加齢によって頸椎と頸椎との間にあるクッションの役割のある椎間板が硬くなってしまうことで神経を圧迫して首コリや痛み、腕の痺れなどもあらわれます。

・むちうち

むち打ち症とは、よく車の衝突事故時にみられる疾患です。頸部が不意に衝撃を受けてしまう事で関節に捻挫が起こってしまうことで首への痛みや筋肉の凝りが起こってしまいます。頸部は非常に繊細な部分でその部分が孫作用されてしまうことで倦怠感や頭痛、吐き気等の全身症状も後遺症として残ってしまう危険性もあります。

・更年期障害

女性は、閉経前後でホルモンバランスの急激な変化によって心身に様々な不調が起こりやすくなってしまいます。特に自律神経の乱れが見られることで全身の凝りや疲労感、のぼせや急な火照り、イライラ感などがみられることがあります。更年期障害の症状の1つとして首コリも挙げられます。

・高血圧

高血圧は特に自覚のない場合が多いですが、まれに首肩コリなどの全身症状が高血圧によってあらわれることがあります。

・眼精疲労
目の周りの筋肉は頭部を経由して首の方まで連動しています。眼精疲労によって眼輪筋など目の周りの筋緊張が起きてしまうと首の筋肉の緊張状態にもつながってしまうことで首コリの原因となります。逆に首コリも頸部の下の目へ栄養素を送る重要な血管を圧迫して栄養ある血液が目へ行き届きにくくなってしまいます。そのような状態となってしまいますと悪循環で改善させるのにも時間がかかってしまいます。

眼精疲労の鍼灸治療について

 

首コリ症例①

20代 女性

 

現在学生で、10代のころは首肩コリに無縁だったが、最近パソコンでの論文作成で首コリがひどく感じるようになった。

とくに右側の付け根から肩にかけてがつらく、左を向こうとすると動きにくく少し痛みも感じる。

首コリがひどくなると締め付けられるような頭痛がして、不眠になる。

今まで我慢してきたが、日常生活に支障が出てきたので、当院に来院した。

 

 

当院の施術

 

まず自律神経測定器で、自律神経のバランスを見てたところ、交感神経が強く働きすぎていることがわかりました。また、運動不足のせいか血管年齢も少し老化していました。

まず仰向けで自律神経の調節治療を行い、それに加えて頭に刺鍼をし電気を流して頭の筋肉を緩めていきました。

次に、うつ伏せで首肩や肩甲骨周りの硬結に刺鍼し、頭と同様に電気を流して刺激を入れました。最後に首の動きを確認したところ、まだ硬さは残っているがスムーズに動けるようになりました。

 

 

1回目

硬さはまだ残っているが、引っかかりが取れて動きが良くなった。

 

2回目

まだコリは硬いが、前回終了後よく眠れた。

 

3回目

筋肉が緩んできた感じがする。以前より首のつらさが少ない。

 

4回目

首がスムーズに動かせるようになった。

 

5回目

ほとんど気にならない

 

現在もメンテナンスのため定期的に通院中

 

首コリ症例②

30代女性

仕事が忙しくパソコンを長時間使用していると首が痛く感じるようになった。

動作時痛はなく、常に重く痛い。

はじめは寝たらもとに戻っていたが、ここ2ヶ月は寝てもよくならない。

頭痛は1週間に2回ほど。夕方をすぎるとギューと締め付けられるような頭痛やこめかみが痛くなる。鎮痛薬はのんでいない。自分で軽くマッサージをすると楽になる。

あと1ヶ月は忙しい状態が続くため、はやめにコリをとりたい。

 

当院の治療

触診したところ、特に後頭部のコリが強く、そこから肩や肩甲骨にかけても硬さがでてきていた。睡眠時間も短く身体が全体的に緊張状態にあったため、全身の治療も併せて行う。

まずは仰向けで自律神経を整え、副交感神経を高める施術を行った。腕の硬さも強いため、お灸施した。

次にうつ伏せで首や背中、腰の反応点を中心に施術を行った。

最後は首の一番つらい場所に手技をして施術は終了。

 

1回目

施術後は首がまわしやすくなり、頭が軽くなった。

目も開きやすい。

 

2回目

前回後3日程は調子よかったがもとにもどってしまった。

刺激量をすこし増やして前回同様の施術を行った。

すこし重だるさが残った。

 

3〜6回目

翌日体全体がすっきりした。

1週間に1回ペースで続けるうちに首の筋肉がやわらかくなった。

 

7回目

首のこりはよくなった。

今後は3週間に1回のペースでメンテナンスを行う。

 

 

症例 3

30代 女性

10代の頃から慢性的な首コリはあったが、ここ最近コリを強く感じるようになってきた。

きっかけはリモートワークに切り替えた事から始まり、徐々に悪化しているような気がする。ひどい時は後頭部から側頭部にかけて締め付けられるような鈍痛が走り、数日は治まらなくなる。

会社に出社していた頃よりリモートワークに切り替わってから、パソコンに向かっている時間がどうしても長くなってしまい、通勤がない分外に出て歩くことが著しく減少したため、同じ体制で動かない時間が長くなっている。もちろん、運動不足の自覚あり。

頭部を前と外側に傾けると首のコリが強く引っ掛かりを感じ曲げずらい。

じっとしていても重だるさが辛いため、少しでも改善を願い来院した。

当院の施術

まず、全身の血流促進や自然治癒力を高めるために仰向けで自律神経調節の目的とした施術を行いました。

次に、うつ伏せになり首肩のコリやトリガーポイントに刺鍼し、、電気を流す低周波鍼通電療法で筋緊張を緩める施術を行いました。

施術間隔は最初の1,2か月は週に1~2回。

症状の改善に合わせ間隔を少しずつ空けていきました。

 

経過

1回目

施術当日は軽くなったが、翌日には戻ってしまった。

2回目

首が回りやすくなったが、仕事をしていると首の凝り感やだるさが気になる。とくに夕方から夜にかけてがひどい。

3回目

前回より首が軽くなった。つらさもあまり気にならなくなってきた。

4回目

夕方以降は多少つらくなるが、あまり気にならない程度まで改善。

 

執筆者

清水大地

眼精疲労専門の鍼灸師

資格
はり師
きゅう師

2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む

2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立

2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院

2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院

2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院

慢性腰痛の鍼灸治療

土曜日, 9月 28th, 2024

変形性腰椎症 慢性的な腰痛ならお任せください

腰痛の鍼灸治療はWHO(世界保健機構)に適応疾患として定義されています。

WHOの適応疾患について←

①変形性腰椎症に対する当院の治療

当院の変形性腰椎症に対する治療の目的は、第一に腰部のツボや痛みの強い部位に鍼をさして必要な場合は微電流も流します。電気の刺激が苦手な方はお申し付けください。無理な施術は致しません。
はりやお灸を施すことで血流改善や筋の過緊張を和らげます。また鍼を刺すことにより痛みを感じる閾値を上げて痛みを感じにくくする作用を促します。

変形性腰痛症の鍼灸治療

慢性的な痛みは自律神経特に交感神経を過亢進させている場合が多いので、当院では心地よい刺激を心掛けております。はりやお灸などを使った心地よい刺激は、交感神経の亢進を抑えてリラックス神経である副交感神経優位の状態に持っていきます。

 

もちろん腰ばかりではなくお体全体を診させていただくことは、東洋医学の基本です。当院では、自律神経測定器を用いてお体の状態を十分に把握した上で施術に入らせて頂いております。そうすることで他にはない治療効果を得られます。

 

変形性腰椎症の鍼通電治療

※腰痛の鍼灸治療の論文

鍼灸治療を受ける方で一番多い疾患が、腰痛症状だと言われています。その中で腰痛に対する鍼灸治療の臨床研究は世界各国で数多く行われてきました。

中国やアメリカはもちろんのことドイツなどヨーロッパでも積極的に行われているようです。

腰痛に対する鍼灸治療では、鍼治療や鍼通電治療を行うことでほとんどの研究でその有意差が示されています。

また近年ドイツで「医師と健康保険計画の連邦政府合同委員会」によって鍼治療の効果を検証する大規模の臨床研究が行われました。慢性腰痛患者1162人に対して鍼治療群と偽鍼治療群、薬物療法・理学療法・運動療法などの西洋医学群をランダム分けて6か月間治療を行った結果が報告されています。

結果は鍼治療群47.5%、偽鍼群44.2%、西洋医学群は27.4%に効果があったというものでした。

ここで注目していただきたいのが従来の西洋医学群ではその効果が不十分であるという結果が出たことです。この結果ドイツでは日本と違って鍼治療で異常保険が適用されているとのことです。

https://ci.nii.ac.jp/naid/10031188653

②変形性腰椎症の東洋医学的考え

東洋医学では腰痛は体の外から邪気を受けるため発症するものと「腎気」が何らかの原因で損傷して発症するものと考えられています。「風寒の邪気」を受けた時や湿度の高い場所にいた時、長い間体力仕事をした時などに腰部の経絡の気血が滞り、流れなくなって痛みを発症します。また「腰は腎の腑」とも呼ばれており、何らかの原因で腎気が損傷を受けると腰部の経絡は温度を保つ作用や栄養を行き渡らせる作用を失い、腰痛を発症します。

変形性腰椎症の腰痛は、比較的経過が長いなど「湿邪」の症候も著名です。「湿邪」による病理反応は、発汗障害・水分代謝障害・循環障害などが関連すると考えられており、中医学でいう肺・脾・腎の機能が深く関係しています。

③変形性腰椎症とは?

変形性腰椎症とは、腰部椎間板の老化によって椎体周囲の骨増殖と変形、椎間の間が狭くなって生じたものであり、そのために神経が圧迫され疼痛や運動制限、姿勢不良をきたす疾患です。

脊柱の機能に最も重要な役割を果たしている椎間板は、上下の椎体を連結することによって脊椎の支持性と運動性を担っており、重荷や衝撃の吸収・緩衝という重要な機能も併せ持っています。よって椎間板は一生を通じて負担がかかる部分です。例えば、椎間板内圧でみると、立位を100%とした場合に上体の屈曲で150%、屈曲位での物の挙上で220%以上にもなります。

変形性腰椎症の最も代表的な症状は慢性腰痛です。起床時に動き出す時や座っていた状態から立ち上がる時など動作の開始時に痛みが強く現れ、動いているうちに軽くなるのが特徴的です。また腰痛があることによって結果的に腰椎の可動域制限が起こります。加齢とともに腰椎の可動域は狭くなるのは当然のことで変形性腰椎症の場合は、さらに痛みが加わることによりさらに可動域が狭くなります。

腰痛以外に症状もみられますが、その多くはどの部分に変性が起こっているかによって異なります。下肢の痺れや痛みなどの神経症状が出た場合は、原因によっては椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症なども疑われます。

また腰椎は正常では軽く前方に曲がっていますが、変形により後ろにまがって後弯したり、横に曲がって側弯などが起こります。しかし、人によってそれら変形があっても症状が出ない場合があり、その場合は問題ではありません。
変形性腰椎症は性別には関係がなく、早ければ30歳代から発症して年齢が高くなるにつれて発症しやすくなります。発症率は50歳代でピークとなります。

 

※多く見られる慢性腰痛の種類

・椎間板変性症
加齢や繰り返す外傷などにより、椎骨の髄核が水分が失われて髄核の弾力性が損なわれて、圧力の分散が出来なくなってしまい圧一定の箇所に圧がかかってしまってその部分から神経の痛みの原因となってしまいます。椎間板ヘルニアの慢性化したものも椎間板変性症に含まれます。
・骨粗鬆症
骨粗鬆症で骨がもろくなってしまうことで腰椎の微小な骨折が起こってしまって慢性腰痛につながります。症状が進行してしまうと腰部の圧迫骨折を越してしまい、腰が伸び切らない状態へと脊椎が変形してしまいます。圧迫骨折は、筋力の低下した高齢者に多く見られさらに男性よりも女性に多く見られる症状です。また瘦せ型・喫煙習慣も骨粗鬆症になるリスクをあげるともいわれています。その他がんの転移・膠原病腎疾患などのステロイド使用者にも圧迫骨折を起こしやすいと言われていますので注意が必要です。
・腰椎分離すべり症
分離相は子供のころスポーツとの関連がわかっています。腰椎が分離してすべってずれてしまう事で慢性腰痛を引き起こす危険性があります。

④慢性腰痛を引き起こしやすい生活習慣

慢性腰痛との関連性が認められている生活習慣として喫煙と同じ姿勢を長時間継続するが挙げられます。

喫煙者は、タバコを吸わない人に比べてストレスへの耐性が低いと言われています。痛みに対しても敏感に反応するため、通常痛みをして感じることのない刺激を痛みとして感じてしまうのです。痛みを感じると運動量は減ってしまい、腰部の筋のコリや痛みにつながりやすくなります。

同じ姿勢で長時間継続してしまい腰痛を引き起こしている人の特徴として、デスクワークが主な仕事・タクシー運転手・トラックの運転手・硬すぎるマットレスで寝ている・柔らかすぎるマットレスに寝ているなどが挙げられます。長時間座りっぱなしの人は腰に負担をかけやすいです。

特にデスクワーカーに多い姿勢は、骨盤が後ろに傾いてしまい腰椎が後ろに湾曲していることが多いです。この姿勢は、立っている状態よりも座っている状態の方が、腰部への負担が大きくかかります。さらに座っている状態では股関節にも負担がかかり、股関節は常に曲がった状態であるため、股関節を曲げる筋群は常に筋緊張が起きている状態です。特にインナーマッスルとして知られている腸腰筋が過緊張状態で硬くなることが多くなります。

そして、股関節を伸ばす役割のある臀部の大殿筋など伸筋群は、使われていない状態が長く続くことで筋力低下を引き起こしてしまうのです。その他体の姿勢を保つ役割のある背部の筋肉・脊柱起立筋は常に緊張状態にあるため容易に筋疲労を起こしてしまいます。座った状態を長時間続けてしまうとこれらの弊害が生じてしまうため、座った状態を長時間続けずに1時間に5~10分程は立ち上がり、臀部の筋肉や股関節周囲の筋肉のストレッチを行うようにしましょう。

また、睡眠時のマットレスも重要です。硬すぎるマットレスでは荷重面が少なるために特定部分に圧が集中しやすく、身体にかかる圧を分散できないために腰部の筋肉は緊張しやすい状態となっています。逆に柔らかすぎるマットレスでも腰椎の生理的湾曲が崩れてしまうために腰に負担をかけます。脊椎の生理的湾曲が適度に保持できるマットレスを選びましょう。

腰痛は生活習慣が深く影響を与えており、現代では肥満などの身体的特徴が腰痛に影響を与えていないと言われています。一つずつ生活習慣を変えていきことで腰痛予防・再発を防ぎましょう。

⑤腰痛に対する新常識

腰痛とくにぎっくり腰のような激しい痛みに襲われるとできるだけ安静にして腰に負担をかけないように日常生活を過ごした方がいい、コルセットを常に巻いて腰に負担をかけないようにしたほうがいいなどと以前は言われていました。

しかし、腰痛に対する研究が進んで今では少しずつその考えが変わってきています。
まず重要なのは腰痛は腰ばかりに痛みの原因があるとは限らないということです。腰痛で整形外科を受診したことがある方なら経験があるかもしれませんが、レントゲンなどで検査を受けても少し骨が変形しているだけで特に異常が見られないということが意外にも多いです。しかし、身体は腰が痛いという反応を示しています。

最近の研究では、腰痛の原因の多くは腰痛への恐怖感や不安などのストレスから脳が痛みを感じているということがわかってきています。近年、整形外科学会が発表した腰痛治療のガイドラインでも腰痛の関連のある因子として

・日常生活でのストレス
・日常生活での作業姿勢
・運動不足
・喫煙習慣
・痛みに対する不安感

が挙げられています。
ストレスや痛みに対する不安感が痛みを誘発していると考えづらいかもしれませんが、腰痛を改善していくためには痛くても動かせる範囲で積極的に体を動かすことで、ストレスの軽減や痛みに対する不安感や恐怖感を克服することはとても重要なのです。海外の研究では腰痛があっても安静を避けて仕事や日常生活を続けるようにすることでぎっくり腰の再発の低下や保険請求の減額という結果が出ています。
ぎっくり腰の初期などどうしても動くことができない時期もありますが、少し落ち着いたら積極的に動くことで脳に腰痛があっても動けるという意識付けを行わせて不安感や恐怖感を取り除いていくことが重要なのです。

 

慢性腰痛の鍼灸治療症例

 

症例1

40代 女性

腰痛歴は20年。ヘアスタイリストの仕事をしているため、普段から中腰の姿勢が多い。

そのため腰に負担がかかり、常に腰が重だるい。

特に、前屈の姿勢で左腰から臀部にかけて痛みが走る。

 

当院の治療

腰から臀部、太ももの裏側にかけてまで筋緊張が強い。

筋肉の緊張を取るために、腰部、臀部、大腿後面に刺鍼をし、腰や臀部の鍼に電極を繋いで電気刺激療法を行った。

また、腰以外にも首肩のコリも少し感じるという事だったので、首肩の硬結にも刺鍼を行った。

 

◇1回目◇

少しだけ軽くなったような気がする。

だが、まだ痛みがある。

◇2回目◇

終わった直後は軽快するが、またすぐに戻る。

◇3回目◇

重だるさが消えてきた。

◇4回目◇

前屈時の痛みがさらに軽減。

◇5回目◇

痛みがほとんど感じない。

 

症例2

50代 男性

4,5年前から長年の腰痛に悩まされている。とくに座位や起床時に立ち上がる時に重い痛みが生じる。

それ以外も重だるい状態が慢性的に続いており、少しでも改善したいと思い来院した。

仕事はデスクワークで、長い時だと1日8時間以上は座りっぱなしになってしまう。

ひどくなると腰だけではなく背中の方まで痛みや張り感が強く感じる。

運動は週に1回ジムでトレーニングをしている。

 

当院の施術

お身体の状態を確認すると、背中から腰部にかけて強い筋緊張が見られました。

特に腰の下部から仙骨の上部にかけて凝り固まってしまい、持続的な姿勢などで大きな負荷がかかっているように感じられました。

臀部の筋緊張は腰部に比べてまだ強くはありませんでしたが、仙腸関節付近の筋緊張は部分的に強くなっていました。

また、精神的なストレスも慢性的にあり、ストレスにより交感神経が優位になり、より筋収縮を起こしていると考え、まずは仰向けで自律神経の調節を目的とした施術を行っていきました。

次にうつぶせになり、患部である腰部を中心に背中や臀部を含めた筋肉の緊張を緩める施術を行いました。とくに痛みが出ている筋緊張が強い部分には鍼に電極をつなぎ電気の刺激を加える低周波鍼通電療法を行いました。

 

経過

◇1回目◇

施術直後は楽になったが、また次の日になったら戻ってしまった。

◇2回目◇

腰の痛みがいつもより気にならなかったため、仕事に集中することができた。

◇3回目◇

就寝時に腰の痛みによる中途覚醒は少なくなってきた。

◇4回目◇

長時間のフライトでまた張り感や痛みが出てきてしまった。

施術したら楽になった。

◇5回目◇

以前の比べて長時間座っていても痛みが出にくくなっている。

 

現在も定期的に通院中

 

症例 3

40代 男性
半年ほど前から左の腰臀部の痛みと、左太もも裏からふくらはぎまでの放散痛と違和感があった。かがむ動作で痛みが増す。

仕事はデスクワークで座っている時間が長い。

施術

太もも裏からふくらはぎへの放散痛は、腰臀部の筋緊張により坐骨神経が圧迫され痛みが出ていると考えられたため、腰臀部の筋緊張緩和と鎮痛を目的に鍼通電療法を用いました。さらに、太もも裏やふくらはぎの筋緊張もみられたため、鍼とお灸で筋肉を弛緩させ血流を改善するような施術を行いました。

また、全身的な筋緊張緩和と血流改善のため自律神経調整施術もしていきました。

一回目
腰臀部の痛みが少し和らいだ。

二回目
足への放散痛も軽減。

三~五回目
痛みは3割ぐらいまで減った。

六回目
痛みも放散痛もなくなった。

以降メンテナンスでご来院中。

執筆者

清水大地

眼精疲労専門の鍼灸師

資格
はり師
きゅう師

2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好医院にて多くの臨床経験を積む

2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立

2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院

2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院

2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院

眼瞼下垂の鍼灸治療

金曜日, 9月 27th, 2024

①眼瞼下垂に対する鍼灸治療

 

眼瞼下垂の鍼灸治療ポイント

 

当院の眼瞼下垂に対する施術は、第一に目の周辺のツボにハリやお灸を施すことにより鍼目周囲の血行状態をよくします。また眼瞼下垂は五臓六腑の肝に深く関係しているので肝に関する経穴を用いて肝血を補うことや肝気の巡りをよくします。先天性眼瞼下垂の場合は腎に関する経穴に鍼をさして腎気を補います。

 

眼瞼下垂の方は、全身の倦怠感や不安感・頭痛・肩こりを感じている方が少なくありません。当院では、東洋医学の診断法に基づき、それらを解消するように全身を施術致します。

首肩の鍼灸治療

また、眼瞼下垂は自律神経系の活動とも関連が深いため、当院では自律神経測定器を用いて自律神経の状態を知った上で施術にあたります。それは、上記でもありますが、瞼をあげる筋肉には、動眼神経支配の筋肉と自律神経支配の神経があるからです。この自律神経支配であるミュラー筋は眼瞼を上げる上眼瞼挙筋の補助的な役割がありますが、自律神経が著しく乱れているうつ病や自律神経失調症と診断を受けている方でも瞼が下がっているという方が多くいらっしゃいます。

うつ病や自律神経失調症などの方でも自律神経を徐々に整えていくことで瞼の下がりが改善されたり、視界が明るくなったといわれる方がいらっしゃいます。眼瞼下垂の方でも自律神経を測定して今の状態を正確に把握して、目ばかりでなく体の状態を整えることで他にはない施術効果が期待できるのです。

 

その他、眼瞼下垂の方には、夕方以降になるとまぶたの垂れ下がりが気になるという方が多くいらっしゃいます。その方々は、パソコン作業などの細かい作業に従事されている方が多く、常に目の周りの筋肉が緊張状態にあり、目の周囲の筋肉の疲労から眼瞼下垂が起きています。

そのような方の場合は、仕事終わりなど目の周囲の疲労が溜まっている状態の時に施術を受けて頂くことがベストです。疲労が溜まっている状態で受けて頂くと鍼灸治療の効果がより実感でき、疲労が明日に持ち越されないことで症状の持続的な緩和がされやすくなります。

 

眼瞼下垂の鍼灸治療

 

 

②眼瞼下垂についての東洋医学的考え

 

中医学では五臓六腑の肝は目に開竅するといわれており、眼の疾患は肝の機能の障害が深く影響していると考えられています。肝血が不足してしまうと視覚の異常や運動系の異常などがみられます。
そのほか肝は運動神経系の調節に関係があると考えられています。眼瞼下垂は、眼瞼挙筋の瞼の開閉のコントロール異常と考えられるので、そのことからも眼瞼下垂は肝に深く関係していることがわかります。
また、肝は精神情緒の安定、自律神経系を介した機能調節もおこなっており、それらの機能低下は眼瞼下垂を引き起こすとも考えられます。先天性眼瞼下垂は五臓六腑の腎と深く関係しています。

 

③眼瞼下垂の鍼灸治療症例

 

50代 女性

当院にご来院される一年ほど前から周囲の人からいつも眠たそうな目をしているということでまぶたの重みを意識し始めた。長時間パソコンやスマホをすると、特に顕著に感じるようになり病院を受診した。検査の結果、はっきりとした原因はわからなかった。医者からは手術を勧められたが、手術による副作用もあることからご本人としては、手術せずに治したいとのことで当院のご来院されました。

 

当院の治療

眼瞼下垂は、日々の生活の中に原因のある場合も多く、時間をかけて問診させていただく必要があります。この方の場合、下垂が朝はまだ比較的良いが、夕方にしたがってひどくなるとのことでした。パソコンの仕事に加えて、スマホ―トフォンもよく見ることから眼の酷使も考えられました。また、メークをとる時にまぶたを強くこすってしまうこともあるとのことで、軽く拭く程度にしていただきました。

次に自律神経測定器で自律神経の状態を把握した上で治療に移りました。午前11時ごろに計測したのにもかかわらず副交感神経の活動が高い状態で自律神経の乱れがありました。夜はなかなか寝付けられないこともあり、夜に交感神経の活動が高くなっている可能性もありました。

治療方針としまして

①全身の調整治療で自律神経を整える

②首肩の筋緊張を緩和させる

③目の周りの鍼灸施術により、疲労の緩和・血流改善

この3点を重点的に行いました。

治療経過

◇1回目◇
眼の感覚はあまり変化がみられなかったが、夜ぐっすり眠ることができた。

◇2回目◇
治療後、眼の疲れを感じにくくなった。

◇3回目◇
前回治療後、3日経つとまた目の疲れを感じた。

◇4~6回目◇
以前は夕方4時ごろになるとまぶたの重みを顕著に感じていたが、今は夜になると少し感じる程度になってきた

◇7~9回目◇
眼の疲れを感じにくくなり、眼の重たさもあまり感じにくくなった。仕事が忙しくなると夜に感じる時もある。

◇10回目◇
周囲の人から眠たそうに見えると言われなくなった。目を酷使しないように心がけているとほぼまぶたの重み・目の開けづらさを感じない

 

症例2

40代女性

当院にご来院二か月ほど前から目の重たさを感じるようになった。資格試験のため長時間勉強していて目が疲れてくると特に感じる。症状がひどくなると、目の周りや奥に痛みを感じるようになり頭痛や肩こりの症状も頻繁に出るようになってしまうとのこと。

市販の目の疲れに効くとされていた目薬を点眼したがあまり効果が感じられずに当院を受診された。

当院の治療
まだ一度も病院を受診されていないということで、念のためにかかりつけの病院で検査などをしていただきました。目の重たさや目の奥の痛み・頭痛は、脳の病気など重い病気の可能性もあるのでそれらを発見できないのが一番怖いことです。この患者さんの場合は特にそういった原因が検査をしても見つからなかったため、当院での治療を開始しました。

問診・自律神経測定器で測定したうえで上記の症例①の方と同じ治療方針で治療していきました。

◇1回目◇
治療後、目の周りがすっきりした感じ・目の前が明るくなった感じがした。

◇2回目◇
目の奥の痛み・頭痛が軽減して日常的に気になることが少なくなった。

◇3回目◇
目の重たさが消えて体も軽くなった感じがする

 

集中的に3日おきに治療を行い症状がだいぶ軽減したとのことで生活上の注意を気を付けていただき、治療を終了しました。その後、体と目のメンテナンスのため一か月に一回ほど通院されています。

 

症例3

20代 女性

約5年ほど前に二重瞼にする埋没法手術をした後から目が開けにくく、まぶたが重く感じることが出てきた。同時に首肩こりも感じるようになりひどい時は頭痛も出て、日常生活でも辛さを感じるようになった。子供の頃から視力もあまりよくなく、視力0.4程で乱視もあると眼科医から指摘されていた。脳の検査など様々な検査をしたがまぶたの重たさの原因はわからなかった。

最近仕事でもパソコンを使うようになり、さらに目の開けづらさやまぶたの重さを感じるようになってきた。筋肉をほぐしてもらおうとマッサージをうけたが、症状はあまり変わらなかったとのことで当院にご来院された。

当院の治療
触診してみると頸部の生理的な湾曲が少なく、ストレートネックになっていたので、まず頸部周辺の筋肉を緩めていきました。また肩こりもひどいということでお灸などを行い、肩部の疲労も取っていきました。うつ伏せでの施術の次は仰向けでお腹・手足のツボを用いて全体の調整施術と目の周りを中心に治療していきました。目にも程よい熱さのお灸をして血流改善をはかります。

◇1回目◇
治療後、少し全身の気怠さが出たとのことだが、その気怠さが取れたら目もすっきりして以前よりも目を開けやすくなった

◇2回目◇
一週間程は目の調子が良かったがそれ以降は以前ほどではないが目の症状が気になるようになった。特に2回目の施術の時は右目が気になるとのこと

◇3回目◇
仕事が忙しく、パソコンを長時間行っていたため首肩がつらい。治療後軽快。今回は右目は特に気にならない

◇4回目◇
まぶたの重たさやか開けづらさは日常の生活であまり目を酷使しなければ、感じないようになってきた

◇5回目◇
まぶたの重たさや開けづらさは、多少仕事で無理をしても感じないようになった。少し目や身体が疲れてきたなと感じたら、早めに休憩を入れるよう心掛けているとのこと。

症例4

40代 男性

経過

以前からお酒を飲みすぎた次の日などにまぶたのむくみや重たさを感じることがあったがその日のうちに消えていた。

最近、まぶたのむくみや重たさが残るようになってきて特に夕方から夜にかけてはパソコンやスマホをよく使うせいかまぶたの重たさが強く出て目を開けづらく感じる。

状態がひどいときは、なんとなく視界が暗く感じて物もタブって見えることがある。

眼科や神経内科を受診して診てもらったが特に原因は特定されたなかった。

眼科で眼精疲労とドライアイということで目薬を処方してもらい点眼しているがほとんど効果を感じられず他に手立てはないかと当院に来院されました。

施術

新型コロナの影響で最近はほとんど家でデスクワークをしていて仕事中の姿勢も悪く、首の筋緊張が強く出ていました。

最近、そういった環境の変化からストレスも多く感じており、家でお酒を飲む頻度と量も増えてから目の状態も悪くなっていったとのこと。

首と目の周りの鍼灸施術を中心に背部兪穴や腹部の経穴なども用いて自律神経の状態も診ていきました。

日常生活でも以前は通勤などで歩いたり、階段の上り下りをすることが多かったが最近はそういったこともなくなってい待ったということで朝と晩に30分ずつウォーキングする時間を作っていただき実行していただきました。

食事も緑黄色野菜をボール一杯を1日に食べていただくようにしていただき、お酒を飲む前に必ず野菜を食べいただくことで飲酒量も自然と減少しました。

経過

1回目の施術後の朝は顔やまぶたがスッキリしてむくみが軽減。まぶたの重たさも久しぶりに感じなかった感覚。しかし、まだ効果はもって半日程度。

2回目以降は症状の波はあるものの段々とまぶたの重たさを感じる時間が減っていき、治療開始3週間ほどは週に2回ほどの治療間隔で鍼灸施術を受けていただいていたが、4周目以降は段々と治療間隔を延ばしていきました。

2ヶ月ほどでトータルの施術が終わり、まぶたの重たさやむくみは軽減。仕事で目ばかり使っているとどうしても夕方以降多少重たさや疲れを感じるが以前よりもかなり楽な状態になったとのこと。

症例 5

20代 女性
2年半ほど前から、まぶたの重さ、おでこのコリ、首肩のコリが気になるようになった。仕事で過度なメイクを行うため、目が疲れやすい。コンタクトレンズ使用。だるさやイライラすることがよくある。

施術

首や肩の筋緊張は頭皮、おでこの筋緊張に影響するため、首肩に鍼通電を行い、筋緊張の緩和を行っていきました。また、おでこと目の周囲にも鍼通電を行い、血流改善と筋緊張の緩和をはかりました。ストレスを感じやすいため、自律神経調整の施術も行いました。施術間隔は、週に1回。

一回目
全体的な症状は少し緩和した。

二回目
まぶたの重たさや、おでこのコリ、首肩のコリがだいぶ良くなってきた。

三回目
前回から少し間が空いたため、また以前と同じようなつらさが戻った。

四回目
まぶたは重さを感じるが、おでこや首肩のコリは楽になった。

五回目
まぶたの下垂はだいぶ良くなった。おでこや、首肩のコリは気にならない。

④眼瞼下垂とは

 

眼瞼下垂とは正面視にて上まぶたが病的に下垂して瞳孔領域まで覆う病態を総称します。眼瞼下垂は、先天性または後天性理由により上眼瞼の機能障害が生じてまぶたが開きにくくなる疾患のひとつです。重度の下垂となると上眼瞼縁が瞳孔中心線より下になって視野がかなり狭くなります。

眼瞼下垂になりますと視界が制限されてしまうため無理に視野を確保しようとします。眉毛を挙上してまぶたを開こうとするため、あるいは下顎を挙上するために頭痛や肩こりを併発することがあります。眼瞼挙筋の収縮で目の開閉がコントロールされています。筋肉の動きが弱かったり、ほとんど機能していない状態の多くは先天性眼瞼下垂と呼ばれています。また眼瞼挙筋にはミュラー筋と呼ばれる小さな筋肉が付随しており、上眼瞼挙筋は随意神経である動眼神経支配でミュラー筋は自律神経である交感神経が支配しています。交感神経が緊張することでミュラー筋が縮んで、まぶたを持ち上げる動作の補助をします。(動眼神経麻痺について)

眼瞼下垂になると、それまで以上にミュラー筋を収縮させてしまうために、交感神経が常に興奮してしまうことがあります。そのために動悸がしたり、体を支える起立筋が過緊張するため首筋や肩の筋肉が凝ります。
また不安感や疲労感を感じやすくなるなど眼瞼下垂になると自律神経失調症状が現れることもあります。

 

眼瞼下垂の鍼灸治療

 

 

※眼瞼下垂が自律神経を乱す原因に

前述した通り、まぶたを上げる働きを補助するミュラー筋は交感神経の活動で動いています。年を重ねるとどうしても筋力が低下しますが目の筋肉も例外ではありません。加齢による筋力低下はミュラー筋を過度に緊張させる原因になり、交感神経の過緊張状態を作り出してしまうのです。

すると、高齢者の抑うつ感・不眠・肩こりなどの不定愁訴に繋がります。また、まぶたを上げる筋肉が低下することでおでこにある前頭筋やあごをあげることでそれをカバーしようとするため前頭筋や頸部の筋は物を見るために常に緊張状態となってしまいます。

すると、筋緊張性の頭痛や首の痛みに繋がってしまい、その痛みがさらに自律神経を乱して悪循環に陥ってしまう危険性もあります。その悪循環に陥ってしまうと、治療を開始して治っていく過程も長くなっていってしまいます。早期に治療を開始することが重要なのです。

☑最近まぶたの重みを感じる
☑昔の写真などと見比べても鏡に映った自分の瞼が下がっているように感じる
☑最近、常にまぶたが落ちて眠たそうと言われる
☑おでこに常にしわが寄っていて老けたと言われるようになってしまった。
☑夕方ごろとなると視界が狭くなり、物が見えづらくなった。

 

 

⑤眼瞼下垂についての種類

 

眼瞼下垂生まれた時から筋肉や神経に何らかの障害を伴った先天性眼瞼下垂と筋肉や皮膚の弛緩によって生じる後天性眼瞼下垂と偽眼瞼下垂に分けることができます。

 

ⅰ)先天性眼瞼下垂

生後一年以内に上眼瞼が垂れ下がった状態が先天性眼瞼下垂です。眼瞼挙筋の形成不全などで起こります。
片眼性のことが多く、遺伝的な問題も指摘されています。眼瞼下垂の約8割は先天性眼瞼下垂で眼瞼挙筋の局部の筋原性発生障害に起因します。先天性眼瞼下垂に合併する斜視は約15%程度と高頻度に発生します。
先天性眼瞼下垂の場合は完全な視野障害を生じることは少ないですが、数日から数週にわたる視野障害がある場合は弱視に至ることがあります。

 

 

ⅱ)後天性眼瞼下垂

後天性眼瞼下垂は筋力がないということでなくて加齢による筋力の低下や皮膚の弛緩などでおこります。最近では目を酷使するパソコンの長時間使用などの行為やアトピーなどのアレルギー疾患によってまぶたを擦ったり、過剰なメイクにより目を擦る行為によって著しく皮膚が弛緩してしまいます。
そうすることにより瞼板と挙筋腱膜とがはずれてしまうことによって開瞼状態が悪くなります。しかし体には視野が妨げられると自然に眉を持ち上げたり、顎軽く上げたりしてそれを補おうとする作用が働くため判断が難しくなります。
片側の眼瞼下垂の場合は比較的簡単に判断できますが、両側性の場合で形成的な異常が伴わない場合は判断が困難な場合もあります。

また頭部外傷などで腫瘍ができて動眼神経麻痺が起こることで眼瞼下垂が起こることもあります。

今眼瞼下垂で悩まれている方に多い原因としてコンタクトレンズの着用が挙げられます。コンタクトレンズ特にハードレンズを長時間使っている方に多いのですが、ハードレンズを使っていると眼瞼が上に上がっているとレンズの位置もずれてきてしまいます。またレンズが外れそうになるのを防ぐために眼瞼は下がり気味に自然となってくるのです。さらに、コンタクトレンズの度重なる刺激がまぶたの裏側に炎症を起こしてしまう危険性もあります。この炎症が上眼瞼挙筋に波及してしまうと上眼瞼挙筋は正常に機能するのは難しくなってしまい、眼瞼下垂となってしまうのです。
その他、毎日のコンタクトレンズの着用・取り外し動作によっても眼瞼下垂になってしまうとも言われています。コンタクトレンズの着用・取り外しの際にどうしてもまぶたを上に引っ張り上げます。その動作により上眼瞼挙筋の炎症や微細な断裂が起きる危険性があるのです。
ハードレンズばかりでなく、ソフトレンズの場合でも着用・取り外し動作により眼瞼下垂となってしまったり、目に合わないコンタクトレンズを着用していると瞼裏や上眼瞼挙筋に炎症が起きる危険性もあるので注意が必要です。眼瞼下垂が気になり始めたら眼科医と相談の上、コンタクトレンズの着用を控えた方がいいかと思います。

 

 

ⅲ)偽眼瞼下垂

顔面神経麻痺などによって前頭筋が麻痺すると眉毛が下がって上眼瞼が下垂してみえることがあります。また高齢者の眼瞼はしばしば皮膚弛緩および筋肉や結合組織の脆弱化のために特に弛んだ上眼瞼が重力で垂れ下がるため視野障害、眼瞼下垂、や眼瞼炎を引き起こしやすくなります。

 

眼瞼下垂を悪化させないために

眼瞼下垂が進行して悪化した状態となってしまいますと回復するのに時間がかかったりまたは手術でしか改善しなくなってしまうこともあります。

瞼の垂れ下がりを感じ始めたらすぐにまぶたに刺激を与えない・目を酷使しないなどの生活習慣の見直しが重要です。

 

まぶたへの強い刺激は避ける

眼瞼下垂の原因で最も多いのが、日常的にまぶたに強い刺激を与えてしまってまぶたを上げるのを支える腱膜が伸びてしまうタイプです。
花粉症などで目がかゆい場合に目を強くこすらない、コンタクトレンズを装着する場合強く引っ張らないなどが特に重要です。
その他、女性ではアイメイクを落とす際に強く拭かない・つけまつげを付ける際にも強く引っ張らないなど化粧時には十分に注意する必要があります。

 

目を酷使しない

パソコンやスマートフォンなどの画面を長時間集中的に診る行為は目の筋肉にとても負担となります。まぶたを上げる筋肉にもそれは例外ではなく、疲労がどんどんと蓄積されていってしまいます。
こまめに目を休める休憩を取って目を数分閉じたり遠くのものにピントを合わせるようにしましょう。

 

十分な睡眠

まぶたを上げる筋肉であるミュラー筋は、自律神経支配の筋肉であり、特に睡眠時間が少ない場合機能不全を起こします。すると上眼瞼挙筋に大きな負担となり、眼瞼下垂を加速させます。

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