胆石症の鍼灸治療

胆石症は人により痛みの強さはそれぞれで、軽度なものだと重苦しい痛み、強いものだと七転八倒するような激しい苦痛の場合もあります。重度なものだと鍼灸の効果が出にくい場合があり、手術が必要になります。また、場合によっては重篤な病気に繋がることもあります。自己判断ではなくまずは病院で主治医の指示に従って下さい。

胆石症とは

 

胆石症は胆道に胆汁に含まれる成分が結晶化し固まることでできる結石の総称です。

胆道の場所によって名称が変わり、胆嚢結石、胆管結石、肝内結石、に分類されます。

欧米では全人口の10%〜20%を占めており、日本でも食事の欧米化や高齢化社会により胆石症が増加しており今では欧米と比較して同様の数になっています。

 

胆石症の原因

 

胆汁にはコレステロール、ビリルビン、胆汁酸、レシチンなどが含まれており。胆汁が濃縮過程でこれらの成分のバランスが崩れることによって胆石が発生すると言われています。

胆汁成分のバランスが崩れる原因は、①肥満、②加齢、③過食、⓸不規則な食生活、⑤ストレスが上げられます。

また、胆石症の6割がコレステロール石と言われており、脂肪分の多い食べ物を好んで摂取している人は発症のリスクが高くなります。

胆汁はアルコールによって濃度が濃くなります。そのためアルコールの過剰摂取の方も注意が必要です。

それだけではなく女性ホルモンも関係しています。女性ホルモンはコレステロールが原料の一つであり、加齢により女性ホルモンの分泌が低下すると、それを補おうと血中コレステロールが増加し胆石が作られやすくなります。そのため中年以降の女性も発症することがあります。

 

胆石症の症状

 

胆石症の主な症状は胆道痛です。痛みが出る場所は、右肋骨の下、みずおち、右の背中、右肩で、食後に表れやすいことが特徴です。

腰やへその上あたりに合わせて痛みが出ることもあります。

痛みは常にあるわけではなく、痛みが続いた後数十分〜数時間の間落ち着きます。

夜間や食後、特に脂質が多い食事をした後は痛みが出現することが多いです。

 

また、白目の部分や皮膚が黄色くなる黄疸、茶色や黒色の尿が出るビリルビン尿があります。

一部分の人は胆嚢や胆管に炎症が起こり高熱、さらに細菌感染が加わると敗血症に発展することがあります。

胆石症の2~3割の人は、無症状胆石(サイレントストーン)といった症状がほとんどみられない場合もあります。

 

※吐き気や嘔吐、38度以上の高熱の症状もある場合は、胆嚢炎の可能性があります。

胆石が胆管に詰まったり、胆嚢の炎症が悪化し胆嚢が腫れると胆管が圧迫され肝機能障害や黄疸が出ることもあり、胆石症を放置していると場合によっては急性膵臓炎、胆嚢がんのリスクに繋がることもあります。

 

胆石症の東洋医学的な考え

 

胆石症は東洋医学で「胆」と「肝」が大きく関係していると考えられています。「肝は謀慮(ぼうりょ)を主る」、「胆は決断主る」と精神的機能と大きく関わっています。

東洋医学の世界では昔から胆と肝は怒りを溜めこむ臓器と伝えれており、怒りや我慢が限界まで達しそれが続くとエネルギーが固まり石を作ってしまい、それが胆石症になります。

東洋医学ではストレスで疲れている肝と胆の働きや気の流れを調節する事で、胆石症の治療を行います。

  

 

胆石症の鍼灸治療

 

胆石症の鍼灸治療は石を取り除くことではなく、痛みを軽減させ日常生活への支障を最低限まで抑えることが目的になります。

鍼でツボを刺激すると脳内モルヒネが分泌し鎮痛作用が働きます。そのような鍼特有の作用で痛みを軽減していきます。

痛みが強い場合は痛みの閾値を上げるために鍼通電法を行います。

また、自律神経調節治療も同時に行い自然治癒力を高め、「肝」や「胆」の機能を調節する東洋医学観点による施術も同時に行います。

 

治療頻度は最初の1か月は週2回、2か月目以降は週1回が理想で、症状の緩和など状態に合わせて少しずつ間隔を開けていきます。

病院で行う主な胆石症の治療方法

 

無症状の場合は定期的な経過観察、痛みやその他の症状がある場合は手術が一般的です。

胆石症は胆石を取り除いても再発することがあるため胆嚢ごと摘出します。

他に内科的治療として胆石溶解剤による薬物治療、衝撃波で体外から石を砕く体外衝撃波胆石破砕療法などがあります。

 

胆石症の予防

 

卵、バター、魚卵、レバー、ドレッシング、マーガリン、洋菓子類など脂質やコレステロールが多いものは控え、栄養バランスが良い食生活を送りましょう。特に豆類やブロッコリー、人参、さつまいもといった水溶性のものやビタミン、食物繊維を意識的に摂りましょう。

 

また、規則正しい生活も重要です。

良く睡眠をとり、適度な運動を心がけましょう。

 

胆汁が出るタイミングが不規則になり、胆汁が溜まりやすくなると胆石ができます。

毎日決まった時間に食事をとる事で胆汁が規則正しく分泌されます。1日の3食をなるべく同じ時間にとるようにしましょう。

 


Posted by 中目黒の鍼灸院 東京α鍼灸院|眼精疲労 at 18:23 / 院長コラム コメント&トラックバック(0)

お問い合わせはこちらから
ここをタッチするとすぐにお電話が出来ます
メールでのお問い合わせはこちらから