鵞足炎の鍼灸治療

2019年1月17日

鵞足炎とは

膝の内側には。もも裏の筋肉(ハムストリング)や内転筋などの筋肉に繋がる腱が集中しており、膝を曲げたり回内する筋肉である縫工筋、薄筋、半腱様筋の腱が扇状に広がりながら脛骨に付着し、その部分が鳥の足のような形をしていることから鵞足(がそく)と呼ばれています。

鵞足炎はこの鵞足周囲の筋腱や鵞足包(鵞足と内側側副靭帯との間にある滑液包)がオーバーユース(使いすぎ)などにより慢性的な緊張にさらされることで膝の内側の骨と腱、または腱同士で摩擦が生じ炎症を起こす疾患です。

 

スポーツでは陸上競技やサッカー、水泳などに多くみられ、これは足を後ろにけり出す動作や、キックで蹴りだした足を減速させる時などに鵞足に過度に負荷かかりやすいためです。

 

鵞足炎の症状

 

膝を伸ばしたときの痛みや、鵞足部の圧痛や腫れ、膝下の内側(鵞足部)に運動後の痛みが生じます。重症になると激痛を伴い安静時にも痛みが出現し、日常生活に支障をきたします。特に階段の昇り降りで支障をきたすことが多いのが特徴です。

 

鵞足炎の原因

・過度なスポーツや運動

・運動前のウォーミングアップ、運動後のクールダウンの不足

・運動フォーム(ランニングフォーム、キックフォーム)の異常

・足に合っていない靴や安定しない足元での運動

・鵞足を構成する筋肉の柔軟性の低下

・外反膝(X脚)、回内足などのアライメント異常

・外傷

などが挙げられます。

 

鵞足炎になってしまったら

走行中や走行後に痛みがあるがスピードには影響しない程度の症状の軽い時には十分なストレッチ(鵞足を構成する筋肉である大腿の内側、後面、前面のストレッチ)と運動後のアイシングが有効です。

痛みの為に走る距離やスピードに支障が出る場合や歩行時でも痛い場合はランニングや練習を中止して安静にし、湿布や軟膏を用い炎症を抑える事が重要になります。ストレッチやアイシングも有効です。

 

 

 

西洋医学的治療

鵞足炎や鵞足滑液包炎は上記の症状の他、同部位を押さえることにより痛みが生じるため診断は比較的容易です。その他超音波検査によって膝の状態を明らかにすることも診断や治療方針の決定に役立ちます。

また、レントゲン撮影により鵞足炎以外の問題がないかの確認や症状が強い場合MRI撮影を行い疲労骨折の有無を確認する場合があります。

①消炎剤、鎮痛剤の内服

②湿布などの外用剤の併用、局所への痛み止め注射

③物理療法、運動療法

④テーピング、足底板の作成(シューズの内側を高くするなど)

 

鵞足炎の東洋医学的考え方

 

東洋医学では関節の痛み、しびれ、だるさなどの病態を「痺証」として捉えます。

「痺(ひ)」という文字は通じない、塞がるといった意味を持ち、生体の弱りに乗じて風、寒、湿、熱などの外邪の侵入などにより気血や水の巡りが障害されることで起こると考えられています。

 

鵞足炎に対する当院の鍼灸治療

 

鵞足を構成する筋である縫工筋、薄筋、半腱様筋に鍼やお灸で刺激を与え、筋肉の緊張を緩和し血液循環を促進することで炎症を抑える作用や、膝の内側との摩擦や筋肉の付着部の緊張を除くことで膝への負担を軽減し、症状の緩和を図ります。

鵞足炎の鍼灸治療

 

また、必要であれば痛みの強い部分に鍼に微弱な電気を流すことで痛みの閾値を上げ鎮痛効果を促します。鍼治療だけでも鎮痛効果がありますが、刺した鍼に電気を流すことで鎮痛効果の増大が期待できます。

東洋医学的観点からもアプローチをしていきます。鵞足炎の原因である筋肉の走行上には、膝の内側を通る経絡である腎経、肝経、脾経の経絡が通ります。その経絡の気血が滞ってしまうと痛みとして感じやすくなっていまいます。気血の流れを整える経穴にも鍼やお灸を施します。

鵞足炎は骨盤と膝の連動性も重要となるため、腰部、臀部、下肢のツボを用いて関節のバランスを整える治療も合わせて行います。

鵞足炎のうつ伏せ鍼灸治療

 

 

執筆者

清水大地

眼精疲労専門の鍼灸師

資格
はり師
きゅう師

2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む

2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立

2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院

2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院

2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院


Posted by 中目黒の鍼灸院 東京α鍼灸整骨院|眼精疲労 at 10:04 / 院長コラム コメント&トラックバック(0)

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