動悸の鍼灸治療

2018年10月27日

 

動悸の東洋医学

 

東洋医学では動悸を「心悸」(しんき)と呼び、外部からの刺激を受けたり、驚愕、激怒、恐れや情緒変動、疲労を覚えた際に発症しやすいとされています。心悸は主に心の臓の失調により起こります。心は血液の循環をコントロールする働きと脳の意識活動の機能を持ち合わせています。

つまり、動悸はこの血液の循環をコントロールする働きに問題があると発症すると考えられています。心の働きを維持するためには、気と血が大きく関係しており瘀血(おけつ)(血行不良)過度なストレスや疲労などで気血の流れが悪かったり、気血が失調することで血液の循環をコントロールする働きが弱くなってしまうと考えられています。

 

また、腎は心臓の働きを制御していると考えられており、過労や加齢により腎の働きが低下することで心臓の働きが制御できず、動悸が発生するとも考えられています。

 

動悸に対する当院での鍼灸治療

当院では、まず最初に自律神経測定器で血管の状態や自律神経のバランスを診させて頂き、治療を行っていきます。心拍や血圧を調整している自律神経のバランスを、鍼やお灸を用いて整えていきます。

動悸に対する自律神経調整治療

 

自律神経が整うことで免疫力やホルモンバランス、精神の安定、内臓の働きのバランスを整え、人の本来持つ自然治癒力を高める効果が期待できます。また、鍼や灸の持つ血管拡張作用や、筋肉の緊張を緩和することで全身の血流改善と、東洋医学の観点から心や腎のツボも取り入れ治療を行っていきます。

 

動悸に対する心腎への鍼灸治療

 

 

動悸の鍼灸治療症例

40代女性

二ヶ月ほど前から、日常的に脈が乱れたり早く大きく感じるような動悸を感じるようになり病院で検査をしたものの、特に循環器に異常はないとの診断を受けた。動悸以外にも以前から頭痛、胃腸の不調、緊張感、首肩こりなどの不定愁訴が頻繁に起こる。

半年ほど前から親の介護や仕事で多忙を極め肉体的にも精神的にも疲労を感じている。

 

 

当院での治療

自律神経側的の結果、交感神経が過亢進状態で副交感神経の働きが低下しており、精神的ストレス、疲労度が非常に高い状態でした。心拍の調整や血液循環、内臓機能などを司る自律神経のバランスを整える施術を軸に、年齢的にホルモンバランスの乱れの関与も考えられるため、ホルモンバランスの調整、東洋医学的観点から心経、腎経のツボも取り入れ、首肩や背部の筋の緊張を緩める治療も行いました。副交感神経の活性化を促すため鍼、灸共に刺激量は調整し全体的にリラックス出来るような施術を行いました。

 

一回目

まだ大きな変化はないが、前回施術後少し身体の緊張が緩和したような感覚があり、頭痛は最近起こっていない。

 

二回目

施術後二日間ほどは動悸感じなかったが、徐々に状態戻ってしまった。しかし不定愁訴は来院前よりも良いと感じる。

 

三回目

動悸の頻度は減ってきたが、夕方から夜にかけて疲労が溜まると動悸感じることがまだ頻繁にある。

 

四回目

最近は仕事が忙しかったためか、前回来院時よりは動悸感じることがあった。首肩こりが強かった日に久しぶりに頭痛が出た。

 

五回目

前回施術後から動悸の頻度少し減少している。

不定愁訴も最近はあまり感じていない。

 

六回目

身体の疲れが以前よりも楽になった。動悸も以前より頻度半減した。

動悸の持続時間も短くなっているように感じる。

 

七回目

最近は動悸ほとんど感じなくなってきている。不定愁訴は疲れた時は感じることもあるが以前ほどではない。

 

八回目

この一週間は動悸感じたのは一度だけだった。身体の調子も悪くない。

 

九回目

二週間動悸出現していない。疲れると肩がこったりたまに頭痛もたまにあるが、以前よりは体調が安定しているため一度様子を見る。また症状が出ることがあったら来院したいとのこと。

 

動悸とは

動悸とは突然ドキドキと心臓の動きが速くなる、ドクンと大きな拍動(はくどう/収縮運動)が起きるなど、自分の心臓の動きを感じることを指します。動悸は狭心症や心筋梗塞、大動脈瘤など心臓病の初期症状にあたる可能性があるとされています。

しかし、動悸は必ずしも疾患があって起こるものとは限りませんストレスや不安から起きる精神的なもの、睡眠不足や過労から生じるもの、女性の場合には貧血や更年期に起こるホルモンバランスの乱れから生じるものもあります。人には個人差があり、日常生活や生活環境が違うため感受性が異なります。

 

 

動悸の主な症状

・心臓の拍動が速くなる

・心臓の拍動を強く感じる

・突然、脈拍が激しく乱れる

 

動悸の原因

 

動悸は大きく分けて「一時的な動悸」と「断続的に続く動悸」の二つがあります。一時的な動悸は「緊張や、不安を感じて生理現象で起こる動悸」と「飲酒など本人がとった行動が原因となって誘発される動悸」があります。「断続的に続く動悸」は心臓の疾患や精神疾患、内分泌系などの病気の可能性が高くなります。

 

緊張したり飲酒をしたりして動悸の症状が出るのは、外部から受けた刺激で身体が興奮して交感神経が優位になるからといわれています。人間には緊張状態の時に働く交感神経と、リラックスしている時にはたらく副交感神経という二つの神経によって支配される「自律神経」があり、バランスが崩れると身体に不調をきたします。

交感神経が優位になると、強い外部刺激から身体を守るために、防御反応が出ます。心臓も自律神経の働きがつかさどっているためその反応の1つが一時的な動悸「洞頻脈」の症状として身体にあらわれるのです。

 

洞頻脈は心拍数が一分間に100回以上の頻脈で心臓の異常ではなく、他の原因によって引き起こされる頻脈の事をいいます。洞頻脈が生じやすい行為や状態は、不安、緊張、興奮、羞恥、発熱、飲酒、カフェインの摂取、喫煙、睡眠不足、運動不足などです。

また、女性は閉経前後の5年間、一般的に40代半ばから50代半ばほどの期間を更年期といいますが、更年期障害の症状の一つとして動悸が現れる事があり、これは女性ホルモンの減少に伴う自律神経の乱れが原因とされています。
・更年期障害の鍼灸治療について

 

また、過度なストレスやプレッシャーを受ける事でストレスホルモン「コルチゾール」が増加すると、同時に身体の運動機能が高まり、血圧が上がったり心拍数が増えたりした状態が続くと動悸が起こりやすくなります。ストレスにより動悸や震えの症状が顕著に現れる障害としてはパニック障害が有名ですが、パニック障害にはうつ病が併発している事が多いといわれています。

パニック障害の発作を繰り返す事によって、不安要素が大きくなってうつが発症するケースもあります。うつ病の初期症状として動悸が現れると激しい運動をしたわけでなくても突如発作が頻発し、さらに不安になってストレスが溜まってしまいます。

 

これは悪循環となり、どんどん気落ちしていく原因になります。

 

 

動悸が起こる病気

動悸の原因となる病気の種類は心臓の疾患や甲状腺の異常などがあります。

心臓弁膜症(しんぞうべんまくしょう)

心臓にある弁が故障してその開閉がスムーズにいかなくなり、血液の循環が悪くなってしまう病気です。初期では無症状ですが、次第に階段を上るなどすると動悸や息切れが起こり、進行すると少し体を動かすだけでも呼吸困難やチアノーゼ(唇や皮膚などが紫色になる)が出てきます。

頻脈性不整脈(ひんみゃくせいふせいみゃく)

「不整脈」とは、脈拍の回数が多かったり少なかったりし、乱れている病気です。自律神経の乱れや虚血性心疾患などの心臓の病気によって心臓を構成する筋肉「心筋」の電気系統に異常が生じる事が原因です。頻脈性不整脈は不整脈の病気の種類で、拍動が速くなる病気です。1分間の脈拍が120回以上、多い時には300回を超えることもあります。

拍動が速くなると心臓が血液を十分に送り出せなくなり、動悸や息切れ、めまいなどの症状も現れます。

徐脈性不整脈(じょみゃくせいふせいみゃく)

頻脈性不整脈が拍動が速くなることに対し、徐脈性不整脈は拍動が乱れ、1分間に60回未満と遅くなる不整脈です。1分間に30~40回しか心臓が動かないという症状が出る事もあり、自分の鼓動をゆっくりと感じます。拍動が遅いと心臓から全身に送られる血液量が減り、脳や臓器に酸素が行き渡らなくなるため、めまいや息切れが起こり酷い時には失神してしまうこともあります。

 

徐脈性頻脈(じょみゃくせいひんみゃく)

徐脈性頻脈は拍動が速くなる頻脈の直後に、拍動が遅くなる徐脈が起こり続いてめまいが起き、失神する場合もある病気です。症状が長引くことで呼吸困難を引き起こすケースもあります。心臓の右心房の「洞結節」や心房の壁が加齢などによって固く厚くなる(線維化)ことで、誤作動することが原因と言われています。

 

甲状腺機能亢進症(こうじょうせんきのうこうしんしょう)

甲状腺は、首の前側、のどぼとけのすぐ下にある臓器です。食べ物に含まれるヨウ素を材料にして甲状腺ホルモンを作り、血液中に分泌します。甲状腺ホルモンは身体の発育を促進し、新陳代謝を盛んにする働きをしています。甲状腺ホルモンの分泌が多すぎると、疲れやすさやだるさが出たり、動悸やほてりが出たりする甲状腺機能亢進症という病気になります。詳細な原因は明らかになっていませんが、遺伝的な要素があるといわれています。

 

パニック障害

不安は多かれ少なかれ誰にでもありますが、特別な理由もなく突然強い不安に襲われる状態をパニック障害といいます。動悸や頻脈、胸が苦しい、震え、冷や汗、めまい、吐き気などを伴ない今にも死ぬのではないかという恐怖にとりつかれます。最初の発作のほとんどは長くは続きませんが、一度発作を経験すると、また起こるのではないかという更に不安が高まり、今度はすぐには病院に行けないような場所などで発作が起こるようになり次第に外出や乗り物に乗ることが出来ないような状態に陥ります。

心療内科や精神科での治療が必要になります。
パニック障害の鍼灸治療について

 

貧血

貧血とは、酸素を運ぶ赤血球か、赤血球の中で酸素と結合するヘモグロビンが少ないため体内が酸素不足になった状態のことをいいます。体を動かすと、動悸や息切れを起こすことがありますが、これは、貧血によって酸素不足になっている体を動かそうとするときに血液の酸素を運ぶ量が少ないので、それをカバーするために、心臓が血液をもっと多く送ろうとして、動悸・息切れが起きてしまうといわれています。
貧血症状の鍼灸治療について

 

他にも、心不全や狭心症など、重大な心臓の病気が原因で動悸が引き起こされている場合があります。心配な場合は、早めに病院を受診しましょう。

 


Posted by 中目黒の鍼灸院 東京α鍼灸整骨院|眼精疲労 at 10:15 / 院長コラム コメント&トラックバック(0)

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