東洋医学では動悸を「心悸」(しんき)と呼び、外部からの刺激を受けたり、驚愕、激怒、恐れや情緒変動、疲労を覚えた際に発症しやすいとされています。心悸は主に心の臓の失調により起こります。心は血液の循環をコントロールする働きと脳の意識活動の機能を持ち合わせています。
つまり、動悸はこの血液の循環をコントロールする働きに問題があると発症すると考えられています。心の働きを維持するためには、気と血が大きく関係しており瘀血(おけつ)(血行不良)や過度なストレスや疲労などで気血の流れが悪かったり、気血が失調することで血液の循環をコントロールする働きが弱くなってしまうと考えられています。
また、腎は心臓の働きを制御していると考えられており、過労や加齢により腎の働きが低下することで心臓の働きが制御できず、動悸が発生するとも考えられています。
当院では、まず最初に自律神経測定器で血管の状態や自律神経のバランスを診させて頂き、治療を行っていきます。心拍や血圧を調整している自律神経のバランスを、鍼やお灸を用いて整えていきます。
自律神経が整うことで免疫力やホルモンバランス、精神の安定、内臓の働きのバランスを整え、人の本来持つ自然治癒力を高める効果が期待できます。また、鍼や灸の持つ血管拡張作用や、筋肉の緊張を緩和することで全身の血流改善と、東洋医学の観点から心や腎のツボも取り入れ治療を行っていきます。
40代女性
二ヶ月ほど前から、日常的に脈が乱れたり早く大きく感じるような動悸を感じるようになり病院で検査をしたものの、特に循環器に異常はないとの診断を受けた。動悸以外にも以前から頭痛、胃腸の不調、緊張感、首肩こりなどの不定愁訴が頻繁に起こる。
半年ほど前から親の介護や仕事で多忙を極め肉体的にも精神的にも疲労を感じている。
当院での治療
自律神経側的の結果、交感神経が過亢進状態で副交感神経の働きが低下しており、精神的ストレス、疲労度が非常に高い状態でした。心拍の調整や血液循環、内臓機能などを司る自律神経のバランスを整える施術を軸に、年齢的にホルモンバランスの乱れの関与も考えられるため、ホルモンバランスの調整、東洋医学的観点から心経、腎経のツボも取り入れ、首肩や背部の筋の緊張を緩める治療も行いました。副交感神経の活性化を促すため鍼、灸共に刺激量は調整し全体的にリラックス出来るような施術を行いました。
一回目
まだ大きな変化はないが、前回施術後少し身体の緊張が緩和したような感覚があり、頭痛は最近起こっていない。
二回目
施術後二日間ほどは動悸感じなかったが、徐々に状態戻ってしまった。しかし不定愁訴は来院前よりも良いと感じる。
三回目
動悸の頻度は減ってきたが、夕方から夜にかけて疲労が溜まると動悸感じることがまだ頻繁にある。
四回目
最近は仕事が忙しかったためか、前回来院時よりは動悸感じることがあった。首肩こりが強かった日に久しぶりに頭痛が出た。
五回目
前回施術後から動悸の頻度少し減少している。
不定愁訴も最近はあまり感じていない。
六回目
身体の疲れが以前よりも楽になった。動悸も以前より頻度半減した。
動悸の持続時間も短くなっているように感じる。
七回目
最近は動悸ほとんど感じなくなってきている。不定愁訴は疲れた時は感じることもあるが以前ほどではない。
八回目
この一週間は動悸感じたのは一度だけだった。身体の調子も悪くない。
九回目
二週間動悸出現していない。疲れると肩がこったりたまに頭痛もたまにあるが、以前よりは体調が安定しているため一度様子を見る。また症状が出ることがあったら来院したいとのこと。
症例2
40代 男性
1か月前から動悸が気になり始め、病院で心臓、甲状腺ホルモン、感染症などの検査したが特に問題はなかった。
動いている時は気にならないが、じっとしていると動悸を感じる。特に就寝前が1番気になる。初診来院時の1分間の平均心拍数は90回。
自律神経失調症も患っており、耳鳴り、めまい、不眠の症状がある。
仕事が忙しく、休日も返上して仕事していた。肉体的、精神的ストレスが強く心身の不調で日常生活に支障が出てきたため現在休職している。
当院の施術
心臓や甲状腺ホルモンの異常や感染症がみられない場合は交感神経の上昇によって動悸は起こります。
この患者様は以前から自律神経失調症を患っており、日頃の生活もストレスを強く受けており、交感神経の強い高まりが原因と考えられます。
そのため第一に自律神経調節治療を中心に行いました。
また、背中や肩首の筋緊張の緩和、東洋医学に基づいた心や腎の経絡治療も同時に行いました。
施術経過
◇1回目◇
施術後の夜はゆっくり寝れた。
動悸はまだ変わらず。
◇2回目◇
全身がリラックスできている。
◇3回目◇
疲れが取れてきた。
動悸も気にならない日が増えてきた。
◇4回目◇
忙しい日はまだ動悸を感じるが、それ以外は気にならない。
◇5回目◇
アドバイス通り生活習慣を見直したら一気に良くなった。
◇6回目◇
良く寝れないときは少し動悸を感じるが、だいぶ良い。
◇7回目◇
ほとんど気にならない。
動悸とは突然ドキドキと心臓の動きが速くなる、ドクンと大きな拍動(はくどう/収縮運動)が起きるなど、自分の心臓の動きを感じることを指します。動悸は狭心症や心筋梗塞、大動脈瘤など心臓病の初期症状にあたる可能性があるとされています。
しかし、動悸は必ずしも疾患があって起こるものとは限りません。ストレスや不安から起きる精神的なもの、睡眠不足や過労から生じるもの、女性の場合には貧血や更年期に起こるホルモンバランスの乱れから生じるものもあります。人には個人差があり、日常生活や生活環境が違うため感受性が異なります。
・心臓の拍動が速くなる
・心臓の拍動を強く感じる
・突然、脈拍が激しく乱れる
動悸は大きく分けて「一時的な動悸」と「断続的に続く動悸」の二つがあります。一時的な動悸は「緊張や、不安を感じて生理現象で起こる動悸」と「飲酒など本人がとった行動が原因となって誘発される動悸」があります。「断続的に続く動悸」は心臓の疾患や精神疾患、内分泌系などの病気の可能性が高くなります。
緊張したり飲酒をしたりして動悸の症状が出るのは、外部から受けた刺激で身体が興奮して交感神経が優位になるからといわれています。人間には緊張状態の時に働く交感神経と、リラックスしている時にはたらく副交感神経という二つの神経によって支配される「自律神経」があり、バランスが崩れると身体に不調をきたします。
交感神経が優位になると、強い外部刺激から身体を守るために、防御反応が出ます。心臓も自律神経の働きがつかさどっているためその反応の1つが一時的な動悸「洞頻脈」の症状として身体にあらわれるのです。
洞頻脈は心拍数が一分間に100回以上の頻脈で心臓の異常ではなく、他の原因によって引き起こされる頻脈の事をいいます。洞頻脈が生じやすい行為や状態は、不安、緊張、興奮、羞恥、発熱、飲酒、カフェインの摂取、喫煙、睡眠不足、運動不足などです。
また、女性は閉経前後の5年間、一般的に40代半ばから50代半ばほどの期間を更年期といいますが、更年期障害の症状の一つとして動悸が現れる事があり、これは女性ホルモンの減少に伴う自律神経の乱れが原因とされています。
・更年期障害の鍼灸治療について
また、過度なストレスやプレッシャーを受ける事でストレスホルモン「コルチゾール」が増加すると、同時に身体の運動機能が高まり、血圧が上がったり心拍数が増えたりした状態が続くと動悸が起こりやすくなります。ストレスにより動悸や震えの症状が顕著に現れる障害としてはパニック障害が有名ですが、パニック障害にはうつ病が併発している事が多いといわれています。
パニック障害の発作を繰り返す事によって、不安要素が大きくなってうつが発症するケースもあります。うつ病の初期症状として動悸が現れると激しい運動をしたわけでなくても突如発作が頻発し、さらに不安になってストレスが溜まってしまいます。
これは悪循環となり、どんどん気落ちしていく原因になります。
動悸の原因となる病気の種類は心臓の疾患や甲状腺の異常などがあります。
心臓弁膜症(しんぞうべんまくしょう)
心臓にある弁が故障してその開閉がスムーズにいかなくなり、血液の循環が悪くなってしまう病気です。初期では無症状ですが、次第に階段を上るなどすると動悸や息切れが起こり、進行すると少し体を動かすだけでも呼吸困難やチアノーゼ(唇や皮膚などが紫色になる)が出てきます。
頻脈性不整脈(ひんみゃくせいふせいみゃく)
「不整脈」とは、脈拍の回数が多かったり少なかったりし、乱れている病気です。自律神経の乱れや虚血性心疾患などの心臓の病気によって心臓を構成する筋肉「心筋」の電気系統に異常が生じる事が原因です。頻脈性不整脈は不整脈の病気の種類で、拍動が速くなる病気です。1分間の脈拍が120回以上、多い時には300回を超えることもあります。
拍動が速くなると心臓が血液を十分に送り出せなくなり、動悸や息切れ、めまいなどの症状も現れます。
徐脈性不整脈(じょみゃくせいふせいみゃく)
頻脈性不整脈が拍動が速くなることに対し、徐脈性不整脈は拍動が乱れ、1分間に60回未満と遅くなる不整脈です。1分間に30~40回しか心臓が動かないという症状が出る事もあり、自分の鼓動をゆっくりと感じます。拍動が遅いと心臓から全身に送られる血液量が減り、脳や臓器に酸素が行き渡らなくなるため、めまいや息切れが起こり酷い時には失神してしまうこともあります。
徐脈性頻脈(じょみゃくせいひんみゃく)
徐脈性頻脈は拍動が速くなる頻脈の直後に、拍動が遅くなる徐脈が起こり続いてめまいが起き、失神する場合もある病気です。症状が長引くことで呼吸困難を引き起こすケースもあります。心臓の右心房の「洞結節」や心房の壁が加齢などによって固く厚くなる(線維化)ことで、誤作動することが原因と言われています。
甲状腺機能亢進症(こうじょうせんきのうこうしんしょう)
甲状腺は、首の前側、のどぼとけのすぐ下にある臓器です。食べ物に含まれるヨウ素を材料にして甲状腺ホルモンを作り、血液中に分泌します。甲状腺ホルモンは身体の発育を促進し、新陳代謝を盛んにする働きをしています。甲状腺ホルモンの分泌が多すぎると、疲れやすさやだるさが出たり、動悸やほてりが出たりする甲状腺機能亢進症という病気になります。詳細な原因は明らかになっていませんが、遺伝的な要素があるといわれています。
パニック障害
不安は多かれ少なかれ誰にでもありますが、特別な理由もなく突然強い不安に襲われる状態をパニック障害といいます。動悸や頻脈、胸が苦しい、震え、冷や汗、めまい、吐き気などを伴ない今にも死ぬのではないかという恐怖にとりつかれます。最初の発作のほとんどは長くは続きませんが、一度発作を経験すると、また起こるのではないかという更に不安が高まり、今度はすぐには病院に行けないような場所などで発作が起こるようになり次第に外出や乗り物に乗ることが出来ないような状態に陥ります。
心療内科や精神科での治療が必要になります。
パニック障害の鍼灸治療について
貧血
貧血とは、酸素を運ぶ赤血球か、赤血球の中で酸素と結合するヘモグロビンが少ないため体内が酸素不足になった状態のことをいいます。体を動かすと、動悸や息切れを起こすことがありますが、これは、貧血によって酸素不足になっている体を動かそうとするときに血液の酸素を運ぶ量が少ないので、それをカバーするために、心臓が血液をもっと多く送ろうとして、動悸・息切れが起きてしまうといわれています。
貧血症状の鍼灸治療について
他にも、心不全や狭心症など、重大な心臓の病気が原因で動悸が引き起こされている場合があります。心配な場合は、早めに病院を受診しましょう。
清水大地
資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院
東洋医学では、現代医学での28週以降の骨盤位を逆子とするという概念は18世紀後半に至るまでなかったころもあり、逆子に対する鍼灸治療は古くから行われてきた各疾患に対する鍼灸治療と比べて歴史はそれほど長くはありません。
しかし、逆子に対する鍼灸治療の論文が出ていることで積極的に施術が行われています。
逆子の治療で主に使われるツボは、
・至陰(足の小指の爪の付け根、外側に位置する)
・三陰交(足の内くるぶしのうえ指4本分上に位置する)
です。至陰は難産時に胎児をスムーズに出すツボとして昔から使われてきたツボです。また、三陰交は産婦人科症状に対して良く効果のあるツボとして知られており、逆子治療の他にも妊娠中の体調維持にもよく使われるツボです。
逆子に対する当院の治療は、特効穴と言われる至陰と三陰交にお灸施術を行います。その他
・自律神経の状態を計測して自律神経を整えること
・お灸で身体全体を温めて冷えの改善
・東洋医学的観点より足の腎経・肝経・脾経のツボを用いて出産に重要な三経の状態を整える
これらを基本的にははり灸を用いて施術していきます。はり灸施術が苦手という方には刺激量を調整したり、マッサージなど手技療法を行ってリラックスできる施術を心掛けております。
妊娠28週を過ぎると一般的に逆子と診断されることが多く、28週過ぎて逆子が問題視されてからすぐに鍼灸施術を開始するとそれだけ逆子が治る可能性が高まります。治療開始が33週くらいまでであれば鍼灸治療による回転率は高くなります。
産婦人科などで逆子と診断されたら早い時期から鍼灸治療を始めることをおすすめします。
逆子に対する鍼灸治療は、以前よりおこなわれており、特に至陰や三陰交というツボにお灸をすると逆子が治るとして広く知られています。
一般的に妊娠8カ月を超えてまだ逆子の状態だと、赤ちゃんの体が成長して子宮内で動き回ることが出来にくくなるため、逆子は治りにくくなると言われています。逆子のままの出産となると赤ちゃんの成長には問題はありませんが、分娩時に時間がかかったりへその緒が圧迫されやすかったりと胎児母体とともにリスクが高まります。その場合、帝王切開術での出産となってしまう事があります。
至陰へのお灸でなぜ逆子が治るのかその機序ははっきりとはいまだ解明されてはいません。しかし、至陰へのお灸で子宮動脈の血管抵抗指数(RI)が低下したという報告もあり、子宮筋の緊張が低下して逆子の改善につながるのではないかと考察されています。
また、全日本鍼灸学会の逆子の研究
では、至陰へのお灸と三陰交への灸頭鍼で骨盤位(逆子)584例中525例が逆子が改善された(改善率89.9%)という報告があり、鍼灸治療が有効な治療法として紹介されています。
逆子とは子宮内で赤ちゃんの頭が上腹部や臍横にある状態をいいます。
通常、胎児は妊娠後期となると頭部の重たさや頭から産道を通り抜けるために胎児の頭は子宮口に向いていて逆に臀部や足は上腹部にあります。こちらのほうがスムーズに出産しやすいと言われており、逆子の状態での分娩となってしまうと分娩時間が長くなってしまったりと母子とともに危険な状態となってしまう可能性があります。
妊娠中期・妊娠7ヶ月くらいまではまだ胎児も成長しておらず、子宮内にスペースがあり胎児が動きやすいため約30%が逆子の状態となると言われています。妊娠7カ月を過ぎると頭が恥骨側に位置する正常な頭位で安定することが多いです。しかし、それとは逆に逆子の位置で安定することもあり、逆子の状態で出産期を迎える人は日本では3~5%の頻度と言われています。
逆子で出産を迎えると様々なリスクがあります。
妊娠中の逆子のリスクとして
早産
逆子となるとお腹の張り感が強くなり、早産となってしまう危険性があります。早産は妊娠37週より前に出産することで体重2500g未満の低出生体重児が生まれるリスクがあり、正規産児と比べて自閉症や多動性障害・学習障害などの発達障害になってしまう危険性が高くなることが知られています。
破水
胎児が正常な頭位で子宮口に頭が向いている場合子宮口にちょうど栓をしている状態となり、羊水が流れ出るリスクを軽減させてくれます。しかし、逆子の場合は足が子宮口に向いているので子宮口に栓がされていないため羊水が流れ出てしまうリスクが高まるのです。破水をしてしまい羊水が極端に減ってしまうと胎児に酸素や栄養が届かなくなってしまい胎児に肺機能の障害が出たり、最悪の場合胎児が亡くなってしまうこともあります。また、細菌が胎児に及ぶ危険性もあり、肺炎や髄膜炎などの感染症を引き起こす原因にもなります。
出産時の逆子のリスクとしまして
分娩時間が長くなる
逆子の状態で出産に至る場合、出産する際に頭がでづらくなってしまい、母子ともに体力の消耗が激しくなり、命の危険まで及ぶ危険性もあります。そのため、日本では帝王切開を選択する産科医が増加傾向にあります。
帝王切開
逆子での分娩となると胎児と母体に負担がかかり過ぎる為、帝王切開での出産が増えています。帝王切開は一般的に胎児に影響を及ぼす危険性は少ないと言われていますが、母体には手術という事になりますのでリスクは伴います。妊娠中は血栓が出来やすい状態なので肺塞栓症や感染症などにかかる危険性があります。また麻酔による副作用が胎児に影響を及ぼすこともあります。
逆子になってしまう原因として考えられるものは母子側と胎児側があり、母子側で考えれる原因として、骨盤が小さいことや胎盤異常、子宮の奇形や子宮筋腫などが考えられます。胎児側の考えれる原因としまして胎児奇形や双子・三つ子などの多胎妊娠などが挙げられます。しかし、原因不明で逆子になる場合も非常に多いです。その場合、体の冷えやストレス過多による自律神経の乱れなどが考えられます。
30代女性
妊娠31週目。2ヶ月前から逆子だとクリニックで言われ、今日まで変化なし。
お腹の中で動いているのは感じられるし、羊水も多いから様子をみることになったが不安だったため当院を受診した。
慢性的に手足は冷えやすい。身体の疲れや痛みは特になし。
鍼灸ははじめてで緊張する。
当院の治療
三陰交と至陰をメインにお灸を施した。
足先とお腹の冷えが強かったため、足は遠赤外線で、お腹は電子温灸器で温めながら施灸した。三陰交はやんわり熱を感じる程度に10壮づつ。至陰はすこし熱いと感じる程度に20壮づつ刺激をいれる。
本人曰く身体の疲れはないとのことだったが、腰、背中のハリが強かったので浅めの鍼とマッサージを行った。
◇1回目◇
施灸しているときに赤ちゃんが動いているのがわかった。
片足のお灸が終わった頃にはぽかぽかする感じがあり、施術後は全身があたたかくなり眠くなった。
腰も自分が思っていたよりもこっていて、マッサージをしてもらい軽くなった。
次の日の検診では逆子が治っていた。
30代女性
妊娠33週目。31週のときに逆子が分かり、逆子体操やストレッチなどを試したがまわらなかった。婦人科でお灸がいいと勧められて当院に来院された。
妊娠前から首肩こりがあったが、最近はさらに辛く感じる。
当院の治療
足首から下の冷えが強かったため、まずは温めることを目的にお灸を行った。
三陰交、豊隆は15壮、至陰は20壮。
また、身体のコリも強かったため横向きで首から腰にかけての筋緊張の緩和も行った。
◇1回目◇
三陰交のお灸はすぐに感じたが、至陰のお灸は感じるまでに時間ががかかった。
お灸の最中は赤ちゃんが動く回数が多かった。
首、肩まわりはすっきりして楽になった。
◇2回目◇
前回のあとに検診があったが、まだ治っていなかった。
自宅用にお灸を購入し、自宅でのセルフケアも行うようにした。
◇3回目◇
お灸の刺激をあげてみた。少し熱かったが、今までで一番赤ちゃんが動いた。
2日後の検診で逆子が治ったことがわかった。
清水大地
資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院
中心性漿液性脈絡網膜症に対する当院の施術方法は、眼の血流を促進させる事を中心に行います。「攅竹」、「魚腰」、「太陽」、「四白」といった眼の経穴に刺鍼し、同時に温灸器で眼を温めることで血液循環を促進させ網膜と脈絡膜に溜まっている漿液の排出を促します。
症状が強い方、慢性化している方、鍼治療が慣れている方などに対して刺激量を高めて行う場合は電気鍼療法を施すこともあります。
また、中心性漿液性脈絡網膜症はストレスが関係していると考えられ、血流や自然治癒力をコントロールしている自律神経調節治療も同時に行っていきます。
「肝は目に開窮する」
眼科疾患に対する東洋医学での考えはこれが基本になっていきます。
肝の機能は目に反映するという意味で、肝に何かしら異常があると目にも異常が起きてしまうという事を表しています。
西洋医学での肝蔵は血液の貯蔵、タンパク質の合成、有害物質の分解、解毒、胆汁の合成、分泌という働きがありますが、東洋医学での肝の役割は少し違っており、蔵血の他に身体各部の血液量の調節、気機の調節、気持ちの余裕を生むなど精神活動の安定化などがあります。
東洋医学での肝はとくに精神的ストレスによるダメージが反映しやすく、精神的ストレスが継続することによって肝の機能が低下し、その結果開窮している目にも悪い影響を及ぼしてしまいます。
逆に肝を元気にさせると肝血が上昇し目も回復するので東洋医学ではその原理を用いて治療を行っていきます。
また、中医学では「肝腎同源」と言われ、肝と腎が互いに補いながら機能しています。肝が弱まると腎も弱まり、その逆の場合もあります。
肝の機能異常や過労・睡眠不足が腎の機能に影響をもたらして腎の水を主る機能を減退させて中心性漿液性脈絡網膜症を引き起こしてしまうと考えられます。
中心性漿液性脈絡網膜症は網膜にある黄斑に漿液が流れ溜まってしまうことで水ぶくれができ、部分的にドーム状の網膜剥離が起きてしまうことで視機能が低下する病気です。
30~50代の働き盛りの男性に好発し、片方の目に発症する事が多いですが、まれに両目に発症する事もあります。
中心性漿液性脈絡網膜症の症状は、
①中心暗転
視野の中心が暗く見える
②小視症
物が小さく見える
⓷変視症
物が歪んで見える
網膜は視覚的な映像を電気信号に変換し脳へ情報を送るカメラのフィルムのような役割があります。この網膜が漏れ出した漿液によりドーム状に膨らむことで上記のような症状が現れます。
ほとんどは良好な経過をたどり網膜剥離が治る事で症状が軽快していきます。自然と治ることもありますが、何かしらの見えづらさが残ってしまう場合も多いです。
網膜剥離が長い期間続いたり、再発を繰り返したりするような場合は視力低下がみられることもあります。
中心性漿液性脈絡網膜症の原因はまだはっきりわかっておりません。
しかし、働き盛りの男性に好発することから心身のストレスが要因の一つと考えられます。
当院のにご来院される患者様のほとんどが多忙だったり、不規則な生活など常に精神的ストレスを抱えている方が多く、パソコン作業で目を酷使されている事も少なくありません。
また、副腎皮質ステロイドの副作用や、女性の場合は妊娠時に起こることもあります。
網膜より外側から眼球を覆っている膜を脈絡膜と言います。
脈絡膜は血管が豊富にあり、網膜は網膜内の血管からだけではなく、脈絡膜の血管からも酸素や栄養を供給されています。同時に不要になった老廃物を脈絡膜へ戻して機能を維持しています。
網膜は何枚かの膜で構成されていますが、一番外側が脈絡膜でその内側にある膜が網膜色素上皮といい、網膜と脈絡膜の間で網膜に酸素や栄養以外の者が入り込むのを防いだり、不要な老廃物を脈絡膜に戻す働きをしています。これをバリア機能と言います。
しかし、何らかの原因でバリア機能が低下すると、網膜にとって不要な漿液が流れ込み、網膜色素上皮と光を感じ取る視細胞層の間に溜まり水ぶくれができてしまいます。
網膜色素上皮と視細胞層が水ぶくれにより剥がれて網膜剥離になるので、脈絡膜から栄養が途絶えてしまい視細胞の機能が低下し、視力低下の症状が現れます。
病院では末梢循環改善薬やビタミン剤、ヨウ素製剤といった内服薬によるものや、水が漏れている部分にレーザー光を照射し細胞を凝固させる治療が中心になります。
中心性漿液性脈絡網膜症の原因はまだはっきりわかっていませんが、働き盛りの男性がかかりやすい事から、ストレスが大きな要因と考えられています。
そのため、日頃からストレスを溜めこまない、発散することが大切になります。
イライラとは、一般的には物事が自分の思うようにならなかったり、不快なことがあったりして神経が高ぶり、いら立っている状態を指します。
医学的には、些細なことで不機嫌になることを「易刺激性(いしげきせい)」、怒りっぽいことを「易怒性(いどせい)」と呼びます。
これは、日常茶飯事誰にでもあることですが、程度が過ぎると日常生活に支障をきたすこととなります。
イライラの原因は、まず、ストレスが挙げられます。また、ホルモンバランスの乱れや病気などが関係していることもあります。
ストレスとは外からの刺激に対して緊張した状態を指します。
具体的には恋人や友人、上司、妻、夫などとの人間関係がうまくいかない場合や、仕事でやることが多すぎたり、予定通りに仕事がうまくいかない場合、職場の環境に慣れない場合、人生のいろいろなことに不安があり眠れない場合などの心理的、社会生活によるストレスや、気温、騒音、天気などの環境による刺激、疲労や睡眠不足、病気などの身体が受けた影響、クラス替えや進学、転職、結婚や出産、引っ越しなど喜ばしいと思われる出来事も含まれ、これらもストレスを引き起こす原因になります。
ホルモンバランスによるイライラは本人の意思とは無関係にイライラする場合で、ホルモンバランスが崩れていることが原因で起こります。
具体的には生理前になると普段気にならないことでもカッとなったりイライラする「月経前緊張症(PMS)」と閉経前の女性に起こる、加齢に伴う卵巣機能の低下により女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が減少し、そのため様々な不定愁訴が出現する「更年期障害」があります。また、男性も加齢に伴い男性ホルモンの分泌が低下して起こる「男性更年期障害」によってイライラが起こることがあります。
・月経前緊張症(PMS)の鍼灸治療について
・更年期障害の鍼灸治療について
・男性更年期障害の鍼灸治療について
同様に20~40歳の場合でも、ストレスや不規則な生活リズムで睡眠不足が続いていたり、忙しくて食事ができない、あるいは極端なダイエットをしたために栄養不足が女性ホルモンの分泌にも影響することがあり、更年期障害と同じような症状が現れることがあります。
また、妊娠中もホルモンバランスが不安定なため、自分では気が付かないうちにイライラして人に当たったりして対人関係がうまくいかなかったりすることがあります。また、すぐにイライラして子供を叱りつけたり、日常生活に不安を感じたりします。
このようなストレスやホルモンバランスの乱れは全身の器官やホルモン分泌を調整する神経である自律神経のバランスを崩す原因となり、心身に様々な不調が現れやすくなります。
病気との関連では、心の病気(双極性障害、統合失調症、依存症など)のほとんどはイライラを引き起こしやすいことが知られています。また、脳の病気(脳卒中、低酸素脳症、脳炎、認知症、発達障害など)や怪我による高次脳機能障害もイライラの原因となることがあります。特に認知症は攻撃的な発言をしたり、すぐに怒鳴ったりという初期症状が出ることがあります。認知症の周辺症状の一つで性格、人格の変化として現れることもあります。
精神的なストレスによるイライラは老若男女を問いません。多くの場合は何かしらのストレスを抱えていて、その解決、納得がしにくいときに起こります。その状態が長かったり、程度がひどかったりすると生活に支障をきたしかねません。また、これといった精神的ストレスや病気がなくても、生活の乱れによってリラックスする時間が取れないとイライラしやすくなります。
例えば、睡眠不足が続いている、忙しくて疲労がたまっている、運動不足、コミュニケーション不足などが挙げられます。
東洋医学ではストレスを七情といって「怒」「喜」「思」「憂」「驚」「恐」の七つに分類していますが、イライラの原因はこの中の「怒」になります。
ストレスは「気」の流れを停滞させる「気滞(きたい)」や気が本来の巡り方と逆行させる「気逆(きぎゃく)」血の滞りである「瘀血(おけつ)」を起こす原因になります。また、五臓の「肝」に影響しその機能を失調させます。
「気滞」になると気分が落ち込む、イライラ、不眠、頭が重い、ボーっとする、喉のつまり感、胸のつまり感、お腹の膨満感、ガスが多いといった症状が現れます。
「気逆」はのぼせや動悸、頭痛、めまいなど上半身に症状があり、足が冷えます。
「瘀血」は緊張性の頭痛、胸、腹部の張り、痛み、イライラ、情緒不安定などの症状が現れます。女性の場合、月経前に最も症状が出やすくなります。
「肝」が失調するとイライラ、不眠、目の充血、筋肉痛や筋肉のコリ、耳鳴り、末端の冷え、ゲップやガスが出やすい、便秘、胸や脇が張る、生理周期の乱れ、生理痛、肌荒れ、など様々な症状を呈します。
当院では、自律神経測定器で計測を行いお身体の状態を把握したうえで治療へ移ります。ストレス、疲労の蓄積、生活習慣の乱れなどで自律神経のバランスが乱れるとイライラ、情緒不安定などの精神症状が現れやすくなるためです。
自律神経を整えるツボに鍼やお灸で刺激を与え、内臓機能や免疫力を高め、全身的な血流を良くし自己治癒力を高めていきます。また、東洋医学的観点から気の巡りや血の巡りを整えるツボや「肝」をはじめとした五臓六腑の機能を整えるツボを選択していきます。
イライラ、怒りっぽい症状がみられる場合、身体的な緊張もみられることがほとんどです。身体的な緊張があると気や血の巡りも悪くなります。
特にストレスを感じると防御反応として首や肩周りに筋緊張が現れやすいため、首肩周りの施術も行っていきます。
また、問診や触診により精神症状の他にも不定愁訴や、緊張の強い部位、冷えのある部位を確認しそれに合わせて施術を行います。
心の症状が強く出ている場合には心療内科、精神科、メンタルクリニック、ホルモンバランスの崩れから起こるイライラは婦人科、産婦人科などを受診することをお勧めします。
産婦人科的な病気、内科の病気、薬物の関与が疑われれば、そちらに対する精密検査と治療が必要です。これらがない場合は、ストレスの有無を確認し、ストレス源がある場合は環境を調整するようなアドバイスをします。また、カウンセリングや行動認知療法などで心の整理を行うことで安定が得られる場合もあります。
明らかなうつ病、適応障害などの精神疾患と判断できる場合や薬を使わないケアだけでは日常生活の障害が解消しない場合は、抗うつ薬や抗不安薬などの薬物療法が有効です。
ホルモンバランスの崩れによるイライラの治療法はその原因となっている病気の治療を行うことが第一です。更年期障害のホルモン補充療法や、月経前緊張症のホルモン療法、漢方薬療法などがあります。また、カウンセラーに相談する精神療法、抗うつ薬や抗不安薬、睡眠薬などが処方される薬物療法などがあります。
東洋医学では過活動膀胱は主に五臓六腑の『膀胱』と『腎』の障害で起きると考えられています。
膀胱湿熱
外からの湿熱の邪気や飲食の不摂生、辛い食べ物を多く食べたりすることにより体内で湿熱を生み、それらが膀胱に至り、尿を貯留して適宜排泄するという膀胱の機能が障害されます。そうすると頻尿や排尿痛、残尿感、ときには血尿があらわれます。
腎気不固
腎気不固は腎精が不足し、腎気の汗や尿が排出過多ならないようにする機能が減退した病態で主に泌尿生殖器系の異常があらわれます。腎精とは人体の成長・発育・成熟・老化などを司り、青壮年期には最も充実して維持されるが、中年以降からは次第に衰えていきます。よって中年以降は年を重ねるごとに腎気不固の病態になりやすく、特に過活動膀胱になりやすいといえます
50代 女性
ここ1年くらいトイレに行く回数が頻繁となり、ひどいと1時間ごとにトイレに行くこともあった。電車内や車移動での渋滞、映画鑑賞中などなかなかトイレに行けない状況だとさらに尿意を感じるようになり、とてもストレスに感じていた。排尿を我慢することが出来ずにトイレに付く前に尿漏れすることも出てきて、病院を受診したところ過活動膀胱と診断された。
薬物療法や行動療法を試してみて、少し改善されたがまだまだあまりよくないということで当院にご来院された。
当院の治療
トイレが近いという日常的なストレスや夜間も起きてトイレに行くことも多く睡眠の質も低下しがちでしたので自律神経の状態を測定していきました。当院の過活動膀胱に対する治療目的は主に3つあります。
・自律神経を整える
自律神経が乱れると過活動膀胱になりやすいので自律神経測定器で自律神経の状態を把握した上で自律神経調整療法を行っていきます。
・全身、主に腹部を温める
お灸を用いて全身を温めて特に腹部を温めることで膀胱を伸び縮みしやすくします。当院で使用するお灸療法は決して熱すぎず、痕の残らないお灸を使用しますので安心してください。
・東洋医学的観点からの治療
東洋医学的に診ると過活動膀胱は『膀胱』と『腎』の機能低下が影響を与えているのでそれらを整えていきます。
治療経過
◇1回目◇
一回目の治療後の夜は夜間起きて尿をすることはなかった。日中の尿の回数は変化なかった。
◇2~5回目◇
夜間尿することはないが、日中の尿の回数に変化なし。
◇6回目◇
尿を我慢できることが増えてきて自分で排尿をコントロールできそうな気がしてきたとおっしゃっていた。
◇7~10回目◇
日中の尿の回数がだいぶ減ってきて日常的なストレスが減ってきた。
◇11~12回目◇
夜間尿もなく、日中の排尿回数も8回前後と正常範囲内になってきた。
排尿障害(過活動膀胱)
症例②
30代 男性
◇症状◇
5,6年ほど前から頻繁にトイレに行くことが増え、特に会社での会議や映画館、電車での移動前など密閉した空間や仕事中などトイレに行きづらい状況で強烈に尿意が襲ってくる。逆にトイレでは他に人がいると尿が出なくなってしまう。トイレに行く回数は1日に10回以上と多く、1回1回の尿量は少ない。
また昔から睡眠障害があり、なかなか入眠することが出来ず、眠りが浅い日々が続いている。
◇当院の治療◇
過去に一時的に強いストレスを受け続けた時期もあり、過活動膀胱は自律神経の乱れと大きく関わりがあるため、まず自律神経測定を行った。
結果、交感神経が過剰に働いていることが判明し、心身ともに常に緊張状態が続いていると考え副交感神経の働きを高める治療を行った。また下肢の冷えがあり、下肢の冷えは下腹部の冷えに繋がり、膀胱や排尿に関わる骨盤底筋の働きを悪くするため、下肢や下腹部をお灸で深部から温める治療を行った。
・1回目
症状は特に変化がなかつたが、身体の疲れは軽減した。
・2回目
睡眠の質も少しづつ良くなってきて、残尿感も少し良くなった。足の冷えはまだある。
・3回目
今までは緊張して個室ではないと排尿できなかったが、小便器のほうで用を足す事ができた。回数も減少し、心が落ち着いてきた。
・4回目
前回から変化なし。デスクワークが多いせいか首肩の緊張が強い。首肩や頭の筋肉を緩めると緊張した精神状態も解れやすいので、今回は肩首や肩甲骨周りや前頭筋、側頭筋、後頭筋といった頭の筋肉に対するアプローチを増やした。
・5回目
尿の回数が減ってきた。
症例3
50代 女性
1年前から頻尿の症状が気になり始めた。とくに仕事での会議中や電車の中などトイレに行けない状況で尿意が強く感じてしまう。
1日でトイレに行く回数は約15回。特に水分を多く摂っているわけでもなく、持病もない。
仕事中にトイレに行く回数が多いため、周りの目が気になり、それが強いストレスになっている。
当院の施術
まず、機械で血管年齢、自律神経、ストレス度を測定したところ、血管年齢は実年齢より13歳高く弾力性も低下していました。また、交感神経が過剰に働いており副交感神経の働きが低下していました。
お話を聞いたところ、仕事が忙しく帰宅時がいつも遅くなる、そのため食事も手軽なものになり偏りがちになってしまうという事でした。睡眠時間も短くなり、疲れがなかなか取れない日が続いている状態です。
お身体を触診したところ、足の冷えが非常に強く、腰や背中の筋緊張もみられました。
鍼に対して不安感があり、少し緊張している様子なので最初は弱い刺激で施術を行いました。
経過
◇1回目◇
特に変化はない。
終わった後は身体がポカポカして気持ちよかった。
◇2回目◇
まだ変わらない。
◇3回目◇
トイレの回数は変わらないが、よく寝れるようになった。
◇4回目◇
1日の中でトイレに行く回数が減ってきたような気がする。
◇5回目◇
会議中にトイレに行くことが減ってきた。
◇6回目◇
1日の排尿回数が9回まで減少。
◇7回目◇
前回からは大きく変わりがないが、切迫感も軽いような気がする。
◇8回目◇
1日の排尿回数が7回まで減少。
◇9回目◇
気にならないで生活できている。
過活動膀胱は最近多くの方が悩まされている病気です。過活動膀胱になると何度も尿意をもよおして日常生活でとてもストレスを感じたり、夜にトイレで起きてしまうことから睡眠不足となってしまったりと自律神経を乱す原因となってしまいます。
調査によると40歳以上の8人に1人が過活動膀胱にかかっていると言われており、日本全体で約810万人以上の方が過活動膀胱にかかっている可能性があります。70代以上では3割以上の方が悩まされているとも言われています。
下記のような症状で悩まされている場合、過活動膀胱にかかっている可能性があります。
・急に尿意をもよおして我慢できない
・夜寝ついてから朝までの間に2回以上起きてトイレに行く
・一日に8回以上排尿をする
・尿意を我慢できずもらしてしまうことがある
このような方は、一度病院を受診して診てもらうことをお勧めします。過活動膀胱と診断されるかもしれませんし、頻尿の原因が膀胱がん・糖尿病・慢性腎不全・性感染症などの場合もありますので注意が必要です。
過活動膀胱の症状の特徴は3つ挙げられます。
・尿意切迫感
近い時間に排尿をしたのにもかかわらず、急に尿意をもよしてしまいます。電車の中や大事な会議中などトイレに行けない状況で症状が出てしまうこともあります。
・頻尿と夜間頻尿
一日に排尿をする回数は日中で5~7回程度で夜寝ている間は一度も排尿をしないというのが正常範囲と言われています。しかし、過活動膀胱にかかってしまうと日中の排尿回数が8回以上で夜寝ている間も1回はトイレで起きてしまいます。
・切迫性尿失禁
急に尿意をもよおしてトイレに間に合わずに尿がもれてしまいます。中高年以上で年を重ねていくとどうしても筋力も低下してしまうため排尿を我慢する筋肉も衰えてくるため高齢になると切迫性尿失禁が出やすくなってしまいます。
神経因性
尿が溜まると膀胱が伸びてその情報が脳に伝達されて、脳が排尿するか尿を膀胱内に留めておくか指令を出します。その膀胱からの情報や脳の指令がうまく伝達されないために過活動膀胱となります。パーキンソン病・脳腫瘍・脳梗塞・脳出血などの疾患でこのような状態になることがあります。
自律神経の乱れ
膀胱内に尿をためて排尿する行為は自律神経がつかさどっている部分もあります。主に膀胱内に尿が溜まっている時は交感神経が優位に働き、逆に排尿するときは副交感神経が優位に働きます。過度なストレスなどで自律神経が乱れると過活動膀胱の原因となる場合があります。
筋力低下
高齢となり年を重ねていくたびにどうしても筋力は低下しがちです。それは骨盤内の筋肉や靭帯にも影響を及ぼしてしまい、尿道や膀胱の筋力も低下して過活動膀胱になります。
体の冷え
筋肉は冷えると固まりやすく、伸び縮みできにくくなります。膀胱も筋肉で出来ているので、冷えると伸び縮みができにくくなり、過活動膀胱となります。
ホルモンバランスの変化
女性は、出産や更年期でホルモンバランスの変化が起きると過活動膀胱の原因となります。
前立腺肥大
前立腺肥大となると排尿がしにくくなります。すると膀胱内に尿が溜まりやすくなります。無理に排尿しようとすることで膀胱内の機能に影響を与えて過活動膀胱の原因となります。
主に膀胱を収縮させるアセチルコリンという物質の活動を弱める薬などが処方されます。
その他にも過活動膀胱の原因に伴い、薬が処方されます。
その他にも骨盤内の筋肉を鍛える体操などの行動療法が指導されることがあります。
清水大地
資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好医院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院
パソコンやスマートフォンなどの普及によって目を酷使する時代になりましたが、それによって目に何かしらの不調を抱えている人が増加しています。目を使いすぎると目が痛くなることがありますが、目の奥が痛くなる事も目の奥の痛みは目だけが原因ではない場合もあります。
・眼精疲労やVDT症候群
パソコン、テレビ、読書、ゲーム、運転などで目を酷使することや、屈折異常(近視や遠視、近視)や老眼に対してメガネやコンタクトレンズが合っていなかったり、過労や睡眠不足、ストレスによるものなど眼精疲労の原因は様々です。目の周囲の筋肉が緊張することで目の奥の痛み、目のかすみ、眩しさ、充血、まぶたの痙攣などの症状を引き起こします。休息や睡眠をとってもこういった症状が改善しない慢性的なものを眼精疲労と呼び、中でもVDT症候群というスマートフォンやパソコンの長時間使用で起こるものが最近増え続けています。
眼精疲労やVDT症候群では目だけではなく体全体や心にも悪影響が及ぶことがあります。目のコントロールを行っている自律神経が目の疲れによりバランスを崩し倦怠感や疲労感、肩こり、頭痛、イライラ、吐き気などの不定愁訴と呼ばれる不調が現れる事があります。
・ドライアイ
眼精疲労と共に目の奥が痛くなる原因として多くを占める病気がドライアイです。パソコンテレビスマホ、ゲーム、読書、運転などで現代社会は昔に比べてまばたきをする回数が異常なほどに減っており、その影響で目の表面を覆っている涙が乾いてしまいます。
涙には角膜の汚れを洗い流し栄養を補給してくれる役割があるため、涙が減少すると、目が傷つきやすくなったり、栄養分が足りず病気になりやすくなります。涙の成分のバランスも崩れてしまうため涙の質が低下してしまいます。涙は単なる水分ではなく、まぶたの淵に沿って並ぶマイボーム腺から分泌される油分、水分、涙が眼球に留まるためのムチンの三層からできています。涙の変質により油分が均一に広がらずにさらに乾きやすい状態になり、目の渇きや、異物感、痛み、充血、疲労感、視力低下などが起こります。眼精疲労と併発しやすく目の周囲の筋肉が緊張
・片頭痛
10代、20代の若い時期から起こり、男性より女性に多く見られます。命にかかわるような病気ではありませんが、日常生活への影響は大きいとされています。
片側性でズキズキと脈打つような拍動性の頭痛が典型的ですが、両側性や非拍動性の場合も多くあります。頭痛の他に目の奥の痛みや吐き気を伴う事があります。
・群発頭痛
片目だけの痛み、目を抉られるような痛み、痛みが1~2時間出現している。1~2ヶ月の間毎日痛みがあるなどの症状の場合群発頭痛を疑います。
はっきりとした原因はまだ解明されていませんが、目の後ろには内頚動脈が走っています。その内頚動脈が拡張することにより眼の奥の痛みが出現するのではないかと言われています。
血管が拡張した時に右目であったり、左目であったりどちらかが強く痛みます。痛みが集中して続く時期を群発期といい、目を抉られるような痛みの為かなりの苦痛を伴います。夜間や明け方の特に痛みが出やすいとされています。
・自律神経失調症
目の奥が痛い原因は、自律神経の乱れが起こしている可能性があります。自律神経は交感神経と副交感神経の二つの事を指します。交感神経は主にストレスに対処する神経で活発な時はアドレナリンが分泌されています。このアドレナリンの作用により血管が収縮し筋肉も緊張状態になります。副交感神経はリラックスしている時に活発になります。副交感神経が優位だと血管が拡張して内臓に血液を巡らします。体にはこの二つのバランスが重要なのですが、このバランスが乱れを起こすと
常に緊張状態で血管が狭いままだと血流が滞ります。また、血管が収縮したままだと、血管や筋肉は硬くなりがちになり、急に交感神経が働き拡張すると血管が炎症を起こします。炎症時に痛みを引き起こす成分プロスタグランジンが発生し、結果目の奥の痛みが生じると考えられています。
・ストレス、生活リズムの乱れ
仕事などで緊張していたり、残業が多かったりなどストレスの多い生活を続けている場合にも痛みが起こりやすくなる原因と言えます。
ストレスをため込むと身体は常に緊張状態に置かれています。体が興奮している状態だと筋肉も固まり血行が悪くなり、疲労物質が体内に溜まりやすくなります。慢性的にそのような状態が続くことで目の奥の筋肉も過緊張を起こし痛みを起こす原因になります。
・三叉神経痛
三叉神経とは顔面の痛みを伝える神経でこの神経が何らかの原因により圧迫をされると顔面の片方だけ激痛を感じます。その三叉神経の一つに眼窩下神経というのがありその神経が圧迫されると片目の奥が痛みます。三叉神経痛は自律神経の乱れや疲労が溜まった時などになる事が多いといわれています。
・緑内障
緑内障は放置すると失明する恐れのある疾患です。必ずしも目が痛くなるとは限りませんが、急性の緑内障では急激な目の痛みに襲われる事があります。症状としては、急激な視力の低下と共に激しい頭痛や吐き気にも襲われることがあります。症状が現れたら迅速に診察を受ける必要があります。
・慢性副鼻腔炎
慢性副鼻腔炎は、蓄膿症とも呼ばれます。鼻汁が溜まり様々な症状が引き起こされます。その中に頭重寒、頭痛、目の奥の痛み、頬の痛みなどが挙げられます。鼻づまりによる呼吸苦だけでなく仕事や物事に集中できないなど、様々な弊害が起こります。
目の奥が痛いのは危険な病気の可能性もあります
脳腫瘍
まず、頭痛、吐き気、嘔吐などの症状が見られます。脳腫瘍の位置によって目の奥が痛む場合があります。また、言葉をうまく話せない、意識障害、手足の麻痺症状が出たりなどの重篤な障害が出始めるのが特徴です。おかしいと感じたら速やかに脳神経外科などの診察を受けるようにしましょう。
くも膜下出血
一番の症状としてバットで殴られたような激しい頭痛に襲われます。しかし、痛みが全くない場合もあります。そのような場合くも膜下出血では目の症状から早期発見できる場合があります。片目だけ開かない、物が二重に見える、目の奥に痛みがあるなどの症状です。
また、言葉のろれつがまわらなくなったり、吐き気、嘔吐、進行すれば意識障害、呼吸障害などの症状が現れます。命に係わる重篤な疾患ですのでおかしいと感じたら速やかに脳神経外科などの診察を受けるようにしましょう。
当院の眼の奥の痛みに対する鍼灸治療は、まず第一に目の周りに鍼やお灸の施術を施すことにより痛みを軽減させます。鍼の施術効果として鎮痛効果というものがあります。鍼を刺すことで鎮痛物質であるオピオイドを作用させて痛みを抑える効果があると言われています。また、刺した鍼に電気を流す鍼通電療法を行うことでエンドルフィンやエンケファリンの物質を放出されてさらに鎮痛効果を持続させやすくなります。
そのほか、目の周りをお灸で温めることで循環を改善してとどまっている発痛物質を流すことで痛みを取り除く効果が期待できます。
また、目の痛みを訴えてご来院される方の多くは、自律神経の乱れがあります。交感神経の高まりは血管や筋肉などを収縮させます。痛みによって交感神経の活動が活発となり、さらに痛みが続いてしまう要因となってしまいます。当院では、必要な場合初診時に自律神経測定器で自律神経の状態を測定してからその方に合わせた自律神経調整施術を行っていきます。
目の周りによる局所的な施術と自律神経を整える遠隔的な施術を合わせることでより効果が期待できるのです。
症例
45歳 男性
2か月前から眼精疲労がひどくなり、少しずつ目の奥の痛みが気になるようになってきた。
痛みが強く頭痛もひどくなってきたので、眼科で診てもらったところ異常はなく、眼精疲労が原因と診断された。点眼薬を処方されたが楽になるのは一次的で、まだすぐに戻ってしまうため他の治療を考え当院に来院した。
目の痛みや頭痛は朝は感じないが、お昼頃から夕方、夜にかけて増悪する事が多い。
それ以外にもドライアイ、入眠障害、肩こり等の慢性的な症状がある。
仕事ではパソコンを使用することがほとんどで、休日も暇さえあれば仕事をしているため目を酷使している。
当院の施術
まず、常に目を酷使している、休日も仕事をしている、入眠障害といった事で自律神経の乱れがあると考え、自律神経測定器で現在のお身体の状態を確認しました。
測定の結果、交感神経が副交感神経に比べ非常に高くなっていることが判明しました。
交感神経が働きすぎると、目の血流が低下し眼精疲労が酷くなり、目の奥の痛みが増悪します。
そのため、まずは自律神経調節を促す施術を行いました。
次に首肩の筋緊張の緩和、鎮痛や血流改善を目的として、眼の周囲に刺鍼しそこに電極をつないで低周波鍼療法を行いました。
治療間隔は週に1~2回。
施術経過
◇1回目◇
痛みはまだ出るが、体や眼はかなりスッキリした。
◇2回目◇
いつも気持ちよくて寝てしまう。
◇3回目◇
眼精疲労が感じにくくなり、眼の奥の痛みも以前より軽快している。
◇4回目◇
目覚めが良くなってきている。眼の痛みも軽減。
◇5回目◇
ほとんど気にならない。
現在もメンテナンスのため定期的に来院中。
清水大地
資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好医院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院
チックとは不規則で突発的な体の動きや発声が、本人の意思とは関係なく繰り返し起きてしまう疾患です。根本的な原因はいまだ解明されていませんが、子どもの10人に1~2人が体験するといわれています。4~11歳頃の思春期~青年期の男児に発症することが多く12歳頃を境にして減っていき、成人になるまでに約50%の方は自然治癒していきます。
症状が継続する期間によって
・一過性チック症(一年以内に症状が消失する)
・慢性チック症(一年以上持続する)
に分類され、さらに多種類の運動チックと一種類以上の音声チックが一年以上続く場合は「トゥレット障害(トゥレット症候群)」と分類されます。トゥレット症候群の頻度は一万人に1~5人くらいといわれており性差はありません。
以前は心の問題と言われていきましたが、現在では遺伝的な要因の関与やドーパミンという神経伝達物質のアンバランスの関与が指摘されています。
また、不安や緊張、興奮、疲労、などが誘因となりやすいといわれています。
不安などのストレスや強度の疲労、発熱によって悪化しやすく、心身共に落ち着いている状態のときは改善する傾向にあります。
不安や緊張などの精神的ストレスが原因となることが多い病気のため、傷つきやすかったり敏感に感じやすかったりする性格も関係があると考えられています。
動作性の症状(運動チック)
・まばたき
・顔をしかめる
・鼻をピクピクさせる
・口をゆがめる
・とがらせる
・舌を突き出す
・首を左右に振る
音声性の症状(音声チック)
・咳払い
・鼻や舌を鳴らす
・叫ぶ
・単語を連発する
などに大別されます。
チックは意図的なものではなく、やるつもりがなくてもやってしまうものです。ある程度であれば意志により抑制することも可能です。しかし、抑制を続けると反動で一時的に症状が激しくなることもあります。
検査・診断
チック症は子供の場合は小児科や小児神経科で診察を受け、大人の場合は精神科や神経内科を受診することが勧められています。
症状と持続時間を中心に、問診、視診などで判断されることが多いです。問診からチック症を大きく3つの病型に分けます。運動チックまたは音声チックの症状が見受けられ、発症してから一年以内の「暫定的チック症」、運動チックと音声チックのどちらかの症状が一年以上見られる場合の「持続型(慢性)運動または音声チック症」と、運動チックも音声チックのどちらも発症してから一年以上経過している「トゥレット症候群」の3つです。また、ADHDや強迫症などの病気はチックとともに発症することが多く、合わせて検査を行うこともあります。
治療
症状が比較的軽度の場合は、薬物治療などは行わず、できるだけ身体的、心理的ストレスを減らす環境を整える方法を医師との相談の上で考えていきます。また、認知行動療法という本人の認知の仕方を変えることで、ストレス軽減を目指す認知療法が行われます。
チックが重度で学校生活に支障をきたすなど、特に問題となる場合、単純なチックにはクロナゼパムやジアゼパムなど、生活に支障をきたすような重度のケースでは、向精神薬などが用いられることがあります。
これらの方法で症状が軽快しない場合、難治性のチック症の場合は深部脳刺激療法(DBS)という手術が選択されることがあります。
チック症における多くの症状は筋肉の動きが制御できないことが根本にあります。
東洋医学では、筋肉の動きは五臓六腑の肝がコントロールしていると考えられています。
肝の主な働きは気、血(けつ)、津液(しんえき)の巡りをコントロールすることですが中でも気と血の巡りに強く関係しています。これらの流れを調整する働きを疏泄(そせつ)といいます。また、肝は血の貯蔵、精神状態の安定化にも貢献しています。他にも目、爪、筋肉の働きや状態を支えています。
ストレスを受け続けると肝の気や気を巡らす疏泄機能がうまく働かなくなってしまい気滞(きたい)や瘀血(おけつ)を引き起こしてしまいます。その結果眼精疲労、視力低下、まぶしさ、めまい、立ちくらみ、爪や肌の荒れ、抜け毛、筋肉の痙攣、ひきつり、こむら返り、生理不順などの症状を引き起こすことがあります。
さらに、肝と関連深い腎へのアプローチも必要な場合があります。腎は成長や生殖などを司る精(せい)を蓄えています。肝腎同源(かんじんどうげん)といって、肝が失調すると腎の働きも弱まり、逆に腎の精が少なかったりすると肝の働きも弱まってしまうのです。
チック症の方は体と心の緊張状態が続くために自律神経も緊張しやすいです。
そのためイライラ、不安、やる気が出ないなどの自律神経失調症の症状も出やすくなります。
自律神経は内臓の働きや代謝、体温などの機能をコントロールするために無意識に働いている神経で、日中活動的な時間に優位に働く交感神経と夕方から夜にかけて優位に働く副交感神経の二つに分けられます。
精神的な緊張、不安などのストレスや疲労の蓄積などにより自律神経が失調すると、チック症状が出やすくなったり症状を悪化させる要因にもなります。
そのため当院では、問診後に自律神経測定器で測定を行いお身体の状態を把握したうえで治療へ移ります。
お子様の場合小児鍼を使用し施術を行います。
小児鍼は、一般的な鍼とは違い、鍼を体に刺さず、専用の鍼具で皮膚をさする、あるいは皮膚にトントンと当てるだけの手法です。不安なお子さんにはお母さんに抱いて頂いたままで施術を行うこともできますし、親御さんの治療室への同席も可能です。
腕や足、腹部や背部などに存在する自律神経のバランスを調整するツボへ鍼やお灸で刺激し、免疫機能や内臓機能を整え体をリラックスさせることにより症状の改善が期待できます。
また、ストレスは、神経線維に伝わり筋肉を緊張させたり血管を収縮させ血行不良を引き起こします。それが最も現れやすいのが首や肩周辺の筋肉です。
チック症やトゥレット症候群の方はストレス反応により首や肩周りの筋肉が緊張していることが多いため当院では首や肩周りの施術を合わせて行います。首や肩の筋緊張を緩和することで脳内の血流を促進し、ドーパミンをはじめとした神経伝達物質のバランスを整える作用が期待できます。
また、痙攣が見られる場合その箇所に直接施術を行うことで筋肉の緊張を和らげ血流を良くしてコンディションを整えます。
さらに、東洋医学的観点から肝や腎をはじめとした五臓六腑の機能を調整するツボや、気血の巡りをよくするツボに刺激を与えお身体の状態を整えていきます。
風邪などで抵抗力が低下している時に、細菌や、マイコプラズマなどの病原微生物やウイルスの感染で気管支に炎症を起こすのが気管支炎です。
たいていは咽頭炎・喉頭炎などの上気道炎に引き続いて起こります。さらに炎症が進行すると肺炎を引き起こし、高熱と激しい咳のほか呼吸困難なども見られます。
乳幼児期から小児期は保育園や学校など感染症が広がりやすい環境にあるため、気管支炎になりやすい年齢を区別することは難しいとされています。男女の間にも目立った差はないとされています。また、冬に多いですが、一年中起こります。
気管支炎は初めに「からせき」が起こり、しだいに湿った「たんを伴った咳」に変わってきます。
夜間にのどを「ヒューヒュー」「ゼーゼー」といわせる喘鳴(ぜいめい)が起こることもあります。38度以上の発熱、咳、たん、喉の痛み、鼻水、下痢、全身倦怠感、時には呼吸困難を起こしたりします。
夜間、咳のため十分寝られなかったり、咳込みで吐いてしまったりすることもあります。小児がかかると咳によって大人以上に体力を消耗してしまうだけでなく咳がなかなか治まらず2~3週間、あるいはそれ以上続くこともあるのが特徴です。
咳が出やすい時間帯とは
昼間はあまり咳が出ないのに、夜になると咳が出るとよくいわれます。咳反射は夜布団の中に入ると暖かくなって出やすくなり、布団についたほこりなどの影響でも咳は出やすくなります。
検査
呼吸の状態や咳やたんの様子などから総合的に判断されるのが一般的です。肺炎になっていないかを確認するために胸部レントゲンの検査を行うこともあります。
血液検査、細菌検査、たんの検査などを併せて行い、肺炎の原因となる細菌を見つけ出します。また、子供の気管支炎には少ないですが、慢性気管支炎の可能性がある場合には胸部X線およびCT検査などを行うことで肺炎の程度などを調べます。
症状によっては呼吸機能検査、気管支鏡検査などにより詳しい検査を行うこともあります。
治療
ウイルスによるものか細菌によるものかなど症状と原因に合わせて行われます。原因がインフルエンザウイルスの場合には抗インフルエンザ薬が処方されます。
後から細菌感染が合併しないよう、併せて抗生物質が投与されることもあります。一方、細菌が原因である場合には抗生物質による治療が有効とされていますが、症状によって抗生物質をあえて投与せず自然治癒を待つこともあります。
痰を取り除くための去痰剤や咳を抑える鎮咳薬などによる対症療法も必要に応じて行います。
乳児が発症すると重症化するリスクがあるため入院での治療を行うことも多いです。水分補給や栄養補給を管理の元で行うためです。
東洋医学では呼吸は五臓六腑の「肺」と「腎」が協力して行っていると考えられています。
東洋医学の肺は、酸素と二酸化炭素を出し入れするだけの臓器ではありません。胃腸で吸収された栄養分と外界から取り入れた空気を一緒にして全身に送り届ける役割を担っています。
また、呼吸について東洋医学では腎にも役割が与えられています。「納気(のうき)」という作用があり、納には納め入れる、固め取り込むという意味があり、これは肺によって取り込まれた大気中の清気を腎が摂納する機能をいいます。人体上部にある肺は主に呼気を、人体下部にある腎が吸気を主ると考えられています。
腎の納気作用は先天の気、言い換えれば腎精によって行われるため、生まれつき先天の気が虚弱だと呼吸器系のトラブルが起こりやすくなります。
肺と腎の気が不足すると、息切れ、呼吸が浅い、動くと症状が悪化する、声が小さい、喘息などの症状が現れます。
小児鍼は、一般的な鍼とは違い、鍼を体に刺さず、専用の鍼具で皮膚をさする、あるいは皮膚にトントンと当てるだけの手法です。
当院では施術の前にしっかりと問診を行い、それぞれの年齢、体質、症状を見極めそれに応じた最も効果的な鍼施術や手技で怖くない、痛くない、優しい治療を心がけています。また、不安なお子さんにはお母さんに抱いて頂いたままで施術を行うこともできますし、親御さんの治療室への同席も可能です。
まず、はじめに自律神経のバランスを整えるツボに刺激を与え、免疫機能や内臓機能を高め全身的な血流を良くすることで、体の本来持つ自然治癒力を高め症状が治癒しやすいお身体の状態へと整えていきます。
また、東洋医学的観点から肺や腎をはじめとした五臓六腑の機能を整えるツボを用います。
気管支炎に効果のあるツボは背部や胸部、腕などにあります。そのツボの部分をお灸なども用いながら優しく刺激していきます。お灸は基本的には火を使わないお灸を使用していきますが、糸状灸というとても細くひねった優しい刺激のお灸を使用する場合もあります。
どちらにせよ心地よく感じる位の刺激になりますので小さなお子様も安心して施術を受けて頂けます。
当院の書痙に対する施術は、まず第一にはりやお灸を施すことにより全身の調整を図り、自律神経のバランスを整えます。東洋医学では局所的に診るのではなく、全体的に診ることが特徴のひとつであり、全身施術を行うことにより自然治癒力を高めます。
腹部のツボなども用いて内臓の働きを活性化させて自律神経の状態を整えていきます。
その他、書痙の症状が出ている腕にも鍼治療を行っていきます。
また書痙は東洋医学的に見ると「風邪」の発生と「肝」の機能障害により「気」「血」「津液」のバランスが崩れて発症すると考えられているので、はりやお灸を用いてツボを刺激することで「風邪」を体外に出したり、「肝」の機能を正常に戻すように促します。
東洋医学の診断方法に基づき全身の調整施術も行っていきます。書痙は全身性の疲労や精神的ストレスが原因となり自律神経系の乱れに繋がる場合が多いです。
そこで当院では、自律神経測定器を用いて自律神経の状態を把握して施術にあたります。当院独自の自律神経調整療法を施すことで、自律神経系が整えられ、書痙の症状が徐々におさまっていきます。
書痙の施術期間は、長くかかる症状の一つです。しかし、当院の施術を受けることで、書痙の回復程度を高め、着実に仕事や生活の質の向上が期待できます。お困りの方はぜひ一度ご相談ください。
書痙は中医学でいう「風邪」の影響と「肝」の機能障害により「気」「血」「津液」のバランスが崩れて発症すると考えられています。
「風邪」には、突然発症する・変化が多い・人体の表面や上部を侵しやすいという特徴があります。病理反応としては、主に自律神経系や末梢神経の障害によると考えられます。「風邪」が発生する原因には内因(体質素因・精神的素因)と外因(生活素因・自然素因)などがあり、書痙は主に内因によって発症します。
東洋医学でいう「肝」には、精神情緒の安定・自律神経系を介した機能調節・栄養物質としての血の貯蔵・運動神経系の調節などの役割があります。そういった機能が失調すると筋肉に栄養が循環できなくなり、ひきつり・痙攣・ふるえなどの症状が現れます。中医学では古くより痙攣やふるえなどの原因は「肝」と関係が深いと考えられています。
また東洋医学でいう「肝」と「腎」の機能が弱ると全身的に血や体液が不足し、筋肉などの様々な器官に栄養を送ることができず、さらに「風邪」に侵されるなどの病態が重なると書痙がおこりやすくなります。両者の関係は深いので「肝腎同源」とも言われており、「肝」と「腎」の症候が同時にあらわれることが多いです。
東洋医学の「肝」機能
疏泄を主る
精神情緒の安定、自律神経を介した機能調節
血を蔵する
栄養物質としての血の貯蔵、自律神経系を通じた血流調節
筋を主る 運動神経の調節
目に開窮し、華は爪にある 視覚系の調節、爪の栄養
50代男性
お仕事柄右手でペンや筆で字を書く機会が多く、2・3年前から字を書くときに震えや肘周辺の筋肉が硬直してしまい上手く字が書けない。比較的朝は調子が良いが、体が疲れてくる夕方ごろになると症状が強く出て字が全く書けないほどになってしまう。また、食事で箸を使って食べる際も細かい食べ物などが持ちずらく、落としてしまうことが多い。
心療内科や整形外科を受診したが、特に治療という治療はしてもらえなかったということで当院にご来院されました。
当院の治療
寝つきも悪く、自律神経の状態も乱れていることが考えられたので、施術に入る前に自律神経測定器で自律神経の状態を把握してから治療に入りました。自律神経側敵の結果で交感神経の高い状態だったので、まず交感神経の活動を抑え副交感神経を上げられるような体の力が抜けリラックスできる治療をしました。
次に右手や右の頸肩部・肩甲骨周辺を触診してみたところ、とても硬くなっていたのでそれを解消できるように鍼灸施術や手技療法でアプローチしました。
治療経過
◇1回目◇
治療後少し字を書くのが楽に感じた。しかし、夕方ごろになると書きづらさはかわらなかった
◇2~4回目◇
前回同様の結果だった
◇5回目◇
ペンで書いてもだいぶ平気になってきた。以前は筆を持って字を書くことがまるっきりできなかったが、少しずつできるようになってきた
◇6回目◇
右手に上手く力が入るようになってきて箸で食べ物もつかむことが困難ではなくなってきた。
◇7~10回目◇
治療を重ねていくごとに徐々にペンや筆をかける時間が増えてきて寝つきなどもよくなってきた。
症例2
20代 男性
一年前から原因不明の書痙に悩まされている。
病院で検査を受けたが何も問題はなく心因的なものと診断された。
今まで様々な治療を試したがなかなか改善が見られず、当院のホームページをたまたま見つけて来院した。
字を書こうとすると手や腕に力が入り、震えてしまうため思ったとおりに書くことができない。字がうまく書けないことへの不安や焦り、憤りを強く感じてしまい、そのためますます力みが生じ書けなくなる。
当院の施術
はじめに自律神経測定器で現在のストレスや自律神経の状態を計測してみたところ、交感神経の割合が高く、逆に心身をリラックスさせる副交感神経の働きが少ない状態でした。
また、精神的ストレス肉体的ストレス共に非常に高く慢性的な疲労が影響しているように感じました。
まず、うつ伏せで首肩背中周りの筋緊張の緩和のためコリに直接刺鍼を行いました。
次に仰向けになり自律神経の調節やリラックス効果のある経穴、利き腕の文字を書く事に関わりがある特に緊張が強い筋肉に鍼とお灸で刺激し、緊張の緩和を目的とした施術を行いました。
◇1回目◇
特に目立った変化はない。
◇2回目◇
心身ともにリラックスできる。
字も以前より書きやすい。
◇3回目◇
まだ完全ではないが、すらすら書けるようになってきた。
◇4回目◇
少し力みが出て、いつもより書きづらい。
睡眠不足や過剰なアルコール摂取した翌日はうまく書けないことが多い。
◇5回目◇
再度スムーズに書けるようになってきた。
◇6回目◇
調子がいい。字に対してあまり変な意識が少なくなってきた。
◇7回目◇
字を書くことに対し、恐怖心がなくなってきた。
調子が良いため施術間隔少し開けてみて様子を見てみる。
◇8回目◇
問題なく書けるようになってきた。
☑字を書こうとする際に痛みや振るえが生じて、まともに書くことができない。
☑力が入り過ぎてうまく字を書けない。
☑誰も見ていないところでは書けるが人前で字を書こうとするとうまく書けない。
こういった症状でお悩みではありませんか?それは書痙という症状かもしれません。
書痙とは、字を書こうとすると疼痛あるいは痙攣や自分の意志とは関係なく指に力が入り過ぎたりして字を書くことができなくなってしまう疾患です。人前で字を書く際、特にこういった症状が出やすく、大量に字を書く事務系の職業の人に多く発症。。
書痙症例の4分の1は両手に生じて、発症率は10万人に3~7人と少ないものの仕事・自己評価・社会生活に深刻な影響を及ぼします。基本的に会社などでストレスの多い20~40代の男性に多いと言われています。
書痙の症状は書字障害を主として、とくに人前で書くときに症状が強くなります。
ⅰ)硬直型:手の筋肉が過度に緊張して、力が入り過ぎるまたは痙攣して字が書けない。
ⅱ)振戦型:手が細かく震えて、線をまっすぐに書けない。
ⅲ)ジストニア型:自分の意志とは関係なく指に力が入ってしまい、手が屈曲して字が書けない。
その他筆圧が下がりうまく字を書けない・手首や指、腕が痛むと感じて字が書けないなどの症状もあり、人によって出る症状は様々です。初期症状としては文字を書くときの場合が多いですが、症状が重症化してしまうと字を書くときに使う筋肉以外の筋肉にも波及することがあり、箸がうまく持てない・ボタンをうまく締めることができないなど日常生活に多大な影響が出てしまいます。
書痙の類似症状は、ピアニストやバイオリニストなどの音楽家に見られることも多く、楽器を演奏するときだけに指が曲がって伸びなくなったり、突っ張ったりします。また手に力が過剰に入るために手や肘に痛みを発症したり、肩こりを伴うことがあります。
書痙は神経質で不安や強迫観念の強い人に多く発症すると言われており、心理的ストレスなどの要因が影響して発症する心身症(精神的・心理的要因から起こる身体的な症状)と考えられています。
また近年の研究で書痙は、大半が筋肉の緊張や動作を司る脳内運動メカニズムの不調によるジストニアであることがわかってきました。
書痙の一般的治療として心理療法と薬物療法があります。
心理療法として行動療法(問題となる行動を修正し、結果的に破綻に至らないようにする治療法)や自律訓練法(自己暗示によって心身のリラックスをはかる訓練法)などがあります。
薬物療法として抗不安薬・抗けいれん薬やボツリヌス治療(緊張のある筋肉を特定してボツリヌス毒素を筋注射して緊張のある筋肉を麻痺させる治療法)などがあります。しかし特効薬といったものはありません。
ボツリヌス注射は海外では書痙に対して有効とみなされており積極的に行われているようです。また重度の書痙症状に対しては、ジストニア治療で活用される定位脳手術を行うことがあります。定位脳手術は脳の支障という部分に電気刺激を与えることで改善をはかるものでジストニア治療の際に行われる術法です。
その他抗コリン薬や抗てんかん薬なども処方されることもありますが、まだ効果は十分ではなく新薬の研究開発が進められている段階のようです。
清水大地
資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好医院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院
①副交感神経を高めるためにお腹に刺鍼します。
同時にお腹を温めていきます。ストレス社会による交感神経優位の方は副交感神経を高めていくことが必要となります。
副交感神経と交感神経は互いにバランスを取り合う関係でもあるため、一方を高めていくことでもう一方をコントロールしていきます。
副交感神経はリラックス神経と呼ばれています。
人がリラックスした時に優位になるため休息時や睡眠時、食事中に活動します。
食事をすると内臓系が働くことから副交感神経が優位になるのでお腹を外部から刺激することで内臓に刺激を与えられます。
②次にうつ伏せ治療では主に症状に合わせた治療を行います。
胃腸の働きを高めていくよう背部にお灸を施すことが多いです。
交感神経は筋肉の緊張を高めますので、全身の筋緊張緩和によりリラックスでき副交感神経が優位になりやすい状態にしていきます。
特に大事にしていますのが、頸部の筋緊張がよくほぐれるように治療します。
PC仕事や目を酷使される方は決まって後頭部が緊張しています。この部分は経験上ですが、うつ病の方やプレッシャーが強い管理職の方も硬く緊張しやすいです。
これは考え事に追われるとストレスを感じてその反応が頭の近くにでるのではと考えています。
そのためこの部分をよく治療すると、寝つきが良くなったり、睡眠時に起きなくなったとよく喜ばれています。
当院の治療方針は自律神経を重点に見ており、
現代のストレス社会や生活習慣病に対して治療や予防をしております。
死の四重奏やうつ、不眠などの病気や症状は自律神経が大きく関与していると考えられています。
自律神経は、交感神経と副交感神経の2種類があり、双方のバランスによって身体をコントロールしています。
このバランスが仕事や悩み、育児などで大きく崩れると身体の体調も大きく変化します。
身体全体をコントロールしているため、部分的な症状より全身症状になります。
全身の症状の中でも糖尿病、肥満、高脂血症、高血圧の四つは「死の四重奏」と呼ばれます。
二つ以上で習慣病に発展していきやすく、2つ3つと重なるほど生活習慣病のリスクが高まります。
日本では、この生活習慣病による罹患率がとても高く、この四つが引き金となって心筋梗塞や脳梗塞に発展します。
将来の健康は日々の積み重ねより守られていくもので、罹ってからでは後戻りができません。
微々たる原因の積み重ねで将来大きなものになっていきますから、今のうちから微々たる修正を加えていくことで、大きな代償を払って修正しなくて済むようにしていきましょう。
鍼灸治療はお薬や外科的手術とは違い、身体が本来もっている自然治癒力をたかめる治療法です。
治療概念は自然から組み立てられているため、人にも優しい治療法となるわけです。お薬のように副作用もありません。
自律神経は自然環境に沿って過ごせば、大して崩れないものです。
ですが、今の時代生活をしていくためにもお仕事をしなければなりません。
デスクワークの方は・・・・
・腰痛
・肩こり
・手足の冷、えむくみ
PCやスマホを使われる方は・・・・
・眼精疲労
・近視
・乱視
夜勤などがある方は・・・・
・うつ病
・自律神経失調症
・精神疾患
働くことによる身体の代償はいろいろですが、すべては身体のバランスが乱れることから起きています。
痛い場所だけの治療や慰安目的だけの治療ではなく、当院では自律神経を調整療法で根本から見直す治療が身体を健康にしていきます。
今から少しずつ体を見直していってみましょう。
1.主に朝は必ず朝日を浴びるように勧めています。
朝日を浴びることで人の体内時計はリセットされて夜に眠気がくるようになっています。
この体内時計こそ自律神経が大きく関与していますのです、朝日がその日のスタートに欠かせないことになります。
2.次にコップ一杯のお水を飲んでいただきます。
夜に汗により水分が抜けてしまったこともありますが、第一は内臓をゆっくり動かすのにちょうどいいからです。
内臓が動くことで副交感神経が動き出します。
朝はこれから行動していくため本来は交感神経を高めていきたいのですが、これは現代のストレス社会の人にお勧めしている方法です。
3.夜は、PCやスマホなどの目に刺激になるものは控えていただきます。
帰ったら家をなるべく暗くしてもらいます。暗い状況ですと身体がリラックスするためです。
4.なるべく睡眠三時間前に晩御飯を済ませていただきます。
空腹で睡眠することによりホルモンが上手くでて身体を修復してくれます。
これが一日の健康なリズムとなります。
これに時間が取れる方や余裕がでてきた方には、
毎朝のウォーキングをしてもらいます。
汗をかくぐらいのウォーキングで泌尿器が鍛えられます。
息が早くなるぐらいで呼吸器が鍛えられます。
さらに息切れするぐらいで筋骨系が鍛えられて、脳内からはドーパミンが出てきます。
時間としては40分がお勧めです。
40分以上ですと身体が疲れてしまい、40分以下ですと効果がでません。
当院の自律神経調整法とこの生活指導を行っていただくことで将来の健康を作っていきましょう。
症例
40代 男性
以前から不眠で悩まされていて、最近ひどくなってきた。疲れがひどく精神的にも落ち込みが激しくやる気が出ないうつ状態に陥ったため、2か月前から休職している。休職前に比べたら多少改善してきたが、まだ眠れないことが多い。平均睡眠時間は約4~5時間程度。
不眠の状態は入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒があり、それぞれ日によって繰り返す状態。
不眠の他に、うつ状態、手足の冷え、緊張性頭痛、胃腸の不調が見られる。
職業はプログラマーで、睡眠を削って仕事をすることが多く、時には徹夜することもある。
当院の施術
問診で詳しく話をお聞きした後、自律神経測定器で現在のストレス度や自律神経の状態を測定しました。
休職中のためか肉体的ストレスは正常値でしたが、精神的ストレスがやや高い状態でした。
自律神経は昼間にもかかわらず副交感神経の割合が高く、逆に交感神経がほとんど働いていない状態で、交感神経と副交感神経がそれぞれ逆転して働いてしまっている事が分かりました。
触診では、お身体全体の緊張が非常に強く常に力が入っている様な状態で、特に肩首の筋緊張が強く感じました。
まず仰向けで腹部や手足、頭部にあるリラックス効果、自律神経調節に効果が高い経穴に鍼やお灸で刺激をしました。
次にうつ伏せで、背部の経穴や首肩の硬結に刺鍼、また不眠に効果的な安眠穴にも鍼で刺激をしていきました。
経過
◇1回目◇
不眠は大きな変化はないが、施術後は身体がポカポカして気持ちよかった
◇2回目◇
以前より自然とリラックスできるようになってきて、身体の力みが減少
◇3回目◇
以前より入眠時間が早くなったような気がする
寝起きが楽に感じる
◇4回目◇
手足の冷えや胃腸の不調が気にならなくなってきた
中途覚醒が減ってきた
◇5回目◇
1週間の間で不眠が全くない日が4日あった
気分もすごく快適
◇6回目◇
考え事をしてしまうと寝つきが悪い日もあるが、それ以外は十分寝れている
◇7回目◇
平均睡眠時間が7時間まで改善
冷えや胃腸の調子も改善し、気分の落ち込みもなくなった