当院の中心性網膜症に対する治療の目的は、第一に目の周辺の経穴に鍼をさして(決して痛い鍼ではありません。またどうしても鍼が苦手という方には鍼をささずに治療する方法もあります。)温灸器で目の周囲を温めることにより目の血行を促進させます。また、刺激量を高めて治療を行う場合は電気針療法を施すことをもあります。
目の周りの血流量を高めることにより、網膜と脈絡膜の間に溜まっている漿液を排出するように促します。
また中心性網膜症は、ストレスとの関係が考えられていることから全身を診て施術していきます。特に当院では、自律神経測定器を用いて自律神経の状態を把握した上で施術に入ります。自律神経は自分の意志とは無関係に働いていてくれている神経で目の働きともとても深い関係にあります。鍼灸治療で自律神経を整えることにより、目の不調が改善されることが多いです。
東洋医学では五臓六腑の肝は目に開竅するといわれており、眼の疾患は肝の機能の障害が深く影響していると考えられています。肝血が不足してしまうと視覚の異常や運動系の異常などがみられます。
また中医学では「肝腎同源」といわれており、肝血と腎精は互いに補い合っています。肝の異常は、すぐに腎にも影響をもたらし、またその逆もしかりです。
肝の機能異常や過労・睡眠不足が腎の機能に影響をもたらして腎の水を主る機能を減退させて中心性網膜症を引き起こしてしまうと考えられます。
中心性網膜症 男性 40代
二年前に物が少しゆがんで見えることから眼科を受診。中心性網膜症と診断される。
その時は、軽快したが体調により再発を繰り返す。
当院に来院する一週間前より症状が強く出ていた。
◆経過◆
◆1~5回目◆
目の症状あまり変化なかった。しかし、身体が軽くなり、夜しっかりと眠れるようになってきた。
◆6~10回◆
目視界の歪みが少しずつ軽減してきて視界が明るくなってきたと感じる。
◆11回◆
目の症状ほぼ気にならなくなった。
◆現在も体調管理のため2週に1回のペースで来院中
・考察
仕事の忙しさや夜眠れないこともあったことからストレスをとても感じている状態でした。
当院の自律神経測定器で自律神経の状態を測定したところ交感神経が優位な状態でした。仕事が終わるのも遅く、自律神経のバランスが乱れていたと考えられます。目の周りの血流改善、首肩の筋肉の緊張の緩和、全身の自律神経を整える治療を施し、効果が見られた症例でした。
症例2
中心性網膜症 男性30代
2か月前の朝に突然物が歪んで見えて中心が暗く感じた。少し時間をおいたら治るだろうと思い、そのままにして仕事をしていたら中心の暗さが朝よりも強く感じてきたため仕事を早めに切り上げてもらい眼科を受診された。眼科では中心性網膜症と診断された。ストレスが大きな原因だと言われ、ビタミン剤と血液循環を改善する薬が処方された。出された薬をに見続けて一か月経つが特に目の症状に変化がみられなかったため他に何かできることはないかと探していたところ、偶然当院のホームページを見つけてご来院された。
当院の治療
ストレスが大きな原因で自律神経を乱して末梢の血液循環が悪くなったことも考えられるので自律神経測定器で自律神経の状態を計測してから治療をしました。自律神経測定器の結果、測定したのが夜8時だったのにもかかわらず、交感神経が高い状態で副交感神経の活動が低い状態でした。
また問診をして行くと、発症前から仕事が急に忙しく睡眠もしっかりとれずに体に疲れをすごく感じていたとのこと。
自律神経の調整・全身の疲れの改善を目的に治療をした後に目の周りを電気鍼療法で刺激していきました。
治療経過
◇1回目◇
治療後、普段感じていた目の疲れを感じなかった
◇2~4回目◇
視界の歪み・暗さはあまり変化が見られなかったが、深い睡眠がとれるようになり身体の疲れはだいぶ取れてきた。
◇5回目◇
眼科の検査で、網膜にできた滲出液のでっぱりが小さくなっていると言われたとのこと。
◇6~9回目◇
視界の歪み・暗さが少しずつよくなってきた。
◇10回目◇
眼科の検査で滲出液がほぼ吸収されていると言われた。視界も良好。
再発防止のため定期的に当院を受診されている
症例3
中心性網膜症 50代男性
一か月前に中心性網膜症と診断され、ビタミン剤や血流改善の薬を処方されたが改善されず、他の治療方法を試したく来院した。
左目に物が歪んで見える、黒いもやの様な物が視界の中心に見えるという症状があり、そのせいで非常に目が疲れる。
営業職のためストレスが感じやすく、生活習慣も乱れ気味で睡眠時間も平均5時間と少し短め。出張も多いので外食が増えている。ランニングやマリンスポーツが好きなので、休日はなるべく運動をしてストレスを発散している。
自律神経測定の結果
ストレスが慢性化しているという事だったので、まず自律神経測定器でお身体の状態を診てみました。
夜の時間にも関わらず交感神経が高く、副交感神経があまり働いていない状態でした。また、肉体的、精神的ストレスと共にやや高く、交感神経過剰の原因の可能性があると考えました。
血管老化度は運動習慣のおかげで実年齢と変わりないとても優れた結果が出ました。
治療方針
まずうつぶせで、首肩に鍼を打ち筋緊張を緩和、その後仰向けで眼の周りに低周波鍼療法を行い血流改善を目的とした施術を行いました。
また、自律神経測定器の結果をもとに、副交感神経を優位にさせ自然治癒力を高める施術も同時に行いました。
◇1回目◇
眼は大きな変化はない。施術を受けた日の夜はよく眠れた。
◇2回目◇
まだ変化はない。終わった後はリフレッシュできてスッキリする。
◇3回目◇
症状は変わらずだが、眼の疲れは軽快。今回から刺激量、電気の出力を上げてみた。
◇4回目◇
前回後、視界のゆがみが軽減。
◇5回目◇
黒いもやが薄くなってきた
◇6回目◇
さらにゆがみ、黒いもやが軽減
◇7回目◇
前回施術後の帰宅中、ほとんど気にならなかった
◇8回目◇
眼が疲れると歪みが出るが、それ以外は気にならなくなってきた
◇9回目◇
ほとんど気にならない
中心性網膜症とは、網膜の内側にある脈絡膜という組織から血漿が漏れ出して網膜の下に溜まってしまい、網膜がドーム状に剥離してしまう疾患です。
脈絡膜は、血管が多くあり、眼球に栄養を行き渡らせる働きがあります。
網膜は、視覚的な映像を電気的な信号へ変えて、脳へ情報を送るカメラのフィルムのような役割があります。
この脈絡膜と視細胞の間にある網膜色素細胞は、血管を透過する漿液全てが網膜に作用しないようにしています。しかし、この網膜色素上皮に異常が発生すると、漿液が漏れて眼底に浮腫ができます。
中心性網膜症の症状として
ⅰ)中心暗点
視野の中心が暗く見えます。
ⅱ)小視症
物が実際よりも小さく見えます。
ⅲ)変視症
物が歪んで見えます。
中心性網膜症は、30代~50代の働き盛りの男性に多い傾向にあり、片側の目に多く起こります。稀に両目に起こることがあり、多くは網膜剥離が治ることで症状が軽快してきます。
中心性網膜症の原因はいまだはっきりとはわかっていません。しかし、30代~50代の働き盛りの男性に多いことや過労や睡眠不足が続いたあとに起こることが見られることからストレスが目に悪影響をもたらして発症していると考えられています。
また、妊娠時期に発症することもあることからホルモンバランスの変化やステロイド剤などの副作用でおこることも考えられています。
中心性網膜症の原因は、いまだはっきりとした原因はわかっていませんが、働き盛りの男性にかかりやすいことから心身のストレスが大きな要因の可能性があると考えられています。当院にご来院される中心性網膜症も患者さんの中でもパソコン仕事や細かい作業を長時間行っていて発症してしまったという方が少なくありません。仕事が立て込んでろくに休みが取れずに睡眠時間が少なかったなどという日常生活でのストレスが大きかった方が発症しやすいと感じます。
・ストレスを溜め込まない
ストレスを溜め込むと心身に様々な悪影響をもたらすということは誰もが知っていることかと思いますが、目に関してもそうです。特に目は細かい毛細血管が多く張り巡らされており、ストレスなどによる自律神経の乱れは目にあらわれやすくなります。趣味を適度にしたり、軽いウォーキングなどの有酸素運動などをすることで心身をリラックスするように心がけましょう
・睡眠時間を十分に確保する
中心性網膜症を発症した多くの方は、その前の期間に睡眠時間が少なくなっていたと言います。しっかりと睡眠時間を確保することで治りも早くなりますし、発症・再発の予防となります。
・労働時間を考える
特に主に事務仕事やカメラマンなど目を酷使する時間が長いと目に負担がかかり、中心性網膜症にかかりやすいです。長時間の労働は避けて仕事中は必ず1時間に一度は休憩を取って目を休めることが必要です。
・飲食に気を付ける
中心性網膜症を治す、再発予防をする際に飲食に気を付けることは大変重要です。お酒は一時的に体の巡りを良くしますが、大量の飲酒は体の疲れを蓄積させて目にも悪影響がでます。食事も三食きちんと摂って塩分を摂りすぎないように注意しましょう。
当院ではまず治療を行う前に自律神経測定器で自律神経の状態を把握した上で施術を行っていきます。
交感神経が優位かまたは副交感神経が優位かで施術法や使用経穴が異なってきます。また、初診時に問診時間をとって詳しく病態を把握していますので些細な体の気になることでもご遠慮なくご相談ください。
その他にも東洋医学的観点からも施術していきます。不安神経症で悩まれている方の多くは上記のように『心気虚』です。当院の鍼灸治療では、『心』の機能を回復させて『気』を充実させます。
頸部の筋緊張の緩和も不安神経症には有効です。うつ病や不安神経症など心療内科疾患の方の多くは、頸部の胸鎖乳突筋という筋肉が過緊張状態の方が多いです。
その部分の筋緊張が強く出てしまっていますと、その下を通過している血管を圧迫してしまうことで頭部への血液循環が悪化してしまう危険性があります。それらを解消することで症状改善を目指していきます。
治療期間・治療頻度の目安としましては、最初の1か月程は治療間隔を詰めて週に2回ほどの治療間隔でそれから徐々に治療間隔を延ばしていきます。合計で3カ月を1つのクールとされることをおすすめします。不安神経症は決して治らない病気はないですが、根気よく治療を続けていく必要もあります。
不安神経症は、東洋医学でいう『気』と五臓六腑の『心』が深く関わっていると考えられています。
東洋医学の『気』は体内を流動する精微物質の一つと考えれており、体内を巡って臓腑の機能や精神的活動または体外から邪気から体を守る役割も果たしています。『気』の作用が十分に機能しないと、不安感などの精神的症状の他にも元気が出ない・倦怠感・食欲不振・イライラ感・頭痛・不眠など様々な体の症状を呈します。
五臓六腑の『心』は『神志を主る』と言われ、思考・分析・判断・情報処理などの意識や思考活動をになっています。
『心』の機能が充実していれば、思考力や判断力、記憶力などが正常に機能します。『心』の機能が低下してしまうと、不安感・動悸・めまい・倦怠感などの症状があらわれてしまいます。
上記の二つの『気』と『心』の機能が低下している状態を『心気虚』といい、不安神経症の原因となります。
小うつ病患者と不安障害患者の心臓自律神経系機能に対する鍼の効果を評価する研究がドイツの大学病院で行われました。
小うつ病あるいは不安障害をもつ患者36名、平均年齢43歳で女性19名、男性17人が被験者です。
用いられたツボは百会や神門、内関、申脈といった経穴に刺鍼をして一方は頭部や手足にツボが存在しない箇所に偽鍼を行いました。
安静時5分間の心拍変動を鍼をする前と鍼をした5分後、15分後にそれぞれ測定していきます。
結果は、偽鍼群と比較すると鍼治療群は5分後及び15分後の平均安静時心拍数が有意に減少がみられました。偽鍼群と比べて鍼治療群は、心拍の安定が見られ、心臓ー迷走神経による心拍調節能力を相対的に増強して自律神経系の生理学的調節機能を促進することが結論付けられています。
30代 女性
結婚を機に会社を退職して前の仕事よりも労働時間の短い仕事に転職した。その新しい仕事先で上司との気が合わずにストレスを感じていた。結婚生活でもケンカが絶えず、将来本当にやっていけるのか不安感を感じるようになった。
その不安感がなかなか取れず、胸の圧迫感や全身の倦怠感を感じて仕事にも出ることが出来ずに会社を休みがちになってしまうようになってしまった。
薬に頼らずに不安感を取り除きたいということでたまたま見たホームページよりご来院された。
治療
まず、自律神経測定器で自律神経の状態を測定してから治療を行っていきました。交感神経が以上に高ぶっており、自律神経の乱れがみられたので自律神経を整える治療を中心に行っていきました。
治療経過
◇1回目◇
治療後、漠然とした不安感・胸の圧迫感が少し軽減したと感じた。
◇2回目◇
仕事で上司と接するとまた不安感を感じた。
◇3~5回目◇
体の疲労感が少しずつ和らいでいったが、不安感はあまり変化なし
◇6回目◇
以前は夜に不安感を感じて寝つきが悪い時があったが、寝つきが良くなったように思うとのこと
◇7回目◇
日常生活の中でも不安感を感じても自分でコントロールできるようなってきた。
◇8回目◇
上司との会話中や家庭内のトラブルがあると多少不安感を感じるが、長続きはしない
不安という感情は、自分の身を守るためにとても重要な感情です。何となく不安を感じることで身の危険から逃げることが出来たり、何らかの対処ができます。
しかし、その感情が続いてしまい自分でコントロールができなくなってしまうと、精神的あるいは身体的にも大きな影響を与えてしまいます。
下記のような状態が続いているようでしたら不安神経症の疑いがあるので注意が必要です。
☑心配事や不安感を感じる日が週の大半を占める
☑なんでもない出来事でも緊張したり不安を感じる
☑不安感や心配事を自分で和らげることが出来ない
☑疲れやすく、常に気怠い
☑めまい・ふらつき・頭重感を感じる
☑イライラして落ち着かない
☑夜でも神経が高ぶっていて疲れていても眠れない
不安神経症とは、その名の通り不安感を主症状とする疾患です。前述のとおり、不安感は人間にとって必要な感情です。不安感があること自体はなんや病気でもありませんが、不安感が長く続いていたり、不安感が自分で全くコントロールできなくなってしまったら病的な不安の可能性があり、その不安感は精神もしくは身体にも悪影響を与えてしまいます。
不安神経症は、女性にかかりやすい疾患と言われており、男性の約2倍も発症していると言われています。基本的に6か月以上慢性的に不安感が続き、最初は身体的変化みられずに病院を受診することが少ないですが、頭痛や動悸などの身体的変化みられてはじめて病院を受診することが多いようです。
しかし、病院を受診して様々な検査を受けても特に異常がみられずに心療内科を紹介されて初めて不安神経症とわかることがあります。
不安神経症は、身体的にも精神的にも症状があらわれます。
精神的症状
・慢性的に続く不安感
・イライラ感
・記憶力や集中力の低下
・悲観的になり、小さなことでも落ち込む
・中途覚醒や寝つきが悪くなる
・外出するのも億劫になる
身体的症状
・頭痛や頭重感
・動悸やめまい
・倦怠感
・慢性的な疲労感
・慢性的な首肩こり
・便秘
・頻尿
不安神経症とパニック障害は元々「不安神経症」と呼ばれる一つの病気として認識されていました。しかし、その症状が多岐にわたっていたため米国精神医学会が診断基準を定めてそれによって不安神経症とパニック障害が区別されるようになりました。
パニック障害と診断されるのは以下の13項目で4つ以上が突然発症して10分以内にその症状が頂点に達することで4つ未満であれば全般性不安障害として診断されることが多いです。
4つ未満当てはまる場合でもすべて全般性不安障害と診断されるわけではなく、自律神経失調症のようなその他の精神疾患と診断されることもあります。
しかし、現代ではパニック障害や不安神経症の人は増加傾向にあり、一生のうちに一度はこの病気にかかる方は決して少なくありません。
不安神経の原因は人によって様々ですが、主に精神的な悩みや不安、精神的なショックが原因となります。主に職場や結婚・離婚・引っ越しなどの生活環境の変化、大切な人との死別や裏切り、突然の解雇など社会からの断絶などがその要因となりえます。
しかし、なかにはそういった原因が全く見られない場合もあります。その場合、遺伝的な要因・その人の性格的要因・女性の場合ホルモンバランスの変化など考えられる原因は様々です。
不安神経症の方に多く見られる性格
・真面目で責任感が人一倍強い
・仕事や勉強に決して妥協しない完璧主義
・人によく気を遣って言いたいことがあまり言えない
・物事に必要以上にこだわりが強い
・ストレスの発散をせずにため込みやすい
・緊張しやすい性格
・物事に対して常に慎重で細かく分析しがち
食事とメンタルは一見するとあまり関係がないと思われるかもしれませんが、食事がメンタルに及ぼす影響は様々な研究から明らかになっています。
ここ最近の研究で、健康的な食事をしている人の方が、格段にストレスに強いということが分かってきています。
特に
・ジャンクフードを食べる
・揚げ物を多く食べる
・飲酒習慣がある
・お菓子や清涼飲料水をよく摂取する
・加工肉を食べる
これらが習慣化してしまっている方は、これら摂取を控えるだけでもメンタルが大きく改善する可能性が高いです。研究では、3か月でストレス耐性が付いてくるという結果が出ています。
それにプラスして今注目を集めているのが、オーストラリアのメルボルン大学などが開発した
『SMILES』
という食事法があります。
地中海式の食事、フルーツ・野菜・魚・オリーブオイルを大量に食べる食事法をベースにしたものです。
2017年に発表された論文では、大うつ病に苦しむ男女に対して12週間「SMILES」の食事法を続けてもらい症状の変化を見ました。
結果は食事法を取り入れたグループは取り入れていないグループに比べて症状が3割も改善されたというものです。
生きていくのがつらいと感じていた人がちゃんと暮らしていこうと思うようになるレベルにまで改善されたのです。これは、通常投薬治療で得られる効果よりも優れたものです。
「SMILES」は地中海式食事をベースに
・全粒粉のパンやパスタ
・野菜一日握りこぶし6個分
・野球ボール3つ分くらいのフルーツ
・一週間に豆類を180グラム
・1日にナッツを掌に軽く乗るくらいの量を食べる
・週に120グラム以上の魚類
・脂身の少ない肉類
・週に6個以上の卵
・1日小さじ3杯のオリーブオイル
・乳製品
細かいガイドラインがありますが、これらすべてを実行するのは至難の業かと思いますので、普段より野菜とフルーツを多く食べるようにしておかずは魚類を中心にすることを心がけてみましょう。
お米は白米よりは玄米にあまりカロリーは気にする必要はありません。ちゃんとした食事を楽しむという心構えも重要です。
当院では顔だけではなく、肩こりや頭痛など全身の症状も併せて施術を行っていきます。
まず、背部にある五臓六腑に関係するツボに鍼やお灸で刺激をしていきます。
また首肩の筋緊張を緩め、お顔の血流循環を促進していきます。
仰向けでは、肌荒れと関係する大腸や自然治癒力を促進するため自律神経調節治療、直接顔面部の肌荒れが起きている患部に刺鍼を行いお肌の再生を促していきます。
レーザー脱毛はメラニン色素という黒い色素に反応するレーザーを照射し、毛乳頭という毛を作る細胞を熱で破壊する施術で、近年では女性だけではなく男性の方も利用することが増えてきました。
レーザーで照射すると軽いやけどのような皮膚が赤くなることがあります。この赤みは数日で消えていきますが、レーザー脱毛後に日焼けをした場合、肌荒れやニキビが現れることがあります。
レーザーを照射すると軽いやけど状態になり、そこに日焼けするとさらに肌が乾燥するためバリア機能が低下し肌荒れやニキビが発生することがあります。
肌にはターンオーバーがあり、20代は約28日、30~40代は約45日と年齢によってその周期が違ってきます。
そのターンオーバー中に集中して治療を行うことがポイントで、目安として最初の1か月は1週間に1回、その後はメンテナンスとして2週間~1か月に1回のペースで行うことが理想的です。
ターンオーバーとはお肌の新陳代謝の事で、古い皮膚が剥がれ落ち新しい皮膚が産生されるサイクルのことを言います。
皮膚は大きく分けて、外側から表皮、真皮、皮下組織の3層で形成されており、このうちターンオーバーに関係するのは表皮になります。この表皮をさらに細かく分類すると、外側から角質層、顆粒層、有棘層、基底層、があります。
表皮を形成するのはケラチノサイト(角化細胞)というもので、これは基底層で作られます。このケラチノサイトが作られると古いケラチノサイトはどんどん表面へ押し出され角質層へ移動していきます。そして古い角質層のケラチノサイトは垢となり剥がれ落ち、新しい皮膚が作られていきます。
正常であれば20代は約28日、30~40代は約45日で新しい皮膚が生まれ変わりますが、何かしらの原因によりこの周期が乱れる事があります。
ターンオーバーの乱れは古い皮膚が剥がれ、新しい皮膚が生まれるサイクルに異常をきたす現象の事をいいます。ターンオーバーの速度が低下すると新しい皮膚に生まれ変わることも遅くなるのでニキビやシミ、そばかすができやすくなります。
ターンオーバーは年齢とともに時間の速度が低下していきますが、それ以外の乱れる原因は紫外線にあります。
肌は紫外線を浴びるとサンバーンといわれる炎症反応を起こし皮膚発赤します。この現象は2~3日後に落ち着いてきますが、この数日後にはサンタンと言われる皮膚の黒化を起こします。これが俗にいう日焼けの状態です。
皮膚に影響を及ぼす紫外線はUV-Bと言われ、これが表皮に吸収されるとターンオーバーが乱れ乾燥を引き起こします。乾燥するとバリア機能が低下しニキビや肌荒れを起こします。
紫外線を浴びるとメラニンという色素が産生されます。メラニンは紫外線を吸収して皮膚を守る重要な役割がありますが、紫外線を多く浴び続けるとメラニンがお肌に沈着されてしまいシミやそばかすの原因になってしまいます。
通常、紫外線を浴びるとターンオーバーで新陳代謝が起こりメラニンは表面に押し出され垢とともに剥がれ落ちていきますが、ターンオーバーが乱れるとメラニンがうまく排出されないので、皮膚内部に蓄積しシミになります。
さらに表皮の奥にあるメラニンを作るメラノサイトが紫外線に刺激され、メラニンを過剰に産生してしまいます。
ターンオーバーが乱れる原因として睡眠不足があります。
ターンオーバーを促す成長ホルモンは睡眠中に分泌されます。良質な睡眠に欠かせないのはメラトニンというホルモンです。メラニンと名前が似ていますが、全く別物です。人間はは就寝の14時間~16時間前に光を浴びることによって体内時計がリセットされます。体内時計がしっかりリセットされることによって睡眠中にメラトニンが分泌されます。
しかし、PCやスマホのブルーライトの強い光を浴びると体内時計に影響し、メラトニンの分泌を抑制してしまいます。一般的な家庭の室内照明は問題ないですが、就寝2時間前のPCやスマホの使用は避けましょう。
頚椎症の鍼灸治療はWHO(世界保健機構)に適応疾患として定義されています。
頸椎症は、急に発症するというものではなく加齢に伴う血行不良や首を支える筋の筋力低下があらわれて徐々に症状が悪化していきます。
そこで当院では、まず頸部・肩部・腕付近のツボに鍼やお灸を施して血流改善をはかります。筋肉や軟部組織に栄養を行き渡るようにし、退行性変化に歯止めをかけます。
また鍼を刺すことにより筋肉の弛緩を促したり、刺激することで痛みを感じる閾値を上げて痛みを感じにくくする作用を促します。
また、刺した鍼に電気を流す鍼通電治療を行う場合もあります。鍼通電治療により鎮痛効果がより一層期待できます。
頸椎症は五臓六腑の「肝」と「腎」に深く関係しているので肝と腎に関するツボを用いて肝血や腎気を補うことや頸部付近の気血の流れをよくします。また「風寒」や「湿」の邪気によって引き起こされる場合はそれらを体外に出す治療が必要になります。
東洋医学の診断方法に基づき全身の調整治療も行っていきます。全身治療を行うことにより人間が本来もっている自然治癒力を高めます。頸椎症の鍼灸治療は中国でも有効とされており、多くの方が治療されています。
東洋医学では頸椎症は体の外から邪気を受けるため発症するものと中医学でいう「肝」と「腎」が何らかの原因で損傷して働きが弱まって発症するものと考えられています。そういった原因で頸部付近の気血が滞り、それが痛みや痺れの原因となると考えられています。
体の外からの邪気として一番頸椎症が発生しやすいのは、寒く風のあたる場所にいた時などに体に悪さをする「風寒の邪気」を受けた時です。次いで湿度の高い場所にいて「湿邪」を受けた時などです。
また長い間椅子に座ってパソコンなどの仕事をした時に気血は滞り、それが頸部付近であった場合に頸椎症を発症する可能性が高くなります。
東洋医学でいう「肝」と「腎」の機能が弱ると全身的に血や体液が不足し、筋肉や骨などの様々な器官に栄養を送ることができず、さらに上記のような条件が加わると頸椎症がおこりやすくなります。
40代男性
3年ほど前から左首肩のコリで悩まされていた。一度整形外科で診てもらったが、レントゲン検査などでは顕著な異常は見られずに湿布薬を処方してもらう程度。
最近、左首肩のコリがあまりにひどく痛みも強く出ており、左ひじ付近まで痛みを強く感じるようになっていた。整形外科では、ブロック注射を打ってもらって処置をしたが、ほとんど痛みが取れずに鍼灸治療を試してみたいということで当院にご来院されました。
治療経過
コロナ禍によって在宅ワークが増えてノートパソコンを使うようになって姿勢がより前のめりになったことで頸部への負担が増えて左腕・左ひじまでに痛みが出ていると考えられるため主に左首肩回りの筋緊張の緩和・鎮痛目的の鍼通電治療・15分を行っていきました。
また、タイピング動作によって左上肢の筋緊張も強い状態でしたので左上肢や左ひじの痛みが強く出ている部分にも鍼通電治療・10分を行うことで直接アプローチをしていきました。
◇1回目◇
治療後、左首肩コリ痛の痛みがVAS10段階中3~4にまで軽減された。左の肘は直後はだいぶ痛みが取れたが仕事中にすぐに痛みが戻ってしまった。
◇2回目◇
治療後、左ひじの痛みがなくなり、別の左肩前面に痛みが移動したように感じたとのこと。
◇3回目◇
左首肩のコリ痛仕事が忙しく根詰めてしていたため少し痛み出てきた。全体的に体の左側がつらい
◇4回目◇
左ひじの痛みが10段階中1~2までに軽減された。久しぶりに左こぶしを力強く握れる感覚が出てきた
◇5回目◇
左首肩・左肘周りのコリ痛がかなり軽減されて仕事も軽快にできるようになった。忙しく疲れてくるとどうしても症状が出るがそこまで長続きせずに回復するようになってきた。
50代男性
右腕の痛みによって来院される。一週間くらい前から痛みで早朝目が覚めてしまう。また、頸部を後屈すると肩甲骨上角に痛みが出現。この症状は6~7年前から続いている。最近両親が亡くなられ葬儀などで忙しくストレスにより最近あまり眠れていない。昔はサラリーマンでPCを使うことが多く、慢性的な肩こりはあった。
当院での治療
1仰向け治療
まず、自律神経測定器で自律神経を測定してから治療を行っていきました。交感神経が過亢進しており自律神経の乱れがみられたので自律神経の調整を行う。右頸部から右腕にかけての筋緊張の緩和を目的に施術していきました。痛みや筋緊張の強い部分には鍼通電、お灸を積極的に用いました。
2うつ伏せ治療
頚部、肩甲骨、肩関節周囲の筋肉に固結がみられたのでマッサージ、鍼通電、お灸、を用いてその部分を中心に施術していきました。
治療経過
◇1回目◇
あまり大きな変化は見られず。
◇2回目◇
夜眠れるようになってきた。腕は痛みの範囲は狭くなっているがまだ痛みはある。
◇3回目◇
朝痛みで目が覚める事が少なくなってきた。首を後屈しても痛みが出なくなった。腕の痛みの範囲がさらに狭くなった。
◇4回目◇
時々腕の痛みがあるが、痛みがだいぶ軽くなり日常生活に支障をきたすことは無くなった。腕の痛みで目が覚めることは今は無い。
30代 女性
仕事は主にパソコン作業で一日中タイピングやマウスを使って作業をしている。趣味は、ギターでここ3か月くらい左の手指の小指側が痺れるようになってきてしまった。仕事中も首の痛みが強く出ることがあり、首を後ろに倒すとさらに痛みが増強してしまう。病院で検査を受けたところ変形性頚椎症と診断された。痛みが強い時に服用する鎮痛剤と湿布薬を処方されたが一向に良くならないので鍼治療で何とか警戒できないかということでご来院された。
左手がうまく動かすことができず、動かすと手指に痛みが出るので趣味のギターを現在は中止している。
治療
1.仰向け治療
左肩前面の筋緊張も強く出ていたので右肩に鍼とお灸を施して筋緊張の緩和をねらいました。そのほか腹部や下肢の経穴も用いて自律神経を整える全体施術も行っていった。
2.うつ伏せ治療
うつ伏せとなり頸肩に鍼通電療法を行い、左前腕や腰部に鍼灸施術を行っていきました。
治療経過
◇1回目◇
治療後、頸肩に何となく重さを感じたが、次の日にはその重さがなくなり、以前よりも頸肩が軽くなったように感じた。
◇2回目◇
仕事の最中、午前中はまだ頸肩の調子が良いが午後疲れてくるとまだ重さと痛みを感じる。
◇3~5回目◇
首の可動域が段々と広くなり、動かせるようになったので頸肩のストレッチをお風呂上りに行うようにしてもらった
◇6回目◇
日常生活では症状をあまり感じることがなかったので久しぶりにギターを弾いてみたところ激しい左手の動きは痛みや違和感が出る。
◇7~9回目◇
ギターを弾いても痛みを感じなくなってきた。今は痛みがない時と同じように引くことができるようになるまで回復
頸椎症は、頸椎ととりわけ運動と荷重を負担する椎間板の加齢による変化などにより頸椎の椎体周辺の骨増殖と椎間が狭くなることにより頸神経や脊髄が圧迫されて症状を呈する疾患です。用語として頸部変形性脊椎症・変形性頸椎症・頸椎症は同じものと考えられます。
頸椎症は退行変性により生じることにより、中年以降に好発します。たとえ頸部に愁訴がないものでも65歳以上では75%に頸椎症の典型的なX線撮影上の所見があるという研究結果もあり、とても多い疾患です。
頸椎症の症状としては症状が急激に現れることなく、頸部の症状から始まり、徐々に上肢や下肢の症状が出てきます。頸部の症状としては、椎間板変性による頸肩部の疼痛、頸部の前屈や後屈時に痛みが現れることにより運動制限が長期にわたり先行して症状が進行する傾向にあります。通常、首を強制的に縮める動作で増悪し、安静にしていると軽快します。
上肢の症状としては圧迫に伴う神経根刺激症状で、上肢のしびれ・痛み・脱力感・疲労感・冷感・感覚異常を感じます。また手先の仕事や書きごと、物を摘むなどの動作ができにくくなります。しびれは神経の支配領域によって異なり症状が進行すると、手の筋肉が萎縮したり、皮膚温の低下、発汗異常などがみられます。
脊椎に圧迫がおこると下肢の症状が現れて歩行障害、便秘、排尿障害などの症状があらわれます。脊髄が圧迫されると通常は歩行の変化が最初の徴候で、足が震えるようになり、歩行が不安定になります。
首を横に曲げて頭部を圧迫した時に上腕に痛みが走る(スパーリング検査)、首を軽く後方へ曲げて頭部を圧迫した時に上腕に痛みが走る(ジャクソン検査)などの症状があらわれた場合に頸椎症を疑います。
頚椎の骨運動は、曲げる・伸ばす・横に倒す・回すという6方向もあり、胸椎や腰椎と比べても動きが大きいです。したがって関節にかかる負担も大きくちょっとした衝撃で痛みやすい部分でもあります。頸椎の関節にも様々な働きがあり、代表的なものでいうと第一頚椎と後頭骨との関節である環椎後頭関節や第一頚椎と第二頚椎とでなす環軸関節などがあります。
環椎後頭関節の骨運動は、首を曲げる・伸ばす・横に倒す動作で回す動作はほとんど起きません。しかし環軸関節の場合は、骨運動は首を回す動作を起こさせます。そういった関節のズレなどが生じると脊髄や神経根が圧迫されてしまうと腕の痺れや痛み、症状が悪化すると筋肉の委縮や歩行障害や膀胱直腸障害などが起きてしまうのです。
頸部は胸部や腰部と比べても非常に大切な部分です。少しでも異変を感じたらすぐに対処する必要があります。放っておくと症状が悪化し、取り返しのつかない場合も出てくる可能性があるからです。
頸椎部の脊柱管は、上部ほど広く下部に向かって細くなっています。その最も狭い部分は第5~第6頸椎部にあります。一方、脊髄はちょうどその辺りで太くなっており、そのために脊柱管と頸髄が近接しています。したがって余分な空間が最も少なくてこの部分で容易に圧迫を受けやすい構造になっています。さらに頸椎はこの辺りで生理的弯曲が最も大きく、神経圧迫症状が出現しやすくなっています。
第5~第6頸椎部がもっとも疾患が出現しやすく、次いで第6~第7、第4~第5の順で出現しやすいですが、全頸椎で起こる可能性が十分にあります。椎間板変性の進行とともに
・椎間間隙の狭窄
・椎間関節の変性
・骨のトゲ(骨棘)の形成
・頸椎の配列異常
などが生じます。そして結果として脊柱管などを圧迫して神経症状を引き起こします。
清水大地
資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好医院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院
当院の飛蚊症に対する施術は、目の周辺のツボにハリやお灸を施して、目の血行状態をよくします。目の血行状態をよくすることで線維化した硝子体内の物質を排出しやすくします。
当院では目にもお灸治療も積極的に取り入れてお灸による暖かさで血液循環の改善を図っていきます。
また飛蚊症は五臓六腑の肝に深く関係しているので肝に関する経穴を用いて肝血を補って肝陽の抑制などを行います。東洋医学の診断方法に基づき全身の調整治療も行っていきます。当院に飛蚊症でご来院される方は、忙しい日常を送っている方が多く、精神的・肉体的なストレス過多状態の人が少なくありません。
そこで当院では、自律神経測定器を用いて自律神経の状態を検査してから施術することで自律神経のバランスを整える効果が期待できます。また部分的な治療ではなく全身を治療することは東洋医学の特徴でもあります。
全身施術を行うことにより人間が本来もっている自然治癒力を高めて様々な不定愁訴を取り除く効果が期待できます。
当院では、飛蚊症の原因がわかった段階で施術します。飛蚊症は、失明に繋がる怖い病気の前兆の場合もあり、早急な対応が必要な場合があるからです。原因によっては当院で施術できない場合もありますので、ご相談ください。
東洋医学では五臓六腑の肝は目に開竅するといわれており、眼の疾患は肝の機能の障害が深く影響していると考えられています。肝血が不足してしまうと視覚の異常や運動系の異常などがみられます。
また肝の陰液不足のため肝陽を抑制できないためにおこる肝陽上亢や肝の陽気の過亢進による肝火上亢によって目の充血や炎症が起こります。目の充血や炎症は飛蚊症の原因になると考えられます。
※肝陰虚・肝陽上亢
肝の陰液不足によって、肝の陽を抑制できないため肝陽が上に昇っていってしまうために起こる病態です。上に昇っていくことで顔面部や頭部に熱証が見られます。具体的には、のぼせ・めまい・ふらつき感・頭痛・顔面紅潮・目の充血・耳鳴りなどが挙げられます。
また、『肝腎同源』と言われ、東洋医学では肝と腎はとても深い関係にあるため、肝の陰液不足は、腎陰不足にも繋がります。よって肝腎陰虚の症状もあらわれるのです。肝腎陰虚は、西洋医学でいう高血圧症・自律神経失調症・更年期障害・慢性腎炎・不眠症などの症状がみられます。
30代男性 飛蚊症
数年前から目の前を細かい浮遊物が飛んで見えるようになり、眼科を受診したところ生理的飛蚊症と診断された。眼科では、ドライアイの目薬を処方されて症状は昇降状態だったが、当院に来院される半年前頃から飛蚊症の症状がひどくなり始めた。仕事はデスクワークが主でパソコンの前に座って作業する時間が多く、夕方など目が疲れてくると、浮遊物が多くなり仕事に集中できないとのこと。
それに伴い首や肩にこりに痛みを感じてつらい。またずっと座っていると右腰もつらくなってきて、右足も重だるくなってくる。
治療
生理的飛蚊症の場合、パソコンを多く見る習慣や不規則な睡眠・食事、運動習慣の少なさなど生活習慣が多くかかわってきます。まず問診や自律神経側的でお体のバランスをしっかり把握したうえで施術にはいります。
この方の場合、お仕事が多忙で交感神経が過亢進状態で、寝つきも悪いことが週に2~3日あるとのことでした。また運動習慣も少なく、パソコン作業をすると6時間休憩を取らずにぶっ続けで行うこともあり、そういった習慣も改善していく必要があります。
治療ではまず全身の自律神経のバランスを整える自律神経調整療法を施し、首・肩・腰部の治療をしてから最後に目の周りの施術をしました。
治療経過
◇1回目◇
触診したところ首肩の筋肉に左右差があり、右が明らかに金の緊張がみられる状態でした。それらの筋肉をほぐすと共に以前に鍼治療を受けられており鍼治療に慣れているということで一回目から目の周りにの施術も少し強めで行いました。
◇2回目◇
目・首・肩・腰の症状にあまり変化が見られなかったが1回目の治療後お腹が動く感じがあり、胃腸の働きが良くなったと実感できたとのこと
◇3回目◇
以前たまに夜目覚めることがあったが、最近それがみられなくなったとのこと。
◇4回目◇
以前は右肩がつらかったが、それがとれて今度は左肩の不調を感じるようになった。目やにの量が少なくなった。
◇5回目◇
身体全体的な状態は楽になってきた。
◇6回目◇
飛蚊症の症状に変化が見られてきた。以前は目が疲れると浮遊物が増えて仕事に集中できなかったがそれがなくなった
◇7回目◇
以前の状態が続いている
◇8回目◇
日常生活の中で飛蚊症の症状が気になることは少なくなった。ただしまだ青空を見上げると浮遊物があると確認できる。
◇9回目◇
体の状態に変化見られず。
◇10回目◇
青空を見上げても浮遊物が見えなくなった。
症例2
60代 女性
当院にご来院された2か月ほど前から目の前に浮遊物の見える飛蚊症の症状が出てきた。眼科で検査を受けたが特に異常は見られなかった。眼科では特に治療は受けずに経過観察と言われて他に治療法はないかと探していたところ当院のホームページを見つけてご来院された。
当院の治療
普段からパソコンで仕事をしていて、それ以外にもスマホやテレビを見る機会が多く、目は相当酷使していたとのこと。普段から目の疲れは感じていた。
それに加えてここ最近は母の介護が加わり、体力的にも落ちていて胃の調子など体調を少し崩している状態でした。目の浮遊物は両方見えて特に右目に大きな黒い塊が見える。視力は左右ともに0.3でコンタクトレンズをつけている状態。
自律神経のバランスを測定したところ、自律神経のバランスが乱れている状態でしたのでバランスを整えつつ、目の周りの施術をしていきました。
治療経過
◇1回目◇
施術後、目の疲れはだいぶ軽減されたように感じた。飛蚊症はまだまだある。
◇2回目◇
仕事と介護でストレス。睡眠不足で目の調子も少し悪い
◇3回目◇
今回施術後から飛蚊症の細かい浮遊物は見えなくなってきた。まだ右目の大きな黒い塊はある
◇4~6回目◇
段々と飛蚊症も薄くなってきていると感じる。身体の疲れも良くなってきて睡眠の質も向上
◇7回目◇
飛蚊症、明るい所や天気の日に少し気になる程度になってきた
◇8回目◇
目が疲れてくると細かい浮遊物は多少見えるが、それ以外普段は浮遊物を見られなくなった
症例3
30代 男性
2年前から視界に糸くずのような物が飛んでいて気になるようになっていた。その後、前から視力が悪く気になっていたためレーシック手術を受けて視力の回復をする手術を受けた。手術を受けて視力は上がったように感じたが、飛蚊症がさらに気になるようになってしまった。
最初は、右目だけ気になるようだったが今では左目も糸くずのようなものが飛んでいるのが気になる。
パソコン作業が主な仕事のため、明るいデスクを見ると飛蚊症がさらに気になり、仕事にも集中できない。
飛蚊症が気になり始めると、頭痛や目の周りの痛みも感じることが多い。
飛蚊症の他に、ひざ痛や左坐骨神経痛もあり、ランニング中や趣味のテニスをしている時に痛みが強くなるとのことで目の施術と合わせて施術を行っていきました。
鍼灸治療
以前から鍼治療は良く受けており、受け慣れていたため刺激の量は若干はじめから強めに行ってしっかりと刺激量は入れていきました。
目の周りの鍼通電治療やお灸施術を中心にして膝周りや大腿四頭筋の筋緊張の緩和、頸部の板状筋・僧帽筋の筋緊張の緩和なども併せてはり灸施術を行いました。
■1回目
飛蚊症に対しては特に変化は見られない。ランニング中の膝の痛みは軽減された。VAS7→3
■2~6回目
あまり変化は見られない。飛蚊症は少し薄く見えるようになったかもとのこと。まだ仕事中もかなり気になる。天気のいい日の空を見上げるとはっきりと飛蚊症が見える
■7~15回目
治療開始8回目あたりから少しずつ飛蚊症の数が減少。以前は視界全体にバーっと拡がっていたが今はだいぶ少なくなってきた。パソコン作業の仕事も集中してできる時間が段々と増えてきた。
身体もだいぶ楽になってランニングやテニス時のひざ痛や坐骨神経痛はVAS8→2にまで痛みは軽減された。
飛蚊症とは、明るいところや白い壁などを見つめた時、目の前を小さな浮遊物が飛んでいるように見えます。その形状は虫や糸くずであったりします。視界からはずそうと視線を動かしても一緒に移動してきます。また、まばたきや目を擦っても一向にきえません。
眼球の内容の大部分は硝子体が占めています。硝子体は透明で粘稠な組織で血管や神経はありません。目から入ってきた光はこの硝子体を通過して網膜まで達します。ところがその硝子体になんらかの原因で濁りが生じると蚊や糸くずが飛んでいるように見えます。
飛蚊症の原因は大きく分けて5つあります。
ⅰ)生理的飛蚊症
母体内で胎児の眼球が作られる途中では、硝子体に血管が通っています。眼球が完成すると普通血管はなくなります。しかし、生後血管が残っていると飛蚊症として感じることがあります。このタイプの飛蚊症は生理的なもので健康な人にも起こりうるので症状が悪化しないかぎり心配する必要はありません。
成人の場合では、硝子体内の分質の変化により線維化した物質が浮遊物として見える場合があり、眼科で検査しても病的ではなく、原因がわからない場合が多いです。
ⅱ)硝子体剥離による飛蚊症
硝子体剥離は飛蚊症の原因としてもっとも多いと考えられています。高齢者に多くて、歳をとると硝子体はゼリー状から液状に変化し、硝子体は次第に網膜から剥がれます。この現象を硝子体剥離といい、飛蚊症の症状をもたらします。また若い人でも強度の近視の場合は硝子体剥離がおこります。
ⅲ)網膜裂孔、網膜剥離による飛蚊症
網膜裂孔は硝子体と網膜が癒着した部分があると、網膜が委縮した硝子体に引っ張られた際に破れて孔が開いてしまいます。その時に網膜の血管が切れて出血が起こり、硝子体が濁ることによって飛蚊症の症状が現れてきます。
網膜裂孔が起こる前に目の前を光が走るように感じられることがあります。それは、暗い場所でも目を閉じていても感じられます。網膜剥離は網膜裂孔を放置しておいた場合に起こる場合がほとんどです。網膜剥離が起こると剥がれた部分ではものを見ることができなくなります。また黄斑部という視力に深くかかわっている部分が剥離すると極端に視力が低下してしまいます。無症状でゆっくり進行するものもありますので、注意が必要です。
ⅳ)硝子体出血による飛蚊症
目の中に出血して血液が硝子体のなかに入ると飛蚊症として感じます。出血量が比較的少ない場合に飛蚊症の症状が現れます。
出血量が大量であると視力も落ちます。硝子体出血を起こすものとして糖尿病網膜症と網膜静脈閉塞症があります。どちらも眼底を走る血管の血流が阻害されることにより血管が破れて出血を起こします。
硝子体は血管がなく、血の循環が悪いところなのでなかなか血液を吸収せず、症状が改善するのに時間がかかります。
ⅴ)炎症による飛蚊症
眼球の炎症性の病気によって硝子体が混濁して飛蚊症の症状が現れることがあります。最も多いものが、ぶどう膜炎です。目に炎症が起こると血管から白血球や滲出液が硝子体に入り込み硝子体を混濁して飛蚊症の症状が現れます。この場合の飛蚊症は症状の軽いものから始まり、だんだん症状が悪化していき、やがては物を見るのに支障をきたす場合もありますので注意が必要です。
飛蚊症を予防・改善させる自分できる対策として目に発生した活性酸素を分解させる・なるべく活性酵素を発生しにくくさせるという対策があります。
硝子体や水晶体は紫外線を浴びると活性酸素が発生してしまいます。通常、その活性酸素を分解してくれる酵素が分泌されますが年齢を重ねていくとどうしてもその分泌量が減少していってしまうのです。
さらに、今は目を酷使している人が増えているため目の周りの循環も悪くなってしまい、わかくても活性酸素を分解してくれる酵素の分泌量が減っている人が多く、若くして飛蚊症で悩んでいる方も少なくあります。
よって飛蚊症となってしまう過程で活性酸素をできるだけ発生させない・活性酸素を分解してくれる酵素を出しやすい体の状態にするという事が重要となるわけです。
・サングラスをかける
紫外線を浴びると水晶体や硝子体に活性酸素が増えやすくなってしまいますので外に出る時はなるべくサングラスをかけるかUVカットのメガネを着用するようにしてください。
・パソコンやスマホ画面を長時間見ない
パソコンやスマホ画面を長時間見ると目の周りの筋肉が過緊張状態となり、血液循環が悪くなるので最低1時間に5~10分程は目を休める時間を取りましょう。
・蒸しタオルなどで目の周りを温める
目の周りを温めることで目の周りの血液循環が改善されて活性酸素が分解される酵素が分泌されやすくなります。
清水大地
資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院
当院の角膜炎・角膜潰瘍に対する施術は、第一に目の周辺の経穴にハリをさして角膜の炎症をおさえる作用を促します。痛みの強い場合は電気鍼療法を用いて痛みの閾値を上げて鎮痛効果が期待できる施術を行うこともあります。電気鍼療法は、刺激の量が強いため鍼に慣れていない方には行うことはありませんので安心してください。
また角膜炎・角膜潰瘍は肝の機能と深く関係していることがいわれておりますので、肝に関連の強いツボを多く用います。肝の陽気が過亢進して頭の方へのぼっていくことで症状を起こしているとも考えられるので肝の陽気を抑えて下げる治療もする必要があります。
風熱の邪気によって引き起こされる場合はそれらを体外に出す治療が必要になります。
また東洋医学の全身の状態を診て治療していくという特徴によって当院でも全身の調整施術を行っていきます。部分的な治療ではなく全身を治療することは中医学の特徴でもあります。全身治療を行うことにより人間が本来もっている自然治癒力を高めます。
角膜の炎症がおさまったら第二段階としてお灸や微弱の電気刺激を用いて徐々に血流の改善施術を行っていきます。
角膜炎・角膜潰瘍の治療を受けられることにより目の治療効果はもちろんのこと全身の治療効果が期待できます。
中医学では五臓六腑の肝は目に開竅するといわれており、眼の疾患は肝の機能障害が深く影響していると考えられています。
肝血が不足してしまうと視覚の異常や運動系の異常などがみられます。また肝の陰陽のバランスが崩れてしまい肝の陽気の過亢進がおきると次第に陰液を消耗して肝陽が頭の方へ上がっていきます。
すると角膜炎・角膜潰瘍・高血圧、頭痛・自律神経失調症などを引き起こします。また外からの風熱の邪気が体に侵入すると目は侵されやすく、結膜炎や結膜潰瘍を引き起こす原因にもなります。
40代男性
以前に数回左目に角膜感染症を患っていたが、眼科で治療を受けて少し経つと軽快していた。しかし、数ヶ月前から目の痛みが強く出て仕事もままならずに睡眠も痛みで阻害されるようになった。眼科で治療を受けてもなかなか改善されず、当院を受診された。パソコン作業などのデスクワークが主なお仕事で仕事を休みがちになり、気分も落ち込んでいるご様子でした。左目の瞼も腫れあがり、目も開けていることがつらそうな状態。
当院の治療
睡眠不足や仕事が思うようにできないというストレスから自律神経の乱れが生じているのではないかという判断から治療に入る前に自律神経測定器で自律神経の状態を計測しました。結果は交感神経の活動が高く身体全体の調子も崩れている状態でした。
まず仰向けで自律神経を整える自律神経調整療法を施してからうつ伏せで首肩のコリをとっていきました。長年の長時間でのデスクワークや痛みによるストレスからか特に胸鎖乳突筋が過緊張状態だったので、その部分が取れるようにしっかり施術しました。
最後に目の周りに鍼灸施術を施し、鎮痛効果を促しました。最初の2・3回は置鍼術とお灸治療で対応してはり灸刺激に慣れてきたところで目の周りに通電療法を施しました。最初の一カ月は集中的に一週間に2回ほど治療を受けてもらい、その後は一週間に1回程度の感覚で治療を受けていただきました。
治療経過
◇1~5回目◇
治療後は、目の痛みは楽に感じ睡眠もとれる。しかし、痛み止めの薬は欠かさず飲むような状態
◇6~8回目◇
少しずつ痛み止めの薬の量が減ってきた。長年感じていた首肩のコリ・つらさが感じにくくなってきた
◇9~12回目◇
痛みで休みがちだった仕事にも徐々に復帰して日常生活で痛みを感じることが少なくなってきた。
◇13~15回目◇
痛み止めを飲まなくてもほぼ痛みを感じない。ただし、菌を除去するために眼科で角膜を削る処置をした後の1日は痛みを感じる。
2週間前に右目の痛みが強くなり、蛍光灯の光にも眩しさも感じたため眼科を受診したところ真菌性の角膜炎と診断を受けた。
痛み止めの内服薬と抗菌剤の点眼薬を処方された。痛みが強く眠れない時もある。元々は記者の仕事などパソコン作業や細かい字を見ることが多く、目に負担がいっていたが、角膜炎を発症後は仕事もままならずに休職している。
他に改善方法がないかと模索していたところインターネットで当院をみつけてご来院されました。
ご来院当初は、痛みもつよく鎮痛薬を服用してなんとかご来院できる状態。真菌性角膜炎が出ている右目は腫れもあって目の充血・瞼の赤みもある。
鍼灸治療と経過
まず第一に右目の激痛の緩和を目的に施術を行っていきました。右目周りに少し強めの鍼通電治療を施し、鎮痛効果を促します。15分ほど電気をかけて睡眠もうまく取れないとのことなので自律神経の状態も整えつつ、睡眠に効果的とされる『神門』や『太谿』『失眠穴』なども選穴して施術を行っていきます。
うつ伏せの施術では、頸部の筋緊張の緩和や背部兪穴のツボを用いて五臓六腑の『肝』『腎』『心』の状態を特に整えていきました。
施術間隔は3~4日に行い、とりあえず5回ほど間隔をつめて施術を行っていきました。
施術回数を重ねるごとに痛みのVASの値が10段階中3まで下がっていきました。その頃には睡眠もとれるようになり、腫れや赤みもだいぶ軽快。
6回目以降は目の周りのお灸施術を加えていき、炎症をしっかりと抑えるような施術を中心に行います。
トータルで12回の施術で治療を終了。炎症も治まり、抗菌薬も点眼しないまでに回復。
角膜炎とは角膜に何らかの原因で炎症をきたした状態の総称です。
角膜炎は片目に起こるのが普通で両目同時に発症することはまずありません。角膜潰瘍とは角膜組織が障害を受けて実質に及ぶ組織欠損をきたした状態を総称したものです。
角膜、強膜は眼球外壁の最外側を覆う膜で、これらによって眼球の形が保たれています。角膜は外壁のうち前方部分に位置する透明な部分で、直径11mmで厚さ約0.5mmの無血管組織です。角膜は外からの光線を通過させて眼球内に送る役目のほかに眼球のうち最も大きな屈折力をもつことから、レンズとしても重要な役割を果たします。角膜には三叉神経が分布していて知覚が非常に鋭敏であるという特徴があります。(三叉神経痛について)
角膜炎・角膜潰瘍の症状は、病変の原因や位置、大きさなどによって異なりますが一般的には次のようなものがあります。
ⅰ)流涙
眼痛や異物感による反射性の涙液分泌増加が原因です。
ⅱ)目の痛みや異物感
角膜には三叉神経が分布していて知覚が鋭敏であるため、潰瘍や炎症による角膜障害は非常に強い疼痛を引き起こします。
ⅲ)視力低下
角膜炎や角膜潰瘍では角膜の浮腫、瘢痕、血管侵入などをきたすために角膜の透明性の低下や乱視の増悪により視力低下をきたします。
ⅳ)虹輪視
角膜上皮の浮腫のために光の散乱や回折現象をきたし、光の周りに虹が見える場合があります。
ⅴ)羞明
角膜炎や角膜潰瘍では光刺激に対して敏感となるため、光が異常にまぶしく痛く感じます。
角膜炎の原因としては様々な角膜感染症・外傷・紫外線・放射線・眼科手術・角膜異物・アレルギー性疾患・自己免疫疾患などがあります。角膜潰瘍の原因としては角膜感染症が最も多いですが、外傷・手術浸襲・自己免疫疾患・三叉神経や顔面神経の麻痺・重症のドライアイなどで生じることもあります。
・顔面神経麻痺について
・ドライアイについて
ⅰ)帯状ヘルペス角膜炎
単純ヘルペスと同様に神経内に潜伏した水痘、帯状ヘルペスウィルスが活性化されて神経を下降していき、角膜炎を生じます。三叉神経の第一領域にウィルスが現れると額からまぶたにかけて水泡や発疹が生じます。その後目の症状も現れて、角膜炎、結膜炎などが生じます。(帯状疱疹について)
ⅱ)アカントアメーバ角膜炎
アカントアメーバが角膜に感染しておこる角膜炎で、ソフトコンタクトレンズを使用している人に多く見られます。レンズ洗浄液に水道水を使用するとその中でアカントアメーバが増殖して感染源になると考えられています。
ⅲ)びまん性表層角膜炎
角膜の表面の上皮と呼ばれる部分に浅い傷ができた状態をびまん性表層角膜炎といいます。傷自体は擦り傷のようなものですが角膜は知覚が発達しているために非常に痛く、異物感のため目を開けられないこともしばしばです。
傷の原因として異物やまつ毛などの機械的刺激・コンタクトレンズ・紫外線などの体の外からくる刺激や涙液減少症・糖尿病・シェーグレン症候群などの疾患も角膜の傷の原因となります。
ⅳ)乾性角膜炎
涙の分泌が低下する(ドライアイ)ために角膜炎がおこります。乾性角膜炎は中年以降の女性に多いとされてきましたが、最近ではコンタクトレンズ、パソコンや携帯電話の普及によりそれらの使用頻度の高い若年層にも男女を問わず増えてきています。
清水大地
資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好医院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院
産後うつは東洋医学では、五臓六腑の『肝』と『腎』の働きが弱っているために発症すると考えられています。
出産をすると母体は多くの『気血』を消費してしまうために肝の血を蔵して排泄・排出するという調整機能は大きな影響を受けて肝の機能は低下しやすくなります。
また、肝と腎は『肝腎同源』と言われて肝が弱ると腎の機能も弱くなりやすいため、治療では肝と腎の機能を補っていく必要があります。
産後うつで多く見られる病証としましては、『肝血虚』と『腎虚』があげられます。肝血虚では、イライラ感が抑えられない・不安感・気分が落ち込みやすいなどの症状があらわれやすく、腎虚では物忘れや体の重だるさなどが出やすくなります。
産後うつに対する当院の鍼灸治療
産後うつに対する当院の治療はまず第一に自律神経のバランスを整えることです。
当院には自律神経測定器があり、自律神経の今の状態を把握してから施術を行えるのでその方にあった施術法を選択することが可能です。
交感神経の活動が高い場合や逆に副交感神経の活動が高い場合で自律神経が乱れている場合では施術法や治療配穴が違ってきます。
また東洋医学的観点からもアプローチをしていきます。『肝』や『腎』の機能を補ったり、『気血』の流れを改善していきます。
当院には女性鍼灸師も在籍しているため女性ならではのお悩みもご相談ください。
30代 女性
結婚してからも独身時代と変わらずに夜遅くまで仕事をこなしていた。そのような生活をしていたためなかなか子供を授からなかった。30代も後半になりそろそろ本当に子供がほしいと思い、仕事の量を減らしてやっと妊娠できた。妊娠がわかったときは嬉しかったが、それと同時に育児に対する不安や生活環境の変化、将来の不安を抱くようになった。
出産後、いろいろ本やインターネットで調べたことを実践したがなかなか思うようにいかずに段々と育児に対するストレスが溜まっていった。1か月を過ぎると睡眠がうまく取れなくなり、日中は気分が悪くなったり、底知れぬ不安感に襲われるようになってしまった。
ある朝、起きると体が思うように動かないと感じて産婦人科を受診したところ産後うつと診断された。授乳中ということもあり、軽い薬を処方してもらったが、症状は改善されなかった。強めの抗うつ剤を医師からは勧められたが、授乳を続けたいとのことで当院にご来院された。
治療
自律神経測定器の結果、交感神経の活動が高く自律神経が乱れているという結果が出ました。手足や腹部の冷えも強く全身の血流が悪くなってしまっていると感じました。自律神経を調整する治療と冷えを改善するお灸療法を中心に行っていきました。また、家でもご主人の協力を得て少し育児から離れてリラックスできる時間を確保していただきました。
◇1回目◇
治療後、体のだるさや疲れが一気に出た感じがしてその日はよく眠ることができた。
◇2回目◇
眠れる時もあるが全体的にはまだあまり眠れた気がせずに日中に気分が悪くなることもあり。
◇3~8回目◇
どうしても夜泣きなどで夜中起きることがあり、そのあと目がさえてなかなか眠れないが少しずつ身心が楽になっていることを実感。
◇9~12回目◇
育児のことで頭がいっぱいだったが少しずつ余裕ができてきて、化粧や趣味の読書などが楽しめるようになってきた。睡眠も改善。睡眠時間が短いと感じる日は子供が昼寝をしている時に一緒にリラックスして眠れるようになった。
産後うつという言葉を聞いたことがありますか?ストレス社会と言われる現代の日本では10~15人に1人は生涯うつ病にかかると言われています。これはとても大きな割合で年々うつ病で悩まされる人は増えていると言われています。
うつの増加傾向は産後にも当てはまり、産後にうつ病で悩まされることを『産後うつ』といいます。産後うつは10人に1人以上の割合で産後女性にかかってしまうとも言われています。
産後はどうしても生活環境やホルモンバランスの変化が大きいです。そこで赤ちゃんの面倒を自分だけしか見ておらず、誰にも相談できな状況ですとうつ病にかかりやすいと言われています。
産後うつの症状は、よく言われるうつ病の症状と似ています。症状の特徴としましては
☑気分が落ち込む
☑何事にもやる気が出ず、育児も億劫になる
☑いつもは普通にできていた献立が考えられない
☑常に何かしらにイライラしている
☑食欲がわかない
☑寝つきが悪い、睡眠不足
☑化粧などしなくなり、外見に気を遣わなくなった
☑将来のことばかりか考えて不安になる
☑できない自分を責めてふさぎがちになる
☑下痢や便秘
☑胃痛や腹痛
☑何事にも興味が薄くなり、今まで楽しめていたことが楽しめなくなる
産後3か月の間にこのような症状が出た場合産後うつかもしれません。その場合は、一人で抱え込まないで周りの人に相談することが重要です。そのまま一人で抱え込んでしまうと症状が悪化や改善までに時間がかかってしまうことがほとんどです。
産後うつは単に一時の症状ではありません。きちんと治療していく必要があるのです。
産後うつとなってしまう原因は人それぞれで多岐にわたりますが、大きく分けると生活環境の変化とホルモンバランスの変化です
・生活環境の変化
特に出産が初めてという女性は、初めてという経験がいっぱいです。赤ちゃんがいるのといないのとでは生活環境が大きく変わるのは容易に想像できます。その中でも特に多いのが、ご主人は仕事が忙しくて育児に協力的ではなく、ご両親も近くに住んでおらずに育児の負担がほとんど女性にかかってしまう場合に産後うつにかかるリスクが増加します。
また、里帰りで出産で実家にいた時はいいが、自宅に帰ったときに初めて育児の負担が全て自分にかかることでも産後うつは発症しやすくなってしまうのです。
また、赤ちゃんがまだ小さいころだと気軽に外出などできず、赤ちゃんと家で過ごす時間が長くなり、気分転換もできません。外出したら外出したらで常に赤ちゃんのことを考えねばならず、ストレスは溜まりやすい状況です。
女性の社会進出が進み、女性も男性ばりにバリバリと仕事をこなす人も少なくありません。そういった女性が外出もままならず、育児と家事で毎日を過ごしていくというのは大きなストレスかもしれません。
・ホルモンバランスの変化
産後の女性は体のホルモンバランスの変化も大きいです。多くの方の産後女性の体はこれまで生きてきた中で一番急激に変化する時期といっても過言ではありせん。母乳を作り出しますし、赤ちゃんがおなかの中で育った子宮は急激に縮まっていきます。
これは相当な体の変化でホルモンバランスの変化も大きいです。
ホルモン分泌などの内分泌系の活動は自律神経が大きくかかわっているため、ホルモンバランスの大きな変化は自律神経のバランスが乱れやすくなって産後うつにかかってしまいます。
うつ病にかかりやすい人の性格に特徴があるように産後うつにかかってしまいやすい人の性格にも特徴があります。
・生真面目で完璧主義
生真面目で完璧主義な女性は、産後に何かトラブルが起きても他人に迷惑をかけてしまうと思い込んで誰にも相談できない人が多いです。それでも育児に家事にうまくいっている場合はよいのですがうまくいかなくなった途端に自分を責めてしまい産後うつにかかってしまいます。
・努力家で頑張りすぎてしまう
もちろん育児をするということは生活環境が一変するため慣れるまでは努力が必要になってきます。初めての出産となるとなおさらです。しかし、それ以上に親やご主人などの周りの方のサポートはそれ以上に必要になってきます。
そのことを理解せずに明らかに自分の許容量を超えて育児や家事を行っていると心身ともについてこられずにある一定の許容量を超えてしまうと産後うつとなってしまいます。
・今までうつ病にかかったことのある人
今までにうつ病やその他心療内科系の疾患にかかったことのある人は産後うつにもかかりやすくなると言われています。
産後うつと診断されるとまずカウンセリングなどの心理療法が行われることがほとんどのようです。多くの人は産後うつを発症して半年以内に症状が軽快すると言われていますが、産後うつ患者の4人に1人は半年以上もうつ傾向にあり、なかなか症状が軽快しないという場合もあります。そういった産後うつが重症化した場合は抗うつ剤などの薬が処方されます。
しかし、抗うつ剤を服用する時にまだ授乳中の場合は、副作用の少ないより安全性の高い薬を服用する必要があるため処方できる薬も限られてきます。
・自分一人で育児・家事を抱え込まない
・親や夫にサポートをお願いする
・適度な運動(散歩など)でストレスを発散する
・睡眠時間を確保する
・子供を預けて一人になれる時間を作る
・食欲がわかなくても口当たりのいいものできっちり1日3食摂る
うつ病の治療において栄養療法も必要だと言われています。
産後うつに関しましても、産後のお身体には栄養が必要ですから尚更産後うつの回復には栄養療法が欠かせないです。
必要な栄養素の研究で近年、うつ病と鉄分不足が関係しているのではないかというものがあります。
鉄欠乏で貧血なら理解できるけどうつ症状が出るなんてと思う方も多いかと思います。
しかし、うつ病と診断されて抗うつ薬を処方されたが全く効果がなく、鉄分を補給したところ回復傾向に向かったという医師もいます。
鉄は体の様々な機能の役割を担っています。例えば、皮膚や粘膜の維持に関わっており鉄が不足すると肌荒れや口内炎ができやすくなってしまいます。免疫力の維持にもかかわっているため鉄不足となってしまいますと免疫力の低下します。
うつ症状と鉄不足の観点からしますと、鉄が酸素の運搬やエネルギーの産生に関わっていることが大きいです。
鉄が不足してしまいますと身体のいたるところが酸素不足やエネルギー不足に陥りやすくなってしまうのです。すると、疲労感や倦怠感、さらに脳が酸素不足になると立ちくらみやめまいの原因となります。
そのほか、鉄は脳の神経伝達物質の意欲に関係するドーパミンや脳の覚醒に関わるノルアドレナリン、幸せホルモンと言われるセロトニンなどの合成にも関わっています。
鉄が不足することでそれらのこころの働きに重要とされるホルモンの合成がうまくいかずに睡眠障害や不安、うつ状態になりやすいです。
厚労省は鉄の推奨摂取量を1日10mg、女性で12mgと定めています。鉄が多く含まれる食材としまして
・豚レバー
・鶏レバー
・牛レバー
・しじみ
・キハダマグロ
・カツオ
などがあります。
妊娠・出産・授乳では鉄の消費量が増えると言われています。通常摂取する量よりも摂取しないと鉄が欠乏した状態におちいり、産後の場合特に産後うつ症状が出やすくなってしまいますので注意が必要です。
清水大地
資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院
当院の線維筋痛症に対する施術は、第一にはりやお灸を施すことにより全身の調整を図り、自律神経のバランスを整えます。慢性的な痛みやその他全身症状は、特に自律神経を乱すと考えられています。線維筋痛症は、全身的な疼痛もあることから特に自律神経を乱しやすいといえます。実際に自律神経失調症の症状も多く併発します。
当院では、自律神経測定器を用いてその日の自律神経の状態を把握して上で施術していきます。線維筋痛症では、慢性的痛みにより交感神経過亢進の状態が多いため、はりやお灸などの刺激の中でも心地よい刺激を用いて、リラックス神経である副交感神経優位の体にもっていきます。
また東洋医学では、局所的に診るのではなく、全体的に診るという考えがあり、全身施術を行うことにより自然治癒力を高めます。
線維筋痛症は東洋医学的に見ると「気」と「血」の作用不足により発症すると考えられているので、鍼灸治療を用いてツボを刺激することで「気血」の作用を正常に戻すように促します。
当院の鍼灸治療による線維筋痛症の施術目的は、線維筋痛症の回復程度を高め、回復を速めることです。また西洋医学とは違う東洋医学の観点により少しでも線維筋痛症が回復できる機会を提供することです。お悩みの方はぜひ一度ご相談ください。
その他、さした鍼に電気を通す鍼通電療法も行っていく場合があります。鍼刺激と同時に電気を流すことにより更なる鎮痛効果が望むことが出来ます。
線維筋痛症は東洋医学でいう「気虚」(気の作用不足による症候)と「血虚」(血の持つ栄養を巡らす作用不足による症候)、またはそれら二つが同時に起こる「気血両虚」が原因で発症すると考えられます。
ⅰ)気虚
「気」の作用不足による症候で、臓腑の機能低下・免疫力の低下などがあらわれます。
また慢性疾患などでよく見られ、元気がない・疲れやすい・無力感・息切れ・風邪をひきやすいなどの全身的な虚弱の症候があらわれます。
「気」の機能
気
椎動作用
成長・発育・生理的機能・代謝の推進
温煦作用
椎動の維持及び体温の維持・調節
防御作用
病邪の防御・排除
固摂作用
漏れや排泄過多の統制・臓器の定位
気化作用
物質転化
ⅱ)血虚
「血」の持つ全身に栄養を巡らす作用の低下であり、循環血液量の不足に相当します。症状としては、顔色が悪い・皮膚につやがない・目がかすむ・頭痛・動悸・四肢の痺れ感や筋のひきつれなどがあらわれます。「血虚」の種類として「肝血虚」と「心血虚」などがあるが、「肝血虚」が中心となります。
肝血虚
「肝血虚」とは中医学でいう「肝」が血を貯蔵して必要に応じて供給・消費する機能と自律神経系の作用を通じて血管を収縮あるいは弛緩させ、体内各部の血流量を調整する機能が異常をおこして発症します。
筋のけいれん・手足のしびれ・目の乾燥感や女性では、月経のおくれ・月経血の過少・無月経などがみられることが特徴です。
ⅲ)気血両虚
「気」は「血」による栄養を受けて機能し、「血」は「気」の転化作用によって生成されるので、「気」と「血」はとても深い関係にあり、「気血両虚」の状況がよくあらわれます。
また中医学でいう「肝」と「腎」の機能が弱ると全身的に血や体液が不足し、筋肉などの様々な器官に栄養を送ることができず、さらに上記の条件が加わると線維筋痛症がおこりやすくなります。両者の関係は深いので「肝腎同源」とも言われており、「肝」と「腎」の症候が同時にあらわれることが多いです。
線維筋痛症は体の広い範囲の慢性的な耐えがたい痛みを主な症状として全身の重度の疲労や様々な症状をともなう疾患です。しかし、血液検査や画像検査などには異常がないため、線維筋痛症という診断がつかなかったり、あるいは別の病気と診断されたりする事が少なくありません。
それまで受診した医療機関の診察によっては、変形性脊椎症・腰椎椎間板ヘルニア・更年期障害・自律神経失調症・心因性疼痛・うつ病などと診断される場合もあるようです。
線維筋痛症では、全身に痛みがあり、また体の様々な部位がとくに痛む場合もあります。痛みの質や程度には個人差があり、患者さんによっては「死んだほうがまだマシな程の痛み」と表現されるように激しい痛みが生じる場合があります。
接触や軽い圧迫など通常では痛みを起こさないような刺激によっても強い刺激が引き起こされる場合があり、感覚過敏といった感覚異常がみられる場合があります。
症状は一般的に季節の変わり目にしばしば悪化して夏より冬のほうが痛みの強い人が多いようです。
また線維筋痛症の症状は、痛みだけではなく、痺れやこわばりなどの症状が体のさまざまな場所にあらわれます。そのほか患者さんによっては、不眠や疲労感、下痢や便秘、不安感、憂うつ感など、多くの身体症状や精神症状がみられます。
■線維筋痛症の痛み以外のさまざまな症状■
◇疲労感
しばしば慢性疲労症候群を合併する。痛みに加えて疲労感が加わると就労できない場合がある。
◇不眠
睡眠の質が悪くて起床時に爽快感が少なく、疲れが取れにくい。強い痛みが不眠に深くかかわっていると考えられる。
◇刺激に対する感受性の増大
音や光、温度、におい、圧迫などの刺激に対して敏感。
◇記憶力や認知機能の障害
記憶力、集中力、作業効率、判断力などが低下。
◇乾燥症状
目の渇きや口の渇きなどの乾燥症状。
◇関節可動域の増大
女性の場合では、関節の動く範囲が健常な女性よりも大きい。
◇消化器症状や排便・排尿の異常
胃酸の逆流や腹部膨満感、嘔吐の症状が多く見られ、排便異常として下痢や便秘などを訴える。また排尿回数が多く、しばしば膀胱炎を合併する。
◇精神状態
うつ病や不安障害などの精神疾患も頻繁に合併する。
◇運動機能の異常
健常な人よりもバランス能力が低く、転倒の回数が多い。
◇手足のむくみ
手の甲や足の甲がむくむ。
線維筋痛症の診断基準としてアメリカリウマチ学会が作成した基準があり、それが参考となります。
ⅰ)広範囲な痛みの既往
左半身の痛み、右半身の痛み、腰より上の痛み、腰より下の痛みに加えて体幹部の痛みがすべてなければならない。
ⅱ)指による触診で定められた18か所の圧痛点のうち11か所に痛みがある
定められた18か所のうち11か所以上に疼痛を感じると陽性と判断され、また押す力は4㎏と定められている。
日本には約200万人の線筋痛症の患者さんがいると推定されており、患者さんの7~9割が女性です。線維筋痛症は子供にもみられ、年齢とともに有病率は増加しますが、50~80歳を境に有病率は逆に低下します。
線維筋痛症の原因は、さまざまな説が提唱されていますが、はっきりとした原因は分かっていません。しかし、脳に何らかの変性が起こっているのではないかと推測されます。
現在、線維筋痛症は精神疾患ではなく、脳や脊髄などの中枢神経系の機能障害と考えられており、中枢神経の過敏化が線維筋痛症の発症や維持にとても大きな影響を与えていることが定説になっています。
中枢神経の過敏化などといった異常が起こると身体にさまざまな異常をもたらし、それらは脳の部位の違いによって精神症状・運動機能異常・痛みといった異なる症状がおこると考えられます。例えば、何らかの理由により脳の異常が起こる部位が少し変化することで痛みが変化したり、脳の異常が精神機能を制御している場所に及べば、うつ病や不安障害を合併したりします。
また精神的ストレス・社会的ストレス・肉体的ストレス・交通事故などは、線維筋痛症になりやすい危険因子でそれらによって脳のどこかが変性してしまい中枢神経の過敏化が起こると考えられています。
40代 女性
2か月前から突然背中の痛みが出た。最初は、腰痛持ちだったのでそれと同じ類のことかなと思い気に留めないようにしていたが段々痛みが強くなり、少し服が触れただけでも痛みが走るようになった。
子育てと仕事で忙しく睡眠時間も少なかったせいで身体の疲れもたまっていたかもと思い少し休みをとって休んでも状態はよくならず、日に日に痛みが増していった。
痛む場所も変わっていき、背中や足、手の関節、頭痛など多岐にわたる。どうしようもなくなり、近くの病院で診てもらったところ原因がわからなかったため大学病院を紹介されて受診したところ線維筋痛症の診断を受けた。
全身の痛みのほかに筋肉のこわばりや痛みによる睡眠障害、うつ傾向もでているとのこと。家事や出かけることも億劫うになってしまい気持ちも塞ぎがち。
病院では薬と麻酔の注射を打って何とか痛みを和らげる処置をしてもたっているが、効果は多少あるといった感じだったので知人に鍼灸治療を紹介されて当院にご来院された。
治療経過
その日の痛みの箇所に合わせてその部分に鍼や鍼通電治療を用いて鎮痛効果を高める鍼治療を行っていきました。
また、痛みによる不眠症状やうつ傾向も出ていたので自律神経のバランス調整施術も同時に行っていき症状改善をはかっていきました。
病院での治療も並行して鍼灸治療を受けていただき、治療開始3週間目から少しずつ痛みの程度が弱くなっていきました。治療のペースは週に2回ほどで2か月目以降は治療の間隔を延ばしていきました。
痛みは3か月でかなり改善が見られてきたが不眠症状がまだ残る。
自律神経のバランス調整と不眠症状に対する鍼灸治療に重点を置いて施術をして行き、治療開始6か月ほどで不眠症状も改善されてきたので治療を終了した。
清水大地
資格
はり師
きゅう師
2008年
鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年
おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年
中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年
渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年
三軒茶屋α鍼灸院を開院
当院のめまいに対する施術は、第一にハリやお灸を施すことにより全身の調整を図り、とで自律神経のバランスを整えることです。鍼灸治療は、交感神経を抑制し副交感神経の働きを促すばかりでなく、双方の神経の活動量を高めて自律神経のバランスを整えることが研究結果でも出ています。
また内耳の血流不足を改善するという点から頸肩部周辺や耳周辺の経穴に鍼を刺します。頸肩部周囲の筋肉への治療穴として僧帽筋や頭半棘筋部の「天柱」「風池」、胸鎖乳突筋や頭板状筋の停止部の「完骨」、耳周辺の治療穴として「翳風」「耳門」「聴会」「聴宮」などを用います。
めまいは東洋医学的に診ると「腎」や「肝」の不調が原因で発症すると考えられているので、鍼灸治療を用いてツボを刺激することで「腎」の機能を活性化させたり、「肝」の機能低下・過亢進を抑えます。
過度な身体的・精神的ストレスは、自律神経を乱してめまいの原因となります。よって当院では自律神経測定器で自律神経の状態を知った上で施術することで的確な施術が可能になりました。
また東洋医学の特徴である全身を診て治療することにより全身をリラックス状態へと導き、交感神経の過亢進を抑制して過度なストレスを和らげます。
身体全体の調子が上がっていくことも期待でき、実際に当院でもめまいの治療で「目が疲れなくなった」「便秘が解消した」「ゆっくりと体が休められ、熟睡できた」などといった声が数多く聞かれます。東洋医学では局所的に診るのではなく、全体的に診ることで自然治癒力を高めるといわれ、様々な効果が期待できます。
当院の施術目的は、めまいの回復程度を高め、回復を速めることです。また西洋医学とは違う東洋医学の観点により少しでもめまいが回復できる機会を提供することです。それにより、患者さんの仕事の質の向上や生活の質の向上が期待できます。
めまいは、程度にもよりますが激しいめまいの場合は、仕事が手に着かずにストレスを溜め込んだり、症状がいつ起こるかわからないといった不安がストレスとなり、更に症状を悪化させかねません。
症状が慢性化する前に病院で診断を受けた上で早期の治療をお勧めします。
※めまいの予防
めまいはストレスや自律神経のバランスの乱れが深くかかわっている場合が多く、治療を受けていもそれらの問題を解決していかなければ長期的に改善が難しくなってきます。めまいが起きた場合はこれまでおくってきた生活習慣を改善するいい機会だと思って取り組んで行く必要があります。
生活習慣の基本はやはり規則正しい生活になります。その中でも食事・運動・睡眠というのはとても重要となってきます。
食事に関しまして栄養のバランスよく摂取することはもちろんでさらにめまい症状に対しましては鉄分とビタミンを意識的に摂取することが重要です。鉄分の多く含まれる食材としましてレバーやほうれん草や小松菜があります。その他にもカツオやマグロなどの魚類にも含まれていますのでバランスよく摂取していきましょう。ビタミンでは、ピーマンやブロッコリーなどの緑黄色野菜を意識的に摂取して不足しているビタミンを摂取していきましょう!その他、飲み物で注意しなければならないのはコーヒーや緑茶などのカフェインを多く含む飲料です。カフェインは神経の興奮を亢進させてめまいを増幅させてしまう原因にもなりかねません。
運動では、主に軽いジョギングやウォーキングなどの有酸素運動が重要です。それらの有酸素運動が、副交感神経優位の状態に持っていくことができて血流の改善や耳にある三半規管に運動による刺激を与えることによってめまい症状の予防となります。
そして十分な睡眠をとって体の疲労をためないこともやはりめまいを予防するうえで重要となってきます。
めまいは東洋医学では「水毒」といわれ、生体内を循環している津液が寒さや湿度などの外因の影響を受けたり、東洋医学での「肝」や「腎」などの内因の影響を受けて停滞して起こると考えられています。特に停滞している部分が耳である場合にめまいの症状としてあらわれます。
「津液」とは
津液とは、体内の生理的水液を意味して、例えば細胞内外の液・唾液・胃液・関節内腔・涙・リンパ液などすべてを含めた組織液に相当します。津液は、飲食物から脾胃で生成され、大部分は三焦という通路を運航して全身に送られます。この過程で、「肝の疏泄をつかさどる」という機能と「腎の水をつかさどるという機能」が重要になってきます。
肝は疏泄をつかさどる
肝の疏泄をつかさどるという機能は、すみずみまで機能を通行させるということを意味し、津液を全身に送る場合にも一役かっています。またその他に情緒を安定させ、精神状態を快適に保つ機能や自律神経機能によって全身の各機能が円滑に行われる機能にも影響を与えています。
よって過度な精神的ストレスや自律神経の不調は、肝の疏泄をつかさどるという機能にも影響を与え、めまいの原因となります。
腎は水をつかさどる
体液の代謝全般に対し、腎が根本的な調節作用を行うことを示しています。有用な津液を蒸気のように変えて三焦を通して全身に巡らせ、身体の水分代謝に供給すると同時に、不要な廃液を尿として適宜排泄するという機能を腎が担っているのです。
また東洋医学では、腎は耳と関係が深いと考えられ、腎の不調は耳の症状に反映されやすいといわれています。
腎の機能異常は、全身に津液を停滞させ、特に耳に停滞しやすく、内耳にリンパ液が溜まることで起きるめまいや耳鳴り・難聴を引き起こします。
「腎」と「肝」との関係
東洋医学では「腎」と「肝」との関係は密接と言われており、両者の症状は同時にあらわれることが多く、「肝腎同源」ともいわれています。
「肝腎同源」は、めまいの治療を行う場合でもとても重要な考えであり、双方の観点から治療していく必要があります。
70代女性
一か月ほど前に買い物帰りに歩いていると突然くらっとめまいがした。足元もおぼつかなかったため、近くに座って休憩した。しばらくするとめまいも取れてきたと感じたので再び歩き始めると先ほどよりは少しは楽だがめまい・ふらつきをいくらか感じてやっとのことで帰宅した。耳鼻科や脳外科などで様々な検査を受けたもののはっきりとした原因はわからずに処方された薬や自分で買ったサプリメントなどを摂るようにして対応したが症状はよくならなかった。
実は二年ほど前にも同じようなことがあって、一週間ほどでよくなったので今回も同じようだろうと思っていたが、一週間を過ぎても症状は改善されずに軽いめまいとふらつきを常に感じるような状態が一か月ほど続いている。週に2回ほどパートのお仕事をしているが、仕事や家事が忙しいと症状が強く出る。
治療
まずしっかり問診したうえで自律神経測定器で自律神経の状態を計測しました。
結果は、交感神経が活発に活動している状態で副交感神経が抑制されている状態でした。身体全体の治療で自律神経を整えてその後に首肩の筋緊張も見られたのでその部分を重点的にほぐすように鍼灸施術を施しました。
経過
◇1回目◇
鍼灸施術に慣れており、最初から比較的強い刺激で治療しました。治療後、重かった首肩が軽く感じ、それに伴い身体全体も軽くなったように感じたとのこと
◇2回目◇
前回治療後少し気怠さが出たが、横になって休憩するとけだるさは取れた。めまい・ふらつきは若干良くなったように感じた
◇3回目◇
前回治療後、足は軽くなって歩行などが楽になってめまい・ふらつきもだいぶ楽になったが上半身が非常に重く感じて上下のバランスが取れなくてたまにふらつく。
◇4回目◇
背中・首肩を中心に治療。
◇5回目◇
上下のバランスもよくなってきた感じ、めまい・ふらつきもほぼ感じなくなった。
症例2
40代女性
普段は眼精疲労で通っているが、最近疲れがひどいせいかめまいが気になる。
以前も回転性のめまいを発症したことがあり、今回もそれに似た歩行時や体を動かすと目が回るような感覚に襲われる。
吐き気や難聴はないが、ストレスを感じると耳鳴りがする。
仕事は一日中パソコンを使用し、常に納期に追われていて精神的、肉体的ストレスが強い。
特に仕事が忙しいと症状がひどくなり、仕事に集中できなきないためさらにストレスが溜まる。
また、デスクワークのせいか首肩のコリがかなり強い。運動はあまりしなくて、休みも週一。
疲労が蓄積している印象。
当院の治療
以前測定した自律神経は交感神経が過剰に働いており、今回もストレスからくる自律神経の乱れが原因と考え、自律神経の調節治療をベースとして行いました。
また、回転性のめまいは内耳に異常をきたしているため、耳周りのツボに刺鍼し、低周波電気鍼療法を行いました。
また、首肩のコリが強いと耳の血流も低下していまうので、首肩のコリに対する刺鍼を行いました。
経過
1回目
普段は眼の治療は行っているが、耳周りの刺鍼は初めてなので、初回はソフトな低刺激で行いました。
2回目
あまり変化はないが、よく眠れるようになってきた。前回より少し刺激を強くしました。
3回目
ふらつく頻度が減ってきた。
4回目
疲れるとまだめまいが感じるが、あまり気にならなくなってきた。
5回目
今はほとんど気にならない
めまいには、平衡感覚をつかさどる内耳の障害が原因で起こる「末梢性めまい」と、脳の病気が原因で起こる「中枢性めまい」とがあります。
人間の体はバランスを保つために目や耳、手足から入ってくる情報を脳で統合し、姿勢や動きを微妙に調節しています。
この仕組みに不具合を生じると自分は動いていないのにも関わらずにまるで動いているかのような錯覚を起こしてしまい、めまいとして感じるのです。
「末梢性めまい」
耳は、音を聞くための聴覚器官であり、なおかつ体のバランスを保つための平衡器官でもあります。めまいは耳の中でも聴覚や平衡感覚をつかさどる「内耳」という部分と関係が深いです。内耳は、カタツムリのような形をした蝸牛という器官が聴覚をつかさどり、前庭(三半規管と耳石器)という器官が平衡感覚をつかさどっています。
三半規管の内側は、リンパ液で満たされており、体や頭の動きによりリンパ液に流れが生じて前庭神経がそれを察知して脳幹に伝えます。
また、三半規管の根元には耳石器という器官があり、水平・垂直方向の動きと速さ、体の傾きといった動きを感知しています。こうした情報が脳に届けられてすばやく目や耳や手足が反応することで体のバランスが保たれているのです。
しかしこういった一連のネットワークが障害されると「末梢性めまい」として感じられます。たとえば、疲労やストレスにより交感神経が過亢進して三半規管に栄養を送っている血管が収縮すると三半規管の働きは弱くなり、誤った情報が小脳に送られめまいを感じます。
また、何らかの原因でリンパ液が必要以上に生産されたり、ウィルス感染などにより内耳炎や前庭神経炎などが起こった場合にもめまいを感じます。
「中枢性めまい」
めまいを生じさせるもう一つ大きな原因は小脳の働きの低下です。
内耳などの知覚器官から集められた情報は、脳幹を経て小脳に伝えられます。脳幹は、運動神経や感覚神経の通り道で生命を維持するための神経が集中している器官で小脳は、知覚器官から得た情報を統合し、体のバランスを保つために全身に指示を出す役割をしています。こういった過程が障害されると「中枢性めまい」症状を呈します。
小脳働きが悪くなる主な原因は、脳の血流不足といわれています。ストレス・体調不良や動脈硬化などによって脳に栄養を送っている血管が収縮すると、血流が一時的に悪くなり、小脳の働きが低下してしまいます。
また、脳梗塞や脳出血、脳腫瘍で脳の働きが障害されてめまいの症状が現れる場合があります。こういった場合は、早急に病院で受診する必要があります。
内耳の障害でめまいや耳鳴り、難聴などが起きると同時に吐き気や嘔吐、動悸や冷や汗などの自律神経症状を多く呈します。また反対に自律神経失調症の症状の一つとしてめまいや耳鳴り、難聴などが現れる場合も多くあります。
それは、内耳と自律神経との関係が非常に密接であるとのことのあらわれであり、実際に日常生活で一番よく起こるめまいの原因は自律神経の乱れと考えられています。
自律神経とは、血管、リンパ腺、内臓などに分布しており無意識のうちに循環器系・呼吸器系・消化器系の身体機能を調節して自分の意志とは無関係に作用します。環境や状況に適応して生命活動の維持や調節を行い、絶えず活動している神経です。
自律神経は交感神経と副交感神経から成り立っており、互いに絶妙なバランスをとって協力し合っています。自律神経は過剰なストレスによりバランスを崩しやすく、特に交感神経が過亢進してしまいます。
交感神経の過亢進は身体に様々な影響を与えます。内耳に影響がでた場合は、内耳の血流低下・免疫低下によるウィルス活動の活発化・炎症性疾患・内耳のむくみなどがみられて、めまいや耳鳴り、難聴、メニエール病、内耳炎などの症状としてあらわれやすくなります。
清水大地
資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好医院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院
腱鞘炎の鍼灸治療はWHO(世界保健機構)に適応疾患とされています。
手の使い過ぎなどによる腱消炎は、ドゥケルバン病が疑われます。
当院のドゥケルバン病に対する施術は、第一に手首付近のツボにはりやお灸の刺激をすることにより炎症を早く抑える効果を促します。
また、痛みの強い部位に鍼をさして微電流を流すことにより気血の流れをスムーズにして鎮痛効果を促します。
特に手首親指側を通る「肺経」や「大腸経」で気血が滞っている場合が多いので「肺経」や「大腸経」に関するツボを用いてそれらを解消するよう促します。
東洋医学の診断方法に基づき全身の調整治療も行っていきます。ドゥケルバン病は全身性の疲労や気血の滞りが原因の場合もあるので手首だけの部分的な治療ではなく全身を診て治療していきます。
ドゥケルバン病を患っている方は、長時間のパソコン作業などにより自律神経の乱れも伴ってる方が少なくありません。そこで当院では、自律神経測定器を用いてその時の自律神経の状態を把握した上で施術することで他にはない効果が期待できます。また首肩の筋緊張(頚椎症について)や頸部ヘルニアによっても手の痺れを感じる場合もあるので触診して硬さなどがみられる場合は首肩部分も併せて施術していく場合もあります。
当院の施術により、手首の症状はもちろんのこと全身の施術効果も期待できます。
40代 女性 右手首の痛み
◇症状◇
この方は日中はパートでパソコンを使う事務作業をして、お子さんも二人いるため家事なども忙しかった。仕事でのパソコン作業の時に手首親指側に違和感を感じることが多かった。気にせずに過ごしていると、包丁で野菜を切っているときに手首の痛みが違和感から痛みに感じるようになり、当院に来院されました。
仕事や家事で多忙な日々を過ごしており、体の疲れも相当溜まっていた。
◇当院の治療◇
肉体的にも精神的にも疲労がたまっていると問診時に感じたため、自律神経測定器で自律神経の状態を計測しました。夕方の時間に計測したところ交感神経が過緊張状態で副交感神経の活動が低い状態でした。まずは、全身のリラックス治療により交感神経の活動を抑え、副交感神経を高める施術をして手首の治療に入りました。パソコン作業や家事で重い物を持つせいか首肩の筋の緊張も強い状態でしたので、首肩から上腕・手首にかけて集中的に鍼灸施術をし、さらに手技療法で緊張の強い部分をほぐしました。
◇治療経過◇
・1回目
仕事や家事での手首の痛みは少し軽減した。治療後体の疲れが出てよく眠ることができた
・2~5回目
パソコン作業での痛みはだいぶなくなってきた。包丁もまだ痛むがしっかり握れて切れるようになってきた。体全体が軽くなってきた。
・6~7回目
痛みから違和感にかわり、日常生活では、無理なく過ごせるようになってきた。
・8~9回目
仕事で長時間パソコン作業をすると少し手首に違和感を感じるが休むと比較的早く回復できるようになった
50代女性
◇症状◇
仕事を辞めて起業をしたところ、以前にもまして忙しくなり、パソコンのキーボードをうつ回数が増えていた。寝る暇もなく一日中キーボードを打ち続けていることもあり、それから徐々に左手の親指に痛みが出るようになってきた。最初は、痛みを我慢して何とか仕事ができていたが、仕事を続けていたらキーボードをうつ度に痛みが走りどうしようもなくなって整形外科を受診したところ腱鞘炎と診断された。湿布薬を処方してもらい貼りながら仕事をしていたが、なかなか軽減しなかったので友人からの紹介で当院にご来院された。
◇治療◇
パソコン作業のせいか首肩の筋肉も凝り固まっている状態だったので首肩の治療も行っていきました。首肩の筋肉が緩んだところで肘周りから手首に伸びている筋肉を緩めて痛みの強く出ている部分にも鍼灸施術を行っていきました。
◇治療経過◇
・1回目
治療後、首肩が楽になり手首・親指も痛みが軽減された。
・2回目
仕事中は夢中になって親指の痛みも忘れることもある。以前は痛みで仕事に集中できなかった
・3回目
仕事が忙しく、少し期間が空いて来院された。痛みが少し以前のように戻ってしまっていた
・4回目
前回治療後、痛みが楽になり仕事中も気にならなくなった
・5回目
痛みがだいぶ落ち着いてきた。以前はペットボトルの蓋が痛みで回せなかったが回せるようになった。5回目以降も疲れが溜まるとご来院していただいている。
症例③
30代 男性
以前は外回りであったりとかデスクワークの仕事以外がメインだったが、ここ数ヶ月はリモートワークが増えてきて在宅でデスクワークする時間が増えてきた。慣れないタイピングやマウスでの作業で首肩コリや腕の痛みを感じていたが、それよりも手首の痛みを強く感じるようになってきた
段々と右手首の親指まわりの痛みが強くなってきてしまい、タイピングなど手首を動かすと痛みが強く出てしまい仕事にならなくなってしまった。
整形外科で腱鞘炎と診断。注射や薬で対処していくらか軽快したが、まだ痛みが出ているため鍼灸治療を受けに当院にご来院されました。
◇治療◇
痛み止めの薬と併用して鍼灸治療を受けて頂きました。まずはうつぶせ首肩や肩甲骨周りの筋緊張状態を緩めてから次に仰向けとなり上肢の筋緊張の緩和、右手親指周りを中心に施術を行っていきました。
経穴でいいますと、陽池と合谷、外関と手三里をパルスで結んで鍼通電治療を行っていきました。
◇経過◇
合計6回の施術で、最初の2回はあまり治療後の変化がみられませんでしたが、3回目は痛みの程度が6割程度まで半減。治療の間はなるべく右手に負担をかけないように、趣味の筋トレでダンベルトレーニングをしていたとのことですがそれも期間中は休んでいただきました。
治療回数を重ねるごとに痛みの程度が減少。5回目を終えた時点で1~2割の痛みの程度。違和感程度になってきたのであとは手首に負担のかかる動作の指導ともしも痛みが出たら休んでアイシングをしてもらうように指導をして施術を終了しました。
ドゥケルバン病とは、手首親指側(長母指外転筋腱・短母指伸筋腱)の狭窄性腱鞘炎で、手の使い過ぎなど様々な原因により手指特に手首の親指側に痛みを感じる疾患です。
長母指外転筋・短母指伸筋・長母指伸筋は、親指を伸ばす運動さらに親指を外側に反る運動を行います。親指を強く伸ばすと、手首の表側にくぼみが見られ、その小指側の壁は長母指伸筋の腱、親指側を短母指伸筋の腱によりつくられます。
長母指外転筋
前腕の中間ほどから出て親指につく筋肉です。主な働きは親指を外側に向ける働きと手首を親指側に曲げる働きがあります。親指を伸ばすと手首に筋張った腱が二つ確認できますが長母指外転筋の腱はそのうちの一つです。
長・短母指伸筋
長・短母指伸筋も前腕の中間から出て親指につく筋肉です。長母指伸筋は、親指を伸ばし、外側に向ける働きのある筋肉です。短母指伸筋は長母指伸筋の働きを助ける働きがあります。この二つの筋肉の腱も長母指外転筋の腱と同じように親指を伸ばした時に手首に筋張った腱を形成する一つです。
腱鞘とは、腱を包んでいる滑液包のことで、なかには無色透明で粘着性のある滑液という物質が入っており、腱の動きをスムーズにさせる働きがあります。
ドゥケルバン病はこの腱鞘の部分が使い過ぎなどの何らかの原因で炎症を起こしたり、肥厚するなどして、腱が腱鞘内をスムーズに通過出来なくなった状態をいいます。
症状として、
痛み
・主に手指とくに親指を使う動作をした際に手首の親指側の痛みや手関節親指側の腫れ・圧痛などがあります。その他手指の痺れを感じる場合は手根管症候群も併発している場合もあります。
(手根管症候群について詳しくはこちら)
機能障害
・親指にしびれを感じたり、親指の動きが悪くなる場合もあります。
ドゥケルバン病を見分ける簡単な診断法として親指を他の指4本で覆うように握らせた状態で手首を小指側に曲げるとかなりの激しい疼痛が誘発されるものは、ドゥケルバン病が疑われます。(フィンケルスタイインテスト)
清水大地
資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院